JP2002286693A - ガス検出装置 - Google Patents

ガス検出装置

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JP2002286693A
JP2002286693A JP2001082852A JP2001082852A JP2002286693A JP 2002286693 A JP2002286693 A JP 2002286693A JP 2001082852 A JP2001082852 A JP 2001082852A JP 2001082852 A JP2001082852 A JP 2001082852A JP 2002286693 A JP2002286693 A JP 2002286693A
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gas
oxygen
electrodes
solid electrolyte
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JP2001082852A
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Hiroo Imamura
弘男 今村
Keigo Mizutani
圭吾 水谷
Akio Tanaka
章夫 田中
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力で、電気的ノイズの影響が小さく、高
い検出精度を実現できるガス検出装置を得る。 【解決手段】 酸素ポンプセル2の一対の電極21、2
2に電圧を印加して第1内部空間51内の酸素を排気
し、所定の低酸素濃度に制御された排気ガスを第2内部
空間52に導入する。第2内部空間52に第1電極3
1、41が、第3内部空間7に第2電極32、42が面
する2組のNOxセンサセル3、4を設けて、逆向きに
電圧を印加すると、第1NOxセンサセル3が第2内部
空間52のNOxを分解して、生成する酸素を第3内部
空間7へ排出する。排出された酸素は第2NOxセンサ
セル4により第2内部空間52へ循環される。このよう
にして電流計81、82で測定される第1、第2NOx
センサセル3、4のセンサセル電流値Is1、Is2を
増幅することができ、これを加算することで高出力が得
られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定ガス中の特
定ガス成分濃度を測定するガス検出装置に関し、、特
に、自動車用内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物を検出
するのに適したガス検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車等のエンジンの排気ガスを原因と
する大気汚染は、現代社会において深刻な問題となって
いる。これを受けて、排気ガス中の有害物質に対する排
気規制が年々厳しくなっており、ガソリン、ディーゼル
エンジンの燃焼制御や触媒装置の設置によって、排気ガ
ス中の有害物質を低減することが進められている。この
ような背景から、排気ガス中の有害物質、例えば窒素酸
化物(NOx)濃度を直接検出することが検討されてい
る。NOx濃度を直接しかも精度よく検出可能なガス検
出装置が実用化できれば、その検出結果を燃焼制御や触
媒装置の作動にフィードバックさせることによって、よ
り正確で効果的な浄化を行うことができる。
【0003】NOx検出装置の従来技術として、図8に
示すような限界電流式2セル型の装置が知られている。
図中、NOx検出装置は、酸素イオン導電性固体電解質
体Aと一対の電極21、22からなる酸素ポンプセル2
と、酸素イオン導電性固体電解質体Bと一対の電極3
1、32からなるセンサセル3を有し、NOxを含むエ
ンジンの排気ガスは、ピンホール11を通過して第内部
空間51へ導入される。酸素ポンプセル2の一対の電極
21、22に電圧を印加すると、第1内部空間51内の
酸素がポンピングされて外部へ排出される。ピンホール
11および電極21表面は、多孔質拡散層13で覆われ
ている。
【0004】NOx検出に影響がない程度の低酸素濃度
に制御されたガスは、連通孔53を通過して第2内部空
間52に導入される。第2内部空間52に面するセンサ
セル3の電極31はNOxに活性な電極で形成されてお
り、センサセル3の一対の電極31、32に電圧を印加
すると、電極31上でNOxの分解反応が起きる。この
反応により生成される酸素イオンが、電極32側の大気
通路9へ排出されることにより、NOx濃度に対応した
酸素イオン電流が流れる。従って、センサセル電流値I
sを測定することにより、NOx濃度の検出が可能とな
る。なお、図中、6はヒータ、12、14は、それぞれ
内部空間5または大気通路9を形成するためのスペーサ
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造のガス検出装置は、センサセル電流値IsがμA
オーダーであるため、電気的ノイズの影響を受けやす
く、検出精度が悪化するという問題が生じている。
【0006】そこで、本発明は、センサセル電流値を増
幅することにより、電気的ノイズの影響を小さくし、高
い検出精度を実現できるガス検出装置構造を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の発明
は、被測定ガス中の特定ガス成分を還元分解して、その
際に発生する酸素量を測定することにより、上記特定ガ
ス成分濃度を求めるガス検出装置であって、外部の被測
定ガス存在空間に連通する第1内部空間と、上記被測定
ガス存在空間から、上記特定ガス成分を含む被測定ガス
を、所定の拡散抵抗の下に上記第1内部空間に導く第1
の拡散抵抗手段と、酸素イオン導電性の固体電解質体と
これに接する一対の電極を有し、該一対の電極のうち一
方の電極が上記第1内部空間に露出するように形成し
て、上記一対の電極への通電により上記第1内部空間の
酸素濃度を所定の低濃度に制御する酸素ポンプ手段と、
上記第1内部空間に連通する第2内部空間と、上記第1
内部空間内の制御された雰囲気を、所定の拡散抵抗の下
に上記第2内部空間に導く第2の拡散抵抗手段と、酸素
イオン導電性の固体電解質体とこれに接する一対の電極
を有し、該一対の電極のうち一方の電極が上記第2内部
空間に露出するように形成した、同一構成の2組のセン
サ手段とを有している。また、上記2組のセンサ手段の
上記一対の電極間に、流れる電流が互いに逆の向きにな
るように所定の電圧を印加した時に、上記2組のセンサ
手段の上記一対の電極間に流れる電流を検出する電流検
出手段を有しており、上記電流検出手段で検出される電
流値から、被測定ガス中の上記特定ガス成分濃度を測定
するものである。
【0008】上記構成において、上記2組のセンサ手段
に、その一対の電極間を流れる酸素イオン電流の向きが
逆になるように電圧を印加すると、2組のうちの一方の
センサ手段では、上記一方の電極上で上記第2内部空間
内に存在する特定ガス成分が分解し、生成した酸素イオ
ンが他方の電極側へ排出される。この時に流れる酸素イ
オン電流は、上記特定ガス成分濃度に対応する。さら
に、2組のうちの他方のセンサ手段を、上記他方の電極
が、上記一方のセンサ手段によって排気された酸素に晒
されるように配置すると、排気された酸素イオンが再び
上記第2内部空間側へ移動し、同様に、上記特定ガス成
分濃度に応じた酸素イオン電流が流れる。
【0009】このように、上記2組のセンサ手段によっ
て、特定ガス成分の分解により生成する酸素を循環させ
て、センサセル電流値を増幅することができる。また、
上記2組のセンサ手段には、それぞれ上記特定ガス成分
濃度に対応する電流が流れるので、この電流値を上記電
流検出手段でそれぞれ検出すれば、2倍の出力が得られ
る。よって、電気的ノイズの影響を小さくして、高い検
出精度を実現することができる。
【0010】具体的には、請求項2のように、上記2組
のセンサ手段を構成する共通の酸素イオン導電性の固体
電解質体を設け、該固体電解質体を挟んで上記第2内部
空間と反対側に位置する第3内部空間を有する構成とす
ることができる。この時、上記2組のセンサ手段の上記
一対の電極のうち他方の電極を、それぞれ上記第3内部
空間に露出するように形成すると、上記2組のセンサ手
段により、特定ガス成分の分解により生成する酸素を、
上記第2内部空間と上記第3内部空間の間で循環させる
ことができる。
【0011】請求項3のように、上記第3内部空間を、
上記共通の酸素イオン導電性の固体電解質体に接して配
設された多孔質セラミック体にて形成することもでき
る。この時、上記2組のセンサ手段の一方によって上記
第3内部空間に到達した酸素は、多孔質セラミック体内
を拡散して他方のセンサ手段に達する。このようにする
と、上記第3内部空間内の酸素濃度の変動を小さくする
ことができる。
【0012】あるいは、請求項4のように、上記2組の
センサ手段を構成する共通の酸素イオン導電性の固体電
解質体を設け、該固体電解質体の上記第2内部空間側の
表面に、上記2組のセンサ手段の上記一方の電極をそれ
ぞれ別体で形成するとともに、上記固体電解質体の上記
第2内部空間と反対側の表面に、上記2組のセンサ手段
の他方の電極を一体に形成した構成とすることもでき
る。このように、上記2組のセンサ手段の他方の電極を
共通に設けることで、構成を簡略化でき、上記他方の電
極として多孔質電極を用いれば、請求項2、3の第3内
部空間を省略することができ、構成をより簡略化でき
る。
【0013】請求項5のように、具体的には、上記2組
のセンサ手段のうち、一方は上記第2内部空間内の上記
特定ガス成分を還元分解して、その際に発生する酸素
を、上記第2内部空間に露出する上記一方の電極から他
方の電極側へ排出する。他方は上記他方の電極側へ排出
された酸素を上記一方の電極側へ再び排出するものであ
る。このようにして、上記2組のセンサ手段内を酸素が
循環し、増幅された出力を得ることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
について図1〜図5を用いて説明する。図3は本発明の
ガス検出装置の全体断面図で、被測定ガス中の特定ガス
成分、例えば、エンジンの排気ガス中のNOxを検出す
るために用いられる。図1において、筒状ハウジングH
内には、絶縁材に外周を保持せしめてガスセンサ素子1
が収容されている。該ガスセンサ素子1は細長い平板状
で、その先端部(図の下端部)は、ハウジングHより突
出して図の下方に延び、ハウジングHの下端に固定され
る容器状の排気カバーH1内に位置している。排気カバ
ーH1は、ステンレス製の内部カバーH11と外部カバ
ーH12の二重構造となっており、これらカバーH1
1、H12の側壁と底壁には、被測定ガスである排気ガ
スを排気カバーH1内に取り込むための排気口H13、
H14がそれぞれ形成してある。
【0015】ハウジングHの上端には、筒状のメインカ
バーH21とその後端部を被うサブカバーH22とから
なる大気カバーH2が固定されている。これらメインカ
バーH21およびサブカバーH22は、その側壁の対向
位置に大気口H23、H24をそれぞれ有している。ま
た、大気口H23、H24の形成部位において、メイン
カバーH21とサブカバーH22の間に、防水のために
撥水性のフィルタH25が設置してある。大気カバーH
2は上端が開口しており、ガスセンサ素子1の後端部に
接続するリード線H3の他端が、この上端開口より外部
に延びている。
【0016】図1、2は、ガスセンサ素子1の先端部の
模式的断面図および展開図である。ガスセンサ素子1
は、この先端部が、被測定ガス存在空間(図3の排気カ
バーH1内空間)に位置するように取付けられている。
図1において、ガスセンサ素子1は、酸素ポンプ手段で
ある酸素ポンプセル2と、2組のセンサ手段であるNO
xセンサセル3、4とを有し、酸素ポンプセル2を構成
するためのシート状の固体電解質体Aと、内部空間5を
形成するためのシート状のスペーサ12と、2組のNO
xセンサセル3、4を構成するためのシート状の固体電
解質体Bと、第3内部空間7を形成するためのシート状
のスペーサ14と、これらを加熱するためのヒータ6と
を積層して構成される。
【0017】内部空間5には、ガスセンサ素子1の先端
部が位置する被測定ガス存在空間から被測定ガスである
排気ガスが導入される。内部空間5は、ガスセンサ素子
1の先端側(図の左側)から順に、第1内部空間51と
第2内部空間52に区画されており、これら第1、第2
内部空間51、52は、第2の拡散抵抗手段となる連通
孔53によって連通している。第1、第2内部空間5
1、52と、連通孔53は、図2に示すように、固体電
解質体A、B間に位置するスペーサ12に設けた抜き穴
にて形成されており、ここでは連通孔53に多孔性材料
を充填して所定の拡散抵抗に調整している。
【0018】酸素ポンプセル2は、被測定ガス存在空間
と第1内部空間51の間に設置されて、内部空間5内に
酸素を導入し、あるいは内部空間5から酸素を排出して
内部空間5内の酸素濃度を調整する。酸素ポンプセル2
は、固体電解質体Aと、固体電解質体Aを挟むように対
向配置された一対の電極21、22とからなり、一対の
電極21、22のうち、第1電極21は、被測定ガス存
在空間に面するように固体電解質体Aの上面に接して設
けられ、第2電極22は、第1内部空間51に面するよ
うに固体電解質体Aの下面に接して設けられる。
【0019】第1内部空間51は、固体電解質体Aを貫
通して設けたピンホール11を介して、被測定ガス存在
空間である排気カバーH1内空間と連通している。固体
電解質体Aの被測定ガス存在空間側の表面には、ピンホ
ール11および酸素ポンプセル2の電極21を被覆する
ように多孔質拡散層13が形成してある。ピンホール1
1と多孔質拡散層13は、第1の拡散抵抗手段として機
能し、内部空間52に導入される被測定ガスの拡散速度
が所定の速度となるように、ピンホール11の大きさや
多孔質拡散層13の気孔率等が設定されている。また、
多孔質拡散層13で被覆することによって電極の被毒や
ピンホール11の目詰まりが防止される。
【0020】第3内部空間7は、固体電解質体Bを挟ん
で第2内部空間52と対向する位置に形成される。第3
内部空間7は、閉空間で、固体電解質体Bの下方に積層
したスペーサ14に設けた抜き穴(図2)にて形成され
る。なお、内部空間5、内部空間7を構成するスペーサ
12、14はアルミナ等の絶縁材料よりなり、酸素ポン
プセル2、酸素モニタセル3、センサセル4を構成する
ための固体電解質体A、Bは、ジルコニアやセリア等の
酸素イオン導電性を有する固体電解質からなる。
【0021】本発明の特徴は、被測定ガス中の特定ガス
であるNOx濃度を検出する2組のNOxセンサセル
3、4を設けたことにある。2組のNOxセンサセル
3、4は、いずれも第2内部空間52と第3内部空間7
の間に設置される。第1NOxセンサセル3は、固体電
解質体Bと、固体電解質体Bを挟むように対向配置され
た一対の電極31、32とからなり、第2NOxセンサ
セル4は、固体電解質体Bと、固体電解質体Bを挟むよ
うに対向配置された一対の電極41、42とからなる。
第1、第2NOxセンサセル3、4の一対の電極のう
ち、第1電極31、41は、内部空間5のガス流れの下
流側に位置する第2内部空間52に面するように、固体
電解質体Bの上面に接して設けられ、第2電極32、4
2は、第3内部空間7に面するように固体電解質体Bの
下面に接して設けられている。NOxセンサセル3、4
を流れる電流値は、電流検出手段である電流計81、8
2にて、検出される。
【0022】ここで、第1NOxセンサセル3の第1電
極31は、NOxの分解活性の高い電極であり、例え
ば、Rh、Pt−Rh等の貴金属電極からなる。第1N
Oxセンサセル3の第2電極32と、第2NOxセンサ
セル3の第1、第2電極31、32、および酸素ポンプ
セル2の第1電極21には、例えば、Pt等の貴金属か
らなる電極が好適に使用される。また、酸素ポンプセル
2の第2電極22には、第1内部空間51内におけるN
Oxの分解を抑制するために、NOxに不活性なPt−
Au等の貴金属からなる電極が好適に使用される。各電
極は、アルミナ、ジルコニア等のサーメットとしてもよ
い。
【0023】図2に示すように、これらセル2、3、4
の各電極21、22、31、32、41、42には、各
電極から電気信号を取り出すためのリード21a、22
a、31a、32a、41a、42aが一体に形成され
ている。また、固体電解質体A、Bの上下表面には、電
極21、22、31、32、41、42の形成部位以
外、特にリード形成部位において、固体電解質体A、B
とリードの間に介在するようにアルミナ等の絶縁層(図
略)を形成しておくことが好ましい。
【0024】ヒータ6は、アルミナ等からなる絶縁層6
1、63の間に、通電により発熱するヒータ電極62を
埋設してなる。ヒータ電極62は、例えば、Ptとアル
ミナ等のセラミックスとのサーメットにて形成される。
ヒータ6は、第1、第2NOxセンサセル3、4を活性
状態にするためのもので、外部からの給電により熱エネ
ルギーを発生する。
【0025】なお、固体電解質体A、B、スペーサ1
2、14、絶縁層61、63は、ドクターブレード法や
押出成形法等により、シート形状に成形される。ヒータ
電極62と各電極21、22、31、32、41、4
2、リード21a、22a、31a、32a、41a、
42aは、スクリーン印刷等により各シートに形成さ
れ、これら電極およびリードを形成した各シートを順に
積層、焼成して一体化することにより、ガスセンサ素子
1が形成される。
【0026】次に、上記構成のガスセンサ素子1の動作
原理を説明する。図1において、被測定ガスである排気
ガスは、多孔質拡散層13、ピンホール11を通過して
第1内部空間51に導入される。導入されるガス量は、
多孔質拡散層13、ピンホール11の拡散抵抗により決
定される。なお、被測定ガス中には、酸素(O2 )、窒
素酸化物(NOx)、二酸化炭素(CO2 )、水(H2
O)等のガス成分が含まれる。
【0027】ここで、酸素ポンプセル2の一対の電極2
1、22に、被測定ガス存在空間側の第1電極21が+
極となるように電圧を印加すると、第1内部空間51側
の第2電極22上で被測定ガス中の酸素が酸素イオンと
なり、ポンピング作用により第1電極21側へ排出され
る。上述したように、第1内部空間51側の第2電極2
2は、NOx不活性電極(Pt−Au)で形成されてい
るので、被測定ガス中の酸素のみが酸素ポンプセル2に
よって分解されて被測定ガス存在空間へ排出される。
【0028】酸素ポンプセル2の制御方法を、図4の電
圧−電流特性を用いて説明する。図中、横軸のVpは酸
素ポンプセル印加電圧を示し、縦軸のIpは酸素ポンプ
セル電流Ipを示す。図4のように、酸素ポンプセル2
は、酸素濃度に応じた限界電流特性を有する。限界電流
検出域は、Vp軸に対し平行な直線部分からなり、その
領域は酸素濃度が高いほど正電圧側にシフトする。この
ため、酸素ポンプセル2の印加電圧が一定であると、上
記限界電流域を利用した正確な酸素ポンプができない。
そこで、図4の酸素ポンプセル印加電圧と酸素ポンプセ
ル電流の関係から、酸素濃度に応じた電圧(Vo)を印
加することにより第1内部空間51内の酸素濃度を所定
の低濃度に制御できる。
【0029】このようにして所定の低濃度に制御された
被測定ガスは、さらに、拡散抵抗手段である連通孔53
を介して、第1内部空間51から第2内部空間52に導
入される。
【0030】第1NOxセンサセル3は、第2内部空間
52に導入された被測定ガス中のNOxを分解して、N
Ox濃度に応じた酸素イオン電流を生じる。すなわち、
第2内部空間52の第1電極31が−極、第3内部空間
7の第2電極32が+極となるように一定電圧を印加す
ると、第1電極31はNOxの分解に活性なPt−Rh
電極であるため、第1電極31上でNOxが分解して酸
素イオンとなり、ポンピング作用により第2電極32側
へ排出される。この時に流れる酸素イオン電流値Is1
は、被測定ガス中のNOx濃度に対応する。
【0031】一方、閉空間である第3内部空間7の酸素
は、第1NOxセンサセル3によりNOxを分解して生
じた酸素であり、第3内部空間7の酸素濃度は、被測定
ガス中のNOx濃度に対応する。そこで、第2NOxセ
ンサセル4に、第1NOxセンサセル3と逆向きの電流
を流して、第3内部空間7の酸素を第2内部空間52に
循環させる。すなわち、第2内部空間52の第1電極3
1が+極、第3内部空間7の第2電極33が−極となる
ように一定電圧を印加すると、第3内部空間7の酸素が
第2内部空間52へ排出される。この時に流れる酸素イ
オン電流値Is2も、被測定ガス中のNOx濃度に対応
する。
【0032】第3内部空間7から第2内部空間52へ排
出された酸素は、再び第1NOxセンサセル3により第
3内部空間7へ排出される。このように、NOxの分解
により生じた酸素イオンを2組のNOxセンサセル3、
4を用いて、2つの内部空間52、7間を循環させるこ
とにより、センサセル電流を増幅することができる。さ
らに、第1NOxセンサセル3と第2NOxセンサセル
4で、それぞれNOx濃度に応じたセンサセル電流を測
定することができるので、電流計81、82で測定され
る第1NOxセンサセル3の酸素イオン電流値Is1と
第2NOxセンサセル4の酸素イオン電流値Is2を加
算することで、2倍の出力を得ることができる。
【0033】図5(a)は、上記構成のガスセンサ素子
1を用いてNOxを測定した結果である。また、図5
(b)に、上記図8の従来構成のガスセンサ素子を用い
た場合の結果を示す。図を比較して明らかなように、図
5(b)の従来構成では、0〜1000ppmのNOx
に対応する出力が約0.5〜3.5μAであるのに対
し、図5(a)の本発明の構成では、約10倍の約5〜
35μAの出力が得られることが分かる。
【0034】なお、上記第1の実施の形態では、内部空
間5内の酸素濃度の制御方法として、上記図4の関係か
らポンプセル電圧を制御するマップ方式を採用したが、
その他、例えば、第1内部空間51内の酸素濃度を測定
する酸素モニタセルを設けて、起電力が一定となるよう
にポンプセル電圧を制御する起電力フィードバック方式
や、酸素モニタセルに一定電圧を印加し、酸素モニタセ
ルの電流値が一定となるようにポンプセル電圧を制御す
る電流フィードバック方式を採用することもできる。
【0035】図6に本発明の第2の実施の形態を示す。
本実施の形態の基本構成は、上記第1の実施の形態と同
様であり、第3の内部空間71を、スペーサの抜き穴で
形成する代わりに、同位置に配設される多孔質セラミッ
ク体にて形成した点で異なっている。このようにする
と、第1NOxセンサセル3により第3の内部空間71
側へ排出された酸素が、多孔質セラミック体内を拡散し
て第2NOxセンサセル3に達するので、第2電極3
2、42近傍の酸素濃度7の変動を小さくして、安定し
た出力を得ることができる。
【0036】図7に本発明の第3の実施の形態を示す。
本実施の形態では、第1NOxセンサセル3の第2電極
と、第2NOxセンサセル4の第2電極を一体化して、
共通の第2電極8として構成を簡略化している。さら
に、この共通の第2電極8を多孔質電極とすると、図の
ように、第3の内部空間7を省略することができ、構成
をより簡略化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態におけるガスセンサ素子の先
端部の模式的断面図である。
【図2】図1の分解展開図である。
【図3】第1の実施の形態におけるガス検出装置の全体
断面図である。
【図4】第1の実施の形態における酸素ポンプセルの電
圧−電流特性を示す図である。
【図5】(a)は、第1の実施の形態のガスセンサ素子
のNOx検出特性を示す図、(b)は従来のガスセンサ
素子のNOx検出特性を示す図である。
【図6】第2の実施の形態におけるガスセンサ素子の先
端部の模式的断面図である。
【図7】第3の実施の形態におけるガスセンサ素子の先
端部の模式的断面図である。
【図8】従来のガス検出装置の主要部の模式的断面図で
ある。
【符号の説明】
A、B 固体電解質体 1 ガスセンサ素子 11 ピンホール(第1の拡散抵抗手段) 13 多孔質拡散層(第1の拡散抵抗手段) 2 酸素ポンプセル(酸素ポンプ手段) 21 第1電極(一対の電極) 22 第2電極(一対の電極) 3 第1NOxセンサセル(センサ手段) 31 第1電極(一対の電極) 32 第2電極(一対の電極) 4 第2NOxセンサセル(センサ手段) 41 第1電極(一対の電極) 42 第2電極(一対の電極) 5、6 固体電解質体 5 内部空間 51 第1内部空間 52 第2内部空間 53 連通孔(第2の拡散抵抗手段) 6 ヒータ 61、63 絶縁層 62 ヒータ電極 7 第3内部空間 81、82 電流計(電流検出手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水谷 圭吾 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 田中 章夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定ガス中の特定ガス成分を還元分解
    して、その際に発生する酸素量を測定することにより、
    上記特定ガス成分濃度を求めるガス検出装置であって、 外部の被測定ガス存在空間に連通する第1内部空間と、 上記被測定ガス存在空間から、上記特定ガス成分を含む
    被測定ガスを、所定の拡散抵抗の下に上記第1内部空間
    に導く第1の拡散抵抗手段と、 酸素イオン導電性の固体電解質体とこれに接する一対の
    電極を有し、該一対の電極のうち一方の電極が上記第1
    内部空間に露出するように形成して、上記一対の電極へ
    の通電により上記第1内部空間の酸素濃度を所定の低濃
    度に制御する酸素ポンプ手段と、 上記第1内部空間に連通する第2内部空間と、 上記第1内部空間内の制御された雰囲気を、所定の拡散
    抵抗の下に上記第2内部空間に導く第2の拡散抵抗手段
    と、 酸素イオン導電性の固体電解質体とこれに接する一対の
    電極を有し、該一対の電極のうち一方の電極が上記第2
    内部空間に露出するように形成した、同一構成の2組の
    センサ手段と、 上記2組のセンサ手段の上記一対の電極間に、流れる電
    流が互いに逆の向きになるように所定の電圧を印加した
    時に、上記2組のセンサ手段の上記一対の電極間に流れ
    る電流を検出する電流検出手段を設けて、 上記電流検出手段で検出される電流値から、被測定ガス
    中の上記特定ガス成分濃度を測定することを特徴とする
    ガス検出装置。
  2. 【請求項2】 上記2組のセンサ手段を構成する共通の
    酸素イオン導電性の固体電解質体を設け、該固体電解質
    体を挟んで上記第2内部空間と反対側に位置する第3内
    部空間を設けるとともに、上記2組のセンサ手段の上記
    一対の電極のうち他方の電極を、それぞれ上記第3内部
    空間に露出するように形成した請求項1記載のガス検出
    装置。
  3. 【請求項3】 上記第3内部空間が、上記共通の酸素イ
    オン導電性の固体電解質体に接して配設された多孔質セ
    ラミック体にて形成される請求項2記載のガス検出装
    置。
  4. 【請求項4】 上記2組のセンサ手段を構成する共通の
    酸素イオン導電性の固体電解質体を設け、該固体電解質
    体の上記第2内部空間側の表面に、上記2組のセンサ手
    段の上記一方の電極をそれぞれ別体で形成するととも
    に、上記固体電解質体の上記第2内部空間と反対側の表
    面に、上記2組のセンサ手段の他方の電極を一体に形成
    した請求項1記載のガス検出装置。
  5. 【請求項5】 上記2組のセンサ手段のうち、一方が上
    記第2内部空間内の上記特定ガス成分を還元分解して、
    その際に発生する酸素を、上記第2内部空間に露出する
    上記一方の電極から他方の電極側へ排出するものであ
    り、他方が上記他方の電極側へ排出された酸素を上記一
    方の電極側へ再び排出するものである請求項1ないし4
    のいずれかに記載のガス検出装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010127938A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Robert Bosch Gmbh ガス混合気中のガス成分を確定するためのセンサ素子及びその方法並びにその適用方法
JP2018100961A (ja) * 2016-12-19 2018-06-28 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサ

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