JPH10227760A - ガスセンサ - Google Patents

ガスセンサ

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JPH10227760A
JPH10227760A JP9028174A JP2817497A JPH10227760A JP H10227760 A JPH10227760 A JP H10227760A JP 9028174 A JP9028174 A JP 9028174A JP 2817497 A JP2817497 A JP 2817497A JP H10227760 A JPH10227760 A JP H10227760A
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electrode
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gas sensor
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Nobuhide Kato
伸秀 加藤
Kunihiko Nakagaki
邦彦 中垣
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NGK Insulators Ltd
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    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
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    • G01N33/0009General constructional details of gas analysers, e.g. portable test equipment
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    • G01N33/0036Specially adapted to detect a particular component
    • G01N33/0037Specially adapted to detect a particular component for NOx
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/20Air quality improvement or preservation, e.g. vehicle emission control or emission reduction by using catalytic converters

Abstract

(57)【要約】 【課題】電極上でのNO+(1/2)O2 →NO2 の反
応を抑圧でき、被測定ガス中の例えばNOx濃度を、酸
素あるいはCO2 、H2 O等の影響を受けることなく、
長期間安定に測定可能にする。 【解決手段】被測定ガス中のNOx濃度を知るために、
第1の拡散律速部56を通じて被測定ガスが導かれる第
1室60と、その雰囲気が第2の拡散律速部60を通じ
て導かれる第2室62と、第1室60内の酸素分圧を制
御する主ポンプセル68と、第2室62内の酸素を汲み
出す測定用ポンプセル82と、測定用ポンプセル82の
作動により流れるポンプ電流Ip2を検出する電流検出
手段(電流計88を含む)を設けて構成する。そして、
第1室60内に露呈する内側ポンプ電極64を、Auと
白金族との合金とセラミック成分からなるサーメット電
極とし、かつ、前記合金中に含まれるAuの割合を0.
3wt%以上、35wt%以下にして構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両の排
出ガスや大気中に含まれるNO、NO2 、SO2、CO
2 、H2 O等のガス成分を測定するガスセンサに関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、ガソリン車やディーゼルエンジ
ン車等の車両から排出される排出ガス中には、一酸化窒
素(NO)、二酸化窒素(NO2 )等の窒素酸化物(N
Ox)や、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(C
2 )、水(H2 O)、炭化水素(HC)、水素
(H2 )、酸素(O2 )等が含まれている。この場合、
NOはNOx全体の約80%を占め、また、NOとNO
2 とでNOx全体の約95%を占めている。
【0003】このような排出ガス中に含まれるHC、C
O、NOxを浄化する三元触媒は、理論空燃比(A/F
=14.6)近傍で最大の浄化効率を示し、A/Fを1
6以上に制御した場合には、NOxの発生量は減るが、
触媒の浄化効率が低下し、結果的に、NOxの排出量が
増える傾向がある。
【0004】ところで、昨今、化石燃料の有効利用、地
球温暖化防止のためのCO2 の排出量の抑制等の市場要
求が増大しており、これに対応するために燃費を向上さ
せる必要性が高まりつつある。このような要求に対し
て、例えば、リーン・バーン・エンジンの研究や、NO
x浄化触媒の研究等が行われつつあり、その中でもNO
xセンサのニーズが高まっている。
【0005】従来、このようなNOxを検出するものと
して、NOx分析計がある。このNOx分析計は、化学
発光分析法を用いてNOx固有の特性を測定するもので
あるが、装置自体がきわめて大がかりであり、高価とな
る不都合がある。また、NOxを検出するための光学系
部品を用いているため、頻繁なメンテナンスが必要であ
る。更に、このNOx分析計は、NOxをサンプリング
して測定するものであり、検出素子自体を流体内に直接
挿入することができず、従って、自動車の排出ガス等の
ように、状況が頻繁に変動する過渡現象の解析には不向
きなものである。
【0006】そこで、これらの不具合を解消するものと
して、酸素イオン伝導性固体電解質からなる基体を用い
て排出ガス中の所望のガス成分を測定するようにしたセ
ンサが提案されている。
【0007】図11は、国際公開WO95/30146
号に開示されたガス分析装置の構成を示す。この装置
は、細孔2を介してNOを含む被測定ガスが導入される
第1室4と、細孔6を介して前記第1室4から被測定ガ
スが導入される第2室8とを備えている。前記第1室4
および前記第2室8を構成する壁面は、酸素イオンを透
過させることのできるジルコニア(ZrO2 )隔壁10
a、10bによって構成されている。第1室4および第
2室8の一方のZrO2 隔壁10aには、それぞれの室
内の酸素分圧を検出するための一対の測定電極12a、
12b、14a、14bが配設されている。また、他方
のZrO2 隔壁10bには、各室内のO2を室外に汲み
出すためのポンプ電極16a、16bおよび18a、1
8bが配設されている。
【0008】このように構成されたガス分析装置では、
細孔2を介して第1室4に導入された被測定ガスに含ま
れる酸素分圧が測定電極12a、12b間に生じる電位
差として電圧計20により検出され、前記電位差を所定
の値とすべく、ポンプ電極16a、16b間に電源22
により100〜200mVの電圧が印加され、これによ
って、第1室4内のO2 が当該装置外に汲み出される。
なお、この汲み出された酸素量は、電流計24によって
測定することができる。
【0009】一方、O2 の殆どが除去された被測定ガス
は、細孔6を介して第2室8に導入される。第2室8で
は、測定電極14a、14b間に生じる電位差を電圧計
26で検出することにより、当該室内の酸素分圧が測定
される。また、第2室8に導入された被測定ガス中に含
まれるNOは、ポンプ電極18a、18b間に電源28
によって印加された電圧により、 NO→(1/2)N2 +(1/2)O2 として分解され、そのとき発生するO2 が前記ポンプ電
極18a、18bによって室外に汲み出される。そのと
き発生する電流値を電流計30によって検出することに
より、被測定ガス中に含まれるNOの濃度が測定され
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、少なくとも
第1室4に設けられる電気化学的セルを用いた酸素ポン
プにおける内側のポンプ電極16bには、NOxを分解
する能力の低いAu、又はAuの含有率が1%と残部P
tからなる合金を使うことが望ましいとされている。
【0011】しかしながら、かかるAuのみ、あるいは
Auを含む合金電極は、耐熱性に劣り、長時間使用する
と、焼結により電極機能が低下し、酸素ポンプとして十
分に機能させることができなくなるおそれがある。
【0012】本発明は、かかる従来の窒素酸化物の測定
における欠点を解消すべくなされたものであって、その
解決すべき課題とするところは、主ポンプ手段における
電極上でのNO+(1/2)O2 →NO2 の反応を抑圧
でき、被測定ガス中の例えばNOx濃度を、酸素あるい
はCO2 、H2 O等の影響を受けることなく、かつ、長
時間安定に測定可能としたガスセンサを提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明に
係るガスセンサは、一方が、外部空間からの被測定ガス
の導入側に配設された一対のポンプ電極を有し、かつ、
前記外部空間から導入された被測定ガスに含まれる酸素
を、前記一対のポンプ電極間に印加される制御電圧に基
づいてポンピング処理して、処理雰囲気中の酸素分圧を
NOが分解され得ない所定の値に制御する主ポンプ手段
と、一方が、前記主ポンプ手段にてポンピング処理され
た後の被測定ガスの導入側に設けられた一対の検出電極
を有し、かつ、前記主ポンプ手段にてポンピング処理さ
れた後の被測定ガスに含まれる酸素を、前記一対の検出
電極間に印加される測定用電圧に基づいてポンピング処
理する測定用ポンプ手段と、前記測定用ポンプ手段によ
りポンピング処理される前記酸素の量に応じて生じるポ
ンプ電流を検出する電流検出手段とを具備し、前記外部
空間から導入された被測定ガスの処理空間に露呈する少
なくとも一つの電極が、Auと白金族との合金とセラミ
ック成分からなるサーメット電極とし、かつ、前記合金
中に含まれるAuの割合を0.3wt%以上、35wt
%以下にして構成する。
【0014】これにより、まず、外部空間から導入され
た被測定ガスのうち、酸素が主ポンプ手段によってポン
ピング処理され、該酸素は所定濃度に調整される。前記
主ポンプ手段にて酸素の濃度が調整された被測定ガス
は、次の測定用ポンプ手段に導かれる。測定用ポンプ手
段は、一対の検出電極間に印加される測定用電圧に基づ
いて、前記被測定ガスのうち、酸素をポンピング処理す
る。前記測定用ポンプ手段によりポンピング処理される
酸素の量に応じて該測定用ポンプ手段に生じるポンプ電
流が電流検出手段により検出されることで、酸素量に応
じた所定ガス成分が測定される。
【0015】つまり、前記測定用ポンプ手段において、
前記一対の検出電極間に前記所定ガス成分を分解するの
に十分な電圧を印加するか、あるいは該測定用ポンプ手
段に前記所定ガス成分を分解する分解触媒を配設するよ
うにすれば(請求項2記載の発明)、前記電圧及び/又
は前記分解触媒の作用により分解された所定ガス成分か
ら生成された酸素がポンピング処理され、それによって
生じるポンプ電流が電流検出手段により検出されること
で、酸素量に応じた所定ガス成分が測定される。
【0016】次に、請求項3記載の本発明に係るガスセ
ンサは、一方が、外部空間からの被測定ガスの導入側に
配設された一対のポンプ電極を有し、かつ、前記外部空
間から導入された被測定ガスに含まれる酸素を、前記一
対のポンプ電極間に印加される制御電圧に基づいてポン
ピング処理して、処理雰囲気中の酸素分圧をNOが分解
され得ない所定の値に制御する主ポンプ手段と、一方
が、前記主ポンプ手段にてポンピング処理された後の被
測定ガスの導入側に設けられた一対の検出電極を有し、
かつ、前記主ポンプ手段にてポンピング処理された後の
被測定ガスに含まれる酸素の量と他方の検出電極側のガ
スに含まれる酸素の量との差に応じた起電力を発生する
濃度検出手段と、前記濃度検出手段により発生する前記
起電力を検出する電圧検出手段とを具備し、前記外部空
間から導入された被測定ガスの処理空間に露呈する少な
くとも一つの電極が、Auと白金族との合金とセラミッ
ク成分からなるサーメット電極とし、かつ、前記合金中
に含まれるAuの割合を0.3wt%以上、35wt%
以下にして構成する。
【0017】これにより、まず、外部空間から導入され
た被測定ガスのうち、酸素が主ポンプ手段によってポン
ピング処理され、該酸素は所定濃度に調整される。前記
主ポンプ手段にて酸素の濃度が調整された被測定ガス
は、次の濃度検出手段に導かれ、該濃度検出手段におい
て、前記主ポンプ手段にてポンピング処理された後の被
測定ガスに含まれる酸素の量と他方の検出電極側のガス
に含まれる酸素の量との差に応じた酸素濃淡電池起電力
が発生し、該起電力が電圧検出手段により検出されるこ
とで、酸素量に応じた所定ガス成分が測定される。
【0018】この場合、前記濃度検出手段において、該
濃度検出手段に前記所定ガス成分を分解する分解触媒を
配設するようにすれば(請求項4記載の発明)、該分解
触媒の作用によって分解された所定ガス成分から生成さ
れた酸素の量と他方の検出電極側のガスに含まれる酸素
の量との差に応じた酸素濃淡電池起電力が一対の検出電
極間に発生し、該起電力が電圧検出手段により検出され
ることで、酸素量に応じた所定ガス成分が測定される。
【0019】ここで、例えばNOを測定するガスセンサ
を例に挙げて説明すると、該ガスセンサのNO感度はO
2 濃度が高くなると増大する。この感度の増加は、O2
のポンピング不足だけでなく、外部空間から導入された
被測定ガスの処理空間に露呈する一方のポンプ電極上で
のNO+(1/2)O2 →NO2 の反応も関与している
ことが判明した。
【0020】前記NO+(1/2)O2 →NO2 の反応
は、前記一方のポンプ電極の酸化触媒性が残っているこ
とに起因している。従って、前記一方のポンプ電極の触
媒活性をより低めることによって、NO+(1/2)O
2 →NO2 の反応は抑制することができる。
【0021】また、ガスセンサを長時間使用(作動)さ
せていると、電極がエージング処理されて触媒活性が増
大する。O2 濃度調整用の電極の触媒活性が増加する
と、主ポンプ手段での処理空間や測定用ポンプ手段ある
いは濃度検出手段での処理空間でNOの分解が発生し、
感度(一対の検出電極に流れるポンプ電流、あるいは一
対の検出電極に発生する起電力の減少幅)の低下が起こ
る。
【0022】前記触媒活性発現の原因は、電極としてA
u−白金族合金を用いた場合、該電極中のAu濃度の低
下であり、Auの拡散ルートとして、(1) Auの蒸発、
(2)リード線へのAuの拡散がある。従って、電極への
Auの添加量を増やせば、長時間、ガスセンサを作動さ
せて電極中のAuが減少しても、触媒活性は発現しな
い。
【0023】請求項1及び請求項3に係る発明において
は、前記外部空間から導入された被測定ガスの処理空間
に露呈する少なくとも一つの電極を、Auと白金族との
合金とセラミック成分からなるサーメット電極とし、前
記合金中に含まれるAuの割合を0.3wt%以上、3
5wt%以下にしている。
【0024】この場合、前記合金を含む電極は、NOの
分解触媒としての活性が極めて低く、低酸素分圧下でも
NOを分解することがない。即ち、主ポンプ手段での処
理空間における一方のポンプ電極上で、NO+(1/
2)O2 →NO2 の反応が抑制され、ガスセンサのNO
感度は被測定ガス中に含まれるO2 の濃度に依存されに
くくなる。
【0025】更には、Au添加量を0.3wt%以上、
35wt%以下に規定しているため、ガスセンサの長時
間の作動によって、前記主ポンプ手段における一方のポ
ンプ電極中のAu成分が減少したとしても、前記一方の
ポンプ電極の触媒活性は発現しない。
【0026】その結果、本発明に係るガスセンサにおい
ては、所定ガス成分の測定に際して妨害成分となる酸素
を実質的にゼロとなるまで、かつ、所定ガス成分の測定
に影響を及ぼすことなく排除することができ、測定用ポ
ンプ手段及び電流検出手段を通じて被測定ガスに含まれ
る所定ガス成分を高精度に、かつ、長時間安定に測定す
ることができる。
【0027】そして、前記Auと白金族との合金に含ま
れるAuの量が白金族金属に対して、0.5wt%以
上、10wt%以下であることが好ましい(請求項5記
載の発明)。
【0028】また、前記構成において、一方が、外部空
間からの被測定ガスの導入側に配設された一対の測定電
極を有し、かつ、前記主ポンプ手段でのポンピング処理
時における被測定ガスに含まれる酸素の量と他方の測定
電極側の雰囲気に含まれる酸素の量との差に応じて生じ
る起電力を測定する濃度測定手段と、前記濃度測定手段
にて検出された起電力に基づいて前記主ポンプ手段の前
記制御電圧を調整する主ポンプ制御手段を設けるように
してもよい(請求項6記載の発明)。
【0029】これにより、前記濃度測定手段において、
前記主ポンプ手段でのポンピング処理時における前記被
測定ガスに含まれる酸素の量と前記他方の測定電極側の
ガスに含まれる酸素の量との差に応じた起電力が発生す
る。そして、主ポンプ制御手段を通じ、前記起電力に基
づいて、前記主ポンプ手段における一対のポンプ電極間
に印加される制御電圧のレベルが調整される。
【0030】主ポンプ手段は、外部空間から導入された
被測定ガスのうち、酸素を制御電圧のレベルに応じた量
ほどポンピング処理する。前記レベル調整された制御電
圧の主ポンプ手段への供給によって、前記被測定ガスに
おける酸素の濃度は、所定レベルにフィードバック制御
されることとなる。
【0031】そして、前記主ポンプ制御手段としては、
前記起電力と比較電圧との偏差をとる比較手段を設ける
ようにして、該比較手段にて得られた偏差に基づいて前
記制御電圧のレベルを調整するようにしてもよい(請求
項7記載の発明)。この場合、前記両端電圧が前記比較
電圧に収束されるように前記制御電圧がフィードバック
制御されることとなる。
【0032】また、前記構成において、前記主ポンプ手
段によるポンピング処理の際に、該主ポンプ手段に流れ
るポンプ電流を検出するポンプ電流検出手段と、該ポン
プ電流検出手段にて検出されたポンプ電流値に基づいて
前記比較電圧のレベルを補正する比較電圧補正手段を設
けるようにしてもよい(請求項8記載の発明)。
【0033】通常、主ポンプ手段によるポンピング処理
の際に、該主ポンプに電流が流れることから、主ポンプ
手段のインピーダンスによる電圧降下分が制御電圧のレ
ベル調整における誤差として現れることとなる。
【0034】この請求項8記載の発明においては、主ポ
ンプ手段に流れるポンプ電流を検出して、そのポンプ電
流値を比較電圧に反映させるようにしているため、前記
誤差が有効に吸収され、主ポンプ手段に対するフィード
バック制御に発振現象を生じさせることなく、しかも精
度よくフィードバック制御を行わせることが可能とな
る。
【0035】そして、前記請求項6〜8のいずれか1項
に記載のガスセンサにおいて、前記主ポンプ手段におけ
る前記一方のポンプ電極と前記濃度測定手段における一
方の測定電極とを兼用させるようにしてもよい(請求項
9記載の発明)。
【0036】この場合、一方のポンプ電極と一方の測定
電極とが共通化されることから、主ポンプ手段でのポン
ピング処理によって該処理空間の酸素濃度が変化する
と、前記濃度測定手段において測定される起電力も時間
遅れなく変化するため、濃度測定手段の主ポンプ手段に
対するフィードバック制御を発振を伴うことなく良好に
行わせることができる。
【0037】ところで、上述のように、主ポンプ手段に
おける一方のポンプ電極と濃度測定手段における一方の
測定電極を共通化させた場合、外部空間から導入された
被測定ガス中の酸素濃度が高いと、過補正状態となっ
て、前記主ポンプ手段での処理空間でNOの分解が起こ
り感度が低下することとなる。
【0038】しかし、本発明では、外部空間から導入さ
れた被測定ガスの処理空間に露呈する少なくとも一つの
電極として、主ポンプ手段における一方のポンプ電極を
選定し、該一方のポンプ電極を、Auと白金族との合金
と、セラミック成分からなるサーメット電極とし、か
つ、前記合金中に含まれるAuの割合を0.3wt%以
上、35wt%以下とすることができるため、前記のよ
うな過補正状態となったとしても、主ポンプ手段の処理
空間でのNOの分解は抑制され、感度の低下を有効に防
止することができる。
【0039】また、前記構成において、一方が、前記一
方の検出電極の近傍に形成された一対の補助ポンプ電極
を有し、かつ、前記主ポンプ手段にてポンピング処理さ
れた後の被測定ガスに含まれる酸素を、前記一対の補助
ポンプ電極間に印加される補助ポンプ電圧に基づいてポ
ンピング処理する補助ポンプ手段を設けるようにしても
よい(請求項10記載の発明)。
【0040】これにより、まず、主ポンプ手段にて酸素
濃度が所定濃度に粗調整された被測定ガスは、更に補助
ポンプ手段によって酸素濃度が微調整される。
【0041】一般に、外部空間における被測定ガス中の
酸素濃度が大きく(例えば0%から20%)変化する
と、主ポンプ手段に導かれる被測定ガス中の酸素濃度分
布が大きく変化し、測定用ポンプ手段あるいは濃度検出
手段に導かれる酸素量も変化する。
【0042】このとき、主ポンプ手段にてポンピング処
理された後の被測定ガスにおける酸素濃度は、補助ポン
プ手段でのポンピング処理にて微調整されることになる
が、主ポンプ手段でのポンピング処理によって、前記補
助ポンプ手段に導かれる被測定ガス中の酸素の濃度変化
は、外部空間からの被測定ガス(主ポンプ手段に導かれ
る被測定ガス)における酸素の濃度変化よりも大幅に縮
小されるため、測定用ポンプ手段における一方の検出電
極近傍あるいは濃度検出手段における一方の検出電極近
傍での酸素濃度を精度よく一定に制御することができ
る。
【0043】従って、測定用ポンプ手段あるいは濃度検
出手段に導かれる所定ガス成分の濃度は、前記被測定ガ
ス(主ポンプ手段に導かれる被測定ガス)における酸素
の濃度変化の影響を受け難くなり、その結果、電流検出
手段にて検出されるポンプ電流値あるいは電圧検出手段
にて検出される起電力は、前記被測定ガスにおける酸素
濃度変化に影響されず、被測定ガス中に存在する目的成
分量に正確に対応した値となる。
【0044】そして、前記請求項10記載の発明におい
て、前記他方の補助ポンプ電極と前記主ポンプ手段にお
ける外側ポンプ電極とを共通化させるようにしてもよい
(請求項11記載の発明)。これによって、補助ポンプ
手段の処理空間における酸素は外部ポンプ電極を通じて
外部空間にポンピング処理されることになる。
【0045】また、前記構成において、一方が、前記主
ポンプ手段にてポンピング処理された後の被測定ガスの
導入側に設けられた一対の補助測定電極を有し、かつ、
前記主ポンプ手段にてポンピング処理された後の被測定
ガスに含まれる酸素の量と他方の補助測定電極側のガス
に含まれる酸素の量との差に応じた起電力を発生する補
助濃度測定手段と、前記補助濃度測定手段にて検出され
た起電力に基づいて前記補助ポンプ手段の前記補助ポン
プ電圧を調整する補助ポンプ制御手段を設けるようにし
てもよい(請求項12記載の発明)。
【0046】これにより、前記補助濃度測定手段におい
て、前記補助ポンプ手段でのポンピング処理時における
前記被測定ガスに含まれる酸素の量と前記他方の補助測
定電極側のガスに含まれる酸素の量との差に応じた起電
力が発生する。そして、補助ポンプ制御手段を通じ、前
記起電力に基づいて、前記補助ポンプ手段における一対
の補助ポンプ電極間に印加される補助ポンプ電圧のレベ
ルが調整される。
【0047】補助ポンプ手段は、外部空間から導入され
た被測定ガスのうち、酸素を補助ポンプ電圧のレベルに
応じた量ほどポンピング処理する。前記レベル調整され
た補助ポンプ電圧の補助ポンプ手段への供給によって、
前記被測定ガスにおける酸素の濃度は、所定レベルにフ
ィードバック制御されることとなる。
【0048】また、前記構成において、前記一方の補助
測定電極と前記補助ポンプ手段における一方の補助ポン
プ電極とを共通化させ、前記他方の補助測定電極と前記
濃度検出手段における他方の検出電極とを共通化させる
ようにしてもよい(請求項13記載の発明)。
【0049】この場合、補助ポンプ手段でのポンピング
処理によって該処理空間の酸素濃度が変化すると、前記
補助濃度測定手段において測定される起電力も時間遅れ
なく変化するため、補助濃度測定手段の補助ポンプ手段
に対するフィードバック制御を発振を伴うことなく良好
に行わせることができる。
【0050】そして、前記各手段を構成する複数の電極
を、固体電解質を有する基体に形成し、前記基体を、固
体電解質からなるグリーンシート上に絶縁層及び電極層
を形成し、更に、複数のグリーンシートを積層一体化し
て積層体とし、該積層体を焼成することによりガスセン
サを構成するようにしてもよい(請求項14記載の発
明)。
【0051】例えば電極ペーストをグリーンシート上に
印刷し、各シートを積層、切断、一体焼成することによ
ってガスセンサを作製する。この場合、外部空間から導
入された被測定ガスの処理空間に露呈する少なくとも一
つの電極を、Auと白金族との合金と、セラミック成分
からなるサーメット電極にて構成した場合において、A
uの添加量を37wt%以上にすると、Au−Pt合金
の異常粒成長が起こるため、例えば1300℃以上での
焼成が困難になる。即ち、一体焼成することができな
い。従って、Au添加量の上限としては、37wt%未
満、好ましくは本発明に示すように、35wt%以下が
望ましい。
【0052】一方、Au添加量を0.2wt%とした場
合、上述の過補正状態において測定用ポンプ手段及び濃
度検出手段での所定ガス成分の検出感度が低下し、ま
た、ガスセンサを長時間作動させた場合においても前記
測定用ポンプ手段及び濃度検出手段での前記検出感度が
低下することから、Au添加量の下限としては、0.3
wt%以上が望ましい。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガスセンサを
例えば車両の排気ガスや大気中に含まれるNO、N
2 、SO2 、CO2 、H2 O等の酸化物や、CO、C
nHm等の可燃ガスを測定するガスセンサに適用したい
くつかの実施の形態例を図1〜図10を参照しながら説
明する。
【0054】まず、第1の実施の形態に係るガスセンサ
50Aは、図1及び図2に示すように、全体として、長
尺な板状体形状に構成されており、ZrO2 等の酸素イ
オン伝導性固体電解質を用いたセラミックスよりなる例
えば6枚の固体電解質層52a〜52fが積層されて構
成され、下から1層目及び2層目が第1及び第2の基板
層52a及び52bとされ、下から3層目及び5層目が
第1及び第2のスペーサ層52c及び52eとされ、下
から4層目及び6層目が第1及び第2の固体電解質層5
2d及び52fとされている。
【0055】具体的には、第2の基板層52b上に第1
のスペーサ層52cが積層され、更に、この第1のスペ
ーサ層52c上に第1の固体電解質層52d、第2のス
ペーサ層52e及び第2の固体電解質層52fが順次積
層されている。
【0056】第2の基板層52bと第1の固体電解質層
52dとの間には、酸化物測定の基準となる基準ガス、
例えば大気が導入される空間(基準ガス導入空間54)
が、第1の固体電解質層52dの下面、第2の基板層5
2bの上面及び第1のスペーサ層52cの側面によって
区画、形成されている。
【0057】また、第1及び第2の固体電解質層52d
及び52f間に第2のスペーサ層52eが挟設されると
共に、第1及び第2の拡散律速部56及び58が挟設さ
れている。
【0058】そして、第2の固体電解質層52fの下
面、第1及び第2の拡散律速部56及び58の側面並び
に第1の固体電解質層52dの上面によって、被測定ガ
ス中の酸素分圧を調整するための第1室60が区画、形
成され、第2の固体電解質層52fの下面、第2の拡散
律速部58の側面、第2のスペーサ層52eの側面並び
に第1の固体電解質層52dの上面によって、被測定ガ
ス中の酸素分圧を微調整し、更に被測定ガス中の窒素酸
化物(例えばNOx)を測定するための第2室62が区
画、形成される。
【0059】外部空間と前記第1室60は、第1の拡散
律速部56を介して連通され、第1室60と第2室62
は、前記第2の拡散律速部58を介して連通されてい
る。
【0060】ここで、前記第1及び第2の拡散律速部5
6及び58は、第1室60及び第2室62にそれぞれ導
入される被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与する
ものであり、例えば、被測定ガスを導入することができ
る多孔質材料又は所定の断面積を有した小孔からなる通
路として形成することができる。
【0061】特に、第2の拡散律速部58内には、Zr
2 等からなる多孔質体が充填、配置されて、前記第2
の拡散律速部58の拡散抵抗が前記第1の拡散律速部5
6における拡散抵抗よりも大きくされている。
【0062】そして、前記第2の拡散律速部58を通じ
て、第1室60内の雰囲気が所定の拡散抵抗の下に第2
室62内に導入される。
【0063】また、前記第2の固体電解質層52fの下
面のうち、前記第1室60を区画、形成する第1の固体
電解質層52dの上面、第2のスペーサ層52eの側面
及び第2の固体電解質層52fの下面にかけて連続的に
多孔質サーメット電極からなる内側ポンプ電極64が形
成され、前記第2の固体電解質層52fの上面のうち、
前記内側ポンプ電極64に対応する部分に、外側ポンプ
電極66が形成されており、これら内側ポンプ電極6
4、外側ポンプ電極66並びにこれら両電極64及び6
6間に挟まれた第2の固体電解質層52fにて電気化学
的なポンプセル、即ち、主ポンプセル68が構成されて
いる。
【0064】そして、前記主ポンプセル68における内
側ポンプ電極64と外側ポンプ電極66間に、後述する
フィードバック制御系70を通じて所望の制御電圧(ポ
ンプ電圧)Vp1を印加して、外側ポンプ電極66と内
側ポンプ電極64間に正方向あるいは負方向にポンプ電
流Ip1を流すことにより、前記第1室60内における
雰囲気中の酸素を外部空間に汲み出し、あるいは外部空
間の酸素を第1室60内に汲み入れることができるよう
になっている。
【0065】また、第1の固体電解質層52dの下面の
うち、前記基準ガス導入空間54を形づくる下面には、
被測定ガスの酸素分圧を測定するための基準電極72が
形成されている。
【0066】この場合、基準ガス導入空間54に導入さ
れる大気の酸素分圧と、第1室60内に導入される被測
定ガスの酸素分圧との差に基づいて酸素濃淡電池電力が
生じる。この起電力は、基準ガス導入空間54と第1室
60との電位差V0によって表される。この電位差V0
は以下のネルンストの式により求めることができる。
【0067】V0=RT/4F・ln(P1(O2 )/
P0(O2 )) R:気体定数 T:絶対温度 F:ファラデー数 P1(O2 ):ガス導入空間内の酸素分圧 P0(O2 ):基準ガスの酸素分圧 従って、前記ネルンストの式に基づく電位差V0を測定
することで、第1室60内の酸素分圧を測定することが
できる。
【0068】一般には、前記内側ポンプ電極64及び外
側ポンプ電極66間に、前記電位差V0に基づいて設定
されたポンプ電圧Vp1がフィードバック制御系70を
通じて印加されるようになっており、前記主ポンプセル
68は、前記ポンプ電圧Vp1の印加によって、第1室
60に対して酸素の汲み出し又は汲み入れを行い、これ
によって、前記第1室60内の酸素分圧が所定値に設定
されるようになっている。
【0069】そして、この第1の実施の形態に係るガス
センサ50Aは、内側ポンプ電極64と基準電極72間
に生ずる起電力(電圧)V0を測定し、この測定電圧V
0と基準電圧Vbとの差分をとって、その差分電圧Vc
に基づきフォードバック制御系70を通じて前記ポンプ
電圧Vp1を制御するように構成されている。
【0070】ここで、前記フィードバック制御系70の
一回路例を説明すると、このフィードバック制御系70
は、前記基準電極72と内側ポンプ電極64との間の両
端電圧V0と基準電圧Vbとを比較してその差分を電圧
信号Vcとして出力する比較器74と、該比較器74か
らの出力Vcを所定のゲインにて増幅する第1の増幅器
76が設けられ、前記第1の増幅器76からの出力電圧
(差分電圧)を主ポンプセル68へのポンプ電圧Vp1
として内側ポンプ電極64と外側ポンプ電極66間に印
加するように配線接続されている。この例においては、
内側ポンプ電極64は接地とされている。
【0071】この場合、主ポンプセル68による酸素の
汲み出し量が変化して、第1室60内における酸素濃度
が変化すると、主ポンプセル68における内側ポンプ電
極64と基準電極72間の両端電圧V0が時間遅れなく
変化する(リアルタイムで変化する)ため、上記フィー
ドバック制御系70での発振現象を有効に抑えることが
できる。
【0072】なお、前記フィードバック制御系70にお
いては、内側ポンプ電極64と基準電極72間の両端電
圧V0が上記基準電圧Vbと同じレベルに収束されるよ
うに上記ポンプ電圧Vp1(出力電圧)がフィードバッ
ク制御されることになる。
【0073】また、前記フィードバック制御系70にお
いては、前記構成に加えて、前記外側ポンプ電極66と
前記第1の増幅器76の出力端との間にポンプ電流検出
用の抵抗Riが挿入接続され、該抵抗Riの両端電圧V
iを所定のゲインにて増幅して、該増幅電圧Vdを前記
基準電圧Vbに重畳させる第2の増幅器78が接続され
ている。
【0074】つまり、このフィードバック制御系70に
おいては、主ポンプセル68による酸素の汲み出し及び
汲み入れによって内側ポンプ電極64及び外側ポンプ電
極66間に流れる電流が抵抗Riでの電圧降下によって
その電流値に応じた電圧Viに変換されて、第2の増幅
器78に供給されるように配線接続されるものである。
【0075】通常、主ポンプセル68による酸素の汲み
出し及び汲み入れの際に、該主ポンプセル68に電流
(ポンプ電流)Ip1が流れることから、主ポンプセル
68のインピーダンスによる電圧降下分がポンプ電圧V
p1のレベル調整における誤差として現れることとな
る。しかし、この第1の実施の形態に係るガスセンサ5
0Aにおいては、主ポンプセル68に流れるポンプ電流
Ip1を抵抗Riにて電圧Viに変換し、該電圧Viを
第2の増幅器78にて所定のゲインで増幅して補正電圧
Vdとして基準電圧Vbに重畳させるようにしている。
つまり、内側ポンプ電極64と基準電極72間の電圧V
0は、内側ポンプ電極64の界面抵抗(インピーダン
ス)の電圧降下分が重畳されるのみであり、その電圧降
下分はかなり減少する。従って、電圧降下分の補正は僅
かで済み、その分、精度が向上する。換言すれば、主ポ
ンプセル68のインピーダンスによる電圧降下分が補正
電圧Vdとして基準電圧Vbに反映(重畳)されること
となって、主ポンプセル68に流れるポンプ電流Ip1
が一定となるようにフィードバック制御系70での制御
が補正され、これによって、ポンプ電圧Vp1に対する
主ポンプセル68のインピーダンスによる誤差が有効に
吸収され、ポンプ電圧Vp1に対するフィードバック制
御を精度よく行わせることが可能となる。
【0076】これは、図2に示すように、酸素濃度が大
きく変化しても、ガスセンサ50Aの動作点を同じ起電
力分の点で動作させることができることにつながり(図
2の直線bで示す)、第1室60での酸素濃度を高精度
に検出することができる。なお、図2において、横軸は
内側ポンプ電極64と基準電極72間の電圧V0を示
し、縦軸は主ポンプセル68に流れるポンプ電流Ip1
を示す。また、曲線aはフィードバック制御系70に対
して補正を行わない一定制御の場合を示し、曲線cはフ
ィードバック制御系70に対して補正を行った場合にお
いて、酸素濃度が大きく変化した際に生じる過補正状態
を示す。この過補正状態については後述する。
【0077】また、前記第1の実施の形態に係るガスセ
ンサ50Aにおいては、前記第1の固体電解質層52d
の上面のうち、前記第2室62を形づくる上面であっ
て、かつ第2の拡散律速部58から離間した部分に、平
面ほぼ矩形状の多孔質サーメット電極からなる検出電極
80が形成され、該検出電極80、前記基準電極72及
び第1の固体電解質層52dによって、電気化学的なポ
ンプセル、即ち、測定用ポンプセル82が構成される。
【0078】また、前記測定用ポンプセル82における
検出電極80を被覆するように、第3の拡散律速部84
を構成する多孔質Al2 3 層あるいは多孔質ZrO3
層が形成されており、前記第3の拡散律速部84と検出
電極80との界面で第3室が形成されたかたちとなって
いる。
【0079】前記検出電極80は、窒素酸化物分解触
媒、例えばRhサーメット、あるいは触媒活性の低い材
料、あるいは触媒活性の低い材料の近傍に窒素酸化物分
解触媒を配置する等の構成を適宜選択できる。本実施の
形態においては、検出電極80は、目的ガス成分たるN
Oxを還元し得る金属であるRhとセラミックスとして
のジルコニアからなる多孔質サーメットにて構成されて
いる。
【0080】これによって、第2室62内の雰囲気中に
存在するNOxを還元するNOx還元触媒として機能す
るほか、前記基準電極72との間に、直流電源86を通
じて一定電圧Vp2が印加されることによって、第2室
62内の雰囲気中の酸素を基準ガス導入空間54に汲み
出せるようになっている。この測定用ポンプセル82の
ポンプ動作によって流れるポンプ電流Ip2は、電流計
88によって検出されるようになっている。
【0081】また、第2室62を区画、形成する第1の
固体電解質層52dの上面の一部分(検出電極80の形
成領域を除く部分)、第2のスペーサ層52eの側面及
び第2の固体電解質層52fの下面全面にかけて連続的
に多孔質サーメット電極からなる補助ポンプ電極90が
形成され、該補助ポンプ電極90と前記主ポンプセル6
8における外側ポンプ電極66並びにこれら両電極66
及び90間に挟まれた第2の固体電解質層52fにて電
気化学的なポンプセル、即ち、補助ポンプセル92が構
成されている。
【0082】そして、前記補助ポンプセル92における
補助ポンプ電極90と外側ポンプ電極66間に、可変電
源94を通じて補助ポンプ電圧Vp3を印加することに
より、第2室62内の雰囲気中の酸素を外部空間に汲み
出せるようになっている。
【0083】また、この第1の実施の形態に係るガスセ
ンサ50Aにおいては、前記補助ポンプ電極90及び前
記基準電極72並びに第1の固体電解質層52dにて補
助用酸素分圧検出セル96が構成されている。
【0084】この補助用酸素分圧検出セル96は、第2
室62内の雰囲気と基準ガス導入空間54内の基準ガス
(大気)との間の酸素濃度差に基づいて、補助ポンプ電
極90と基準電極72との間に発生する起電力V1を電
圧計98にて測定することにより、前記第2室62内の
雰囲気の酸素分圧が検出できるようになっている。
【0085】前記検出された酸素分圧値は可変電源94
の補助ポンプ電圧Vp3をフィードバック制御系100
を通じて一定制御するために使用され、第2室62内の
雰囲気の酸素分圧が、実質的に目的ガス成分(NOx)
が還元又は分解され得ない状況下で、かつ目的成分量の
測定に実質的に影響がない低い酸素分圧値となるように
制御される。
【0086】具体的には、前記可変電源94は、補助ポ
ンプセル92で分解時に生成した酸素のポンピングに対
して限界電流を与える大きさの電圧値、例えば450m
Vとなるように制御される。この場合、補助ポンプセル
92による酸素の汲み出し量が変化して、第2室62内
における雰囲気の酸素濃度が変化すると、補助ポンプ電
極90と基準電極72間の両端電圧V1が時間遅れなく
変化するため、可変電源94に対するフィードバック制
御系100は、発振現象を生じることなく、高精度に第
2室62内の酸素濃度を制御することができる。
【0087】ところで、前記主ポンプセル68を動作さ
せて第1室60内の雰囲気の酸素分圧をNOx測定に実
質的に影響がない低い酸素分圧値に制御しようとしたと
き、換言すれば、内側ポンプ電極64と基準電極72間
に発生する起電力V0が一定となるように、フィードバ
ック制御系70を通じてポンプ電圧Vp1を調整したと
き、被測定ガス中の酸素濃度が大きく、例えば0〜20
%に変化すると、通常、第2室62内の雰囲気及び検出
電極80付近の雰囲気の各酸素分圧は、僅かに変化する
ようになる。これは、被測定ガス中の酸素濃度が高くな
ると、第1室60の幅方向及び厚み方向に酸素濃度分布
が生じ、この酸素濃度分布が被測定ガス中の酸素濃度に
より変化するためであると考えられる。
【0088】しかし、この第1の実施の形態に係るガス
センサ50Aにおいては、第2室62に対して、その内
部の雰囲気の酸素分圧を常に一定に低い酸素分圧値とな
るように、補助ポンプセル92を設けるようにしている
ため、第1室60から第2室62に導入される雰囲気の
酸素分圧が被測定ガスの酸素濃度に応じて変化しても、
前記補助ポンプセル92のポンプ動作によって、第2室
62内における雰囲気の酸素分圧を常に一定の低い値と
することができ、その結果、NOxの測定に実質的に影
響がない低い酸素分圧値に制御することができる。
【0089】そして、検出電極80に導入された被測定
ガス中のNOxは、該検出電極80の周りにおいて還元
又は分解されて、例えばNO→1/2N2 +1/2O2
の反応が引き起こされる。このとき、測定用ポンプセル
82を構成する検出電極80と基準電極72との間に
は、酸素が第2室62から基準ガス導入空間54側に汲
み出される方向に、所定の電圧Vp2、例えば400m
V(700℃)が印加される。
【0090】従って、測定用ポンプセル82に流れるポ
ンプ電流Ip2は、第2室62に導かれる雰囲気中の酸
素濃度、即ち、第2室62内の酸素濃度と、検出電極8
0にてNOxが還元又は分解されて発生した酸素濃度と
の和に比例した値となる。
【0091】第2室62内の雰囲気中の酸素濃度は、補
助ポンプセル92にて一定に制御されていることから、
前記測定用ポンプセル82に流れるポンプ電流Ip2
は、NOxの濃度に比例することになる。この場合、検
出電極80を被覆するように第3の拡散律速部84が形
成されているため、このNOxの濃度は、第3の拡散律
速部84にて制限されるNOxの拡散量に対応すること
になり、被測定ガスの酸素濃度が大きく変化したとして
も、測定用ポンプセル82から電流計88を通じて正確
にNOx濃度を測定することが可能となる。つまり、測
定用ポンプセル82におけるポンプ電流値Ip2は、N
Oがほとんど還元又は分解された量を表し、そのため、
被測定ガス中の酸素濃度に依存するようなこともない。
【0092】また、この第1の実施の形態に係るガスセ
ンサ50Aにおいては、第1及び第2の基板層52a及
び52bにて上下から挟まれた形態において、外部から
の給電によって発熱するヒータ102が埋設されてい
る。このヒータ102は、酸素イオンの伝導性を高める
ために設けられるもので、該ヒータ102の上下面に
は、第1及び第2の基板層52a及び52bとの電気的
絶縁を得るために、アルミナ等の絶縁層104が形成さ
れている。
【0093】前記ヒータ102は、図1に示すように、
第1室60から第2室62の全体にわたって配設されて
おり、これによって、第1室60及び第2室62がそれ
ぞれ所定の温度に加熱され、併せて主ポンプセル68、
測定用ポンプセル82及び補助ポンプセル92も所定の
温度に加熱、保持されるようになっている。
【0094】次に、第1の実施の形態に係るガスセンサ
50Aにおける各電極の組成について説明する。
【0095】前記主ポンプセル68を構成する内側ポン
プ電極64及び外側ポンプ電極66、測定用ポンプセル
82を構成する検出電極80及び基準電極72、補助ポ
ンプセル92を構成する補助ポンプ電極90は、ガスセ
ンサ50A内に導入された被測定ガス中のNOx、例え
ば、NOに対する触媒活性が低い不活性材料により構成
される。
【0096】例えば外部空間に接する外側ポンプ電極6
6と基準ガスに接する基準電極72は、共にPt電極に
て構成することができる。
【0097】また、検出電極80は、NOxの分解触媒
として機能する例えばRhサーメット電極にて構成する
ことができる。
【0098】一方、第1室60内の被測定ガスに接する
内側ポンプ電極64及び第2室62内の被測定ガスに接
する補助ポンプ電極90は、多孔質サーメット電極にて
構成することができ、この場合、Pt等の金属とZrO
2 等のセラミックスとから構成されることになるが、被
測定ガスに接触する第1室60内及び第2室62内に配
置される内側ポンプ電極64及び補助ポンプ電極90
は、測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱め
た、あるいは還元能力のない材料を用いる必要があり、
例えばLa3 CuO4 等のペロブスカイト構造を有する
化合物、あるいはAu等の触媒活性の低い金属とセラミ
ックスのサーメット、あるいはAu等の触媒活性の低い
金属とPt族金属とセラミックスのサーメットで構成さ
れる。
【0099】この実施の形態では、前記内側ポンプ電極
64及び補助ポンプ電極90を、Auと白金族との合金
とZrO2 等のセラミック成分からなるサーメット電極
とし、かつ、前記合金中に含まれるAuの割合を0.3
wt%以上、35wt%以下としてある。
【0100】そのため、前記合金を含む内側ポンプ電極
64及び補助ポンプ電極90は、NOxの分解触媒とし
ての活性が極めて低く、低酸素分圧下でもNOxを分解
することがない。また、主ポンプセル68での処理空間
における内側ポンプ電極64上で、NO+(1/2)O
2 →NO2 の反応が抑制されるため、ガスセンサ50A
のNO感度は被測定ガス中に含まれるO2 の濃度に依存
されにくくなる。
【0101】また、Au添加量を0.3wt%以上、3
5wt%以下に規定しているため、ガスセンサ50Aの
長時間の作動によって、前記主ポンプセル68における
内側ポンプ電極64中のAu成分が減少したとしても、
該内側ポンプ電極64の触媒活性は発現しない。
【0102】その結果、前記第1の実施の形態に係るガ
スセンサ50Aにおいては、NOxの測定に際して妨害
成分となる酸素を実質的にゼロとなるまで、かつ、NO
xの測定に影響を及ぼすことなく排除することができ、
測定用ポンプセル82を通じて被測定ガスに含まれるN
Oxを高精度に、かつ、長時間安定に測定することがで
きる。
【0103】ここで、Auの添加量を0.3wt%以
上、35wt%以下とした根拠について図3〜図7で示
す5つの実験例を参照しながら説明する。
【0104】まず、第1の実験例は、第1の実施の形態
に係るガスセンサ50Aにおいて内側ポンプ電極64を
構成する合金のAu添加量が0.3wt%のもの(実施
例1)と、第1の実施の形態に係るガスセンサ50Aに
おいて前記Au添加量が0.1wt%のもの(比較例
1)を用意し、Au添加量を増加させることによって、
NO+(1/2)O2 →NO2 の反応が抑制されるか否
かをみたものである。
【0105】その実験結果を図3に示す。この図3のう
ち、特性曲線aは、実施例1を用いて、被測定ガス(O
2 濃度=0.3%)中におけるNO濃度を増加させたと
きのポンプ電流Ip2の値の変化をプロットしたもので
あり、特性曲線bは、同じく実施例1を用いて、被測定
ガス(O2 濃度=20%)中におけるNO濃度を増加さ
せたときのポンプ電流Ip2の値の変化をプロットした
ものである。また、特性曲線cは、比較例1を用いて、
被測定ガス(O2 濃度=20%)中におけるNO濃度を
増加させたときのポンプ電流Ip2の値の変化をプロッ
トしたものである。
【0106】前記実験結果(図3)から、実施例1(A
u添加量=0.3wt%)におけるNOxの検出感度
は、特性曲線bに示すように、外部空間における被測定
ガス中の酸素濃度が0.3%から20%に大きく変化し
ても、比較例1の場合(Au添加量=0.1wt%)と
比べて増加していないことから、内側ポンプ電極64上
及び補助ポンプ電極90上でのNO+(1/2)O2
NO2 の反応が比較例1よりも抑制されていることがわ
かる。
【0107】次に、第2の実験例は、Auと白金族との
合金とZrO2 等のセラミック成分からなるサーメット
電極において、その合金中に含まれるAuの割合を変化
させたときのNO分解率とNO酸化率をみたものであ
る。その実験結果を図4に示す。この図4において、特
性曲線aはAu添加量の変化に対するNO分解率の変化
特性を示し、特性曲線bはAu添加量の変化に対するN
O酸化率の変化特性を示す。また、縦方向に伸びる区分
線(一点鎖線で示す)は、Au添加量=0.5wt%を
示す。
【0108】この第2の実験例では非分散型赤外線分析
法を測定原理とするNOx分析計を用いて測定を行っ
た。このNOx分析計でのNO分解率の測定条件は、N
O濃度=1000ppm、O2 濃度=10ppm、ガス
温度=400℃であり、NO酸化率の測定条件は、NO
濃度=1000ppm、O2 濃度=20%、ガス温度=
400℃である。
【0109】図4の実験結果から、Au添加量が0.8
wt%以上においてNO分解率はほぼ0となり、Au添
加量が8wt%以上においてはNO分解率及びNO酸化
率が共にほぼ0になっている。このことから、Au添加
量を最適化することで、第1室60内でのNO+(1/
2)O2 →NO2 の反応を減少できることがわかる。
【0110】次に、第3の実験例は、酸素濃度が高くな
ることによって、フィードバック制御系70での基準電
圧Vbに対する補正が過補正状態(図2の直線cで示
す)となった場合に、NOの分解が起電力換算でどのレ
ベルで生じるかをみたものである。NOの分解は、測定
用ポンプセル82に流れるポンプ電流Ip2の値が一定
レベルより低下することによって知ることができる。
【0111】その実験結果を図5に示す。この図5にお
いて、特性曲線aはAu添加量=0wt%、即ち、Pt
電極の特性を示し、特性曲線bはAu添加量=0.1w
t%の特性を示し、特性曲線cはAu添加量=0.5w
t%の特性を示す。また、特性曲線dはAu添加量=1
wt%の特性を示し、特性曲線eはAu添加量=10w
t%の特性を示し、特性曲線fはAu添加量=30wt
%の特性を示す。また、起電力=300mVより右側の
領域はO2 分圧=1.3×10-7atm以上の雰囲気で
の制御領域を示す。
【0112】この図5から、Au添加量を適当に調整す
ることにより、主ポンプセル68におけるポンプ電圧V
p1の目標値(=基準電圧Vb+補正電圧Vd)が低酸
素濃度側にシフトしてもNOの分解は起こらないことが
わかる。
【0113】次に、第4の実験例は、前記過補正状態に
おいて、NO濃度が5000ppmである被測定ガス中
のO2 濃度の変化(0%〜20%)に対する測定用ポン
プセル82の感度の変化(ポンプ電流Ip2の変化)を
みたものである。その実験結果を図6に示す。この図6
において、特性曲線aはAu添加量=0.1wt%の特
性を示し、特性曲線bはAu添加量=0.5wt%の特
性を示す。また、特性曲線cはAu添加量=1wt%の
特性を示し、特性曲線dはAu添加量=10〜30wt
%の特性を示す。
【0114】この図6から、Au添加量が0.1wt%
の場合、被測定ガス中の酸素濃度が高くなると急激にN
Oxの検出感度が低下するが、Au添加量が0.5wt
%以上では前記感度の低下が抑制され、Au添加量が1
0〜30wt%では酸素濃度が大きく変化してもNOx
の検出感度はほとんど変化せず、被測定ガス中の酸素濃
度変化に影響されないことがわかる。
【0115】次に、第5の実験例は、NO濃度が500
0ppmである被測定ガス中において、第1の実施の形
態に係るガスセンサ50Aを作動させた場合に、その作
動時間(=耐久時間:0〜400時間)に対する測定用
ポンプセル82の感度の変化(ポンプ電流Ip2の変
化)をみたものである。その実験結果を図7に示す。こ
の図7において、特性曲線aはAu添加量=0.1wt
%の特性を示し、特性曲線bはAu添加量=0.5wt
%の特性を示す。また、特性曲線cはAu添加量=1w
t%の特性を示し、特性曲線dはAu添加量=10〜3
0wt%の特性を示す。
【0116】この図7から、Au添加量が0.1wt%
の場合、作動を開始してからほぼ10時間程度でNOx
の検出感度が低下し始め、100時間経過時にはガスセ
ンサ50Aとしての機能を果たさなくなっているが、A
u添加量が0.5wt%の場合、作動を開始してからほ
ぼ200時間程度という長時間の経過時点でNOxの検
出感度が低下し始めており、十分に実用に耐え得ること
がわかる。
【0117】そして、Au添加量が1wt%の場合で
は、作動を開始してからほぼ330時間でNOxの検出
感度が低下し始め、Au添加量が10〜30wt%の場
合では、400時間経過しても検出感度の低下はみられ
ない。
【0118】次に、図8を参照しながら第2の実施の形
態に係るガスセンサ50Bについて説明する。なお、図
1と対応するものについては同符号を付してその重複説
明を省略する。
【0119】この第2の実施の形態に係るガスセンサ5
0Bは、図8に示すように、前記第1の実施の形態に係
るガスセンサ50A(図1参照)とほぼ同じ構成を有す
るが、第1の固体電解質層52dの上面中、第1室60
を形づくる上面で、かつ、第2の拡散律速部58の近傍
に測定電極106が形成されている点と、測定用ポンプ
セル82に代えて、測定用酸素分圧検出セル108が設
けられている点と、前記内側ポンプ電極64と測定電極
106との間に抵抗Rが接続されている点で異なる。
【0120】前記抵抗Rは、第1室60内の奥行き方向
の酸素濃度分布を均一化して被測定ガスを最適な酸素分
圧として、被測定ガス中の目的成分(NOx)を分解す
ることなく第2室62に供給するためのものである。
【0121】即ち、前記酸素濃度分布が不均一である
と、測定電極106と内側ポンプ電極64間に濃度のば
らつきに相当する分の電流が流れ、この電流が抵抗Rに
て電圧変換されて、フィードバック制御系70における
目標値(例えば300mV)に補正電圧として重畳され
る。フィードバック制御系70は、第1室60内の酸素
分圧を一定に、かつ、第1室60内の酸素濃度分布のば
らつきを吸収するように主ポンプセル68のポンプ電圧
Vp1を制御する。
【0122】第1室60内に露呈される測定電極106
は、前記内側ポンプ電極64と同様に、Auと白金族と
の合金とセラミック成分からなるサーメット電極であっ
て、前記合金中に含まれるAuの割合が0.3wt%以
上、35wt%以下としている。
【0123】一方、測定用酸素分圧検出セル108は、
第1の固体電解質層52dの上面のうち、前記第2室6
2を形づくる上面に形成された検出電極110と、前記
第1の固体電解質層52dの下面に形成された前記基準
電極72と、前記第1の固体電解質層52dによって構
成されている。
【0124】この場合、測定用酸素分圧検出セル108
における検出電極110と基準電極72との間に、検出
電極110の周りの雰囲気と基準電極72の周りの雰囲
気との間の酸素濃度差に応じた起電力(酸素濃淡電池起
電力)V2が発生することとなる。
【0125】従って、前記検出電極110及び基準電極
72間に発生する起電力(電圧)V2を電圧計112に
て測定することにより、検出電極110の周りの雰囲気
の酸素分圧、換言すれば、被測定ガス成分(NOx)の
還元又は分解によって発生する酸素によって規定される
酸素分圧が電圧値V2として検出される。
【0126】そして、この起電力V2の変化の度合い
が、NO濃度を表すことになる。つまり、前記検出電極
110と基準電極72と第1の固体電解質層52dとか
ら構成される測定用酸素分圧検出セル108から出力さ
れる起電力V2が、被測定ガス中のNO濃度を表すこと
になる。
【0127】そして、この第2の実施の形態に係るガス
センサ50Bにおいても、前記第1の実施の形態に係る
ガスセンサ50Aと同様に、前記内側ポンプ電極64、
測定電極106及び補助ポンプ電極90を、Auと白金
族との合金とZrO2 等のセラミック成分からなるサー
メット電極とし、かつ、前記合金中に含まれるAuの割
合を0.3wt%以上、35wt%以下としてある。
【0128】そのため、前記合金を含む内側ポンプ電極
64、測定電極106及び補助ポンプ電極90は、NO
xの分解触媒としての活性が極めて低く、低酸素分圧下
でもNOxを分解することがない。即ち、第1室60内
の内側ポンプ電極64上で、NO+(1/2)O2 →N
2 の反応が抑制され、ガスセンサ50BのNO感度は
被測定ガス中に含まれるO2 の濃度に依存されにくくな
る。
【0129】また、Au添加量を0.3wt%以上、3
5wt%以下に規定しているため、ガスセンサ50Bの
長時間の作動によって、前記主ポンプセル68における
内側ポンプ電極64中のAu成分が減少したとしても、
前記内側ポンプ電極64の触媒活性は発現しない。
【0130】その結果、前記第2の実施の形態に係るガ
スセンサ50Bにおいては、NOxの測定に際して妨害
成分となる酸素を実質的にゼロとなるまで、かつ、NO
xの測定に影響を及ぼすことなく排除することができ、
測定用ポンプ手段及び電流検出手段を通じて被測定ガス
に含まれるNOxを高精度に、かつ、長時間安定に測定
することができる。
【0131】ここで、1つの実験例を示す。この実験例
は、先に示した第1の実験例(実験結果として図3参
照)と同様に、第2の実施の形態に係るガスセンサ50
Bにおいて内側ポンプ電極64を構成する合金のAu添
加量が0.3wt%のもの(実施例2)と、第2の実施
の形態に係るガスセンサ50Bにおいて前記Au添加量
が0.1wt%のもの(比較例2)を用意し、Au添加
量を増加させることによって、NO+(1/2)O2
NO2 の反応が抑制されるか否かをみたものである。
【0132】その実験結果を図9に示す。この図9にお
いて、特性曲線aは、実施例2を用いて、被測定ガス
(O2 濃度=0.3%)中におけるNO濃度を増加させ
たときの起電力V2の変化をプロットしたものであり、
特性曲線bは、同じく実施例2を用いて、被測定ガス
(O2 濃度=20%)中におけるNO濃度を増加させた
ときの起電力V2の変化をプロットしたものである。ま
た、特性曲線cは、比較例2を用いて、被測定ガス(O
2 濃度=20%)中におけるNO濃度を増加させたとき
の起電力V2の変化をプロットしたものである。
【0133】この図9から実施例2(Au添加量=0.
3wt%)におけるNOxの検出感度は、特性曲線bに
示すように、外部空間における被測定ガス中の酸素濃度
が0.3%から20%に大きく変化しても、比較例2の
場合(Au添加量=0.1wt%)と比べて増加してい
ないことから、内側ポンプ電極64上、測定電極106
上及び補助ポンプ電極90上でのNO+(1/2)O2
→NO2 の反応が比較例2よりも抑制されていることが
わかる。
【0134】そして、前記第1及び第2の実施の形態に
係るガスセンサ50A及び50Bにおいては、6枚のセ
ラミックスのグリーンシートを積層一体化させて焼成す
ることにより作製される。
【0135】具体的には、まず、第1の基板層52aと
なる1層目のグリーンシート上に絶縁層104を介して
ヒータ102の配線パターンを印刷により形成し、第1
の固体電解質層52dとなる4層目のグリーンシートの
一主面に内側ポンプ電極64、補助ポンプ電極90及び
検出電極80(必要があれば測定電極106)の各電極
ペーストを印刷により形成し、他主面に基準電極72の
電極ペーストを印刷により形成する。
【0136】その後、前記4層目のグリーンシートに形
成された検出電極80の電極ペーストを被覆するように
第3の拡散律速部84となるセラミック層を形成する。
【0137】次いで、第2のスペーサ層52eとなる5
層目のグリーンシートの各窓部(第1室60及び第2室
62を区画、形成する窓部)の側壁に内側ポンプ電極6
4と補助ポンプ電極90の電極ペーストを印刷により形
成する。
【0138】その後、第2の固体電解質層52fとなる
6層目のグリーンシートの一主面に外側ポンプ電極66
の電極ペーストを印刷により形成し、他主面に内側ポン
プ電極64及び補助ポンプ電極90の各電極ペーストを
印刷により形成する。
【0139】その後、1層目〜6層目のグリーンシート
を順番に積層して積層体として構成した後、該積層体を
決められた平面形状に沿って切断する。そして、前記切
断後の積層体を約1300℃以上の温度で焼成して一体
化させることによって上述の第1又は第2の実施の形態
に係るガスセンサ50A又は50Bが作製される。
【0140】このように、複数枚のグリーンシートを積
層して焼成一体化することによってガスセンサ50A又
は50Bを作製する場合、内側ポンプ電極64及び補助
ポンプ電極90として、Auと白金族との合金とZrO
2 等のセラミック成分からなるサーメット電極とした場
合、前記合金中に含まれるAuの割合を37wt%以上
にすると、前記焼成一体化において前記合金の異常粒成
長が発生することから、1300℃以上での焼成が困難
になる。即ち、複数枚のグリーンシートが積層されたも
のを焼成一体化してガスセンサを作製することができな
い。
【0141】ここで、一つの実験例を示す。この実験例
は、第1の実施の形態に係るガスセンサ50Aにおい
て、内側ポンプ電極64を構成する合金のAu添加量と
異常粒成長の発生の有無との関係及び電極抵抗の変化を
みたものである。異常粒成長の有無は電極表面をSEM
で観察することによって行った。
【0142】その実験結果を図10の図表に示す。この
図表から、異常粒成長はAu添加量が37wt%以上で
発生しており、これに伴って内側ポンプ電極64の抵抗
値も増加していることがわかる。なお、Au添加量=3
6wt%の場合は、異常粒成長の発生は認められなかっ
たが、電極抵抗が12Ωであって、Au添加量が35w
t%以下の電極の抵抗値(9Ω)と比して高くなってい
ることから、SEMにて観察できない程度の異常粒成長
が発生していることが考えられる。
【0143】従って、Au添加量の上限としては、35
wt%が好ましく10wt%が最適である。
【0144】また、Au添加量を0.2wt%とした場
合、上述の過補正状態において測定用ポンプセル82で
のNOの検出感度が低下し、また、ガスセンサ50Aを
長時間作動させた場合においても前記測定用ポンプセル
82でのNOの検出感度が低下することから、Au添加
量の下限としては、0.3wt%以上が望ましく、0.
5wt%が最適である。
【0145】上述した第1及び第2の実施の形態に係る
ガスセンサ50A及び50Bにおいては、被測定ガス成
分としてNOxが対象とされているが、被測定ガス中に
存在する酸素の影響を受けるNOx以外の結合酸素含有
ガス成分、例えばH2 OやCO2 等の測定にも有効に適
用することができる。
【0146】なお、この発明に係るガスセンサは、上述
の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱すること
なく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0147】
【発明の効果】本発明に係るガスセンサによれば、一方
が、外部空間からの被測定ガスの導入側に配設された一
対のポンプ電極を有し、かつ、前記外部空間から導入さ
れた被測定ガスに含まれる酸素を、前記一対のポンプ電
極間に印加される制御電圧に基づいてポンピング処理し
て、処理雰囲気中の酸素分圧をNOが分解され得ない所
定の値に制御する主ポンプ手段と、一方が、前記主ポン
プ手段にてポンピング処理された後の被測定ガスの導入
側に設けられた一対の検出電極を有し、かつ、前記主ポ
ンプ手段にてポンピング処理された後の被測定ガスに含
まれる酸素を、前記一対の検出電極間に印加される測定
用電圧に基づいてポンピング処理する測定用ポンプ手段
と、前記測定用ポンプ手段によりポンピング処理される
前記酸素の量に応じて生じるポンプ電流を検出する電流
検出手段とを具備し、前記外部空間から導入された被測
定ガスの処理空間に露呈する少なくとも一つの電極を、
Auと白金族との合金とセラミック成分からなるサーメ
ット電極とし、かつ、前記合金中に含まれるAuの割合
を0.3wt%以上、35wt%以下にして構成するよ
うにしている。
【0148】そのため、被測定ガスに接する電極上での
NO+(1/2)O2 →NO2 の反応を抑圧でき、被測
定ガス中の例えばNOx濃度を、酸素あるいはCO2
2O等の影響を受けることなく、かつ、長時間安定に
測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るガスセンサを示す断面
図である。
【図2】第1の実施の形態に係るガスセンサの限流特性
を示す特性図である。
【図3】第1の実験例の実験結果(NO濃度とポンプ電
流Ip2との関係)を示す特性図である。
【図4】第2の実験例の実験結果(Au添加量とNO分
解率との関係、Au添加量とNO酸化率との関係)を示
す特性図である。
【図5】第3の実験例の実験結果(Au添加量とNO分
解能との関係)を示す特性図である。
【図6】第4の実験例の実験結果(過補正状態における
感度の低下の度合い)を示す特性図である。
【図7】第5の実験例の実験結果(耐久時間とNO感度
との関係)を示す特性図である。
【図8】第2の実施の形態に係るガスセンサを示す断面
図である。
【図9】第2の実施の形態に係るガスセンサに関する一
つの実験例の実験結果(NO濃度とポンプ電流Ip2と
の関係)を示す特性図である。
【図10】Au添加量と異常粒成長の発生の有無との関
係及び電極抵抗の変化を示す特性図である。
【図11】従来技術に係るガス分析装置の断面図であ
る。
【符号の説明】
50A、50B…ガスセンサ 54…基準ガス
導入空間 56…第1の拡散律速部 58…第2の拡
散律速部 60…第1室 62…第2室 64…内側ポンプ電極 66…外側ポン
プ電極 68…主ポンプセル 70…フィード
バック制御系 72…基準電極 80…検出電極 82…測定用ポンプセル 84…第3の拡
散律速部 90…補助ポンプ電極 92…補助ポン
プセル 96…補助用酸素分圧検出セル 102…ヒータ

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被測定ガス中の所定ガス成分を還元乃至分
    解せしめて、その際に発生する酸素量を測定することに
    よって、被測定ガス中の所定ガス成分を求めるようにし
    たガスセンサであって、 一方が、外部空間からの被測定ガスの導入側に配設され
    た一対のポンプ電極を有し、かつ、前記外部空間から導
    入された被測定ガスに含まれる酸素を、前記一対のポン
    プ電極間に印加される制御電圧に基づいてポンピング処
    理して、処理雰囲気中の酸素分圧をNOが分解され得な
    い所定の値に制御する主ポンプ手段と、 一方が、前記主ポンプ手段にてポンピング処理された後
    の被測定ガスの導入側に設けられた一対の検出電極を有
    し、かつ、前記主ポンプ手段にてポンピング処理された
    後の被測定ガスに含まれる酸素を、前記一対の検出電極
    間に印加される測定用電圧に基づいてポンピング処理す
    る測定用ポンプ手段と、 前記測定用ポンプ手段によりポンピング処理される前記
    酸素の量に応じて生じるポンプ電流を検出する電流検出
    手段とを具備し、 前記外部空間から導入された被測定ガスの処理空間に露
    呈する少なくとも一つの電極が、Auと白金族との合金
    と、セラミック成分からなるサーメット電極であり、前
    記合金中に含まれるAuの割合が0.3wt%以上、3
    5wt%以下であることを特徴とするガスセンサ。
  2. 【請求項2】請求項1記載のガスセンサにおいて、 前記測定用ポンプ手段は、前記一対の検出電極間に前記
    所定ガス成分を分解するのに十分な電圧を印加し、ある
    いは該測定用ポンプ手段に配設された前記所定ガス成分
    の分解触媒のいずれか、あるいは両方の作用によって生
    成した酸素を、前記一対の検出電極間に印加される前記
    測定用電圧に基づいてポンピング処理することを特徴と
    するガスセンサ。
  3. 【請求項3】被測定ガス中の所定ガス成分を還元乃至分
    解せしめて、その際に発生する酸素量を測定することに
    よって、被測定ガス中の所定ガス成分を求めるようにし
    たガスセンサであって、 一方が、外部空間からの被測定ガスの導入側に配設され
    た一対のポンプ電極を有し、かつ、前記外部空間から導
    入された被測定ガスに含まれる酸素を、前記一対のポン
    プ電極間に印加される制御電圧に基づいてポンピング処
    理して、処理雰囲気中の酸素分圧をNOが分解され得な
    い所定の値に制御する主ポンプ手段と、 一方が、前記主ポンプ手段にてポンピング処理された後
    の被測定ガスの導入側に設けられた一対の検出電極を有
    し、かつ、前記主ポンプ手段にてポンピング処理された
    後の被測定ガスに含まれる酸素の量と他方の検出電極側
    のガスに含まれる酸素の量との差に応じた起電力を発生
    する濃度検出手段と、 前記濃度検出手段により発生する前記起電力を検出する
    電圧検出手段とを具備し、 前記外部空間から導入された被測定ガスの処理空間に露
    呈する少なくとも一つの電極が、Auと白金族との合金
    と、セラミック成分からなるサーメット電極であり、前
    記合金中に含まれるAuの割合が0.3wt%以上、3
    5wt%以下であることを特徴とするガスセンサ。
  4. 【請求項4】請求項3記載のガスセンサにおいて、 前記濃度検出手段は、該濃度検出手段に配設された所定
    ガス成分の分解触媒の作用によって生成された酸素と前
    記他方の検出電極側のガスに含まれる酸素との分圧差に
    応じた酸素濃淡電池起電力を発生することを特徴とする
    ガスセンサ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4のいずれか1項に記載のガス
    センサにおいて、 前記Auと白金族との合金に含まれるAuの量が白金族
    金属に対して、0.5wt%以上、10wt%以下であ
    ることを特徴とするガスセンサ。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれか1項に記載のガス
    センサにおいて、 一方が、外部空間からの被測定ガスの導入側に配設され
    た一対の測定電極を有し、かつ、前記主ポンプ手段での
    ポンピング処理時における被測定ガスに含まれる酸素の
    量と他方の測定電極側の雰囲気に含まれる酸素の量との
    差に応じて生じる起電力を測定する濃度測定手段と、 前記濃度測定手段にて検出された起電力に基づいて前記
    主ポンプ手段の前記制御電圧を調整する主ポンプ制御手
    段が設けられていることを特徴とするガスセンサ。
  7. 【請求項7】請求項6記載のガスセンサにおいて、 前記主ポンプ制御手段は、前記起電力と比較電圧との偏
    差をとる比較手段を有し、該比較手段にて得られた偏差
    に基づいて前記主ポンプ手段における前記一対のポンプ
    電極間に印加される前記制御電圧のレベルを調整するこ
    とを特徴とするガスセンサ。
  8. 【請求項8】請求項7記載のガスセンサにおいて、 前記主ポンプ手段によるポンピング処理の際に、該主ポ
    ンプ手段に流れるポンプ電流を検出するポンプ電流検出
    手段と、 前記ポンプ電流検出手段にて検出されたポンプ電流値に
    基づいて前記比較電圧のレベルを補正する比較電圧補正
    手段を有することを特徴とするガスセンサ。
  9. 【請求項9】請求項6〜8のいずれか1項に記載のガス
    センサにおいて、 前記主ポンプ手段における前記一方のポンプ電極が、前
    記濃度測定手段における一方の測定電極を兼用している
    ことを特徴とするガスセンサ。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれか1項に記載のガ
    スセンサにおいて、 一方が、前記一方の検出電極の近傍に形成された一対の
    補助ポンプ電極を有し、かつ、前記主ポンプ手段にてポ
    ンピング処理された後の被測定ガスに含まれる酸素を、
    前記一対の補助ポンプ電極間に印加される補助ポンプ電
    圧に基づいてポンピング処理する補助ポンプ手段が設け
    られていることを特徴とするガスセンサ。
  11. 【請求項11】請求項10記載のガスセンサにおいて、 前記他方の補助ポンプ電極が前記主ポンプ手段における
    外側ポンプ電極と共通とされていることを特徴とするガ
    スセンサ。
  12. 【請求項12】請求項10又は11記載のガスセンサに
    おいて、 一方が、前記主ポンプ手段にてポンピング処理された後
    の被測定ガスの導入側に設けられた一対の補助測定電極
    を有し、かつ、前記主ポンプ手段にてポンピング処理さ
    れた後の被測定ガスに含まれる酸素の量と他方の補助測
    定電極側のガスに含まれる酸素の量との差に応じた起電
    力を発生する補助濃度測定手段と、 前記補助濃度測定手段にて検出された起電力に基づいて
    前記補助ポンプ手段の前記補助ポンプ電圧を調整する補
    助ポンプ制御手段が設けられていることを特徴とするガ
    スセンサ。
  13. 【請求項13】請求項12記載のガスセンサにおいて、 前記一方の補助測定電極が前記補助ポンプ手段における
    補助ポンプ電極と共通とされ、 前記他方の補助測定電極が前記濃度検出手段における他
    方の検出電極と共通とされていることを特徴とするガス
    センサ。
  14. 【請求項14】請求項1〜13のいずれか1項に記載の
    ガスセンサにおいて、 前記各手段を構成する複数の電極が、固体電解質を有す
    る基体に形成され、 前記基体は、固体電解質からなるグリーンシート上に絶
    縁層及び電極層を形成し、更に、複数のグリーンシート
    を積層一体化して積層体とし、該積層体を焼成して構成
    されることを特徴とするガスセンサ。
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