JP2010126790A - 転炉の精錬方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】転炉における脱炭処理により生成されたスラグを再利用する転炉の精錬方法において、コスト増大や熱の損失などを生じることなく、脱燐処理時の新たなCaO添加に伴う未滓化CaOの発生を抑制する。
【解決手段】転炉における脱炭処理により生成されたスラグを再利用する転炉の精錬方法において、前記第4工程で投入するCaO量を、次チャージの前記第2工程での目標塩基度と前記第4工程での仕上げ脱燐に必要なCaO量を共に確保可能なCaO量とするに際し、現在チャージの前記第3工程で排出したスラグのCaO濃度及び排出量を測定し、この測定したCaO濃度及び排出量と予め求めた該排出前の炉内スラグ量を基にして現在チャージの前記第3工程後に於ける炉内残留スラグ中のCaO量を算出し、この算出した炉内残留スラグ中のCaO量と、次チャージの第2工程で必要とする前記CaO量との差から決定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、上吹き転炉、底吹き転炉、上底吹き転炉における精錬方法に関するものであり、脱炭処理により生成されたスラグを再利用して未滓化CaOを低減する転炉の精錬方法に関する。
転炉における精錬方法として、脱炭処理により生成されたスラグを次チャージ(n+1チャージ)の脱燐処理に再利用することにより、スラグの排出量を抑制する方法がある。これは、転炉での溶銑予備処理後、燐濃度が高くなったスラグを1度転炉外に排出し(中間排滓)、脱珪・脱燐済みの溶銑を転炉内に残し、新たなスラグを追加し、残った燐の除去(仕上げ脱燐)及び脱炭吹錬を行い、脱炭吹錬後、溶鋼のみを出鋼し、転炉内に残った燐濃度が低いスラグを、次チャージの溶銑予備処理に再利用するものである。
この方法においては、脱炭吹錬時に仕上げ脱燐に必要な量のCaOを添加するが、高炉から出銑される溶銑中のSi濃度が高い場合、溶銑予備処理時に必要な塩基度を確保するためには、脱炭後のスラグ中に含まれるCaOだけでは足りず、スラグ中にCaOを新たに添加する必要が生じる。
ところが、溶銑予備処理時に新たにCaOを添加すると、溶銑予備処理の処理時間、即ち、脱珪・脱燐の吹錬開始から中間排滓開始迄の時間が短いため、スラグ中に添加したCaOが完全に溶解せず、一部のCaOが未滓化CaOとして前記中間排滓したスラグ中に残存してしまう。この転炉スラグを再利用するに際し、該スラグ中に残存した未滓化CaOは水和反応を起こすため、スラグの体積膨張の原因となり、利用用途が大幅に制限されるという問題がある。
このような問題を解決するために、現在チャージの転炉吹錬での脱炭滓(以下、脱炭スラグとも称する)を転炉内に残留させ、次チャージの脱燐処理に再利用するに際し、脱炭滓中に存在する有効CaO量に応じ、転炉に装入する溶銑のSi量を調整する方法が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。即ち、仕上げ脱燐及び脱炭吹錬開始時に、新規のCaO分を添加することなく所定の塩基度となるよう、事前に、転炉に装入される溶銑を脱珪する方法である。
特開2001−123214号公報
しかしながら、特許文献1の方法のように、事前に溶銑を脱珪するためには、脱珪処理設備が必要となり、設備投資のためのコストが増大する、という問題があった。また、脱珪が行われる反応容器によっては、脱珪用の酸素源として、酸化鉄などの固体酸素分を使用する必要があり、酸化鉄などの還元熱による熱の損失が発生する、という問題もあった。更に当然ながら、第3工程における中間排滓が終了した後、当該チャージの脱炭処理におけるCaO投入量が決定されるまで次チャージ用の脱珪処理を開始できない操業制約が発生する、という問題もあった。
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、転炉における脱炭処理により生成されたスラグを再利用する転炉の精錬方法において、コスト増大や熱の損失などを生じることなく、溶銑予備処理時の新たなCaO添加に伴う未滓化CaOの発生を抑制することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、あるチャージの脱炭吹錬を行う際に、次チャージの溶銑のSi濃度や塩基度等の条件を考慮し、次チャージの溶銑予備処理で追加することが必要と予想されるCaOの量を求めておき、求めた必要量のCaOを、そのチャージの脱炭吹錬時に予め転炉に添加しておくことにより、次チャージの溶銑予備処理時に新たなCaOを添加する必要がなくなり、中間排滓で排滓されたスラグ中に未滓化CaOが存在するのを抑制できることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明がその要旨とするところは、以下の通りである。
(1) 転炉に溶銑を装入する第1工程と、次いで前記転炉にCaOを投入して炉内スラグを目標塩基度にして精錬を開始することにより溶銑の脱珪及び脱燐の溶銑予備処理を行う第2工程と、次いで炉内スラグを中間的に排滓する第3工程と、次いで前記転炉内にCaOを投入して脱炭及び仕上げ脱燐を行う第4工程と、前記第4工程で精錬された溶鋼を炉外に排出する第5工程と、炉内スラグを残留させたまま次チャージ(n+1チャージ)の溶銑を装入する第6工程とを有する転炉の精錬方法において、前記第4工程で投入するCaO量を、次チャージの前記第2工程での目標塩基度と前記第4工程での仕上げ脱燐に必要なCaO量を共に確保可能なCaO量とするに際し、現在チャージ(nチャージ)の前記第3工程で排滓したスラグのCaO濃度及び排滓量を測定し、この測定したCaO濃度及び排滓量と予め求めた該排滓前の炉内スラグ量を基にして現在チャージの前記第3工程後に於ける炉内残留スラグ中のCaO量を算出し、この算出した炉内残留スラグ中のCaO量と、次チャージの前記第2工程で必要とする前記CaO量との差から、前記第4工程で投入するCaO量を決定することを特徴とする、転炉の精錬方法。
(2)現在チャージの前記第3工程でのスラグ排滓量を、現在チャージの前記第4工程で投入するCaO量と前記次チャージの第2工程で目標塩基度を得るために必要なCaO量が同等となるようにすることを特徴とする(1)に記載の転炉の精錬方法。
(3) 前記現在チャージの第2工程におけるCaOの添加量は、下記(I)式または(II)式で計算されるCaO量のうち多い方のCaO量であることを特徴とする(1)または(2)に記載の転炉の精錬方法。
WP,CaO=1000/Lp<n>×(B2[P]i<n>/目標[P]f<n>+1)×(%CaO)B2<n>−RB1,CaO<n> ・・・(I)
WSi,CaO=(HM[Si]<n+1>×60/28×10+RSiO<n>)×(B1C/S<n+1>)−R’CaO<n> ・・・(II)
ただし、
WP,CaO:nチャージ目の第4工程で、脱燐に必要なCaO量
Lp<n>:nチャージ目の第4工程における推定燐分配
B2[P]i<n>:nチャージ目の第4工程に持ち越される燐濃度
(燐濃度は溶鉄中の燐濃度に換算したもの)
目標[P]f<n>:nチャージ目の第4工程処理後の目標燐濃度
(%CaO)B2<n>:nチャージ目の第4工程処理後のスラグ中のCaOの推定濃度
RB1,CaO<n>:nチャージ目の第2工程から、第3工程を経て、第4工程に持ち越されるCaO量
WSi,CaO:(n+1)チャージ目の第2工程で塩基度目標値を確保するために必要なnチャージ目の第4工程で添加すべきCaO量
HM[Si]<n+1>:(n+1)チャージ目で転炉に装入する溶銑中のSiの濃度
RSiO<n>:nチャージ目の第6工程で(n+1)チャージ目へリサイクルされるSiO
B1,C/S<n+1>:(n+1)チャージ目の第2工程での目標塩基度
R’CaO<n>:nチャージ目の第6工程で(n+1)チャージ目へリサイクルされるCaO量のうち、nチャージ目の第4工程で添加する分を除いたCaO量
RB1CaO<n>=(%CaO)B1<n>×(Ws,B1<n>−中間排滓量<n>)
Ws,B1<n>:nチャージ目のB1炉内スラグ量
中間排滓量<n>:nチャージ目の実測排滓スラグ量
Ws,B1<n>は以下の連立方程式(III)−I,IIの解として得られる値である。
Ws,B2<n−1>×(%CaO)B2<n−1>=WsB1<n>×(%CaO)B1<n> ・・(III)−I
Ws,B2<n−1>×(%SiO)B2<n−1>+HM[Si]×60/28×溶銑量=WsB1<n>×(%SiO)B1<n> ・・・(III)−II
尚、nチャージは現在チャージ、n+1チャージは次チャージ、n−1チャージは前チャージとする。
本発明によれば、第3工程である中間排滓の前工程である第2工程である溶銑予備処理時に新たなCaOを添加する必要がなくなるので、該第3工程に於ける排滓スラグ中に未滓化CaO分が残留するのを抑制することが可能となるため、新たな設備を必要とすることなく、しかも、溶銑の前処理も必要とすることなく、スラグの水和反応も抑制でき、スラグの再利用分野の拡大を可能とすることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、本発明の一実施形態に係る転炉の精錬方法を説明するに先立ち、その前提となるいわゆる脱炭スラグを再利用する方法による転炉の操業方法の概要について説明する。なお、図1は、脱炭スラグを再利用する方法による転炉の操業方法の概要を示す説明図である。
図1に示すように、脱炭スラグを再利用する方法による転炉の操業方法では、脱硫処理を施した高炉溶銑を吹錬して溶鋼を製造する際に、以下に説明する第1工程〜第6工程を、順に繰り返し行う。以下では、着目するチャージをnチャージ目(nは、自然数)、その次のチャージを(n+1)チャージ目として説明する。
nチャージ目の第1工程では、例えば、鉄スクラップ120が装入された転炉10に、溶銑鍋20から脱硫処理を施した溶銑110を装入する。使用される転炉10としては、現在では、上底吹き転炉が一般的である。
nチャージ目の第2工程では、溶銑110が装入された転炉10内にCaO等のフラックスを添加し、生成するスラグ130を目標塩基度(例えば、塩基度2以下)になる様にして、上吹きランス30等から酸素または空気を吹き込みながら例えば、3〜8分程度で脱珪・脱燐処理(溶銑予備処理)を行う(Blow1)。この溶銑予備処理により、溶銑110中の珪素(以下、単にSiとも称す)はスラグ130中に除去されるが、燐(以下、単にPとも称す)の一部は溶銑110中に残留する。
第3工程(nチャージ目)では、上記第2工程の溶銑予備処理により生成したスラグ130の30〜80質量%程度を、転炉10から、台車50に設置された排滓鍋40等に排出する(中間排滓)。例えば、この台車50にはロードセル方式の秤量器140を設置し、中間排滓時の排出スラグ量を計測し、更に、このスラグのCaO濃度を発光分光分析により迅速に測定し、それぞれの値を用いて第4工程への持ち越しCaO量を算出することによって、次の第4工程におけるCaO投入必要量を算出する。ロードセル方式の秤量器140を台車内に設置するに際しては、熱、物理的衝撃のある過酷な使用環境を鑑みて、電気品への熱負荷を軽減する目的で図1に示す様に耐火物150によって台車の外周を覆い、また連続チャージで測定を行う必要のある操業の性格上、ロードセルも例えば8本構造など複数本で構成することが測定精度の点で望ましい。
尚、溶銑予備処理後のスラグ量に対する中間排滓時に排出したスラグ量の比を「排滓率(質量%)」という場合がある。
第4工程(nチャージ目)では、転炉10内にCaOを新たに添加し、溶鋼110中のC濃度が所望の濃度となるように、所定の温度(例えば、1600〜1700℃)で、上吹きランス30及び底吹ノズル(図示せず)から酸素を吹き込みながら、脱炭吹錬を行う(Blow2)。この際、溶鋼110中の燐濃度が所望の濃度(例えば、0.01〜0.03質量%程度)となるように、CaO等のフラックスを転炉10に添加して仕上げ脱燐も行う。
ここで、上記第3工程で残留したスラグ130中の燐分(主にPとして存在)が、脱炭吹錬中に溶鋼110に復燐するのを防止するために、第3工程で残留するスラグ130の量を低下、すなわち、中間排滓時のスラグ130の排滓量を増加させることで、スラグから溶鋼へ復燐する燐の量が減るので、CaO等のフラックスの添加量を低減することが可能となる。
第5工程(nチャージ目)では、第4工程の脱炭吹錬で生成した脱炭スラグ130を転炉10内に残留する様に転炉10を傾動させて溶鋼110の出鋼を行う。
第6工程(nチャージ目)では、炉内に脱炭スラグ130が残っているまま第5工程で傾動させた転炉10を正立させた後、鉄スクラップ120を転炉10に装入する。
このようにしてスクラップ120を装入した後に、再び第1工程((n+1)チャージ目)に戻って、溶銑110を装入し、前記nチャージ目の第4工程で生成したスラグ130の全量を、(n+1)チャージ目の第2工程における脱珪・脱燐用のフラックスとして再利用する。第4工程の脱炭スラグは、脱燐吹錬の条件においては更なる脱燐能を有していることから、脱燐吹錬時に使用するCaO等のフラックスの量を削減することができる。
ここで、本発明者等は上記nチャージ目の第4工程のみでCaOを添加する(本発明)場合と、nチャージ目の第4工程とn+1チャージ目の第2工程の両方でCaOを添加する場合において、中間排滓時に於けるスラグ中の未滓化CaO分の含有状態について実験検討を行った。そして、その結果を図2に示す。
なお、図2は縦軸に未滓化CaO分の含有率(質量%)をとり、横軸に塩基度(CaO/SiO)をとったものである。また、図中の点線は、nチャージ目の第4工程である脱炭吹錬工程とn+1チャージ目の第4工程である脱珪/燐吹錬工程の両方でCaOの添加(新たなCaOを添加)した場合を示す。また。実線は、1チャージ目の第4工程のみでCaOの添加(新たなCaOの添加なし)した場合(本発明)を示すものである。この際に於ける溶銑中のSiは50×0.01質量%で一定であり、脱珪/燐吹錬時に新たにCaOを添加した水準では、全CaO装入量の20質量%に相当する量を新たなCaOで添加し、残りは第6工程からの推定持ち越しCaOを使用している。
この図2から判る様に、脱珪/脱燐吹錬時に通常必要条件とされる1.0〜2.0の塩基度の範囲内においては、実線の脱珪/脱燐吹錬時に新たなCaOの添加が無い場合には、いずれの塩基度でも未滓化CaO分が1質量%未満と低く、スラグの品質が優れることがわかった。一方、脱珪/燐吹錬時に新たにCaOを添加した場合には、スラグ中の未滓化CaO分が1質量%を超えて高く、スラグの品質が低下することがわかった。これらの結果から、脱珪/燐吹錬時に、新たにCaOを添加しないようにすることで、脱燐スラグ中の未滓化CaOを低減することができ、これにより、スラグの品質を向上させることができることが判明した。
次に、図3〜図5に基づき、本発明の第1及び第2の実施形態に係る転炉の精錬方法を説明する。なお、図3は、第3工程の中間排滓時におけるスラグ排滓率(質量%)と第4工程おける脱炭吹錬(Blow2)時におけるCaO添加量(kg/t−Steel)との関係の一例を示すグラフであり、横軸がスラグ排滓率(質量%)、縦軸が脱炭吹錬時におけるCaO添加量(kg/t−Steel)である。また、図4は、本発明の第1の実施形態に係る転炉の精錬方法のフローを示す説明図である。また、図5は、本発明の第2の実施形態に係る転炉の精錬方法のフローを示す説明図である。
ここで、図3における実験条件は以下のようにして行った。すなわち、nチャージ目の第4工程においては、目標P濃度を20×0.001質量%、同工程における吹止燐分配を86、同工程における処理後のCaO濃度を47質量%、(n+1)チャージ目における第2工程の目標塩基度を1.4、溶銑中のSi濃度を41×0.01質量%として行った。また、第2工程から第4工程までに持ち越されたCaO量及び燐量は排滓率により変動し、リサイクルしたSiO量が3.7kg/t、第4工程で添加した分を除いたリサイクルしたCaO量が1kg/tであった。ここで、吹止燐分配とはスラグ中の燐濃度を溶鋼中燐濃度で除した濃度比を意味する。
(第1の実施形態に係る転炉の精錬方法)
上述したような脱炭スラグを再利用する方法において、脱珪や脱燐用のフラックスとして用いられるCaOは、一般的には、以下のようにして転炉に添加している。すなわち、nチャージ目の第3工程における中間排滓時のスラグの排滓率を例えば70質量%とすると、図3のプロット[1]からnチャージ目の第4工程においては、仕上げ脱燐に必要な分のCaO量(約15.7kg/t)の添加となる。しかし、このnチャージ目の第4工程で生成されたスラグ中のCaOは塩基度として、(n+1)チャージ目の第2工程において、脱珪用としても必要であることから、前記nチャージ目の第3工程で添加されるCaO量のみでは、(n+1)チャージ目の第2工程における脱珪・脱燐で必要とされる塩基度に達しないことから、図3のプロット[2]で示す(n+1)チャージ目の第2工程で必要なCaO量(約16.5kg/t)に達するように、その不足のCaO量(0.8kg/t)を新たに添加する必要がある。
しかし、このような操業では、第2工程の脱珪・脱燐が短時間で行われるため、新たに添加したCaOがスラグ中に完全に溶解せず、未滓化CaOとしてスラグ中に残存してしまう。すると、この未滓化CaOが水和反応を起こしてスラグが体積膨張し、スラグの品質が低下してしまう。
そこで、本発明の第1の実施形態に係る転炉の精錬方法においては、図4に示すように、(n+1)チャージ目の溶銑中のSi濃度や目標とする塩基度等の条件を考慮し、(n+1)チャージ目の第2工程で必要となることが予想されるCaOの量を予め算出しておき、算出された量のCaOを、nチャージ目の第4工程で必要な量のCaOと併せて同時に添加している。
ここで、CaO量の算出方法の具体例について説明する。本実施形態に係る転炉の精錬方法においては、例えば、nチャージ目の第4工程におけるCaOの添加量は、下記(I)式または(II)式で計算されるCaO量のうち多い方のCaO量とすることができる。
WP,CaO = 1000/Lp<n>×(B2[P]i<n>/目標[P]f<n>+1)×(%CaO)B2<n>−RB1,CaO<n> ・・・(I)
WSi,CaO = (HM[Si]<n+1>×60/28×10+RSiO<n>)×(B1C/S<n+1>)−R’CaO<n> ・・・(II)
ただし、
WP,CaO:nチャージ目の第4工程で、脱燐に必要なCaO量
Lp<n>:nチャージ目の第4工程における推定燐分配
B2[P]i<n>:nチャージ目の第4工程に持ち越される燐濃度(溶鉄中の燐濃度に換算した値)
目標[P]f<n>:nチャージ目の第4工程処理後の目標燐濃度
(%CaO)B2<n>:nチャージ目の第4工程処理後のスラグ中のCaOの推定濃度
RB1,CaO<n>:nチャージ目の第2工程から、第3工程を経て、第4工程に持ち越されるCaO量
WSi,CaO:(n+1)チャージ目の第2工程で塩基度目標値を確保するために必要な、nチャージ目の第4工程で添加すべきCaO量
HM[Si]<n+1>:(n+1)チャージ目で転炉に装入する溶銑中のSiの濃度
RSiO2<n>:nチャージ目から、(n+1)チャージ目へリサイクルされるSiO2量
B1C/S<n+1>:(n+1)チャージ目の第2工程での塩基度目標値
R’CaO<n>:nチャージ目から、(n+1)チャージ目へリサイクルされるCaO量のうち、nチャージ目の第4工程で添加する分を除いたCaO量
尚、RB1,CaO<n>は、nチャージ目の前記溶銑予備処理工程と、n−1チャージ目の前記脱炭処理工程終了後の実測スラグ成分値と、これを基に予め計算される炉内スラグ量と、受滓台車に取り付けた秤量器を用いて計測したnチャージ目の中間排滓量と、から計算されるnチャージ目の脱炭工程に持ち越されるCaO量を使用する。秤量は、例えば、台車に取り付けたロードセルを用いて行なわれ、その秤量値は測定と同時に外部に送信され、計算に反映される情報となるものとする。また、スラグ成分分析は、例えば、スラグ採取用コイルを巻きつけたサブランスによって行われ、採取後速やかに発光分析に供される。これらの両者をその場で、あるいは迅速に測定することでスラグ組成の制御性が極めて高いものとなり、その結果、未反応生石灰(未滓化CaO)を低減することが可能となる。
具体的には、以下のマスバランス式により算出される。
RB1CaO<n>=(%CaO)B1<n>×(Ws,B1<n>−中間排滓量<n>)
ここで、
Ws,B1<n>:nチャージ目のB1炉内スラグ量
中間排滓量<n>:nチャージ目の実測排滓スラグ量
ただし、Ws,B1<n>は以下の連立方程式(III)−I,IIの解として得られる。
・Ws,B2<n−1>×(%CaO)B2<n−1>=WsB1<n>×(%CaO)B1<n> ・・・(III)−I
・Ws,B2<n−1>×(%SiO2)B2<n−1>+HM[Si]×60/28=WsB1<n> ×(%CaO)B1<n> ・・・(III)−II
前記のスラグ成分分析値をもとに連立方程式(III)−I、IIを解くことにより、前記溶銑予備処理工程におけるスラグボリュームは当該工程におけるスラグ分析値が判明した時点で自動的に決定される。また同時に、(n−1)チャージ目の前記脱炭処理工程におけるスラグボリュームも判明する。
図3の例では、排滓率を70質量%としたので、nチャージ目の第4工程に先立って[2]のCaO量を添加することになる。これにより、nチャージ目の第4工程と(n+1)チャージ目の第2工程で転炉内に装入されるCaOの合計量を変化させることなく、(n+1)チャージ目の第2工程では新たにCaOを添加しないようにすることができる。すなわち、本実施形態に係る転炉の精錬方法では、nチャージ目の第4工程における脱炭吹錬では、該脱炭吹錬で生成されたスラグ中に含まれるCaO量が(n+1)チャージ目の第2工程における溶銑予備処理工程で使用するCaO量を確保可能なように、CaOの添加量を予め決定しておき、決定された量のCaOをnチャージ目の第4工程で添加するものである。
次に、図4に基づいて、本実施形態に係る転炉の精錬方法について、より具体的に説明する。まず、具体的な説明をする前に、図4で用いられている略号について説明する。「BI」、「BII」は、Blow1(脱珪・脱燐吹錬)、Blow2(脱炭吹錬)のことを意味する。「W1CaO」「W2CaO」は、それぞれ、Blow1(脱珪・脱燐吹錬)で添加されるCaO量、Blow2(脱炭吹錬)で添加されるCaO量を示す。HM[Si]は溶銑中のSi濃度を指し、C/Sは塩基度(CaO/SiO)を指し、[P]fは吹錬終了時における溶鋼中のP濃度の目標値を指す。また、〈1〉〜〈4〉は、1チャージ(nチャージ)目、2チャージ(n+1チャージ)目、3チャージ(n+2チャージ)目、4チャージ(n+3チャージ)目であることを示す。
nチャージ目の脱珪・脱燐吹錬(BI)を開始する際には、nチャージ目の脱珪・脱燐吹錬に必要な量のCaOが添加するアクションがなされる(W1CaO〈1〉)。この脱珪・脱燐吹錬の結果、その実績が判明情報として得られ、また、この時点で(n+1)チャージ目の高炉溶銑中のSi濃度(HM[Si]〈2〉)も判明情報として得られていることから、これらの情報と、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬で目標とするスラグの塩基度(BIC/S〈2〉)の情報等から、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬で必要なCaO量も含めたnチャージ目の脱炭吹錬で添加するCaOの量(次ch必要W2CaO〈1〉)を算出する。この計算は、ともに中間排滓の前に行われる。
次に、nチャージ目の中間排滓が行われる。この中間排滓により、nチャージ目の排滓率(排滓率〈1〉)の情報が判明する。
中間排滓終了後、脱炭吹錬(BII)が開始されるが、このとき添加されるCaO量は、上述したようにして算出された(n+1)チャージBIの必要W2CaO〈1〉と、脱炭吹錬(BII)での脱燐を担保するために必要なCaO量(nチャージ必要W2CaO〈1〉)とから決定することができる。即ち、この脱炭吹錬(BII)終了後、生成された脱炭スラグは炉内でリサイクルすることから、nチャージ目のCaO添加時に、(n+1)チャージ目の第2工程での脱珪・脱燐に再利用するスラグ量(リサイクル量)及びそのスラグの成分の情報が判明する。
次いで、このnチャージ目の脱炭スラグを再利用して、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬(BI)が開始される。このときに必要なCaO量は、すでに、nチャージ目の脱炭吹錬の際に添加されているので、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬時で添加するCaO量(W1CaO〈2〉)をゼロとすることができる。また、この時点で、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬の実績、(n+2)チャージ目の高炉溶銑中のSi濃度(HM[Si]〈3〉)、及び(n+2)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬目標とするスラグの塩基度(BIC/S〈3〉)の情報等から、(n+2)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬で必要なCaO量も含めた(n+1)チャージ目の脱炭吹錬で添加するCaOの量(次ch必要W2CaO〈2〉)を算出することはnチャージ目の場合と同様である。このようにして、脱珪・脱燐処理(第2工程)〜リサイクル(第6工程)までを繰り返す。
このように、従来とは異なり、長時間を要する第4工程の脱炭吹錬時からCaOを添加しておくことにより、転炉に添加されたCaOをスラグ中に溶解させることができ、(n+1)チャージ目の第2工程時には、スラグ中に溶解したCaOを用いて脱珪・脱燐処理を行うことができ、未滓化CaOの発生を抑制することができる。
(第2の実施形態に係る転炉の精錬方法)
ただし、上記のような操業は、(n+1)チャージ目の第2工程で新たにCaOを添加する必要がなく、未滓化CaOの発生を抑制できる点では優れているが、nチャージ目の第4工程で添加されるCaOの量は、該第4工程における脱燐処理に対しては、過剰に添加されていることとなり、過脱燐となり過剰な生石灰量を使用している可能性がある。
そこで、本発明の第2の実施形態に係る転炉の精錬方法においては、(n+1)チャージ目の第2工程における溶銑予備処理(脱珪・脱燐)に必要なCaO量とnチャージ目の第4工程における仕上げ脱燐に必要なCaO量とが等しくなるように、nチャージ目の第3工程における中間排滓のスラグ排滓率を決定している。図3の例では、同図の[3]に示すように、nチャージ目の第3工程における中間排滓のスラグ排滓率を、(n+1)チャージ目の第2工程における脱珪・脱燐に必要なCaO量とnチャージ目の第4工程における脱燐に必要なCaO量とが一致する条件を満たすスラグ排滓率である55質量%としている。これにより、nチャージ目の第4工程においても仕上げ脱燐に必要なCaO量と一致するので、過脱燐が起こることがなく、従って生石灰使用量も過剰なく適正といえる。
また、このように、中間排滓のスラグ排滓率を決定することで、通常は、上述した第1の実施形態の場合よりも排滓率が低下する、すなわち、スラグの排出量が少なくなるため、第3工程における中間排滓時間も短縮することができる。すなわち、本実施形態に係る転炉の精錬方法によれば、nチャージ目の第4工程と(n+1)チャージ目の第2工程で転炉内に装入されるCaOの合計量を変化させることなく、未滓化CaOの発生を抑制しつつ、さらに、排滓率の低下により、中間排滓時間も大きく短縮することができる。
ここで、図6に基づいて、上述した第1の実施形態に係る転炉の精錬方法による場合と、本実施形態に係る転炉の精錬方法による場合との中間排滓時における排滓時間を比較した結果について説明する。なお、図6は、公称能力が350トン転炉に於ける中間排滓時におけるスラグ排滓量(ton)とスラグ排滓時間(分)との関係の一例を示すグラフであり、縦軸がスラグ排滓量(ton)、横軸がスラグ排滓時間(分)を示している。なお、図6においては、第2工程での炉内スラグ量は約17t/チャージであった。
図6においては、●が第1実施形態の場合を示し、▲が本実施形態である第2実施形態の場合を示しているが、これからわかるように、(n+1)チャージ目の第2工程における脱珪・脱燐に必要なCaO量とnチャージ目の第4工程における脱燐に必要なCaO量とが一致するように、nチャージ目の第3工程における中間排滓のスラグ排滓率を決定することにより、排滓量を12t(排滓率71質量%)から9t(排滓率53質量%)へ低下させることでスラグ排滓時間が約4分から約2分へと大きく短縮されていることがわかる。
次に、図5に基づいて、本実施形態に係る転炉の精錬方法について、より具体的に説明する。図5で用いられている略号は、上記図4で用いられているものと同様であり、ここではその説明を省略する。1チャージ目の脱珪・脱燐吹錬(BI)を開始する際には、nチャージ目の脱珪・脱燐吹錬に必要な量のCaOを添加する(W1CaO〈1〉)。この脱珪・脱燐吹錬の結果、そのスラグ組成実績が判明情報として得られ、また、この時点で2チャージ目の高炉溶銑中のSi濃度(HM[Si]〈2〉)も判明情報として得られていることから、これらの情報と、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬で目標とするスラグ塩基度(BI C/S〈2〉)の情報等から、2チャージ目の脱珪・脱燐吹錬で必要なCaO量も含めたnチャージ目の脱炭吹錬で添加するCaOの量(次ch必要W2CaO〈1〉)を算出する。この計算とともに、nチャージ目の溶鋼中のP濃度の目標値([P]f〈1〉)とnチャージ目の吹き止め温度目標等の情報から、nチャージ目の中間排滓において排滓すべき排滓量(必要排滓量〈1〉)を算出しておく。この必要排滓量〈1〉は、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐に必要なCaO量とnチャージ目の脱炭吹錬時の脱燐に必要なCaO量とが一致するような条件を満たすように決定される。これらの計算は、ともに中間排滓の前に行われる。
次に、nチャージ目の中間排滓が行われる。このときの排滓量(排滓量〈1〉)は、上記のようにして算出された必要排滓量〈1〉になる様にする。この中間排滓により、nチャージ目の排滓率(排滓率〈1〉)の情報が判明する。
中間排滓終了後、脱炭吹錬(BII)が開始されるが、このとき添加されるCaO量(W2CaO〈1〉)は、上述したようにして算出された次ch必要W2CaO〈1〉に基づいて決定される。脱炭吹錬(BII)終了後、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐に再利用するスラグ量(リサイクル量)及びそのスラグの成分の情報が判明する。
次いで、この1チャージ目の脱炭スラグを再利用して、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬(BI)が開始される。このときに必要なCaOは、すでに、nチャージ目の脱炭吹錬の際に添加されているので、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬時に添加するCaO量(W1CaO〈2〉)をゼロとすることができる。また、この時点で、(n+1)チャージ目の脱珪・脱燐吹錬の実績、(n+2)チャージ目の高炉溶銑中のSi濃度(HM[Si]〈3〉)、及び3チャージ目の脱珪・脱燐吹錬で目標とするスラグの塩基度(BI C/S〈3〉)の情報等から、3チャージ目の脱珪・脱燐吹錬で必要なCaO量も含めた(n+1)チャージ目の脱炭吹錬で添加するCaOの量(次ch必要W2CaO〈2〉)を算出することは1チャージ目の場合と同様である。このようにして、脱珪・脱燐処理〜スラグ固化までの工程を繰り返すことにより、未滓化CaOの発生を抑制しつつ、スラグを有効利用することができるものである。
以下、本発明の実施例を表1を基に説明する。本実施例は公称能力350tの転炉を使用し、処理する溶銑量は350t、第2工程の脱珪脱燐吹錬における転炉内のスラグ量は25tであった。
実施例1,2、3については、本発明の条件を満足したので、(n+1)チャージ目の中間排滓したスラグ中の未滓化CaOを大幅に低減することができた。
特に、実施例2では(n+1)チャージ目の第2工程で必要なCaO量とnチャージ目の第4工程で必要なCaO量を一致させるように排滓率を調整したため、スラグ中の未滓化CaO比率が最も良好になり、しかも、実施例1より(n+1)チャージ目の投入生石灰量が少なくなり、スラグ量自体も低減できた。
また、実施例3では(n+1)チャージ目の第2工程で必要なCaO量と、nチャージ目の第4工程で必要なCaO量を一致させるように排滓率を調整し、かつ上述した計算式(I)、(II)、(III)−I、(III)−IIより求まるCaO量に従って、第4工程においてCaO投入を行っているため、投入するCaO量を最も低減することが出来た。
これに対して、比較例1は、(n+1)チャージ目の第2工程でCaO投入を行ったため未滓化CaOが本実施例に比較して多くなった。
また、比較例2では、排滓率、スラグ成分を実測していないため推定値からの誤差を見越して過剰のCaO量を添加したため未滓化CaOが多くなった。
比較例3では、排滓率、スラグ組成を実測しているが、nチャージ目の第4工程において、計算式(I)、(II)、(III)−I、(III)−IIより求まる必要CaO量より少ないCaO量を投入し、その後(n+1)チャージ目の第2工程においてCaOを追加しているため未滓化CaOが多くなった。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の一実施形態による転炉の操業方法の概要を示す説明図である。 脱珪・脱燐吹錬時に新たなCaOの添加の有無によるスラグ中の未滓化CaO分と塩基度の関係を示すグラフである。 中間排滓時でのスラグ排滓率と脱炭吹錬時でのCaO添加量との関係の一例を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態に係る転炉の精錬方法のフローを示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る転炉の精錬方法のフローを示す説明図である。 中間排滓時におけるスラグ排滓量とスラグ排滓時間との関係の一例を示すグラフである。
符号の説明
10 転炉
20 取鍋
30 上吹きランス
40 排滓鍋
50 台車
110 溶銑(溶鋼)
130 スラグ

Claims (3)

  1. 転炉に溶銑を装入する第1工程と、次いで前記転炉にCaOを投入して炉内スラグを目標塩基度にして精錬を開始することにより溶銑の脱珪及び脱燐の溶銑予備処理を行う第2工程と、次いで炉内スラグを中間的に排滓する第3工程と、次いで前記転炉内にCaOを投入して脱炭及び仕上げ脱燐を行う第4工程と、前記第4工程で精錬された溶鋼を炉外に排出する第5工程と、炉内スラグを残留させたまま次チャージの溶銑を装入する第6工程とを有する転炉の精錬方法において、
    前記第4工程で投入するCaO量を、次チャージの前記第2工程での目標塩基度と前記第4工程での仕上げ脱燐に必要なCaO量を共に確保可能なCaO量とするに際し、現在チャージの前記第3工程で排滓したスラグのCaO濃度及び排滓量を測定し、この測定したCaO濃度及び排滓量と予め求めた該排滓前の炉内スラグ量を基にして現在チャージの前記第3工程後に於ける炉内残留スラグ中のCaO量を算出し、この算出した炉内残留スラグ中のCaO量と、次チャージの前記第2工程で必要とする前記CaO量との差から、前記第4工程で投入するCaO量を決定することを特徴とする、転炉の精錬方法。
  2. 現在チャージの前記第3工程でのスラグ排滓量を、現在チャージの前記第4工程で投入するCaO量と前記次チャージの第2工程で目標塩基度を得るために必要なCaO量が同等となるようにすることを特徴とする、請求項1に記載の転炉の精錬方法。
  3. 前記現在チャージの第2工程におけるCaOの添加量は、下記(I)式または(II)式で計算されるCaO量のうち多い方のCaO量であることを特徴とする、請求項1または2に記載の転炉の精錬方法。
    WP,CaO=1000/Lp<n>×(B2[P]i<n>/目標[P]f<n>+1)×(%CaO)B2<n>−RB1,CaO<n> ・・・(I)
    WSi,CaO=(HM[Si]<n+1>×60/28×10+RSiO<n>)×(B1C/S<n+1>)−R’CaO<n> ・・・(II)
    ただし、
    WP,CaO:nチャージ目の第4工程で、脱燐に必要なCaO量
    Lp<n>:nチャージ目の第4工程における推定燐分配
    B2[P]i<n>:nチャージ目の第4工程に持ち越される燐濃度
    (燐濃度は溶鉄中の燐濃度に換算したもの)
    目標[P]f<n>:nチャージ目の第4工程処理後の目標燐濃度
    (%CaO)B2<n>:nチャージ目の第4工程処理後のスラグ中のCaOの推定濃度
    RB1,CaO<n>:nチャージ目の第2工程から、第3工程を経て、第4工程に持ち越されるCaO量
    WSi,CaO:(n+1)チャージ目の第2工程で塩基度目標値を確保するために必要なnチャージ目の第4工程で添加すべきCaO量
    HM[Si]<n+1>:(n+1)チャージ目で転炉に装入する溶銑中のSiの濃度
    RSiO<n>:nチャージ目の第6工程で(n+1)チャージ目へリサイクルされるSiO
    B1,C/S<n+1>:(n+1)チャージ目の第2工程での目標塩基度
    R’CaO<n>:nチャージ目の第6工程で(n+1)チャージ目へリサイクルされるCaO量のうち、nチャージ目の第4工程で添加する分を除いたCaO量
    RB1CaO<n>=(%CaO)B1<n>×(Ws,B1<n>−中間排滓量<n>)
    Ws,B1<n>:nチャージ目のB1炉内スラグ量
    中間排滓量<n>:nチャージ目の実測排滓スラグ量
    Ws,B1<n>は以下の連立方程式(III)−I,IIの解として得られる値である。
    Ws,B2<n−1>×(%CaO)B2<n−1>=WsB1<n>×(%CaO)B1<n> ・・(III)−I
    Ws,B2<n−1>×(%SiO)B2<n−1>+HM[Si]×60/28×溶銑量=WsB1<n>×(%SiO)B1<n> ・・・(III)−II
    尚、nチャージは現在チャージ、n+1チャージは次チャージ、n−1チャージは前チャージとする。

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