JP2005206900A - 転炉の操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ダブルスラグ法での各工程が最適パスを取るように転炉の操業を行う。
【解決手段】脱りん工程と脱炭工程とを行う転炉の操業方法において、最終目標値である脱炭工程終了後の溶鋼の目標温度T、目標炭素濃度[C]を基に、中間目標値である脱りん工程終了後の溶銑の目標温度T、目標炭素濃度[C]を算出して、前記中間目標値及び最終目標値に基づいて転炉1の操業を行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、同一容器で溶銑の脱りん精錬と脱炭精錬とを行うダブルスラグ法を用いた転炉の操業方法に関するものである。
従来から用いられている溶銑の精錬方法としては、トーピードカー内の溶銑に副原料を投入して脱りんを行うものや、2基の転炉の一方で脱りんを行い他方で脱炭を行うものなどがあった。
しかしながら、いずれの方法も脱りん工程から脱炭工程に移行する際、溶銑の移し替えを必要とし、溶銑の温度低下やエネルギーロスの発生を余儀なくしていた。
この問題点を解決するために、特許文献1に開示されたようなダブルスラグ法といわれる方法が採用されてきている。ダブルスラグ法は、溶銑を転炉に装入し(装入工程)、副原料添加と酸素吹込みを行って脱りん精錬を施し(脱りん工程)、所定のりん濃度まで低減させ、前記転炉を傾動して脱りん工程で生成したスラグを排出し(排出工程)、その後、同一転炉にて副原料添加と酸素吹錬により、所定の炭素濃度まで脱炭を行う(脱炭工程)ものである。
特許文献1には、かかるダブルスラグ法における脱りん工程での操業条件を適正化することにより、排出工程で可能な限り多くのスラグを廃棄し、脱炭工程での復りんを抑えるような技術が開示されている。
特許2896839号公報(第2頁〜第4頁)
しかしながら、特許文献1の技術は、脱りん工程での適切な操業条件のみを開示しており、ダブルスラグ法における全工程を考慮した上で最適な操業条件を決定するものとはなっていない。すなわち、ダブルスラグ法の各工程が最適パス(最適な過程)を経過するように転炉を制御してはいない。ゆえに、特許文献1の技術を採用した場合、転炉操業における操業不安定や出鋼時の溶鋼成分の規格値外れ等が発生し、操業コストが嵩んでしまうといった問題の発生も否めなかった。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ダブルスラグ法での各工程が最適パスを取るように転炉の操業を行う転炉の操業方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明における課題解決のための技術的手段は、転炉内に装入された溶銑の脱りん精錬を行う脱りん工程と、脱りん工程後の溶銑の脱炭精錬を同一転炉にて行う脱炭工程とを備える転炉の操業方法において、最終目標値である脱炭工程終了後の溶鋼の目標温度、目標炭素濃度を基に、中間目標値である脱りん工程終了後の溶銑の目標温度、目標炭素濃度を算出して、前記中間目標値及び最終目標値に基づいて転炉の操業を行うことを特徴とする。
この技術的手段によれば、最終目標値である脱炭工程終了後の目標温度、目標炭素濃度、並びにそれを用いて求められた中間目標値である脱りん工程終了後の目標温度、目標炭素濃度を用いながら、最適パスで転炉の操業を行うことが可能となる。
また、本発明における課題解決のための技術的手段は、前記最終目標値を基に脱炭工程での熱収支計算を行うことで、前記中間目標値を算出することを特徴とする。
この技術的手段によれば、脱炭工程での熱収支計算を基に、中間目標値を理論的に求めることができるようになる。
また、本発明における課題解決のための技術的手段は、溶銑を転炉に装入する装入工程と、転炉内の溶銑の脱りん精錬を行う脱りん工程と、前記脱りん工程で生成されたスラグを転炉から排出する排出工程と、前記排出工程後に同一転炉にて溶銑の脱炭精錬を行う脱炭工程とを備える転炉の操業方法において、最終目標値である脱炭工程終了後の溶鋼の目標温度、目標炭素濃度を基に脱炭工程での熱収支計算を行うことで、中間目標値である脱りん工程終了後の溶銑の目標温度、目標炭素濃度を算出し、前記中間目標値を満たすように、脱りん工程での副原料、酸素の投入量を決定し、決定された脱りん工程の副原料、酸素の投入量に基づいて、脱炭工程での副原料、酸素の投入量を決定し、それぞれの投入量に基づいて転炉の操業を行うことを特徴とする。
この技術的手段によれば、最終目標値から算出された中間目標値を用いて、脱りん工程での副原料、酸素の投入量を決定することができ、その結果を基に脱炭工程での副原料、酸素の投入量を決定することができるようになる。これら投入量に基づくことで最適パスでの転炉操業が可能となる。
また、本発明における課題解決のための技術的手段は、前記脱りん工程終了後に、前記中間目標値の実績を脱りん工程の副原料、酸素の実績投入量を基に算出し、前記中間目標実績値に基づき、脱炭工程での副原料、酸素の投入量を修正することを特徴とする。
この技術的手段によれば、脱りん工程終了後に求められた中間目標実績値に基づき、脱炭工程での副原料、酸素の投入量を修正することが可能となり、より最適な転炉の操業を行えるようになる。
すなわち、本発明における課題解決のための技術的手段は、前記脱りん工程での脱りんに必要なスラグ量を中間スラグ量として算出し、前チャージで生成され且つリサイクルされた前チャージスラグと、脱りん工程で生成されるスラグとの総量が中間スラグ量以上となるように、脱りん工程での副原料の投入量を決定し、前記投入量に基づいて転炉の操業を行うことを特徴とする。
この技術的手段によれば、算出された中間スラグ量より、前チャージスラグと脱りん工程で生成されるスラグとの総量が多くなるようにすることで、確実な脱りん処理を行えると共に、必要以上のスラグ発生を抑制できるようになる。
また、本発明における課題解決のための技術的手段は、前記脱りん工程での塩基度が所定の範囲内になるように、脱りん工程での副原料の投入量を決定することを特徴とする。
この技術的手段によれば、脱りん工程での塩基度が所定の範囲内になるように副原料の投入量を決めることで、脱りん工程での塩基度を最適なものとし、確実な脱りんを行うことが可能となる。
また、本発明における課題解決のための技術的手段は、前記排出工程で排出されるスラグ量と転炉内に残留するスラグ量との比率である排滓率を一定としていることを特徴とする。
この技術的手段によれば、一定の値を有する排滓率を用いることで、脱りん工程から脱炭工程へ繰り越されるスラグ量を簡単に算出することができ、脱炭工程での副原料、酸素の投入量を容易に算出することが可能となる。
また、本発明における課題解決のための技術的手段は、前記排滓率の実績値に基づいて、脱炭工程の副原料、酸素の投入量を修正することを特徴とする。
この技術的手段によれば、実績に基づいた排滓率により、脱炭工程の副原料、酸素の投入量を修正することで、脱炭工程での副原料の投入量を最適なものとすることができる。
本発明によれば、ダブルスラグ法での各工程が最適パスを取るように転炉の操業を行うことが可能となる。
以下、本発明にかかる転炉の操業方法を、図を基に説明する。
図1は、転炉1を用いた精錬方法の1つであるダブルスラグ法の手順(操業手順)を示したものである。
まず、装入工程として、転炉1を傾動し、炉内にスクラップ2等を装入した上で溶銑3を流し入れるようにする。
その後、溶銑3中のりんPを主に取り除く脱りん工程として、転炉1の炉口1aからランス4を挿入し、溶銑3上面に近づけ、酸素ガスを吹き付けると同時に、炉底から吹き込みガスで溶銑3を撹拌しつつ精錬(吹錬)を開始する。同時に、石灰CaO等の造滓材や酸化鉄Fexy等の冷却材、すなわち副原料を投入することで、りんPは投入された酸素と反応してスラグ相に移行し、溶銑3の上方に浮いた状態で積層するようになる。このスラグ5の中には未反応のCaOが多く含まれるため、脱りん能力を有するものとなっている。
脱りん工程でのりん処理能力は、様々な条件により変化し、溶銑3の温度Tが低い(1300〜1400℃)ほど高いものとなっている。スラグ5中のCaO/SiO2、すなわち塩基度C/Sを考えた場合、塩基度C/Sが高いほど脱りん能力が高い。
なお、以下、りんPと反応する酸素の内、ランス4から吹き込まれたものを気酸と呼び、酸化鉄Fexyを起源とする酸素を固酸と呼ぶ。また、溶銑(溶鋼)中の成分Aの濃度を[A]と表記し、スラグ中の成分Aの濃度を(A)と表記する。
次に、脱りん工程により生成されたスラグ5を、転炉1を炉前側へ傾けることで、外部に排出するようにしている。排出されたスラグ5は、転炉1下方に配置された移送手段6により運び出されるようになっている(排出工程)。しかしながら、溶銑3を排出することなくスラグ5を完全に排出することは困難であり、スラグは30%程度残る。
排出工程を経た転炉1は、再び元の姿勢に戻され、酸素吹き込みや副原料の投入をなされることで、主に溶銑3中の炭素Cを取り除き[C]を調整する脱炭工程へと進む。脱炭工程後は、転炉1を傾動させ、転炉1の上部側方に設けられた出鋼口7より溶鋼を外へ流し出すようにしている。その際、脱炭工程で生成されたスラグ5Aを残すようにし、次に精錬する溶銑3を装入するようにする(次チャージの装入工程)。
脱炭工程では溶鋼3の出鋼温度Tが1600℃〜1700℃程度に設定され、脱りん工程での溶銑3の温度Tより高温であるため、排出工程後に転炉1内に残留したスラグ5に新たに副原料を追加投入して生成させた脱炭スラグ5Aの脱りん能力は低いものとなっている。その結果、脱炭スラグ5Aによる脱炭工程での脱りん能力はスラグ5に劣り、スラグ5A自体のりん濃度(P)はスラグ5より高くなることはない。ゆえに、りん濃度(P)の低い、すなわち脱りん能力が十分にあるスラグ5Aを前チャージスラグ8としてリサイクルさせて有効利用し、廃棄スラグ量を減少することができる。
なお、脱りん工程であっても、脱炭や脱珪は行われており、脱炭工程であっても、投入された副原料により脱りんが行われ、逐次スラグ5,5Aが生成される。
上記転炉1の制御には、各工程での物質収支や熱収支計算、反応速度計算にもとづいて組み立てられた精錬モデルを用いており、この精錬モデルをプロセスコンピュータ等で計算することで導出される酸素や副原料の投入量をガイダンス値(指針値)として参照し、それに基づき転炉1を操業するようにしている(スタティックコントロール)。
さらに、このスタティックコントロールに加えて、精錬が終了直前に[C]および溶湯温度Tの測定を行い、その結果に応じて吹き込み酸素量を微調節したり冷却材を投入したりして、目標値になった時点で精錬を終了させるダイナミックコントロールを行うようにしている。
前記ガイダンス値に基づいて、精錬終点の[C]と温度Tを一度の精錬で最終目標値に合致させつつ低コストで転炉1の操業を行うようにしている。
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態は、図2に示すように、最終目標値である脱炭工程(脱C工程)終了後の溶鋼の目標温度T、目標炭素濃度[C]を基に、中間目標値である脱りん工程(脱P工程)終了後の溶銑の目標温度T、目標炭素濃度[C]を算出して、これらガイダンス値である中間目標値及び最終目標値に基づいて転炉1の操業を行うものであり、前記最終目標値を基に脱炭工程での熱収支計算を行うことで、前記中間目標値を算出するようにしている。
換言すれば、前記ダブルスラグ法を行う転炉1の操業方法において、最終目標値である脱炭工程終了後の溶鋼の目標温度T、目標炭素濃度[C]を基に脱炭工程での熱収支計算を行うことで、中間目標値である脱りん工程終了後の溶銑の目標温度T、目標炭素濃度[C]を算出し、前記中間目標値を満たすように、脱りん工程での副原料、酸素の投入量を決定し、決定された脱りん工程の副原料、酸素の投入量に基づいて、脱炭工程での副原料、酸素の投入量を決定し、それぞれの投入量をガイダンス値(指針値)として転炉1の操業を行うものである。
図3、図4は、第1実施形態の転炉操業方法におけるガイダンス値を算出する方法、すなわち精錬モデルのフローを示したものである。
まず、最終目標値として脱炭工程が終了して出鋼する際の目標温度Tや目標炭素濃度[C]を設定する(S301、S302)。
次に、この最終目標値を基に脱炭工程での熱収支計算を行うことで、中間目標値である脱りん工程後の目標温度Tと目標[C]を決定するようにする(S303,S304)。
前記中間目標値の決定方法の詳細は、図4に示すようなものであり、まず、脱炭工程での鉄収支計算より、溶鋼の出鋼量と生成されるスラグ量とを求めるようにする(S401)。すなわち、式(1)の如く、脱りん後の溶銑量と脱炭工程において溶解するスクラップ2等の量とを加えたものから、取り除かれる炭素Cや珪素Si等の量を引くことにより、溶鋼の出鋼量を算出し、前記取り除かれる炭素量や珪素量に予め求めた係数をかけることで生成されるスラグ量を算出する。

出鋼量=脱りん後の溶銑量+スクラップ量−脱C量−脱Si量 ・・・(1)

次に、S401の計算結果と最終目標値(出鋼時の目標温度Tと目標[C])を入力値として、脱炭工程での熱収支計算を行うようにする。つまり、脱炭工程において転炉1内に入る熱を入熱QTotal_inとして考えると共に、転炉1から外部に出る熱を出熱QTotal_outとし、「入熱=出熱」の方程式を立て、それを解くようにする(S402)。
入熱QTotal_inとしては、式(2)の如く、脱りん後の溶銑3及び残留スラグ5の有する熱量や脱炭工程での溶銑3の成分(Si,P,C等)の酸化による発熱を考えるようにし、出熱QTotal_outとしては、式(3)の如く発生ガスが持ち去る熱量や出鋼時に溶鋼3及びスラグ5が有する熱量、酸化鉄Fexyや生ドロ等の投入による冷却を考えるようにする。
すなわち、
Total_in
in〔0〕+Qin〔1〕+Qin〔2〕+Qin〔3〕+Qin〔4〕+Qin〔5〕
+Qin〔6〕+Qin〔7〕+Qin〔8〕+Qin〔slag・P〕
・・・ (2)

ここで、
in〔0〕:溶銑払出量による熱量
in〔1〕:装入成分〔Si〕量による熱量
in〔2〕:装入成分〔Ti〕量による熱量
in〔3〕:装入成分〔AL〕量による熱量
in〔4〕:装入成分〔Mn〕量による熱量
in〔5〕:装入成分〔P〕量による熱量
in〔6〕:鉄の酸化による熱量
in〔7〕:装入成分〔C〕量による熱量
in〔8〕:装入スラグ〔SiO2〕量による熱量
in〔slag・P〕:脱Pスラグの炉内残留スラグ量による熱量

出熱としては、式(3)を考える。

Total_out
out〔0〕+Qout〔1〕+Qout〔2〕+Qout〔3〕+Qout〔4〕
+Qout〔5〕+Qout〔st〕+Qout〔slag〕
+Qout〔slag(溶融)〕+Qout〔sc(溶融)〕
・・・ (3)

ここで、Qout〔0〕:発生ガスによる熱量
out〔1〕:スケール投入による熱量
out〔2〕:冷却材(鉄鉱石Fexy)投入による熱量
out〔3〕:Mn鉱石投入による熱量
out〔4〕:生ドロ投入による熱量
out〔5〕:スクラップ吸熱量
out〔st〕:吹止溶鋼の熱量
out〔slag〕:吹止時スラグの熱量
out〔slag(溶融)〕:スラグの溶融熱量
out〔sc(溶融)〕:スクラップの溶融熱量

なお、「入熱=出熱」の方程式には、熱量Qの変数として中間目標値である脱りん工程後の目標温度Tが含まれると共に目標[C]も含まれており、両者は未知数であるが、方程式は1つであるため、このままでは解が一義的に決定しない。そこで、脱りん工程後の目標[C]は、脱りん時の総酸素量を溶銑1トンあたり標準状態で11m3(11Nm3/t)の固定値とし、この酸素と結合する炭素量を式(4)に基づき決定するようにしている。

脱C量(kg/チャージ)=0.9561×総酸素使用予定量−1415.4
総酸素使用予定量(Nm3/チャージ)
=11×(溶銑量+スクラップ量)/1000 ・・・(4)

決定された目標[C]を用いて「入熱=出熱」の方程式を解くと、脱りん工程後の溶銑3の目標温度Tが計算できる(S404)。
以上、求まった脱りん工程後の目標温度Tと目標[C]、すなわち中間目標値を基に、脱りん工程において投入する副原料の量を求めるようにする(S305)。本実施形態の場合、脱りん工程で投入される副原料、例えば、生石灰CaO等の造滓材は、溶銑3中のりんPを取り去るのに必要十分な量を投入するようにすればよい。
ところが、前記副原料の投入により溶銑温度Tが必要以上に低下する場合がある。そこで、溶銑温度Tを中間目標値に合致させるべく固酸と気酸との比率を決定し、吹き込み酸素量などを決めるようにしている(S306)。気酸すなわちランス4から吹き込まれる酸素及び固酸の分解により供給される酸素は、溶銑3中の炭素Cと反応して発熱するが、その内、固酸すなわち冷却材である酸化鉄Fexyは、溶銑3中で酸素Oと鉄Feとに分解する際に大きく吸熱する。したがって、気酸と固酸との比率を調整することで溶銑3の温度Tを上昇又は下降させて中間目標値とすることができる。
さらに、求められた副原料の投入量、及び気酸と固酸との比率をもとに、副原料の酸化過程を示す化学式等からスラグ5の各成分(CaO,SiO2,Al23,MgO,T.Fe等)の生成量を算出すると共に、式(5)に基づき、スラグ成分値を予測する。求められたCaOとSiO2の生成量から塩基度C/Sを導出する(S307)。

スラグ成分(CaO) = 生成CaO量/計算スラグ量
スラグ成分(SiO2) = 生成SiO2量/計算スラグ量
スラグ成分(Al23) = 生成Al23量/計算スラグ量
スラグ成分(MgO) = 生成MgO量/計算スラグ量 ・・・(5)

塩基度C/S = 生成スラグ(CaO)/生成スラグ(SiO2) ・・・(6)

これらの値が適切でない場合は、投入された副原料により形成されたスラグ5の脱りん能力が著しく低下するため、再度、S305,S306に戻り、再計算を行った上で、適切な塩基度C/Sとなるように、副原料の投入量および、気酸と固酸との比率を算出するとよい。
以上述べたように、S305→S306→S307により求められた副原料の投入量および、気酸と固酸との比率は、脱りん工程における転炉操業のガイダンス値であり、それに基づいて、脱りん工程での転炉1の操業を行うようにしている。
続いて、図3のように、脱りん工程におけるガイダンス値を入力値、最終目標値を出力値として、脱炭工程でのガイダンス値を算出するようにしている。
まず、中間目標値や脱りん工程でのガイダンス値を基に、脱炭工程での副原料(生石灰CaO等)の投入量を算出するようにする(S308)。S308においては、脱りん工程で生成されたスラグ5の一定量(30%)が繰り越される、換言すれば排出工程において一定量のスラグ5が残留するものとして計算を進めている。
次に、溶銑温度Tを最終目標値にするべく、固酸と気酸との比率を決定する(S309)。気酸が多ければ溶銑3の温度Tは上昇し、固酸が多ければ溶銑3の温度Tは下降する傾向にあるため、気酸と固酸との比率を調整することで溶銑3の温度Tを最終目標値とすることができるようになる。
さらに、前記S307と同様に化学反応過程などを考慮することで、脱炭工程での塩基度C/Sやスラグ予測成分値を、副原料の投入量および、気酸と固酸との比率から算出している(S310)。S310で求められた塩基度C/Sの値が適切でない場合は、S308,S309に戻り、塩基度C/Sを適切にするように計算を再度行うようにしている。
S308→S309→S310により、求められた副原料の投入量および、気酸と固酸との比率は、脱炭工程における転炉操業のガイダンス値であり、それに基づいて、転炉1の操業を行うようにするとよい。
なお、本実施形態の場合、出鋼時の目標りん濃度[P]や脱りん工程後の目標りん濃度[P]は、適宜最適な値を設定するようにしている。
以上のように求められるガイダンス値を用いることで、ダブルスラグ法での各工程が最適パスを取るように転炉の操業を行うことができる。
図5は、本発明にかかる第2実施形態における精錬モデルのフローを示したものである。
本実施形態は、脱りん工程での脱りんに必要なスラグ量を中間スラグ量(ミニマムスラグ量)として算出し、脱炭工程で生成され且つリサイクルされた前チャージスラグ8と、脱りん工程で生成されるスラグ5との総量がミニマムスラグ量以上となるように、脱りん工程での副原料の投入量を決定し、決定された投入量に基づいて転炉1の操業を行うことが、第1実施形態とは大きく異なる点である。
図5に示す如く、まず、最終目標値として脱炭工程が終了して出鋼する際の目標温度Tや目標[C]を設定し(S501、S502)、この最終目標値を基に、中間目標値である脱りん工程後の目標[C]を決定するようにする(S503)。
本実施形態の場合も、脱りん工程後の目標[C]は、脱りん時の総酸素量(脱珪に消費される酸素量は除く)を11Nm3/tの固定値とし、この酸素と結合する炭素量を化学式等から算出して決定するようにしている。
その後、当該脱りん工程での脱りんに必要とされるスラグ量を、ミニマムスラグ量(中間スラグ量)として算出する(S504)。
脱りん工程における溶銑3中の[P]が一定値(0.03%)以下の場合、酸素と結合してスラグ相へ移行する反応スピードが非常に遅くなり、スラグ5による脱りんがほとんど行われない状況となる。すなわち、溶銑3中のりん供給が律速となって脱りん効率が非常に低下するようになる。かかるりん供給律速になるまでの脱P量を吸収するのに最低限必要となるスラグ量をミニマムスラグ量と呼ぶ。ミニマムスラグ量より多い量のスラグ5を生成したとしても、脱りん処理能力は大きく向上することはなく、スラグ排出量のみが増大することとなり非効率である。かかるミニマムスラグ量を可能な限り精度よく算出し、それに基づき操業を行うことは非常に有利である。
このミニマムスラグ量は、式(7)の如く、溶銑3の[P]や、装入工程で転炉1内に装入されている冷銑、スクラップ2の[P]、前チャージからリサイクルされる前チャージスラグ8の(P)を合計した上でインプットP量として定義し、このインプットP量から脱りん工程後の[P]を差し引いた値に、P25の生成目標量から得られる所定の係数を乗じることでミニマムスラグ量を算出するようにしている。

ミニマムスラグ量 =(インプットP量ー脱りん工程後[P]×溶銑量)
×2.29/脱P後目標(P25) ・・・(7)

さらに、中間目標値である脱りん工程後の目標温度Tを第1実施形態と同様に図4に示したフローに従い求めるようにする(S505)。
以上、求まった脱りん工程後の目標温度Tと目標[C]とを基にして、式(8)の関係を満たすように、脱りん工程において投入する副原料(造滓材)の量を求め(S506)、溶銑温度Tを前記中間目標値にするべく、固酸と気酸との投入比率を決定し、それに基づき吹き込み酸素量と冷却材との投入量の関係を決めるようにしている(S507)。

ミニマムスラグ量 ≦ 前チャージスラグ量 + 脱りん工程での生成スラグ量
・・・(8)

具体的には、投入される副原料がすべてゼロであると仮定して、溶銑3の脱りん工程での熱収支計算を行い、発生するスラグ量、すなわち地金付着スラグや溶銑3及びスクラップ中の成分の酸化により発生するCaO、SiO2、P25、T.Fe量等を計算する。これらのスラグ量の合計と前チャージスラグ8との総量が、ミニマムスラグ量より少ない場合は、生成スラグを増加させるべく、副原料(生石灰、珪石等)の投入を行うようにする。
その後、求められた副原料の投入量および、気酸と固酸との比率をもとに、塩基度C/Sやスラグ予測成分値を算出するようにしている(S508)。
S506→S507→S508により求められた副原料の投入量および、気酸と固酸との比率は、脱りん工程における操業のガイダンス値であり、それに基づいて、脱りん工程での転炉1の操業を行うようにしている。
続いて、第1実施形態と同様に、前記脱りん工程のガイダンス値を入力値、最終目標値を出力値として、脱炭工程でのガイダンス値を算出し(S509,S510,S511)、それに基づいて、転炉1の操業を行うようにするとよい。
以上述べたように、ミニマムスラグという考え方を導入することで、確実な脱りん処理を行えると共に無駄なスラグ発生を防止できるようになる。
図6は、本発明にかかる第3実施形態における精錬モデルのフローを示したものである。
本実施形態は、脱りん工程での脱りんに必要なスラグ量を中間スラグ量(ミニマムスラグ量)として算出し、脱炭工程で生成され且つリサイクルされた前チャージスラグ8と、脱りん工程で生成されるスラグ5との総量がミニマムスラグ量以上となるように、脱りん工程での副原料の投入量を決定し、決定された投入量に基づいて転炉1の操業を行い、さらに、前記脱りん工程での塩基度C/Sが所定の範囲内になるように、脱りん工程での副原料の投入量を決定する点が、第2実施形態とは大きく異なる点である。
これにより、投入する副原料の配合割合や投入量をより精度よく算出し、ガイダンス値として呈示することができるようになる。
図6に示すように、脱りん工程での副原料投入量の計算(S602)は、まず、投入される副原料がすべてゼロであると仮定して、溶銑3での熱収支計算を行い、発生するスラグ量、すなわち発生するCaO、SiO2、P25、T.Fe量等を計算する。これらのスラグ量の合計を計算スラグ量とする(S603)。
この計算スラグ量が、S601において計算されたミニマムスラグ量より少ない場合は、生成スラグを増加させるべく、塩基度C/Sが適正範囲(1.0〜3.0)となるように副原料(生石灰、珪石等)の投入を行うことを決定し、その投入量を算出するようにする(S604)。
計算スラグ量がミニマムスラグ量より多い場合は、塩基度C/Sの計算を行い、その値が一定範囲内(1.0〜3.0)に納まっているかどうか判定する。
もし、上記範囲以外であったら、塩基度C/Sを適正とするために投入するべき副原料の種類や投入量を計算により求めるようにする(S605)。塩基度C/Sが前記範囲内であった場合は、副原料=0のまま計算を進める。
以上の計算により求められた副原料の投入に伴う昇熱を緩和するために、冷却材(鉄鉱石)の投入量を熱収支計算を行いながら決定する(S606,S607)。
本実施形態による転炉1の操業を行い、ミニマムスラグ量より前チャージスラグ8と生成スラグ5との総量が多くなるようにすることで、確実な脱りん処理を行えると共に、必要以上のスラグ発生を抑制できるようになる。
なお、転炉操業のためのガイダンス値を算出する他の処理手順は、第2実施形態と略同じであり、その説明は省略する。
図7は、本発明にかかる第4実施形態における精錬モデルのフローを示したものである。
ダブルスラグ法で溶銑3の精錬を行う際には、脱りん工程後に、目標温度Tや目標[C]の実績値を求め、それを後に続く工程である脱炭工程に反映させることは非常に有益である。
そこで、本実施形態は、前記脱りん工程終了後に、中間目標値の実績を脱りん工程の副原料、酸素の実績投入量を基に算出し、かかる中間目標値の実績値に基づき、脱炭工程での副原料、酸素の投入量を修正するようにしており、この点が第2実施形態とは大きく異なる点である。
まず、脱りん工程時のガイダンス値や脱炭工程時のガイダンス値を、第1実施形態や第2実施形態の手順を用いて算出した上で、そのガイダンス値に基づいて脱りん工程を実際に行う。その後、脱炭工程を行う前に、脱りん工程における副原料、酸素の実績投入量を基に、脱りん工程後の目標温度T、目標[C]を算出するようにする(S701)。
具体的には、気酸はランス4から吹き込まれた酸素量の実績値を採用し、固酸は投入されたスケールや鉄鉱石量の実績値に係数をかけることで算出する。求められた気酸・固酸量を基にして、酸化により取り去られる炭素量や珪素量を求めるようにする。さらに、転炉に装入された溶銑及び鉄屑の量や副原料量の実績値を基に、熱収支計算(入熱=出熱)を行うことで、脱りん後の目標温度Tを求める。
次に、求まった目標温度T、目標[C]を基に、脱りん工程終了時における塩基度C/Sを再計算するようにする(S702)。
以上のようにして求まった中間目標値の実績値を、脱炭工程の熱収支計算を基に計算した中間目標値と置き換えることにより、脱炭工程での副原料配合量の再計算(S703)、気酸と固酸との比率の再計算(S704)、脱炭工程での塩基度C/Sの計算(S705)を行い、脱炭工程でのガイダンス値を再算出するようにする。このガイダンス値に基づいて、脱炭工程での転炉1の操業を行う。
本実施形態による操業を行うことで、脱りん工程後の実績値測定のために、溶銑温度及び溶銑サンプルを採取する時間及び作業負荷を省略することができ、精錬トータル時間を短縮することが可能となる。サンプル採取のための設備を設ける必要もなくなる。
なお、適宜、溶銑3のサンプル採取を行い、そのデータに基づいて、副原料、酸素の実績投入量を基に算出された中間目標実績値の補正を行うことは非常に好ましい。
転炉操業のためのガイダンス値を算出する他の処理手順は、第2実施形態と略同じであるため、説明を省略する。
図8は、本発明にかかる第5実施形態における精錬モデルのフローを示したものである。
本実施形態は、排出工程で排出されるスラグ量と全スラグ量との比率である排滓率を一定(70%)とせず、排滓率の実績値に基づいて、脱炭工程の副原料、酸素の投入量を修正する点が他の実施形態と大きく異なっており、他の点では第2実施形態と略同一である。
排出工程で排出されず転炉1内に残留するスラグ量の測定は、排出したスラグ重量を測定して脱Pスラグ量より差し引いて行った。その他の方法として、目視や画像処理手法を用いて測定する(S801)。
S801における測定結果をもとに、繰り越しスラグ量が多ければ、炉内に存在するPが多いということであり、脱炭工程で投入する副原料の量を増やす必要がある。スラグ量の実績から、より正確な気酸と固酸との比率を求めたり、信頼度の高い塩基度C/Sを計算で算出することができるようになる。つまり、副原料の過剰使用や適正値を外れた量での使用を防ぐことができる。
この考えのもと、前記繰り越しスラグ量の実績値を入力値として、脱炭工程での副原料配合量の再計算(S703)、気酸と固酸との比率の再計算(S704)、脱炭工程での塩基度計算(S705)を行うようにする。
このようにして求められた脱炭工程での副原料の投入量および、気酸と固酸との比率のガイダンス値に基づき、転炉1の操業を行うようにする。
以上述べた、第1実施形態〜第5実施形態を500kg溶解炉(試験転炉)に適用し、精錬を行った結果を図9〜図12に示している。脱りん処理前の溶銑は500kg高周波炉にて銑鉄を溶解した上で調製することで生成した(一部、成分調整のために試薬を追加投入した)。
第1実施形態を適用した精錬にかかる各データは、図中では本発明例1と記載されており、他も同様である。
図9には、転炉1に装入した溶銑3の成分を示したものである。本発明例1〜本発明例5の全てにおいて、[C]、[Si]、[Mn]、[P]、[S]は同一であり、溶銑温度Tも1350℃前後で略同一である。
図10には、第1実施形態〜第5実施形態に開示した精錬モデルから得られたガイダンス値を基に、前記溶銑3の脱りん工程を行った結果を示している。脱りん後の溶銑温度Tは1320℃前後でばらつきが少なく、比較例1(本発明にかかる技術を適用していないもの)の1350℃より低温で、脱りんに適した温度となっていることがわかる。
各発明例において、投入される副原料(造滓材)の量は異なると共に使用される総酸素量も11Nm3/t前後となっているが、比較例1に比べ、どちらも使用量は少なくなっていて、効率のいい精錬が行われていることがわかる。
図11には、第1実施形態〜第5実施形態に開示した精錬モデルから得られたガイダンス値を基に脱炭工程を行った結果を示している。
各発明例において、投入される副原料の量は異なるものの、高価な昇熱材(黒鉛)の使用量は全てにおいてゼロであり、精錬コストの低い転炉の運用が可能となっていることがわかる。また、脱炭後の溶鋼温度T(ダイナミックコントロール後の溶鋼温度T)は1680℃前後でばらつきが少なく、目標温度(1680℃)と略一致するものとなっている。
図12には、各項目別に、比較例1と本発明例1〜本発明例5の結果が示してある。
図12(a)は、溶銑精錬後に排出されスラグ量を示したものであり、比較例と比べて、各発明例の排出スラグ量は少ないものとなっている。特に、ミニマムスラグ量を導入した本発明例2〜本発明例5に関しては、スラグ排出量が著しく少ないものとなっている。 図12(b)は[P]の規格上限はずれ率、図12(c)は出鋼時の溶鋼温度Tの上下限規格はずれ率を示したものであり、本発明例1では5%、本発明例2〜本発明例5では0%であり、比較例1と比べて大きく向上していることがわかる。
製鋼時間も、例えば、本発明例4はサンプル採取時間を省略できたため、比較例1と比べて3分もの時間短縮が可能となっている。
本実施例の本発明例1〜本発明例5のいずれにおいても、最適パスで転炉の操業が行われているため、熱ロスが非常に少なく高価な昇熱材を必要としないものとなっている。
なお、本発明の転炉1の操業方法は、上記実施の形態に限定されるものではない。
すなわち、最終目標値や中間目標値として、溶鉄(溶鋼又は溶銑)温度Tと[C]とを採用したが、そのいずれか一方であってもよく、[P]や[Mn]や[Si]を最終目標値又は中間目標値として採用してもよい。
また、転炉は上吹き転炉、底吹き転炉、又は上底吹き転炉のいずれであってもよい。
ダブルスラグ法の操業手順を示した図である。 本発明の基本的な考えを示した概念図である。 第1実施形態にかかる精錬モデルのフローチャートである。 脱りん工程後の溶銑の目標温度を求めるフローチャートである。 第2実施形態にかかる精錬モデルのフローチャートである。 第3実施形態にかかる精錬モデルのフローチャートである。 第4実施形態にかかる精錬モデルのフローチャートである。 第5実施形態にかかる精錬モデルのフローチャートである。 実施例1において転炉に装入した溶銑の成分を示した図である。 実施例1の脱りん工程後の結果を示した図である。 実施例1の脱炭工程後の結果を示した図である。 実施例1の結果を示した図である。
符号の説明
1 転炉
2 スクラップ
3 溶銑
4 ランス
5 スラグ
8 前チャージスラグ

Claims (8)

  1. 転炉内に装入された溶銑の脱りん精錬を行う脱りん工程と、脱りん工程後の溶銑の脱炭精錬を同一転炉にて行う脱炭工程とを備える転炉の操業方法において、
    最終目標値である脱炭工程終了後の溶鋼の目標温度、目標炭素濃度を基に、中間目標値である脱りん工程終了後の溶銑の目標温度、目標炭素濃度を算出して、
    前記中間目標値及び最終目標値に基づいて転炉の操業を行うことを特徴とする転炉の操業方法。
  2. 前記最終目標値を基に脱炭工程での熱収支計算を行うことで、前記中間目標値を算出することを特徴とする請求項1に記載の転炉の操業方法。
  3. 溶銑を転炉に装入する装入工程と、転炉内の溶銑の脱りん精錬を行う脱りん工程と、前記脱りん工程で生成されたスラグを転炉から排出する排出工程と、前記排出工程後に同一転炉にて溶銑の脱炭精錬を行う脱炭工程とを備える転炉の操業方法において、
    最終目標値である脱炭工程終了後の溶鋼の目標温度、目標炭素濃度を基に脱炭工程での熱収支計算を行うことで、中間目標値である脱りん工程終了後の溶銑の目標温度、目標炭素濃度を算出し、
    前記中間目標値を満たすように、脱りん工程での副原料、酸素の投入量を決定し、
    決定された脱りん工程の副原料、酸素の投入量に基づいて、脱炭工程での副原料、酸素の投入量を決定し、
    それぞれの投入量に基づいて転炉の操業を行うことを特徴とする転炉の操業方法。
  4. 前記脱りん工程終了後に、前記中間目標値の実績を脱りん工程の副原料、酸素の実績投入量を基に算出し、
    前記中間目標実績値に基づき、脱炭工程での副原料、酸素の投入量を修正することを特徴とする請求項3に記載の転炉の操業方法。
  5. 前記脱りん工程での脱りんに必要なスラグ量を中間スラグ量として算出し、
    前チャージで生成され且つリサイクルされた前チャージスラグと、脱りん工程で生成されるスラグとの総量が中間スラグ量以上となるように、脱りん工程での副原料の投入量を決定し、
    前記投入量に基づいて転炉の操業を行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の転炉の操業方法。
  6. 前記脱りん工程での塩基度が所定の範囲内になるように、脱りん工程での副原料の投入量を決定することを特徴とする請求項5に記載の転炉の操業方法。
  7. 前記排出工程で排出されるスラグ量と転炉内に残留するスラグ量との比率である排滓率を一定としていることを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載の転炉の操業方法。
  8. 前記排滓率の実績値に基づいて、脱炭工程の副原料、酸素の投入量を修正することを特徴とする請求項7に記載の転炉の操業方法。
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