JP2010125732A - 分割体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】セラミックス平板11の表面に分割溝12が形成されるとともに該分割溝12の形成部位の両側方位置にそれぞれ金属層5が設けられてなる基板素材13を作成しておき、該基板素材13のセラミックス平板11を湾曲させることにより、分割溝12からセラミックス平板11を分割して複数のセラミックス基板を製造する方法であって、分割溝12の形成部位の両側方位置で両金属層5の側縁部を押圧することによりセラミックス平板11を湾曲させる。
【選択図】 図1
Description
これに対して、金属層を押圧する方法の場合は、その押圧力の作用点間では曲げモーメントが一定であるので、凸条部の先端形状やセラミックス板の厚さむらや反り等のばらつきに左右されずに、分割形状を均一にすることができる。特に、複数の分割溝を一度に分割する場合、個々の分割形状のばらつきをなくして、均一な品質のセラミックス基板を製造することができる。
本発明のセラミックス基板製造装置においては、前記基板素材の両面に配置される可撓性材料からなる一対の当て板部材が備えられ、前記凸条部は、前記当て板部材に形成されているとよい。
可撓性材料からなる当て板部材を基板素材の両面に配置して、これら当て板部材を撓ませることにより、当て板部材を介して基板素材が湾曲させられる。当て板部材は、その可撓性により基板素材の表面を全面的に押圧することになるとともに、セラミックス平板が分割されるときも両当て板部材により両面から拘束された状態となり、セラミックス平板が分割時にあばれることはない。
凸条部により金属層を押圧する前に、ガイド突起が両金属層の間に侵入することにより、セラミックス平板と凸条部とが位置合わせされ、作業性が良い。この場合、前述したように、両押圧力の作用点の間では曲げモーメントが一定であるので、ガイド突起による位置決めは概略的でよい。
この実施形態の製造方法によって製造されるセラミックス基板を用いたパワーモジュールについて説明しておくと、このパワーモジュール1は、図4に示すように、セラミックス基板2と、該セラミックス基板2の表面に搭載された半導体チップ等の電子部品3とから構成される。セラミックス基板2は、セラミックス板4の表面に回路層用金属層5が積層されるとともに、セラミックス板4の裏面に放熱層用金属層6が積層されており、回路層用金属層5の上に電子部品3が搭載され、放熱層用金属層6にヒートシンク7が取り付けられる構成である。
一方、ヒートシンク7は、アルミニウム合金の押し出し成形によって形成され、その長さ方向に沿って冷却水を流通させるための多数の流路9が形成されており、セラミックス基板2との間はろう付け、はんだ付け、ボルト等によって接合される。
まず、複数のセラミックス板4を形成可能な大きさのセラミックス平板11を用意し、その片面に、レーザ加工やダイヤモンドホイールによる切削加工等によって各セラミックス板4に分割するための分割溝12を形成しておく。図1に示す例では、放熱層用金属層6が設けられている側の面に分割溝12が形成される。この分割溝12は、矩形のセラミックス板4に合わせて縦方向及び横方向にそれぞれ一定の間隔で配置されることにより全体として格子状に形成される。また、分割溝12によって区画された領域内に、その両面に金属層5,6がろう付けによって貼り付けられることにより、基板素材13が構成される。
あらかじめセラミックス平板11の片面に格子状に分割溝12を形成し、この分割溝12により囲まれた領域の両面に金属層5,6をろう付けにより貼り付けることにより、基板素材13を作成しておく。
このようにして両当て板部材21を基板素材13の両面に配置した状態で、これらを図1(a)に示すように凹型23の上に載置する。この図1に示す例では、凹型23が上方に凹面23aを向けて配置され、基板素材13は、分割溝12を下方に向けた状態で載置される。そして、上方から凸型22を下降することにより、その凸面22aで当て板部材21の上面を押圧しながら、両当て板部材21及びセラミックス平板11を湾曲させ、両型22,23の凸面22a及び凹面23a間に挟持すると、図1(b)に示すように、脆性材料であるセラミックス平板11が分割溝12に沿って分割される。
その分割時の状態を示したのが図1(b)であり、セラミックス平板11が分割に至る際にも、当て板部材21はまだ弾性域の範囲内にあり、その凸条部25の間に基板素材13を挟んだ状態を維持しながら湾曲変形している。
この図3のB欄に示すように、分割溝12の形成部位Xを1点で押圧する構造は、両端支持の単純はりの支点間の1箇所に集中荷重Pが作用した状態であり、その1点で曲げモーメントMが最大になる。そして、その作用点が、分割溝12の形成部位Xである場合には、最大の曲げモーメントを作用させることができるが、その部位Xから少しでもずれると、分割溝12に作用する曲げモーメントも減少することになり、せん断力Sも、ずれの方向によっては作用方向が逆になる。このため、押圧力を作用させる凸条部の先端形状やセラミックス板の表面状態等のばらつきに起因するわずかなずれにより、分割溝に作用する曲げモーメントがばらつき、バリが発生したり、斜めに割れたり、分割ラインが乱れたりするなど、分割形状が不均一になるおそれがある。
例えば、上記実施形態では、二つの当て板部材を塩化ビニル樹脂で形成したが、分割対象のセラミックスより大きい可撓性を有するものであれば、他の材料で形成してもよい。また、各実施形態では二つの当て板部材とも同じ材料によって同じ形状、同じ寸法に形成し、したがってその可撓性も同じ程度に形成されているが、セラミックス平板が変形して分割されるまでの間、及び分割後においても両当て板部材の間に基板素材又はセラミックス基板を保持できるものであれば、必ずしも両方が同じ特性でなくてもよい。さらに、当て板部材の板状部と凸条部との材料を変えてもよく、板状部は可撓性を有する材料により構成し、凸条部は基板素材に当接するため耐摩耗性材料として硬質プラスチック等により構成するようにしてもよい。また、板状素材の片面にのみ分割溝を形成した例を示したが、両面に分割溝を形成したものに適用してもよい。また、基板素材を湾曲させる手段として、実施形態の凸型と凹型との間で押圧する方法以外にも、従来の技術で挙げたベルトによって挟んだ状態でベルト毎曲げる方法や、両当て板部材の端部を拘束して曲げモーメントを作用させる方法等を採用することができる。また、セラミックス基板としてセラミックス板の両面に回路層用金属層及び放熱層用金属層を設けた例を示したが、セラミックス板の片面に回路層用金属層のみを設けたものにも適用することができる。その他、本発明は、パワーモジュール用基板以外にも、各種半導体基板等を分割して製造する場合に適用することができる。
2 セラミックス基板
4 セラミックス板
5 回路層用金属層
6 放熱層用金属層
11 セラミックス平板
12 分割溝
13 基板素材
20 製造装置
21 当て板部材
22 凸型
22a 凸面
23 凹型
23a 凹面
24 板状部
25 凸条部
26 ガイド突起
Claims (5)
- セラミックス平板の表面に分割溝が形成されるとともに該分割溝の形成部位の両側方位置にそれぞれ金属層が設けられてなる基板素材を作成しておき、該基板素材の前記セラミックス平板を湾曲させることにより、前記分割溝から前記セラミックス平板を分割して複数のセラミックス基板を製造する方法であって、
前記分割溝の形成部位の両側方位置で両金属層の側縁部を押圧することにより前記セラミックス平板を湾曲させることを特徴とするセラミックス基板製造方法。 - 前記基板素材の両面に可撓性材料からなる一対の当て板部材を配置するとともに、該当て板部材の一部を前記分割溝の形成部位の両側方位置で両金属層の側縁部に当接させておき、両当て板部材により前記セラミックス平板を挟持した状態で該当て板部材を撓ませることにより両当て板部材の間で前記セラミックス平板を分割することを特徴とする請求項1記載のセラミックス基板製造方法。
- セラミックス平板の表面に分割溝が形成されるとともに該分割溝の形成部位の両側方位置にそれぞれ金属層が設けられてなる基板素材の前記セラミックス平板を湾曲させることにより、前記分割溝から前記セラミックス平板を分割して複数のセラミックス基板を製造する装置であって、
前記セラミックス平板を押圧して湾曲させる際に前記分割溝の形成部位の両側方位置で各金属層の側縁部に当接して押圧力を前記セラミックス平板に伝達する凸条部が備えられていることを特徴とするセラミックス基板製造装置。 - 前記基板素材の両面に配置される可撓性材料からなる一対の当て板部材が備えられ、前記凸条部は、前記当て板部材に形成されていることを特徴とする請求項3記載のセラミックス基板製造装置。
- 前記凸条部における各金属層への当接部の間に、該凸条部が前記金属層に当接したときに両金属層の間に配置されるガイド突起が形成され、該ガイド突起の突出高さは、両金属層の厚さよりも小さいことを特徴とする請求項3又は4記載のセラミックス基板製造装置。
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