JP2000150426A - 圧電振動素子の製造方法 - Google Patents

圧電振動素子の製造方法

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JP2000150426A
JP2000150426A JP31498098A JP31498098A JP2000150426A JP 2000150426 A JP2000150426 A JP 2000150426A JP 31498098 A JP31498098 A JP 31498098A JP 31498098 A JP31498098 A JP 31498098A JP 2000150426 A JP2000150426 A JP 2000150426A
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wafer
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Hideaki Nakamura
英明 中村
Tetsuo Nakagawa
哲男 中川
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な工程で信頼性の高い種々の圧電振動素
子を製造することができる圧電振動素子の製造方法を提
供すること。 【解決手段】 圧電振動素子5の基板2の表面に傷を付
け、前記傷2aを前記基板の厚み方向に成長させ、前記
基板を前記圧電振動素子に分割する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電振動素子の製
造方法に関し、特に圧電振動素子の基板を個々の圧電振
動素子に分割する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電振動素子の基板(以下、ウェ
ハーともいう)を圧電振動素子(以下、チップともい
う)に分割する際は、ダイシングソーと呼ばれる切削装
置が用いられている。このダイシングソーは、ブレード
と呼ばれるダイアモンドを樹脂で固めた薄い円板を備え
ており、このブレードを高速回転させながらウェハーと
接触させて移動させることにより、ウェハーを切削して
チップに分割する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の圧電振
動素子の製造方法に用いられるダイシングソーは、ウェ
ハーを研削しながら切断するため、ウェハーの研削屑が
発生する。また研削部は局部的に摩擦熱で高温になる。
研削部が摩擦熱で高温になるとブレードが破損するた
め、摩擦抵抗を減らして摩擦熱の発生を抑えるとともに
研削部を冷却することを兼ねて、ウェハーには研削液が
掛けられる。そのため、ウェハーの切削終了後のウェハ
ー上には研削屑の混じった研削液が残るので切削工程後
に、洗浄・乾燥装置によるチップの洗浄・乾燥工程が必
要になる。
【0004】また、ウェハーは、ダイシングシートと呼
ばれる粘着テープに固定されてダイシングソーにセット
され、ダイシングシートごと切削される。このため、ダ
イシングシートの糊がブレードを介してチップに付着す
ることがあり、チップの長期信頼性が不安定になる。
【0005】また、ダイシングソーは、大型の装置であ
るため広い占有スペースが必要であり、しかも切削に時
間が掛かるため製造効率を上げようとすると複数台必要
になり、さらに広い占有スペースが必要となる。
【0006】また、ブレードにダイアモンドを使用して
いても、ダイアモンド薄膜のように硬い被膜をコーティ
ングしたようなウェハーは切削が困難である。
【0007】本発明の目的は、上記課題を解消して、簡
易な工程で信頼性の高い種々の圧電振動素子を製造する
ことができる圧電振動素子の製造方法を提供することで
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、圧電
振動素子を製造する方法において、前記圧電振動素子の
基板の表面に傷を付け、前記傷を前記基板の厚み方向に
成長させ、前記基板を前記圧電振動素子に分割すること
を特徴とする圧電振動素子の製造方法である。
【0009】この請求項1の発明では、圧電振動素子の
基板の分割個所の表面に付けた傷を、基板の厚み方向へ
進展させることにより、基板を分割個所で分断するよう
にしている。このため、分断時に熱の発生がないので、
冷却等のための研削液等を使用する必要がなく、その後
の研削液等の洗浄・乾燥工程も不要となる。また、分割
した圧電振動素子の離散防止のために基板に貼りつけら
れる粘着テープは切断されないので、粘着テープの糊が
分割した圧電振動素子に付着することはなく、圧電振動
素子の長期信頼性が安定化する。また、基板に傷を付け
て進展させる手段のみ用意すれば良いので、製造設備が
簡易となり、広い占有スペースは不要となる。また、硬
い被膜をコーティングしたような基板でも表面に傷を付
けるのみで分断可能であるので、種々の圧電振動素子の
製造に対応することができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載の構成に
おいて、前記基板の表面に傷付加手段を接触させて加圧
し、前記基板と傷付加手段を相対移動させることによ
り、前記基板の表面に傷を付ける圧電振動素子の製造方
法である。
【0011】この請求項2の発明では、傷付加手段の先
端に掛ける圧力により基板の表面に傷を付けるようにし
ており、容易かつ自由度の高い傷の形成が可能となる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の構成において、前記基板を湾曲させることにより、前
記傷を前記基板の厚み方向に成長させる圧電振動素子の
製造方法である。
【0013】この請求項3の発明では、基板全体を球面
状や樽型面状に変形させ、傷の両側部分に外向きの曲げ
モーメントを掛けて傷を基板の厚み方向へ広げるように
しており、基板に多方向の切断個所が複数あっても一度
に全ての切断個所を分断することが可能となる。
【0014】請求項4の発明は、請求項1または2に記
載の構成において、前記傷の両側に前記基板の厚み方向
の力を掛けることにより、前記傷を前記基板の厚み方向
に成長させる圧電振動素子の製造方法である。
【0015】この請求項4の発明では、傷の両側部分に
外向きの曲げモーメントを強制的に掛けて傷を基板の厚
み方向へ広げるようにしており、基板を切断個所で確実
に分断することが可能となる。
【0016】請求項5の発明は、請求項1または2に記
載の構成において、前記傷の両側に前記基板の厚み方向
に直交する方向の力を掛けることにより、前記傷を前記
基板の厚み方向に成長させる圧電振動素子の製造方法で
ある。
【0017】この請求項5の発明では、傷の両側部分に
外向きの引張り力を強制的に掛けて傷を基板の厚み方向
へ広げるようにしており、基板に多方向の切断個所が複
数あっても一度に全ての切断個所を確実に分断すること
が可能となる。
【0018】請求項6の発明は、請求項1に記載の構成
において、前記基板の表面に傷付加手段を接触させて加
圧しつつ加振させ、前記基板と傷付加手段を相対移動さ
せることにより、前記基板の表面に傷を付けて前記基板
の厚み方向に成長させる圧電振動素子の製造方法であ
る。
【0019】この請求項6の発明では、傷付加手段の先
端に掛ける圧力により基板の表面に傷を付けると共に、
傷付加手段の先端に掛ける振動の衝撃力により傷を基板
の厚み方向へ広げるようにしており、一工程で切断個所
を確実に分断することが可能となる。また、分断時に熱
の発生がないので、冷却等のための研削液等を使用する
必要がなく、その後の研削液等の洗浄・乾燥工程も不要
となる。また、分割した圧電振動素子の離散防止のため
に基板に貼りつけられる粘着テープは切断されないの
で、粘着テープの糊が分割した圧電振動素子に付着する
ことはなく、圧電振動素子の長期信頼性が安定化する。
また、基板に傷を付けて進展させる手段のみ用意すれば
良いので、製造設備が簡易となり、広い占有スペースは
不要となる。また、硬い被膜をコーティングしたような
基板でも表面に傷を付けるのみで分断可能であるので、
種々の圧電振動素子の製造に対応することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。
【0021】図1〜図6は、本発明の圧電振動素子の製
造方法の第1の実施形態を示す側面図である。
【0022】ここで示す圧電振動素子の製造方法は、ウ
ェハー(圧電振動素子の基板)の表面に傷を付け、この
傷をウェハーの厚み方向に成長させてチップ(圧電振動
素子)に分割する方法であり、図1に示すような分割装
置10が用いられる。この分割装置10は、台盤11上
で図示しないモータ等により直交3軸方向(X軸方向
(水平方向)、Y軸方向(水平方向)、Z軸方向(垂直
方向))に移動可能なスクライバー(傷付加手段)12
を備えている。このスクライバー12は、図1の拡大図
に示すように、先端に単結晶のダイアモンドが刃12a
として装着されている。この刃12aの刃先は、曲率半
径がR、角度がθに形成されている。このような構成の
スクライバー12の刃12aをウェハーに接触させて加
圧調整することにより、ウェハーの表面に任意の方向の
傷を容易に付けることができる。尚、以下の説明では便
宜上、ウェハーの表面に一方向の傷を付ける場合につい
て述べる。
【0023】先ず、図2に示すように、所定の電極パタ
ーン1を表面に形成したウェハー2の裏面を粘着テープ
3に貼りつけて台盤11上に固定する。ここで、ウェハ
ー2の裏面を粘着テープ3に貼りつけた理由は、チップ
に分割した際にチップがバラバラに離散することを防止
するためである。そして、スクライバー12をX軸方
向、Y軸方向、もしくはZ軸方向に適宜に移動させて、
ウェハー2の分割位置の上方、例えば電極パターン1間
の上方に位置決めする。
【0024】次に、図3に示すように、スクライバー1
2をZ軸方向に移動させて刃12aの刃先をウェハー2
の表面に接触させ、所定の圧力で加圧しながらY軸方向
に所定の速度で移動させる。そして、図4に示すよう
に、スクライバー12をZ軸方向に移動させて刃12a
の刃先をウェハー2の表面から離す。これにより、ウェ
ハー2の表面には、図4に示すような溝状であってY軸
方向に延びる線状の傷2aが形成される。
【0025】その後、図5に示すように、ウェハー2を
粘着テープ3ごと移動させて、球面形状や樽型形状の凸
曲面形状のブロック4上に載置し、ブロック4の凸面形
状に沿って粘着テープ3を湾曲させる。これにより、ウ
ェハー2が粘着テープ3に湾曲状に引張られるので、傷
2aの部分に曲げ応力が集中して、傷2aがウェハー2
の厚み方向に成長し、最終的にウェハー2が切断され
る。ここで、粘着テープ3をブロック4の球面形状に沿
って湾曲させる方法としては、例えば粘着テープ3の周
縁を外側に引張りながらブロック4に被せる方法や、粘
着テープ3の周縁を外側に引張った状態でブロック4を
突出させる方法等がある。このように傷2aの両側部分
に外向きの曲げモーメントを掛けて傷2aをウェハー2
の厚み方向へ広げるようにしており、ウェハー2に多方
向の切断個所が複数あっても一度に全ての切断個所を分
断することが可能となる。そして、ウェハー2を粘着テ
ープ3ごと移動させて台盤11上に載置し、図6に示す
ように分割されたチップ5を粘着テープ3から剥がし、
次工程へ搬送する。
【0026】図7は、ウェハー2の表面に形成された傷
2aをウェハー2の厚み方向に成長させる別の方法を示
す側面図である。
【0027】この方法は、ブロック4上に載置されたウ
ェハー2の傷2aの両側表面に、ゴム等の弾性体で成る
ナイフ13を上方から接触させて瞬間的に下方へ圧力を
掛けることにより、傷2aをウェハー2の厚み方向に成
長させる方法である。このような方法によれば、ウェハ
ー2が強制的に曲げられて傷2aの部分に曲げ応力が集
中するので、ウェハー2の厚みが厚い場合やウェハー2
の硬度が高い場合でもウェハー2の切断を効率良く確実
に行うことができる。尚、ナイフ13で電極パターン1
に傷が付くおそれがあるときは、電極面に保護シート等
を貼って防止するようにする。
【0028】図8は、ウェハー2の表面に形成された傷
2aをウェハー2の厚み方向に成長させるさらに別の方
法を示す側面図である。
【0029】この方法は、引張り手段14により粘着テ
ープ3の周縁を掴んで外側へ引張ることにより、傷2a
をウェハー2の厚み方向に成長させる方法である。この
ような方法によれば、ウェハー2が強制的に引張られて
傷2aの部分に引張り応力が集中するので、ウェハー2
に多方向の切断個所が複数あっても一度に全ての切断個
所を効率良く確実に分断することが可能となる。さら
に、球面形状のブロック4を配置する必要がなくなるの
で、設備コストを低減させることができる。
【0030】図9〜図11は、本発明の圧電振動素子の
製造方法の第2の実施形態を示す側面図である。
【0031】ここで示す圧電振動素子の製造方法も、ウ
ェハーの表面に傷を付け、この傷をウェハーの厚み方向
に成長させてチップに分割する方法であり、図9に示す
ような分割装置20が用いられる。この分割装置20
は、図1の分割装置10と同様に台盤21上で図示しな
いモータ等により直交3軸方向(X軸方向(水平方
向)、Y軸方向(水平方向)、Z軸方向(垂直方向))
に移動可能であって、超音波発生器23によりZ軸方向
(垂直方向)に微小振動可能なスクライバー(傷付加手
段)22を備えている。このスクライバー22も、先端
に図1のような単結晶のダイアモンドが刃22aとして
装着されている。このような構成のスクライバー22の
刃22aをウェハーに接触させて加圧調整すると共に加
振調整することにより、ウェハーの表面に任意の方向の
傷を付けてウェハーを分断することが容易にできる。
尚、以下の説明では便宜上、ウェハーの表面に一方向の
傷を付けて分断する場合について述べる。
【0032】先ず、図9に示すように、所定の電極パタ
ーン1を表面に形成したウェハー2の裏面を粘着テープ
3に貼りつけて台盤21上に固定する。そして、スクラ
イバー22をX軸方向、Y軸方向、もしくはZ軸方向に
適宜に移動させて、ウェハー2の分割位置の上方、例え
ば電極パターン1間の上方に位置決めする。次に、スク
ライバー22をZ軸方向に移動させて刃22aの刃先を
ウェハー2の表面に接触させ、所定の圧力で加圧すると
共に、所定の周波数及び出力で加振しながらY軸方向に
所定の速度で移動させる。すると、ウェハー2の表面に
は、溝状の傷2aが形成されると共に、傷2aの周囲に
マイクロクラック2bが発生する。そして、次の瞬間、
図10に示すように、このマイクロクラック2bがウェ
ハー2の厚み方向に成長し、図11に示すように、最終
的にウェハー2が切断される。そして、分割されたチッ
プ5を粘着テープ3から剥がし、次工程へ搬送する。
【0033】このように、超音波を併用することによ
り、ウェハー2のチップ5への分割を一工程で行うこと
ができ、前述した圧電振動素子の製造方法において必要
であった球面形状のブロック4、ナイフ13、引張り手
段14等が不要となるので、製造効率を高め、製造コス
トを低減させることができる。
【0034】以上のような各圧電振動素子の製造方法に
よれば、特に従来のダイシングソーと比べて、切断代が
例えば200μmから50μmと少なくてすむので、チ
ップ5の取れ数を増加させることができ、切断速度が例
えば10mm/secから200mm/secと速くな
るので、設置台数が少なくても生産性を向上させること
ができる。さらに、ウェハー2の分断時に熱の発生がな
いので、冷却等のための研削液等を使用する必要がな
く、その後の研削液等の洗浄・乾燥工程も不要となる。
また、分割したチップ5の離散防止のために基板に貼り
つけられる粘着テープ3は切断されないので、粘着テー
プ3の糊が分割したチップ5に付着することはなく、チ
ップ5の長期信頼性が安定化する。また、傷付加手段1
2、22のみ用意すれば良いので、製造設備が簡易とな
り、広い占有スペースは不要となる。また、ダイアモン
ド等の硬い被膜をコーティングしたようなウェハー2で
も表面に傷を付けるのみで分断可能であるので、種々の
チップ5の製造に対応することができる。さらに、チッ
プ5の外形状が曲線でも分断可能であるため、求められ
る仕様・特性に対して外形が最適な形状に加工すること
ができる。
【0035】
【実施例】上述した圧電振動素子の製造方法の具体例に
ついて以下説明する。
【0036】第1の製造方法の具体例 4cm角、厚さ400μmの水晶ウェハー2の表面に電
極パターン1を形成し、水晶ウェハー2の裏面を厚さ5
0μmの粘着テープ3に貼りつけて台盤11上に固定す
る。そして、刃12aの刃先の曲率半径Rが約50μ
m、角度θが約160°のスクライバー12を水晶ウェ
ハー2の表面に接触させ、80gfで加圧しながら20
0mm/secの速度で移動させて、水晶ウェハー2の
表面に縦2mm、横2.85mmのピッチで格子状に傷
2aを付ける。
【0037】そして、水晶ウェハー2を粘着テープ3ご
と移動させて、直径200mmのRが付いたブロック4
上に載置し、水晶ウェハー2の傷2aの両側表面に、上
方から刃の長さが60mm、刃の厚さが0.5mmのシ
リコンゴム製のナイフ13を接触させて瞬間的に1kg
fの圧力を掛けて、傷2aを水晶ウェハー2の厚み方向
に成長させて水晶チップ5に分割する。
【0038】第2の製造方法の具体例 4cm角、厚さ400μmの水晶ウェハー2の表面に電
極パターン1を形成し、水晶ウェハー2の裏面を厚さ5
0μmの粘着テープ3に貼りつけて台盤21上に固定す
る。そして、刃22aの刃先の曲率半径Rが約50μ
m、角度θが約160°のスクライバー22を水晶ウェ
ハー2の表面に接触させ、80gfで加圧すると共に周
波数42kHz、出力600Wで加振しながら200m
m/secの速度で移動させて、水晶ウェハー2の表面
に縦2mm、横2.85mmのピッチで格子状に傷2a
を付けてマイクロクラック2bを発生させ、マイクロク
ラック2bを水晶ウェハー2の厚み方向に成長させて水
晶チップ5に分割する。
【0039】以上のようにして得られた水晶チップ5を
AT振動子やSAW共振子等に用いる場合は、切断面が
斜面となり、その端面での反射波が戻ってこないので、
スプリアスの発生が少なくなる。さらに、切断面が凸凹
となり、その端面での反射波が散乱するので、スプリア
スの大きさが小さくなる。また、SAWフィルタに用い
る場合は、端面に吸音剤を塗布する必要がなくなるの
で、長期信頼性を確保することができる。さらに、横モ
ードSAWフィルタに用いる場合は、選択性がシャープ
になる。
【0040】尚、上記実施例においては、ウェハー2の
材質を水晶とし、大きさを4cm角、厚さ400μmと
し、チップ5の大きさを縦2mm、横2.85mmとし
たが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の
材質、大きさ、形状等のウェハー2やチップ5に対応す
ることができる。また、スクライバー12、22の形状
や、傷2aを付ける条件も、ウェハー2やチップ5の材
質、大きさ、形状等により最適なものを選択して対応す
ることができる。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、圧電振動
素子の基板の切断工程後に研削液等の洗浄・乾燥工程が
不要となるので、製造工程が簡略化され、製造コストを
低減させることができる。また、切断後の圧電振動素子
には余計な付着物が付着していないので、圧電振動素子
の長期信頼性を安定化させることができ、適用される電
子機器を長期にわたって高性能に維持することができ
る。また、基板に傷を付けて進展させる手段を備えた製
造設備となるので簡易となり、広い占有スペースを不要
とし、製造設備の構築のためのコストを低減させること
ができる。また、同一製造方法で種々の圧電振動素子の
分割に対応することができるので、工数をさらに低減さ
せることができる。
【0042】請求項2記載の発明によれば、基板の表面
に傷を形成することが容易であってかつ自由度が高いの
で、種々の圧電振動素子の分割、例えば曲線が含まれる
分割に適用することができ、製造コストを低減させるこ
とができると共に、最適な形状の圧電振動素子を容易に
得ることができる。
【0043】請求項3記載の発明によれば、基板に多方
向の切断個所が複数あっても一度に全ての切断個所を分
断することができるので、工数をさらに低減させること
ができる。
【0044】請求項4記載の発明によれば、基板を切断
個所で確実に分断することができるので、圧電振動素子
の形状不良の発生率を低下させ、歩留まりを向上させる
ことができる。
【0045】請求項5記載の発明によれば、基板に多方
向の切断個所が複数あっても一度に全ての切断個所を確
実に分断することができるので、圧電振動素子の形状不
良の発生率を低下させ、歩留まりを向上させることがで
きると共に、工数を低減させることができる。
【0046】請求項6記載の発明によれば、一工程で切
断個所を確実に分断することができるので、工数を大幅
に低減させることができる。また、圧電振動素子の基板
の切断工程後に研削液等の洗浄・乾燥工程が不要となる
ので、製造工程が簡略化され、製造コストを低減させる
ことができる。また、切断後の圧電振動素子には余計な
付着物が付着していないので、圧電振動素子の長期信頼
性を安定化させることができ、適用される電子機器を長
期にわたって高性能に維持することができる。また、基
板に傷を付けて進展させる手段を備えた製造設備となる
ので簡易となり、広い占有スペースを不要とし、製造設
備の構築のためのコストを低減させることができる。ま
た、同一製造方法で種々の圧電振動素子の分割に対応す
ることができるので、工数をさらに低減させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第1の実
施形態を示す第1の側面図。
【図2】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第1の実
施形態を示す第2の側面図。
【図3】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第1の実
施形態を示す第3の側面図。
【図4】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第1の実
施形態を示す第4の側面図。
【図5】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第1の実
施形態を示す第5の側面図。
【図6】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第1の実
施形態を示す第6の側面図。
【図7】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第1の実
施形態におけるウェハーの表面に形成された傷をウェハ
ーの厚み方向に成長させる別の方法を示す側面図。
【図8】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第1の実
施形態におけるウェハーの表面に形成された傷をウェハ
ーの厚み方向に成長させるさらに別の方法を示す側面
図。
【図9】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第2の実
施形態を示す第1の側面図。
【図10】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第2の
実施形態を示す第2の側面図。
【図11】 本発明の圧電振動素子の製造方法の第2の
実施形態を示す第3の側面図。
【符号の説明】
1 電極パターン 2 ウェハー 2a 傷 2b マイクロクラック 3 粘着テープ 4 ブロック 5 チップ 10、20 分割装置 11、21 台盤 12、22 スクライバー(傷付加手段) 12a、22a 刃 13 ナイフ 14 引張手段 23 超音波発生器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3C069 AA03 AA05 BA10 BB01 BB02 BB04 BC02 CA05 CB01 CB03 EA01 EA02 EA03 EA04 5J097 AA02 AA14 AA24 BB11 HA08 KK09 5J108 BB02 DD02 KK01 MM08

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電振動素子を製造する方法において、 前記圧電振動素子の基板の表面に傷を付け、 前記傷を前記基板の厚み方向に成長させ、 前記基板を前記圧電振動素子に分割することを特徴とす
    る圧電振動素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記基板の表面に傷付加手段を接触させ
    て加圧し、前記基板と傷付加手段を相対移動させること
    により、前記基板の表面に傷を付ける請求項1に記載の
    圧電振動素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記基板を湾曲させることにより、前記
    傷を前記基板の厚み方向に成長させる請求項1または2
    に記載の圧電振動素子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記傷の両側に前記基板の厚み方向の力
    を掛けることにより、前記傷を前記基板の厚み方向に成
    長させる請求項1または2に記載の圧電振動素子の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記傷の両側に前記基板の厚み方向に直
    交する方向の力を掛けることにより、前記傷を前記基板
    の厚み方向に成長させる請求項1または2に記載の圧電
    振動素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記基板の表面に傷付加手段を接触させ
    て加圧しつつ加振させ、前記基板と傷付加手段を相対移
    動させることにより、前記基板の表面に傷を付けて前記
    基板の厚み方向に成長させる請求項1に記載の圧電振動
    素子の製造方法。
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