JP2010120789A - シリコン単結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】CZ法(チョクラルスキー法)によりシリコン単結晶棒を引き上げてシリコン単結晶を製造する方法において、拡径部の無転位化の成功率を向上し、直径300mm以上の大直径の単結晶棒を効率的に育成するシリコン単結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】石英ルツボ内に収容したシリコン原料融液にシリコン種結晶を浸し、その後、種結晶を引き上げて拡径部、直胴部を形成して単結晶棒を引き上げるシリコン単結晶の製造方法において、拡径部は、拡径部の重量増加速度の変化率が2.0g/min以下となるように、重量増加速度の変化率を制御して、単結晶の直径を増加させて形成し、その後、直胴部を形成して、直径300mm以上の単結晶棒を引き上げる。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョクラルスキー法(以下、「CZ法」という)により、シリコン単結晶棒を引き上げてシリコン単結晶を製造する方法に関し、詳しくは、大直径の単結晶棒を効率的に育成するシリコン単結晶の製造方法に関するものである。
近年、超高集積半導体素子の製造には直径が450mmにもなるシリコンウェーハの要求が出されている(例えば非特許文献1参照)。また、薄膜成長のためのスパッタリング装置において、その構成部品の一部としてターゲット材にシリコンウェーハが用いられる場合がある(例えば特許文献1参照)。例えば、直径300mmのシリコンウェーハ向け装置の場合には、当然のことながらターゲット材として300mm以上の大直径のシリコンウェーハが要求される。このように大直径のシリコン単結晶の要求がますます高まってきている。
一方、これらのシリコンウェーハの材料となるシリコン単結晶の製造方法は良く知られているようにCZ法により製造される場合が多い。このCZ法によるシリコン単結晶の製造方法は、容器として石英ルツボを使用し、抵抗加熱の黒鉛ヒーターに通電して多結晶シリコンを溶解し、シリコン原料融液を保持する。保持されたシリコン原料融液の表面に任意の結晶方位を有する種結晶を浸し、所望の結晶直径になるまで直径を拡大し、種結晶と同一の結晶方位を有する単結晶を育成する方法である。
また、このCZ法は、比較的容易にシリコン単結晶の大直径化が可能であることが特徴である。しかし、直径300mm以上のシリコン単結晶を育成しようとすると、所望の結晶直径まで単結晶を広げる工程、いわゆる拡径部あるいはコーン部と呼ばれる結晶の領域にて有転位化し、再度溶解せざるを得なくなり、時間的なロスが発生する場合や、結局大直径のシリコン単結晶が得られないという問題があった。
そこで、拡径部の形成における結晶直径の制御方法として、目標とする拡径部の直径変化率の目標値を予め決めて、その後に育成する結晶の直径を測定し、拡径部の直径変化率に基づき結晶直径を制御する方法が開示されている(例えば特許文献2参照)。しかし、この方法では指標とする直径変化率の記載がなく、直径300mm以上のシリコン単結晶を得るには不十分であった。
また、有転位化の原因の1つにシリコン単結晶内の熱応力が挙げられるが、小さい直径の時と大きい直径の時とでは、同一の直径変化率でも結晶化する重量は異なるため、拡径部の熱容量変化への寄与が異なる。そこで、直径変化率の目標値は直径の関数とする必要があるが、有転位化しない熱応力とするために直径変化率の適切な値を探求するのは時間のかかる作業であった。
一方、コーン、及びエンドコーン(結晶テール)の角度を規定したシリコン単結晶の製造方法が開示されている(例えば特許文献3参照)。この製造方法は、結晶の熱処理を目的とし、結晶の保持した部分の熱応力により発生する転位の伝播を防止するためにコーン部の角度を90゜〜30゜に規定している。しかし、この方法は、CZ法による結晶成長時の無転位化に関する方法ではない。また、いわゆる定形直径の製品の重量に対し、このコーン部の角度を採用すると重量が重くなり歩留まりが低下する問題があった。
特開平3−261697号公報 特開平4−149092号公報 特開平5−319988号公報 半導体ウェーハの基礎と大口径化シリーズ2回 予稿集、半導体産業新聞(2008年4月9日)
本発明は、CZ法によりシリコン単結晶棒を引き上げてシリコン単結晶を製造する方法において、拡径部の無転位化の成功率を向上し、直径300mm以上の大直径の単結晶棒を効率的に育成するシリコン単結晶の製造方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するため、本発明は、チョクラルスキー法により、少なくとも、石英ルツボ内に収容したシリコン原料融液にシリコン種結晶を浸し、その後、前記種結晶を引き上げて拡径部、直胴部を形成して単結晶棒を引き上げるシリコン単結晶の製造方法において、前記拡径部は、該拡径部の重量増加速度の変化率が2.0g/min以下となるように、該重量増加速度の変化率を制御して、単結晶の直径を増加させて形成し、その後、直胴部を形成して、直径300mm以上の単結晶棒を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する(請求項1)。
このように、拡径部は、拡径部の重量増加速度の変化率が2.0g/min以下となるように、重量増加速度の変化率を制御して、単結晶の直径を増加させて形成することで、拡径部の重量増加速度が急変することを防止し、拡径部の熱容量の急激な変化を抑制することができる。そのため、拡径部の無転位化に対する成功率を向上し、直径300mm以上という大直径の単結晶棒を効率的に育成してシリコン単結晶を製造することができる。
また、本発明は、チョクラルスキー法により、少なくとも、石英ルツボ内に収容したシリコン原料融液にシリコン種結晶を浸し、その後、前記種結晶を引き上げて拡径部、直胴部を形成して単結晶棒を引き上げるシリコン単結晶の製造方法において、前記拡径部は、少なくとも、該拡径部の直径が300mm以上となる領域において、該拡径部の重量増加速度の変化率が2.0g/min以下となるように、該重量増加速度の変化率を制御して、単結晶の直径を増加させて形成し、その後、直胴部を形成して、直径が300mmより大きい単結晶棒を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法を提供する(請求項2)。
このように、拡径部は、拡径部の直径が300mm以上となる領域において、拡径部の重量増加速度の変化率が2.0g/min以下となるように、重量増加速度の変化率を制御して、単結晶の直径を増加させて形成することで、単結晶の直径が増加して、拡径部の重量が急激に増加しやすい領域において、重量増加速度が急変することを防止し、拡径部の熱容量の急激な変化を抑制することができる。そのため、拡径部の無転位化に対する成功率を向上し、直径が300mmより大きい大直径の単結晶棒をより効率的に育成してシリコン単結晶を製造することができる。
また、本発明の製造方法では、前記石英ルツボ内に収容したシリコン原料融液に、磁場発生装置により水平磁場を印加しながら、単結晶棒を引き上げることが好ましい(請求項3)。
このように、石英ルツボ内に収容したシリコン原料融液に、磁場発生装置により水平磁場を印加しながら、単結晶棒を引き上げることで、シリコン原料融液の対流を抑制し、拡径部の重量増加速度の変化率を制御しやすくすることができる。そのため、拡径部の無転位化に対する成功率をさらに向上し、大直径の単結晶棒を効率的に安定して育成することができる。
また、本発明の製造方法では、前記単結晶の直径が450mm以上となる単結晶棒を引き上げることができる(請求項4)。
このように、単結晶の直径が450mm以上となる単結晶棒を引き上げることで、近年の半導体素子の製造において要求される大直径のシリコン単結晶を効率的に低コストで製造することができる。そのため、低コストの製品をユーザーに提供することができる。
以上説明したように、CZ法によりシリコン単結晶棒を引き上げてシリコン単結晶を製造する方法において、重量増加速度の変化率を2.0g/min以下となるように制御して、単結晶の直径を増加させて拡径部を形成することで、拡径部の重量増加速度が急変することを防止し、拡径部の熱容量の急激な変化を抑制することができ、無転位化に対する成功率を向上し、直径300mm以上という大直径の単結晶棒を効率的に育成してシリコン単結晶を製造することができる。
以下、本発明についてより具体的に説明する。
前述のように、拡径部の形成における結晶直径の制御方法として、目標とする拡径部の直径変化率の目標値を予め決めて、その後に育成する結晶の直径を測定し、拡径部の直径変化率に基づき結晶直径を制御する方法が開示された。しかし、この方法では直径300mm以上のシリコン単結晶を得るには不十分であった。
また、拡径部の角度を規定したシリコン単結晶の製造方法が開示されたが、拡径部を開示された90゜〜30゜とすると重量が重くなり歩留まりが低下する問題があった。
そこで、本発明者らは、拡径部における結晶の無転位化を成功させるため、拡径部の単結晶の直径が徐々に拡大することより、拡径部の熱容量の変化率、すなわち拡径部の重量増加速度の変化率に着目して、拡径部の直径変化率、すなわち単位時間当たりの拡がり速度を制御するのではなく、拡径部の重量増加速度の変化率を制御して拡径部を形成し、無転位化の成功率を調査した。
ここで、図1に直径460mmの拡径部を形成した際の拡径部の重量増加速度変化率の最大値と無転位化率の関係を示す。
その結果、図1に示すように、重量増加速度の変化率を2.0g/min以下となるように制御して拡径部を形成することで、拡径部における無転位化の成功率が高くなり、直径が300mm以上という大直径の単結晶棒であっても、効率的に引き上げることができることを発見した。
また、特に拡径部の直径が300mm以上となる領域において、重量増加速度の変化率を2.0g/min以下となるように制御して拡径部を形成することで、拡径部の重量が急激に増加しやすい領域において、重量増加速度が急変することを防止し、拡径部の熱容量の急激な変化を抑制することができ、直径が300mmを超える拡径部における無転位化の成功率が高くなることも発見した。
さらに、石英ルツボ内に収容したシリコン原料融液に、磁場発生装置により水平磁場を印加しながら、単結晶棒を引き上げることで、シリコン原料融液の対流を抑制し、拡径部の重量増加速度の変化率を制御しやすくすることができるため、拡径部の熱容量の急激な変化を確実に抑制することができることがわかった。
さらに、拡径部の重量増加速度の変化率を2.0g/min以下に制御することで、直径が300mmを超える拡径部における無転位化の成功率が高くなるため、直径450mm以上という大直径の単結晶棒も効率的に引き上げることができることがわかった。
本発明は、上記の知見および発見に基づいて完成されたものであり、以下、本発明について図面を参照しながらさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図2は本発明のシリコン単結晶の製造方法において使用することができる単結晶製造装置の概略図である。
この単結晶製造装置20は、中空円筒状のチャンバー1を具備し、その中心部にルツボ5が配設されている。このルツボは二重構造であり、有底円筒状をなす石英製の内側保持容器(以下、単に「石英ルツボ5a」という)と、その石英ルツボ5aの外側を保持すべく適合された同じく有底円筒状の黒鉛製の外側保持容器(「黒鉛ルツボ5b」)とから構成されている。
これらのルツボ5は、回転および昇降が可能になるように支持軸6の上端部に固定されていて、ルツボ5の外側には抵抗加熱式ヒーター8が概ね同心円状に配設されている。さらに、ヒーター8の外側周辺には断熱材9が同心円状に配設されている。そして、ヒーター8により、シリコン原料を溶融したシリコン原料融液2が石英ルツボ5a内に収容されている。
シリコン原料融液2を充填した石英ルツボ5aの中心軸には、支持軸6と同一軸上で逆方向または同方向に所定の速度で回転する引上ワイヤー(または引上シャフト、以下両者を合わせて「引上軸7」という)が配設され、引上軸7の下端には種結晶4が保持されている。そして、種結晶4の下端面には、図3に示すような拡径部14、直胴部15からなるシリコン単結晶3が形成される。
さらに、単結晶製造装置20は、引上軸7に取り付けたロードセル16により、単結晶3の引き上げ中の重量を随時測定し、その重量増加速度の変化率を算出する演算装置11を具備する。また、この演算装置11は、支持軸6および引上軸7あるいはヒーター8に信号を出力して、ルツボ位置、ルツボ上昇速度、種結晶位置、引上速度、あるいはヒーターパワー等を制御する。なお、チャンバー1には、ヒーターパワー制御において、放射温度計13を用いて温度測定をするための温度検出窓12が設けられている。
また、チャンバー1の外側に、シリコン原料融液2に水平磁場を印加させるように、ルツボ5を挟んで同軸上に対向して磁場発生装置10が配設されている。
本発明のシリコン単結晶の製造方法では、図2に示すような単結晶製造装置20を用いて、単結晶棒を引き上げてシリコン単結晶を製造する。
以下に、図2および図3を参照しながら、本発明におけるシリコン単結晶の製造方法を説明する。
まず、ルツボ5に投入したシリコン原料をヒーター8により溶融して、シリコン原料融液2を形成する。その後、ルツボ5を回転させ、さらに、ルツボ5内のシリコン原料融液2に水平磁場が印加されるように、磁場発生装置10を用いて磁場を印加する。
続いて、シリコン原料融液2に種結晶4を浸し、引上軸7でルツボ5の回転方向とは逆向きに結晶を回転させながら引き上げる。
このとき、引上軸7に取り付けたロードセル16により、単結晶3の引き上げ中の重量を随時測定し、重量増加速度の変化率を演算装置11で算出する。そして、その重量増加速度の変化率が2.0g/min以下となるように、演算装置11でヒーターパワーや引上速度を調整して、重量増加速度の変化率を制御し、単結晶の直径を増加させて図3に示すような拡径部14を形成する。
その後、図3に示すような直胴部15を形成して、直径300mm以上、特に単結晶の直径が450mm以上となる単結晶棒を引き上げて、大直径のシリコン単結晶を製造する。
このように、重量増加速度の変化率を2.0g/min以下となるように制御して、単結晶の直径を増加させて拡径部を形成することで、拡径部の重量増加速度が急変することを防止し、拡径部の熱容量の急激な変化を抑制することができる。そのため、拡径部の無転位化に対する成功率を向上し、直径300mm以上という大直径の単結晶棒を効率的に育成してシリコン単結晶を製造することができる。
特に拡径部の直径が300mm以上となる領域においてだけ、重量増加速度の変化率を2.0g/min以下となるように制御して、単結晶の直径を増加させて拡径部を形成することで、単結晶の直径が増加して、重量の増加量が大きくなりやすい領域においてだけ、重量増加速度が急変することを防止し、拡径部の熱容量の急激な変化を抑制することができる。そのため、拡径部の無転位化に対する成功率を向上し、大直径の単結晶棒をより効率的に育成してシリコン単結晶を製造することができる。
また、本発明の製造方法では、図2に示すような単結晶製造装置20を用いて、石英ルツボ5a内に収容したシリコン原料融液2に、磁場発生装置10により水平磁場を印加しながら、単結晶棒を引き上げることが好ましい。
このように、石英ルツボ内に収容したシリコン原料融液に、磁場発生装置により水平磁場を印加しながら、単結晶棒を引き上げることで、シリコン原料融液の対流を抑制し、拡径部の重量増加速度の変化率を制御しやすくすることができる。そのため、拡径部の熱容量の急激な変化を確実に抑制して、無転位化に対する成功率をさらに向上し、大直径の単結晶棒を効率的に安定して育成することができる。
さらに、本発明の製造方法では、単結晶の直径が450mm以上となる単結晶棒を引き上げることができることで、近年の半導体素子の製造において要求されるより一層の大直径のシリコン単結晶を効率的に低コストで製造することができる。そのため、低コストでユーザーのニーズに対応した製品を提供することができる。
次に本発明の実施例、比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
まず、目標直径460mmのシリコン単結晶を製造するため、図2に示すような単結晶製造装置20を用いて、直径が909mmの石英ルツボ5aに多結晶シリコンを450kg充填し、ヒーター8に通電して多結晶シリコンを溶融して、シリコン原料融液2を形成した。
その後、チャンバー1内に不活性ガスとしてArを250L/min上方から流し、圧力を100torr(13332Pa)の条件を保ち、ルツボ回転は0.5rpmとして磁場の中心強度が0.4Tとなるように、磁場発生装置10で磁場を印加した。
続いて、シリコン原料融液2に結晶方位<100>の種結晶4を浸し、引上軸7でルツボ5の回転方向とは逆向きに6rpmで回転させて単結晶3を引き上げた。
このとき、引上軸7に取り付けたロードセル16により、単結晶3の引き上げ中の重量を随時測定し、重量増加速度の変化率を演算装置11で算出し、その重量増加速度の変化率が2.0g/min以下となるように制御して、直径460mmの拡径部の形成を繰り返した。
なお、拡径部形成時の引上速度は0.5mm/min.一定とし、ヒーターパワーを調整して、重量増加速度の変化率を制御した。このとき、ヒーターパワーの調整のため、放射温度計13を用いて温度検出窓12から温度を測定した。また、拡径部の直径変化率および無転位化率について測定した。
(比較例)
従来のシリコン単結晶の製造方法において、実施例で測定した拡径部の直径変化率を目標値として、ヒーターパワーを調整して直径460mmの拡径部の形成を繰り返した。また、実施例と同様に拡径部の直径変化率および無転位化率について測定した。
ここで、図1は実施例および比較例における拡径部の重量増加速度変化率の最大値と無転位化率の関係を示す図であり、図4は実施例および比較例における拡径部の長さに対する拡径部の直径の一例を示す図である。また、図5は実施例および比較例における拡径部の長さに対する拡径部の直径変化率の一例を示す図であり、図6は実施例および比較例における拡径部の長さに対する拡径部の重量増加速度変化率の一例を示す図である。
図1より、比較例では無転位化率が低いことが分かる。また、図4より、実施例と比較例は、拡径部の長さに対する拡径部の直径がほぼ一致していることがわかる。さらに、図5より、実施例と比較例は、拡径部の長さに対する拡径部の直径変化率もほぼ一致していることがわかる。すなわち、従来の拡径部の直径変化率による制御では無転位化率を向上させることは困難であることがわかる。
また、図4から図6に示した実施例および比較例の一例において、実施例は有転位化しなかったが、比較例では、拡径部直径が416mmを超えたところで有転位化した。図4より、拡径部直径が416mmのときの拡径部の長さは150mmであり、これは図6より、拡径部の重量増加速度変化率が2.0g/minを超えたときであることがわかる。
図1より、拡径部の重量増加速度変化率の最大値が1.8g/min以下の範囲では、無転位化率が80%を超えており、実施例は、非常に高い確率で拡径部の無転位化に成功していることがわかる。また、重量増加速度変化率の最大値が1.8g/minを超えた場合でも、2.0g/min以下の範囲であれば、無転位化率は50%であり、拡径部の半分以上が無転位化に成功していることがわかる。しかし、比較例のように、重量増加速度変化率の最大値が2.0g/minを超えた場合には、無転位化率は20%未満と非常に成功率が低いことがわかる。
また、図4から図6に示した実施例の一例において、無転位化に成功した拡径部の安息角は、拡径部の長さ=174mm、拡径部の半径=230mmより、θ=2×tan−1(230/174)=105.8゜であった。このことより、拡径部が図3のように、なだらかな形状であることがわかる。
以上のことから、本発明のシリコン単結晶の製造方法によれば、拡径部の重量増加速度の変化率を2.0g/min以下に制御して、拡径部を形成することで、拡径部の重量増加速度が急変することを防止し、拡径部の熱容量の急激な変化を抑制することができる。そして、拡径部における無転位化に対する成功率を向上し、直径300mm以上という大直径の単結晶棒を効率的に育成してシリコン単結晶を製造することができる。
尚、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
拡径部の重量増加速度変化率の最大値と無転位化率の関係を示す図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法において使用することができる単結晶製造装置の概略図である。 本発明のシリコン単結晶の製造方法において引き上げるシリコン単結晶の概略図である。 実施例および比較例における拡径部の長さに対する拡径部の直径の一例を示す図である。 実施例および比較例における拡径部の長さに対する拡径部の直径変化率の一例を示す図である。 実施例および比較例における拡径部の長さに対する拡径部の重量増加速度変化率の一例を示す図である。
符号の説明
1…チャンバー、 2…シリコン原料融液、 3…シリコン単結晶、 4…種結晶、 5…ルツボ、 5a…石英ルツボ、 5b…黒鉛ルツボ、 6…支持軸、 7…引上軸、 8…ヒーター、 9…断熱材、 10…磁場発生装置、 11…演算装置、 12…温度検出窓、 13…放射温度計、 14…拡径部、 15…直胴部、 16…ロードセル、 20…単結晶製造装置。

Claims (4)

  1. チョクラルスキー法により、少なくとも、石英ルツボ内に収容したシリコン原料融液にシリコン種結晶を浸し、その後、前記種結晶を引き上げて拡径部、直胴部を形成して単結晶棒を引き上げるシリコン単結晶の製造方法において、
    前記拡径部は、該拡径部の重量増加速度の変化率が2.0g/min以下となるように、該重量増加速度の変化率を制御して、単結晶の直径を増加させて形成し、その後、直胴部を形成して、直径300mm以上の単結晶棒を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  2. チョクラルスキー法により、少なくとも、石英ルツボ内に収容したシリコン原料融液にシリコン種結晶を浸し、その後、前記種結晶を引き上げて拡径部、直胴部を形成して単結晶棒を引き上げるシリコン単結晶の製造方法において、
    前記拡径部は、少なくとも、該拡径部の直径が300mm以上となる領域において、該拡径部の重量増加速度の変化率が2.0g/min以下となるように、該重量増加速度の変化率を制御して、単結晶の直径を増加させて形成し、その後、直胴部を形成して、直径が300mmより大きい単結晶棒を引き上げることを特徴とするシリコン単結晶の製造方法。
  3. 前記石英ルツボ内に収容したシリコン原料融液に、磁場発生装置により水平磁場を印加しながら、単結晶棒を引き上げることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシリコン単結晶の製造方法。
  4. 前記単結晶の直径が450mm以上となる単結晶棒を引き上げることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載のシリコン単結晶の製造方法。
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