JP2010111559A - セラミックス接合体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼結体単体と同程度の曲げ強度及び剛性を有し、経時的な寸法変化が小さい低熱膨張セラミックス接合体を提供する。
【解決手段】低熱膨張セラミックスからなる焼結体同士を、介在物を配せずに接合してなる低熱膨張セラミックス接合体であって、前記焼結体を構成する材料が、リチウムアルミノシリケートと、炭化珪素および/または窒化珪素とからなり、20〜30℃における平均の熱膨張係数が−1×10−6〜1×10−6/℃であることを特徴とする低熱膨張セラミックス接合体。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体製造装置、検査機器等の部材として用いられるセラミックス接合体及びその製造方法に関する。
半導体製造装置等の部材として、セラミックスが多く用いられている。これは、セラミックスが耐食性や剛性に優れているためである。近年、半導体基板の大口径化や大型FPD用ガラス基板等を扱う装置にもセラミックスが用いられてきており、セラミックス部材の大型化が必要になってきている。
しかしながら、セラミックスを大型化しようとすると、セラミックスを焼結させる際に割れや変形が生じやすく、製造は非常に難しい。そこで、セラミックスを接合させることにより、大型の部材を製造することが検討されている。
例えば、特許文献1では、位置決め装置のXYステージの構造部材としてセラミックス接合体が開示されており、その材質としてアルミナや窒化珪素が例示されている。また、その接合方法として再焼結や接着剤を用いた接合が挙げられている。
また、本出願人は、再焼結によりセラミックス同士を接合する技術を開発しており、カルシウムシリケート結晶とリチウムアルミノシリケート結晶を必須成分とするカルシウムシリケート系焼結体の接合方法であって、焼結体の間に介在物を配せずに、所定の温度、所定の圧力下で、カルシウムシリケート系焼結体同士を接合することを特徴とするカルシウムシリケート系焼結体の接合方法を開示している(特許文献2)。
さらに、本出願人は、接合材を母材の低熱膨張セラミックスよりも溶融温度の低い低熱膨張セラミックスで構成し、接合材の溶融温度よりも高く、母材の溶融温度よりも低い温度で加熱することにより、低い熱膨張係数を維持しつつ、通常のセラミックスと同程度の剛性を有し、接合強度が高い接合体を開示している(特許文献3)。
特開平11−142555号公報 特開平10−259072号公報 特開2004−59402号公報
特許文献1の接合体によれば、位置決め装置を構成する構造部材を中空構造のセラミックス接合体としたことから軽量、高強度及び高剛性とすることが可能となる。しかしながら、半導体回路は益々精細化する傾向にあり、製造装置のわずかな変形でも歩留まりの低下を招くことから、半導体製造装置等の部材として低熱膨張材料が用いられるようになってきており、特許文献1に記載されたアルミナや窒化珪素では、熱膨張が大きいため好ましくない。
特許文献2に記載されたカルシウムシリケート系焼結体同士の接合体の場合には、熱膨張の小さい材料を得ることは可能であるものの、低熱膨張を求めると剛性が低下し、剛性を上げようとすると熱膨張が大きくなるため両方を満足するような材料を得ることができなかった。
特許文献3の接合材を用いた接合体は、熱膨張及び剛性において優れており、構造部材として十分に実用できるものである。しかしながら、極めて微細な平面を要求される位置決め装置のバーミラーのような部材に用いると、使用時間が経過するにつれ、寸法変化が生じる場合があり問題となっていた。また、中空構造の接合体を作製すると、接合材の染み出しや、接合材中に空隙が生じて、中空部の形状精度が得られなかったり、完全な気密性を確保できなかったりする場合があり、問題となっていた。
また、接合層を介した接合では、接合層と母材とで熱膨張係数やヤング率を近似させたとしても、その他の物性が異なるために問題となる場合があった。例えば、特許文献3では、母材の体積抵抗率が低く、接合層の体積抵抗率が高いので、接合層で導通が遮断されるため、部材の設計上の制約があった。
本発明は、これらの問題に鑑みてなされたものであり、焼結体単体と同程度の曲げ強度及び剛性を有し、経時的な寸法変化が小さい低熱膨張セラミックス接合体を提供するものである。
本発明は、これらの問題を解決するため、低熱膨張セラミックスからなる焼結体同士を、介在物を配せずに接合してなる低熱膨張セラミックス接合体であって、前記焼結体を構成する材料が、リチウムアルミノシリケートと、炭化珪素および/または窒化珪素とからなり、20〜30℃における平均の熱膨張係数が−1×10−6〜1×10−6/℃であることを特徴とする低熱膨張セラミックス接合体を提供する。
本発明の接合体は、介在物を配せずに接合される。これにより、極めて微細な寸法精度が求められるような部材に用いることができ、経時的な変化も極めて小さくできる。また、体積抵抗率等の特性の異なる接合層のような介在物が無いので、接合体としても焼結体と同様に扱うことができ、部材の設計上の制約を無くすことができる。
また、本発明は、前記焼結体を構成する材料が、リチウムアルミノシリケートと、炭化珪素および/または窒化珪素とからなる。このような材料を用いることにより、20〜30℃における平均の熱膨張係数を−1×10−6〜1×10−6/℃とすることができ、曲げ強度115MPa以上、ヤング率120GPa以上の高強度を持ちながら、低熱膨張性の接合体を実現できる。
さらに、リチウムアルミノシリケートの例としては、β−ユークリプタイト、β−スポジュメン、ペタライト等が挙げられる。これらは低熱膨張係数を有するセラミックスである。なかでもβ−ユークリプタイトが望ましい。βスポジューメンが1×10−6/℃程度であるのに対し、β-ユークリプタイトは負の熱膨張係数を示し、その値は−2×10−6/℃である。正の熱膨張を有し、高剛性材料である炭化珪素および/または窒化珪素と、配合し複合化することで、20〜30℃における平均の熱膨張係数を−1×10−6〜1×10−6/℃とすることができる。
前記焼結体に含まれる鉄が70〜210ppm(質量百万分率)とすることが好ましい。本発明に用いられる低熱膨張セラミックス焼結体は、温度変化に伴って焼結体の粒子内および粒界にマイクロクラックが生じることによって、熱膨張が吸収されて低熱膨張性を発揮する。本発明者は、鉄の含有量を上記範囲とすることにより、接合体のマイクロクラックの発生を調整し、発明をするに至った。すなわち、鉄の含有量が70ppmよりも少ないと、焼結体の溶融温度が高温化し、接合熱処理自体の処理温度を高温化する必要があるだけでなく、接合面の融着の進行が鈍くなり、接合部に空隙が発生してしまう。一方、210ppmよりも多いと、焼結体の溶融温度が低下するため、接合熱処理時に、粒成長が促進され、焼結体組織中に内在するマイクロクラックを起点として、破壊してしまう。
本発明の低熱膨張セラミックス接合体の4点曲げ強度は、焼結体の4点曲げ強度の95%以上である。また、ヤング率は、焼結体のヤング率の95%以上である。低熱膨張セラミックス接合体の組織は、接合部においても焼結体と同等であるため、曲げ強度やヤング率において、ほとんど低下は見られない。
また、本発明は、JISR1601に規定された4点曲げ強度が115MPa以上であり、JISR1602に規定されたヤング率が120GPa以上である低熱膨張セラミックス接合体を提供する。上記のような材料および組成とすることで、低熱膨張性と高強度を両立させることができる。
また、前記焼結体の組成はβ−ユークリプタイト50〜95質量%と炭化珪素および/または窒化珪素5〜50質量%とすることが望ましい。この範囲では、比較的低温でかつ多量の液相が焼結体中に生成され、接合時に軟化現象が発生し、接合できる。β−ユークリプタイトが50%より少ないと、正の熱膨張を有する炭化珪素および/または窒化珪素が支配的となり、低熱膨張セラミックスとならない。また、β−ユークリプタイトが95%より多いと、熱膨張率が−1.0×10−6/℃以下となるだけでなく、β−ユークリプタイトは、組織中に、マイクロクラックを有するため、強度、剛性が著しく低下する。
本発明の接合体は、低熱膨張セラミックスからなる焼結体同士を、介在物を配せずに接合してなる低熱膨張セラミックスの接合方法により得ることができる。より具体的には、β−ユークリプタイト50〜95質量%と炭化珪素および/または窒化珪素5〜50質量%とからなる焼結体を用意する工程と、
前記焼結体の接合面の表面粗さを0.1〜0.8μmに加工する工程と、前記焼結体の接合面同士を合わせ、2〜50g/cmの荷重を加えながら1000〜1400℃に加熱する熱処理工程と、を含む接合方法により得ることができる。
接合面の表面粗さを0.1〜0.8μmとするのは、このような範囲であれば、接合部に境界が存在せず一体化した構造を得ることができるためである。表面粗さが0.1μmよりも小さい場合は、接合面への窒素の供給が著しく低下するため、窒素の固溶による格子定数の伸縮が起き難くなり接合面の融着が進行しないおそれがある。一方、0.8μmよりも大きい場合、接合面の接触状態が悪いため、液相の生成による接合面全域への融着の進行が難しくなる。
2〜50g/cmの荷重とするのは、2g/cmより小さい場合、接合面の融着の進行が困難となるため、接合層に空隙が発生する。50g/cmよりも大きい場合、焼結体の塑性変形が発生するため、接合体の変形に繋がるため好ましくない。
熱処理温度を1000〜1400℃としたのは、1000℃より低温では、接合面の融着が進行しないため好ましくなく、1400℃より高温では、焼結体の結晶粒子が異常粒成長するため、内在するマイクロクラックを起因として接合体に破損が生じるため好ましくない。
焼結体単体と同程度の曲げ強度及び剛性を有し、経時的な寸法変化が小さい低熱膨張セラミックス接合体を提供する。
以下、本発明の低熱膨張セラミックス接合体について、より詳細に説明する。
本発明の低熱膨張セラミックス接合体は、焼結体同士が介在物を配せずに接合される。したがって、接合部(接合面であった部分)に境界が存在せず、且つ、各焼結体の粒子同士が、新たなネッキングを起こし、一体化した構造を有する。
このような構造は、次のような方法により確認できる。接合部に境界が存在する場合、接合面に垂直な断面を観察すると、接合部の粒径は、それ以外の部分の粒径とで異なることから目視で境界の有無を識別できる。具体的には、断面に表れた接合部の平均粒径d1とそれ以外の部分の平均粒径d2とを比較することにより把握される。本願発明の接合体では、d1/d2が0.8〜1.2の範囲であるので、境界の存在は確認できない。融着が不十分であったり、異常粒成長が生じたりすると、d1/d2が0.8よりも小さくなったり、1.2よりも大きくなったりする。このような場合は、接合部の境界が目視でも確認でき、また、接合体のヤング率や曲げ強度の低下も認められる。
平均粒径の測定は、インターセプト法により測定する。具体的には、次のような手順で行うことができる。接合体の接合面に垂直な断面を研削加工により表出させた後、鏡面研磨を行って、さらに必要に応じてサーマルエッチング処理等を行う。しかる後に、断面について電子顕微鏡観察を行って、予めマーキングして確認できる接合部とそれ以外の箇所について、所定長さの線分を引き、線分が横切る粒子数を計測する。そして、線分の長さを粒子数で割った値を平均粒径(μm)とする。
接合体の曲げ強度およびヤング率は、焼結体単体と同程度のものが得られる。具体的には、接合体の曲げ強度は焼結体の曲げ強度の95%以上となり、接合体のヤング率は、焼結体のヤング率の95%以上となる。上記のように、接合体の組織は、接合部においても焼結体と同等であるため、曲げ強度やヤング率において、ほとんど低下は見られない。
接合前後の寸法変化は、ほとんど生じない。具体的には、接合面に垂直方向となる厚みで、寸法変化は、0.5%以下である。接合前後で寸法の狂いがほとんどないので、製品の寸法不良を著しく低減することができる。
次に、接合体の製造方法について説明する。
原料のリチウムアルミノシリケートとしては、β−ユークリプタイト粉末を用いても良いし、アルミナ、シリカ、酸化リチウムを、所定の配合に調整して焼結によりβ−ユークリプタイトとしても良い。いずれの場合にも、鉄の含有量を70〜210ppmに調整する必要がある。鉄の含有量が、210ppmを超えると、接合温度および焼結温度が、著しく低下するため、接合時の異常粒成長や塑性変形を生じてしまう。また、70ppmよりも少ないと、リチウムアルミノシリケートの焼結性が低下するため、接合が困難となる。その他の不純物としては、アルカリ金属酸化物等が挙げられるが、それらは、合計で1000ppm以下であることが望ましい。
炭化珪素粉末を添加する場合は、α型でも、β型でもよく、純度は、99.9%以上が好ましい。窒化珪素粉末を添加する場合も、純度は99.9%以上が好ましい。
これらの粉末を粉砕・混合するためには、ボールミル粉砕・混合等の公知の混合方法を用いればよく、混合粉末の粒径は、2.0μm以下にすることが望ましい。混合粉末の粒径が2.0μmよりも大きい場合、焼結性が低下し、接合が困難となる。
焼結体の作製は、CIP等の乾式成形など、公知の方法で成形し、適宜バインダー成分等を大気中で脱脂した後、窒素中、1200〜1500℃で焼結する。この温度範囲であれば、緻密化できなかったり、異常粒成長を起こしたりといった問題無く焼結することができる。
焼結体接合面の表面粗さの調整は、公知の加工方法により行うことができる。平面研削機を用いる場合は、砥石の番手を#100〜#600のものを使用すると良い。
次に接合面同士を合わせて、2〜50g/cmの荷重を加え、1000〜1400℃で熱処理することにより接合体が得られる。熱処理時の雰囲気は、不活性雰囲気が好ましく、窒素中が、より好ましい。窒素がユークリプタイトに固溶することによって、格子定数の伸縮が起こり、特に接合面近傍の融着が進行し易くなるためである。熱処理温度は、焼結体の焼成温度以下とし、熱処理温度と焼成温度との差は100℃以内とすることが好ましい。接合温度を、焼成温度より高くすると、異常粒成長や塑性変形を生じるのは、言うまでも無く、焼成温度よりも100℃を超えて低温にすると、接合面の融着が不十分になり易く接合できないおそれがある。
以下、本発明の実施例を比較例とともに具体的に挙げ、本発明をより詳細に説明する。
まず、β−ユークリプタイト粉末と炭化珪素粉末とを表1に示す割合でポットミル混合して乾燥させ、セラミックスの原料混合粉末を作製した。この混合粉末を一軸加圧成形して70mm×70mm×50mmの成形体を作製し、150MPaでCIP処理した。窒素雰囲気において、1300〜1430℃の範囲で焼成し、低熱膨張セラミックス焼結体を得た。
焼結体から3mm×4mm×40mmの試験片を切り出し、これら試験片を用いて、JISR1602に従って共振法にてこれら焼結体のヤング率を測定し、さらに、JIS R1601に従って4点曲げ試験を実施した。また、焼結体から4mm×4mm×12mmの試験片を切り出し、レーザー干渉式熱膨張測定装置(アルバック理工社製 LIX−1)を用いて20〜30℃において試験片の変位量を測定し、熱膨張係数を求めた。焼結体の鉄の含有量をICP質量分析装置(島津製作所社製ICPM−8500)により測定したところ、全て140ppmであった。
次に、得られた焼結体を、平面研削機により50mm×50mm×40mmに加工し、特に接合面(50mm×50mm)については、#60〜#170研削ダイヤモンド砥石を用いて加工し、表面粗さを所定値に調整した。接合面同士を重ね合わせ、10g/cmの荷重を載せ、窒素雰囲気において、1000〜1400℃の範囲で熱処理し、低熱膨張セラミックス接合体を得た。
各接合体から接合部が中央にくるように3mm×4mm×40mmの試験片を切り出し、これら試験片を用いて、JISR1602に従って共振法にてこれら接合体のヤング率を測定し、さらに、JIS R1601に従って4点曲げ試験を実施した。
比較のため接合面に介在物を配した接合体を作製した(試験No.14)。接合材として、β−ユークリプタイトと窒化珪素を65:35でポットミル混合して乾燥させ、接合材用の混合粉末を作製した。この混合粉末を無機分が30vol%となるようにエチルセルロースの15%α−テルピネオール溶液と混合し、三本ロールを用いてペースト状にした。なお、この接合材について同じ組成の焼結体を作製して母材の焼結体と同様にして、ヤング率および熱膨張係数を求めたところ、ヤング率160GPa、熱膨張係数0.01×10−6/℃であった。実施例と同様の手順で焼結体を作製し、上記ペーストを、スクリーンマスクを用いて母材の接合面に厚さ30μmに印刷して接合材とした。500℃で脱脂した後、印刷面同士を接着して20g/cmの荷重をかけた。引き続き、窒素雰囲気で1340℃の温度で熱処理し、接合材を溶融させて母材の間に接合材が介在された試験No.14の接合体を得た。
また、各試験の接合体について平面度の経時変化を測定するための試験を行った。各試験と同配合の焼結体(A)500mm×32mm×27mm、焼結体(B)500mm×32mm×8mmに機械仕上げ加工を施し、500mm×32mmの面を接合面として、同様の接合条件で、低熱膨張セラミックス接合体を作製した。焼結体(B)の上面(500mm×32mmの面)を、平面度λ/20になるまで、鏡面加工を施した。そして、加工から、1年経過した時の、平面度の経時変化を測定した。平面度の測定は、レーザー干渉計式の形状測定器(ザイゴ社製GPI−XP)を用いて行い、平面度λ/20からの変化率が5%未満であれば○、変化率が5%以上であれば×と評価した。平均粒径の測定は、電子顕微鏡写真を用いてインターセプト法によって行った。
以上の結果を表1に示す。

Figure 2010111559
本発明の範囲内である試験No.1〜10では、4点曲げおよびヤング率ともに焼結体単体と同等の接合体が得られた。具体的には、いずれの接合体も焼結体に対して、4点曲げ強度で95%以上、ヤング率で95%以上であった。また、1年経過した時の、平面度の経時変化は、いずれも5%未満であった。
一方、本発明の範囲外である試験No.11〜13では、曲げ強度、ヤング率ともに焼結体単体よりも低下した。また、接合材を介在させた試験No.14では、焼結体単体と同等の曲げ強度およびヤング率は得られたものの、平面度の経時変化が認められた。
次に、鉄の含有量を調整して、同様の試験を行った。原料粉末の配合は、試験No.3と同様とし、鉄の含有量を変化させた。

Figure 2010111559
本発明の範囲内である試験No.21〜23では、4点曲げおよびヤング率ともに焼結体単体と同等の接合体が得られた。しかし、鉄含有量が少ないNo.24では、4点曲げおよびヤング率ともに焼結体単体よりも低い値となり、接合部には境界が認められた。また、鉄含有量が多いNo.25では、接合熱処理後に、接合体にクラックが認められ、物性測定までに至らなかった。

Claims (9)

  1. 低熱膨張セラミックスからなる焼結体同士を、介在物を配せずに接合してなる低熱膨張セラミックス接合体であって、前記焼結体を構成する材料が、リチウムアルミノシリケートと、炭化珪素および/または窒化珪素とからなり、20〜30℃における平均の熱膨張係数が−1×10−6〜1×10−6/℃であることを特徴とする低熱膨張セラミックス接合体。
  2. 接合部の平均粒径d1と接合部以外の焼結体の平均粒径d2の比d1/d2が0.8〜1.2である請求項1記載の低熱膨張セラミックス接合体。
  3. 前記リチウムアルミノシリケートがβ−ユークリプタイトである請求項1または2に記載の低熱膨張セラミックス接合体。
  4. 前記焼結体に含まれる鉄が70〜210ppmである請求項1〜3に記載の低熱膨張セラミックス接合体。
  5. 前記接合体の4点曲げ強度が、焼結体の4点曲げ強度の95%以上である請求項1〜4に記載の低熱膨張セラミックス接合体。
  6. 前記接合体のヤング率が、焼結体のヤング率の95%以上である請求項1〜4記載の低熱膨張セラミックス接合体。
  7. 4点曲げ強度が115MPa以上、ヤング率が120GPa以上である請求項に1〜6記載の低熱膨張セラミックス接合体。
  8. 焼結体の組成はβ−ユークリプタイト50〜95質量%と炭化珪素および/または窒化珪素5〜50質量%である請求3〜7に記載の低熱膨張セラミックス接合体。
  9. 低熱膨張セラミックスからなる焼結体同士を、介在物を配せずに接合してなる低熱膨張セラミックス接合方法であって、
    β−ユークリプタイト50〜95質量%と炭化珪素および/または窒化珪素5〜50質量%とからなる焼結体を用意する工程と、
    前記焼結体の接合面の表面粗さを0.1〜0.8μmに加工する工程と、
    前記焼結体の接合面同士を合わせ、2〜50g/cmの荷重を加えながら
    1000〜1400℃に加熱する熱処理工程と、
    を含むことを特徴とする低熱膨張セラミックスの接合方法。
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