JP2010107823A - ハードコートフィルム - Google Patents
ハードコートフィルム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010107823A JP2010107823A JP2008281098A JP2008281098A JP2010107823A JP 2010107823 A JP2010107823 A JP 2010107823A JP 2008281098 A JP2008281098 A JP 2008281098A JP 2008281098 A JP2008281098 A JP 2008281098A JP 2010107823 A JP2010107823 A JP 2010107823A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hard coat
- coat layer
- group
- fine particles
- film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
- Surface Treatment Of Optical Elements (AREA)
Abstract
【解決手段】透明基材フィルムの一面側に、当該透明基材フィルムに近い側から第一のハードコート層及び当該第一のハードコート層に隣接して第二のハードコート層を設けたハードコートフィルムであって、前記第一のハードコート層は、特定の組成を有する第一の硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、前記第二のハードコート層は、特定の組成を有する第二の硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、且つ、前記2つのハードコート層は、それぞれ、膜厚が20μm以下であり、ビッカース硬度が押し込み荷重100mNにおいて、53〜69Hv且つ、2層のビッカース硬度の差の絶対値が13以内であることを特徴とする、ハードコートフィルム。
【選択図】図1
Description
すなわち、上記問題点を解決する本発明の特徴は、以下の点である。
前記第一のハードコート層は、粒子表面に反応性官能基aを有する平均粒径10〜100nmの反応性シリカ微粒子(A)、
反応性官能基bを1分子中に3個以上有し且つ分子量が1000以下である多官能モノマー(B)、及び、
分子側鎖に反応性官能基cを30個以上有し且つ重量平均分子量が10000〜50000であるポリマー(C)を含む第一の硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、前記反応性シリカ微粒子(A)は、前記第一の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して30〜65重量%含まれ、
前記第二のハードコート層は、粒子表面に反応性官能基dを有する平均粒径10〜100nmの反応性シリカ微粒子(D)、及び、
反応性官能基eを1分子中に3個以上有し且つ分子量が1000以下である多官能モノマー(E)を含む第二の硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、前記反応性シリカ微粒子(D)は、前記第二の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0重量%以上30重量%未満含まれ、
前記反応性官能基a、b、c、d及びeは、それぞれ、同種及び異種の反応性官能基間での架橋反応性を有し、且つ、
前記第一のハードコート層及び第二のハードコート層は、それぞれ、膜厚が20μm以下であり、ビッカース硬度が押し込み荷重100mNにおいて、53〜69Hv且つ、第一のハードコート層及び第二のハードコート層のビッカース硬度の差の絶対値が13以内であることを特徴とする。
上記微粒子は、凝集粒子であっても良く、凝集粒子である場合は、二次粒径が上記範囲内であれば良い。
上記微粒子は、凝集粒子であっても良く、凝集粒子である場合は、二次粒径が上記範囲内であれば良い。
本発明において、「ハードコート層」とは、一般にJISK5600−5−4(1999)で規定される4.9N荷重の鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものである。
また、本発明の光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。
また、本発明において膜厚とは乾燥時の膜厚(乾燥膜厚)を意味する。
本発明において、分子量とは、分子量分布を有する場合には、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である重量平均分子量を意味し、分子量分布を有しない場合には、化合物そのものの分子量を意味する。
本発明に係るハードコートフィルムは、透明基材フィルムの一面側に、当該透明基材フィルムに近い側から第一のハードコート層及び当該第一のハードコート層に隣接して第二のハードコート層を設けたハードコートフィルムであって、
前記第一のハードコート層は、粒子表面に反応性官能基aを有する平均粒径10〜100nmの反応性シリカ微粒子(A)、
反応性官能基bを1分子中に3個以上有し且つ分子量が1000以下である多官能モノマー(B)、及び、
分子側鎖に反応性官能基cを30個以上有し且つ重量平均分子量が10000〜50000であるポリマー(C)を含む第一の硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、前記反応性シリカ微粒子(A)は、前記第一の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して30〜65重量%含まれ、
前記第二のハードコート層は、粒子表面に反応性官能基dを有する平均粒径10〜100nmの反応性シリカ微粒子(D)、及び、
反応性官能基eを1分子中に3個以上有し且つ分子量が1000以下である多官能モノマー(E)を含む第二の硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、前記反応性シリカ微粒子(D)は、前記第二の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0重量%以上30重量%未満含まれ、
前記反応性官能基a、b、c、d及びeは、それぞれ、同種及び異種の反応性官能基間での架橋反応性を有し、且つ、
前記第一のハードコート層及び第二のハードコート層は、それぞれ、膜厚が20μm以下であり、ビッカース硬度が押し込み荷重100mNにおいて、53〜69Hv且つ、第一のハードコート層及び第二のハードコート層のビッカース硬度の差の絶対値が13以内であることを特徴とする。
透明基材フィルム10の一面側に、第一のハードコート層20が設けられ、第一のハードコート層20の透明基材フィルム10とは反対側の面に第二のハードコート層30が設けられている。この第一のハードコート層20及び第二のハードコート層30のビッカース硬度はそれぞれ、53〜69Hv、且つ、当該2層のビッカース硬度の差の絶対値は13以内である。
また、図2bは、カールしていない状態のハードコートフィルム1の一例を模式的に示した斜視図であり、図3bは、カールしている状態のハードコートフィルム1の一例を模式的に示した斜視図である。
具体的には、例えば、図3bにおいて、ハードコート層の4端点(2、3、4及び5)のうち、端点3−4、及び5−2間の距離6の平均値(mm)で示す。
本発明に用いられる透明基材フィルムは、透明性(光透過性)の高いプラスチックフィルム又はシートであり、光学積層体の透明基材として用い得る物性を満たすものであれば特に限定されることはなく、適宜選んで用いることができる。
通常、光学積層体に用いられる基材フィルムには、透明、半透明、無色又は有色を問わないが、光透過性が要求される。なお、光透過率の測定は、紫外可視分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いる。
シクロオレフィンポリマーとしては、例えば、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体樹脂等が挙げられ、より具体的には、日本ゼオン(株)製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト(株)製 スミライトFS−1700、JSR(株)製 アートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学(株)製 アペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製の Topas(環状オレフィン共重合体)、日立化成(株)製 オプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。
ポリカーボネートの具体例としては、ビスフェノール類(ビスフェノールA等)をベースとする芳香族ポリカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等の脂肪族ポリカーボネート等が挙げられる。
アクリレート系ポリマーの具体例としては、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。
ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。
トリアセチルセルロースフィルム(TACフィルム)は、可視光域380〜780nmにおいて、平均光透過率を50%以上とすることが可能な光透過性基材である。基材フィルムの平均光透過率は70%以上、更に85%以上であることが好ましい。
TACフィルムは、光学的等方性を有するため、液晶ディスプレイ用途の場合においても好ましく用いることができる。
第一のハードコート層は、粒子表面に反応性官能基aを有する平均粒径10〜100nmの反応性シリカ微粒子(A)、反応性官能基bを1分子中に3個以上有し且つ分子量が1000以下である多官能モノマー(B)、及び、分子側鎖に反応性官能基cを30個以上有し且つ重量平均分子量が10000〜50000であるポリマー(C)を含む第一の硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、反応性シリカ微粒子(A)は、第一の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して30〜65重量%含まれる。
上記反応性シリカ微粒子(A)、多官能モノマー(B)、及びポリマー(C)を含み、且つ反応性シリカ微粒子(A)が組成物の全固形分に対して30〜65重量%含まれる第一の硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、第一のハードコート層は下地層として機能する。
まず、厚さ40μmのトリアセチルセルロースフィルム(コニカミノルタ(株)製、製品名KC4UYW)上に、第一の硬化性樹脂組成物をマイヤーバーを用いて塗工し、必要に応じて溶剤を乾燥させ、120mJ/cm2の紫外線を照射して硬化させ、厚さ10μmのハードコート層を形成し、トリアセチルセルロースフィルム/第一のハードコート層という2層構成のビッカース硬度試験用サンプルフィルムを準備する。
次いで、このサンプルフィルムに対して、JIS Z 2244(2003)に規定するビッカース硬さ試験(押し込み荷重100mN、荷重時間8秒、保持時間5秒、減重時間8秒)を3回行い、3回の算出された硬さの平均値を第一のハードコート層のビッカース硬度とする。
なお、第二のハードコート層のビッカース硬度を求める場合、上記具体例において、第一の硬化性樹脂組成物の代わりに、第二の硬化性樹脂組成物を用いて第二のハードコート層を形成して、同様にビッカース硬度試験を3回行い、その平均値を求めればよい。
また20μm超過の場合、特に透明基材フィルムとしてトリアセチルセルロース(TAC)を用いて、本発明のハードコートフィルムを偏光板とする際、偏光板の基材となるポリビニルアルコール(PVA)とTACとの接着を行う際、接着剤に含有している溶剤又は水の乾燥が不十分となり、TACとPVAとの間に溶剤や水が残存する恐れがある。
第一の硬化性樹脂組成物に平均粒径10〜100nmの反応性シリカ微粒子(A)を当該第一の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して30〜65重量%含有させることにより、当該第一の硬化性樹脂組成物の硬化物からなる第一のハードコート層に硬度を付与することができる。
反応性シリカ微粒子(A)は、ハードコート層に更に機能を付与するものであっても良く、目的に合わせて適宜選択して用いる。
反応性官能基aは、前記多官能モノマー(B)及びポリマー(C)に応じて、適宜選択される。反応性官能基aとしては、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等が挙げられる。
なお、単位面積当りの有機成分量は、以下の方法により求めることができる。まず、示差熱重量分析(DTG)により、有機成分重量を無機成分重量で割った値(有機成分重量/無機成分重量)を測定する。次に、無機成分重量と用いたシリカ微粒子の比重から無機成分全体の体積を計算する。また、被覆前のシリカ微粒子が真球状であると仮定し、被覆前のシリカ微粒子の平均粒径から被覆前のシリカ微粒子1個当りの体積、及び表面積を計算する。次に、無機成分全体の体積を被覆前のシリカ微粒子1個当たりの体積で割ることにより、反応性シリカ微粒子(A)の個数を求める。更に、有機成分重量を反応性シリカ微粒子(A)の個数で割ることにより、反応性シリカ微粒子(A)1個当たりの有機成分量を求める。最後に、反応性シリカ微粒子(A)1個当りの有機成分重量を、被覆前のシリカ微粒子1個当りの表面積で割ることにより、単位面積当たりの有機成分量を求めることができる。
中でも、本発明においては、被覆している有機成分が反応性シリカ微粒子(A)中に、被覆前のシリカ微粒子の単位面積当たり1.00×10−3g/m2以上含まれることが可能で、シリカ微粒子同士の凝集を抑制し、膜の硬度を向上させる点から、以下の(i)(ii)の反応性シリカ微粒子(A)のいずれかを適宜選択して用いることが好ましい。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β‐ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中にシリカ微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基aを有する反応性シリカ微粒子(A)。
(ii)被覆前のシリカ微粒子に導入する反応性官能基a、下記化学式(1)に示す基、及びシラノール基又は加水分解によってシラノール基を生成する基を含む化合物と、シリカ微粒子とを結合することにより得られる、表面に反応性官能基aを有する反応性シリカ微粒子(A)。
化学式(1)
−Q1−C(=Q2)−Q3−
化学式(1)中、Q1は、NH、O(酸素原子)、又はS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示し、Q3は、NH又は2価以上の有機基を示す。
(i)飽和又は不飽和カルボン酸、当該カルボン酸に対応する酸無水物、酸塩化物、エステル及び酸アミド、アミノ酸、イミン、ニトリル、イソニトリル、エポキシ化合物、アミン、β‐ジカルボニル化合物、シラン、及び官能基を有する金属化合物よりなる群から選択される1種以上の分子量500以下の表面修飾化合物の存在下、分散媒としての水及び/又は有機溶媒の中にシリカ微粒子を分散させることにより得られる、表面に反応性官能基aを有する反応性シリカ微粒子(A)。
上記(i)の反応性シリカ微粒子(A)を用いる場合には、有機成分含量が少なくても膜強度を向上できるというメリットがある。
例えば、疎水性分子残基としては、不活性化又は反発作用をもたらす、アルキル、アリール、アルカリル、アラルキル又はフッ素含有アルキル基等が挙げられる。親水性基としてはヒドロキシ基、アルコキシ基又はポリエステル基等が挙げられる。
アミノ酸の例としては、β−アラニン、グリシン、バリン、アミノカプロン酸、ロイシン及びイソロイシンが挙げられる。
このようなシランカップリング剤としては、特に限定されず、公知のものを挙げることができ、例えば、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503(商品名、いずれも、信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。
分散媒は、蒸留(任意に減圧下)により容易に除去できる沸点を有することが好ましく、沸点が200℃以下、特に150℃以下の溶媒が好ましい。
化学式(1)
−Q1−C(=Q2)−Q3−
化学式(1)中、Q1は、NH、O(酸素原子)、又はS(硫黄原子)を示し、Q2はO又はSを示し、Q3は、NH又は2価以上の有機基を示す。
上記(ii)の反応性シリカ微粒子(A)を用いる場合には、有機成分量が高まり、分散性、及び膜強度がより高まるという利点がある。
上記反応性官能基修飾加水分解性シランにおいて、シリカ微粒子に導入したい反応性官能基aは、後述する多官能モノマー(B)及びポリマー(C)と反応可能なように適宜選択すれば特に限定されない。上述したような重合性不飽和基を導入するのに適している。
[(RaO)mRb 3ーmSi−]で示される基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等を挙げることができる。このような基のうち、トリメトキシシリル基又はトリエトキシシリル基等が好ましい。
第一の硬化性樹脂組成物に用いられる多官能モノマー(B)は、硬化して第一のハードコート層のマトリクスとなる成分の一つであり、前記反応性シリカ微粒子(A)の反応性官能基a、後述するポリマー(C)の反応性官能基c、反応性シリカ微粒子(D)の反応性官能基d、及び多官能モノマー(E)の反応性官能基eと架橋反応性を有する反応性官能基bを3個以上有し、分子量が1000以下である。また、反応性官能基bは他の反応性官能基bとも架橋反応性を有する。硬化する際に反応性官能基b同士や異種の反応性官能基間で架橋結合し、網目構造が形成され、ハードコートフィルムの硬度を更に高める。また、多官能モノマー(B)は、1000以下と小さな分子量で、反応性官能基bを3個以上有するため、ハードコート層において架橋密度を高め、ハードコート層に硬度を付与する働きがある。その他、硬化速度が速いため、製造のライン速度を向上させることも可能となる。また、隣接する層との密着性向上にも効果がある。透明基材フィルムがトリアセチルセルロース(TAC)の場合、当該TAC基材との密着性も向上できる。
反応性官能基bとしては、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等が挙げられる。
尚、変性体としては、EO(エチレンオキサイド)変性体、PO(プロピレンオキサイド)変性体、CL(カプロラクトン)変性体、及びイソシアヌル酸変性体等が挙げられる。
上記多官能モノマー(B)において、硬化反応性の点から、メタクリレートよりもアクリレートが好ましい。
ポリマー(C)は、硬化した際に上記多官能モノマー(B)と共に第一のハードコート層のマトリクスとなる成分であり、前記反応性シリカ微粒子(A)の反応性官能基a、多官能モノマー(B)の反応性官能基b、後述する反応性シリカ微粒子(D)の反応性官能基d、及び多官能モノマー(E)の反応性官能基eと架橋反応性を有する反応性官能基cを分子側鎖に30個以上有し、重量平均分子量が10000〜50000である。また、反応性官能基cは他の反応性官能基cとも架橋反応性を有する。多官能モノマー(B)と同様に、硬化する際に反応性官能基c同士や異種の反応性官能基間で架橋結合し、網目構造が形成され、ハードコートフィルムの硬度を更に高める。また、ポリマー(C)は、本発明に係るハードコートフィルムのカールを低減する効果及びハードコート層のクラックを抑制する効果を有する。
反応性官能基cとしては、重合性不飽和基が好適に用いられ、好ましくは光硬化性不飽和基であり、特に好ましくは電離放射線硬化性不飽和基である。その具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合及びエポキシ基等が挙げられる。
Yが反応性官能基cそのものである場合、Yとしては例えば、ビニル基(CH2=CH−)及び(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基が挙げられる。
例えば、エチレン性不飽和基を有する化合物残基としては、具体的には例えば、以下の化合物のエチレン性不飽和基以外の反応性置換基又は反応性置換基の一部(水素等)を除いた残基が挙げられる。例えば、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
この他、連結基Dは、エステル結合を含むものであっても良い。
第一の硬化性樹脂組成物には、上記成分のほかに、更に溶剤、重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤を適宜添加することもできる。更に、反応性又は非反応性レベリング剤、各種増感剤等の各種添加剤が混合されていても良い。帯電防止剤及び/又は防眩剤を含む場合には、本発明の第一のハードコート層に、更に帯電防止性及び/又は防眩性を付与できる。
溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、ノルマルプロパノール、イソプロパノール(IPA)、ノルマルブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、メチルグリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、メチルグリコールアセテート、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコール等のケトン類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、乳酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;ニトロメタン、N―メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物;ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジオキソラン等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、トリクロロエタン、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン等のその他の物;又はこれらの混合物が挙げられる。
ハードコートフィルムの硬度を向上できる点から、MIBK、PGME、ノルマルプロパノール、イソプロパノール、ノルマルブタノール、sec−ブタノール、イソブタノール、及びtert−ブタノールよりなる群から選ばれる1種以上の非浸透性溶剤であることが好ましい。非浸透性溶剤を用いることにより、上記多官能モノマー(B)及びポリマー(C)が透明基材フィルムに浸透しなくなるため、第一のハードコート層の硬度を高めることができる。
なお、本発明において、浸透とは、透明基材フィルムを溶解又は膨潤させることをいう。
本発明においては、上記ラジカル重合性官能基やカチオン重合性官能基の開始又は促進させるために、必要に応じてラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、ラジカル及びカチオン重合開始剤等を適宜選択して用いても良い。これらの重合開始剤は、光照射及び/又は加熱により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。
帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物、スズ及びチタンのアルコキシドのような有機金属化合物及びそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、又は金属キレート部を有し、且つ、電離放射線により重合可能なモノマー又はオリゴマー、或いは電離放射線により重合可能な重合可能な官能基を有する且つ、カップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
防眩剤としては微粒子が挙げられ、微粒子の形状は、真球状、楕円状などのものであってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、微粒子は無機系、有機系のものが挙げられるが、好ましくは有機系材料により形成されてなるものが好ましい。微粒子は、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものがよい。微粒子の具体例としては、プラスチックビーズが挙げられ、より好ましくは、透明性を有するものが挙げられる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。微粒子の添加量は、樹脂組成物100重量部に対し、2〜30重量部、好ましくは10〜25重量部程度である。
屈折率の測定は、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、分光光度計で測定した反射率曲線からシミュレーションを用いて算出する方法、エリプソメータを用いて測定する方法及びアッベ法を挙げることができる。
本発明の第二のハードコート層は、粒子表面に反応性官能基dを有する平均粒径10〜100nmの反応性シリカ微粒子(D)、及び、反応性官能基eを1分子中に3個以上有し且つ分子量が1000以下である多官能モノマー(E)を含む第二の硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、反応性シリカ微粒子(D)は、第二の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0重量%以上30重量%未満含まれる。これにより、第二のハードコート層は適度な柔軟性を有する。
第二のバインダー成分としては、特にペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが好ましく用いられる。
多官能モノマー(B)及び多官能モノマー(E)は同一であっても異なっていても良い。
本発明に係るハードコートフィルムは、上記したように透明基材フィルム、第一のハードコート層及び第二のハードコート層により基本的には構成されてなる。しかしながら、ハードコートフィルムとしての機能又は用途を加味して、上記第一及び第二のハードコート層の他に、更に下記のような一又は二以上の層を第二のハードコート層の第一のハードコート層とは反対側の面に設けてもよい。
帯電防止層は、帯電防止剤と硬化性樹脂とを含む帯電防止層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。帯電防止層の厚さは、30nm〜1μm程度であることが好ましい。
防眩層は、防眩剤と硬化性樹脂とを含む防眩層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。当該硬化性樹脂は、公知のものを適宜選択して、1種又は2種以上用いることができる。
防眩剤としては、上記第一のハードコート層の防眩剤で挙げたものと同様のものを用いることができる。
本発明の好ましい態様によれば、ハードコートフィルム最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けてもよい。防汚層は、ハードコートフィルムに対して防汚性と耐擦傷性のさらなる改善を図ることが可能となる。防汚層は、防汚剤と硬化性樹脂組成物を含む防汚層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
低屈折率層は、当該層の透明基材フィルム側に隣接する層よりも屈折率が低い層であり、低屈折率層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。当該低屈折率層用硬化性樹脂組成物には、前記隣接する層よりも屈折率が低くなるように、適宜公知の低屈折率硬化性樹脂や微粒子を用いることができる。
透明基材フィルム10の一面側に、透明基材フィルムに近い側から順に、第一のハードコート層20、第二のハードコート層30、及び帯電防止層50が設けられている。この第一のハードコート層20及び第二のハードコート層30のビッカース硬度はそれぞれ、53〜69Hv、且つ、当該2層のビッカース硬度の差の絶対値は13以内である。
図6は、本発明に係るハードコートフィルムの層構成の他の一例を模式的に示した断面図である。
透明基材フィルム10の一面側に、透明基材フィルムに近い側から順に、第一のハードコート層20、第二のハードコート層30、帯電防止層50及び低屈折率層60が設けられている。この第一のハードコート層20及び第二のハードコート層30のビッカース硬度はそれぞれ、53〜69Hv、且つ、当該2層のビッカース硬度の差の絶対値は13以内である。
(第一及び第二の硬化性樹脂組成物の調製)
本発明の第一及び第二の硬化性樹脂組成物は、通常、溶剤に上記各成分を一般的な調製法に従って、混合し分散処理することにより調製される。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等を用いることができる。
上記の第一の硬化性樹脂組成物を透明基材フィルム上に塗布、乾燥する。
塗布方法は、透明基材フィルム表面に当該第一の硬化性樹脂組成物を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、スピンコート法、ディップ法、スプレー法、スライドコート法、バーコート法、ロールコーター法、メニスカスコーター法、フレキソ印刷法、スクリーン印刷法、ピードコーター法等の各種方法を用いることができる。
また、透明基材フィルム上への塗工量としては、得られるハードコートフィルムが要求される性能により異なるものであるが、乾燥後の塗工量が1g/m2〜30g/m2の範囲内、特に5g/m2〜25g/m2の範囲内であることが好ましい。
光照射には、主に、紫外線、可視光、電子線、電離放射線等が使用される。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜5000mJ/cm2程度である。
加熱する場合は、通常40℃〜120℃の温度にて処理する。また、室温(25℃)で24時間以上放置することにより反応を行っても良い。
前記第二のハードコート層の第一のハードコート層とは反対側の面に帯電防止層等の上記その他の機能層を設ける場合も前記ハードコート層と同様に、硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥させ、光照射及び/又は加熱して機能層を設ければよい。
シリカ微粒子(1)として、日産化学工業(株)製、IPA−ST、平均粒径44nm、コロイダルシリカ、固形分30%液を用いた。
シリカ微粒子(2)として、日産化学工業(株)製、IPA−ST(L)、平均粒径12nm、コロイダルシリカ、固形分30%液を用いた。
シリカ微粒子(3)として、日産化学工業(株)製、IPA−STZL、平均粒径80nm、コロイダルシリカ、固形分30%液を用いた。
シリカ粒子(4)として、平均粒径1000nmのシリカ微粒子を用いた。
多官能モノマー(B)として、日本化薬(株)製、ペンタエリスリトールトリアクリレート、製品名PET30を用いた。
多官能モノマー(B)として、日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、製品名DPHAを用いた。
多官能モノマー(B)として、東亞合成(株)製、製品名M215(分子量333、反応性官能基数2)を用いた。
多官能モノマー(B)として、日本化薬(株)製、製品名DPCA120(分子量1947、反応性官能基数6)を用いた。
ポリマー(C)として、荒川化学工業(株)製、製品名BS371(重量平均分子量40000、反応性官能基数30以上)を用いた。
ポリマー(C)として、荒川化学工業(株)製、製品名BS371MLV(重量平均分子量20000、反応性官能基数30以上)を用いた。
ポリマー(C)として、荒川化学工業(株)製、製品名BS371改(重量平均分子量80000、反応性官能基数30以上)を用いた。
ポリマー(C)として、根上工業(株)製、製品名UN5507(重量平均分子量17000、反応性官能基数30未満)を用いた。
重合開始剤として、チバ・ジャパン(株)製、イルガキュア184を用いた。
シランカップリング剤として、信越化学工業(株)製、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、KBM−503を用いた。
透明基材フィルムとして、TACフィルム(厚み40μm、トリアセチルセルロース樹脂フィルム、商品名:KC4UY、コニカ(株)製)を用いた。
各化合物の略語はそれぞれ、以下の通りである。
PETA:ペンタエリスリトールトリアクリレート
DPHA:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
MIBK:メチルイソブチルケトン
IPA:イソプロパノール
TAC:トリアセチルセルロース
シリカ微粒子(1)をロータリーエバポレーターを用いてIPAからMIBKに溶剤置換を行い、シリカ粒子30重量%のMIBK分散液を得た。このMIBK分散液100重量部に3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシランを5重量部添加し、50℃で1時間加熱処理することにより、表面処理された平均粒径44nmの反応性シリカ微粒子の固形分30重量%MIBK分散液を得た。
反応性シリカ微粒子(1)の調製において、シリカ微粒子(1)をシリカ微粒子(2)に代えた以外は同様にして、表面処理された平均粒径12nmの反応性シリカ微粒子(2)の固形分30重量%MIBK分散液を得た。
反応性シリカ微粒子(1)の調製において、シリカ微粒子(1)をシリカ微粒子(3)に代えた以外は同様にして、表面処理された平均粒径80nmの反応性シリカ微粒子(3)の固形分30重量%MIBK分散液を得た。
反応性シリカ微粒子(1)の調製において、シリカ微粒子(1)をシリカ微粒子(4)に代えた以外は同様にして、表面処理された平均粒径1000nmの反応性シリカ微粒子(4)の固形分30重量%MIBK分散液を得た。
表1に示す組成の成分を配合して硬化性樹脂組成物1−1〜1−10、2−1〜2−4、及び3−1〜3−12をそれぞれ、調製した。
TACフィルムの片面に、第一の硬化性樹脂組成物として、前記硬化性樹脂組成物1−1を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が100mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚10μmの第一のハードコート層(下層)を形成した。さらに、当該第一のハードコート層上に、第二の硬化性樹脂組成物として、前記硬化性樹脂組成物2−1を塗布し、温度70℃の熱オーブン中で60秒間乾燥し、塗膜中の溶剤を蒸発させ、紫外線を積算光量が200mJ/cm2になるように照射して塗膜を硬化させることにより、膜厚5μmの第二のハードコート層(上層)を形成し、実施例1のハードコートフィルムを作製した。
なお、厚さ40μmのTACフィルムに第一の硬化性樹脂組成物を塗布し、ハードコート層を形成し、TACフィルム/第一のハードコート層の2層構成のビッカース硬度を測定した結果を表2に合わせて示す。
同様に、厚さ40μmのTACフィルムに第二の硬化性樹脂組成物を塗布し、ハードコート層を形成し、TACフィルム/第二のハードコート層の2層構成のビッカース硬度を測定した結果を表2に合わせて示す。
また、上記第一のハードコート層と第二のハードコート層のビッカース硬度の差の絶対値を表2に合わせて示す。
作製した実施例1〜17及び比較例1〜34のハードコートフィルムについて、以下の様に鉛筆硬度、全光線透過率、ヘイズ、カール性及びクラック性を評価した。その結果を表2に示す。
鉛筆硬度試験;鉛筆引っ掻き試験の硬度は、作製したハードコートフィルム(上記光学積層体)を温度25℃、相対湿度60%の条件で2時間調湿した後、JIS−S−6006が規定する試験用鉛筆を用いて、JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)を行い、傷がつかない最も高い硬度を測定した。
作製したハードコートフィルムの全光線透過率(%)を、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7361に従って測定した。
○:90%以上
×:90%未満
作製したハードコートフィルムのヘイズ値(%)を、ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、製品番号;HM−150)を用いてJIS K−7136に従って測定した。
○:1.0%以下
×:1.0%より大きい
ハードコートフィルムのカールの度合い(カール幅)は、ハードコートフィルムをTACフィルムを下にして10cm×10cmにカットしたサンプル片を水平な台(平面)の上に置き、浮き上がったハードコート層の端点間の距離の平均値(mm)で評価した。
評価基準
評価○:1〜85mmであった。
評価×:1mm未満、又はロール状物体であった。
10×2cmの大きさに切り取ったハードコートフィルムを、ハードコート層面を外側にして曲率のある円柱に巻きつけ、ひび割れ(クラック)が発生し始める曲率直径を測定することで評価した。
評価基準
評価○:14mm以内であった。
評価×:15mm以上であった。
第一の硬化性樹脂組成物3−2がポリマー(C)を含まない比較例2では、カールとクラックの評価が悪かった。
第一の硬化性樹脂組成物3−3の反応性シリカ微粒子(A)の平均粒径が大きい比較例3では、透過率とヘイズの評価が悪かった。
第一の硬化性樹脂組成物3−4が反応性シリカ微粒子(A)を含まない比較例4では、鉛筆硬度が3Hと低かった。
第一の硬化性樹脂組成物3−5が反応性シリカ微粒子(A)及び多官能モノマー(B)を含まない比較例5では、鉛筆硬度が2Hと低かった。
第一の硬化性樹脂組成物3−6に含まれる反応性シリカ微粒子(A)の含有量が30重量%に満たない比較例6では、鉛筆硬度が3Hと低かった。
第一の硬化性樹脂組成物3−7に含まれる反応性シリカ微粒子(A)の含有量が65重量%を超える比較例7では、鉛筆硬度が3Hと低く、クラックの評価も悪かった。
第一の硬化性樹脂組成物3−8に含まれる多官能モノマー(B)のM215が2官能の比較例8では、鉛筆硬度が2Hと低かった。
第一の硬化性樹脂組成物3−9に含まれる多官能モノマー(B)のDPCA120の分子量が1000を超える比較例9では、鉛筆硬度が3Hと低かった。
第一の硬化性樹脂組成物3−10に含まれるポリマー(C)のUN5507の官能基数が30未満の比較例10では、鉛筆硬度が3Hと低かった。
第一の硬化性樹脂組成物3−11に含まれるポリマー(C)のBS371改の分子量が50000を超える比較例11では、鉛筆硬度が3Hと低かった。
第一の硬化性樹脂組成物3−12に含まれるシリカ微粒子が反応性基を持たない比較例12では、鉛筆硬度が3Hと低く、クラックの評価も悪かった。
第二の硬化性樹脂組成物3−2がポリマー(C)を含まない比較例28では、鉛筆硬度が3Hと低かった。
第二の硬化性樹脂組成物3−5が反応性シリカ微粒子(A)及び多官能モノマー(B)を含まない比較例29では、鉛筆硬度が3Hと低かった。
第一のハードコート層のみで、第二のハードコート層を形成していない比較例31では、鉛筆硬度が3Hと低かった。
第二のハードコート層のみで、第一のハードコート層を形成していない比較例32では、鉛筆硬度が2Hと低かった。
第一のハードコート層の膜厚が25μmと厚い比較例33では、カールとクラックの評価が悪かった。
第二のハードコート層の膜厚が25μmと厚い比較例34では、カールとクラックの評価が悪かった。
2、3、4、5 端点
6 端点間の距離
10 透明基材フィルム
20 第一のハードコート層
30 第二のハードコート層
40 中心角
50 帯電防止層
60 低屈折率層
Claims (2)
- 透明基材フィルムの一面側に、当該透明基材フィルムに近い側から第一のハードコート層及び当該第一のハードコート層に隣接して第二のハードコート層を設けたハードコートフィルムであって、
前記第一のハードコート層は、粒子表面に反応性官能基aを有する平均粒径10〜100nmの反応性シリカ微粒子(A)、
反応性官能基bを1分子中に3個以上有し且つ分子量が1000以下である多官能モノマー(B)、及び、
分子側鎖に反応性官能基cを30個以上有し且つ重量平均分子量が10000〜50000であるポリマー(C)を含む第一の硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、前記反応性シリカ微粒子(A)は、前記第一の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して30〜65重量%含まれ、
前記第二のハードコート層は、粒子表面に反応性官能基dを有する平均粒径10〜100nmの反応性シリカ微粒子(D)、及び、
反応性官能基eを1分子中に3個以上有し且つ分子量が1000以下である多官能モノマー(E)を含む第二の硬化性樹脂組成物の硬化物からなり、前記反応性シリカ微粒子(D)は、前記第二の硬化性樹脂組成物の全固形分に対して0重量%以上30重量%未満含まれ、
前記反応性官能基a、b、c、d及びeは、それぞれ、同種及び異種の反応性官能基間での架橋反応性を有し、且つ、
前記第一のハードコート層及び第二のハードコート層は、それぞれ、膜厚が20μm以下であり、ビッカース硬度が押し込み荷重100mNにおいて、53〜69Hv且つ、第一のハードコート層及び第二のハードコート層のビッカース硬度の差の絶対値が13以内であることを特徴とする、ハードコートフィルム。 - JIS K5600−5−4(1999)に規定する鉛筆硬度試験(4.9N荷重)の硬度が、4H以上、且つ、請求項1記載のハードコートフィルムを10×10cmの大きさに切り取ったフィルムを透明基材フィルムを下にして平らなところに置いて、浮き上がった曲面を構成している辺の端点間の距離の平均値が、1〜85mmであることを特徴とする、請求項1に記載のハードコートフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008281098A JP5088297B2 (ja) | 2008-10-31 | 2008-10-31 | ハードコートフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008281098A JP5088297B2 (ja) | 2008-10-31 | 2008-10-31 | ハードコートフィルム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010107823A true JP2010107823A (ja) | 2010-05-13 |
JP5088297B2 JP5088297B2 (ja) | 2012-12-05 |
Family
ID=42297313
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008281098A Active JP5088297B2 (ja) | 2008-10-31 | 2008-10-31 | ハードコートフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5088297B2 (ja) |
Cited By (14)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010131771A (ja) * | 2008-12-02 | 2010-06-17 | Dainippon Printing Co Ltd | ハードコートフィルム |
JP2010234717A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学シート及び光学シートの製造方法 |
WO2012081679A1 (ja) * | 2010-12-16 | 2012-06-21 | 大日本印刷株式会社 | 表示用前面板および表示装置 |
JP2013205477A (ja) * | 2012-03-27 | 2013-10-07 | Dainippon Printing Co Ltd | 背面透過型ディスプレイ用スクリーン、およびディスプレイ装置 |
KR20160014520A (ko) * | 2014-07-29 | 2016-02-11 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 편광판, 점착제 부착 편광판 및 액정 표시 장치 |
JP2016191945A (ja) * | 2010-08-02 | 2016-11-10 | 大日本印刷株式会社 | 光学積層体、偏光板及び画像表示装置 |
JP6245332B1 (ja) * | 2016-09-30 | 2017-12-13 | 大日本印刷株式会社 | 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 |
JP2018092146A (ja) * | 2016-11-25 | 2018-06-14 | リケンテクノス株式会社 | ハードコート積層フィルム |
JP2020531926A (ja) * | 2017-09-04 | 2020-11-05 | コーロン インダストリーズ インク | 多層構造を有するハードコーティングフィルム及びこれを含むポリイミドフィルム |
US11241866B2 (en) | 2015-11-25 | 2022-02-08 | Riken Technos Corporation | Door body |
US11352473B2 (en) | 2015-03-18 | 2022-06-07 | Riken Technos Corporation | Hard coat laminated film and method for producing same |
US11407870B2 (en) | 2016-09-14 | 2022-08-09 | Riken Technos Corporation | Hard coat laminated film |
US11433651B2 (en) | 2015-03-18 | 2022-09-06 | Riken Technos Corporation | Hard coat laminated film |
US11512176B2 (en) | 2015-03-18 | 2022-11-29 | Riken Technos Corporation | Anti-glare hard coat laminated film |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002036436A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-05 | Fuji Photo Film Co Ltd | ハードコートフイルム及び機能性薄膜付きハードコートフイルム |
JP2007293324A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-11-08 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学積層体 |
JP2008107762A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-05-08 | Dainippon Printing Co Ltd | ハードコートフィルム、及びその製造方法 |
JP2008116596A (ja) * | 2006-11-02 | 2008-05-22 | Riken Technos Corp | ハードコートフィルムおよび反射防止フィルム |
JP2008165041A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Dainippon Printing Co Ltd | ハードコートフィルム、及びその製造方法 |
-
2008
- 2008-10-31 JP JP2008281098A patent/JP5088297B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002036436A (ja) * | 2000-07-19 | 2002-02-05 | Fuji Photo Film Co Ltd | ハードコートフイルム及び機能性薄膜付きハードコートフイルム |
JP2007293324A (ja) * | 2006-03-31 | 2007-11-08 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学積層体 |
JP2008107762A (ja) * | 2006-09-29 | 2008-05-08 | Dainippon Printing Co Ltd | ハードコートフィルム、及びその製造方法 |
JP2008116596A (ja) * | 2006-11-02 | 2008-05-22 | Riken Technos Corp | ハードコートフィルムおよび反射防止フィルム |
JP2008165041A (ja) * | 2006-12-28 | 2008-07-17 | Dainippon Printing Co Ltd | ハードコートフィルム、及びその製造方法 |
Cited By (24)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010131771A (ja) * | 2008-12-02 | 2010-06-17 | Dainippon Printing Co Ltd | ハードコートフィルム |
JP2010234717A (ja) * | 2009-03-31 | 2010-10-21 | Dainippon Printing Co Ltd | 光学シート及び光学シートの製造方法 |
JP2016191945A (ja) * | 2010-08-02 | 2016-11-10 | 大日本印刷株式会社 | 光学積層体、偏光板及び画像表示装置 |
WO2012081679A1 (ja) * | 2010-12-16 | 2012-06-21 | 大日本印刷株式会社 | 表示用前面板および表示装置 |
JP2013205477A (ja) * | 2012-03-27 | 2013-10-07 | Dainippon Printing Co Ltd | 背面透過型ディスプレイ用スクリーン、およびディスプレイ装置 |
TWI647476B (zh) * | 2014-07-29 | 2019-01-11 | 日商住友化學股份有限公司 | 偏光板、附有黏著劑之偏光板及液晶顯示裝置 |
JP2016033654A (ja) * | 2014-07-29 | 2016-03-10 | 住友化学株式会社 | 偏光板、粘着剤付き偏光板及び液晶表示装置 |
JP2016110159A (ja) * | 2014-07-29 | 2016-06-20 | 住友化学株式会社 | 偏光板、粘着剤付き偏光板及び液晶表示装置 |
KR20160014520A (ko) * | 2014-07-29 | 2016-02-11 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 편광판, 점착제 부착 편광판 및 액정 표시 장치 |
KR102425120B1 (ko) * | 2014-07-29 | 2022-07-26 | 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 | 편광판, 점착제 부착 편광판 및 액정 표시 장치 |
US11512176B2 (en) | 2015-03-18 | 2022-11-29 | Riken Technos Corporation | Anti-glare hard coat laminated film |
US11433651B2 (en) | 2015-03-18 | 2022-09-06 | Riken Technos Corporation | Hard coat laminated film |
US11352473B2 (en) | 2015-03-18 | 2022-06-07 | Riken Technos Corporation | Hard coat laminated film and method for producing same |
US11241866B2 (en) | 2015-11-25 | 2022-02-08 | Riken Technos Corporation | Door body |
US11407870B2 (en) | 2016-09-14 | 2022-08-09 | Riken Technos Corporation | Hard coat laminated film |
JP2018059537A (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-12 | 大日本印刷株式会社 | 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 |
WO2018062047A1 (ja) * | 2016-09-30 | 2018-04-05 | 大日本印刷株式会社 | 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 |
JP6245332B1 (ja) * | 2016-09-30 | 2017-12-13 | 大日本印刷株式会社 | 真空断熱材用外包材、真空断熱材、および真空断熱材付き物品 |
JP7064313B2 (ja) | 2016-11-25 | 2022-05-10 | リケンテクノス株式会社 | ハードコート積層フィルム |
JP2018092146A (ja) * | 2016-11-25 | 2018-06-14 | リケンテクノス株式会社 | ハードコート積層フィルム |
US11639428B2 (en) | 2016-11-25 | 2023-05-02 | Riken Technos Corporation | Hardcoat multilayer film |
JP6998464B2 (ja) | 2017-09-04 | 2022-01-18 | コーロン インダストリーズ インク | 多層構造を有するハードコーティングフィルム及びこれを含むポリイミドフィルム |
US11117355B2 (en) | 2017-09-04 | 2021-09-14 | Kolon Industries, Inc. | Hard coating film having multilayer-structure, and polyimide film comprising same |
JP2020531926A (ja) * | 2017-09-04 | 2020-11-05 | コーロン インダストリーズ インク | 多層構造を有するハードコーティングフィルム及びこれを含むポリイミドフィルム |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5088297B2 (ja) | 2012-12-05 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5088297B2 (ja) | ハードコートフィルム | |
JP5540495B2 (ja) | ハードコート層用硬化性樹脂組成物、及びハードコートフィルム | |
JP5332558B2 (ja) | ハードコートフィルム | |
JP5526582B2 (ja) | ハードコートフィルム、及びハードコートフィルムの製造方法 | |
JP5262610B2 (ja) | 光学シートの製造方法 | |
JP5262609B2 (ja) | 光学シートの製造方法 | |
JP5157819B2 (ja) | ハードコートフィルム | |
WO2014109407A1 (ja) | ハードコートフィルム、ハードコート層用硬化性樹脂組成物およびハードコートフィルムの製造方法 | |
JP5136336B2 (ja) | ハードコートフィルム及びハードコートフィルムの製造方法 | |
JP5353352B2 (ja) | 光学シートの製造方法及び光学シート | |
JP5453777B2 (ja) | ハードコートフィルム | |
US9284426B2 (en) | Hard coat film and curable resin composition for hard coat layer | |
JP2008165041A (ja) | ハードコートフィルム、及びその製造方法 | |
JP5104698B2 (ja) | ハードコートフィルム、ハードコートフィルムの製造方法、及びハードコート層用硬化性樹脂組成物 | |
JP2009086360A (ja) | 反射防止フィルム | |
JP2008107762A (ja) | ハードコートフィルム、及びその製造方法 | |
JP2010237572A (ja) | 光学シート | |
JP2015197487A (ja) | ハードコートフィルム | |
JP5206294B2 (ja) | ハードコートフィルムの製造方法及び光学機能部材の製造方法 | |
JP5532571B2 (ja) | ハードコートフィルム | |
JP5846251B2 (ja) | 光学シート | |
JP2016001320A (ja) | 光学シート | |
JP5444794B2 (ja) | ハードコートフィルム、及びハードコートフィルムの製造方法 | |
JP2013156638A (ja) | 光学シート | |
JP2013137559A (ja) | 光学シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110826 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20120803 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20120814 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20120827 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150921 Year of fee payment: 3 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5088297 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |