JP2013205477A - 背面透過型ディスプレイ用スクリーン、およびディスプレイ装置 - Google Patents

背面透過型ディスプレイ用スクリーン、およびディスプレイ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013205477A
JP2013205477A JP2012071661A JP2012071661A JP2013205477A JP 2013205477 A JP2013205477 A JP 2013205477A JP 2012071661 A JP2012071661 A JP 2012071661A JP 2012071661 A JP2012071661 A JP 2012071661A JP 2013205477 A JP2013205477 A JP 2013205477A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
light
hard coat
coat layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012071661A
Other languages
English (en)
Inventor
Ryota Kitayama
亮太 北山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2012071661A priority Critical patent/JP2013205477A/ja
Publication of JP2013205477A publication Critical patent/JP2013205477A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Overhead Projectors And Projection Screens (AREA)

Abstract

【課題】耐擦傷性に加えて日焼け止め乳液に対する耐薬品性も有する背面透過型ディスプレイ用スクリーンと、これを備えたディスプレイ装置を提供する。
【解決手段】背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、入光面側Linから入射した映像光を出光面側Loutに出射させる積層体10を備え、積層体は光拡散層1とハードコート層2と光線制御層3とを備える。ハードコート層は、光拡散層側から順に第1ハードコート層2Aと第2ハードコート層2Bとからなり、第1ハードコート層は架橋された樹脂層中に硬質粒子を含ませて硬度を高め、第2ハードコート層は硬質粒子の含有量が第1ハードコート層より少なく、架橋密度が前記第1ハードコート層よりも高く架橋された樹脂層とする。光線制御層は、光を吸収可能に層面に沿って配列された光吸収部3Aと、光吸収部間に配列された光透過部3Bとを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、背面側から投射された映像光を前面側に透過させる背面透過型ディスプレイ用スクリーンと、これを備えたディスプレイ装置に関する。
各種ディスプレイ装置の普及に伴い、様々な分野にディスプレイ装置が使用される様になってきている。例えば、テレビジョンやそのプロジェクタなどに止まらず、アミューズメント機器、自動車などの分野である。
とりわけ、アミューズメント機器や自動車分野などの分野に使用される背面透過型ディスプレイ用スクリーンでは、前面側の表示面に手や指がスクリーンに直接触れることがあり、表面の傷付きを防止し得る耐擦傷性を向上させる為に、表示面の最外層としてハードコート層を設けることがある(特許文献1)。
特開2012−32513号公報
しかしながら、アミューズメント機器や自動車などの分野では、単にハードコート層によって耐擦傷性を向上させただけでは、表面物性として不十分なことがある。それは、表面が汚れても、スクリーンとしての光学品質が損なわれない表面耐性である。とりわけこのような分野では、日焼け止め乳液などの化粧料が付着することがあり、付着した部分でハードコート層が浮いたり、染みとなったりして、光学品質を低下させることがあるからである。このため、耐擦傷性とともに、日焼け止め乳液に対する耐薬品性も有することが、望まれている。
すなわち、本発明の課題は、耐擦傷性に加えて日焼け止め乳液に対する耐薬品性も有する背面透過型ディスプレイ用スクリーンと、これを備えたディスプレイ装置を提供することである。
本発明による背面透過型ディスプレイ用スクリーン、およびディスプレイ装置は、以下の構成とした。
(1)入光面側から入射した映像光を透過して出光面側に出射させる積層体を備えた、背面透過型ディスプレイ用スクリーンであって、
前記積層体は、光拡散層と、この光拡散層の一方の面上に形成されたハードコート層と、この光拡散層の他方の面上に形成された光線制御層とを備え、
前記ハードコート層は、前記光拡散層側から順に、第1ハードコート層と、第2ハードコート層とから構成され、
前記第1ハードコート層は、架橋された樹脂層中に、この樹脂層を構成する樹脂の架橋硬化物よりも高硬度の硬質粒子を含み、
前記第2ハードコート層は、前記硬質粒子の含有量が前記第1ハードコート層中の含有量よりも少なく、架橋密度が前記第1ハードコート層よりも高く架橋された樹脂層であり、
前記光線制御層は、光を吸収可能に層面に沿って配列された光吸収部と、この光吸収部間に光を透過可能に配列された光透過部と、を有する、
背面透過型ディスプレイ用スクリーン。
(2)前記ハードコート層が出光面側となる向きで配置された前記(1)の背面透過型ディスプレイ用スクリーンと、この背面透過型ディスプレイ用スクリーンの入光面側に配置され、映像光を投影する映像光源と、を備えるディスプレイ装置。
本発明の背面透過型ディスプレイ用スクリーンおよびディスプレイ装置によれば、表面のハードコート層によって、耐擦傷性とともに耐薬品性も有する。
本発明による背面透過型ディスプレイ用スクリーンの一実施形態例を示す断面図。 本発明による背面透過型ディスプレイ用スクリーンの別の実施形態例を示す断面図。 本発明による背面透過型ディスプレイ用スクリーンの別の実施形態例を示す断面図。 本発明による背面透過型ディスプレイ用スクリーンの別の実施形態例を示す断面図。 本発明による背面透過型ディスプレイ用スクリーンの別の実施形態例を示す断面図。 本発明によるディスプレイ装置の一実施形態例を示す断面図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、図面は概念図であり、構成要素の縮尺関係、縦横比等は誇張されていることがある。
〔1〕背面透過型ディスプレイ用スクリーン
先ず、本発明による背面透過型ディスプレイ用スクリーンから説明する。
《1》第1の実施形態
図1を参照して、本発明の背面透過型ディスプレイ用スクリーンの第1の実施形態を説明する。
同図に示す背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、入光面側Linから入射した映像光を透過して出光面側Loutに出射させる積層体10を備える。本実施形態では、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、この積層体10のみから構成される。
なお、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100において、入光面側Linが背面側であり、出光面側Loutが前面側である。
前記積層体10は、光拡散層1と、この光拡散層1の一方の面上に形成されたハードコート層2と、この光拡散層1の前記一方の面に対して反対側の他方の面上に形成された光線制御層3とを備える。さらに、本実施形態においては、積層体10は、光線制御層3の面上に積層された基材層4も備える。また同図では、光拡散層1の一方の面は、光拡散層1の図面上方の面であり、光拡散層1の他方の面は、光拡散層1の図面下方の面である。
そして、この積層体10は、図面下方の基材層4側を映像光の入光面側Linとして、図面上方のハードコート層2側を、出光面側Loutとして用いられることを想定した構成となっている。
ハードコート層2は、光拡散層1側から順に、第1ハードコート層2Aと、第2ハードコート層2Bとから構成されている。第1ハードコート層2Aは、架橋された樹脂層中に、この樹脂層を構成する樹脂の架橋硬化物よりも高硬度の硬質粒子を含み、第2ハードコート層2Bは、前記硬質粒子の含有量が前記第1ハードコート層2A中の含有量よりも少なく、且つ架橋密度が前記第1ハードコート層2Aよりも高く架橋された樹脂層となっている。
前記光線制御層3は、光を吸収可能に層面に沿って配列された光吸収部3Aと、前記光吸収部間に光を透過可能に配列された光透過部3Bと、を有する。
このように、本実施形態では、ハードコート層2を、特定の2層から構成した2層構成とすることによって、耐擦傷性と共に、日焼け止め乳液に対する耐薬品性も有するという効果を奏することができる。この結果、アミューズメント用、或いは車載用などの用途に好適なものとすることができる。
以下、本実施形態における背面透過型ディスプレイ用スクリーン100を構成する各層について更に説明する。
《積層体10》
積層体10は、本発明においては、少なくとも、光拡散層1と、この光拡散層1の一方の面上に形成されたハードコート層2と、この光拡散層1の他方の面上に形成された光線制御層3とを備える。
本実施形態においては、さらに、基材層4も備え、この基材層4は光線制御層3に積層されている。
〔光拡散層1〕
光拡散層1は、入光面側Linから入射した映像光を、等方拡散して出光面側Loutから出射させて観察者に届ける層である。光拡散層1は公知の材料及び形成法によるものを用いることができる。例えば、光拡散層1は、透明樹脂からなる母材と、この母材中に分散された拡散成分とから構成される。光拡散層1は、母材と拡散成分間の屈折率差、或いは、拡散成分自体が有する反射性、によって、光を等方的に拡散する。
本発明においては、光拡散層1は、光を等方拡散する態様以外に、光を異方拡散する態様もあり得る。例えば、拡散成分の形状や母材中での分布を調整して異方拡散にする。
前記母材には、例えば、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS樹脂)などのアクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂(PC樹脂)、等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
前記拡散成分には、樹脂ビーズ、気泡が挙げられ、なかでも樹脂ビーズが好適で、特に透明度が高いものが好ましい。こうした樹脂ビーズは、例えば、アクリルビーズ、メラミンビーズ、アクリル−スチレンビーズ、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ、ポリスチレンビーズ等があり、中でもアクリルビーズが好ましい。
光拡散層1の形成は、例えば、上記母材中に上記拡散成分を分散させた樹脂組成物を、押し出し成形して形成することができる。光拡散層1は押し出し成形することによって、シートの形態としても準備することができる。
光拡散層1の厚みは、0.1〜2mm、より好ましくは0.2〜1.5mmである。厚みがこの範囲未満では、光拡散層1の光拡散能が不足することがあり、厚みがこの範囲を超えると、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100が表示する映像の解像性が低下し、ぼやけることがある。
〔ハードコート層2〕
ハードコート層2は、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100の出光面側Loutの映像表示面の表面を構成する透明な層である。ハードコート層2は、前記光拡散層1だけでは、他の物との接触による傷付きに対する耐擦傷性が不足するために設けられる層である。ハードコート層2は、図1に示す如く、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100の出光面側Loutの最外層となって、表面の傷付き、日焼け止め乳液による損傷、によって光学品質が低下するのを防止する表面耐性、すなわち耐擦傷性および耐薬品性を有する層である。
とりわけ、光拡散層1の母材に、曲面成形性などの観点から、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、ポリカーボネート系樹脂(PC樹脂)などを採用したときは、鉛筆硬度が例えばBなどと低くなりがちで、耐擦傷性が不足し易いために、ハードコート層2を設けることが効果的である。
さらに、このハードコート層2には、耐擦傷性とともに、日焼け止め乳液に対する耐薬品性を備えさせる為に、第1ハードコート層2Aと、第2ハードコート層2Bとから構成される。第1ハードコート層2Aが前記光拡散層1に近い側であり、第2ハードコート層2Bが前記光拡散層1に遠い側である。また、光拡散層1の母材に、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、ポリカーボネート系樹脂(PC樹脂)などを採用すると、これらの樹脂では、日焼け止め乳液に対する耐薬品性が不足する観点からも、ハードコート層2を設けるのが効果的である。
ハードコート層2全体としての厚みは、用途、要求仕様に応じるが、例えば、5〜30μm程度とすることができる。第1ハードコート層2A、第2ハードコート層2B、それぞれの厚みは、例えば、2〜25μm程度とすることができる。厚みが薄すぎると、耐擦傷性及び耐薬品性が不足することがあり、厚みが厚すぎると過剰性能となることがあるからである。第1ハードコート層2Aと第2ハードコート層2Bとの厚み関係は、通常、第1ハードコート層2Aを第2ハードコート層2Bの厚み以上とすることが好ましい。基本性能としての耐擦傷性が不足することがあるからである。
[耐擦傷性]
本発明において、「ハードコート」乃至はハードコート層2が有する耐擦傷性とは、光拡散層1上に形成されたハードコート層2の硬度として、JISK5600−5−4(1994年版)で規定される鉛筆硬度で「HB」以上の硬度を示すことを意味する。
上記鉛筆硬度は、耐擦傷性がより優れる点で、好ましくはH以上、より好ましくは2H以上、さらに好ましくは3H以上、である。
[耐薬品性]
日焼け止め乳液に対する耐薬品性は、日焼け止め乳液を2滴、水平にしたハードコート層2の表面に滴下したのち、オーブン中に55℃で24h放置後、オーブンから取り出して、室温(25℃)で2h自然冷却してから、日焼け止め乳液をガーゼで拭き取り、滴下した部分の外観の変化の有無を目視観察して評価する。評価は、外観に変化が認められないものは耐薬品性有りとし、ハードコート層2の染み、白化、浮き、および光拡散層1の変質のいずれかが認められるものは耐薬品性なしとする。
[第1ハードコート層2A]
第1ハードコート層2Aは、架橋された樹脂層中に、この樹脂層を構成する樹脂の架橋硬化物よりも高硬度の硬質粒子を含む層である。
(樹脂)
前記架橋された樹脂層の樹脂としては、ウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂でもよいが、より優れた耐擦傷性が得易い点で、電離放射線硬化性樹脂を主要な樹脂に用いるのが好ましい。電離放射線硬化型樹脂は紫外線や電子線などの電離放射線で硬化する樹脂であり、光硬化性樹脂とも呼ばれている。
本発明において、前記「主要」とは、樹脂固形分全量に対して50質量%を超過していることを意味する。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、各種用い得るが、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、アクリルアクリレートなどのアクリレート系プレポリマー、多官能性アクリレート系モノマー、単官能性アクリレート系モノマー、ビニル系モノマー等の重合性化合物を一種以上含む樹脂組成物を用いることができる。
上記多官能性アクリレート系モノマーは、耐擦傷性および耐薬品性を高める観点で、とりわけ耐薬品性を高める観点から、好ましい。
上記多官能アクリレート系モノマーとしては、例えば、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレートなどの2官能アクリレート系モノマー、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレートなどの3官能アクリレート系モノマー、
ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートなどの4官能アクリレート系モノマー、
ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(DPPA)などの5官能アクリレート系モノマー、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(DPHA)などの6官能アクリレート系モノマー、などを挙げることができる。
また、以上の多官能アクリレート系モノマーは、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)等による変性モノマーなども挙げることができる。
2官能以上も含めて多官能のアクリレート系プレポリマーとしては、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレート、エポキシアクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書では、(メタ)アクリレートとはアクリレート又はメタクリレートを意味し、単に「アクリレート系」と言うときはメタクリレート系も含む。
上記樹脂組成物は、上記のような重合性化合物の他に、更に紫外線で硬化させる場合は光重合開始剤を含む。また、この樹脂組成物は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂などの熱可塑性樹脂、ウレタン系樹脂などの熱硬化性樹脂、その他、レベリング剤、消泡剤、安定剤などの各種公知の添加剤を含むことができる。
(硬質粒子)
前記硬質粒子は、樹脂のみからなる架橋された樹脂層に対して、さらに硬度を高める為に含ませる粒子である。このため、硬質粒子としては、樹脂層を構成する樹脂の架橋硬化物よりも高硬度の粒子を用いる。
このような硬質粒子としては、好適には無機粒子を用いることができる。無機の硬質粒子としては、モース硬度が6以上の粒子を用いることができる。モース硬度が6以上の無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの粒子を用いることができる。
硬質粒子の粒子径は、平均粒子径で、好ましくは1〜400nmであり、より好ましくは2〜200nm、さらに好ましくは3〜100nmである。粒子径が、上記範囲未満であると、層中での分散が不十分となることがあり、上記範囲を超えると、ヘイズが高くなり、層の透明性が低下することがあるからである。
硬質粒子の配合量は、層の固形分全量に対して、好ましくは10〜90質量%であり、より好ましくは、20〜80質量%、さらに好ましくは、20〜60質量%である。含有量が上記範囲未満であると、耐擦傷性が不十分となることがあり、上記範囲を超えると、ヘイズが高くなり透明性が低下したり、樹脂分量が少なくなり硬質粒子を層中に充分に固定できず硬質粒子の含有量の割には耐擦傷性の向上効果が得られなくなったりすることがあるからである。
[第2ハードコート層2B]
第2ハードコート層2Bは、前記硬質粒子の含有量が前記第1ハードコート層2A中の含有量よりも少なく、且つ架橋密度が前記第1ハードコート層2Aよりも高く架橋された樹脂層である。
(樹脂)
第2ハードコート層2Bに用いる樹脂としては、前記第1ハードコート層2Aの樹脂と同様のものを用いることができる。ただし、第2ハードコート層2Bは、日焼け止め乳液に対する耐薬品性の点で、架橋密度を高くした方が好ましい。その理由は、架橋密度を高くすることによって、架橋された分子の網目が小さくなる結果、層中に日焼け止め乳液の薬品成分が浸透し、下層まで浸透していくのを抑制する効果を高めることが出来、その結果、耐薬品性が向上するからではと推測される。
一方、第1ハードコート層2Aは、第2ハードコート層2Bの下側となり、他の物に直接に接触する最外層ではない為に、前記耐薬品性の点では、この第2ハードコート層2Bに比べれば、架橋密度は低くてもかまわない。また、硬質粒子によって硬度を高めてあるので、その分、樹脂の架橋密度は低くてもよい。
よつて、第2ハードコート層2Bは、第1ハードコート層2Aに比べて架橋密度が高い架橋構造を有する樹脂層とする。
第2ハードコート層2Bの樹脂層を、第1ハードコート層2Aの樹脂層よりも架橋密度を高くするには、第2ハードコート層2Bの形成に用いる重合性化合物として、a)多官能の重合性化合物を、第1ハードコート層2Aよりも多く用いる、b)多官能の重合性化合物として官能基数の多いものを用いる、c)或いは前記a)およびb)の両方を採用すること実現できる。
例えば、第2ハードコート層2Bに用いる多官能の重合性化合物としては、3官能以上、より好ましくは4官能以上の重合性化合物を主要な化合物として用いるのが好ましい。官能数を大きくする程、架橋密度を高めることができるからである。
(硬質粒子)
硬質粒子を必須成分として含む前記第1ハードコート層2Aによって、光拡散層1では不足する硬度を向上させることができ、さらに、この第2ハードコート層2Bによって、日焼け止め乳液に対する耐薬品性を向上させることができる。
この耐薬品性を向上させる観点からは、第2ハードコート層2B中における硬質粒子の含有量は、耐擦傷性は下の層の第1ハードコート層2Aが主体的に担うので、第1ハードコート層2Aよりも少なくてよく、第2ハードコート層2Bは硬質粒子を含まない構成でもよい。
第2ハードコート層2Bにも、硬質粒子は多く含有させた方が、硬度を高める点では有利であるが、鉛筆硬度は最外層の物性もさることながら、下地の影響を大きく受ける。そこで、第2ハードコート層2Bについては、最外層として最初に日焼け止め乳液の薬品成分の接触を受けとめる点で耐薬品性が最重要の層であり、また、第1ハードコート層2Aを、第2ハードコート層2Bよりも硬質粒子を多く含有させた高硬度な層として耐擦傷性を重点的に受け持たせてあるので、第2ハードコート層2Bには耐薬品性に重点をおいて、架橋密度が第1ハードコート層2Aよりも高い層とする。
なお、架橋密度とは、単位体積中の架橋点の数、或いは、架橋された樹脂の繰返し単位当たりの架橋点の数である。架橋密度は、動的粘弾性測定法、パルスNMR(核磁気共鳴)測定法などによって測定することができる。
[ハードコート層2の形成法]
ハードコート層2を構成する第1ハードコート層2Aおよび第2ハードコート層2Bの形成法は、特に限定されない。光拡散層1の面上に、スプレー塗装、ロールコートなどの塗工法、或いは、予め転写箔として準備しておき、この転写箔からの転写により形成する転写法、などによって形成することもできる。
第1ハードコート層2Aの硬化は、第2ハードコート層2Bを塗工するときは、半硬化にとどめておき、第2ハードコート層2Bを塗工後、第2ハードコート層2Bと共に更に残りの硬化を進めるのが好ましい。第1ハードコート層2Aと第2ハードコート層2Bとの密着性が向上するからである。
前記半硬化とは、硬化が半分の50%進んだ状態を限定的に意味するものではなく、層の表面がタックフリー(指触乾燥状態)となる硬化進行度合い以上で、且つ硬化する余地が残っている状態を意味する。
[構成例]
ここで、第1ハードコート層2Aおよび第2ハードコート層2Bの構成例を示せば、母材にポリカーボネート系樹脂を用いた光拡散層1とするシートの片面に、第1ハードコート層2Aは厚み12μmとし、樹脂には電離放射線硬化性樹脂としてウレタンアクリレート系プレポリマーとトリメチロールプロパンジアクリレートとを質量比で50:50で用い、平均粒子径30nmのシリカを樹脂全固形分に対して32質量%含有させ、第2ハードコート層2Bは厚み6μmとし、上記シリカは含有させずに、樹脂には電離放射線硬化性樹脂として、トリメチロールプロパントリアクリレートとペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートとウレタンアクリレート系プレポリマーとを質量比で70:20:10で用いる。
これらの第1ハードコート層2Aおよび第2ハードコート層2Bは、共にスプレー塗装で塗工し、紫外線照射により硬化させる。この際、第1ハードコート層2Aは半硬化させてから第2ハードコート層2Bを塗装する。
このような構成にすることによって、耐擦傷性と共に日焼け止め乳液に対する耐薬品性も有するものとすることができる。
一方、ハードコート層2を、2液硬化型ウレタン系樹脂に同じくシリカを添加した樹脂組成物をスプレー塗装して、厚み15μmの1層のみの単層構成とした場合には、耐擦傷性は一応得られるが、日焼け止め乳液に対する耐薬品性は得れない。
〔光線制御層3〕
光線制御層3は、入光面側Linから入射した映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。光線制御層3によって、映像のコントラストを向上させることができる。光線制御層3は、光学制御の必要性に応じて設けられる。光線制御層3は、は公知の材料及び形成法によるものを用いることができる。
光線制御層3は、光を吸収可能に層面に沿って配列された多数の光吸収部3Aと、前記光吸収部3A同士の間に光を透過可能に配列された光透過部3Bと、を有する。図1の断面図では、光吸収部3Aは紙面に垂直な方向に延在し、紙面左右方向に一定の周期で配列されている。本実施形態での光吸収部3Aの断面形状は、同図のように二等辺三角形形状であり、その底面側を出光面側Loutに向けて形成される。また、本実施形態では、同図のように、光吸収部3A同士の間のそれぞれの光透過部3Bは、二等辺三角形形状の光吸収部3Aの頂点側で相互に連結して形成される。
本発明において、光吸収部3Aの断面形状及び、光透過部3Bの断面形状は、これ以外にも、例えば、光線制御仕様に応じて、台形形状など各種形状をとり得る。
また、光吸収部3Aの屈折率Naと、光透過部3Bの屈折率Nbとの関係は、要求される光学制御仕様に応じて決定される。通常、屈折率Naと光透過部3Bの屈折率Nbとの屈折率差は、0より大きく0.06以下である。
(光吸収部3A)
光吸収部3Aは、光吸収粒子と、光吸収粒子を分散させたバインダーから構成されている。光吸収粒子が迷光や外光を吸収するように作用する。光吸収部3Aは、光吸収粒子をバインダー中に分散させた光吸収部形成組成物によって形成することができる。
光吸収粒子としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。
こうした光吸収粒子としては、具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を挙げることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましい。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましい。光吸収性およびバインダーとの密着性に優れているからである。
こうした着色粒子は、通常、上記の光吸収部形成組成物中に3〜30質量%含有させる。着色粒子の平均粒子径は通常1〜20μmである。
なお、本発明においては、光吸収部3Aは、光吸収作用を付与する為に、光吸収粒子の他、染料により光吸収部全体を光吸収性にしても良い。
バインダーとしては、紫外線などの光によって硬化される樹脂が好ましく、例えば、アクリレート系などの電離放射線硬化性樹脂を用いることができる。電離放射線硬化性樹脂としては、前記ハードコート層2で列記したような重合性化合物を含む樹脂組成物を用いることができる。例えば、樹脂組成物としては、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、アクリルアクリレートなどのアクリレート系プレポリマー、多官能性アクリレート系モノマー、単官能性アクリレート系モノマー、ビニル系モノマー等の重合性化合物の一種以上からなる樹脂組成物を用いることができる。
(光透過部3B)
光透過部3Bは、前記した光吸収部3Aを構成する光吸収部形成組成物から、光吸収粒子を除いた成分のバインダーから構成することができる。用いるバインダーは光吸収部3Aと同じでもよい。
(光吸収部3A及び光透過部3Bの形成方法)
光吸収部3A及び光透過部3Bの形成方法は特に限定されるものではなく、例えば、公知の形成方法を適宜採用することができる。例えば、光吸収部3Aは、いわゆるワイピング法によって、着色粒子を含有する光吸収部形成組成物を光透過部3Bの表面に形成された溝に充填しつつ、ドクターブレードを用いて余剰分の光吸収部形成組成物を掻き取って形成することができる。
光透過部3Bの溝は、電離放射線硬化性樹脂と成形型を用いたフォトポリマー法(2P法とも言う)によって形成することができる。この時、成形型として円筒形状の型を用い、電離放射線硬化性樹脂を、型と後述する基材層4とで挟んだ状態で電離放射線硬化性樹脂を硬化させることによって、基材層4上に連続的に光透過部3Bを形成することができる。
〔基材層4〕
基材層4は、各種の層を形成するときに基材として利用された層である。本実施形態では、基材層4は、上記光線制御層3に対して使われている。
こうした基材層4は、例えば、ポリカーボネート系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィン系樹脂等の透明樹脂を用いることができる。なかでも、ポリカーボネート系樹脂は、入手の容易性、コスト、成形性、耐熱性、密着性等の点で好ましい樹脂の一種である。
本発明において、ポリカーボネート系樹脂は、ポリカーボネートを主ポリマーとする樹脂であり、劣化防止剤、可塑剤、軟化剤等の充填剤を含み得る他、アクリル系樹脂等との複合体でも良い。
基材層4と隣接する層との密着性を強化する目的で、基材層4の表面は、プライマー層の形成、コロナ放電処理などの公知の密着強化処理を施したものとしてもよい。
基材層4の厚みは、対象とする層に応じて設定され、例えば、25μm〜5mmである。
《製造方法》
本実施形態も含めて、本発明においては、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100を製造する方法は、特に限定されず、例えば、公知の方法を適宜採用することができる。
図1に示す構成の背面透過型ディスプレイ用スクリーン100の場合では、積層体10のみから構成される形態であるが、この積層体10は、例えば、基材層4上に光線制御層3を2P法によって形成し、これに予め製膜済みの光拡散層1を積層した後、この光拡散層1上に第1ハードコート層2Aおよび第2ハードコート層2Bを順次塗工形成することで、製造することができる。
《2》第2の実施形態
図2に示す実施形態の背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、前述した図1の構成に対して、さらに、積層体10が補強層5および接合層6を備える構成である。
補強層5および接合層6以外の部分の構成は、上述した第1の実施形態と同じであるので、さらなる説明は省略し、ここでは、新たに追加された補強層5および接合層6について説明する。
〔補強層5〕
補強層5は、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100としての機械的強度が不足して、所定の曲面形状を維持できず映像に歪みが生じる場合、或いは、製造工程中に積層体10が不本意に変形し取り扱いや品質に支障を来たす場合などにおいて、剛性を増してこれらを解消する為に設ける層である。補強層5は、こうした剛性が得られる様に、材料及び厚みを設定する。
補強層5の材料としては、透明な樹脂、例えば、ポリカーボネート系樹脂(PC樹脂)、或いは、メチルメタクリレート−ブタジエン−スチレン共重合体(MBS樹脂)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS樹脂)等のアクリル系樹脂を用いることができ、なかでも、耐熱性等の観点からは、ポリカーボネート系樹脂は好ましい樹脂の一種である。
補強層5の厚みは、例えば、3〜5mmとすることができる。厚みが厚過ぎると、映像光の透過率が低下したり、ゴースト(二重像)が発生したりして、光学性能が低下することがある。
〔接合層6〕
接合層6は、その両側の層を接合するための層である。接合層6は接合の必要性に応じて設けられる。
本実施形態では、接合層6は、光拡散層1と光線制御層3との接合、基材層4と補強層5との接合に、使われている。
接合層6は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、電離放射線硬化性樹脂等の硬化性樹脂を用いることができる。
接合層6は、粘着剤層、接着剤層等として用いられ得る。
〔製造方法〕
このような構成の背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、例えば、次のようにして製造することができる。光線制御層3を基材層4上に2P法によって形成してなる光線制御シートと、光拡散層1を基材として、この光拡散層1上に、第1ハードコート層2A及び第2ハードコート層2Bからなるハードコート層2を塗工形成してなる光拡散シートと、補強層5とする補強シートとを、それぞれ予め作製する。次に、前記光線制御シート、光拡散シートおよび補強シートを、それぞれ間に接合層6を介して熱接着することで、製造することができる。
〔効果〕
本実施形態によれば、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100に、耐擦傷性と共に耐薬品性も付与することができる上、補強層5によって機械的強度が補強され、接合層6によって、積層体10を、予めシートなどの複数の中間工程部材としたものを、接合層6で積層して製造できるという効果を奏する。
《3》第3の実施形態
図3に示す実施形態の背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、前述した図2の構成に対して、さらに、フレネルレンズシート20を、積層体10の一部として備える構成である。フレネルレンズシート20は、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100の入光面側Linの層を構成するように積層されている。
本実施形態では、接合層6は、さらに、フレネルレンズシート20と補強層5との接合に、使われている。
フレネルレンズシート20以外の部分の構成は、上述した第2の実施形態と同じであるので、さらなる説明は省略し、ここでは、新たに追加されたフレネルレンズシート20について説明する。
〔フレネルレンズシート20〕
フレネルレンズシート20は、フレネルレンズ層21を基材層4上に形成したシートである。
[基材層4]
基材層4は、フレネルレンズ層21を形成するための基材となる層である。基材層4については、既に述べたので説明は省略する。
ただ、本発明においては、フレネルレンズ層21に対して基材層4は必須ではない。フレネルレンズ層21に隣接する基材層4が省略され、フレネルレンズ層21のみからなるフレネルレンズシート20であってもよい。例えば、図示はしないが、積層体10は、フレネルレンズ層21が補強層5に直接、隣接して積層された構成である。こうした構成は、例えば、補強層5を、フレネルレンズ層21形成時の基材の代わりに用いることによって形成される。
[フレネルレンズ層21]
フレネルレンズ層21は、複数の単位レンズを備えることによってフレネルレンズを構成する層である。フレネルレンズ層21は、映像光源から発散光束として入光面側Linから入射した映像光を、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100の観察者側である出光面側Loutに向けて進む平行光束に変換する。映像光をスクリーン面に略垂直な
光束に変換することにより、映像の明るさのムラが抑制される。
フレネルレンズ層21は、単位レンズが同心円状又は円弧状に配列するサーキュラーフレネルレンズでもよいし、直線状に伸びる単位レンズが平行に配列するリニアフレネルレンズでもよい。
フレネルレンズ層21は公知の材料及び形成法によるものを用いることができる。
フレネルレンズ層21は、透明樹脂から構成される。透明樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、アクリル−スチレン共重合体樹脂等を用いることができる。
フレネルレンズ層21の形成方法は特に限定されない。例えば、上述した光透過部3Bと同様にして基材層4上に単位レンズをフォトポリマー法(2P法)によって形成することによって、フレネルレンズ層21を形成することができる。例えば、アクリレート系の電離放射線硬化性樹脂を用いてフォトポリマー法で形成すれば、アクリル系樹脂からなるフレネルレンズ層21が形成される。
〔製造方法〕
本実施形態における、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100も、前述した第2の実施形態と同様にして、積層体10の製造時に、フレネルレンズシート20を接合層6で接合することで、製造することができる。
〔効果〕
本実施形態によれば、第2の実施形態に対して、さらにフレネルレンズシート20を備えているので、第2の実施形態で得られる効果に加えて、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100に対して映像光を投影する映像光源の位置の自由度を高められる、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100とすることができる。
《4》第4の実施形態
図4に示す実施形態の背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、前述した図3の構成において、フレネルレンズシート20は積層体10とは別体とし、なお且つ、フレネルレンズシート20の向きを逆にした構成である。このため、本実施形態では、フレネルレンズシート20は、接合層6で積層体10の一部として積層しない。
ただ、本実施形態では、フレネルレンズシート20の向きがフレネルレンズ層21が積層体10と接する向きであるため、フレネルレンズ層21が積層体10と擦れて、積層体10に傷を付ける虞があるため、積層体10のフレネルレンズ層21に接触する面にはシリコーンオイルなどのスリップ剤を塗布しておくことが好ましい。
また、フレネルレンズ層21と積層体10との間の隙間が大きくなると、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100において、ゴースト(二重像)が発生する虞があるため、積層体10とフレネルレンズ層21とは接触させておくことが好ましい。
こうした積層体10とフレネルレンズシート20との積層法は特に限定されないが、例えば、フレネルレンズシート20と積層体10とを重ね、それらの周辺部を金属製のクリップによって挟んで固定する方法が挙げられる。
なお、本発明においては、フレネルレンズシート20が積層体10と別体の形態において、フレネルレンズシート20の向きは、本実施形態とは逆向きであってもよい。
〔効果〕
フレネルレンズシート20を積層体10とは別体とすることによって、積層体10とフレネルレンズシート20とを、別々に用意することが可能となる。例えば、フレネルレンズシート20は光源の位置に応じた仕様のもの用意し、積層体10はハードコート層2の要求仕様に応じたものを用意することができる。そして、これらを仕様に応じて組み合わせることができる。
また、後述する背面透過型ディスプレイ用スクリーン100を三次元曲面をなすスクリーンとする形態においては、積層体10とフレネルレンズシート20とを、別々に曲面成形することが可能となる。フレネルレンズシート20の曲面成形においては、フレネルレンズ層21は成形型の型面に接触させない様な向きで成形するのが好ましいため、成形の自由度を高めることができる。
《5》第5の実施形態
図5に示す実施形態の背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、今まで説明してきた各種形態の背面透過型ディスプレイ用スクリーン100の全体的形状が、三次元曲面をなすように湾曲した曲面形状をしている、背面透過型ディスプレイ用曲面スクリーンとなった形態である。
三次元曲面とは、互いに傾斜した複数の軸をそれぞれ中心として、部分的または全体的に曲がっている面を意味する。一方、二次元曲面とは、単一の軸を中心に二次元的に曲がっている面を意味する。
三次元曲面とは、球体の球面の一部の面としての球面に限らず、楕円球、断面が放物線を成す曲面など、任意である。三次元曲面の曲面形状は、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100を適用する用途に応じたものとなる。三次元曲面の曲率半径は200cm以下、例えば25〜150cmでもよい。
本実施形態においては、図5に示すように、出光面側Loutが凸曲面となる形態であるが、本発明においては、出光面側Loutが凹曲面となる形態でもよい。出光面側Loutを、凸曲面とするか凹曲面とするかは、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100が組み込まれる機器による。
〔製造方法〕
三次元曲面形状の積層体10乃至は背面透過型ディスプレイ用スクリーン100を製造するには、ハードコート層2を除く部分を積層済みの中間積層体を、公知の曲面成形法で成形した後、ハードコート層2をスプレー塗装などの方法で形成することで製造することができる。
或いは、ハードコート層2は、半硬化など完全硬化させずに成形適性が残っている状態に留めて形成した中間積層体を得た後に、この中間積層体を、公知の曲面成形法で成形した後、ハードコート層2の残りの硬化を進めることでも、製造することができる。
前記曲面成形としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形などの空気圧を利用する成形法、或いは、表裏両面が接触しても良い形態の場合には、機械的圧力を利用して、中間積層体の両側面に型面を接触させて加圧するプレス成形を利用することもできる。
フレネルレンズシート20を曲面成形するときは、そのフレネルレンズ層21が型面に接触しない方法が、フレネルレンズ層21の形状が損なわれ難い点で好ましい。このため、フレネルレンズシート20、或いはこれを備えた積層体10に対する曲面成形法としては、成形時の接触面が片面のみで済む点で、前記空気圧を利用する成形法が好ましい。
〔効果〕
三次元曲面形状の背面透過型ディスプレイ用スクリーン100とすることによって、例えば、アミューズメント機器や自動車分野などの用途において、意匠性を高めることができる。とりわけ、こうした分野では、単に映像を写す機能以外に、全体と調和した意匠性が極めて重要視されるために三次元曲面形状が要求されることがあり、三次元曲面形状のスクリーンの意義は大きい。
《変形形態》
本発明においては、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、上述した形態以外に、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、様々な形態をとり得る。以下、その一部を説明する。
〔その他の構成層〕
本発明においては、積層体10は上記した層以外に、適宜、従来公知の背面透過型スクリーンにおける、その他の層を含むことができる。例えば、反射防止層、帯電防止層、着色層などである。
〔タッチパネル機能〕
本発明においては、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、タッチパネル機能を内蔵、或いは組み合わせた形態でもよい。タッチパネル機能は、光学方式、抵抗膜方式、静電容量方式など、公知の各種方式を適宜採用することができる。タッチパネル機能が備えられた形態では、必然的に、ハードコート層2の表面に手や指が触れるので、耐擦傷性、および日焼け止め乳液に対する耐薬品性の意義が大きい。
〔2〕ディスプレイ装置
次に、本発明によるディスプレイ装置を説明する。図6は、本発明によるディスプレイ装置200の一実施形態を示す。
本発明によるディスプレイ装置は、上述した本発明による背面透過型ディスプレイ用スクリーン100と、映像光源7とを、少なくとも備える。背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、ハードコート層2側が出光面側Loutとなり、このハードコート層2に対して光拡散層1側が、映像光源7からの映像光の入光面側Linとなるように配置される。映像光源7は、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100の入光面側Linに映像光を投影する位置に配置される。
同図に示すディスプレイ装置200は、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100と、これに映像光を投影する映像光源7と、さらに、背面透過型ディスプレイ用スクリーン100を開口部で支持し、映像光源7を内部に設置した筐体8とを備える。背面透過型ディスプレイ用スクリーン100は、映像光源7からの映像光を、入光面側Linで入光して、出光面側Loutから出光する。背面透過型ディスプレイ用スクリーン100の出光面側Loutの最外面は、ハードコート層2となっている。
本実施形態では、このような構成とすることによって、ディスプレイ装置200の映像表示面を構成する背面透過型ディスプレイ用スクリーン100が、そのハードコート層2に耐擦傷性と共に日焼け止め乳液に対する耐薬品性も有するので、映像表示面が耐擦傷性および日焼け止め乳液に対する耐薬品性を有する装置となる。
1 光拡散層
2 ハードコート層
2A 第1ハードコート層
2B 第2ハードコート層
3 光線制御層
3A 光吸収部
3B 光透過部
4 基材層
5 補強層
6 接合層(粘着剤層、接着剤層など)
7 映像光源
10 積層体
20 フレネルレンズシート
21 フレネルレンズ層
100 背面透過型ディスプレイ用スクリーン
200 ディスプレイ装置
Lin 入光面側
Lout 出光面側

Claims (2)

  1. 入光面側から入射した映像光を透過して出光面側に出射させる積層体を備えた、背面透過型ディスプレイ用スクリーンであって、
    前記積層体は、光拡散層と、この光拡散層の一方の面上に形成されたハードコート層と、この光拡散層の他方の面上に形成された光線制御層とを備え、
    前記ハードコート層は、前記光拡散層側から順に、第1ハードコート層と、第2ハードコート層とから構成され、
    前記第1ハードコート層は、架橋された樹脂層中に、この樹脂層を構成する樹脂の架橋硬化物よりも高硬度の硬質粒子を含み、
    前記第2ハードコート層は、前記硬質粒子の含有量が前記第1ハードコート層中の含有量よりも少なく、架橋密度が前記第1ハードコート層よりも高く架橋された樹脂層であり、
    前記光線制御層は、光を吸収可能に層面に沿って配列された光吸収部と、この光吸収部間に光を透過可能に配列された光透過部と、を有する、
    背面透過型ディスプレイ用スクリーン。
  2. 前記ハードコート層が出光面側となる向きで配置された請求項1に記載の背面透過型ディスプレイ用スクリーンと、この背面透過型ディスプレイ用スクリーンの入光面側に配置され、映像光を投影する映像光源と、を備えるディスプレイ装置。
JP2012071661A 2012-03-27 2012-03-27 背面透過型ディスプレイ用スクリーン、およびディスプレイ装置 Pending JP2013205477A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012071661A JP2013205477A (ja) 2012-03-27 2012-03-27 背面透過型ディスプレイ用スクリーン、およびディスプレイ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012071661A JP2013205477A (ja) 2012-03-27 2012-03-27 背面透過型ディスプレイ用スクリーン、およびディスプレイ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013205477A true JP2013205477A (ja) 2013-10-07

Family

ID=49524656

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012071661A Pending JP2013205477A (ja) 2012-03-27 2012-03-27 背面透過型ディスプレイ用スクリーン、およびディスプレイ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013205477A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11639428B2 (en) 2016-11-25 2023-05-02 Riken Technos Corporation Hardcoat multilayer film

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000052472A (ja) * 1998-08-04 2000-02-22 Toppan Printing Co Ltd ハードコートフィルムもしくはシート、及び機能性無機薄膜付きハードコートフィルムもしくはシート
JP2010107823A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Dainippon Printing Co Ltd ハードコートフィルム
JP2011209705A (ja) * 2010-03-08 2011-10-20 Dainippon Printing Co Ltd タッチパネル機能を有する小型表示装置のディスプレイとして使用されるスクリーンおよびこれを備えたタッチパネル機能を有する小型表示装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000052472A (ja) * 1998-08-04 2000-02-22 Toppan Printing Co Ltd ハードコートフィルムもしくはシート、及び機能性無機薄膜付きハードコートフィルムもしくはシート
JP2010107823A (ja) * 2008-10-31 2010-05-13 Dainippon Printing Co Ltd ハードコートフィルム
JP2011209705A (ja) * 2010-03-08 2011-10-20 Dainippon Printing Co Ltd タッチパネル機能を有する小型表示装置のディスプレイとして使用されるスクリーンおよびこれを備えたタッチパネル機能を有する小型表示装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11639428B2 (en) 2016-11-25 2023-05-02 Riken Technos Corporation Hardcoat multilayer film

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2010110369A1 (ja) インタラクティブボード用透過型スクリーン
WO2006132048A1 (ja) 光拡散板とその製造方法
JP2014182335A (ja) 粘着層付き車載用曲面スクリーン部材、車載用曲面スクリーン及び車載用表示装置
JP2014063064A (ja) 車載用表示装置、及び車載用透過型曲面スクリーン
WO2005088356A1 (ja) 透過型スクリーン用光拡散部材
JP5625961B2 (ja) 透過型曲面スクリーンの製造方法、及び表示装置の製造方法
JP2007225972A (ja) 光拡散フィルム、光学部材、背面投射型スクリーン及び背面投射型ディスプレイ装置
JP2013195914A (ja) 反射スクリーン、映像表示装置
JP6476812B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP2013020210A (ja) 透過型スクリーン、これを備えた背面投射型表示装置、および透過型スクリーンの製造方法
JP2013205477A (ja) 背面透過型ディスプレイ用スクリーン、およびディスプレイ装置
JP2016045229A (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP6221319B2 (ja) 透過型曲面スクリーンの製造方法
JP5817380B2 (ja) 背面透過型ディスプレイ用曲面スクリーンの製造方法
JP2016114617A (ja) 光学フィルム、映像源ユニット及び映像表示装置
JP5910177B2 (ja) 透過型スクリーンの製造方法
JP2004271666A (ja) 防眩フィルム
JP2014199338A (ja) 透過型スクリーン、リアプロジェクション表示装置、及び自動車
JP2007334186A (ja) 透過型スクリーンおよびそれを用いた背面投射型ディスプレイ
JP6507563B2 (ja) 反射スクリーン、映像表示システム
JP6398517B2 (ja) 反射型スクリーン、映像表示システム
JP5803487B2 (ja) 背面透過型ディスプレイ用曲面スクリーンの製造方法
JP2013160951A (ja) 光制御シート、これを備えた透過型スクリーン、および背面投射型表示装置
JP5817398B2 (ja) 透過型スクリーン、これを備えた背面投射型表示装置、および透過型スクリーンの製造方法
JP2014182168A (ja) 透過型スクリーン、リアプロジェクション表示装置

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20130809

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151215

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160412