JP2010096589A - 信号処理装置、レーダ装置、及び信号処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の目標物体のピーク周波数が近似することによる方位角の検出精度低下を防ぐ。
【解決手段】周波数変調を施した送信信号の反射信号をアンテナ群により受信信号として受信し、前記アンテナごとに前記送信信号と受信信号の周波数差に対応する周波数を有するビート信号を生成するレーダ送受信機の信号処理装置は、前記アンテナの対ごとに共通の周波数における前記ビート信号の位相差に基づいて目標物体の方位角候補を検出し、前記方位角候補群のうち、過去に検出された検出方位角の変化量から予測される予測方位角と所定誤差範囲内で一致する方位角候補を抽出し、前記予測方位角と前記抽出された方位角候補とに基づいて当該目標物体の方位角を検出するので、複数の目標物体のピーク周波数が近似することにより方位角候補の検出精度が低下しても、予測方位角を用いることで検出方位角の精度低下を防ぐことができる。
【選択図】 図12

Description

本発明は、周波数変調を施した送信信号とアンテナごとの受信信号の周波数差に対応する周波数を有するビート信号を生成するレーダ送受信機の信号処理装置及び信号処理方法に関し、特に、アンテナの対におけるビート信号の位相差に基づいて目標物体の方位角を検出する技術に関する。
レーダ装置が目標物体の方位角を検出する方式として、位相モノパルス方式が知られている。位相モノパルス方式のレーダ装置は、受信用のアンテナ対で目標物体からの反射信号を受信し、受信信号の位相差に基づいて目標物体の方位角を検出する。位相モノパルス方式はアンテナを機械的に走査する方式に比べ装置の小型化が容易であり、車載用のレーダ装置に広く採用される。特許文献1には、位相モノパルス方式を採用した車載用レーダ装置の例が記載されている。
車載用の場合、レーダ装置はミリ波長の電磁波を送受信するので、受信信号を信号処理に適した中間周波数にダウンコンバートを行う必要がある。また、受信信号には通常複数の目標物体からの反射信号が含まれる。
このため、レーダ装置は、送信信号に周波数変調を施し、送信信号とアンテナごとの受信信号の周波数差に対応する周波数を有するビート信号を生成して、受信信号のダウンコンバートを行う。また、ビート信号の周波数は目標物体ごとの相対速度、相対距離を反映するので、目標物体を示すビート信号を周波数方向に分離することが可能となる。
そこで、レーダ装置は、マイクロコンピュータなどの信号処理装置によりビート信号の周波数スペクトルを検出し、極大値を形成するピーク信号とそのピーク周波数を検出する。すなわち、ピーク信号が目標物体を示すビート信号であり、ピーク周波数が目標物体の相対距離と相対速度を反映する。よって、1つのアンテナにおけるビート信号からは、目標物体の数だけピーク信号とピーク周波数が検出される。また、同じ目標物体からの反射信号を同時に受信したアンテナの対においては、同じピーク周波数のピーク信号対が検出される。
ここで、アンテナの対における同じ目標物体からの反射信号の経路長には、反射信号の到来角度とアンテナ間の距離とに応じて差が生じるので、各アンテナでは反射信号の到着時間にずれが生じる。従って、同じピーク周波数のピーク信号対では、反射信号の到着時間のずれに対応した位相差が生じる。
このことを利用し、レーダ装置は、ピーク信号対の位相を検出してその差を求め、その位相差に対応した目標物体の方位角を検出する。そして、かかる処理をピーク信号対ごとに行うことで、目標物体ごとの方位角を検出する。
特開2003−255044号公報
ところで、上記のようにして方位角を検出する際に、複数の目標物体の相対距離と相対速度がそれぞれ近似することによりピーク周波数が近似し、一時的にピーク周波数が一致する場合がある。また、目標物体の反射面が変動することで、ピーク信号のレベルが変動する場合がある。すると、複数の目標物体から得られたピーク信号が同じピーク周波数で合成されて1つのピーク信号として検出されるので、そのときに支配的なレベルを有するピーク信号に基づく方位角が検出されるが、レベルが小さいピーク信号に基づく方位角が検出されない。あるいは、同レベルの複数のピーク信号において位相合成が生じると、検出したピーク信号対の位相差から虚偽の方位角が検出される場合がある。
このように、従来の技術では、方位角の検出もれや誤検出が生じ、方位角の検出精度が低下するおそれがある。
そこで、本発明の目的は、複数の目標物体のピーク周波数が近似する場合であっても、方位角の検出精度低下を防ぐレーダ装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明の第1の側面によれば、周波数変調を施した送信信号の反射信号をアンテナ群により受信信号として受信し、前記アンテナごとに前記送信信号と受信信号の周波数差に対応する周波数を有するビート信号を生成するレーダ送受信機の信号処理装置であって、前記アンテナの対ごとに共通の周波数における前記ビート信号の位相差に基づいて目標物体の方位角候補を検出する方位角候補検出手段と、前記目標物体の過去に検出された検出方位角の変化量から予測される予測方位角と所定誤差範囲内で一致する前記方位角候補を抽出し、前記予測方位角と前記抽出された抽出方位角候補とに基づいて当該目標物体の方位角を検出する方位角検出手段とを有する信号処理装置が提供される。
上記側面によれば、前記予測方位角と前記抽出された方位角候補とに基づいて当該目標物体の方位角を検出するので、複数の目標物体のピーク周波数が近似する場合であっても、予測方位角を用いることで検出方位角の精度低下を防ぐことができる。
以下、図面にしたがって本発明の実施の形態について説明する。但し、本発明の技術的範囲はこれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された事項とその均等物まで及ぶものである。
図1は、本実施形態におけるレーダ装置の使用状況を説明する図である。ここでは、レーダ装置10は、車両1による先行車両の追従走行や衝突回避・対応動作を制御する車両制御システム(図示省略)において、車両1前方の目標物体検出手段として用いられる。
レーダ装置10は、車両1の前部フロントグリル内、あるいはバンパー内に搭載され、フロントグリルやバンパー前面に形成されるレドームを透過して車両1前方(矢印F)にミリ波長のレーダ信号(電磁波)を送信し、その反射信号を受信する。そして、レーダ装置10は、送受信信号を処理して目標物体が位置する方位角と相対距離、相対速度を検出する。目標物体には、車両1の先行車両や対向車、あるいは出会い頭に出くわす他車両などが含まれる。
図2は、本実施形態におけるレーダ装置10の構成例を示す図である。レーダ装置10は、一例としてFM−CW(Frequency Modulated-Continuous Wave)方式と位相モノパルス方式とを併用することで目標物体の相対速度、相対距離、及び方位角を検出するレーダ装置である。
レーダ装置10は、周波数変調を施した連続波(電磁波)を送信信号として送信する送信用アンテナ11と、送信信号の反射信号を受信する所定間隔離間した複数の受信用アンテナ12_1〜3を有するとともに、アンテナ12_1〜3ごとに送信信号と受信信号の周波数差に対応する周波数を有するビート信号を生成するレーダ送受信機30を有する。また、レーダ装置10は、レーダ送受信機30により生成されるビート信号を処理する信号処理装置14を有する。
レーダ送受信機30では、変調信号生成部16が、信号処理装置14の送受信制御手段14aからの指示に応答して三角波状の周波数変調信号を生成する。電圧制御発振器(VCO)18は、周波数変調信号に従って周波数変調された送信信号Stを出力する。送信信号Stは分配器20により電力分配され、その一部が送信用アンテナ11によりレーダ装置正面の基準方向、つまり車両1の前方に向け送信される。送信信号Stが反射物により反射されると、3つのアンテナ12_1〜3が反射信号Sr1〜3を受信する。なお、アンテナ12_1、12_2は間隔d1離間して設置され、アンテナ12_2、12_3は間隔d2(>d1)離間して設置される。
アンテナ12_1〜3が受信を行うとき、スイッチ26は、信号処理装置14の送信制御手段14aが生成するタイミング信号に応答して、アンテナ12_1〜3とミキサ22との信号線を開閉する。これにより、アンテナ12_1〜3で受信された受信信号Sr1〜3は時分割でミキサ22に入力される。ミキサ22は、スイッチ26から出力される受信信号Sr1〜3のそれぞれと電力分配された送信信号Stの一部とを混合して、送信信号Stと受信信号Sr1〜3それぞれとの周波数差に対応する周波数を有するビート信号Sb1〜3を生成する。ビート信号Sb〜3はA/D変換器24によりサンプリングされ、サンプリングデータは信号処理装置14に取り込まれる。
信号処理装置14は、ビート信号に対しFFT処理を実行し、周波数スペクトルを検出するDSP(Digital Signal Processor)などの演算処理装置を有する。また、信号処理装置14は、演算処理プログラムや制御プログラムが格納されたROM(Read Only Memory)と、ROMに格納されたプログラムに従って動作するCPU(Central Processing Unit)と、CPUが演算処理中に各種データを一時的に格納するRAM(Random Access Memory)とを備えるマイクロコンピュータを有する。
このような構成により、信号処理装置14は、ビート信号Sb1〜3のサンプリングデータを処理して、目標物体の相対距離、相対速度及び方位角を検出する。具体的には、FFT処理を実行する演算処理装置が周波数スペクトル検出手段14bに対応する。また、マイクロコンピュータのCPUがROMに格納されたプログラムに従って動作することにより、ビート信号Sb1〜3の周波数スペクトルからピーク周波数を検出するピーク周波数検出手段14c、ピーク周波数におけるピーク信号に基づいて目標物体の方位角候補を検出する方位角候補検出手段14d、方位角候補と予測方位角とに基づき方位角を検出する方位角検出手段14e、ピーク周波数に基づいて目標物体の相対速度、相対距離を検出する相対距離・相対速度検出手段14f、検出結果を車両1の制御装置に出力する出力手段14gを構成する。
図3は、レーダ送受信機30における送信信号St、目標物体からの反射信号を受信したときの受信信号Sr1〜3、及びビート信号Sb1〜3の周波数変化について説明する図である。図3(A)において実線で示すように、送信信号Stの周波数(縦軸)は、周波数fmの三角波に従って、周波数偏移幅ΔF(中心周波数f0)で時間(横軸)に対して直線的な上昇と下降とを反復する。以下では、送信信号Stの周波数上昇期間をアップ期間、周波数下降期間をダウン期間という。そして、送信信号Stの周波数に対し、破線で示す受信信号Sr1〜3の周波数は、目標物体との距離による遅延ΔTと、目標物体の相対速度に応じたドップラ効果による周波数偏移ΔDを受ける。
よって、受信信号Sr1〜3の周波数変移の結果、ビート信号Sb1〜3の周波数は、図3(B)に示すように、アップ期間では周波数fu、ダウン期間では周波数fdとなる。ここにおいて、周波数fu、fd、送信信号Stの周波数変調周期fm、送信信号Stの中心周波数fcと周波数変調幅ΔF、及び光速Cには次式の関係が成り立つ。
R=C・(fu+fd)/(8・ΔF・fm)
V=C・(fd−fu)/(4・fc) …式(1)
よって、相対距離・相対速度検出手段14fは、後述する手順に従って上記式(1)を解く演算処理を実行し、目標物体の相対距離、相対速度を検出する。
図4は、送信信号Stの変調周期とアンテナ12_1〜3の受信タイミングを示すタイミングチャート図である。図示するように、送信信号Stの1対のアップ期間UPとダウン期間DNとからなる変調周期を1スキャンサイクルとして、送受信制御手段14aがスイッチ26の切替を制御することにより、アンテナ対12_1、12_2(以下アンテナ対Pr1という)による受信を行う第1のスキャンサイクルSC1と、アンテナ対12_2、12_3(以下、アンテナ対Pr2という)による受信を行う第2のスキャンサイクルSC2とが交互に実行される。ここで、各スキャンサイクルでは、アンテナ対Pr1、Pr2による受信信号は時分割でミキサ22に入力される。よって、実質的に、アンテナ対Pr1、Pr2では、対をなすアンテナが同時に反射信号を受信したとして受信信号が処理される。
図5は、アンテナ対における反射信号の到来角度とピーク信号の位相差との対応関係について説明する図である。ここでは、アンテナ対Pr1が目標物体から受信する反射信号Sr1、Sr2と、この反射信号Sr1、Sr2から得られる同じピーク周波数のピーク信号Sp1、Sp2を例とする。
アンテナ対Pr1の正面方向、つまり車両1の前方を方位角0度としたとき、方位角θに位置する目標物体からの反射信号Sr1、Sr2の経路長はΔd異なるので、アンテナ12_1、12_2で受信時間にずれが生じる。よって、ビート信号Sb1、Sb2をダウンコンバートして得られるピーク信号Sp1、Sp2には、反射信号Sr1、Sr2の受信時間ずれに応じた位相差φbが生じる。ここにおいて、位相差φb、アンテナ12_1、12_2の間隔d1、及びピーク信号Sp1、Sp2の波長λ、目標物体の方位角θとの間には次式の関係が成り立つ。
θ=arcsin(λ・φb/(2π・d1))…式(2)
よって、方位角候補検出手段14dは、後述する手順に従って上記の式(2)を解く演算処理を実行し、目標物体の方位角θを検出する。なお、アンテナ対Pr2で反射信号を受信する場合には、式(2)においてアンテナ間隔をd2とすることで、同様にして方位角を検出する。
図6は、ビート信号からピーク信号を検出する方法について説明する図である。図6は、アンテナ対Pr1でのビート信号Sb1、Sb2を例として、周波数スペクトル検出手段14bがアップ期間において検出するビート信号Sb1、Sb2の周波数スペクトルfs1、fs2を示す。ここでは、2つの目標物体が存在する場合を例とする。
図示するように、周波数スペクトルfs1は2つの極大値を形成するので、ピーク周波数検出手段14cは極大値が形成されるピーク周波数fp1、fp2を検出する。そして、方位角候補検出手段14dは、ピーク周波数fp1、fp2に対応するピーク信号Sp11、Sp12を検出する。
一方、周波数スペクトルfs2でも2つの極大値を形成するので、同様にしてピーク周波数検出手段14cはピーク周波数fp1、fp2を検出し、方位角候補検出手段14dはピーク周波数fp1、fp2に対応するピーク信号Sp21、Sp22を検出する。
ここにおいて、1つの目標物体のピーク周波数はその相対速度、相対距離を反映しており、周波数スペクトルfs1、2において1つの目標物からは同じピーク周波数が検出される。すなわち、ピーク周波数fp1を有するピーク信号Sp11、Sp21は同じ第1の目標物体を示し、ピーク周波数fp2を有するピーク信号Sp12、Sp22は同じ第2の目標物体を示す。
なお、ピーク周波数検出手段14cは、周波数スペクトルfs1、fs2の平均fs_avを算出することでノイズを平準化し、平均fs_avにおける極大値に対応するピーク周波数fp1、fp2を検出してもよい。その場合でも、周波数スペクトルfs1、2においてピーク周波数fp1を有するピーク信号Sp11、Sp21は同じ第1の目標物体を示し、ピーク周波数fp2を有するピーク信号Sp12、Sp22は同じ第2の目標物体を示す。
そして、方位角候補検出手段14dは、検出したピーク信号対Sp11、Sp21の位相をそれぞれ導出し、その位相差に基づき上述の式(2)により第1の目標物体の方位角候補を検出する。また同様に、ピーク信号対Sp12、Sp22の位相をそれぞれ導出し、その位相差に基づき上述の式(2)により第2の目標物体の方位角候補を検出する。
なお、ここで説明した処理は、ダウン期間においても実行される。これにより、アップ期間とダウン期間のそれぞれで目標物体ごとの方位角候補が検出されるが、方位角候補検出手段14dは、アップ期間、ダウン期間のいずれかで検出された方位角候補を採用してもよいし、あるいは、両方の代表値(例えば平均値)を採用してもよい。
本実施形態では、方位角候補検出手段14dは、上記の処理をアンテナ対Pr1によるスキャンサイクルと、アンテナ対Pr2によるスキャンサイクルのそれぞれで実行する。そして、各アンテナ対において検出された方位角候補が所定誤差範囲内で一致する場合に(ここでは、同一の目標物体として検出し、これに基づき車両制御を行っても安全性に支障が生じない程度の方位角の誤差範囲であって任意に設定可能な誤差範囲内で一致することをいう)、方位角検出手段14eは検出された方位角候補を検出結果として確定する。そうすることで、方位角の正確性が担保される。
ここで、図7にアンテナ対ごとに検出された方位角候補の例を示す。例えば、図7(A)に示すように、アンテナ対Pr1で方位角候補θ1とθ2が検出されており、アンテナ対Pr2では、方位角候補θ1とθ2が検出されたときには、2つのアンテナ対Pr1、Pr2の検出結果が一致している。よって、2つの目標物体の方位角候補θ1と方位角候補θ2が検出方位角として確定される。しかしながら、図7(B)に示すように、例えばアンテナ対Pr1で方位角候補θ1が検出され、アンテナ対Pr2では、方位角候補θ2が検出されるような場合には、2つのアンテナ対Pr1、Pr2の検出結果が所定誤差範囲内で一致しない。
このような現象は、次のような状況で生じる。まず、複数の目標物体の相対距離と相対速度とが近似すると、それぞれの目標物体のピーク周波数が近似し、ピーク信号が周波数方向に接近する。そして、一時的に、異なる複数の目標物体から同一のピーク周波数でピーク信号が得られる場合がある。また、目標物体は高速で移動するため、目標物体の反射面が微妙に変位し、ピーク信号のレベルが変動する。すると、各アンテナごとのビート信号では、複数のピーク信号が同一のピーク周波数において合成されて1つのピーク信号として検出される。そして、そのとき支配的なレベルを有するピーク信号の対における位相差から方位角候補が検出される。さらに、アンテナ対Pr1、Pr2を切替えるときの時間差により、ピーク信号のレベルが変動し、支配的なレベルのピーク信号が入れ替わる場合がある。すると、入れ替わったピーク信号の対における位相差から別の方位角候補θ2が検出される。
このような状況におけるビート信号の周波数スペクトルの例を図8に示す。図8(A)は、アンテナ対Pr1におけるアンテナ12_1、12_2ごとのビート信号Sb1、Sb2の周波数スペクトルfs1、fs2を示す。ここでは、ピーク信号Sp11、Sp21は第1の目標物体から得られ、ピーク信号Sp12、Sp22は第2の目標物体から得られたピーク信号である。図示するように、周波数スペクトルfs_1において、異なる目標物体から得られたピーク信号Sp11とピーク信号Sp12とが同一のピーク周波数fp3を有するときに、ピーク信号Sp12のレベルが一時的に低下することにより、極大値としてはピーク信号Sp11とSP12が合成されたレベルを有するピーク信号Sp13が検出される。また、周波数スペクトルfs_2において、異なる目標物体から得られたピーク信号Sp21とピーク信号Sp22とが同一のピーク周波数fp3を有するときに、ピーク信号Sp22のレベルが一時的に低下することにより、極大値としてはピーク信号Sp21とピーク信号Sp22が合成されたレベルを有するピーク信号Sp23が検出される。ここで、ピーク信号対Sp13、Sp23においては第1の目標物体に対応するピーク信号Sp11、Sp21が支配的なレベルを有するので、ピーク信号Sp11、Sp21の位相差から第1の目標物体の方位角θ1が方位角候補として検出される。
一方、図8(B)は、アンテナ対Pr2におけるアンテナ12_2、12_3ごとのビート信号Sb2、Sb3の周波数スペクトルfs2、fs3を示す。ここでは、ピーク信号Sp21、Sp31は第1の目標物体から得られ、ピーク信号Sp22、Sp32は第2の目標物体から得られたピーク信号である。図示するように、周波数スペクトルfs_2において、異なる目標物体から得られたピーク信号Sp21とピーク信号Sp22とが同一のピーク周波数fp3を有するときに、ピーク信号Sp21のレベルが一時的に低下することにより、極大値としてはピーク信号Sp21とピーク信号Sp22が合成されたレベルを有するピーク信号Sp23が検出される。また、周波数スペクトルfs_3において、異なる目標物体から得られたピーク信号Sp31とピーク信号Sp32とが同一のピーク周波数fp3を有するときに、ピーク信号Sp31のレベルが一時的に低下することにより、極大値としてはピーク信号Sp31とピーク信号Sp32が合成されたレベルを有するピーク信号Sp33が検出される。ここで、ピーク信号対Sp23、Sp33においては第2の目標物体に対応するピーク信号Sp22、Sp32が支配的なレベルを有するので、ピーク信号対Sp22、Sp32の位相差から第2の目標物体の方位角θ2が方位角候補として検出される。
このような場合には、上述したようにアンテナ対Pr1では方位角候補θ1が検出され、アンテナ対Pr2では方位角候補θ2が検出されるため、2つのアンテナ対Pr1、Pr2の検出結果が所定誤差範囲内で一致しなくなる。すると、検出結果が所定誤差範囲内で一致する場合と比べ、方位角候補の信頼性が低下する。
本実施形態では、かかる場合であっても方位角の検出精度低下を防ぐために、方位角検出手段14eは、過去のスキャンサイクルでの検出結果から今回のスキャンサイクルでの方位角を予測する。そして、予測した予測方位角を用いることで今回のスキャンサイクルで検出された方位角候補の信頼性を判断する。そして、信頼性の程度に応じて方位角候補を用い、予測方位角と方位角候補とに基づく方位角を検出する。そうすることで、検出方位角の精度低下を防ぐことができる。
図9は、本実施形態におけるレーダ装置の方位角検出方法について説明する図である。2つの目標物体が存在する場合を例とする。
図9(A)は第1、第2の目標物体の方位角のスキャンサイクルごとの変位を示す。方位角候補検出手段14dは、第1の目標物体の前々回のスキャンサイクルでの検出方位角θt11から前回のスキャンサイクルでの検出方位角θt12への変化量に基づき、今回のスキャンサイクルでの予測方位角θt1nを予測する。同様に、第2の目標物体の前々回のスキャンサイクルでの検出方位角θt21から前回のスキャンサイクルでのθt22への変化量に基づき、今回のスキャンサイクルでの予測方位角θt2nを予測する。
図9(B)(C)は、2つのアンテナ対Pr1、Pr2における方位角候補の例を示す。まず、図9(B)に示すように、2つのアンテナ対Pr1、Pr2での方位角候補が所定誤差範囲内で一致している場合、すなわち、アンテナ対Pr1で方位角候補θ1とθ2が検出されており、アンテナ対Pr2で方位角候補θ1とθ2が検出された場合には、方位角検出手段14eは、方位角候補θ1と方位角候補θ2が予測方位角と所定の誤差範囲内で一致していること(ここでは、スキャンサイクルにおける目標物体の移動量を考慮したときに同一の目標物体である蓋然性が大きい誤差範囲内であって、任意に設定可能な誤差範囲内で一致していることをいう)を確認し、確認できたときには方位角候補を検出方位角として確定する。例えば、方位角候補θ1と予測方位角θt1nが所定の誤差範囲内で一致していれば、方位角候補θ1を第1の目標物体の検出方位角として確定する。また、方位角候補θ2と予測方位角θt2nが所定の誤差範囲内で一致していれば、方位角候補θ2を第2の目標物体の検出方位角として確定する。
次に、図9(C)に示すように、2つのアンテナ対Pr1、Prで2の方位角候補が所定の誤差範囲内で一致していない場合、すなわち、アンテナ対Pr1で方位角候補θ1が検出されており、アンテナ対Pr2で方位角候補θ2が検出された場合には、方位角検出手段14eは、方位角候補θ1、θ2と所定の誤差範囲内で一致する予測方位角を検索し、検索できた場合には方位角候補と予測方位角とに基づいて方位角を検出する。例えば、方位角候補θ1と予測方位角θt1nが所定の誤差範囲内で一致していれば、方位角候補θ1と予測方位角θt1nの平均値を第1の目標物体の方位角として検出する。また、方位角候補θ2と予測方位角θt2nが所定の誤差範囲内で一致していれば、方位角候補θ2と予測方位角θt2nの平均値を第2の目標物体の方位角として検出する。この場合、今回のスキャンサイクルで検出された方位角候補が所定の誤差範囲内で一致していないので、図9(B)の場合より検出結果の信頼性は低いと考える。また、予測方位角については、時間経過の分誤差が生じていることを考慮する。よって、予測方位角との平均値を採用することで、方位角の正確性を向上させることができる。
さらに、前回のスキャンサイクルでのピーク信号のレベルをRAMに記憶しておき、今回のピーク信号のレベルと比較してレベルの大きさに応じて重み付けをしてもよい。つまり、レベルが大きいピーク信号から得られた結果の方が信頼性が大きいと考え、重み付けを変更することで、検出方位角の精度低下を防止できる。すなわち、α×θt1n+β×θ1(α、βは重みを示す係数)を第1の目標物体の検出方位角、α×θt2n+β×θ2を第2の目標物体の検出方位角としたときに、前回のピーク信号のレベル>今回のピーク信号のレベルであれば、α>βとし、前回のピーク信号のレベル≦今回のピーク信号のレベルであれば、α≦βとする。ただし、予測方位角の重みを決定するピーク信号のレベルは、前々回のスキャンサイクルにおけるレベル、あるいは、前々回と前回の平均などでもよい。
なお、方位角θ1、θ2と所定の誤差範囲内で一致する予測方位角が検索できなかった場合には、第1の目標物体を示すピーク信号と第2の目標物体を示すピーク信号とで位相合成が生じ、虚偽の方位角が検出された場合を考慮する。そして、方位角検出手段14eは、次のようにして方位角を検出することで、虚偽の方位角が検出方位角に反映され検出方位角の精度が低下することを防止する。
図10は、第1の目標物体を示すピーク信号と第2の目標物体を示すピーク信号とで位相合成が生じたことを判断する方法について説明する図である。方位角検出手段14eは、アンテナ対Pr1におけるアンテナ12_1、12_2ごとに、第1の目標物体の相対距離R11、R12をアップ期間とダウン期間のピーク周波数を用いて導出する。このとき、図8(A)で示したピーク信号Sp13、Sp23それぞれについて、アップ期間とダウン期間のレベルが所定の誤差範囲内で一致する(ここでは、同一の目標物体として検出し、これに基づき車両制御を行っても安全性に支障が生じない程度のピーク信号レベルの誤差範囲であって任意に設定可能な誤差範囲内で一致することをいう)もの同士を対応付け(ペアリング)し、上述した式(1)により第1の目標物体の相対距離R1を検出する。
アンテナ12_2についても同様の処理により、相対距離R12を検出する。そして、アンテナ12_1、12_2ごとに、導出した相対距離R11、R12をピーク信号Sp13、Sp23がそれぞれ伝搬する伝搬時間を導出し、その伝搬時間とピーク信号波長から、ピーク信号の受信位相Φ11、Φ12を推定する。このとき、ピーク信号Sp13において支配的なレベルを有するピーク信号Sp11の受信位相Φ11と、ピーク信号Sp23において支配的なレベルを有するピーク信号Sp12の受信位相Φ12とが推定結果として導出される。
また、同じ処理を、アンテナ対Pr2におけるアンテナ12_2、12_3ごとに、第2の目標物体について行い、第2の目標物体の相対距離R22、R23を求めて、図8(B)で示したピーク信号Sp23、Sp33の受信位相をΦ22、Φ32を導出する。ここで、ピーク信号Sp23において支配的なレベルを有するピーク信号Sp22の受信位相Φ22と、ピーク信号Sp33において支配的なレベルを有するピーク信号Sp32の受信位相Φ32とが推定結果として導出される。
ここにおいて、第1の目標物体から得られるピーク信号対の受信位相Φ11、Φ12と、第2の目標物体から得られるピーク信号対の受信位相Φ22、Φ32が導出される。
次に、方位角検出手段14eは、アンテナ対Pr1、Pr2のそれぞれで実際に検出された位相差に基づく方位角候補θ1、θ2が、第1の目標物体から得られるピーク信号と第2の目標物体から得られるピーク信号の受信位相が合成されたときの位相差に基づく方位角、つまり虚偽の方位角であったかを検証する。
まず方位角検出手段14eは、アンテナ対Pr1で第2の目標物体を示すピーク信号が検出された場合の受信位相を、アンテナ対Pr2において求めたピーク信号の受信位相Φ22、Φ32として、第1の目標物体を示すピーク信号の受信位相と第2の目標物体を示すピーク信号の受信位相が合成されたときの合成位相を推定する。すなわち、アンテナ対Pr1におけるアンテナ12_1、12_2ごとに、第1の目標物体を示すピーク信号の受信位相Φ11、Φ22と、第2の目標物体を示すピーク信号の受信位相Φ22、Φ32とをそれぞれ合成し、アンテナ12_1での合成位相Φm1とアンテナ12_2での合成位相Φm2を導出する。
このとき、合成位相Φm1、Φm2は、次の式により導出される。ここでは、合成位相Φm1を導出する場合の式を一例として示すが、同じ式が合成位相Φm2を導出する場合にも適用される。
E11・sin(2π・λ/R11+Φ11)+ E22・sin(2π・λ/R11+Φ22)
= E13・sin(2π・λ/R11+Φm1)
(ただし、E11:ピーク信号Sp11のレベルの推定値、E12:ピーク信号Sp22のレベルの推定値、E13=E11+E12、λ:ピーク周波数fp3のときのピーク信号Sp11、Sp12の波長)
そして、アンテナ対Pr1での各アンテナの合成位相Φm1、Φm2の差ΔΦm1を求め、その位相差ΔΦm1に対応する方位角θλ1を上述した式(2)により導出する。ここにおいて、2つの目標物体を示す同レベルのピーク信号が合成された場合に検出される虚偽の方位角θλ1が求められる。そして、方位角候補θλ1が方位角候補θ1と一致または近似していれば(ここでは、方位角候補θ1が虚偽の方位角候補である蓋然性が大きいと判断される範囲であって任意に設定可能な範囲内で方位角候補θ1と方位角候補θλ1とが互いに近似することをいう)、方位角候補θ1は虚偽の方位角と判断できる。よって、その場合には、第1の目標物体の検出方位角α×θt1n+β×θ1において、α=1、β=0として、予測方位角θt1nを第1の目標物体の検出方位角として確定する。
方位角検出手段14eは、アンテナ対Pr2についても同様の処理を行い、方位角候補θ2が虚偽の方位角であるかを検証する。すなわち、アンテナ対Pr2におけるアンテナ12_2、12_3ごとに、第1の目標物体を示すピーク信号の受信位相Φ11、Φ12と、第2の目標物体を示すピーク信号の受信位相Φ22、Φ32とを合成し、アンテナ12_2での合成位相Φm2とアンテナ12_3での合成位相Φm3の位相差ΔΦm2を求める。そして、その位相差ΔΦm2に対応する方位角θλ2が方位角候補θ2と一致または近似する場合には、方位角候補θ2が虚偽の方位角と判断する。
そして、方位角候補θ2が虚偽の方位角と判断できたときには、第2の目標物体の検出方位角α×θt2n+β×θ2において、α=1、β=0として、予測方位角θt2nを第2の目標物体の検出方位角として確定する。
なお、方位角候補θ1、θ2がいずれも虚偽の方位角であるときには、上述のように第1の目標物体の検出方位角α×θt1n+β×θ1、第2の目標物体の検出方位角α×θt2n+β×θ2の両方においてα=1、β=0として、予測方位角θt1n、θt2nを検出方位角として採用し、方位角候補θ1、θ2のいずれか一方が虚偽の方位角であるとき、つまり、検出された方位角候補のいずれか一方は正確に検出されていると判断されるときには、α=0.5、β=0.5とすることで、方位角候補に対する重み付けを大きくしてもよい。
このように虚偽の方位角が検出される蓋然性の大きさに応じて予測方位角を採用することで、方位角検出手段14eは、複数の目標物体のピーク周波数が近似する場合であっても、方位角の検出精度低下を防ぐことができる。
次に、図11、図12を用いてレーダ装置10の動作手順について説明する。
図11は、周波数スペクトル検出手段14b、ピーク周波数検出手段14c、方位角候補検出手段14d、及び方位角検出手段14eによる処理を含む、信号処理装置14の全体的な動作手順を説明するフローチャート図である。図11に示す手順は、2つのアンテナ対Pr1、Pr2のスキャンサイクルからなる検出サイクルごとに実行される。
まず、手順S2では、1スキャンサイクルごとに、周波数スペクトル検出手段14bによる周波数スペクトルの検出、ピーク周波数検出手段14cによるピーク周波の検出、方位角候補検出手段14dによる方位角候補の検出が実行され、方位角検出手段14eが、方位角候補の信頼性を検証し、その結果に応じて予測方位角を用いて方位角を検出する。
そして、手順S4では、相対距離・相対速度検出手段14fが、各スキャンサイクルで検出された検出方位角が所定の誤差範囲内で一致するようなアップ期間のピーク周波数とダウン期間のピーク周波数をペアリングし、ペアリングしたピーク周波数を用いて、上述した式(1)により目標物体の相対速度と相対距離を検出する。
そして、手順S6では、出力手段14gが、検出結果の履歴接続を確認し、一定の検出サイクル(例えば3サイクル)で履歴接続された検出結果を車両の制御装置に出力する。
図12は、図11における方位角検出手順(S2)の詳細な手順を示すフローチャート図である。
まず、周波数スペクトル検出手段14bがFFT処理により各アンテナでのビート信号の周波数スペクトルを検出し(S40)、ピーク周波数検出手段14cがピーク周波数を検出する(S41)。そして、方位角候補検出手段14dが、ピーク周波数におけるピーク信号を用いて、方位角候補を検出する(41b)。
次に、方位角検出手段14eは、アンテナ対ごとの方位角候補が所定の誤差範囲内で一致するかを確認し、一致している場合には(S42のYES)、方位角候補を検出方位角として確定する(S44)。一致していない場合には(S42のNO)、予測方位角を導出し(S46)、予測方位角と所定の誤差範囲内で一致する方位角候補があるかを確認する(S48)。そして、そのような方位角候補がある場合には(S48のYES)これを抽出し、ピーク信号のレベルに応じた重み付けをして(S54)、予測方位角と抽出した方位角候補の加重平均を方位角として検出する(S56)。また、予測方位角と所定の誤差範囲内で一致する方位角候補がない場合には(S48のNO)、位相合成して虚偽の方位角を導出し(S50)、虚偽の方位角と一致または近似する方位角候補があるかを確認する(S52)。そして、そのような方位角候補がある場合には(S48のYES)、予測方位角に対する重みαを「1」、方位角候補に対する重みβを「0」として、予測方位角を検出方位角として確定する(S56)。一方、虚偽の方位角と一致または近似する方位角候補がない場合には(S52のNO)、処理を終了する。その場合、今回の検出サイクルでの方位角検出は失敗したとして、例えば予測方位角に基づく外挿処理を行うことが可能である。
なお、本実施形態における実施例として、方位角候補の信頼度に基づいて、検出方位角の処理方法を変更することが可能である。具体的には、方位角候補が検出方位角として確定されたとき(図12の手順S42のYES)、換言すれば検出方位角に反映されている方位角候補の重みが例えば100%のときには、出力手段14gは検出方位角を車両制御装置に出力する。しかし、方位角候補の重みが例えば50%未満のときには、出力手段14gは検出方位角を出力し、方位角候補検出手段14dは検出方位角に基づき次の方位角予測を行わない。さらに、0%のとき(図12の手順S52のNO)には、予測方位角に基づく外挿処理を行う。
このようにすることで、より信頼性が高い方位角候補に基づく検出方位角を用いて車両制御を行うことができる。
なお、上述の説明では、車両の前方監視用レーダとしてのレーダ装置10を例として示したが、レーダ装置10を車両の側部や後部に搭載し、車両の側方や後方の目標物体を検出する手段として用いることも可能である。また、2つのアンテナ対Pr1、Pr2により受信を行う場合を例として示したが、アンテナ対が増加してもよい。例えば、アンテナ対12_1、3により受信を行うスキャンサイクルを挿入することも可能である。その場合、方位角候補の一致または不一致の判断は、全てのアンテナ対での方位角候補が所定の誤差範囲内で一致するときに一致と判断してもよいし、一定数以上のアンテナ対での方位角候補が所定の誤差範囲内で一致するときに一致と判断してもよい。
以上説明したとおり、本実施形態によれば、前記予測方位角と前記抽出された抽出方位角候補とに基づいて当該目標物体の方位角を検出するので、複数の目標物体のピーク周波数が近似することにより方位角候補の検出精度が低下する場合であっても、予測方位角を用いることで検出方位角の精度低下を防ぐことができる。
本実施形態におけるレーダ装置の使用状況を説明する図である。 本実施形態におけるレーダ装置10の構成例を示す図である。 レーダ送受信機30における送信信号St、目標物体からの反射信号を受信したときの受信信号Sr1〜3、及びビート信号Sb1〜3の周波数変化について説明する図である。 送信信号Stの変調周期と、アンテナ12_1〜3の受信タイミングとの対応例を示すタイミングチャート図である。 アンテナ対における反射信号の到来角度とピーク信号の位相差との対応関係について説明する図である。 ビート信号からピーク信号を検出する方法について説明する図である。 アンテナ対ごとの方位角検出結果について説明する図である。 ピーク信号が重複する場合のビート信号の周波数スペクトルの例を示す図である。 本実施形態におけるレーダ装置の方位角検出方法について説明する図である。 第1の目標物体を示すピーク信号と第2の目標物体を示すピーク信号とで位相合成が生じたことを判断する方法について説明する図である。 信号処理装置14の全体的な動作手順を説明するフローチャート図である。 図11における方位角検出手順(S2)の詳細な手順を示すフローチャート図である。
符号の説明
10:レーダ装置、12_1〜3:アンテナ、14:信号処理装置、14d:方位角候補検出手段、14e:方位角検出手段、14f:相対距離・相対速度検出手段、30:レーダ送受信機

Claims (6)

  1. 周波数変調を施した送信信号の反射信号をアンテナ群により受信信号として受信し、前記アンテナごとに前記送信信号と受信信号の周波数差に対応する周波数を有するビート信号を生成するレーダ送受信機の信号処理装置であって、
    前記アンテナの対ごとに共通の周波数における前記ビート信号の位相差に基づいて目標物体の方位角候補を検出する方位角候補検出手段と、
    前記目標物体の過去に検出された検出方位角の変化量から予測される予測方位角と所定誤差範囲内で一致する前記方位角候補を抽出し、前記予測方位角と前記抽出された方位角候補とに基づいて当該目標物体の方位角を検出する方位角検出手段とを有することを特徴とする信号処理装置。
  2. 請求項1において、
    前記方位角検出手段は、前記予測方位角と前記抽出された方位角候補との加重平均を前記目標物体の方位角として検出することを特徴とする信号処理装置。
  3. 請求項2において、
    前記方位角検出手段は、前記検出方位角が過去に検出されたときの第1のビート信号のレベルが前記抽出された方位角候補が検出されたときの第2のビート信号のレベルを上回るときには前記加重平均における前記予測方位角に対する重みを前記抽出された方位角候補に対する重みより大きくし、前記第1のビート信号のレベルが前記第2のビート信号のレベル以下のときには前記加重平均における前記予測方位角に対する重みを前記抽出された方位角候補に対する重み以下とすることを特徴とする信号処理装置。
  4. 請求項2において、
    前記方位角検出手段は、前記アンテナごとのビート信号の周波数に基づき第1の目標物体の相対距離を導出し、前記相対距離と前記予測方位角とに基づいて、前記アンテナにおいて前記第1の目標物体から得られるビート信号対の位相と第2の目標物体から得られるビート信号対の位相との合成位相を求め、前記アンテナの対における前記合成位相の差に基づく方位角と前前記第1または第2の目標物体の方位角候補のうちいずれかとが一致または近似するときには、前記加重平均における前記予測方位角に対する重みを前記第1または第2の方位角候補に対する重みより大きくすることを特徴とする信号処理装置。
  5. 請求項1乃至4に記載のレーダ送受信機と信号処理装置とを有するレーダ装置。
  6. 周波数変調を施した送信信号の反射信号をアンテナ群により受信信号として受信するレーダ送受信機にて生成され、前記送信信号と前記アンテナごとの受信信号の周波数差に対応する周波数を有するビート信号の信号処理方法であって、
    前記アンテナの対ごとに共通の周波数における前記ビート信号の位相差に基づいて目標物体の方位角候補を検出する方位角候補検出工程と、
    前記目標物体の過去に検出された検出方位角の変化量から予測される予測方位角と所定誤差範囲内で一致する前記方位角候補を抽出し、前記予測方位角と前記抽出された方位角候補とに基づいて当該目標物体の方位角を検出する方位角検出工程とを有することを特徴とする信号処理方法。
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