JP2014153088A - レーダ装置および追尾処理装置 - Google Patents

レーダ装置および追尾処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2014153088A
JP2014153088A JP2013020668A JP2013020668A JP2014153088A JP 2014153088 A JP2014153088 A JP 2014153088A JP 2013020668 A JP2013020668 A JP 2013020668A JP 2013020668 A JP2013020668 A JP 2013020668A JP 2014153088 A JP2014153088 A JP 2014153088A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency
signal
target
doppler frequency
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013020668A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsunori Kobayashi
立範 小林
Takashi Kawaai
隆 川相
Shuichi Ooka
秀一 大岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2013020668A priority Critical patent/JP2014153088A/ja
Publication of JP2014153088A publication Critical patent/JP2014153088A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 異なる周波数の電波を送信し、反射波から目標信号を安定して追尾できるレーダ装置および追尾処理装置を得る。
【解決手段】 第1の送信周波数で電波を送信し受信した反射波の目標信号とクラッタのそれぞれのドップラ周波数を比較し、重なる場合は、レーダ装置が送信する電波の送信周波数を第1の送信周波数とは異なる第2の送信周波数に変更する周波数設定部と、周波数設定部が設定した送信周波数と平滑速度とから目標信号のドップラ周波数の予測値を算出し、相関処理部の追尾ゲートの追尾中心に設定する追尾ゲート設定部とを備える。
【選択図】 図1

Description

この発明は、水上の目標を追尾するレーダ装置および追尾処理装置に関する。
レーダ装置により水上にある目標を探知する場合、受信する反射波には、目標からの反射波に加え、水面からの反射波が含まれている。特に、水面の波浪の波長にレーダ装置の送信する電波の波長の1/2となる成分が存在すると、水面によって電波は強く反射される。この現象は、ブラッグ散乱と呼ばれる。反射波のブラッグ散乱による成分は、送信する電波の周波数および水面の波の移動速度に応じたドップラ周波数を持つ。ブラッグ散乱による水面からの電波の反射は、目標を検出し追尾を行うレーダ装置にとって不要なクラッタ(シークラッタ)となる。特に目標からの反射波のドップラ周波数が、ブラッグ散乱のドップラ周波数と重畳した場合には目標の検出が困難となり、追尾中の目標の失探などが発生する。ブラッグ散乱の影響は、波長の長い、すなわち周波数の低い電波を用いるレーダ装置、特に、短波を使用する短波レーダ等では顕著となる。
一方、短波帯の送信周波数を用いる短波レーダ装置等、波長の長い電波を使用するレーダ装置は、送信電波が表面波となって海面などの水面に沿うように伝搬する特性があり、水平線以遠の見通し外領域の目標検出が期待できる。これに比べて、マイクロ波帯の送信周波数を用いるマイクロ波レーダ装置等波長の短い電波を使用するレーダ装置は、送信電波の直進性が強く、水平線以遠に存在する船舶等の目標は地球の湾曲によって生じる陰に入って検出することが困難である。このため、水上の目標を遠距離から探知するという用途に関しては、短波等の波長の長い電波を使用するレーダ装置が用いられる場合が多く、このようなレーダ装置では、ブラッグ散乱によるクラッタを分離することが必要となる。
受信する反射信号に含まれている、目標からの反射波とブラッグ散乱のクラッタを分離する手法としては、海流観測を行うレーダ装置において、異なる複数の周波数の電波を送信し、それぞれの反射波で得られる信号において、海流速(ブラッグ散乱)および海上物(船舶目標等)のスペクトルが現れるドップラ周波数位置が異なることを利用して、ブラッグ散乱と目標からの反射波を分離する方法がある(例えば、特許文献1)。
特開2003−130951
従来のレーダ装置は、上記のように構成されているため、異なる周波数の電波を送信し受信した反射波から検出した信号を使用するため、同じ目標についての観測値であっても、異なる周波数を送信した反射波で観測される値は異なるものとなり、安定した追尾を行なうことが困難になるという課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、異なる周波数の電波を送信し、それぞれで得られる反射波について目標の信号のドップラ周波数とブラッグ散乱のドップラ周波数位置が異なることを利用して目標を検出した目標信号を安定して追尾できるレーダ装置および追尾処理装置を得ることを目的とする。
この発明は、目標の予測位置と送受信部が送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値とを追尾中心とした追尾ゲートにより選択し、目標信号を生成する相関処理部と、第1の時刻に前記送受信部が第1の送信周波数で電波を送信し受信した反射波を信号処理部と相関処理部とで処理して生成した目標信号から、前記第1の時刻の後の第2の時刻についての前記目標の予測位置である第1の位置と前記目標の移動する速度の推定値である平滑速度とを算出する追尾フィルタ部と、前記第2の時刻に前記送受信部が前記第1の送信周波数で送信した電波の、前記目標による反射のドップラ周波数の予測値である第1のドップラ周波数を推定するドップラ周波数推定部と、前記送受信部が前記第1の送信周波数で電波を送信し受信した反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数である第2のドップラ周波数と前記第1のドップラ周波数とを比較し、前記第1のドップラ周波数と前記第2のドップラ周波数とが重なる場合は前記第1の送信周波数とは異なる第2の送信周波数を、重ならない場合は前記第1の送信周波数を、それぞれ前記送受信部が前記第2の時刻に送信する電波の送信周波数として設定する周波数設定部と、前記周波数設定部の設定した送信周波数で前記第2の時刻に前記送受信部が送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値である第3のドップラ周波数を算出し、前記相関処理部の前記追尾ゲートの前記追尾中心に前記第1の位置と前記第3のドップラ周波数とを設定する追尾ゲート設定部とを備えるようにしたものである。
この発明は、第1の時刻に前記送受信部が第1の送信周波数で電波を送信し受信した反射波に含まれる第1の目標信号とクラッタのそれぞれの第2の時刻におけるドップラ周波数を比較し、重なる場合は前記第1の送信周波数と異なる第2の送信周波数を、重ならない場合は前記第1の送信周波数を、それぞれ前記送受信部が前記第2の時刻に送信する電波の送信周波数として周波数設定部が設定することでクラッタ環境下でも目標信号を得ることができ、周波数設定部が設定した送信周波数と平滑速度とから前記第2の時刻における前記第1の目標信号のドップラ周波数を算出し、相関処理部の前記追尾ゲートの追尾中心に設定する追尾ゲート設定部とを備えることにより、送信周波数を変更しても目標信号を安定して追尾することができる。
この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を表す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の距離測定の原理を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の距離分離部の処理内容を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置のドップラ分離部の処理内容を示す図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の受信する信号に含まれるクラッタの特徴を表すイメージ図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の受信する信号から目標の反射波とクラッタとを分離する原理を示すイメージ図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の制御内容を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の構成を表す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置に用いるブラッグフィルタの特徴を示すイメージ図である。 この発明の実施の形態2に係るレーダ装置の制御内容を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の構成を表す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態3に係るレーダ装置に用いるMTIフィルタの特徴を示すイメージ図である。 この発明の実施の形態3に係るレーダ装置の制御内容を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の構成を表す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の内部の処理を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の内部の処理を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の内部の処理を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の内部の処理を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態5に係るレーダ装置の構成を表す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態6に係るレーダ装置の構成を表す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態7に係るレーダ装置の構成を表す機能ブロック図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係るレーダ装置および追尾処理装置の構成を示すブロック図である。図1に示すとおり、実施の形態1に係るレーダ装置は、送受信部10、ビーム形成部15、信号処理部30、スペクトル分析部60、および追尾処理装置100を備えている。追尾処理装置100は、周波数制御部20と追尾処理部50とを有する。
送受信部10は、周波数制御部20で設定された周波数の電波を送信してその反射波を受信し、受信した反射波をディジタル受信信号の形式でビーム形成部15に出力する。このような送受信部10の構成は、以下の通りである。送受信部10は、周波数制御部20により設定された周波数の信号にFMCW(Frequency Modulation Continuous Wave:周波数変調連続波)方式の変調を行なう送信部11、送信部11の変調した信号を電波として水上の空間に送信する送信空中線12、送信空中線12で送信し、目標や水上で反射された反射波を受信する複数の受信空中線13、および複数の受信空中線13から受信した反射波を入力し、それぞれを送信部11の変調する信号と混合してビート信号としてA/D変換を行うことで、複数の受信アンテナに対応した複数のチャネルのディジタル受信信号を生成する受信部14を備えている。
ビーム形成部15は、複数の受信空中線13で受信した信号をDBF(Digital Beam Forming:ディジタルビーム形成)処理により合成して方位方向に方位方向のマルチビームを形成する。こうして、ビーム形成部15は、送受信部10から入力した反射波をマルチビームの信号の形式で信号処理部30に出力する。
信号処理部30は、ビーム形成部15がマルチビームの信号の形式で出力する反射波からプロット信号を生成し、追尾処理部50に出力する。このような信号処理部30の構成は、以下の通りである。信号処理部30は、ビーム形成部15がマルチビームの形式で出力する反射波を反射点の位置と速度で分離するレンジ・ドップラマップ作成部40、レンジ・ドップラマップ作成部40で分離されたそれぞれの信号について、閾値を設けて信号強度が閾値以上の信号を検出する信号検出部31、および信号検出部31で検出された信号のそれぞれについて、検出した信号から算出される位置情報(距離情報、モノパルス測角処理による方位情報)および検出されたドップラ周波数情報を付与したプロット信号を生成するプロット信号生成部32を備えている。
また、レンジ・ドップラマップ作成部40は、ビーム形成部15から入力された反射信号から距離とドップラ周波数に対応した信号強度を有する3次元データ(レンジ・ドップラマップデータ)を作成する。作成したレンジ・ドップラマップデータは、信号検出部31およびスペクトル分析部60に出力する。このようなレンジ・ドップラ作成部40の構成は、以下の通りである。レンジ・ドップラマップ作成部40は、ビーム形成部15が出力する、各方位に指向する受信ビームデータそれぞれに対して1次FFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)を行い、信号を信号の反射された距離で分離する距離分離部42と、距離分離部42により距離で分離された信号それぞれに対して2次FFTを行い、信号をドップラ周波数で分離するドップラ分離部43とを備えている。
信号検出部31は、受信ビームデータそれぞれに対するレンジ・ドップラマップデータ形式のデータについてCFAR処理により閾値を設けて閾値以上の信号を検出する。このため、プロット信号生成部32は、検出した信号から、受信ビーム毎のデータを比較してモノパルス測角処理により角度(方位)を算出し、距離分離部42により距離で分離されたレンジ・ドップラマップデータより距離を算出することで、反射波の反射点の位置情報を算出する。また、プロット信号生成部32は、ドップラ分離部43によりドップラ周波数で分離されたレンジ・ドップラマップデータよりドップラ周波数を算出する。このようにして算出した結果により、プロット信号生成部32は、検出した信号から算出される位置情報(距離情報、モノパルス測角処理による方位情報)および検出されたドップラ周波数情報を付与したプロット信号を生成する。
追尾処理部50は、信号処理部30が出力するプロット信号を、目標の予測位置および送受信部が送信した電波の目標による反射のドップラ周波数の予測値を追尾中心とし、追尾中心付近の信号のみを通過させる追尾ゲートにより選択し、目標信号を生成する相関処理部51、相関処理部51で追尾ゲートにより選択された目標信号から、目標を次回観測する時点の予測位置と目標の移動する速度の推定値である平滑速度とを算出する追尾フィルタ部52、および追尾フィルタ部52の予測した目標の信号の予測範囲を基に相関処理部51の追尾ゲートの範囲を設定する追尾ゲート設定部53を備えている。追尾処理部50は、信号処理部30が出力するプロット信号に含まれる目標からの反射信号の追尾を行い、目標の平滑速度の予測値を算出し、周波数制御部20に出力する。
スペクトル分析部60は、送受信部10で受信し、信号処理部30のレンジ・ドップラマップ作成部40で分離された信号(レンジ・ドップラマップデータ)を分析し、それぞれの反射点の位置毎に、反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数を算出し、周波数制御部20に出力する。
周波数制御部20は、追尾処理部50より目標の平滑速度を入力して目標を次回観測する時点の目標のドップラ周波数を推定するドップラ周波数推定部21と、スペクトル分析部60から入力するクラッタのドップラ周波数と、ドップラ周波数推定部21から入力する目標のドップラ周波数の推定値を比較し、次回観測する時点の送信周波数を送受信部10に設定する周波数設定部22とを備えている。周波数制御部20は、追尾処理部50の出力する目標の平滑速度とスペクトル分析部60の出力するクラッタのドップラ周波数を基に、送受信部10の送信周波数を設定する。
次に、動作について説明する。図1に示すレーダ装置は、繰り返し電波を送信し、反射波を受信し、目標を検出し、追尾を行なうことを繰り返す。以下の説明において、この繰り返しのなかの異なる3つの観測時刻をそれぞれ第1の時刻(時刻t)、第2の時刻(時刻t)、および第3の時刻(時刻t)と定義する。ここで、時刻tは、時刻tの後の時刻であり、時刻tは、時刻tの前の時刻とする。また、送受信部10は、少なくとも2以上の複数の周波数の電波で送信と受信を行なうことが可能である。以下の説明中では、そのうちの異なる2つの周波数について、第1の送信周波数を周波数Aと呼び、第2の送信周波数を周波数Bと呼ぶ。
送信空中線12は、電波を放射するにあたり、水平方向にビーム幅の広いファンビームを形成する。複数の受信空中線13は、送信空中線12が放射した電波が目標および水面で反射した反射波を受信し、受信部14へ入力する。受信部14では、複数の受信空中線13それぞれに送信部11の送信するFMCW信号と混合し、複数の受信空中線13に対応した複数のチャネルのビート信号とした後、A/D変換を行い、ディジタル受信信号を作成してビーム形成部15へ出力する。ビーム形成部15は、ディジタル受信信号にDBF処理を施して信号処理部30へ出力する。
信号処理部30では、入力した受信した信号をレンジ・ドップラマップ作成部40により距離とドップラ周波数に対応した信号強度を有する3次元データ(レンジ・ドップラマップデータ)に変換した後、信号検出部31でレンジ・ドップラマップデータに対してCFAR(Constant False Alarm Rate:定誤警報確率)処理により閾値を定めて、閾値以上のレベルの信号を検出することにより目標検出を行い、プロット信号生成部32で距離情報、モノパルス測角処理による方位情報および検出されたドップラ周波数情報を付与したプロット信号を生成する。
レンジ・ドップラマップ作成部40は、ビーム形成部15より入力する各方位ビーム毎のディジタル受信信号に対して、距離分離部42で1次FFTを行い、距離方向のディジタルデータを生成する。FMCW方式の変調を行った電波を使用するFMCWレーダでは、送信信号と受信信号との周波数差を利用して目標の距離を測定するが、その原理は図2に示すとおりである。観測時刻(例えば、時刻t、時刻t、および時刻tなど)のそれぞれについて、送受信部10は、掃引周波数T周期で下限周波数fから上限周波数fまでの周波数掃引を繰り返す。目標などの反射点の距離は、式(1)で示す関係となる。
Figure 2014153088
但し、Rは目標距離、Cは光速、Tは掃引時間、fは掃引下限周波数、fは掃引上限周波数、Δfは送受信周波数差である。距離分離部42の行なう1次FFTでは、図3に示すとおり、FMCWの各スイープ内で、あるタイミング間隔でサンプリングを行い、そのサンプリングデータに対してFFTを行う。FFTを行った後の信号に対して式(1)による変換を行うことで、各スイープ毎に距離方向のディジタルデータが生成される。
続いて、ドップラ分離部43では、図4に示すとおり、各スイープ毎の距離方向のデータの、同一距離のデータに対して2次FFTを行う。これにより、各距離毎にドップラ周波数のデータが生成され、結果として、各方位ビーム毎で、距離とドップラ周波数に対応した信号強度を有する3次元データ(レンジ・ドップラマップデータ)が作成される。
信号検出部31では、レンジ・ドップラマップデータに対してCFAR処理を行うことにより、目標信号を検出する。検出された目標信号が存在していたドップラ周波数の値を、目標のドップラ周波数Fdt1とする。
プロット信号生成部32では、ビーム形成部15で形成したビーム毎のデータを含んでいるレンジ・ドップラマップデータから信号を検出し、検出した信号に対してビーム形成部15で形成したビームによるモノパルス等による方位方向の測角処理を行うことで、目標の方位を算出し、1次FFTにより得られた距離情報、2次FFTにより得られたドップラ周波数Fdt1と共に検出信号に付与することでプロット信号を生成する。
追尾処理部50では、相関処理部51が、入力するプロット信号に対して、目標の予測位置および送受信部が送信した電波の目標による反射のドップラ周波数の予測値を追尾中心とした追尾ゲートにより相関処理を行う。追尾の開始時においては、追尾中心に設定するこれら予測値は、外部の装置から与えられた情報や、レーダ装置および追尾処理装置が過去に観測したデータなどを基に算出するが、詳細は、レーダ装置および追尾処理装置の使用される条件に従う。追尾が継続されている間においては、追尾中心に設定するこれら予測値は、前回の観測により得られた目標信号から算出され、例えば、時刻tより前の時刻tに観測した結果得られた目標信号から算出される予測値に基づき時刻tにおける追尾ゲートを設定し、時刻tに観測した結果得られた目標信号から算出される予測値に基づき時刻tより後の時刻tにおける追尾ゲートを設定する。設定した追尾ゲートによりそれぞれの時刻に観測を行ない得られたプロット信号の相関を行なう。時刻tにおいて上記のように初期設定や時刻tに観測した結果から設定された追尾ゲートと、時刻tに得られたプロット信号との相関が取れれば、時刻tに得られたプロット信号は、目標からの信号であると判定される。同様に、時刻tに得られるプロット信号について、相関を行ない、目標からの信号であるか判定するための追尾ゲートを、時刻tに観測した結果を基に設定する。また、相関処理部51のゲートは、位置のゲートのみならず、属性情報としてドップラ周波数も考慮することにより、追尾の安定性・信頼性を高めている。
追尾処理部50の行なう追尾方式内容としては、一目標追尾、多目標追尾などが適用される。例えば、多目標追尾方式であるPDA(Probabilistic Data Association)やJPDA(Joint PDA)と呼ばれるAN(All Neighbour)方式により説明する。AN方式では、追尾ゲート内に得られた全てのプロット信号のうち、どれが追尾中の目標から得られたものであるかについて、あらゆる可能性を考慮した「相関仮説」を設ける。各相関仮説は「信頼度」(相関仮説が正しいとされる確率を示す指標)により評価され、追尾ゲート内のプロット信号を、信頼度で重み付け平均することにより、追尾フィルタの平滑値(追尾中の目標航跡の更新)を得る。ここで、信頼度を算出する際に、検出信号の位置情報のみならず、属性情報としてドップラ周波数も使用することで、より追尾ゲート内のプロット信号に対する仮説の信頼度を正確に算出することが可能となる。
相関処理部51で目標の信号であると判定されたプロット信号に基づき、追尾フィルタ部52により追尾航跡の更新がなされる。時刻tに得られたプロット信号の内、相関処理部51で目標の信号であると判定されたプロット信号について、信頼度で重み付け平均をすることにより、追尾目標の平滑速度Vが算出され、時刻tの観測位置の予測がされる。ここで、時刻tにおける観測位置の予測位置Lと平滑速度Vとにより、時刻tに観測されるであろう目標のドップラ周波数(Fdt2)が推定できる。
ところで、前述の通り、レーダ電波を水上の目標に向けて送信した反射波中には、ブラッグ散乱による水面からの強い反射波が受信され、これらは目標検出・追尾を行うレーダにとって不要なクラッタになる。ブラッグ散乱によるクラッタは、波の移動速度に応じたドップラ周波数を持つ。目標のドップラ周波数が、ブラッグ散乱のドップラ周波数と重畳した場合には目標検出が困難となり、追尾中目標の失探などが発生する。このため、追尾処理装置100では、スペクトル分析部60で受信信号に含まれるブラッグ散乱によるクラッタのドップラ周波数を分析した結果を用い、目標のドップラ周波数とブラッグ散乱によるクラッタのドップラ周波数が重ならないよう周波数制御部20で送信部11の送信周波数の制御を行う。
目標のドップラ周波数(Fdt0)は、目標の移動速度をV、送信周波数をF、光速をCとすると、以下の式(2)で表される。
Figure 2014153088
一方、ブラッグ散乱のドップラ周波数Fdb0は、ブラッグ散乱のスペクトルは波の移動速度に応じたドップラ周波数を有するため、図6に示すように、正および負の周波数に高いピークを持つ。正および負のそれぞれのピークの周波数を±FdB0と表現すると、FdB0は、重力加速度g、送信部11が送信する送信周波数Fにより以下の式(3)で表される。
Figure 2014153088
式(2)および式(3)より、目標のドップラ周波数は送信周波数に比例し、ブラッグ散乱のドップラ周波数は送信周波数の1/2乗に比例することが分かる。このことから、例えば送信周波数を周波数Aに設定して観測した場合において目標とブラッグ散乱のドップラ周波数が重畳しても、送信周波数を周波数Bに変更することにより、目標とブラッグ散乱のドップラ周波数を分離することが可能である。図6は、このように送信周波数を変更することによりブラッグ散乱と目標の反射波を分離する原理を示したものである。周波数Aについて図6(a)に示すように、ブラッグ散乱のクラッタが観測される場合、ブラッグ散乱のクラッタと周波数が重なるドップラ周波数成分を持つ目標の反射波は、ブラッグ散乱に埋もれてしまい観測できない。しかし、図6(b)の様に、観測に使用する送信周波数を、周波数Aから周波数Bに変更した場合、目標とブラッグ散乱のドップラ周波数はそれぞれ異なる周波数だけシフトするため、互いに重ならなくなり、目標をクラッタから分離し観測することができる。
また、以下の説明では、周波数Aと周波数Bは、それぞれ次のような関係にある周波数の組合せとする。目標の速度Vに対して、送信部11で周波数Aを送信し反射波を受信部14で受信して観測した場合の式(2)による目標のドップラ周波数と式(3)による目標のドップラ周波数が重なる(ドップラ周波数の分布を考慮した判定幅を設けてその判定幅内にある)場合は、送信部11で周波数Bを送信し反射波を受信部14で受信して観測した場合の式(2)による目標のドップラ周波数と式(3)による目標のドップラ周波数が重ならない(ドップラ周波数の分布を考慮した判定幅を設けてその判定幅の外にある)。逆に、目標の速度Vに対して、送信部11で周波数Bを送信し反射波を受信部14で受信して観測した場合の式(2)による目標のドップラ周波数と式(3)による目標のドップラ周波数が重なる(ドップラ周波数の分布を考慮した判定幅を設けてその判定幅内にある)場合は、送信部11で周波数Aを送信し反射波を受信部14で受信して観測した場合の式(2)による目標のドップラ周波数と式(3)による目標のドップラ周波数が重ならない(ドップラ周波数の分布を考慮した判定幅を設けてその判定幅の外にある)。
上記の原理に基づき、周波数制御部20の行う送信周波数の制御と、追尾処理部50およびスペクトル分析部60の操作について、図7のフローチャートにより説明する。
観測に先立ち、追尾ゲート設定部53は、相関処理部の追尾ゲートを設定する。(ST001)。
次に、信号処理部30では、レンジ・ドップラマップ作成部40が受信信号からレンジ・ドップラマップを作成し(ST002)、信号検出部31およびプロット信号生成部32によりプロット信号を生成する(ST003)。追尾処理部50は、観測されたプロット信号を入力し、相関処理部51は、プロット信号から、追尾ゲートにより目標の信号であると判定される信号を選択し、目標信号とする。時刻tに観測されるプロット信号は、観測が初回であれば初期の設定による追尾ゲート、観測が初回で無ければ時刻tの観測により得られた目標信号に基づき設定した追尾ゲートにより選択されて、時刻tにおける目標信号となる(ST004)。追尾フィルタ部52は、時刻tにおける目標信号を基に目標の平滑速度V、および時刻tにおける目標の予測位置である第1の位置Lを算出する(ST005)。
周波数制御部20では、ドップラ周波数推定部21が、ST005で算出した目標の平滑速度Vと、次回の観測時刻における予測位置と、送信部11に設定されている送信周波数とから、式(2)により次回の観測時における目標のドップラ周波数を推定する。送信部11の送信周波数を周波数Aに設定して時刻tに観測した場合は、得られたプロット信号から算出した目標の平滑速度Vと、時刻tにおける目標の予測位置(第1の位置L)と、送信部11に設定されている送信周波数である周波数Aとから、時刻tにおける目標のドップラ周波数である第1のドップラ周波数(Fdt2)を推定する(ST006)。
周波数設定部22は、スペクトル分析部60から、送信部11の送信周波数を周波数Aに設定して時刻tに観測した反射信号に含まれるクラッタのドップラ周波数を入力する。入力したクラッタのドップラ周波数の時刻tにおける目標の予測位置(第1の位置L)における成分が、時刻tにおいて、目標と共に観測されるクラッタのドップラ周波数である。この成分を、第2のドップラ周波数(FdB1)とする(ST007)。時刻tにおける目標のドップラ周波数の推定値であるFdt2がST006で得られているため、第1のドップラ周波数(Fdt2)と第2のドップラ周波数(FdB1)とが重なるかを比較する。なお、互いのドップラ周波数が重なるか重ならないかの判定においては、両者が一致するかまたは、判定幅を設け、互いにその判定幅内に有ることなどにより判定する(ST008)。第1のドップラ周波数(Fdt2)と第2のドップラ周波数(FdB1)とが重なる場合は、図6(a)に示すように、クラッタに埋もれて目標が観測できない場合に該当する。このため、周波数設定部22は、送信部11に設定する送信周波数を変更することにより、目標をクラッタとは分離して観測できるようにする。例えば、時刻tにおいて送信周波数を周波数Aに設定して観測を行ない、その結果、第1のドップラ周波数(Fdt2)と第2のドップラ周波数(FdB1)とが重なると判定された場合は、時刻tにおける送信周波数を周波数Bに設定する(ST009)。第1のドップラ周波数(Fdt2)と第2のドップラ周波数(FdB1)とが重ならないと判定された場合は、時刻tにおける送信周波数は、周波数Aのままである。
ST008、ST009により次回観測時の送信周波数を決定すると、周波数設定部22は、決定した送信周波数と目標の平滑速度Vから式(2)により目標の次回の観測時のドップラ周波数を算出し、追尾処理部50に出力する。例えば、時刻tにおける送信周波数が決定すると、決定した送信周波数(時刻tにおける送信周波数が周波数Aであれば、ST008で重なると判定された場合は周波数B、重ならないと判定された場合は周波数A)と目標の平滑速度Vから式(2)により時刻tにおける目標のドップラ周波数である第3のドップラ周波数(Fdt2S)を求める(ST010)。
次回観測時の送信周波数が決定されると、追尾ゲート設定部53は、次回送信時の追尾ゲートの設定を行なう。追尾ゲート設定部53は、ST010で計算された第3のドップラ周波数(Fdt2S)とST004で算出された時刻tにおける目標の予測位置Lとを追尾中心とした追尾ゲートとなるよう、相関処理部51の追尾ゲートの設定を行なう(ST011)。
なお、図7のフローチャートにおいて、ST010で行なう目標のドップラ周波数の算出の処理を周波数設定部22で行うものと説明したが、周波数設定部22から送信周波数を入力して追尾ゲート設定部53で実施するように構成しても良い。また、ST011で行なう追尾ゲートの設定については、送信周波数を変更しない場合は、ST005において追尾フィルタ部52でプロット信号を基に目標のドップラ周波数を推定し、ST011では、設定部53が追尾フィルタ部52の算出する目標のドップラ周波数を目標位置それぞれの推定値を追尾中心となるよう追尾ゲートを設定し、送信周波数を変更したときのみ平滑速度から目標のドップラ周波数を算出して設定するようにしても良い。
また、送信周波数を周波数Aから周波数Bに変更した後については、次に周波数Bで目標のドップラ周波数とクラッタのドップラ周波数が重なることが推測されるまで周波数Bで観測することを続けてもよいし、また、周波数Bで観測しながら、周波数Aで目標のドップラ周波数とクラッタのドップラ周波数が重ならないことが予測されたらすぐに周波数Aに戻しても良い。
これまでの説明では、変調方式をFMCW方式とすることを前提で記載しているが、FMICW(Frequency Modulation Interrupted Continuous Wave)方式を用いても本質的な違いは無い。但しFMCW方式の場合は、送信空中線から放射された電波が受信空中線に回り込むことによる送受信アイソレーションの劣化を避けるために、送信空中線と受信空中線の設置位置を、所望の送受信アイソレーションが得られる程度に、離隔する必要があるが、FMICW方式とすることにより、この問題は解決することができる。
また、変調方式に上記FMICWを採用する場合、送信空中線12と受信空中線13を近接または、同一の場所に配置することが可能になる。このため、FMICW方式を採用する場合は、送受信部に関しては、図1の送信空中線12を受信空中線13の1つと共用しても構わないし、また、送信空中線12を複数の空中線で構成し、受信空中線13とそれぞれ共用しても構わない。
以上のように、実施の形態1に係るレーダ装置および追尾処理装置では、目標の追尾結果により次回観測時における目標のドップラ周波数を推定し、クラッタのドップラ周波数と比較し重なりを判定することで次回の観測時に追尾中の目標を観測可能か判断できる。このため、目標のドップラ周波数の推定値とクラッタのドップラ周波数とが重なる場合は、次回の観測における送信周波数を変更することで、追尾中の目標を観測可能にする効果がある。また、送信周波数の変更に従い、変更した送信周波数に対する目標のドップラ周波数を算出して追尾ゲートに設定することで、周波数を変更しても安定して目標を追尾することができる。このため、ブラッグ散乱によるクラッタのある環境下でも安定して目標を追尾することができる。
実施の形態2.
図8は、実施の形態2に係るレーダ装置および追尾処理装置の構成を示すブロック図である。図8に示すとおり、実施の形態2に係るレーダ装置は、送受信部10、ビーム形成部15、信号処理部30a、スペクトル分析部60a、および追尾処理装置100aを備えている。追尾処理装置100aは、周波数制御部20aおよび追尾処理部50を有する。また、それぞれの構成要素において、同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
図8において、周波数制御部20aは、追尾処理部50が出力する目標の平滑速度と、スペクトル分析部60が出力するクラッタのドップラ周波数から、設定した送信周波数に対応したクラッタの周波数を算出して信号処理部30aの周波数フィルタ部(ブラッグフィルタ部33)に出力する。このような周波数制御部20aの構成は、以下の通りである。周波数制御部20aは、追尾処理部50が出力する目標の平滑速度から目標を次回観測する時点の目標のドップラ周波数を推定するドップラ周波数推定部21と、スペクトル分析部60が出力するクラッタのドップラ周波数と、ドップラ周波数推定部21が推定する目標のドップラ周波数の推定値とを比較し、次回観測する時点の送信周波数を送受信部10に設定し、設定した送信周波数に対応したクラッタの周波数を算出して信号処理部30aのブラッグフィルタ部33に出力する周波数設定部22aとを備えている。
信号処理部30aは、ビーム形成部15から反射波を入力し、プロット信号を追尾処理部50に出力する。このような信号処理部30aの構成は、以下の通りである。信号処理部30aは、レンジ・ドップラマップ作成部40と、レンジ・ドップラマップ作成部40で分離されたそれぞれの信号についてブラッグ散乱によるクラッタのドップラ周波数領域の信号を抑圧する帯域阻止フィルタを有するブラッグフィルタ部33と、ブラッグフィルタ部33を通過したそれぞれの信号について閾値を設けて信号強度が閾値以上の信号を検出する信号検出部31と、プロット信号生成部32とを備えている。また、ブラッグフィルタ部33は、レンジ・ドップラマップ作成部40で分離されたそれぞれの信号や、周波数制御部20aの周波数設定部22aから入力する次回観測する時点の送信周波数からブラッグフィルタのフィルタ係数を算出する機能と、算出したフィルタ係数に従い、入力した信号から所定の周波数領域の信号を抑圧する機能を備えている。
ブラッグフィルタ部33で使用する帯域素子フィルタであるブラッグフィルタは、いわゆるAMTI(Adaptive Moving Target Indicator)として知られるフィルタである。動作原理としては、フィルタを通過しない場合の受信信号出力と、フィルタによりカットされる受信信号成分を比較し、最小二乗法などの適応アルゴリズムにより両者の差異が最も小さくなるようにフィルタの係数を自動的に算出し制御するものである。ブラッグフィルタは図9で示すようにブラッグ散乱のドップラ領域のみを抑圧するフィルタである。このようなブラッグフィルタを使用することにより、信号検出部31で検出を行なう際に誤目標に係る信号の検出を抑える効果が有るが、目標とブラッグ散乱のドップラ周波数が重畳する場合、ブラッグフィルタによりブラッグ散乱のみならず目標の信号も抑圧してしまう。このため、目標とブラッグ散乱のドップラ周波数が重畳する場合には、実施の形態1と同様に送受信部10の送信部11(図1と同一の構成のため図8では表示を省略している)の送信周波数を変更することで目標とブラッグ散乱の信号を分離するが、送信周波数の変更に伴うクラッタのドップラの周波数の変化に一致するよう、ブラッグフィルタのフィルタの抑圧する周波数も変更する。
上記の原理に基づき、ブラッグフィルタ部33のフィルタ特性の制御と、周波数制御部20aと追尾処理部50の行う送信周波数の制御について、図10のフローチャートにより説明する。なお、図10のフローチャートにおいて、図7と同一の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
図10において、ブラッグフィルタ部33は、観測が行なわれる度にレンジ・ドップラマップ作成部40から入力するレンジ・ドップラマップデータに対して、最小2乗法などの適応アルゴリズムによりクラッタのドップラ周波数の信号を除去するフィルタ係数を算出し、次回の観測時におけるブラッグフィルタの係数に設定する。ブラッグフィルタ部33は、時刻tにおいて観測した反射波のレンジ・ドップラマップデータ対して適応アルゴリズムにより、時刻tにおけるレンジ・ドップラマップデータを処理するフィルタの係数である第1のフィルタ係数を算出する(ST101)。
ブラッグフィルタ部33は、ST008で周波数制御部20aが次回観測時の送信周波数を変更しなければ、次回の観測時は、ST101で設定したフィルタ係数のフィルタを使用するが、ST008およびST009で周波数制御部20aが次回観測時の送信周波数を変更すると、設定されている第1のフィルタ係数と、変更した送信周波数から式(3)で求められる周波数を抑圧するよう、フィルタの係数を変更する。例えば、時刻tに周波数設定部20が時刻tに送信する電波の送信周波数を変更すると、時刻tに送信する前記電波の送信周波数と第2のドップラ周波数とをもとに、前記時刻tにおけるフィルタ係数を変更する(ST102)。
以上のように、実施の形態2に係るレーダ装置および追尾処理装置では、実施の形態1に係るレーダ装置の信号処理部30に、送受信部で受信した反射波のレンジ・ドップラマップデータにブラッグフィルタによるフィルタ処理を加えて行うことにより、実施の形態1に係る発明の効果に加え、反射波に含まれるクラッタを抑圧し、信号検出部31で検出を行なう際に誤目標に係る信号の検出を抑える効果がある。また、送信周波数の変更に対して、変更後の送信周波数に対するクラッタのドップラ周波数を算出し、算出したドップラ周波数を抑圧するようフィルタの係数を調整するため、周波数を変更しても安定して目標を追尾することができる。このため、ブラッグ散乱によるクラッタのある環境下でも安定して目標を追尾することができる。
実施の形態3.
実施の形態2に係るレーダ装置および追尾処理装置においては、実施の形態1に係るレーダ装置に加え、送受信部で受信した反射波のレンジ・ドップラマップデータにブラッグフィルタによるフィルタ処理を行うことにより、反射波に含まれるクラッタの抑圧を行なった。これに対して、実施の形態3に係るレーダ装置においては、送受信部で受信した反射波のレンジ・ドップラマップデータにノッチ移動型のMTIフィルタによるフィルタ処理を行うことにより、反射波に含まれるクラッタの抑圧を行なう。
図11は、実施の形態3に係るレーダ装置および追尾処理装置の構成を示すブロック図である。図11に示すとおり、実施の形態3に係るレーダ装置は、送受信部10、ビーム形成部15、信号処理部30b、スペクトル分析部60、および追尾処理装置100aを備えている。追尾処理装置100aは、周波数制御部20aおよび追尾処理部50を有する。また、それぞれの構成要素において、同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
図11に示すとおり、実施の形態3に係るレーダ装置は、実施の形態2に係るレーダ装置におけるブラッグフィルタ部33の代りにノッチ移動型のMTIフィルタを有するMTIフィルタ部33aを備えている。このため、信号処理部30bは、レンジ・ドップラマップ作成部40と、レンジ・ドップラマップ作成部40で分離されたそれぞれの信号についてブラッグ散乱によるクラッタのドップラ周波数領域のみを抑圧するMTIフィルタ部33aと、MTIフィルタ部33aを通過したそれぞれの信号について閾値を設けて信号を検出する信号検出部31と、プロット信号生成部32とを備えている。このようにして、信号処理部30bは、ビーム形成部15から反射波を入力し、プロット信号を追尾処理部50に出力する。また、MTIフィルタ部33aは、レンジ・ドップラマップ作成部40で分離されたそれぞれの信号や、周波数制御部20aの周波数設定部22aから入力する次回観測する時点の送信周波数からMTIフィルタのフィルタ係数を算出する機能と、算出したフィルタ係数に従い、入力した信号から所定の周波数領域の信号を抑圧する機能を備えている。
実施の形態2に係るレーダ装置の備えるブラッグフィルタは、ブラッグ散乱の抑圧効果は高いものの、フィルタの荷重計算に大きな演算量を要するため、ハードウェアの増加を招く。そこで、実施の形態3に係るレーダ装置では、ブラッグフィルタをノッチ移動型のMTIフィルタに置き換えることで、比較的簡易な処理でブラッグ散乱の信号を抑圧することが可能となる。
ノッチ移動型MTIフィルタは図12で示すようにブラッグ散乱のドップラ領域の片側を抑圧するフィルタである。通常のMTIフィルタでは、受信信号のヒット間(FMCW方式の場合は、スイープ間)の差分を取ることにより、ゼロドップラ付近にノッチを形成することで固定目標の信号を抑圧することを目的とするが、ノッチ移動型のMTIフィルタでは、予測されるブラッグ散乱のドップラ周波数に基づき、受信信号の位相をヒット毎に回転させた後に、ヒット間の差分を取ることにより、ゼロドップラではなく、ブラッグ散乱のドップラ周波数付近にノッチを形成することで、所望のドップラ周波数を有する信号を抑圧する。このようなノッチ移動型MTIフィルタを使用することにより、信号検出部31で検出を行なう際に誤目標に係る信号の検出を抑える効果が有るが、目標とブラッグ散乱のドップラ周波数が重畳する場合、ブラッグフィルタによりブラッグ散乱のみならず目標の信号も抑圧してしまう。このため、目標とブラッグ散乱のドップラ周波数が重畳する場合には、実施の形態2と同様に送受信部10の送信周波数を変更することで目標とブラッグ散乱の信号を分離するが、送信周波数の変更に伴うクラッタのドップラの周波数の変化に一致するよう、MTIフィルタ部33aは、フィルタの抑圧する周波数も変更する。MTIフィルタ部33aは、予め次回観測時のブラッグ散乱のドップラ周波数が予測可能であるため、周波数制御部20aの周波数設定部22aから入力する次回観測する時点の送信周波数からノッチを形成するドップラ周波数(すなわち受信信号に対する位相の回転量)を把握し、フィルタ係数を調整する。
上記の原理に基づき、MTIフィルタ部33aのフィルタ特性の制御と、周波数制御部20aと追尾処理部50の行う送信周波数の制御について、図13のフローチャートにより説明する。なお、図13のフローチャートにおいて、図7と同一の処理については、同一の符号を付して説明を省略する。
図13において、MTIフィルタ部33aは、観測が行なわれる度にレンジ・ドップラマップ作成部40から入力するレンジ・ドップラマップデータを分析し、その結果からレンジ・ドップラマップデータからクラッタを除去するフィルタの係数を算出し、次回の観測時におけるMTIフィルタの係数に設定する。MTIフィルタ部33aは、時刻tにおいて観測したレンジ・ドップラマップデータを分析し、時刻tにおけるレンジ・ドップラマップデータを処理するフィルタの係数を算出する(ST201)。
MTIフィルタ部33aは、ST008で周波数制御部20aが次回観測時の送信周波数を変更しなければ、次回の観測時は、ST201で設定したフィルタ係数のフィルタを使用するが、ST008およびST009で周波数制御部20aが次回観測時の送信周波数を変更すると、変更した送信周波数から式(3)で求められる周波数を抑圧するよう、フィルタの係数を変更する(ST202)。
以上のように、実施の形態3に係るレーダ装置では、実施の形態2に係るレーダ装置の有するブラッグフィルタに代えてノッチ移動型MTIフィルタを備えるため、送受信部で受信した反射波のレンジ・ドップラマップデータにノッチ移動型MTIフィルタによるフィルタ処理を行うことにより、実施の形態1に係る発明の効果に加え、反射波に含まれるクラッタを抑圧し、信号検出部31で検出を行なう際に誤目標に係る信号の検出を抑える効果がある。また、送信周波数の変更に対して、変更後の送信周波数に対するクラッタのドップラ周波数を算出し、算出したドップラ周波数を抑圧するようフィルタの係数を調整するため、周波数を変更しても安定して目標を追尾することができる。このため、ブラッグ散乱によるクラッタのある環境下でも安定して目標を追尾することができる。
実施の形態4.
図14は、実施の形態4に係るレーダ装置および追尾処理装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1ないし実施の形態3に係るレーダ装置は、送受信部10を1つ備え、目標のドップラ周波数の推定値とクラッタの周波数とが重なるときに送受信部10の送信周波数を変更することで目標を検出する。これに対して、実施の形態4に係るレーダ装置は、周波数Aで送受信を行なう送受信部10aと周波数Bで送受信を行なう送受信部10bの2つの送受信部を備え、常に周波数Aおよび周波数Bの2つの周波数での観測を行なうことで、常に何れかの周波数により目標をクラッタと分離して検出することができる。
実施の形態4に係るレーダ装置は、周波数Aで観測を行ない、その結果からプロット信号(第1のプロット信号)を生成する構成と、周波数Bで観測を行ない、その結果からプロット信号(第2のプロット信号)を生成する構成とを備えている。周波数Aで観測を行ない生成された第1のプロット信号と、周波数Bで観測を行ない生成された第2のプロット信号とは、信号比較部70を経由し、追尾信号処理装置100bで追尾を行われる。なお、上記の第1のプロット信号と第2のプロット信号は、それぞれ、実施の形態1ないし3のプロット信号生成部32が生成するプロット信号と同等の構成であり、第1のプロット信号は、周波数Aで観測した反射波の位置とドップラ周波数から成り、第2のプロット信号は、周波数Bで観測した反射波の位置とドップラ周波数から成る。
図14に示すとおり、周波数Aで観測を行なう構成は、周波数Aの電波を送信し、その反射波である第1の反射波を受信する第1の送受信部10a、送受信部10aが受信した第1の反射波をマルチビーム信号の形式で出力する第1のビーム形成部15a、ビーム形成部15aの出力する第1の反射波から第1のプロット信号を生成する第1の信号処理部30c、および、第1の反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数を算出する第1のスペクトル分析部60aを備えている。
周波数Bで観測を行なう構成は、周波数Bの電波を送信し、その反射波である第2の反射波を受信する第2の送受信部10b、送受信部10bが受信した第2の反射波をマルチビーム信号の形式で出力する第2のビーム形成部15b、ビーム形成部15bの出力する第2の反射波から周波数Bでの観測についてのプロット信号である第2のプロット信号を生成する第2の信号処理部30d、および、第2の反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数を算出する第2のスペクトル分析部60bを備えている。
周波数Aで観測した結果生成される第1のプロット信号と周波数Bで観測した結果生成される第2のプロット信号とは、信号比較部70で比較され、重み付けをされて追尾処理装置100bに出力される。追尾処理装置100cは、周波数制御部20bおよび追尾処理部50を有する。周波数制御部20bは、周波数Aおよび周波数Bのそれぞれで観測した場合の目標のドップラ周波数とクラッタのドップラ周波数の重なりから、周波数Aで観測した第1のプロット信号と周波数Bで観測した第2のプロット信号の何れが追尾対象として適しているかを判断し、その結果に基づき、追尾処理部50により追尾を行う。
それぞれの構成の細部について説明すると、送受信部10aは、周波数AのFMCW方式の変調を行なった電波を水上の空間に送信し、受信した反射波(以下、第1の反射波と呼ぶ)をビーム形成部15aでディジタル受信信号にDBF処理を施してディジタル受信信号の形式で信号処理部30cに出力する。送受信部10bは、周波数BのFMCW方式の変調を行なった電波を水上の空間に送信し、受信した反射波(以下、第2の反射波と呼ぶ)をビーム形成部15bでディジタル受信信号にDBF処理を施してディジタル受信信号の形式で信号処理部30dに出力する。尚、送受信部10aおよび送受信部10bの内部の構成は、図1に示される送受信部10と同様であるので詳細の説明は省略する。
信号処理部30cは、ビーム形成部15aが出力する第1の反射波を反射点の位置とドップラ周波数とで分離し、レンジ・ドップラマップを作成するレンジ・ドップラマップ作成部40aと、レンジ・ドップラマップ作成部40aで作成された第1の反射波のレンジ・ドップラマップのそれぞれの成分について、閾値を設けて信号を検出する信号検出部31aと、信号検出部31aで検出された信号のそれぞれについて、距離情報、モノパルス測角処理による方位情報および検出されたドップラ周波数情報を付与したプロット信号(以下、第1のプロット信号と呼ぶ)を生成するプロット信号生成部32aとを備えている。信号処理部30cは、ビーム形成部15aが出力する反射波から第1のプロット信号を生成し、信号比較部70に出力する。信号処理部30dは、ビーム形成部15bが出力する第1の反射波を反射点の位置とドップラ周波数とで分離し、レンジ・ドップラマップを作成するレンジ・ドップラマップ作成部40bと、レンジ・ドップラマップ作成部40bで作成された第1の反射波のレンジ・ドップラマップのそれぞれの成分について、閾値を設けて信号を検出する信号検出部31bと、信号検出部31bで検出された信号のそれぞれについて、距離情報、モノパルス測角処理による方位情報および検出されたドップラ周波数情報を付与したプロット信号(以下、第2のプロット信号と呼ぶ)を生成するプロット信号生成部32bとを備えている。信号処理部30dは、ビーム形成部15bが出力する反射波から第2のプロット信号を生成し、信号比較部70に出力する。
スペクトル分析部60aは、送受信部10aで受信し、信号処理部30aのレンジ・ドップラマップ作成部40aでレンジ・ドップラマップデータの形式とした第1の反射波のそれぞれの成分を分析して、それぞれの反射点の位置毎に、第1の反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数を算出し、周波数制御部20bと信号比較部70に出力する。また、スペクトル分析部60bは、送受信部10bで受信し、信号処理部30bのレンジ・ドップラマップ作成部40bでレンジ・ドップラマップデータの形式とした第2の反射波のそれぞれの成分を分析して、それぞれの反射点の位置毎に、第2の反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数を算出し、周波数制御部20bと信号比較部70に出力する。
信号比較部70は、第1のプロット信号と第2のプロット信号とを、それぞれに重み付けを行い、追尾処理部50aに出力する。なお、信号比較部70は、同一の目標を第1のプロット信号と第2のプロット信号の両方で探知した場合は、第1のプロット信号または第2のプロット信号のいずれか1つにまとめて出力する。このような信号比較部70の構成は、以下の通りである。信号比較部70は、信号処理部30cが生成する第1のプロット信号と信号処理部30dが生成する第2のプロット信号とを比較し、さらに、スペクトル分析部60aとスペクトル分析部60bとが出力するクラッタのドップラ周波数と比較することでそれぞれのプロット信号の目標としての信頼度を評価する検出比較部71と、検出比較部71の評価結果に基づき重み付けを行なう重み算出部72とからなる。
追尾処理部50aでは、相関処理部51aが、入力するプロット信号に対して、目標の予測位置と第1の送受信部10aが送信した周波数Aの電波または第2の送受信部10bが送信した周波数Bの電波の目標による反射のドップラ周波数の予測値とを追尾中心とする追尾ゲートにより相関処理を行う。追尾の開始時においては、追尾中心に設定するこれら予測値は、外部の装置から与えられた情報や、レーダ装置および追尾処理装置が過去に観測したデータなどを基に算出するが、詳細は、レーダ装置および追尾処理装置の使用される条件に従う。追尾が継続されている間においては、追尾中心に設定するこれら予測値は、前回の観測により得られた目標信号に基づき追尾ゲート設定部53が算出し、設定する。追尾処理部50aについては、相関処理部51aに第1のプロット信号および第2のプロット信号が入力されることと、追尾フィルタ部52aで信号比較部の設定する重みを加えた予測位置算出および平滑速度算出を行なうことが実施の形態1ないし実施の形態3に示される追尾処理部50とは異なる。
周波数制御部20bでは、追尾処理部から入力する目標の予測位置および平滑速度から次回観測時における目標のドップラ周波数を算出するドップラ周波数推定部21bと、ドップラ周波数推定部21bの推定する目標のドップラ周波数とスペクトル分析部60aおよびスペクトル分析部60bから入力するクラッタのドップラ周波数の重なりを判定し、その判定結果から、次回観測時に目標を追尾するドップラ周波数を算出する周波数設定部22bとを備え、追尾処理部から目標の予測位置および平滑速度を入力し、追尾処理部に次回観測時に追尾を行なう目標のドップラ周波数を出力する。
次に、動作について説明する。図15ないし図17は、信号比較部70の動作を示す。図15において、信号比較部70の検出比較部71は、信号処理部30cから第1のプロット信号を、信号処理部30dから第2のプロット信号をそれぞれ入力する(ST301)。次に、検出比較部71は、信号処理部30cと信号処理部30dのそれぞれの検出状況により以後の処理を分岐する(ST302)。信号処理部30cと信号処理部30dとから共にプロット信号を入力している場合は、第1のプロット信号と第2のプロット信号が同一の目標であるか異なる目標であるかを評価する(ST303)。ST303の処理後は、フローの最初に戻り、次の観測におけるプロット信号を入力する。信号処理部30cと信号処理部30dの片方のみが信号を検出し、第1のプロット信号または第2のプロット信号のみ入力している場合は、入力したプロット信号が目標のものであるか、誤目標のものであるかを評価する(ST304)。ST304の処理後は、フローの最初に戻り、次の観測におけるプロット信号を入力する。また、信号処理部30cと信号処理部30dが共にプロット信号を検出せず、第1のプロット信号も第2のプロット信号も入力が無い場合は、そのままフローの最初に戻り、次の観測におけるプロット信号を入力する。
図16は、図15におけるST303で検出比較部71および重み算出部72の行う処理の内容を示す。検出比較部71は、送信周波数Aと第1のプロット信号のドップラ周波数(Fdt0)とから、式(2)の逆演算である式(4)により、第1のプロット信号の速度(Va)を算出する(ST401)。
Figure 2014153088
同様に、検出比較部71は、送信周波数Bと第2のプロット信号のドップラ周波数とから、式(2)の逆演算である式(4)により、第2のプロット信号の速度(Vb)を算出する(ST402)。続いて検出比較部71は、第1のプロット信号および第2のプロット信号のそれぞれのドップラ周波数から算出される速度(VaおよびVb)を比較する(ST403)。VaとVbとが一致する(又は判定幅内にある)場合は、第1のプロット信号と第2のプロット信号とを同一目標と見なし、二つのプロット信号を一つの検出信号として相関統合を行う(ST404)。また、VaとVbとが一致しない(または、判定幅外にある)場合は、第1のプロット信号と第2のプロット信号は別の目標によるものと考えられるため、2目標分の目標として追尾処理へ出力する(ST405)。
図17は、図15におけるST304で検出比較部71および重み算出部72の行う処理の内容を示す。ST304は、第1のプロット信号または第2のプロット信号のいずれか一方のみが検出された場合であり、図17では、そのうちの第1のプロット信号のみが検出された場合を説明する。第2のプロット信号のみが検出された場合については、第1のプロット信号、周波数A、Fdt3A、およびFdb3aをそれぞれ、第2のプロット信号、周波数B、Fdt3B、およびFdb3bと読み替えればよい。
検出比較部71は、第1のプロット信号で目標と思われる信号を検出した場合、第1のプロット信号のドップラ周波数(Fdt3Aとする)から式(4)および式(2)の関係式により、周波数Bでのドップラ周波数Fdt3Bを推定する(ST501)。一方、ブラッグ散乱は常に観測されるため、検出比較部71は、スペクトル分析部60bが周波数Bの受信信号からブラッグ散乱のドップラ周波数を推定した結果(Fdb3B)を入力し、Fdt3AとFdb3Bとを比較する(ST502)。
dt3AとFdb3Bとが重なる(または判定幅を設けて、その判定幅内にある)場合は、周波数Bにおいては目標信号がブラッグ散乱と重畳したために検出がなされなかったと考えられることから、周波数Aで検出された信号は目標である可能性が高いと見なすことができる。従って、後段の追尾処理においては、より目標らしい信号として扱うため、信号に対しては信頼度を高く設定する(ST503)。
dt3AとFdb3Bとが重ならない(または判定幅の外にある)場合は、周波数Bにおいては、目標信号がブラッグ散乱と重畳したために検出がなされなかったわけでは無いと考えられることから、周波数Aで検出された信号は誤目標である可能性が高いと見なすことができる。従って、後段の追尾処理においては誤目標である可能性が高い信号として扱うため、信頼度は低く設定する(ST505)。
図18は、図14に示すレーダ装置1000cの、追尾処理部50aおよび周波数制御部20bで行う制御を示すフローチャートである。図14に示すレーダ装置1000cでは、送受信部10aが送受信を行い信号処理部30cが第1のプロット信号を出力し、送受信部10bが送受信を行い信号処理部30dが第2のプロット信号を出力するため、毎回の観測を常に周波数Aと周波数Bとで行なっており、周波数制御部20b送信周波数の切替を行う必要が無い。このため、周波数制御部20bの周波数設定部22bでは、追尾処理部50aに対する目標のドップラ周波数の出力を行なうが、送受信部10aおよび送受信部10bに対する送信周波数の設定を行なわない。
図18において、観測に先立ち、追尾ゲート設定部53は、相関処理部51aの追尾ゲートの初期設定を行なう。追尾ゲートの追尾中心に設定するドップラ周波数については、第1の送受信部10aが送信した周波数Aの電波に対するドップラ周波数の予測値とするか、第2の送受信部10bが送信した周波数Bの電波の目標による反射のドップラ周波数の予測値とするかは、レーダ装置および追尾装置の設計上の条件や、使用される条件により選択する。以降のこの説明では、第1の送受信部10aが送信した周波数Aの電波に対するドップラ周波数の予測値を追尾中心に設定する例で説明する(ST601)。
次に、信号処理部30aおよび信号処理部30bは、それぞれのレンジ・ドップラマップ作成部40aおよびレンジマップ作成部40bが受信信号からレンジ・ドップラマップを作成し(ST602)、信号検出部31aおよびプロット信号生成部32aにより第1のプロット信号を、信号検出部31bおよびプロット信号生成部32bにより第2のプロット信号をそれぞれ生成する(ST603)。信号比較部70は、第1のプロット信号および第2のプロット信号を比較し、同じ目標であれば統合し、また、プロット信号とクラッタのドップラ周波数から目標の信頼性を評価し、重み付けを行なう(ST604)。
追尾処理部50aは、重み付けをされた第1のプロット信号および第2のプロット信号を入力し、相関処理部51aは、第1のプロット信号および第2のプロット信号から、追尾ゲートにより目標の信号であると判定される信号を選択し、目標信号とする。時刻tにおいて、相関処理部51aの追尾ゲートに、周波数Aで観測される目標のドップラ周波数が追尾中心として設定されている場合、相関処理部51aでは、第1のプロット信号および第2のプロット信号から、追尾ゲートの範囲に合致するプロット信号を選択して時刻tにおける目標信号を生成する(ST605)。目標信号に基づき、追尾フィルタ部52aは、目標の平滑速度および次回の観測時刻における予測位置を算出する。例えば、時刻tにおける目標信号を基に追尾フィルタ部52aは、目標の平滑速度Vおよび時刻tにおける目標の予測位置(第1の位置L)を算出する(ST606)。
周波数制御部20bでは、ドップラ周波数推定部21aが、ST606で算出した目標の平滑速度Vおよび、目標の予測位置と、相関処理部51aの追尾ゲートが設定されている目標のドップラ周波数該当の送信周波数とから、式(2)により次回の観測時における目標のドップラ周波数を推定する。時刻tにおいて、相関処理部51aの追尾ゲートに、周波数Aで観測される目標のドップラ周波数が追尾中心として設定されている場合、ドップラ周波数推定部21aでは、追尾フィルタ部目標の平滑速度Vと、時刻tにおける目標の予測位置(第1の位置L)と、周波数Aとから、時刻tにおける目標のドップラ周波数である第1のドップラ周波数(Fdt2)を推定する(ST607)。
周波数設定部22bは、スペクトル分析部60aが出力する時刻tに観測した第1の反射波に含まれるそれぞれの反射点の位置毎のクラッタのドップラ周波数を受け取り、第1の反射波に含まれる、時刻tにおける目標の予測位置(第1の位置L)におけるクラッタのドップラ周波数である第2のドップラ周波数(FdB1)を推定する(ST608)。第2のドップラ周波数(FdB1)を推定すると、周波数設定部22bは、第2のドップラ周波数(Fdt1)が、時刻tにおける目標のドップラ周波数である第1のドップラ周波数(FdB2)と重なるか比較し判定する。なお、互いのドップラ周波数が重なるか重ならないかの判定においては、両者が一致するかまたは、判定幅を設け、互いにその判定幅内に有ることなどにより判定する(ST609)。第2のドップラ周波数(Fdt1)と第1のドップラ周波数(FdB2)とが重なる場合は、クラッタに埋もれて目標が観測できない場合に該当する。このため、周波数設定部22bは、目標を追尾する送信周波数を変更することにより、目標をクラッタとは分離して観測できるようにする。例えば、時刻tにおいて目標を周波数Aで観測して得られる、第1のプロット信号を対象とした追尾フィルタを設定して観測を行ない、その結果、第2のドップラ周波数(Fdt1)と第1のドップラ周波数(FdB2)とが重なると判定された場合は、時刻tにおいては、追尾対象となるプロット信号を観測する送信周波数を周波数Bとし、第2のプロット信号を追尾するようにする(ST610)。第2のドップラ周波数(FdB1)と第1のドップラ周波数(FdB2)とが重ならないと判定された場合は、時刻tにおいては、追尾対象となるプロット信号を観測する送信周波数を周波数Aとし、第1のプロット信号を追尾し続ける。
ST609、ST610により次回観測時の追尾対象となるプロット信号を観測する送信周波数を決定すると、周波数設定部22bは、決定した送信周波数と目標の平滑速度から式(2)により目標の次回の観測時のドップラ周波数を算出し、追尾処理部50aに出力する。時刻tにおける追尾対象となるプロット信号を観測する送信周波数が決定すると、決定した送信周波数と目標の平滑速度Vから式(2)により時刻tにおける目標のドップラ周波数を求める。時刻tにおいて追尾対象となるプロット信号を観測する送信周波数が周波数Aであれば、ST609でFdt1とFdt2とが重なる場合と判定された場合は、第2の送受信部10bが送信した周波数Bの電波の目標による反射のドップラ周波数の予測値(第4のドップラ周波数(Fdt4))を算出する。ST609でFdt1とFdt2とが、重ならないと判定された場合は、必要なドップラ周波数の予測値は、第1の送受信部10aが送信した周波数Aの電波に対するドップラ周波数であるため、第1のドップラ周波数(Fdt2)となる(ST611)。
次回観測時の追尾対象となるプロット信号を観測する送信周波数が決定されると、追尾ゲート設定部53は、次回送信時の追尾ゲートの設定を行なう。追尾ゲート設定部53は、ST611で計算された目標のドップラ周波数とST606で算出された予測位置Lを追尾中心とした追尾ゲートとなるよう、相関処理部51の追尾ゲートの設定を行なう。このため、時刻tにおいて第1のプロット信号から算出された時刻tにおける目標のドップラ周波数の推定値とスペクトル分析部60aから入力したクラッタのドップラ周波数が重なると判定されると、追尾ゲート設定部53は、目標の平滑速度VとST611で算出されたドップラ周波数および目標ST606から算出された予測位置Lとを追尾中心とした追尾ゲートとなるよう、相関処理部51の追尾ゲートの設定を行なう。具体的には、ST609でFdt1とFdt2とが重なると判定された場合は、追尾ゲートの追尾中心には、第1の位置Lと第4のドップラ周波数(Fdt4))とを設定する。ST609でFdt1とFdt2とが重ならないと判定された場合は、追尾ゲートの追尾中心には、第1の位置Lと第1のドップラ周波数(Fdt2)とを設定する(ST612)。
なお、図18のフローチャートにおいて、ST611で行なう目標のドップラ周波数の算出の処理を周波数設定部22bで行うものと説明したが、周波数設定部22bから送信周波数を入力して追尾ゲート設定部53で実施するように構成しても良い。また、ST612で行なう追尾ゲートの設定については、送信周波数を変更しない場合は、ST606において追尾フィルタ部52aでプロット信号を基に目標のドップラ周波数を推定し、ST612では、追尾ゲート設定部53が追尾フィルタ部52aの算出する目標のドップラ周波数を目標位置それぞれの推定値を追尾中心となるよう追尾ゲートを設定し、送信周波数を変更したときのみ平滑速度から目標のドップラ周波数を算出して設定するようにしても良い。
また、図14に示す実施の形態4について、図8に示す実施の形態2や図11に示す実施の形態3のように、信号処理部30cおよび信号処理部30dの内部の、信号検出部31aおよび信号検出部31bの前にブラッグフィルタまたは、ノッチ移動型のMTIフィルタなどのフィルタ部を設け、クラッタのドップラ周波数の信号を除去してから信号検出部31aおよび信号検出部31bで信号検出を行なう構成としても良い。このような構成とすると、図4の構成に加え、反射波に含まれるクラッタを抑圧し、信号検出部31aおよび信号検出部31bで検出を行なう際に誤目標に係る信号の検出を抑えることができる。また、上記構成では、送受信部10aは常に周波数Aで観測を行ない、送受信部10bは常に周波数Bで観測を行なうため、信号処理部30cおよび信号処理部30dに設けるフィルタは、送信周波数の変更に伴いフィルタ係数を調整することの必要が無く、フィルタの特性を安定させることができる。
以上のように、実施の形態4に係るレーダ装置および追尾処理装置では、周波数Aで送受信を行なう送受信部10aと周波数Bで送受信を行なう送受信部10bの2つの送受信部を備え、常に周波数Aおよび周波数Bの2つの周波数での観測を行なうことで、常に何れかの周波数により目標をクラッタと分離して検出することができる。また、追尾処理部50aでは、周波数Aで観測される第1のプロット信号と周波数Bで観測される第2のプロット信号を入力し、目標のドップラ周波数とクラッタのドップラ周波数が重ならないよう追尾するプロット信号を選択できるため、ブラッグ散乱によるクラッタのある環境下でも安定して目標を追尾することができる。このため、ブラッグ散乱によるクラッタのある環境下でも安定して目標を追尾することができる。さらに、信号処理部30cおよび信号処理部30dの内部の、信号検出部31aおよび信号検出部31bの前にブラッグフィルタまたは、ノッチ移動型のMTIフィルタなどのフィルタ部を設けることで、信号検出部31aおよび信号検出部31bで検出を行なう際に誤目標に係る信号の検出を抑えることができ、さらに安定して目標を追尾することができる。
実施の形態5.
図19は、実施の形態5に係るレーダ装置および追尾処理装置の構成を示すブロック図である。実施の形態4に係るレーダ装置および追尾処理装置は、周波数Aで送受信を行なう送受信部10aと周波数Bで送受信を行なう送受信部10bの2つの送受信部を備え、常に周波数Aおよび周波数Bの2つの周波数での観測を行なうことで、常に何れかの周波数により目標をクラッタと分離して検出することができ、ブラッグ散乱によるクラッタのある環境下でも安定して目標を追尾することができるが、実施の形態5に係るレーダ装置および追尾処理装置は、1つの送受信部10cにより時分割で交互に周波数Aと周波数Bによる観測を行ない、実施の形態4に係るレーダ装置および追尾処理装置と同様の効果を得るものである。
図19に示すとおり、実施の形態5に係るレーダ装置は、送受信部10c、ビーム形成部15c、信号処理部30e、スペクトル分析部60c、データ蓄積部80、信号比較部70a、および追尾処理装置100cを備えている。追尾処理装置100cは、周波数制御部20bおよび追尾処理部50を有する。また、それぞれの構成要素において、同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
送受信部10cは、最初に周波数AでFMCW方式の変調を行なった電波を水上の空間に送信し、受信した第1の反射波を、次に、周波数BでFMCW方式の変調を行なった電波を水上の空間に送信し、受信した第2の反射波を、ビーム形成部15cでディジタル受信信号にDBF処理を施してディジタル受信信号の形式でそれぞれディジタル受信信号の形式で信号処理部30eに出力する。
信号処理部30eは、ビーム形成部15cから入力した反射波を反射点の位置と速度で分離するレンジ・ドップラマップ作成部40cと、レンジ・ドップラマップ作成部40cで分離されたそれぞれの反射波について、閾値を設けて信号を検出する信号検出部31cと、信号検出部31cで検出された信号のそれぞれについて、距離情報、モノパルス測角処理による方位情報および検出されたドップラ周波数情報を付与したプロット信号を生成するプロット信号生成部32cとを備えており、ビーム形成部15cから第1の反射波を入力して第1のプロット信号を生成し、ビーム形成部15cから第2の反射波を入力して第2のプロット信号を生成する。第1のプロット信号の後に第2のプロット信号が生成されるため、信号処理部30eは、先に生成した第1のプロット信号をデータ蓄積部80に蓄積し、直接信号比較部70aに出力する第2のプロット信号と同時に信号比較器に送信する。
スペクトル分析部60aは、レンジ・ドップラマップ作成部40cが第1の反射波と第2の反射波からそれぞれ作成するレンジ・ドップラマップデータを入力し、第1の反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数と第1の反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数とを周波数制御部20bと信号比較部70に出力する。
信号比較部70aおよび信号比較部70aの備える検出比較部71aは、プロット信号を信号処理部30eとデータ蓄積部80から入力すること、クラッタのドップラ周波数をスペクトル分析部60cのみから入力すること以外は、それぞれ図14における信号比較部70および検出比較部71と同等である。また、信号比較部70aの動作は、図15ないし図17のフローチャートで表され、追尾処理部50aおよび周波数制御部20bの動作は、図18のフローチャートで表される。
なお、実施の形態5に係るレーダ装置および追尾処理装置においても、実施の形態4に係るレーダ装置および追尾処理装置と同様、図18のフローチャートにおいて、ST611で行なう目標のドップラ周波数の算出の処理を周波数設定部22bで行うものと説明したが、周波数設定部22bから送信周波数を入力して追尾ゲート設定部53で実施するように構成しても良い。また、ST612で行なう追尾ゲートの設定については、送信周波数を変更しない場合は、ST606において追尾フィルタ部52aでプロット信号を基に目標のドップラ周波数を推定し、ST612では、追尾ゲート設定部53が追尾フィルタ部52aの算出する目標のドップラ周波数を目標位置それぞれの推定値を追尾中心となるよう追尾ゲートを設定し、送信周波数を変更したときのみ平滑速度から目標のドップラ周波数を算出して設定するようにしても良い。
図19のように構成する実施の形態5に係るレーダ装置および追尾処理装置では、実施の形態4に係るレーダ装置および追尾処理装置と同様に、常に周波数Aおよび周波数Bの2つの周波数での観測を行なうことで、常に何れかの周波数により目標をクラッタと分離して検出することができる。また、追尾処理部50aでは、周波数Aで観測される第1のプロット信号と周波数Bで観測される第2のプロット信号を入力し、目標のドップラ周波数とクラッタのドップラ周波数が重ならないよう追尾するプロット信号を選択できるため、実施の形態4に係るレーダ装置と同様に、ブラッグ散乱によるクラッタのある環境下でも安定して目標を追尾することができる。さらに、上記の効果に加え、実施の形態5に係るレーダ装置では、送受信部10c、ビーム制御部15c、信号処理部30e、スペクトル分析部60cがそれぞれ1つで済むため、レーダ装置の規模を小さくできるという効果がある。
実施の形態6.
図20は、実施の形態6に係るレーダ装置および追尾処理装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1ないし実施の形態5では、観測に使用する電波の変調形式として、FMCW方式やFMICW方式の変調を用いる例を示したが、パルス変調を行った電波を使用して観測を行なっても良い。パルス変調を行った電波を使用する場合、FMCW方式やFMICW方式の変調を用いる場合とは異なり、反射波の反射点の距離を、パルス変調を行った電波を送信してから反射波が受信されるまでの時間により特定する。
図20に示すとおり、実施の形態6に係るレーダ装置は、送受信部10d、ビーム形成部15d、信号処理部30f、スペクトル分析部60d、および追尾処理装置100を備えている。追尾処理装置100は、周波数制御部20および追尾処理部50を有する。また、それぞれの構成要素において、同一の構成要素には、同一の符号を付して説明を省略する。
送受信部10dは、周波数制御部20により設定された周波数のパルス変調を行なった信号を発生し、反射波を複数の空中線により受信して、それぞれにA/D変換を行ない、複数の受信アンテナに対応した複数のチャネルのパルス信号によるディジタル受信信号としてビーム形成部15dに出力する。
ビーム形成部15dは、送受信部10dで受信した信号をDBF(Digital Beam Forming:ディジタルビーム形成)処理により合成して方位方向に方位方向のマルチビームを形成する。こうして、送受信部10dから入力した反射波をマルチビームのパルス信号の形式で信号処理部30fに出力する。
信号処理部30fは、ビーム形成部15dから反射波を入力し、プロット信号を追尾処理部50に出力する。このような信号処理部30fの構成は、以下の通りである。信号処理部30fは、ビーム形成部15dから入力したマルチビームの形式の反射波を反射点の速度で分離するドップラ分離部43dと、ドップラ分離部43dで分離されたそれぞれのパルス信号について、閾値を設けて信号を検出する信号検出部31dと、信号検出部31dで検出された信号のそれぞれについて、電波を送信してから反射波が受信されるまでの時間により距離を検出する距離検出部35と、距離情報、モノパルス測角処理による方位情報および検出されたドップラ周波数情報を付与したプロット信号を生成するプロット信号生成部32dとを備えている。
スペクトル分析部60dは、送受信部10dで受信し、信号処理部30fのドップラ分離部43dで分離された信号を入力し、それぞれの信号について電波を送信してから反射波が受信されるまでの時間により距離を算出し、それぞれの信号を分析してそれぞれの反射点の位置毎に、反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数を算出し、周波数制御部20に出力する。
追尾信号処理100、ならびに追尾信号処理100の備える周波数制御部20および追尾処理部50の構成は、図1に示す実施の形態1と同様であり、また、動作については、図7のフローチャートに示すとおりである。
図20のように構成する実施の形態6および追尾処理装置に係るレーダ装置は、実施の形態1に係るレーダ装置および追尾処理装置と同様に、目標の追尾結果により次回観測時における目標のドップラ周波数を推定し、クラッタのドップラ周波数と比較し重なりを判定することで次回の観測時に追尾中の目標を観測可能か判断できる。このため、目標のドップラ周波数の推定値とクラッタのドップラ周波数とが重なる場合は、次回の観測における送信周波数を変更することで、追尾中の目標を観測可能にする効果がある。また、送信周波数の変更に従い、変更した送信周波数に対する目標のドップラ周波数を算出して追尾ゲートに設定することで、周波数を変更しても安定して目標を追尾することができる。また、実施の形態6に係るレーダ装置では、反射波の反射点の距離を、電波を送信してから反射波が受信されるまでの時間により算出するため、簡単な構成で実現でき、実施の形態1と比較して、1次FFTが不要となる分、信号処理の規模を低減できる効果がある。
また、図20のように、パルス変調を行った電波を使用し、反射波の反射点の距離を、電波を送信してから反射波が受信されるまでの時間により算出する実施の形態6に係るレーダ装置の構成は、実施の形態1のみならず、実施の形態2ないし実施の形態5についても適用することができ、同様の効果を得ることができる。
実施の形態7.
図21は、実施の形態7に係るレーダ装置および追尾処理装置の構成を示すブロック図である。実施の形態1ないし実施の形態6では、送信ビームは水平方向に広いファンビームを形成し、受信ビームはDBFによるマルチ・ペンシルビームを形成する方式であるのに対して、実施の形態7では、送信/受信ともにペンシルビームを形成し、方位方向に電子的にビーム走査を行い送受信を行う構成とする。
図21に示すとおり、実施の形態7に係るレーダ装置は、送受信部10e、信号処理部30、追尾処理装置100、スペクトル分析部60、およびビーム制御部90とを備えている。追尾処理装置100は、周波数制御部20および追尾処理部50を有する。送受信部10eは、周波数制御部20により設定された周波数の信号を発生する送信部11aと、複数の空中線素子により送信ビームを形成し、送信部11の発生した電波を水上の空間に送信する送信空中線12aと、目標や水上で反射された反射波を受信する複数の受信空中線13と、複数の受信空中線13から受信した反射波を入力して、電子的な受信ビームを形成し、A/D変換を行うことで複数の受信アンテナに対応した複数のチャネルのディジタル受信信号を生成する受信部14とを備えている。送受信部10eでは、複数の送信空中線12aと複数の受信空中線13によりフェーズドアレーアンテナ等の原理により電子的に送信ビームとビームの走査を行う。また、送受信部10eは、制御部90の制御に従い送信ビームと受信ビームを同じ方向に指向させながら走査し、走査した各ビームのデータを信号処理部30に出力する。このため、図11の送受信部10eが出力するデータは、図1のビーム形成部15が出力するデータと同等のものになる。
信号処理部30、スペクトル分析部60、追尾処理装置100、および追尾処理装置100の構成は、図1に示す実施の形態1と同様である。また、追尾処理装置100が有する周波数制御部20および追尾処理部50の構成は、図1に示す実施の形態1と同様である。さらに、周波数制御部20および追尾処理部50の動作は、図7のフローチャートに示すとおりである。
図21のように構成する実施の形態7に係るレーダ装置および追尾処理装置は、実施の形態1に係るレーダ装置と同様に、目標の追尾結果により次回観測時における目標のドップラ周波数を推定し、クラッタのドップラ周波数と比較し重なりを判定することで次回の観測時に追尾中の目標を観測可能か判断できる。このため、目標のドップラ周波数の推定値とクラッタのドップラ周波数とが重なる場合は、次回の観測における送信周波数を変更することで、追尾中の目標を観測可能にする効果がある。また、送信周波数の変更に従い、変更した送信周波数に対する目標のドップラ周波数を算出して追尾ゲートに設定することで、周波数を変更しても安定して目標を追尾することができる。また、受信ビームを、送受信部10e内で生成するため、DBF処理を行うビーム形成部15が不要になるため、装置規模を低減できる効果がある。
なお、実施の形態7では、実施の形態1に対して送信/受信ともにペンシルビームを形成し、方位方向に電子的にビーム走査を行う構成を適用したが、実施の形態2ないし実施の形態6に対しても同様に送信/受信ともにペンシルビームを形成し、方位方向に電子的にビーム走査を行う構成を適用することは可能であり、同様の効果を得ることができる。
10、10a、10b、10c、10d、10e 送受信部
15、15a、15b、15c、15d ビーム形成部
20、20a、20b 周波数制御部
21、21a ドップラ周波数推定部
22、22a、22b 周波数設定部
30、30a、30b、30c、30d、30e、30f 信号処理部
50、50a 追尾処理部
51、51a 相関処理部
52、52a 追尾フィルタ部
53 追尾ゲート設定部
60、60a、60b、60c、60d スペクトル分析部
70、70a 信号比較部
70、71a 検出比較部
72 重み算出部
80 データ蓄積部
90 ビーム制御部
100、100a、100b、100c 追尾処理装置

Claims (6)

  1. 水上の目標を探知し追尾するレーダ装置であって、電波を送信し反射波を受信する送受信部と、前記送受信部が受信した反射波から信号強度が閾値以上の信号を検出し、検出した信号から算出される反射点の位置とドップラ周波数とから成るプロット信号を出力する信号処理部と、前記信号処理部の出力する前記プロット信号を、前記目標の予測位置と前記送受信部が送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値とを追尾中心とした追尾ゲートにより選択し、目標信号を生成する相関処理部と、第1の時刻に前記送受信部が第1の送信周波数で電波を送信し受信した反射波を前記信号処理部と前記相関処理部とで処理して生成した前記目標信号から、前記第1の時刻の後の第2の時刻についての前記目標の予測位置である第1の位置と前記目標の移動する速度の推定値である平滑速度とを算出する追尾フィルタ部と、前記第2の時刻に前記送受信部が前記第1の送信周波数で送信した電波の、前記目標による反射のドップラ周波数の予測値である第1のドップラ周波数を推定するドップラ周波数推定部と、前記送受信部が前記第1の送信周波数で電波を送信し受信した反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数である第2のドップラ周波数と前記第1のドップラ周波数とを比較し、前記第1のドップラ周波数と前記第2のドップラ周波数とが重なる場合は前記第1の送信周波数とは異なる第2の送信周波数を、重ならない場合は前記第1の送信周波数を、それぞれ前記送受信部が前記第2の時刻に送信する電波の送信周波数として設定する周波数設定部と、前記周波数設定部の設定した送信周波数で前記第2の時刻に前記送受信部が送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値である第3のドップラ周波数を算出し、前記相関処理部の前記追尾ゲートの前記追尾中心に前記第1の位置と前記第3のドップラ周波数とを設定する追尾ゲート設定部とを備えたレーダ装置。
  2. 前記信号処理部は、前記送受信部が電波を送信し受信した反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数の信号を抑圧する帯域阻止フィルタを有する周波数フィルタ部を備え、前記周波数フィルタ部は、前記第1の時刻に前記送受信部が前記第1の送信周波数で電波を送信し受信した反射波から適応アルゴリズムにより求めた第1のフィルタ係数により前記帯域阻止フィルタのフィルタ特性を設定し、前記送受信部が前記第2の時刻に送信する電波の送信周波数を前記周波数設定部が前記第2の送信周波数に変更すると、前記第1のフィルタ係数と前記第2の送信周波数とから算出される第2のフィルタ係数により前記帯域阻止フィルタのフィルタ特性を変更することを特徴とする
    請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 水上の目標を探知し追尾するレーダ装置であって、第1の送信周波数の電波を送信し前記第1の送信周波数の電波の反射波である第1の反射波を受信する第1の送受信部と、前記第1の送受信部が受信した前記第1の反射波から信号強度が閾値以上の信号を検出し、検出した信号から算出される反射点の位置とドップラ周波数とから成る第1のプロット信号を出力する第1の信号処理部と、前記第1の送信周波数とは異なる第2の送信周波数の電波を送信し前記第2の送信周波数の電波の反射波である第2の反射波を受信する第2の送受信部と、前記第2の送受信部が受信した前記第2の反射波から信号強度が閾値以上の信号を検出し、検出した信号から算出される反射点の位置とドップラ周波数とから成る第2のプロット信号を出力する第2の信号処理部と、前記第1のプロット信号および前記第2のプロット信号を、前記目標の予測位置と前記第1の送受信部が送信した前記第1の送信周波数の電波または前記第2の送受信部が送信した前記第2の送信周波数の電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値とを追尾中心とした追尾ゲートにより選択し、目標信号を生成する相関処理部と、第1の時刻に前記相関処理部が前記第1のプロット信号および前記第2のプロット信号を、前記目標の前記第1の時刻の予測位置と前記第1の時刻に前記第1の送受信部が送信した前記第1の周波数の電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値とを追尾中心とした追尾ゲートにより選択して生成した前記目標信号から、前記第1の時刻の後の第2の時刻についての前記目標の予測位置である第1の位置と前記目標の移動する速度の推定値である平滑速度とを算出する追尾フィルタ部と、前記第2の時刻に前記第1の送受信部が前記第1の周波数で送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数である第1のドップラ周波数を推定するドップラ周波数推定部と、前記第1の反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数である第2のドップラ周波数と前記第1のドップラ周波数との重なりを判定する周波数設定部と、前記周波数設定部の判定結果に基づき、前記第1のドップラ周波数と前記第2のドップラ周波数とが重なる場合は、前記第2の時刻に前記第2の送受信部が前記第2の送信周波数で送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値である第4のドップラ周波数を算出し、前記相関処理部の前記追尾ゲートの前記追尾中心に前記第1の位置と前記第4のドップラ周波数とを設定する追尾ゲート設定部とを備えたレーダ装置。
  4. 水上の目標を探知し追尾するレーダ装置であって、第1の送信周波数の電波を送信して前記第1の送信周波数の電波の反射波である第1の反射波を受信し、前記第1の送信周波数とは異なる第2の送信周波数の電波を送信して前記第2の送信周波数の電波の反射波である第2の反射波を受信する送受信部と、前記送受信部が受信した前記第1の反射波から信号強度が閾値以上の信号を検出し、検出した信号から算出される反射点の位置とドップラ周波数とから成る第1のプロット信号を出力し、前記送受信部が受信した前記第2の反射波から信号強度が閾値以上の信号を検出し、検出した信号から算出される反射点の位置とドップラ周波数とから成る第2のプロット信号を出力する信号処理部と、前記第1のプロット信号および前記第2のプロット信号を、前記目標の予測位置と前記送受信部が送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値とを追尾中心とした追尾ゲートにより選択し、目標信号を生成する相関処理部と、第1の時刻に前記相関処理部が前記第1のプロット信号および前記第2のプロット信号を、前記目標の前記第1の時刻の予測位置と前記第1の時刻に前記送受信部が前記第1の送信周波数で送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値とを追尾中心とした追尾ゲートにより選択して生成した前記目標信号から、前記第1の時刻の後の第2の時刻についての前記目標の予測位置である第1の位置と前記目標の移動する速度の推定値である平滑速度とを算出する追尾フィルタ部と、前記第2の時刻に前記送受信部が前記第1の周波数で送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数である第1のドップラ周波数を推定するドップラ周波数推定部と、前記第1の反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数である第2のドップラ周波数と前記第1のドップラ周波数との重なりを判定する周波数設定部と、前記周波数設定部の判定結果に基づき、前記第1のドップラ周波数と前記第2のドップラ周波数が重なる場合は、前記第2の時刻に前記第2の送受信部が前記第2の送信周波数で送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値である第4のドップラ周波数を算出し、前記相関処理部の前記追尾ゲートの追尾中心に前記第1の位置と前記第4のドップラ周波数とを設定する追尾ゲート設定部とを備えたレーダ装置。
  5. 電波を送信し、受信した反射波から反射点の位置とドップラ周波数とから成るプロット信号を生成し、水上の目標を探知し追尾するレーダ装置に備えられて追尾処理を行う追尾処理装置であって、生成された前記プロット信号を、前記目標の予測位置と前記レーダ装置が送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値とを追尾中心とした追尾ゲートにより選択し、目標信号を生成する相関処理部と、第1の時刻に前記レーダ装置が第1の送信周波数の電波を送信し受信した反射波から生成した前記プロット信号を前記相関処理部で処理して生成した前記目標信号から、前記第1の時刻の後の第2の時刻についての前記目標の予測位置である第1の位置と前記目標の移動する速度の推定値である平滑速度とを算出する追尾フィルタ部と、前記第2の時刻に前記レーダ装置が前記第1の送信周波数で送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値である第1のドップラ周波数を推定するドップラ周波数推定部と、前記レーダ装置が前記第1の送信周波数の電波を送信し受信した反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数である第2のドップラ周波数と前記第1のドップラ周波数とを比較し、前記第1のドップラ周波数と前記第2のドップラ周波数とが重なる場合は前記第1の送信周波数と異なる第2の送信周波数を、重ならない場合は前記第1の送信周波数を、それぞれ前記第2の時刻に前記レーダ装置が送信する電波の送信周波数として設定する周波数設定部と、前記周波数設定部が設定する送信周波数で前記第2の時刻に前記送受信部が送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値である第3のドップラ周波数を算出し、前記相関処理部の前記追尾ゲートの追尾中心に前記第1の位置と前記第3のドップラ周波数とを設定する追尾ゲート設定部とを備えた追尾処理装置。
  6. 互いに異なる第1の送信周波数および第2の送信周波数の電波を送信し、受信したそれぞれの反射波から反射点の位置とドップラ周波数とから成るプロット信号を生成し、水上の目標を探知し追尾するレーダ装置に備えられて追尾処理を行う追尾処理装置であって、
    生成された前記プロット信号を、前記目標の予測位置と前記レーダ装置が送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値とを追尾中心とした追尾ゲートにより選択し、目標信号を生成する相関処理部と、第1の時刻に前記レーダ装置が第1の送信周波数の電波を送信し受信した反射波から生成した前記プロット信号を前記相関処理部で処理して生成した前記目標信号から、前記第1の時刻の後の第2の時刻についての前記目標の予測位置である第1の位置と前記目標の移動する速度の推定値である平滑速度とを算出する追尾フィルタ部と、前記第2の時刻に前記レーダ装置が前記第1の送信周波数で送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値である第1のドップラ周波数を推定するドップラ周波数推定部と、前記レーダ装置が前記第1の送信周波数の電波を送信し受信した反射波に含まれるクラッタのドップラ周波数である第2のドップラ周波数と前記第1のドップラ周波数との重なりを判定する周波数設定部と、前記周波数設定部の判定結果に基づき、前記第1のドップラ周波数と前記第2のドップラ周波数が重なる場合は、前記第2の時刻に前記レーダ装置が前記第2の送信周波数で送信した電波の前記目標による反射のドップラ周波数の予測値である第4のドップラ周波数を算出し、前記相関処理部の前記追尾ゲートの前記追尾中心に前記第1の位置と前記第4のドップラ周波数とを設定する追尾ゲート設定部とを備えた追尾処理装置。
JP2013020668A 2013-02-05 2013-02-05 レーダ装置および追尾処理装置 Pending JP2014153088A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013020668A JP2014153088A (ja) 2013-02-05 2013-02-05 レーダ装置および追尾処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013020668A JP2014153088A (ja) 2013-02-05 2013-02-05 レーダ装置および追尾処理装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014153088A true JP2014153088A (ja) 2014-08-25

Family

ID=51575108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013020668A Pending JP2014153088A (ja) 2013-02-05 2013-02-05 レーダ装置および追尾処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014153088A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019194627A (ja) * 2019-08-05 2019-11-07 日本無線株式会社 レーダ信号処理装置およびレーダ装置
JP2020051802A (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーダ装置及び物標判定方法
JP2021099244A (ja) * 2019-12-20 2021-07-01 株式会社東芝 レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法
WO2021241045A1 (ja) * 2020-05-25 2021-12-02 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 信号処理装置、および信号処理方法、並びにプログラム

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020051802A (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーダ装置及び物標判定方法
US11269042B2 (en) 2018-09-25 2022-03-08 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Radar apparatus and target determination method
JP7108929B2 (ja) 2018-09-25 2022-07-29 パナソニックIpマネジメント株式会社 レーダ装置及び物標判定方法
JP2019194627A (ja) * 2019-08-05 2019-11-07 日本無線株式会社 レーダ信号処理装置およびレーダ装置
JP2021099244A (ja) * 2019-12-20 2021-07-01 株式会社東芝 レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法
JP7399706B2 (ja) 2019-12-20 2023-12-18 株式会社東芝 レーダ装置及びそのレーダ信号処理方法
WO2021241045A1 (ja) * 2020-05-25 2021-12-02 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 信号処理装置、および信号処理方法、並びにプログラム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3640675B1 (en) Estimating angle of a human target using millimeter-wave radar
WO2010134381A1 (ja) レーダ装置
KR101088053B1 (ko) 다수의 레이더를 가간섭적으로 결합하기 위한 시스템 및방법
CN106796282B (zh) 使用连续波和chirp信号来确定物体的距离、相对速度和方位的雷达系统和方法
JP5709476B2 (ja) レーダ装置
US11422251B2 (en) Angle-resolving broadband radar sensor for motor vehicles
JP2010019824A (ja) レーダ装置
JP5811931B2 (ja) 位相モノパルスレーダ装置
JP6088492B2 (ja) パルス信号設定装置、レーダ装置、パルス信号設定方法及びパルス信号設定プログラム
US9075142B2 (en) Device and method for selecting signal, and radar apparatus
WO2020003459A1 (ja) 目標検出装置、測角装置及びレーダ装置
JP2014153088A (ja) レーダ装置および追尾処理装置
JP5247077B2 (ja) 移動目標検出装置
JP5737831B2 (ja) 移動目標検出装置
JP2010060459A (ja) モノパルスレーダ装置
JP6095899B2 (ja) 物標運動推定装置、物標運動推定方法、およびレーダ装置
JP2010175457A (ja) レーダ装置
JP6809674B2 (ja) 到来波角度推定方法、および、到来波角度推定装置
JP5925264B2 (ja) レーダ装置
JP2010237087A (ja) レーダ装置及びそれを用いた電波到来方向の計測方法
JP5163765B2 (ja) 測角装置、レーダ装置、測角方法及び測角プログラム
KR101052050B1 (ko) 다수의 레이더를 가간섭적으로 결합하여 이동 표적의 감지율을 향상시키는 방법 및 그 방법이 적용된 레이더 시스템
JP2007024823A (ja) レーダシステム
JP2014106024A (ja) 目標検出装置及び目標検出方法
JP4937782B2 (ja) レーダ装置