JP5247077B2 - 移動目標検出装置 - Google Patents
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Description
から位相偏差Δφを算出し、
算出された上記位相偏差Δφに関するアンテナ利得pa(Δφ)を上記記憶している手段から読み出し、
から上記和の複素信号の確率密度p’(η,ψ)を算出し、
各和の複素信号について上記確率密度p’(η,ψ)を求め、求めた確率密度p’(η,ψ)が上記しきい値Pth以下であれば移動目標であると判断する検出手段と、を備えた。
この発明に係る実施の形態1による移動目標検出装置は、例えば航空機、艦船、衛星などのようなレーダプラットフォーム30に搭載され、移動している移動目標32を観測する。なお、以下の説明では移動目標検出装置の送受信アンテナ1のアンテナ開口面をレーダプラットフォーム30の進行方向に平行になるように設定し、送受信アンテナ1のビームをアンテナ開口面に対して垂直になるように設定し、ビームのフットプリント31を図1に示すように設定して説明する。また、2次元平面内を仮定して動作を説明するが、これらの仮定を満足しない場合であっても、容易に拡張して考えることが可能である。
この発明に係る実施の形態1による移動目標検出装置は、送受信アンテナ1の2つの第1のアンテナ2および第2のアンテナ3、送信機8、第1の送受切換器9a、第2の送受切換器9b、第1の受信機10a、第2の受信機10b、第1の受信機10aからの第1の複素信号を遅延させる遅延手段11、遅延手段11で遅延された第1の複素信号を記憶する第1の記憶手段33a、および、第2の受信機10bからの第2の複素信号を記憶する第2の記憶手段33bを備える。
送信機8は、パルス繰り返し間隔Tp’毎に高周波パルスを発生し、第1の送受切換器9aと第2の送受切換器9bの両方に送信する。
第1の送受切換器9aと第2の送受切換器9bは、それぞれ送信機8からの高周波パルスを第1のアンテナ2と第2のアンテナ3に送信するとともに、第1のアンテナ2と第2のアンテナ3が受信したパルスをそれぞれ第1の受信機10aと第2の受信機10bに送信する。なお、第1のアンテナ2で受信したパルスを第1のパルス、第2のアンテナ3で受信したパルスを第2のパルスと称す。
第1のアンテナ2と第2のアンテナ3とから同じ高周波パルスが同時に空中に放射され、送受信アンテナ1の電気的位相中心位置から送信したことになる。また、受信した第1のパルスと第2のパルスは、それぞれ第1のアンテナ2と第2のアンテナ3の電気的位相中心位置で受信したことになる。
第2の受信機10bは、第2のパルスを増幅し、同期検波して得られた第2の複素信号を第2の記憶手段33bに送信する。
遅延手段11は、第1の複素信号を1パルス繰り返し間隔分時間遅延して第1の記憶手段33aに送信する。
第2の画像再生手段12bは、第2の記憶手段33bに所定数のパルスから得られた第2の複素信号が蓄積される度に第2の記憶手段33bから読み出して第2のレーダ画像として再生する。
乗算手段14は、第1の画像再生手段12aからの第1のレーダ画像を構成する第1の複素信号と複素共役手段13からの第2のレーダ画像を構成する第2の複素信号に対する複素共役の複素信号とを乗算して積の複素信号を求める。
プリサム手段27は、近傍の画素での乗算手段14からの積の複素信号をプリサムして和の複素信号を求め、和の複素信号とプリサム数nを出力する。
アンテナパターン記憶手段35は、位相偏差Δφに対するアンテナ利得pa(Δφ)が記憶されている。
位置ずれ算出手段21は、送受信アンテナ1の開口長D、パルス繰り返し間隔Tp’、レーダプラットフォーム30の対地速度vを式(4)に代入して、第1のパルスにおける送受信の電気的位相中心位置と、第2のパルスにおける送受信の電気的位相中心位置との位置ずれΔxを算出する。
また、しきい値算出手段20は、和の複素信号の振幅ηおよび位相角ψ、算出される位相偏差Δφ、プリサム手段27のプリサムにおいて用いられる近傍平均をとる画素の数であるプリサム数n、予め定められたコヒーレンスρ、読み出したアンテナ利得pa(Δφ)を式(6)に代入して和の複素信号の確率密度p’(η,ψ)を算出する。なお、式(6)のΓはガンマ関数、Kは第2種の変形ベッセル関数である。
また、しきい値算出手段20は、式(6)から求めた和の複素信号の確率密度p’(η,ψ)を用いて、与えられた誤警報確率Pfaの下で検出確率を最大化するしきい値Pthを式(7)で求める。
次に、この発明に係る実施の形態1による移動目標検出装置の動作を説明する。
送信機8が発生した高周波パルスは、先のパルスとして第1の送受切換器9aと第2の送受切換器9bを通して第1のアンテナ2および第2のアンテナ3から同時に空中に放射される。すなわち、先のパルスは電気的位相中心位置5aから送信されたことになる。
先のパルスは移動目標に到達し反射して送受信アンテナ1に戻ってくるが、その間に送受信アンテナ1は電波伝播遅延時間をτ、レーダプラットフォーム30の対地速度をvとすると距離v・τだけ移動する。そして、戻ってきた先のパルスを第1のアンテナ2で受信するが、電気的位相中心位置6aで受信されたことになる。この第1のアンテナ2で受信された先のパルスを第1のパルスと称す。
後のパルスは移動目標に到達し反射して送受信アンテナ1に戻ってくるが、その間に送受信アンテナ1は距離v・τだけ移動する。そして、戻ってきた後のパルスを第2のアンテナ3で受信するが、電気的位相中心位置7bで受信されたことになる。この第2のアンテナ3で受信された後のパルスを第2のパルスと称す。
第2のアンテナ3で受信された第2のパルスは、第2の送受切換器9bを通して第2の受信機10bへ送られ、増幅され、同期検波されて第2の複素信号に変換される。この第2の複素信号は、第2の記憶手段33bに蓄積される。
第2の記憶手段33bに蓄積された所定数の第2の複素信号は、第2の画像再生手段12bで第2の記憶手段33bから読み出され、第2のレーダ画像を構成する第2の複素信号として出力される。
第2のレーダ画像を構成する第2の複素信号は、複素共役手段13で第2のレーダ画像を構成する複素共役信号に変換される。
第3のレーダ画像を構成する積の複素信号は、プリサム手段27でプリサムされて第4のレーダ画像を構成する和の複素信号に変換される。
次に、算出した位置ずれΔx、速度ベクトルと直交する方位を基準としたアンテナビームの方位角θおよびレーダの送信波長λを式(5)に代入して位相偏差Δφを算出する。
次に、式(6)で算出した和の複素信号の確率密度p’(η,ψ)を用いて、与えられた誤警報確率Pfaの下で検出確率を最大化するしきい値Pthを式(7)で求める。
最後に、各和の複素信号について式(6)に従って求めた確率密度p’(η,ψ)がしきい値Pth以下であれば移動目標であると判断する。
図4(a)には、DPCA条件を満たしていないときに式(6)に従って算出したクラッタの確率密度p’(η,ψ)と、クラッタの等確率密度線とが複素信号平面上に図示されている。この図4(a)に図示された点18の座標が各クラッタの振幅と位相を表し、線19は等確率密度線である。
一方、図4(b)には、比較のために、DPCA条件を満たしていないときに式(1)に従って算出したクラッタの確率密度p(η,ψ)と、クラッタの等確率密度線とが複素信号平面上に図示されている。
一方、図4(a)から分かるように、クラッタを示す点18の分布は等確率密度線19とよく一致しており、例えDPCA条件を満足しない場合においても、与えられた誤警報確率Pfaの下で移動目標の検出確率を最大とすることができる。
図5は、この発明に係る実施の形態2による移動目標検出装置の構成を示す図である。
この発明に係る実施の形態2による移動目標検出装置は、図5に示すように、この発明に係る実施の形態1による移動目標検出装置のしきい値算出手段20の代わりにしきい値読み出し手段23、しきい値テーブル算出手段24およびしきい値記憶手段25を備えたことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
しきい値読み出し手段23は、プリサム手段27のプリサムで用いたプリサム数nおよび位置ずれ算出手段21からの位置ずれΔxに基づいてしきい値テーブルから対応するしきい値Pthを読み出し、検出手段34へ出力する。
図6は、この発明に係る実施の形態3による移動目標検出装置の構成を示す図である。
この発明に係る実施の形態3による移動目標検出装置は、図6に示すように、この発明に係る実施の形態1による移動目標検出装置にコヒーレンス推定手段26を追加したことが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
この発明に係る実施の形態3によるコヒーレンス推定手段26は、第1の画像再生手段12aから出力される第1のレーダ画像の第1の複素信号と第2の画像再生手段12bから出力される第2のレーダ画像の第2の複素信号とのコヒーレンスρを推定する。
しきい値算出手段20は、和の複素信号の振幅ηおよび位相角ψ、算出される位相偏差Δφ、プリサム数n、第1のレーダ画像と第2のレーダ画像とのコヒーレンスρ、読み出したアンテナ利得pa(Δφ)を式(6)に代入して和の複素信号の確率密度p’(η,ψ)を算出するが、コヒーレンスρはコヒーレンス推定手段26が推定した値を代入する。
なお、実施の形態1による移動目標検出装置の動作とコヒーレンスρを推定する動作が加わったことが異なるので、この加わった動作だけについて説明する。
第1のレーダ画像を構成する第1の複素信号と第2のレーダ画像を構成する第2の複素信号とは、コヒーレンス推定手段26で第1のレーダ画像と第2のレーダ画像との間のコヒーレンスが推定される。
Claims (3)
- プラットフォームの移動方向に分割された2つの開口を持ち且つパルス繰り返し間隔でパルスが発信され反射パルスを受信するアンテナ、第1の送信パルスによる先行する一方の上記開口で受信されたパルスが変換された第1の複素信号をパルス繰り返し間隔分遅延する遅延手段、上記遅延された所定数の第1の複素信号から第1のレーダ画像を再生する第1の画像再生手段、および上記第1の送信パルスから上記パルス繰り返し間隔分遅れて発信された第2の送信パルスによる他方の上記開口で受信されたパルスが変換された所定数の第2の複素信号から第2のレーダ画像を再生する第2の画像再生手段を備える移動目標検出装置において、
上記第2のレーダ画像を構成する第2の複素信号の複素共役を求める複素共役手段と、
上記第1のレーダ画像を構成する第1の複素信号に上記第2のレーダ画像の複素共役の複素信号を乗算して積の複素信号を求める乗算手段と、
近傍の画素での上記乗算手段からの積の複素信号をプリサムして和の複素信号を求め和の複素信号とプリサム数nを出力するプリサム手段と、
上記プラットフォームの対地速度を求める手段と、
求められた上記対地速度に基づく上記パルス繰り返し間隔の間に上記アンテナが移動した距離と上記アンテナの開口長の4分の1との差で求まる、上記第1の送信パルスに関する送受信の電気的位相中心位置と上記第2の送信パルスに関する送受信の電気的位相中心位置との位置ずれΔxを算出する手段と、
電気的位相中心位置の位相偏差Δφに関するアンテナ利得pa(Δφ)を記憶している手段と、
から位相偏差Δφを算出し、
算出された上記位相偏差Δφに関するアンテナ利得pa(Δφ)を上記記憶している手段から読み出し、
から上記和の複素信号の確率密度p’(η,ψ)を算出し、
各和の複素信号について上記確率密度p’(η,ψ)を求め、求めた確率密度p’(η,ψ)が上記しきい値Pth以下であれば移動目標であると判断する検出手段と、
を備えたことを特徴とする移動目標検出装置。 - 上記しきい値算出手段が、
想定される上記プリサム数nおよび位置ずれΔxに基づいて予め上記しきい値Pthを計算するしきい値テーブル算出手段と、
算出した上記しきい値をしきい値テーブルとして記憶するしきい値記憶手段と、
上記プリサム手段のプリサムで用いたプリサム数nおよび上記位置ずれを算出する手段の位置ずれΔxに基づいて上記しきい値テーブルから対応するしきい値Pthを読み出し上記検出手段へ出力するしきい値読み出し手段と、
から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の移動目標検出装置。 - 上記第1の画像再生手段および上記第2の画像再生手段により再生された2つのレーダ画像のコヒーレンスを求める手段を備え、
上記しきい値算出手段が、上記コヒーレンスを求める手段で求めたコヒーレンスを使用することを特徴とする請求項1または2に記載の移動目標検出装置。
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