JP6016529B2 - 合成開口レーダ装置 - Google Patents

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Description

この発明は、複数のアンテナ開口で受信した信号から移動目標の信号を検出し、検出した移動目標の速度を推定する合成開口レーダ装置に関するものである。
プラットフォームの進行方向(この方向をアロングトラック方向と呼ぶ)に2つ以上のアンテナ開口を並べ、各アンテナ開口で受信された信号を用いてそれぞれ合成開口レーダ(SAR;Synthetic Aperture Radar)画像を生成した後、これらの画像を組み合わせて静止目標の信号を抑圧することにより、移動目標を検出し、その速度を推定する方式が知られている(例えば、非特許文献1を参照)。
2つのアンテナ開口を用いた方式としては、例えば、非特許文献2に記載されている方式が知られている。非特許文献2に記載の方式では、2つのアンテナ開口で受信された信号を用いてそれぞれSAR画像を生成し、生成された2つのSAR画像の位置あわせを実施した後に、複素振幅の差分あるいは位相差を算出し、差分画像あるいは位相差画像を生成する。これら2つのSAR画像は、若干の時間差をつけて同じ場所で観測した2枚の画像と理解することができる。すると、当然、静止目標の信号は2つのSAR画像で一致するため、前記差分画像において、静止目標からの信号の振幅は抑圧される。また、前記位相差画像において、静止目標からの信号については位相差がほぼゼロである。一方で、移動目標は各SAR画像を観測した時刻において位置がずれるため、前記差分画像において、振幅が抑圧されない。また、前記位相差画像において、位置ずれの分に対応した位相差が発生している。そこで、非特許文献2に記載の方式では、前記差分画像における絶対値の大きい画素、および位相差画像における位相差の大きい画素を、移動目標信号が存在する画素として検出する。さらに、この位相差は、目標の速度のうち、レーダの視線方向の成分に比例することを利用して、目標速度のレーダ視線方向成分を推定する。なお、レーダの視線方向の速度は、後述するクロストラック方向の速度とほぼ同義である。視線方向の速度とクロストラック方向の速度の関係については下記実施の形態1において説明する。
また、2つ以上のアンテナ開口を用いた方式については、例えば非特許文献3に記載されている方式が知られている。非特許文献3に記載のこの方式では、複数のアンテナ開口で受信した信号に、時空間フィルタを適用することによって移動目標を検出するとともに、目標速度のレーダ視線方向成分を推定する。非特許文献3に記載のこの方式は、検出性能が高いが演算量が増大する問題がある。
非特許文献2および非特許文献3に記載の方式では、目標速度のレーダ視線方向成分を推定することが可能であるが、目標速度のレーダ視線方向に直交する成分については、推定することが出来ない。なお、レーダ視線方向に直交する方向の速度は、後述するアロングトラック方向の速度とほぼ同義である。視線方向に直交する方向の速度とアロングトラック方向の速度の関係については下記実施の形態1において説明する。
目標速度のレーダ視線方向に直交する成分を推定する方式としては、非特許文献4に記載の方式がある。非特許文献4に記載のこの方式では、レンジマイグレーション補償後の信号に対して、レジストレーション処理によって複数のアンテナ開口で受信した信号の位置合わせを実施し、これらの信号の差分処理によってクラッタ成分を抑圧した後、閾値処理によって移動目標信号を含むアジマスラインを抽出する。次いで、抽出されたアジマスラインの信号に対して、アジマス方向にFractional Fourier Transform(FrFT)を適用することで、同じアジマスラインに複数の移動目標が存在する場合に、これらの目標を分離するとともに、クラッタ成分を抑圧して移動目標信号を分離、抽出する。その後、レジストレーション処理によって位置合わせをしていた信号を再度元に戻し、パルス毎に信号を干渉させることによって、パルスヒット毎の位相差を計算する。ここで得られた位相差の変化率が、目標速度のレーダ視線方向に直交する成分に比例することに着目し、このようにして計測された位相差の変化率から、目標速度のレーダ視線方向に直交する成分を推定する。
大内和夫著、「リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎」、東京電機大学出版局 C.Gierull,"Moving Target Detection with Along−Track SAR Interferometry",Technical Report DRDC−OTTAWA−TR−2002−084,Defence Research & Development Canada,2002 J.H.Ender,"Space−time processing for multichannel synthetic aperture radar",Electronics & Communication Engineering Journal,pp.29−38,Feb.1999 S.V.Baumgartner,G.Krieger,"Acceleration−independent along−track velocity estimation of moving targets",IET Radar Sonar Navig.,2010,Vol.4,Iss.3,pp.474−487
上記に述べたような、非特許文献2および非特許文献3に記載のような方式では、目標速度のレーダ視線方向成分を推定することができるものの、目標速度のレーダ視線方向に直交する成分を推定することはできなかった。
また、非特許文献4に記載の方式では、目標速度のレーダ視線方向に直交する成分を推定することができるものの、演算量の多いFrFTの処理を実行する必要があるため、演算負荷が高いという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、2つ以上または3つ以上のアンテナ開口を用いて観測した合成開口レーダの信号を適切に組み合わせることで、演算量の多いFrFTの処理を実行することなく目標速度のレーダ視線方向に直交する成分を推定することを目的とする。
この発明に係る合成開口レーダ装置は、観測範囲に照射したパルス信号を複数のアンテナで受信した各受信信号を用いて、各SAR画像を再生するSAR画像再生部と、複数のアンテナを搭載したプラットフォームの、少なくとも速度を計測するプラットフォーム運動計測部と、プラットフォーム運動計測部で計測したプラットフォームの速度情報を用いて、SAR画像再生部の再生した各SAR画像の位置あわせを行うレジストレーション部と、レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像を比較して、観測範囲内を移動する移動目標を表す信号を検出する移動目標検出部と、移動目標検出部で検出された移動目標を表す信号に基づき、移動目標のクロストラック速度を推定する移動目標クロストラック速度推定部と、移動目標クロストラック速度推定部で推定された移動目標のクロストラック速度に基づき、移動目標のアジマス位置を推定する移動目標位置推定部と、レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像の信号をパルス毎に干渉させて位相差の変化率を算出し、移動目標のアロングトラック速度を推定する移動目標アロングトラック速度推定部とを備え、移動目標アロングトラック速度推定部は、レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像に対してアジマス解凍処理を施すアジマス解凍部と、移動目標位置推定部で推定された移動目標の位置情報に基づき、アジマス解凍部でアジマス解凍処理された各SAR画像の信号のうち、移動目標を含む信号の中から移動目標にパルス信号が当たっている時間内に含まれるパルス番号を設定する番号算出部と、番号算出部で設定されたパルス番号毎に、アジマス解凍処理された各信号を干渉させて、位相差を算出する位相差算出部と、位相差算出部で算出されたパルス番号毎の位相差のヒストリから当該位相差の変化率を算出する位相差変化率算出部と、位相差変化率算出部で算出された位相差の変化率をアロングトラック速度に変換し、移動目標のアロングトラック速度の推定値を得る位相差変化率速度変換部とを有するものである。
この発明に係る合成開口レーダ装置は、観測範囲に照射したパルス信号を複数のアンテナで受信した各受信信号を用いて、各SAR画像を再生するSAR画像再生部と、複数のアンテナを搭載したプラットフォームの、少なくとも速度を計測するプラットフォーム運動計測部と、プラットフォーム運動計測部で計測したプラットフォームの速度情報を用いて、SAR画像再生部の再生した各SAR画像の位置あわせを行うレジストレーション部と、レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像を比較して、観測範囲内を移動する移動目標を表す信号を検出する移動目標検出部と、移動目標検出部で検出された移動目標を表す信号に基づき、移動目標のクロストラック速度を推定する移動目標クロストラック速度推定部と、移動目標クロストラック速度推定部で推定された移動目標のクロストラック速度に基づき、移動目標のアジマス位置を推定する移動目標位置推定部と、レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像をサブアパーチャ画像に分割してアジマス圧縮処理を施した後、アジマス圧縮処理を施した各信号を当該サブアパーチャ毎に干渉させて位相差の変化率を算出し、移動目標のアロングトラック速度を推定するサブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部とを備え、サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部は、レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像に対してアジマス解凍処理を施すアジマス解凍部と、移動目標位置推定部で推定された移動目標の位置情報に基づき、アジマス解凍部でアジマス解凍処理された各SAR画像の信号のうち、移動目標を含む信号の中から移動目標にパルス信号が当たっている時間内に含まれるサブアパーチャ番号を設定する番号算出部と、番号算出部で設定されたサブアパーチャ番号毎に、アジマス解凍処理された各信号に対してアジマス圧縮処理を施すサブアパーチャアジマス圧縮部と、番号算出部で設定されたサブアパーチャ番号毎に、サブアパーチャアジマス圧縮部でアジマス圧縮処理された各信号を干渉させて、位相差を算出する位相差算出部と、位相差算出部で算出されたサブアパーチャ毎の位相差のヒストリから当該位相差の変化率を算出する位相差変化率算出部と、位相差変化率算出部で算出された位相差の変化率をアロングトラック速度に変換し、移動目標のアロングトラック速度の推定値を得る位相差変化率速度変換部とを有するものである。
この発明によれば、従来方式において移動目標信号を分離するために必要であったFrFT処理を要さず、演算量を削減することができる。また、移動目標のアジマス位置周辺に処理時間を設定してパルスを指定することができ、特にストリップマップモードでの観測に適した合成開口レーダ装置を実現できる。
この発明によれば、従来方式において移動目標信号を分離するために必要であったFrFT処理を要さず、演算量を削減することができる。また、移動目標のアジマス位置周辺に処理時間を設定してサブアパーチャ画像を指定することができ、特にストリップマップモードでの観測に適した合成開口レーダ装置を実現できる。
この発明の実施の形態1に係る合成開口レーダ装置による観測のジオメトリを示す説明図である。 実施の形態1に係る合成開口レータ装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る合成開口レーダ装置の移動目標アロングトラック速度推定部の詳細構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る合成開口レーダ装置のアジマス窓処理部の処理内容を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態2に係る合成開口レーダ装置のクラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部の詳細構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態3に係る合成開口レーダ装置のサブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部の詳細構成を示すブロック図である。 実施の形態3における処理時間の範囲とサブアパーチャ番号の関係を説明するための概念図である。 実施の形態3に係る合成開口レーダ装置のサブアパーチャ毎ATI部の処理内容を説明する図である。 この発明の実施の形態4に係る合成開口レーダ装置の構成を示すブロック図である。 実施の形態4に係る合成開口レーダ装置のサブアパーチャ式クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部の詳細構成を示すブロック図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る合成開口レーダ装置による観測のジオメトリを示す説明図である。
まず、図1を用いて、この発明の実施の形態1に係る合成開口レーダ装置の観測信号について説明する。
図1において、1aは送受信アンテナであり、1bと1cは受信アンテナである。また、100は移動目標である。
送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b、受信アンテナ1cは、例えば同一のプラットフォーム(不図示)に搭載される。このとき、送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b、受信アンテナ1cは、プラットフォームの進行方向と平行に並べるものとする。なお、送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b、受信アンテナ1cは、同一のプラットフォームに搭載する必要はなく、別々のプラットフォームに搭載してもかまわないが、その場合、各プラットフォームは同じ軌道を、進行方向に一列に並んで移動するものとする。
アンテナを搭載するプラットフォームとしては、航空機、人工衛星、および車両などの移動体を使用するのが良い。以下では、プラットフォームとして航空機を想定し、航空機のジオメトリを念頭に説明を進めるが、本明細書で開示する技術は、航空機に限らず人工衛星および車両などのプラットフォームを用いた観測に適用することが可能であり、プラットフォームの種類を限定するものではない。
図1に示すとおり、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bの距離をL12、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1cの距離をL13、送受信アンテナ1bと受信アンテナ1cの距離をL23とする。θはオフナディア角、V[m/s]はプラットフォームの速さである。なお、本明細書に記載する合成開口レーダ装置においては、スクイント角が0度であることを想定する。即ち、ストリップマップモード観測の場合、アンテナビームの向きは進行方向に対して常に直交する方向であること、スポットライトモード観測の場合は、合成開口中心においてアンテナビームの向きが進行方向に対して直交する方向であることを想定する。
以下において、時刻をη[秒]で表わす。また、図1に示すとおり、時刻η=0における送受信アンテナ1aの位置を原点Oとし、プラットフォームの進行方向をx軸、水平面内でx軸に直交し、かつ進行方向に対して左向きを正とする軸をy軸、鉛直方向上向きをz軸とする座標系を定義する。さらに、プラットフォームの高度をhとし、地表面はx−y平面に平行で、z=−h[m]の高さにあるものとする。
このとき、時刻ηにおける送受信アンテナ1aの位置は次式(1)のように表わされる。
Figure 0006016529
ただし、T[秒]は観測時間である。
移動目標100は地表面上を移動するものとし、時刻η=0における移動目標100の位置と速度を、それぞれ(0,y,−h)[m]、(vx0,vy0,0)[m/s]とする。時刻ηにおける、送受信アンテナ1aと移動目標100との間の距離をR(η)[m]とすると、この距離は次式(2)で表わされる。
Figure 0006016529
ただし、R[m]は、時刻η=0における送受信アンテナ1aと移動目標100との距離であり、次式(3)で定義される。
Figure 0006016529
また、vc0[m]は次式(4)で定義される。
Figure 0006016529
本明細書では、時刻η=0における送受信アンテナ1aの位置から移動目標100の位置(x,y,−h)へ向かう方向をクロストラック方向(プラットフォームの軌道に直交する方向の意)と呼ぶこととする。また、これに対応する用語として、プラットフォームの軌道に平行なx軸方向をアロングトラック方向と呼ぶ場合がある。このように定義すると、vc0は、時刻η=0における移動目標速度のクロストラック方向成分である。なお、本明細書に記載する合成開口レーダ装置においては、スクイント角が0度であることを想定しているので、移動目標速度のクロストラック方向成分は、移動目標速度のレーダの視線方向の成分に一致する。また、移動目標速度のアロングトラック方向の速度は、移動目標速度のレーダの視線方向に直交する成分に一致する。
次に、送受信アンテナ1aから電波を送信し、受信アンテナ1bと、受信アンテナ1cで電波を受信する場合の位相中心の位置が、(Vη,0,0)に一致するときの、これらの位相中心から移動目標100までの距離をそれぞれR(η)、R(η)とすると、これらの距離は次式(5)で表わされる。
Figure 0006016529
ここで、η12とη13は、送受信アンテナ1aが(Vη,0,0)の位置にある時刻から、送受信アンテナ1aから電波を送信し、受信アンテナ1bと、受信アンテナ1cで電波を受信する場合の位相中心の位置が、(Vη,0,0)の位置に来るまでの時間差を表しており、それぞれ、次式(6)で定義される。
Figure 0006016529
ここで、上式(6)の近似は、送受信アンテナ1aから受信アンテナ1bまでの基線長L12と、送受信アンテナ1aから受信アンテナ1cまでの基線長L13が、送受信アンテナ1aから移動目標100までの距離Rに比べて十分に短い条件で成立する。
また、上式(6)の近似は、L12とL13が、送受信アンテナ1aから受信アンテナ1bまでの物理的な距離と、送受信アンテナ1aから受信アンテナ1cまでの物理的な距離をそれぞれ表しているのに対し、d12とd13は、送受信アンテナ1aで送受信を行った場合の位相中心の位置から、送受信アンテナ1aから電波を送信して受信アンテナ1bで当該電波を受信する場合の位相中心の位置までの距離と、受信アンテナ1cで当該電波を受信する場合の位相中心の位置までの距離をそれぞれ表している。
また、時刻η+η12とη+η13において、移動目標100のクロストラック方向の位置は、それぞれR+vc0(η+η12)とR+vc0(η+η13)であり、アロングトラック方向(x軸方向)の位置は、それぞれvx0(η+η12)とvx0(η+η13)である。
上式(2)のR(η)、上式(5)のR(η)とR(η)を、η=0の周りでテイラー級数展開し、2次の項までで近似して表現すると、次式(7)のようになる。
Figure 0006016529
ここで、Rη12とRη13は次式(8)で定義される。
Figure 0006016529
なお、Rη12,cとRη12,xは、η=η12における移動目標100のクロストラック方向の位置とアロングトラック方向(x軸方向)の位置であり、Rη13,cとRη13,xは、η=η13における移動目標100のクロストラック方向の位置とアロングトラック方向(x軸方向)の位置である。
次に、R(η)、R(η)の差分R(η)−R(η)を考える。この差分の意味は、送受信アンテナ1aが(Vη,0,0)の位置にある時刻から、送受信アンテナ1aから電波を送信し、受信アンテナ1bで当該電波を受信する場合の位相中心の位置が、(Vη,0,0)の位置に来るまでの時間差η12の間に、移動目標100が移動したために発生した距離変化を表している。もし、移動目標100が移動しない場合、この差分はηによらず、常にゼロである。
差分R(η)−R(η)のうち、ηに関するゼロ次の成分は、従来のATI(Along Track Interferometry)法によって、移動目標100のクロストラック方向の速度を推定する際に使用する。
本実施の形態1では、差分R(η)−R(η)のうち、ηに関する1次の成分に着目する。
上式(7)より、差分R(η)−R(η)をη=0の周りでテイラー級数展開した結果の、1次の成分の係数は次式(9)で表わされる。
Figure 0006016529
合成開口レーダの観測においてクロスレンジ距離Rは、一般に大きいので、上式(9)の近似の条件が成立することが多い。
なお、差分R(η)−R(η)およびR(η)−R(η)も同様に表わされる。
以上が、本実施の形態1における移動目標100の観測のジオメトリに関する説明である。
続いて、上記の観測のジオメトリを踏まえて、本実施の形態1における合成開口レーダ装置の受信信号のモデルと、本実施の形態1における合成開口レーダ装置による移動目標速度のアロングトラック方向成分推定方式の原理について説明する。
送受信アンテナ1aから送信し、移動目標100において反射され、送受信アンテナ1aと、受信アンテナ1bと、受信アンテナ1cにおいて受信した信号をレンジ圧縮して得られる信号は、次式(10)でモデル化できる。
Figure 0006016529
ここで、A(η)、A(η)、A(η)はそれぞれ送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b、受信アンテナ1cにおける受信信号の振幅である。
また、信号s(η)は送受信アンテナ1aが(Vη,0,0)の位置にある時刻における観測信号であり、信号s(η)と信号s(η)は、送受信アンテナ1aから電波を送信し、受信アンテナ1bと、受信アンテナ1cで当該電波を受信する場合の位相中心の位置が(Vη,0,0)の位置にある時刻における観測信号に相当する。信号s(η)と信号s(η)は時刻ηにおける観測信号ではなく、それぞれη+η12とη+η13における信号に相当することに特に注意が必要である。換言すると、s(η)、s(η)、s(η)という表現においては、位相中心の位置(Vη,0,0)を、時刻の変数ηを媒介変数として表現していることになる。
本実施の形態1における合成開口レーダ装置の観測において、送信機は、ある周期(これをパルス繰り返し周期と呼ぶ)でパルスを送信する。送信されたパルスが移動目標100を含む観測範囲で反射されたものを送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bと受信アンテナ1cで受信する。そのため、実際に観測される信号は、s(η)、s(η)、s(η)をパルス繰り返し周期で離散化したものであるが、特に混乱を生じない限り、本明細書では、s(η)、s(η)、s(η)のように、連続的な信号として表現する。ただし、s(η)、s(η)を求める際には、信号の内挿処理が必要になることには注意が必要である。
信号s(η)、信号s(η)、信号s(η)の間の位相差を、従来のATI法と同様に、信号を干渉させることによって、次式(11)のように求めることができる。
Figure 0006016529
この位相差をη=0の周りでテイラー級数展開した結果の1次の成分の係数は、式(9)の結果を用いて、それぞれ次式(12)で表わされる。
Figure 0006016529
これらの位相差の変化率(傾き)α12、α13、α23は、式(11)で表わされる位相差のヒストリφ12(η)、φ13(η)、φ23(η)に直線を当てはめることによって推定することが可能である。
式(12)に式(8)の関係を代入すると、アロングトラック方向の速度成分vx0に関する2次方程式が3つ得られるが、これらは線形従属の関係にあるので、独立な方程式は2つである。変数一つに対して、2つの方程式があるので、最小二乗法などによってvx0の推定値を算出する。
なお、位相差の変化率α12、α13、α23の推定値には、それぞれ誤差が含まれるが、これらの誤差成分が完全に従属ではない場合は、式(12)に記した3つの方程式に関する最小二乗法などによってvx0の推定値を算出する。
さらに、式(12)のどれか一つを用いてvx0の推定値を算出しても構わない。例えば、位相差の変化率α12の推定値を用いてvx0を推定する場合、式(12)の一つ目の方程式をvx0について整理すると次式(13)が得られる。
Figure 0006016529
したがって、式(13)より、2次方程式の解の公式を用いて、移動目標100のアロングトラック方向の速度成分vx0の推定値を次式(14)のように算出することができる。
Figure 0006016529
ここで、プラットフォームとしては航空機または人工衛星が使用されること、さらに観測対象の移動目標100は、地上を移動する車両、あるいは海上を移動する船舶であることが多いので、一般には、次式(15)の関係が成立する。
Figure 0006016529
したがって、式(14)、式(15)より、vx0の推定値は次式(16)で与えられる。
Figure 0006016529
ところで、α12、α13、α23は、位相差のヒストリφ12(η)、φ13(η)、φ23(η)に直線を当てはめる代わりに、次式(17)で定義される複素信号をフーリエ変換し、その出力信号の振幅のピーク位置から推定しても構わない。
Figure 0006016529
以上が、本実施の形態1に係る合成開口レーダ装置による移動目標速度のアロングトラック方向成分推定方式の原理である。
本実施の形態1においては、より一般的な記述となるように、3つのアンテナ開口を用いる形態で説明をしているが、式(16)の結果からも明らかなように、本実施の形態1に係る合成開口レーダ装置による移動目標速度のアロングトラック方向成分推定方式は、アンテナ開口が2つでも原理的に成立する。また、アンテナ開口の数が4つ以上であっても、容易に拡張は可能である。
図2はこの発明の実施の形態1に係る合成開口レーダ装置の機能構成を示すブロック図である。また、図3はこの発明の実施の形態1に係る合成開口レーダ装置の移動目標アロングトラック速度推定部13の機能構成の詳細を示すブロック図である。
送信機3を送受切換器2を介して、送受信アンテナ1aに接続する。送受信アンテナ1aには送受切換器2を介して受信機4aを接続する。また受信アンテナ1bと受信アンテナ1cにそれぞれ受信機4bと受信機4cを接続する。送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b、受信アンテナ1cは、図1に示すとおり、プラットフォームの進行方向と平行に並べるものとし、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bの距離をL12、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1cの距離をL13とする。
送信機3は、一定の繰り返し周期(繰り返し周波数Faとする)で繰り返すパルス信号を生成し、送受切換器2を経由して送受信アンテナ1aへ出力する。送信機3で生成されたパルス信号は、送受切換器2を介して送受信アンテナ1aから空間に放射される。空間に放射されたパルス信号は観測対象によって散乱される。観測対象によって散乱された散乱波を送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bと受信アンテナ1cとでそれぞれ受信する。送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bと受信アンテナ1cとでそれぞれ受信された各受信信号は、それぞれ受信機4aと受信機4bと受信機4cに送られる。受信機4aと受信機4bと受信機4cにおいて、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bと受信アンテナ1cとで受信した散乱波の受信信号のそれぞれに対して、位相検波処理とA/D変換処理を実施し、それぞれの受信信号の振幅と位相を示すデジタル受信信号を出力する。
なお、受信機の数はアンテナの数よりも少なくてもかまわない。その場合は、スイッチを介して、1つの受信機を複数のアンテナと接続し、パルスの送受信毎にスイッチを切り換えることにより、複数の開口で信号を受信するようにすれば良い。
プラットフォーム運動計測部5は、送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b、受信アンテナ1cを搭載したプラットフォームの位置または速度を計測し出力する。なお、より精度の高い観測のためには、プラットフォーム運動計測部5は、プラットフォームの位置、速度、姿勢を計測し、出力できることが望ましい。
SAR画像再生部6a、SAR画像再生部6b、SAR画像再生部6cは、それぞれ、受信機4a、受信機4b、受信機4cによって受信された受信信号と、プラットフォーム運動計測部5によって計測されたプラットフォーム位置と速度の情報を用いて、SAR画像をそれぞれ再生する。
ここで、再生されたSAR画像をx(mΔτ,nΔη)、x(mΔτ,nΔη)、x(mΔτ,nΔη)と表す。SAR画像再生部6a、SAR画像再生部6b、SAR画像再生部6cにおけるSAR画像再生処理については、例えば非特許文献4などに記載されており、公知である。
なお、以下において、τ[秒]はSAR画像のレンジ方向軸を時間で表したものであり、Fast Timeと呼ばれる。η[秒]は既に定義したとおり、観測時刻であるが、SAR画像のアジマス方向軸を時間で表したものに相当し、Fast Timeに対応させて、Slow Timeと呼ばれることもある。レンジ方向の距離r[m]と、アジマス方向の距離a[m]と、τと、ηは、それぞれ次式(18)の関係を満たす。
Figure 0006016529
ただし、cは光速である。
SAR画像再生部6a、SAR画像再生部6b、SAR画像再生部6cにおいて再生されたSAR画像は、離散化されたものであるが、x(mΔτ,nΔη)、x(mΔτ,nΔη)、x(mΔτ,nΔη)は、レンジ方向、アジマス方向に、それぞれΔτ、Δηの間隔でサンプリングされて離散化された表現である。また、mとnは、それぞれレンジ方向とアジマス方向の画素番号であり、m=1,2,・・・,M、n=1,2,・・・,Nの値をとる。また、MとNは、それぞれ、レンジ方向とアジマス方向の画素数である。
レジストレーション部7においては、プラットフォーム運動計測部5によって計測されたプラットフォームの速度情報を用いて、SAR画像再生部6a、SAR画像再生部6b、SAR画像再生部6cによってそれぞれ再生されたSAR画像のずれ量を算出し、ずれ量を補償することで、位置あわせを実施する。このとき、SAR画像再生部6b、SAR画像再生部6cによってそれぞれ再生されたSAR画像の、SAR画像再生部6aに対するアジマス方向のずれ量は、それぞれ式(6)に示したη12とη13である。
レジストレーション部7は、式(6)で表されるアジマス方向のずれ量η12とη13を補償するようにリサンプリングを行い、次式(19)に示すように、位置あわせ後のSAR画像、z(mΔτ,nΔη)、z(mΔτ,nΔη)、z(mΔτ,nΔη)を得る。
Figure 0006016529
(mΔτ,nΔη)、z(mΔτ,nΔη)、z(mΔτ,nΔη)には、受信機のゲインの相違などの影響で、振幅および位相にバイアス誤差が乗っている。そこで、位相補償部8と振幅補償部9は、位置あわせ後のSAR画像間の比率から、それぞれ位相と振幅のバイアス誤差を推定して補償する。z(mΔτ,nΔη)に対するz(mΔτ,nΔη)の比率の平均値と、z(mΔτ,nΔη)に対するz(mΔτ,nΔη)の比率の平均値を、それぞれε12、ε13とすると、ε12、ε13は次式(20)によって定義される。
Figure 0006016529
位相補償部8は、z(τ,η)およびz(τ,η)について、ε12、ε13の位相に相当する成分を補償する。振幅補償部9は、z(τ,η)およびz(τ,η)について、ε12、ε13の振幅に相当する成分を補償する。これらの処理は併せて次式(21)によって表現できる。
Figure 0006016529
なお、式(21)の処理は受信チャネル間の位相差と振幅差を補償する処理である。したがって、ε12、ε13の値を予め校正係数として計測しておき、位相補償部8と振幅補償部9に保持しておくことができる場合は、観測毎に式(20)によってこれらの値を推定する必要はない。ただし、チャネルインバランス補正処理において、アンテナ高度の微小な相違に起因する地形位相が無視できないような場合は、例えば特開2010−175330号公報に記載の方法などを用いて補正する必要がある。式(21)においてはε12とε13は定数の形で記述しているが、地形位相を含めて補償する場合は、ε12とε13は画素毎に一定であるとは限らず、画素番号の関数となる。本明細書において、以下では、地形位相についても補正されたものとして議論を進める。
移動目標検出部10においては、例えば、まず、受信信号から静止目標信号成分を差し引くことによって、静止目標信号成分を抑圧する。静止目標信号成分は、3つのSAR画像z(mΔτ,nΔη),z(mΔτ,nΔη),z(mΔτ,nΔη)の平均に基づいて推定することができる。その成分を式(22)のようにして差し引くことで、静止目標信号成分を抑圧することができる。
Figure 0006016529
式(22)に示す出力電力Pout(ハット)(τ,η)が、静止目標信号抑圧後の信号電力であり、主な消え残りの成分は移動目標100の信号であるため、この出力電力Pout(ハット)(τ,η)に対して、広く知られているCFAR(Constant False Alarm Rate)処理、または閾値処理などの検出処理を適用して、移動目標信号を検出することが可能である。
なお、移動目標検出部10における移動目標検出方法は、上記の方法に限る必要はなく、移動目標の信号が検出できれば、どのような方法を採っても良い。
ここでは、電子出願の関係上、アルファベット文字の上にある^記号を、アルファベット文字(ハット)と表記している。
移動目標クロストラック速度推定部11においては、既に公知のATI法などと同様な方法で移動目標速度のクロストラック成分vc0を推定する。
移動目標クロストラック速度推定部11におけるクロストラック成分vc0の推定方法としては、例えば、次のような方法があげられる。まず、移動目標100が検出された画素の画素番号を(m,n)とする。目標速度のクロストラック成分をvと仮定して、次式(23)のように、画素番号(m,n)における信号位相差を補正して加算する。その出力電力をP(v)とする。vをさまざまに変化させて、P(v)が最大になるvをvc0の推定値とする。
Figure 0006016529
なお、移動目標クロストラック速度推定部11においては、上記にかかわらず、移動目標速度のクロストラック成分vc0の推定方法に関して、どのような方法を採っても良い。
ところで、非特許文献1などに記載の通り、SAR画像において、移動目標100の像は、その速度のクロストラック成分に比例して、アジマス方向にずれることが知られている。移動目標速度のクロストラック成分がvc0の場合、アジマス方向のずれ量は次式(24)によって表わされる。
Figure 0006016529
そこで、移動目標位置推定部12においては、移動目標クロストラック速度推定部11で推定された移動目標速度のクロストラック成分vc0の値を用いて、式(24)によって検出された移動目標100のアジマス位置を推定する。すなわち、仮に検出された移動目標100のアジマス位置がηdtctであった場合、移動目標100のアジマス位置の推定値η(ハット)は次式(25)によって算出される。
Figure 0006016529
なお、移動目標100のクロストラック方向の位置Rは、移動目標検出部10において目標の検出された画素の位置から容易に算出することが可能である。
次に、図3を用いて、移動目標アロングトラック速度推定部13の動作を説明する。図3に示すように、移動目標アロングトラック速度推定部13は、アジマス窓処理部13a、アジマス解凍部13b、処理パルス番号算出部13c、パルス毎ATI部13d、位相差変化率算出部13e、位相差変化率速度変換部13fから構成される。
また、図4は、アジマス窓処理部13aの処理内容を説明するための図である。アジマス窓処理部13aにおいては、まず、移動目標検出部10で検出された移動目標100の信号を含むアジマスラインを、SAR画像から抽出する。ここで、アジマスラインの信号は、次式(26)で定義される。
Figure 0006016529
次に、アジマス窓処理部13aは、図4において破線で示すように、移動目標100の信号の周辺に窓処理を施して、該アジマスラインの信号より移動目標信号が検出された画素の周りのK画素分(Kは任意の値とする)の信号を切り出す。
アジマス解凍部13bでは、SAR画像再生部6a〜6cによるSAR画像再生のアジマス圧縮に使用したアジマス参照関数の複素共役の関数をたたみこむことによって、アジマス圧縮された該アジマスラインの信号を、アジマス圧縮前の状態に戻す。なお、アジマス圧縮処理やアジマス参照関数については、非特許文献1などに詳しく記載されており、公知である。ここで、該アジマスラインの信号はアジマス窓処理部13aによって窓処理が施されているため、クラッタ信号が大幅に低減されていることが特徴である。
ここで、アジマス解凍部13bが出力するアジマス解凍後の信号を次式(27)で表わす。
Figure 0006016529
次に処理パルス番号算出部13cにおいては、アジマス解凍部13bによって得られたパルス圧縮前のアジマスラインの信号に対して、次のパルス毎ATI部13dにおける処理対象とするパルス番号を設定する。処理パルス番号算出部13cは移動目標位置推定部12によって推定されたアジマス位置の推定値η(ハット)の周りに、次式(28)によって、処理時間の範囲を設定し、この時間内に含まれるパルス番号を出力する。
Figure 0006016529
ここで、βbwは、アンテナ開口の大きさで決まるビーム幅を表す。すなわち、式(28)で設定している時間は、移動目標100に電波が当たっている時間と解釈される。なお、処理の都合上、ここで設定する時間範囲は、式(28)で表わされる範囲に対して、多少長く設定したり、短く設定したりしてもかまわない。このようにして、処理パルス番号算出部13cで指定されたパルス番号の集合をNppとする。
なお、処理パルス番号算出部13cの処理は、特にストリップマップモードでの観測において重要であり、式(28)はストリップマップモードでの観測を想定して記述されている。他方、スポットライトモードの観測では、観測時間の間、アンテナのビームを同一の観測領域に当て続けるため、処理パルス番号算出部13cでは観測に使用したすべてのパルスを指定すれば良い。その他の観測モードについても、同様な考え方で、処理時間の範囲を適宜設定すれば良い。
パルス毎ATI部13dにおいては、処理パルス番号算出部13cにおいて設定されたパルス番号について、次式(29)のように複数開口の信号を干渉させて、位相差を算出する。
Figure 0006016529
位相差変化率算出部13eにおいては、位相差のヒストリφ12(η)、φ13(η)、φ23(η)に直線を当てはめることによって位相差の変化率α12、α13、α23を求める。
最後に、位相差変化率速度変換部13fは式(12)の連立方程式を最小二乗法などによってvx0について解くことで、移動目標100のアロングトラック速度vx0の推定値を算出する。
以上のように、本実施の形態1によれば、合成開口レーダ装置は、観測範囲に照射したパルス信号を2つ以上のアンテナ1a〜1cで受信した各受信信号を用いて、各SAR画像を再生するSAR画像再生部6a〜6cと、2つ以上のアンテナ1a〜1cを搭載したプラットフォームの、少なくとも速度を計測するプラットフォーム運動計測部5と、プラットフォーム運動計測部5で計測したプラットフォームの速度情報を用いて、SAR画像再生部6a〜6cの再生した各SAR画像の位置あわせを行うレジストレーション部7と、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像を比較して、観測範囲内を移動する移動目標100を表す信号を検出する移動目標検出部10と、移動目標検出部10で検出された移動目標100を表す信号に基づき、移動目標100のクロストラック速度を推定する移動目標クロストラック速度推定部11と、移動目標クロストラック速度推定部11で推定された移動目標100のクロストラック速度に基づき、移動目標100のアジマス位置を推定する移動目標位置推定部12と、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像の信号をパルス毎に干渉させて位相差の変化率を算出し、移動目標100のアロングトラック速度を推定する移動目標アロングトラック速度推定部13とを備えるように構成した。このため、従来の非特許文献4に記載の方式において移動目標信号を分離するために必要であったFrFT処理を要さず、演算量を削減できる効果を奏する。
また、本実施の形態1によれば、移動目標アロングトラック速度推定部13は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像に対してアジマス解凍処理を施すアジマス解凍部13bと、移動目標位置推定部12で推定された移動目標100の位置情報に基づき、アジマス解凍部13bでアジマス解凍処理された各SAR画像の信号のうちの移動目標100を含む信号にパルス番号を設定する処理パルス番号算出部13cと、処理パルス番号算出部13cで設定されたパルス番号毎に、アジマス解凍処理された各信号を干渉させて、位相差を算出するパルス毎ATI部13dと、パルス毎ATI部13dで算出されたパルス番号毎の位相差のヒストリから位相差の変化率を算出する位相差変化率算出部13eと、位相差変化率算出部13eで算出された位相差の変化率をアロングトラック速度に変換し、移動目標100のアロングトラック速度の推定値を得る位相差変化率速度変換部13fとを有する構成にした。このため、移動目標100のアジマス位置周辺に処理時間を設定してパルスを指定することができ、特にストリップマップモードでの観測に適した合成開口レーダ装置を実現できる。
また、実施の形態1によれば、移動目標アロングトラック速度推定部13は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像から、移動目標検出部10で検出された移動目標100を表す信号を切り出してアジマス解凍部13bへ出力するアジマス窓処理部13aを有する構成にした。このため、移動目標アロングトラック速度推定部13で処理する信号からクラッタを大幅に低減することができ、移動目標100のアロングトラック速度の推定精度をさらに向上できる効果を奏する。
なお、本実施の形態1においては、アンテナ開口が3つの場合を想定して定式化しているが、4つ以上の場合も同様の処理が可能であり、拡張は容易である。
実施の形態2.
図5はこの発明の実施の形態2に係る合成開口レーダ装置の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態2に係る合成開口レーダ装置は、上記実施の形態1の移動目標アロングトラック速度推定部13(図2、図3を参照)に代えて、クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部14を備える。その他の構成は図2と同一のため、同一の符号を付し説明を省略する。
図6はこの発明の実施の形態2に係る合成開口レーダ装置のクラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部14の機能構成の詳細を示すブロック図である。クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部14は、アジマス窓処理部14a、アジマス解凍部14b、処理パルス番号算出部14c、パルス毎DPCA部14d、パルス毎ATI部14e、位相差変化率算出部14f、位相差変化率速度変換部14gを備える。
図6において、アジマス窓処理部14a、アジマス解凍部14b、処理パルス番号算出部14cまでの処理は、図3に示した移動目標アロングトラック速度推定部13におけるアジマス窓処理部13a、アジマス解凍部13b、処理パルス番号算出部13cの処理と同一であるため、説明は省略する。
パルス毎DPCA部14dでは、パルス毎にDPCA処理(Displaced Phase Center Antenna)を適用する。DPCA処理は、具体的には信号の差分を計算する処理であり、次式(30)で表わされる。パルス毎DPCA部14dは、式(30)によって算出された差分信号ζ12(nΔη)、ζ13(nΔη)、ζ23(nΔη)を出力する。
Figure 0006016529
パルス毎ATI部14eの動作は、移動目標アロングトラック速度推定部13におけるパルス毎ATI部13dと同様であるが、パルス毎ATI部14eの入力値は、パルス毎DPCA部14dによって算出された差分信号である点が異なる。パルス毎ATI部14eは次式(31)によってパルス毎の位相差を算出し、出力する。
Figure 0006016529
位相差変化率算出部14fは、移動目標アロングトラック速度推定部13における位相差変化率算出部13eと同様に、位相差のヒストリφ13−12(η)、φ23−12(η)、φ23−13(η)に直線を当てはめることによって位相差の変化率α13−12、α23−12、α23−13を求める。
最後に位相差変化率速度変換部14gにおいては、位相差の変化率α13−12、α23−12、α23−13から、移動目標のアロングトラック速度の推定値を算出する。ここで、α13−12、α23−12、α23−13とアロングトラック速度の関係は次式(32)で表わされる。
Figure 0006016529
式(32)に式(8)の関係を代入すると、アロングトラック方向の速度成分vx0に関する2次方程式が3つ得られるが、これらは線形従属の関係にあるので、独立な方程式は2つである。変数一つに対して、2つの方程式があるので、最小二乗法などによってvx0の推定値を算出する。
なお、位相差の変化率α13−12、α23−12、α23−13の推定値には、それぞれ誤差が含まれるが、これらの誤差成分が完全に従属ではない場合は、式(12)に記した3つの方程式に関する最小二乗法などによってvx0の推定値を算出する。
さらに、式(32)のどれか一つを用いてvx0の推定値を算出しても構わない。例えば、位相差の変化率α23−13の推定値を用いてvx0を推定する場合、式(32)の最後の方程式をvx0について整理すると次式(33)が得られる。
Figure 0006016529
したがって、式(33)より、2次方程式の解の公式を用いて、移動目標100のアロングトラック方向の速度成分vx0の推定値を次式(34)のように算出することができる。
Figure 0006016529
式(34)の結果は、上記実施の形態1における式(16)の結果と良く似ているが、パルス毎DPCA部14dの出力である差分信号から計算されているため、この場合は、式(16)の結果と異なり、アンテナ開口は少なくとも3つ必要であることに注意が必要である。なお、アンテナ開口の数が4つ以上の場合については、拡張は容易である。
以上のように、本実施の形態2によれば、合成開口レーダ装置は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像の信号をパルス毎に差分処理してクラッタを抑圧した後、差分処理後の各差分信号をパルス毎に干渉させて位相差の変化率を算出し、移動目標100のアロングトラック速度を推定するクラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部14を備える構成にした。このため、まずDPCA処理によって差分を算出することにより、静止クラッタの信号を抑圧することができるため、クラッタの影響を低減でき、移動目標100のアロングトラック速度の推定精度をさらに向上できる効果を奏する。
また、本実施の形態2によれば、クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部14は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像に対してアジマス解凍処理を施すアジマス解凍部14bと、移動目標位置推定部12で推定された移動目標100の位置情報に基づき、アジマス解凍部14bでアジマス解凍処理された各SAR画像の信号のうち、移動目標100を含む信号にパルス番号を設定する処理パルス番号算出部14cと、処理パルス番号算出部14cで設定されたパルス番号毎に、アジマス解凍処理された各信号の各差分信号を算出して、クラッタを抑圧するパルス毎DPCA部14dと、処理パルス番号算出部14cで設定されたパルス番号毎に、パルス毎DPCA部14dで算出された各差分信号を干渉させて、位相差を算出するパルス毎ATI部14eと、パルス毎ATI部14eで算出されたパルス番号毎の位相差のヒストリから位相差の変化率を算出する位相差変化率算出部14fと、位相差変化率算出部14fで算出された位相差の変化率をアロングトラック速度に変換し、移動目標100のアロングトラック速度の推定値を得る位相差変化率速度変換部14gとを有する構成にした。このため、上記実施の形態1同様、移動目標100のアジマス位置周辺に処理時間を設定してパルスを指定することができ、特にストリップマップモードでの観測に適した合成開口レーダ装置を実現できる。
また、本実施の形態2によれば、クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部14は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像から、移動目標検出部10で検出された移動目標100を表す信号を切り出してアジマス解凍部14bへ出力するアジマス窓処理部14aを有する構成にした。このため、上記実施の形態1同様、クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部14で処理する信号からクラッタを大幅に低減することができ、移動目標100のアロングトラック速度の推定精度をさらに向上できる効果を奏する。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3に係る合成開口レーダ装置の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態3に係る合成開口レーダ装置は、上記実施の形態1の移動目標アロングトラック速度推定部13(図2、図3を参照)に代えて、サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部15を備える。その他の構成は図2と同一のため、同一の符号を付し説明を省略する。
図8はこの発明の実施の形態3に係る合成開口レーダ装置のサブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部15の機能構成の詳細を示すブロック図である。サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部15は、アジマス窓処理部15a、アジマス解凍部15b、処理サブアパーチャ番号算出部15c、サブアパーチャアジマス圧縮部15d、サブアパーチャ毎ATI部15e、位相差変化率算出部15f、位相差変化率速度変換部15gを備える。
図8において、アジマス窓処理部15a、アジマス解凍部15bまでの処理は、図3に示した移動目標アロングトラック速度推定部13におけるアジマス窓処理部13a、アジマス解凍部13bの処理と同一であるため、説明は省略する。
処理サブアパーチャ番号算出部15cは、アジマス解凍部15bによって得られたパルス圧縮前のアジマスラインの信号に対して、次のサブアパーチャアジマス圧縮部15dにおける処理対象とするサブアパーチャ番号を設定する。処理サブアパーチャ番号算出部15cは移動目標位置推定部12によって推定されたアジマス位置の推定値η(ハット)の周りに、次式(35)によって、処理時間の範囲を設定し、この時間内に含まれるサブアパーチャ番号を出力する。
Figure 0006016529
ここで、βbwは、アンテナ開口の大きさで決まるビーム幅を表す。すなわち、式(35)で設定している時間は、移動目標100に電波が当たっている時間と解釈される。なお、処理の都合上、ここで設定する時間範囲は、式(35)で表わされる範囲に対して、多少長く設定したり、短く設定したりしてもかまわない。
図9に、処理時間の範囲とサブアパーチャ番号の関係を説明するための概念図を示す。図9において、20は検出された移動目標100の信号を含むアジマスラインの信号である。横軸のη[秒]は、アジマス方向軸を表す時間(Slow time)である。サブアパーチャアジマス圧縮部15dにおいては、アジマスラインの信号20の、上式(35)によって設定される処理時間の範囲内から、図9の破線で囲んだ範囲の信号を切り出してアジマス圧縮処理を施す。ここで、切り出される破線で囲んだ範囲をサブアパーチャと呼ぶ。図9に示すとおり、サブアパーチャアジマス圧縮部15dにおいては、サブアパーチャをSlow time方向に移動させながら、切り出された各信号(サブアパーチャ番号−1,0,1)について、アジマス圧縮処理を適用する。
処理サブアパーチャ番号算出部15cは、式(34)に従って設定した処理時間の範囲の中に含まれる信号の中に含まれるサブアパーチャを取り出すために、便宜上、サブアパーチャに番号nsub(図9ではサブアパーチャ番号−1,0,1などと表す)を付与した上で、サブアパーチャアジマス圧縮部15dで用いるサブアパーチャを指定する。ここで指定されたサブアパーチャ番号をNspと表す。
サブアパーチャアジマス圧縮部15dにおいては、前述の通り、処理サブアパーチャ番号算出部15cにおいて指定されたサブアパーチャについて、アジマス圧縮処理を適用する。サブアパーチャアジマス圧縮部15dによってアジマス圧縮されて得られる出力信号を次式(36)で表わす。
Figure 0006016529
図10にサブアパーチャ毎ATI部15eの処理内容を説明するための概念図を示す。サブアパーチャ毎ATI部15eにおいては、サブアパーチャアジマス圧縮部15dにおいてアジマス圧縮されたサブアパーチャの信号について、次式(37)のように複数開口の信号を干渉させて、位相差を算出する。
Figure 0006016529
ここで、変数nmax,nsubは、サブアパーチャ番号nsubのサブアパーチャにおいて生じる移動目標信号のピーク位置を表す画素番号である。すなわち、サブアパーチャ毎ATI部15eにおいては、各サブアパーチャについて移動目標信号のピーク位置nmax,nsubを次式(38)に従って決定する。
Figure 0006016529
位相差変化率算出部15fにおいては、位相差のヒストリφsub,12(nsub)、φsub,13(nsub)、φsub,23(nsub)に直線を当てはめることによって位相差の変化率α12、α13、α23を求める。
最後に、位相差変化率速度変換部15gは式(12)の連立方程式を最小二乗法などによってvx0について解くことで、移動目標100のアロングトラック速度vx0の推定値を算出する。
以上のように、本実施の形態3によれば、合成開口レーダ装置は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像をサブアパーチャ画像に分割してアジマス圧縮処理を施した後、アジマス圧縮処理を施した各信号をサブアパーチャ毎に干渉させて位相差の変化率を算出し、移動目標100のアロングトラック速度を推定するサブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部15を備えるように構成した。このため、位相差を算出する前にサブアパーチャアジマス圧縮処理を施すことにより、位相差を算出する前に目標信号電力を向上させて、雑音の影響を低減することができる。よって、移動目標100のアロングトラック速度の推定精度をさらに向上できる効果を奏する。
また、本実施の形態3によれば、サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部15は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像に対してアジマス解凍処理を施すアジマス解凍部15bと、移動目標位置推定部12で推定された移動目標100の位置情報に基づき、アジマス解凍部15bでアジマス解凍処理された各SAR画像の信号のうち、移動目標100を含む信号にサブアパーチャ番号を設定する処理サブアパーチャ番号算出部15cと、処理サブアパーチャ番号算出部15cで設定されたサブアパーチャ番号毎に、アジマス解凍処理された各信号に対してアジマス圧縮処理を施すサブアパーチャアジマス圧縮部15dと、処理サブアパーチャ番号算出部15cで設定されたサブアパーチャ番号毎に、サブアパーチャアジマス圧縮部15dでアジマス圧縮処理された各信号を干渉させて、位相差を算出するサブアパーチャ毎ATI部15eと、サブアパーチャ毎ATI部15eで算出されたサブアパーチャ毎の位相差のヒストリから位相差の変化率を算出する位相差変化率算出部15fと、位相差変化率算出部15fで算出された位相差の変化率をアロングトラック速度に変換し、移動目標100のアロングトラック速度の推定値を得る位相差変化率速度変換部15gとを有する構成にした。このため、上記実施の形態1同様、移動目標100のアジマス位置周辺に処理時間を設定してサブアパーチャ画像を指定することができ、特にストリップマップモードでの観測に適した合成開口レーダ装置を実現できる。
また、本実施の形態3によれば、サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部15は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像から、移動目標検出部10で検出された移動目標100を表す信号を切り出してアジマス解凍部15bへ出力するアジマス窓処理部15aを有する構成にした。このため、上記実施の形態1同様、サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部15で処理する信号からクラッタを大幅に低減することができ、移動目標100のアロングトラック速度の推定精度をさらに向上できる効果を奏する。
実施の形態4.
図11はこの発明の実施の形態4に係る合成開口レーダ装置の機能構成を示すブロック図である。本実施の形態4に係る合成開口レーダ装置は、上記実施の形態1の移動目標アロングトラック速度推定部13(図2、図3を参照)に代えて、サブアパーチャ式クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部16を備える。その他の構成は図2と同一のため、同一の符号を付し説明を省略する。
図12はこの発明の実施の形態4に係る合成開口レータ装置のサブアパーチャ式クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部16の機能構成の詳細を示すブロック図である。サブアパーチャ式クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部16は、アジマス窓処理部16a、アジマス解凍部16b、処理サブアパーチャ番号算出部16c、サブアパーチャアジマス圧縮部16d、サブアパーチャ毎DPCA部16e、サブアパーチャ毎ATI部16f、位相差変化率算出部16g、位相差変化率速度変換部16hを備える。
図12において、アジマス窓処理部16a、アジマス解凍部16b、処理サブアパーチャ番号算出部16c、サブアパーチャアジマス圧縮部16dまでの処理は、図8に示したサブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部15におけるアジマス窓処理部15a、アジマス解凍部15b、処理サブアパーチャ番号算出部15c、サブアパーチャアジマス圧縮部15dの処理と同一であるため、説明は省略する。
サブアパーチャ毎DPCA部16eでは、サブアパーチャ毎にDPCA処理を適用する。DPCA処理は、具体的には信号の差分を計算する処理であり、次式(39)であらわされる。サブアパーチャ毎DPCA部16eは、式(39)によって算出された差分信号ζsub,12(nsub)、ζsub,13(nsub)、ζsub,23(nsub)を出力する。
Figure 0006016529
サブアパーチャ毎ATI部16fの動作は、サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部15におけるサブアパーチャ毎ATI部15eと同様であるが、サブアパーチャ毎ATI部16fの入力値は、サブアパーチャ毎DPCA部16eによって算出された差分信号である点が異なる。サブアパーチャ毎ATI部16fは次式(40)によってサブアパーチャ毎の位相差を算出し、出力する。
Figure 0006016529
位相差変化率算出部16gは、サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部15における位相差変化率算出部15fと同様に、位相差のヒストリφsub,13−12(nsub)、φsub,23−12(nsub)、φsub,23−13(nsub)に直線を当てはめることによって位相差の変化率α13−12、α23−12、α23−13を求める。
最後に、位相差変化率速度変換部16hは式(32)の連立方程式を最小二乗法などによってvx0について解くことで、移動目標100のアロングトラック速度vx0の推定値を算出する。
以上のように、本実施の形態4によれば、合成開口レーダ装置は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像をサブアパーチャ画像に分割してアジマス圧縮処理を施し、アジマス圧縮処理を施した各信号をサブアパーチャ毎に差分処理してクラッタを抑圧した後、差分処理後の各差分信号をサブアパーチャ毎に干渉させて位相差の変化率を算出し、移動目標100のアロングトラック速度を推定するサブアパーチャ式クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部16を備えるように構成した。このため、位相差を算出する前にサブアパーチャアジマス圧縮処理を施し、さらにDPCA処理によって差分を算出することで、静止クラッタの信号を抑圧することができるようになり、位相差を算出する前にクラッタおよび雑音の影響を低減できる。よって、移動目標100のアロングトラック速度の推定精度をさらに向上できる効果を奏する。
また、本実施の形態4によれば、サブアパーチャ式クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部16は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像に対してアジマス解凍処理を施すアジマス解凍部16bと、移動目標位置推定部12で推定された移動目標100の位置情報に基づき、アジマス解凍部16bでアジマス解凍処理された各SAR画像の信号のうち、移動目標100を含む信号にサブアパーチャ番号を設定する処理サブアパーチャ番号算出部16cと、処理サブアパーチャ番号算出部16cで設定されたサブアパーチャ番号毎に、アジマス解凍処理された各信号に対してアジマス圧縮処理を施すサブアパーチャアジマス圧縮部16dと、処理サブアパーチャ番号算出部16cで設定されたサブアパーチャ番号毎に、サブアパーチャアジマス圧縮部16dでアジマス圧縮処理された各信号の各差分信号を算出して、クラッタを抑圧するサブアパーチャ毎DPCA部16eと、処理サブアパーチャ番号算出部16cで設定されたサブアパーチャ番号毎に、サブアパーチャ毎DPCA部16eで算出された各差分信号を干渉させて、位相差を算出するサブアパーチャ毎ATI部16fと、サブアパーチャ毎ATI部16fで算出されたサブアパーチャ毎の位相差のヒストリから位相差の変化率を算出する位相差変化率算出部16gと、位相差変化率算出部16gで算出された位相差の変化率をアロングトラック速度に変換し、移動目標100のアロングトラック速度の推定値を得る位相差変化率速度変換部16hとを有する構成にした。このため、上記実施の形態3同様、移動目標100のアジマス位置周辺に処理時間を設定してサブアパーチャ画像を指定することができ、特にストリップマップモードでの観測に適した合成開口レーダ装置を実現できる。
また、本実施の形態4によれば、サブアパーチャ式クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部16は、レジストレーション部7で位置あわせされた各SAR画像から、移動目標検出部10で検出された移動目標100を表す信号を切り出してアジマス解凍部16bへ出力するアジマス窓処理部16aを有する構成にした。このため、上記実施の形態1同様、サブアパーチャ式クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部16で処理する信号からクラッタを大幅に低減することができ、移動目標100のアロングトラック速度の推定精度をさらに向上できる効果を奏する。
なお、上記実施の形態1〜4では、合成開口レーダ装置が、送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b,1c、送受切換器2、送信機3、受信機4a〜4c、およびプラットフォーム運動計測部5を備えて、観測範囲へパルス信号を照射して信号を受信し、受信信号からSAR画像を再生および処理する構成にしたが、合成開口レーダ装置からこれらの構成を省略し、外部入力される受信信号を用いてSAR画像を再生および処理する構成にしてもよい。
上記以外にも、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1a 送受信アンテナ、1b,1c 受信アンテナ、2 送受切換器、3 送信機、4a,4b,4c 受信機、5 プラットフォーム運動計測部、6a,6b,6c SAR画像再生部、7 レジストレーション部、8 位相補償部、9 振幅補償部、10 移動目標検出部、11 移動目標クロストラック速度推定部、12 移動目標位置推定部、13 移動目標アロングトラック速度推定部、13a,14a,15a,16a アジマス窓処理部、13b,14b,15b,16b アジマス解凍部、13c,14c 処理パルス番号算出部、13d,14e パルス毎ATI部、13e,13f,15f,16g 位相差変化率算出部、13f,14g,15g,16h 位相差変化率速度変換部、14 クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部、14d パルス毎DPCA部、15 サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部、15c,16c 処理サブアパーチャ番号算出部、15d,16d サブアパーチャアジマス圧縮部、15e,16f サブアパーチャ毎ATI部、16 サブアパーチャ式クラッタ抑圧型移動目標アロングトラック速度推定部、16e サブアパーチャ毎DPCA部。

Claims (8)

  1. 観測範囲に照射したパルス信号を複数のアンテナで受信した各受信信号を用いて、各SAR(Synthetic Aperture Radar)画像を再生するSAR画像再生部と、
    前記複数のアンテナを搭載したプラットフォームの、少なくとも速度を計測するプラットフォーム運動計測部と、
    前記プラットフォーム運動計測部で計測した前記プラットフォームの速度情報を用いて、前記SAR画像再生部の再生した各SAR画像の位置あわせを行うレジストレーション部と、
    前記レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像を比較して、前記観測範囲内を移動する移動目標を表す信号を検出する移動目標検出部と、
    前記移動目標検出部で検出された前記移動目標を表す信号に基づき、前記移動目標のクロストラック速度を推定する移動目標クロストラック速度推定部と、
    前記移動目標クロストラック速度推定部で推定された前記移動目標のクロストラック速度に基づき、前記移動目標のアジマス位置を推定する移動目標位置推定部と、
    前記レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像の信号をパルス毎に干渉させて位相差の変化率を算出し、前記移動目標のアロングトラック速度を推定する移動目標アロングトラック速度推定部とを備え、
    前記移動目標アロングトラック速度推定部は、
    前記レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像に対してアジマス解凍処理を施すアジマス解凍部と、
    前記移動目標位置推定部で推定された前記移動目標の位置情報に基づき、前記アジマス解凍部でアジマス解凍処理された各SAR画像の信号のうち、前記移動目標を含む信号の中から前記移動目標に前記パルス信号が当たっている時間内に含まれるパルス番号を設定する番号算出部と、
    前記番号算出部で設定されたパルス番号毎に、前記アジマス解凍処理された各信号を干渉させて、位相差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差算出部で算出されたパルス番号毎の位相差のヒストリから当該位相差の変化率を算出する位相差変化率算出部と、
    前記位相差変化率算出部で算出された位相差の変化率をアロングトラック速度に変換し、前記移動目標のアロングトラック速度の推定値を得る位相差変化率速度変換部とを有することを特徴とする合成開口レーダ装置。
  2. 前記移動目標アロングトラック速度推定部は、
    前記レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像から、前記移動目標検出部で検出された前記移動目標を表す信号を切り出して、前記アジマス解凍部へ出力するアジマス窓処理部を有することを特徴とする請求項1記載の合成開口レーダ装置。
  3. 前記位相差算出部は、前記アジマス解凍処理された各信号の各差分信号を算出し、前記番号算出部で設定されたパルス番号毎に、前記各差分信号を干渉させて、位相差を算出することを特徴とする請求項1記載の合成開口レーダ装置。
  4. 前記移動目標アロングトラック速度推定部は、
    前記レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像から、前記移動目標検出部で検出された前記移動目標を表す信号を切り出して、前記アジマス解凍部へ出力するアジマス窓処理部を有することを特徴とする請求項3記載の合成開口レーダ装置。
  5. 観測範囲に照射したパルス信号を複数のアンテナで受信した各受信信号を用いて、各SAR(Synthetic Aperture Radar)画像を再生するSAR画像再生部と、
    前記複数のアンテナを搭載したプラットフォームの、少なくとも速度を計測するプラットフォーム運動計測部と、
    前記プラットフォーム運動計測部で計測した前記プラットフォームの速度情報を用いて、前記SAR画像再生部の再生した各SAR画像の位置あわせを行うレジストレーション部と、
    前記レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像を比較して、前記観測範囲内を移動する移動目標を表す信号を検出する移動目標検出部と、
    前記移動目標検出部で検出された前記移動目標を表す信号に基づき、前記移動目標のクロストラック速度を推定する移動目標クロストラック速度推定部と、
    前記移動目標クロストラック速度推定部で推定された前記移動目標のクロストラック速度に基づき、前記移動目標のアジマス位置を推定する移動目標位置推定部と、
    前記レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像をサブアパーチャ画像に分割してアジマス圧縮処理を施した後、前記アジマス圧縮処理を施した各信号を当該サブアパーチャ毎に干渉させて位相差の変化率を算出し、前記移動目標のアロングトラック速度を推定するサブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部とを備え、
    前記サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部は、
    前記レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像に対してアジマス解凍処理を施すアジマス解凍部と、
    前記移動目標位置推定部で推定された前記移動目標の位置情報に基づき、前記アジマス解凍部でアジマス解凍処理された各SAR画像の信号のうち、前記移動目標を含む信号の中から前記移動目標に前記パルス信号が当たっている時間内に含まれるサブアパーチャ番号を設定する番号算出部と、
    前記番号算出部で設定されたサブアパーチャ番号毎に、前記アジマス解凍処理された各信号に対してアジマス圧縮処理を施すサブアパーチャアジマス圧縮部と、
    前記番号算出部で設定されたサブアパーチャ番号毎に、前記サブアパーチャアジマス圧縮部でアジマス圧縮処理された各信号を干渉させて、位相差を算出する位相差算出部と、
    前記位相差算出部で算出されたサブアパーチャ毎の位相差のヒストリから当該位相差の変化率を算出する位相差変化率算出部と、
    前記位相差変化率算出部で算出された位相差の変化率をアロングトラック速度に変換し、前記移動目標のアロングトラック速度の推定値を得る位相差変化率速度変換部とを有することを特徴とする合成開口レーダ装置。
  6. 前記サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部は、
    前記レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像から、前記移動目標検出部で検出された前記移動目標を表す信号を切り出して、前記アジマス解凍部へ出力するアジマス窓処理部を有することを特徴とする請求項5記載の合成開口レーダ装置。
  7. 前記位相差算出部は、前記サブアパーチャアジマス圧縮部でアジマス圧縮処理された各信号の各差分信号を算出し、前記番号算出部で設定されたサブアパーチャ番号毎に、前記各差分信号を干渉させて、位相差を算出することを特徴とする請求項5記載の合成開口レーダ装置。
  8. 前記サブアパーチャ式移動目標アロングトラック速度推定部は、
    前記レジストレーション部で位置あわせされた各SAR画像から、前記移動目標検出部で検出された前記移動目標を表す信号を切り出して、前記アジマス解凍部へ出力することを特徴とする請求項7記載の合成開口レーダ装置。
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