JP5933295B2 - 合成開口レーダ装置およびその移動目標検出方法 - Google Patents

合成開口レーダ装置およびその移動目標検出方法 Download PDF

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Description

この発明は、目標の高分解能画像を生成する合成開口レーダ装置、特に複数のアンテナ開口を用いて、受信した信号から移動目標の信号を検出する合成開口レーダ装置等に関する。
プラットフォームの移動方向(この方向をアロングトラック方向と呼ぶ)に2つ以上のアンテナ開口を並べ、各アンテナ開口で受信された信号を用いてそれぞれ合成開口レーダ(SAR;Synthetic Aperture Radar)画像を生成した後、これらの画像を組み合わせて静止目標の信号を抑圧することにより、移動目標を検出する方式が知られている。
2つのアンテナ開口を用いた方式としては、例えば、非特許文献1に記載されている方式が知られている。非特許文献1に記載の方式では、2つのアンテナ開口で受信された信号を用いてそれぞれ合成開口レーダ画像を生成し、生成された2つの画像の位置あわせを実施した後に、複素振幅の差分あるいは位相差を算出し、差分画像や位相差画像を生成する。これら2つの画像は、若干の時間差をつけて同じ場所で観測した2枚の画像と理解することができる。すると、当然、静止目標の信号は2つの画像で一致するため、前記差分画像において、静止目標からの信号の振幅は抑圧される。また、前記位相差画像において、静止目標からの信号については位相差がほぼゼロである。一方で、移動目標は各画像を観測した時刻において位置がずれるため、前記差分画像において、振幅が抑圧されない。また、前記位相差画像において、位置ずれの分に対応した位相差が発生している。そこで、非特許文献1に記載の方式では、前記差分画像における絶対値や、位相差画像における位相差の大きい画素を、移動目標信号が存在する画素として検出する。
また、2つ以上のアンテナ開口を用いた方式については、例えば非特許文献2に記載されている方式が知られている。非特許文献2に記載のこの方式では、複数のアンテナ開口で受信した信号に、時空間フィルタを適用することによって移動目標を検出する。非特許文献2に記載のこの方式は、検出性能が高いが演算量が増大する問題がある。
特開2010−175330号公報
C. Gierull著、"Moving Target Detection with Along-Track SAR Interferometry"、Technical Report DRDC-OTTAWA-TR-2002-084、Defence Research & Development Canada、2002年8月 J.H.Ender著、"Space-time processing for multichannel synthetic aperture radar"、Electronics & Communication Engineering Journal、pp.29-38、1999年2月 大内和夫著、「リモートセンシングのための合成開口レーダの基礎」、東京電機大学出版局、2004年1月
上記に述べたような、2つ以上のアンテナ開口を用いた合成開口レーダ画像による移動目標検出方式においては、アジマスアンビギュイティの信号が、移動目標として誤検出される問題が発生する場合がある。ここで、アジマスアンビギュイティとは、アナログのテレビ画面で発生するゴースト障害のように、アジマス方向にゴースト状の偽像が発生する現象のことであり、詳細は例えば非特許文献3などに詳しく記載されている。
合成開口レーダにおいて、アジマスアンビギュイティの発生は不可避である。合成開口レーダのシステム設計の際には、ビーム幅、プラットフォームの速度やパルス繰返し周期などのパラメータを最適化することで、アジマスアンビギュイティのレベルを可能な限り低減するように設計がなされる。しかしながら、アジマスアンビギュイティの成分を完全に排除することはできない。前記差分画像においては、移動目標の信号のみならず、アジマスアンビギュイティ成分の信号も抑圧されずに残存してしまう。あるいは前記位相差画像においては、移動目標の信号のみならず、アジマスアンビギュイティ成分の信号も位相差が発生してしまう。そのため、従来の技術においては、移動目標とアジマスアンビギュイティ成分を判別することが困難であった。
この発明は、上記課題を解消し、3つ以上のアンテナ開口を用いて観測した合成開口レーダ画像を適切に組み合わせることで、静止目標の信号と同時にアジマスアンビギュイティ成分の信号も抑圧することを可能にした合成開口レーダ装置およびその移動目標検出方法を提供することを目的とする。
この発明は、1つ以上のアンテナから放射された電磁波の観測対象での散乱波を前記アンテナを含む3つ以上のアンテナで受信するアンテナ部と、少なくとも前記各アンテナを搭載したプラットフォームの位置と速度を計測するプラットフォーム運動計測手段と、
前記プラットフォームの位置と速度および前記各アンテナで受信した信号から合成開口レーダ画像を再生するSAR画像再生手段と、前記SAR画像再生手段で再生された各アンテナで受信した信号による合成開口レーダ画像の位置あわせをするレジストレーション手段と、前記プラットフォームの速度の情報から前記各合成開口レーダ画像の間の位置ずれ量を算出し、前記位置ずれ量の値を用いて静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタを生成する静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段と、前記フィルタを前記合成開口レーダ画像に適用し、静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分の抑圧された出力信号を算出する静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ適用手段と、前記静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分の抑圧された出力信号について移動目標信号を検出する移動目標検出手段と、を備え、前記静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段において生成される静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタの各要素は、受信アンテナが3つの場合であれば、前記位置ずれ量の値とパルス繰返し周波数とから下記式(1)と式(2)に従って算出され、受信アンテナが4つ以上の場合は、下記式(1)と、受信アンテナの数に応じて下記式(2)を拡張したものによって算出される、
Figure 0005933295
ここで、
W:静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタ
I:単位行列
Fa:パルス繰返し周波数
η1、η2:画像の間の位置ずれ量の値
上付きのH:共役転置をあらわす
ことを特徴とする合成開口レーダ装置等にある。
この発明では、3つ以上のアンテナ開口を用いて観測した合成開口レーダ画像を適切に組み合わせることで、静止目標の信号と同時にアジマスアンビギュイティ成分の信号も抑圧することを可能できる。
この発明の実施の形態1による合成開口レーダ装置による観測のジオメトリを示す説明図である。 この発明の実施の形態1による合成開口レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2による合成開口レーダ装置の機能を説明するための説明図である。 この発明の実施の形態2による合成開口レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態3による合成開口レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。
以下、この発明による合成開口レーダ装置およびその移動目標検出方法を各実施の形態に従って図面を用いて説明する。なお、各実施の形態において、同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による合成開口レーダ装置による観測のジオメトリを示す説明図である。まず、図1を用いて、この発明の実施の形態1による合成開口レーダ装置による観測信号について説明する。
図1において、1aは送受信アンテナであり、1bと1cは受信アンテナである。送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b、受信アンテナ1cは、例えば同一のプラットフォームに搭載される。アンテナを搭載するプラットフォームとしては、航空機や人工衛星あるいは車両などの移動体を使用するのが良いが、これらに限るものではない。また、送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b、受信アンテナ1cは、プラットフォームの進行方向と平行に並べるものとする。なお、送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b、受信アンテナ1cは、同一のプラットフォームに搭載する必要はなく、別々のプラットフォームに搭載してもかまわないが、その場合は、各プラットフォームは同じ軌道を、進行方向に一列に並んで移動するものとする。
図1に示すとおり、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bの距離をL1、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1cの距離をL2とする。θはオフナディア角、Vplfはプラットフォームの速度である。各アンテナで受信した信号を用いて再生し、位置あわせをした合成開口レーダ画像の信号をそれぞれz0(τ,η)、z1(τ,η)、z2(τ,η)とする。ここで、τ[秒]はレンジ方向軸を時間で表したものであり、Fast Time と呼ばれる。また、η[秒]はアジマス方向軸を時間で表したものであり、Slow Time と呼ばれる。レンジ方向の距離r[m]と、アジマス方向の距離a[m]と、τ、ηは、それぞれ次式の関係を満たす。
Figure 0005933295
ただし、cは光速である。
なお、レンジ方向、アジマス方向に、それぞれΔτ、Δηの間隔でサンプリングされて離散化された合成開口レーダ画像をそれぞれ、z0[m,n]、z1[m,n]、z2[m,n]と表現する。このとき、z0[m,n]、z1[m,n]、z2[m,n]は次式によって定義される。
Figure 0005933295
mとnは、それぞれレンジ方向とアジマス方向の画素番号であり、m=1,2,…,Τ,η=1,2,…,Nの値をとる。また、MとNは、それぞれ、レンジ方向とアジマス方向の画素数である。
位置あわせをした合成開口レーダ画像に、静止目標からの信号と、移動目標からの信号が含まれている場合、受信信号は次式によってモデル化できる。
Figure 0005933295
ここで、式(3)においては、受信信号z0(τ,η)、z1(τ,η)、z2(τ,η)をまとめてベクトル形式で表現している。また、s0(τ,η)、s1(τ,η)、s2(τ,η)は静止目標からの信号であり、t0(τ,η)、t1(τ,η)、t2(τ,η)は移動目標からの信号である。
静止目標からの信号s0(τ,η)、s1(τ,η)、s2(τ,η)は、観測時刻によって変化が無いので、次式の関係を満たす。
Figure 0005933295
一方で、移動目標からの信号t0(τ,η)、t1(τ,η)、t2(τ,η)については、各アンテナで受信した信号を用いて再生した画像の観測時刻が若干異なるため、その観測時刻差の間に移動目標が動いた距離分の位相差が発生するため、次式の関係が成立する。
Figure 0005933295
ここで、Vtgtは移動目標のグランドレンジ方向の速度であり、θは入射角(=オフナディア角)、λは波長である。
式(4)を式(3)に代入すると、次式の関係を得る。
Figure 0005933295
すると、まず、受信信号に含まれる静止目標からの信号成分は、最小二乗法によって、次式のように推定することができる。
Figure 0005933295
(6)式と式(7)から、移動目標の信号は、受信信号から静止目標の信号成分を差し引くことによって、次式のようにして推定できる。
Figure 0005933295
(8)式に示す受信信号から静止目標信号成分を差し引く処理は、静止目標信号成分を抑圧する処理に他ならない。式(8)による静止目標信号抑圧処理後の消え残りの信号電力は次式で表される。
Figure 0005933295
式(9)に示す出力電力(ハット)Pout(τ,η)が、静止目標信号抑圧後の信号電力であり、主な消え残りの成分は移動目標の信号であるため、この出力電力(ハット)Pout(τ,η)に対して、広く知られているCFAR(Constant False Alarm Rate)処理や、閾値処理などの検出処理を適用する移動目標信号を検出することが可能である。
式(9)の出力電力(ハット)Pout(τ,η)を用いて移動目標を検出する処理においては、静止目標信号抑圧後の主な消え残りの成分が移動目標の信号であることを前提としているが、一般には、受信信号に含まれるアジマスアンビギュイティ成分も消え残るため、アジマスアンビギュイティ成分も移動目標として誤って検出してしまう問題が発生する。
以下では、まずアジマスアンビギュイティ成分の信号の特徴について説明した後、静止目標信号と、アジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧する方式について説明する。
簡単のため、以下では各アンテナで受信した信号を用いて再生した合成開口レーダ画像の1つのアジマスラインについての信号を扱うこととし、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bと受信アンテナ1cの受信信号から再生された合成開口レーダ画像のIアジマスラインを、それぞれx0(nΔη)、x1(nΔη)、x2(nΔη)と表す(n=1,2,…,N)。なお、x0(nΔη)、x1(nΔη)、x2(nΔη)は、位置あわせ前の画像のアジマスラインの信号である。このとき、アジマス軸の単位は時間で表現しており、Δη(秒)はサンプリング間隔である。
合成開口レーダ画像においては、パルス繰返周波数Faで決まるドップラー周波数の折り返しが発生している。そのため、例えばアジマスラインの信号x0(nΔη)をフーリエ変換して得られるドップラースペクトルは、次のようにモデル化することができる。
Figure 0005933295
ここで、F{・}はフーリエ変換を表す。また、Xorg(f)は、折り返しが無い場合のドップラースペクトルであり、Kはドップラースペクトルの折り返しの回数である。無視できない折り返しの回数は、ビーム幅とプラットフォーム速度およびパルス繰返し周波数Faの関係で決まるが、ここでは、一般的にK回の折り返しが発生しているものとしてモデル化する。なお、画像再生時に特にアップサンプルなどの処理を施していない場合は次式の関係が成立する。
Figure 0005933295
位置あわせ前の画像は、アンテナの配置の間隔で決まるずれ分だけサンプル位置がアジマス方向にずれている。そこで、送受信アンテナ1aの画像に対する受信アンテナ1bと受信アンテナ1cの画像のサンプル位置のずれ量を、それぞれη1、η2と置くと、x1(nΔη)、x2(nΔη)をフーリエ変換して得られるドップラースペクトルは、次のようにモデル化することができる。
Figure 0005933295
ここで留意すべき点は、ドップラースペクトルの折り返しの影響のため、次式の関係が満たされないことである。
Figure 0005933295
受信アンテナ1bと受信アンテナ1cの画像をリサンプルすることで、送受信アンテナ1aの画像に対して位置あわせをした場合、位置あわせ後の信号z0(nΔη)、z1(nΔη)、z2(nΔη)は、それぞれ次式の関係を満たす。
Figure 0005933295
また、式(14)に、式(10)と、式(12)とをフーリエ変換の推移側を考慮に入れて代入すると、位置あわせ後の信号z0(nΔη)、z1(nΔη)、z2(nΔη)は、それぞれ改めて次のように表現しなおすことができる。
Figure 0005933295
ここで、
Figure 0005933295
は逆フーリエ変換を表す。ここで、式(15)をベクトル形式で表現しなおすと、次式のように表される。
Figure 0005933295
ただし、
Figure 0005933295
さらに、移動目標信号が含まれる場合は、式(6)と同様に、受信信号は次式のように表される。
Figure 0005933295
ただし、
Figure 0005933295
式(18)の信号モデルを踏まえると、静止目標信号とアジマスアンビギュイティの信号を同時に抑圧する方式は、最小二乗の規範に従って、次のように導出することができる。
Figure 0005933295
ただし、
Figure 0005933295
ここで、行列Wが、静止目標信号とアジマスアンビギュイティを同時に抑圧するためのフィルタである。また、上付きのHは共役転置を表す。
ただし、ここでの例のようにアンテナ開口数が3つの場合は、抑圧できる信号は、静止目標信号に加えて、ドップラースペクトルの折り返しの1つ分に相当するアジマスアンビギュイティ成分のみである。すなわち、例えば静止目標信号と、k=1のドップラースペクトルの折り返しによるアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する場合であれば、次式の行列Aを用いて、抑圧フィルタWを定義する。
Figure 0005933295
アンテナパターンとパルス繰返し周期の関係を適切に設定することにより、ドップラースペクトルの折り返し成分のうち、高次のもの(折り返し数kが大きいもの)については、データ取得時に充分に抑圧しておくことが可能であるから、3開口の場合に、行列Aの列を式(22)のように限ってしまっても、充分な効果を期待することができる。
また、開口数を増やすことにより、同時に抑圧できるドップラースペクトルの折り返しの次数(k)の数を増やすことは容易である。
図2はこの発明の実施の形態1による合成開口レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。
送信機3を送受切換器2を介して、送受信アンテナ1aに接続する。送受信アンテナ1aには送受切換器2を介して受信機4aを接続する。また受信アンテナ1bと受信アンテナ1cにそれぞれ受信機4bと受信機4cを接続する。
まず、送信機3で生成されたパルス信号は、送受切換器2を介して送受信アンテナ1aから空間に電磁波として放射される。空間に放射されたパルス信号は観測対象によって散乱される。観測対象によって散乱された散乱波を送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bと受信アンテナ1cとでそれぞれ受信する。送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bと受信アンテナ1cとでそれぞれ受信された各受信信号は、それぞれ受信機4aと受信機4bと受信機4cに送られる。受信機4aと受信機4bと受信機4cにおいて、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bと受信アンテナ1cとで受信した散乱波の受信信号のそれぞれに対して、位相検波処理とA/D変換処理を実施し、それぞれの受信信号の振幅と位相を示すデジタル受信信号を出力する。なお、受信機の数はアンテナの数よりも少なくてもかまわない。その場合は、スイッチを介して、1つの受信機を複数のアンテナと接続し、パルスの送受信毎にスイッチを切り替えことにより、複数の開口で信号を受信するようにすればよい。
また、送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b、受信アンテナ1cは、図1に示すとおり、プラットフォームの進行方向と平行に並べるものとし、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1bの距離をL1、送受信アンテナ1aと受信アンテナ1cの距離をL2とする。
送信機3は上記のパルス信号を繰返し周期Δη(繰り返し周波数Fa)でパルスを繰り返し送信し、受信機4aと受信機4bと受信機4cは、観測対象によって散乱された該パルス信号を繰り返し受信する。
プラットフォーム運動計測手段5は、該合成開口レーダ装置を搭載したプラットフォームの位置と速度を計測し出力する。
SAR画像再生手段6a、SAR画像再生手段6b、SAR画像再生手段6cは、それぞれ、受信機4a、受信機4b、受信機4cによって受信された受信信号と、プラットフォーム運動計測手段5によって計測されたプラットフォーム位置と速度の情報を用いて、合成開口レーダ画像をそれぞれ再生する。ここで再生された画像をx0(mΔτ,nΔη)、x1(mΔτ,nΔη)、x2(mΔτ,nΔη)と表す。SAR画像再生手段6a、SAR画像再生手段6b、SAR画像再生手段6cにおける合成開口レーダ画像再生処理については公知であり、例えば上記非特許文献3などに記載されている処理を行う。ここでは詳細な説明は省略する。
レジストレーション手段7においては、プラットフォーム運動計測手段5によって計測されたプラットフォームの速度情報を用いて、SAR画像再生手段6a、SAR画像再生手段6b、SAR画像再生手段6cによってそれぞれ再生された合成開口レーダ画像のずれ量を算出し、ずれ量を補償することで、位置あわせを実施する。
ここで、プラットフォーム速度をVplfとすると、x0(mΔτ,nΔη)に対する、x1(mΔτ,nΔη)とx2(mΔτ,nΔη)のアジマス方向のずれ量η1とη2は、それぞれ次式で表される。
Figure 0005933295
レジストレーション手段7は、式(23)で表されるアジマス方向のずれ量η1とη2を補償するようにリサンプリングを行い、位置あわせ後の合成開口レーダ画像、z0(mΔτ,nΔη),z1(mΔτ,nΔη),z2(mΔτ,nΔη)を得る。
Figure 0005933295
z0(mΔτ,nΔη),z1(mΔτ,nΔη),z2(mΔτ,nΔη)には、受信機のゲインの相違などの影響で、振幅や位相にバイアス誤差が乗っている(含まれる)。そこで、位相補償手段8と振幅補償手段9は、位置あわせ後の合成開口レーダ画像間の比率から、それぞれ位相と振幅のバイアス誤差を推定して補償する。z1(mΔτ,nΔη)に対するz0(mΔτ,nΔη)の比率の平均値と、z2(mΔτ,nΔη)に対するz0(mΔτ,nΔη)の比率の平均値を、それぞれε1、ε2とすると、ε1、ε2は次式によって定義される。
Figure 0005933295
位相補償手段8と振幅補償手段9においては、z1(τ,η)およびz2(τ,η)について、それぞれε1、ε2の位相と振幅に相当する成分をそれぞれ補償する。これらの処理は併せて次式によって表現できる。
Figure 0005933295
なお、式(26)の処理は受信チャネル間の位相差と振幅差を補償する処理である。したがって、ε1、ε2の値を予め校正係数として計測しておき、保持しておくことができる場合は、観測毎に式(25)によってこれらの値を推定する必要はない。
静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段10は、プラットフォーム運動計測手段5によって計測されたプラットフォームの速度情報を用いて算出されたアジマス方向のずれ量η1とη2の値に基づいて、式(21)および式(22)にしたがって、静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタWを生成する。
次いで、静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ適用手段11は、静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段10において生成された静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタWを、z0(mΔτ,nΔη)と、位相補償処理および振幅補償処理済みのz1,cal(mΔτ,nΔη),z2,cal(mΔτ,nΔη)の組み合わせに対して、式(20)にしたがって適用し、静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分の抑圧された信号電力を出力する。
最後に、移動目標検出手段12は、静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ適用手段11によって出力された静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分の抑圧された信号電力に対して、閾値処理などを施して、移動目標信号を検出する。閾値処理には、一般に良く知られたCFAR(Constant False Alarm Rate)処理などを使用すればよいが、検出処理については、CFAR処理に限るものではない。
以上のように、この実施の形態1によれば、3つ以上のアンテナ開口を用いて観測した3つ以上の合成開口レーダ画像を組み合わせて静止目標の信号を抑圧する際に、これらの合成開口レーダ画像間におけるアジマスアンビギュイティ成分の信号の位相差を観測条件から予め推定し、推定された位相差の情報に従って、アジマスアンビギュイティ成分も同時に抑圧するように構成したので、静止目標の信号と同時にアジマスアンビギュイティ成分の信号も抑圧することが可能である効果を奏する。
なお、本実施の形態においては、アンテナ開口が3つの場合を想定して定式化しているが、4つ以上の場合も同様の処理が可能であり、拡張は容易である。
また、静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段10、レジストレーション手段7ではいずれか一方でアジマス方向のずれ量η1とη2の値を算出して双方で用いてもよい(図示省略)。
また、送受信アンテナ1a、受信アンテナ1b,1c、送受切換器2、送信機3、受信機4a〜4cがアンテナ部を構成する。
また、レジストレーション手段7がレジストレーション部を構成する。
また、位相補償手段8,振幅補償手段9が補償部を構成する。
実施の形態2.
図3は、この発明の実施の形態2による合成開口レーダ装置の機能を説明するための説明図である。
図3は、合成開口レーダ装置によって観測された受信信号のドップラースペクトルを表している。101が、パルス繰り返し周波数Faでサンプリングすることで帯域制限を受ける前のドップラースペクトルXorg(f)を表している。ドップラースペクトルXorg(f)のドップラー周波数の広がりは、送受信のビーム形状で決まる。また、102と103は、パルス繰り返し周波数Faでサンプリングすることによって発生したドップラースペクトルの折り返しXorg(f―Fa)とXorg(f+Fa)を表している。
図3に示すように、一般に合成開口レーダ装置によって観測された受信信号のドップラースペクトルにおける折り返しのうち、主要な成分は1次の折り返しXorg(f―Fa)とXorg(f+Fa)である。また、Xorg(f―Fa)の成分は、特に正のドップラー周波数領域に偏在しており、Xorg(f+Fa)の成分は、負のドップラー周波数領域に偏在している。
そこで、本実施の形態においては、静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタを適用する前に、信号のドップラースペクトルを半分に分割し、正のドップラー周波数領域と負のドップラー周波数領域には、異なるフィルタを適用するように構成する。
図4は、この発明の実施の形態2による合成開口レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。図4において、13は信号ドップラー帯域分割手段であり、14は信号ドップラー帯域合成手段である。その他の部分は図2の各部分に相当する。
信号ドップラー帯域分割手段13においては、まず、z0(mΔτ,nΔη)と、位相補償処理および振幅補償処理済みのz1,cal(mΔτ,nΔη),z2,cal(mΔτ,nΔη)をアジマス方向にフーリエ変換して、それぞれのドップラースペクトルを求める。
Figure 0005933295
次いで、ドップラースペクトルを次のように分割する。
Figure 0005933295
静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段10においては、分割後のドップラースペクトルに対して、それぞれ静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタを適用する。前述の通り、Xorg(f―Fa)の成分は、特に正のドップラー周波数領域に偏在しており、Xorg(f+Fa)の成分は、負のドップラー周波数領域に偏在しているため、正のドップラー周波数領域に適用するフィルタ
Figure 0005933295
と、負のドップラー周波数領域に適用するフィルタ
Figure 0005933295
は、それぞれ次式のように構成する。
Figure 0005933295
ただし、
Figure 0005933295
静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ適用手段11は、静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段10において生成された上記抑圧フィルタ
Figure 0005933295
Figure 0005933295
をそれぞれ正のドップラースペクトル信号と負のドップラースペクトル信号に適用し、次式によって静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧する。
Figure 0005933295
信号ドップラー帯域合成手段14は、静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ適用手段11において静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分の抑圧されたドップラースペクトル信号を合成したものに逆フーリエ変換を施す。
Figure 0005933295
ただし、
Figure 0005933295
最後に電力和を求めて得られた電力画像は、移動目標検出手段12に送られる。
Figure 0005933295
以上のように、この実施の形態2によれば、3つ以上のアンテナ開口を用いて観測した3つ以上の合成開口レーダ画像を組み合わせて静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧する際に、予めドップラースペクトル帯域を分割し、それぞれの帯域において主要な折り返しの次数に対応する信号を抑圧するように構成したので、静止目標信号成分と抑圧対象となるドップラースペクトル折り返し成分の合計が、アンテナ開口数と同じかそれ以上になっても、静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を効果的に抑圧することが可能である。
なお、本実施の形態においては、アンテナ開口が3つの場合を想定して、静止目標信号成分とドップラースペクトル折り返し成分の次数k=+1とk=−1に対応するアジマスアンビギュイティ成分の合わせて3つの成分を抑圧する方式について定式化しているが、アンテナ開口が4つ以上で、抑圧対象とする静止目標信号成分と折り返し成分の合計数が4以上の場合も同様の処理が可能であり、拡張は容易である。
また、本実施の形態においては、送受信のビームが進行方向に対して直交する方向に向いており、ビーム中心における信号のドップラー周波数がゼロである場合を想定している。そのため、ドップラースペクトルを分割する際に、ドップラー周波数ゼロの位置を境に、正のドップラー周波数領域と負のドップラー周波数領域に分割するとして説明を加えている。しかし、ビームがスクイントしている場合、すなわち、送受信のビームが進行方向に対して直交していない場合は、ビーム中心におけるドップラー周波数はゼロではない。この場合は、ビーム中心におけるドップラー周波数を境に、ビーム中心におけるドップラー周波数よりもドップラー周波数の高い領域と低い領域に分割することで(すなわち例えばドップラー周波数がビーム中心におけるドップラー周波数以上の領域と未満の領域に分割)、同様の効果を得ることが可能である。
実施の形態3.
図5は、この発明の実施の形態3による合成開口レーダ装置の構成を示す機能ブロック図である。図5において、15はオートフォーカス手段、16はアジマスずれ量推定手段、17は地形考慮型位相補償手段である。その他の部分は上記実施の形態の各部分に相当する。
プラットフォーム運動計測手段5によるプラットフォームの位置および速度の測定値には一般に一定の誤差が含まれている。そのため、SAR画像再生手段6a〜6cによって再生された合成開口レーダ画像がぼけてしまう現象が少なからず発生する。オートフォーカス手段15は、プラットフォーム運動計測手段5によるプラットフォームの位置および速度の測定値に誤差が含まれる場合に、観測信号からプラットフォームの位置および速度を推定することによって自動的に焦点をあわせる処理を行う。オートフォーカス手段15で用いるオートフォーカス処理は公知であり、例えば上記非特許文献3などに記載されている処理を行う。ここでは詳細な説明は省略する。
次に、アジマスずれ量推定手段16は、オートフォーカス手段15によって、自動的に焦点をあわせることで結像した合成開口レーダ画像のx0(mΔτ,nΔη)とx1(mΔτ,nΔη)およびx0(mΔτ,nΔη)とx2(mΔτ,nΔη)の相互相関関数をそれぞれ求める。さらに、ここで得られた相互相関関数のピーク位置より、x0(mΔτ,nΔη)に対するx1(mΔτ,nΔη)のずれ量η1と、x0(mΔτ,nΔη)に対するx2(mΔτ,nΔη)のずれ量η2をそれぞれ求める。
続いて、アジマスずれ量推定手段16で推定されたアジマス方向のずれ量η1とη2は、レジストレーション手段7と静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段10に送られる。
レジストレーション手段7はアジマスずれ量推定手段16で推定されたアジマス方向のずれ量η1とη2の値に基づいて、式(13)に示すようにリサンプリングを実施し、画像間の位置あわせを実施する。
静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段10は、アジマスずれ量推定手段16で推定されたアジマス方向のずれ量η1とη2の値に基づいて、フィルタWを構成する。
アンテナ開口の配置がアロングトラック方向に完全に一致しておらず、アンテナ開口間を結ぶ基線が、クロストラック方向の成分を持つ場合、レジストレーション後の画像間には、地形の影響による位相差が発生している。そこで、地形考慮型位相補償手段17においては、地形の影響で発生した位相差を推定しながらこれを除去する処理を実施する。なお、地形考慮型位相補償手段17の処理には、例えば上記特許文献1に記載の処理を用いることができる。ここでは詳細な説明は省略する。以降の動作は実施の形態2のものと基本的に同様である。
以上のように、この実施の形態3によれば、プラットフォーム運動計測手段5によるプラットフォームの位置および速度の測定値には一般に一定の誤差が含まれていることを考慮し、オートフォーカス手段15を備えるように構成したので、プラットフォーム運動計測手段5によるプラットフォームの位置および速度の測定値の誤差の影響で画像が呆けてしまう現象を軽減できる効果を奏する。
また、プラットフォーム運動計測手段5によるプラットフォームの位置および速度の測定値には一般に一定の誤差が含まれていることを考慮し、アジマスずれ量推定手段16を備えるように構成したので、静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段10において、静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタを生成する際に使用するアジマス方向のずれ量η1とη2を観測合成開口レーダ画像から精度良く推定することが可能になる効果を奏する。
さらに、地形考慮型位相補償手段17を備えるように構成したので、アンテナ開口の配置がアロングトラック方向に完全に一致しておらず、アンテナ開口間を結ぶ基線が、クロストラック方向の成分を持つ場合に発生してしまう地形に起因する位相差の影響を低減できる効果を奏する。
なお、レジストレーション手段7とアジマスずれ量推定手段16がレジストレーション部を構成する。
またこの発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、これらの実施の形態の可能な組み合わせを全て含むことは云うまでもない。
1a 送受信アンテナ、1b,1c 受信アンテナ、2 送受切換器、3 送信機、4a,4b,4c 受信機、5 プラットフォーム運動計測手段、6a,6b,6c SAR画像再生手段、7 レジストレーション手段、8 位相補償手段、9 振幅補償手段、10 静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段、11 静止目標・アンビギュイティ同時抑圧フィルタ適用手段、12 移動目標検出手段、13 信号ドップラー帯域分割手段、14 信号ドップラー帯域合成手段、15 オートフォーカス手段、16 アジマスずれ量推定手段、17 地形考慮型位相補償手段。

Claims (7)

  1. 1つ以上のアンテナから放射された電磁波の観測対象での散乱波を前記アンテナを含む3つ以上のアンテナで受信するアンテナ部と、
    少なくとも前記各アンテナを搭載したプラットフォームの位置と速度を計測するプラットフォーム運動計測手段と、
    前記プラットフォームの位置と速度および前記各アンテナで受信した信号から合成開口レーダ画像を再生するSAR画像再生手段と、
    前記SAR画像再生手段で再生された各アンテナで受信した信号による合成開口レーダ画像の位置あわせをするレジストレーション手段と、
    前記プラットフォームの速度の情報から前記各合成開口レーダ画像の間の位置ずれ量を算出し、前記位置ずれ量の値を用いて静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタを生成する静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段と、
    前記フィルタを前記合成開口レーダ画像に適用し、静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分の抑圧された出力信号を算出する静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ適用手段と、
    前記静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分の抑圧された出力信号について移動目標信号を検出する移動目標検出手段と、
    備え、
    前記静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段において生成される静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタの各要素は、受信アンテナが3つの場合であれば、前記位置ずれ量の値とパルス繰返し周波数とから下記式(1)と式(2)に従って算出され、受信アンテナが4つ以上の場合は、下記式(1)と、受信アンテナの数に応じて下記式(2)を拡張したものによって算出される、
    Figure 0005933295
    ここで、
    W:静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタ
    I:単位行列
    Fa:パルス繰返し周波数
    η1、η2:画像の間の位置ずれ量の値
    上付きのH:共役転置をあらわす
    ことを特徴とする合成開口レーダ装置。
  2. 前記レジストレーション手段での位置合わせ後の各合成開口レーダ画像をフーリエ変換してドップラースペクトルを算出し、ドップラースペクトルを分割する信号ドップラー帯域分割手段を備え、
    前記静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段が、前記信号ドップラー帯域分割手段から出力された分割後のスペクトル信号に対して、それぞれの帯域において、静止目標信号成分に加えて、ドップラースペクトルの主要な折り返しの次数に対応するアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する、前記分割後のスペクトル信号のそれぞれのためのフィルタを生成し、
    前記静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ適用手段が、前記静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段で生成されたフィルタを、前記分割後のスペクトル信号のそれぞれに適用し、
    さらに、
    前記信号ドップラー帯域分割手段によって複数の帯域に分割されたドップラースペクトルについて、前記静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ適用手段がそれぞれ静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を抑圧した後に出力されたスペクトル信号を再び合成するドップラー帯域合成手段と、
    備え、
    前記静止目標・アジマスアンビギュイティ同時抑圧フィルタ生成手段において、負のドップラー周波数領域で、静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧する前記フィルタの符号を変える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の合成開口レーダ装置。
  3. 前記アンテナ部が、1つのアンテナから放射された電磁波の観測対象での散乱波を前記アンテナを含む3つのアンテナで受信し、
    前記信号ドップラー帯域分割手段が、各合成開口レーダ画像をフーリエ変換してドップラースペクトルを算出し、ビーム中心におけるドップラー周波数を境として、該ドップラー周波数以上のドップラー周波数の領域のスペクトルと、該ドップラー周波数未満の領域のスペクトルに分割する、ことを特徴とする請求項2に記載の合成開口レーダ装置。
  4. 前記プラットフォーム運動計測手段の測定値誤差を考慮して、前記SAR画像再生手段によって再生された各合成開口レーダ画像の間の位置ずれ量を、合成開口レーダ画像の相関関数のピーク位置に従って推定するアジマスずれ量推定手段を備えたことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の合成開口レーダ装置。
  5. アンテナ開口の配置がアロングトラック方向に完全に一致しておらず、アンテナ開口間を結ぶ基線が、クロストラック方向の成分を持つ場合に、前記レジストレーション手段の後段で、画像間に発生する地形の影響による位相差成分を推定して除去する地形考慮型位相補償手段を備えたことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の合成開口レーダ装置。
  6. 前記レジストレーション手段の後段で、位置あわせ後の合成開口レーダ画像間の比率から、それぞれ位相と振幅のバイアス誤差を推定して補償する位相・振幅補償部をさらに備えたことを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の合成開口レーダ装置。
  7. 1つ以上のアンテナから放射された電磁波の観測対象での散乱波を前記アンテナを含む3つ以上のアンテナで受信するアンテナ部の少なくとも前記各アンテナを搭載したプラットフォームの位置と速度を計測する工程と、
    前記プラットフォームの位置と速度および前記各アンテナで受信した信号から合成開口レーダ画像を再生する工程と、
    前記合成開口レーダ画像を再生する工程で再生された各アンテナで受信した信号による合成開口レーダ画像の位置あわせをする工程と、
    前記プラットフォームの速度の情報から前記各合成開口レーダ画像の間の位置ずれ量を算出し、前記位置ずれ量の値を用いて、静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタを生成する工程と、
    前記フィルタを前記合成開口レーダ画像に適用し、静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分の抑圧された出力信号を算出する工程と、
    前記静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分の抑圧された出力信号電力について移動目標信号を検出する工程と、
    備え、
    前記フィルタを生成する工程において生成される静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタの各要素は、受信アンテナが3つの場合であれば、前記位置ずれ量の値とパルス繰返し周波数とから下記式(3)と式(4)に従って算出され、受信アンテナが4つ以上の場合は、下記式(3)と、受信アンテナの数に応じて下記式(4)を拡張したものによって算出される、
    Figure 0005933295
    ここで、
    W:静止目標信号成分とアジマスアンビギュイティ成分を同時に抑圧するフィルタ
    I:単位行列
    Fa:パルス繰返し周波数
    η1、η2:画像の間の位置ずれ量の値
    上付きのH:共役転置をあらわす
    ことを特徴とする合成開口レーダにおける移動目標検出方法。
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