JP6246024B2 - レーダ信号処理装置 - Google Patents

レーダ信号処理装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6246024B2
JP6246024B2 JP2014038708A JP2014038708A JP6246024B2 JP 6246024 B2 JP6246024 B2 JP 6246024B2 JP 2014038708 A JP2014038708 A JP 2014038708A JP 2014038708 A JP2014038708 A JP 2014038708A JP 6246024 B2 JP6246024 B2 JP 6246024B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
signal
clutter
azimuth ambiguity
region
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014038708A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015161662A (ja
Inventor
智也 山岡
智也 山岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2014038708A priority Critical patent/JP6246024B2/ja
Publication of JP2015161662A publication Critical patent/JP2015161662A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6246024B2 publication Critical patent/JP6246024B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Description

この発明は、合成開口レーダ(SAR:Synthetic Aperture Radar)の画像であるSAR画像に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧して、移動目標を検出するレーダ信号処理装置に関するものである。
以下の非特許文献1に開示されているレーダ信号処理装置では、複数の送受信アンテナを軌道方向に具備することで複数のチャンネルを有し、送受信の位相中心が軌道方向で異なる状態で観測された複数のSAR画像(観測領域が同一で観測時刻が異なる複数のSAR画像)を取得する。
そして、このレーダ信号処理装置では、複数のSAR画像間の位置合わせ(レジストレーション)を実施した後に、複数のSAR画像間の差分をとることで、クラッタ成分を抑圧して移動目標を検出するMTI(Moving Target Indicator)処理を実施する。
ただし、複数のSAR画像には、クラッタ成分の他に、アンテナパターンのサイドローブに起因するアジマスアンビギュイティ成分が発生している場合がある。
このとき、チャンネル間の送受信の位相中心が重複する条件であるDPCA(Diplaced Phase Center Antenna)条件を満足している場合には、複数のSAR画像間のレジストレーションをピクセル単位で行うことができるため、アジマスアンビギュイティ成分もクラッタ成分と同様に抑圧して移動目標を検出することが可能である。
しかし、DPCA条件を満足していない場合、複数のSAR画像間のレジストレーションをサブピクセル単位で行うことになる。サブピクセル単位でのリサンプリングを伴うレジストレーションを行う場合、アジマスアンビギュイティ成分はクラッタ成分と異なる振る舞いをするため、レジストレーション後のSAR画像内のアジマスアンビギュイティ成分に位相回転が発生する。その結果、複数のSAR画像間の差分をとってもアジマスアンビギュイティ成分が残余する問題が生じる。
ここで、上記の問題を確認するため、非特許文献1に開示されているレーダ信号処理装置の目標検知方式を簡単に説明する。
図9は非特許文献1に開示されているレーダ信号処理装置を示す構成図であり、図10は図9のレーダ信号処理装置の処理内容を示すフローチャートである。
このレーダ信号処理装置は、1つの送信アンテナからパルスが繰り返し放射され、2つの受信アンテナが目標に反射された上記パルスの反射波を受信することで、2枚のSAR画像(1)(2)を取得し、2枚のSAR画像(1)(2)から移動目標を検出するものである。
このとき、2つの受信アンテナ間の距離は、プラットフォーム速度Vに対して、2mV/PRF+2LV/PRFで表されるものとする。PFR(Pulse Repetition Frequency)はパルス繰返し周波数、m整数、Lは実数、0<L<1である。
L=0の場合には、図11に示すように、送受のアンテナ位相中心が重複するDPCA条件を満足するが、ここでは、L≠0であるために、図12に示すように、DPCA条件を満足しないものとする。
まず、レジストレーション部101は、SAR画像(2)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを行う(図10のステップST101)。
このとき、レジストレーション部101は、アジマス方向の(m+L)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。この結果、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(1)の受信信号r(p,q)は以下のように記述される。
Figure 0006246024
式(1)において、s(p,q)は、図13に示すようなクラッタ成分111であり、a(p,q)は図13に示すような1次のアジマスアンビギュイティ成分112、a(p,q)は図13に示すような1次のアジマスアンビギュイティ成分113である。
1次のアジマスアンビギュイティ成分は、アンテナのサイドローブパターンによって発生したものであるとして、2次以降の成分は無視できるほど小さいものとする。
(p,q)はSAR画像(1)内の雑音成分、t(p,q)はSAR画像(1)内の移動目標成分である。
なお、レンジビンはP個、アジマスビンはQ個存在するものとしている。
一方、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(2)の受信信号r(p,q)は以下のように記述される。
Figure 0006246024
式(2)において、n(p,q)はSAR画像(2)内の雑音成分、t(p,q)はSAR画像(2)内の移動目標成分である。
上記のように、SAR画像(1)(2)に生じているアジマスアンビギュイティ成分に位相回転が発生するのは、クラッタ成分に対してアジマスアンビギュイティ成分の周波数帯が異なるにもかかわらず、クラッタ成分と同様のアジマスリサンプリングが施されるためである。
ただし、実際にはPRF未満のドップラー周波数帯域制限を帯域幅Bで行っているため、図13の下図のような信号成分になる。しかし、この場合も、アンテナのサイドローブパターンに起因するアジマスアンビギュイティ成分は残余している。
差分画像生成部102は、SAR画像(1)と、レジストレーション後のSAR画像(2)との差分を取ることで、SAR画像(1)(2)に含まれているクラッタ成分を抑圧し(ステップST102)、両画像の差分画像を出力する(ステップST103)。
SAR画像(1)と、レジストレーション後のSAR画像(2)との差分画像の信号成分は、下記の式(3)のように表される。
Figure 0006246024
L=0でDPCA条件を満足していれば、アジマスアンビギュイティ成分112,113が残ることなく、差分画像から移動目標成分を確認することが可能である。
しかし、L≠0でDPCA条件を満足していなければ、図14に示すように、アジマスアンビギュイティ成分が残余するため、移動目標の検出が困難になる。
C.E. Livingstone,I. Sikaneta,C.H. Gierull,S. Chiu,A. Beaudoin,J. ampbell,. Beaudoin,S. Gong,and T.A. Knight,"An airborne synthetic aperture radar(SAR)experiment to support RADARSAT-2ground moving target indication(GMTI)",Can. J. Remote Sensing,Vol. 28,No. 6,pp. 794-813,2002
従来のレーダ信号処理装置は以上のように構成されているので、目標に反射されたパルスの反射波を受信する複数のアンテナの位相中心が重複しているというDPCA条件を満足している場合、SAR画像(1)と、レジストレーション後のSAR画像(2)との差分をとれば、アジマスアンビギュイティ成分を除去することができる。しかし、DPCA条件を満足していない場合、SAR画像(1)と、レジストレーション後のSAR画像(2)との差分をとっても、アジマスアンビギュイティ成分が残余するため、移動目標を検出することができなくなることがある課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、DPCA条件を満足していない場合でも、クラッタ成分とアジマスアンビギュイティ成分の両方を抑圧して、移動目標を検出することができるレーダ信号処理装置を得ることを目的とする。
この発明に係るレーダ信号処理装置は、観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別手段と、信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分をウィナーフィルタを用いてを推定し正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを設け、
ウィナーフィルタは、信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、正の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されるとともに、信号成分分別手段により負の領域の信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、負の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されるようにしたものである。
この発明によれば、位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別手段と、信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分をウィナーフィルタを用いてを推定して、正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを設け、ウィナーフィルタは、信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、正の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されるとともに、信号成分分別手段により負の領域の信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、負の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されるように構成したので、複数のアンテナの位相中心が重複していない場合でも、クラッタ成分とアジマスアンビギュイティ成分の両方を抑圧して、移動目標を検出することができる効果がある。
この発明の実施の形態1によるレーダ信号処理装置を示す構成図である。 この発明の実施の形態1によるレーダ信号処理装置の処理内容を示すフローチャートである。 信号成分をドップラー周波数領域の負の領域に0系列を与えたときのスペクトルを示す説明図である。 信号成分をドップラー周波数領域の正の領域に0系列を与えたときのスペクトルを示す説明図である。 不要成分抑圧部4によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像を示す説明図である。 この発明の実施の形態2によるレーダ信号処理装置を示す構成図である。 ドップラー周波数領域で信号成分の分別を行っても、2種類のアジマスアンビギュイティ成分が混在してしまう例を示す説明図である。 この発明の実施の形態3によるレーダ信号処理装置を示す構成図である。 非特許文献1に開示されているレーダ信号処理装置を示す構成図である。 図9のレーダ信号処理装置の処理内容を示すフローチャートである。 2つのチャンネル間の送受信の位相中心が重複している例を示す説明図である。 2つのチャンネル間の送受信の位相中心が重複していない例を示す説明図である。 SAR画像の受信信号内の各種成分を示す説明図である。 アジマスアンビギュイティ成分が残余している差分画像を示す説明図である。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1によるレーダ信号処理装置を示す構成図である。
図1において、レジストレーション部1は観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像であるSAR画像(1)とSAR画像(2)が与えられると、SAR画像(2)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。なお、レジストレーション部1は位置合わせ手段を構成している。
信号成分推定部2は信号成分分別部3と不要成分抑圧部4から構成されており、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧したSAR画像(1)とSAR画像(2)を出力する処理を実施する。
信号成分分別部3はレジストレーション部1により位置合わせが行われたSAR画像(1)(2)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する処理を実施する。なお、信号成分分別部3は信号成分分別手段を構成している。
不要成分抑圧部4は信号成分分別部3により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、信号成分分別部3により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する処理を実施する。なお、不要成分抑圧部4は不要成分抑圧手段を構成している。
目標検出部5は不要成分抑圧部4によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する処理を実施する。なお、目標検出部5は目標検出手段を構成している。
図1の例では、レーダ信号処理装置の構成要素であるレジストレーション部1、信号成分推定部2及び目標検出部5のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、レーダ信号処理装置がコンピュータで構成されていてもよい。
レーダ信号処理装置をコンピュータで構成する場合、レジストレーション部1、信号成分推定部2及び目標検出部5の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
図2はこの発明の実施の形態1によるレーダ信号処理装置の処理内容を示すフローチャートである。
次に動作について説明する。
この実施の形態1では、1つの送信アンテナからパルスが繰り返し放射され、2つの受信アンテナが目標に反射された上記パルスの反射波を受信することで、2枚のSAR画像(1)(2)を取得し、2枚のSAR画像(1)(2)から移動目標を検出するものとする。
このとき、2つの受信アンテナ間の距離は、プラットフォーム速度Vに対して、2mV/PRF+2LV/PRFで表されるものとする。PFR(Pulse Repetition Frequency)はパルス繰返し周波数、m整数、Lは実数、−1<L<0又は0<L<1である。
L=0の場合には、図11に示すように、送受のアンテナ位相中心が重複するDPCA条件を満足するが、この実施の形態1では、L≠0であるために、図12に示すように、DPCA条件を満足しないものとする。
レジストレーション部1は、観測領域が同一で観測時刻が異なるSAR画像(1)とSAR画像(2)が与えられると、SAR画像(2)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する(図2のステップST1)。
このとき、レジストレーション部1は、アジマス方向の(m+L)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。この結果、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(1)の受信信号r(p,q)は以下のように記述される。
Figure 0006246024
式(4)において、s(p,q)は、図13に示すようなクラッタ成分111であり、a(p,q)は図13に示すような1次のアジマスアンビギュイティ成分112、a(p,q)は図13に示すような1次のアジマスアンビギュイティ成分113である。
1次のアジマスアンビギュイティ成分は、アンテナのサイドローブパターンによって発生したものであるとして、2次以降の成分は無視できるほど小さいものとする。
(p,q)はSAR画像(1)内の雑音成分、t(p,q)はSAR画像(1)内の移動目標成分である。
なお、レンジビンはP個、アジマスビンはQ個存在するものとしている。
一方、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(2)の受信信号r(p,q)は以下のように記述される。
Figure 0006246024
式(5)において、n(p,q)はSAR画像(2)内の雑音成分、t(p,q)はSAR画像(2)内の移動目標成分である。
信号成分推定部2は、レジストレーション部1により位置合わせが行われたSAR画像(1)とSAR画像(2)を受けると、そのSAR画像(1)とSAR画像(2)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧し、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧したSAR画像(1)とSAR画像(2)を出力する。
以下、信号成分推定部2の処理内容を具体的に説明する。
SAR画像(1)の受信信号r(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r(p,q)には、2種類のアジマスアンビギュイティ成分が混在している。
この問題を簡単化するため、信号成分推定部2の信号成分分別部3は、SAR画像(1)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別し、SAR画像(2)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する(ステップST2)。
SAR画像(1)及びレジストレーション後のSAR画像(2)における2P個のドップラー周波数の信号成分は、図13の下図のように表される。
この信号成分をそれぞれ2つにコピーして、一方の信号成分をドップラー周波数領域の負の領域に0系列を与え、他方の信号成分をドップラー周波数領域の正の領域に0系列を与えると、前者のスペクトルは図3のようになり、後者のスペクトルは図4のようになる。
上記のスペクトルを時間領域に戻すと、ドップラー周波数領域の負の領域に0系列が与えたられたSAR画像(1)の受信信号r1+(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r2+(p,q)は、下記の式(6)(7)のように表され、ドップラー周波数領域の正の領域に0系列が与えたられたSAR画像(1)の受信信号r1−(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r2−(p,q)は、下記の式(8)(9)のように表される。
Figure 0006246024

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
式(6)〜(9)において、クラッタ成分、移動目標成分及び雑音成分に付記されている下字の+は、受信信号と同様に、ドップラー周波数領域の負の領域に0系列が与えられて得られる信号であることを表し、下字の−は、ドップラー周波数領域の正の領域に0系列が与えられて得られる信号であることを表している。このような変換を行うことで、推定問題を簡単化することができる。
不要成分抑圧部4は、受信信号r1+(p,q),r2+(p,q)を用いて、なるべく移動目標成分が含まれないように、クラッタ成分s(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定するとともに、受信信号r1−(p,q),r2−(p,q)を用いて、なるべく移動目標成分が含まれないように、クラッタ成分s(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定する(ステップST3)。
以下、受信信号r1+(p,q),r2+(p,q)を用いて、クラッタ成分s(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定する処理を説明する。
まず、受信信号r1+(p,q),r2+(p,q)の定式化を整理する。
受信信号r1+(p,q),r2+(p,q)の定式を行列とベクトルで表すと、以下のように与えられる。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
式(10)のように定式化された信号の推定方法の1つとして、最小二乗法が知られている(例えば、非特許文献2)。
[非特許文献2]
M. K. Steven,“Fundamentals of Statistical Signal Processing : Estimation Theory”,Prentice Hall PTR Prentice-Hall,Inc.,1993.
最小二乗法による具体的な推定方法を式で表すと、下記の式(16)のようになる。

Figure 0006246024
式(16)において、Sの文字の上に付されている“−”は、推定結果であることを表している。以下、他の文字の上に“−”が付されている場合も、同様に推定結果であることを表している。
また、式(16)において、−1の添え字は逆行列を表し、の添え字は共役転置を表している。
しかし、最小二乗法で推定する場合、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)以外の雑音成分n1+(p,q),n2+(p,q)や移動目標成分t1+(p,q)の存在を仮定していない。
このため、例えば、受信信号r1+(p,q)に含まれているクラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を抑圧するために、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を用いて、r1+(p,q)−s(p,q)−a(p,q)を計算しても0となり、移動目標成分t1+(p,q)が残余しない。
したがって、最小二乗法で推定する方式は適用することができず、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)以外の信号の存在を仮定する推定方法を用いる必要がある。
そこで、この実施の形態1では、ウィナーフィルタを用いて、信号の推定を行うものとする。
ウィナーフィルタを用いる推定方法を式で表すと、下記の式(17)のようになる。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
ただし、E(a/s)はアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値であり、E(n/s)は雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値である。
この推定方式は、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)以外の信号の存在を仮定し、それらの信号の存在が、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)の推定の際に含まれる量を統計的に最小化した方式である。
したがって、r+(p,q)−s(p,q)−a(p,q)を計算した場合には、移動目標成分t1+(p,q)が残余する。
受信信号r1−(p,q),r2−(p,q)についても同様に、行列とベクトルで表すと、以下のように与えられる。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
また、ウィナーフィルタを用いる推定方法は、下記の式(26)のようになる。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
不要成分抑圧部4は、ウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定すると、それらの推定結果を用いて、SAR画像(1)の受信信号r(p,q)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、SAR画像(2)の受信信号r(p,q)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する(ステップST4)。
クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の抑圧方法は、いくつかのバリエーションが考えられる。
最も単純な抑圧方法としては、以下の計算を行うものがある。

Figure 0006246024


Figure 0006246024
式(29)の計算結果又は式(30)の計算結果を用いれば、移動目標を検出することが可能であるが、下記の式(31)に示すように、2チャンネルの成分を合成すれば、より移動目標の検出性能を高めることができる。

Figure 0006246024
なお、不要成分抑圧部4により推定されたクラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)には推定誤差が含まれている。
特に、クラッタ成分の推定誤差は、クラッタ成分の電力が大きいことから、移動目標の検出性能劣化に大きく寄与すると考えられる。
そこで、不要成分抑圧部4により推定されたクラッタ成分s(p,q),s(p,q)を用いずにクラッタを除去し、残ったアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を抑圧する下記の処理が考えられる。

Figure 0006246024
上記の不要成分抑圧部4によるクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の抑圧は、振幅の次元で行っているが、下記に示すように、電力の次元で行ってから、振幅の次元に戻すことで、移動目標の検出性能を高めることも可能である。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
図5は不要成分抑圧部4によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像を示す説明図である。
図5の例では、4個の移動目標成分が表されており、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧されている。
目標検出部5は、不要成分抑圧部4によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像(以下、「抑圧後画像」と称する)から移動目標を検出する(ステップST5)。
移動目標の検出処理としては、閾値判定処理などが考えられるが、抑圧後画像を電力成分に変換してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。また、雑音を低減するために、移動平均フィルタなどを施してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。
また、SAR画像(1)とSAR画像(2)を干渉させて、移動目標の速度推定を行うATI(Along Track Interferometry)にも用いることが可能である。
具体的には、以下の偏角による位相マップを計算する。

Figure 0006246024
式(37)において、*は共役を示す記号である。
以上で明らかなように、この実施の形態1によれば、レジストレーション部1により位置合わせが行われたSAR画像(1)(2)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別部3と、信号成分分別部3により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、信号成分分別部3により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧部4とを設けるように構成したので、複数のアンテナの位相中心が重複していない場合でも、クラッタ成分とアジマスアンビギュイティ成分の両方を抑圧して、移動目標を検出することができる効果を奏する。
この実施の形態1では、上記の式(18)(19)に示すように、アジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(a/s)と、雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを生成するとともに、式(27)(28)に示すように、アジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(a/s)と、雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを生成し、それらのウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するものを示したが、その推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返し実施して、その推定精度を高めるようにしてもよい。
即ち、不要成分抑圧部4は、期待値E(a/s),E(n/s)を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したクラッタ成分s(p,q)と雑音成分n(p,q)の電力比(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定するようにする。
同様に、期待値E(a/s),E(n/s)を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したクラッタ成分s(p,q)と雑音成分n(p,q)の電力比(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定するようにする。
不要成分抑圧部4は、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返す場合、例えば、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよいし、予め設定された回数だけ、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよい。
なお、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の収束判定としては、例えば、前回の推定結果と今回推定結果を比較して、それらの推定結果の差分が予め設定された閾値以内であれば、収束していると判定する方法が考えられる。
この実施の形態1では、不要成分抑圧部4が、期待値E(a/s),E(n/s)を用いて、ウィナーフィルタを生成するものを示したが、信号成分におけるピクセル単位の信号電力を計算し、クラッタ成分の電力が支配的である場合(クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合)、クラッタ成分の信号電力を用いて、ウィナーフィルタを生成するようにしてもよい。
即ち、上記の式(18)(19)における期待値E(a/s),E(n/s)、,式(27)(28)における期待値E(a/s),E(n/s)の代わりに、クラッタ成分の信号電力に反比例する値を代入して、ウィナーフィルタを生成するようにしてもよい。
この場合も、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返し実施して、その推定精度を高めるようにしてもよい。
即ち、不要成分抑圧部4は、クラッタ成分の信号電力を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したクラッタ成分s(p,q)と雑音成分n(p,q)の電力比(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定するようにする。
同様に、クラッタ成分の信号電力を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したクラッタ成分s(p,q)と雑音成分n(p,q)の電力比(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定するようにする。
不要成分抑圧部4は、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返す場合、例えば、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよいし、予め設定された回数だけ、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよい。
この実施の形態1では、不要成分抑圧部4が、ウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するものを示したが、正則化最小二乗法を行うフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するようにしてもよい。正則化最小二乗法を行うフィルタは、下記の式(38)のように表される。

Figure 0006246024
式(38)において、Iは単位行列、λは任意の実数である。
ここでは、λが任意の実数であるものを示したが、λの代わりに、雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(n/s)(あるいは、雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(n/s))を式(38)に代入して、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成するようにしてもよい。
また、信号成分におけるピクセル単位の信号電力を計算し、クラッタ成分の電力が支配的である場合(クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合)、λの代わりに、クラッタ成分の信号電力を式(38)に代入して、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成するようにしてもよい。
この実施の形態1では、不要成分抑圧部4が、ウィナーフィルタ又は正則化最小二乗法を行うフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するものを示したが、これに限るものではなく、推定したい成分の他の信号成分の存在を仮定するフィルタや推定方式を適用することが可能である。
また、この実施の形態1では、2本の受信アンテナを用いる例を示したが、複数本の送信アンテナを用いる場合にも対応可能である。
実施の形態2.
この実施の形態2では、1つの送信アンテナからパルスが繰り返し放射され、3つの受信アンテナが目標に反射された上記パルスの反射波を受信することで、3枚のSAR画像(1)(2)(3)を取得し、3枚のSAR画像(1)(2)(3)から移動目標を検出するレーダ信号処理装置について説明する。
このとき、プラットフォーム速度Vに対して、SAR画像(1)に対応する受信アンテナと、SAR画像(2)に対応する受信アンテナとの距離は、2m/PRF+2L/PRFで表されるものとする。また、SAR画像(1)に対応する受信アンテナと、SAR画像(3)に対応する受信アンテナとの距離は、2m/PRF+2L/PRFで表されるものとする。
PFRはパルス繰返し周波数、m,mは整数、L,Lは実数、0<L、L<1である。
図6はこの発明の実施の形態2によるレーダ信号処理装置を示す構成図である。
図6において、レジストレーション部11aは観測領域が同一で観測時刻が異なるSAR画像(1)とSAR画像(2)が与えられると、SAR画像(2)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。
レジストレーション部11bは観測領域が同一で観測時刻が異なるSAR画像(1)とSAR画像(3)が与えられると、SAR画像(3)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。なお、レジストレーション部11a,11bは位置合わせ手段を構成している。
信号成分推定部12は信号成分分別部13と不要成分抑圧部14から構成されており、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧したSAR画像(1)(2)(3)を出力する処理を実施する。
信号成分分別部13はレジストレーション部11a,11bにより位置合わせが行われたSAR画像(1)(2)(3)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する処理を実施する。なお、信号成分分別部13は信号成分分別手段を構成している。
不要成分抑圧部14は信号成分分別部13により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、信号成分分別部13により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する処理を実施する。なお、不要成分抑圧部14は不要成分抑圧手段を構成している。
目標検出部15は不要成分抑圧部14によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する処理を実施する。なお、目標検出部15は目標検出手段を構成している。
図6の例では、レーダ信号処理装置の構成要素であるレジストレーション部11a,11b、信号成分推定部12及び目標検出部15のそれぞれが専用のハードウェア(例えば、CPUを実装している半導体集積回路、あるいは、ワンチップマイコンなど)で構成されているものを想定しているが、レーダ信号処理装置がコンピュータで構成されていてもよい。
レーダ信号処理装置をコンピュータで構成する場合、レジストレーション部11a,11b、信号成分推定部12及び目標検出部15の処理内容を記述しているプログラムをコンピュータのメモリに格納し、当該コンピュータのCPUが当該メモリに格納されているプログラムを実行するようにすればよい。
次に動作について説明する。
この実施の形態2では、観測領域が同一で観測時刻が異なる3枚のSAR画像(1)(2)(3)が与えられると、SAR画像(1)を基準にして、以下の処理を実施する。
レジストレーション部11aは、SAR画像(1)とSAR画像(2)が与えられると、SAR画像(2)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。
また、レジストレーション部11aは、SAR画像(1)とSAR画像(3)が与えられると、SAR画像(3)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。
このとき、レジストレーション部11aは、アジマス方向の(m+L)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。
また、レジストレーション部11bは、アジマス方向の(m+L)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。
この結果、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(1)の受信信号r(p,q)は以下のように記述される。

Figure 0006246024
式(39)において、s(p,q)は、図13に示すようなクラッタ成分111であり、a(p,q)は図13に示すような1次のアジマスアンビギュイティ成分112、a(p,q)は図13に示すような1次のアジマスアンビギュイティ成分113である。
1次のアジマスアンビギュイティ成分は、アンテナのサイドローブパターンによって発生したものであるとして、2次以降の成分は無視できるほど小さいものとする。
(p,q)はSAR画像(1)内の雑音成分、t(p,q)はSAR画像(1)内の移動目標成分である。
なお、レンジビンはP個、アジマスビンはQ個存在するものとしている。
一方、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(2)の受信信号r(p,q)は以下のように記述される。

Figure 0006246024
式(40)において、n(p,q)はSAR画像(2)内の雑音成分、t(p,q)はSAR画像(2)内の移動目標成分である。
また、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(3)の受信信号r(p,q)は以下のように記述される。

Figure 0006246024
式(41)において、n(p,q)はSAR画像(3)内の雑音成分、t(p,q)はSAR画像(3)内の移動目標成分である。
信号成分推定部12は、レジストレーション部11a,11bにより位置合わせが行われたSAR画像(1)(2)(3)を受けると、そのSAR画像(1)(2)(3)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧し、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧したSAR画像(1)(2)(3)を出力する。
以下、信号成分推定部12の処理内容を具体的に説明する。
SAR画像(1)の受信信号r(p,q)、レジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(3)の受信信号r(p,q)には、2種類のアジマスアンビギュイティ成分が混在している。
この問題を簡単化するため、信号成分推定部12の信号成分分別部13は、SAR画像(1)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別し、SAR画像(2)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別し、SAR画像(3)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する。
例えば、SAR画像(1)及びレジストレーション後のSAR画像(2)における2P個のドップラー周波数の信号成分は、図13の下図のように表される。
この信号成分をそれぞれ2つにコピーして、一方の信号成分をドップラー周波数領域の負の領域に0系列を与え、他方の信号成分をドップラー周波数領域の正の領域に0系列を与えると、前者のスペクトルは図3のようになり、後者のスペクトルは図4のようになる。
上記のスペクトルを時間領域に戻すと、ドップラー周波数領域の負の領域に0系列が与えたられたSAR画像(1)の受信信号r1+(p,q)、レジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r2+(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(3)の受信信号r3+(p,q)は、下記の式(42)〜(44)のように表され、ドップラー周波数領域の正の領域に0系列が与えたられたSAR画像(1)の受信信号r1−(p,q)、レジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r2−(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(3)の受信信号r3−(p,q)は、下記の式(45)〜(47)のように表される。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
式(42)〜(47)において、クラッタ成分、移動目標成分及び雑音成分に付記されている下字の+は、受信信号と同様に、ドップラー周波数領域の負の領域に0系列が与えられて得られる信号であることを表し、下字の−は、ドップラー周波数領域の正の領域に0系列が与えられて得られる信号であることを表している。このような変換を行うことで、推定問題を簡単化することができる。
不要成分抑圧部14は、受信信号r1+(p,q),r2+(p,q),r3+(p,q)を用いて、なるべく移動目標成分が含まれないように、クラッタ成分s(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定するとともに、受信信号r1−(p,q),r2−(p,q),r3−(p,q)を用いて、なるべく移動目標成分が含まれないように、クラッタ成分s(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定する。
以下、受信信号r1+(p,q),r2+(p,q),r3+(p,q)を用いて、クラッタ成分s(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定する処理を説明する。
まず、受信信号r1+(p,q),r2+(p,q),r3+(p,q)の定式化を整理する。
受信信号r1+(p,q),r2+(p,q),r3+(p,q)の定式を行列とベクトルで表すと、以下のように与えられる。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
この実施の形態2では、上記実施の形態1と同様の理由で、ウィナーフィルタを用いて、信号の推定を行う。
ウィナーフィルタを用いる推定方法を式で表すと、下記の式(54)のようになる。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
ただし、E(a/s)はアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値であり、E(n/s)は雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値である。
この推定方式は、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)以外の信号の存在を仮定し、それらの信号の存在が、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)の推定の際に含まれる量を統計的に最小化した方式である。
したがって、r1+(p,q)−s(p,q)−a(p,q)を計算した場合には、移動目標成分t1+(p,q)が残余する。
受信信号r1−(p,q),r2−(p,q),r3−(p,q)についても同様に、行列とベクトルで表すと、以下のように与えられる。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
また、ウィナーフィルタを用いる推定方法は、下記の式(63)のようになる。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
不要成分抑圧部14は、ウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定すると、それらの推定結果を用いて、SAR画像(1)の受信信号r(p,q)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、SAR画像(2)の受信信号r(p,q)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する。
また、SAR画像(3)の受信信号r(p,q)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する。
最も単純な抑圧方法としては、以下の計算を行うものがある。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
式(66)の計算結果、式(67)の計算結果又は式(68)の計算結果を用いれば、移動目標を検出することが可能であるが、下記の式(69)に示すように、3チャンネルの成分を合成すれば、より移動目標の検出性能を高めることができる。

Figure 0006246024
なお、不要成分抑圧部14により推定されたクラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)には推定誤差が含まれている。
特に、クラッタ成分の推定誤差は、クラッタ成分の電力が大きいことから、移動目標の検出性能劣化に大きく寄与すると考えられる。
そこで、不要成分抑圧部14により推定されたクラッタ成分s(p,q),s(p,q)を用いずにクラッタを除去し、残ったアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を抑圧する下記の処理が考えられる。

Figure 0006246024
上記の不要成分抑圧部14によるクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の抑圧は、振幅の次元で行っているが、下記に示すように、電力の次元で行ってから、振幅の次元に戻すことで、移動目標の検出性能を高めることも可能である。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
目標検出部15は、不要成分抑圧部14によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像である抑圧後画像から移動目標を検出する。
移動目標の検出処理としては、閾値判定処理などが考えられるが、抑圧後画像を電力成分に変換してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。また、雑音を低減するために、移動平均フィルタなどを施してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。
また、SAR画像(1)とSAR画像(2)、SAR画像(1)とSAR画像(3)、SAR画像(2)とSAR画像(3)を干渉させて、移動目標の速度推定を行うATIにも用いることが可能である。
具体的には、以下の偏角による位相マップを計算する。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024

式(76)〜(78)において、*は共役を示す記号である。
以上で明らかなように、この実施の形態2によれば、レジストレーション部11a,11bにより位置合わせが行われたSAR画像(1)(2)(3)におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別部13と、信号成分分別部13により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、信号成分分別部13により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧部14とを設けるように構成したので、複数のアンテナの位相中心が重複していない場合でも、クラッタ成分とアジマスアンビギュイティ成分の両方を抑圧して、移動目標を検出することができる効果を奏する。
また、上記実施の形態1よりも、チャンネル数が多いので、位相のアンラップを解くことで、速度推定範囲を拡大することができる効果を奏する。
この実施の形態2では、上記の式(55)(56)に示すように、アジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(a/s)と、雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを生成するとともに、式(64)(65)に示すように、アジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(a/s)と、雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを生成し、それらのウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するものを示したが、その推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返し実施して、その推定精度を高めるようにしてもよい。
即ち、不要成分抑圧部14は、期待値E(a/s),E(n/s)を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したクラッタ成分s(p,q)と雑音成分n(p,q)の電力比(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定するようにする。
同様に、期待値E(a/s),E(n/s)を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したクラッタ成分s(p,q)と雑音成分n(p,q)の電力比(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定するようにする。
不要成分抑圧部14は、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返す場合、例えば、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよいし、予め設定された回数だけ、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよい。
なお、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の収束判定としては、例えば、前回の推定結果と今回推定結果を比較して、それらの推定結果の差分が予め設定された閾値以内であれば、収束していると判定する方法が考えられる。
この実施の形態2では、不要成分抑圧部14が、期待値E(a/s),E(n/s)を用いて、ウィナーフィルタを生成するものを示したが、信号成分におけるピクセル単位の信号電力を計算し、クラッタ成分の電力が支配的である場合(クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合)、クラッタ成分の信号電力を用いて、ウィナーフィルタを生成するようにしてもよい。
即ち、上記の式(55)(56)における期待値E(a/s),E(n/s)、,式(64)(65)における期待値E(a/s),E(n/s)の代わりに、クラッタ成分の信号電力に反比例する値を代入して、ウィナーフィルタを生成するようにしてもよい。
この場合も、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返し実施して、その推定精度を高めるようにしてもよい。
即ち、不要成分抑圧部14は、クラッタ成分の信号電力を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したクラッタ成分s(p,q)と雑音成分n(p,q)の電力比(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定するようにする。
同様に、クラッタ成分の信号電力を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したクラッタ成分s(p,q)と雑音成分n(p,q)の電力比(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)を推定するようにする。
不要成分抑圧部14は、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返す場合、例えば、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよいし、予め設定された回数だけ、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよい。
この実施の形態2では、不要成分抑圧部14が、ウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するものを示したが、正則化最小二乗法を行うフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するようにしてもよい。正則化最小二乗法を行うフィルタは、下記の式(79)のように表される。

Figure 0006246024

式(79)において、Iは単位行列、λは任意の実数である。
ここでは、λが任意の実数であるものを示したが、λの代わりに、雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(n/s)(あるいは、雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(n/s))を式(79)に代入して、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成するようにしてもよい。
また、信号成分におけるピクセル単位の信号電力を計算し、クラッタ成分の電力が支配的である場合(クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合)、λの代わりに、クラッタ成分の信号電力を式(79)に代入して、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成するようにしてもよい。
この実施の形態2では、不要成分抑圧部14が、ウィナーフィルタ又は正則化最小二乗法を行うフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q),s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するものを示したが、これに限るものではなく、推定したい成分の他の信号成分の存在を仮定するフィルタや推定方式を適用することが可能である。
また、この実施の形態2では、3本の受信アンテナを用いる例を示したが、4本以上の受信アンテナを用いる場合にも適用可能である。また、複数本の送信アンテナを用いる場合や、複数本の送信アンテナ及び複数本の受信アンテナを用いる場合にも対応可能である。
実施の形態3.
この実施の形態3では、上記実施の形態2と同様に、3本の受信アンテナを用いる例を説明するが、図7に示すように、ドップラー周波数領域におけるアジマスアンビギュイティ成分の影響が大きく、ドップラー周波数領域で信号成分の分別を行っても、2種類のアジマスアンビギュイティ成分が混在してしまうことである。
この実施の形態3では、図7に示すように、2種類のアジマスアンビギュイティ成分が混在してしまう場合でも、クラッタ成分とアジマスアンビギュイティ成分の両方を抑圧して、移動目標を検出することができるレーダ信号処理装置を説明する。
図8はこの発明の実施の形態3によるレーダ信号処理装置を示す構成図であり、図において、図6と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
不要成分抑圧部20はレジストレーション部11a,11bにより位置合わせが行われたSAR画像(1)(2)(3)におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、そのドップラー周波数領域の負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定することで、負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する処理を実施する。なお、不要成分抑圧部20は不要成分抑圧手段を構成している。
この実施の形態3では、1つの送信アンテナからパルスが繰り返し放射され、3つの受信アンテナが目標に反射された上記パルスの反射波を受信することで、3枚のSAR画像(1)(2)(3)を取得し、3枚のSAR画像(1)(2)(3)から移動目標を検出するものとする。
このとき、プラットフォーム速度Vに対して、SAR画像(1)に対応する受信アンテナと、SAR画像(2)に対応する受信アンテナとの距離は、2m/PRF+2L/PRFで表されるものとする。また、SAR画像(1)に対応する受信アンテナと、SAR画像(3)に対応する受信アンテナとの距離は、2m/PRF+2L/PRFで表されるものとする。
PFRはパルス繰返し周波数、m,mは整数、L,Lは実数、0<L、L<1である。
次に動作について説明する。
この実施の形態3では、観測領域が同一で観測時刻が異なる3枚のSAR画像(1)(2)(3)が与えられると、SAR画像(1)を基準にして、以下の処理を実施する。
レジストレーション部11aは、SAR画像(1)とSAR画像(2)が与えられると、SAR画像(2)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。
また、レジストレーション部11aは、SAR画像(1)とSAR画像(3)が与えられると、SAR画像(3)の位置をSAR画像(1)の位置に合わせるレジストレーションを実施する。
このとき、レジストレーション部11aは、アジマス方向の(m+L)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。
また、レジストレーション部11bは、アジマス方向の(m+L)ピクセルの画像ずれを補正するため、アジマスリサンプリングを行う。
この結果、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(1)の受信信号r(p,q)は以下のように記述される。
Figure 0006246024
式(80)において、s(p,q)は、図13に示すようなクラッタ成分111であり、a(p,q)は図13に示すような1次のアジマスアンビギュイティ成分112、a(p,q)は図13に示すような1次のアジマスアンビギュイティ成分113である。
1次のアジマスアンビギュイティ成分は、アンテナのサイドローブパターンによって発生したものであるとして、2次以降の成分は無視できるほど小さいものとする。
(p,q)はSAR画像(1)内の雑音成分、t(p,q)はSAR画像(1)内の移動目標成分である。
なお、レンジビンはP個、アジマスビンはQ個存在するものとしている。
一方、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(2)の受信信号r(p,q)は以下のように記述される。
Figure 0006246024
式(81)において、n(p,q)はSAR画像(2)内の雑音成分、t(p,q)はSAR画像(2)内の移動目標成分である。
また、p番目のレンジビン、q番目のアジマスビンにおけるSAR画像(3)の受信信号r(p,q)は以下のように記述される。
Figure 0006246024
式(82)において、n(p,q)はSAR画像(3)内の雑音成分、t(p,q)はSAR画像(3)内の移動目標成分である。
信号成分推定部12の不要成分抑圧部20は、レジストレーション部11a,11bにより位置合わせが行われたSAR画像(1)(2)(3)を受けると、そのSAR画像(1)(2)(3)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定して、そのクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧し、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧したSAR画像(1)(2)(3)を出力する。
SAR画像(1)の受信信号r(p,q)、レジストレーション後のSAR画像(2)の受信信号r(p,q)及びレジストレーション後のSAR画像(3)の受信信号r(p,q)には、図7に示すような2種類のアジマスアンビギュイティ成分が混在している。
不要成分抑圧部20は、受信信号r(p,q),r(p,q),r(p,q)を用いて、なるべく移動目標成分が含まれないように、クラッタ成分s(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定する。
以下、受信信号r(p,q),r(p,q),r(p,q)を用いて、クラッタ成分s(p,q)及びアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定する処理を説明する。
まず、受信信号r(p,q),r(p,q),r(p,q)の定式化を整理する。
受信信号r(p,q),r(p,q),r(p,q)の定式を行列とベクトルで表すと、以下のように与えられる。
Figure 0006246024

Figure 0006246024

Figure 0006246024

Figure 0006246024

Figure 0006246024

Figure 0006246024
この実施の形態3では、上記実施の形態1と同様の理由で、ウィナーフィルタを用いて、信号の推定を行う。
ウィナーフィルタを用いる推定方法を式で表すと、下記の式(89)のようになる。
Figure 0006246024

Figure 0006246024

Figure 0006246024
ただし、E(a/s)はアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値であり、E(a/s)はアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値である。
また、E(n/s)は雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値である。
この推定方式は、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)以外の信号の存在を仮定し、それらの信号の存在が、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)の推定の際に含まれる量を統計的に最小化した方式である。
したがって、r(p,q)−s(p,q)−a(p,q)−a(p,q)を計算した場合には、移動目標成分t(p,q)が残余する。
不要成分抑圧部20は、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定すると、それらの推定結果を用いて、SAR画像(1)の受信信号r(p,q)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、SAR画像(2)の受信信号r(p,q)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する。
また、SAR画像(3)の受信信号r(p,q)に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する。
最も単純な抑圧方法としては、以下の計算を行うものがある。
Figure 0006246024


Figure 0006246024

Figure 0006246024
式(92)の計算結果、式(93)の計算結果又は式(94)の計算結果を用いれば、移動目標を検出することが可能であるが、下記の式(95)に示すように、3チャンネルの成分を合成すれば、より移動目標の検出性能を高めることができる。
Figure 0006246024
なお、不要成分抑圧部20により推定されたクラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)には推定誤差が含まれている。
特に、クラッタ成分の推定誤差は、クラッタ成分の電力が大きいことから、移動目標の検出性能劣化に大きく寄与すると考えられる。
そこで、不要成分抑圧部20により推定されたクラッタ成分s(p,q)を用いずにクラッタを除去し、残ったアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を抑圧する下記の処理が考えられる。
Figure 0006246024
上記の不要成分抑圧部20によるクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の抑圧は、振幅の次元で行っているが、下記に示すように、電力の次元で行ってから、振幅の次元に戻すことで、移動目標の検出性能を高めることも可能である。
Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
目標検出部15は、不要成分抑圧部20によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像である抑圧後画像から移動目標を検出する。
移動目標の検出処理としては、閾値判定処理などが考えられるが、抑圧後画像を電力成分に変換してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。また、雑音を低減するために、移動平均フィルタなどを施してから閾値判定処理を行うようにしてもよい。
また、SAR画像(1)とSAR画像(2)、SAR画像(1)とSAR画像(3)、SAR画像(2)とSAR画像(3)を干渉させて、移動目標の速度推定を行うATIにも用いることが可能である。
具体的には、以下の偏角による位相マップを計算する。

Figure 0006246024


Figure 0006246024


Figure 0006246024
式(102)〜(104)において、*は共役を示す記号である。
以上で明らかなように、この実施の形態3によれば、図7に示すような2種類のアジマスアンビギュイティ成分が混在している場合でも、クラッタ成分とアジマスアンビギュイティ成分の両方を抑圧して、移動目標を検出することができる効果を奏する。
この実施の形態3では、上記の式(90)(91)に示すように、アジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(a/s)と、アジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(a/s)と、雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを生成し、そのウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するものを示したが、その推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返し実施して、その推定精度を高めるようにしてもよい。
即ち、不要成分抑圧部20は、期待値E(a/s),E(a/s),E(n/s)を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したクラッタ成分s(p,q)と雑音成分n(p,q)の電力比(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するようにする。
不要成分抑圧部20は、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返す場合、例えば、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよいし、予め設定された回数だけ、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよい。
なお、クラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の収束判定としては、例えば、前回の推定結果と今回推定結果を比較して、それらの推定結果の差分が予め設定された閾値以内であれば、収束していると判定する方法が考えられる。
この実施の形態3では、不要成分抑圧部20が、期待値E(a/s),E(a/s),E(n/s)を用いて、ウィナーフィルタを生成するものを示したが、信号成分におけるピクセル単位の信号電力を計算し、クラッタ成分の電力が支配的である場合(クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合)、クラッタ成分の信号電力を用いて、ウィナーフィルタを生成するようにしてもよい。
即ち、上記の式(90)(91)における期待値E(a/s),E(a/s),E(n/s)の代わりに、クラッタ成分の信号電力に反比例する値を代入して、ウィナーフィルタを生成するようにしてもよい。
この場合も、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返し実施して、その推定精度を高めるようにしてもよい。
即ち、不要成分抑圧部20は、クラッタ成分の信号電力を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したアジマスアンビギュイティ成分a(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比(a/s)と、その推定したクラッタ成分s(p,q)と雑音成分n(p,q)の電力比(n/s)とを用いて、ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するようにする。
不要成分抑圧部20は、アジマスアンビギュイティ成分等の推定処理とウィナーフィルタの生成処理を再帰的に繰り返す場合、例えば、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよいし、予め設定された回数だけ、その推定処理と生成処理を繰り返すようにしてもよい。
この実施の形態3では、不要成分抑圧部20が、ウィナーフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するものを示したが、正則化最小二乗法を行うフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するようにしてもよい。 正則化最小二乗法を行うフィルタは、下記の式(105)のように表される。

Figure 0006246024
式(105)において、Iは単位行列、λは任意の実数である。
ここでは、λが任意の実数であるものを示したが、λの代わりに、雑音成分n(p,q)とクラッタ成分s(p,q)の電力比の期待値E(n/s)を式(105)に代入して、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成するようにしてもよい。
また、信号成分におけるピクセル単位の信号電力を計算し、クラッタ成分の電力が支配的である場合(クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合)、λの代わりに、クラッタ成分の信号電力を式(105)に代入して、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成するようにしてもよい。
この実施の形態3では、不要成分抑圧部20が、ウィナーフィルタ又は正則化最小二乗法を行うフィルタを用いて、クラッタ成分s(p,q)とアジマスアンビギュイティ成分a(p,q),a(p,q)を推定するものを示したが、これに限るものではなく、推定したい成分の他の信号成分の存在を仮定するフィルタや推定方式を適用することが可能である。
また、この実施の形態3では、3本の受信アンテナを用いる例を示したが、4本以上の受信アンテナを用いる場合にも適用可能である。また、複数本の送信アンテナを用いる場合や、複数本の送信アンテナ及び複数本の受信アンテナを用いる場合にも対応可能である。
なお、本願発明はその発明の範囲内において、各実施の形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施の形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施の形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 レジストレーション部(位置合わせ手段)、2 信号成分推定部、3 信号成分分別部(信号成分分別手段)、4 不要成分抑圧部(不要成分抑圧手段)、5 目標検出部(目標検出手段)、11a,11b レジストレーション部(位置合わせ手段)、12 信号成分推定部、13 信号成分分別部(信号成分分別手段)、14,20 不要成分抑圧部(不要成分抑圧手段)、15 目標検出部(目標検出手段)、101 レジストレーション部、102 差分画像生成部、111 クラッタ成分、112,113 アジマスアンビギュイティ成分。

Claims (11)

  1. 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別手段と、
    前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分をウィナーフィルタを用いて推定し前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
    前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え
    前記ウィナーフィルタは、前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記正の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されるとともに、前記信号成分分別手段により負の領域の信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記負の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されることを特徴とするレーダ信号処理装置。
  2. 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分とをウィナーフィルタを用いて推定し前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
    前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
    前記ウィナーフィルタは、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記正の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されるとともに、前記負の領域の信号成分に含まれているアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記負の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて生成されることを特徴とするレーダ信号処理装置。
  3. 前記不要成分抑圧手段は、前記電力比の期待値を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比と、その推定したクラッタ成分と前記雑音成分の電力比とを用いて、前記ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を再推定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のレーダ信号処理装置。
  4. 前記不要成分抑圧手段は、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定すると、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束しているか否かを判定し、その推定したクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が収束するまで、前記ウィナーフィルタを再生成しながら、その再生成したウィナーフィルタを用いて、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定する処理を繰り返し実施することを特徴とする請求項記載のレーダ信号処理装置。
  5. 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別手段と、
    前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
    前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
    前記不要成分抑圧手段は、前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上であり、前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力を用いて、ウィナーフィルタを生成し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の推定は前記ウィナーフィルタを用いて実施することを特徴とするレーダ信号処理装置。
  6. 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定し、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
    前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
    前記不要成分抑圧手段は、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上であり、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力と前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力を用いて、ウィナーフィルタを生成し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の推定を前記ウィナーフィルタを用いて実施することを特徴とするレーダ信号処理装置。
  7. 前記不要成分抑圧手段は、前記クラッタ成分の信号電力を用いて生成したウィナーフィルタを用いて、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定したのち、その推定したアジマスアンビギュイティ成分とクラッタ成分の電力比を用いて、前記ウィナーフィルタを再生成し、その再生成したウィナーフィルタを用いて、前記正の領域及び前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を再推定することを特徴とする請求項5又は請求項6記載のレーダ信号処理装置。
  8. 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別手段と、
    前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を前記フィルタを用いて推定し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
    前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段と
    を備えたレーダ信号処理装置。
  9. 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値と、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分に含まれている雑音成分とクラッタ成分の電力比の期待値とを用いて、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成し、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を前記フィルタを用いて推定することで前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を前記フィルタを用いて推定することで前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
    前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段と
    を備えたレーダ信号処理装置。
  10. 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の信号成分を正の領域と負の領域に分別する信号成分分別手段と、
    前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
    前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
    前記不要成分抑圧手段は、前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上であり、前記信号成分分別手段により負の領域に分別された信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力と前記信号成分分別手段により正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力を用いて、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の推定を前記フィルタを用いて実施することを特徴とするレーダ信号処理装置。
  11. 観測領域が同一で観測時刻が異なる複数の合成開口レーダ画像の位置合わせを行う位置合わせ手段と、
    前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分以外の成分を仮定して、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を推定し、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧するとともに、前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分を抑圧する不要成分抑圧手段と、
    前記不要成分抑圧手段によりクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分が抑圧された信号成分を有する画像から移動目標を検出する目標検出手段とを備え、
    前記不要成分抑圧手段は、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の正の領域の信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上であり、前記位置合わせ手段により位置合わせが行われた複数の合成開口レーダ画像におけるドップラー周波数領域の負の領域の信号成分におけるピクセル単位の信号電力のうち、前記クラッタ成分の信号電力の割合が予め設定された閾値以上である場合、前記正の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力と前記負の領域の信号成分に含まれているクラッタ成分の信号電力を用いて、正則化最小二乗法を行うフィルタを生成し、前記正の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分と前記負の領域に分別された信号成分に含まれているクラッタ成分及びアジマスアンビギュイティ成分の推定を前記フィルタを用いて実施することを特徴とするレーダ信号処理装置。
JP2014038708A 2014-02-28 2014-02-28 レーダ信号処理装置 Active JP6246024B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014038708A JP6246024B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 レーダ信号処理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014038708A JP6246024B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 レーダ信号処理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015161662A JP2015161662A (ja) 2015-09-07
JP6246024B2 true JP6246024B2 (ja) 2017-12-13

Family

ID=54184830

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014038708A Active JP6246024B2 (ja) 2014-02-28 2014-02-28 レーダ信号処理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6246024B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017022123A1 (ja) * 2015-08-06 2017-02-09 三菱電機株式会社 画像処理装置および画像処理方法
WO2017122273A1 (ja) * 2016-01-12 2017-07-20 三菱電機株式会社 信号処理装置、信号処理方法及びレーダ装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2972266B1 (fr) * 2011-03-03 2013-04-26 Thales Sa Procede de detection et de caracterisation d'une cible mobile sur une image radar
JP5933295B2 (ja) * 2012-03-05 2016-06-08 三菱電機株式会社 合成開口レーダ装置およびその移動目標検出方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015161662A (ja) 2015-09-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20140285371A1 (en) Bistatic inverse synthetic aperture radar imaging
US20170299694A1 (en) Antenna specification estimation device and radar device
JP2019086469A (ja) レーダ装置及び到来方向推定装置
JP5811931B2 (ja) 位相モノパルスレーダ装置
US8760340B2 (en) Processing radar return signals to detect targets
CN102520396A (zh) 基于复数经验模态分解的时变窄带干扰抑制方法
Shu et al. Robust radial velocity estimation of moving targets based on adaptive data reconstruction and subspace projection algorithm
Xu et al. Joint Doppler and DOA estimation using (Ultra-) Wideband FMCW signals
JP6246024B2 (ja) レーダ信号処理装置
CN114966657A (zh) 使用稀疏阵列处理的基于雷达的检测
WO2015166560A1 (ja) 測角装置及び測角方法
JP2010175457A (ja) レーダ装置
JP5047002B2 (ja) 波数推定装置
JP5116590B2 (ja) 波数推定装置
CN103217677A (zh) 一种基于联合检测量的单通道sar动目标检测方法
Zhu et al. Ionospheric decontamination for HF hybrid sky-surface wave radar on a shipborne platform
WO2023186386A1 (en) Detecting and suppressing ambiguities in synthetic aperture radar data and images
JP2013044642A (ja) パッシブレーダ装置
Yang et al. IMIA: Interference Mitigation via Iterative Approaches for Automotive Radar
EP4050373A1 (en) Radar-based detection using angle of arrival estimation based on sparse array processing
CN111880154B (zh) 基于对称波数谱对消的复图像域运动目标检测方法
JP6287674B2 (ja) 遅延時間推定装置及び測高装置
CN114265058A (zh) Mimo雷达目标测角方法、装置、电子设备及存储介质
Yang et al. Robust ambiguous clutter suppression for the near-shore water areas with spaceborne multichannel SAR systems
JP4867190B2 (ja) レーダ装置及び測角方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170822

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20171003

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171017

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6246024

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250