JP5116590B2 - 波数推定装置 - Google Patents
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Description
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、低SNRでの波数推定性能を改善する波数推定装置を得ることを目的とする。
図1〜図3は、レーダシステムに組み込んだこの発明の波数推定装置の実施の形態1を示す構成図である。
図1において送信機1は、予め設定された諸元に基づいて送信波を生成し、その送信波を複数のサーキュレータ2に出力する。
サーキュレータ2は、送信機1から出力された送信波をそれぞれ対応する複数の移相器4に出力し、また、移相器4からの目標で反射し対応する複数のセンサとしてのアンテナ5で受信した受信信号をそれぞれ対応する複数の受信機6に出力する。
移相値計算手段3は、予め設定されたセンサとしてのアンテナ5のビーム指向方向に応じた移相値を算出し、その移相値を複数の移相器4に出力する。
移相器4は、移相値算出手段3により設定された移相値だけサーキュレータ2から出力された送信波の位相を移相し、また、アンテナ5により受信された受信波の位相を移相する。なお、アンテナ5より受信された受信波の位相を移相しなくてもよい。
受信機6は、サーキュレータ2から出力された受信波を受信し、その受信波の周波数をダウンコンバートして、ベースバンドの受信信号に変換する。
AD(Analog to Digital)変換器7は、受信機6から出力されたアナログの受信信号をディジタルの受信信号に変換する。
なお、送信機1、複数のサーキュレータ2、移相値計算手段3、複数の移相器4、複数のアンテナ5、複数の受信機6、複数のAD変換器7から、目標信号取得手段が構成されている。
妨害波抑圧手段9は、妨害波の到来方向にヌルを有する空間フィルタを用いて、クラッタ抑圧部8より出力されるクラッタ抑圧後の受信信号に含まれる妨害波電力を抑圧する。具体的な空間フィルタとしては、SMI(Sample Matrix Inverse)やPCI(Principal Component Inverse)がある。
パルス間積分手段11は、和ビーム形成手段10より出力される受信信号のパルス間積分を行う。具体的なパルス間積分としては、NCI(Noncohernet Integration)やCI(Coherent Integration)がある。
信号検出手段12は、パルス間積分手段11より出力される受信信号に対して振幅検波してから閾値処理による信号検出が行われる。具体的な閾値処理としてはCFAR(Constant False Alarm Ratio)処理がある。
相関行列算出手段13は、信号検出有りの場合、その検出レンジビンにおいて、妨害波抑圧手段9より出力される目標信号の相関行列を算出する。
固有値・固有ベクトル算出手段14は、相関行列算出手段13より出力された相関行列の固有値・固有ベクトルを算出する。
コヒーレント積分手段16は、固有ビーム形成手段15からのビーム出力に対してコヒーレント積分を行う。
積分値抽出手段17は、コヒーレント積分手段16の出力であるコヒーレント積分値より所定の積分値を抽出する。
波数推定手段21は、積分値抽出手段17からの出力である積分値により、目標数を推定する。
図3は、この発明の実施の形態1における積分値抽出手段17の他の実施例を示す構成図であり、積分値抽出手段17は移動平均手段19と第2の最大値抽出手段20で形成される。
移動平均手段19は、複数のコヒーレント積分手段16からの出力であるコヒーレント積分値の移動平均を行い、第2の最大値抽出手段20は、移動平均手段19からの出力より最大値を抽出する。
また、式(2)における s(n) は互いに完全相関ではないK個の目標信号の複素振幅ベクトルであり、次式(5)で表される。
初めに、K 個の目標信号がそれぞれ異なる正規化ドップラ周波数を有する場合、目標信号sk(n) は次式(11)のように表わすことができる。
よって、目標信号ベクトルx(n)は次式(12)のようになる。
ここでk 波の各ドップラ周波数の差が互いにドップラ周波数分解能以下であり、かつ同じドップラビンに存在するとすれば、コヒーレント積分値Zm(l)のうち高々1つのドップラビンに信号成分が積分される。
図2の第1の最大値抽出手段18は、コヒーレント積分値Zm(l)を入力とし、次式のとおり、その最大値 Zmax(m)を出力する。
図3の移動平均手段19は、コヒーレント積分値Zm(l)を入力とし、次式(21)のとおり、その移動平均値 Zm-MA(l)を出力する。
図4は、レーダシステムに組み込んだこの発明の波数推定装置の実施の形態2を示す構成図である。
本実施の形態2は、実施の形態1とは波数推定手段21の構成が異なるものであり、これ以外の構成は実施の形態1と同一である。そこで、本実施の形態2の波数推定手段21についてのみ説明する。
図5は、レーダシステムに組み込んだこの発明の波数推定装置の実施の形態3を示す構成図である。
同図は、測角手段22を除いた構成については、実施の形態1と同一である。そこで、本実施の形態の測角手段22についてのみ説明する。
例えば波数推定値が1の場合には、モノパルス測角法を実施することにより、超分解能測角法に比べて低い演算量により高精度な測角値を得ることができる。波数推定値が複数の場合には、超分解能測角法を用いることにより、波数推定値に一致した複数の高精度な測角値を得ることができる。
もちろん、演算量に制約がない場合には、波数推定値が1の場合でも超分解能測角法を用いて測角値を得ることができる。
図6は、レーダシステムに組み込んだこの発明の波数推定装置の実施の形態4を示す構成図である。
同図は、測角手段22を除いた構成については、実施の形態2と同一である。また、測角手段22の機能・性能については、実施の形態3で示したとおりである。
Claims (5)
- 複数のセンサにより複数のパルス波の送受信を行い、目標からの反射信号を取得する目標信号取得手段と、上記目標信号取得手段の出力に対して和ビームを形成する和ビーム形成手段と、上記和ビームの出力の積分を行うパルス間積分手段と、上記パルス間積分手段の出力の振幅検波を行い、振幅検波後の出力の信号検出を行う信号検出手段と、上記信号検出手段にて信号が検出された場合に、上記目標信号取得手段の出力より、目標信号の相関行列を算出する相関行列算出手段と、上記相関行列より固有値・固有ベクトルを算出する固有値・固有ベクトル算出手段と、上記固有ベクトルと上記目標信号取得手段の出力より固有ビーム形成を行う固有ビーム形成手段と、上記固有ビーム形成手段による各ビーム出力をコヒーレント積分するコヒーレント積分手段と、上記コヒーレント積分の値より所定のコヒーレント積分値を抽出する積分値抽出手段と、上記積分値抽出手段の出力により目標信号の波数を推定する波数推定手段とから構成されることを特徴とする波数推定装置。
- 上記波数推定手段は、上記積分値抽出手段の出力に加え、上記固有値・固有ベクトル算出手段の出力を用いて目標信号の波数を推定する構成にされることを特徴とする請求項1記載の波数推定装置。
- 上記波数推定手段による波数推定結果に基づき目標信号の到来角を求める測角手段を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の波数推定装置。
- 積分値抽出手段は、上記コヒーレント積分値の最大値を抽出する第1の最大値抽出手段から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の波数推定装置。
- 積分値抽出手段は、上記コヒーレント積分値の移動平均を行う移動平均手段と、上記移動平均手段の出力の最大値を抽出する第2の最大値抽出手段とから構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の波数推定装置。
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