JP2014106024A - 目標検出装置及び目標検出方法 - Google Patents

目標検出装置及び目標検出方法 Download PDF

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佑樹 高林
Hiroshi Kameda
洋志 亀田
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Abstract

【課題】不要信号を目標であると誤判定する確率を抑えつつ、目標を検出する。
【解決手段】送信部21は、FMCW信号を送信する。信号処理器22は、受信信号と送信信号とからビート信号を生成し、ビート信号よりビート周波数を特定する。ビート周波数追尾部23は、ビート周波数を追尾する。同一目標判定部24は、チャープごとに得られた距離と速度概略値を用いて同一目標かを判定する。目標情報算出部25は、同一目標として対応付け実施済みの目標ペアの距離・速度を算出する。静止物範囲外判定部27は、同一目標とみなされない目標について、目標のビート周波数が静止物範囲外にあるかを判定する。アップチャープ用目標出力判定部28及びダウンチャープ用目標出力判定部29は、静止物範囲外と判定された目標の距離、速度より別チャープのビート周波数へ変換し、別チャープのビート周波数が静止物範囲内にある場合は目標の距離・速度を出力する。
【選択図】図9

Description

この発明は、目標を検出する目標検出装置に関する。
周波数変調連続波(FMCW)レーダ方式で目標を検出する技術がある。
FMCWレーダ方式では、周波数が一定の変化率で増加/減少することを一定の周期で繰り返す電磁波を放射し、目標に当たって反射した反射波を受信し、放射した電磁波と反射波との周波数の差(ビート周波数)から、目標までの距離や目標との相対速度を算出する。
ビート周波数は、目標までの距離と、目標との相対速度との関数であり、その関係は、放射周波数の変化率によって変わる。このため、放射周波数の変化率が異なる複数の期間におけるビート周波数から、目標までの距離と、目標との相対速度とを算出することができる。
しかし、電磁波を反射する目標が複数ある場合、ビート周波数が複数検出されるので、放射周波数の変化率が異なる複数の期間におけるビート周波数を対応づける必要がある。この対応づけができないと目標までの距離や相対速度を算出できない。
この課題を解決するため、放射周波数の変化率が異なる複数の期間のそれぞれにおいて別々にビート周波数を追尾することにより、目標までの距離や相対速度を算出する技術がある。
特開平4−343084号公報 特開平5−142337号公報 特開平11−271429号公報 特開2005−55240号公報 特開2010−19824号公報
放射周波数の変化率が異なる複数の期間のそれぞれにおいて別々にビート周波数を追尾することにより、目標までの距離や相対速度を算出する方式において、放射周波数の変化率が異なる複数の期間のいずれかで追尾された目標がすべて本当の目標であるとは限らず、不要信号を誤検出したものが含まれる可能性がある。
放射周波数の変化率が異なる複数の期間のそれぞれで別々に追尾した目標が、同一の目標であるかを判定し、放射周波数の変化率が異なる複数の期間で同じ目標が追尾されている場合のみ、本当の目標であると判定すると、今度は、本当の目標を不要信号と誤判定する可能性がある。
この発明は、例えば、不要信号を目標であると誤判定する確率を抑えつつ、目標を検出することを目的とする。
この発明にかかる目標検出装置は、
放射部と、受信部と、差周波数信号生成部と、ピーク検出部と、目標追尾部と、同一目標判定部と、目標情報出力部と、対応不検出判定部とを有し、
上記放射部は、電磁波を放射し、
上記電磁波は、所定の繰り返し周期で周波数が繰り返し変化し、
上記繰り返し周期は、複数の変化率一定期間を有し、
それぞれの変化率一定期間は、上記電磁波の周波数が略一定の変化率で変化し、
上記複数の変化率一定期間は、上記変化率が互いに異なり、
上記受信部は、上記電磁波が反射した反射波を受信し、
上記差周波数信号生成部は、上記電磁波の周波数と上記反射波の周波数との差の周波数を有する差周波数信号を生成し、
上記ピーク検出部は、上記差周波数信号の周波数領域におけるピークを検出し、
上記目標追尾部は、それぞれの変化率一定期間について、上記ピーク検出部が検出したピークに基づいて、上記電磁波を反射した目標を追尾し、
上記同一目標判定部は、第一の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のなかに、第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標と同一の目標があるか否かを判定し、
上記目標情報出力部は、上記第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のうち、上記第一の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のなかに同一の目標があると上記同一目標判定部が判定した目標についての情報を出力し、
上記対応不検出判定部は、上記第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のうち、上記第一の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のなかに同一の目標がないと上記同一目標判定部が判定した目標について、上記第一の変化率一定期間において上記目標と同一の目標にかかるピークが検出されるべき同一目標範囲が、ピークの検出が困難な検出困難範囲に含まれるか否かを判定し、
上記目標情報出力部は、更に、上記第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のうち、上記同一目標範囲が上記検出困難範囲に含まれると上記対応不検出判定部が判定した目標についての情報を出力する。
この発明にかかる目標検出装置によれば、不要信号を目標であると誤判定する確率を抑えつつ、目標を検出することができる。
実施の形態1における目標検出装置11の使用態様の一例を示す図。 実施の形態1における目標検出装置11の機能ブロック構成の一例を示す図。 実施の形態1における信号の一例を示す図。 目標までの距離及び相対速度と差周波数との関係の一例を示す図。 目標までの距離及び相対速度と差周波数との関係の別の例を示す図。 複数の繰り返し期間にわたって目標を追尾する様子の一例を示す図。 実施の形態1における検出困難範囲191及び同一目標範囲192,193の一例を示す図。 実施の形態1における目標検出処理60の流れの一例を示すフロー図。 実施の形態2におけるレーダ装置200の一例を示す構成図。 実施の形態2におけるアップ用ビート周波数追尾部231の一例を示す構成図。 実施の形態2におけるダウン用ビート周波数追尾部232の一例を示す構成図。 実施の形態2における静止物範囲外判定部27の動作を説明するための図。 実施の形態2におけるアップチャープ用目標出力判定部28の動作を説明するための図。 実施の形態2における出力判定処理360の流れの一例を示すフロー図。 実施の形態3におけるレーダ装置200の一例を示す構成図。 実施の形態3における静止物範囲外判定部27の動作を説明するための図。 実施の形態4におけるレーダ装置200の一例を示す構成図。
実施の形態1.
実施の形態1について、図1〜図8を用いて説明する。
図1は、この実施の形態における目標検出装置11の使用態様の一例を示す図である。
目標検出装置11は、車両などの移動体10に搭載されている。目標検出装置11は、電磁波を放射し、目標81や静止物体82に当たって反射した反射波を受信することにより、目標81を検出する。移動体10は、例えば速度901で移動している。目標81は、例えば速度902で移動している。静止物体82は、移動していない。
なお、目標検出装置11が電磁波を放射する方向は、移動体10の前方であってもよいし、移動体10の後方であってもよい。
図2は、この実施の形態における目標検出装置11の機能ブロック構成の一例を示す図である。
目標検出装置11は、例えば、周波数変調連続波(FMCW)レーダである。目標検出装置11は、例えば、生成部12と、放射部13と、受信部14と、差周波数信号生成部15と、ピーク検出部16と、目標追尾部17と、同一目標判定部18と、対応不検出判定部19と、目標情報出力部20とを有する。
生成部12は、周波数変調された信号を生成する。生成部12は、生成した信号を出力する。生成部12が生成する信号は、所定の繰り返し周期で周波数が繰り返し変化する。繰り返し周期は、例えば、移動体10から目標81までの距離や、移動体10に対する目標81の相対速度が変化しないとみなせる程度に短い時間であり、目標検出装置11が放射した電磁波が目標81に当たり、反射した反射波を目標検出装置11が受信するまでにかかる時間と比べると十分に長い時間である。
1つの繰り返し周期は、複数の変化率一定期間を有する。それぞれの変化率一定期間では、信号の周波数がほぼ一定の変化率で変化する。複数の変化率一定期間は、変化率が互いに異なる。例えば、ある変化率一定期間(アップチャープ期間)において、変化率は正であり、信号の周波数は増加する。別の変化率一定期間(ダウンチャープ期間)において、変化率は負であり、信号の周波数は減少する。
放射部13は、生成部12が生成した信号を、電磁波として放射する。
受信部14は、放射部13が放射した電磁波が反射した反射波を受信する。受信部14は、受信した反射波を表わす信号を出力する。
差周波数信号生成部15は、生成部12が生成した信号と、受信部が受信した反射波を表わす信号とに基づいて、放射部13が放射した電磁波の周波数と、受信部14が受信した反射波の周波数との差の周波数を有する差周波数信号(ビート信号)を生成する。差周波数信号生成部15は、生成した差周波数信号を出力する。差周波数信号生成部15は、例えば、乗算器(ミキサ)を有する。乗算器は、差周波数信号として、生成部12が生成した信号と受信部14が出力した信号とを乗じた信号を生成する。
ピーク検出部16は、差周波数信号生成部15が生成した差周波数信号の周波数領域におけるピークを検出する。ピーク検出部16は、例えば、アナログデジタル変換器と、フーリエ変換部とを有する。アナログデジタル変換器は、差周波数信号を所定のサンプリング周期でサンプリングして、差周波数信号の強度を表わす時系列データに変換する。フーリエ変換部は、アナログデジタル変換器が変換した時系列データをフーリエ変換して、周波数系列データに変換する。ピーク検出部16は、変換した周波数系列データに基づいて、差周波数信号の強度が極大となる周波数を算出して、差周波数信号の周波数領域におけるピークとする。
ピーク検出部16は、それぞれの変化率一定期間について、ピークを検出する。ピーク検出部16がそれぞれの変化率一定期間について検出するピークは、1つとは限らず、複数ある場合もあるし、1つもない場合もある。
目標追尾部17は、ピーク検出部16が検出したピークに基づいて、放射部13が放射した電磁波を反射した目標を追尾する。目標追尾部17は、それぞれの変化率一定期間について、別々に目標を追尾する。例えば、目標追尾部17は、ある繰り返し周期のある変化率一定期間についてピーク検出部16が検出したピークと、別の繰り返し周期の同じ変化率一定期間についてピーク検出部16が検出したピークとの相関を取り、目標を追尾する。
目標追尾部17は、追尾した目標について、移動体10から目標までの距離と、移動体10に対する目標の相対速度とを算出する。
同一目標判定部18は、異なる変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標が同一の目標であるか否かを判定する。同一目標判定部18は、ある変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標のなかから、別の変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標と同一の目標を選び出す。例えば、同一目標判定部18は、ある変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標に関して算出した距離及び相対速度と、別の変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標に関して算出した距離及び相対速度とを比較して、同一の目標であるか否かを判断する。距離や相対速度が近い目標がない場合、同一目標判定部18は、同一の目標がないと判定する。
対応不検出判定部19は、目標追尾部17が追尾した目標のうち、他の変化率一定期間に目標追尾部17が追尾した目標がないと同一目標判定部18が判定した目標について、他の変化率一定期間に目標追尾部17が追尾した目標がないことに正当な理由があるか否かを判定する。
正当な理由がなければ、その目標は、ノイズなどの不要信号によるピークを誤って追尾したものであると考えられる。これに対し、正当な理由があれば、その目標は、実在する目標であると考えられる。
正当な理由がある場合には、例えば、他の変化率一定期間においてその目標にかかるピークが検出されるはずの範囲(以下「同一目標範囲」と呼ぶ。)が、ピーク検出が困難な範囲(以下「検出困難範囲」と呼ぶ。)に含まれる場合がある。ピークの検出が困難になる場合には、例えば、他に大きなピークが存在し、あるいは、多数のピークが存在するなどして、検出されるべきピークが埋没してしまう場合がある。
対応不検出判定部19は、例えば、ある変化率一定期間において目標追尾部17が追尾した目標に関して算出した距離及び相対速度に基づいて、他の変化率一定期間における同一目標範囲を算出する。対応不検出判定部19は、算出した同一目標範囲が、検出困難範囲に含まれるか否かを判定する。
目標情報出力部20は、目標追尾部17が追尾した目標のうち、実在する可能性の高い目標についての情報を出力する。目標情報出力部20が出力する情報には、例えば、目標の位置や相対速度などがある。
目標が実在する可能性が高い場合には、例えば、複数の変化率一定期間において目標追尾部17が追尾した目標が同一である場合がある。また、目標が実在する可能性が高い場合には、他の変化率一定期間に目標追尾部17が追尾した目標がないことに正当な理由がある場合がある。
例えば、複数の変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標が同一の目標であると同一目標判定部18が判定した場合、目標情報出力部20は、その目標についての情報を出力する。
また、同一目標範囲が検出困難範囲に含まれるなど、他の変化率一定期間に目標追尾部17が追尾した目標がないことに正当な理由があると対応不検出判定部19が判定した場合も、目標情報出力部20は、その目標についての情報を出力する。
図3は、この実施の形態における信号の一例を示す図である。
横軸は、時刻を表わす。縦軸は、周波数を表わす。
放射周波数131は、放射部13が放射する電磁波の周波数である。例えば、時刻125において、放射周波数131は、所定の最小周波数121である。時刻125から時刻126までの間、放射周波数131は、ほぼ一定の変化率で増加する。時刻126において、放射周波数131は、所定の最大周波数122に達する。時刻126から時刻127までの間、放射周波数131は、ほぼ一定の変化率で減少する。時刻127において、放射周波数131は、最小周波数121に達する。これを一つの繰り返し周期として、放射周波数131は、最小周波数121と最大周波数122との間で増減を繰り返す。
受信周波数141は、受信部14が受信する反射波の周波数である。受信周波数141は、放射周波数131の増減に伴って増減する。
ただし、電磁波が目標に当たって反射してくるのにかかる伝搬時間が存在するため、受信周波数141の増減は、放射周波数131の増減と比べて遅延している。したがって、この遅延時間は、目標検出装置11と目標との間の距離に比例する。
また、ドップラー効果の影響により、受信周波数141は、放射周波数131と比べてシフトしている。したがって、この周波数シフト量は、目標検出装置11(移動体10)に対する目標の相対速度に比例する。
差周波数151は、差周波数信号生成部15が生成する差周波数信号の周波数である。例えば、時刻125において、差周波数151は、周波数153でほぼ一定である。時刻125から、時刻125に放射部13が放射した電磁波が反射された反射波を受信部14が受信するまでの間、差周波数151は、ほぼ一定の変化率で減少する。その後、時刻126までの間、差周波数151は、周波数152でほぼ一定である。時刻126から、時刻126に放射部13が放射した電磁波が反射された反射波を受信部14が受信するまでの間、差周波数151は、ほぼ一定の変化率で増加する。その後、時刻127までの間、差周波数151は、周波数153でほぼ一定である。差周波数151は、放射周波数の繰り返し周期と同じ周期で、繰り返し変化する。
時刻tに放射部13が電磁波を放射し、時刻tに電磁波が目標に反射し、時刻tに受信部14が反射波を受信したとすると、
c・(t−t)=2・R(t
ただし、cは、光速である。R(t)は、時刻tにおける目標検出装置11と目標との間の距離である。
目標検出装置11に対する目標の速度をvとすると、
R(t)=R+v・t
ただし、Rは、t=0における目標検出装置11と目標との間の距離である。
ここで、t=(t+t)/2だから、
c・(t−t)=2・R+v・(t+t
したがって、
=[(c−v)・t−2・R]/(c+v)
時刻tに放射部13が放射する電磁波の位相をφ(t)とすると、
φ(t)=ω(t)・t+φ
ただし、ω(t)は、時刻tにおける電磁波の角周波数(周波数の2π分の1)である。φは、t=0における電磁波の位相である。
放射部13が放射する電磁波の周波数は、ほぼ一定の変化率で変化するので、
ω(t)=a・t+ω
ただし、aは、角周波数の変化率である。ωは、t=0における電磁波の角周波数である。
したがって、
φ(t)=a・t+ω・t+φ
時刻tに受信部14が受信する反射波の位相をθ(t)とすると、θ(t)=φ(t)だから、
θ(t)=a・{[(c−v)・t−2・R]/(c+v)}+ω・[(c−v)・t−2・R]/(c+v)+φ
時刻tにおける差周波数信号の位相をψ(t)とすると、ψ(t)=θ(t)−φ(t)だから、
ψ(t)={4・a・[v・R−c・R(t)]/(c+v)−2・ω・v/(c+v)}・t+4・a・R/(c+v)−2・ω・R/(c+v)
時刻tにおける差周波数信号の角周波数をw(t)とすると、
w(t)=4・a・[v・R−c・R(t)]/(c+v)−2・ω・v/(c+v)
v≪cを仮定すると、
w(t)≒−[4・a・R(t)+2・ω・v]/c
図4は、目標までの距離及び相対速度と差周波数との関係の一例を示す図である。
横軸は、目標検出装置11から目標までの距離を表わす。縦軸は、目標検出装置11に対する目標の相対速度を表わす。斜線は、差周波数が等しくなる距離と相対速度との組を表わす。この例は、放射周波数の変化率が正の場合の例である。
図1に示したような状況において、放射部13が放射した電磁波は、目標81だけでなく、静止物体82にも反射する。図1に示したように静止物体82の数が多い場合、目標81からの反射波にかかるピークが、静止物体82からの反射波にかかるピークに紛れる可能性がある。この例のように、目標81にかかる差周波数と、静止物体82にかかる差周波数とが同じになる場合、目標追尾部17が目標81を追尾できない可能性がある。
図5は、目標までの距離及び相対速度と差周波数との関係の別の例を示す図である。
横軸は、目標検出装置11から目標までの距離を表わす。縦軸は、目標検出装置11に対する目標の相対速度を表わす。斜線は、差周波数が等しくなる距離と相対速度との組を表わす。この例は、放射周波数の変化率が負の場合の例である。
放射周波数の変化率が変わると、差周波数が等しくなる距離と相対速度との組を表わす直線の傾きが変化する。この例のように、目標81にかかる差周波数と、静止物体82にかかる差周波数とが大きく離れていれば、目標追尾部17が目標81を追尾できる。
このように、目標追尾部17は、ある変化率一定期間については目標を追尾できるが、別の変化率一定期間については同じ目標を追尾できない場合がある。
図6は、複数の繰り返し期間にわたって目標を追尾する様子の一例を示す図である。
横軸は、目標検出装置11から目標までの距離を表わす。縦軸は、目標検出装置11に対する目標の相対速度を表わす。斜線は、差周波数が等しくなる距離と相対速度との組を表わす。
上述したように、異なる距離と相対速度との組が、同じ差周波数になる場合があるので、一つの変化率一定期間における差周波数だけでは、目標までの距離や相対速度を求めることはできない。
しかし、複数の繰り返し期間にわたって、同じ変化率一定期間における差周波数を追うことにより、目標までの距離及び相対速度がわかる。
例えば、目標検出装置11に対する目標の相対速度が0であれば、複数の繰り返し周期について目標を追尾しても、目標検出装置11から目標までの距離が変わらないので、差周波数も変わらない。
これに対して、目標検出装置11に対する目標の相対速度が0でなければ、複数の繰り返し周期について目標を追尾すると、目標検出装置11から目標までの距離が変わっていくので、それに伴って、差周波数も変わっていく。差周波数が変化する速さや方向(増加か減少か)から、目標検出装置11に対する目標の相対速度が算出でき、目標検出装置11から目標までの距離も算出できる。
目標追尾部17は、このようにして目標までの距離及び相対速度を算出する。
例えば、目標追尾部17は、カルマンフィルタを用いて、目標までの距離及び相対速度を推定する。状態量には、例えば、目標までの距離及び相対速度を用い、観測量には、例えば、差周波数を用いる。
図7は、この実施の形態における検出困難範囲191及び同一目標範囲192,193の一例を示す図である。
例えば、同一目標判定部18が、静止物体82について、複数の変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標が同一であると判定し、目標81については、この変化率一定期間に関する同一の目標がないと判定したとする。
対応不検出判定部19は、例えば、同一の目標があると同一目標判定部18が判定した静止物体82について、その静止物体82と差周波数が同じになる距離と相対速度との組の範囲を、検出困難範囲191とする。
また、対応不検出判定部19は、別の変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標の位置及び相対速度との組を、同一目標範囲192,193とする。
同一目標範囲192は、検出困難範囲191に含まれている。このため、対応不検出判定部19は、この変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標がないことに正当な理由があると判定する。目標情報出力部20は、別の変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標の位置及び相対速度に基づいて、この目標についての情報を出力する。
これに対し、同一目標範囲193は、検出困難範囲191に含まれていない。このため、対応不検出判定部19は、この変化率一定期間について目標追尾部17が追尾した目標がないことに正当な理由がないと判定する。目標情報出力部20は、この目標についての情報を出力しない。
図8は、この実施の形態における目標検出処理60の流れの一例を示すフロー図である。
目標検出処理60において、目標検出装置11は、目標を検出する。目標検出処理60と並行して、生成部12が信号を生成し、放射部13が電磁波を放射し、受信部14が反射波を受信し、差周波数信号生成部15が差周波数信号を生成する。目標検出装置11は、差周波数信号生成部15が生成した差周波数信号に基づいて、目標を検出する。
目標検出処理60は、例えば、変化率一定期間選択工程61と、ピーク検出工程62と、目標追尾工程63と、追尾目標選択工程64と、同一目標判定工程65と、対応不検出判定工程66と、目標情報出力工程67とを有する。
変化率一定期間選択工程61において、ピーク検出部16は、変化率一定期間を時系列的に古い順に一つずつ選択する。ピーク検出部16は、まだ処理していない変化率一定期間のなかから、時系列的に最も古い変化率一定期間を一つ選択する。ある繰り返し期間の最後の変化率一定期間が処理済の場合、ピーク検出部16は、次の繰り返し期間の最初の変化率一定期間を選択する。
ピーク検出工程62において、ピーク検出部16は、差周波数信号を変化率一定期間ごとに分け、変化率一定期間選択工程61で選択した変化率一定期間についての差周波数信号を処理の対象とする。ピーク検出部16は、処理対象の差周波数信号に基づいて、ピークを検出する。
目標追尾工程63において、目標追尾部17は、ピーク検出工程62でピーク検出部16が検出したピークに基づいて、変化率一定期間選択工程61でピーク検出部16が選択した変化率一定期間について追尾している目標を更新する。
追尾目標選択工程64において、同一目標判定部18は、目標追尾工程63で目標追尾部17が追尾した目標のなかから、目標を一つ選択する。
すべての追尾目標を選択済であり、まだ選択していない追尾目標がない場合、同一目標判定部18は、変化率一定期間選択工程61に処理を戻し、ピーク検出部16が次の変化率一定期間を選択する。
未選択の追尾目標がある場合、同一目標判定部18は、まだ選択していない追尾目標のなかから、目標を一つ選択する。
同一目標判定工程65において、同一目標判定部18は、変化率一定期間選択工程61でピーク検出部16が選択した変化率一定期間以外の変化率一定期間について、目標追尾部17が追尾している目標のなかに、追尾目標選択工程64で選択した追尾目標と同一の目標があるか否かを判定する。
同一の目標があると判定した場合、同一目標判定部18は、目標情報出力工程67へ処理を進める。
同一の目標がないと判定した場合、同一目標判定部18は、対応不検出判定工程66へ処理を進める。
対応不検出判定工程66において、対応不検出判定部19は、追尾目標選択工程64で同一目標判定部18が選択した追尾目標について、変化率一定期間選択工程61でピーク検出部16が選択した変化率一定期間以外の変化率一定期間に目標追尾部17が追尾している同一の目標がない正当な理由があるか否かを判定する。
正当な理由があると判定した場合、対応不検出判定部19は、目標情報出力工程67へ処理を進める。
正当な理由がないと判定した場合、対応不検出判定部19は、追尾目標選択工程64に処理を戻し、同一目標判定部18が次の追尾目標を選択する。
このように、変化率一定期間ごとに別々に目標を追尾し、複数の変化率一定期間の間で、追尾した目標が同一であるか否かを判定する。他の変化率一定期間に同一の追尾目標がある場合は、それが実在する目標であると判定する。また、他の変化率一定期間に同一の追尾目標がない場合でも、そのことに正当な理由があれば、それが実在する目標であると判定する。正当な理由がない場合は、それが不要信号であると判定する。
これにより、複数の変化率一定期間で目標が追尾できない場合でも、不要信号を目標であると誤判定する確率を抑えつつ、目標を検出することができる。
なお、他の変化率一定期間に同一の追尾目標がなく、そのことに正当な理由もない場合、不要信号である可能性が高いので、目標追尾部17は、その目標の追尾を中止する構成であってもよい。
また、1つの繰り返し周期のなかに含まれる変化率一定期間の数は、2つに限らず、3つ以上であってもよい。その場合、放射周波数の変化率が0である変化率一定期間があってもよい。
目標追尾部17は、変化率一定期間ごとに目標を追尾し、同一目標判定部18は、異なる変化率一定期間で追尾された目標が同一であるか否かを判定する。
同じ目標が、所定の出力閾値以上の変化率一定期間で追尾されている場合、目標情報出力部20は、その目標についての情報を出力する。出力閾値は、2以上、変化率一定期間の数以下の整数である。
同じ目標が、出力閾値未満の変化率一定期間でしか追尾されていない場合、対応不検出判定部19は、その目標が追尾されていない変化率一定期間それぞれについて、その目標が追尾されていない正当な理由があるか否かを判定する。
その目標が追尾されている変化率一定期間の数と、その目標が追尾されていない正当な理由があると対応不検出判定部19が判定した変化率一定期間の数とを合計して、出力閾値以上になる場合、目標情報出力部20は、その目標についての情報を出力する。
また、その目標が追尾されている変化率一定期間の数と、その目標が追尾されていない正当な理由があると対応不検出判定部19が判定した変化率一定期間の数とを合計しても、所定の中止閾値以下にしかならない場合、目標追尾部17は、その目標の追尾を中止する構成であってもよい。中止閾値は、1以上、出力閾値未満の整数である。
実施の形態2.
実施の形態2について、図9〜図14を用いて説明する。
なお、実施の形態1と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図9は、この実施の形態におけるレーダ装置200の一例を示す構成図である。
レーダ装置200は、移動体に搭載されている。レーダ装置200(目標検出装置)は、送信部21と、信号処理器22と、ビート周波数追尾部23と、同一目標判定部24と、目標情報算出部25と、静止物範囲データベース記憶部26と、静止物範囲外判定部27と、アップチャープ用目標出力判定部28と、ダウンチャープ用目標出力判定部29とを備えている。
送信部21(放射部)は、送信器211と、送信アンテナとを有する。
送信器211は、送信アンテナを介して、送信信号を送信する。送信信号(電磁波)は、三角波状の変調信号により周波数変調され、周波数が一定の周期で増減を繰り返す。なお、送信信号は、周波数を変調されたものに限らず、一定周波数の送信信号が混在してもよい。
信号処理器22は、受信アンテナと、受信器221と、A/D変換器222(アナログデジタル変換器)と、ビート周波数ピーク検出部223とを有する。
受信器221(受信部)は、目標によって反射された送信信号(反射波)を受信する。
A/D変換器222は、受信器221から出力される中間周波のビート信号をデジタル信号に変換する。
ビート周波数ピーク検出部223(ピーク検出部)は、高速フーリエ変換(FFT)などによって周波数分析を行い、アップチャープにおけるビート信号の周波数と、ダウンチャープにおけるビート信号の周波数とを抽出する。
ビート周波数ピーク検出部223は、抽出したビート周波数に、それを得た時刻t(以下「ビート周波数観測時刻」と呼ぶ。)を付与して、出力する。
ビート周波数追尾部23(目標追尾部)は、アップ用ビート周波数追尾部231と、ダウン用ビート周波数追尾部232とを有する。
アップ用ビート周波数追尾部231(アップチャープ用追尾フィルタ)は、ビート周波数ピーク検出部223によって得られたビート周波数のうち、アップチャープで得られたビート周波数を入力して、ビート周波数に対して追尾処理を実施する。
ダウン用ビート周波数追尾部232(ダウンチャープ用追尾フィルタ)は、ビート周波数ピーク検出部223によって得られたビート周波数のうち、ダウンチャープで得られたビート周波数を入力して、ビート周波数に対して追尾処理を実施する。
図10は、この実施の形態におけるアップ用ビート周波数追尾部231の一例を示す構成図である。
アップ用ビート周波数追尾部231は、相関部311と、初期化部312と、平滑部313と、予測部314と、距離速度変換部315とを有する。
相関部311は、入力したビート周波数と、既存の仮検出目標の予測ビート周波数との間の相関処理を実施する。
初期化部312は、相関なしと相関部311が判定した場合、仮目標の初期平滑値として、相関なしであったビート周波数を新目標として設定する。
平滑部313は、相関ありと相関部311が判定した場合、相関ありであったビート周波数により、仮目標のビート周波数平滑値を更新する。
予測部314は、初期化部312が設定し、あるいは、平滑部313が更新したビート周波数の平滑値に基づいて、次のアップチャープにおける仮目標のビート周波数を予測する。
距離速度変換部315は、平滑部313が更新したビート周波数の平滑値に基づいて、仮目標の距離概略値及び速度概略値を算出する。
アップ用ビート周波数追尾部231の処理の例について説明する。
仮目標の状態ベクトルを次の式で定義する。
Figure 2014106024
mは、1以上M以下の整数であり、仮目標番号を表わす。Mは、1以上の整数であり、仮目標の数を表わす。上付きのuは、アップチャープであることを表わす。kは、0以上の整数であり、サンプリング番号を表わす。x (m)は、二次の縦ベクトルであり、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号kにおける状態ベクトルを表わす。f は、実数であり、アップチャープにおけるサンプリング番号kのビート周波数の真値を表わす。fドット (「fドット」は、上に点(・)の付いたfを表わす。他も同様。)は、実数であり、アップチャープにおけるサンプリング番号kのビート周波数変化率の真値を表わす。上付きのTは、転置を表わす。
仮目標の運動モデルを次の式で定義する。
Figure 2014106024
Φは、二次の正方行列であり、サンプリング番号kにおける状態遷移行列を表わす。Δtは、実数であり、サンプリング番号kの時刻とサンプリング番号k+1の時刻との差を表わす。wは、二次の縦ベクトルであり、サンプリング番号kにおける状態雑音ベクトルを表わす。Qは、二次の正方行列であり、サンプリング番号kにおける駆動雑音共分散行列を表わす。
仮目標の観測モデルを次の式で定義する。
Figure 2014106024
fバー (「fバー」は、上に横棒(−)の付いたfを表わす。他も同様。)は、実数であり、アップチャープにおけるサンプリング番号kのビート周波数の観測値を表わす。Hは、二次の横ベクトルであり、観測行列を表わす。vは、実数であり、サンプリング番号kにおける観測誤差ベクトルを表わす。Aは、実数であり、サンプリング番号kにおけるビート周波数の観測誤差分散を表わす。
相関部311は、次の不等式を満足する仮目標が存在するか否かを判定する。
Figure 2014106024
ただし、
Figure 2014106024
(m)は、実数であり、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号kにおける残差共分散行列を表わす。上付きの−1は、逆行列を表わす。fk|k−1 (m)は、実数であり、仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号k−1までの観測値に基づくサンプリング番号kにおけるビート周波数の予測値を表わす。dは、実数であり、ゲートの大きさを表わす。Pk|k−1 (m)は、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号k−1までの観測値に基づくサンプリング番号kにおける予測誤差共分散行列(誤差共分散行列の予測値)を表わす。xチルダk|k−1 (m)(「xチルダ」は、上に波線(〜)の付いたxを表わす。他も同様。)は、二次の縦ベクトルであり、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号k−1までの観測値に基づくサンプリング番号kにおける状態ベクトルの予測値を表わす。
数14を満足する仮目標が存在する場合、相関部311は、相関ありと判定する。
平滑部313は、次の式を用いて、相関ありと判定した仮目標の状態を更新する。
Figure 2014106024
は、二次の縦ベクトルであり、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号kにおけるゲイン行列(カルマンゲイン)を表わす。xハットk|k (m)(「xハット」は、上に山型(^)の付いたxを表わす。他も同様。)は、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号kにおける状態ベクトルの推定値を表わす。Pk|k (m)は、二次の正方行列であり、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号kにおける平滑誤差共分散行列(誤差共分散行列の推定値)を表わす。Iは、二次の単位行列を表わす。TQ(m)は、整数であり、仮目標番号mの仮目標についてのトラック品質値を表わす。minは、最小値を返す関数を表わす。TQmaxは、所定の整数であり、トラック品質値の上限値を表わす。
平滑部313は、仮目標番号mの仮目標についてのトラック品質値が上限値TQmax未満であれば1増加させ、上限値TQmaxであればTQmaxで固定する。
数14を満足する仮目標が存在しない場合、相関部311は、相関なしと判定する。
平滑部313は、次の式を用いて、相関なしと判定した仮目標の状態をメモリトラックする。
Figure 2014106024
maxは、最大値を返す関数を表わす。TQminは、所定の整数であり、トラック品質値の下限値を表わす。
平滑部313は、仮目標番号mの仮目標についてのトラック品質値が下限値TQmin超であれば1減少させ、下限値TQminであればTQminで固定する。
登録済の仮目標のすべてに対して、数14を満足しないビート周波数がある場合、初期化部312は、そのビート周波数を新規の仮目標として登録する。初期化部312は、次の式を用いて、新規の仮目標についての初期値を設定する。
Figure 2014106024
xハット (m)は、二次の縦ベクトルであり、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標の平滑ベクトル初期値(状態ベクトルの推定値の初期値)を表わす。f は、実数であり、アップチャープにおけるビート周波数の推定値の初期値を表わす。P (m)は、二次の正方行列であり、仮目標番号mの仮目標の平滑誤差共分散行列初期値(誤差共分散行列の初期値)を表わす。Aは、所定の実数であり、初期時刻におけるビート周波数観測誤差分散を表わす。vmaxは、所定の実数であり、ビート周波数変化率の最大値を表わす。
初期化部312は、アップチャープにおけるビート周波数の推定値の初期値f として、サンプリング番号k−1のいずれの仮目標とも相関が取れなかったアップチャープにおけるサンプリング番号kのビート周波数の観測値fバー を設定する。
予測部314は、登録されている仮目標のそれぞれについて、更新時刻と、次のビート周波数観測時刻との差を算出してΔtとする。予測部314は、算出したΔtに基づいて、状態遷移行列Φを算出する。予測部314は、次の式を用いて、次のビート周波数観測時刻における仮目標の状態ベクトルの予測値を算出する。
Figure 2014106024
目標までの距離及び相対速度と、アップチャープにおけるビート周波数との間には、次の関係が成り立つ。
Figure 2014106024
Bは、送信信号の周波数変位幅(最大周波数と最小周波数との差)を表わす。cは、光速を表わす。Tは、一周期の変調に要する時間(繰り返し周期)を表わす。fは、送信信号の中心周波数(最大周波数と最小周波数との平均)を表わす。R (m)は、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標までの距離の初期値を表わす。Rドット (m)は、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標の相対速度の初期値を表わす。Δは、初期時刻とサンプリング番号kの時刻との差を表わす。
そこで、距離速度変換部315は、例えば、次の式を用いて、仮目標までの距離及び速度の概略値を算出する。
Figure 2014106024
Rドットは、仮目標の相対速度の概略値を表わす。Rは、仮目標までの距離の概略値を表わす。fk|k は、アップチャープにおける仮目標のサンプリング番号kにおけるビート周波数の推定値を表わす。
あるいは、距離速度変換部315は、例えば、次の式を用いて、仮目標までの距離及び速度の概略値を算出する構成であってもよい。
Figure 2014106024
fハット は、アップチャープにおける仮目標の時刻tにおけるビート周波数の推定値を表わす。fドットハット は、アップチャープにおける仮目標の時刻tにおけるビート周波数変化率の推定値を表わす。
図11は、この実施の形態におけるダウン用ビート周波数追尾部232の一例を示す構成図である。
ダウン用ビート周波数追尾部232は、相関部321と、初期化部322と、平滑部323と、予測部324と、距離速度変換部325とを有する。
相関部321は、入力したビート周波数と、既存の仮検出目標の予測ビート周波数との間の相関処理を実施する。
初期化部322は、相関なしと相関部321が判定した場合、仮目標の初期平滑値として、相関なしであったビート周波数を新目標として設定する。
平滑部323は、相関ありと相関部321が判定した場合、相関ありであったビート周波数により、仮目標のビート周波数平滑値を更新する。
予測部324は、初期化部322が設定し、あるいは、平滑部323が更新したビート周波数の平滑値に基づいて、次のダウンチャープにおける仮目標のビート周波数を予測する。
距離速度変換部325は、平滑部323が更新したビート周波数の平滑値に基づいて、仮目標の距離概略値及び速度概略値を算出する。
ダウン用ビート周波数追尾部232の処理の例について説明する。
仮目標の状態ベクトルを次の式で定義する。
Figure 2014106024
mは、1以上M以下の整数であり、仮目標番号を表わす。Mは、1以上の整数であり、仮目標の数を表わす。上付きのdは、ダウンチャープであることを表わす。kは、0以上の整数であり、サンプリング番号を表わす。x (m)は、二次の縦ベクトルであり、ダウンチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号kにおける状態ベクトルを表わす。f は、実数であり、ダウンチャープにおけるサンプリング番号kのビート周波数の真値を表わす。fドット は、実数であり、ダウンチャープにおけるサンプリング番号kのビート周波数変化率の真値を表わす。上付きのTは、転置を表わす。
仮目標の運動モデルを次の式で定義する。
Figure 2014106024
Φは、二次の正方行列であり、サンプリング番号kにおける状態遷移行列を表わす。Δtは、実数であり、サンプリング番号kの時刻とサンプリング番号k+1の時刻との差を表わす。wは、二次の縦ベクトルであり、サンプリング番号kにおける状態雑音ベクトルを表わす。Qは、二次の正方行列であり、サンプリング番号kにおける駆動雑音共分散行列を表わす。
仮目標の観測モデルを次の式で定義する。
Figure 2014106024
fバー は、実数であり、ダウンチャープにおけるサンプリング番号kのビート周波数の観測値を表わす。Hは、二次の横ベクトルであり、観測行列を表わす。vは、実数であり、サンプリング番号kにおける観測誤差ベクトルを表わす。Aは、実数であり、サンプリング番号kにおけるビート周波数の観測誤差分散を表わす。
相関部321は、次の不等式を満足する仮目標が存在するか否かを判定する。
Figure 2014106024
ただし、
Figure 2014106024
(m)は、実数であり、ダウンチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号kにおける残差共分散行列を表わす。上付きの−1は、逆行列を表わす。fk|k−1 (m)は、実数であり、仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号k−1までの観測値に基づくサンプリング番号kにおけるビート周波数の予測値を表わす。dは、実数であり、ゲートの大きさを表わす。Pk|k−1 (m)は、ダウンチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号k−1までの観測値に基づくサンプリング番号kにおける予測誤差共分散行列(誤差共分散行列の予測値)を表わす。xチルダk|k−1 (m)は、二次の縦ベクトルであり、ダウンチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号k−1までの観測値に基づくサンプリング番号kにおける状態ベクトルの予測値を表わす。
数26を満足する仮目標が存在する場合、相関部321は、相関ありと判定する。
平滑部323は、次の式を用いて、相関ありと判定した仮目標の状態を更新する。
Figure 2014106024
は、二次の縦ベクトルであり、ダウンチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号kにおけるゲイン行列(カルマンゲイン)を表わす。xハットk|k (m)は、ダウンチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号kにおける状態ベクトルの推定値を表わす。Pk|k (m)は、二次の正方行列であり、ダウンチャープにおける仮目標番号mの仮目標についてのサンプリング番号kにおける平滑誤差共分散行列(誤差共分散行列の推定値)を表わす。Iは、二次の単位行列を表わす。TQ(m)は、整数であり、仮目標番号mの仮目標についてのトラック品質値を表わす。minは、最小値を返す関数を表わす。TQmaxは、所定の整数であり、トラック品質値の上限値を表わす。
平滑部323は、仮目標番号mの仮目標についてのトラック品質値が上限値TQmax未満であれば1増加させ、上限値TQmaxであればTQmaxで固定する。
数26を満足する仮目標が存在しない場合、相関部321は、相関なしと判定する。
平滑部323は、次の式を用いて、相関なしと判定した仮目標の状態をメモリトラックする。
Figure 2014106024
maxは、最大値を返す関数を表わす。TQminは、所定の整数であり、トラック品質値の下限値を表わす。
平滑部323は、仮目標番号mの仮目標についてのトラック品質値が下限値TQmin超であれば1減少させ、下限値TQminであればTQminで固定する。
登録済の仮目標のすべてに対して、数26を満足しないビート周波数がある場合、初期化部322は、そのビート周波数を新規の仮目標として登録する。初期化部322は、次の式を用いて、新規の仮目標についての初期値を設定する。
Figure 2014106024
xハット (m)は、二次の縦ベクトルであり、ダウンチャープにおける仮目標番号mの仮目標の平滑ベクトル初期値(状態ベクトルの推定値の初期値)を表わす。f は、実数であり、ダウンチャープにおけるビート周波数の推定値の初期値を表わす。P (m)は、二次の正方行列であり、仮目標番号mの仮目標の平滑誤差共分散行列初期値(誤差共分散行列の初期値)を表わす。Aは、所定の実数であり、初期時刻におけるビート周波数観測誤差分散を表わす。vmaxは、所定の実数であり、ビート周波数変化率の最大値を表わす。
初期化部322は、ダウンチャープにおけるビート周波数の推定値の初期値f として、サンプリング番号k−1のいずれの仮目標とも相関が取れなかったダウンチャープにおけるサンプリング番号kのビート周波数の観測値fバー を設定する。
予測部324は、登録されている仮目標のそれぞれについて、更新時刻と、次のビート周波数観測時刻との差を算出してΔtとする。予測部324は、算出したΔtに基づいて、状態遷移行列Φを算出する。予測部324は、次の式を用いて、次のビート周波数観測時刻における仮目標の状態ベクトルの予測値を算出する。
Figure 2014106024
距離速度変換部325は、例えば、次の式を用いて、仮目標までの距離及び速度の概略値を算出する。
Figure 2014106024
Rドットは、仮目標の相対速度の概略値を表わす。Rは、仮目標までの距離の概略値を表わす。fk|k は、ダウンチャープにおける仮目標のサンプリング番号kにおけるビート周波数の推定値を表わす。
あるいは、距離速度変換部325は、例えば、次の式を用いて、仮目標までの距離及び速度の概略値を算出する構成であってもよい。
Figure 2014106024
fハット は、ダウンチャープにおける仮目標の時刻tにおけるビート周波数の推定値を表わす。fドットハット は、ダウンチャープにおける仮目標の時刻tにおけるビート周波数変化率の推定値を表わす。
なお、アップ用ビート周波数追尾部231及びダウン用ビート周波数追尾部232においてビート周波数を追尾する方式は、上述した方式に限らず、他の方式であってもよい。
また、アップ用ビート周波数追尾部231及びダウン用ビート周波数追尾部232においてビート周波数から仮目標までの距離及び相対速度の概略値を算出する方式は、上述した方式に限らず、他の方式であってもよい。
図9に戻って、レーダ装置200の構成の説明を続ける。
同一目標判定部24は、アップ用ビート周波数追尾部231が出力したアップチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の概略値と、ダウン用ビート周波数追尾部232が出力したダウンチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の概略値とに基づいて、アップチャープ時の検出目標(仮目標)と、ダウンチャープ時の検出目標(仮目標)とが同一の目標であるか否かを判定する。
同一目標判定部24は、アップチャープで得た仮目標番号mの距離・速度概略値と、ダウンチャープで得た仮目標番号nの距離・速度概略値との差が一定範囲内である場合に、同一目標と判定する。例えば、同一目標判定部24は、次の不等式を満たすアップチャープの仮目標とダウンチャープの仮目標とが、同一の目標であると判定する。
Figure 2014106024
(m)は、アップ用ビート周波数追尾部231が算出したアップチャープにおける仮目標番号mの仮目標までの距離の概略値を表わす。R(n)は、ダウン用ビート周波数追尾部232が算出したダウンチャープにおける仮目標番号nの仮目標までの距離の概略値を表わす。σは、距離推定精度を表わす。Rドット(m)は、アップ用ビート周波数追尾部231が算出したアップチャープにおける仮目標番号mの仮目標の相対速度の概略値を表わす。Rドット(n)は、ダウン用ビート周波数追尾部232が算出したダウンチャープにおける仮目標番号nの仮目標の相対速度の概略値を表わす。σRドットは、速度推定精度を表わす。ThRVは、所定の閾値を表わす。
1つのアップチャープにおける仮目標に対して、数34を満たすダウンチャープにおける仮目標が複数ある場合、あるいは、1つのダウンチャープにおける仮目標に対して、数34を満たすアップチャープにおける仮目標が複数ある場合、同一目標判定部24は、例えば、数34の左辺の値が最も小さい組合せを、同一目標であると判定する。
なお、同一目標判定部24は、次の2つの不等式をともに満たすアップチャープの仮目標とダウンチャープの仮目標とが、同一の目標であると判定する構成であってもよい。
Figure 2014106024
||は、絶対値を表わす。ThRは、所定の閾値を表わす。ThVは、所定の閾値を表わす。
同一目標判定部24は、同一目標であると判定したアップチャープにおける仮目標と、ダウンチャープにおける仮目標とのペアを出力する。
また、同一目標判定部24は、アップチャープにおける仮目標のうち、ダウンチャープにおける仮目標のなかに同一の目標がないと判定した仮目標と、ダウンチャープにおける仮目標のうち、アップチャープにおける仮目標のなかに同一の目標がないと判定した仮目標とを出力する。
目標情報算出部25(目標情報出力部)は、同一目標であると同一目標判定部24が判定した仮目標のペアに基づいて、その目標までの距離及び相対速度を算出する。目標情報算出部25は、算出した目標までの距離及び相対速度を出力する。
目標情報算出部25は、例えば、次の式を用いて、目標までの距離及び相対速度を算出する。
Figure 2014106024
Rは、目標までの距離を表わす。Vは、目標の相対速度を表わす。fは、アップチャープにおけるビート周波数を表わす。fは、ダウンチャープにおけるビート周波数を表わす。
あるいは、目標情報算出部25は、次の式を用いて、目標までの距離及び相対速度を算出する構成であってもよい。
Figure 2014106024
は、アップチャープにおける仮目標までの距離の概略値を表わす。Rは、ダウンチャープにおける仮目標までの距離の概略値を表わす。Rドットは、アップチャープにおける仮目標の相対速度の概略値を表わす。Rは、ダウンチャープにおける仮目標の相対速度の概略値を表わす。wは、アップチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の推定精度に基づく重み付けを表わす。wは、ダウンチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の推定精度に基づく重み付けを表わす。
静止物範囲データベース記憶部26は、静止物の位置を記憶している。静止物範囲データベース記憶部26は、例えば、静止物の位置を含む地図情報をあらかじめ記憶している。あるいは、静止物範囲データベース記憶部26は、目標情報算出部25が算出した目標の相対速度と、移動体の速度とに基づいて、その目標が静止しているか否かを判定し、静止していると判定した目標の位置を記憶する構成であってもよい。
静止物範囲外判定部27は、静止物範囲データベース記憶部26が記憶した静止物の位置と、移動体の位置及び速度とに基づいて、静止物に反射した送信信号にかかるアップチャープにおけるビート周波数の分布範囲(アップチャープ静止物分布範囲)及びダウンチャープにおけるビート周波数の分布範囲(ダウンチャープ静止物分布範囲)を算出する。
静止物範囲外判定部27は、同一目標がないと同一目標判定部24が判定したアップチャープにおける仮目標のなかから、ビート周波数がアップチャープ静止物分布範囲に含まれていない仮目標を抽出する。静止物範囲外判定部27は、抽出した仮目標を出力する。
静止物範囲外判定部27は、同一目標がないと同一目標判定部24が判定したダウンチャープにおける仮目標のなかから、ビート周波数がダウンチャープ静止物分布範囲に含まれていない仮目標を抽出する。静止物範囲外判定部27は、抽出した仮目標を出力する。
なお、静止物範囲外判定部27は、ビート周波数が静止物分布範囲に含まれていない場合であっても、ビート周波数と、静止物分布範囲のなかで最も近い周波数との差が、ビート周波数の観測誤差や推定誤差などの誤差以下である場合は、ビート周波数が静止物分布範囲に含まれているものとして、その仮目標を抽出しない構成であってもよい。静止物範囲外判定部27は、例えば、ビート周波数追尾部23が算出した平滑誤差共分散行列Pk|kに基づいて、ビート周波数の推定誤差を算出し、算出した推定誤差に基づいて、その仮目標を抽出するか否かを判定する。
また、静止物範囲外判定部27は、その仮目標にかかるビート周波数が、過去N回分のうちM回以上、静止物分布範囲に含まれる場合に、その仮目標を抽出しない構成であってもよい。
これにより、静止物を誤って目標として出力する可能性を減らすことができる。
また、静止物範囲外判定部27は、抽出した仮目標のなかから、更に、トラック品質値TQが所定の閾値より大きい仮目標だけを抽出して出力する構成であってもよい。
アップチャープ用目標出力判定部28(対応不検出判定部、目標情報出力部)は、静止物範囲外判定部27が出力したアップチャープにおける仮目標について、ダウンチャープにおけるビート周波数(同一目標範囲)を推定する。
アップチャープ用目標出力判定部28は、例えば、次の式を用いて、ダウンチャープにおけるビート周波数を推定する。
Figure 2014106024
fチルダ(m)は、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標にかかるダウンチャープにおけるビート周波数の推定値を表わす。
アップチャープ用目標出力判定部28は、静止物範囲外判定部27が出力したアップチャープにおける仮目標のなかから、推定したダウンチャープにおけるビート周波数が、ダウンチャープ静止物分布範囲(検出困難範囲)に含まれる仮目標を抽出する。
アップチャープ用目標出力判定部28は、抽出した仮目標について、アップ用ビート周波数追尾部231が算出したアップチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の概略値を出力する。
ダウンチャープ用目標出力判定部29(対応不検出判定部、目標情報出力部)は、静止物範囲外判定部27が出力したダウンチャープにおける仮目標について、アップチャープにおけるビート周波数(同一目標範囲)を推定する。
ダウンチャープ用目標出力判定部29は、例えば、次の式を用いて、アップチャープにおけるビート周波数を推定する。
Figure 2014106024
fチルダ(n)は、ダウンチャープにおける仮目標番号nの仮目標にかかるアップチャープにおけるビート周波数の推定値を表わす。
ダウンチャープ用目標出力判定部29は、静止物範囲外判定部27が出力したダウンチャープにおける仮目標のなかから、推定したアップチャープにおけるビート周波数が、アップチャープ静止物分布範囲(検出困難範囲)に含まれる仮目標を抽出する。
ダウンチャープ用目標出力判定部29は、抽出した仮目標について、ダウン用ビート周波数追尾部232が算出したダウンチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の概略値を出力する。
図12は、この実施の形態における静止物範囲外判定部27の動作を説明するための図である。
横軸は、周波数を表わす。
仮目標251a〜251cは、アップ用ビート周波数追尾部231が追尾している仮目標のうち、ダウンチャープにおける仮目標のなかに同一の目標がないと同一目標判定部24が判定した仮目標を表わす。
静止物範囲外判定部27は、アップチャープ静止物分布範囲271を算出する。
3つの仮目標251a〜251cのうち、2つの仮目標251a,251cは、ビート周波数がアップチャープ静止物分布範囲に含まれていないので、静止物である可能性は低い。静止物範囲外判定部27は、2つの仮目標251a,251cを出力する。
これに対し、仮目標251bは、ビート周波数がアップチャープ静止物分布範囲に含まれているので、静止物である可能性が高い。静止物範囲外判定部27は、仮目標251bを出力しない。
図13は、この実施の形態におけるアップチャープ用目標出力判定部28の動作を説明するための図である。
横軸は、周波数を表わす。
アップチャープ用目標出力判定部28は、静止物範囲外判定部27が出力したアップチャープにおける2つの仮目標251a,251cについて、ダウンチャープにおけるビート周波数を推定する。
2つの仮目標251a,251cのうち、仮目標251cは、ビート周波数が、静止物範囲外判定部27が算出したダウンチャープ静止物分布範囲272に含まれているので、不要信号である可能性は低い。アップチャープ用目標出力判定部28は、仮目標251cについての情報を出力する。
仮目標251aは、ビート周波数がダウンチャープ静止物分布範囲272に含まれてないので、不要信号である可能性が高い。アップチャープ用目標出力判定部28は、仮目標251aについての情報を出力しない。
図14は、この実施の形態における出力判定処理360の流れの一例を示すフロー図である。
出力判定処理360において、レーダ装置200は、ビート周波数追尾部23が追尾している仮目標についての情報を出力するか否かを判定する。出力判定処理360は、例えば、同一目標判定工程361と、アップチャープ静止物範囲外判定工程362と、ダウンチャープビート周波数推定工程363と、ダウンチャープ静止物範囲内判定工程364と、ダウンチャープ静止物範囲外判定工程365と、アップチャープビート周波数推定工程366と、アップチャープ静止物範囲内判定工程367とを有する。
同一目標判定工程361において、同一目標判定部24は、アップ用ビート周波数追尾部231が追尾しているアップチャープにおける仮目標と、ダウン用ビート周波数追尾部232が追尾しているダウンチャープにおける仮目標とから、同一目標についてのアップチャープにおける仮目標とダウンチャープにおける仮目標とのペアを抽出する。
同一目標判定部24が抽出したペアについては、その目標についての情報を出力する。
アップチャープにおける仮目標のうち、ダウンチャープにおける仮目標とペアにならなかった仮目標については、次に、アップチャープ静止物範囲外判定工程362を実行する。
ダウンチャープにおける仮目標のうち、アップチャープにおける仮目標とペアにならなかった仮目標については、次に、ダウンチャープ静止物範囲外判定工程365を実行する。
アップチャープ静止物範囲外判定工程362において、静止物範囲外判定部27は、アップチャープにおける仮目標のビート周波数が、アップチャープ静止物分布範囲内か範囲外かを判定する。
ビート周波数がアップチャープ静止物分布範囲内である仮目標については、その目標についての情報を出力しない。
ビート周波数がアップチャープ静止物分布範囲外である仮目標については、次に、ダウンチャープビート周波数推定工程363を実行する。
ダウンチャープビート周波数推定工程363において、アップチャープ用目標出力判定部28は、アップチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の概略値に基づいて、ダウンチャープにおけるビート周波数を推定する。次に、ダウンチャープ静止物範囲内判定工程364を実行する。
ダウンチャープ静止物範囲内判定工程364において、アップチャープ用目標出力判定部28は、アップチャープにおける仮目標について推定したダウンチャープにおけるビート周波数が、ダウンチャープ静止物分布範囲内か範囲外かを判定する。
推定したビート周波数がダウンチャープ静止物分布範囲内である仮目標については、その目標についての情報を出力する。
推定したビート周波数がダウンチャープ静止物分布範囲外である仮目標については、その目標についての情報を出力しない。
ダウンチャープ静止物範囲外判定工程365において、静止物範囲外判定部27は、ダウンチャープにおける仮目標のビート周波数が、ダウンチャープ静止物分布範囲内か範囲外かを判定する。
ビート周波数がダウンチャープ静止物分布範囲内である仮目標については、その目標についての情報を出力しない。
ビート周波数がダウンチャープ静止物分布範囲外である仮目標については、次に、アップチャープビート周波数推定工程366を実行する。
アップチャープビート周波数推定工程366において、ダウンチャープ用目標出力判定部29は、ダウンチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の概略値に基づいて、アップチャープにおけるビート周波数を推定する。次に、アップチャープ静止物範囲内判定工程367を実行する。
アップチャープ静止物範囲内判定工程367において、ダウンチャープ用目標出力判定部29は、ダウンチャープにおける仮目標について推定したアップチャープにおけるビート周波数が、アップチャープ静止物分布範囲内か範囲外かを判定する。
推定したビート周波数がアップチャープ静止物分布範囲内である仮目標については、その目標についての情報を出力する。
推定したビート周波数がアップチャープ静止物分布範囲外である仮目標については、その目標についての情報を出力しない。
なお、推定したビート周波数がダウンチャープ静止物分布範囲外であるとアップチャープ用目標出力判定部28が判定した仮目標は、不要信号である可能性が高いので、アップ用ビート周波数追尾部231は、追尾処理を解除する構成であってもよい。
同様に、推定したビート周波数がアップチャープ静止物分布範囲外であるとダウンチャープ用目標出力判定部29が判定した仮目標も、不要信号である可能性が高いので、ダウン用ビート周波数追尾部232は、追尾処理を解除する構成であってもよい。
この実施の形態におけるレーダ装置200(目標検出装置、レーダ信号処理装置)は、送信部21と、信号処理器22と、アップチャープ用追尾フィルタ(アップ用ビート周波数追尾部231)と、ダウンチャープ用追尾フィルタ(ダウン用ビート周波数追尾部232)と、同一目標判定部24と、目標情報算出部25と、静止物範囲外判定部27と、アップチャープ用目標出力判定部28と、ダウンチャープ用目標出力判定部29とを有する。
送信部21(放射部)は、一定の変調幅で、周波数が線形に増減することを周期的に繰り返す送信信号(電磁波)を発生し、送信信号として送信する。
信号処理器22(受信部、差周波数信号生成部、ピーク検出部)は、反射物により反射された前記送信信号(反射波)を受信して受信信号を発生すると共に、該受信信号を、前記送信信号と混合してビート信号(差周波数信号)を発生し、前記ビート信号よりビート周波数を特定する。
アップチャープ用追尾フィルタ及びダウンチャープ用追尾フィルタ(目標追尾部)は、各チャープ(変化率一定期間)観測時に得られた周波数ピークに対して追尾処理を実施し、目標の距離、速度を算出する。
同一目標判定部24は、チャープごとに算出された目標の距離、速度を用いてチャープごとに検出された目標が同一目標か否かを判定する。
目標情報算出部25(目標情報出力部)は、同一目標とみなされた目標のアップチャープおよびダウンチャープのペアより距離、速度を算出する。
静止物範囲外判定部27は、前記同一目標判定部において同一目標と判定されなかった目標のビート周波数を用いて目標が静止物範囲外にあることを判定する。
アップチャープ用目標出力判定部28及びダウンチャープ用目標出力判定部29(対応不検出判定部、目標情報出力部)は、前記静止物範囲外と判定された各チャープ用追尾フィルタから出力された目標の距離、速度を別チャープのビート周波数(同一目標範囲)へ変換し、前記目標の変換後のビート周波数が別チャープの静止物範囲(検出困難範囲)内にある場合は前記目標の距離、速度を出力する。
静止物範囲外判定部27は、目標のビート周波数と最も近い静止物範囲の周波数との差がビート周波数の誤差より小さい場合、静止物範囲内と判定する。
静止物範囲外判定部27は、前記同一目標判定部24で同一目標と判定されなかった目標の中から前記目標のTQ値が事前に定めた閾値以上である目標のみ入力する。
アップチャープ用追尾フィルタ及びダウンチャープ用追尾フィルタは、前記各チャープ用目標出力判定部において、別チャープの前記目標情報が静止物範囲内にない目標については追尾解除する。
この実施の形態にかかるレーダ装置200によれば、多目標環境においてアップチャープで得たビート周波数の追尾処理、及びダウンチャープで得たビート周波数の追尾処理を個別に行い、各追尾処理で距離・速度概略値を算出する。その目標のビート周波数が静止物分布範囲外である場合、その目標の距離・速度概略値を用いて、もう一方のチャープにおけるビート周波数に換算し、静止物分布範囲内もしくは範囲外にあるかを判定し、範囲内であれば前記目標情報を出力する。これにより、片側チャープでしか検出されない目標について、アップ・ダウンチャープ間でのペアリング方式では検出できない目標を、検出することが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3について、図15〜図16を用いて説明する。
なお、実施の形態1または実施の形態2と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図15は、この実施の形態におけるレーダ装置200の一例を示す構成図である。
レーダ装置200(目標検出装置)は、送信部21と、信号処理器22と、ビート周波数追尾部23と、同一目標判定部24と、目標情報算出部25と、静止物範囲データベース記憶部26と、静止物範囲外判定部27と、アップチャープ用目標出力判定部28と、ダウンチャープ用目標出力判定部29とを備えている。
信号処理器22は、2つの受信アンテナと、2つの受信器221a,221bと、2つのA/D変換器222a,222bと、2つのビート周波数ピーク検出部223a,223bと、方向算出部224とを有する。
2つの受信アンテナは、例えば水平方向に離れた位置に配置されている。
受信器221a(受信部)は、1つの受信アンテナに接続されている。受信器221aは、受信アンテナを介して、目標によって反射された送信信号(反射波)を受信する。
受信器221b(受信部)は、もう1つの受信アンテナに接続されている。受信器221aは、受信アンテナを介して、目標によって反射された送信信号(反射波)を受信する。2つの受信アンテナが離れた位置に配置されているので、2つの受信器221a,221bは、送信信号を受信するタイミングがわずかに異なる。
A/D変換器222aは、受信器221aから出力される中間周波のビート信号をデジタル信号に変換する。
A/D変換器222bは、受信器221bから出力される中間周波のビート信号をデジタル信号に変換する。
ビート周波数ピーク検出部223a(ピーク検出部)は、高速フーリエ変換(FFT)などによってA/D変換器222aが変換したデジタル信号の周波数分析を行い、アップチャープにおけるビート周波数と、ダウンチャープにおけるビート周波数とを抽出する。
ビート周波数ピーク検出部223b(ピーク検出部)は、高速フーリエ変換(FFT)などによってA/D変換器222bが変換したデジタル信号の周波数分析を行い、アップチャープにおけるビート周波数と、ダウンチャープにおけるビート周波数とを抽出する。2つの受信部221a.221bが送信信号を受信するタイミングがわずかに異なるので、2つのビート周波数ピーク検出部223a,223bが抽出するビート周波数も、わずかに異なる。
方向算出部224は、2つのビート周波数ピーク検出部223a,223bが抽出したビート周波数の差から、送信信号を反射した目標の方向を算出する。
アップ用ビート周波数追尾部231は、ビート周波数ピーク検出部223a,223bが抽出したアップチャープにおけるビート周波数と、方向算出部224が算出した方向とに基づいて、アップチャープにおける仮目標を追尾する。
例えば、仮目標の方向の状態ベクトルを次の式で定義する。
Figure 2014106024
θ は、アップチャープにおける仮目標のサンプリング番号kにおける角度(方向)の真値を表わす。θドット は、アップチャープにおける仮目標のサプリング番号kにおける角速度(角度の変化率)の真値を表わす。
仮目標の方向の観測モデルを次の式で定義する。
Figure 2014106024
θバー は、アップチャープにおける仮目標のサンプリング番号kにおける角度の観測値を表わす。
ダウン用ビート周波数追尾部232は、ビート周波数ピーク検出部223a,223bが抽出したダウンチャープにおけるビート周波数と、方向算出部224が算出した方向とに基づいて、ダウンチャープにおける仮目標を追尾する。
同一目標判定部24は、例えば、次の不等式を満たすアップチャープの仮目標とダウンチャープの仮目標とが、同一の目標であると判定する。
Figure 2014106024
θ(m)は、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標の角度を表わす。θ(n)は、ダウンチャープにおける仮目標番号nの仮目標の角度を表わす。σθは角度観測精度を表わす。ThRVθは、所定の閾値を表わす。
なお、同一目標判定部24は、次の3つの不等式をともに満たすアップチャープの仮目標とダウンチャープの仮目標とが、同一の目標であると判定する構成であってもよい。
Figure 2014106024
Thθは、所定の閾値を表わす。
静止物範囲外判定部27は、静止物の位置と、移動体の位置及び速度とに基づいて、静止物に反射した送信信号にかかるアップチャープにおけるビート周波数と角度との組の分布範囲(アップチャープ静止物分布範囲)及びダウンチャープにおけるビート周波数と角度との組の分布範囲(ダウンチャープ静止物分布範囲)を算出する。
静止物範囲外判定部27は、同一目標がないと同一目標判定部24が判定したアップチャープにおける仮目標のなかから、ビート周波数と角度との組がアップチャープ静止物分布範囲に含まれていない仮目標を抽出する。静止物範囲外判定部27は、抽出した仮目標を出力する。
静止物範囲外判定部27は、同一目標がないと同一目標判定部24が判定したダウンチャープにおける仮目標のなかから、ビート周波数と角度との組がダウンチャープ静止物分布範囲に含まれていない仮目標を抽出する。静止物範囲外判定部27は、抽出した仮目標を出力する。
なお、静止物範囲外判定部27は、ビート周波数と角度との組が静止物分布範囲に含まれていない場合であっても、ビート周波数と、静止物分布範囲のなかで最も近い周波数との差が、ビート周波数の観測誤差や推定誤差などの誤差以下であり、かつ、角度と、静止物分布範囲のなかで最も近い角度との差が、角度の観測誤差や推定誤差などの誤差以下である場合は、ビート周波数と角度との組が静止物分布範囲に含まれているものとして、その仮目標を抽出しない構成であってもよい。
アップチャープ用目標出力判定部28(対応不検出判定部、目標情報出力部)は、静止物範囲外判定部27が出力したアップチャープにおける仮目標について、ダウンチャープにおけるビート周波数(同一目標範囲)を推定する。
アップチャープ用目標出力判定部28は、例えば、次の式を用いて、ダウンチャープにおけるビート周波数と角度とを推定する。
Figure 2014106024
θチルダ(m)は、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標にかかるダウンチャープにおける角度の推定値を表わす。
アップチャープ用目標出力判定部28は、静止物範囲外判定部27が出力したアップチャープにおける仮目標のなかから、推定したダウンチャープにおけるビート周波数と角度との組が、ダウンチャープ静止物分布範囲(検出困難範囲)に含まれる仮目標を抽出する。
アップチャープ用目標出力判定部28は、抽出した仮目標について、アップ用ビート周波数追尾部231が算出したアップチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の概略値と、角度とを出力する。
ダウンチャープ用目標出力判定部29(対応不検出判定部、目標情報出力部)は、静止物範囲外判定部27が出力したダウンチャープにおける仮目標について、アップチャープにおけるビート周波数(同一目標範囲)を推定する。
ダウンチャープ用目標出力判定部29は、例えば、次の式を用いて、アップチャープにおけるビート周波数と角度とを推定する。
Figure 2014106024
θチルダ(n)は、ダウンチャープにおける仮目標番号nの仮目標にかかるアップチャープにおける角度の推定値を表わす。
ダウンチャープ用目標出力判定部29は、静止物範囲外判定部27が出力したダウンチャープにおける仮目標のなかから、推定したアップチャープにおけるビート周波数と角度との組が、アップチャープ静止物分布範囲(検出困難範囲)に含まれる仮目標を抽出する。
ダウンチャープ用目標出力判定部29は、抽出した仮目標について、ダウン用ビート周波数追尾部232が算出したダウンチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の概略値と、角度とを出力する。
図16は、この実施の形態における静止物範囲外判定部27の動作を説明するための図である。
横軸は、周波数を表わす。縦軸は、角度を表わす。
静止物範囲外判定部27は、アップチャープ静止物分布範囲271を算出する。
3つの仮目標251a〜251cのうち、2つの仮目標251a,251bは、ビート周波数と角度との組がアップチャープ静止物分布範囲に含まれていないので、静止物である可能性は低い。静止物範囲外判定部27は、2つの仮目標251a,251bを出力する。
これに対し、仮目標251cは、ビート周波数と角度との組がアップチャープ静止物分布範囲に含まれているので、静止物である可能性が高い。静止物範囲外判定部27は、仮目標251cを出力しない。
実施の形態2と比べると、周波数だけでなく、角度も使って、静止物分布範囲に含まれるか否かを判定するので、静止物範囲外判定部27における判定の精度が向上する。同様に、アップチャープ用目標出力判定部28及びダウンチャープ用目標出力判定部29における判定の精度も向上する。
この実施の形態におけるレーダ装置200(目標検出装置)は、送信部21と、信号処理器22と、アップチャープ用追尾フィルタ(アップ用ビート周波数追尾部231)と、ダウンチャープ用追尾フィルタ(ダウン用ビート周波数追尾部232)と、同一目標判定部24と、目標情報算出部25と、静止物範囲外判定部27と、アップチャープ用目標出力判定部28と、ダウンチャープ用目標出力判定部29とを有する。
送信部21(放射部)は、一定の変調幅で、周波数が線形に増減することを周期的に繰り返す送信信号(電磁波)を発生し、送信信号として送信する。
信号処理器22(受信部、差周波数信号生成部、ピーク検出部)は、反射物により反射された前記送信信号(反射波)を受信して受信信号を発生すると共に、該受信信号を、前記送信信号と混合してビート信号を発生し、前記ビート信号よりビート周波数を特定する。
アップチャープ用追尾フィルタ及びダウンチャープ用追尾フィルタ(目標追尾部)は、各チャープ(変化率一定期間)観測時に得られた周波数ピークおよび測角値に対して追尾処理を実施し、目標の距離、速度、角度を算出する。
同一目標判定部24は、チャープごとに算出された目標の距離、速度、角度を用いてチャープごとに検出された目標が同一目標か否かを判定する。
目標情報算出部25(目標情報出力部)は、同一目標とみなされた目標のアップチャープおよびダウンチャープのペアより距離、速度、角度を算出する。
静止物範囲外判定部27は、前記同一目標判定部24において同一目標と判定されなかった目標のビート周波数及び角度を用いて目標が静止物範囲外にあることを判定する。
アップチャープ用目標出力判定部28及びダウンチャープ用目標出力判定部29(対応不検出判定部、目標情報出力部)と、前記静止物範囲外と判定された各チャープ用追尾フィルタから出力された目標の距離、速度を別チャープのビート周波数へ変換し、前記目標の変換後のビート周波数及び角度(同一目標範囲)が別チャープの静止物範囲(検出困難範囲)内にある場合は前記目標の距離、速度、角度を出力する。
静止物範囲外判定部27は、目標のビート周波数と最も近い静止物範囲の周波数との差がビート周波数の誤差より小さく、かつ目標の角度と最も近い静止物範囲の角度との差が角度誤差より小さい場合、静止物範囲内と判定する。
実施の形態4.
実施の形態4について、図17を用いて説明する。
なお、実施の形態1〜実施の形態3と共通する部分については、同一の符号を付し、説明を省略する。
図17は、この実施の形態におけるレーダ装置200の一例を示す構成図である。
レーダ装置200(目標検出装置)は、送信部21と、信号処理器22と、ビート周波数追尾部23と、同一目標判定部24と、目標情報算出部25と、静止物範囲データベース記憶部26と、静止物範囲外判定部27と、アップチャープ用目標出力判定部28と、ダウンチャープ用目標出力判定部29とを備えている。
信号処理器22は、2つの受信アンテナと、2つの受信器221a,221bと、2つのA/D変換器222a,222bと、2つのビート周波数ピーク検出部223a,223bと、位相差算出部225とを有する。
位相差算出部225は、受信アンテナ間の位相差を算出する。
アップ用ビート周波数追尾部231は、ビート周波数ピーク検出部223a,223bが抽出したアップチャープにおけるビート周波数と、位相差算出部225が算出した位相差とに基づいて、アップチャープにおける仮目標を追尾する。
例えば、仮目標の方向の状態ベクトルを次の式で定義する。
Figure 2014106024
φ は、アップチャープにおける仮目標のサンプリング番号kにおける位相差の真値を表わす。φドット は、アップチャープにおける仮目標のサプリング番号kにおける位相差変化率の真値を表わす。
仮目標の方向の観測モデルを次の式で定義する。
Figure 2014106024
φバー は、アップチャープにおける仮目標のサンプリング番号kにおける位相差の観測値を表わす。
ダウン用ビート周波数追尾部232は、ビート周波数ピーク検出部223a,223bが抽出したダウンチャープにおけるビート周波数と、位相差算出部225が算出した位相差とに基づいて、ダウンチャープにおける仮目標を追尾する。
同一目標判定部24は、例えば、次の不等式を満たすアップチャープの仮目標とダウンチャープの仮目標とが、同一の目標であると判定する。
Figure 2014106024
φ(m)は、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標の位相差を表わす。θ(n)は、ダウンチャープにおける仮目標番号nの仮目標の位相差を表わす。σφは位相差観測精度を表わす。ThRVφは、所定の閾値を表わす。
なお、同一目標判定部24は、次の3つの不等式をともに満たすアップチャープの仮目標とダウンチャープの仮目標とが、同一の目標であると判定する構成であってもよい。
Figure 2014106024
Thφは、所定の閾値を表わす。
静止物範囲外判定部27は、静止物の位置と、移動体の位置及び速度とに基づいて、静止物に反射した送信信号にかかるアップチャープにおけるビート周波数と位相差との組の分布範囲(アップチャープ静止物分布範囲)及びダウンチャープにおけるビート周波数と位相差との組の分布範囲(ダウンチャープ静止物分布範囲)を算出する。
静止物範囲外判定部27は、同一目標がないと同一目標判定部24が判定したアップチャープにおける仮目標のなかから、ビート周波数と位相差との組がアップチャープ静止物分布範囲に含まれていない仮目標を抽出する。静止物範囲外判定部27は、抽出した仮目標を出力する。
静止物範囲外判定部27は、同一目標がないと同一目標判定部24が判定したダウンチャープにおける仮目標のなかから、ビート周波数と位相差との組がダウンチャープ静止物分布範囲に含まれていない仮目標を抽出する。静止物範囲外判定部27は、抽出した仮目標を出力する。
なお、静止物範囲外判定部27は、ビート周波数と位相差との組が静止物分布範囲に含まれていない場合であっても、ビート周波数と、静止物分布範囲のなかで最も近い周波数との差が、ビート周波数の観測誤差や推定誤差などの誤差以下であり、かつ、位相差と、静止物分布範囲のなかで最も近い位相差との差が、位相差の観測誤差や推定誤差などの誤差以下である場合は、ビート周波数と位相差との組が静止物分布範囲に含まれているものとして、その仮目標を抽出しない構成であってもよい。
アップチャープ用目標出力判定部28(対応不検出判定部、目標情報出力部)は、静止物範囲外判定部27が出力したアップチャープにおける仮目標について、ダウンチャープにおけるビート周波数(同一目標範囲)を推定する。
アップチャープ用目標出力判定部28は、例えば、次の式を用いて、ダウンチャープにおけるビート周波数と角度とを推定する。
Figure 2014106024
φチルダ(m)は、アップチャープにおける仮目標番号mの仮目標にかかるダウンチャープにおける位相差の推定値を表わす。
アップチャープ用目標出力判定部28は、静止物範囲外判定部27が出力したアップチャープにおける仮目標のなかから、推定したダウンチャープにおけるビート周波数と位相差との組が、ダウンチャープ静止物分布範囲(検出困難範囲)に含まれる仮目標を抽出する。
アップチャープ用目標出力判定部28は、抽出した仮目標について、アップ用ビート周波数追尾部231が算出したアップチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の概略値と、位相差とを出力する。
ダウンチャープ用目標出力判定部29(対応不検出判定部、目標情報出力部)は、静止物範囲外判定部27が出力したダウンチャープにおける仮目標について、アップチャープにおけるビート周波数(同一目標範囲)を推定する。
ダウンチャープ用目標出力判定部29は、例えば、次の式を用いて、アップチャープにおけるビート周波数と位相差とを推定する。
Figure 2014106024
φチルダ(n)は、ダウンチャープにおける仮目標番号nの仮目標にかかるアップチャープにおける位相差の推定値を表わす。
ダウンチャープ用目標出力判定部29は、静止物範囲外判定部27が出力したダウンチャープにおける仮目標のなかから、推定したアップチャープにおけるビート周波数と位相差との組が、アップチャープ静止物分布範囲(検出困難範囲)に含まれる仮目標を抽出する。
ダウンチャープ用目標出力判定部29は、抽出した仮目標について、ダウン用ビート周波数追尾部232が算出したダウンチャープにおける仮目標までの距離及び相対速度の概略値と、位相差とを出力する。
実施の形態2と比べると、周波数だけでなく、位相差も使って、静止物分布範囲に含まれるか否かを判定するので、静止物範囲外判定部27における判定の精度が向上する。同様に、アップチャープ用目標出力判定部28及びダウンチャープ用目標出力判定部29における判定の精度も向上する。
この実施の形態におけるレーダ装置200(目標検出装置)は、送信部21と、信号処理器22と、アップチャープ用追尾フィルタ(アップ用ビート周波数追尾部231)と、ダウンチャープ用追尾フィルタ(ダウン用ビート周波数追尾部232)と、同一目標判定部24と、目標情報算出部25と、静止物範囲外判定部27と、アップチャープ用目標出力判定部28と、ダウンチャープ用目標出力判定部29とを有する。
送信部21(放射部)は、一定の変調幅で、周波数が線形に増減することを周期的に繰り返す送信信号(電磁波)を発生し、送信信号として送信する。
信号処理器22(受信部、差周波数信号生成部、ピーク検出部)は、反射物により反射された前記送信信号(反射波)を受信して受信信号を発生すると共に、該受信信号を、前記送信信号と混合してビート信号(差周波数信号)を発生し、前記ビート信号よりビート周波数を特定する。
アップチャープ用追尾フィルタ及びダウンチャープ用追尾フィルタ(目標追尾部)は、各チャープ(変化率一定期間)観測時に得られた周波数ピークおよび受信アンテナ間の位相差に対して追尾処理を実施し、目標の距離、速度、位相差を算出する。
同一目標判定部24は、チャープごとに算出された目標の距離、速度、位相差を用いてチャープごとに検出された目標が同一目標か否かを判定する。
目標情報算出部25(目標情報出力部)は、同一目標とみなされた目標のアップチャープおよびダウンチャープのペアより距離、速度、位相差を算出する。
静止物範囲外判定部27は、前記同一目標判定部において同一目標と判定されなかった目標のビート周波数及び受信アンテナ間の位相差を用いて目標が静止物範囲外にあることを判定する。
アップチャープ用目標出力判定部28及びダウンチャープ用目標出力判定部29(対応不検出判定部、目標情報出力部)は、前記静止物範囲外と判定された各チャープ用追尾フィルタから出力された目標の距離、速度を別チャープのビート周波数へ変換し、前記目標の変換後のビート周波数及び位相差が別チャープの静止物範囲内にある場合は前記目標の距離、速度、位相差を出力する。
静止物範囲外判定部27は、目標のビート周波数と最も近い静止物範囲の周波数との差がビート周波数の誤差より小さく、かつ目標の位相差と最も近い静止物範囲の位相差との差が位相差の誤差より小さい場合、静止物範囲内と判定する。
以上、各実施の形態で説明した構成は、一例であり、他の構成であってもよい。例えば、異なる実施の形態で説明した構成を組み合わせた構成であってもよいし、本質的でない部分の構成を、他の構成で置き換えた構成であってもよい。
以上説明した目標検出装置(11;レーダ装置200)は、放射部(13;送信部21)と、受信部(14;受信器221)と、差周波数信号生成部(15;受信器221)と、ピーク検出部(16;ビート周波数ピーク検出部223)と、目標追尾部(17;ビート周波数追尾部23)と、同一目標判定部(18;24)と、目標情報出力部(20;目標情報算出部25、アップチャープ用目標出力判定部28、ダウンチャープ用目標出力判定部29)と、対応不検出判定部(19;アップチャープ用目標出力判定部28、ダウンチャープ用目標出力判定部29)とを有する。
上記放射部は、電磁波(送信信号)を放射する。
上記電磁波は、所定の繰り返し周期で周波数が繰り返し変化する。
上記繰り返し周期は、複数の変化率一定期間(アップチャープ、ダウンチャープ)を有する。
それぞれの変化率一定期間は、上記電磁波の周波数が略一定の変化率で変化する。
上記複数の変化率一定期間は、上記変化率が互いに異なる。
上記受信部は、上記電磁波が反射した反射波を受信する。
上記差周波数信号生成部は、上記電磁波の周波数と上記反射波の周波数との差の周波数を有する差周波数信号(ビート信号)を生成する。
上記ピーク検出部は、上記差周波数信号の周波数領域におけるピークを検出する。
上記目標追尾部は、それぞれの変化率一定期間について、上記ピーク検出部が検出したピークに基づいて、上記電磁波を反射した目標を追尾する。
上記同一目標判定部は、第一の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のなかに、第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標と同一の目標があるか否かを判定する。
上記目標情報出力部は、上記第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のうち、上記第一の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のなかに同一の目標があると上記同一目標判定部が判定した目標についての情報を出力する。
上記対応不検出判定部は、上記第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のうち、上記第一の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のなかに同一の目標がないと上記同一目標判定部が判定した目標について、上記第一の変化率一定期間において上記目標と同一の目標にかかるピークが検出されるべき同一目標範囲が、ピークの検出が困難な検出困難範囲に含まれるか否かを判定する。
上記目標情報出力部は、更に、上記第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のうち、上記同一目標範囲が上記検出困難範囲に含まれると上記対応不検出判定部が判定した目標についての情報を出力する。
これにより、複数の変化率一定期間で目標が追尾できない場合でも、不要信号を誤検出する可能性を抑えつつ、目標を検出することができる。
上記検出困難範囲は、静止している物体に反射した反射波にかかるピークが検出される範囲(静止物分布範囲)である。
これにより、静止している物体が多数存在するなどの理由により複数の変化率一定期間で目標が追尾できない場合でも、不要信号を誤検出する可能性を抑えつつ、目標を検出することができる。
上記同一目標範囲及び上記検出困難範囲は、上記ピーク検出部が検出するピークの周波数で表わされる。
これにより、複数の変化率一定期間で目標が追尾できない場合でも、不要信号を誤検出する可能性を抑えつつ、目標を検出することができる。
上記目標検出装置(200)は、複数の受信部(221)と、位相差算出部(225)とを有する。
上記複数の受信部は、上記反射波を受信する位置が互いに異なる。
上記位相差算出部は、上記複数の受信部が受信した反射波の位相差を算出する。
上記同一目標範囲及び上記検出困難範囲は、上記ピーク検出部が検出するピークの周波数と、上記位相差算出部が算出する位相差との組で表わされる。
これにより、同一目標範囲が検出困難範囲に含まれるか否かの判定精度が向上するので、不要信号を誤検出する可能性を抑えつつ、目標を検出することができる。
上記目標検出装置(200)は、複数の受信部(221)と、方向算出部(224)とを有する。
上記複数の受信部は、上記反射波を受信する位置が互いに異なる。
上記方向算出部は、上記複数の受信部が受信した反射波の位相差に基づいて、上記目標の方向(角度)を算出する。
上記同一目標範囲及び上記検出困難範囲は、上記ピーク検出部が検出するピークの周波数と、上記方向算出部が算出する方向との組で表わされる。
これにより、同一目標範囲が検出困難範囲に含まれるか否かの判定精度が向上するので、不要信号を誤検出する可能性を抑えつつ、目標を検出することができる。
10 移動体、11 目標検出装置、12 生成部、13 放射部、14 受信部、15 差周波数信号生成部、16 ピーク検出部、17 目標追尾部、18,24 同一目標判定部、19 対応不検出判定部、20 目標情報出力部、60 目標検出処理、61 変化率一定期間選択工程、62 ピーク検出工程、63 目標追尾工程、64 追尾目標選択工程、65 同一目標判定工程、66 対応不検出判定工程、67 目標情報出力工程、81 目標、82 静止物体、121 最小周波数、122 最大周波数、125〜127 時刻、131 放射周波数、141 受信周波数、151 差周波数、152,153 周波数、191 検出困難範囲、192,193 同一目標範囲、200 レーダ装置、21 送信部、211 送信器、22 信号処理器、221 受信器、222 A/D変換器、223 ビート周波数ピーク検出部、224 方向算出部、225 位相差算出部、23 ビート周波数追尾部、231 アップ用ビート周波数追尾部、232 ダウン用ビート周波数追尾部、25 目標情報算出部、26 静止物範囲データベース記憶部、27 静止物範囲外判定部、28 アップチャープ用目標出力判定部、29 ダウンチャープ用目標出力判定部、251 仮目標、271 アップチャープ静止物分布範囲、272 ダウンチャープ静止物分布範囲、311,321 相関部、312,322 初期化部、313,323 平滑部、314,324 予測部、315,325 距離速度変換部、360 出力判定処理、361 同一目標判定工程、362 アップチャープ静止物範囲外判定工程、363 ダウンチャープビート周波数推定工程、364 ダウンチャープ静止物範囲内判定工程、365 ダウンチャープ静止物範囲外判定工程、366 アップチャープビート周波数推定工程、367 アップチャープ静止物範囲内判定工程、901,902 速度。

Claims (6)

  1. 放射部と、受信部と、差周波数信号生成部と、ピーク検出部と、目標追尾部と、同一目標判定部と、目標情報出力部と、対応不検出判定部とを有し、
    上記放射部は、電磁波を放射し、
    上記電磁波は、所定の繰り返し周期で周波数が繰り返し変化し、
    上記繰り返し周期は、複数の変化率一定期間を有し、
    それぞれの変化率一定期間は、上記電磁波の周波数が略一定の変化率で変化し、
    上記複数の変化率一定期間は、上記変化率が互いに異なり、
    上記受信部は、上記電磁波が反射した反射波を受信し、
    上記差周波数信号生成部は、上記電磁波の周波数と上記反射波の周波数との差の周波数を有する差周波数信号を生成し、
    上記ピーク検出部は、上記差周波数信号の周波数領域におけるピークを検出し、
    上記目標追尾部は、それぞれの変化率一定期間について、上記ピーク検出部が検出したピークに基づいて、上記電磁波を反射した目標を追尾し、
    上記同一目標判定部は、第一の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のなかに、第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標と同一の目標があるか否かを判定し、
    上記目標情報出力部は、上記第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のうち、上記第一の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のなかに同一の目標があると上記同一目標判定部が判定した目標についての情報を出力し、
    上記対応不検出判定部は、上記第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のうち、上記第一の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のなかに同一の目標がないと上記同一目標判定部が判定した目標について、上記第一の変化率一定期間において上記目標と同一の目標にかかるピークが検出されるべき同一目標範囲が、ピークの検出が困難な検出困難範囲に含まれるか否かを判定し、
    上記目標情報出力部は、更に、上記第二の変化率一定期間について上記目標追尾部が追尾した目標のうち、上記同一目標範囲が上記検出困難範囲に含まれると上記対応不検出判定部が判定した目標についての情報を出力する
    ことを特徴とする目標検出装置。
  2. 上記検出困難範囲は、静止している物体に反射した反射波にかかるピークが検出される範囲であることを特徴とする請求項1に記載の目標検出装置。
  3. 上記同一目標範囲及び上記検出困難範囲は、上記ピーク検出部が検出するピークの周波数で表わされることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の目標検出装置。
  4. 上記目標検出装置は、複数の受信部と、位相差算出部とを有し、
    上記複数の受信部は、上記反射波を受信する位置が互いに異なり、
    上記位相差算出部は、上記複数の受信部が受信した反射波の位相差を算出し、
    上記同一目標範囲及び上記検出困難範囲は、上記ピーク検出部が検出するピークの周波数と、上記位相差算出部が算出する位相差との組で表わされる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の目標検出装置。
  5. 上記目標検出装置は、複数の受信部と、方向算出部とを有し、
    上記複数の受信部は、上記反射波を受信する位置が互いに異なり、
    上記方向算出部は、上記複数の受信部が受信した反射波の位相差に基づいて、上記目標の方向を算出し、
    上記同一目標範囲及び上記検出困難範囲は、上記ピーク検出部が検出するピークの周波数と、上記方向算出部が算出する方向との組で表わされる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の目標検出装置。
  6. 電磁波を放射し、
    上記電磁波は、所定の繰り返し周期で周波数が繰り返し変化し、
    上記繰り返し周期は、複数の変化率一定期間を有し、
    それぞれの変化率一定期間は、上記電磁波の周波数が略一定の変化率で変化し、
    上記複数の変化率一定期間は、上記変化率が互いに異なり、
    上記電磁波が反射した反射波を受信し、
    上記電磁波の周波数と上記反射波の周波数との差の周波数を有する差周波数信号を生成し、
    上記差周波数信号の周波数領域におけるピークを検出し、
    それぞれの変化率一定期間について、検出したピークに基づいて、上記電磁波を反射した目標を追尾し、
    第一の変化率一定期間について追尾した目標のなかに、第二の変化率一定期間について追尾した目標と同一の目標があるか否かを判定し、
    上記第二の変化率一定期間について追尾した目標のうち、上記第一の変化率一定期間について追尾した目標のなかに同一の目標があると判定した目標についての情報を出力し、
    上記第二の変化率一定期間について追尾した目標のうち、上記第一の変化率一定期間について追尾した目標のなかに同一の目標がないと判定した目標について、上記第一の変化率一定期間において上記目標と同一の目標にかかるピークが検出されるべき同一目標範囲が、ピークの検出が困難な検出困難範囲に含まれるか否かを判定し、
    上記第二の変化率一定期間について追尾した目標のうち、上記同一目標範囲が上記検出困難範囲に含まれると判定した目標についての情報を出力することを特徴とする目標検出方法。
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