JP2010090729A - 車両用冷却システム - Google Patents

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貴光 真野
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伸治 梯
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Abstract

【課題】冷却対象機器を適切に冷却して出力向上、燃費向上等を図る車両用冷却システムを提供する。
【解決手段】車両用冷却システムは、冷却用回路1と、冷却用回路1の冷媒を循環させる電動ポンプ2と、冷却用回路1の冷媒の熱を放出させる放熱器3と、冷却用回路1に並列に設けられ放熱器3を流出した冷媒が流通して冷却対象である部材を放熱させて冷却する複数の冷却器6a,7aと、この冷却器がそれぞれ配置され冷却用回路1の途中が分岐してなる複数の冷媒通路と、少なくとも2つの冷却対象部材のそれぞれを冷却する各冷却器に流れる冷媒流量の分配比率を可変する流量可変弁8,9を備える。冷却対象部材は、インタークーラ6、空調用冷凍サイクルのコンデンサ7、再循環排ガスが流れるEGRクーラ17および走行用モータのインバータ18のうちの少なくとも2つで構成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の出力向上、燃費向上等に寄与する各機器を冷却する車両用冷却システムに関する。
従来から、自動車の燃費、排ガス等への高い要求のため、小排気量で高出力が出せる過給器付きのエンジンが採用されている。高出力化のためには高温となった過給空気を適度に冷却することが必要である。この冷却の方式としては外気を用いる空冷式よりも水冷式の方が搭載位置をエンジンの近傍に配置できるため、車両への搭載性、過給空気抵抗の低減等の観点から採用される傾向にある。
そして、従来の車両用冷却システムとして、例えば、特許文献1から特許文献3に記載の技術が知られており、各従来技術において水冷式の循環回路によって機器を冷却している。特許文献1に記載の第1の従来技術では、インバータやモータ等の動力回路と、空調用冷凍サイクルのコンデンサとを冷却する技術が開示されている。特許文献2に記載の第2の従来技術では、ターボチャージャーの過給空気冷却器と、排ガス再循環装置(EGR)の少なくとも一方を冷却し、耐久性を向上させる技術が開示されている。特許文献3に記載の第3の従来技術では、空調用冷凍サイクルのコンデンサと過給空気冷却器とを冷却対象とする技術が開示されている。
特開2005−186879号公報 特開2001−3747号公報 特表2008−525700号公報
しかしながら、第1の従来の技術および第2の従来技術では、冷却対象の複数の機器が水冷式の循環回路に対して直列に並んで配されており、循環回路中の上流側にある機器ほど先に冷却されるため冷却効果が大きくなるが、下流側の機器の方が強く冷却する必要がある場合でも、優先的に冷却することができない。一方、第3の従来技術では、冷却対象の2つの機器が循環回路に対して並列となるように配されているため、各機器は同程度に冷却されることになり、一方の機器を優先的に強く冷却することができない。
さらに、車両の実際の使用状態において、冷却対象である各機器は、必ずしも同程度の冷却および同時の冷却が要求されるわけではない。このため、上記各従来技術においては、各機器が必要とする冷却性能を得ることができない場合があり、さらなる高出力、燃費改善等の性能向上の余地が十分にあるシステムとなっている。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は冷却対象の機器を適切に冷却することにより出力向上、燃費向上等を図る車両用冷却システムを提供することにある。
上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。請求項1に記載の車両用冷却システムの発明は、冷媒が循環する冷却用回路(1)と、冷却用回路の前記冷媒を強制的に循環させる循環手段(2)と、冷却用回路に設けられ、外部を流れる流体との熱交換により冷媒の熱を放出させる放熱器(3)と、冷却用回路において並列に設けられ、放熱器を流出した冷媒が流通することにより冷却対象である部材から放熱させて冷却する複数の冷却器(6a,7a)と、冷却器がそれぞれ配置され、冷却用回路の途中が分岐してなる複数の冷媒通路であって、冷却用回路の冷媒を分配して各冷却器に供給する複数の冷媒通路(4,5)と、を備え、
冷却対象部材は、過給器に取り込まれる過給空気が流通するインタークーラ(6)、車室内の空調に用いられる冷凍サイクルに設けられたコンデンサ(7)、吸気とともに内燃機関の燃焼室に再度導入される排ガスの一部が流通するEGRクーラ(17)および走行用モータを制御するインバータ(18)のうちの少なくとも2つで構成され、
さらに、少なくとも2つの冷却対象部材のそれぞれを冷却する各冷却器に流れる冷媒流量の分配比率を可変する流量比率可変手段(8,9)を備えることを特徴とする。
この発明によれば、流量比率可変手段によって適切な流量の冷媒が冷却器に流れるようになると、冷却器と冷却対象部材との間で熱交換が行われ、当該冷媒温度よりも高温である冷却対象部材を所望の温度状態になるように冷却することができる。これにより、インタークーラ、空調用冷凍サイクルのコンデンサ、EGRクーラ、走行用モータ制御用のインバータのうちの少なくとも2つで構成された冷却対象部材が、同様に冷却されるのではなく、車両の運転状態に応じた必要なタイミングや必要な冷却度合いで冷却されることになる。したがって、各冷却対象部材が適切な能力を発揮することができ、一層の車両の出力向上、燃費向上等が図れ、さらに簡単な冷却用回路の構成によって高効率である車両用冷却システムを実現することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用冷却システムの発明において、流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、制御手段は、冷却対象部材のそれぞれについて、現時点の放熱出力と冷却対象部材固有の最大放熱能力との比である現状出力比を演算し、演算された現状出力比を用いて流量比率可変手段の作動を制御することを特徴とする。
この発明によれば、各冷却対象部材の現時点の放熱量が予め各冷却対象部材を備えている固有の最大放熱能力に対してどの程度かを演算し、この現状出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出することにより、各冷却対象部材が十分に放熱されるため、各冷却対象部材が所定の設計値通りに能力を発揮できる温度環境に制御できる。また、各冷却対象部材固有の最大放熱能力と現状の放熱量とを比較することにより、比較対象が所定値の最大放熱能力であるため、演算処理が簡潔であり、演算用のプログラムを簡単化することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車両用冷却システムの発明において、制御手段は、並列関係にある冷却対象部材間でさらに現状出力比の比である冷却対象部材間出力比を求め、この冷却対象部材間出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出し、算出された冷媒流量の分配比率になるように流量比率可変手段の作動を制御することを特徴とする。
この発明によれば、並列関係にある冷却対象部材間における冷却対象部材間出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出することにより、現時点の他の冷却対象部材の状態をも考慮した各冷却対象部材の温度制御が実施できる。これにより、複数の冷却対象部材をバランスよく効率的に冷却でき、車両全体として省エネルギー効果の高い車両用冷却システムを提供できる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の車両用冷却システムの発明において、流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、制御手段は、冷却対象部材のそれぞれについて現時点の放熱出力を演算し、さらに並列関係にある冷却対象部材間の現時点の放熱出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出し、算出された冷媒流量の分配比率になるように流量比率可変手段の作動を制御することを特徴とする。
この発明によれば、並列関係にある冷却対象部材間の現時点の放熱量の比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出することにより、他の冷却対象部材の現状を考慮して冷媒流量の分配比率を決定することができる。これにより、複数の冷却対象部材をバランスよく効率的に冷却でき、車両全体として省エネルギー効果の高い車両用冷却システムを提供できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用冷却システムの発明において、流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、制御手段は、少なくとも車両のアクセル開度(Acl)を検出し、検出されたアクセル開度に対応する加速要求に基づいて算出された冷媒流量の分配比率になるように、前記流量比率可変手段の作動を制御することを特徴とする。
この発明によれば、少なくともアクセル開度に対応する加速要求に基づいて冷媒流量の分配比率を算出することにより、加速に関する車両の現状を考慮した冷媒流量の分配比率が求められるため、高出力および燃費性に一層有効な冷却対象部材の温度制御を実施できる。
請求項6に記載の発明は、上記いずれかの発明において、冷却対象部材のうちの一つはコンデンサであり、流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、制御手段は、車室内の空調要求がないときには、コンデンサに冷媒を流入させないように、流量比率可変手段の作動を制御することを特徴とする。
この発明によれば、空調要求がないときにコンデンサに冷媒を流入させないことにより、コンデンサ以外の冷却対象部材を冷却する冷却器に多くの流量を提供できる。これにより、コンデンサ以外の冷却対象部材に対する冷却能力を向上させることができ、例えば、車両の走行性をより重視した制御を実施できる。
請求項7に記載の発明は、上記いずれかの発明において、流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、制御手段は、各冷却器に流れる冷媒流量の分配比率を決定するときに、内燃機関の作動状態に関わるパラメータおよび冷却対象部材の作動に関わる制御信号を用いることを特徴とする。この発明によれば、車両の走行性能および燃費性能に対して適宜最適な制御を実施することができる。
請求項8に記載の発明は、上記いずれかの発明において、流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、循環手段は電動ポンプ(2)で構成されており、制御手段は電動ポンプの吐出量を可変することにより、各冷却器を流通する冷媒流量を可変することを特徴とする。この発明によれば、冷却用回路を循環する冷媒流量を可変することにより、さらにきめ細かい冷却対象部材の温度制御を実施できる。
請求項9に記載の発明は、上記いずれかの発明において、複数の冷媒通路(4,5)は、放熱器の出口において分岐してなる通路であることを特徴とする。この発明によれば、放熱器の内部で分岐する複数の冷媒通路を構成する場合に比べて、冷却用回路における通路構成を簡単化することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の発明において、複数の冷媒通路(4,5)は、放熱器の内部において分岐してなる通路であることを特徴とする。この発明によれば、当該複数の冷媒通路が放熱器内部ですでに分岐した独立の通路であることにより、放熱器において各冷媒通路からの放熱を調整できるため、各冷却器における冷却性能の調整可能範囲をさらに大きくすることができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の発明において、さらに、冷媒が放熱器をバイパスするように放熱器の上流側と下流側とをつなぐバイパス通路(11)を備えることを特徴とする。この発明によれば、冷媒が放熱器で放熱しないような回路も構成することが可能なため、冷媒を放熱量を減らした状態の高めの温度で各冷却器に流入させることが可能であり、冷却対象部材の温度調整可能範囲をさらに大きくすることができる。
請求項12に記載の発明は、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の発明において、さらに、放熱器に対する空気の通風を遮断および許容する通風調整部材(16)を備えることを特徴とする。この発明によれば、通風調整部材によって通風を遮断および許容することにより、冷媒を放熱器で放熱させない場合と放熱させる場合とが可能とする冷却用回路も構成することができるため、冷却対象部材の温度調整可能範囲をさらに大きくすることができる。
請求項13に記載の発明は、上記いずれかの発明において、放熱器は車室内に送風される空調風が流通する空気通路に設けられることを特徴とする。この発明によれば、冷媒が外部に放熱することによって空気通路を流れる空気を暖めることができるため、暖房空気を提供することができ、空調の暖房性能を向上させることが可能となる。
請求項14に記載の発明は、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の発明において、冷却用回路において冷却器の下流側であって放熱器の上流側に、さらに空冷式の熱交換器(12)を備え、この空冷式の熱交換器は車室内に送風される空調風が流通する空気通路に設けられることを特徴とする。
この発明によれば、空調用の暖房用熱交換器であるヒータ等において十分な冷却効果が得られないような場合であっても、当該空冷式の熱交換器によって空気通路を流れる空気が暖められるため、暖房空気を提供することができ、特にエンジンが温まっていない始動直後の場合等に空調の暖房性能を補充することが可能となる。
請求項15に記載の発明は、上記いずれかの発明において、冷却用回路において冷却器の下流側であって放熱器の上流側に、さらにATFクーラ(13)およびEGRクーラ(14)の少なくとも一つを設けることを特徴とする。この発明によれば、自動変速オイル、エンジン吸込みガス等から放出される熱量を暖房等の熱源として活用することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である第1実施形態の車両用冷却システムについて図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。図2は車両用冷却システムの制御に係る構成を示すブロック図である。
本車両用冷却システムは、内燃系のエンジンによって駆動される自動車に搭載される冷却システムの一例である。図1に示すように、車両用冷却システムは、冷媒が循環する冷却用回路1と、冷却用回路1に設けられる各種機器と、により構成されている。冷却用回路1に設けられる各種機器には、冷却用回路1内で冷媒を循環させる循環手段の一例である電動ポンプ2と、冷却用回路1に設けられ、外部を流れる流体との熱交換により冷媒の熱を放出させる放熱器3と、冷却用回路1において並列に設けられ、放熱器3を流出した冷媒が流通することにより冷却対象である部材(以下、冷却対象部材ともいう)から放熱させて冷却する複数の冷却器(第1の冷却器6a、第2の冷却器7a)と、が含まれる。放熱器3は、回路を流れる冷媒を冷却するためのラジエータの機能を担っている。電動ポンプ2は回転数が制御されることにより、吐出流量が調整可能である。
この冷却用回路1は、例えば、車両のエンジンを冷却するためのメイン冷却水回路とともに車両の冷却系システムとして採用されるサブ冷却水回路によって構成してもよい。サブ冷却水回路は、エンジン冷却水よりも低温の冷却水が流れる低温水回路である。このように冷却用回路1としてサブ冷却水回路を活用する場合には、放熱器3は低温側ラジエータとなる。低温側ラジエータは、メイン冷却水回路の高温側ラジエータが有する第1空気流路の上流側に位置する第2空気流路を有する。低温側ラジエータは、空気が先に第2空気流路を通った後、高温側ラジエータの第1空気流路を流れるように設けられている。すなわち、空気の流れは、第2空気流路、第1空気流路の順に流れ、低温側ラジエータ、高温側ラジエータの順に各ラジエータを流れる冷却水を冷却する。また、低温側ラジエータ、高温側ラジエータは、この順に車両前部(例えば、エンジンルームの前部)に並んで配置されており、低温側ラジエータの前方には、車両用空調に使用される冷凍サイクルの構成部品の一つであるコンデンサを配置してもよい。
さらに、冷却用回路1としてサブ冷却水回路を活用する場合には、既存のサブ冷却水回路に対して本願の特徴の一つである流量比率可変手段がさらに設けられることになる。この流量比率可変手段は、車両の出力、燃費等を向上させるために冷却対象部材を冷却する能力を調節する機構である。
冷却用回路1は、冷却用回路1の途中が分岐してなる複数の冷媒通路を含んでいる。この複数の冷媒通路は、冷却用回路1の冷媒を分配する分岐通路であって、第1の冷却器6aが配置される第1の分岐通路4と、第2の冷却器7aが配置される第2の分岐通路5である。第1の分岐通路4には、第1の冷却器6aよりも上流側に流量比率可変手段の一例である流量可変弁8が設けられている。第2の分岐通路5には、第2の冷却器7aよりも上流側に流量比率可変手段の一例である流量可変弁9が設けられている。流量可変弁8および流量可変弁9は、それぞれの冷媒通路の断面積を可変自在で、冷媒流量を調節可能な弁手段であり、例えば電子式制御弁で構成される。
冷却対象部材は、車両を運転時に使用される空気、冷媒、オイル等の各種流体が流通する機器である。冷却対象部材を流通する流体は、例えば、EGRガス(排気再循環ガス)、ターボチャージャー、スーパーチャージャー等の過給器で吸入された空気、空調用の冷凍サイクルを流通する冷媒、ATF(オートマチック・トランスミッション・フルード)等である。したがって、冷却対象部材は、過給器に取り込まれる過給空気が流通するインタークーラ、車室内空調用の冷凍サイクルに設けられたコンデンサ、内燃機関の燃焼室に再度導入される排ガスの一部が流通するEGRクーラ、およびハイブリッド自動車等の走行用モータを制御するインバータが採用される。そして、本発明の冷却対象部材は、インタークーラ、空調用冷凍サイクルのコンデンサ、EGRクーラおよび走行用モータのインバータのうちの少なくとも2つで構成されるものである。
組み合わせ可能な冷却対象部材は、使用用途、目的が異なるため、冷却要求のタイミングや、必要な冷却量が異なるため、それぞれ必要なときに必要量で冷却されることが重要である。そこで、本実施形態の流量比率可変手段は、各冷却対象部材にタイミングおよび容量が最適な冷却を提供し、一律的でない冷却制御を可能にする。
本実施形態で採用される冷却対象部材は、インタークーラ6とコンデンサ7である。これにより、本実施形態の車両用冷却システムが適用される車両は、ターボチャージャー等の過給器付きの車両であり、特にディーゼル車である。第1の冷却器6aは、インタークーラ6を冷却する低温側通路を構成する。第2の冷却器7aは、車内空調用の冷凍サイクル20に搭載されるコンデンサ7を冷却する低温側通路を構成する。
インタークーラは、過給器で過給された空気を冷却する液冷式の装置であり、吸気温度の上昇による酸素不足を改善して、内燃機関の効率を高めて燃費の悪化および内燃機関の出力低下を抑制することができる。例えば、インタークーラは車両の加速時、エンジンの高負荷時に大容量の冷却が必要となる。本実施形態のインタークーラ6は、冷却用回路1の冷媒が流れる低温側通路を有する第1の冷却器6aと、低温側通路に隣接して配置され冷媒と熱交換される過給空気が流れる過給空気通路部6bと、が一体となって熱交換可能に構成されている。この構成により、過給空気通路部6bを流れる過給空気は、冷却用回路1の放熱器3で放熱された冷媒に対して放熱して冷却されるようになっている。
コンデンサ7は、車内空調に使用される冷凍サイクル20において、コンプレッサ21で吐出された高圧高温の冷媒が凝縮して冷却される熱交換器である。例えば、コンデンサは、車両の走行風が少ないとき、アイドリング時や渋滞時に放熱要求が大きくなり、冷却が必要となる。本実施形態のコンデンサ7は、冷却用回路1の冷媒が流れる低温側通路を有する第2の冷却器7aと、低温側通路に隣接して配置され低温の冷媒と熱交換される高温の冷媒が流れる高温側通路7bと、が一体となって両者が熱交換可能に構成されている。この構成により、高温側通路7bを流れる高温冷媒は、冷却用回路1の放熱器3で放熱された冷媒に対して放熱して冷却されるようになっている。
本実施形態の冷凍サイクル20は、コンプレッサ21と、コンデンサ7、下流側コンデンサ22、膨張弁23と、エバポレータ24と、を備え、これらを環状に接続した冷媒回路により構成されている。さらにコンプレッサ21の出口には、冷媒の圧力を検出する吐出圧センサ25が設けられている。吐出圧センサ25は、冷凍サイクル20における高圧側の冷媒圧力(HP)を検出することができる。冷凍サイクル20を流れる冷媒は、例えばアルコール、アンモニア、R404A、フロン系冷媒、HC系冷媒、二酸化炭素冷媒等を使用することができる。
コンプレッサ21の出口側から膨張弁23の入口側に至る冷媒通路は、冷凍サイクル20の高圧側部分に相当する。そして、コンデンサ7の高温側通路7bには第2の冷却器7aを流れる冷媒よりも高温の高圧冷媒が流通し、この高圧冷媒は低温側通路である第2の冷却器7aに対して放熱して冷却される。また、下流側コンデンサ22は、コンデンサ7の下流側にさらに設けられたコンデンサであり、コンデンサ7での放熱を補充して冷凍サイクル20の放熱能力を向上し、さらに高圧側の冷媒圧力を下げることができる。
冷却用回路1において電動ポンプ2出口と放熱器3入口の間には、冷媒が放熱器3を迂回して流量可変弁8,9に流れるように流路を切り替えることが可能な切替弁10が設けられている。切替弁10は、冷媒が流れる経路を、放熱器3を通る場合と通らない場合とに切り替え可能に構成された弁である。
そして、冷却用回路1の冷媒温度が低い場合等に、放熱器3を通らない経路に切り替えられたときには、冷媒は切替弁10と放熱器3の出口側流路である第1の分岐通路4および第2の分岐通路5とを接続するバイパス通路11を通ることになる。このとき、冷却用回路1の冷媒は、切替弁10、バイパス通路11、流量可変弁8,9、各冷却器6a,7a、空冷式の熱交換器12、電動ポンプ2を接続して構成される回路を循環するようになり、放熱器3で放熱することなく、各冷却器6a,7aで吸熱し、加熱される。そして、冷却用回路1の冷媒は、空冷式の熱交換器12のみで放熱するようになる。
一方、冷却用回路1の冷媒温度が高い場合等に、放熱器3を通る経路に切り替えられたときには、冷媒はバイパス通路11を通ることなく、切替弁10、放熱器3、流量可変弁8,9、各冷却器6a,7a、空冷式の熱交換器12、電動ポンプ2を接続して構成される回路を循環するようになり、放熱器3で放熱して温度を下げた後、各冷却器6a,7aで吸熱し、加熱される。このとき、冷却用回路1の冷媒は、放熱器3および空冷式の熱交換器12で放熱する。
空冷式の熱交換器12は、車室内に送風される空調風が流通する空気通路に設けられることが好ましい。この構成を採用した場合には、暖房用熱交換器のヒータにおいて十分な冷却効果が得られないような場合であっても、空冷式の熱交換器12によって空気通路の空気が暖められるため、暖房空気を提供することができ、空調の暖房性能を補充することができる。
放熱器3は、車室内に送風される空調風が流通する空気通路に設けられることが可能である。この構成を採用した場合には、冷媒が外部に放熱することによって空気通路を流れる空気を暖めることができるため、暖房空気を提供することができ、空調の暖房性能を向上させることが可能となる。
複数の分岐する冷媒通路である第1の分岐通路4および第2の分岐通路5は、放熱器3の出口において分岐する通路である。そして、この分岐通路は、第1の冷却器6aおよび第2の冷却器7aよりも下流側で合流して1本の通路となって空冷式の熱交換器12、電動ポンプ2に至る。このように分岐する場合には、独立した複数の冷媒通路を構成する場合に比べて、放熱器3や冷却用回路1における通路構成を簡単化することができる。
また、第1の分岐通路4および第2の分岐通路5が放熱器3の内部において分岐してなる通路である場合には、当該分岐通路が放熱器3の内部ですでに分岐した独立の通路であることにより、放熱器3において各冷媒通路からの放熱を調整できるため、下流側の各冷却器6a,7aにおける冷却性能の調整可能な範囲を大きくすることに寄与する。
エンジンECU50は、本実施形態の制御手段であり、冷却用回路1の冷媒の流れを制御する電子制御ユニットである。エンジンECU50は、マイクロコンピュータと、エアコンに関する各種制御信号、エンジンに関する各種制御信号等が入力される入力回路と、各種アクチュエータに出力信号を送る出力回路と、を備えている。マイクロコンピュータは、ROM(読み込み専用記憶装置)、RAM(読み込み書き込み可能記憶装置)等のメモリおよびCPU(中央演算装置)等から構成されており、各種演算に使用される各種プログラムを有している。図2に示すように、エンジンECU50は、各種プログラムにより演算された結果に基づいて、電動ポンプ2、流量可変弁8、流量可変弁9、切替弁10等の各作動を制御する。また、エアコンに関する各種制御信号は、エンジンECU50に直接送信される構成でもよいし、エアコンECU(図示せず)を経由して送信される構成でもよい。
エンジンECU50に読み込まれる各種制御信号は、主に、冷却用回路1を流れる冷媒温度(Tw)、エアコンに関する各種制御信号、およびエンジンに関する各種制御信号である。エアコンに関する各種制御信号は、冷凍サイクル20を流れる高圧側の冷媒圧力(HP)、冷凍サイクル20のコンプレッサ21に与えられる制御信号(Comp)、エアコンに与えられる作動信号(AC)、外気温度(Tamb)、車室内へ送風を行うブロワ風量(Vblw)等である。エンジンに関する各種制御信号は、エンジン回転数(Ne)、車速(Spd)、車両のアクセル開度(Acl)、エンジンの吸入空気温度(Tg)、エンジン吸入空気圧力(Pg)、エンジンの吸入空気量(Gg)等である。このように内燃機関の作動状態に関わる各種制御信号およびエアコンの作動に関わる制御信号を用いることにより、車両の走行性能および空調性能に対して適宜最適な制御を実施できるようになる。
上記構成における車両用冷却システム1の作動について説明する。まず、冷却用回路1における冷媒の流れについて説明する。冷媒の流れ方はその温度によって変わるものである。冷媒温度が比較的低温のときは、切替弁10は放熱器3側の通路を閉じてバイパス通路11側の通路を開放するため、冷媒は、電動ポンプ2の吸い込みにより放熱器3には流れずにバイパス通路11を通り、流量可変弁8,9、各冷却器6a,7a、空冷式の熱交換器12、電動ポンプ2を順に流れて循環する。すなわち、冷媒は、放熱器3で放熱することなく、各冷却器6a,7aでインタークーラ6およびコンデンサ7を冷却した後、空冷式の熱交換器12で放熱するようになる。
一方、冷媒温度が比較的高温であると、切替弁10は放熱器3側の通路を開放してバイパス通路11側の通路を閉じるため、冷媒は、電動ポンプ2の吸い込みにより放熱器3に流れて放熱し、さらに流量可変弁8,9、各冷却器6a,7a、空冷式の熱交換器12、電動ポンプ2を順に流れて循環する。すなわち、冷媒は、放熱器3で放熱して温度を下げた後、各冷却器6a,7aで吸熱し、インタークーラ6を流れる過給空気とコンデンサ7を流れる高圧冷媒とを冷却した後、空冷式の熱交換器12で放熱するようになる。
次に、上記冷却用回路1の冷媒の流れとは別に作動される冷凍サイクル20について、その冷媒の流れを説明する。乗員による空調パネルの操作等により、車内への空調要求がエアコンECUに送信されると、コンプレッサ21が起動し、冷凍サイクル20の冷媒回路を冷媒が流動する。コンプレッサ21で吸入、圧縮された冷媒は、高圧の冷媒となってコンデンサ7の高温側通路7bに流入し、冷却用回路1の冷媒から吸熱されて、凝縮し冷却される。コンデンサ7で冷却された冷媒は、下流側コンデンサ22でさらに放熱して温度を下げた後、膨張弁23で減圧され、エバポレータ24に流入して蒸発して周囲空気から吸熱する。エバポレータ24は、車両用空調装置の空調ユニットケース内に配設されるため、空調ユニットケースを流れる空気を冷却し、冷却された空気が車室内に向けて送風される。さらにエバポレータ24を流出した冷媒はコンプレッサ21に吸入され、引き続き冷媒回路を循環する。
次に、本車両用冷却システムが実行する流量比率可変制御について図3〜図4を参照して説明する。まず、本実施形態における第1例の流量比率可変制御を説明する。図3(a)は流量比率可変制御の第1例を示すフローチャートである。図3(a)に示す制御は、エンジンECU50によって実行される。
まず、エンジンECU50に電源が投入されると、エンジンECU50は、前述の各種制御信号を読み込む(ステップ1)。次に、ステップ10でエアコン制御の実行要求があるか否かを判定する。ステップ10での判定は、冷凍サイクル20のコンデンサ7に冷媒が流通している場合にはエアコン側の温度を制御するエアコン側制御の要求ありと判定し、コンデンサ7での冷媒の流通がない場合はエアコン側制御の要求なしと判定するものである。
具体的には、エアコン側制御の要求ありと判定できる場合は、例えば、冷凍サイクル20の高圧側の冷媒圧力(HP)が所定圧力HP1以上であること、外気温度(Tamb)が所定温度Tamb1以上であること、ブロワ風量(Vblw)が所定風量Vblw1以上であること、コンプレッサ21への制御信号(Comp)の大きさが所定値Comp1以上であること、エアコンの作動信号(AC)がON状態であること、および冷却用回路1の冷媒温度(Tw)が所定温度Tw1以上であること、の少なくともいずれか一つの条件が成立した場合である。逆に、これらのいずれの条件も成立していない場合はエアコン側制御の要求なしと判定できる。
ステップ10でエアコン側制御の要求なしと判定されると、さらにステップ12でインタークーラ(CAC(チャージ空気冷却器の略))の温度を制御するインタークーラ側制御要求があるか否かを判定する。ステップ12での判定は、インタークーラ6の過給空気通路部6bに過給空気が流通している場合にはインタークーラ側制御の要求ありと判定し、過給空気の流通がない場合はインタークーラ側制御の要求なしと判定するものである。
具体的には、インタークーラ側制御の要求ありと判定できる場合は、例えば、エンジン回転数(Ne)が所定回転数Ne1以上であること、車速(Spd)が所定速度Spd1以上であること、車両のアクセル開度(Acl)が所定開度Acl1以上であること、エンジンの吸入空気温度(Tg)が所定温度Tg1以上であること、エンジン吸入空気圧力(Pg)が所定圧力Pg1以上であること、およびエンジンの吸入空気量(Gg)が所定量Gg1以上であること、の少なくともいずれか一つの条件が成立した場合である。逆に、これらのいずれの条件も成立しない場合はインタークーラ側制御の要求なしと判定できる。
エンジンECU50は、ステップ12でインタークーラ側制御の要求ありと判定されると、インタークーラ(CAC)側の冷媒通路の弁開度を拡大するように流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ13)、再びステップ1に戻り、以降の各処理を実行する。なお、ステップ13では、コンデンサ(COND)側の冷媒通路の弁開度を絞るように流量可変弁8,9の弁開度を制御してもよい。これにより、インタークーラ6の第1の冷却器6aに流す冷媒流量が増加し、過給空気が冷却されて適切な温度に保たれるようになる。逆に、ステップ12でインタークーラ側制御の要求なしと判定されると、エンジンECU50は、流量可変弁8,9の弁開度を現状に維持するように制御し(ステップ14)、再びステップ1に戻り、以降の各処理を実行する。
次に、ステップ10でエアコン側制御の要求ありと判定されると、さらにステップ20でインタークーラ側制御の要求があるか否かを判定する。ステップ20での判定は、前述のステップ12での判定と同様である。エンジンECU50は、ステップ20でインタークーラ側制御の要求なしと判定されると、コンデンサ7を冷却する必要があると判断し、コンデンサ(COND)側の冷媒通路の弁開度を拡大するように流量可変弁8,9の弁開度を制御する(ステップ22)。なお、ステップ22では、インタークーラ(CAC)側の冷媒通路の弁開度を絞るように流量可変弁8,9の弁開度を制御してもよい。そして、再びステップ1に戻り、以降の各処理を実行する。これにより、コンデンサ7の第2の冷却器7aに流す冷媒流量が増加し、冷凍サイクル20の高圧冷媒が冷却されて高圧側の冷媒温度が下がるようになる。
逆に、ステップ20でインタークーラ側制御の要求ありと判定されると、エンジンECU50は、インタークーラ6、コンデンサ7のそれぞれについて現時点で要求されている放熱量(Qcac,Qcond)を算出する(ステップ30)。
ここで、インタークーラ6の要求放熱量Qcacは、過給気温度と冷却後のガス温度との差、流通するガス流量、およびガスの密度の3つの値の積によって算出することができる。そして、ガス流量と過給気温度はエンジン回転数から求まり、密度は各温度から求まり、冷却後のガス温度に置き換えられる外気温度は車両に搭載される外気温度センサ(図示せず)から検出することができる。また、コンデンサ7の要求放熱量Qcondは、コンプレッサ21の吸入流量と、冷凍サイクル20を流れる高圧側冷媒のエンタルピー差との積によって算出することができる。また、エバポレータ24の吹出し空気温度から低圧側の冷媒圧力が求められる。そして、コンプレッサ21の吸入流量は、低圧側の冷媒圧力から求められたコンプレッサ21の吸入密度とコンプレッサ21固有の能力値とから算出することができる。
次に、QcacおよびQcondが算出されると、次にステップ40で、さらに並列関係にある冷却対象部材間の現時点の放熱出力比(Qcac/Qcond)に基づいて冷媒流量の分配比率を算出する。具体的には、エンジンECU50は、予め内蔵されている、(Qcac/Qcond)×k(定数)と冷媒の流量比率との関数曲線であるマップを用いて冷媒流量の分配比率を求める。つまり、ステップ40では、冷却対象部材のそれぞれについて現時点の放熱出力を演算し、さらに並列関係にある冷却対象部材間の現時点の放熱出力の比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出するものである。この処理によれば、他の冷却対象部材の現状を考慮した冷媒流量の分配比率を決定することができる。このため、複数の冷却対象部材をバランスよく効率的に冷却でき、車両全体として高い省エネルギー効果が得られる。
そして、エンジンECU50は、ステップ40で決定された冷媒流量の分配比率に満たすように、流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ50)、再びステップ1に戻り、以降の各処理を実行する。このようにして、冷却対象部材における要求放熱量に応じて、冷媒流量の分配比率が決定され、例えば、要求放熱量が大きい方の冷却対象部材により多くの冷媒が流れるように制御される。
次に、本実施形態における第2例の流量比率可変制御を説明する。図3(b)は流量比率可変制御の第2例を示すフローチャートである。図3(b)に示す制御は、エンジンECU50によって実行される。図3(b)の第2例のフローは、前述の第1例のフローに対して、ステップ40aに示すマップのみが異なり、他の同じステップ符号を付した処理は同様である。
第2例の流量比率可変制御では、冷却対象部材であるインタークーラ6およびコンデンサ7のそれぞれについて、現時点の放熱出力(Qcac,Qcond)と、固有の最大放熱能力(Qcac(max),Qcond(max))との比である現状出力比(Qcac/Qcac(max),Qcond/Qcond(max))を演算し、この現状出力比を用いて流量比率可変手段の作動を制御するものである。この処理によれば、各冷却対象部材の現時点の放熱量が予め各冷却対象部材を備えている固有の最大放熱能力に対してどの程度であるかを演算し、この現状出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出するため、各冷却対象部材が十分に放熱されることになり、各冷却対象部材が所定の設計値通りに能力を発揮できる温度環境を提供できる。また、各冷却対象部材固有の最大放熱能力を用いるため、演算処理を簡単化することができる。
さらに、ステップ40aでは、並列関係にある冷却対象部材間で現状出力比の比である冷却対象部材間出力比((Qcac/Qcac(max))/(Qcond/Qcond(max)))を求める。この冷却対象部材間出力比に基づいて所定のマップから冷媒流量の分配比率を決定する。そして、エンジンECU50は、決定された冷媒流量の分配比率になるように、流量可変弁8,9の作動を制御する(ステップ50)。この処理によれば、並列関係にある冷却対象部材間における冷却対象部材間出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出するため、現時点の他の冷却対象部材の状態をも考慮した温度制御が実施できるようになり、複数の冷却対象部材をバランスよく効率的に冷却でき、車両全体として高い省エネルギー効果が得られる。
次に、本実施形態における第3例の流量比率可変制御を説明する。図4は流量比率可変制御の第3例を示すフローチャートである。図4に示す制御は、エンジンECU50によって実行される。図4の第3例のフローは、前述の第1例のフローに対して、車両の加速要求を判定するステップを備えており、さらに冷媒流量の分配比率の決定に冷凍サイクル20の高圧側冷媒圧力の判定を加味するステップも備えている。図4のフローにおいて、同じステップ符号を付したステップは同様の処理を行うものとする。
図4に示すように、エンジンECU50は、ステップ1aで前述の高圧側冷媒圧力(HP)、アクセル開度(Acl),車速(Spd)を含む各種制御信号を読み込む。次に、ステップ10aで、HPが所定圧力HP1以上であるか否かを判定する。ステップ10aは、冷凍サイクル20の高圧側の冷媒圧力が冷却を必要としているか否かの初期判定ステップである。
ステップ10aでHPが所定圧力HP1以上でないと判定されると、次にステップ12aで、車速とアクセル開度との関係に基づいて冷媒流量の分配比率を決定する。具体的には、エンジンECU50は、予め内蔵されている、車速Spdとアクセル開度Aclとの関係を表したマップを用いて冷媒流量の分配比率を求める。ステップ12aでSpdに対するAclの値(あるいはAclに対するSpdの値)がYESの領域に含まれる場合は、加速要求があると判断し、インタークーラ(CAC)側の冷媒通路の弁開度を拡大するように流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ13)、再びステップ1aに戻り、以降の各処理を実行する。このステップ13は走行性能重視の処理である。
逆に、ステップ12aでNOの領域に含まれる場合は、加速要求はないと判断し、エンジンECU50は、流量可変弁8,9の弁開度を中立の開度になるように制御し(ステップ15)、再びステップ1に戻り、以降の各処理を実行する。
一方、ステップ10aでHPが所定圧力HP1以上であると判定されると、次にステップ20aで、車速とアクセル開度との関係に基づいて冷媒流量の分配比率を決定する。ステップ20aは、ステップ12aと同様に、車速Spdとアクセル開度Aclとの関係を表したマップを用いて冷媒流量の分配比率を求めるステップである。ステップ12aでSpdに対するAclの値(あるいはAclに対するSpdの値)がNOの領域に含まれる場合は、加速要求はないと判断し、コンデンサ(COND)側の冷媒通路の弁開度を拡大するように流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ22)、再びステップ1aに戻り、以降の各処理を実行する。このステップ22は空調性能重視の処理である。
逆に、ステップ20aでYESの領域に含まれる場合は、加速要求があると判断し、以降、図3(a)に示す第1例のステップ30、ステップ40、ステップ50を実行していく。ステップ50の実行後は、再びステップ1に戻り、以降の各処理を実行する。このステップ50は、ステップ40で決定される流量比率によって、空調性能重視の処理にも走行性能重視の処理にもなり得る。
このように第3例の制御では、少なくとも車両のアクセル開度(Acl)を検出し、この検出されたアクセル開度に対応する加速要求に基づいて冷媒流量の分配比率を算出し、この算出された冷媒流量の分配比率になるように流量可変弁8,9の作動を制御する。この制御によれば、少なくともアクセル開度に対応する加速要求に基づいて冷媒流量の分配比率を算出するため、加速に関する車両の現状を考慮した冷媒流量の分配比率が求められる。これにより、車両の走行性能を重視した冷却対象部材の温度制御が得られる。
以下に、本実施形態の車両用冷却システムがもたらす作用効果を述べる。本車両用冷却システムは、冷却用回路1と、冷却用回路1の冷媒を強制的に循環させる電動ポンプ2と、冷却用回路1の冷媒の熱を放出させる放熱器3と、冷却用回路1に並列に設けられ、放熱器3を流出した冷媒が流通して冷却対象である部材から放熱させて冷却する第1の冷却器6aおよび第2の冷却器7aと、冷却器6a,7aがそれぞれ配置され冷却用回路1の途中が分岐して構成される第1の分岐通路4および第2の分岐通路5と、を備える。冷却対象部材は、インタークーラ6と空調用冷凍サイクルのコンデンサ7で構成される。さらに、車両用冷却システムは、2つの冷却対象部材のそれぞれを冷却する各冷却器に流れる冷媒流量の分配比率を可変する流量可変弁8,9を備える。
この構成によれば、流量可変弁8,9によって適切な流量の冷媒が各冷却器6a,7aに流れるようになると、各冷却器6a,7aとインタークーラ6およびコンデンサ7との間で熱交換が行われ、当該冷媒温度よりも高温であるインタークーラ6およびコンデンサ7を所望の温度状態になるように冷却することができる。これにより、インタークーラ6およびコンデンサ7が、同様に冷却されるのではなく、車両の運転状態に応じた必要なタイミングや必要な冷却度合いで冷却されることになる。したがって、インタークーラ6およびコンデンサ7が適切な能力を発揮することができ、一層の車両の出力向上、燃費向上、エアコン性能の向上等が図れる。また、簡単な冷却用回路1の構成によって高効率である車両用冷却システムを提供できる。また、コンデンサ7を適切に冷却することにより、冷凍サイクル20の高圧側の冷媒圧力が下がる。これにより、コンプレッサ21の圧縮量が低下し、エバポレータ24のエンタルピー差も増加し、二重で冷凍サイクルの成績係数を向上させることができる。
また、冷却用回路1には、冷媒が放熱器3をバイパスするバイパス通路11が設けられている。この構成によれば、冷媒が放熱器3で放熱しないような冷媒の経路も構成することが可能なため、冷媒をその放熱量を減らした状態で各冷却器6a,7aに流入させることも可能となり、冷却対象部材の温度調整可能な範囲をさらに大きくすることができる。
また、インタークーラ6およびコンデンサ7が、冷却用回路1において放熱器3よりも下流の部位で冷却される構成であることにより、両冷却対象部材の設置場所の自由度が向上し、例えば車両の前方部以外の場所に設置可能となる。これにより、一般に車両前方部に配置される放熱器3(例えばラジエータ)周囲の空きスペースが大きくなり、放熱器3を大きくでき、冷却性能の向上が図れる。また、冷凍サイクル20の冷媒回路を構成する配管の長さも短くでき、冷媒通路抵抗や設置スペースの低減が図れる。
また、電動ポンプ2はその吐出量が変動可能に構成されており、エンジンECU50は電動ポンプ2の吐出量を可変することにより、各冷却器6a,7aを流通する冷媒流量を可変する。この構成によれば、冷却用回路1を循環する冷媒流量を可変することにより、さらに冷却対象部材の温度制御を詳細に設定できる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態の車両用冷却システムの変形例について図5を参照して説明する。図5は本実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。図5において同一符号を付した構成部品は、第1実施形態と同一であり、同様の作用効果を奏する。
本実施形態の車両用冷却システムは、図5に示すように、第1実施形態の車両用冷却システム(図1参照)に対して、冷却用回路1Aにおいて冷却器6a,7aの下流側であって放熱器3の上流側に、さらにATFクーラ13およびEGRクーラ14の少なくとも一つを設けたものである。ATFクーラ13またはEGRクーラ14は空冷式の熱交換器12に対して直列に接続されている。
EGRクーラは、再度燃焼室に導入される内燃機関の排ガスの一部(EGRガスという)を冷却する装置であり、EGRガスを予め冷却して温度降下させてからエンジンの吸気側に戻すことでNOx低減効果を高めることができる。EGRクーラ14は、冷却用回路1の冷媒が流れる低温側通路と、低温側通路に隣接して配置され冷却水と熱交換されるEGRガスが流れるEGRガス通路部と、が一体となって熱交換可能に構成されている。
ATFクーラは、自動変速オイル(ATF)を冷却する装置であり、本実施形態のATFクーラ13は、冷却用回路1の冷媒が流れる低温側通路と、低温側通路に隣接して配置され、冷却水と熱交換される自動変速オイル(ATF)が流れるオイル通路と、が一体になって熱交換可能に構成されている。この構成により、オイル通路を流れる自動変速オイル(ATF)は、冷却器6a,7aで加熱された冷媒が放熱することにより吸熱して暖められるようになる。
本実施形態の車両用冷却システムによれば、冷却用回路1Aを流れる冷媒が放熱する熱交換器を増やすことができる。したがって、自動変速オイル、エンジン吸込みガス等から放出される熱量を暖房等の熱源として活用することができる。
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態の車両用冷却システムの変形例である車両用冷却システムおよびその作動について図6〜図8にしたがって説明する。図6は本実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。図7は車両用冷却システムの制御に係る構成を示すブロック図である。図8は、本実施形態における流量比率可変制御を示すフローチャートである。図6〜図8において同一符号を付した構成部品やステップは、第1実施形態と同一であり、同様の作用効果を奏する。
本実施形態の車両用冷却システムは、図6に示すように、第1実施形態の車両用冷却システム(図1参照)に対して、流量比率可変手段の構成が異なるシステムであり、その他の構成は同様である。すなわち、本車両用冷却システムは流量比率可変手段として一つの流量可変弁15を有し、この流量可変弁15は、放熱器3の下流側の1本の冷媒通路が第1の分岐通路4と第2の分岐通路5とに分岐する分岐部に配置されている。このような構成により、流量可変弁15は第1の分岐通路4および第2の分岐通路5の各通路断面積を可変自在とする三方弁であり、それぞれの通路を流れる冷媒流量を調節可能な弁手段であり、例えば電子式制御弁で構成される。流量可変弁15は、放熱器3を流出してきた冷媒を第1の分岐通路4および第2の分岐通路5に所望の流量で分配することができる。
このような流量可変弁15を備えたことに伴い、冷却用回路1Bにおけるバイパス通路11Aは、放熱器3出口の冷媒通路が1本の通路であるため、第1実施形態のバイパス通路11と異なって途中で分岐しない構造になっている。また、エンジンECU50は、図7に示すように、各種プログラムにより演算された結果に基づいて、電動ポンプ2、流量可変弁15、切替弁10等の各作動を制御する。
次に、本車両用冷却システムが実行する流量比率可変制御について図8を参照して説明する。図8は流量比率可変制御を示すフローチャートである。図8に示す制御は、エンジンECU50によって実行される。まず、エンジンECU50に電源が投入されると、エンジンECU50は、前述の各種制御信号を読み込む(ステップ1)。次に、インタークーラ6、コンデンサ7のそれぞれについて現時点で要求されている放熱量(Qcac,Qcond)を算出する(ステップ30)。ここで、インタークーラ6の要求放熱量Qcacおよびコンデンサ7の要求放熱量Qcondの算出方法は第1実施形態で前述したとおりである。次に、前述したステップ40aの処理を行い、冷却対象部材間出力比に基づいて所定のマップから冷媒流量の分配比率を決定する。そして、エンジンECU50は、ステップ40aで決定された冷媒流量の分配比率になるように、流量可変弁15の作動を制御する(ステップ60)。この処理によれば、並列関係にある冷却対象部材間における冷却対象部材間出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出するため、現時点の他の冷却対象部材の状態をも考慮した流量の分配が行われ、状況に応じた適切な冷却を実施できるようになる。したがって、複数の冷却対象部材をバランスよく効率的に冷却でき、車両全体として高い省エネルギー効果が得られる。そして、ステップ60の処理を実行後、再びステップ1に戻り、以降の各処理を実行する。
以下に、本実施形態の車両用冷却システムがもたらす作用効果を述べる。本車両用冷却システムは、前述の第1実施形態の車両用冷却システムに対して、2つの冷却対象部材のそれぞれを冷却する各冷却器6a,7aに流れる冷媒流量の分配比率を可変する1個の流量可変弁15を備える。
この構成によれば、1個の流量可変弁15により、2個の流量可変弁と同様に流量分配の調整を行うため、制御対象とする弁を減少することができるとともに、配管経路の構成を簡単化することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態では、第2実施形態の車両用冷却システムの変形例について図9を参照して説明する。図9は本実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。図9において同一符号を付した構成部品は、第2実施形態と同一であり、同様の作用効果を奏する。
本実施形態の車両用冷却システムは、図9に示すように、第2実施形態の車両用冷却システム(図5参照)に対して、冷却用回路1Cにおける放熱器3に対する空気の通風を遮断および許容する通風調整部材としてのシャッター部材16を備えるものである。シャッター部材16は、エンジンECU50によってその作動が制御される。シャッター部材16は、例えば、冷却器6a,7aに流入する前の冷媒温度を低下させるため放熱器3で放熱させる場合には通風を許容すべく開放され、空冷式の熱交換器12等での放熱を優先させるため放熱器3での放熱を行わない場合には通風を遮断すべく閉じられる。
このように本実施形態の車両用冷却システムによれば、シャッター部材16によって通風を遮断したり許容したりすることにより、冷媒を放熱器3で放熱させる場合と放熱させない場合との両方を実現できるため、冷却対象部材の温度調整可能な範囲をさらに大きくすることができる。また、シャッター部材16を有することにより、他の実施形態における冷却用回路に設けられるバイパス通路を不要にすることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、第1実施形態の車両用冷却システムの変形例である車両用冷却システムおよびその作動について図10〜図14にしたがって説明する。図10は本実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。図11は本車両用冷却システムの制御に係る構成を示すブロック図である。図10〜図14において同一符号を付した構成部品やステップは、第1実施形態と同一であり、同様の作用効果を奏する。
本実施形態の車両用冷却システムは、図10に示すように、第1実施形態の車両用冷却システム(図1参照)に対して、冷却対象部材がインタークーラ6とEGRクーラ17である点が異なるシステムである。なお、本車両用冷却システムの冷却用回路1Dには、第1実施形態のようなバイパス通路11が設けられていないが、その他の構成は同様である。
EGRクーラは、再度燃焼室に導入される内燃機関の排ガスの一部(EGRガスという)を冷却する装置であり、EGRガスを予め冷却して温度降下させてからエンジンの吸気側に戻すことでNOx低減効果を高めることができる。本実施形態のEGRクーラ17は、冷却用回路1Dの冷媒が流れる低温側通路を有する第1の冷却器17aと、低温側通路に隣接して配置され冷却水と熱交換されるEGRガスが流れるEGRガス通路部17bと、が一体となって熱交換可能に構成されている。EGRクーラ17を流れるEGRガスの流量は、EGRバルブ開度を制御することにより調整される。この構成により、EGRガス通路部17bを流れるEGRガスは、冷却用回路1Dの放熱器3で放熱された冷媒に対して放熱して冷却されるようになっている。EGRガス通路部17bの出口よりも下流側の通路には、露点温度(大気を冷却したときに大気中に含まれている水蒸気の一部が露を結び始める温度)を検出する露点温度センサ71と、EGRガス温度を検出する温度センサ72と、が設けられている。
エンジンECU50は、冷却用回路1Dの冷媒の流れを制御する電子制御ユニットである。エンジンECU50は、マイクロコンピュータと、温度センサ72が検出するEGRガス温度(Tegr)および露点温度センサ71が検出する露点温度(Tdew)の信号、エンジンに関する各種制御信号等が入力される入力回路と、各種アクチュエータに出力信号を送る出力回路と、を備えている。マイクロコンピュータは、ROM(読み込み専用記憶装置)、RAM(読み込み書き込み可能記憶装置)等のメモリおよびCPU(中央演算装置)等から構成されており、各種演算に使用される各種プログラムを有している。図11に示すように、エンジンECU50は、各種プログラムにより演算された結果に基づいて、電動ポンプ2、流量可変弁8、流量可変弁9等の各作動を制御する。
エンジンECU50に読み込まれる各種制御信号は、主に、冷却用回路1を流れる冷媒温度(Tw)、露点温度(Tdew)、およびエンジンに関する各種制御信号である。エンジンに関する各種制御信号は、エンジン回転数(Ne)、車速(Spd)、車両のアクセル開度(Acl)、エンジンの吸入空気温度(Tg)、エンジン吸入空気圧力(Pg)、エンジンの吸入空気量(Gg)、燃料噴射量(Vfuel)、吸気スロットル弁開度(Linth)、EGRバルブ開度(Legr)、EGRガス温度(Tegr)等である。
また、インタークーラ6側の冷却に関する制御信号は、冷媒温度(Tw)、エンジン回転数(Ne)、車速(Spd)、車両のアクセル開度(Acl)、エンジンの吸入空気温度(Tg)、エンジン吸入空気圧力(Pg)、エンジンの吸入空気量(Gg)等である。また、EGRクーラ17側の冷却に関する制御信号は、冷媒温度(Tw)、エンジン回転数(Ne)、車速(Spd)、車両のアクセル開度(Acl)、エンジンの吸入空気温度(Tg)、エンジン吸入空気圧力(Pg)、エンジンの吸入空気量(Gg)、燃料噴射量(Vfuel)、吸気スロットル弁開度(Linth)、EGRバルブ開度(Legr)、EGRガス温度(Tegr)等である。
インタークーラ6およびEGRクーラ17においては、車両の動力、燃費効率等の走行性能を向上するために、過給空気およびEGRガスを冷却することが重要である。さらに、EGRクーラ17においては、EGRクーラ17が露点温度よりも低温になり、結露水が発生すると、結露水は、排ガス中の酸化物(NOx、SOx等)によって強酸性の金属を腐食する液体になり得る。そこで、本実施形態では、このような現象を防止するため、EGRクーラ17を露点温度よりも高温になるように維持して、結露水の発生を抑制する制御を行う。
次に、本車両用冷却システムが実行する流量比率可変制御について説明する。本実施形態の流量比率可変制御においては、基本的にエンジン稼働時には、インタークーラ6とEGRクーラ17の両方を冷却するが、車両の運転状態に応じて優先度を変えて一方を強く冷却するようになる。例えば、加速時等のアクセル開度増加時や高負荷時にはインタークーラ6を優先的に冷却する。また、アイドリング時や高負荷時は排気再循環がなされないため、インタークーラ6側を主に冷却するが、これ以外でEGRクーラ17側の冷却が必要な場合はEGRクーラ17を優先的に冷却する。
まず、本実施形態における第1例の流量比率可変制御を説明する。図12は流量比率可変制御の第1例を示すフローチャートである。図12に示す制御では、EGRクーラ側の作動状態を検出し、この作動状態に基づいてEGRクーラ側に流す冷媒流量を優先的に決定することによりインタークーラ6側の冷媒流量も決定するものである。また当該制御は、エンジンECU50によって実行される。
まず、エンジンECU50に電源が投入されると、エンジンECU50は、EGRガス温度(Tegr)および露点温度(Tdew)を含む各種制御信号を読み込む(ステップ100)。次に、TegrとTdewが等しいか否かを判定する(ステップ101)。ステップ101で両者が等しいと判定されると、EGRクーラ側に流す冷媒流量を現状の流量に固定し一定値に保つように、流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ102)、再びステップ100に戻り、以降の各処理を実行する。このステップ101,102の処理の流れは、EGRガスの温度状態を現状に保とうとする制御である。
ステップ101で両者が等しくないと判定されると、さらにステップ103でTegrがTdewよりも大きいか否かを判定する。ステップ103でTegrがTdewよりも大きくないと判定されると、EGRクーラ側に流す冷媒流量を現状の流量よりも減少させるように、流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ104)、再びステップ100に戻り、以降の各処理を実行する。このステップ101,103,104の処理の流れは、EGRガスの温度状態を積極的に低下させない方向にする制御である。
一方、ステップ103でTegrがTdewよりも大きいと判定されると、EGRクーラ側に流す冷媒流量を現状の流量よりも増加させるように、流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ105)、再びステップ100に戻り、以降の各処理を実行する。このステップ101,103,105の処理の流れは、EGRクーラ17の腐食の可能性があると判断し、これを防ぐためにEGRガスの温度状態を積極的に低下させる方向にする制御である。
次に、本実施形態における第2例の流量比率可変制御を説明する。図13は流量比率可変制御の第2例を示すフローチャートである。図13に示す制御は、エンジンECU50によって実行される。
まず、エンジンECU50に電源が投入されると、エンジンECU50は、エンジン回転数(Ne)、アクセル開度(Acl)、燃料噴射量(Vfuel)等を含む前述の各種制御信号を読み込む(ステップ100a)。次に、ステップ110で、エンジンの負荷と出力とから流量比率(あるいは弁開度比率)が求まる所定のマップを用いて、冷媒流量の分配比率を決定する。エンジンの負荷はアクセル開度(Acl)、燃料噴射量(Vfuel)、エンジンの吸入空気量(Gg)等を用いて算出され、出力はエンジン回転数(Ne)に相当する。このステップ110は、エンジンの負荷と出力(回転数)を用いて冷媒流量の分配比率(インタークーラ側流路とEGRクーラ側流路との開弁比率)を算出するステップである。
そして、エンジンECU50は、ステップ110で決定された冷媒流量の分配比率になるように、流量可変弁8,9の作動を制御し(ステップ120)、再びステップ1に戻り、以降の各処理を実行する。この制御によれば、エンジンの負荷と出力とから推定されるEGR率に応じて、冷媒流量の分配比率(インタークーラ側流路とEGRクーラ側流路との開弁比率)を決定するため、車両のエンジン状態に応じた適切な冷却を実施できるようになる。したがって、インタークーラ6、EGRクーラ17のいずれの冷却を優先すべきかが効率的に行われ、動力性、燃費性等について高い省エネルギー効果が得られる。このEGR率とは、エンジンの吸入空気量とEGRガス流量との和に対するEGRガス流量が占める割合のことである。
次に、本実施形態における第3例の流量比率可変制御を説明する。図14(a)は流量比率可変制御の第3例を示すフローチャートである。図14(a)に示す制御は、エンジンECU50によって実行される。
まず、エンジンECU50に電源が投入されると、エンジンECU50は、前述の各種制御信号を読み込む(ステップ100a)。次に、インタークーラ6、EGRクーラ17のそれぞれについて現時点の放熱量(Qcac,Qegr)を算出する(ステップ111)。ここで、Qcacの算出方法は第1実施形態で前述したとおりである。Qegrの算出方法は、EGRガスの入口温度と冷却後温度との差、流通するEGRガス流量、およびEGRガスの密度の3つの値の積を演算することによって算出することができる。そして、ガス流量はEGRバルブ開度(Legr)から求まり、密度と入口温度はEGRガス温度(Tegr)から求まり、冷却後温度は冷媒温度(Tw)と冷媒流量から推定される。
次に、ステップ112では、インタークーラ6およびEGRクーラ17のそれぞれについて、現時点の放熱出力(Qcac,Qegr)と、機器固有の最大放熱能力(Qcac(max),Qegr(max))との比である現状出力比(Qcac/Qcac(max),Qegr/Qegr(max))を演算し、この現状出力比を用いて流量比率可変手段の作動を制御する。この処理によれば、各冷却対象部材の現時点の放熱量が予め各冷却対象部材を備えている固有の最大放熱能力に対してどの程度であるかを演算し、この現状出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出するため、各冷却対象部材が十分に放熱されることになり、各冷却対象部材が所定の設計値通りに能力を発揮できる温度環境を提供できる。
すなわち、ステップ112では、並列関係にある冷却対象部材間で現状出力比の比である冷却対象部材間出力比((Qcac/Qcac(max))/(Qegr/Qegr(max)))を求める。この冷却対象部材間出力比に基づいて所定のマップから冷媒流量の分配比率を決定する。そして、ステップ120で、決定された冷媒流量の分配比率になるように、流量可変弁8,9の作動を制御した後、再びステップ1に戻り、以降の各処理を実行する。この処理によれば、並列関係にある冷却対象部材間における冷却対象部材間出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出するため、現時点の他の冷却対象部材の状態をも考慮した温度制御が実施できるようになり、複数の冷却対象部材をバランスよく効率的に冷却でき、車両全体として高い省エネルギー効果が得られる。
次に、本実施形態における第4例の流量比率可変制御を説明する。図14(b)は流量比率可変制御の第4例を示すフローチャートであり、図13のフローに対して、エンジンの負荷と出力(回転数)を用いてEGR率を算出する(ステップ113)点が大きく異なっている。図14(b)に示す制御は、エンジンECU50によって実行される。
まず、エンジンECU50に電源が投入されると、エンジンECU50は、エンジン回転数(Ne)、エンジンの吸入空気量(Gg)、燃料噴射量(Vfuel)等を含む前述の各種制御信号を読み込む(ステップ100b)。次に、ステップ113で、エンジンの負荷と出力とからEGR率が求まる所定のマップを用いて、EGR率を決定する。エンジンの負荷は燃料噴射量(Vfuel)、エンジンの吸入空気量(Gg)等を用いて算出され、出力はエンジン回転数(Ne)に相当する。
次に、ステップ113で決定したEGR率から流量比率(あるいは弁開度比率)が求まる所定のマップを用いて、冷媒流量の分配比率を決定する(ステップ114)。そして、エンジンECU50は、ステップ114で決定された冷媒流量の分配比率になるように開度比率を決定して流量可変弁8,9の作動を制御し(ステップ120)、再びステップ1に戻り、以降の各処理を実行する。
例えば、ディーゼルエンジンを使用する場合には、燃料噴射量(Vfuel)とエンジン回転数(Ne)でEGRバルブ開度が求まる所定のマップを備えるようにし、このマップで求めたEGRバルブ開度からEGRガス流量を求めるようにしてもよい。これにより、前述のフローチャートにEGRガス流量を適用すると、冷媒流量の分配比率、すなわち、EGRクーラ17の冷却要求量が求められる。さらに、適宜、エンジンの吸入空気温度(Tg)、エンジン吸入空気圧力(Pg)等を検出してフィードバック制御を行うようにしてもよい。ガソリンエンジンを使用する場合には、スロットル開度から噴射量がある程度決まるため、スロットル開度、エンジン吸入空気流量等からEGRガス流量を求めるようにしてもよい。
以下に、本実施形態の車両用冷却システムがもたらす作用効果を述べる。本車両用冷却システムによれば、インタークーラ6とEGRクーラ17を冷却対象部材とし、この2つの冷却対象部材のそれぞれを冷却する各冷却器に流れる冷媒流量の分配比率を可変する流量可変弁8,9を備える。
この構成によれば、流量可変弁8,9によって適切な流量の冷媒が各冷却器6a,7aに流れるようになると、各冷却器6a,7aとインタークーラ6およびEGRクーラ17との間で熱交換が行われ、当該冷媒温度よりも高温であるインタークーラ6およびEGRクーラ17を所望の温度状態になるように冷却することができる。これにより、インタークーラ6およびEGRクーラ17が、同様に冷却されるのではなく、車両の運転状態に応じた必要なタイミングや必要な冷却度合いで冷却されることになる。したがって、インタークーラ6およびEGRクーラ17が適切な能力を発揮することができるように温度制御され、車両の動力向上、燃費向上等が図れる。また、簡単な冷却用回路1Dの構成によって高効率である車両用冷却システムを提供できる。
(第6実施形態)
第6実施形態では、第5実施形態の車両用冷却システムの変形例である車両用冷却システムおよびその作動について図15〜図20にしたがって説明する。図15は本実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。図16は本車両用冷却システムの制御に係る構成を示すブロック図である。図15〜図20において同一符号を付した構成部品やステップは、第5実施形態と同一であり、同様の作用効果を奏する。
本実施形態の車両用冷却システムは、図15に示すように、第5実施形態の車両用冷却システム(図10参照)に対して、冷却対象部材が走行用モータのインバータ18とEGRクーラ17である点が異なるシステムである。本車両用冷却システムは、内燃系のエンジンや走行用モータによって駆動されるハイブリッド自動車等に搭載される冷却システムの一例である。
本実施形態のインバータ18は、例えば、低速運転時にバッテリを電源として駆動する走行用モータの作動を制御する装置である。本実施形態の流量比率可変制御は、EGRクーラ17に加えてインバータ18も適切な温度に制御すべく、車両の運転状態に応じて必要なタイミングや必要な冷却度合いで冷却するものである。ハイブリッド自動車は、一定速度以上の場合はエンジンを駆動源として走行するが、エンジンと走行用モータとが同時に駆動源として駆動する場合もあり、この場合にもインバータ18の温度制御が行われ得る。
インバータ18は、冷却用回路1Eの第1の分岐通路4と接続される低温側通路を有する第1の冷却器17aと、低温側通路に隣接して配置されるインバータ18の本部と、が一体となって熱交換可能に構成されている。低温側通路を流れる冷媒流量は、流量可変弁8の開度変化により変更自在になっている。インバータ18には、インバータ18の温度を検出する温度センサ73が設けられている。この構成により、電子部品等の発熱源を有するインバータ18は、冷却用回路1Eの放熱器3で放熱した冷媒に対して放熱することで冷却されるようになり、機器の良好な運転および耐久寿命に対して有用な制御が行われる。
エンジンECU50は、冷却用回路1Eの冷媒の流れを制御する電子制御ユニットである。エンジンECU50は、マイクロコンピュータと、温度センサ73が検出するインバータ18の温度(Tinv)、温度センサ72が検出するEGRガス温度(Tegr)、および露点温度センサ71が検出する露点温度(Tdew)の信号、エンジンに関する各種制御信号等が入力される入力回路と、各種アクチュエータに出力信号を送る出力回路と、を備えている。マイクロコンピュータは、ROM(読み込み専用記憶装置)、RAM(読み込み書き込み可能記憶装置)等のメモリおよびCPU(中央演算装置)等から構成されており、各種演算に使用される各種プログラムを有している。図16に示すように、エンジンECU50は、各種プログラムにより演算された結果に基づいて、電動ポンプ2、流量可変弁8、流量可変弁9等の各作動を制御する。
エンジンECU50に読み込まれる各種制御信号は、主に、外気温度(Tamb)、冷却用回路1を流れる冷媒温度(Tw)、露点温度(Tdew)、インバータの温度(Tinv)、およびエンジンに関する各種制御信号である。エンジンに関する各種制御信号は、エンジンのオン・オフ信号(IGN)、エンジン回転数(Ne)、車速(Spd)、アクセル開度(Acl)、燃料噴射量(Vfuel)、エンジン吸入空気温度(Tg)、エンジン吸入空気圧力(Pg)、エンジンの吸入空気量(Gg)、EGRバルブ開度(Legr)、EGRガス温度(Tegr)等である。
また、インバータ18側の冷却に関する制御信号は、エンジンのオン・オフ信号(IGN)、冷媒温度(Tw)、車速(Spd)、車両のアクセル開度(Acl)、インバータの温度(Tinv)等である。また、EGRクーラ17側の冷却に関する制御信号は、冷媒温度(Tw)、エンジン回転数(Ne)、車速(Spd)、アクセル開度(Acl)、エンジン吸入空気圧力(Pg)、エンジンの吸入空気量(Gg)、EGRバルブ開度(Legr)、EGRガス温度(Tegr)、露点温度(Tdew)等である。
次に、本車両用冷却システムが実行する流量比率可変制御について説明する。まず、本実施形態における第1例の流量比率可変制御を説明する。図17は流量比率可変制御の第1例を示すフローチャートである。図17に示す制御では、インバータ18側の温度状態およびEGRクーラ17側の温度状態をそれぞれ検出し、これらの温度状態に基づいてインバータ18側とEGRクーラ側とに流す冷媒流量を決定するものである。また当該制御は、エンジンECU50によって実行される。
まず、エンジンECU50に電源が投入されると、エンジンECU50は、インバータ温度(Tinv)を含む各種制御信号を読み込む(ステップ200)。次に、Tinvと所定温度Tinv1とを比較し、Tinvが所定温度Tinv1以上の温度であるか否かを判定する(ステップ205)。ステップ205でTinvの方が低い温度であると判定されると、インバータ18側に流す冷媒流量を現状の流量または現状の流量よりも減少させるように、流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ206)、ステップ220に飛び、以降の各処理を実行する。このステップ205,206の処理の流れは、インバータ18がそれほど高温でないため、インバータ18を積極的に冷却しない方向にする制御である。
ステップ205でTinvが所定温度Tinv1以上の温度であると判定されると、さらにステップ210でインバータ側の冷媒通路の開度が最大状態であるか否かを判定する。ステップ210で最大状態であると判定されると、EGRクーラ側に流す冷媒流量を現状の流量よりも減少させるように、流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ211)、再びステップ200に戻り、以降の各処理を実行する。このステップ205,210,211の処理の流れは、インバータ18を積極的に冷却するとともに、EGRガス温度を積極的に冷却しない方向にする制御である。ステップ210で最大状態でないと判定されると、インバータ18側の冷媒通路の開度を拡大し(ステップ215)、インバータ18を積極的に冷却する。このステップ200〜ステップ215までの各処理は、インバータ18側の温度状態を検出し、この温度状態に基づいてインバータ18側に流す冷媒流量を決定するフローを構成する。
次に、エンジンECU50は、EGRガス温度(Tegr)と露点温度(Tdew)を含む各種制御信号を読み込む(ステップ220)。ステップ225で、TegrとTdewが等しいか否かを判定する(ステップ225)。ステップ225で両者が等しいと判定されると、EGRクーラ側に流す冷媒流量を現状の流量に固定し(EGRクーラ17側の冷媒通路の開度を固定し)一定値に保つように、流量可変弁8,9の弁開度を制御した(ステップ226)後、再びステップ200に戻り、以降の各処理を実行する。このステップ225,226の処理の流れは、EGRガスの温度状態を現状に保とうとする制御である。
一方、ステップ225で両者が等しくないと判定されると、さらにステップ230でTegrがTdewよりも大きいか否かを判定する。ステップ230でTegrがTdewよりも大きくないと判定されると、EGRクーラ側に流す冷媒流量を現状の流量よりも減少させるために、EGRクーラ17側の冷媒通路の開度を絞るように流量可変弁8,9の弁開度を制御した(ステップ231)後、再びステップ200に戻り、以降の各処理を実行する。このステップ225,230,231の処理の流れは、EGRガスの温度状態を積極的に低下させない方向にする制御である。
ステップ230でTegrがTdewよりも大きいと判定されると、EGRクーラ側に流す冷媒流量を現状の流量よりも増加させるために、EGRクーラ17側の冷媒通路の開度を拡大するように流量可変弁8,9の弁開度を制御した(ステップ235)後、再びステップ200に戻り、以降の各処理を実行する。このステップ225,230,235の処理の流れは、EGRクーラ17の腐食の可能性があると判断し、これを防ぐためにEGRガスを積極的に冷却し温度低下させる方向にする制御である。
次に、本実施形態における第2例の流量比率可変制御を説明する。図18は流量比率可変制御の第2例を示すフローチャートである。図18に示す第2例の制御においては、図17に示す第1例のフローチャートを簡単化したものであり、第1例のフローチャートにおけるステップ220〜ステップ235までの各処理を実行する。つまり、図18の第2例の制御では、EGRクーラ17の温度制御を重視または優先しており、EGRクーラ17側の温度状態を検出し、この温度状態に基づいてEGRクーラ17側に流す冷媒流量を決定することにより、その結果インバータ18側に流す冷媒流量も決定され、流量比率可変手段による冷媒流量の分配比率が決定されることになる。
次に、本実施形態における第3例の流量比率可変制御を説明する。図19は流量比率可変制御の第3例を示すフローチャートである。図19に示す第3例の制御においては、図17に示す第1例のフローチャートを簡単化したものである。つまり、図19の第3例の制御では、インバータ18の温度制御を重視または優先しており、インバータ18側の温度状態を検出し、この温度状態に基づいてインバータ18側に流す冷媒流量を決定することにより、その結果EGRクーラ17側に流す冷媒流量も決定され、流量比率可変手段による冷媒流量の分配比率が決定されることになる。
まず、エンジンECU50に電源が投入されると、エンジンECU50は、インバータ温度(Tinv)を含む各種制御信号を読み込む(ステップ200)。次に、Tinvと所定温度Tinv1とを比較し、Tinvが所定温度Tinv1以上の温度であるか否かを判定する(ステップ205)。ステップ205でTinvの方が低い温度であると判定されると、インバータ18側に流す冷媒流量を現状の流量または現状の流量よりも減少させるように、流量可変弁8,9の弁開度を制御した(ステップ206)後、再びステップ200に戻り、以降の各処理を実行する。
一方、ステップ205でTinvが所定温度Tinv1以上の温度であると判定されると、ステップ215で最大状態でないと判定されると、インバータ18側の冷媒通路の開度を拡大し(ステップ215)、インバータ18を積極的に冷却する。そして、再びステップ200に戻り、以降の各処理を実行する。
次に、本実施形態における第4例の流量比率可変制御を説明する。図20は流量比率可変制御の第4例を示すフローチャートである。図20に示す制御は、エンジンECU50によって実行される。
まず、エンジンECU50に電源が投入されると、エンジンECU50は、前述の各種制御信号を読み込む(ステップ300)。次に、冷却用回路1Eの冷媒温度(Tw)と所定温度Tw1とを比較し、Twが所定温度Tw1以下の温度であるか否かを判定する(ステップ310)。例えば、Tw1は、インバータ18の回路保護のため65℃よりも若干低い温度に設定される。ステップ310でTwの方が高い温度であると判定されると、インバータ18側に流す冷媒流量を現状の流量よりも増加させるために、インバータ18側の冷媒通路の開度を拡大するように流量可変弁8,9の弁開度を制御した(ステップ351)後、再びステップ300に戻り、以降の各処理を実行する。
ステップ310でTwが所定温度Tw1以下の温度であると判定されると、次にステップ320で、インバータの冷却余裕度Aの演算を行う。具体的には、インバータの冷却余裕度Aは次式、A=(Tw−Tamb)/(Tw1−Tamb)により、算出する。ステップ320は、インバータ側の冷却要求度合いを算出するステップである。
さらに、ステップ330で、エンジンの負荷と出力(エンジン回転数)とからEGR率が求まる所定のマップを用いてEGR率を決定する。エンジンの負荷は燃料噴射量(Vfuel)、エンジンの吸入空気量(Gg)等を用いて算出され、出力はエンジン回転数(Ne)に相当する。
次に、ステップ330で決定したEGR率と最大EGR率の比(B=EGR率/EGR率(max))を算出する(ステップ340)。この最大EGR率は、EGRバルブが全開状態のときのEGR率のことである。さらに、前述のBをAで割った値が所定の定数C以上であるか否かを判定する(ステップ350)。
ステップ350で、B/Aが定数C未満であると判定されると、インバータ18側に流す冷媒流量を増加させるために、インバータ18側の冷媒通路の開度を拡大するように流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ351)、その後、再びステップ300に戻り、以降の各処理を実行する。
ステップ350で、B/Aが定数C以上であると判定されると、EGRクーラ17側に流す冷媒流量を増加させるために、EGR17側の冷媒通路の開度を拡大するように流量可変弁8,9の弁開度を制御し(ステップ360)、その後、再びステップ300に戻り、以降の各処理を実行する。
以上の制御により、結果的に負荷が中程度または低いときにはEGR側の冷却を優先する制御を行い、それ以外の排気再循環がなされないとき、アイドリング時または高負荷時にはインバータ側の冷却を優先する制御を行うことができる。
また、第4例の流量比率可変制御について、好ましくは、第2例のステップ230のようなEGRガス温度Tegrと露点温度Tdewとの大小判定(図18参照)を行い、EGR17側の冷媒通路の開度制御を実行するフィードバック制御を実施する。
なお、第4例の流量比率可変制御について、ステップ310における判定のみによって、NOのときはステップ351を実行し、YESのときはステップ360を実行するようにしてもよい。
以下に、本実施形態の車両用冷却システムがもたらす作用効果を述べる。本車両用冷却システムによれば、インバータ18とEGRクーラ17を冷却対象部材とし、この2つの冷却対象部材のそれぞれを冷却する各冷却器に流れる冷媒流量の分配比率を可変する流量可変弁8,9を備える。
この構成によれば、流量可変弁8,9によって適切な流量の冷媒が各冷却器6a,7aに流れるようになると、各冷却器6a,7aとインバータ18およびEGRクーラ17との間で熱交換が行われ、当該冷媒温度よりも高温であるインバータ18およびEGRクーラ17を所望の温度状態になるように冷却することができる。これにより、インバータ18およびEGRクーラ17が、同様に冷却されるのではなく、車両の運転状態に応じた必要なタイミングや必要な冷却度合いで冷却されることになる。したがって、インバータ18およびEGRクーラ17が適切な能力を発揮することができるように温度制御され、車両の動力向上、燃費向上等が図れる。また、簡単な冷却用回路1Eの構成によって高効率である車両用冷却システムを提供できる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では、冷却器の下流であって放熱器3の上流側に配置されている空冷式の熱交換器として、ATFクーラ13、EGRクーラ14等の熱交換器を採用しているが、熱交換器はこれらに限定されるものではなく、その他の冷却水により熱交換可能な流体が流通する熱交換器にも適用できることはいうまでもない。
また、上記実施形態において、冷却対象部材の一つが空調用冷凍サイクル20のコンデンサ7である場合には、エンジンECU50は空調要求がないときには、コンデンサ7に冷媒を流入させないように、流量可変弁8,9の作動を制御する。この制御によれば、空調要求がないときにコンデンサ7に冷媒を流入させないことにより、コンデンサ7以外の冷却対象部材を冷却する冷却器に多くの流量を与えることができる。これにより、コンデンサ7以外の冷却対象部材に対する冷却能力を向上させることができる。例えば、車両の走行性能をより重視した制御が得られる。
また、上記実施形態においては、冷却対象部材が二つである例が記載されているが、この個数に限定するものではない。すなわち、冷却対象部材は、1つの冷却用回路において少なくとも二つであり、例えば三つ以上であってもよい。
また、上記実施形態では、冷却対象部材が二つである例として、インタークーラとコンデンサ、インタークーラとEGRクーラ、およびインバータとEGRクーラの3通りを説明している。一方、インタークーラとインバータ、コンデンサとEGRクーラ、およびコンデンサとインバータについての各流量比率可変制御も、冷却対象部材の組み合わせに応じて、上記実施形態で説明したフローチャートの各処理を適宜組み合わせることにより、同様に実施することができる。
また、上記実施形態において、車両用冷却システムの冷却用回路として既設のサブ冷却水回路を活用する場合には、サブ冷却水回路は高温のエンジン冷却水が流通するメイン冷却水回路に対して、互いに混合することのない独立した回路であってもよいし、回路の途中で混合部分を有して温度調節される回路であってもよい。
また、上記実施形態における車両用冷却システムは、ガソリン内燃機関、ディーゼル内燃機関等を有する車両、ハイブリッド自動車等に適用することができる。
また、上記各実施形態の冷却用回路を流れる冷媒は、エチレングリコール等が含まれる冷却水の他、水、アルコール、フロロカーボン、フロン、各種オイル等を使用することができる。
第1実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。 第1実施形態の車両用冷却システムの制御に係る構成を示すブロック図である。 第1実施形態における流量比率可変制御の第1例を示すフローチャートである。 流量比率可変制御の第2例を示すフローチャートである。 第1実施形態における流量比率可変制御の第3例を示すフローチャートである。 第2実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。 第3実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。 第3実施形態の車両用冷却システムの制御に係る構成を示すブロック図である。 第3実施形態における流量比率可変制御を示すフローチャートである。 第4実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。 第5実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。 第5実施形態の車両用冷却システムの制御に係る構成を示すブロック図である。 第5実施形態における流量比率可変制御の第1例を示すフローチャートである。 第5実施形態における流量比率可変制御の第2例を示すフローチャートである。 第5実施形態における流量比率可変制御の第3例を示すフローチャートである。 流量比率可変制御の第4例を示すフローチャートである。 第6実施形態の車両用冷却システムを模式的に示す構成図である。 第6実施形態の車両用冷却システムの制御に係る構成を示すブロック図である。 第6実施形態における流量比率可変制御の第1例を示すフローチャートである。 第6実施形態における流量比率可変制御の第2例を示すフローチャートである。 第6実施形態における流量比率可変制御の第3例を示すフローチャートである。 第6実施形態における流量比率可変制御の第4例を示すフローチャートである。
符号の説明
1…冷却用回路
2…電動ポンプ(循環手段)
3…放熱器
4…第1の分岐通路(複数の冷媒通路)
5…第2の分岐通路(複数の冷媒通路)
6…インタークーラ
6a…第1の冷却器(冷却器)
7…コンデンサ
7a…第2の冷却器(冷却器)
8…流量可変弁(流量比率可変手段)
9…流量可変弁(流量比率可変手段)
11…バイパス通路
12…空冷式の熱交換器
13…ATFクーラ
14…EGRクーラ
16…シャッター部材(通風調整部材)
17…EGRクーラ
18…インバータ
50…エンジンECU(制御手段)

Claims (15)

  1. 冷媒が循環する冷却用回路(1)と、
    前記冷却用回路の前記冷媒を循環させる循環手段(2)と、
    前記冷却用回路に設けられ、外部を流れる流体との熱交換により前記冷媒の熱を放出させる放熱器(3)と、
    前記冷却用回路において並列に設けられ、前記放熱器を流出した冷媒が流通することにより冷却対象である部材から放熱させて冷却する複数の冷却器(6a,7a)と、
    前記冷却器がそれぞれ配置され、前記冷却用回路の途中が分岐してなる複数の冷媒通路であって、前記冷却用回路の前記冷媒を分配して前記各冷却器に供給する複数の冷媒通路(4,5)と、
    を備え、
    前記冷却対象部材は、過給器に取り込まれる過給空気が流通するインタークーラ(6)、車室内の空調に用いられる冷凍サイクルに設けられたコンデンサ(7)、吸気とともに内燃機関の燃焼室に再度導入される排ガスの一部が流通するEGRクーラ(17)および走行用モータを制御するインバータ(18)のうちの少なくとも2つで構成され、
    さらに、前記少なくとも2つの冷却対象部材のそれぞれを冷却する前記各冷却器に流れる冷媒流量の分配比率を可変する流量比率可変手段(8,9)を備えることを特徴とする車両用冷却システム。
  2. 前記流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、
    前記制御手段は、前記冷却対象部材のそれぞれについて、現時点の放熱出力と前記冷却対象部材固有の最大放熱能力との比である現状出力比を演算し、前記現状出力比を用いて前記流量比率可変手段の作動を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却システム。
  3. 前記制御手段は、前記並列関係にある冷却対象部材間でさらに前記現状出力比の比である冷却対象部材間出力比を求め、前記演算された前記冷却対象部材間出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出し、前記算出された冷媒流量の分配比率になるように、前記流量比率可変手段の作動を制御することを特徴とする請求項2に記載の車両用冷却システム。
  4. 前記流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、
    前記制御手段は、前記冷却対象部材のそれぞれについて現時点の放熱出力を演算し、さらに前記並列関係にある前記冷却対象部材間の前記現時点の放熱出力比に基づいて冷媒流量の分配比率を算出し、前記算出された冷媒流量の分配比率になるように、前記流量比率可変手段の作動を制御することを特徴とする請求項1に記載の車両用冷却システム。
  5. 前記流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、
    前記制御手段は、少なくとも車両のアクセル開度(Acl)を検出し、前記検出されたアクセル開度に対応する加速要求に基づいて算出された冷媒流量の分配比率になるように、前記流量比率可変手段の作動を制御することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
  6. 前記冷却対象部材のうちの一つは前記コンデンサであり、
    前記流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、
    前記制御手段は、車室内の空調要求がないときには、前記コンデンサに冷媒を流入させないように、前記流量比率可変手段の作動を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
  7. 前記流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、
    前記制御手段は、前記各冷却器に流れる冷媒流量の分配比率を決定するときに、前記内燃機関の作動状態に関わるパラメータおよび前記冷却対象部材の作動に関わる制御信号を用いることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
  8. 前記流量比率可変手段(8,9)の作動を制御する制御手段(50)を備え、
    前記循環手段は電動ポンプ(2)で構成されており、
    前記制御手段は前記電動ポンプの吐出量を可変することにより、前記各冷却器を流通する冷媒流量を可変することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
  9. 前記複数の冷媒通路(4,5)は、前記放熱器の出口において分岐してなる通路であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
  10. 前記複数の冷媒通路(4,5)は、前記放熱器の内部において分岐してなる通路であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
  11. さらに、前記冷媒が前記放熱器をバイパスするように、前記放熱器の上流側と下流側とをつなぐバイパス通路(11)を備えることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
  12. さらに、前記放熱器に対する空気の通風を遮断および許容する通風調整部材(16)を備えることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
  13. 前記放熱器は、車室内に送風される空調風が流通する空気通路に設けられることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
  14. 前記冷却用回路において前記冷却器の下流側であって前記放熱器の上流側に、さらに空冷式の熱交換器(12)を備え、前記空冷式の熱交換器は、車室内に送風される空調風が流通する空気通路に設けられることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
  15. 前記冷却用回路において前記冷却器の下流側であって前記放熱器の上流側に、さらにATFクーラ(13)およびEGRクーラ(14)の少なくとも一つを設けることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の車両用冷却システム。
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