JP5526982B2 - 内燃機関冷却装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷却水を流通させることによって、内燃機関を冷却する内燃機関冷却装置に関する。
従来、車両走行用の駆動力を出力する内燃機関(エンジン)に冷却水を流通させることによって、エンジンを冷却する内燃機関冷却装置が知られている。さらに、一般的に、この種の内燃機関冷却装置を流通する冷却水は、車両用空調装置において車室内に送風される送風空気(加熱対象流体)を加熱するための熱源として利用されている。
例えば、特許文献1に記載された車両用の内燃機関冷却装置では、エンジンの内部に、シリンダヘッドを冷却するための冷却水を流通させるヘッド側流路、およびシリンダブロックを冷却するための冷却水を流通させるブロック側流路を設け、ヘッド側流路から流出した冷却水を送風空気の加熱用熱源として利用している。
米国特許第5337704号明細書
ところで、車両に搭載されるエンジンには、その体格を増加させることなく出力を増加させたいというニーズがある。このニーズに対応する手段として、例えば、エンジンに吸入される燃料燃焼用の空気(吸気)を過給させる過給機等が知られている。ところが、過給機を搭載するエンジンでは、過給圧の増加に伴って燃焼室における圧縮比が増加してしまうため、ノッキングが生じやすくなる。
そのため、過給機を搭載するエンジンでは、過給機を搭載していないエンジンよりも燃焼室の温度を低下させる等の手段によって、耐ノッキング性能を向上させている。従って、特許文献1のエンジンに過給機を搭載した場合も、ヘッド側流路を流通する冷却水の流量を増加させる等の手段によって、燃焼室の温度を低下させる必要がある。
しかしながら、燃焼室の温度を低下させるために、ヘッド側流路を流通する冷却水の流量を増加させてしまうと、ヘッド側流路から流出する冷却水、すなわち送風空気の加熱用熱源として利用される冷却水の温度も低下してしまう。その結果、送風空気を充分に昇温させることができず、車室内の適切な空調(特に、暖房)が実現できなくなってしまうことが懸念される。
本発明は上記点に鑑みて、内部を流通する冷却水が加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる内燃機関冷却装置において、ヘッド側流路を流通する冷却水の温度を低下させても加熱対象流体の温度低下を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、冷却水を流通させることによって内燃機関(10)を冷却するとともに、内燃機関(10)から流出した冷却水の少なくとも一部が加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる内燃機関冷却装置であって、
内燃機関(10)の内部には、シリンダブロック(11)を冷却するための冷却水を流通させるブロック側流路(11a)、およびシリンダヘッド(12)を冷却するための冷却水を流通させるヘッド側流路(12a)が形成されており、
さらに、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)へ冷却水を圧送する冷却水圧送手段(21)と、ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のうち、少なくとも加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる冷却水の熱源用流量を変化させる第1流量変更手段(22、22b)と、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水およびブロック側流路(11a)から流出した冷却水を外気に放熱させて、冷却水圧送手段(21)の吸入側へ流出させる放熱用熱交換器(24)と、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水およびブロック側流路(11a)から流出した冷却水を、放熱用熱交換器(24)を迂回させて冷却水圧送手段(21)の吸入側へ導くバイパス通路(25)と、バイパス通路(25)を流通する冷却水のバイパス流量を変化させる第2流量変更手段(26、26)とを備え、
第2流量変更手段(26、26)は、冷却水圧送手段(21)吸入側の冷却水の吸入側温度(Tsuc)が基準吸入側温度(KTsuc)に近づくようにバイパス流量を変化させ、冷却水圧送手段(21)の冷却水圧送能力は、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水のヘッド側出口温度(Thd)が基準ヘッド側出口温度(KThd)に近づくように制御され、第1流量変更手段(22、22b)は、ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のブロック側出口温度(Tbk)が基準ブロック側出口温度(KTbk)に近づくように熱源用流量を変化させ、基準ブロック側出口温度(KTbk)は、基準ヘッド側出口温度(KThd)よりも高い値であり、
さらに、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水が流入して加熱対象流体を加熱する第1加熱用熱交換器(31)と、第1流量変更手段(22、22b)から流出した冷却水が流入して加熱対象流体を加熱する第2加熱用熱交換器(32)とを備え、第1、第2加熱用熱交換器(31、32)の出口側が、冷却水圧送手段(21)の吸入側および放熱用熱交換器(24)の入口側のうちいずれか一方に接続されている内燃機関冷却装置を特徴とする。
これによれば、冷却水の温度のうち、ヘッド側出口温度(Thd)については冷却水圧送手段(21)によって調整され、ブロック側出口温度(Tbk)については第1流量変更手段(22、22b)によって調整されるので、ヘッド側出口温度(Thd)およびブロック側出口温度をそれぞれ独立して制御することができる。
さらに、基準ブロック側出口温度(KTbk)を基準ヘッド側出口温度(KThd)よりも高い値に設定しておくことで、ブロック側出口温度(Tbk)をヘッド側出口温度Thdよりも高い温度とすることができる。
従って、ヘッド側流路(12a)から流出する冷却水よりも高い温度となるブロック側流路(11a)から流出する冷却水の一部を、加熱対象流体を加熱するための熱源として利用できるので、ヘッド側流路(12a)を流通する冷却水の温度を低下させても加熱対象流体の温度低下を抑制することができる。
請求項2に記載の発明では、冷却水を流通させることによって内燃機関(10)を冷却するとともに、内燃機関(10)から流出した冷却水の少なくとも一部が加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる内燃機関冷却装置であって、
内燃機関(10)の内部には、シリンダブロック(11)を冷却するための冷却水を流通させるブロック側流路(11a)、およびシリンダヘッド(12)を冷却するための冷却水を流通させるヘッド側流路(12a)が形成されており、
さらに、ブロック側流路(11a)およびヘッド側流路(12a)へ冷却水を圧送する冷却水圧送手段(21)と、ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のうち、少なくとも加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる冷却水の熱源用流量を変化させる第1流量変更手段(22、22b)と、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水およびブロック側流路(11a)から流出した冷却水を外気に放熱させて、冷却水圧送手段(21)の吸入側へ流出させる放熱用熱交換器(24)と、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水およびブロック側流路(11a)から流出した冷却水を、放熱用熱交換器(24)を迂回させて冷却水圧送手段(21)の吸入側へ導くバイパス通路(25)と、バイパス通路(25)を流通する冷却水のバイパス流量を変化させる第2流量変更手段(26、26a)とを備え、
第2流量変更手段(26、26a)は、冷却水圧送手段(21)吸入側の冷却水の吸入側温度(Tsuc)が基準吸入側温度(KTsuc)に近づくようにバイパス流量を変化させ、冷却水圧送手段(21)の冷却水圧送能力は、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水のヘッド側出口温度(Thd)が基準ヘッド側出口温度(KThd)に近づくように制御され、第1流量変更手段(22、22b)は、ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のブロック側出口温度(Tbk)が基準ブロック側出口温度(KTbk)に近づくように熱源用流量を変化させ、基準ブロック側出口温度(KTbk)は、基準ヘッド側出口温度(KThd)よりも高い値であり、
さらに、ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水と第1流量変更手段(22)から流出した一部の冷却水とを合流させた冷却水が流入して加熱対象流体を加熱する第1加熱用熱交換器(31)と、第1流量変更手段(22、22b)から流出した別の一部の冷却水が流入して加熱対象流体を加熱する第2加熱用熱交換器(32)とを備え、第1、第2加熱用熱交換器(31、32)の出口側が、冷却水圧送手段(21)の吸入側および放熱用熱交換器(24)の入口側のうちいずれか一方に接続されている内燃機関冷却装置を特徴とする。
これによれば、請求項2に記載の発明においても、請求項1に記載の発明と同様の作用効果を奏することができる。
なお、上記請求項1、2における「熱源用流量を変化させる」あるいは「バイパス流量を変化させる」とは、各流量を連続的に変化させることのみならず、段階的に変化させることも含む意味である。従って、流量を0%(冷却水を流さない状態)と100%(冷却水を流す状態)との二段階に変化させることも含まれる意味である。
請求項に記載の発明では、請求項1または2に記載の内燃機関冷却装置において、第1流量変更手段は、熱源として用いられる冷却水の通路を開閉する電気式の第1開閉弁を有して構成され、さらに、第1開閉弁の作動を制御する第1流量制御手段と、ブロック側出口温度(Tbk)を検出するブロック側出口温度検出手段(43)を備え、第1流量制御手段は、ブロック側出口温度検出手段(43)の検出値が基準ブロック側出口温度(KTbk)に近づくように、前記第1開閉弁の作動を制御することを特徴とする。
これによれば、第1流量変更手段が電気式の第1開閉弁を有しているので、電気的制御によって熱源用流量を連続的に変化させることができる。従って、冷却水の温度のうちブロック側出口温度(Tbk)を精度良く基準ブロック側出口温度(KTbk)に近づけることができる。
請求項に記載の発明では、請求項1または2に記載の内燃機関冷却装置において、第1流量変更手段は、弁開度を変化させることによって熱源用流量を調整する電気式の第1流量調整弁(22b)を有して構成され、さらに、第1流量調整弁(22b)の作動を制御する第1流量制御手段と、ブロック側出口温度(Tbk)を検出するブロック側出口温度検出手段(43)を備え、第1流量制御手段は、ブロック側出口温度検出手段(43)の検出値が基準ブロック側出口温度(KTbk)に近づくように、第1流量調整弁(22b)の作動を制御することを特徴とする。
これによれば、第1流量変更手段が電気式の第1流量調整弁(22b)を有しているので、電気的制御によって熱源用流量を連続的に変化させることができる。従って、冷却水の温度のうちブロック側出口温度を精度良く基準ブロック側出口温度(KTbk)に近づけることができる。
さらに、請求項に記載の発明では、請求項またはに記載の内燃機関冷却装置において、第1流量制御手段は、外気温(Tam)の低下に伴って、基準ブロック側出口温度(KTbk)を上昇させるように決定する機能を有することを特徴とする。
これによれば、外気温(Tam)の低下に伴って、冷却水のブロック側出口温度(Tbk)、すなわち加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる冷却水の温度を上昇させることができるので、加熱対象流体の温度低下を効果的に抑制することができる。
さらに、請求項に記載の発明では、請求項ないしのいずれか1つに記載の内燃機関冷却装置において、ユーザーが冷却水によって加熱対象流体を加熱するか否かを選択する加熱選択手段を備え、第1流量制御手段は、加熱選択手段によって加熱対象流体を加熱することが選択された際に、加熱しないことが選択された際よりも、基準ブロック側出口温度(KTbk)を低い値に決定する機能を有することを特徴とする。
これによれば、加熱対象流体を加熱することが選択された際に、加熱しないことが選択された際よりも、基準ブロック側出口温度(KTbk)が低くなるので、加熱することが選択された際に、第1流量変更手段(22、22b)が熱源用流量を増加させることになる。従って、ユーザーの要求に応じて、速やかに加熱対象流体を加熱することができる。
請求項に記載の発明のように、請求項1ないしのいずれか1つに記載の内燃機関冷却装置において、冷却水圧送手段は、電動式の水ポンプ(21)で構成されていてもよい。
さらに、請求項に記載の発明のように、請求項に記載の内燃機関冷却装置において、電動式の水ポンプ(21)の冷却水圧送能力を制御する冷却水圧送能力制御手段と、ヘッド側出口温度を検出するヘッド側出口温度検出手段(41)とを備え、冷却水圧送能力制御手段は、ヘッド側出口温度検出手段(41)の検出値が基準ヘッド側出口温度(KThd)に近づくように、電動式の水ポンプ(21)の作動を制御するようになっていてもよい。
これによれば、冷却水圧送手段を電動式の水ポンプ(21)で構成しているので、電気的な制御によってヘッド側流路(12a)を流れる冷却水の流量を調整することができる。従って、冷却水の温度のうちヘッド側出口温度Thdを精度良く基準ヘッド側出口温度(KThd)に近づけることができる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれか1つに記載の内燃機関冷却装置において、第2加熱用熱交換器(32)は、第1加熱用熱交換器(31)に対して加熱対象流体の流れ方向の下流側に配置されていることを特徴とする。
ここで、第1加熱用熱交換器(31)にはヘッド側流路(12a)から流出した冷却水が流入し、第2加熱用熱交換器(32)にはブロック側流路(11a)から流出した冷却水が第1流量変更手段(22、22b)を通過して流入するから、第1加熱用熱交換器(31)の冷却水温度よりも第2加熱用熱交換器(32)の冷却水温度の方が高くなる。
それ故、請求項9に記載の発明によれば、第1加熱用熱交換器(31)において加熱された加熱対象流体を第2加熱用熱交換器(32)においてより高温の冷却水によりさらに加熱することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の内燃機関冷却装置の全体構成図である。 第2実施形態の内燃機関冷却装置の全体構成図である。 第2実施形態のエンジン制御装置の制御処理を示すフローチャートである。 第2実施形態における外気温、目標吹出温度および基準吸入側温度の関係を示す制御特性図である。 第2実施形態における外気温と基準吸入側温度との関係を示す制御特性図である。 第2実施形態における基準吸入側温度と基準ヘッド側出口温度との関係を示す制御特性図である。 第2実施形態における基準ヘッド側出口温度、ヘッド側出口温度および水ポンプの回転数の変化量の関係を示す制御特性図である。 第3実施形態の内燃機関冷却装置の全体構成図である。 第4実施形態の内燃機関冷却装置の全体構成図である。 第4実施形態のエンジン制御装置の制御処理を示すフローチャートである。 第4実施形態における基準ヘッド側出口温度、目標吹出温度および基準ブロック側出口温度の関係を示す制御特性図である。 第4実施形態における基準ヘッド側出口温度と基準ブロック側出口温度との関係を示す制御特性図である。 第4実施形態における基準ブロック側出口温度、ブロック側出口温度および第1流量調整弁の弁開度の関係を示す制御特性図である。 第4実施形態における第2ヒータコア側の開口面積、合流部側の開口面積および第1流量調整弁の弁開度の関係を示すグラフである。 第5実施形態の内燃機関冷却装置の全体構成図である。 第6実施形態の内燃機関冷却装置の全体構成図である。 第6実施形態のエンジン制御装置の制御処理を示すフローチャートである。 第6実施形態におけるヘッド側出口圧力、基準圧力差および第2電動水ポンプの回転数の変化量の関係を示す制御特性図である。 第7実施形態の内燃機関冷却装置の全体構成図である。 第8実施形態の内燃機関冷却装置の全体構成図である。
(第1実施形態)
図1により、本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本実施形態の内燃機関冷却装置1の全体構成図である。本実施形態では、この内燃機関冷却装置1を、内燃機関(エンジン)10および走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る、いわゆるハイブリッド車両に適用している。従って、本実施形態の内燃機関冷却装置1は、ハイブリッド車両のエンジン10を冷却する機能を果たす。
具体的には、内燃機関冷却装置1は、エンジン10内部に形成された冷却水流路11a、12aに冷却水を流通させることによってエンジン10を冷却する。さらに、この冷却水は、車両用空調装置において、車室内に送風される送風空気を加熱する熱源としても用いられている。従って、本実施形態の送風空気は加熱対象流体である。また、冷却水としては、例えば、エチレングリコール水溶液等を採用できる。
まず、エンジン10について説明する。本実施形態では、エンジン10として、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12を有して構成されるガソリンエンジンを採用している。さらに、エンジン10の吸気通路には、燃焼室内に吸気を過給させる図示しない過給機が配置されている。
シリンダブロック11は、ピストンが往復運動するシリンダボアを形成するとともに、車両搭載状態におけるシリンダボアの下方側に、クランクシャフトおよびピストンとクランクシャフトを連結するコンロッド等を収容するクランクケースが設けられた金属ブロック体である。シリンダヘッド12は、シリンダボアの上死点側の開口部を閉塞して、シリンダボアおよびピストンとともに燃焼室を形成する金属ブロック体である。
さらに、エンジン10では、シリンダブロック11およびシリンダヘッド12を一体に組み付けると、内部にシリンダブロック11を冷却するための冷却水を流通させるブロック側流路11a、およびシリンダヘッド12を冷却するための冷却水を流通させるヘッド側流路12aが形成される。
なお、図1では、内燃機関冷却装置1およびエンジン10の各冷却水流路11a、12a等を流れる冷却水の流れ方向を実線矢印で示すとともに、各冷却水流路11a、12aを流通する冷却水の流量を冷却水流路の太さで模式的に表している。すなわち、極太線で表されたヘッド側流路12aを流通する冷却水の流量は、太線で表されたブロック側流路11aを流通する冷却水の流量よりも多いことを表している。
また、ブロック側流路11aの入口側およびヘッド側流路12aの入口側は、エンジン10の内部に配置された分流部10dにて接続されており、この分流部10dはエンジン10の外部から冷却水を流入させる流入ポート10aに連通している。また、ブロック側流路11aの出口側およびヘッド側流路12aの出口側は、それぞれエンジン10から冷却水を流出させる第1、第2流出ポート10b、10cに連通している。
次に、本実施形態の内燃機関冷却装置1の詳細構成について説明する。まず、水ポンプ21は、内燃機関冷却装置1において、ブロック側流路11aおよびヘッド側流路12aへ冷却水を圧送する冷却水圧送手段である。従って、水ポンプ21の冷却水吐出口は、エンジン10の流入ポート10aに接続されている。
より具体的には、本実施形態の水ポンプ21は、ポンプ室を形成するケーシング内に配置された羽根車を電動モータで駆動する電動式の水ポンプで構成されている。なお、この電動モータは、後述する図示しないエンジン制御装置から出力される制御電圧によって回転数(冷却水圧送能力)が制御される。
また、ブロック側流路11aから流出した冷却水をエンジン10の外部へ流出させる第1流出ポート10bには、第1流量変更手段としての第1サーモスタット22が接続されている。第1サーモスタット22は、温度によって体積変化するサーモワックス(感温部材)によって弁体を変位させて冷却水通路を開閉する機械的機構で構成される冷却水温度応動弁である。
この第1サーモスタット22は、ブロック側流路11aから流出した冷却水の温度(以下、ブロック側出口温度Tbkという)が基準ブロック側出口温度KTbk(本実施形態では、90℃)以上になると開弁して、その下流側に冷却水を流す。換言すると、第1サーモスタット22は、ブロック側出口温度Tbkが基準ブロック側出口温度KTbkに近づくように、その下流側に冷却水を流す。
さらに、図1の破線で示すように、第1流出ポート10bには、第1サーモスタット22を迂回させて、第1流出ポート10bから流出した冷却水を第1サーモスタット22の下流側へ流すサーモスタットバイパス通路22aが設けられている。
このサーモスタットバイパス通路22aは、冷却水を微少流量だけ流して、ブロック側流路11a内にて冷却水の突沸が生じた際にブロック側流路11a内の冷却水の圧力を逃がす機能を果たす。なお、このようなサーモスタットバイパス通路22aは、第1サーモスタット22の内部に形成してもよい。
第1サーモスタット22の出口側には、ブロック側流路11aから流出した冷却水とヘッド側流路12aから流出した冷却水とを合流させる合流部23の一方の冷却水流入口が接続されている。
合流部23は、4つの冷却水流入出口を有する四方継手構造のもので、冷却水流入出口のうち2つを冷却水流入口とし、2つを冷却水流出口としたものである。従って、合流部23の他方の冷却水流入口には、ヘッド側流路12aから流出した冷却水をエンジン10の外部へ流出させる第2流出ポート10cが接続されている。
合流部23の一方の冷却水流出口には、第1ヒータコア31が接続されている。第1ヒータコア31は、内部を流通する冷却水と車室内へ送風される送風空気とを熱交換させて、送風空気を加熱する第1加熱用熱交換器である。より詳細には、第1ヒータコア31は、車両用空調装置において送風空気の空気通路を形成する室内空調ユニットのケーシング30内に配置されている。
この第1ヒータコア31は、合流部23の一方の冷却水流出口に接続されているので、第1ヒータコア31には、ヘッド側流路12aから流出した冷却水と第1流量変更手段22から流出した一部の冷却水とを合流させた冷却水が流入することになる。
また、第1サーモスタット22の出口側から合流部23へ至る冷却水通路には、冷却水の流れを分岐して第2ヒータコア32へ導く分岐通路が接続されている。この第2ヒータコア32の基本的構成は、第1ヒータコア31と同様である。また、第2ヒータコア32は、ケーシング30内に形成される空気通路のうち、第1ヒータコア31の送風空気流れ下流側に配置されている。
従って、第2ヒータコア32は、内部を流通する冷却水と第1ヒータコア31を通過した送風空気とを熱交換させて、送風空気をさらに加熱する第2加熱用熱交換器である。また、分岐通路は、第1サーモスタット22の出口側から合流部23へ至る冷却水通路に接続されているので、分岐通路および第2ヒータコア32には、主にブロック側流路11a(具体的には、第1サーモスタット22)から流出した冷却水が流入することになる。
第1、第2ヒータコア31、32の冷却水出口側は、水ポンプ21の吸入側に接続されている。従って、本実施形態の内燃機関冷却装置1では、第1サーモスタット22が開閉弁して、その下流側に流す冷却水の流量を変化させることによって、第1、第2ヒータコア31、32に流入する冷却水の流量、すなわち送風空気を加熱する熱源として用いられる冷却水の流量(以下、熱源用流量という)が変化することになる。
また、合流部23の他方の冷却水流出口には、ラジエータ24の冷却水入口側が接続されている。ラジエータ24は、ブロック側流路11aから流出した冷却水およびヘッド側流路12aから流出した冷却水と外気とを熱交換させて、冷却水の有する熱量を外気に放熱させる放熱用熱交換器である。ラジエータ24の冷却水出口側は、水ポンプ21の吸入側に接続されている。
さらに、内燃機関冷却装置1には、合流部23の他方の冷却水流出口から流出した冷却水を、ラジエータ24を迂回させて水ポンプ21の吸入側へ導くバイパス通路25が設けられている。このラジエータ24の冷却水出口側からバイパス通路25の接続部に至る冷却水通路には、バイパス通路25を流通する冷却水の流量(以下、バイパス流量という)を変化させる第2流量変更手段としての第2サーモスタット26が配置されている。
第2サーモスタット26の基本的構成は、第1サーモスタット22と同様である。より具体的には、この第2サーモスタット26は、水ポンプ21の吸入側の冷却水の温度(以下、吸入側温度Tsucという)が基準吸入側温度Tsuc(本実施形態では、65℃)以下になると閉弁して、合流部23の他方の冷却水流出口から流出した冷却水の全部をバイパス通路25へ流入させる。
つまり、第2サーモスタット26は、吸入側温度Tsucが基準吸入側温度KTsucに近づくように、バイパス流量を変化させる。これにより、本実施形態では、冷却水がラジエータ24にて過度に冷却されて、冷却水温度が送風空気を加熱するために必要な温度以下に冷却されてしまうことや、エンジン10自体の温度が低下して、エンジンオイルの粘度増加によるフリクションロスの発生や、排気ガスの温度低下による排気ガス浄化用触媒の作動不良を抑制している。
ここで、エンジン10の通常作動時には、エンジン10へ流入した冷却水はエンジン10の廃熱を吸熱して加熱されるため、基準ブロック側出口温度KTbkは基準吸入側温度KTsucよりも高い値に設定されていることが望ましい。本実施形態では、具体的に、基準ブロック側出口温度KTbkを90℃とし、基準吸入側温度KTsucを65℃としているが、基準ブロック側出口温度KTbkから基準吸入側温度KTsucを減算した温度差を20℃〜30℃程度に設定すればよい。
次に、本実施形態の車両用空調装置について説明する。本実施形態の車両用空調装置は、上述したケーシング30内に配置された冷却用熱交換器(本実施形態では、周知の蒸気圧縮式冷凍サイクルの蒸発器33)にて冷却された冷風と、第1、第2ヒータコア31、32にて加熱された温風との混合割合をエアミックスドア34にて調整して車室内送風空気の温度を調整する、いわゆるエアミックス方式のものである。
エアミックスドア34は、エアミックスドア用の電動アクチュエータによって駆動され、この電動アクチュエータは、図示しない空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される。また、ケーシング30内の空気通路最上流側には、車室内に向けて送風空気を送風する送風機35が配置されている。この送風機35も、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
次に、エンジン制御装置および空調制御装置について説明する。エンジン制御装置および空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。そして、このROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、それぞれ出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
具体的には、エンジン制御装置の出力側には、エンジン10を始動させるスタータ、エンジン10に燃料を供給する燃料噴射弁(インジェクタ)の駆動回路、水ポンプ21の電動モータ等が接続されている。
一方、エンジン制御装置の入力側には、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ、車速Vvを検出する車速センサ、ヘッド側流路12aから流出した冷却水の温度(以下、ヘッド側出口温度Thdという)を検出するヘッド側出口温度検出手段としてのヘッド側サーミスタ41等のエンジン制御用のセンサ群が接続されている。
なお、エンジン制御装置は、その出力側に接続された各種の制御機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、本実施形態では、特にエンジン制御装置のうち、水ポンプ21の冷却水圧送能力を制御するために電動モータの作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)を冷却水圧送能力制御手段とする。
また、空調制御装置の出力側には、前述のエアミックスドア用の電動アクチュエータ、送風機35、蒸気圧縮式冷凍サイクルを構成する各種構成機器等が接続されている。一方、空調制御装置の入力側には、車室内温度Trを検出する内気センサ、外気温Tamを検出する外気温センサ、車室内の日射量Tsを検出する日射センサ、蒸発器33からの吹出空気温度(冷媒蒸発温度)Teを検出する蒸発器温度センサ等の空調制御用のセンサ群が接続されている。
さらに、空調制御装置の入力側には、車室内に配置された操作パネルが接続されている。この操作パネルには、車両用空調装置の作動スイッチ、車室内の温度設定スイッチ、乗員(ユーザー)が車室内の暖房を行うか否かを選択する暖房スイッチ、すなわち送風空気を加熱するか否かを選択する加熱選択手段等が設けられている。
なお、本実施形態のエンジン制御装置および空調制御装置は、互いに電気的に接続されて、通信可能に構成されている。これにより、一方の制御装置に入力された検出信号あるいは操作信号に基づいて、他方の制御装置が出力側に接続された各種機器の作動を制御することもできる。従って、エンジン制御装置および空調制御装置を1つの制御装置として一体的に構成してもよい。
次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。まず、エンジン10の作動について説明する。車両スタートスイッチが投入されて車両が起動すると、エンジン制御装置が、所定の制御周期毎に入力側に接続された各種エンジン制御用のセンサ群の検出信号を読み込み、読み込まれた検出値に基づいて車両の走行負荷を検出する。さらに、検出された走行負荷に応じてエンジン10を作動あるいは停止させる。
これにより、ハイブリッド車両では、エンジン10および走行用電動モータの双方から駆動力を得て走行する走行状態や、エンジンを停止させて走行用電動モータのみから駆動力を得て走行する、いわゆるEV走行と呼ばれる走行状態等が切り替えられる。その結果、ハイブリッド車両では、車両走行用の駆動源としてエンジン10のみを有する通常の車両に対して燃費を向上させることができる。
次に、内燃機関冷却装置1の作動について説明する。車両スタートスイッチが投入されて車両が起動すると、エンジン制御装置の冷却水圧送能力制御手段が、所定の制御周期毎に、ヘッド側サーミスタ41の検出値を読み込む。そして、この検出値が、エンジン制御装置に予め記憶されている基準ヘッド側出口温度KThd(本実施形態では、70℃)に近づくように、水ポンプ21の電動モータへ制御電圧を出力する。
具体的には、冷却水圧送能力制御手段は、ヘッド側サーミスタ41の検出値が基準ヘッド側出口温度KThd以上となった際に、水ポンプ21の冷却水圧送能力(吐出流量)を増加させ、ヘッド側サーミスタ41の検出値が基準ヘッド側出口温度KThdから所定量α分低い温度以下となった際に、水ポンプ21の冷却水圧送能力(吐出流量)を低下させる。なお、所定量αは、制御ハンチングを防止するためのヒステリシス幅として設定された値である。
従って、本実施形態の内燃機関冷却装置1では、エンジン10のシリンダヘッド12側が約70℃程度となるように、ヘッド側流路12aを流通する冷却水の流量が調整され、シリンダブロック11側については、第1サーモスタット22が開閉弁を行うことによって、約90℃程度(基準ブロック側出口温度KTbk相当)となるように、ブロック側流路11aを流通する冷却水の流量が調整される。
その結果、主にブロック側流路11aから流出した冷却水が流入する第2ヒータコア32内を流通する冷却水の温度は、ブロック側流路11aから流出した冷却水とヘッド側流路12aから流出した冷却水とを合流させた冷却水が流入する第1ヒータコア31内を流通する冷却水の温度よりも高くなる。
また、合流部23の他方の冷却水流出口から流出した冷却水は、第2サーモスタット26が開閉弁を行うことによって、吸入側温度Tsucが65℃(基準吸入側温度KTsuc)に近づくように、ラジエータ24あるいはバイパス通路25を流れる冷却水流量が調整される。
次に、車両用空調装置の作動について説明する。車両スタートスイッチが投入された状態で、空調装置の作動スイッチが投入(ON)されると、空調制御装置が上述の空調制御用のセンサ群の検出信号および操作パネルの操作信号を読み込む。そして、検出信号および操作信号の値に基づいて車室内へ吹き出す空気の目標温度である目標吹出温度TAOを算出する。
具体的には、この目標吹出温度TAOは、以下数式1によって算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C…(F1)
ここで、Tsetは温度設定スイッチによって設定された車室内設定温度、Trは内気センサによって検出された車室内温度(内気温)、Tamは外気センサによって検出された外気温、Tsは日射センサによって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。
さらに、空調制御装置は、算出された目標吹出温度TAOおよびセンサ群の検出信号に基づいて、空調制御装置の出力側に接続された各種空調制御機器の作動状態を決定する。
例えば、送風機35の目標送風量、すなわち送風機35の電動モータに出力する制御電圧については、目標吹出温度TAOに基づいて予め空調制御装置に記憶された制御マップを参照して、目標吹出温度TAOが高温時および低温時に中間温度時よりも高くなるように決定される。
また、エアミックスドア34のサーボモータへ出力される制御信号については、目標吹出温度TAO、蒸発器33からの吹出空気温度Teの検出値およびヘッド側サーミスタ41の検出値を用いて、車室内へ吹き出される空気の温度が車室内温度設定スイッチによって設定された乗員の所望の温度となるように決定される。
なお、乗員が暖房スイッチによって車室内の暖房を行うことを選択している場合には、送風機35から送風された送風空気の全風量が第1、第2ヒータコア31、32を通過するようにエアミックスドア34の開度を制御してもよい。さらに、冷凍サイクルの圧縮機の作動を停止させてもよい。
そして、上記の如く決定された制御電圧および制御信号を各種空調制御機器へ出力する。その後、操作パネルによって車両用空調装置の作動停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種空調制御機器の作動状態決定→制御電圧および制御信号の出力といった制御ルーチンを繰り返す。
従って、車両用空調装置では、送風機35から送風空気が蒸発器33を通過する際に冷却され、さらに、第1ヒータコア31→第2ヒータコア32の順に通過する際に加熱されて車室内に吹き出される。
この際、前述の如く、第1ヒータコア31内を流通する冷却水の温度が第2ヒータコア32内を流通する冷却水の温度よりも低くなっているので、第1ヒータコア31と送風空気の温度差および第2ヒータコア32と送風空気との温度差を確保して、送風空気を効率的に加熱できるようになっている。
さらに、本実施形態の内燃機関冷却装置1は、上記の如く作動するので、以下のような優れた効果を得ることができる。
まず、冷却水の温度のうち、ヘッド側出口温度Thdについては水ポンプ21の冷却水圧送能力によって調整され、ブロック側出口温度Tbkについては第1サーモスタット22が開閉弁を行うことによって調整されるので、ヘッド側出口温度Thdおよびブロック側出口温度Tbkをそれぞれ独立した温度に制御することができる。
この際、基準ブロック側出口温度KTbkを基準ヘッド側出口温度KThdよりも高い値に設定しているので、冷却水の温度のうち、ブロック側出口温度Tbkをヘッド側出口温度Thdよりも高い温度とすることができる。つまり、ヘッド側流路12aから流出する冷却水よりも高い温度となるブロック側流路11aから流出する冷却水の一部を、送風空気を加熱するための熱源として利用することができる。
従って、従来技術のようにヘッド側流路12aから流出した冷却水のみをヒータコアに流入させて送風空気の加熱用熱源として利用する場合に対して、ヘッド側流路12aを流通する冷却水の温度を低下させても送風空気の温度低下を抑制することができる。その結果、ヘッド側流路12aを流通する冷却水の温度を低下させても車両用空調装置の暖房性能に与える悪影響を少なくすることができる。
さらに、ヘッド側流路12aを流通する冷却水の温度を低下させることは、本実施形態のように過給機が適用されたエンジン10では、耐ノッキング性を向上できる点で極めて有効である。
また、本実施形態の内燃機関冷却装置1では、冷却水圧送手段として電動式の水ポンプ21を採用しているので、電気的な制御によってヘッド側流路12aを流れる冷却水の流量を調整することができる。従って、冷却水の温度のうちヘッド側出口温度Thdを精度良く基準ヘッド側出口温度KThdに近づけることができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、図2の全体構成図に示すように、第1実施形態に対して、内燃機関冷却装置1によって、エンジン10の吸気および排気を冷却可能に構成するとともに、第2流量変更手段を電気的に制御可能な構成に変更した例を説明する。なお、図2では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。このことは、以下の図面でも同様である。
具体的には、本実施形態の内燃機関冷却装置1では、水ポンプ21から流出した冷却水を分流する分流部10dがエンジン10の外部に配置されている。そして、分流部10dからエンジン10の流入ポート10aへ至る冷却水通路に、エンジン10の排気と冷却水とを熱交換させる各種排気クーラ27、28が配置されている。
この排気クーラとしては、排気の一部を吸気側へ戻すエギゾースト・ガス・リサーキュレーション・システム(以下、単にEGRシステムという)において、吸気側に戻される排気と冷却水とを熱交換させて、排気を冷却するEGRクーラ27、エンジン10の各気筒から排出された直後の排気を集合させるエギゾーストマニホールドを流通する排気と冷却水とを熱交換させて、排気を冷却するエキマニクーラ28が配置されている。
また、合流部23の他方の冷却水流出口からバイパス通路25およびラジエータ24の入口側へ至る冷却水通路には、燃焼室に過給される吸気と冷却水とを熱交換させて吸気を冷却するインタークーラ(ターボクーラ)29が配置されている。
なお、これらのEGRクーラ27、エキマニクーラ28およびインタークーラ29については、必ずしも全てを配置する必要はなく、これらの熱交換器のうちいずれかを配置する構成としてもよい。また、分流部10dからヘッド側流路12aへ流入する冷却水は、第2流入ポート10a’を介してエンジン10内へ流入する。
さらに、本実施形態の内燃機関冷却装置1では、第2流量変更手段を電気的に制御可能な構成に変更している。具体的には、第2流量変更手段として、ラジエータ24の冷却水出口側からバイパス通路25の接続部に至る冷却水通路を開閉する第2開閉弁26aを採用している。この第2開閉弁26aは、エンジン制御装置から出力される制御電圧によってその作動が制御される電磁弁である。
また、本実施形態では、吸入側温度Tsucを検出する吸入側温度検出手段としての吸入側サーミスタ42を追加している。この吸入側サーミスタ42は、エンジン制御装置の入力側に接続されている。なお、本実施形態では、特にエンジン制御装置のうち、第2開閉弁26aの作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)を、第2流量制御手段とする。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態の作動について説明する。エンジン10および車両用空調装置の基本的作動は、第1実施形態と同様である。内燃機関冷却装置1の作動については、図3のフローチャートおよび図4〜7に示す制御特性図を用いて説明する。なお、図3に示すフローチャートは、車両スタートスイッチが投入されて車両が起動した際にエンジン制御装置が実行するメインルーチンに対して、サブルーチンとして実行されるものである。
まず、ステップS1では、エンジン制御用のセンサ群の検出信号、空調制御用のセンサ群の検出信号、操作パネルの操作信号、および空調制御装置にて算出された目標吹出温度TAO等を読み込む。なお、空調制御用のセンサ群の検出信号、操作パネルの操作信号、および目標吹出温度TAOは、空調制御装置から読み込まれる。
続くステップS2では、ステップS1で読み込んだ暖房スイッチの操作信号に基づいて、車室内の暖房を行うことが要求(選択)されているか否かを判定する。ステップS2にて、暖房を行うことが要求(選択)されていると判定された場合には、ステップS3へ進み、図4の制御特性図に示すように、基準吸入側温度KTsucが決定されて、ステップS5へ進む。
具体的には、ステップS3では、予めエンジン制御装置に記憶されている制御マップを参照して、外気温Tamの上昇に伴って低くなるように第1仮基準吸入側温度KTsuc1を決定し、目標吹出温度TAOの上昇に伴って高くなるように第2仮基準吸入側温度KTsuc2を決定し、さらに、KTsuc1とKTsuc2とのうち、高い方の値に決定される。なお、図3では、図4の制御特性図をf1(Tam,TAO)という関数で表している。
一方、ステップS2にて、暖房を行うことが要求(選択)されていないと判定された場合には、ステップS4へ進み、図5の制御特性図に示すように、基準吸入側温度KTsucが決定されて、ステップS5へ進む。
具体的には、ステップS4では、予めエンジン制御装置に記憶されている制御マップを参照して、外気温Tamの上昇に伴って低くなるように基準吸入側温度KTsucを決定する。なお、図3では、図5の制御特性図をf2(Tam)という関数で表している。また、ステップSで決定される基準吸入側温度KTsucは、ステップS3のKTsuc1に対して同じ外気温Tam時であっても高い温度に設定される。
次に、ステップS5では、図6の制御特性図に示すように、基準ヘッド側出口温度KThdを決定する。具体的には、ステップS5では、予めエンジン制御装置に記憶されている制御マップを参照して、ステップS3あるいはS4にて決定された基準吸入側温度KTsucの上昇に伴って基準ヘッド側出口温度KThdが高くなるように決定される。なお、図3では、図6の制御特性図をf3(KTsuc)という関数で表している。
次に、ステップS6では、図7の制御特性図に示すように、水ポンプ21の回転数(冷却水圧送能力)の変化量、すなわち水ポンプ21の電動モータへ出力される制御電圧の変化量が決定されて、メインルーチンへ戻る。
具体的には、ステップS6では、基準ヘッド側出口温度KThdからヘッド側出口温度Thdを減算した偏差ΔThd(KThd−Thd)の増加に伴って水ポンプ21の回転数の変化量ΔNwpが減少するように決定される。
より詳細には、偏差ΔThdが正の値であれば、偏差ΔThdの増加に伴って水ポンプ21の回転数を低下させ、偏差ΔThdが負の値であれば、偏差ΔThdの減少に伴って水ポンプ21の回転数を増加させる。なお、図3では、図7の制御特性をf4(KThd,Thd)という関数で表している。
メインルーチンでは、エンジン制御装置のうち第2流量制御手段が、所定の制御周期毎に、吸入側サーミスタ42の検出値を読み込む。そして、この検出値が上述のサブルーチンにて決定された基準吸入側温度KTsucに近づくように、第2開閉弁26aへ制御電圧を出力する。
より具体的には、第2流量制御手段は、吸入側サーミスタ42の検出値が基準吸入側温度KTsuc以上となった際に、第2開閉弁26aを開き、冷却水をラジエータ24へ導入させる。また、吸入側サーミスタ42の検出値が基準吸入側温度KTsucから所定量βだけ低い温度以下となった際に、第2開閉弁26aを閉じる。なお、所定量βは、制御ハンチング防止のためのヒステリシス幅として設定された値である。
また、冷却水圧送能力制御手段は、水ポンプ21の回転数(冷却水圧送能力)が上述のステップS6にて決定された変化量ΔNwp分だけ変化するように、水ポンプ21の電動モータに対して制御電圧を出力する。
本実施形態の内燃機関冷却装置1は、上記の如く作動するので、第1実施形態と同様に、冷却水の温度のうち、ヘッド側出口温度Thdおよびブロック側出口温度Tbkをそれぞれ独立して制御することができ、ブロック側出口温度Tbkをヘッド側出口温度Thdよりも高い温度とすることができる。従って、ヘッド側流路12aを流通する冷却水の温度を低下させても送風空気の温度低下を抑制することができ、車両用空調装置の暖房性能に与える悪影響を少なくすることができる。
さらに、本実施形態では、第2流量変更手段として第2開閉弁26aを採用しているので、電気的な制御によって吸入側温度Tsucを精度良く調整することができる。しかも、上述のステップS3、S4で説明したように、乗員によって暖房を行うことが要求されていない場合には、暖房を行うことが要求された場合よりも、基準吸入側温度KTsucを高い値に決定している。
従って、暖房を行うことが要求(選択)された際には、ブロック側出口温度Tbkを速やかに上昇させることができ、第1、第2ヒータコア31、32へ流入する冷却水の温度を速やかに上昇させて、速やかな車室内暖房を実現できる。
また、上述のステップS3、S5で説明したように、外気温Tamの低下に伴って、基準吸入側温度KTsucを高い値に決定している。従って、暖房の必要性が高い低外気温時に、ブロック側出口温度Tbkを上昇させやすくなり、より一層、速やかな車室内暖房を実現できる。
さらに、本実施形態では、EGRクーラ27、エキマニクーラ28およびインタークーラ29を設けているので、吸気側へ戻される排気、エギゾーストマニホールドを流通する排気および燃焼室に過給される吸気を冷却することもできる。この際、本実施形態の内燃機関冷却装置1では、上述の如く、ヘッド側出口温度Thdおよびブロック側出口温度Tbkをそれぞれ独立して制御できるので、これらの熱交換器を配置しても、車両用空調装置の暖房性能に悪影響を与えない。
(第3実施形態)
本実施形態は、第2実施形態に対して、図8の全体構成図に示すように、冷却水がバイパス通路25を流通する際の通路抵抗を増加させる固定絞り25aを追加したものである。これにより、第2実施形態と同様の効果を得ることができるだけでなく、第2開閉弁26aを閉じた際に、バイパス流量が急激に増えてしまうことが防止できる。
従って、吸入側温度Tsuc、ヘッド側出口温度Thdさらにブロック側出口温度Tbkの急激な変動を抑制できるので、第1、第2ヒータコア31、32へ流入する冷却水の温度についても急激な変動を抑制できる。その結果、車両用空調装置では、温度の急変が抑制された空調フィーリングの高い暖房を実現することができる。
なお、図9では、図示の明確化のため、エキマニクーラ28およびインタークーラ29を省略しているが、第2実施形態と同様に、EGRクーラ27、エキマニクーラ28およびインタークーラ29を全て設けてもよいし、第1実施形態と同様に設けなくてもよい。
(第4実施形態)
本実施形態では、図9の全体構成図に示すように、第3実施形態に対して、第1流量変更手段を電気的に制御可能な構成に変更した例を説明する。
具体的には、第1流量変更手段として、ブロック側流路11aから流出した冷却水のうち、第2ヒータコア32側へ流す流量と合流部23側へ流す流量とを連続的に可変させる三方式の第1流量調整弁22bを採用している。なお、この第1流量調整弁22bは、エンジン制御装置から出力される制御信号によってその作動が制御される。
さらに、本実施形態では、エンジン10の第1流出ポート10bから流出した冷却水のブロック側出口温度Tbkを検出するブロック側出口温度検出手段としてブロック側サーミスタ43を追加している。このブロック側サーミスタ43は、エンジン制御装置の入力側に接続されている。
なお、本実施形態では、特にエンジン制御装置のうち、第1流量調整弁22bの作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)を第1流量制御手段とする。その他の構成は、第2実施形態と同様である。
次に、本実施形態の作動について説明する。エンジン10および車両用空調装置の基本的作動は、第1実施形態と同様である。内燃機関冷却装置1の作動については、図10のフローチャートおよび図11〜14に示す制御特性図を用いて説明する。なお、図10に示すフローチャートは、第2実施形態と同様に、サブルーチンとして実行されるものである。
まず、ステップS1〜S4における個々の制御処理については、第2実施形態と同様である。本実施形態では、ステップS2にて、暖房を行うことが要求(選択)されていると判定された場合は、ステップS3へ進み、第2実施形態と同様に、図4の制御特性図に示すように、基準吸入側温度KTsucが決定され、さらに、ステップS31へ進む。
ステップS31では、第2実施形態のステップS5と同様に、図6の制御特性図に示すように、基準ヘッド側出口温度KThdを決定するとともに、図11の制御特性図に示すように、基準ブロック側出口温度KTbkを決定して、ステップS6へ進む。
具体的には、ステップS31では、予めエンジン制御装置に記憶されている制御マップを参照して、基準ヘッド側出口温度KThdの上昇に伴って高くなるように第1仮基準ブロック側出口温度KTbk1を決定し、目標吹出温度TAOの上昇に伴って低くなるように第2仮基準ブロック側出口温度KTbk2を決定し、さらに、KTbk1とKTbk2とのうち、低い方の値に決定される。
なお、図10では、図11の制御特性図をf5(KThd,TAO)という関数で表している。また、本実施形態では、エンジン10のオーバーヒートを防止するため、第2仮基準ブロック側出口温度KTbk2の最大値については、105℃としている。
一方、ステップS2にて、暖房を行うことが要求(選択)されていないと判定された場合は、ステップS4へ進み、第2実施形態と同様に、図5の制御特性図に示すように、基準吸入側温度KTsucが決定され、さらに、ステップS41へ進む。
ステップS41では、第2実施形態のステップS5と同様に、図6の制御特性図に示すように、基準ヘッド側出口温度KThdを決定するとともに、図12の制御特性図に示すように、基準ブロック側出口温度KTbkを決定して、ステップS6へ進む。
具体的には、ステップS41では、予めエンジン制御装置に記憶されている制御マップを参照して、基準ヘッド側出口温度KThdの上昇に伴って高くなるように基準ブロック側出口温度KTbkを決定する。なお、図10では、図12の制御特性図をf6(KThd)という関数で表している。
次に、ステップS6では、第2実施形態と同様に、図7の制御特性図に示すように、水ポンプ21の回転数(冷却水圧送能力)の変化量、すなわち水ポンプ21の電動モータへ出力される制御電圧の変化量が決定されて、ステップS7へ進む。
ステップS7では、図13の制御特性図に示すように、第1流量調整弁22bの弁開度が決定されて、メインルーチンへ戻る。具体的には、ステップS7では、基準ブロック側出口温度KTbkからブロック側出口温度Tbkを減算した偏差ΔTbk(KTbk−Tbk)の増加に伴って第1流量調整弁22bの弁開度Voが減少するように決定される。
より詳細には、偏差ΔTbkが正の値であれば、第1流量調整弁22bの弁開度Voを10%以下の僅かな弁開度とし、偏差ΔTbkが負の値であれば、偏差ΔTbkの減少に伴って第1流量調整弁22bの弁開度Voを増加させる。なお、図10では、図13の制御特性図をf7(KTbk,Tbk)という関数で表している。
また、第1流量調整弁22bの弁開度Voの変化に応じた、第2ヒータコア32側へ冷却水を流す通路の開口面積および合流部23側へ冷却水を流す通路の開口面積は、図14のグラフに示すように変化する。
具体的には、本実施形態の第1流量調整弁22bでは、0%≦Vo≦V%(Vは、予めエンジン制御装置に記憶されている所定値)の範囲では、弁開度Voの増加に伴って、第2ヒータコア32側へ冷却水を流す通路の開口面積のみが増加し、V%≦Vo範囲では、弁開度Voの増加に伴って、合流部23側へ冷却水を流す通路の開口面積のみが増加するようになっている。
従って、第1流量調整弁22bが弁開度Voを増加させると、まず、第2ヒータコア32側へ冷却水が流入した後、合流部23側へ冷却水が流入することになる。さらに、偏差ΔTbkが負の値である場合には、偏差ΔThdの減少に伴って第1流量調整弁22bの弁開度Voを増加させるので、第1流量調整弁22bは、ブロック側サーミスタ43の検出値が基準ブロック側出口温度KTbkに近づくように制御される。
メインルーチンでは、エンジン制御装置のうち第2流量制御手段が、第2実施形態と同様に、吸入側サーミスタ42の検出値が基準吸入側温度KTsucに近づくように、第2開閉弁26aへ制御電圧を出力する。
また、冷却水圧送能力制御手段は、水ポンプ21の回転数(冷却水圧送能力)が上述のステップS6にて決定された変化量ΔNwp分だけ変化するように、水ポンプ21の電動モータに対して制御電圧を出力する。さらに、第1流量制御手段が、上述のステップS7にて決定された弁開度Voとなるように、第1流量調整弁22bに対して制御信号を出力する。
本実施形態の内燃機関冷却装置1は、上記の如く作動するので、第2実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態では、第1流量変更手段として第1流量調整弁22bを採用しているので、電気的な制御によってブロック側出口温度Tbkを精度良く調整することができる。
(第5実施形態)
本実施形態では、第2実施形態に対して、図15の全体構成図に示すように、第2流量変更手段を第1実施形態と同様の機械的機構で構成される第2サーモスタット26に変更するとともに、分岐通路および第2ヒータコア32を廃止して内燃機関冷却装置1の構成を簡素化した例を説明する。
本実施形態では、第1サーモスタット22から流出した冷却水の全流量を合流部23の一方の冷却水流入口へ流入させている。従って、ヘッド側流路12aから流出した冷却水と第1サーモスタット22から流出した冷却水とを合流させた冷却水が、合流部23を介してヒータコア31へ流入し、ヒータコア31の出口側が、水ポンプ21の吸入側に接続されている。その他の構成は第2実施形態と同様である。
本実施形態の構成においても、ヘッド側出口温度Thdおよびブロック側出口温度Tbkをそれぞれ独立して制御することができ、ブロック側出口温度Tbkをヘッド側出口温度Thdよりも高い温度とすることができる。従って、簡素な構成で、ヘッド側流路12aを流通する冷却水の温度を低下させても送風空気の温度低下を抑制することができる。
(第6実施形態)
本実施形態では、第4実施形態に対して、図16の全体構成図に示すように、シリンダブロック11内のブロック側流路11aに第2電動水ポンプ21aを配置するとともに、この第2電動水ポンプ21aによって冷却水をシリンダブロック11内で循環させる循環流路11bを設けた例を説明する。
この第2電動水ポンプ21aの基本的構成は、水ポンプ21と同様である。なお、第2電動水ポンプ21aの冷却水圧送能力は、水ポンプ21の冷却水圧送能力よりも小さい。つまり、同じ制御電圧が供給された際に、第2電動水ポンプ21aから吐出される冷却水流量は、水ポンプ21から吐出される冷却水流量よりも少ない。
さらに、本実施形態では、ヘッド側流路12aから流出した冷却水圧力Phdを検出するヘッド側出口圧力検出手段としてのヘッド側出口圧力センサ44を、エンジン10の第2流出ポート10cから合流部23の他方の冷却水流入口へ至る通路に配置している。このヘッド側出口圧力検出手段は、エンジン制御装置の入力側に接続されている。その他の構成は、第4実施形態と同様である。
次に、本実施形態の作動について説明する。エンジン10および車両用空調装置の基本的作動は、第1実施形態と同様である。内燃機関冷却装置1の作動については、図17のフローチャートおよび図18に示す制御特性図を用いて説明する。なお、図17に示すフローチャートは、第4実施形態と同様に、サブルーチンとして実行されるものである。
まず、ステップS1〜S4、S31、S41、S6、S7における個々の制御処理については、第2実施形態と全く同様である。本実施形態では、さらに、ステップS7に続くステップS8にて、ステップS1で今回読み込まれた冷却水圧力Phdから前回読み込まれたPhdn−1を減算した圧力差ΔP(Phd−Phdn−1)が基準冷却水圧力KPより小さいか否かを判定する。
ステップS8にて、圧力差ΔP(Phd−Phdn−1)が基準冷却水圧力KPよりも小さくなっている場合は、ブロック側流路11a、循環流路11bあるいはヘッド側流路12aを流通する冷却水の圧力の変化量が少ないものとして、メインルーチンへ戻る。
一方、ステップS8にて、圧力差ΔP(Phd−Phdn−1)が基準冷却水圧力KPよりも小さくなっていない場合は、ブロック側流路11a、循環流路11bあるいはヘッド側流路12aを流通する冷却水に突沸等が生じ、その圧力が大きく変化したものとして、ステップS9へ進む。
ステップS9では、図18の制御特性図に示すように、第2電動水ポンプ21aの回転数(冷却水圧送能力)の変化量ΔNws、すなわち第2電動水ポンプ21aの電動モータへ出力される制御電圧の変化量が決定されて、メインルーチンへ戻る。具体的には、ステップS9では、圧力ΔP(Phd−Phdn−1)の増加に伴って第2電動水ポンプ21aの回転数の変化量ΔNwsが増加するように決定される。なお、図17では、図18の制御特性図をf8(ΔPhd)という関数で表している。
メインルーチンでは、第4実施形態と同様に、第2流量制御手段が第2開閉弁26aへ制御電圧を出力し、冷却水圧送能力制御手段が水ポンプ21の回転数を変化させ、第1流量制御手段がステップS7にて決定された弁開度Voとなるように、第1流量調整弁22bに対して制御信号を出力する。さらに、本実施形態の冷却水圧送能力制御手段は、上述のステップS9にて決定された変化量ΔNws分だけ変化するように、第2電動水ポンプ21aの電動モータに対して制御電圧を出力する。
本実施形態の内燃機関冷却装置1は、上記の如く作動するので、第4実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、第2電動水ポンプ21aが、ブロック側流路11aを流通する冷却水の一部を循環流路11bを介して循環させるので、ブロック側出口温度Tbkを速やかに昇温させることができ、速やかな車室内暖房を実現できる。
さらに、ヘッド側出口圧力センサ44を配置しているので、ブロック側流路11a、循環流路11bあるいはヘッド側流路12aを流通する冷却水に突沸等が生じた場合であっても、突沸による圧力変動を検出することができる。
そして、ヘッド側出口圧力センサ44によって圧力変動が検出した際に、冷却水圧送能力制御手段が第2電動水ポンプ21aの冷却水圧送能力を増加させるので、ブロック側流路11aを流通する冷却水の温度上昇を抑制できる。その結果、エンジン10の内部を流通する冷却水の不必要な温度上昇および圧力上昇を抑制して、エンジン10の保護を図ることもできる。
(第7実施形態)
本実施形態では、図19の全体構成図に示すように、第1実施形態に対して、内燃機関冷却装置1によって、エンジン10の吸気および排気に加えて、走行用電動モータ、車両走行用モータのインバータ等の電気機器(以下、これらをHV機器という)を冷却可能に構成した例を説明する。
具体的には、本実施形態の第2サーモスタット26は、合流部23の他方の冷却水流入口からラジエータ24の冷却水入口へ至る冷却水通路のうち、バイパス通路25の接続部に配置されている。
この第2サーモスタット26は、合流部23の他方の冷却水流入口から流出したラジエータへ流入する冷却水の温度が予め定めた基準温度(本実施形態では、第1実施形態と同様の65℃)以上になると、合流部23の他方の冷却水流入口から流出した冷却水をラジエータ24側へ流し、基準温度よりも低くなるとバイパス通路25側へ流す機能を果たす。
さらに、本実施形態のバイパス通路25には、第3実施形態と同様の固定絞り25aが配置されている。また、本実施形態のラジエータ24の冷却水通路の途中には、ラジエータ24の内部を流通する冷却過程の冷却水の一部をラジエータ24から流出させる分流口24aが設けられている。従って、ラジエータ24の冷却水出口から流出した冷却水の温度は、分流口24aから流出した冷却水の温度よりも低くなる。
この分流口24aは、分流通路24bを介して、バイパス通路25のうち固定絞り25aの冷却水流れ下流側に接続されている。分流通路24bには、ラジエータ24の分流口24a側からバイパス通路25側へ冷却水が流れることのみを許容する逆止弁24cが配置されている。従って、第2サーモスタット26がバイパス通路25側へ冷却水を流しても、バイパス通路25へ流入した冷却水がバイパス通路25側からラジエータ24側へ逆流することはない。
また、バイパス通路25のうち、分流通路24bとの接続部よりも冷却水流れ下流側には、冷却水にHV機器の廃熱を吸熱させるEV冷却器50が配置されている。具体的には、EV冷却器50は、例えば、走行用電動モータ、車両走行用モータのインバータ等の電気機器の内部に形成された冷却水流路等によって構成され、HV機器と一体的に構成されている。
さらに、本実施形態では、第2実施形態と同様に、EGRクーラ27、エキマニクーラ28およびインタークーラ29が配置されている。その他の構成は、第2実施形態と同様である。
従って、本実施形態の構成においても、ヘッド側出口温度Thdおよびブロック側出口温度Tbkをそれぞれ独立して制御することができ、ブロック側出口温度Tbkをヘッド側出口温度Thdよりも高い温度とすることができる。従って、ヘッド側流路12aを流通する冷却水の温度を低下させても送風空気の温度低下を抑制することができる。
さらに、本実施形態では、EGRクーラ27、エキマニクーラ28、インタークーラ29およびHV冷却器50を設けているので、第2実施形態と同様に、吸気側へ戻される排気、エギゾーストマニホールドを流通する排気および燃焼室に過給される吸気を冷却することができるとともに、HV機器を冷却することができる。
この際、本実施形態では、ラジエータ24にて冷却過程の冷却水の一部をHV機器の冷却に用いているので、ラジエータ24における分流口24aの位置に応じて、HV機器を冷却するための冷却水温度を調整できる。従って、本実施形態の内燃機関冷却装置1では、エンジン10の吸気および排気、並びに、HV機器を、その冷却に適した温度の冷却水にて冷却する、多系統型の冷却を実現することができる。
(第8実施形態)
本実施形態では、図20の全体構成図に示すように、第7実施形態に対して、第1、第2ヒータコア31、32の冷却水出口側の接続態様を変更するとともに、エキマニクーラ28、インタークーラ29の配置を変更したものである。
具体的には、本実施形態の第1、第2ヒータコア31、32の冷却水出口側は、ラジエータ24の入口側であって、第2サーモスタット26の冷却水流れ上流側に接続され、エキマニクーラ28およびインタークーラ29をバイパス通路25の出口側から水ポンプ21の吸入側との間に配置されている。本実施形態の構成であっても、第7実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態のように第1、第2ヒータコア31、32の冷却水出口側を、ラジエータ24の入口側に接続する構成は、第1〜第6実施形態にも適用可能である。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、冷却水圧送手段として、電動式の水ポンプ21を採用した例を説明しているが、もちろんエンジン10のクランクシャフト等から駆動力を得る機械式の水ポンプを採用することもできる。この際、クランクシャフトと水ポンプの回転軸とを電磁クラッチで連結すれば、冷却水圧送能力制御手段が電磁クラッチをON−OFF制御することで、水ポンプの冷却水圧送能力を変更することができる。
(2)上述の実施形態では、第1流量変更手段として、第1サーモスタット22あるいは三方式の第1流量調整弁22bを採用した例を説明したが、第2流量変更手段(第2開閉弁)と同様の構成の第1開閉弁、冷却水通路面積を連続的に変更可能な電気式の第1流量調整弁(第1リニア弁)を採用してもよい。
より具体的には、ブロック側流路11aから流出した冷却水を第1、第2ヒータコア31、32へ導く冷却水通路に第1開閉弁あるいは第1リニアを配置すればよい。そして、ブロック側出口温度検出手段を構成するブロック側サーミスタ43の検出値が基準ブロック側出口温度KTbkに近づくように、第1流量制御手段が第1開閉弁あるいは第1リニア弁の作動を制御すればよい。
この際、第1流量制御手段が、外気温Tamの低下に伴って、基準ブロック側出口温度KTbkを上昇させるように決定する機能を有していてもよい。これにより、外気温Tamの低下に伴って、冷却水のブロック側出口温度Tbk、すなわち送風空気を加熱する熱源として用いられる冷却水の温度を上昇させることができるので、送風空気の温度低下を効果的に抑制することができる。
さらに、第1流量制御手段が、乗員によって暖房を行うことが要求された場合には、暖房を行うことが要求されていない場合よりも、基準ブロック側出口温度KTbkに決定してもよい。これにより、加熱することが選択された際に、熱源用流量を増加させることができるので、ユーザーの要求に応じて速やかな暖房を実現できる。
(3)上述の第1〜第4、第6〜第8実施形態では、ヘッド側流路12aから流出した冷却水と第1流量変更手段22から流出した一部の冷却水とを合流させた冷却水を、第1ヒータコア31へ流入させ、第1流量変更手段22から流出した冷却水を、第2ヒータコア31へ流入させる例を説明したが、第1、第2ヒータコア31、32へ流入させる冷却水はこれに限定されない。
例えば、ヘッド側流路12aから流出した冷却水のみを第1ヒータコア31へ流入させ、ブロック側流路11aから流出した冷却水のみを、第1流量変更手段22を介して、第2ヒータコア32へ流入させるようにしてもよい。このように冷却水を流入させても、第1ヒータコア31内を流通する冷却水の温度が第2ヒータコア32内を流通する冷却水の温度よりも低くなるので、第1ヒータコア31と送風空気の温度差および第2ヒータコア32と送風空気との温度差を確保して、送風空気を効率的に加熱できる。
(4)上述の各実施形態にて説明した構成は、例えば、第8実施形態に記載したように、実施可能な範囲内で組み合わせることができる。
10 内燃機関
11 シリンダブロック
11a ブロック側流路
12 シリンダヘッド
12a ヘッド側流路
21 水ポンプ
22 第1サーモスタット
22b 第1流量調整弁
24 ラジエータ
26 第2サーモスタット
26a 第2開閉弁
31 第1ヒータコア
32 第2ヒータコア
41 ヘッド側サーミスタ
42 吸入側サーミスタ
43 ブロック側サーミスタ

Claims (9)

  1. 冷却水を流通させることによって内燃機関(10)を冷却するとともに、前記内燃機関(10)から流出した冷却水の少なくとも一部が加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる内燃機関冷却装置であって、
    前記内燃機関(10)の内部には、シリンダブロック(11)を冷却するための冷却水を流通させるブロック側流路(11a)、およびシリンダヘッド(12)を冷却するための冷却水を流通させるヘッド側流路(12a)が形成されており、
    さらに、前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)へ冷却水を圧送する冷却水圧送手段(21)と、
    前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のうち、少なくとも前記加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる冷却水の熱源用流量を変化させる第1流量変更手段(22、22b)と、
    前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水および前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水を外気に放熱させて、前記冷却水圧送手段(21)の吸入側へ流出させる放熱用熱交換器(24)と、
    前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水および前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水を、前記放熱用熱交換器(24)を迂回させて前記冷却水圧送手段(21)の吸入側へ導くバイパス通路(25)と、
    前記バイパス通路(25)を流通する冷却水のバイパス流量を変化させる第2流量変更手段(26、26)とを備え、
    前記第2流量変更手段(26、26)は、前記冷却水圧送手段(21)の吸入側の冷却水の吸入側温度(Tsuc)が基準吸入側温度(KTsuc)に近づくように前記バイパス流量を変化させ、
    前記冷却水圧送手段(21)の冷却水圧送能力は、前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水のヘッド側出口温度(Thd)が基準ヘッド側出口温度(KThd)に近づくように制御され、
    前記第1流量変更手段(22、22b)は、前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のブロック側出口温度(Tbk)が基準ブロック側出口温度(KTbk)に近づくように前記熱源用流量を変化させ、
    前記基準ブロック側出口温度(KTbk)は、前記基準ヘッド側出口温度(KThd)よりも高い値であり、
    さらに、前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水が流入して前記加熱対象流体を加熱する第1加熱用熱交換器(31)と、
    前記第1流量変更手段(22、22b)から流出した冷却水が流入して前記加熱対象流体を加熱する第2加熱用熱交換器(32)とを備え、
    前記第1、第2加熱用熱交換器(31、32)の出口側が、前記冷却水圧送手段(21)の吸入側および前記放熱用熱交換器(24)の入口側のうちいずれか一方に接続されていることを特徴とする内燃機関冷却装置。
  2. 冷却水を流通させることによって内燃機関(10)を冷却するとともに、前記内燃機関(10)から流出した冷却水の少なくとも一部が加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる内燃機関冷却装置であって、
    前記内燃機関(10)の内部には、シリンダブロック(11)を冷却するための冷却水を流通させるブロック側流路(11a)、およびシリンダヘッド(12)を冷却するための冷却水を流通させるヘッド側流路(12a)が形成されており、
    さらに、前記ブロック側流路(11a)および前記ヘッド側流路(12a)へ冷却水を圧送する冷却水圧送手段(21)と、
    前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のうち、少なくとも前記加熱対象流体を加熱する熱源として用いられる冷却水の熱源用流量を変化させる第1流量変更手段(22、22b)と、
    前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水および前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水を外気に放熱させて、前記冷却水圧送手段(21)の吸入側へ流出させる放熱用熱交換器(24)と、
    前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水および前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水を、前記放熱用熱交換器(24)を迂回させて前記冷却水圧送手段(21)の吸入側へ導くバイパス通路(25)と、
    前記バイパス通路(25)を流通する冷却水のバイパス流量を変化させる第2流量変更手段(26、26)とを備え、
    前記第2流量変更手段(26、26)は、前記冷却水圧送手段(21)の吸入側の冷却水の吸入側温度(Tsuc)が基準吸入側温度(KTsuc)に近づくように前記バイパス流量を変化させ、
    前記冷却水圧送手段(21)の冷却水圧送能力は、前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水のヘッド側出口温度(Thd)が基準ヘッド側出口温度(KThd)に近づくように制御され、
    前記第1流量変更手段(22、22b)は、前記ブロック側流路(11a)から流出した冷却水のブロック側出口温度(Tbk)が基準ブロック側出口温度(KTbk)に近づくように前記熱源用流量を変化させ、
    前記基準ブロック側出口温度(KTbk)は、前記基準ヘッド側出口温度(KThd)よりも高い値であり、
    さらに、前記ヘッド側流路(12a)から流出した冷却水と前記第1流量変更手段(22)から流出した一部の冷却水とを合流させた冷却水が流入して前記加熱対象流体を加熱する第1加熱用熱交換器(31)と、
    前記第1流量変更手段(22、22b)から流出した別の一部の冷却水が流入して前記加熱対象流体を加熱する第2加熱用熱交換器(32)とを備え、
    前記第1、第2加熱用熱交換器(31、32)の出口側が、前記冷却水圧送手段(21)の吸入側および前記放熱用熱交換器(24)の入口側のうちいずれか一方に接続されていることを特徴とする内燃機関冷却装置。
  3. 前記第1流量変更手段は、前記熱源として用いられる冷却水の通路を開閉する電気式の第1開閉弁を有して構成され、
    さらに、前記第1開閉弁の作動を制御する第1流量制御手段と、
    前記ブロック側出口温度(Tbk)を検出するブロック側出口温度検出手段(43)を備え、
    前記第1流量制御手段は、前記ブロック側出口温度検出手段(43)の検出値が前記基準ブロック側出口温度(KTbk)に近づくように、前記第1開閉弁の作動を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関冷却装置。
  4. 前記第1流量変更手段は、弁開度を変化させることによって前記熱源用流量を調整する電気式の第1流量調整弁(22b)を有して構成され、
    さらに、前記第1流量調整弁(22b)の作動を制御する第1流量制御手段と、
    前記ブロック側出口温度(Tbk)を検出するブロック側出口温度検出手段(43)を備え、
    前記第1流量制御手段は、前記ブロック側出口温度検出手段(43)の検出値が前記基準ブロック側出口温度(KTbk)に近づくように、前記第1流量調整弁(22b)の作動を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関冷却装置。
  5. 前記第1流量制御手段は、外気温(Tam)の低下に伴って、前記基準ブロック側出口温度(KTbk)を上昇させるように決定する機能を有することを特徴とする請求項またはに記載の内燃機関冷却装置。
  6. さらに、ユーザーが前記冷却水によって前記加熱対象流体を加熱するか否かを選択する加熱選択手段を備え、
    前記第1流量制御手段は、前記加熱選択手段によって前記加熱対象流体を加熱することが選択された際に、加熱しないことが選択された際よりも、前記基準ブロック側出口温度(KTbk)を低い値に決定する機能を有することを特徴とする請求項ないしのいずれか1つに記載の内燃機関冷却装置。
  7. 前記冷却水圧送手段は、電動式の水ポンプ(21)で構成されていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の内燃機関冷却装置。
  8. さらに、前記電動式の水ポンプ(21)の冷却水圧送能力を制御する冷却水圧送能力制御手段と、
    前記ヘッド側出口温度を検出するヘッド側出口温度検出手段(41)とを備え、
    前記冷却水圧送能力制御手段は、前記ヘッド側出口温度検出手段(41)の検出値が前記基準ヘッド側出口温度(KThd)に近づくように、前記電動式の水ポンプ(21)の作動を制御することを特徴とする請求項に記載の内燃機関冷却装置。
  9. 前記第2加熱用熱交換器(32)は、前記第1加熱用熱交換器(31)に対して前記加熱対象流体の流れ方向の下流側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の内燃機関冷却装置。
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