JP2010088173A - 電動車両におけるパーキングブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動輪周辺における部品点数の抑制と構造の単純化を可能とする電動車両のパーキングブレーキ装置を提供する。
【解決手段】バッテリと、電動車両の後輪WRに連結された駆動軸51、駆動軸51を駆動するロータ56及びステータ55を有し、バッテリから供給される電力に基づいて車両の駆動源となる動力発生モータ50と、動力発生モータ50を収容する仕切壁53を有するスイングアーム13と、を備えた電動車両におけるパーキングブレーキ装置において、ロータ56は、ステータ55に対して軸方向に移動可能であり、ロータ56に取り付けられたブレーキパッド60と、ブレーキパッド60を、スイングアーム13が有する仕切壁53側に付勢するブレーキスプリング58と、を備える構成とした。
【選択図】図3

Description

本発明は、電動車両におけるパーキングブレーキ装置に関する。
従来、モータの駆動力を駆動輪に伝達して走行する電動車両が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような電動車両も、通常の自動二輪車と同様、例えばブレーキハンドルの操作に従って制動するブレーキ装置とは別に、停車中に駆動輪をロックするパーキングブレーキ装置を備えることが好ましい。
特開平4−257783号公報
ところで、パーキングブレーキ装置は、走行終了後にレバー操作が必要な上に、その構造も、駆動輪に設けられることが多く、駆動輪周辺の構造を複雑化する一因となる可能性がある。特に電動車両においては、駆動輪の周辺に動力発生モータ等の部品や配線等が集積されるため、部品点数の抑制と構造の単純化が望まれる。
そこで、本発明は、上記の課題を解消し、駆動輪周辺における部品点数の抑制と構造の単純化を可能とする電動車両のパーキングブレーキ装置を提供することを目的としている。
上述課題を解決するため、本発明は、バッテリと、バッテリと、電動車両の駆動輪に連結された駆動軸、この駆動軸を駆動するロータ及びステータを有し、前記バッテリから供給される電力に基づいて車両の駆動源となる動力発生モータと、前記動力発生モータを収容するケースを有するパワーユニットと、を備えた電動車両におけるパーキングブレーキ装置において、前記ロータは、前記ステータに対して軸方向に移動可能であり、前記ロータに取り付けられたブレーキパッドと、前記ブレーキパッドを、前記パワーユニットが有する前記ケース側に付勢するブレーキスプリングと、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、動力発生モータの駆動軸を駆動するロータがステータに対して軸方向に移動可能であり、このロータに取り付けられたブレーキパッドが、ブレーキスプリングによりケース側に付勢されるので、このブレーキパッドがロータとともに軸方向に移動し、ケース側に押しつけられて摩擦を生じることによって、動力発生モータの駆動軸が回転しないように制止される。これにより、駆動軸に連結された駆動輪の回転が制止され、パーキングブレーキ装置の制動力が発揮される。つまり、駆動輪を駆動する駆動源としての動力発生モータを、電動車両のパーキングブレーキ装置として利用することができ、パーキングブレーキ装置を別途設ける必要がなくなるので、部品点数を減少させ、構造を単純化することができ、電動車両の小型化を図ることができる。
また、本発明は、上記構成において、前記動力発生モータはリラクタンスモータで構成されたこと、を特徴とする。
この場合、動力発生モータに電力が供給されている状態ではロータとステータとの間に作用する磁力によってロータがステータ側に吸引されるので、この吸引力によってブレーキスプリングの付勢力に抗してロータを移動させることで、パーキングブレーキ装置の作動を解除することができる。すなわち、動力発生モータの停止時には、ブレーキスプリングの付勢力によってブレーキパッドがケース側に付勢され、ケースとブレーキパッドとの摩擦によって制動力が発揮される一方、動力発生モータに電力が供給されると、ロータがステータに吸引されることで、ロータに取り付けられたブレーキパッドが非摩擦位置に移動して、制動力が解除される。このように、動力発生モータへの通電状態の切り替えに応じて、パーキングブレーキ装置の制動状態と、非制動状態とが自動的に切り替えられるので、制動状態を切り替えるための操作を必要としない電動車両のパーキングブレーキ装置を実現できる。
また、本発明は、上記構成において、前記動力発生モータは、前記ブレーキパッドを前記ケース側から離隔させる駆動機構を備えること、を特徴とする。
この場合、駆動機構によって、ブレーキスプリングの付勢力によってケース側に付勢されていたブレーキパッドが、ブレーキスプリングの付勢力に抗して移動して、パーキングブレーキ装置の制動状態が解除されるので、操作性の高いパーキングブレーキ装置を実現できる。
また、上記構成において、前記ロータとして、インナロータを備えた構成を有するものであってもよい。
この場合、インナロータを用いることで、動力発生モータの小型化を図ることが可能である。
さらに、上記構成において、前記ロータとしてアウタロータを備えた構成を有し、前記ブレーキパッドは前記アウタロータの外周に設けられたものであってもよい。
この場合、大きな駆動力を得やすいアウタロータ型の動力発生モータを備えた電動車両において、動力発生モータをパーキングブレーキ装置として利用することにより、部品点数を減少、構造の単純化および小型化を図ることができる。
また、上記構成において、前記駆動機構は、前記ロータに係合するプッシュロッドと、前記ブレーキスプリングの付勢力に抗して前記プッシュロッドを移動させるソレノイドと、を備えて構成されるものであってもよい。
この場合、ソレノイドの動作によりプッシュロッドを介してロータが押圧されて移動し、ブレーキパッドをケース側から離隔させて非摩擦位置に移動させ、パーキングブレーキ装置の制動状態を解除できる。このため、例えばスイッチ操作により、ソレノイドへの通電のオン/オフを切り替えることで、パーキングブレーキ装置の作動および解除を切り替えられる。
さらに、前記駆動機構は、前記電動車両の走行時には前記ロータを前記ケース側から離隔させるように作動するものであってもよい。
この場合、電動車両の走行時に駆動機構によってロータがケース側から離隔し、パーキングブレーキ装置が解除されるので、パーキングブレーキ装置を解除させる操作がなくても、確実にパーキングブレーキ装置を解除できる。
さらにまた、上記構成において、前記ブレーキスプリングは、前記駆動軸の軸方向に前記ロータを移動させて、前記ブレーキパッドを前記ケースに当接させた際に、前記駆動軸方向における前記ステータの中心と前記ロータの中心とを偏位させるものであってもよい。
この場合、ブレーキスプリングによって、ロータが移動してブレーキパッドがケースに当接して制動力を発揮する際に、駆動軸方向におけるステータの中心とロータの中心とが偏位するので、パーキングブレーキ装置の制動状態が解除されることでステータの中心とロータの中心との偏位が解消する。これにより、パーキングブレーキ装置の制動状態が解除されると、ステータとロータとが正対して望ましい駆動力を得られるようになる。
本発明では、駆動輪を駆動する駆動源としての動力発生モータを、電動車両のパーキングブレーキ装置として利用することができ、パーキングブレーキ装置を別途設ける必要がなくなるので、電動車両の小型化を図ることができる。また、動力発生モータの停止時には、ブレーキスプリングの付勢力によってブレーキパッドがケース側に付勢され、ケースとブレーキパッドとの摩擦によって制動力が発揮される一方、動力発生モータに電力が供給されると、ロータがステータに吸引されることで、ロータに取り付けられたブレーキパッドが非摩擦位置に移動して、制動力が解除される。このように、動力発生モータへの通電状態の切り替えに応じて、パーキングブレーキ装置の制動状態と、非制動状態とが自動的に切り替えられるので、制動状態を切り替えるための操作を必要としない電動車両のパーキングブレーキ装置を実現できる。また、駆動機構によって、ブレーキスプリングの付勢力によってケース側に付勢されていたブレーキパッドが、ブレーキスプリングの付勢力に抗して移動して、パーキングブレーキ装置の制動状態が解除されるので、操作性の高いパーキングブレーキ装置を実現できる。また、インナロータを用いることで、動力発生モータの小型化を図ることが可能である。さらに、大きな駆動力を得やすいアウタロータ型の動力発生モータを備えた電動車両において、動力発生モータをパーキングブレーキ装置として利用することにより、部品点数を減少、構造の単純化および小型化を図ることができる。また、ソレノイドの動作によりプッシュロッドを介してロータが押圧されて移動し、ブレーキパッドをケース側から離隔させて非摩擦位置に移動させ、パーキングブレーキ装置の制動状態を解除できるので、例えばスイッチ操作により、ソレノイドへの通電のオン/オフを切り替えることで、パーキングブレーキ装置の作動および解除を切り替えられる。例えばスイッチ操作により、ソレノイドへの通電のオン/オフを切り替えることで、パーキングブレーキ装置の作動および解除を切り替えられる。さらに、電動車両の走行時に駆動機構によってロータがケース側から離隔し、パーキングブレーキ装置が解除されるので、パーキングブレーキ装置を解除させる操作がなくても、確実にパーキングブレーキ装置を解除できる。さらにまた、ブレーキスプリングによって、ロータが移動してブレーキパッドがケースに当接して制動力を発揮する際に、駆動軸方向におけるステータの中心とロータの中心とが偏位するので、パーキングブレーキ装置の制動状態が解除されることでステータの中心とロータの中心との偏位が解消する。これにより、パーキングブレーキ装置の制動状態が解除されると、ステータとロータとが正対して望ましい駆動力を得られるようになる。
以下、本発明の実施の形態に係る電動二輪車について図面を参照して説明する。なお、以下の説明で、上下、前後、左右の方向は、運転者から見た方向をいう。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるバッテリ駆動式の電動二輪車(Electric Vehicle)の側面図、図2は、その平面図である。なお、図2では、説明を容易にするために、図1に記載したシートレール8、フェンダカバー21、ステップフロア10を省略している。
電動二輪車1の車体フレームFは、図1に示すように、前輪WFを軸支するフロントフォーク2と、このフロントフォーク2に連結される操向ハンドル3を操向可能に支承するヘッドパイプ5を前端に備えている。また、車体フレームFは、センターフレーム6と、リアフレーム7と、シートレール8とを備えている。これらのフレーム6、7、8は、図2に示すように、車体幅方向において左右対称に一対にそれぞれ構成されている。
センターフレーム6は、上述したヘッドパイプ5に連設されて車体後方斜め下側に延びる傾斜部6aと、この傾斜部6aの下端で屈曲して略水平に車体後方へ延在する水平部6bとで構成されている。また、センターフレーム6は、図2に示すように、左右の水平部を車幅方向で連結するクロスメンバ6cによって連結されている。傾斜部6aの上部は、フロントフォーク2の上部とともにフェンダカバー21で覆われている。
また、リアフレーム7は、センターフレーム6の水平部6bの後端から車体後方斜め上側に向けて延びる第1傾斜部7aと、この第1傾斜部7aの後端で屈曲する屈曲部7bから、第1傾斜部7aよりも緩やかな傾斜で車体後方斜め上側に延びる第2傾斜部7cとで構成されている。また、第2傾斜部7cは、図2に示すように、車体幅方向に延びるクロスフレーム7dによって左右が連結されている。
さらに、シートレール8は、リアフレーム7の上側に取り付けられた略逆U字形状をなしており、リアフレーム7の屈曲部7bから車体前方斜め上側に延びる傾斜部8aと、この傾斜部8aの上端から後方へ水平に延びる水平部8bと、この水平部8bの後部からリアフレーム7の第2傾斜部7cに向けて後方斜め下側に延びる支持部8cとで構成されている。
センターフレーム6の水平部6bには、図1及び図2に示すように、詳細は後述するバッテリ9がバッテリボックス19に収容されている。このバッテリボックス19は、水平部6bの左右一対のフレームによって挟み込まれる態様で取り付けられており、バッテリボックス19の底面は、図1に示す側面視において、水平部6bよりも下側に位置する。また、センターフレーム6のクロスメンバ6cは、車体幅方向における中央部が下側に窪んだ形状をなしており、バッテリボックス19は、このクロスメンバ6cの上に載せられた状態で固定されている。
このバッテリボックス19が配置された部分は、いわゆる足載せ空間Sの下側の部分であり、バッテリボックス19の上側は、運転者が足を載せるためのステップフロア10で覆われている。
バッテリボックス19は、その内部にバッテリ9を収容する略直方体の箱形形状に形成されており、このバッテリボックス19の内部にバッテリ9が左右に並べて配置される。バッテリボックス19の前面には、ボックス内部に外気を取り込むための空気導入ダクト20が左右にそれぞれ設けられている。一方、バッテリボックス19の後面には、取り込んだ外気を排出する排出口20bが形成されている。
これにより、導入口20aから取り込んだ外気によってバッテリ9を空気冷却し、冷却後の空気を排出口20bから排出することができるようになっている。
リアフレーム7には、図1に示すように、センターフレーム6との連接部の近傍であって屈曲部7bの下側に、車体後方へ突出するピボットプレート11が左右のそれぞれに設けられている。この左右のピボットプレート11には、ピボット軸12が車幅方向に亘って貫通して設けられている。このピボット軸12には、スイングアーム13の前端部が取り付けられており、このピボット軸12を中心にスイングアーム13が上下に回動するようになっている。
スイングアーム13は、車体幅方向の左側に位置するリアサスペンション14によってリアフレーム7の第2傾斜部7cと連結されている。より詳細には、リアサスペンション14の上端部14aは、リアフレーム7の第2傾斜部7cに取り付けられ、リアサスペンション14の下端部14bは、スイングアーム13の後部に取り付けられている。これにより、スイングアーム13の後端部で支持する後輪WRの上下振動をこのリアサスペンション14で吸収している。
スイングアーム13の前側先端部には、ピボット軸12に回動可能に取り付けられる回動支持部13bが車体幅方向の左右に離間する態様で一対設けられている。このスイングアーム13は、ピボット軸12に取り付けられた状態で、ピボット軸12(回動支持部13b)から後輪WRを避けるように車体後方斜め左側に斜めに延びた後、後輪WRの左側に沿って車体後方まで延在している。このスイングアーム13の後部には、車幅方向に延びる後輪軸17が設けられており、この後輪軸17に後輪WRが回転自在に片持ち支持されている。
なお、図1及び図2において、符号41は車体前方を照らすヘッドライト、42はシートレール8の水平部8bに取り付けられた乗員シート、43はリアフレーム7の後端部に取り付けられたブレーキランプ、44はその下側に位置するリフレクタである。
図3は、図1のIII―III断面図であって、スイングアーム13を単体で示す平面図である。
スイングアーム13は、図3に示すように、車体前後方向に延在する仕切壁25aを有する本体部25と、この本体部25の左側面を覆う左側カバー26と、本体部25の右側面を覆う右側カバー27とを組み立てて構成されている。
スイングアーム13の内部には、車体左側(車体外側)に位置する機器取付空間23、及び車体右側(車体内側)に位置する空気送流空間24の2つの空間が形成されている。これらの空間23、24は、上述した仕切壁25aによって車体幅方向の左右に画成されており、車体前後方向に延びる態様で構成されている。
また、機器取付空間23の左側面は、上述した左側カバー26をボルト等で着脱可能に取り付けることによって塞がれており、空気送流空間24の右側面は、上述した右側カバー27を同様にボルト等で着脱可能に取り付けることによって塞がれている。
機器取付空間23には、後輪WRを駆動するための動力発生モータ50、及びこの動力発生モータ50を制御するためのPDU18(Power Drive Unit)が収容されている。これらの動力発生モータ50及びPDU18は、左側カバー26を取り外すことでメンテナンスができるようになっている。このように、各機器を収容する機器取付空間23を有するスイングアーム13は、パワーユニットに相当する。
動力発生モータ50は、図3に示すように、スイングアーム13の後部に配置されており、仕切壁25aに形成された動力発生モータ取付部33に取り付けられている。動力発生モータ50の駆動軸51は、後輪WRの後輪軸17と略平行に配置されており、仕切壁25aを貫通して機器取付空間23側から空気送流空間24側まで突出している。この駆動軸51上には、駆動ギヤ29が設けられており、後輪軸17上に設けられた減速ギヤ30と歯合している。この駆動ギヤ29は、減速ギヤ30と比して小径であり、1段減速する態様で動力発生モータ50の駆動力を後輪軸17に伝達している。
また、本体部25には、この駆動ギヤ29、減速ギヤ30等の動力伝達部分を覆うようにギヤカバー34が取り付けられている。このギヤカバー34は、上述した動力伝達部分が配置された駆動力伝達空間31と空気送流空間24とを画成するものであり、この駆動力伝達空間31内を密閉して、駆動力伝達空間31に潤滑オイルを循環供給できるようにしている。
また、ギヤカバー34には、ドラムブレーキユニット35を取り付けるためのピン部材36が設けられている。このドラムブレーキユニット35は、左側の操向ハンドル3に取り付けられたブレーキハンドル39を操作することによって動作する。詳細には、ブレーキハンドル39の操作によって、図示しないブレーキワイヤを介してブレーキレバー38が回動し、ブレーキレバー38に取り付けられたピン部材36が操作されることによって後輪WRのブレーキが作動するようになる。
PDU18は、図2及び図3に示すように、動力発生モータ50よりも前側に配置されており、仕切壁25aに形成されたPDU取付面32にボルト等で着脱可能に取り付けられている。このPDU18の内部には、図示しない駆動回路、コンデンサ、ヒートシンクなどが収容されている。
また、PDU18は、図示しない配線によってバッテリ9と接続されており、バッテリ9からPDU18へ電力が送られるようになっている。また、PDU18は、制御プログラム等が格納された図示しないECU(Electric Control Unit)とも配線によって接続され、ECUからPDU18へ制御信号が送られるようになっている。さらに、PDU18は、図示しない配線によって動力発生モータ50とも接続されており、PDU18から動力発生モータ50へ電力及び制御信号が送られるようになっている。なお、上述したECUは、車体側に取り付けられている。
PDU18のこれらの駆動回路等は、他の部品と比較して熱を多く発生する。そのため、このPDU18は、仕切壁25aのPDU取付面32にできるだけ大きな面積で密着するように取り付けられており、駆動回路等から生じる熱を仕切壁25aへ熱伝導させて、放熱させている。
一方、空気送流空間24には、仕切壁25aから複数のフィン40が突出しており、PDU18から仕切壁25aへと熱伝導した熱がさらにフィン40へと熱伝導するようになっている。
この空気送流空間24には、その前端部に前側開口部13aが形成されている。この前側開口部13aには、空気送流空間24内に空気を送り込むための冷却ファン22が取り付けられている。この冷却ファン22は、図1に示す側面視において、上述したバッテリボックス19とPDU18の間に配置されており、バッテリボックス19内部の空気を排出口20bから吸い込む機能も有している。すなわち、バッテリボックス19の排出口20bと、スイングアーム13の前側開口部13aは、車体幅方向及び高さ方向においてほぼ一致し、それぞれの開口が対向するように配置されており、排出口20bから排出される空気が冷却ファン22によって効率よく前側開口部13aの中に取り込まれるようになっている。
また、仕切壁25aの動力発生モータ50が取り付けられる部分には、空気送流空間24と機器取付空間23とが連通する空気穴が形成されている。これにより、前側開口部13aから取り込まれた空気は、空気送流空間24を通過した後に、上述した空気穴から動力発生モータ50内へと流れ、動力発生モータ50の内部を空気冷却した後に大気へと排出される。
なお、これらの動力発生モータ50、PDU18、及び冷却ファン22は、スイングアーム13の揺動に合わせて後輪WRと一緒に上下に揺動することになる。
また、スイングアーム13の下側には、メインスタンド45を支持するための取付部46が車体幅方向の左右に離間する態様で一対形成されている。これにより、メインスタンド45は、取付部46の取付穴46aに挿通される取り付けピン46b(図1参照)によってスイングアーム13に取り付けられ、スイングアーム13と一緒に揺動する。
この電動二輪車1が備える動力発生モータ50は、電動二輪車1が停車している状態で後輪WRを制止させるパーキングブレーキ装置として機能する。以下、動力発生モータ50の構成及び作用について詳細に説明する。
図4(A)及び図4(B)は、III−III断面の要部を拡大して示す図であり、図4(A)は図3と同様に動力発生モータ50の制動状態を示し、図4(B)は非制動状態を示す。
図3および図4の各図に示すように、動力発生モータ50は、機器取付空間23を仕切って動力発生モータ50を収容するケースを構成する仕切壁53と、ギヤカバー34とによって、ベアリング54a、54bを介して回転自在に支持される。
駆動軸51にはロータ56が取り付けられる一方、この駆動軸51及びロータ56を囲むようにステータ55が配置され、内側に位置するロータ56が駆動軸51とともに回転するインナロータ型のモータとして構成されている。
動力発生モータ50は、ステータ55とロータ56とがいずれも突極構造を有する、いわゆるリラクタンスモータである。ロータ56の極は鉄芯で構成され、ステータ55の各々の極には複数のコイルが設けられており、各コイルに通電してステータ55の極とロータ56の極との間にリラクタンストルクを発生させることにより、ロータ56を回転させる。
ロータ56は駆動軸51にスプライン嵌合され、駆動軸51周りの回転方向に対してはロータ56と駆動軸51とが固定されるが、ロータ56を駆動軸51の軸方向に自在にスライドして移動可能である。駆動軸51には、ロータ56よりもベアリング54b側に、スプリング受け部57がスプライン嵌合により取り付けられ、このスプリング受け部57とロータ56との間に、ブレーキスプリング58が配設されている。ブレーキスプリング58は板状のスプリング受け部57とロータ56の基端部との間に位置して、これらを離隔させるよう付勢する圧縮コイルばねであり、このブレーキスプリング58の付勢力により、ロータ56は、図中符号Aで示す方向、すなわち仕切壁53側に向けて付勢されている。
ロータ56は、仕切壁53に臨む端部が径方向に張り出した形状であって、この張り出し部分には、高摩擦材料からなる板状のブレーキパッド60が配されている。
図3及び図4(A)に示す制動状態では、PDU18(図1)から動力発生モータ50への給電がオフになっている。
この状態で、ロータ56にはブレーキスプリング58の付勢力のみが作用しているので、この付勢力によって、ロータ56は駆動軸51の軸方向に移動され、ブレーキパッド60が仕切壁53に当たる位置で静止する。図4(A)中の距離Gは、ロータ56がステータ55に正対する位置からのオフセット量を示す。
この状態では、ブレーキスプリング58の付勢力によってブレーキパッド60が仕切壁53に押し付けられており、この押圧力によって仕切壁53とブレーキパッド60との間の摩擦を生じるので、駆動軸51は回転しないよう制止される。
上述したように、駆動軸51と後輪軸17は、駆動ギヤ29および減速ギヤ30を介して、互いに空転しないようにリジッドに連結されている。このため、駆動軸51が制止された状態では、後輪軸17および後輪WRの回転も制止される。
このように、動力発生モータ50に電流が供給されていない状態では、ブレーキスプリング58の付勢力によって、ロータ56が備えるブレーキパッド60が仕切壁53に押し付けられるので、動力発生モータ50は、後輪軸17および後輪WRの回転を止めるパーキングブレーキ装置として機能する。従って、電動二輪車1には、動力発生モータ50の他に別途パーキングブレーキ装置を設ける必要がないので、後輪WR周辺の部品点数を大幅に削減し、構造の単純化を図ることが可能となり、さらに、電動二輪車1の小型化を図ることができる。
ここで、PDU18から動力発生モータ50への給電がオンになり、ステータ55に通電されると、ステータ55とロータ56との間の磁力によってロータ56がステータ55側に引き寄せられる。この吸引力により、ロータ56は、ブレーキスプリング58の付勢力に抗して、ステータ55とほぼ正対する位置まで移動する。このロータ56の移動により、図4(B)に示すように、ブレーキパッド60は仕切壁53から離れ、ロータ56は駆動軸51とともに回転可能な状態となる。図4(B)の状態では、ロータ56が移動したことでブレーキパッド60と仕切壁53との間に隙間G´が生じており、駆動軸51の回転に対する制動力は解消している。この隙間G´の大きさは、図4(A)のオフセット量Gに相当する。この状態ではステータ55に通電されているので、ロータ56が駆動軸51とともに回転し、この回転力が駆動ギヤ29および減速ギヤ30を介して後輪軸17に伝達され、後輪WRを駆動する。
また、ロータ56の径方向への張り出し部には、ロータ56の回転時に送風するためのフィン61が等間隔で複数配設されている。動力発生モータ50に電流が供給される間、ロータ56の回転に伴って、フィン61によってスイングアーム13内に気流が発生され、冷却ファン22によって取り込まれた空気が、動力発生モータ50の熱を奪いながら外部へ排気される。
このように、動力発生モータ50は、PDU18によってバッテリ9からの電流が供給されていない状態では、ブレーキスプリング58の付勢力によってブレーキパッド60を仕切壁53に押圧することで制動力を発揮し、後輪WRを制止させる。また、動力発生モータ50にバッテリ9から電流が供給されている状態では、ブレーキスプリング58の付勢力に抗してロータ56を図中符号Bで示す方向に移動させ、ブレーキパッド60と仕切壁53との接触を解くことにより、制動力を解除して、後輪WRを回転可能とする。
従って、電動二輪車1においては、動力発生モータ50への電流をオフにする操作を行うだけでパーキングブレーキ装置を制動状態にすることができ、動力発生モータ50への電流をオンにするだけでパーキングブレーキ装置の制動力が自動的に解除され、非制動状態になる。このため、意識して操作を行わなくても自動的にパーキングブレーキ装置を作動させることができる。
具体的な操作手順は、次の通りである。電動二輪車1は、図示しないスピードメータパネル等に設けられたスイッチがオンに切り替えられると、動作可能な状態となる。このオン状態で、操向ハンドル3(図1)に設けられたスロットルグリップが操作されると、電動二輪車1は、ECUの制御によってPDU18から動力発生モータ50へ電流を供給し、後輪WRを駆動して、発進および加速する。この発進時、動力発生モータ50への給電がオフからオンに切り替えられと、動力発生モータ50は、パーキングブレーキ装置としての制動状態から、制動力を解いた状態に移行する。
また、電動二輪車1の停車時には、ブレーキハンドル39の操作に応じてドラムブレーキユニット35が後輪WRの後輪軸17を制動するととともに、スロットルグリップの操作が解除されるのでPDU18から動力発生モータ50への給電がオフにされる。ここで給電がオフに切り替わることにより、動力発生モータ50は自動的に制動状態となって、後輪WRの回転を制動する。
また、PDU18が、図示しないECUの制御に従って、速度がほぼゼロになるまでの間は動力発生モータ50に抑制した電流を供給し、電動二輪車1がほぼ停止した時点で動力発生モータ50への給電を停止する構成とすれば、動力発生モータ50は、電動二輪車1の停止とほぼ同時に制動力を発揮する。このため、ブレーキパッド60は走行中の制動を行わず、停車している間の動作を制止するだけでよいので、ブレーキパッド60や仕切壁53の耐熱性や制動性能が低くても、十分に機能を発揮できる。
また、本第1の実施の形態のように、動力発生モータ50をリラクタンスモータとして構成した場合、ステータ55に通電することによって、ブレーキスプリング58の付勢力に抗してロータ56を移動させ、制動状態を解除できる。これにより、少ない部品点数で、制動および制動解除が可能なパーキングブレーキ装置を実現できる。
さらに、本第1の実施の形態のように、動力発生モータ50をインナロータ型のモータとして構成すれば、部品点数が少なくて済み、動力発生モータ50の小型化が容易である。このため、動力発生モータ50を収容するスイングアーム13の小型化、ひいては電動二輪車1の小型化を図ることが可能となる。
また、図4(A)に示す制動状態では、駆動軸51の軸方向におけるステータ55の中心とロータ56の中心とが、ブレーキスプリング58の付勢力によって、符号Gで示す量だけ偏位して降り、この制動状態が解除されると、図4(B)に示すように中心の偏位が解消して、ステータ55とロータ56とが正対して、望ましい駆動力を得られるようになる。
なお、上記第1の実施の形態では、ブレーキパッド60が仕切壁53に接触して摩擦を生じるものとして説明したが、このブレーキパッド60に接触する位置において、仕切壁53の表面に平板状の部材を配置し、或いは、仕切壁53の表面にコーティング等の加工を施してもよい。この場合、動力発生モータ50をパーキングブレーキ装置として長期間使用した場合に、仕切壁53自体の摩耗を防止することができる。また、上記の平板状の部材やコーティング等を用いれば、仕切壁53を構成する材料の摩擦係数や耐熱性、或いは仕切壁53の構造強度に関する要求が緩和されるので、仕切壁53の材料や形状に関する自由度が高まるという利点がある。
[第2の実施の形態]
図5は、本発明を適用した第2の実施の形態に係る電動二輪車1の断面図であり、図1のIII−III断面に相当する面を示す。図6は、駆動軸71の構成を詳細に示す分解斜視図である。図7は、第2の実施の形態に係る電動二輪車1が備える動力発生モータ70の構成を示す図であり、図5の要部を拡大した図に相当する。ここで、図5は動力発生モータ70の制動状態を示し、図7は制動が解除された状態を示す。
なお、本第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される各部については同符号を付して説明を省略する。
本第2の実施の形態に係る構成では、スイングアーム13内に動力発生モータ70が収容されている。動力発生モータ70は、ベアリング54a、54bにより回転自在に支持された駆動軸71と、駆動軸71に取り付けられたロータ76と、ロータ76の周囲に配置されたステータ55とを有し、第1の実施の形態で説明した動力発生モータ50と同様、インナロータ型のモータである。
動力発生モータ70は、ロータ76が永久磁石または電磁石により構成され、ステータ55の電磁石と組み合わされた通常のモータであり、整流子型モータであってもよいし、ブラシレスモータであってもよい。動力発生モータ70は、PDU18によってバッテリ9からの電力の供給を受けて駆動軸71を回転させ、後輪WRを駆動する。
駆動軸71上には、駆動軸51(図3)と同様に駆動ギヤ29が形成され、この駆動ギヤ29は、駆動力伝達空間31において、後輪軸17上に設けられた減速ギヤ30と歯合している。動力発生モータ70の駆動力は、駆動ギヤ29及びブレーキハンドル39を介して後輪軸17に伝達され、後輪WRを駆動する。
ロータ76は、駆動軸71にスプライン嵌合され、駆動軸71の軸方向に自在にスライド移動可能である。駆動軸71には、ベアリング54bの近傍においてスプリング受け部57が取り付けられ、このスプリング受け部57とロータ76との間にブレーキスプリング58が配設され、このブレーキスプリング58の付勢力によってロータ76は仕切壁53側へ付勢されている。
また、駆動軸71は、ロータ76を移動させるためのプッシュロッド72及びピン73を備えている。
図6に示すように、駆動軸71は、軸方向に中空管71a及び軸部71bが設けられた構成を有し、軸部71bには上記のようにロータ76が嵌合するスプラインが形成されている。また、軸部71bには、直径方向に貫通する長孔71cが穿設され、長孔71cにはピン73が貫通している。長孔71cは、軸部71bの軸方向に長く、ピン73は、この長孔71cの長さの範囲において軸方向に移動可能である。
軸部71bには、中空管71aの中空部に連通する空間が形成され、この空間は長孔71cに達している。中空管71aの中空部と軸部71b内の空間を貫くようにプッシュロッド72が挿入されている。
プッシュロッド72は、その先端が長孔71cに達し、ピン73に連結されている。このため、プッシュロッド72を駆動軸71の軸方向に沿って動かすことで、プッシュロッド72に連結されたピン73を同方向に移動させることができる。プッシュロッド72の基端部は駆動軸71の中空管71aから突出している。
図5及び図7に示すように、ピン73はロータ76に連結されており、プッシュロッド72を動かすことで、ピン73とともにロータ76が、駆動軸71の軸方向に移動する構成となっている。
そして、スイングアーム13の側面には貫通孔が形成され、この貫通孔を塞ぐようにソレノイド74が配設されている。駆動機構としてのソレノイド74は、内蔵する電磁石によって可動芯75を駆動軸71側に出し入れするよう構成され、可動芯75はスイングアーム13の側面の貫通孔を通って、プッシュロッド72の端部に繋がっている。これにより、ソレノイド74の動作によってロータ76を移動させることが可能な構成となっている。
ソレノイド74への通電がオフの状態では、ロータ76は、ブレーキスプリング58の付勢力によって、図中符号Aで示す方向に移動する。このため、図5に示すように、ロータ76に設けられたブレーキパッド60が仕切壁53に接して押圧され、摩擦力を生じるので、駆動軸71の回転が制止される。これにより、駆動軸71に連結された後輪軸17の回転が制止されるので、動力発生モータ70は、後輪WRを制動する制動状態となる。
この制動状態においては、駆動軸71の軸方向におけるステータ55の中心と、ロータ76の中心とが、図中符号G″で示す量だけ偏位している。
これに対し、ソレノイド74への通電がオンになると、可動芯75が駆動軸71側に押し出され、この可動芯75の動作によりプッシュロッド72とともにピン73及びロータ76が押圧され、ブレーキスプリング58の付勢力に抗して、図中符号Bで示す方向にロータ76が移動する。これにより、図7に示すように、ブレーキパッド60は仕切壁53から離れるので、駆動軸71は自在に回転可能になり、後輪WRに対する制動が解除される。
図7に示す状態では、ソレノイド74の動作によりロータ76がステータ55側に移動したため、駆動軸71の軸方向におけるステータ55の中心とロータ76の中心とが一致しており、図5中符号G″で示した偏位は解消している。
このように、動力発生モータ70は、ソレノイド74への通電のオン/オフを切り替えることによって、制動状態と、制動が解除された状態とを切り替えることが可能である。具体的には、例えば電動二輪車1が備えるスピードメータパネル等にスイッチを設け、このスイッチの操作に応じて、ECUの制御のもとに、PDU18がバッテリ9からの電力に基づいてソレノイド74への通電をオン/オフする構成とすればよい。
これにより、電動二輪車1は、ソレノイド74への通電をオン/オフさせる簡単な操作によって、停車中に後輪WRを制動するパーキングブレーキ装置の制動状態と、この制動を解除した状態とを切り替えることが可能である。ソレノイド74への通電をオン/オフさせる操作は、例えばスイッチの切り替えによって実現できるので、小さな力で簡単に操作できるという利点がある。
ここで、動力発生モータ70は、第1の実施の形態で説明した動力発生モータ50とは異なり、リラクタンスモータではないが、プッシュロッド72を押圧してロータ76を移動させるソレノイド74を設けたことにより、電動二輪車1のパーキングブレーキ装置として利用できる。従って、リラクタンスモータを用いることなく、上記第1の実施の形態と同様に、動力発生モータをパーキングブレーキ装置として利用する構成を実現できるので、様々なモータを搭載した電動車両に広く本発明を適用し、後輪WR周辺の部品点数を大幅に削減し、構造の単純化を図ることが可能となり、さらに、電動二輪車1の小型化を図ることができる。
[第3の実施の形態]
図8は、本発明を適用した第3の実施の形態に係る電動二輪車1の断面図であり、図1のIII−III断面に相当する面を示す。図9は、第3の実施の形態に係る電動二輪車1が備える動力発生モータ80の構成を示す図であり、図8の要部を拡大した図に相当する。ここで、図8は動力発生モータ80の制動状態を示し、図9は制動が解除された状態を示す。
なお、本第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される各部については同符号を付して説明を省略する。
本第3の実施の形態に係る構成では、スイングアーム13内に動力発生モータ80が収容されている。動力発生モータ80は、ベアリング54bにより回転自在に支持された駆動軸81と、駆動軸81の周囲を囲むように配置されたステータ84と、このステータ84の外側に被さるように配置されたカバー82とを備え、カバー82の内側にはステータ84に対向するロータコア83が配置され、カバー82は駆動軸81の一端に連結されている。動力発生モータ80は、ステータ84とロータコア83との相互作用によってロータとしてのカバー82とともに駆動軸81が回転する、いわゆるアウタロータ型のモータである。
また、動力発生モータ80は、ロータコア83とステータ84とがいずれも突極構造を有する、いわゆるリラクタンスモータである。ロータコア83の極は鉄芯で構成され、ステータ84の各々の極には複数のコイルが設けられており、各コイルに通電してステータ84の極とロータコア83の極との間にリラクタンストルクを発生させることにより、カバー82を回転させる。
駆動軸81上には、駆動軸51(図3)と同様に駆動ギヤ29が形成され、この駆動ギヤ29は、駆動力伝達空間31において、後輪軸17上に設けられた減速ギヤ30と歯合している。動力発生モータ80は、バッテリ9からの電力により駆動軸81を回転させ、この駆動力は、駆動ギヤ29及びブレーキハンドル39を介して後輪軸17に伝達され、後輪WRを駆動する。
ボウル型のカバー82の中央には、駆動軸81の先端にキャップ状に被さる連結部82aが設けられている。連結部82aの内側と駆動軸81の先端部の外周には軸方向のスプラインが形成されており、連結部82aと駆動軸81とはスプライン嵌合されている。このため、カバー82は、駆動軸81の軸方向にスライド移動可能である。
駆動軸81には、ベアリング54bの近傍においてスプリング受け部85が取り付けられ、このスプリング受け部85と連結部82aとの間にブレーキスプリング86が配設され、このブレーキスプリング86の付勢力によってカバー82は、図中符号Aで示すように、駆動軸81から離れる側へ付勢されている。
また、カバー82の外周面には、高摩擦材料からなるブレーキパッド89が設けられている。ブレーキパッド89は、カバー82の外周に巻き回されたリング状の部材であり、図中符号Aで示す側すなわち車体外側が薄く、後輪WR側が厚く、厚みが滑らかに変化する形態となっている。このため、ブレーキパッド89の断面は、図8に示すように片側に斜面を有する台形となっている。
そして、スイングアーム13の内部には円筒形のケース95が設けられ、動力発生モータ80はケース95内に収容される。ケース95の内面には、ブレーキパッド89に対向する固定パッド90が配置されている。固定パッド90は、ケース95の内周面に沿って配設されるリング状の部材であり、車体外側が厚く、後輪WR側が薄くなっている。このため、その断面形状は、ブレーキパッド89とは逆の斜面を有する台形となっている。
このように、動力発生モータ80は、周面が斜面で形成されたブレーキパッド89と、固定パッド90とを有しており、これらの斜面は互いに同じ角度をなし、面接触させることが可能である。
図8に示す制動状態では、PDU18(図1)から動力発生モータ80への給電がオフになっている。
この状態で、カバー82にはブレーキスプリング86の付勢力のみが作用しているので、この付勢力によって、カバー82は駆動軸81の軸方向に沿って符号Aで示す方向に移動される。ここで、互いに厚みが変化する形状に構成されたブレーキパッド89と固定パッド90とは、その斜面同士が接するように、当接する。この状態では、ブレーキスプリング86の付勢力によってブレーキパッド89が固定パッド90に押し付けられており、この押圧力によって固定パッド90とブレーキパッド89との間の摩擦を生じるので、駆動軸81は回転しないよう制止される。このため、駆動軸81に連結された後輪軸17の回転も制止され、動力発生モータ80は、後輪WRの回転を止める制動状態となる。
PDU18によってバッテリ9から動力発生モータ80への給電がオンにされ、ステータ84に通電されると、ステータ84とロータコア83との間の磁力によってカバー82がステータ84側に引き寄せられる。この吸引力により、カバー82は、ブレーキスプリング86の付勢力に抗して、ステータ84とほぼ正対する位置まで、符号Bの方向に移動する。このカバー82の移動により、図9に示すように、ブレーキパッド89は固定パッド90から離れ、カバー82は駆動軸81とともに回転可能な状態となる。そして、ステータ84に通電されていることから、カバー82が駆動軸81とともに回転し、この回転力が駆動ギヤ29および減速ギヤ30を介して後輪軸17に伝達され、後輪WRを駆動する。
このように、動力発生モータ80は、PDU18によってバッテリ9から電流が供給されていない状態では、ブレーキスプリング86の付勢力によってブレーキパッド89を固定パッド90に押しつけることで制動力を発揮し、動力発生モータ80にバッテリ9から電流が供給されると制動力を解除して、後輪WRを回転可能とする。
従って、電動二輪車1においては、第1の実施の形態と同様に、動力発生モータ80への電流をオフにする操作を行うだけでパーキングブレーキ装置を制動状態にすることができ、動力発生モータ80への電流をオンにするだけでパーキングブレーキ装置の制動力が自動的に解除される。このため、動力発生モータ80をパーキングブレーキ装置として利用することができ、また、意識して操作を行わなくても自動的にパーキングブレーキ装置を作動させることができる。また、動力発生モータ80をリラクタンスモータとして構成したことで、少ない部品点数で、制動および制動解除が可能なパーキングブレーキ装置を実現できる。
さらに、本第3の実施の形態のように、アウタロータ型の動力発生モータ80を用いた場合には、大きなトルクを得ることが可能である。換言すれば、アウタロータ型の動力発生モータ80においては、カバー82にブレーキパッド89を設け、このブレーキパッド89に対向する固定パッド90を設けることで、本発明のパーキングブレーキ装置を適用できる。
以上、本発明の実施の形態について述べたが、上記の各実施の形態はあくまで本発明を適用した一例であり、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、駆動軸51、71、81は、いずれも駆動ギヤ29及び減速ギヤ30を介して後輪WRの後輪軸17に連結された構成としたが、これらは後輪軸17に対して空転しないよう連結されていればよく、例えば、より多段のギヤを介して連結された構成としてもよいし、ベルトやチェーンを介して連結された構成としてもよい。
また、上記の各実施の形態では、電動車両としてスクータ型の電動二輪車1を例に挙げて説明したが、本発明は、スクータ型の二輪車に限らず、他の形態の二輪車および三輪車等にも適用可能である。
本発明の実施の形態に係る電動二輪車の側面図である。 図1の平面図である。 図1のIII−III断面図である。 図1のII−III断面の要部を拡大して示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る電動二輪車の断面図である。 第2の実施の形態における駆動軸の構成を詳細に示す分解斜視図である。 第2の実施の形態における動力発生モータの構成を示す図である。 本発明の第3の実施の形態に係る電動二輪車の断面図である。 第3の実施の形態における動力発生モータの構成を示す図である。
符号の説明
1 電動二輪車(電動車両)
9 バッテリ
13 スイングアーム(パワーユニット)
18 PDU
29 駆動ギヤ
30 減速ギヤ
50、70、80 動力発生モータ
61、71、81 駆動軸
53 仕切壁(ケース)
55、84 ステータ
56、76 ロータ
60 ブレーキパッド
72 プッシュロッド
73 ピン
74 ソレノイド(駆動機構)
75 可動芯
82 カバー(ロータ)
83 ロータコア
58、86 ブレーキスプリング
89 ブレーキパッド
90 固定パッド
95 ケース
WR 後輪(駆動輪)

Claims (8)

  1. バッテリと、電動車両の駆動輪に連結された駆動軸、この駆動軸を駆動するロータ及びステータを有し、前記バッテリから供給される電力に基づいて車両の駆動源となる動力発生モータと、前記動力発生モータを収容するケースを有するパワーユニットと、を備えた電動車両におけるパーキングブレーキ装置において、
    前記ロータは、前記ステータに対して軸方向に移動可能であり、
    前記ロータに取り付けられたブレーキパッドと、
    前記ブレーキパッドを、前記パワーユニットが有する前記ケース側に付勢するブレーキスプリングと、を備えること、
    を特徴とする電動車両におけるパーキングブレーキ装置。
  2. 前記動力発生モータはリラクタンスモータで構成されたこと、を特徴とする請求項1記載の電動車両におけるパーキングブレーキ装置。
  3. 前記動力発生モータは、前記ブレーキパッドを前記ケース側から離隔させる駆動機構を備えること、を特徴とする請求項1記載の電動車両におけるパーキングブレーキ装置。
  4. 前記ロータとして、インナロータを備えた構成を有すること、を特徴とする請求項1または2記載の電動車両におけるパーキングブレーキ装置。
  5. 前記ロータとしてアウタロータを備えた構成を有し、前記ブレーキパッドは前記アウタロータの外周に設けられたこと、を特徴とする請求項1または2記載の電動車両におけるパーキングブレーキ装置。
  6. 前記駆動機構は、前記ロータに係合するプッシュロッドと、前記ブレーキスプリングの付勢力に抗して前記プッシュロッドを押圧するソレノイドと、を備えて構成されること、を特徴とする請求項3記載の電動車両におけるパーキングブレーキ装置。
  7. 前記駆動機構は、前記電動車両の走行時には前記ロータを前記ケース側から離隔させるように作動すること、を特徴とする請求項3または6記載の電動車両におけるパーキングブレーキ装置。
  8. 前記ブレーキスプリングは、前記駆動軸の軸方向に前記ロータを移動させて、前記ブレーキパッドを前記ケースに当接させた際に、前記駆動軸方向における前記ステータの中心と前記ロータの中心とを偏位させること、を特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電動車両におけるパーキングブレーキ装置。
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