JP2008043404A - 電動車両用駆動装置及びこれを具えた電動車椅子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ40を収容し、電動車両のフレームに取り付けられるケーシングと、ケーシングから回転自在に突出させて配置したモータ40の回転軸43と、回転軸43に減速機構48を介して連繋されるハウジング50と、該ハウジング50の外周に配備された駆動輪と、モータ40の回転軸43の回転を制動する電磁ブレーキ60と、を具え、モータ40の回転軸43は、ケーシングが電動車両のフレームに取り付けられたとき、電動車両のフレームを貫通し、電磁ブレーキ60及びクラッチ機構は、回転軸43のうち電動車両のフレームを貫通して突出した部分に取り付けられる。
【選択図】図6
Description
従って、クラッチを断続すると、モータと駆動輪は動力的に遮断されてしまい、駆動輪には、モータによる制動力は作用しない。このため、例えば、下り坂等で電磁ブレーキを作動させている状態で、使用者が誤ってクラッチ機構を切断してしまうと、発電制動などの有効な制動力が駆動輪に作用せず、電動車両が加速しつつ下り坂を下ってしまう可能性がある。
また、モータと電磁ブレーキが接近して配置されているから、モータで生ずる熱が電磁ブレーキに伝わって、電磁ブレーキが高温となり、同じ電流を流したときに磁束の発生が少なくなってしまうことがあった。
モータを収容し、電動車両のフレームに取り付けられるケーシングと、
ケーシングから回転自在に突出させて配置したモータの回転軸と、
回転軸に減速機構を介して連繋されるハウジングと、
該ハウジングの外周に配備された駆動輪と、
モータの回転軸の回転を制動する電磁ブレーキと、
を具え、
モータの回転軸は、ケーシングが電動車両のフレームに取り付けられたとき、電動車両のフレームを貫通し、
電磁ブレーキ、又は、電磁ブレーキとクラッチ機構は、回転軸のうち電動車両のフレームを貫通して突出した部分に取り付けられる。
電磁ブレーキ、又は、電磁ブレーキとクラッチ機構をケーシングの外部に配備したことで、ケーシング内部に引き込まれる配線を少なくすることができる。また、ケーシング内部の部品構成を簡素化でき、耐久性の向上を図ることもできる。
さらに、モータから電磁ブレーキを離して配置したことで、モータで生ずる熱が電磁ブレーキに伝わらない。従って、電磁ブレーキが高温となって同じ電流を流したときに磁束の発生が少なくなってしまうことを回避でき、電磁ブレーキの性能を維持することができる。
加えて、回転軸と駆動輪の回転中心が同じであるから、反力の偏りを防止できる利点がある。
従って、下り坂等で電磁ブレーキにより停止している時に、クラッチ機構を切断しても、モータの発電制動力等の制動力により、一定以上に電動車両が加速してしまうことはなく、安全性を高めることができる。
図1は、本発明の駆動装置(20)を左右の駆動輪(80)(80)に夫々配置した電動車椅子(10)の斜視図である。電動車椅子(10)は、使用者の腰掛ける座部(11)と背凭れ(12)を具え、座部(11)から下向きに延びるフレーム(13)には、左右一対の駆動装置(20)(20)と駆動輪(80)(80)が取り付けられている。また、駆動輪(80)(80)の前方には、駆動輪(80)(80)よりも小径の補助輪(14)(14)が支持されている。
座部(11)の下部には、バッテリー(93)や電力制御部、その他制御部(90)(図12参照)等の制御ボックス(15)が配備されており、座部(11)の前方下部には足置きペダル(16)(16)、座部(11)の左右には肘置き(17)(17)が形成されている。さらに、使用者が操作する操作器(18)は、一方の肘置き(17)の側部に設けられており、背凭れ(12)の上部後方には介助者用のハンドル(19)(19)が延びている。
図に示すように、本発明の駆動装置(20)は、円筒状のハウジング(50)の先端周面に駆動輪(80)のホイール(81)がネジ固定されており、電動車両のフレーム(13)を介して反対側にクラッチ機構(70)を具えた電磁ブレーキ(60)が配備されている。
図に示すように、駆動装置(20)は、電動車椅子(10)のフレーム(13)の外側となる位置に、フレーム(13)にボルト(13a)(13a)で固定され、取り付けられるケーシング(30)と、該ケーシング(30)内に収容されたモータ(40)と、ケーシング(30)の先端側に配備された減速機構(48)と、ケーシング(30)を覆うハウジング(50)と、ハウジング(50)の先端外周面に取り付けられた駆動輪(80)とを具え、フレーム(13)の内側となる位置に、クラッチ機構(70)を具えた電磁ブレーキ(60)が配置されている。
なお、ケーシング(30)及びハウジング(50)は放熱特性を高めるために、熱伝導性の高い金属材料、例えば、アルミニウム合金により形成することが望ましい。
回転軸(43)は、内ケーシング(31)及び外ケーシング(37)の中央に貫通して配備されたベアリング(36a)(38a)を介して回転自在に支持されており、回転軸(43)の先端は、外ケーシング(37)から突出し、後述する減速機構(48)に噛合している。また、回転軸(43)の基端は、内ケーシング(31)から突出し、縮径した端部がフレーム(13)を貫通して、クラッチ機構(70)に侵入している。詳細については後述する。
遊星歯車(49a)(49a)は、出力増大及び減速効果を得るために、大きさの異なる2段歯車から構成されており、基端側の大歯車が太陽歯車(49)と噛合している。先端側の小歯車は、後述する外ハウジング(54)にネジ止めされたインターナルギヤ(55)に噛合している。
ステータ(46)への通電により、ロータ(42)が回転すると、減速機構(48)及びインターナルギヤ(55)を介してハウジング(50)に駆動力が伝達され、ハウジング(50)が回転する。
外ハウジング(54)は、上記のように、インターナルギヤ(55)がネジ止めされており、抑え板(39)の中央から突設された軸(39b)にベアリング(39a)を介して回転自由に支持されている。
タイヤ(85)としてソリッドタイヤを使用する場合には、図6乃至図8に示すように、リム(84)を2分割した構成として、予め分割されたリム間にソリッドタイヤを嵌めた状態で、外ハウジング(54)にホイール(81)をボルト(81a)(81a)止めする構成とすることが望ましい。
駆動輪(80)は、タイヤ(85)から駆動装置(20)が突出しない位置に形成することが望ましい。
回転軸(43)の先端は、減速機構(48)と噛合しており、回転軸(43)の回転は、減速機構(48)を介して駆動輪(80)に伝達される。
回転軸(43)は、フレーム側が、図4に示すように、電磁ブレーキ(60)の内部を貫通しており、基端側は、クラッチ機構(70)を介して電磁ブレーキ(60)のインナドライバ(62)と断続可能に接続される。
クラッチ機構(70)は、内側に回転軸(43)が余裕をもって貫通する丸孔(79c)が開設された挟持用プレート(79)を有し、該挟持用プレート(79)は、電磁ブレーキ(60)に複数のネジ(79a)(79a)によって、電磁ブレーキ(60)との間に所定の隙間を存した状態で取り付けられている。挟持用プレート(79)には、次に説明するクラッチ操作プレート(70a)のゴム塊等からなる弾性ブロック(79e)(79e)が係脱可能に嵌まる受け孔(79b)(79b)が複数開設されている。挟持用プレート(79)は、フレーム(13)にネジ止め(79d)されている。
また、クラッチ操作プレート(70a)には、複数の弾性ブロック(79e)(79e)が取り付けられており、該弾性ブロック(79e)(79e)は、挟持用プレート(79)の受け孔(79b)(79b)に嵌まっている状態では、後述する電磁ブレーキ(60)のアーマチュア(66)のスライドを許容するが、レバー(70d)の操作によってクラッチ操作プレート(70a)を回転させると、弾性ブロック(79e)(79a)が受け孔(79b)(79b)から離脱し、挟持用プレート(79)とアーマチュア(66)の間で弾性ブロック(79e)(79e)が抵抗となって、アーマチュア(66)のスライドを阻止することができる。
制御部(90)は、操作器(18)からの制御命令に基づいて、左右の駆動装置(20)の正転、逆転、停止を制御し、電磁ブレーキ(60)への通電状態を制御する。表示部(92)には、クラッチ機構(70)の状態をマイクロスイッチ(91)から受信して表示したり、電磁ブレーキ(60)への通電状態、バッテリー(93)の残量、走行距離、走行速度等を表示することができる。
電磁ブレーキ(60)が作用している状態で、クラッチ機構(70)を操作して、電磁ブレーキ(60)を切断することにより、電磁ブレーキ(60)の制動力は解かれるから、介助者が電動車椅子(10)を手押しする際にもクラッチ機構(70)を利用することができる。
一方、電磁ブレーキ(60)が利いた状態から、レバー(70d)を操作して、クラッチ機構(70)により、モータ(40)の回転軸(43)と電磁ブレーキ(60)を切断すると、駆動輪(80)には、電磁ブレーキ(60)の制動力は作用しないが、モータ(40)の発電制動力は作用する。従って、下り坂等でレバー(70d)の誤操作によって、電磁ブレーキ(60)が切断されても、一定速度以上に加速することはない。また、レバー(70d)によって電磁ブレーキ(60)を切断できるから、介助者が電動車椅子(10)を手押しする際に、電動車椅子(10)に電源を投入する必要もない。
また、本実施の形態では、駆動装置(20)を電動車両のフレーム(13)に直接固定しているが、図2等で示すフレーム(13)を独立した取付板等から構成し、電動車両のフレーム(13)にボルト止めすることも勿論可能である。
(20) 駆動装置
(40) モータ
(43) 回転軸
(60) 電磁ブレーキ
(70) クラッチ機構
Claims (5)
- モータ(40)を収容し、電動車両のフレームに取り付けられるケーシング(30)と、
ケーシング(30)から回転自在に突出させて配置したモータ(40)の回転軸(43)と、
回転軸(43)に減速機構(48)を介して連繋されるハウジング(50)と、
該ハウジング(50)の外周に配備された駆動輪(80)と、
モータ(40)の回転軸(43)の回転を制動する電磁ブレーキ(60)と、
を具え、
モータ(40)の回転軸(43)は、ケーシング(30)が電動車両のフレームに取り付けられたとき、電動車両のフレームを貫通し、
電磁ブレーキ(60)及びクラッチ機構(70)は、回転軸(43)のうち電動車両のフレームを貫通して突出した部分に取り付けられることを特徴とする電動車両用の駆動装置。 - 電動車両のフレームに片持ち支持されるケーシング(30)と、
該ケーシング(30)に収容され、回転軸(43)を有するモータ(40)と、
ケーシング(30)の外周に回転自由に嵌まりモータ(40)の回転軸(43)の先端に減速機構(48)を介して連繋されるハウジング(50)と、
該ハウジング(50)の外周に配備された駆動輪(80)と、
モータ(40)の回転軸(43)の回転を制動する電磁ブレーキ(60)と、
を具え、
モータ(40)の回転軸(43)の基端は、ケーシング(30)及び電動車両のフレームを貫通させて、電動車両のフレームから突出させており、
電磁ブレーキ(60)は、前記回転軸(43)の基端側に配備され、電磁ブレーキ(60)と回転軸(43)との間に、回転軸(43)と電磁ブレーキ(60)とを断続するクラッチ機構(70)を具えたことを特徴とする電動車両用の駆動装置。 - クラッチ機構(70)には、回転軸(43)と電磁ブレーキ(60)との動力の伝達、遮断を切り替えるレバー(70d)を具える請求項1又は請求項2に記載の電動車両用の駆動装置。
- モータ(40)を収容し、電動車両のフレームに取り付けられるケーシング(30)と、
ケーシング(30)から回転自在に突出させて配置したモータ(40)の回転軸(43)と、
回転軸(43)に減速機構(48)を介して連繋されるハウジング(50)と、
該ハウジング(50)の外周に配備された駆動輪(80)と、
モータ(40)の回転軸(43)の回転を制動する電磁ブレーキ(60)と、
を具え、
モータ(40)の回転軸(43)は、ケーシング(30)が電動車両のフレームに取り付けられたとき、電動車両のフレームを貫通し、
電磁ブレーキ(60)は、回転軸(43)のうち電動車両のフレームを貫通して突出した部分に取り付けられることを特徴とする電動車両用の駆動装置。 - 請求項1乃至請求項4の何れかに記載の電動車両用駆動装置(20)を左右に具える電動車椅子。
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