JP3706775B2 - 小型乗用車両 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動源の駆動力をディファレンシャルギヤを介して左右の駆動輪に伝達して走行するとともに、停止時にパーキングブレーキ装置によって駆動源およびディファレンシャルギヤ間の動力伝達系を拘束して駆動輪を制動する小型乗用車両に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の小型乗用車両においては、駆動動力源のモータと左右の駆動輪間の動力伝達経路に配置されたディファレンシャルギヤに対し、このディファレンシャルギヤよりもモータ側にモータ停止時に回転しないようロックしておくためのブレーキ手段を設けており、このブレーキ手段を作動させて左右の駆動輪を同時に制動するパーキングブレーキとしても利用することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のものは、車両の停止中にパーキングブレーキとして前記ブレーキ手段を作動させておいても、左右の駆動輪がディファレンシャルギヤを介して相互に接続されているため、比較的軽い重量の車体を駆動輪の片輪側だけ持ち上げた状態で前方に押していくことが可能になり、長時間駐車しておくような場合には盗難に遭わないように注意が必要である。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ディファレンシャルギヤよりも上流側の動力伝達経路に設けたブレーキ手段で、作動時にはいつもパーキングブレーキ機能を発揮させるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源の駆動力をディファレンシャルギヤを介して左右の駆動輪に伝達して走行するとともに、停止時にパーキングブレーキ装置によって駆動源およびディファレンシャルギヤ間の動力伝達系を拘束して駆動輪を制動する小型乗用車両において、走行を停止したときにディファレンシャルギヤに対する差動制限機能が発生し、走行を開始したときに前記差動制限機能が解除されるディファレンシャルロック装置を備え、前記ディファレンシャルロック装置は、左右一方の駆動輪に連なるアクスルシャフトとディファレンシャルケースとを一体化することにより差動制限を行うものであり、前記アクスルシャフトに相対回転不能かつ軸方向摺動可能に支持したロックギヤと、ロックギヤに設けられた第1ドグと、ディファレンシャルケース側に設けられて前記第1ドグに噛合可能な第2ドグと、前記第1ドグが前記第2ドグに噛合する方向にロックギヤを付勢するスプリングと、駆動源による前記アクスルシャフトの回転に伴ってロックギヤをスプリングの弾発力に抗して摺動させ、前記第1ドグおよび前記第2ドグの噛合を解除するカムとを備えたことを特徴とする小型乗用車両が提案される。
【0006】
上記構成によれば、小型乗用車両が走行を停止するとディファレンシャルロック装置の差動制限機能が発生するので、パーキングブレーキ装置で左右の駆動輪を制動状態に維持してパーキングブレーキ機能を確保することができる。従って、駆動輪の片輪側だけ持ち上げた状態で小型乗用車両を前方に押していくことができなくなる。また小型乗用車両が走行を開始するとディファレンシャルロック装置の差動制限機能が解除されるので、ディファレンシャルギヤが正常に機能を発揮してスムーズな旋回を可能にすることができる。しかも小型乗用車両が走行を停止すると、左右一方の駆動輪に連なるアクスルシャフトに相対回転不能かつ軸方向摺動可能に支持したロックギヤがスプリングの弾発力でディファレンシャルケース側にドグ結合されるため、アクスルシャフトがディファレンシャルケースに一体化されてディファレンシャルロック装置の差動制限機能が自動的に発生する。また小型乗用車両が走行を開始すると、駆動源によるアクスルシャフトの回転に伴ってカムがロックギヤをスプリングの弾発力に抗して摺動させるため、前記ドグ結合が解除されてディファレンシャルロック装置の差動制限機能が自動的に解除される。このように、ディファレンシャルロック装置の作動および作動解除が自動的に行われるので、特別の操作が不要になって操作性が向上する。
【0007】
また請求項に記載された発明によれば、請求項の構成に加えて、走行中にロックギヤをスプリングの弾発力に抗して吸引し、前記第1ドグおよび前記第2ドグを噛合解除状態に保持する電磁石を備えたことを特徴とする小型乗用車両が提案される。
【0008】
上記構成によれば、小型乗用車両の走行中に電磁石がロックギヤをスプリングの弾発力に抗して吸引するので、第1ドグおよび第2ドグを噛合解除状態に保持してディファレンシャルギヤを正常に機能させることができる。
【0009】
また請求項に記載された発明によれば、請求項の構成に加えて、駆動源の駆動力を制御するアクセル操作部材の全閉位置からの操作に基づいて前記電磁石を励磁することを特徴とする小型乗用車両が提案される。
【0010】
上記構成によれば、アクセル操作部材の全閉位置からの操作に基づいて電磁石が励磁されるので、小型乗用車両の走行開始時に第1ドグおよび第2ドグの噛合解除にタイミングを合わせてロックギヤを吸引することができる。
【0011】
尚、実施例のモータ18は本発明の駆動源に対応し、実施例のアクセルレバー24は本発明のアクセル操作部材に対応し、実施例の電磁ブレーキ36は本発明のパーキングブレーキ装置に対応し、実施例のドラムブレーキ46は本発明のパーキングブレーキ装置に対応し、実施例の後輪Wrは本発明の駆動輪に対応する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の一実施例を示すもので、図1は電動車椅子の全体側面図、図2は図1の2方向矢視図、図3は図1の3−3線拡大断面図、図4は図3の要部拡大図、図5は図4の5−5線拡大断面図、図6は図4の6−6線拡大断面図である。
【0013】
図1および図2に示すように、操舵輪である左右一対の前輪Wf,Wfと、駆動輪である左右一対の後輪Wr,Wrとを備えた電動車椅子Cは、車体中央部に設けたステップフロア11の前部および後部にバッテリ収納部12およびパワーユニット収納部13をそれぞれ備えており、バッテリ収納部12には走行用のバッテリ14,14が収納されるとともに前輪Wf,Wfを操舵するループ状の操向ハンドル15が支持され、またパワーユニット収納部13には運転者が座るシート16が支持されるとともに後輪Wr,Wrを駆動するパワーユニット17が収納される。パワーユニット17は、前記バッテリ14,14で駆動されるモータ18と、このモータ18の駆動力を後輪Wr,Wrに伝達するトランスミッション19とから構成される。
【0014】
操向ハンドル15の中央部に設けられたメインコントロールパネル20には電源スイッチ21、前後進切換スイッチ22およびスピードボリューム23が設けられるとともに、メインコントロールパネル20の右側面にはアクセルレバー24が設けられる。
【0015】
電源スイッチ21は「停止」ポジションおよび「運転」ポジションを選択可能であり、「停止」ポジションが選択されるとバッテリ14,14およびモータ18を接続するモータ駆動回路が遮断され、「運転」ポジションが選択されると前記モータ駆動回路が接続されて電動車椅子Cは走行可能な状態になる。前後進切換スイッチ22は「前進」ポジションおよび「後進」ポジションを選択可能であり、「前進」ポジションが選択されると電動車椅子Cは前進走行し、「後進」ポジションが選択されると電動車椅子Cは後進走行する。スピードボリューム23は電動車椅子Cの最高速度を設定するもので、アクセルレバー24を操作すると、スピードボリューム23で設定された最高速度の範囲内で電動車椅子Cの走行速度が変化する。
【0016】
操向ハンドル15には運転者により操作されるブレーキレバー25が設けられており、このブレーキレバーはボーデンケーブル26を介してトランスミッション19の内部に設けたドラムブレーキ46(図3参照)に接続される。
【0017】
次に、図3〜図6に基づいてパワーユニット17の構造を説明する。
【0018】
パワーユニット17はモータ18およびトランスミッション19から構成されており、トランスミッション19はモータ18の左側面に結合される右ケーシング31と、この右ケーシング31の左側面に結合される中央ケーシング32と、この中央ケーシング32の左側面に結合される左ケーシング33とを備える。右ケーシング31の内部に突出してボールベアリング34で支持されたモータ18の出力軸35は、その中間部に設けた電磁ブレーキ36によって制動可能である。パーキングブレーキ装置として機能する電磁ブレーキ36は、アクセルレバー24が全閉位置にあるときにONしてモータ18の出力軸35を制動し、アクセルレバー24が全閉以外の位置にあるときにOFFしてモータ18の出力軸35を制動を解除する。
【0019】
右ケーシング31および中央ケーシング32にはボールベアリング37,38を介して減速軸39が支持されており、この減速軸39には、モータ18の出力軸35の先端に形成しピニオン40に噛合する第1減速ギヤ41と、ディファレンシャルギヤ42のディファレンシャルケース43に設けたファイナルギヤ44に噛合する第2減速ギヤ45とが設けられる。第1減速ギヤ41は減速軸39に相対回転可能に支持され、また第2減速ギヤ45は減速軸39に軸方向摺動可能にスプライン係合し、第1減速ギヤ41にドグ結合されるように右方向にスプリング62で右方向に付勢されている。第2減速ギヤ45には図示せクラッチレバーにより作動するフォーク63が係合しており、前記クラッチレバーでフォーク63を駆動して第2減速ギヤ45を左方向に摺動させると、第2減速ギヤ45と第1減速ギヤ41とのドグ結合が解除される。この状態では第1減速ギヤ41が減速軸39に対してスリップして後輪Wr,Wrの回転がモータ18に逆伝達されなくなり、従って電動車椅子Cを人力で押して移動させることができる。
【0020】
中央ケーシング32から外部に突出する減速軸39の左端に、サービスブレーキ装置あるいはパーキングブレーキ装置として機能するドラムブレーキ46が設けられる。ドラムブレーキ46は、減速軸39に固定したブレーキドラム47と、ブレーキドラム47の内部に開閉自在に配置された一対のブレーキシュー48,48と、ブレーキシュー48,48を拡開してブレーキドラム47の内周面に接触させるカム491 を有してブレーキカバー50に支持されたカム軸49と、ブレーキカバー50から外部に突出するカム軸49に固定したブレーキアーム51とを備える。このブレーキアーム51は、操向ハンドル15に設けたブレーキレバー25にボーデンケーブル26を介して接続される。
【0021】
従って、電動車椅子Cの走行中にブレーキレバー25を操作することにより、ボーデンケーブル26、ブレーキアーム51およびカム軸49を介してブレーキシュー48,48を拡開してブレーキドラム47との間に摩擦力を発生させ、ドラムブレーキ46を作動させて後輪Wr,Wrを制動することができる。また電動車椅子Cの停止中にブレーキレバー25を制動位置に操作してロックすることにより、ドラムブレーキ46を作動状態に保持してパーキングブレーキ装置として機能させることができる。
【0022】
ディファレンシャルケース43と、それと一体のファイナルギヤ44とは、それぞれボールベアリング52,53を介して右ケーシング31および中央ケーシング32に支持される。ディファレンシャルケース43の内部に固定したピニオンシャフト54に一対のディファレンシャルピニオン55,55が回転自在に支持されており、右ケーシング31および左ケーシング33にそれぞれボールベアリング56,57を介して支持した左右のアクスルシャフト58,59の対向端に、前記一対のディファレンシャルピニオン55,55に噛合するディファレンシャルサイドギヤ60,61が設けられる。
【0023】
次に、図4に基づいてディファレンシャルギヤ42の差動機能を制限するディファレンシャルロック装置71の構造を説明する。尚、図4において、左アクスルシャフト59の下側にはディファレンシャルロック装置71の作動状態が示されており、左アクスルシャフト59の上側にはディファレンシャルロック装置71の不作動状態が示されている。
【0024】
ディファレンシャルロック装置71は、ディファレンシャルケース43と一体のファイナルギヤ44を、左側のディファレンシャルサイドギヤ61と一体の左側のアクスルシャフト59に結合して差動機能を制限するのである。ファイナルギヤ44および左アクスルシャフト59の結合は、左アクスルシャフト59の外周に軸方向摺動可能にスプライン結合されたロックギヤ72を介して行われる。図5を併せて参照すると明らかなように、ロックギヤ72の外周面とファイナルギヤ44の内周面とにそれぞれ第1ドグ721 …および第2ドグ441 …が形成されており、ロックギヤ72が右動して該ロックギヤ72の第1ドグ721 …がファイナルギヤ44の第2ドグ441 …に噛合すると、ファイナルギヤ44および左アクスルシャフト59がロックギヤ72を介して結合されて差動制限状態となる。
【0025】
中央ケーシング32に固定した電磁石ハウジング73に環状の電磁石74が支持されており、この電磁石74の中心を貫通する左アクスルシャフト59がボールベアリング75を介して電磁石ハウジング73に支持される。左アクスルシャフト59の外周に嵌合してボールベアリング75のインナーレースに当接して位置決めされた支承板76が、電磁石74の右側面を覆うように配置される。電磁石ハウジング73は中央ケーシング32に固定されているのに対し、支承板76は左アクスルシャフト59に支持されて回転するため、電磁石ハウジング73および支承板76間には間隙が形成される。ロックギヤ72の左側面に固定されたアーマチュア77は前記支承板76に当接可能に対向しており、支承板76およびアーマチュア77間にスプリング78が縮設される。
【0026】
中央ケーシング32には左アクスルシャフト59の外周を囲むように環状のカム部材79が固定される。図6を併せて参照すると明らかなように、ロックギヤ72の右側面には円周方向に山部および谷部が連続する可動カム722 が形成され、カム部材79の左側面には円周方向に山部および谷部が連続する固定カム791 が形成される。前記可動カム722 および固定カム791 は同一のピッチを有しており、相互に係合可能である。
【0027】
ディファレンシャルロック装置71の電磁石74は、アクセルレバー24が全閉位置にあるときに消磁してディファレンシャルロック装置71を作動させ、アクセルレバー24が全閉以外の位置にあるときに励磁してディファレンシャルロック装置71の作動を解除する。
【0028】
次に、上記構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0029】
アクセルレバー24が全閉以外の位置にあって電動車椅子Cが走行しているとき、電磁ブレーキ36はOFF状態にあってモータ18の出力軸35の制動を解除している。またディファレンシャルロック装置71の電磁石74は励磁しており、アーマチュア77は電磁石74に吸引されて支承板76に密着している。この状態では、図4の上側に示すように、アーマチュア77と一体のロックギヤ72が左動し、そのロックギヤ72の第1ドグ721 …がファイナルギヤ44の第2ドグ441 …から離反するため、ディファレンシャルケース43と左アクスルシャフト59との結合が解除されてディファレンシャルギヤ42は差動機能を発揮することができる。このとき、ロックギヤ72の可動カム722 とカム部材79の固定カム791 とは離反している。
【0030】
而して、上記電動車椅子Cの走行中には、モータ18の出力軸35の回転が第1減速ギヤ41、第2減速ギヤ45、ファイナルギヤ44、ディファレンシャルギヤ42および左右のアクスルシャフト58,59を介して左右の後輪Wr,Wrに伝達される。そして電動車椅子Cの旋回時にはディファレンシャルギヤ42が差動機能を発揮し、左右の後輪Wr,Wrにモータ18の駆動力を配分してスムーズな旋回を可能にする。
【0031】
アクセルレバー24を全閉位置に操作して電動車椅子Cを停止させたとき、電磁ブレーキ36がONしてモータ18の出力軸35を制動し、これと同時にディファレンシャルロック装置71の電磁石74を消磁する。その結果、電磁石74による吸引を解除されたアーマチュア77がスプリング78の弾発力で右動し、図4の下側に示すように、アーマチュア77と一体のロックギヤ72の可動カム722 がカム部材79の固定カム791 に係合するとともに、ロックギヤ72の第1ドグ721 …がファイナルギヤ44の第2ドグ441 …に噛合する。
【0032】
このように、ロックギヤ72の第1ドグ721 …とファイナルギヤ44の第2ドグ441 …との噛合により、ロックギヤ72と一体の左アクスルシャフト59と、ファイナルギヤ44と一体のディファレンシャルケース43とが一体化され、ディファレンシャルギヤ42は差動不能にロックされる。更に、カム部材79は中央ケーシング32に固定されているため、ロックギヤ72の可動カム722 とカム部材79の固定カム791 との係合(図6(A)参照)により、左アクスルシャフト59およびディファレンシャルケース43は中央ケーシング32に固定される。
【0033】
而して、電動車椅子Cの停止中に外力が加わって後輪Wr,Wrが回転しようとしても、後輪Wr,Wrからモータ18に駆動力が逆伝達される経路に配置された電磁ブレーキ36(あるいはドラムブレーキ46)がONしているため、後輪Wr,Wrが回転不能に拘束されてパーキングブレーキ機能が発揮される。このように本実施例ではディファレンシャルロック装置71によってディファレンシャルギヤ42の差動機能が制限されるため、左右の後輪Wrの回転をON状態の電磁ブレーキ36に伝達して拘束し、パーキングブレーキ機能を確保することができる。
【0034】
電動車椅子Cを走行させるべくアクセルレバー24を全閉位置から操作すると、電磁ブレーキ36がOFFしてモータ18が回転し、その駆動力が左右の後輪Wr,Wrに伝達される。このとき、左アクスルシャフト59が回転すると、図6(B)に示すように、左アクスルシャフト59と一体のロックギヤ72が回転してカム部材79との間に矢印rで示す相対回転が発生するため、ロックギヤ72の可動カム722 がカム部材79の固定カム791 から矢印fで示すスラスト力を受け、このスラスト力fでロックギヤ72は図4において左動する。その結果、図4の上側に示すように、ロックギヤ72の第1ドグ721 …とファイナルギヤ44の第2ドグ441 …との噛合が解除され、ディファレンシャルギヤ42の差動機能が回復する。そして前記スラスト力fで左動したロックギヤ72と一体のアーマチュア77は、アクセルレバー24の全閉位置からの操作に連動して励磁した電磁石74にタイミング良く吸着され、電動車椅子Cの走行中は吸着状態に保持される。このとき、図6(C)に示すように、ロックギヤ72の可動カム722 とカム部材79の固定カム791 とは完全に離反する。
【0035】
尚、電動車椅子Cの停止中に外力が加わって後輪Wr,Wrが回転しようとしたときも、ロックギヤ72およびカム部材79は相対回転しようとするが、前記外力によるトルクは発進時のモータ18によるトルクに比べて小さいため、カム部材79の固定カム791 とロックギヤ72の可動カム722 とが離反することはない。
【0036】
このように、電動車椅子Cの停止に伴ってディファレンシャルロック装置71が自動的に作動し、また電動車椅子Cの走行開始に伴ってディファレンシャルロック装置71が自動的に作動解除されるので、特別の操作が不要になって操作性が向上する。
【0037】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0038】
例えば、実施例では電動車椅子Cを例示したが、本発明はモータ18以外にエンジンを駆動源とする他の任意の小型乗用車両に適用することが可能である。
【0039】
【発明の効果】
以上のように請求項1に記載された発明によれば、小型乗用車両が走行を停止するとディファレンシャルロック装置の差動制限機能が発生するので、パーキングブレーキ装置で左右の駆動輪を制動状態に維持してパーキングブレーキ機能を確保することができる。従って、駆動輪の片輪側だけ持ち上げた状態で小型乗用車両を前方に押していくことができなくなる。また小型乗用車両が走行を開始するとディファレンシャルロック装置の差動制限機能が解除されるので、ディファレンシャルギヤが正常に機能を発揮してスムーズな旋回を可能にすることができる。しかも小型乗用車両が走行を停止すると、左右一方の駆動輪に連なるアクスルシャフトに相対回転不能かつ軸方向摺動可能に支持したロックギヤがスプリングの弾発力でディファレンシャルケース側にドグ結合されるため、アクスルシャフトがディファレンシャルケースに一体化されてディファレンシャルロック装置の差動制限機能が自動的に発生する。また小型乗用車両が走行を開始すると、駆動源によるアクスルシャフトの回転に伴ってカムがロックギヤをスプリングの弾発力に抗して摺動させるため、前記ドグ結合が解除されてディファレンシャルロック装置の差動制限機能が自動的に解除される。このように、ディファレンシャルロック装置の作動および作動解除が自動的に行われるので、特別の操作が不要になって操作性が向上する。
【0040】
また請求項に記載された発明によれば、小型乗用車両の走行中に電磁石がロックギヤをスプリングの弾発力に抗して吸引するので、第1ドグおよび第2ドグを噛合解除状態に保持してディファレンシャルギヤを正常に機能させることができる。
【0041】
また請求項に記載された発明によれば、アクセル操作部材の全閉位置からの操作に基づいて電磁石が励磁されるので、小型乗用車両の走行開始時に第1ドグおよび第2ドグの噛合解除にタイミングを合わせてロックギヤを吸引することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電動車椅子の全体側面図
【図2】 図1の2方向矢視図
【図3】 図1の3−3線拡大断面図
【図4】 図3の要部拡大図
【図5】 図4の5−5線拡大断面図
【図6】 図4の6−6線拡大断面図
【符号の説明】
18 モータ(駆動源)
24 アクセルレバー(アクセル操作部材)
36 電磁ブレーキ(パーキングブレーキ装置)
42 ディファレンシャルギヤ
43 ディファレンシャルケース
441 第2ドグ
46 ドラムブレーキ(パーキングブレーキ装置)
59 アクスルシャフト
71 ディファレンシャルロック装置
72 ロックギヤ
721 第1ドグ
722 カム
74 電磁石
78 スプリング
791 カム
Wr 後輪(駆動輪)

Claims (3)

  1. 駆動源(18)の駆動力をディファレンシャルギヤ(42)を介して左右の駆動輪(Wr)に伝達して走行するとともに、停止時にパーキングブレーキ装置(36,46)によって駆動源(18)およびディファレンシャルギヤ(42)間の動力伝達系を拘束して駆動輪(Wr)を制動する小型乗用車両において、
    走行を停止したときにディファレンシャルギヤ(42)に対する差動制限機能が発生し、走行を開始したときに前記差動制限機能が解除されるディファレンシャルロック装置(71)を備え
    前記ディファレンシャルロック装置(71)は、左右一方の駆動輪(Wr)に連なるアクスルシャフト(59)とディファレンシャルケース(43)とを一体化することにより差動制限を行うものであり、
    前記アクスルシャフト(59)に相対回転不能かつ軸方向摺動可能に支持したロックギヤ(72)と、
    ロックギヤ(72)に設けられた第1ドグ(72 1 )と、
    ディファレンシャルケース(43)側に設けられて前記第1ドグ(72 1 )に噛合可能な第2ドグ(44 1 )と、
    前記第1ドグ(72 1 )が前記第2ドグ(44 1 )に噛合する方向にロックギヤ(72)を付勢するスプリング(78)と、
    駆動源(18)による前記アクスルシャフト(59)の回転に伴ってロックギヤ(72)をスプリング(78)の弾発力に抗して摺動させ、前記第1ドグ(72 1 )および前記第2ドグ(44 1 )の噛合を解除するカム(72 2 ,79 1 )と、
    を備えたことを特徴とする小型乗用車両。
  2. 走行中にロックギヤ(72)をスプリング(78)の弾発力に抗して吸引し、前記第1ドグ(721 )および前記第2ドグ(441 )を噛合解除状態に保持する電磁石(74)を備えたことを特徴とする、請求項に記載の小型乗用車両。
  3. 駆動源(18)の駆動力を制御するアクセル操作部材(24)の全閉位置からの操作に基づいて前記電磁石(74)を励磁することを特徴とする、請求項に記載の小型乗用車両。
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