JPH09142170A - デファレンシャル装置 - Google Patents

デファレンシャル装置

Info

Publication number
JPH09142170A
JPH09142170A JP30002395A JP30002395A JPH09142170A JP H09142170 A JPH09142170 A JP H09142170A JP 30002395 A JP30002395 A JP 30002395A JP 30002395 A JP30002395 A JP 30002395A JP H09142170 A JPH09142170 A JP H09142170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
differential
engaging portion
wheel drive
actuator
coupling sleeve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP30002395A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Yamazaki
伸司 山崎
Masao Teraoka
正夫 寺岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GKN Driveline Japan Ltd
Original Assignee
Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tochigi Fuji Sangyo KK filed Critical Tochigi Fuji Sangyo KK
Priority to JP30002395A priority Critical patent/JPH09142170A/ja
Publication of JPH09142170A publication Critical patent/JPH09142170A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切り換え位置を確実に保持し、小さな操作力
で移動操作を行う。 【解決手段】 2輪駆動時の切り離し側車軸21とサイ
ドギヤ13とデフケース5とを係脱可能なカップリング
スリーブ49と、シフトロッド57とシフトフォーク5
5とを介してスリーブ49を移動操作しこれらを選択的
に係脱させる2位置型のアクチュエータ63と、フォー
ク55に設けられた係合部81と、係合部81に係合可
能なロックピン79と、ピン79を移動操作し係合部8
1と係脱させるソレノイドバルブ85と、係合部81の
両側に設けられ、フォーク55の移動に伴って係合部8
1をピン79の先端に案内する斜面87、89とを備え
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両に用いられ
るデファレンシャル装置に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭60−215428号公報に図4
のようなデファレンシャル装置201が記載されてい
る。このデファレンシャル装置201は、前輪駆動車を
ベースにした4輪駆動車の後輪側に配置されている。
【0003】デファレンシャル装置201は、デフケー
ス203、デフケース203の内部に配置された差動ギ
ヤ機構205、中間軸207、断続機構209、断続機
構209の操作機構211、位置決め機構213などか
ら構成されている。
【0004】ピニオンギヤ215、215を介して連結
された差動ギヤ機構205の一対の出力ギヤ217、2
19は、それぞれ一側の車軸221と中間軸207とに
連結されている。
【0005】断続機構209は、デフケース203に連
結された中空軸223と中間軸207と他側の車軸22
5とにそれぞれ形成されたスプライン部227、22
9、231と、これらと係脱可能なカップリングスリー
ブ233とから構成されている。
【0006】操作機構211はワイヤー235によりシ
フトロッド237とシフトフォーク239とを介してカ
ップリングスリーブ233を移動操作する。また、位置
決め機構213はボール241をばね243の力でシフ
トロッド237の各溝245、247、249に係合さ
せてカップリングスリーブ233の位置決めをする。
【0007】カップリングスリーブ233が図4の位置
に移動すると、中空軸223(デフケース203)と中
間軸207(出力ギヤ217)と車軸225との連結が
すべて解除され、出力ギヤ217の空転により後輪側へ
の駆動力が遮断され、車両は前輪駆動状態になる。ま
た、カップリングスリーブ233が中間軸207と車軸
225とを連結する位置に移動すると、車両は4輪駆動
状態になる。更に、カップリングスリーブ233が中空
軸223と中間軸207と車軸225とを連結する位置
に移動すると、4輪駆動状態で差動ギヤ機構205の差
動がロックされる。
【0008】この前輪駆動時はトランスファの2−4切
換え機構によって後輪側が切り離されると共に、車軸2
21側車輪の回転は差動ギヤ機構205を回転させ、車
軸225側車輪の回転は車軸225を回転させるだけで
あって、2−4切換え機構からデフケース203までの
動力伝達系は回転しないから、摩耗や騒音が軽減され、
燃費が向上する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、断続をカップ
リングスリーブ233と各スプライン部227、22
9、231との係脱で行う断続機構209では、トルク
が掛かったときにスプライン部227、229、231
の僅かな捩じれによってスラスト力が生じ、カップリン
グスリーブ233が移動することがあり、例えば、4輪
駆動時に差動がロックされたり、前輪駆動状態になった
りすることがある。
【0010】位置決め機構213はこのようなことを防
止するために、ボール241をばね243で溝245、
247、249に押しつけて位置決めし、運転者の意に
反したカップリングスリーブ233の動きを防止してい
る。
【0011】従って、ばね243は上記のスラスト力と
対抗するために強くしなければならないが、ばね243
を強くすると操作機構211を介してカップリングスリ
ーブ233を移動操作するアクチュエータが大型にな
り、手動操作の場合は操作が困難になる。
【0012】また、デファレンシャル装置201のよう
に、差動ロックと4輪駆動と前輪駆動の3位置にカップ
リングスリーブ233を移動させるものは、3位置型の
アクチュエータが必要であるが、このようなアクチュエ
ータはそれだけ高価である。
【0013】そこで、この発明は、連結部材の移動操作
による車軸の切り離し機能、あるいは差動ロック機能を
有するデファレンシャル装置であって、連結部材の位置
保持が確実に行えると共に、小さな操作力で移動操作が
行えるデファレンシャル装置及び2位置型のアクチュエ
ータで連結部材を3位置に移動操作できるデファレンシ
ャル装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1のデファレンシ
ャル装置は、デフケースの回転を一対の出力側差動部材
を介して分配する差動機構と、2輪駆動時に切り離され
る車軸側と出力側差動部材側とデフケースの内の2者ま
たは3者の係合部と係脱可能な係合部を有する連結部材
と、操作力伝達機構を介してこの連結部材を移動操作
し、これら2者または3者を選択的に係脱させるアクチ
ュエータと、このアクチュエータの操作に伴って移動す
る移動部材に設けられた係合部と、静止側部材に移動自
在に設けられこの係合部に係合可能な位置決め部材と、
この位置決め部材を移動操作し係合部と係脱させるソレ
ノイドバルブとを備えたことを特徴とする。
【0015】デフケースを回転させるエンジンの駆動力
は一対の出力側差動部材を介して車輪側に分配される。
【0016】例えば、車軸側と出力側差動部材側の2者
を断続する構成では、アクチュエータによる連結部材の
移動操作により車両を4輪駆動状態と2輪駆動状態とに
切り換え可能であり、車軸側と出力側差動部材側とデフ
ケースとの3者を断続する構成では、連結部材の移動操
作によって車両の4輪駆動状態と2輪駆動状態及び差動
ロックの切り換えが可能である。
【0017】このとき、連結部材の位置決めは位置決め
部材をソレノイドバルブの操作によって係合部に係脱さ
せて行われ、従来例と異なって、ばねの力を用いないか
ら、位置保持が確実である。従って、デファレンシャル
装置が運転者の意に反した状態に誤動作することが防止
される。
【0018】また、移動操作力が小さくてすむから、小
型のアクチュエータを用いることができ、装置の大型化
が避けられると共に、手動でも容易に切り換え操作がで
きる。
【0019】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置において、連結部材が2輪
駆動時に切り離される車軸側と出力側差動部材側とデフ
ケースとを選択的に係脱する3位置に移動操作され、操
作力伝達機構がアクチュエータに連結されたシフトロッ
ドとシフトロッドの操作力を連結部材に伝えるシフトフ
ォークとからなり、アクチュエータが2位置型のもので
あり、位置決め部材は、連結部材が前記3位置の中央に
移動したときシフトフォークの係合部と係合する位置に
設けられると共に、この係合部の移動方向両側に斜面が
設けられ、これらの斜面はアクチュエータの操作力によ
るシフトフォークの移動に伴って係合部を位置決め部材
の先端に案内することを特徴とする。
【0020】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置と同様に、連結部材の位置
保持が確実で、操作力が小さくてすむから、運転者の意
に反した切り換え状態になることが防止されると共に、
アクチュエータが小型になって装置の大型化が避けら
れ、手動でも容易に切り換え操作ができる。
【0021】これに加えて、連結部材が3位置の中央に
移動したときにシフトフォークの係合部と係合する位置
に位置決め部材を配置すると共に、この係合部の移動方
向両側に斜面を設け、これらの斜面がシフトフォークの
移動に伴って係合部を位置決め部材の先端に案内するよ
うに構成した。
【0022】従って、シフトフォークを一側と他側とに
移動させる2位置型のアクチュエータを用いて連結部材
を3位置に移動操作することが可能になり、アクチュエ
ータがそれだけ小型で安価になる。
【0023】
【発明の実施の形態】図1、2、3により本発明の一実
施形態を説明する。この実施形態は請求項1、2の特徴
を備えている。図1はこの実施形態のデファレンシャル
装置を示す。なお、左右の方向はこのデファレンシャル
装置を用いた4輪駆動車及び図1ないし3での左右の方
向であり、符号を与えていない部材等は図示されていな
い。
【0024】この実施形態のデファレンシャル装置は、
前輪駆動車をベースにした4輪駆動車のリヤデフ1(エ
ンジンの駆動力を左右の後輪に分配するデファレンシャ
ル装置)に用いられている。
【0025】図1のように、リヤデフ1はデフキャリヤ
3(静止側部材)の内部に配置されており、そのデフケ
ース5はベアリング7、9により回転自在に支承されて
いる。デフケース5にはリングギヤ11が固定されてお
り、このリングギヤ11はドライブピニオンシャフトの
後端に形成されたドライブピニオンギヤと噛み合ってい
る。このドライブピニオンシャフトは継手を介して後輪
側のプロペラシャフトに連結されている。
【0026】トランスファの2−4切換装置により後輪
側が連結されると、デフケース5はエンジンの駆動力に
より回転駆動され、後輪側が切り離されるとデフケース
5への駆動力は遮断される。
【0027】デフケース5の内部にはそれぞれヘリカル
ギヤで構成されたサイドギヤ13、15(出力側差動部
材)が回転自在に配置されている。
【0028】左のサイドギヤ13は中間軸17にスプラ
イン連結され、この中間軸17の左端部外周にはベアリ
ング19を介して中空軸21(2輪駆動時に切り離され
る車軸)が支承されている。中空軸21はベアリング2
3を介してデフキャリヤ3に支承され、ドライブシャフ
トハウジング25を貫通する左側後車軸を介して左後輪
側に連結されている。
【0029】中空軸21に設けられたフランジ部27の
右側外周にはリング29が回転自在に支承されており、
このリング29は互いの間に形成された噛み合い部31
でデフケース5の左端部と噛み合っている。また、右の
サイドギヤ15はスプライン連結された右側後車軸を介
して右後輪側に連結されている。
【0030】サイドギヤ13、15とデフケース5との
間及びサイドギヤ13、15の間にはそれぞれスラスト
ワッシャ33が配置されている。
【0031】デフケース5には長い支持孔と短い支持孔
35とが周方向に複数組形成されており、長い支持孔に
は長いヘリカルピニオンギヤが摺動回転自在に支持さ
れ、短い支持孔35には短いヘリカルピニオンギヤ37
が摺動回転自在に支持されている。
【0032】長いピニオンギヤは、第1と第2のギヤ部
とこれらを連結する小径の軸部とからなり、第1ギヤ部
はサイドギヤ13と噛み合っている。また、短いピニオ
ンギヤ37は、互いの間に軸部を持たない第1と第2の
ギヤ部39、41からなり、第1ギヤ部39はサイドギ
ヤ15と噛み合い、第2ギヤ部41は長いピニオンギヤ
の第2ギヤ部と噛み合っている。
【0033】デフケース5を回転させるエンジンの駆動
力は、各ピニオンギヤとサイドギヤ13、15から車軸
を介して左右の後輪に分配され、悪路などを走行中に後
輪間に駆動抵抗差が生じると、各ピニオンギヤの自転に
よってエンジンの駆動力は左右各側に差動分配される。
【0034】トルクの伝達中、各ギヤの噛み合い部で摩
擦抵抗が発生し、各ピニオンギヤの歯先はサイドギヤ1
3、15との噛み合い反力により各支持孔の壁面に押し
付けられて摩擦抵抗が発生する。また、ヘリカルギヤの
噛み合いスラスト力により、各ピニオンギヤの端面とデ
フケース5との間で摩擦抵抗が発生すると共に、スラス
トワッシャ33を介してサイドギヤ13、15とデフケ
ース5との間で、また、サイドギヤ13、15の間でそ
れぞれ摩擦抵抗が発生する。
【0035】これらの摩擦抵抗によってトルク感応型の
差動制限力が得られ、発進時や加速時のように大きなト
ルクが掛かった時の車体の挙動が向上する。
【0036】中空軸21(左後輪側)と、中間軸17
(サイドギヤ13側)のフランジ部27と、リング29
(デフケース5側)にはそれぞれスプライン部43、4
5、47が設けられている。また、これらの外周にはカ
ップリングスリーブ49(連結部材)が移動自在に配置
されており、このカップリングスリーブ49には各スプ
ライン部43、45、47と係脱可能なスプライン部5
1が設けられている。
【0037】カップリングスリーブ49が図2の位置に
移動すると、カップリングスリーブ49はスプライン部
43とだけ噛み合って、スプライン部45、47との噛
み合いが解除される。このとき、カップリングスリーブ
49の位置をセンサーで検知し、トランスファの2−4
切り換え装置によって後輪側が切り離される。
【0038】このように、カップリングスリーブ49と
スプライン部45、47との噛み合いが解除されると、
中空軸21(左後輪)がサイドギヤ13から切り離され
て車両は前輪駆動(2輪駆動)状態になる。この状態で
は左後輪の回転は中空軸21を空転させ、右後輪の回転
は右のサイドギヤ15から各ピニオンギヤと左のサイド
ギヤ13とを空転させる。このように、デフケース5は
車輪側の回転を受けないから、前輪駆動時はトランスフ
ァからデフケース5までの駆動力伝達系の回転が停止
し、摩耗や騒音が軽減され、燃費が向上する。
【0039】次に、カップリングスリーブ49が図1の
位置に移動し、スプライン部43、45と噛み合うと、
左後輪はサイドギヤ13側に連結される。このとき、カ
ップリングスリーブ49の位置をセンサーで検知し、ト
ランスファの2−4切り換え装置によって後輪側にエン
ジンの駆動力が伝達され、車両は4輪駆動状態になり、
走破性、安定性、操縦性などが向上する。
【0040】更に、カップリングスリーブ49が図3の
位置に移動し、スプライン部43、45、47と噛み合
うと、サイドギヤ13とデフケース5との差動回転が停
止して差動がロックされ、特に悪路での車両の走破性や
走行安定性が向上する。
【0041】カップリングスリーブ49の周溝53には
シフトフォーク55(移動部材)の先端が摺動自在に係
合しており、このシフトフォーク55はシフトロッド5
7に固定されている。シフトロッド57の両端はデフキ
ャリヤ3に移動自在に支承されており、右端側には止め
輪59が装着され、シフトロッド57の右方への移動範
囲を規制し、カップリングスリーブ49と周辺部材との
干渉を防止している。
【0042】また、シフトロッド57はデフキャリヤ3
を左方に貫通し、ベローズ61を通ってアクチュエータ
63に連結されている。この貫通箇所でシフトロッド5
7とデフキャリヤ3との間にシール65が装着され、外
部へのオイル洩れを防止している。シフトフォーク55
とシフトロッド57とにより操作力伝達機構67が構成
されている。
【0043】アクチュエータ63はケース69の内部に
配置されたダイヤフラム71、ダイヤフラム71を保持
すると共にシフトロッド57に固定された保持器具7
3、コイルばね75、圧力室77などから構成された2
位置型のものであり、圧力室77に正圧が供給されると
操作力伝達機構67を介してカップリングスリーブ49
を右方へ移動させ、正圧の供給が停止されるとコイルば
ね75によりカップリングスリーブ49を左方へ移動さ
せる。
【0044】デフキャリヤ3にはロックピン79(位置
決め部材)が移動自在に取り付けられており、シフトフ
ォーク55にはこのロックピン79の先端と係合する係
合部81が設けられている。ロックピン79はコイルば
ね83により係合部81側へ付勢され、ソレノイドバル
ブ85により係合部81との係合解除側へ移動操作され
る。
【0045】ロックピン79と係合部81は、図1のよ
うに、カップリングスリーブ49が4輪駆動位置(3位
置の中央)に移動したときに係合するようにされてい
る。
【0046】このようにロックピン79と係合部81と
が係合した状態では、操作力伝達機構67を介してカッ
プリングスリーブ49がしっかりと位置決めされ、スプ
ライン部43、45、51にトルクによる捩じれが生じ
スラスト力が発生しても、カップリングスリーブ49の
誤移動が防止され、運転者の意に反して2輪駆動状態や
差動ロック状態に切り変わることが避けられる。
【0047】ソレノイドバルブ85は、4輪駆動状態か
ら2輪駆動状態や差動ロック状態に切り換えるとき、こ
れらを切り換える運転席のスイッチ操作に連動して作動
し、ロックピン79を吸引して係合部81との係合を解
除するように構成されている。
【0048】シフトフォーク55には移動方向の両側に
斜面87、89が形成されている。ソレノイドバルブ8
5によるロックピン79を吸引を解除しておけば、図2
のように、カップリングスリーブ49が2輪駆動位置に
あるとき、アクチュエータ63の圧力室77に圧力を供
給してシフトフォーク55を右方に移動させると、斜面
89がコイルばね83を撓めながらロックピン79を後
退させ、係合部81がロックピン79の先端まで移動す
るとコイルばね83の付勢力によってロックピン79と
係合部81とが係合すると共に、カップリングスリーブ
49が4輪駆動状態に移動し、上記のように、ロックピ
ン79と係合部81との係合がこの状態を保持する。
【0049】図2の状態では、ソレノイドバルブ85に
よりロックピン79を吸引しない限り、斜面89を抑え
るコイルばね83の付勢力によって2輪駆動状態が保持
されると共に、振動などを受けたときのカップリングス
リーブ49とスプライン部45との干渉が避けられる。
【0050】また、図3のように、カップリングスリー
ブ49が差動ロック位置にあるとき、アクチュエータ6
3の圧力室77への圧力供給を停止してシフトフォーク
55を左方に移動させると、斜面87がコイルばね83
を撓めながらロックピン79を後退させ、係合部81が
ロックピン79の先端まで移動するとコイルばね83の
付勢力によってロックピン79と係合部81とが係合す
ると共に、この4輪駆動状態が保持される。
【0051】図3の状態では、スプライン部43、4
5、47、51の捩じれによりカップリングスリーブ4
9がスラスト力を受けても、上と同様に、斜面87を抑
えるコイルばね83の付勢力によって差動ロック状態が
保持され、意に反する4輪駆動状態や2輪駆動状態への
切り換わりが防止される。
【0052】このように、シフトフォーク55に設けた
斜面87、89の案内機能及びロックピン79と係合部
81との係合により、アクチュエータ63は2位置型で
あっても、3位置型のアクチュエータのように、カップ
リングスリーブ49を3位置に移動操作することができ
る。
【0053】こうして、リヤデフ1が構成されている。
【0054】上記のように、リヤデフ1では、ソレノイ
ドバルブ85、ロックピン79、コイルばね83、シフ
トフォーク55の係合部81などによってカップリング
スリーブ49を位置決めするように構成されており、ば
ね243とボール241と溝245、247、249と
を用いた従来例と異なって、確実な位置保持機能を得る
ためにばね243の力を強くする必要がないから、アク
チュエータ63に小型のものを用いることができ、装置
の大型化が避けられると共に、手動操作の場合も操作が
容易になる。
【0055】更に、リヤデフ1のようにカップリングス
リーブ49を3位置に移動操作するように構成された装
置でも、上記のように、安価な2位置型のアクチュエー
タ63を用いることが可能であるから、低コストに実施
できる。
【0056】なお、本発明はリヤデフに限らずフロント
デフにも適用することができる。
【0057】
【発明の効果】請求項1のデファレンシャル装置は、車
軸側と出力側差動部材側の2者を断続する構成では、ア
クチュエータによる連結部材の移動操作により車両を4
輪駆動状態と2輪駆動状態とに切り換え、車軸側と出力
側差動部材側とデフケースの3者を断続する構成では、
車両を4輪駆動状態と2輪駆動状態と差動ロックとに切
り換える。
【0058】請求項1のデファレンシャル装置では、2
輪駆動と4輪駆動の切り換えや差動ロックなどを行う連
結部材の位置決めをソレノイドバルブの操作による位置
決め部材と係合部との係脱で行い、従来例と異なってば
ねの力を用いないから、位置保持が確実であり、デファ
レンシャル装置が運転者の意に反した状態になることが
防止される。また、移動操作力が小さくてすむから、小
型で安価なアクチュエータを用いることができ、装置の
大型化が避けられ、低コストに実施できる。また、手動
でも容易に切り換え操作ができる。
【0059】請求項2のデファレンシャル装置は、請求
項1のデファレンシャル装置と同様に、連結部材の位置
保持が確実で、運転者の意に反した状態になることが防
止される。また、移動操作力が小さくてすむから、アク
チュエータが小型になり、装置の大型化が避けられ、低
コストに実施できると共に、手動でも容易に切り換え操
作ができる。
【0060】これに加えて、操作力伝達機構のシフトフ
ォークに設けた斜面の案内機能により、3位置型のアク
チュエータが必要な構成でも小型で安価な2位置型のア
クチュエータを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す全体断面図である。
【図2】この実施形態の2輪駆動状態を示す部分断面図
である。
【図3】この実施形態の差動ロック状態を示す部分断面
図である。
【図4】従来例の断面図である。
【符号の説明】
1 リヤデフ(デファレンシャル装置) 3 デフキャリヤ(静止側部材) 5 デフケース 13、15 サイドギヤ(出力側差動部材) 21 中空軸(2輪駆動時に切り離される車軸) 43、45、47、51 スプライン部(係合部) 49 カップリングスリーブ(連結部材) 55 シフトフォーク(移動部材) 57 シフトロッド 63 2位置型のアクチュエータ 67 操作力伝達機構 79 ロックピン(位置決め部材) 81 係合部 85 ソレノイドバルブ 87、89 斜面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デフケースの回転を一対の出力側差動部
    材を介して分配する差動機構と、2輪駆動時に切り離さ
    れる車軸側と出力側差動部材側とデフケースの内の2者
    または3者の係合部と係脱可能な係合部を有する連結部
    材と、操作力伝達機構を介してこの連結部材を移動操作
    し、これら2者または3者を選択的に係脱させるアクチ
    ュエータと、このアクチュエータの操作に伴って移動す
    る移動部材に設けられた係合部と、静止側部材に移動自
    在に設けられこの係合部に係合可能な位置決め部材と、
    この位置決め部材を移動操作し係合部と係脱させるソレ
    ノイドバルブとを備えたことを特徴とするデファレンシ
    ャル装置。
  2. 【請求項2】 連結部材が2輪駆動時に切り離される車
    軸側と出力側差動部材側とデフケースとを選択的に係脱
    する3位置に移動操作され、操作力伝達機構がアクチュ
    エータに連結されたシフトロッドとシフトロッドの操作
    力を連結部材に伝えるシフトフォークとからなり、アク
    チュエータが2位置型のものであり、位置決め部材は、
    連結部材が前記3位置の中央に移動したときシフトフォ
    ークの係合部と係合する位置に設けられると共に、この
    係合部の移動方向両側に斜面が設けられ、これらの斜面
    はアクチュエータの操作力によるシフトフォークの移動
    に伴って係合部を位置決め部材の先端に案内することを
    特徴とする請求項1のデファレンシャル装置。
JP30002395A 1995-11-17 1995-11-17 デファレンシャル装置 Pending JPH09142170A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30002395A JPH09142170A (ja) 1995-11-17 1995-11-17 デファレンシャル装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30002395A JPH09142170A (ja) 1995-11-17 1995-11-17 デファレンシャル装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09142170A true JPH09142170A (ja) 1997-06-03

Family

ID=17879784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30002395A Pending JPH09142170A (ja) 1995-11-17 1995-11-17 デファレンシャル装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09142170A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102310768A (zh) * 2010-07-05 2012-01-11 贾新成 一种后驱四驱锁死四驱的机构
CN109318706A (zh) * 2017-07-31 2019-02-12 株式会社捷太格特 差动装置及差动装置的调整方法
WO2023096442A1 (ko) * 2021-11-29 2023-06-01 주식회사평화발레오 디스커넥터 액츄에이터의 조립구조

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102310768A (zh) * 2010-07-05 2012-01-11 贾新成 一种后驱四驱锁死四驱的机构
CN109318706A (zh) * 2017-07-31 2019-02-12 株式会社捷太格特 差动装置及差动装置的调整方法
WO2023096442A1 (ko) * 2021-11-29 2023-06-01 주식회사평화발레오 디스커넥터 액츄에이터의 조립구조

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3628983B2 (ja) 電磁クラッチを有した動力伝達装置
JP3002040B2 (ja) デファレンシャル装置
US6620073B2 (en) Driving force transmitting device for vehicle
JP3649793B2 (ja) フリーホイールクラッチ
JP3220868B2 (ja) 電磁式変速装置
JP3416804B2 (ja) 差動装置
JPH02286944A (ja) デファレンシャル装置
JPH09142170A (ja) デファレンシャル装置
EP1354749A2 (en) Power controlling device for four-wheel drive vehicle
JP2004187476A (ja) 電磁式アクチュエータ及びこれを用いたデファレンシャル装置
JP2003158862A (ja) アクチュエータ
JPS63235748A (ja) デフアレンシヤル装置
JP3049130B2 (ja) 車両の駆動力伝達装置
JPH1035316A (ja) デファレンシャル装置
JPS5833526A (ja) クラツチを備えた四輪駆動車
JPH0853016A (ja) 動力伝達装置
JPH08175206A (ja) 回転伝達装置
JPH08197974A (ja) 車両の駆動力伝達装置
JPS62246646A (ja) デイフアレンシヤルギヤ装置
JP3137387B2 (ja) 車両の駆動力伝達装置
JP2001322445A (ja) 2輪・4輪駆動切替機構
JPH07259878A (ja) ハブクラッチ
JPH0344583Y2 (ja)
JPH11291786A (ja) 動力伝達装置
JPH04113033A (ja) 電磁クラッチ