JP2001322445A - 2輪・4輪駆動切替機構 - Google Patents

2輪・4輪駆動切替機構

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JP2001322445A
JP2001322445A JP2000144551A JP2000144551A JP2001322445A JP 2001322445 A JP2001322445 A JP 2001322445A JP 2000144551 A JP2000144551 A JP 2000144551A JP 2000144551 A JP2000144551 A JP 2000144551A JP 2001322445 A JP2001322445 A JP 2001322445A
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front wheel
clutch
transmission
gear
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Takayuki Isogai
孝幸 磯貝
Hirosuke Hashimoto
裕輔 橋本
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の2輪・4輪駆動切替機構はクラッチ部
分の構造が複雑で大きくなっていた。 【解決手段】 前輪駆動出力軸30上に、変速後の動力
を伝達する前輪駆動入力歯車69と前輪駆動出力軸30
との間で動力の断接を行なうクラッチを設けて、2輪駆
動と4輪駆動を切替可能とした走行車両であって、前記
前輪駆動出力軸30上を摺動可能とするスライダ80と
前記前輪駆動入力歯車69とにそれぞれ咬合体80a・
69aを設け、該咬合体を解除方向に摺動させる押圧体
84を該前輪駆動入力歯車69に一体的に設け、前記ス
ライダ80と押圧体84の間にスラストベアリング85
を配置し、前記スライダ80はバネ圧の異なる複数のス
プリング82・83で前記咬合体が咬合する方向に付勢
されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ等の走行
車両において、2輪駆動と4輪駆動を切り替えるクラッ
チの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からトラクタ等の走行車両におい
て、路上走行等高速で走行するときには、後輪のみ駆動
する2輪駆動に切り替えて、無駄な動力の損失を抑える
ようにし、作業時や走行安定性を増加させたい場合等で
は、4輪駆動に切り替えるようにした技術は公知となっ
ている。この2輪駆動と4輪駆動を切り替えるために、
ミッションケース内の後輪に動力を伝える伝動中途部に
前輪駆動出力部を配置して、該前輪駆動出力部に切替ク
ラッチを設け、該切替クラッチは運転席近傍に配置した
切替レバーや切替スイッチ等を操作することによって2
輪駆動と4輪駆動を切り替えられるようにしていた。例
えば、特開昭52−97519号や特開昭62−258
814号の技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭52−
97519号の技術では、可動クラッチ片をピストンに
より摺動させて、後輪の駆動を断接できるようにしてい
るが、構成が大きくなる。また、特開昭62−2588
14号の技術では伝動軸上の出力歯車に多板クラッチを
設けていたので、出力軸が別に配置されて、構成が大き
くなっていたのである。そこで、本発明は2輪駆動と4
輪駆動の切替が確実にでき、コンパクトな構成の切換機
構を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上のような
課題を解決するために、次のような手段を用いる。即
ち、請求項1においては、前輪駆動出力軸上に、変速後
の動力を伝達する前輪駆動入力歯車と前輪駆動出力軸と
の間で動力の断接を行なうクラッチを設けて、2輪駆動
と4輪駆動を切替可能とした走行車両であって、前記前
輪駆動出力軸上を摺動可能とするスライダと前記前輪駆
動入力歯車とにそれぞれ咬合体を設け、該咬合体を解除
方向に摺動させる押圧体を該前輪駆動入力歯車に一体的
に設けた。
【0005】また、請求項2においては、前記スライダ
と押圧体の間にスラストベアリングを配置した。
【0006】また、請求項3においては、前記スライダ
はバネ特性の異なる複数のスプリングで前記咬合体が咬
合する方向に付勢される。
【0007】また、請求項4においては、前記スライダ
と前輪駆動入力歯車の間には摩擦体が配置されている。
【0008】また、請求項5においては、前記押圧体は
切換バルブの切換により圧油が送油されて作動し、該切
換バルブは低速時のみ作動して4輪駆動となる。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、発明の実施の形態を説明す
る。図1は走行車両の側面図、図2は動力伝達構成を示
したスケルトン図、図3は本発明の2輪・4輪駆動切替
機構を示すミッションケース下部の側面断面図、図4は
同じく他の実施例を示す一部側面断面図である。
【0010】図1において、この走行車両はトラクタを
実施例としており、本機の前後に前輪1及び後輪2を支
承し、前部のボンネット6内部にはエンジン5を配置
し、該ボンネット6の後方にはステアリングハンドル1
0を設けており、上記ステアリングハンドル10の後方
にはシート11を配設している。また、シート11の側
部には主変速レバー77が突設される。
【0011】また、エンジン5の後部にクラッチハウジ
ング7が配置され、該クラッチハウジング7の後部にミ
ッションケース9を配設し、エンジン5からの動力を後
輪2に伝達して駆動し、後述する本発明の2輪・4輪駆
動切替機構79を介して前輪1にも同時に駆動力を伝達
することを可能としている。
【0012】また、エンジン5の駆動力はミッションケ
ース9後端から突出したPTO軸15に伝達されて、該
PTO軸15から図示しないユニバーサルジョイント等
を介して機体後端に作業機装着装置を介して装着した作
業機100を駆動するように構成している。そして、前
記シート11前下方のステップ上にはクラッチを断接操
作するためのクラッチペダル16とブレーキペダルが配
設されている。
【0013】次に、動力伝動系の構成について図2より
説明する。前記クラッチハウジング7内には多板式の主
クラッチ21が収納され、前記クラッチペダル16に連
係されている。そして、前記エンジン5の出力軸(クラ
ンク軸)22の回転が主クラッチ21に入力され、該主
クラッチ21の出力軸23は機体後方に延出され、その
後端に形設したギア23aには主変速軸24に遊嵌され
た主変速四速歯車34が噛合している。該主変速四速歯
車34は更に主軸25に固設された伝達歯車44に噛合
している。該主軸25には三枚の伝達歯車41・42・
43が固設され、あるいは形設されており、該三枚の伝
達歯車41・42・43を介して、主変速軸24にそれ
ぞれ遊嵌された主変速一速歯車31、主変速二速歯車3
2、主変速三速歯車33に動力が伝達される。
【0014】従って、主クラッチ21の出力軸23が回
転すると、主変速一速歯車31、主変速二速歯車32、
主変速三速歯車33及び主変速四速歯車34は各々異な
る回転数で回転することとなる。そして、上記主変速レ
バー77に連動連結された油圧制御弁により、四つの油
圧クラッチ51・52・53・54のいずれか一つが選
択されて「接」とされ、四段階の変速が可能となり、主
変速装置を構成し、主軸25からの変速後の回転が主変
速軸24に伝達される。
【0015】主変速軸24は後方に延長されて、該延長
部分には正逆転機構が構成されて正転側歯車26及び逆
転側歯車27がそれぞれ同一軸心上に遊嵌される。そし
て、図示しないリバーサレバーの操作により油圧制御装
置を切り換えて、前進側のリバーサ用油圧クラッチ56
又は後進側のリバーサ用油圧クラッチ57のいずれかが
選択され接続され、主変速軸24の回転は正転側歯車2
6又は逆転側歯車27のいずれかに伝達される。ただ
し、リバーサレバーがニュートラル位置の場合は、回転
は両歯車26・27のいずれにも伝達されない。
【0016】正転側歯車26は副変速軸35に相対回転
不能に連結され、同時に、クリープ変速軸36に固設さ
れた伝達歯車37に噛合しており、その回転を両軸35
・36に伝達する。逆転側歯車27は、カウンター軸3
8の一端に形設された歯車39に噛合しており、該カウ
ンター軸38の他端に形設された歯車40は、クリープ
変速軸36に固設された前記伝達歯車37に噛合する。
従って、逆転側歯車27の回転は、カウンター軸38を
介して該クリープ変速軸36を逆転方向に回転させる。
また、該クリープ変速軸36の伝達歯車37に噛合する
正転側歯車26を介して、それに連結された副変速軸3
5を逆転方向に回転させる。
【0017】副変速軸35の後部には副変速機構とクリ
ープ変速機構が設けられ、副変速第二軸45が同一軸心
上に配置され遊転可能としており、該副変速第二軸45
にはクリープ変速歯車46が遊嵌される。該クリープ変
速歯車46はクリープ変速軸36に形設した歯車47に
噛合している。また、副変速第二軸45には入力クラッ
チスライダ91が軸方向摺動可能にスプライン嵌合さ
れ、図示せぬクリープ変速レバーに連係されている。従
って、該入力クラッチスライダ91は、上記クリープ変
速レバーの操作により副変速軸35又はクリープ変速歯
車46のいずれかに噛み合って、その回転を副変速第二
軸45に伝達可能としている。即ち、該入力クラッチス
ライダ91の摺動に基づく選択により、副変速軸35の
回転又は副変速軸35からクリープ変速軸36によるク
リープ変速を経た回転のいずれかが、副変速第二軸45
に入力される。
【0018】また、出力軸48が副変速第二軸45と平
行に軸支され、該出力軸48には二枚の伝達歯車49・
50が固設される。該伝達歯車49・50は副変速第二
軸45に遊嵌された二枚の変速歯車59・60に噛合し
ている。また、副変速第二軸45には出力クラッチスラ
イダ92が軸方向摺動可能にスプライン嵌合されてい
る。該出力クラッチスライダ92は図略の副変速レバー
に連係されている。従って、副変速レバーの操作により
出力クラッチスライダ92が摺動され、二枚の変速歯車
59・60のいずれかに噛み合って、該副変速第二軸4
5の回転を二枚の変速歯車59・60のいずれかに伝達
可能としている。従って、出力クラッチスライダ92の
摺動に基づく選択により、副変速第二軸45の回転が二
段の変速を経て出力され、出力軸48に入力される。
【0019】前記ミッションケース9後部には後輪デフ
装置66bが配置され、前記出力軸48の回転が、その
後端に形設したベベルギア20を介して該後輪デフ装置
66bに入力され、リアアクスルケース内の車軸、伝達
歯車等を経由して後輪2を駆動する。96はブレーキ装
置である。
【0020】次に、PTO伝動系について説明する。即
ち、ミッションケース9内の前部には主軸25と平行に
PTOクラッチ軸29が配置され、該PTOクラッチ軸
29には四枚のPTO変速歯車、即ち、PTO一速歯車
61、PTO二速歯車62、PTO三速歯車63、PT
O四速歯車64が遊嵌される。該PTO変速歯車61・
62・63・64は、主軸25に固設あるいは形設した
四枚の前記伝達歯車41・42・43・44に噛合して
おり、主軸25の回転により該PTO変速歯車61・6
2・63・64が異なる回転数で回転される。
【0021】また、PTOクラッチ軸29にはPTO逆
回転用歯車65が遊嵌され、該PTO逆回転用歯車65
は、主変速軸24に遊嵌された前述の主変速一速歯車3
1に噛合している。即ち、該主変速一速歯車31は、P
TO逆転付与機構のアイドルギアとしての役割をも果た
す。
【0022】また、PTOクラッチ軸には二つのPTO
クラッチスライダ93・94が軸方向摺動可能にスプラ
イン嵌合される。また、該PTOクラッチスライダ93
・94は、図略のPTO変速レバーに連係されている。
従って、両PTOクラッチスライダ93・94の摺動に
基づく選択により、主軸の回転が四段階の変速を経た後
にPTO軸に伝達される。また、主変速一速歯車31、
PTO逆回転用歯車65を介して、主軸25の回転が正
逆変換されてPTOクラッチ軸29に伝達される。即
ち、正転四速、逆転一速の変速が両軸25・29の間に
行われる。前記PTOクラッチ軸29はPTO軸15に
相対回転不能に連結される。該PTO軸15は後方に延
出され、作業車後端に接続された作業機100を駆動す
る。
【0023】次に、前輪駆動系について説明する。即
ち、前記PTO軸15にはパイプ状の前輪入力軸55が
遊転可能に外嵌され、該前輪入力軸55と平行に前輪駆
動出力軸30が軸支される。前記前輪入力軸55には入
力歯車67が固設され、該入力歯車67は前記後輪2を
駆動するための伝動系の途中に配置した出力軸48に固
設された伝達歯車49に噛合している。そして、前輪入
力軸55上に固設した歯車19より前輪駆動出力軸30
上に遊嵌した前輪駆動入力歯車69から本発明の2輪・
4輪駆動切替機構79を介して前輪駆動出力軸30の前
端に連結する前輪伝達軸14に伝え、ユニバーサルジョ
イント等を介して前輪側のデフ装置66aに入力され、
フロントアクスルケース内の車軸、伝達歯車等を介して
前輪1を駆動する。
【0024】次に本発明の2輪・4輪駆動切替機構79
について、図3より説明する。前記前輪駆動出力軸30
は前記ミッションケース9の前下部に、出力軸23や主
変速軸24やPTO軸15等と平行に前後方向にベアリ
ングを介して回転自在に支持され、前輪駆動出力軸30
の前端はミッションケース9より前方に突出されてい
る。該前輪駆動出力軸30上には前輪駆動入力歯車69
が遊嵌され、その前部にスライダ80が軸心方向に摺動
可能にスプライン嵌合され、さらにその前部に受板81
が外嵌されている。該スライダ80と受板81の間に複
数のスプリングが外嵌されており、本実施例では径が異
なり、バネ荷重特性の異なるスプリング82・83が二
重に外嵌されて、スライダ80を前輪駆動入力歯車69
側へ押すように付勢している。
【0025】該スライダ80と前輪駆動入力歯車69が
対向する面にはそれぞれ咬合体となるクラッチ爪80a
・69aが形成され、前記スプリング82・83の付勢
力で押されて咬合するように構成している。そして、該
前輪駆動入力歯車69の側面に形成したシリンダー部6
9bに押圧体となる解除ピストン84が挿入され、該解
除ピストン84を軸心と平行に摺動可能として、スライ
ダ80側に突出可能に配置して、前輪駆動入力歯車69
に解除ピストン84が一体的に設けられている。なお、
図3において、上側はクラッチ爪80a・69aが咬合
している状態を示し、下側は解除状態を示している。該
スライダ80と解除ピストン84の間にはスラストベア
リング85が介装され、解除ピストン84を伸長させた
ときに、該解除ピストン84は前輪駆動入力歯車69と
ともに回転するが、スライダ80には動力が伝達されな
いため、両者の間での抵抗が小さくなるようにスラスト
ベアリング85を介装している。また、該スラストベア
リング85は前記クラッチ爪80a・69aよりも内周
(軸心)側で前輪駆動出力軸30の外周側に配置され
て、コンパクトに配置されて、2輪・4輪駆動切替機構
79が大きくならないようにしている。
【0026】そして、前記シリンダー部69bには前輪
駆動入力歯車69に形成した油路69cが連通され、該
油路69cは更に前輪駆動出力軸30に穿設した油路3
0aと連通され、該油路30aはミッションケース9上
またはその前部に連設したクラッチハウジング7に付設
した切換バルブ86と接続される。該切換バルブ86は
電磁バルブより構成され、該電磁バルブを構成するソレ
ノイド86aは制御回路87を介して切替スイッチ88
と接続されている。該切替スイッチ88は前記ステアリ
ングハンドル10またはシート11近傍に配置されて、
走行時や作業時等において作業者が容易に操作できるよ
うにしている。
【0027】また、前記制御回路87には車軸またはミ
ッションケース9内の変速軸上に配置した車速センサ
ー、または、副変速装置のスライダ位置または副変速レ
バー等の変速位置を検知するための検知手段95と接続
されている。このような構成で制御回路87は、走行車
両が設定車速以上の高速走行を行なっている時、また
は、副変速が高速段に変速しているときは、切替スイッ
チ88を操作してもソレノイド86aは作動されず、4
輪駆動に切り替えることができないように制御してい
る。また、設定速度以下で走行している時、または、低
速段に変速しているときには、切替スイッチ88を操作
すると、前記切換バルブ86が切り換えられて4輪駆動
とするように制御している。
【0028】このように構成することによって、図3の
上側に示すように、クラッチ爪80a・69aが咬合し
た4輪駆動の状態においては、スライダ80と前輪駆動
入力歯車69と解除ピストン84は一体的に回動して、
歯車19から前輪駆動入力歯車69→クラッチ爪69a
・80a→スライダ80→前輪駆動出力軸30→前輪伝
達軸14等を介して前輪1に動力が伝達されて、4輪駆
動状態となる。そして、路上走行する場合等で切替スイ
ッチ88をON(2輪駆動側に操作)すると、ソレノイ
ド86aが作動して切換バルブ86が切り換えられて、
圧油がシリンダー部69bに送油されて解除ピストン8
4が突出するように伸長摺動する。この摺動によってス
ラストベアリング85を介してスライダ80が離れる方
向に押されて摺動し、図3下側に示すように、クラッチ
爪80a・69aの咬合が解除され、前輪駆動入力歯車
69から前輪駆動出力軸30への動力伝達が断たれて、
スライダ80と前輪駆動入力歯車69の間ではスラスト
ベアリング85で空回りとなり、後輪2のみが駆動され
る2輪駆動となるのである。
【0029】また、切替スイッチ88をOFF(4輪駆
動側に操作)することによって、ソレノイド86aが非
作動となって切換バルブ86が切り換えられて、シリン
ダー部69bへの圧油の送油が断たれて、スライダ80
はスプリング82・83の付勢力により押されて摺動
し、解除ピストン84は縮小する方向に摺動する。この
とき、スライダ80及び解除ピストン84はスプリング
82・83の付勢力により摺動するのであるが、初期摺
動時はスプリング82・83の付勢力が大きく摺動速度
が速く、素早くクラッチ爪80a・69aを咬合させ、
ストロークエンドに近づくに従い摺動速度が落ちる。つ
まり、クラッチ爪80aとクラッチ爪69aが咬合する
瞬間においては大きなバネ力で付勢して、爪と爪が咬合
せずに飛んで傷めることを防止して確実に咬合し、その
後は噛み合った状態を維持できるバネ力で付勢するよう
にしている。なお、このスプリングの数や径等は、動力
を断接する力や伝動するトルク等に合わせて適宜変更す
ることができる。
【0030】こうしてクラッチ爪80a・69aが咬合
することによって前述のように前輪駆動入力歯車69か
らクラッチ爪69a・80aやスライダ80を介して前
輪駆動出力軸30を駆動して、前輪1にも動力が伝達さ
れ、後輪2とともに駆動されて、4輪駆動とすることが
できる。
【0031】更に、クラッチ爪80aとクラッチ爪69
aの咬合時に於けるショックを小さくすることもでき
る。即ち、図4に示すように、クラッチ爪69a・80
aの外周側または内周側にバネ89と該バネ89にて付
勢される摩擦板90をそれぞれ設け、該摩擦板90・9
0を対向して配置する。そして、該摩擦板90・90は
クラッチ爪69a・80aよりも突出して配置する。但
し、バネ89の付勢力は前記スプリング82と83を合
わせた力よりも小さく設定し、また、バネ89は一方の
み配置する構成としてもよい。また、クラッチ爪69a
・80aが完全に咬合した状態ではバネ89が縮小して
摩擦板90が退避するように構成する。
【0032】このように構成することによって、軟弱地
等を走行したり、作業するために、2輪駆動の状態から
4輪駆動に切り替えるときには、切替スイッチ88をO
FFとして切換バルブ86を切り換えて、解除ピストン
84を押すための圧油の送油を断ち、スプリング82・
83の付勢力によりスライダ80を押す。すると、先ず
摩擦板90・90が接触してスライダ80が連れ回りを
開始し、ある程度スライダ80と前輪駆動入力歯車69
の回転数が近づいた時点で、クラッチ爪80aとクラッ
チ爪69aが咬合して、爪を傷めることなくスムースに
クラッチ爪を「接」として前輪駆動入力歯車69から前
輪駆動出力軸30への動力を伝達することができる。
【0033】逆に、4輪駆動の状態から2輪駆動に切り
替えるときには、切替スイッチ88をONとして切換バ
ルブ86を切り換えて、解除ピストン84を押し、クラ
ッチ爪80aとクラッチ爪69aの咬合を解除して離
す。このとき摩擦板90・90は接触しているため、動
力伝達はある程度行なわれており、駆動力の急激な開放
はなく、爪を傷めることはなくなるのである。そして、
解除ピストン84のストロークエンドに達すると、摩擦
板90・90の間は開き動力は完全に伝達されなくな
り、2輪駆動となる。
【0034】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したことに
より、次のような効果が得られる。即ち、請求項1の如
く、前輪駆動出力軸上に、変速後の動力を伝達する前輪
駆動入力歯車と前輪駆動出力軸との間に動力の断接を行
なうクラッチを設けて、2輪駆動と4輪駆動を切替可能
とした走行車両であって、前記前輪駆動出力軸上を摺動
可能とするスライダと前記前輪駆動入力歯車とにそれぞ
れ咬合体を設け、該咬合体を解除方向に摺動させる押圧
体を該前輪駆動入力歯車に一体的に設けたので、多板式
クラッチ等と比べて構成が簡単となり、2輪・4輪駆動
切替機構をコンパクトに構成することができる。また、
前輪駆動入力歯車が押圧体を収納するシリンダーを構成
するので、部品点数を減少できてコスト低減化も図れる
のである。
【0035】また、請求項2の如く、前記スライダと押
圧体の間にスラストベアリングを配置したので、押圧体
を作動させたクラッチ断の状態で、入力軸は回転駆動さ
れているが、スライダは非駆動状態であり、その間をス
ラストベアリングで回転自在に解除状態を維持でき、両
者の間の抵抗を極力小さくできる。
【0036】また、請求項3の如く、前記スライダはバ
ネ特性の異なる複数のスプリングで前記咬合体が咬合す
る方向に付勢されるので、スライダの摺動範囲内におけ
る各位置での付勢力を設定することが可能となり、咬合
時や解除時のバネ圧を適正に設定することが可能とな
り、スムースにクラッチの断接を行なうことが可能とな
る。
【0037】また、請求項4の如く、前記スライダと前
輪駆動入力歯車の間には摩擦体が配置されているので、
咬合する前段で摩擦体が接触して連れ回りすることにな
り、回転が徐々に伝わり、急激に断接することがなく、
スムースに2輪駆動と4輪駆動を切り替えることが可能
となる。
【0038】また、請求項5の如く、前記押圧体は切換
バルブの切換により圧油が送油されて作動し、該切換バ
ルブは低速時のみ作動して4輪駆動となるので、高速時
には4輪駆動に切り替えることができず、2輪駆動で走
行することとなり、エネルギーの無駄がなく走行可能と
なり、また、低速時にはスイッチ等の操作で容易に4輪
駆動とすることができて、グリップ力を高めて安定した
走行が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】走行車両の側面図である。
【図2】動力伝達構成を示したスケルトン図である。
【図3】本発明の2輪・4輪駆動切替機構を示すミッシ
ョンケース下部の側面断面図である。
【図4】同じく他の実施例を示す一部側面断面図であ
る。
【符号の説明】
30 前輪駆動出力軸 69 前輪駆動入力歯車 80 スライダ 80a・69a 咬合体(クラッチ爪) 82・83 スプリング 84 押圧体(解除ピストン) 85 スラストベアリング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D036 GA14 GB05 GD04 GH05 GJ13 3D043 AA06 AB12 AB17 BA06 EA02 EA17 EA32 EA42 EB03 EB06 EB12 EE06 EF06 EF12 EF19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前輪駆動出力軸上に、変速後の動力を伝
    達する前輪駆動入力歯車と前輪駆動出力軸との間で動力
    の断接を行なうクラッチを設けて、2輪駆動と4輪駆動
    を切替可能とした走行車両であって、前記前輪駆動出力
    軸上を摺動可能とするスライダと前記前輪駆動入力歯車
    とにそれぞれ咬合体を設け、該咬合体を解除方向に摺動
    させる押圧体を該前輪駆動入力歯車に一体的に設けたこ
    とを特徴とする2輪・4輪駆動切替機構。
  2. 【請求項2】 前記スライダと押圧体の間にスラストベ
    アリングを配置したことを特徴とする請求項1記載の2
    輪・4輪駆動切替機構。
  3. 【請求項3】 前記スライダはバネ特性の異なる複数の
    スプリングで前記咬合体が咬合する方向に付勢されるこ
    とを特徴とする請求項2記載の2輪・4輪駆動切替機
    構。
  4. 【請求項4】 前記スライダと前輪駆動入力歯車の間に
    は摩擦体が配置されていることを特徴とする請求項2記
    載の2輪・4輪駆動切替機構。
  5. 【請求項5】 前記押圧体は切換バルブの切換により圧
    油が送油されて作動し、該切換バルブは低速時のみ作動
    して4輪駆動となることを特徴とする請求項1記載の2
    輪・4輪駆動切替機構。
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