JPH10339337A - ワンウェイクラッチ - Google Patents

ワンウェイクラッチ

Info

Publication number
JPH10339337A
JPH10339337A JP14319298A JP14319298A JPH10339337A JP H10339337 A JPH10339337 A JP H10339337A JP 14319298 A JP14319298 A JP 14319298A JP 14319298 A JP14319298 A JP 14319298A JP H10339337 A JPH10339337 A JP H10339337A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cam
driven
drive
gear
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP14319298A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3039514B2 (ja
Inventor
Fumiaki Nishikawa
文顕 西川
Nozomi Kataue
望 片上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Original Assignee
Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Iseki and Co Ltd, Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd filed Critical Iseki and Co Ltd
Priority to JP10143192A priority Critical patent/JP3039514B2/ja
Publication of JPH10339337A publication Critical patent/JPH10339337A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3039514B2 publication Critical patent/JP3039514B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】例えば農用トラクタ等の四輪駆動車輌に利用す
るワンウェイクラッチにおける強制駆動状態を得る構成
の小型コンパクト化をはかる。 【解決手段】駆動側一次軸37と被動側二次軸49との
間に、ドライブカム51と、センタカム53と、ドリブ
ンカム52とを、常時は歯67,68,…が非噛合状態
になるようセンタカム53をドリブンカム52から離反
すべく付勢するリターンスプリング56を設け、上記ド
ライブカム51を挟んでセンタカム53とは反対側にロ
ックスリーブ55を設け、このロックスリーブ55とセ
ンタカム53との間にはドライブカム51のハブ51b
を貫通してロックピン70を設け、ロックスリーブ55
の移動によってロックピン70がセンタカム53を上記
付勢力に抗して歯を噛合すべく構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば農用トラ
クタ等の四輪駆動車輌に利用するワンウェイクラッチに
関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】例え
ば実開平1−95437号公報に開示されるように、農
用トラクタの前輪駆動系等において、駆動側一次軸から
被動側二次軸への動力伝達経路途中に、被動側高速回転
を許容すべくワンウェイクラッチを介在する構成とする
が、必要に応じて強制的に両軸を連結する必要があるた
め、上記の公知技術においては、ワンウェイクラッチを
迂回すべく別な伝動経路を構成し、スライドギヤとクラ
ッチギヤとを噛み合わせることによって、上記強制連結
を実現している。
【0003】上記の公知技術では、別な伝動経路を構成
する必要があるため、構成を複雑化し全体構成が大きく
なってしまう欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は上記の欠点を
解消しようとするもので、駆動側一次軸37と被動側二
次軸49との間に、凸部63を有するドライブカム51
と、片面にこの凸部63に係合して連動回転しうる凹部
65を他面に歯67,…を夫々備えたセンタカム53
と、この歯67,…に噛み合うよう対向する歯68,…
を有したドリブンカム52とを、常時はこれら歯67,
68,…が非噛合状態になるようセンタカム53をドリ
ブンカム52から離反すべく付勢するリターンスプリン
グ56を設け、上記一次軸37又は二次軸49に上記ド
ライブカム51又はドリブンカム52を一体的に設けて
なるワンウェイクラッチ50において、上記ドライブカ
ム51を挟んでセンタカム53とは反対側にロックスリ
ーブ55を設け、このロックスリーブ55とセンタカム
53との間にはドライブカム51のハブ51bを貫通し
てロックピン70を設け、ロックスリーブ55の移動に
よってロックピン70がセンタカム53を上記付勢力に
抗して歯67,68,…を噛合すべく構成するものであ
る。
【0005】
【作用、及び発明の効果】駆動側一次軸37が回転する
と、ドライブカム51が回転し、センタカム53も回転
する。このセンタカム53の回転は、リターンスプリン
グ56に抗してセンタカム53を前方に移動させ、セン
タカム53の歯67,…とドリブンカム52の歯68,
…が噛み合いワンウェイクラッチ50は「入」となり、
センタカム53からドリブンカム52ひいては二次軸4
9へ動力が伝達される。また、二次軸49側が速く回転
するときは、ドリブンカム52でセンタカム53を回転
させる作用が生じ、その結果リターンスプリング56の
作用でドライブカム51の凸部63はセンタカム53の
凹部65に押しつけられた状態となって、センタカム5
3とドリブンカム52とは互いに離反し、ワンウェイク
ラッチ50は「切」となり伝動が断たれる。
【0006】また、被動側二次軸49を一次軸回転に固
定するときは、ロックスリーブ55を作動させる。この
スリーブ55の移動によりロックピン70はセンタカム
53を押して歯67,…をドリブンカム52の歯68,
…に噛み合わせるものであるが、このロックピン70は
ロックスリーブ55とセンタカム53との間においてド
ライブカム51のハブ51bを貫通して設けられる形態
であるから、ロックスリーブ55をドライブカム51に
接近して構成でき、かつドライブカム51とセンタカム
53との凹凸係合部を避けて軸周に接近して構成でき、
ロック機構を全体としてコンパクトに構成できる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下この発明の一実施例を図面に
基づき説明する。図1は四輪駆動車輌の一例である農用
トラクタの側面図であり、このトラクタ1は、操舵輪と
しての左右一対の前輪2,2及び非操舵輪としての後輪
3,3を備え、機体の前部にエンジン4が搭載され、そ
の後部にクラッチハウジング6が固着され、さらにその
後方にミッションケース5が設けられている。クラッチ
ハウジング6の後部から後方に向けて延出する出力軸8
とミッションケース5から前方に向けて軸架された入力
軸10との間に、ユニバーサルジョイント11が着脱自
在に連結されている。これら出力軸8および入力軸10
の突出部とユニバーサルジョイント11の上方および側
方は、クラッチハウジング6とミッションケース5を連
結するカバー9で覆われている。
【0008】つぎに、図3および図4に示すミッション
ケース5内の構造について説明する。入力軸10の後端
部に一体に設けられたギヤ12は、変速軸14の前端部
に取り付けた入力ギヤ15と常時咬み合っている。変速
軸14には主変速駆動ギヤとして1速ギヤ16と、R速
ギヤ17と、2速ギヤ18と、大径ギヤ19aおよび小
径ギヤ部19bを有する3速ギヤ19がそれぞれ回転自
在に嵌合し、一方、変速軸14に対向するドライブシャ
フト20には大径ギヤ部21a、中径ギヤ部21bおよ
び小径ギヤ部21cを有する主変速従動ギヤ21が回転
自在に遊嵌しており、1速ギヤ16は従動ギヤの大径ギ
ヤ部21aに常時噛合し、2速ギヤ18は従動ギヤの中
径ギア部21bに常時噛合し、3速ギヤの大径部19a
は従動ギヤの小径ギヤ部21cに常時噛合している。ま
た、R速ギヤ17はバックアイドルギヤ22を介して従
動ギヤの中径部21bに噛合している。1速ギヤ16と
R速ギヤ17の間隔部にシフタ24が、2速ギヤ18と
3速ギヤ19の間隔部にシフタ25が、いずれも変速軸
14にスプライン嵌合した状態で設けられており、これ
らシフタ24,25を軸方向に移動させて上記主変速駆
動ギヤ16〜19に選択的にスプライン嵌合させ、いず
れかの主変速駆動ギヤを変速軸14と一体化することに
より主変速を行なう。すなわち、1速ギヤ16が伝動一
体化されると前進1速、2速ギヤ18が伝動一体化され
ると前進2速、3速ギヤ19が伝動一体化されると前進
2速。3速ギヤ19が伝動一体化されると前進3速、R
速ギヤ17が伝動一体化されると後進速となる。
【0009】ドライブシャフト20には、前記主変速医
従動ギヤ21とは別に大径ギヤ部27aと小径ギヤ部2
7bを有する副変速要の低速ギヤ27が固定位置に回転
自在に嵌合しているとともに、この低速ギヤ27と主変
速従動ギヤ21の間隔部に副変速ギヤ29が軸方向に摺
動自在に設けられている。なお、低速ギヤの大径ギヤ部
27aは3速ギヤの小径部19bに常時噛合している。
副変速ギヤ29を主変速従動ギヤ21とスプライン嵌合
させると、主変速従動ギヤ21から副変速ギヤ29に直
接動力が伝達され、高速伝動が行なわれる。また、副変
速ギヤ29を低速ギヤ27にスプライン嵌合させると、
主変速従動ギヤ21から3速ギヤ29、低速ギヤ27を
経由して副変速ギヤ29に動力が伝達され。低速伝動が
行なわれる。
【0010】さらに、ドライブシャフト20と平行に固
定軸31が設けられており、該固定軸にクリープギヤ3
2を回転自在に取り付けることができるようになってい
る。副変速ギヤ29をニュートラル位置にしてクリープ
ギヤ32を取り付けると、その大径部32aが低速ギヤ
の小径部27bと噛合し、その小径部32bが副変速ギ
ヤ29に噛合し、前記低速伝動状態よりもさらに減速さ
せることができる。なお、このクリープ変速機構は必ず
しも設ける必要はなく、任意に装備するようにしておけ
ばよい。
【0011】ドライブシャフト20の回転動力はリヤデ
フ装置34に伝えられ、該リヤデフ装置からリヤアクス
ル(図示省略)等を介して左右の後輪3,3に伝えられ
る。さらに、ドライブシャフト20には前輪動力取出用
ギヤ35が取り付けられており、ドライブシャフト20
の回転動力は、この動力取出用ギヤ35から、3速ギヤ
19の後端部に回転自在に嵌合するカウンタギヤ36を
介して、前輪駆動一次軸37の後端部に取り付けた前輪
動力取込用ギヤ38にも伝達される。
【0012】また、変速軸14の後端部はPTO変速軸
40に接続されている。このPTO変速軸40には歯数
の異なる第1、第2、第3駆動ギヤ41,42,43が
一体に設けられている。PTO変速軸40と平行に支承
されたPTO軸45には、第1駆動ギヤ41と常時噛合
する第1従動ギヤ46が定位置に回転不能に嵌合してい
るとともに、大径ギヤ部47aと小径ギヤ部47bを有
する第2従動ギヤ47が軸方向に摺動自在かつ回転不能
に設けられている。第1従動ギヤ46の爪46aと第2
従動ギヤ47の爪47cを係合させると低速、第2駆動
ギヤ42と第2従動ギヤの大径ギヤ部47aを噛合させ
ると中速、第3駆動ギヤ43と第2従動ギヤの小径ギヤ
部47bを噛合させると高速となり、3段階の伝動比に
選択的に切り替えることができるようになっている。な
お、PTO軸45の後端部は機体の背面部からケース外
に突出している。
【0013】前輪駆動一次軸37の前方には同軸心上に
前輪駆動二次軸49が支承されており、両軸37,49
の接続部にワンウェイクラッチ50が設けられている。
ワンウェイクラッチ50は、一次軸37の前端部に一体
に取り付けたドライブカム51、二次軸49の後端部に
一体に取り付けたドリブンカム52、両カム51,52
の間に回転自在かつ前後動自在に設けられたセンタカム
53、上記各カムを収容する回転ドラム54、ロック装
置用のロックスリーブ55、センタカム53をドライブ
カム51側に付勢するリターンスプリング56等を備え
てなる。図中の57はセンタカム53の外周面から後方
に延出する板状の抵抗アームで、回転ドラム54に穿設
された通孔58を挿通している。また、60はブレーキ
シューで、図5に示す如く、その外周部に設けたスプリ
ング61によって前記アーム57に抵抗を付与する方向
に付勢されている。
【0014】ドライブカム51の前端面外周部には、セ
ンタカム53に回転動力を伝える傾斜面を63aを有す
る凸部63と、回転動力を伝えない凹部64とが交互に
設けられており、一方、これに対向するセンタカム53
の後端面外周部にも、ドライブカム51から回転動力を
受ける傾斜面65aを有する凹部65と、動力伝達に関
与しない平坦部66とが交互に設けられている。ドライ
ブカム51の凸部63及びセンタカム53の凹部65
は、逆回転方向の回転動力をセンタカム53かドライブ
カム51に伝達する傾斜面63b,65bも有してい
る。また、センタカム53とドリブンカム52の対向面
の外周部には断面台形状の歯67,…,68,…が形成
されており、両カムの歯が噛み合っているときはセンタ
カム53の回転がドリブンカム52に伝えられ、センタ
カム53が後方に僅かに移動してその噛合が解けると伝
動が停止されるようになっている。ドリブンカム52が
回転するときは前後輪2,2,3,3がともに駆動され
る四輪駆動状態となり、ドリブンカム52が停止してい
るときは後輪3,3のみが駆動される二輪駆動状態とな
る。なお、ドライブカム51とセンタカム53の伝動部
の圧力角θ1の方がセンタカム53とドリブンカム52
の伝動部の圧力角θ2よりも大きく(θ1>θ2)なって
いる。
【0015】ロックスリーブ55は、ドライブカム51
の筒部51aの外周部に摺動自在に嵌合している。ロッ
クスリーブ55の前面部に突設されたロックピン70,
…は、ドライブカム51のハブ51bに穿設した通孔7
1,…を貫通して前方に突出し、その先端部がセンタカ
ム53の後面に対向している。ロックスリーブ55には
環状の係合溝72が設けられており、アーム支持軸74
に取り付けたロック操作部材73のアーム73aの先端
部がこの係合溝72に係合している。ロック操作部材7
3はアーム支持軸74に対して摺動自在に設けられてお
り、後記作動手段でロック操作部材73でロックスリー
ブ55を前向きに移動させると、ロックピン70,…に
よってセンタカム53が前方に押し出され、該センタカ
ム53の歯67,…がドリブンカムの歯68,…と常時
噛合するようになり、四輪駆動状態に固定される。
【0016】本実施例では、上記ロック装置の作動手段
としてモータ75が使用されている。このモータ75は
ミッションケース5の上部前方に設けられ、その出力軸
に取り付けたピニオン軸76に前記アーム支持軸74の
前方に設けたウォームギヤ77が噛合し、さらに該ウォ
ームギヤ77の雌ねじ部78にアーム支持軸74の延長
軸79に形成された雄ねじ部80が螺合している。ロッ
ク操作部材73はスプリング81によって延長軸79側
に付勢され、両者73,79は互いに突き合った状態と
なっており、延長軸79からロック操作部材73に軸方
向の押圧力は伝わるが、回転力は伝わらないようになっ
ている。モータ75を所定方向に回転させると、ピニオ
ン76に噛合するウォームギヤ77が一定方向に回転
し、延長軸79が前方に移動する。これに伴い、スプリ
ング81の反発力によってロック操作部材73も前方に
移動し、前述の如くワンウェイクラッチ50が「入」に
固定され、四輪駆動状態に保持される。この状態からモ
ータ75を逆向きに回転させると、延長軸79がロック
操作部材73を後方に押圧することにより、ロック操作
部材73によるセンタカム53の拘束が解除され、ワン
ウェイクラッチ50がフリーになる。
【0017】なお、図1における85は操縦ハンドル、
86はフェンダ、87はフロントアクスルハウジングで
ある。フロントアクスルハウジング87内には前輪デフ
装置(図示せず)が設けられ、前輪駆動二次軸49の回
転動力がユニバーサルジョイント88を介して前輪デフ
装置に伝えられ、さらにフロントアクスルハウジング8
7内において水平横向きに回転軸架された駆動軸(図示
せず)を介して前輪2,2を回転駆動する。
【0018】つぎにこのトラクタ1の動力伝動例の作動
説明を行なう。この動力伝達系においては、エンジン4
の回転動力は、主変速装置および副変速装置で主変速及
び副変速を行なった後、後輪駆動系のドライブシャフト
20に伝えられるとともに、このドライブシャフト20
から分岐して前輪駆動系の前輪一次軸37に伝えられ、
さらに前輪駆動一次軸37からワンウェイクラッチ50
を介して前輪駆動二次軸49に伝えられる。このワンウ
ェイクラッチ50は、一次軸37から二次軸49への順
方向にのみ伝動が可能で、前輪2,2の走行抵抗に応じ
て適宜自動的に入/切に切り替えられるようになってい
るのである。
【0019】エンジン停止時や主変速もしくは副変速が
ニュートラル位置にあるときは、後輪駆動系にも前輪駆
動系にも伝動が行われておらず、このときワンウェイク
ラッチ50は、図6(a)に示すように、リターンスプ
リング56によってセンタカム53がドライブカム51
側に押し付けられた状態となっており、センタカム53
とドリブンカム52とは互いに離反している。
【0020】前輪駆動一次軸37が回転すると、ドライ
ブカム51が回転することによりセンタカム53も回転
するが、該センタカム53が回転することにより抵抗ア
ーム57とブレーキシュー60との間に摩擦力が発生
し、この摩擦による抵抗力がリターンスプリング56の
反発力に抗してセンタカム53を前方に移動させ、図6
(b)に示すように、センタカム53の歯67,…とド
リブンカム52の歯68,…が噛み合い、センタカム5
3からドリブンカム52へも動力が伝達されるようにな
る。すなわち、直進時の通常の走行時にはワンウェイク
ラッチ50が「入」となり、四輪駆動状態となる。
【0021】旋回時等には、機体に押されて前輪2,2
が速く回転しようとするため、ドリブンカム52でセン
タカム53を回転させる作用が生じる。その結果、図6
(c)で示すように、ドライブカム51の傾斜面63a
からセンタカム53の傾斜面65aが離れて二輪駆動状
態となる。さらに、リターンスプリング56の押圧作用
と歯58,…の反力によってセンタカム53がドライブ
カム51側に押し戻され、図6(d)に示すように、セ
ンタカム53とドリブンカム52の噛合も外れ、各カム
51,52,53が各々フリーとなる。この状態では、
前輪2,2は後輪3,3よりもオーバーラン可能である
ので、旋回を円滑に行なうことができる。センタカム5
3の回転数がドライブカム51の回転数以下になると、
再び両者の傾斜面63a,65aが当接して、ドライブ
カム51とセンタカム53が伝動連結されるとともに、
それにともないセンタカム53が前方に移動して、セン
タカム53とドリブンカム52も伝動連結され、四輪駆
動状態になる。この時点でまだ前輪2,2が機体に押さ
れた状態にあるときは、上記と同様の動作を行ない二輪
駆動状態に戻る。すなわち、オーバラン中は図6
(b),(c),(d)の動作を順に繰り返す。そし
て、旋回を完了し、前輪2,2の回転数が一定以下にな
ると、四輪駆動状態に自動的に固定される。
【0022】なお、地盤が軟弱な圃場等では、旋回中に
二輪駆動状態となっても、路面抵抗により前輪2,2が
充分回転せず、後輪3,3がスリップをするが、スリッ
プによって機体の移動速度が低下すると、ドリブンカム
52の回転数よりもドライブカム51の回転数の方が大
きくなり、すぐに四輪駆動状態に復帰するので、容易に
スリップを脱出することができるのである。
【0023】上記の動作は機体が後進する場合について
も当てはまり、その場合は、傾斜面63bと傾斜面65
bを通じてドライブカム51からセンタカム53へ伝動
が行なわれるとともに、歯67と歯68の前記と反対側
の面を通じてセンタカム53とドリブンカム52との伝
動が行なわれる。また、このワンウェイクラッチ50は
坂道等でも有効であり、たとえば下り坂で前輪2,2の
回転数が強制駆動力を受けて回転する速さよりも大きく
なるときは二輪駆動状態となり、逆に登り坂で後輪3,
3がスリップを起こし、前輪2,2の回転数が所定の回
転数まで低下すると再び四輪駆動状態に復帰して推進力
を向上させるようになっている。
【0024】このように、ワンウェイクラッチ50を設
けることにより、四輪駆動状態と二輪駆動状態とに適宜
切り替えられ、旋回や坂道操向を円滑に行なうことがで
きるのである。装着する作業機の種類によって大きな推
進力を必要とする場合や、前輪に対してエンジンブレー
キが必要な場合等には、ロック状態でワンウェイクラッ
チ50の機能を四輪駆動状態に固定することができる。
このロック装置はモータ75で駆動するようになってい
るので動作が確実である。なお、ロック装置の駆動手段
としては、モータ以外のアクチュエータ、例えばソレノ
イド等を使用してもよい。
【0025】以上、ワンウェイクラッチ50で四輪駆動
状態と二輪駆動状態に適宜切り替えることにより、旋回
を円滑に、かつ小半径で行えるとともに、例えば従来車
両のように前輪の高低速切替時にショックが生じるとい
った問題も解消できる。また、ワンウェイクラッチ50
を常時「入」の状態に固定し、四輪駆動状態に保持する
ロック装置も設けられているので、大きなトレーラを牽
引して坂道を下る場合でも、前輪にエンジンブレーキが
かかり、安全に走行できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】農用トラクタの側面図。
【図2】ミッションケースの正面図。
【図3】図2におけるA−A断面図。
【図4】図2におけるB−B断面図。
【図5】図4におけるC−C断面図。
【図6】ワンウェイクラッチの動作を説明するための模
式図。
【符号の説明】
1…トラクタ(四輪駆動車両)、2…前輪(操舵輪)、
3…後輪(非操舵輪)、5…ミッションケース、20…
ドライブシャフト、37…前輪駆動(駆動側)一次軸、
49…前輪駆動(被動側)二次軸、50…ワンウェイク
ラッチ、51…ドライブカム、51b…ハブ、52…ド
リブンカム、53…センタカム、55…ロックスリー
ブ、56…リターンスプリング、63…凸部、65…凹
部、67,68…歯、70…ロックピン、71…通孔、
73…ロック操作部材、75…モータ(アクチュエー
タ)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動側一次軸37と被動側二次軸49と
    の間に、凸部63を有するドライブカム51と、片面に
    この凸部63に係合して連動回転しうる凹部65を他面
    に歯67,…を夫々備えたセンタカム53と、この歯6
    7,…に噛み合うよう対向する歯68,…を有したドリ
    ブンカム52とを、常時はこれら歯67,68,…が非
    噛合状態になるようセンタカム53をドリブンカム52
    から離反すべく付勢するリターンスプリング56を設
    け、上記一次軸37又は二次軸49に上記ドライブカム
    51又はドリブンカム52を一体的に設けてなるワンウ
    ェイクラッチ50において、上記ドライブカム51を挟
    んでセンタカム53とは反対側にロックスリーブ55を
    設け、このロックスリーブ55とセンタカム53との間
    にはドライブカム51のハブ51bを貫通してロックピ
    ン70を設け、ロックスリーブ55の移動によってロッ
    クピン70がセンタカム53を上記付勢力に抗して歯6
    7,68,…を噛合すべく構成してなるワンウェイクラ
    ッチ。
JP10143192A 1998-05-25 1998-05-25 ワンウェイクラッチ Expired - Fee Related JP3039514B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10143192A JP3039514B2 (ja) 1998-05-25 1998-05-25 ワンウェイクラッチ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10143192A JP3039514B2 (ja) 1998-05-25 1998-05-25 ワンウェイクラッチ

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34072790A Division JP2943324B2 (ja) 1990-11-30 1990-11-30 四輪駆動車両

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10339337A true JPH10339337A (ja) 1998-12-22
JP3039514B2 JP3039514B2 (ja) 2000-05-08

Family

ID=15333017

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10143192A Expired - Fee Related JP3039514B2 (ja) 1998-05-25 1998-05-25 ワンウェイクラッチ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3039514B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001322445A (ja) * 2000-05-17 2001-11-20 Yanmar Diesel Engine Co Ltd 2輪・4輪駆動切替機構
CN102374240A (zh) * 2011-07-28 2012-03-14 郭富 一种自动锁离合器片

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001322445A (ja) * 2000-05-17 2001-11-20 Yanmar Diesel Engine Co Ltd 2輪・4輪駆動切替機構
CN102374240A (zh) * 2011-07-28 2012-03-14 郭富 一种自动锁离合器片

Also Published As

Publication number Publication date
JP3039514B2 (ja) 2000-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5098360A (en) Differential gear with limited slip and locking mechanism
JPS629059B2 (ja)
US4768399A (en) Four wheel drive power transmission system with clutch between central torque non balanced differential device and one wheel pair
EP1205337B1 (en) Differential limiting device for a differential device
JP3039514B2 (ja) ワンウェイクラッチ
JP3388182B2 (ja) 四輪駆動車両のワンウェイクラッチ
JP2943324B2 (ja) 四輪駆動車両
JPH07167257A (ja) 4輪駆動車のデフロック切換装置
JPH04197103A (ja) 乗用作業機
JP2501363B2 (ja) トラクタの動力取出装置
JP2008537068A (ja) 多段速度式動力伝達装置
JP3894473B2 (ja) 車両の前後輪駆動装置およびクラッチの切換方法
JP4360789B2 (ja) 車両のディファレンシャル装置
JPS6244822Y2 (ja)
JPS6312814B2 (ja)
JPH0764210B2 (ja) 4輪駆動装置
JP2002321540A (ja) 四輪駆動車の動力緩衝装置
JP3022427B2 (ja) 動力伝達装置
JP3127534B2 (ja) 四輪駆動型農用走行車両
JP2006103634A (ja) 作業車両
JP3136877B2 (ja) 四輪駆動車のトランスファ装置
JP2979632B2 (ja) 動力車両の前輪駆動装置
JPS6320223A (ja) 四輪駆動装置
JPS6320224A (ja) 四輪駆動装置
JPH05193390A (ja) トラクタの車輪駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100303

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350