JP4866329B2 - 走行車両の動力伝達装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トラクタ等の走行車両の動力伝達装置に関するものである。
従来、トラクタの動力伝達装置として、ミッションケース内に、多段変速機構を経た動力を後輪デフ装置に伝達する後輪伝動軸と、前輪デフ装置に動力を伝達する前輪伝動軸と、前輪を後輪よりも速い周速で回転させるべく後輪伝動軸側から前輪伝動軸へと動力を増速して伝達する増速ギヤ列とを設けたものがある(特許文献1参照)。
また、トラクタのブレーキ装置として、後輪デフ装置から左右両側に延出するデフ出力軸に直接ブレーキプレートを一体回転自在にスプライン嵌合すると共に、ミッションケースの左右両側に固定したブレーキケース側にブレーキディスクを設け、これらブレーキプレートとブレーキディスクとを圧接させることにより、デフ出力軸を制動するようにしたものがある(特許文献2参照)。
特開2004−175191号公報 特開2006−341664号公報
前記特許文献1に記載の動力伝達装置の多段変速機構と後輪デフ装置との間に、ブレーキ装置のブレーキプレートを設けることが考えられているが、この場合、特許文献2に記載されたように伝動軸上に直接ブレーキプレートをスプライン嵌合することが考えられるが、軸上にブレーキプレートを設ける場合、軸に対するブレーキプレートの嵌合部分の強度確保を図る上で、ブレーキプレートの厚みを十分に確保しなければならず、コスト高となると共に、通常ブレーキプレートは複数枚設けられることからブレーキプレートの厚さ方向の配置スペースも十分に確保しなければならず、スペース的に余裕の無い場合も考えられる。
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みて、動力伝達装置の多段変速機構と後輪デフ装置との間にブレーキ装置のブレーキプレートを安価に設けることができ且つブレーキプレートの厚さ方向の配置スペースを狭くすることができる走行車両の動力伝達装置を提供することを目的とする。
前記技術的課題を解決するために本発明が講じた技術的手段は、ミッションケース内に、多段変速機構を経た動力を後輪デフ装置に伝達する後輪伝動軸と、前輪デフ装置に動力を伝達する前輪伝動軸と、前輪を後輪よりも速い周速で回転させるべく後輪伝動軸側から前輪伝動軸へと動力を増速して伝達する増速ギヤ列とを設け、前記増速ギヤ列の、後輪伝動軸と一体回転する駆動側ギヤに、ミッションケース側に設けたブレーキディスクと当接することで後輪伝動軸を制動するブレーキプレートを設けたことを特徴とする。
また、前記後輪伝動軸と、多段変速機構を経た動力を出力する出力側伝動軸とを同心状に配置し、前記出力側伝動軸から後輪伝動軸へと動力を伝達するように、増速ギヤ列の駆動側ギヤを、出力側伝動軸と後輪伝動軸とにわたって外嵌させるのがよい。
また、ミッションケースの側壁内面に一体形成された支持部に、前記ブレーキディスクと、該ブレーキディスクをブレーキプレートに押圧する押圧部材とを支持するのがよい。
また、前輪伝動軸に、増速ギヤ列の従動側ギヤを設けると共に、該増速ギヤ列の従動側ギヤから前輪伝動軸への動力伝達を断接する増速クラッチを設け、増速ギヤ列の従動側ギヤと増速クラッチとの間に、ブレーキプレートを介在させるスペースを設けるのがよい。
本発明によれば、後輪伝動軸側から前輪伝動軸へと動力を増速して伝達する増速ギヤ列の駆動側ギヤにブレーキプレートを設けたので、ブレーキプレートを軸上に設ける場合に比べて、ブレーキプレートの厚みを薄くすることができ、動力伝達装置の多段変速機構と後輪デフ装置との間にブレーキ装置のブレーキプレートを安価に且つコンパクトに設けることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図5〜8において、符号1は走行車両として例示したトラクタの動力伝達装置(トランスミッション)を示しており、大別して、高低速変速機構4、前後進切換機構6、6段切り換えの主変速機構8、2段切り換えの副変速機構12、超減速機構21及び等速・増速切り換え式の前輪動力伝達機構22を有する。
本実施形態では、前記高低速変速機構4、前後進切換機構6、主変速機構8、副変速機構12、超減速機構21で多段変速機構を構成している。
エンジン2に連結された推進軸3上には油圧切り換え式の高低速変速機構4が設けられ、この高低速変速機構4から動力が伝達されるカウンタ軸5には前後進切換機構6が設けられ、この前後進切換機構6から動力が伝達される変速軸7には主変速機構8の駆動ギヤ群が設けられ、前記推進軸3の後方延長上には主変速機構8の従動ギヤ群を設けた従動軸9が配置されている。
前記カウンタ軸5の後方には従動軸9と平行な出力側伝動軸11が配置され、この出力側伝動軸11から前記多段変速機構を経た動力が後方の後輪デフ装置23へと出力される。
また、この出力側伝動軸11と従動軸9とに副変速機構12のギヤ群が設けられ、該出力側伝動軸11に設けた超減速ギヤ群に、カセット支持体29に支持された超減速機構21の超減速連動ギヤ群が噛合している。
前記カセット支持体29は、多段変速機構、前輪動力伝達機構22及び後輪デフ装置23等を収容するミッションケース13に着脱自在に装着され、したがって、本実施形態の動力伝達装置1は、超減速機構21がある仕様形態と、超減速機構21がない仕様形態とに仕様変更可能とされている。
図5、6において、ミッションケース13は前後2分割されており、高低速変速機構4から主変速機構8の後部までは前ミッションケース3F内に収納されており、前輪動力伝達機構22から後輪デフ装置23及び図外のPTO変速機構は後ミッションケース3R内に収納されている。
前記前ミッションケース3Fは中間仕切壁13Aと前仕切壁13Bとを有し、この前仕切壁13Bの前面に機構ケース15がボルト締結され、高低速変速機構4を包囲している。
エンジン2にフライホイール及び緩衝手段を介して連結された推進軸3と、この推進軸3から高低動力が伝達されるカウンタ軸5とは、前部が機構ケース15に支持され、後部が中間仕切壁13Aによって支持されている。
推進軸3上には高低速変速機構4用の高速ギヤ4GHと低速ギヤ4GLとそれらを択一的に推進軸3と連動連結させる高低速クラッチパック4Pとが設けられており、カウンタ軸5上には高速ギヤ4GHに噛合した高速従動ギヤ5GHと、低速ギヤ4GLに噛合した低速従動ギヤ5GLとがスプライン嵌合されており、高速ギヤ4GHを使用してカウンタ軸5を推進軸3と等速回転させる高速態様と、低速ギヤ4GLを使用してカウンタ軸5を推進軸3より低速回転させる低速態様とを選択可能になっている。
前記カウンタ軸5の後半には、前後進切換機構6の正転ギヤ6GFと逆転ギヤ6GRとそれらを択一的にカウンタ軸5と連動連結させる前後進クラッチパック6Pとが設けられており、前記推進軸3及びカウンタ軸5と平行に配置された変速軸7には、正転ギヤ6GFと正転アイドラギヤ10を介して噛合した正転従動ギヤ7GFと、逆転ギヤ6GRに直接噛合した逆転従動ギヤ7GRとがスプライン嵌合されており、正転ギヤ6GF及び正転アイドラギヤ10を使用して変速軸7をカウンタ軸5と同一方向に回転させる正転態様と、逆転ギヤ6GRを使用して変速軸7をカウンタ軸5と反対方向に回転させる逆転態様とを選択可能になっている。
前記正転アイドラギヤ10は推進軸3に軸受J2を介して嵌合し、かつ中間仕切壁13Aに軸受J1を介して回転自在に支持されており、正転アイドラギヤ10が推進軸3の後端を支持し、推進軸3が正転アイドラギヤ10のアイドル軸を兼ね、ともに中間仕切壁13Aに支持された構造になっている。
前仕切壁13Bは変速軸7の前端を支持しているが、大きい開口13Baを形成していて、推進軸3及びカウンタ軸5の中間部位を支持しない形状となっており、前仕切壁13Bと中間仕切壁13Aとの間の空間は機構ケース15の内部と開口13Baを介して連通している。
前記推進軸3及びカウンタ軸5の中間部位を支持しないことにより、高速ギヤ4GH及び高速従動ギヤ5GHは逆転ギヤ6GR及び逆転従動ギヤ7GRと軸方向に近接して配置でき、変速装置1のコンパクト化を可能にしている。
前記推進軸3とカウンタ軸5と変速軸7とは、図7に示すように正面視三角配置されており、正転アイドラギヤ10が正転ギヤ6GFと正転従動ギヤ7GFとに同時に噛合して、カウンタ軸5の回転を正転に変換して変速軸7に伝達しており、逆転ギヤ6GRと逆転従動ギヤ7GRとが直接噛合して、逆転動力を変速軸7に伝達している。
この前後進切換機構6は変速装置1の主クラッチの役目をしており、前後進切換機構6を中立状態にしておくと、前方の高低速変速機構4の慣性力が主変速機構8に加わらなく、主変速機構8の変速操作が軽くかつ容易にできる。また、前後進切換機構6はミッションケース13内の低位に位置しミッションオイルに浸かっているので、十分な潤滑が可能になっている。
前記推進軸3内には高低速変速機構4の高低速クラッチパック4Pへ圧油を供給する第1油路16が設けられ、前記カウンタ軸5内には前後進切換機構6の前後進クラッチパック6Pへ圧油を供給する第2油路17が設けられている。
機構ケース15は推進軸3とカウンタ軸5の前部を支持しているので配管が容易であり、外部の油圧ポンプPからの作動油をコントロールバルブを介して機構ケース15に供給することにより、クラッチパック4P、6Pへの作動油供給管理が簡単かつ確実に行うことができる。
また、推進軸3とカウンタ軸5とには内部に潤滑油路が形成されているが、前記機構ケース15には両軸の潤滑油路を連通する油路が形成されており、一連の潤滑油路18となっており、潤滑油が推進軸3を通って機構ケース15に至り、この機構ケース15からさらにカウンタ軸5内へ供給可能になっている。
前記変速軸7は中途部が中間仕切壁13Aに支持され、その後端が後仕切壁13Cに支持されている。この後仕切壁13Cは前ミッションケース3Fに形成してもよいが、通常は後ミッションケース3Rの前端に形成されていて、従動軸9の後端及び出力側伝動軸11の後部等も支持している。
変速軸7には主変速機構8の駆動ギヤ8A〜8F群が設けられている。この主変速機構8は機械式シンクロメッシュ(同期噛み合い式)の6段変速であり、第1段ギヤ8Aと第2段ギヤ8Bとの間、第3段ギヤ8Cと第4段ギヤ8Dとの間、第5段ギヤ8Eと第6段ギヤ8Fとの間にそれぞれシフトフォークが配置され、3枚のシフトフォークを択一的に移動して、1枚のギヤを変速軸7と連動連結するようになっている。
前記主変速機構8の駆動ギヤ8A〜8Fはそれぞれ従動軸9上の従動ギヤ9A〜9Fと噛合されている。この従動軸9は前後端が中間仕切壁13Aと後仕切壁13Cとに支持されていて、中空軸であり、推進軸3の延長上に同心に配置されていて、その内部にPTO駆動軸26が挿通されている。
前記出力側伝動軸11と従動軸9とには副変速機構12のギヤ群が設けられている。
副変速機構12は、駆動側が、前記従動ギヤ9Dを高速ギヤとして兼用されていると共に従動軸9に低速ギヤ9Lが一体形成されており、出力側伝動軸11に従動ギヤ9Dと常時噛み合いの高速副ギヤ11Hと、低速ギヤ9Lと常時噛み合いの低速副ギヤ11Lとが遊嵌され、これら高速副ギヤ11Hと低速副ギヤ11Lとが副変速シフタ27によって出力側伝動軸11と択一的に連動連結可能になっている。
前記副変速シフタ27は高速副ギヤ11Hを出力側伝動軸11に連結する副高速態様aと、低速副ギヤ11Lを出力側伝動軸11に連結する副低速態様bとを採る他に、低速副ギヤ11L上に位置させて、高速副ギヤ11Hも低速副ギヤ11Lも出力側伝動軸11に連結させない態様cがあり、この態様cは超減速機構21による超減速態様時に使用される。
超減速機構21は、出力側伝動軸11に設けた超減速用入出ギヤT1、T2群にカセット支持体29に支持された超減速機構21の超減速用連動ギヤT3〜T8群が噛合して構成されている。
出力側伝動軸11に設けた超減速用入ギヤT1は超減速機構21へ動力を伝達するギヤで、前記副変速機構12の低速副ギヤ11Lと一体成形されており、出ギヤT2は超減速機構21から出力側伝動軸11へ動力が戻ってくるギヤで、出力側伝動軸11にスプライン嵌合されている。
カセット支持体29には、出力側伝動軸11と平行な回転軸30と伝動軸31とが支持され、回転軸30には連動ギヤT3、T4、T7、T8が設けられ、伝動軸31には連動ギヤT5、T6が設けられている。
前記連動ギヤT3、T4は一体成形されていて、回転軸30に軸受を介して支持され、連動ギヤT3が入ギヤT1と噛合しており、連動ギヤT4は伝動軸31に固定の連動ギヤT5と噛合し、同じく伝動軸31に固定の連動ギヤT6は回転軸30上の連動ギヤT7と噛合している。
前記連動ギヤT7はシフタ係合部T7aを有するシフトギヤであり、回転軸30にニードル軸受を介して嵌合した回転支持体32の外周に軸方向摺動自在にスプライン嵌合しており、回転軸30に径外方向突出状に設けた咬合部30Aとも咬合可能になっている。
この連動ギヤT7は前記副変速シフタ27と連動して3位置に移動可能であり、副変速シフタ27が副高速態様aと副低速態様bとを採る位置にあるとき、連動ギヤT7は回転支持体32とのみ咬合し、連動ギヤT7が回転支持体32と咬合部30Aとに同時に咬合するとき、副変速シフタ27は低速副ギヤ11Lとのみ咬合して、高速副ギヤ11Hも低速副ギヤ11Lも出力側伝動軸11に連結させない態様cとなる。
従って、連動ギヤT7を回転支持体32と咬合部30Aとに同時に咬合させると、低速副ギヤ11Lの回転動力は、入ギヤT1から連動ギヤT3、T4、T5を介して伝動軸31へ伝達され、伝動軸31から連動ギヤT6、T7及び咬合部30Aを介して回転軸30へ伝達され、回転軸30上の連動ギヤT8及び出ギヤT2を介して出力側伝動軸11へ、4段減速されて伝達される。
前記超減速機構21はオプションで装着することができ、装着しない場合は、カセット支持体29を外し、副変速シフタ27を態様cの位置に移動しないように規制すればよく、入出ギヤT1、T2は不使用状態で放置される。
なお、出ギヤT2の後方に配置された、出力側伝動軸11上のギヤ33はパーキングブレーキを構成するために設けられている。
前記出力側伝動軸11の後部は、前ミッションケース3F(後仕切壁13C)から後方に突出していると共に、この出力側伝動軸11の後方には後輪デフ装置23に動力を伝達する後輪伝動軸37(ピニオン軸)が同心状に配置されており、後ミッションケース3R内において、出力側伝動軸11の後部の下方に該出力側伝動軸11と平行に配置された前輪伝動軸36が設けられ、この前輪伝動軸36の前方で且つ前ミッションケース3F内には、前輪推進軸40が同心状に配置され、この前輪推進軸40は、後端側がカップリング44を介して前輪伝動軸36に連結されていると共に前部側が前輪デフ装置45に連動連結されている。
また、出力側伝動軸11と前輪伝動軸36とにわたって、該出力側伝動軸11から前輪伝動軸36へと動力を伝達するように前輪動力伝達機構22が設けられ、前記多段変速機構から出力された動力を前輪伝動軸36から前輪推進軸40等を介して前輪デフ装置45に伝達するよう構成されている。
図1、図5に示すように、前輪動力伝達機構22は等速部Sと増速部Qとを有し、等速部Sは増速部Qの前方側に配置されている。
前記等速部Sは、前輪を後輪と同一の周速又は略等しい周速で回転させるように出力側伝動軸11から前輪伝動軸36へと動力伝達する等速ギヤ列SGと、この等速ギヤ列SGによる動力伝達を断接する等速クラッチS3とを備えている。
また、増速部Qは、前輪を後輪よりも速い(例えば、1.4〜2倍)周速で回転させるように出力側伝動軸11から前輪伝動軸36へと動力伝達する増速ギヤ列QGと、この増速ギヤ列QGによる動力伝達を断接する増速クラッチQ3とを備えている。
等速ギヤ列SGは、出力側伝動軸11にスプライン嵌合された駆動側ギヤS1と、この駆動側ギヤS1に歯合し且つ前輪伝動軸36に外嵌されて相対回転自在に支持された従動側ギヤS2とを備えている。
等速クラッチS3は、等速ギヤ列SGの従動側ギヤS2の後方側に配置されており、油圧によってピストン47を作動させて摩擦板48同士を圧接させることにより、等速ギヤ列SGの従動側ギヤS2からの動力を、前輪伝動軸36と一体回転するクラッチボディ49を介して前輪伝動軸36に伝達する湿式多板クラッチからなる油圧クラッチによって構成されている。
この等速クラッチS3には、油圧が供給されないときに摩擦板48同士を当接させるべくピストン47を押圧するバネ50が設けられており、駐車時において、出力側伝動軸11の回転を制動すると、前輪の制動も行えるよう構成されている。
したがって、後輪二輪で駆動する場合又は前輪を後輪より速い周速で回転させる場合には、ピストン47で摩擦板48を押圧しない待避位置に該ピストン47を油圧によって保持するよう構成されている。
増速ギヤ列QGは、等速ギヤ列SGの後方側に配置されていて、出力側伝動軸11の後端側にスプライン嵌合された駆動側ギヤQ1と、この駆動側ギヤQ1に歯合し且つ前輪伝動軸36に外嵌されて相対回転自在に支持された従動側ギヤQ2とを備えており、従動側ギヤQ2は等速クラッチS3の後方側に配置されている。
増速クラッチQ3は、増速ギヤ列QGの従動側ギヤQ2の後方側に配置されており、油圧によってピストン51を戻しバネ54の不勢力に抗して作動させて摩擦板52同士を圧接させることにより、増速ギヤ列QGの従動側ギヤQ2からの動力を、前輪伝動軸36と一体回転するクラッチボディ53を介して前輪伝動軸36に伝達する湿式多板クラッチからなる油圧クラッチによって構成されている。
前記構成の前輪動力伝達機構22にあっては、四輪駆動で直進走行しているときにおいて、トラクタを所定角度旋回させる際に、自動的に等速クラッチS3が切断されて増速クラッチQ3が接続されるよう構成されている。
前記出力側伝動軸11の後端と後輪伝動軸37の前端とは突き合わせ状に近接配置されていると共に、増速ギヤ列QGの駆動側ギヤQ1は後輪伝動軸37の前端側にもスプライン嵌合されている。
したがって、増速ギヤ列QGの駆動側ギヤQ1によって出力側伝動軸11の後端側と後輪伝動軸37の前端側とが連結され(増速ギヤ列QGの駆動側ギヤQ1が出力側伝動軸11の後端側と後輪伝動軸37の前端側とを連結するカップリングを兼ねており)、出力側伝動軸11から後輪伝動軸37へと動力伝達される。
ギヤとカップリングとを一体形成することにより、コストダウンが図られている。
動力を伝達する伝動ギヤを軸と軸とを連結するカップリングに利用する場合、動力伝達の際の負荷がスプライン嵌合部(軸と軸とを連結する部分)に作用するが、増速ギヤ列QGの駆動側ギヤQ1は、例えば、等速ギヤ列SGの駆動側ギヤS1に比べて外径が大きいので、スプライン嵌合部に作用する負荷は比較的小さく、しかも、増速ギヤ列QGの駆動側ギヤQ1から前輪伝動軸36への動力伝達は、トラクタを所定角度旋回させる際にしか行われない(頻繁には行われない)ので、スプライン嵌合部に作用する負担が少ない。
前記増速ギヤ列QGの駆動側ギヤQ1は、内周側にスプラインが形成されていて出力側伝動軸11と後輪伝動軸37とにわたって外嵌する(スプライン嵌合する)筒状の基部56と、この基部56の前部に径方向外方突出状に設けられたギヤ本体部57と、基部56の後部の外周側に設けられた嵌合部58とを一体形成してなる。
嵌合部58は、基部56の外周側にスプラインを形成してなり、この嵌合部58に、リング状の円板からなり且つ内周側にスプラインが形成された複数枚(本実施形態では3枚)のブレーキプレート38が軸芯方向移動自在にスプライン嵌合されている。
本実施形態では、ブレーキプレート38を軸11,37に外嵌された筒部材(基部56)に設けているので、ブレーキプレート38を軸上に直接設ける場合に比べて、スプライン嵌合部に作用する負担が小さく、ブレーキプレート38を薄く形成することができ、ブレーキプレート38安価に設けることができると共に、前後方向の配置スペースも狭くすることができる。
図2〜3に示すように、ブレーキプレート38の一側部(左側)には、複数枚(本実施形態では4枚)のブレーキディスク39が配置されている。
このブレーキディスク39は、ブレーキプレート38間と、前端のブレーキプレート38の前側と、後端のブレーキプレート38の後側とに配置されていて、各ブレーキプレート38を前後方向で挟むように設けられている。
また、このブレーキディスク39は、ミッションケース13(後ミッションケース3R)の側壁内面に一体形成された支持部61に、上下のピン62を介して取り付けられている。
前記増速クラッチQ3は増速ギヤ列QGの従動側ギヤQ2の後方側に間隔をおいて配置されていると共に、ブレーキプレート38及びブレーキディスク39は、この増速クラッチQ3と増速ギヤ列QGの従動側ギヤQ2との間に対応する位置に配置されており、ブレーキプレート38及びブレーキディスク39の下部側が、増速クラッチQ3と、増速ギヤ列QGの従動側ギヤQ2(及び駆動側ギヤQ1)との間のスペース59に介在されている。
増速クラッチQ3と増速ギヤ列QGの従動側ギヤQ2との間にブレーキプレート38及びブレーキディスク39の下部側を介在させるスペース59を設けることにより、ブレーキプレート38を増速ギヤ列QGの駆動側ギヤQ1のギヤ本体部57い近接させて設けることができると共に、ブレーキプレート38及びブレーキディスク39を十分な大きさに形成することができる。
前記支持部61は、前壁61Aと、後壁61Bと、前壁61Aの上下方向中途部に位置する軸支壁61Cとを備えている。
ブレーキディスク39は、前壁61Aと後壁61Bとの間の後壁61B寄りに配置されていて、後端側のブレーキディスク39は後壁61Bの前面側に接当している。
ピン62は、支持部61の上下に位置し、前壁61Aに形成された貫通孔63を前方側から挿通すると共に後壁61Bに形成された挿入孔64に挿入され、抜止め手段65によって抜け止めされている。
各ブレーキディスク39の上下には、ピン62が嵌合する円弧状の溝が形成されており、上下のピン62に各ブレーキディスク39の上下の溝を嵌合させることにより、各ブレーキディスク39が支持部61に前後方向移動自在に取り付けられている。
また、軸支壁61Cには、左右方向に貫通形成された軸支孔66が形成され、この軸支孔66には操作軸67が左右方向の軸芯周りに回動自在に挿通され、この操作軸67の内端側(ミッションケース内部側)にはブレーキカム68(押圧部材)が固定され、操作軸67の外端側(ミッションケース外部側)には操作レバー69の一端側が固定され、操作レバー69の他端側は、トラクタの運転席の近傍に設けられたブレーキレバー等の操作手段にボーデンワイヤ等の連動手段を介して連動連結されている。
また、ブレーキカム68には前端側のブレーキディスク39に接当する押圧部70が設けられており、運転席近傍の操作手段を操作して、操作レバーを引き上げることにより、ブレーキカム68が左右軸回りに(図2における時計方向に)回動して押圧部70がブレーキディスク39及びブレーキプレート38を後方に押圧して、該ブレーキディスク39及びブレーキプレート38を後壁61Bに押し付ける。
これによって、ブレーキプレート38とブレーキディスク39とが圧接されて、増速ギヤ列QGの駆動側ギヤQ1を介して後輪伝動軸37及び出力側伝動軸11が制動される。
前述したブレーキプレート38、ブレーキディスク39を組み付けるには、先にブレーキプレート38を増速ギヤ列QGの駆動側ギヤQ1に組み付けておき、後からブレーキディスク39を組み付ける。
なお、本実施形態のトラクタには、後ミッションケース3Rの後部の左右両側にブレーキケースが設けられ、この左右各ブレーキケース内に、後輪デフ装置23から後輪に動力を伝達すべく該後輪デフ装置23から左右両側に突出するデフ出力軸の回転を制動するブレーキ装置が設けられ、このブレーキ装置と、前述したブレーキプレート38、ブレーキディスク39及びブレーキカム68等から構成されるブレーキ装置とが選択的に使用可能とされている。
前記PTO駆動軸26は後端のPTOクラッチ41を介して PTO伝動軸42に動力を断接自在に伝達し、このPTO伝動軸42から図外のPTO変速機構を介してPTO軸を駆動するようになっている。
PTO駆動軸26にはベベルギヤ43が設けられていて、後ミッションケース3Rの外面に設けた油圧ポンプPを駆動している。この油圧ポンプPからの作動油は、コントロールバルブで制御されて、第1油路16及び第2油路17を介して高低速変速機構4及び前後進切換機構6のクラッチパックへ供給され、前輪動力伝達機構22の等速クラッチS3及び倍速クラッチQ3、PTOクラッチ41等へ供給される。
なお、前記増速ギヤQG列の駆動側ギヤQ1は、前記ベベルギヤ43とPTOクラッチ41との間に対応する位置に配置されていて、該増速ギヤQG列の駆動側ギヤQ1及び前記ブレーキプレート38の配置スペースが確保されている。
また、潤滑油としてPTO伝動軸42から従動軸9へ、従動軸9から推進軸3及び変速軸7へ供給され、潤滑油路18を介して推進軸3から機構ケース15内を通ってカウンタ軸5へ供給される。
なお、本発明は前記実施形態における各部材の形状及びそれぞれの前後・左右・上下の位置関係は、図1〜8に示すように構成することが最良である。しかし、前記実施形態に限定されるものではなく、部材、構成を種々変形したり、組み合わせを変更したりすることもできる。
例えば、前後進切換機構6を前後反転配置して、正転アイドラギヤ10を前仕切壁13Bで支持したり、中間の仕切壁13Aで軸受J1を介して推進軸3の後端を支持し、正転アイドラギヤ10を軸受J2だけで推進軸3で支持したりしてもよい。
また、カウンタ軸5を高速従動ギヤ5GHと逆転ギヤ6GRとの間で前仕切壁13Bに軸受を介して支持したり、前後進切換機構6の正転ギヤ6GFと逆転ギヤ6GRとをカウンタ軸5に固定し、変速軸7上の正転従動ギヤ7GFと逆転従動ギヤ7GRとを前後進クラッチパックで断接自在に構成してもよい。
さらに、主変速機構8は変速段数を3段、4段または5段に構成してよい。
本発明の要部の側面断面図である。 本発明に係るブレーキ装置の側面図である。 本発明に係るブレーキ装置の上部側からみた平面断面図である。 本発明に係るブレーキ装置の中途部からみた平面断面図である。 動力伝達装置の全体断面図である。 多段変速機構の断面図である。 動力伝達装置の正面図である。 超減速機構の断面図である。
符号の説明
11 出力側伝動軸
13 ミッションケース
23 後輪デフ装置
36 前輪伝動軸
37 後輪伝動軸
45 前輪デフ装置
38 ブレーキプレート
39 ブレーキディスク
59 スペース
61 支持部
68 押圧部材(ブレーキカム)
QG 増速ギヤ列
Q1 駆動側ギヤ
Q2 従動側ギヤ

Claims (4)

  1. ミッションケース(13)内に、多段変速機構を経た動力を後輪デフ装置(23)に伝達する後輪伝動軸(37)と、前輪デフ装置(45)に動力を伝達する前輪伝動軸(36)と、前輪を後輪よりも速い周速で回転させるべく後輪伝動軸(37)側から前輪伝動軸(36)へと動力を増速して伝達する増速ギヤ列(QG)とを設け、前記増速ギヤ列(QG)の、後輪伝動軸(37)と一体回転する駆動側ギヤ(Q1)に、ミッションケース(13)側に設けたブレーキディスク(39)と当接することで後輪伝動軸(37)を制動するブレーキプレート(38)を設けたことを特徴とする走行車両の動力伝達装置。
  2. 前記後輪伝動軸(37)と、多段変速機構を経た動力を出力する出力側伝動軸(11)とを同心状に配置し、前記出力側伝動軸(11)から後輪伝動軸(37)へと動力を伝達するように、増速ギヤ列(QG)の駆動側ギヤ(Q1)を、出力側伝動軸(11)と後輪伝動軸(37)とにわたって外嵌させたことを特徴とする請求項1に記載の走行車両の動力伝達装置。
  3. ミッションケース(13)の側壁内面に一体形成された支持部(61)に、前記ブレーキディスク(39)と、該ブレーキディスク(39)をブレーキプレート(38)に押圧する押圧部材(68)とを支持したことを特徴とする請求項1又は2に記載の走行車両の動力伝達装置。
  4. 前輪伝動軸(36)に、増速ギヤ列(QG)の従動側ギヤ(Q2)を設けると共に、該増速ギヤ列(QG)の従動側ギヤ(Q2)から前輪伝動軸(36)への動力伝達を断接する増速クラッチ(Q3)を設け、増速ギヤ列(QG)の従動側ギヤ(Q2)と増速クラッチ(Q3)との間に、ブレーキプレート(38)を介在させるスペース(59)を設けたことを特徴とする請求項3に記載の走行車両の動力伝達装置。
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