JP3600286B2 - 車両用トランスミッション - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はトラクタ等の車両用のトランスミッション、特に互いに平行配置した入力軸と出力軸間に、同期クラッチを入力軸上に配置してある同期噛合い式変速装置を設けてある車両用トランスミッションに、関するものである。
【0002】
【発明の背景】
上記のような車両用トランスミッションは例えば実開昭52−16077号公報に開示されているように周知であり、同期クラッチを高トルク側の出力軸上にではなく低トルク側の入力軸上に配置しているため、同期クラッチの容量が小さくて済む。
【0003】
このような車両用トランスミッションにおいて従来、入力軸上に遊嵌設置され同期クラッチにより入力軸に対し結合される変速歯車が変速装置の中立状態で、該歯車と入力軸間に存在する油の粘性ドラグにより入力軸からトルクを伝達され、出力軸に嵌着され該変速歯車に対し噛合されている従動側の変速歯車及び出力軸に対しトルクを伝達して、車両を不測に発進させる場合があった。これに対する単純な対策として考えられることは、例えば実開昭59−166053号公報に開示されているように比較的弱い制動力で常時制動作用を行うブレーキを上記出力軸に設けておくことであるが、そのようなブレーキは変速装置の変速伝動状態として車両を走行させている状態でも出力軸を制動することになるから、エネルギー損失を生じさせる点及びブレーキの耐久性の点で好ましくない。
【0004】
そこでこの発明は同期噛合い式変速装置の中立状態でのみ出力軸の制動を行うブレーキを、同変速装置におけるデッドスペースを利用し変速装置の変速操作と連係容易である位置に配置して設けてある車両用トランスミッションを、提供しようとするものである。
【0005】
付随する目的は、上記ブレーキを単純な構造でコンパクトに設置してある車両用トランスミッションを提供することにある。
【0006】
さらに付随する目的は上記ブレーキを、他機構の配置に制約を与えない連係機構により変速操作と連係させて操作することとしてある車両用トランスミッションを提供するにある。
【0007】
【発明の要約】
この発明は互いに平行配置した入力軸(12)と出力軸(13)間に、同期クラッチ(34,35)を入力軸上に配置してある同期噛合い式変速装置(14)を設けてある車両用トランスミッションに、係る。この発明の車両用トランスミッションは、同期クラッチ(34,35)の操作機構(59)により操作されて変速装置(14)の中立状態で出力軸(13)を制動するブレーキ(45)を該出力軸上に、入力軸(12)上の1同期クラッチ(35)に相対向させて設けてあるものに、構成される。
【0008】
同期クラッチを入力軸上に配置する同期噛合い式変速装置では、入力軸上に遊嵌設置され同期クラッチによって入力軸に対し択一的に結合される一連の駆動側歯車に対し噛合された一連の従動側歯車が出力軸上に、入力軸上の各同期クラッチの幅に対応する間隔をあけた配置で固定設置され、その間隔はデッドスペースとなっている。上記のように設けたブレーキ(45)はこのデッドスペースを利用して配置され、余分のスペースを要求しないものとなっていると共に、入力軸上の同期クラッチ(35)に相対向する位置に配置されていることから該同期クラッチの操作部材と容易に連係させて、変速装置(14)の中立状態でのみ出力軸(13)を制動するものとできる。
【0009】
このようなブレーキは、同期クラッチ(35)の1部材、例えばシフタ(37)に対し係合させて回転不能に拘束した筒体(46)を出力軸(13)上に設けて、出力軸(13)に相対回転不能に支持させた摩擦エレメント(48)と上記筒体(46)に相対回転不能に支持させた摩擦エレメント(49)を備えた摩擦ブレーキに構成するのが、好ましい。すなわち出力軸に対し相対回転不能に設けるべきブレーキの静止部材となる筒体(46)を、相対向する位置にある同期クラッチの1部材に回り止めさせて出力軸上に配置する構造は、車両ハウジングに支持させてブレーキ静止部材を設けるような構造と対比して遙かに単純であり、また余分の支持構造を必要としないからブレーキをコンパクトなものとする。
【0010】
このような摩擦ブレーキは、上記筒体(46)を出力軸(13)に対し相対摺動可能に支持し該筒体の摺動変位により摩擦エレメント間の係合及び係合解除を得るようにも構成できるし、また筒体(46)を出力軸(13)に対し相対摺動不能に支持し、該筒体に摩擦エレメント(48,49)間の係合及び係合解除を得るためのブレーキ作動部材(87)を、出力軸々線方向に沿い変位可能に支持させたものにも、構成できる。前者の場合には筒体(46)を、そして後者の場合にはブレーキ作動部材(87)を、それぞれクラッチ操作機構に対し所要の変位が得られるように接続することになる。上記何れの場合にも筒体(46)が占めるスペース内にブレーキ作動機構が納められた関係となって、ブレーキのコンパクトさが損なわれない。
【0011】
筒体(46)又はブレーキ作動部材(87)の出力軸々線方向に沿った変位を得るための構造として、該筒体又は作動部材に対面させたリング(54)を出力軸(13)上に回転可能に設けて、このリングの回転変位によりカム機構を介して筒体(46)又はブレーキ作動部材(87)の変位を得るようにし、このリング(54)をクラッチ操作機構(59)に対し、筒体(46)に摺動可能に支持させたロッド(66)により、該ロッドの摺動変位によりリング(54)の回転変位が得られることとなるように接続する構造が、好ましい。すなわち上記リングとカム機構は出力軸々線方向のデッドスペース幅を利用して難なく設け得、また摺動するロッド(66)を接続部材として用いることにより、回動するリンクを用いる場合のように他機構の配置に対し制約が加えられない。
【0012】
変速用同期クラッチの操作機構は一般に、互いに平行配置され摺動操作されて同期クラッチを入切りする複本数のシフトフォーク軸を備えている。そこでこの発明はさらに、これらのシフトフォーク軸(60,61)にそれぞれカム面(60c,61c)を形成すると共に、該カム面に対し係合する作動子(66c)を上記ロッド(66)上に設けて、シフトフォーク軸の摺動変位により該カム面と作動子を介しロッド(66)の摺動変位を得る構造も、提案する。本構造は部品点数を最小限に減らす。
【0013】
この発明の他の特徴と長所は、添付図面を参照して行う以下の説明から明瞭に理解できる。
【0014】
【実施例】
図1はこの発明の実施例を装備するトラクタの伝動機構を示しており、図示のトラクタの機体は前部ハウジング1、ミッションケース2及び後部ハウジング3を前後に連設してなる。前部ハウジング1は前後を開放し中間に仕切り壁1aを有するものに形成されており、同ハウジング1の後端部内には該ハウジング1の後端面に固定した軸受板4を配置してある。ミッションケース2は前後を開放し、中間に支壁2aを有するものに形成されている。後部ハウジング3は前壁3aと後端部内で内底面上に立設した立壁3bとを有し、後端の開口を後蓋3cによって閉鎖してあるものに形成してある。
【0015】
同様に図1に示すようにエンジン5は機体の最前部に配置され、このエンジン5によって主クラッチ機構6を介して駆動される走行系原動軸7とPTO系原動軸8とを、前部ハウジング1内に配置してある。走行系原動軸7は仕切り壁1aを貫通して延びており、中空の該原動軸7内をPTO系原動軸8が前後に貫通して延びている。主クラッチ機構6は、各別の操作機構(図示せず)によって操作される走行系主クラッチ6aとPTO系主クラッチ6bとを備える。
【0016】
前部ハウジング1内には仕切り壁1aと軸受板4間で、前後進切替え装置9を配設してある。本装置9は原動軸7の回転を正逆転して出力歯車10に伝達するものに構成されており、原動軸7に平行させたカウンタ軸11を含んでいる。
【0017】
ミッションケース2内には軸受板4及び支壁2aにそれぞれ支持させた中空入力軸12と出力軸13を上下に配置してあり、これらの入力軸12及び出力軸13はそれぞれ、前部ハウジング1内の原動軸7及びカウンタ軸11と同心配置され、軸受板4の前方へと突出させてある。前記出力歯車10は入力軸12の前端部に嵌着してあり、またカウンタ軸11の後端側は出力軸13の前端部に支承させてある。ミッションケース2の前半部内には入力軸12と出力軸13間で変速伝動を行う主変速装置14を配置してある。
【0018】
ミッションケース2の後半部内には入力軸12の延長線上に配した中空の中間軸15と出力軸13の延長線上に配したプロペラ軸16を設けて、主変速装置14の出力軸13とプロペラ軸16間で変速伝動を行う副変速装置17を配置してある。プロペラ軸16は後部ハウジング3内に突入させた後端に小傘歯車18を装備し、この傘歯車18を左右後輪用の差動装置(以上、図示せず)の大入力傘歯車19と噛合せて、左右の後輪の駆動により車両の走行を得ることとされている。
【0019】
PTO系原動軸8は中空の入力軸12及び中間軸15を貫通する伝動軸20へと接続され、さらに後部ハウジング3内に配置の2本の伝動軸21,22へと接続されている。立壁3bと後蓋3cに支持させて機体後方へ延出させたPTO軸23が設けられていて、伝動軸22は該PTO軸23に対し歯車24,25減速機構により接続されている。
【0020】
図1,2に示すように主変速装置14は、同期噛合い式変速装置に構成されている。すなわち同変速装置14は、入力軸12上に4個の変速歯車26,27,28,29を遊嵌設置すると共に、これらの歯車に噛合せた4個の変速歯車30,31,32,33を出力軸13上に固定設置して、4列のコンスタントメッシュの変速ギヤ列を設けてあるものとされている。そして入力軸12上に歯車26,27間及び歯車28,29間で2組の複式同期クラッチ34,35を設けて、これらのクラッチ34,35により歯車26−29を入力軸12に対し択一的に結合して、4段の変速を得るようにされている。
【0021】
図示の各同期クラッチ34,35は図2に同期クラッチ35について示すように、ピン型コーン式のものに構成されている。すなわち複式の同期クラッチ35は入力軸12に嵌着したスプラインハブ36、このハブ36にスプライン嵌めしたシフタ37、同期ピン38、及びシフタ37に固定したスラストピン39を互に共通とする2個のクラッチ部から成る。通例のように変速歯車28,29のボス部にはスプラインハブ36と整列するスプライン28a,29aを形成してあり、また同期ピン38の両端には第1コーン40を、各変速歯車28,29にはスプライン28a,29aを利用したスプライン嵌めにより第2コーン41を、それぞれ装備させてある。シフタ37はシフトフォーク43によって変速歯車28又は29方向に変位操作される。このシフタ操作によっては通例のようにスラストピン39が第1コーン40を押して第2コーン41との摩擦係合を開始させ、同期ピン38中央部の段付部のテーパ面とシフタ37のピン貫通穴の面取部テーパ面との係合によりシフタ37の摺動変位が規制されている間に両コーン40,41が完全に摩擦係合して同期回転が得られると、シフタ37が歯車スプライン28a又は29aとスプライン噛合いする位置まで摺動して、当該歯車28又は29が入力軸12に対し結合されることになる。
【0022】
図1,2に示すように出力軸13上には変速歯車32,33間でブレーキ45を、入力軸12上の同期クラッチ35に相対向させて設けてある。図2−4に示すようにこのブレーキ45は出力軸13上に配置された筒体46を備える。この筒体46は外周面にその上面側で円弧状の溝穴46aを有していて、この溝穴46a内に同期クラッチ35のシフタ37の下端部を臨ませて、溝穴46a内面のシフタ37への係合により筒体46の回転変位が阻止されることとしてある。シフタ37の回転は溝穴46aの円弧状形状によって許容され、また同シフタ37の軸線方向変位は溝穴46aが前後に長いものに形成されていることにより許容される。出力軸13にはスプライン筒47を、前後変位を規制して嵌着してある。そしてこのスプライン筒47の後端部分に内周端でスプライン係合により相対回転不能かつ前後摺動可能に支持させた摩擦エレメント48と、筒体46に周方向で間欠配置して設けた切欠き46bに外周端の爪を挿入して筒体46に相対回転不能かつ前後摺動可能に支持させた摩擦エレメント49とを、筒体46内に交互に配置して設けて、ブレーキ45を、摩擦エレメント48,49間の摩擦係合により出力軸13を制動する摩擦ブレーキに構成している。
【0023】
上記スプライン筒47の前端側部分上には平軸受を介し筒状体50を、前後変位を規制して支承させてあり、筒体46はその前端の小径部内周面で該筒状体50に前後摺動可能に支承されている。筒体46の前端部内周面には摩擦エレメント48,49群の後端側に位置する押圧リング51を装着してあり、また筒状体50の後端外周面上には摩擦エレメント48,49群の前端側に位置する受圧リング部50aを一体形成してある。筒体46内には上記受圧リング部50aに受けさせて筒体46前端の小径部に作用させてあるコイルばね52を配置してあり、このコイルばね52により筒体46を前方向きに摺動付勢し、もって押圧リング51により摩擦エレメント48,49群を受圧リング部50aに対し押付けて摩擦エレメント48,49間の摩擦係合を得ることとされている。
【0024】
筒体46を後方向きに摺動変位させ押圧リング51を摩擦エレメント48,49から引離して摩擦エレメント48,49間の係合を解除するために、筒状体50の前端部上に止輪53にて抜止めしたリング54を、筒体46の前端小径部に対面させて設けてある。図5に示すように筒体46の前端小径部の前面とリング54の後面とには周方向で傾斜するカム溝55,56を、図3に示すように周方向で間欠配置して複数個宛、形成してあり、これらのカム溝55,56にまたがらせてボール57を嵌入してある。したがってリング54が回転操作されると、図5の(a)に示すようにカム溝55,56内の深部にあったボール57が、図5の(b)に示すように該カム溝55,56内の浅部に移行し、これによりボール57に押されて筒体46が後方向きに摺動変位せしめられ、押圧リング51が後方向きに移動して摩擦エレメント48,49間の係合が解除されることとしてある。この状態を図示したのが図6であり、摩擦エレメント48,49間の係合解除によりブレーキ45は出力軸13の制動を解除する。
【0025】
同期クラッチ34,35を入切操作し主変速装置14の変速操作を行うためには、図3,4及び図7,8に示す操作機構59が設けられている。この操作機構59は図7に示すようにミッションケース2の後半部内から前記支壁2a及び軸受板1aに摺動可能に支承させて前方向きに延出させてある2本のシフトフォーク軸60,61を有し、シフトフォーク軸61には図2について前述したシフトフォーク43を、またシフトフォーク軸60には図1に示す前記同期クラッチ34を操作するための同様のシフトフォーク42を、それぞれ取付けてある。図4において62はミッションケース2の後半部の一側壁の内外にまたがらせて摺動及び回転可能に設けてある操作軸を示し、この操作軸62の内端に取付けた作動ピン62aを該操作軸62の摺動変位操作により、シフトフォーク軸60,61上の係合金物60a,61aの何れかに対し係合させ、次に操作軸62を回転変位操作してシフトフォーク軸60或は61の摺動変位を得て、図7のシフトフォーク42或は43を前後に変位させ同期クラッチ34,35を入切りすることとされている。図7に示すようにミッションケース2内の前半部で両シフトフォーク軸60,61を支承する筒状の規制金物63を、前後変位不能に支持して設けてあり、この規制金物63内には両シフトフォーク軸60,61間に臨むボール64を設けてある。シフトフォーク軸60,61には、両同期クラッチ34,35とも切られ主変速装置14が中立状態にある、図7に示す状態で互いに、そしてボール64と整列する溝穴60b,61bを形成してある。規制金物63及びボール64は主変速装置14のためのインターロック機構を構成するものであり、図7の状態から何れかのシフトフォーク軸60或は61を摺動変位させることは、同フォーク軸の周面に押されてボール64が他方のフォーク軸の溝穴61b或は60b内に入り込むように変位することで可能であるが、何れかのシフトフォーク軸60或は61がクラッチ入れ位置に変位せしめられている状態では、溝穴61b或は60b内に入り込んでいるボール64によって他方のシフトフォーク軸61或は60の中立位置からの摺動変位が不能であることとなっている。
【0026】
そして前記リング54は上で説明した操作機構59に対し、次のように接続されている。すなわち図3,4に示すように前記筒体46には側方に突出する支持アーム部46cを一体形成してあり、この支持アーム部46cに上下摺動可能に支持させたロッド66を、ミッションケース2内の一側位置に上下方向に沿わせ設けてある。図例では前記規制金物63にも下面側から後方向きに張出す支持アーム部63aを一体形成して、ロッド66の上端部を該支持アーム部63aに上下摺動可能に支承させている。リング54にはロッド66方向に張出すフォーク状アーム部54aを一体形成してあり、このアーム部54aを、筒体支持アーム部46c上方側でロッド66に植設したピン66aに対し、ロッド66の上下動によりリング54が回転変位せしめられるように係合させてある。ロッド66の下端部にはピン66bを植設してあり、筒体支持アーム部46cの下面に受けさせて該66bに作用させたコイルばね67をロッド66下端部上に設けて、該ばね67によりロッド66を下方向きに移動付勢してある。ロッド66の上端部は偏平部に形成されて両シフトフォーク軸60,61間に臨ませてあり、該軸60,61の上面側で作動ピン66cを植設してあるものとされている。シフトフォーク軸60,61の上面には前後方向の中央部を深くし、該中央部から前後にかけて浅くなって行くカム面60c,61cを形成してあり、作動ピン66cは、コイルばね67のロッド66付勢力により該カム面60c,61cに対し係合するものとされている。図3,4も同期クラッチ34,35が共に切られた主変速装置14の中立状態を示しており、この状態で作動ピン66cは、互いに整列するカム面60c,61cの深部に対し係合することとされている。そしてこのときブレーキ45は図2に示すように、前記コイルばね52による付勢力で摩擦エレメント48,49間の係合が得られて出力軸13を制動するように図られている。
【0027】
上に説明した接続機構によると、何れかのシフトフォーク軸60或は61が中立位置から前後に摺動操作されると作動ピン66cが相対的にカム面60c或は61cの深部から浅部側に移され、これによってロッド66が引き上げられることになる。図8はシフトフォーク軸61が摺動操作された状態を示しており、この状態で作動ピン66cはカム面61cから前方或は後方側に外れ、これによってロッド66が引き上げられリング54に回転変位が与えられている。そしてリング54の回転変位によっては前述したように該リング54と筒体46間に配置したボール57がカム溝55,56の深部から浅部へと移行し、これにより筒体46及び押圧リング51が後方向きに摺動変位せしめられ、摩擦エレメント48,49間の係合解除により、図6に示すようにブレーキ45が非制動状態とされる。つまりブレーキ45は何れかの複式同期クラッチ34,35の何れか一方のクラッチ部が入れられている主変速装置14の変速伝動状態では、出力軸13の制動を解除するものとされているのである。なお筒体46の上記摺動変位量は極く僅かで足り、同変位は支持アーム部46cとロッド66間のクリアランスで許容される。
【0028】
図1に示した前後進切替え装置9について説明しておくと、同装置9は原動軸7上に遊嵌設置された駆動歯車70、カウンタ軸11上に固定設置して該歯車70に対し図外のアイドラ歯車を介し噛合せてある中間歯車71、及びカウンタ軸11上に固定設置して前記出力歯車10に対し噛合せてある中間歯車72を、備えている。歯車70,10間で原動軸7上には摩擦板式の複式同期クラッチ73を設置してあり、この複式クラッチ73によって出力歯車10を原動軸7に対し結合して車両前進回転を、また駆動歯車70を原動軸7に対し結合して車両後進回転を、それぞれ出力歯車10に得ることとされている。
【0029】
同様に図1に示す前記副変速装置17は、主変速装置14の出力軸13を減速歯車74,75列により前記中間軸15に対し接続する一方、この中間軸15上に2個の変速歯車76,77を設けてあるものとされている。プロペラ軸16上には歯車76に対し噛合せ可能なシフト歯車78を摺動のみ自在に設けると共に、歯車77に対し噛合せた歯車79を遊嵌設置してある。また歯車79をプロペラ軸16に対し結合する位置、及び出力軸13とプロペラ軸16間を直結する位置に選択的にシフトされるクラッチ80を、設けてある。これによって副変速装置17は、出力軸13とプロペラ軸16間で1−3速の変速伝動を行うものとなっている。図1において81は図外の駐車ブレーキの被制動体を構成するプーリで、プロペラ軸16に固着されている。
【0030】
図9は第2の実施例を示している。本実施例のブレーキ45も、出力軸13に嵌着したスプライン筒47と出力軸13上に設けた筒体46とにそれぞれ摩擦エレメント48,49を相対回転不能に支持させてある摩擦ブレーキに構成されているが、スプライン筒47の前半部に平軸受を介し支承させてある筒体46は図示のように前後変位不能に支持されている。この筒体46は前述実施例同様に、同期クラッチ35のシフタ37によって回転を阻止されている。
【0031】
摩擦エレメント48,49群の前端側で筒体46に相対回転不能かつ摺動自在に支持させた押圧リング85と、摩擦エレメント48,49の後端側で筒体46に装着した受圧リング86とを、筒体46内に配置してある。スプライン筒47の前端部上に前記のもの同様のリング54が設置され、その後面には図5に示したのと同様のカム溝56を形成してある。そして筒体46前端の小径部には周方向で間欠的に複数の透孔を形成してあり、カム溝56内と該透孔とにまたがらせて2個のボール87を配置して押圧リング85に対し係合させてある。
【0032】
リング54は図3,4に示したのと全く同様の機構によって回転変位せしめられることとされている。図9に示す、ブレーキ45の上半部は前記ロッド66が下降位置にある、主変速装置14の中立状態を示しており、この状態でリング54は、ロッド66を下向き付勢する前記コイルばね67の付勢下でカム溝56の浅部がボール87に対面することとなるように図られており、このためボール87は同コイルばね67の付勢力により押圧リング85を押して、該リング85と受圧リング86との間で図示のように摩擦エレメント48,49間の係合を生じさせることと、されている。図9に示すブレーキ45の下半部は図8に例示したようにロッド66が引き上げられた、主変速装置14の変速伝動状態を示しており、この状態ではロッド66の引き上げによりカム溝56の深部がボール87に対面することとされている。したがってロッド66を付勢するコイルばね67の力はボール87に対し及ばず、図示のように摩擦エレメント48,49間の係合が解除される。したがって第2の実施例に係るブレーキ45も、前述ブレーキ45と同様に作用する。なおブレーキ作動部材を構成する2個のボール87は、ピンに置換えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を装備したトラクタの伝動機構を示す模式的縦断側面図である。
【図2】同トラクタの要部の縦断側面図である。
【図3】同トラクタ要部の一部省略縦断正面図である。
【図4】要部の部材を取出して図示した斜視図である。
【図5】図2に示されているカム手段を示す断面図である。
【図6】図2の一部を、異なった状態で拡大して示す縦断側面図である。
【図7】トラクタ要部の一部省略横断平面図である。
【図8】図3同様の一部省略縦断正面図で、異なった状態を示している。
【図9】第2の実施例を示す、トラクタ要部の縦断側面図である。
【符号の説明】
12 入力軸
13 出力軸
14 主変速装置
26,27,28,29 変速歯車
30,31,32,33 変速歯車
34,35 複式同期クラッチ
37 シフタ
42,43 シフトフォーク
45 ブレーキ
46 筒体
46a 溝穴
46c 支持アーム部
47 スプライン筒
48,49 摩擦エレメント
50a 受圧リング部
51 押圧リング
52 コイルばね
54 リング
54a アーム部
55,56 カム溝
57 ボール
60,61 シフトフォーク軸
60c,61c カム面
66 ロッド
66a,66b ピン
66c 作動ピン
67 コイルばね
85 押圧リング
86 受圧リング
87 ボール
【産業上の利用分野】
この発明はトラクタ等の車両用のトランスミッション、特に互いに平行配置した入力軸と出力軸間に、同期クラッチを入力軸上に配置してある同期噛合い式変速装置を設けてある車両用トランスミッションに、関するものである。
【0002】
【発明の背景】
上記のような車両用トランスミッションは例えば実開昭52−16077号公報に開示されているように周知であり、同期クラッチを高トルク側の出力軸上にではなく低トルク側の入力軸上に配置しているため、同期クラッチの容量が小さくて済む。
【0003】
このような車両用トランスミッションにおいて従来、入力軸上に遊嵌設置され同期クラッチにより入力軸に対し結合される変速歯車が変速装置の中立状態で、該歯車と入力軸間に存在する油の粘性ドラグにより入力軸からトルクを伝達され、出力軸に嵌着され該変速歯車に対し噛合されている従動側の変速歯車及び出力軸に対しトルクを伝達して、車両を不測に発進させる場合があった。これに対する単純な対策として考えられることは、例えば実開昭59−166053号公報に開示されているように比較的弱い制動力で常時制動作用を行うブレーキを上記出力軸に設けておくことであるが、そのようなブレーキは変速装置の変速伝動状態として車両を走行させている状態でも出力軸を制動することになるから、エネルギー損失を生じさせる点及びブレーキの耐久性の点で好ましくない。
【0004】
そこでこの発明は同期噛合い式変速装置の中立状態でのみ出力軸の制動を行うブレーキを、同変速装置におけるデッドスペースを利用し変速装置の変速操作と連係容易である位置に配置して設けてある車両用トランスミッションを、提供しようとするものである。
【0005】
付随する目的は、上記ブレーキを単純な構造でコンパクトに設置してある車両用トランスミッションを提供することにある。
【0006】
さらに付随する目的は上記ブレーキを、他機構の配置に制約を与えない連係機構により変速操作と連係させて操作することとしてある車両用トランスミッションを提供するにある。
【0007】
【発明の要約】
この発明は互いに平行配置した入力軸(12)と出力軸(13)間に、同期クラッチ(34,35)を入力軸上に配置してある同期噛合い式変速装置(14)を設けてある車両用トランスミッションに、係る。この発明の車両用トランスミッションは、同期クラッチ(34,35)の操作機構(59)により操作されて変速装置(14)の中立状態で出力軸(13)を制動するブレーキ(45)を該出力軸上に、入力軸(12)上の1同期クラッチ(35)に相対向させて設けてあるものに、構成される。
【0008】
同期クラッチを入力軸上に配置する同期噛合い式変速装置では、入力軸上に遊嵌設置され同期クラッチによって入力軸に対し択一的に結合される一連の駆動側歯車に対し噛合された一連の従動側歯車が出力軸上に、入力軸上の各同期クラッチの幅に対応する間隔をあけた配置で固定設置され、その間隔はデッドスペースとなっている。上記のように設けたブレーキ(45)はこのデッドスペースを利用して配置され、余分のスペースを要求しないものとなっていると共に、入力軸上の同期クラッチ(35)に相対向する位置に配置されていることから該同期クラッチの操作部材と容易に連係させて、変速装置(14)の中立状態でのみ出力軸(13)を制動するものとできる。
【0009】
このようなブレーキは、同期クラッチ(35)の1部材、例えばシフタ(37)に対し係合させて回転不能に拘束した筒体(46)を出力軸(13)上に設けて、出力軸(13)に相対回転不能に支持させた摩擦エレメント(48)と上記筒体(46)に相対回転不能に支持させた摩擦エレメント(49)を備えた摩擦ブレーキに構成するのが、好ましい。すなわち出力軸に対し相対回転不能に設けるべきブレーキの静止部材となる筒体(46)を、相対向する位置にある同期クラッチの1部材に回り止めさせて出力軸上に配置する構造は、車両ハウジングに支持させてブレーキ静止部材を設けるような構造と対比して遙かに単純であり、また余分の支持構造を必要としないからブレーキをコンパクトなものとする。
【0010】
このような摩擦ブレーキは、上記筒体(46)を出力軸(13)に対し相対摺動可能に支持し該筒体の摺動変位により摩擦エレメント間の係合及び係合解除を得るようにも構成できるし、また筒体(46)を出力軸(13)に対し相対摺動不能に支持し、該筒体に摩擦エレメント(48,49)間の係合及び係合解除を得るためのブレーキ作動部材(87)を、出力軸々線方向に沿い変位可能に支持させたものにも、構成できる。前者の場合には筒体(46)を、そして後者の場合にはブレーキ作動部材(87)を、それぞれクラッチ操作機構に対し所要の変位が得られるように接続することになる。上記何れの場合にも筒体(46)が占めるスペース内にブレーキ作動機構が納められた関係となって、ブレーキのコンパクトさが損なわれない。
【0011】
筒体(46)又はブレーキ作動部材(87)の出力軸々線方向に沿った変位を得るための構造として、該筒体又は作動部材に対面させたリング(54)を出力軸(13)上に回転可能に設けて、このリングの回転変位によりカム機構を介して筒体(46)又はブレーキ作動部材(87)の変位を得るようにし、このリング(54)をクラッチ操作機構(59)に対し、筒体(46)に摺動可能に支持させたロッド(66)により、該ロッドの摺動変位によりリング(54)の回転変位が得られることとなるように接続する構造が、好ましい。すなわち上記リングとカム機構は出力軸々線方向のデッドスペース幅を利用して難なく設け得、また摺動するロッド(66)を接続部材として用いることにより、回動するリンクを用いる場合のように他機構の配置に対し制約が加えられない。
【0012】
変速用同期クラッチの操作機構は一般に、互いに平行配置され摺動操作されて同期クラッチを入切りする複本数のシフトフォーク軸を備えている。そこでこの発明はさらに、これらのシフトフォーク軸(60,61)にそれぞれカム面(60c,61c)を形成すると共に、該カム面に対し係合する作動子(66c)を上記ロッド(66)上に設けて、シフトフォーク軸の摺動変位により該カム面と作動子を介しロッド(66)の摺動変位を得る構造も、提案する。本構造は部品点数を最小限に減らす。
【0013】
この発明の他の特徴と長所は、添付図面を参照して行う以下の説明から明瞭に理解できる。
【0014】
【実施例】
図1はこの発明の実施例を装備するトラクタの伝動機構を示しており、図示のトラクタの機体は前部ハウジング1、ミッションケース2及び後部ハウジング3を前後に連設してなる。前部ハウジング1は前後を開放し中間に仕切り壁1aを有するものに形成されており、同ハウジング1の後端部内には該ハウジング1の後端面に固定した軸受板4を配置してある。ミッションケース2は前後を開放し、中間に支壁2aを有するものに形成されている。後部ハウジング3は前壁3aと後端部内で内底面上に立設した立壁3bとを有し、後端の開口を後蓋3cによって閉鎖してあるものに形成してある。
【0015】
同様に図1に示すようにエンジン5は機体の最前部に配置され、このエンジン5によって主クラッチ機構6を介して駆動される走行系原動軸7とPTO系原動軸8とを、前部ハウジング1内に配置してある。走行系原動軸7は仕切り壁1aを貫通して延びており、中空の該原動軸7内をPTO系原動軸8が前後に貫通して延びている。主クラッチ機構6は、各別の操作機構(図示せず)によって操作される走行系主クラッチ6aとPTO系主クラッチ6bとを備える。
【0016】
前部ハウジング1内には仕切り壁1aと軸受板4間で、前後進切替え装置9を配設してある。本装置9は原動軸7の回転を正逆転して出力歯車10に伝達するものに構成されており、原動軸7に平行させたカウンタ軸11を含んでいる。
【0017】
ミッションケース2内には軸受板4及び支壁2aにそれぞれ支持させた中空入力軸12と出力軸13を上下に配置してあり、これらの入力軸12及び出力軸13はそれぞれ、前部ハウジング1内の原動軸7及びカウンタ軸11と同心配置され、軸受板4の前方へと突出させてある。前記出力歯車10は入力軸12の前端部に嵌着してあり、またカウンタ軸11の後端側は出力軸13の前端部に支承させてある。ミッションケース2の前半部内には入力軸12と出力軸13間で変速伝動を行う主変速装置14を配置してある。
【0018】
ミッションケース2の後半部内には入力軸12の延長線上に配した中空の中間軸15と出力軸13の延長線上に配したプロペラ軸16を設けて、主変速装置14の出力軸13とプロペラ軸16間で変速伝動を行う副変速装置17を配置してある。プロペラ軸16は後部ハウジング3内に突入させた後端に小傘歯車18を装備し、この傘歯車18を左右後輪用の差動装置(以上、図示せず)の大入力傘歯車19と噛合せて、左右の後輪の駆動により車両の走行を得ることとされている。
【0019】
PTO系原動軸8は中空の入力軸12及び中間軸15を貫通する伝動軸20へと接続され、さらに後部ハウジング3内に配置の2本の伝動軸21,22へと接続されている。立壁3bと後蓋3cに支持させて機体後方へ延出させたPTO軸23が設けられていて、伝動軸22は該PTO軸23に対し歯車24,25減速機構により接続されている。
【0020】
図1,2に示すように主変速装置14は、同期噛合い式変速装置に構成されている。すなわち同変速装置14は、入力軸12上に4個の変速歯車26,27,28,29を遊嵌設置すると共に、これらの歯車に噛合せた4個の変速歯車30,31,32,33を出力軸13上に固定設置して、4列のコンスタントメッシュの変速ギヤ列を設けてあるものとされている。そして入力軸12上に歯車26,27間及び歯車28,29間で2組の複式同期クラッチ34,35を設けて、これらのクラッチ34,35により歯車26−29を入力軸12に対し択一的に結合して、4段の変速を得るようにされている。
【0021】
図示の各同期クラッチ34,35は図2に同期クラッチ35について示すように、ピン型コーン式のものに構成されている。すなわち複式の同期クラッチ35は入力軸12に嵌着したスプラインハブ36、このハブ36にスプライン嵌めしたシフタ37、同期ピン38、及びシフタ37に固定したスラストピン39を互に共通とする2個のクラッチ部から成る。通例のように変速歯車28,29のボス部にはスプラインハブ36と整列するスプライン28a,29aを形成してあり、また同期ピン38の両端には第1コーン40を、各変速歯車28,29にはスプライン28a,29aを利用したスプライン嵌めにより第2コーン41を、それぞれ装備させてある。シフタ37はシフトフォーク43によって変速歯車28又は29方向に変位操作される。このシフタ操作によっては通例のようにスラストピン39が第1コーン40を押して第2コーン41との摩擦係合を開始させ、同期ピン38中央部の段付部のテーパ面とシフタ37のピン貫通穴の面取部テーパ面との係合によりシフタ37の摺動変位が規制されている間に両コーン40,41が完全に摩擦係合して同期回転が得られると、シフタ37が歯車スプライン28a又は29aとスプライン噛合いする位置まで摺動して、当該歯車28又は29が入力軸12に対し結合されることになる。
【0022】
図1,2に示すように出力軸13上には変速歯車32,33間でブレーキ45を、入力軸12上の同期クラッチ35に相対向させて設けてある。図2−4に示すようにこのブレーキ45は出力軸13上に配置された筒体46を備える。この筒体46は外周面にその上面側で円弧状の溝穴46aを有していて、この溝穴46a内に同期クラッチ35のシフタ37の下端部を臨ませて、溝穴46a内面のシフタ37への係合により筒体46の回転変位が阻止されることとしてある。シフタ37の回転は溝穴46aの円弧状形状によって許容され、また同シフタ37の軸線方向変位は溝穴46aが前後に長いものに形成されていることにより許容される。出力軸13にはスプライン筒47を、前後変位を規制して嵌着してある。そしてこのスプライン筒47の後端部分に内周端でスプライン係合により相対回転不能かつ前後摺動可能に支持させた摩擦エレメント48と、筒体46に周方向で間欠配置して設けた切欠き46bに外周端の爪を挿入して筒体46に相対回転不能かつ前後摺動可能に支持させた摩擦エレメント49とを、筒体46内に交互に配置して設けて、ブレーキ45を、摩擦エレメント48,49間の摩擦係合により出力軸13を制動する摩擦ブレーキに構成している。
【0023】
上記スプライン筒47の前端側部分上には平軸受を介し筒状体50を、前後変位を規制して支承させてあり、筒体46はその前端の小径部内周面で該筒状体50に前後摺動可能に支承されている。筒体46の前端部内周面には摩擦エレメント48,49群の後端側に位置する押圧リング51を装着してあり、また筒状体50の後端外周面上には摩擦エレメント48,49群の前端側に位置する受圧リング部50aを一体形成してある。筒体46内には上記受圧リング部50aに受けさせて筒体46前端の小径部に作用させてあるコイルばね52を配置してあり、このコイルばね52により筒体46を前方向きに摺動付勢し、もって押圧リング51により摩擦エレメント48,49群を受圧リング部50aに対し押付けて摩擦エレメント48,49間の摩擦係合を得ることとされている。
【0024】
筒体46を後方向きに摺動変位させ押圧リング51を摩擦エレメント48,49から引離して摩擦エレメント48,49間の係合を解除するために、筒状体50の前端部上に止輪53にて抜止めしたリング54を、筒体46の前端小径部に対面させて設けてある。図5に示すように筒体46の前端小径部の前面とリング54の後面とには周方向で傾斜するカム溝55,56を、図3に示すように周方向で間欠配置して複数個宛、形成してあり、これらのカム溝55,56にまたがらせてボール57を嵌入してある。したがってリング54が回転操作されると、図5の(a)に示すようにカム溝55,56内の深部にあったボール57が、図5の(b)に示すように該カム溝55,56内の浅部に移行し、これによりボール57に押されて筒体46が後方向きに摺動変位せしめられ、押圧リング51が後方向きに移動して摩擦エレメント48,49間の係合が解除されることとしてある。この状態を図示したのが図6であり、摩擦エレメント48,49間の係合解除によりブレーキ45は出力軸13の制動を解除する。
【0025】
同期クラッチ34,35を入切操作し主変速装置14の変速操作を行うためには、図3,4及び図7,8に示す操作機構59が設けられている。この操作機構59は図7に示すようにミッションケース2の後半部内から前記支壁2a及び軸受板1aに摺動可能に支承させて前方向きに延出させてある2本のシフトフォーク軸60,61を有し、シフトフォーク軸61には図2について前述したシフトフォーク43を、またシフトフォーク軸60には図1に示す前記同期クラッチ34を操作するための同様のシフトフォーク42を、それぞれ取付けてある。図4において62はミッションケース2の後半部の一側壁の内外にまたがらせて摺動及び回転可能に設けてある操作軸を示し、この操作軸62の内端に取付けた作動ピン62aを該操作軸62の摺動変位操作により、シフトフォーク軸60,61上の係合金物60a,61aの何れかに対し係合させ、次に操作軸62を回転変位操作してシフトフォーク軸60或は61の摺動変位を得て、図7のシフトフォーク42或は43を前後に変位させ同期クラッチ34,35を入切りすることとされている。図7に示すようにミッションケース2内の前半部で両シフトフォーク軸60,61を支承する筒状の規制金物63を、前後変位不能に支持して設けてあり、この規制金物63内には両シフトフォーク軸60,61間に臨むボール64を設けてある。シフトフォーク軸60,61には、両同期クラッチ34,35とも切られ主変速装置14が中立状態にある、図7に示す状態で互いに、そしてボール64と整列する溝穴60b,61bを形成してある。規制金物63及びボール64は主変速装置14のためのインターロック機構を構成するものであり、図7の状態から何れかのシフトフォーク軸60或は61を摺動変位させることは、同フォーク軸の周面に押されてボール64が他方のフォーク軸の溝穴61b或は60b内に入り込むように変位することで可能であるが、何れかのシフトフォーク軸60或は61がクラッチ入れ位置に変位せしめられている状態では、溝穴61b或は60b内に入り込んでいるボール64によって他方のシフトフォーク軸61或は60の中立位置からの摺動変位が不能であることとなっている。
【0026】
そして前記リング54は上で説明した操作機構59に対し、次のように接続されている。すなわち図3,4に示すように前記筒体46には側方に突出する支持アーム部46cを一体形成してあり、この支持アーム部46cに上下摺動可能に支持させたロッド66を、ミッションケース2内の一側位置に上下方向に沿わせ設けてある。図例では前記規制金物63にも下面側から後方向きに張出す支持アーム部63aを一体形成して、ロッド66の上端部を該支持アーム部63aに上下摺動可能に支承させている。リング54にはロッド66方向に張出すフォーク状アーム部54aを一体形成してあり、このアーム部54aを、筒体支持アーム部46c上方側でロッド66に植設したピン66aに対し、ロッド66の上下動によりリング54が回転変位せしめられるように係合させてある。ロッド66の下端部にはピン66bを植設してあり、筒体支持アーム部46cの下面に受けさせて該66bに作用させたコイルばね67をロッド66下端部上に設けて、該ばね67によりロッド66を下方向きに移動付勢してある。ロッド66の上端部は偏平部に形成されて両シフトフォーク軸60,61間に臨ませてあり、該軸60,61の上面側で作動ピン66cを植設してあるものとされている。シフトフォーク軸60,61の上面には前後方向の中央部を深くし、該中央部から前後にかけて浅くなって行くカム面60c,61cを形成してあり、作動ピン66cは、コイルばね67のロッド66付勢力により該カム面60c,61cに対し係合するものとされている。図3,4も同期クラッチ34,35が共に切られた主変速装置14の中立状態を示しており、この状態で作動ピン66cは、互いに整列するカム面60c,61cの深部に対し係合することとされている。そしてこのときブレーキ45は図2に示すように、前記コイルばね52による付勢力で摩擦エレメント48,49間の係合が得られて出力軸13を制動するように図られている。
【0027】
上に説明した接続機構によると、何れかのシフトフォーク軸60或は61が中立位置から前後に摺動操作されると作動ピン66cが相対的にカム面60c或は61cの深部から浅部側に移され、これによってロッド66が引き上げられることになる。図8はシフトフォーク軸61が摺動操作された状態を示しており、この状態で作動ピン66cはカム面61cから前方或は後方側に外れ、これによってロッド66が引き上げられリング54に回転変位が与えられている。そしてリング54の回転変位によっては前述したように該リング54と筒体46間に配置したボール57がカム溝55,56の深部から浅部へと移行し、これにより筒体46及び押圧リング51が後方向きに摺動変位せしめられ、摩擦エレメント48,49間の係合解除により、図6に示すようにブレーキ45が非制動状態とされる。つまりブレーキ45は何れかの複式同期クラッチ34,35の何れか一方のクラッチ部が入れられている主変速装置14の変速伝動状態では、出力軸13の制動を解除するものとされているのである。なお筒体46の上記摺動変位量は極く僅かで足り、同変位は支持アーム部46cとロッド66間のクリアランスで許容される。
【0028】
図1に示した前後進切替え装置9について説明しておくと、同装置9は原動軸7上に遊嵌設置された駆動歯車70、カウンタ軸11上に固定設置して該歯車70に対し図外のアイドラ歯車を介し噛合せてある中間歯車71、及びカウンタ軸11上に固定設置して前記出力歯車10に対し噛合せてある中間歯車72を、備えている。歯車70,10間で原動軸7上には摩擦板式の複式同期クラッチ73を設置してあり、この複式クラッチ73によって出力歯車10を原動軸7に対し結合して車両前進回転を、また駆動歯車70を原動軸7に対し結合して車両後進回転を、それぞれ出力歯車10に得ることとされている。
【0029】
同様に図1に示す前記副変速装置17は、主変速装置14の出力軸13を減速歯車74,75列により前記中間軸15に対し接続する一方、この中間軸15上に2個の変速歯車76,77を設けてあるものとされている。プロペラ軸16上には歯車76に対し噛合せ可能なシフト歯車78を摺動のみ自在に設けると共に、歯車77に対し噛合せた歯車79を遊嵌設置してある。また歯車79をプロペラ軸16に対し結合する位置、及び出力軸13とプロペラ軸16間を直結する位置に選択的にシフトされるクラッチ80を、設けてある。これによって副変速装置17は、出力軸13とプロペラ軸16間で1−3速の変速伝動を行うものとなっている。図1において81は図外の駐車ブレーキの被制動体を構成するプーリで、プロペラ軸16に固着されている。
【0030】
図9は第2の実施例を示している。本実施例のブレーキ45も、出力軸13に嵌着したスプライン筒47と出力軸13上に設けた筒体46とにそれぞれ摩擦エレメント48,49を相対回転不能に支持させてある摩擦ブレーキに構成されているが、スプライン筒47の前半部に平軸受を介し支承させてある筒体46は図示のように前後変位不能に支持されている。この筒体46は前述実施例同様に、同期クラッチ35のシフタ37によって回転を阻止されている。
【0031】
摩擦エレメント48,49群の前端側で筒体46に相対回転不能かつ摺動自在に支持させた押圧リング85と、摩擦エレメント48,49の後端側で筒体46に装着した受圧リング86とを、筒体46内に配置してある。スプライン筒47の前端部上に前記のもの同様のリング54が設置され、その後面には図5に示したのと同様のカム溝56を形成してある。そして筒体46前端の小径部には周方向で間欠的に複数の透孔を形成してあり、カム溝56内と該透孔とにまたがらせて2個のボール87を配置して押圧リング85に対し係合させてある。
【0032】
リング54は図3,4に示したのと全く同様の機構によって回転変位せしめられることとされている。図9に示す、ブレーキ45の上半部は前記ロッド66が下降位置にある、主変速装置14の中立状態を示しており、この状態でリング54は、ロッド66を下向き付勢する前記コイルばね67の付勢下でカム溝56の浅部がボール87に対面することとなるように図られており、このためボール87は同コイルばね67の付勢力により押圧リング85を押して、該リング85と受圧リング86との間で図示のように摩擦エレメント48,49間の係合を生じさせることと、されている。図9に示すブレーキ45の下半部は図8に例示したようにロッド66が引き上げられた、主変速装置14の変速伝動状態を示しており、この状態ではロッド66の引き上げによりカム溝56の深部がボール87に対面することとされている。したがってロッド66を付勢するコイルばね67の力はボール87に対し及ばず、図示のように摩擦エレメント48,49間の係合が解除される。したがって第2の実施例に係るブレーキ45も、前述ブレーキ45と同様に作用する。なおブレーキ作動部材を構成する2個のボール87は、ピンに置換えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を装備したトラクタの伝動機構を示す模式的縦断側面図である。
【図2】同トラクタの要部の縦断側面図である。
【図3】同トラクタ要部の一部省略縦断正面図である。
【図4】要部の部材を取出して図示した斜視図である。
【図5】図2に示されているカム手段を示す断面図である。
【図6】図2の一部を、異なった状態で拡大して示す縦断側面図である。
【図7】トラクタ要部の一部省略横断平面図である。
【図8】図3同様の一部省略縦断正面図で、異なった状態を示している。
【図9】第2の実施例を示す、トラクタ要部の縦断側面図である。
【符号の説明】
12 入力軸
13 出力軸
14 主変速装置
26,27,28,29 変速歯車
30,31,32,33 変速歯車
34,35 複式同期クラッチ
37 シフタ
42,43 シフトフォーク
45 ブレーキ
46 筒体
46a 溝穴
46c 支持アーム部
47 スプライン筒
48,49 摩擦エレメント
50a 受圧リング部
51 押圧リング
52 コイルばね
54 リング
54a アーム部
55,56 カム溝
57 ボール
60,61 シフトフォーク軸
60c,61c カム面
66 ロッド
66a,66b ピン
66c 作動ピン
67 コイルばね
85 押圧リング
86 受圧リング
87 ボール
Claims (8)
- 互いに平行配置した入力軸(12)と出力軸(13)間に、同期クラッチ(34,35)を入力軸上に配置してある同期噛合い式変速装置(14)を設けてある車両用トランスミッションにおいて、同期クラッチ(34,35)の操作機構(59)により操作されて変速装置(14)の中立状態で出力軸(13)を制動するブレーキ(45)を該出力軸上に、入力軸(12)上の1同期クラッチ(35)に相対向させて設けたことを特徴とする車両用トランスミッション。
- 同期クラッチ(35)の1部材(37)に対し係合させて回転不能に拘束した筒体(46)を出力軸(13)上に設けて、前記ブレーキ(45)を、出力軸(13)に相対回転不能に支持させた摩擦エレメント(48)と上記筒体(46)に相対回転不能に支持させた摩擦エレメント(49)を備えた摩擦ブレーキに構成してある請求項1の車両用トランスミッション。
- 前記筒体(46)を出力軸(13)に対し相対摺動可能に支持し、この筒体の摺動変位によって前記摩擦エレメント(48,49)間の係合及び係合解除を得るように構成する一方、該筒体を前記操作機構(59)に対し、前記変速装置(14)が中立状態とされると筒体(46)が摩擦エレメント(48,49)間を係合させる位置に摺動変位せしめられるように接続してある請求項2の車両用トランスミッション。
- 前記筒体(46)に対面させたリング(54)を出力軸(13)上に回転可能に設けると共に、このリングの回転変位により筒体(46)を摺動変位させるカム手段(55,56,57)を、該リングと筒体間に配設し、上記リング(54)を前記操作機構(59)に対し筒体(46)に摺動可能に支持させたロッド(66)により、該ロッドの摺動変位によりリング(54)が回転変位せしめられるように接続してある請求項3の車両用トランスミッション。
- 前記操作機構(59)が、摺動変位により前記変速装置(14)の変速段を切替える、互いに平行する複数本のシフトフォーク軸(60,61)を備えており、これらのシフトフォーク軸にそれぞれ形成したカム面(60c,61c)に対し係合する作動子(66c)を前記ロッド(66)上に設けて、シフトフォーク軸の摺動変位により該カム面と作動子を介しロッド(66)の摺動変位を得るように構成してある請求項4の車両用トランスミッション。
- 前記筒体(46)を出力軸(13)に対し相対摺動不能に支持し、この筒体に、出力軸々線方向に沿い変位可能なブレーキ作動部材(87)を支持させて、該ブレーキ作動部材の変位により前記摩擦エレメント(48,49)間の係合及び係合解除を得るように構成する一方、該ブレーキ作動部材(87)を前記操作機構(59)に対し、変速装置(14)が中立状態とされるとブレーキ作動部材が摩擦エレメント(48,49)間を係合させる位置へと変位せしめられるように接続してある請求項2の車両用トランスミッション。
- 前記ブレーキ作動部材(87)に対面させたリング(54)を出力軸(13)上に回転可能に設けると共に、該リングに、ブレーキ作動部材(87)に対し係合しリング(54)の回転変位により該ブレーキ作動部材を変位させるカム部(56)を形成する一方、前記筒体(46)に摺動可能に支持させたロッド(66)により上記リング(54)を前記操作機構(59)に対し、ロッド(66)の摺動変位によりリング(54)が回転変位せしめられるように接続してある請求項6の車両用トランスミッション。
- 前記操作機構(59)が、摺動変位により前記変速装置(14)の変速段を切替える、互いに平行する複数本のシフトフォーク軸(60,61)を備えており、これらのシフトフォーク軸にそれぞれ形成したカム面(60c,61c)に対し係合する作動子(66c)を前記ロッド(66)上に設けて、シフトフォーク軸の摺動変位により該カム面と作動子を介しロッド(66)の摺動変位を得るように構成してある請求項7の車両用トランスミッション。
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