JP3530351B2 - トラクタの前輪駆動装置 - Google Patents

トラクタの前輪駆動装置

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JP3530351B2 JP25112597A JP25112597A JP3530351B2 JP 3530351 B2 JP3530351 B2 JP 3530351B2 JP 25112597 A JP25112597 A JP 25112597A JP 25112597 A JP25112597 A JP 25112597A JP 3530351 B2 JP3530351 B2 JP 3530351B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタの前輪駆
動装置に係り、より具体的には、2軸4車輪形農用トラ
クタにおいて油圧クラッチの断接で前輪を駆動(所謂四
輪駆動)したり、前輪を非駆動(所謂後輪駆動)したり
するものに関する。
【0002】
【従来の技術】後輪走行伝動系に前輪駆動ギアを備えて
該駆動ギアに連動する油圧クラッチを有する前輪駆動装
置は特公平7−100414号公報等で公知であり、前
記油圧クラッチが等速用(後輪を前輪が略同調して駆動
される)と増速用(後輪に対して前輪が増速駆動)とで
構成されており、前記等速用油圧クラッチをクラッチ入
(接)にして四輪駆動で走行する(所謂DT駆動)こと
で登板力の向上、牽引力の増大等を図り、一方、前記増
速用油圧クラッチをステアリング(前輪操向角)に連動
させてクラッチ入(接)にすることで小廻り性能(所謂
倍速駆動)を向上したものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前輪走行伝動系に油圧
クラッチを組み込んでいる前輪駆動装置にあっては、エ
ンジンを停止した状態でトラクタを駐車しているとき、
エンジンにて駆動される油圧ポンプが作動せずこのため
油圧クラッチを接にする油圧がなく、油圧クラッチは断
の状態であって、前輪は所謂フリー(空転転動自在)と
なり、ロックされていないのでトラクタが不測に微速移
動(微速走行)するおそれがあるという課題があった。
【0004】この課題を解決するため、前輪走行伝動系
に後輪走行伝動系と同様に駐車ブレーキを具備(付帯)
させることも考えられるが、これでは、コスト高になる
とともに通常走行時(四輪駆動、後輪駆動による走行
時)に伝動効率の低下を招くという課題があった。そこ
で本発明は、エンジンを停止した状態でトラクタを駐車
しているとき、油圧クラッチを接(入)とすることで前
輪をロックしてトラクタの不測な微速走行を確実に阻止
する一方、後輪駆動での走行への復帰もできるようにし
たことを主目的とし、また、四輪駆動(DT駆動および
倍速駆動)も可能にしたことを副次的な目的とするもの
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、後輪走行伝動
系に前輪駆動ギアを備えて該駆動ギアに連動する油圧ク
ラッチを有する前輪駆動装置において、前述の主目的を
達成するために次の技術的手段を講じている。すなわ
ち、本発明に係るトラクタの前輪駆動装置は、エンジン
停止時に前記油圧クラッチの油圧ピストン該油圧クラ
ッチを接続する方向に押圧する弾性体を備え、エンジン
駆動時において、前記弾性体に抗して油圧ピストンを押
圧するシステム圧によって油圧クラッチを切断可能と
し、且つ、この油圧クラッチを切断可能とするシステム
圧の油圧ピストンに対する油圧作用面積よりも油圧ピス
トンを油圧クラッチ接続方向に押圧する圧油の油圧ピス
トンに対する油圧作用面積の方が大とされていて当該面
積差で前記油圧クラッチを接続して後輪とともに前輪を
駆動可能に構成していることを特徴とするものである。
【0006】このような構成を採用したことによって、
エンジンを停止して駐車しているとき、エンジンにて駆
動される油圧ポンプが非駆動状態でシステム圧が発生し
ないでも油圧クラッチを弾性体により接方向にされてい
ることから、前輪はロックされ不測にトラクタが微速走
行することはない。一方、駐車状態からエンジンを起動
すると油圧ポンプが駆動されシステム圧が発生するので
このシステム圧により弾性体による油圧クラッチの入を
断にすることによって後輪駆動に復帰できるのである。
【0007】ここで油圧クラッチとは前輪等速用油圧ク
ラッチ(DTクラッチ)および前輪倍速用油圧クラッチ
(倍速クラッチ)のうち、いずれか一方に弾性体による
機械的なクラッチ接ができるものを組込んだものをい
い、ギア比の点を加味すれば等速(完全等速でも略等速
でも良い)用油圧クラッチに組込む方が効率の点で有利
となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図を参照して本発明に係る
トラクタの前輪駆動装置について説明するが、説明の理
解を助けるため本発明が適用されるトラクタ全体の構成
を図1を参照して説明し、本発明を適用したトランスミ
ッションの全体構成(走行系ミッションとPTO系ミッ
ション)を図2を参照して説明し、併せて、図3および
図4を参照してPTO変速装置を説明してから、図5を
参照して本発明に係る前輪駆動装置の詳細につき説明す
る。
【0009】図1において、トラクタ1は左右の前輪2
と左右の後輪3を有する2軸4車輪形であり、左右の前
輪2は駆動状態と非駆動状態に切替可能な操向輪であっ
て左右の後輪3は駆動輪とされており、また、操縦ハン
ドル4と運転席5とを取囲んでキャビン6が搭載されて
いる。勿論、キャビン6を備えていないトラクタであっ
ても構わない。トラクタエンジン7の後面にクラッチハ
ウジングを介してミッションケースが連設されることで
トラクタ車体8が構成されており、このトラクタ車体8
内に、図2で示す走行系ミッションとPTO系ミッショ
ンとを含むトランスミッションが内蔵されている。
【0010】トラクタ車体8の後部上面には左右のリフ
トアーム9を有する油圧昇降装置10が備えられてお
り、三点リンクで示すリンク装着体11によって本図示
例ではロータリ耕耘機で示す作業機12が装着されてお
り、該作業機12はPTO軸13を介して駆動可能であ
る。図2において、エンジンクランク軸(出力軸)14
には走行系の主クラッチ15を介して走行系推進軸16
が断続自在に連結されており、該推進軸16上の伝動ギ
ア群17と咬合している変速ギア群18を有する変速軸
19とで、図示例では同期咬合式で4段変速可能な走行
系ミッションとしての主変速装置20を構成している。
【0011】主変速装置20の下流側(変速軸19の出
側)にはインナーシャブレーキ用の油圧クラッチ21を
介してシャトル変速装置22の伝動軸23が架設されて
おり、該伝動軸23には正転用ギア24と逆転用ギア2
5を有して両ギア24,25はシフター26によって入
切自在である。シャトル変速装置22の出軸は副変速装
置27の変速軸28を兼ねており、この変速軸28上に
はバックギア29を介して逆転用ギア25に咬合してい
る伝動ギア30と正転用伝動ギア31および副変速高速
用の伝動ギア32を有している。
【0012】副変速装置27のカウンター軸33にはギ
ア30に咬合する低速ギア34とギア32に咬合する高
速ギア35とを有し、両ギア34,35を入切するシフ
タ36を有してここに副変速装置27は高低2段に変速
可能である。カウンター軸33は筒軸構成とされていて
このカウンター軸33には伝動軸37が内挿され、この
伝動軸37はカップリング38を介して後輪デフ装置3
9の駆動軸40に接合されている。副変速装置27の前
側下方にはクリープ変速装置41が配置されていて、こ
のクリープ変速装置41はクリープ第1軸42とクリー
プ第2軸43を備えて構成されていてクリープ第1軸4
2上のギアを経由して伝動軸37に連動する第1クリー
プ変速と、クリープ第1軸42およびクリープ第2軸上
のギアを経由して伝動軸37に連動する第2クリープ変
速とがシフターの入切によって可能とされている。
【0013】クリープ変速装置41の前方で主変速装置
20の下方側には本発明に係る前輪駆動装置44が配置
されている。前輪駆動装置44は、等速用油圧クラッチ
45と増速用油圧クラッチ46とを有するクラッチ軸4
7を備え、このクラッチ軸47は後輪走行伝動系である
伝動軸37上前輪駆動のギア48に連動されており、ク
ラッチ軸47の下方に前輪駆動軸49が架設されてお
り、クラッチ軸47と前輪駆動軸49とは前後の連動ギ
ア群50,51によって連動され、前輪駆動軸49は推
進軸52を介して前輪デフ装置に連動されている。
【0014】以上の主変速装置20、シャトル変速装置
22、副変速装置27、クリープ変速装置41が走行系
ミッションを構成しており、図示例では前後進がそれぞ
れ24段に変速されて後輪デフ装置39に伝動され、後
輪デフ装置39の左右ヨーク軸から終減速装置を介して
左右の後輪3が駆動可能であり、左右の前輪2について
は油圧クラッチ45,46とともに断にすることで非駆
動状態(後輪のみの駆動)と、油圧クラッチ45,46
の入切選択により後輪3と同期した前輪駆動状態と後輪
3よりも増速された所謂倍速前輪駆動状態が可能とされ
ている。
【0015】後輪デフ装置39の前側にはPTO変速装
置53が内装されており、このPTO変速装置53はエ
ンジンに直結された(図ではクランク軸14に直結)独
立PTOクラッチ54にて断続されるものであり、これ
故、走行推進軸16、変速軸28はいずれも同一軸心上
にあって筒軸構成とされており、PTO推進軸(入力
軸)55がこれら筒軸16,28に内挿されている。P
TO変速装置53の出力はカップリング56を介して伝
動軸57に接合され、この伝動軸57はPTO減速ギア
装置58を介してPTO軸13に連動連結されていてこ
こにPTO系ミッションを構成している。
【0016】図3および図4を参照して独立PTOクラ
ッチ54とPTO変速装置53について説明する。独立
PTOクラッチ54は入力軸55上にクラッチ板56の
装着カップリング57を有し、出力軸58にクラッチハ
ウジング59を備え、該ハウジング59にはバネ60に
抗して油圧によってクラッチ板56を圧接(クラッチ
入)する油圧ピストン61が内装されている。クラッチ
ハウジング59にはブレーキ手段62が備えられてい
て、該ブレーキ手段62は油圧ピストン61がクラッチ
切方向にバネ60にて戻るとき、この動きに連動してブ
レーキ手段62を作用するもので、クラッチ入から切に
切替えるときの慣性空転を止めるものであり、このため
連動ピン63が備えられている。
【0017】クラッチ出力軸(PTO変速の入力)58
の後端には咬合部64Aを有する駆動ギア64が刻成さ
れており、クラッチ出力軸58と同軸心としてPTO変
速軸65が架設されており、このPTO変速軸65にカ
ップリング56を介して伝動軸57が接合されている。
PTO変速軸65には外スプライン66A,66Bが軸
方向中間部位に形成したくり抜き部66Cによって前後
に区分して形成されており、この前後外スプライン66
A,66Bに係合する内スプライン67A,67Bを有
するシフトギア68が変速軸65上に軸方向摺動自在と
して套嵌されている。
【0018】シフトギア68は大小ギア68A,68B
を有する2連構成であり、内スプライン67A,67B
の軸方向中間部位にくり抜き部67Cを形成して内スプ
ライン67A,67Bを前後に区分している。PTO変
速軸65と平行としてカウンター軸69が架設されてお
り、このカウンター軸69は筒軸構成とされていてデフ
駆動軸40に相対回転自在(空転自在)として套嵌され
ている。カウンター軸69には駆動ギア64に咬合する
伝動ギア70と、PTO2速用の変速ギア71、PTO
1速用の変速ギア72およびPTO逆転用のギア73が
前方から後方にかけて軸方向の間隔を有して刻成されて
おり、逆転用のギア73はバック軸74上に備えている
アイドルギア75に咬合されている。
【0019】シフトギア68には図示しないシフトフォ
ークが係合されていて変速軸65の軸方向一方側から他
方側に沿って矢符Xのように往復摺動することでPTO
3速(3P)、PTO2速(2P)、中立(NP)、P
TO1速(1P)、PTO逆転(PR)の順(逆順も含
む)で変速可能であり、ここに、シフトギア68はI型
変速パターンで入切自在とされているのである。このP
TO変速について具体的に説明すると、図示のシフトギ
ア68の位置がPTO逆転(PR)であって、シフトギ
ア68の大ギア68Aが逆転ギア73に対してアイドル
ギア75を介して連動されており、PTOクラッチ54
を入(接)にしておくと、駆動ギア64→ギヤ70→ギ
ア73→ギア75→ギア68Aを経由して変速軸65が
逆転駆動されて減速装置58を介してPTO軸13が逆
転駆動され、例えば、作業機12がアップカットロータ
リのときに利用されるのである。
【0020】このPTO逆転のときは、シフトギア68
に対して図3および図4において後方(図では右方)に
隅力によるスラスト力が作用しているが、シフトギア6
8はベアリング等の壁で受止めることから、変速抜けは
ないのである。シフトギア68を矢符X方向に摺動して
(IP)位置にすると、シフトギア68の大ギア68A
が変速ギア72に咬合してPTO第1速となり、このと
き、シフトギア68の後内スプライン67Bが変速軸6
5の後外スプライン66Bに咬合していてシフトギア6
8の前内スプライン67Aは変速軸65のくり抜き部6
6Cに位置して咬合していないことから、シフトギア6
8のスラスト力(このときは図左方に作用する)は軽減
されて変速抜けが防止されるのである。
【0021】更に、シフトギア68を(NP)位置にす
ると、シフトギア68の大小ギア68A,68Bはいず
れの変速ギア71,72にも咬合せず変速ギア71,7
2間に位置して中立となるのであり、この状態からシフ
トギア68を(2P)位置にすると、シフトギア68の
小ギア68Bが変速ギア71に咬合し、シフトギア68
の前内スプライン67Aが変速軸65の前外スプライン
66Aに咬合し、シフトギア68の後内スプライン67
Bは変速軸65のくり抜き部66Cに対応して咬合して
いないことからシフトギア68のスラスト力(図左方に
作用する)は軽減されて変速抜けが防止されるのであ
る。
【0022】すなわち、I型変速パターンにおいて、シ
フトギア68が変速軸65の軸方向中間部位で変速位置
にあるとき、内外スプラインのうち前後のいずれか一方
が咬合状態にあることによって、シフトギア68の変速
抜けが防止されているのである。また、シフトギア68
を(3P)位置にすると前内スプライン67Aが駆動ギ
ア64の咬合部64Aに係合して出力軸58と変速軸6
5が直結されここにPTO第3速を得るのであり、この
とき、シフトギア68に図左方のスラスト力が作用して
も駆動ギア64等が壁となって変速抜けはないのであ
る。
【0023】なお、上述したPTO第1〜3速において
は、PTO変速軸65から変速装置58を経由してPT
O軸13を駆動することは明らかであり、I型変速パタ
ーンであることを条件に、図示とは逆に前(図では左
方)から後にかけて(PR),(IP),(NP),
(2P),(3P)としても良い。図5を参照して前輪
駆動装置44の詳細について説明すると、クラッチ軸4
7は前後にて軸受80,81によってミッションケース
の前後壁に回転自在に支架されており、該クラッチ軸4
7上には等速用クラッチボディ82と倍速用クラッチボ
ディ83が背合状として套嵌固設してある。
【0024】両クラッチボディ82,83にはそれぞれ
ピストン84,85が摺動自在で油密に嵌合されてお
り、連動ギア群50,51におけるクラッチギア50
A,51Aはクラッチ軸47上に軸受86,87を介し
て回転自在に套嵌されており、各クラッチギア50A,
51Aのボス部外周と対応するクラッチボディ82,8
3の内周とにはクラッチ板88,89が介在されてい
る。クラッチ軸47には駆動ギア48に咬合する連動ギ
ア90が套嵌固着(図ではスプライン)されているとと
もに、クラッチ軸47の端部にはロータリジョイント9
1が備えられており、該ジョイント91の油路分配部に
は、各ピストン84,85に対する押圧用油路92,9
3が連通されていて、図示しない制御弁の切替にて油路
92,93に油圧ポンプからの圧油を供給して各ピスト
ン84,85を押圧動作することでクラッチ板88,8
9を油圧にて断接自在としており、図5の符号94がピ
ストン85の戻しバネである。
【0025】図5で示した実施の形態では、ピストン8
4のボス部84AをOリング等のシール材84Bを介し
てシリンダケース95に油密に挿嵌することでシリンダ
ケース95によってシステム圧のシリンダ室96が形成
されているとともに、該シリンダ室96には油圧ポンプ
からのシステム圧が制御弁を経由することなく油路97
を介して供給可能とされている。更に、クラッチボディ
82と油圧ピストン84との間にはクラッチ板88を機
械的に接方向に付勢する弾性体98が介在されており、
図示では弾性体98としてコイルバネを示しているが、
これは、皿バネ、竹の子バネ等を採用することができ
る。
【0026】油圧ポンプはエンジン7に直結されてい
て、本実施の形態では、図2で示すPTO入力軸55に
図示しない連動ギアを介して図1に示している油圧ポン
プ99を駆動しており、該油圧ポンプ99はギアポンプ
であって、油圧昇降装置10、各種クラッチ21,5
4,45,46に作動油が供給可能とされている。な
お、図2において、後輪デフ装置39の左右ヨーク軸
(出力軸)は終減速装置を介して後輪3に連動されてい
るとともに、左右のヨーク軸又は左右の後車軸のいずれ
かには機械式の左右独立ブレーキが具備されており、該
ブレーキのペダルを連結杆にて係脱自在にすることで左
右独立ブレーキに同時ブレーキ機能を持たせることで駐
車ブレーキとして利用可能とされている。
【0027】図2および図5を参照して本発明に係る前
輪駆動装置44の作用を概説すると、走行系ミッション
を伝動状態(変速状態をいい、図では前進24段、後進
24段である)にしておいて後輪デフ装置39を介して
後輪3を駆動状態にしておき、前輪駆動装置44につい
ては後輪走行伝動系である伝動軸37上の駆動ギア48
と連動ギア90を介してクラッチ軸47を駆動(回転)
している。この状態で油圧クラッチ45のピストン84
に作動油を供給すると、クラッチ板88が接となり、連
動ギア群51を介して前輪駆動軸49が推進軸52を経
由して前輪デフ装置に伝動され、左右の前輪2は後輪3
と同調して四輪駆動(DT駆動)されるのである。
【0028】このとき、油圧クラッチ45にはシリンダ
ケース95を介してシリンダ室96が形成されていて、
このシリンダ室96にシステム圧が作用しているけれど
も、シリンダ室96とピストン84による面積差によっ
て油圧クラッチ45はクラッチ入(接)にでき、ここ
に、強制四駆が可能となるのである。また、倍速駆動の
ときは、油圧ピストン85に油圧を作用させることによ
り、連動ギア群50を介して前輪駆動軸49が倍速回転
駆動されるのであり、前輪2の切角(操舵角)が旋回状
態となったのを検出し、これに連動して油圧ピストン8
5に油圧を作用することで前輪2が後輪3に対して倍速
駆動されて小廻り性能を向上しているのである。
【0029】一方、エンジン7を停止した状態でトラク
タ1を駐車しているときには油圧ポンプ99は駆動せ
ず、これ故、シリンダ室96にはシステム圧が作用する
ことなく、弾性体98の弾発力によってクラッチ板88
がクラッチ入となり、前輪2(前輪伝動系である駆動軸
49、推進軸52等を含む)が所謂ロックされて前輪2
の空転は阻止され、トラクタ1の不測な微速走行は防止
される。このとき、後輪3については、前述した駐車ブ
レーキを作用させておくことが望ましいが、走行系ミッ
ションのギアの咬合があることから、駐車ブレーキを作
用させてなくともトラクタの駐車状態の維持は可能であ
る。
【0030】そして、エンジン7を起動するとこれに直
結されている油圧ポンプ99によるシステム圧がシリン
ダ室96に作用して弾性体98の弾性力に抗してピスト
ン84が後退し、クラッチ板88を切(断)にすること
から、走行系ミッションを介して後輪3だけを駆動した
状態での走行復帰が可能となるのである。なお、図示で
は、弾性体98、ピストンボス部84Aの案内をするシ
リンダケース95を等速油圧クラッチ45に組込んでい
るけれども、倍速油圧クラッチ46に組込むこともで
き、但し、ギア比(連動ギア群50,51のギア比)を
加味すると、等速油圧クラッチ45に組込む方が効率的
には有利となる。
【0031】
【発明の効果】以上詳述した通り、本発明によれば、エ
ンジンを停止しても前輪は確実にロックできるし、後輪
駆動状態、DT駆動等への復帰も確実になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る前輪駆動装置を装備したトラクタ
の側面図である。
【図2】本発明に係る前輪駆動装置を装備するPTO変
速装置を含むトランスミッションの全体側面図であり、
一部展開して示している。
【図3】PTO変速装置の側面図である。
【図4】図3の要部断面図である。
【図5】本発明に係る前輪駆動装置の断面図である。
【符号の説明】
2 前輪 3 後輪 7 エンジン 8 トラクタ車体 37 後輪走行伝動系(伝動軸) 44 前輪駆動装置 45 等速油圧クラッチ 46 倍速油圧クラッチ 48 駆動ギア 95 シリンダケース 98 弾性体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−8742(JP,A) 特開 平6−213260(JP,A) 特開 平6−1154(JP,A) 特開 平7−332489(JP,A) 特公 平7−100414(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/00 - 17/356 B60K 23/00 - 23/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 後輪走行伝動系に前輪駆動ギアを備え
    この前輪駆動ギヤから油圧クラッチを介して前輪に動力
    を断接自在に伝達するようにした前輪駆動装置におい
    て、 エンジン停止時に前記油圧クラッチの油圧ピストン
    油圧クラッチを接続する方向に押圧する弾性体を備え、
    エンジン駆動時において、前記弾性体に抗して油圧ピス
    トンを押圧するシステム圧によって油圧クラッチを切断
    可能とし、且つ、この油圧クラッチを切断可能とするシ
    ステム圧の油圧ピストンに対する油圧作用面積よりも油
    圧ピストンを油圧クラッチ接続方向に押圧する圧油の油
    圧ピストンに対する油圧作用面積の方が大とされていて
    当該面積差で前記油圧クラッチを接続して後輪とともに
    前輪を駆動可能に構成していることを特徴とするトラク
    タの前輪駆動装置。
  2. 【請求項2】 前輪が後輪と同調して駆動されるように
    動力伝達する等速用油圧クラッチと、前輪が後輪に対し
    て倍速駆動されるように動力伝達する倍速用油圧クラッ
    チとを備え、等速用油圧クラッチが前記構成の油圧クラ
    ッチで構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    トラクタの前輪駆動装置。
JP25112597A 1997-09-16 1997-09-16 トラクタの前輪駆動装置 Expired - Lifetime JP3530351B2 (ja)

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