JPH08175206A - 回転伝達装置 - Google Patents

回転伝達装置

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JPH08175206A
JPH08175206A JP32112994A JP32112994A JPH08175206A JP H08175206 A JPH08175206 A JP H08175206A JP 32112994 A JP32112994 A JP 32112994A JP 32112994 A JP32112994 A JP 32112994A JP H08175206 A JPH08175206 A JP H08175206A
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Tateo Adachi
健郎 安達
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NTN Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 4輪駆動車のフロント及びリヤの両方のプロ
ペラシャフトに装着することができ、走行中任意に2輪
駆動と直結4輪駆動に切換えられる回転伝達装置を提供
する。 【構成】 従動側の外輪1と駆動側の軸2との間に、ス
プラグ4を保持する保持器12、13を設け、その両保
持器12、13をスイッチバネ9の弾性によりスプラグ
4が係合しない中立位置に保持し、2輪駆動時は外輪1
が軸2に対して正逆両方向に回転できるようにする。4
輪駆動時は、結合手段21により保持器12と外輪1を
結合し、両保持器12、13を相対回転させてスプラグ
4を傾動させ、外輪1と軸2を一体化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の駆動経路上に
おいて駆動力の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝
達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】4輪駆動車において、4輪を直結した状
態で舗装道路等のタイトコーナーを旋回した場合、前後
輪間の旋回半径の差により、あたかもブレーキをかけた
ような現象が生じる。
【0003】このブレーキ現象を無くす手段として、本
出願人は特願平4−173064号(特開平6−178
53号)において、機械式のクラッチ機構を備えた回転
伝達装置をフロントディファレンシャルに連結し、その
クラッチ機構のフリーランニングを利用することによ
り、前後輪間の回転差に応じて前輪に対する駆動力の伝
達を切換えるものを提案している。
【0004】この提案の装置では、駆動時にクラッチ機
構の噛み合いにより直結の4輪駆動状態となるため、必
要なトルクだけを前輪に伝達することができ、悪路や摩
擦係数の低い路面においても4輪駆動による強力な走破
性能を発揮することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
にクラッチ機構のフリーランニングを利用する構造にお
いては、前後輪で異径タイヤを装着したり、タイヤの空
気圧の関係によって後輪のタイヤ径より前輪のタイヤ径
が大きくなった場合、後輪タイヤが1回転しても前輪の
回転は1回転以下となり、その回転差が後輪のスリップ
を生じさせてブレーキング現象となる。すなわち、この
ようなブレーキング現象によるタイヤの摩耗や燃費の低
下を防止するには、頻繁なタイヤ径の管理が必要にな
る。
【0006】また、上記回転伝達装置においてタイトコ
ーナーのブレーキング現象を回避する方法は、車両の旋
回中に後輪より前輪の回転数が早くなる現象、すなわ
ち、クラッチ機構において出力回転数が入力回転数を上
回った場合にフリーランニングが生じる現象を利用して
いる。
【0007】ところが、前輪駆動を主体したFFベース
の4輪駆動車では、フロントプロペラシャフトが存在し
ないため、リヤプロペラシャフトに回転伝達装置を連結
することになるが、その場合、車両の旋回中、入力側
(エンジン側)が出力側(後輪側)よりも早く回転する
必要があるため、回転伝達装置を使用することができな
い。したがって、回転伝達装置が装着できる車両は、後
輪駆動を主体とする4輪駆動車に限られる制限がある。
【0008】そこで、この発明は、上記の問題を解決
し、通常は入力側と出力側の間で左右どちらにも自由に
回転することができ、運転車の判断又は自動制御により
入出力間を直結することで、直結の4輪駆動を実現でき
る回転伝達装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、内外に回転可能に嵌合させた駆動部材
と従動部材の間に、その駆動部材と従動部材が相対回転
した時に両部材と係合する複数の係合子と、駆動部材と
従動部材に対して相対回転可能な係合子の保持器とを組
込み、この保持器と駆動部材の間に、各係合子を駆動部
材と従動部材に係合しない中立位置に保持した状態で保
持器と駆動部材を共回りさせる弾性部材を設け、上記保
持器と従動部材の間に、遠隔操作により保持器と従動部
材を切離し自在に結合する結合手段を設けたのである。
【0010】また、この発明の第2の手段は、上記の結
合手段を、電気スイッチの切換えにより作動が遠隔操作
されるものとし、その電気スイッチに演算機能を有する
制御手段を接続し、その制御手段が、駆動部材に加わる
回転数を入力回転数、従動部材から出力される回転数を
出力回転数、ゼロ以上で任意に設定できる変数をZとし
た場合、
【0011】
【数2】
【0012】の関係が成立したとき保持器と従動部材と
結合する方向に電気スイッチを切換えるように構成した
のである。
【0013】
【作用】上記の構造では、駆動部材をプロペラシャフト
に連結し、従動部材を従動側のディファレンシャルに連
結し、保持器と従動部材を切離した状態で車両が走行す
ると、弾性部材による保持器の保持によって係合子が中
立位置に維持され、駆動部材から従動部材へのトルク伝
達がない。このため、4輪駆動とならず、従動側の車輪
は、車両の駆動系に対して正逆方向に自由に回転する。
【0014】また、結合手段により保持器と従動部材を
結合すると、従動部材により保持器が回されるため、係
合子が係合位置に強制的に移動し、従動部材と駆動部材
が一体に回転する。このため、従動側の車輪が車両の駆
動系に直結し、前後輪が直結した4輪駆動状態になる。
【0015】一方、第2の手段においては、上記の制御
用の式において、変数Zを0に設定すると、従動部材と
保持器が結合して直結の4輪駆動となり、Zを大きな値
に設定すると、駆動部材と従動部材が常に切離された状
態におかれ、2輪駆動状態が維持される。
【0016】また、Zを0以上の小さな値に設定する
と、走行中の駆動側車輪のスリップなどにより入力回転
数と出力回転数の関係が変化することで、2輪駆動から
4輪駆動に切り替わることになり、車両のスリップやス
ピン等に対して適切に対応することができる。
【0017】
【実施例】以下、この発明の実施例を添付図面に基づい
て説明する。図1乃至図8は、第1の実施例の回転伝達
装置を示している。
【0018】この回転伝達装置Aは、従動部材となる外
輪1の内側に、駆動部材である軸2を回転可能に嵌合さ
せ、その軸2の端部に、後述するようにフロント又はリ
ヤのプロペラシャフトと接続する入力リング3が連結さ
れている。
【0019】上記外輪1の内径面と軸2の外径面には、
図1及び図3に示すように、同芯の円筒面10、11が
形成され、その両円筒面10、11の間に、大径保持器
12と小径保持器13が組込まれている。
【0020】上記大径保持器12は、後端部に延長腕1
4が一体に形成され、その延長腕14が軸受の案内によ
り外輪1と軸2に対して回転自在に支持されている。
【0021】また、小径保持器13は、前端部に、内径
側に向かって屈曲する屈曲部15が形成され、この屈曲
部15と止め輪17との間に、皿バネから成る圧着バネ
16が組込まれており、この圧着バネ16の押圧力によ
って生じる摩擦力により、小径保持器13が軸2に圧着
固定されている。
【0022】上記大径保持器12と小径保持器13の周
面には、図3及び図4に示すように、径方向に対向して
複数のポケット18、19が形成され、その各ポケット
18、19に、係合子としてのスプラグ4が組込まれて
いる。
【0023】このスプラグ4は、外径側と内径側に、そ
れぞれ異なった曲率中心をもつ左右対称形の円弧面5と
6が形成され、左右の両方向に所定角度傾くと両円筒面
10、11と係合し、外輪1と軸2を一体化するように
なっている。
【0024】また、大径保持器12と小径保持器13の
周面には、それぞれ径方向に貫通するスリット7、8が
形成され、そのスリット7、8に、C字形のリング形状
をしたスイッチバネ9の両端部が係合している。このス
イッチバネ9は、周方向に縮められた状態でセットさ
れ、両端部を大径保持器12と小径保持器13のスリッ
ト7、8端面に押し付けて取付けられており、そのバネ
力によって両保持器12、13に円周方向の力を与えて
いる。この力により、両保持器12、13は、図5に示
すように、各ポケット18、19が径方向に連続するよ
うに位相が一致し、スプラグ4が外輪1と軸2に係合し
ない中立位置に保持されている。この中立位置の状態で
は、スプラグ4と円筒面10、11の間にすき間20が
存在し、軸2と外輪1は左右どちらにも自由に回転する
ことができる。
【0025】一方、上記大径保持器12の延長腕14の
後端部には、その大径保持器12と外輪1を切離し自在
に結合する結合手段21が連結されている。
【0026】この結合手段21は、図2及び図8に示す
ように、外輪1の内径面に環状のロータ22を回り止め
して固定し、大径保持器12の外周部に圧入固定した連
結リング23に、ロータ22と平行に向き合う金属製の
結合子(アーマチュア)24をスライド可能に嵌め込ん
でいる。この結合子24は、図2及び図7に示すよう
に、内径側に形成した突起25が、連結リング23に設
けた軸方向の溝26にルーズに噛み合っており、その突
起25と溝26の噛み合いにより大径保持器12と共回
りした状態でロータ22に向かって接近離反するように
なっている。
【0027】また、ボルト27等を介して車体に固定さ
れる固定部材28には、上記ロータ22に対向して電磁
石29が設けられている。この電磁石29は、固定部材
28に圧入固定したケース30の内部にコイル31を巻
き付け、そのコイル31に、リード線32を介して自動
車のバッテリ33と電気スイッチ34とを接続してお
り、バッテリ33から直流電流をコイル31に流すこと
により電磁石を形成する。
【0028】上記の結合手段21では、図2のように、
各部品を組立てた状態でロータ22と電磁石29の間に
軸方向すき間t1 が設けられ、また、結合子24は軸方
向すき間t2 の分だけ自由にスライドできるようになっ
ている。この構造では、図2(a)のように電磁石29
を作動させない場合は、結合子24とロータ22の間に
軸方向すき間t2 ができ、両者は切離されて回転する状
態になる。一方、図2(b)のようにスイッチ34をO
Nにして電磁石29を作動させると、結合子24が軸方
向すき間t2 をスライドしてロータ22に吸着され、外
輪1がロータ22と結合子24を介して大径保持器12
に噛み合い、一体に結合する。
【0029】実施例の回転伝達装置は上記のような構造
であり、後輪駆動を主体とするFRベースの4輪駆動車
に装着する場合は、図9(a)に示すように、回転伝達
装置Aの軸2を入力リング3を介してフロントプロペラ
シャフトBに連結し、外輪1をフロントディファレンシ
ャルCを介して前輪に連結する。
【0030】一方、前輪駆動を主体とするFFベースの
4輪駆動車に装着する場合は、図9(b)に示すよう
に、軸2をリヤプロペラシャフトDに連結し、外輪1を
リヤディファレンシャルEを介して後輪に連結する。
【0031】また、運転者が手動で走行モードを切換え
ることができるように、結合手段21の電磁石29の電
気スイッチ34を、トランスファーの走行モード切換え
用のレバー等に接続し、トランスファー側の操作により
電気スイッチ34のON・OFFを行なえるようにす
る。
【0032】上記のように回転伝達装置Aを装着した状
態で、2駆走行モードにより走行する場合、電気スイッ
チ34をOFFにして電磁石29を作動させず、外輪1
と大径保持器12を切離した状態におく。
【0033】この状態では、図4に示すようにスイッチ
バネ9の弾性力により大径保持器12と小径保持器13
が位相を一致させた状態で保持され、スプラグ4が円筒
面10、11に係合しないため、外輪1は軸2に対して
自由に回転することができる。すなわち、従動側の車輪
軸にはエンジン及びタイヤの両方から駆動力が伝わら
ず、2輪駆動の走行状態が維持される。
【0034】一方、4輪走行モードで走行する場合は、
電気スイッチ34をONにして電磁石29を作動させ、
外輪1と大径保持器12を結合する。
【0035】この状態で車両が走行すると、従動側の車
輪と連れ回って回転する外輪1によって大径保持器12
が強制的に回され、図5及び図6に示すように大径保持
器12と小径保持器13の位相がずれるため、スプラグ
4が傾動して円筒面10、11に係合し、外輪1と軸2
が一体に連結する。これにより、従動側の車輪と車両の
駆動系が直結した状態となり、前後輪が直結した4輪駆
動状態になる。
【0036】この直結した4輪駆動状態では、前後輪か
ら車両の駆動系に対して逆入力が可能になるため、4輪
全部においてエンジンブレーキを効かせることができ、
大きな制動力を発揮することができる。
【0037】図10及び図11は第2の実施例を示す。
この実施例は、前述した第1の実施例に対して、クラッ
チ機構の構造は同じであるが、結合手段の構造と作動と
に違いがある。
【0038】すなわち、この実施例の結合手段21は、
外輪1の内径面に形成したスプライン60に、リング状
の摩擦部材51を取付け、大径保持器12の外径面に形
成したスプライン52に、上記摩擦部材51と平行に向
き合う金属製の結合子50を取付けている。この結合子
50は、図11に示すように内径側に形成した突起53
がスプライン52に嵌合しており、その嵌合により大径
保持器12に回り止めされた状態で軸方向に移動可能に
なっている。
【0039】また、大径保持器12のスプライン52の
後端部には、止め輪54を介して抵抗リング55が固定
され、この抵抗リング55と結合子50との間に、皿バ
ネから成る弾性部材56が組込まれている。この構造で
は、弾性部材56のバネ力により結合子50が摩擦部材
51に圧着し、その圧着部の摩擦力と、摩擦部材51及
び結合子50のスプライン60、52に対する噛み込み
によって、外輪1と大径保持器12が共回り状態で結合
する。
【0040】また、上記抵抗リング55に向かい合うよ
うに、固定部材の先端部には、ロック解除手段としての
電磁石57が取付けられている。この電磁石57は、リ
ード線を介して車両のバッテリ58とスイッチ59を接
続しており、バッテリ58から直流電流をコイルに流す
ことにより電磁石を形成する。
【0041】上記の結合手段21は、図11のように各
部品を組立てた状態で、抵抗リング55と結合子50の
間に軸方向すき間t1ができ、また、結合子50は軸方
向すき間t2の分だけスライドできるようになってお
り、電磁石57を作動しない場合は、図11(a)のよ
うに弾性部材56の力によって結合子50が摩擦部材5
1に圧着し、外輪1と大径保持器12が結合された状態
になる。一方、電磁石57を作動させると、図11
(b)に示すように結合子50が抵抗ケース55に吸着
され、結合子50と摩擦部材51の間に軸方向すき間t
2ができ、外輪1と大径保持器12が切離される。
【0042】上記の実施例においては、2駆走行時に
は、第1の実施例とは反対に電磁石57を作動させて結
合手段21の結合を解除し、外輪1と大径保持器12を
切離した状態におく。
【0043】一方、4駆走行する場合は、電磁石57の
作動を止めて結合手段21を結合させ、外輪1と大径保
持器12を結合した状態におく。
【0044】図12及び図13は第3の実施例を示して
いる。この実施例では、前述した各実施例とは反対に、
外輪1を駆動側、軸2を従動側とし、大径保持器12を
外輪1に固定し、小径保持器13を外輪1と軸2に対し
て相対回転可能にしている。
【0045】また、小径保持器13と大径保持器12の
先端部をスイッチバネ9で連結し、両保持器12、13
の位相を一致させている。
【0046】そして、従動部材である軸2と、小径保持
器13との間に、その両者を切離し自在に結合する結合
手段21を設けている。
【0047】この結合手段21は、図に示すように、軸
2の内部孔61に、スライド部材62を軸方向に移動可
能に嵌合させ、そのスライド部材62の先端に、ピン6
4を介して外向きに回動する一対の結合子63、63を
取付けている。また、上記内部孔61の開口部に、結合
子63、63とスライド部材62を一方向に移動させる
ソレノイド65を組込み、内部孔61の奥側端部に、ス
ライド部材62をソレノイド65に向かって付勢する弾
性部材66を組込んでいる。
【0048】上記内部孔61の周面には、拡開する結合
子63、63が挿通するための窓67、67が径方向に
対向して形成され、この各窓67、67の一方の壁面6
7aが結合子63、63が内側に閉じた状態で各結合子
の先端と接触し、この状態からソレノイド65が伸長し
て結合子を移動させると、各結合子63、63の先端が
壁面67aに沿って移動し、外側に拡開するようになっ
ている。
【0049】また、上記窓67、67に向き合う小径保
持器13の内径面には、係合リング69が圧入嵌合さ
れ、その係合リング69の内面に、拡開する各結合子6
3、63の先端と互いに噛み合う多数の係合歯70が形
成されている。この構造では、係合歯70と結合子6
3、63の噛み合いと、結合子63、63が各窓67、
67の円周方向の側面に係合することにより、軸2と小
径保持器13が一体に結合する。
【0050】上記軸2の後端には、上記ソレノイド65
から引き出されたリード線72が接続するスリップリン
グ71が取付けられている。
【0051】また、軸2の外側に嵌合するように車体に
固定される固定部材68には、上記スリップリング71
に向かう径方向の孔73が形成され、この孔73に、ス
リップリング71に向かって接近離反する押し当て部材
74が嵌め込まれている。この押し当て部材74の先端
には、電気接触子としてのブラシ75が取付けられ、こ
のブラシ75がバッテリ76と接続している。
【0052】また、上記孔73には、固定部材68の外
面に固定した外部ソレノイド77の作動軸78が嵌め込
まれ、この外部ソレノイド77の電源回路の電気スイッ
チ79をONにすると、作動軸78が伸長して押し当て
部材74を押し出し、ブラシ75をスリップリング71
に接触させるようになっている。
【0053】上記のような構造で成る実施例の回転伝達
装置は、外輪1にフロント又はリヤのプロペラシャフト
を連結し、軸2を従動側の車輪に連結する。
【0054】2駆走行モードの場合、内部のソレノイド
65に電流を供給せず、軸2と小径保持器13、すなわ
ち軸2と外輪1を切離した状態におく。この場合、ブラ
シ75とスリップリング71は非接触状態におかれる。
【0055】一方、4駆走行モードにする場合は、電気
スイッチ79をONにして外部ソレノイド77の作動に
よりブラシ75とスリップリング71を接触させ、内部
のソレノイド65に電流を供給する。これにより、ソレ
ノイド65が作動してスライド部材62が移動し、結合
子63、63が外側に拡開して係合リング69と噛み合
い、軸2と小径保持器13が結合する。
【0056】このため、小径保持器13と大径保持器1
2の位相がずれ、スプラグ4が係合して外輪1と軸2を
直結する。
【0057】一方、図14は第4の実施例を示してい
る。この実施例は、上述したような2駆走行モードと4
駆走行モードの切換えを自動的に行なうための制御構造
例を示したものであり、前述した第1の実施例におい
て、結合手段21の電磁石29に接続する電源回路の電
気スイッチ34に、そのスイッチの作動を制御する制御
装置80が接続されている。
【0058】この制御装置80は、演算機能を備えてお
り、その演算で使用する制御用の変数値Zを任意に設定
するための可変抵抗器81が制御装置80に接続してい
る。
【0059】また、回転伝達装置の軸2が連結するフロ
ント又はリヤのプロペラシャフトには、回転伝達装置に
入力される回転数を検出するための検出器82が接続さ
れ、外輪1が連結する従動側の車輪には、回転伝達装置
の出力側の回転数を検出するための検出器83が接続さ
れており、その各検出器82、83からそれぞれ制御装
置80へ検出信号を出力するようになっている。
【0060】上記制御装置80は、各検出器82、83
及び可変抵抗器81から入力回転数と出力回転数、及び
制御用変数Zが入力されると、次の式
【0061】
【数3】
【0062】という演算を実行し、上記式が成立した時
電気スイッチ34をONにし、成立しない場合には電気
スイッチ34をOFFとするように構成されている。
【0063】上記の構造で成る実施例においては、通常
の舗装路面を走行する場合、Z=10程度と大きな値に
設定し、上記式が成立しないようにする。これにより、
回転伝達装置の外輪1と大径保持器12が切離されて2
輪駆動状態が維持され、旋回中のタイトコーナーブレー
キング現象が回避される。
【0064】また、直結4輪駆動にしたい場合は、Z=
0に設定し、上記式3が常に成立するようにする。これ
により、電磁石29がONとなって外輪1と大径保持器
12が結合され、外輪1と軸2が一体に連結した状態が
維持される。
【0065】一方、雪道などの摩擦係数の低い路面を走
行する場合は、Zを0以上で比較的小さい値に設定す
る。これにより、駆動側の車輪にスリップ等が発生した
場合、入力回転数と出力回転数の関係が変化することに
よって上記式1が成立するため、2輪駆動から4輪駆動
に切り替わり、上記スリップ等にすばやく対応すること
ができる。
【0066】また、上記のような制御を行なえば、摩擦
係数の低い路面の走行中にエンジンブレーキを急激に効
かせた場合にも、自動的に2輪駆動から4輪駆動に切り
替わり、スピン等の危険を確実に回避することができ
る。
【0067】上記のような走行モードを自動的に切換え
る制御機構は、4輪駆動車におけるアンチスキッドブレ
ーキシステム(以下ABSとする)と併用することが可
能であり、その場合、制御装置80と各検出器82、8
3をABSにおける制御装置と回転センサと共用するこ
とができる。
【0068】この場合、ABS作動時は、いかなる場合
でも電磁石をOFFとする制御にすれば、2輪駆動状態
が維持されるため不都合な動力循環をなくすことがで
き、Gセンサに頼ることなく簡単に車輪のロック検出を
行なうことができる。
【0069】なお、上記第4の実施例では、第1の実施
例について走行モードの自動切換えを行なうようにした
が、第2乃至第5の実施例についても同様に実施するこ
とができる。
【0070】
【効果】以上のように、この発明の回転伝達装置は、通
常は保持器が係合子を中立位置に保持し、結合手段の作
動により、係合子を係合位置に移動させて駆動部材と従
動部材と一体化するため、FFベースとFRベースの両
方の4輪駆動車に装着でき、車両装着への自由度を大き
くとることができる。
【0071】また、結合手段の操作により自由に2輪駆
動と直結の4輪駆動とを切換えることができ、エンジン
ブレーキも走行中に任意に効かすことができるため、安
全で安定した車両走行を実現できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の回転伝達装置を示す縦断面図
【図2】(a)は同上の結合手段における電磁石OFF
状態の拡大断面図、(b)は電磁石ON状態の拡大断面
【図3】図1のIII −III 線の断面図
【図4】スイッチバネを保持器に装着した状態を示す一
部縦断正面図
【図5】結合手段が非作動状態でのスプラグと保持器の
関係を示す断面図
【図6】(a)は結合手段の作動状態でのスイッチバネ
と保持器の関係を示す一部縦断正面図、(b)は同上の
スプラグと保持器の関係を拡大して示す断面図
【図7】図1のVII−VII線の断面図
【図8】図1のVIII−VIII線の断面図
【図9】(a)(b)はそれぞれ4輪駆動車に対する回
転伝達装置の装着例を示す模式図
【図10】第2の実施例を示す縦断面図
【図11】(a)(b)はそれぞれ同上の結合手段の作
動状態を示す断面図
【図12】第3の実施例を示す縦断面図
【図13】同上の作動状態を示す縦断面図
【図14】第4の実施例を示すブロック図
【符号の説明】
1 外輪 2 軸 4 スプラグ 9 スイッチバネ 12 大径保持器 13 小径保持器 18、19 ポケット 21 結合手段 22 ロータ 24、50、63 結合子 29、57 電磁石 33、58、76 バッテリ 34、59、79 電気スイッチ 50 結合子 51 摩擦部材 65、77 ソレノイド 80 制御装置 81 可変抵抗器 82、83 検出器 A 回転伝達装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内外に回転可能に嵌合させた駆動部材と
    従動部材の間に、その駆動部材と従動部材が相対回転し
    た時に両部材と係合する複数の係合子と、駆動部材と従
    動部材に対して相対回転可能な係合子の保持器とを組込
    み、この保持器と駆動部材の間に、各係合子を駆動部材
    と従動部材に係合しない中立位置に保持した状態で保持
    器と駆動部材を共回りさせる弾性部材を設け、上記保持
    器と従動部材の間には、遠隔操作により保持器と従動部
    材を切離し自在に結合する結合手段を設けて成る回転伝
    達装置。
  2. 【請求項2】 上記結合手段を、電気スイッチの切換え
    により作動が遠隔操作されるものとした請求項1に記載
    の回転伝達装置。
  3. 【請求項3】 上記結合手段を、保持器に回り止めした
    状態で従動部材に向かって接近離反する結合子と、その
    結合子を従動部材に吸着する電磁石とから構成され、上
    記電磁石の作動を切換えるスイッチを遠隔操作用の電気
    スイッチとした請求項2に記載の回転伝達装置。
  4. 【請求項4】 上記電気スイッチに、演算機能を有する
    制御手段を接続し、その制御手段が、駆動部材に加わる
    回転数を入力回転数、従動部材から出力される回転数を
    出力回転数、ゼロ以上で任意に設定できる変数をZとし
    た場合、 【数1】 の関係が成立したとき保持器と従動部材と結合する方向
    に電気スイッチを切換えるようにした請求項2又は3に
    記載の回転伝達装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000035061A (ja) * 1998-07-16 2000-02-02 Ntn Corp ハイブリッド車用の動力断続装置
JP2002340020A (ja) * 2001-05-15 2002-11-27 Ntn Corp 回転伝達装置
US6873895B2 (en) 2002-03-14 2005-03-29 Ntn Corporation Method of controlling 4-wheel drive vehicles
CN104948610A (zh) * 2015-06-15 2015-09-30 洛阳轴研科技股份有限公司 一种并联双驱动系统的动力切换装置及其切换方法

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