JPH0872581A - 回転伝達装置 - Google Patents

回転伝達装置

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Publication number
JPH0872581A
JPH0872581A JP29711394A JP29711394A JPH0872581A JP H0872581 A JPH0872581 A JP H0872581A JP 29711394 A JP29711394 A JP 29711394A JP 29711394 A JP29711394 A JP 29711394A JP H0872581 A JPH0872581 A JP H0872581A
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JP
Japan
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retainer
wheel
driven member
coupling
transmission device
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Application number
JP29711394A
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English (en)
Inventor
Tateo Adachi
健郎 安達
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 機械式クラッチの係合とフリーランニング特
性を利用して駆動側と従動側のトルク伝達を切換える装
置において、クラッチのフリーランニングを任意に停止
できるようにする。 【構成】 駆動側となる内輪2と従動側となる外輪1の
間に、スプラグ20を保持する保持器12、13を設
け、大径側の保持器12に、一方向の回転力を付与する
スイッチバネ27を連結する。外輪1に固定したロータ
29に、保持器12に噛み合う結合子30を接近離反可
能に設け、電磁石33の作動により結合子30をロータ
29に吸着し、外輪1と保持器12を一体化する。これ
により、フリーランニングが停止し、外輪1と内輪2を
直結できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、4輪駆動車の前輪車
軸とホイールハブの間で駆動力の伝達と遮断を切換える
回転伝達に関するものである。
【0002】
【従来の技術及びその課題】パートタイム式の4輪駆動
車として、前輪ハブと車軸との間にフリーホイールハブ
を組込み、車軸とホイール間の駆動力の伝達と遮断を切
換えるようにしたものである。
【0003】このようなフリーホイールハブの装着車
は、2駆走行時は後輪駆動とし、トランスファから前輪
車軸までの駆動系をフリーホイールハブにより切離して
走行し、4駆走行時は、フリーホイールハブを結合して
前後輪を直結した駆動状態にして走行している。2駆走
行時に前輪駆動系を停止させる理由は、燃費の向上と、
駆動系からの音発生を抑えて静粛性を図ることにある。
【0004】上記のようなフリーホイールハブの種類と
しては、大きく分けて手動で切換えを行なうマニュアル
式と、切換えが自動的に行なわれる自動式のものとがあ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、マニュアル
式のフリーホイールハブは、運転者が降車して手動によ
り切換え操作を行なう必要があるため、冬季や雨天時の
操作性が悪く、最近では、降車せずに操作が行なえる自
動式のものの使用が多くなっている。
【0006】一方、従来の自動式のフリーホイールハブ
においては、4駆走行から2駆走行に切換える場合、ト
ランスファーを2駆状態にしたまま数メートルほど後退
することでハブの切換えを行なっているが、このような
切換えの方法では、悪路などでスタックした状態から前
後進の切換えを行なって脱出する場合、車両の後退によ
って2駆走行状態に切換ることがあり、4駆走行による
走破力を利用できない場合がある。
【0007】また、雪道等の摩擦係数の低い登り坂等に
おいて、2駆走行に切換えて発進した場合、前輪が駆動
系と切離された状態にあるため、後輪のみが空転して車
両が動かず、ハブが4駆走行状態に切換わらない問題が
ある。
【0008】この場合、後輪が空転しつつ車両が僅かず
つでも進んでいる場合はハブが噛み合おうとするが、ハ
ブにトルクを入力する前輪車軸とタイヤとの間に大きな
回転差があるため、ハブは激しいギヤ鳴り音やショック
を伴って結合するようになり、これらが乗員に不快感を
与える不具合があった。
【0009】そこで、この発明は、上述した従来のフリ
ーホイールハブのもつ問題点を解決し、2駆走行時は前
輪駆動系を切離し、4駆走行時には4輪を直結状態にし
て走行することができる回転伝達装置を提供することを
目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、駆動部材と従動部材を内外に回転可能
に嵌合させ、その駆動部材と従動部材の間に、駆動部材
と従動部材が正逆方向に相対回転したときにその両部材
に係合する複数の係合子と、その各係合子を係合作動位
置に移動させる保持器とを組込み、上記保持器に、その
保持器を駆動部材に対して一方向に相対回転させる回転
力付与手段を連結し、保持器と従動部材の間に、その保
持器と従動部材を切離し自在に結合する結合手段を設け
た構造としたのである。
【0011】なお、上記の構造において、結合手段は、
保持器に回り止めされた状態で従動部材と連結するロー
タに向かって接近離反する結合子と、その結合子をロー
タに吸着する電磁石とから構成することができる。
【0012】また、上記の構造に代えて、結合手段を、
保持器に回り止めされた状態で従動部材と連結する摩擦
部材に向かって接近離反する結合子と、その結合子を摩
擦部材に圧着する弾性部材と、結合子を摩擦部材から引
き離す方向に吸着する電磁石とから構成することもでき
る。
【0013】
【作用】上記の構造では、駆動部材を前輪車軸に連結
し、従動部材をホイールハブに連結し、従動部材と保持
器を切離した状態で車輌が走行すると、回転力付与手段
の作用により係合子が駆動部材と従動部材間の係合作動
位置に移動する。
【0014】この場合、通常の走行状態では、ホイール
ハブと一体で回転する従動部材は、駆動部材に対して同
等以上の回転数で回転するため、係合子に対してフリー
ランニングする。これにより、トルク伝達がなされない
ため、トランスファーから前輪車軸までの駆動系を停止
させることができる。
【0015】一方、結合手段により従動部材と保持器を
結合すると、保持器の回転によって係合子が係合位置に
強制的に移動するため、従動部材と駆動部材が一体に回
転し、前後輪が直結した4輪駆動状態になる。
【0016】
【実施例】図1乃至図9は、この発明の第1の実施例を
示している。図1は、回転伝達装置を車両の前輪車軸に
装着した状態を示しており、前輪車軸3には、先端部分
を除いて車体に固定されるナックル4が嵌合し、そのナ
ックル4に、軸受7、8を介してホイールハブ5が回転
可能に支持されている。
【0017】上記前輪車軸3の先端部には、図2に示す
ように、セレーション溝6の嵌め合いによって、回転伝
達装置Aの駆動部材である内輪2が一体に取付けられ、
その内輪2の外側に、軸受8を介して従動部材となる外
輪1が回転可能に嵌合している。
【0018】この外輪1は、複数のボルト9によりホイ
ールハブ5の端面に固定されている。
【0019】また、上記外輪1の内径面と内輪2の外径
面には、図4及び図7に示すように、同芯の円筒面1
0、11が形成され、その両円筒面10、11の間に、
大径保持器12と小径保持器13が組込まれている。
【0020】上記大径保持器12は、後端部に延長腕1
4が一体に形成され、その延長腕14が軸受8の案内に
より外輪1と内輪2に対して回転自在に支持されてい
る。
【0021】一方、小径保持器13は、前端部に、内径
側に向かって屈曲する屈曲部15が形成され、その屈曲
部15が内輪2の端面2aにすべり回転可能に接触して
おり、この屈曲部15と止め輪17との間に、皿バネか
ら成る圧着バネ16が組込まれている。この圧着バネ1
6は、屈曲部15を内輪2の端面2aに向かって圧着し
ており、その押圧力によって生じる摩擦力により小径保
持器13を内輪2に圧着している。
【0022】また、上記大径保持器12と小径保持器1
3の周面には、図4及び図7に示すように、径方向に対
向して複数のポケット18、19が形成され、その各ポ
ケット18、19に、係合子としてのスプラグ20と、
スプラグ20を保持するバネ21とが組込まれている。
【0023】このスプラグ20は、外径側と内径側に、
それぞれ異なった曲率中心をもつ左右対称形の円弧面2
2と22aが形成され、左右の両方向に所定角度傾くと
両円筒面10、11と係合し、外輪1と内輪2を一体化
する。また、バネ21は、大径保持器12に一端が支持
されてスプラグ20を両側から押圧し、各スプラグ20
を円筒面10、11と係合する位置に保持している。
【0024】上記小径保持器13の周面には、図5に示
すようにストッパピン23が取付けられ、そのストッパ
ピン23が大径保持器12に設けた角孔24に嵌合して
おり、この角孔24の周壁とピン23との間に回転方向
すき間Xが設けられている。
【0025】また、上記大径保持器12及び小径保持器
13の周面には、それぞれ径方向に貫通するスリット2
5、26が形成され、そのスリット25、26に、C字
形のリング形状をしたスイッチバネ27の両端部が係合
している。このスイッチバネ27は、周方向に縮められ
た状態でセットされ、一端を大径保持器12に、他端を
小径保持器13に押し付けて取付けられており、そのバ
ネ力によって両保持器12、13に円周方向の力を与え
ている。この力により大径保持器12は回転力を受け、
角孔24の周壁が小径保持器13に圧入したストッパピ
ン23に当接する位置まで回転する。
【0026】ここで、上記ストッパピン23と角孔24
の間の回転方向すき間Xは、図7及び図8に示すように
スプラグ20が傾いて円筒面10、11に噛み合い状態
となるような大きさに設定されており、上記スイッチバ
ネ27のバネ力により、両保持器12、13とスプラグ
20は、回転の一方向の噛み合い位置でスタンバイの状
態となっている。上記の構造では、スイッチバネ27が
大径保持器12に一方向の回転力を付与する手段を構成
する。
【0027】一方、上記大径保持器12の延長腕14の
後端部には、その大径保持器12と外輪1を切離し自在
に結合する結合手段28が連結されている。
【0028】この結合手段28は、図3に示すように、
外輪1の内径面に環状のロータ29を圧入固定し、大径
保持器12の外周部に、ロータ29と平行に向き合う金
属製の結合子(アーマチュア)30をスライド可能に嵌
め込んでいる。この結合子30は、図3及び図6に示す
ように、内径側に形成した突起31が、大径保持器12
の外周面に固定した固定リング32の切欠き部39に噛
み合っており、その突起31と切欠き部39の噛み合い
により大径保持器12と共回りした状態でロータ29に
向かって接近離反するようになっている。
【0029】また、ナックル4の先端部には、上記ロー
タ29に対向して電磁石33が設けられている。この電
磁石33は、ナックル4にねじ止めしたケース34の内
部にコイル35を巻き付け、そのコイル35に、リード
線36を介して自動車のバッテリ37とスイッチ38と
を接続しており、バッテリ37から直流電流をコイル3
5に流すことにより電磁石を形成する。
【0030】上記結合手段28は、図3のように、各部
品を組立てた状態でロータ29と電磁石33の間に軸方
向すき間t1 が設けられ、また、結合子30は軸方向す
き間t2 の分だけ自由にスライドできるようになってい
る。この構造では、図3(a)のように電磁石33を作
動させない場合は、結合子30とロータ29の間に軸方
向すき間t2 ができ、両者は切離されて回転する状態に
なる。一方、図3(b)のようにスイッチ38をONに
して電磁石33を作動させると、結合子30が軸方向す
き間t2 をスライドしてロータ29に吸着され、外輪1
がロータ29と結合子30を介して大径保持器12に噛
み合い、一体に結合する。
【0031】実施例の回転伝達装置は上記のような構造
であり、図1に示すように、4輪駆動車の左右両方のハ
ブについて、内輪2を前輪車軸3に連結し、外輪1をホ
イールハブ5に連結して装着する。
【0032】次に、このように装着した状態において、
4輪駆動車を走行させる場合の回転伝達装置Aの作動
を、各走行条件に応じて説明する。
【0033】 2駆走行状態で走行する場合 この2駆走行では、結合手段28の電磁石33を作動せ
ず、外輪1と大径保持器12を切離した状態におく。
【0034】この状態で車輌が前進走行すると、大径保
持器12は、スイッチバネ27の弾性力によって内輪2
に対し相対回転し、図7に示すようにスプラグ20を前
進方向の係合作動位置へ移動させる。
【0035】このようにスプラグ20が係合作動位置に
移行した状態では、車軸の回転数より上回った回転が外
輪1に与えられた場合、スプラグ20は係合状態を解除
し、外輪1はフリーランニングすることができる。この
ため、トランスファより動力を切離された車軸3には、
エンジン及びタイヤの両方から駆動力が伝わらず、後輪
だけの2輪走行になるため、トランスファーから前輪車
軸までの駆動系を停止させることができる。
【0036】したがって、前進走行中の静粛性や燃費性
能は、従来のマニュアル式や自動式のフリーホイールハ
ブの2駆モードと同様に高いレベルに維持される。
【0037】一方、車両が後退する場合は、スプラグ2
0が内外輪1、2の円筒面10、11に噛み合い、車両
の後進によって前輪から入力し、前輪車軸からトランス
ファーまで連れ回すことになる。このような後退走行
は、速度が遅く、また、その移動距離も前進走行時に比
べて著しく小さい(通常数10m程度)ため、前輪側の
駆動系を連れ回しても燃費や騒音等にほとんど影響を与
えない。
【0038】 摩擦係数の低い路面を4駆走行する場
合 この場合は、結合手段28の電磁石33を作動させ、ロ
ータ29と結合子30を結合した状態におく。
【0039】これにより、外輪1と大径保持器12が一
体になり、大径保持器12は外輪1と同一方向に回転す
る。このため、スプラグ20が図7のようにフリーラン
ニングの状態にある場合でも、大径保持器12の回転に
よってスプラグ20は図8のように傾きを変えて内外輪
1、2の円筒面10、11に結合し、外輪1のフリーラ
ンニングが停止する。したがって、外輪1と前輪車軸3
が直結した状態になり、前後輪が直結した4輪駆動状態
になる。
【0040】上記の状態では、4駆走行を2駆走行に切
換えるのに車両を後退させる必要がないため、悪路にお
いて前後進を切換えて脱出するような場合でも4駆走行
状態が維持されることになり、大きな走破力を発揮する
ことができる。
【0041】また、2駆走行状態で摩擦係数が低く長い
登り坂等に停止し、その後4駆走行で発進する場合で
も、瞬時に4駆状態に切換り、その切換りにタイムラグ
がないため、スムーズな発進を行なうことができる。
【0042】なお、上記の場合、結合手段28の電磁石
33のスイッチ38をトランスファーの切換えスイッチ
に連動させるようにすると、運転者はトランスファー以
外に操作する必要がなく、今までのクロスカントリー用
の4輪駆動者の運転形態と変わることがないため、違和
感のない安定した操作が行なえる利点がある。
【0043】 舗装道路等を4駆走行する場合 この場合は、結合手段28の電磁石33をOFFにし、
外輪1と大径保持器12を切離した状態におく。
【0044】これにより、前進方向において4輪駆動と
なり、駆動側と従動側の回転差に応じてフリーランニン
グ機能が作動する。
【0045】すなわち、車両が旋回して蛇角をもつと、
前輪と外輪の旋回距離の差により、前輪に連結する外輪
1が内輪2よりも速く回転し、外輪1がスプラグ20に
対してフリーランニングする。このため、前輪と外輪は
切離されて回転し、タイトコーナでのブレーキング現象
が生じない。
【0046】また、後輪2輪による前進走行中、後輪が
スリップすると、車速の低下に伴って減速する前輪に対
して前輪車軸3の回転が上回るため、スプラグ20が内
外輪1、2に係合し、外輪1と内輪2が一体化する。こ
れにより、前輪に駆動力が加わり、自動的に4輪駆動に
切換わる。
【0047】このように、実施例の回転伝達装置では、
走行中の刻々と変わる路面の変化に幅広く対応すること
ができ、フルタイムの4輪駆動車と同様に安定した走行
を行なうことができる。
【0048】一方、図9及び図10は第2の実施例を示
している。この例では、クラッチ係合子としてローラ4
1を使用し、外輪1と内輪2の対向面にローラ41が正
逆方向で係合するカム面42と円筒面43を形成してい
る。
【0049】また、ローラ41を1個の保持器44で保
持し、その保持器44の両端に、それぞれスイッチバネ
27と結合手段28を連結している。他の構造は、基本
的に上述した実施例と同じであるため、同一の機能をも
つ部品については同一の符号を付して説明を省略する。
【0050】図11及び図12は第3の実施例を示す。
【0051】この実施例は、前述した第1の実施例に対
して、クラッチ機構の構造は同じであるが、結合手段の
構造と作動とに違いがある。
【0052】すなわち、この実施例の結合手段28は、
外輪1の内径面に形成したスプライン60に、リング状
の摩擦部材51を取付け、大径保持器12の外径面に形
成したスプライン52に、上記摩擦部材51と平行に向
き合う金属製の結合子50を取付けている。この結合子
50は、図12に示すように内径側に形成した突起53
がスプライン52に嵌合しており、その嵌合により大径
保持器12に回り止めされた状態で軸方向に移動可能に
なっている。
【0053】また、大径保持器12のスプライン52の
後端部には、止め輪54を介して抵抗リング55が固定
され、この抵抗リング55と結合子50との間に、皿バ
ネから成る弾性部材56が組込まれている。この構造で
は、弾性部材56のバネ力により結合子50が摩擦部材
51に圧着し、その圧着部の摩擦力と、摩擦部材51及
び結合子50のスプライン60、52に対する噛み込み
によって、外輪1と大径保持器12が共回り状態で結合
する。
【0054】また、上記抵抗リング55に向かい合うよ
うに、ナックル5の先端部には、ロック解除手段として
の電磁石57が取付けられている。この電磁石57は、
ナックル5にねじ止めしたケース58の内部にコイル5
9を巻き付け、そのコイル59に、リード線を介して車
両のバッテリ61とスイッチ62を接続しており、バッ
テリ61から直流電流をコイル59に流すことにより電
磁石を形成する。
【0055】上記の結合手段28は、図11のように各
部品を組立てた状態で、抵抗ケース55と結合子50の
間に軸方向すき間t1ができ、また、結合子50は軸方
向すき間t2の分だけスライドできるようになってお
り、電磁石57を作動しない場合は、図12(a)のよ
うに弾性部材56の力によって結合子50が摩擦部材5
1に圧着し、外輪1と大径保持器12が結合された状態
になる。一方、電磁石57を作動させると、図12
(b)に示すように結合子50が抵抗ケース55に吸着
され、結合子50と摩擦部材51の間に軸方向すき間t
2ができ、外輪1と大径保持器12が切離される。
【0056】上記の実施例においては、2駆走行時に
は、第1の実施例とは反対に電磁石57を作動させて結
合手段28の結合を解除し、外輪1と大径保持器12を
切離した状態におく。
【0057】逆に、摩擦係数の低い路面を4駆走行する
場合は、電磁石57の作動を切り、弾性部材36による
圧着によって結合手段28の摩擦部材51と結合子50
を結合した状態におく。
【0058】一方、舗装道路等を4駆走行する場合は、
電磁石57を作動させて結合手段28の結合を解除し、
外輪1と大径保持器12を切離した状態におく。
【0059】これにより、前進方向において4輪駆動と
なり、駆動側と従動側の回転差に応じてフリーランニン
グ機能が作動する。
【0060】図13は第4の実施例を示しており、この
例では、上記第3の実施例の構造において、クラッチの
係合子としてローラ41を使用し、外輪1と内輪2の対
向面にローラ41が正逆方向で係合するカム面42と円
筒面43を形成している。
【0061】なお、ローラ41を1個の保持器44で保
持し、その保持器44の両端に、それぞれスイッチバネ
27と結合手段28を連結した構造は、前述した第2の
実施例と同じである。
【0062】一方、図14乃至図17は第5の実施例を
示している。この実施例では、回転伝達装置を4輪駆動
車のプロペラシャフトに取付け、また、前述した第1の
実施例の構造において、大径保持器12の後端部を延長
させ、その延長腕14に、切換え手段としての一方向ク
ラッチ70と、回転抵抗発生手段71を連結している。
【0063】上記一方向クラッチ70は、図17に示す
ように、大径保持器12の延長腕14の後端部に圧入す
る外輪70aの内周に、周方向に一定間隔で複数の傾斜
カム面80を形成し、その外輪70aと回転抵抗発生手
段71の入力リング72との間に環状の保持器81を設
け、その保持器81に設けたポケットに、係合子として
のローラ73と、そのローラ73を傾斜カム面80と入
力リング72の表面に押し付けるバネ74とを組込んで
構成されている。
【0064】この一方向クラッチ70では、内輪2を介
して大径保持器12が図17の矢印イ方向に回転する
と、ローラ73がカム面80と入力リング72の間に噛
み込み、大径保持器12と入力リング72を一体化す
る。逆に、大径保持器12が図17の矢印ロ方向に回転
すると、ローラ73の係合が切れ、大径保持器12と入
力リング72が切り離される。
【0065】また、上記回転抵抗発生手段71は、図1
4に示すように、上記入力リング72に設けたフランジ
75と、係止部材76を介して自動車のボディー等に固
定されるハウジング77のフランジ78とを互いに擦り
合わせ、その擦り合わせ部を、フランジ78と止め輪7
9の間に組込んだ皿バネ82により押圧して構成されて
いる。
【0066】上記皿バネ82のバネ力は、摩擦力により
擦り合わせ部に引きずりトルクを生じさせており、この
引きずりトルクによって、大径保持器12と一体に回転
しようとする入力リング72に対してその回転を遅れさ
せる抵抗力を発生させている。
【0067】また、上記擦り合わせで生じる回転抵抗
は、上述したスイッチバネ27のバネ力により大径保持
器12に加わる回転力よりも大きく設定され、一方向ク
ラッチ70が噛み合って大径保持器12と入力リング7
2が共回りした場合、擦り合わせ部による回転抵抗がス
イッチバネ27による回転力に打ち勝ち、大径保持器1
2と小径保持器13の位相を逆方向に切換えるようにな
っている。
【0068】上記構造の実施例では、自動車の前進走行
時における内輪12の回転方向が、一方向クラッチ70
が切れる方向(図17の矢印ロ方向)に一致し、後退時
における回転方向が、一方向クラッチ70の噛み込む方
向(図17の矢印イ方向)に一致するように設定する。
【0069】これにより、結合手段28を切り離した状
態にして自動車が前進走行した場合には、スイッチバネ
27の回転力だけが大径保持器12に作用し、スプラグ
20を図7に示すような前進時の係合作動位置に係合さ
せることができる。
【0070】一方、自動車が後退する場合は、大径保持
器12は、スイッチバネ27のバネ力により小径保持器
13と同時に回転しようとするが、この回転方向は一方
向クラッチ70がロック状態となるため、大径保持器1
2と入力リング72が一体に回転する。このとき、入力
リング72が連結する回転抵抗発生手段71の回転抵抗
をスイッチバネ27による回転力よりも大きく設定して
あるので、回転抵抗発生手段71の抵抗により大径保持
器12は減速し、スプラグ20を図8に示すように上記
とは反対方向に傾かせて後退方向の係合作動位置にスタ
ンバイさせる。その後は、回転抵抗発生手段71の回転
抵抗を受けながら大径保持器12が回転し、スプラグ2
0のスタンバイ状態を保持する。
【0071】このようにスプラグ20の位相を変化させ
る大径保持器12には、自動車の前進走行時はスイッチ
バネ27の付勢力だけが作用し、後退時では回転抵抗発
生手段71のすべり抵抗がスイッチバネ27に打ち勝っ
て作用するため、自動車の移動方向に変化に合わせてス
プラグ20の傾動方向が切り換ることになり、前進後退
の両方向において適切なフリーランニング機能を発揮す
ることができる。
【0072】また、結合手段28により大径保持器12
と外輪1を結合すると、前述した各実施例と同じように
4輪直結状態となり、外輪1から内輪2への逆入力が可
能になるため、4輪同時のエンジンブレーキを作用させ
ることができる。
【0073】
【効果】以上のように、この発明は、係合子の保持器を
従動部材に切離し自在に結合できるようにしたので、任
意にクラッチのフリーランニングを停止させることがで
き、駆動部材と従動部材間でトルク伝達経路を間接状態
と直接状態とに変化させることができる。したがって、
この回転伝達装置を4輪駆動車のハブ等に組込むことに
より、前輪駆動系を切離した状態で2駆走行できると共
に、4駆走行時には前後輪を直結することができ、燃費
と静粛性に優れ、路面の変化に正確に対応できる4輪走
行を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】4輪駆動車に対する回転伝達装置の装着例を示
す一部縦断面図
【図2】第1の実施例の回転伝達装置を示す縦断面図
【図3】(a)は電磁石がOFF状態の結合手段を示す
断面図、(b)は電磁石がON状態の断面図
【図4】図2のIV−IV線の断面図
【図5】図2のV−V線の断面図
【図6】図2のVI−VI線の断面図
【図7】スプラグの前進係合状態とフリーランニング状
態を示す断面図
【図8】スプラグの後退係合状態とフリーランニングを
停止した状態を示す断面図
【図9】第2の実施例を示す縦断面図
【図10】図9のX−X線の断面図
【図11】第3の実施例を示す縦断面図
【図12】(a)(b)はそれぞれ同上の結合手段の作
動状態を示す断面図
【図13】第4の実施例を示す縦断面図
【図14】第5の実施例を示す縦断面図
【図15】図14の要部拡大断面図
【図16】図14のXVI −XVI 線の拡大断面図
【図17】同上の一方向クラッチを示す断面図
【符号の説明】
1 外輪 2 内輪 3 前輪車軸 4 ナックル 5 ホイールハブ 12 大径保持器 13 小径保持器 18、19 ポケット 20 スプラグ 27 スイッチバネ 28 結合手段 29 ロータ 30 結合子 32 固定リング 33 電磁石 35 コイル 37 バッテリ 38 スイッチ 41 ローラ 44 保持器 50 結合子 51 摩擦部材 55 抵抗リング 56 弾性部材 57 電磁石 70 一方向クラッチ 71 回転抵抗発生手段 A 回転伝達装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動部材と従動部材を内外に回転可能に
    嵌合させ、その駆動部材と従動部材の間に、駆動部材と
    従動部材が正逆方向に相対回転したときにその両部材に
    係合する複数の係合子と、その各係合子を係合作動位置
    に移動させる保持器とを組込み、上記保持器に、その保
    持器を駆動部材に対して一方向に相対回転させる回転力
    付与手段を連結し、保持器と従動部材の間に、その保持
    器と従動部材を切離し自在に結合する結合手段を設けた
    回転伝達装置。
  2. 【請求項2】 上記結合手段を、保持器に回り止めされ
    た状態で従動部材と連結するロータに向かって接近離反
    する結合子と、その結合子をロータに吸着する電磁石と
    から構成した請求項1に記載の回転伝達装置。
  3. 【請求項3】 上記結合手段を、保持器に回り止めされ
    た状態で従動部材と連結する摩擦部材に向かって接近離
    反する結合子と、その結合子を摩擦部材に圧着する弾性
    部材と、上記結合子を摩擦部材から引き離す方向に吸着
    する電磁石とから構成した請求項1に記載の回転伝達装
    置。
  4. 【請求項4】 上記保持器に、回転力付与手段とは逆方
    向の回転力を発生させる回転抵抗発生手段を連結し、保
    持器に作用する回転力の方向を駆動部材の回転方向の変
    化に応じて切換え可能とした請求項1乃至3のいずれか
    に記載の回転伝達装置。
JP29711394A 1994-06-30 1994-11-30 回転伝達装置 Pending JPH0872581A (ja)

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JP6-149606 1994-06-30
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JP6-149630 1994-06-30
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009014202A (ja) * 1996-06-12 2009-01-22 Ntn Corp 回転伝達装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009014202A (ja) * 1996-06-12 2009-01-22 Ntn Corp 回転伝達装置

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