JPH0617853A - 回転伝達装置 - Google Patents

回転伝達装置

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JPH0617853A
JPH0617853A JP4173064A JP17306492A JPH0617853A JP H0617853 A JPH0617853 A JP H0617853A JP 4173064 A JP4173064 A JP 4173064A JP 17306492 A JP17306492 A JP 17306492A JP H0617853 A JPH0617853 A JP H0617853A
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Kenichiro Ito
健一郎 伊藤
Tateo Adachi
健郎 安達
Makoto Yasui
誠 安井
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NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D41/00Freewheels or freewheel clutches
    • F16D41/06Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface
    • F16D41/08Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface with provision for altering the freewheeling action
    • F16D41/10Freewheels or freewheel clutches with intermediate wedging coupling members between an inner and an outer surface with provision for altering the freewheeling action with self-actuated reversing

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • One-Way And Automatic Clutches, And Combinations Of Different Clutches (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、保持器に回転抵抗を与えて係合子
の作動方向を切換える回転伝達装置において、高トルク
負荷により係合子から保持器に加わる力を緩和できる構
成を提供する。 【構成】 外輪1と内方部材2の間に第一保持器12と
第二保持器13を設け、第二保持器13を圧着バネ16
により内方部材2の端面に圧着させる。保持器12、1
3の前端部に、その両者間に回転力を発生させるスイッ
チバネ27を取付け、第一保持器12の後端に、一方向
クラッチ28を介して回転抵抗発生手段6を連絡する。
上記の構造では、一方向クラッチ28の回転切換えによ
り、スイッチバネ27又は回転抵抗発生手段6の回転抵
抗を第一保持器12に与えてスプラグ20の傾斜方向を
切換える。また、スプラグから第一保持器12に大きな
力が加わると、保持器12が内方部材に対しすべり回転
して保持器12に加わる力を緩和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、車両の駆動経路上に
おいて駆動力の伝達と遮断の切換えに用いられる回転伝
達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンの駆動力を前輪や後輪
に伝達する装置として、従来ビスカスカップリングが知
られているが、このようなビスカスカップリングは、高
粘性流体のもつ特性から低速時の急旋回において引きず
りトルクを生じやすく、また、大きな駆動力を伝達する
にはカップリング径を大きくする必要があるため、装置
が大型化する欠点がある。
【0003】これに対して、前輪と後輪に対する駆動力
を機械式クラッチによって切換えて、低速時から大きな
駆動力を効率よく伝達できるようにした装置を、本出願
人は特願平3−275715号により提案している。
【0004】この装置は、図12に示すように回転自在
に支持された外輪61と内方部材62の間に、回転可能
な第一保持器63と、内方部材62に固定する第二保持
器64を設け、その両保持器63、64に設けたポケッ
トに、外輪61と内方部材62の相対回転により係合す
るスプラグ65を組込んでいる。
【0005】また、第一保持器63に、内方部材62の
ピン孔66に回転方向すき間をもって挿通するピン67
を連結し、そのピン67に、作動軸68とピン69を介
して、回転抵抗の大きい転がり軸受71を用いた回転抵
抗付与手段70を連結している。
【0006】さらに、上記転がり軸受71と固定部材に
連結する支持ケース72との間に、一方向クラッチ73
を組込み、作動軸68と内方部材62との間に、上記一
方向クラッチ73が切り離される回転方向とは逆方向の
回転力を第一保持器63に与える捩じりバネ74を取付
けている。
【0007】上記の回転伝達装置は、図9に示すような
自動車の駆動経路において、内方部材62をトランスフ
ァCから延びる前輪推進軸Dに連結し、外輪61をフロ
ントテフEに連結して装着されるが、自動車の前進状態
で一方向クラッチ73が空転して回転抵抗発生手段70
が作動せず、捩じりバネ74のバネにより第一保持器6
3の回転が内方部材62(第二保持器64)に対し遅れ
て、スプラグ65が図7に示すような噛み込み位置にス
タンバイする。
【0008】逆に、自動車の後退状態では一方向クラッ
チ73が噛み込み、回転抵抗発生手段70の回転抵抗に
よって第一保持器63と内方部材62が相対回転し、ス
プラグ65を噛み込み位置にスタンバイさせる。
【0009】このように上記の装置では、車両が前進又
は後退するとき、捩じりバネ74又は回転抵抗付与手段
70の抵抗により第一保持器63の回転が遅れ、両保持
器63、64の位相を変化させてスプラグ65の傾斜を
切換えるようにしている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記構造の
回転伝達装置では、スプラグ65に高トルクが負荷した
場合、スプラグ65と外輪61及び内方部材62の接触
面に接触応力による弾性変形が生じ、スプラグ65は、
図7に鎖線で示すようにスタンバイ位置に対して弾性変
位量分だけ傾くが、これにより、固定の第二保持器64
とスプラグ65が干渉し合い、その干渉する表面や第二
保持器64を内方部材62に固定する固定ピンに荷重が
集中して加わる現象が生じる。特に、スプラグ65に高
トルクが繰り返し負荷した場合には、干渉する部分の異
常摩耗や、第二保持器64のポケット間の柱部や固定ピ
ンに交番荷重が加わり、部品寿命の低下をきたす問題が
ある。
【0011】また、自動車の一般的な使われ方では、前
進する状態が大部分を占め、後退はごく限られた時間を
占めるに過ぎないため、一方向クラッチ73は空転状態
が主な使用状態となるが、通常自転車のプロペラシャフ
ト(前輪推進軸D)は数千回転以上で高速回転している
ため、一方向クラッチ73の係合子が固定側のクラッチ
面に接触した状態で回転していると、空転による摩耗が
著しく進行し、クラッチの寿命低下や噛み合いに不都合
を生じさせる不具合がある。
【0012】また、後退の際、回転抵抗発生手段70の
回転抵抗が捩じりバネ74による回転抵抗に打ち勝ち、
第1保持器63の回転を遅れさせる必要があるため、転
がり軸受71の引きずりトルクが捩じりバネ74のバネ
力より大きいことが要求されるが、回転抵抗発生手段に
転がり軸受71を用いた構造では、予圧の増大によって
得られる転がり軸受71の引きずりトルクが温度の影響
を受けやすく、安定したトルクを得ることが難しいた
め、確実で応用性の高い保持器の制御が行いにくい欠点
がある。
【0013】そこで、この発明は、上述した各問題点を
解決し、係合子に繰り返して高トルクの負荷が加わった
場合でも安定した回転力の伝達ができ、トルク切換えの
確実性と部品の高寿命化を実現できる回転力伝達装置を
提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明の第1の手段は、外輪とそれに嵌合する内
方部材の間に、径の異なる第一保持器と第二保持器を設
け、その両保持器に対向して設けたポケットに、両保持
器の相対回転によって外輪と内方部材の間に係合する係
合子を組込み、上記第一保持器と外輪又は内方部材とを
共回り可能に連結すると共に、第一保持器とそれが連結
する外輪又は内包部材との間に回転差を生じさせる回転
抵抗付与手段を設け、上記第一保持器が連結する外輪又
は内方部材の一方向の回転に対して第一保持器と上記回
転抵抗付与手段の連結状態を切り離す一方向クラッチを
組込み、上記第二保持器を外輪又は内方部材にすべり回
転可能に接触させると共に、その接触部に圧着する方向
の付勢力を与える弾性部材を設け、上記第一保持器と第
二保持器を円周方向すき間を介して共回り可能に連結
し、その第一保持器と第二保持器の間に、上記一方向ク
ラッチが切り離し作動する回転方向とは逆方向の回転力
を第一保持器に付与する回転力発生手段を設け、第一保
持器に対して回転力発生手段による回転抵抗を上記回転
抵抗付与手段の回転抵抗よりも小さく設定した構造とし
たのである。
【0015】また、この発明の第2の手段は、上記一方
向クラッチを、クラッチ外輪と、内方部材と、その両者
間に係合する係合子とから構成し、クラッチの空転時ク
ラッチ外輪が回転するように組込んだ構造を採用したの
である。
【0016】さらに、第3の手段は、上記回転抵抗付与
手段を、固定の部材と回転する部材とが摺接する擦り合
わせ部と、その擦り合わせ部を押圧する弾性部材とから
構成したものである。
【0017】
【作用】上記第1の手段においては、第二保持器を駆動
側となる外輪又は内方部材の一方に接触させ、係合子に
高トルクが負荷されると、係合子との干渉により第二保
持器に力が作用するが、この作用力が圧着部材による圧
着力を上回ると、第二保持器がすべり移動し、保持器や
係合子に加わる力を緩和する。また、第二保持器が第一
保持器との間の円周方向すき間以上に回転すると、第一
保持器が共回りし、両保持器の相対位置を係合子のスタ
ンバイに必要な距離に保つ。
【0018】また、上記第2の手段では、空転の時、一
方向クラッチの外輪が回転し、係合子が遠心力により外
輪に接触して共回りするため、固定側の内部部材のクラ
ッチ面と係合子との間の接触圧は小さくなり、空転時摩
耗の進行が抑えられる。
【0019】一方、第3の手段においては、部材同上の
擦り合わせ部を弾性部材で押し付けて引きずりトルクを
生じさせるので、擦り合わせ部が摩耗しても弾性部材の
押圧力が変化せず、急激な引きずりトルクの変動が防止
される。
【0020】
【実施例】図1乃至図8は、この発明の第1実施例を示
している。図1に示すように、外輪1の内側に、中空軸
から成る内方部材2が嵌合され、その両者は、外輪1の
奥側端部に配置した軸受3と、内外の2層構造に組込ん
だ一対の軸受4、5を介して回転自在に支持されてい
る。また、外輪1の開口側端部と内方部材2の周面の間
には、後述する回転抵抗付与手段6が軸受7、8を介し
て回転自在に支持され、内方部材2の突出した端部に、
セレーション溝の嵌合により入力用リング9が取付けら
れている。
【0021】外輪1の内径面と、それに対向する内方部
材2の外径面には、図2及び図3に示すように、同芯の
円筒面をなす係合面10、11が形成され、その両係合
面10、11の間に、径の異なる第一保持器12と第二
保持器13が組込まれている。
【0022】上記第一保持器12は、後端部に、2層構
造の軸受4、5の間を挿通する延長腕14が一体に形成
され、その軸受4、5の案内により外輪1と内方部材2
に対して回転自在に支持されている。
【0023】一方、第二保持器13は、前端部に、内径
側に向かって屈曲する屈曲部15が形成され、その屈曲
部15が内方部材2の端面2aにすべり回転可能に接触
しており、この屈曲部15と軸受3の止め輪17との間
に、皿バネから成る圧着バネ16が組込まれている。こ
の圧着バネ16は、屈曲部15を内方部材2の端面2a
に向かって圧着する方向の付勢力を与えており、その押
圧力によって両者の接触部に摩擦を生じさせ、その摩擦
力により第二保持器13を内方部材2に固着している。
【0024】上記第一保持器12と第二保持器13の周
面には、図3及び図7に示すように、対向して周方向に
複数のポケット18、19が形成され、その各ポケット
18、19に係合子としてのスプラグ20と、スプラグ
を保持するバネ21とが組込まれている。
【0025】このスプラグ20は、外径側と内径側がス
プラグの中央線上に曲率中心をもつ弧状面22で形成さ
れ、左右の両方向に所定角度傾くと両係合面10、11
と係合し、外輪1と内方部材2を一体化する。また、バ
ネ21は、第一保持器12に一端が支持されてスプラグ
20を両側から押圧し、各スプラグ20を係合面10、
11と係合する位置に保持する弾性力を与えている。
【0026】また、上記第二保持器13の前端部には、
図2及び図5に示すようにストッパピン23が取付けら
れ、そのストッパピン23が第一保持器12に設けた角
孔24に嵌合しており、この角孔24の周壁とピン23
との間に回転方向すき間Xが設けられている。
【0027】さらに、第一保持器12及び第二保持器1
3の周面には、図4に示すようにそれぞれ軸方向に貫通
するスリット25、26が形成され、そのスリット2
5、26に、C字形のリング形状をしたスイッチバネ2
7の両端部が係合している。このスイッチバネ27は、
周方向に縮められた状態でセットされ、一端を第一保持
器12に、他端を第二保持器13に押し付けて取付けら
れており、そのバネ力によって両保持器12、13に円
周方向の力を与えている。この力により第一保持器12
は、後述する一方向クラッチ28が噛み合い作動する回
転方向とは逆方向の回転力を受け、角孔24の周壁が第
二保持器13に圧入したストッパピン23に当接する位
置まで回転する。
【0028】また、上記ストッパピン23と角孔24の
間の回転方向すき間Xは、図7及び図8に示すようにス
プラグ20が傾いて係合面10、11に噛み合い状態で
スタンバイするような大きさに設定されており、上記ス
イッチバネ27のバネ力により、両保持器12、13と
スプラグ20は、回転の一方向の噛み合い位置でスタン
バイの状態となっている。上記の構造では、スイッチバ
ネ27と両スリット25、26とが、回転力発生手段を
構成する。
【0029】一方、上記第一保持器12の延長腕14の
後端部には、第一保持器12と回転抵抗発生手段6の連
結を切換える一方向クラッチ28が組込まれている。こ
の一方向クラッチ28は、図6に示すように、延長腕1
4の後端部に圧入するクラッチ外輪29の内周に、周方
向に一定間隔で複数の傾斜カム面30を形成し、そのク
ラッチ外輪29と入力リング31との間に環状の保持器
32を設け、その保持器32に設けたポケットに、係合
子としてのローラ33と、そのローラ33を傾斜カム面
30と入力リング31の表面に押し付けるバネ34とを
組込んで構成されている。
【0030】上記の一方向クラッチ28では、内方部材
2を介して第一保持器12が図6の矢印イ方向に回転す
ると、ローラ33がカム面30と入力リング31の間に
噛み込み、第一保持器12と入力リング31を一体化す
る。逆に、第1保持器12が図6の矢印ロ方向に回転す
ると、ローラ33の係合が切れ、第一保持器12と入力
リング31が切り離される。
【0031】上記回転抵抗発生手段6は、図1に示すよ
うに、上記入力リング31に設けたフランジ35と、ダ
ストカバー36を介して自動車のボディー等に固定され
るハウジング37のフランジ38とを互いに擦り合わ
せ、その擦り合わせ部39を、フランジ38と止め輪4
0の間に組込んだ皿バネ41により押圧して構成されて
いる。
【0032】上記皿バネ41のバネ力は、擦り合わせ部
39に所定の摩擦力を生じさせる大きさに設定され、こ
の摩擦力により擦り合わせ部39に引きずりトルクを生
じさせており、この引きずりトルクによって、第一保持
器12と一体に回転しようとする入力リング31に対し
てその回転を遅れさせる抵抗力を発生させている。
【0033】また、上記擦り合わせ部39で生じる回転
抵抗は、上述したスイッチバネ27のバネ力により第一
保持器12に加わる回転抵抗よりも大きく設定され、一
方向クラッチ28が噛み合って第一保持器12と入力リ
ング31が共回りした場合、擦り合わせ部39による回
転抵抗がスイッチバネ27による回転抵抗に打ち勝ち、
第一保持器12と第二保持器13の位相を逆方向に切換
えるようになっている。
【0034】この実施例の回転伝達装置は、上記のよう
な構造であり、図9に示すような自動車の駆動経路に装
着するには、内方部材2の入力リング9にトランスフア
Cから分岐する前輪推進軸Dを連結し、外輪1をフロン
トデフEに連結する。
【0035】また、自動車の前進走行時における内方部
材2の回転方向が、一方向クラッチ28が切れる方向
(図6の矢印ロ方向)に一致し、後退時における回転方
向が、一方向クラッチ28の噛み込む方向(図6の矢印
イ方向)に一致するように設定する。
【0036】上記の装着状態で自動車が前進走行する
と、トランスファCの駆動により内方部材2が回転を始
め、その内方部材2と一体になった第二保持器13が同
時に回転を始める。また、第一保持器12は、スイッチ
バネ27を介して第二保持器13に連結しているため、
そのスイッチバネ27の付勢力によって角孔24とスト
ッパピン23間の回転方向すき間Xの分だけ第二保持器
13に遅れて回転する。このため、スプラグ20は図7
に示す方向に傾き、前進噛み合いのスタンバイ状態にな
る。
【0037】一方、第一保持器12により一方向クラッ
チ28の外輪1が回転するが、この回転方向では一方向
クラッチ28が空転状態になるため、回転抵抗発生手段
6の入力リング31は、軸受7、8で支持されるハウジ
ング37や皿バネ41と共に停止状態におかれる。この
場合、一方向クラッチ28においては、クラッチ外輪2
9が回転して空転するため、第一保持器12がプロペラ
シャフトにより数千回転以上の高速回転で回転した場合
には、ローラ33が遠心力によって外輪1に押し付けら
れて回転する。このため、ローラ33と固定状態にある
入力リング31の表面との接触面圧が低減され、クラッ
チの空転時の摩擦を抑えることができる。
【0038】一方、上記とは逆に、自動車が後退する場
合は、内方部材2と第二保持器13が回転を始め、第一
保持器12は、スイッチバネ27の付勢力により第二保
持器13と同時に回転しようとするが、この回転方向は
一方向クラッチ28がロック状態となるため、第一保持
器12と入力リング31が一体に回転する。このとき、
入力リング31が連結する擦り合わせ部39の回転抵抗
をスイッチバネ27による回転抵抗よりも大きく設定し
てあるので、回転抵抗発生手段6の抵抗により第一保持
器12は減速し、スプラグ20を図8に示すように上記
とは反対方向に傾かせて係合面10、11の間で係合状
態にスタンバイさせる。その後は、擦り合わせ部39の
回転抵抗を受けながら第一保持器12が回転し、スプラ
グ20のスタンバイ状態を保持する。
【0039】このようにスプラグ20の位相を変化させ
る第一保持器12には、自動車の前進走行時は一方向ク
ラッチ28が空転してスイッチバネ27の付勢力だけが
作用し、後退時では擦り合わせ部39のすべり抵抗がス
イッチバネ27に打ち勝って作用する。このため、前進
時にプロペラシャフトと共に内方部材2が回転しても軸
受や擦り合わせ部39などからの発熱がなく、擦り合わ
せ部39の摩耗も抑制される。
【0040】また、すべり接触する擦り合わせ部39
は、外側から皿バネ41により押圧することにより引き
ずりトルクを生じさせているため、接触面が摩耗しても
皿バネ41の押圧力は変化せず、急激なトルク変動を抑
えることができる。加えて、皿バネ41は、押圧力の設
定が容易で、かつ摩耗による変化量に押圧力を正確に追
従できる特性があるため、計画された値の引きずりトル
クを発生させることができ、その引きずりトルクをスイ
ッチバネ27による回転抵抗よりも確実に大きく維持す
ることができる。
【0041】上記のようにスプラグ20が係合位置にス
タンバイした状態では、自動車がスリップせずに前進又
は後退している間は、外輪1と内方部材2が同速度(プ
ロペラシャフトと同速度)で回転し、スプラグ20がス
タンバイ状態で維持されるため、内方部材2から外輪1
に駆動力が伝わらず、後輪だけの2輪走行になる。
【0042】自動車が旋回して舵角をもつと、前輪に連
結する外輪1が内方部材2よりも速く回転するため、外
輪1がスプラグ20に対してオーバランニングする。こ
のため、前輪と後輪は切り離されて回転し、タイトコー
ナでのブレーキング現象が生じない。
【0043】一方、前進後退の走行中、後輪がスリップ
すると、車速の低下に伴って減速する前輪に対して、ト
ランスファCに連結する内方部材2の回転が上回るた
め、スプラグ20が係合面10、11に係合し、外輪1
と内方部材2が一体化される。これにより、前輪に駆動
力が加わり、4輪駆動状態に切換わる。
【0044】上記の駆動力の伝達時において、スプラグ
20に高トルクが負荷された場合、スプラグ20と係合
面10、11が弾性変形し、そのフプラグ20との干渉
によって第二保持器13には大きな力が作用する。
【0045】この作用力が、圧着バネ16の圧着によっ
て第二保持器13の屈曲部15と内方部材2の接触部に
生じる摩擦力よりも上回ると、第二保持器13が内方部
材2に対してすべり始め、スプラグ20との干渉量だけ
回転する。このため、上記作用力は緩和され、第二保持
器13とスプラグ20に無理な力が加わらず、保持器の
破損事故やスプラグの異常摩耗が防止される。
【0046】また、第二保持器13が内方部材2に対し
てすべり回転した場合、その回転量がわずかな間は第一
保持器12に動きが生じないが、回転量がストッパピン
23と角孔24間の回転方向すき間Xよりも大きくなる
と、第一保持器12はストッパピン23で駆動され、第
二保持器13と共回りする。このため、第一保持器12
と第二保持器13の位置関係はほぼ同一に保持され、ス
プラグを作動するスイッチ機能が損なわれない。
【0047】図10は、第2の実施例を示している。こ
の例では、第二保持器13に圧入ピン51を介して捩じ
りコイルバネ52の中心部を固定し、その捩じりコイル
バネ52の自由端部を第一保持器12の前端部に取付
け、コイルバネ52のバネ力により第一保持器12と第
二保持器13に、スプラグ20が前進時に噛み込み位置
へスタンバイするような回転力を発生させている。
【0048】なお、上記捩じりコイルバネ52の個数
は、回転バランスがとれるように偶数配置とするのがよ
い。また、他の構造や作用は上記の第1実施例と同じで
あるため、同一部品に同一の符号を付して説明を省略す
る。
【0049】一方、図11は回転力発生手段の他の実施
例を示す。この例では、第二保持器13を、皿バネなど
の弾性部材により内方部材に軸方向に圧着接触させ、そ
の第二保持器13に圧入したストッパピン23に矢印F
に示す軸方向の力を発生させている。また、第一保持器
12の角孔24の側辺を、図11に示すように傾斜面5
3で形成し、ストッパピン23と当接した時第一保持器
12に円周方向の分力が生じるよう形成している。
【0050】上記の構造では、第一保持器12と第二保
持器13が相対回転すると、角孔24は、ストッパピン
23から受ける軸方向の力Fと傾斜面53の作用によっ
て円周方向の分力Gを受けるが、その分力Gが第一保持
器12に回転力を与え、スプラグ20を係合位置にスタ
ンバイさせる回転抵抗力となる。
【0051】なお、上述の各実施例では、内方部材2を
入力側とし、各保持器12、13を内方部材2に連結す
るようにしたが、外輪1に各保持器12、13を連結
し、外輪を入力側としても、上記と同様の作用を得るこ
とができる。
【0052】また、外輪と内方部材を係合する係合子と
して正逆方向に係合するスプラグを示したが、回転の一
方向だけに係合するスプラグを左右対称に配列して使用
することもできる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、この発明の第1の手段で
は、係合子との干渉によって保持器に生じる力を、保持
器をすべり回転させることによって緩和させるので、保
持器の損傷や係合子の摩耗を抑制することができ、装置
の耐久性を大きく向上させることができる。
【0054】また、第2の手段では、保持器と回転抵抗
発生手段の連結を切換える一方向クラッチを、外輪側が
回転となるように取付け、係合子と固定のクラッチ面と
の接触面圧を小さくしたので、空転によるクラッチの摩
耗を抑制でき、一方向クラッチの耐久性向上を図ること
ができる。
【0055】さらに、第3の手段では、固定の部材と回
転する部材の擦り合わせ部を弾性部材で押圧することに
より、回転抵抗を発生させるため、擦り合わせ部の摩耗
などによるトルク変動を小さくでき、安定した回転抵抗
を発生させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例を示す縦断正面図
【図2】同上の要部の拡大断面図
【図3】図1のIII−III線に沿った断面図
【図4】図1のIV−IV線に沿った断面図
【図5】図2のV−V線からみた図
【図6】一方向クラッチを示す断面図
【図7】前進時のスプラグの作動状態を示す断面図
【図8】後退時のスプラグの作動状態を示す断面図
【図9】自動車の駆動経路を示す模式図
【図10】第2実施例を示す縦断正面図
【図11】回転力発生手段の他の実施例を示す図
【図12】従来例を示す縦断正面図
【符号の説明】
1 外輪 2 内方部材 6 回転抵抗付与手段 10、11 係合面 12 第一保持器 13 第二保持器 16 圧着バネ 18、19 ポケット 20 スプラグ 23 ストッパピン 24 角孔 25、26 スリット 27 スイッチバネ 28 一方向クラッチ 31 入力リング 39 擦り合わせ部 41 皿バネ 52 捩じりコイルバネ 53 傾斜面 A 回転伝達装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪とそれに嵌合する内方部材の間に、
    径の異なる第一保持器と第二保持器を設け、その両保持
    器に対向して設けたポケットに、両保持器の相対回転に
    よって外輪と内方部材の間に係合する係合子を組込み、
    上記第一保持器と外輪又は内方部材とを共回り可能に連
    結すると共に、第一保持器とそれが連結する外輪又は内
    包部材との間に回転差を生じさせる回転抵抗付与手段を
    設け、上記第一保持器が連結する外輪又は内方部材の一
    方向の回転に対して第一保持器と上記回転抵抗付与手段
    の連結状態を切り離す一方向クラッチを組込んだ回転伝
    達装置において、上記第二保持器を外輪又は内方部材に
    すべり回転可能に接触させると共に、その接触部に圧着
    する方向の付勢力を与える弾性部材を設け、上記第一保
    持器と第二保持器を円周方向すき間を介して共回り可能
    に連結し、その第一保持器と第二保持器の間に、上記一
    方向クラッチが切り離し作動する回転方向とは逆方向の
    回転力を第一保持器に付与する回転力発生手段を設け、
    第一保持器に対して回転力発生手段による回転抵抗を上
    記回転抵抗付与手段の回転抵抗よりも小さく設定したこ
    とを特徴とする回転力伝達装置。
  2. 【請求項2】 上記一方向クラッチを、クラッチ外輪
    と、内方部材と、その両者間に係合する係合子とから構
    成し、クラッチの空転時クラッチ外輪が回転するように
    組込んだことを特徴とする請求項1に記載の回転力伝達
    装置。
  3. 【請求項3】 上記回転抵抗付与手段を、固定の部材と
    回転する部材とが摺接する擦り合わせ部と、その擦り合
    わせ部を押圧する弾性部材から構成したことを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の回転力伝達装置。
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