JPH06344797A - 4輪駆動車の回転伝達装置 - Google Patents

4輪駆動車の回転伝達装置

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JPH06344797A
JPH06344797A JP5137753A JP13775393A JPH06344797A JP H06344797 A JPH06344797 A JP H06344797A JP 5137753 A JP5137753 A JP 5137753A JP 13775393 A JP13775393 A JP 13775393A JP H06344797 A JPH06344797 A JP H06344797A
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JP
Japan
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retainer
rotation
cage
wheel
inner member
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Application number
JP5137753A
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English (en)
Inventor
Kenichiro Ito
健一郎 伊藤
Makoto Yasui
誠 安井
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Priority to FR9406807A priority patent/FR2706188B1/fr
Priority to US08/255,937 priority patent/US5429218A/en
Priority to GB9411541A priority patent/GB2278896B/en
Priority to KR1019940012831A priority patent/KR100197176B1/ko
Priority to DE4420054A priority patent/DE4420054C2/de
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 4輪駆動車の後輪に対して、加速時の駆動力
の伝達と制動時の駆動力の遮断を機械的に切換える装置
を提供する。 【構成】 後輪に連結する外輪1と、後輪推進軸に連結
する内方部材2との対向面に、楔形空間を形成する円筒
面6とカム面7を形成し、その間に設けた保持器8のポ
ケットに係合子のローラ12を組込み、保持器8に一方
向クラッチ18を介して回転抵抗付与手段22を連結す
る。保持器8と内方部材2の間に回転抵抗を与えるねじ
りコイルバネ17を取付け、一方向クラッチ18の作動
により保持器8に加わる回転抵抗の方向を変化させて、
内方部材2に対する保持器の遅れ方向を切換え、ローラ
12を正逆の回転方向で係合作動状態にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、4輪駆動車の後輪に
駆動力を伝達する回転伝達装置に関し、詳しくは、4輪
駆動車における加速時の駆動力の伝達と制動時の駆動力
の遮断の切り換えに用いられる。
【0002】
【従来の技術】従来、発進、加速時の駆動力・走破性を
高める4輪駆動車(以下4WDという)は、その前後軸
間にセンタデフやビスカスカップリング等の差動制限装
置が設けられているが、このような差動制限装置と、制
動時の制動力・操縦安定性を向上させるアンチロックブ
レーキシステム(以下ABSという)との組み合わせ
は、4輪ロックや車体振動が生じやすいなど、ABSの
制御性と駆動系の車輪間回転拘束力の面から相性が悪
い。
【0003】この問題を解決する方法の1つとして、従
来、図22に示すように4WD車の後輪推進軸D上に装
着されたビスカスカップリングFとリヤデファレンシャ
ルEの間に、制動時の回転拘束力を解除するワンウェイ
クラッチGを装着した例がある。
【0004】この方式は、一般の車両において急制動時
には前輪が先にロックすることを利用したものであり、
高速前進時の急制動において前輪がロックしようとして
も、ワンウェイクラッチGの空転によって前後輪間の回
転拘束力が解除されるため、ABSは前後輪の回転差を
感知する事ができ、ABS本来の制御を行う事が出来
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の方式
では、車両が後退するとき、すなわち、後輪推進軸Dが
逆方向に回転するとき、ワンウェイクラッチGが空転す
るために後輪を駆動することが出来ず、4WDにならな
い。
【0006】また、後退時の急制動においては、前輪の
ロックはワンウェイクラッチGを係合させる方向にあ
り、ビスカスカップリングFの差動制限によって、回転
拘束力を発生し、前後輪の回転差が発生するのを妨げる
ため、回転数差を感知してブレーキ圧を制御するABS
は本来の制御ができなくなり、4輪のロック状態に陥り
やすい。
【0007】さらに、駆動経路にビスカスカップリング
FとワンウェイクラッチGの二つの装置が必要になるた
め、車両駆動系の構造が複雑になり、コストが大幅にか
かる問題がある。
【0008】そこで、この発明は、一つの装置で正逆両
方向(車両の前後進方向)の回転に対して、加速時は必
要に応じて駆動力を伝達(4WD化)し、制動時には前
後輪の拘束力を自動的に遮断(2WD化)することがで
きる回転伝達装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、4輪駆動車の後輪推進軸に連結する駆
動部材と、後輪の車軸に連結する従動部材とを内外に回
転可能に嵌合させ、その駆動部材と従動部材の対向面間
に保持器を設け、この保持器に形成したポケットに、保
持器と駆動部材が正逆方向に相対回転したときに上記駆
動部材と従動部材を係合させる係合子を組込み、上記保
持器に、互いに逆方向の回転抵抗を付与する手段と、そ
の回転抵抗の作用方向を切換える一方向クラッチを連結
し、その保持器を駆動部材に正逆の回転方向に対してそ
れぞれ遅れて共回りするように連結したのである。
【0010】なお、上記の係合子はローラやスプラグと
してもよく、その係合子の形状に応じて、駆動部材と従
動部材の形状や保持器の構造を変化させるようにする。
【0011】
【作用】上記の構造においては、車両が前進走行すると
き、回転抵抗によって保持器が駆動部材より遅れて回転
し、その相対回転により係合子が係合作動状態になる。
逆に、車両が後退走行すると、一方向クラッチの作動に
より保持器の遅れ方向が切り換り、係合子が同じ様に係
合作動状態になる。
【0012】上記の係合作動状態で、車両が前進又は後
退方向に直進走行すると、前輪と後輪及び後輪推進軸は
同速度で回転するため、係合子は係合スタンバイ状態を
維持し、このため、前輪だけの2輪走行となる。
【0013】一方、走行中前輪又は後輪がスリップする
と、車輪に対して後輪推進軸の回転が上がり、係合子が
係合するため、駆動力が後輪に伝わり、4駆状態に切り
換わる。
【0014】逆に、車両が急制動し、前輪がロックしよ
うとすると、後輪推進軸がその前輪ロックに伴なって急
減速するが、後輪(従動部材)の回転が後輪推進軸の回
転を上回るため、駆動部材と従動部材が空回りし、後輪
には前輪ロックに伴う減速力が伝わらない。このように
後輪と、ロックしようとする前輪との間には何ら拘束力
が生じないため、2WD車と同様にABS制御が容易と
なる。
【0015】
【実施例】図1乃至図5は、この発明の第1の実施例を
示している。図に示すように、従動部材となる外輪1の
内部には、軸受3と保持器8を介して駆動部材である内
方部材2が回転自在に嵌合され、その内方部材2の端部
にスプラインを介して入力用リング5が取付けられてい
る。
【0016】外輪1の内径面には円筒面6が形成され、
それに対向する内方部材2の外径面に、所定の間隔をお
いて複数の平坦なカム面7が形成されている。その各カ
ム面7は、外輪1の円筒面6との間で、円周方向の両側
が幅狭になる楔形空間を形成している。
【0017】また、外輪1と内方部材2の間には、軸受
4を介して環状の保持器8が設けられ、その保持器8
に、内方部材2の周壁のピン孔9内に挿通したストッパ
ピン10が連結されている。
【0018】上記保持器8には、周方向にカム面7と同
じ数のポケット11が形成され、その各ポケット11
に、係合子としてのローラ12と、バネ13とが組込ま
れている。ローラ12は、内方部材2の各カム面7に対
してそれぞれ1個ずつ組込まれており、保持器8によっ
て周方向に所定量移動すると、カム面7と円筒面6の間
に係合し、外輪1と内方部材2を一体化する。また、バ
ネ13は、ローラ12とポケット11の側壁との間に組
込まれ、ローラ12を両側から押圧して円筒面6とカム
面7を係合しない中立位置に保持しようとするが、保持
器8が周方向に所定量移動すると、ローラ12の片側の
バネだけがローラ12に作用し、ローラを係合面に押圧
する。
【0019】上記保持器8の端部には、後述する一方向
クラッチ18が圧入されている。また、保持器8の奥側
端部には切欠部16が設けられ、この切欠部16と内方
部材2のバネ座15と間に捩りコイルバネ17の各端が
それぞれ係止されており、そのコイルバネ17のバネ力
により、保持器8を内方部材に対してその回転方向とは
逆方向に回転させる付勢力を与えている。
【0020】一方、上記保持器8の端部に圧入された一
方向クラッチ18は、入力リング19を介して回転抵抗
付与手段22と連結している。
【0021】この回転抵抗付与手段22は、連結棒23
を介して自動車の車体等に連結するハウジング24を、
軸受により外輪と内方部材に回転自在に支持し、そのハ
ウジング24の内径に圧入した摩擦パッド25と、上記
入力リング19に設けたフランジ26とを擦り合せ、摩
擦パッド25と止め輪27の間に皿バネ28を組込んで
構成されている。この皿バネ28のバネ力は、摩擦パッ
ド25をフランジ26に圧着させる方向に作用し、その
圧着により擦り合せ部29に引きずりトルクを生じさ
せ、保持器8と共回りしようとする入力リング19に対
してその回転を遅れさせる抵抗を与えている。また、こ
の擦り合せ部29で生じる回転抵抗力は、上述した捩り
コイルバネ17により保持器8に加わる回転力よりも大
きく設定されている。
【0022】上記一方向クラッチ18は、図3に示すよ
うに保持器8の延長端部14に圧入したカムリング30
の内周に、周方向に一定間隔で複数の傾斜カム面31を
形成し、そのカム面31と入力リング19との間に、保
持器32で保持される小ローラ33と、その小ローラ3
3をカム面31と内輪19に押し付けるバネ34とを組
込んで構成されている。
【0023】上記の構造では、内方部材2と捩りコイル
バネ17の駆動により、保持器8が図3の矢印(ロ) 方向
に回転すると、保持器8に圧入された一方向クラッチ1
8がロックして入力リング19と保持器8が一体化し、
回転抵抗付与手段22の擦り合せ部29の引きずりトル
クが保持器8に加わる。このトルクは、保持器8の回転
を押し止める方向に加わり、保持器8を内方部材2の回
転に対して減速させる。
【0024】逆に、内方部材2と共に保持器8が図3の
(イ) 方向に回転すると、一方向クラッチ18の係合が切
れ、一方向クラッチ18が空転する。このため、回転抵
抗付与手段22の抵抗が保持器8に伝わらないが、捩り
コイルバネ17が保持器8に上記(イ) 方向とは逆方向の
回転力を与えているため、そのバネ力によって保持器8
が内方部材2に対して減速される。
【0025】また、図2に示すように、保持器8に連結
するストッパピン10は、内方部材2の周壁のピン孔9
に対して回転方向すき間Xをもって遊嵌されている。こ
の回転方向すき間Xは、保持器8の内方部材2に対する
遅れ角を決めるもので、その大きさは、ローラ12がカ
ム面7と円筒面6の中立位置から係合位置に接触するま
での距離よりも大きく設定されている。
【0026】実施例の回転伝達装置Aは、上記のような
構成でなり、図6に示すような、前輪が主駆動輪になる
4輪駆動車の後輪駆動経路上に適用される。
【0027】すなわち、トランスファCから出た後輪推
進軸Dに内方部材2の入力用リング5を連結し、外輪1
にリヤデフEを連結する。また、タイトコーナでのブレ
ーキング現象を回避するため、前輪の回転に対して後輪
推進軸Dの回転が所定量(約10%程度)低くなるよう
に、トランスミッションやトランスファC、或いは、前
後のデフの回転比(ギヤ比)を設定する。
【0028】また、車両の前進走行時における内方部材
2の回転方向と、図3の矢印(イ) 方向(一方向クラッチ
18が切れる方向)とが一致し、後退時における回転方
向と矢印(ロ) 方向(一方向クラッチ18がロックする方
向)とが一致するよう設定する。
【0029】この状態で、車両が前進走行すると、後輪
推進軸Dの駆動により内方部材2が回転を始めるが、保
持器8は、捩りコイルバネ17の付勢力によってストッ
パピン10とピン孔9間の回転方向すき間Xの分だけ内
方部材2に遅れて回転を始める。上記保持器8の回転は
一方向クラッチ18を回転させるが、この回転方向は一
方向クラッチ18が空転する状態にあるため、内輪19
及び皿バネ28は回転せず、支持ケース24との間で回
転抵抗を発生しない。
【0030】このため、捩りコイルバネ17の作用によ
って保持器8は、図4に示すように、内方部材2よりも
遅れた位相に保持され、ローラ12を係合作動状態にス
タンバイさせる。
【0031】上記とは逆に、車両が後退する場合は、先
ず、内方部材2が回転を始めるが、これに対して保持器
8は、捩りコイルバネ17の付勢力によって内方部材2
と同時に回転しようとする。しかし、この回転方向は、
一方向クラッチ18がロック状態となるため、内輪19
と皿バネ28及びフランジ26が共回りする。
【0032】この場合、皿バネ28によるフランジ26
と摩擦パッド25間の回転抵抗を、捩りコイルバネ17
による回転抵抗よりも大きく設定してあるので、図5に
示すように上記回転抵抗により保持器8は減速し、内方
部材2に対して回転が遅れ、ローラ12を係合状態にす
る。その後は、皿バネ及びフランジ26が摩擦パッドと
回転抵抗を発生しながら回転し、図5の状態を保持す
る。
【0033】上記の作用を実際の車両の走行において考
えると、車両が正常な状態で前進又は後退方向に直進走
行している間は、前輪と、それにつれ回りする後輪及び
後輪推進軸Dが同速度で回転するため、ローラ12は係
合スタンバイ状態を維持する。このため、前輪だけの2
駆走行になる。
【0034】また、車両が旋回して舵角をもった場合
は、前輪が後輪の回転を上回るが、前輪と後輪間の回転
差が予め設定した10%程度の入出力間の速度差によっ
て吸収され、内方部材2の回転が出力側の回転を上回る
ことが防止される。したがって、旋回中においても外輪
1は空転状態となり、前輪と後輪は直結されず、タイト
コーナのブレーキング現象は生じない。
【0035】一方、走行中前輪がスリップすると、後輪
(外輪)に対して後輪推進軸Dの回転が上がり、上記設
定の10%程度を上回った場合、ローラ12が円筒面6
とカム面7に係合し、外輪1と内方部材2が一体化され
る。このため、前輪のスリップ時は4駆状態に切り換わ
る。
【0036】逆に、急制動する場合、路面の摩擦係数が
低いと、一般に車両は前輪がロックしようとする。この
とき、後輪推進軸(内方部材)は前輪ロックに伴い急減
速するが、外輪1と内方部材2が空転するため、後輪に
は前輪ロックに伴う減速力を伝えない。したがって、ロ
ックしない後輪とロックしようとする前輪との間になん
ら拘束力が無いため、ABS制御としては前後輪の回転
数差を感知でき、2WD車と同様に容易にABS制御が
可能となる。
【0037】図7及び図8は第2の実施例を示す。この
例では、上述した第1実施例の構造において、各カム面
7と円筒面6の間に2個のローラ41、42を配置し、
その両ローラ41、42の間に、両ローラを離れる方向
に付勢するバネ43を組込んでいる。
【0038】上記の構造では、図8に示すように内方部
材2が矢印方向に回転すると、減速する保持器44が、
一方のローラ41を係合位置から切り離すと共に、バネ
43を介して他方のローラ42を付勢し、そのローラ4
2を係合位置に押し付ける。
【0039】図9乃至図11は第3の実施例を示してい
る。この例では、上記第1の実施例とは逆に、外輪を入
力側に、内方部材を出力側にしたものであり、図9に示
すように外輪51の端部に入力用フランジ53を取付
け、内方部材52の端部に出力用リング54が取付けて
いる。
【0040】外輪51の内径面には、図11に示すよう
に、多角形状をなす複数のカム面55が形成され、それ
に対向する内方部材52の外径面には円筒面56が形成
されており、この円筒面56とカム面55の間に、環状
の保持器57が組込まれている。この保持器57は、外
輪51に対して回動可能に嵌合されており、その周面に
設けたポケット58に、正逆方向の回転でカム面55と
円筒面56に係合するローラ12と、そのローラ12を
中立位置に保持するバネ13とが組込まれている。
【0041】一方、保持器57の後端部は、外輪51及
び内方部材52の間に回転自在に支持され、その延長部
が一方向クラッチ18の内輪60とになっており、この
一方向クラッチ18に回転抵抗付与手段22が連結され
ている。
【0042】また、上記保持器57の前端部には、18
0度方向に対向して2ケ所の切欠き61、62が形成さ
れ、この切欠き61、62に、外輪51の入力用フラン
ジ53に圧入した固定ピン63、64がそれぞれ嵌合さ
れている。さらに、一方の切欠き61の端壁と一方の固
定ピン63の間には、C字形をしたリングバネ65の両
端部がそれぞれ係止し、そのリングバネ65によって、
上記一方向クラッチ18が切り離し作動する回転方向と
は逆方向の回転力が保持器57に与えられている。
【0043】また、リングバネ65と係止しない他方の
固定ピン64は、切欠き62に対して回転方向すき間X
を介して遊嵌しており、この回転方向すき間Xの大きさ
は、上記ローラ12が中立位置から係合位置に移動する
までの距離よりも大きく設定されている。
【0044】上記の第3実施例の回転伝達装置A’は、
図12に示すような車両の駆動経路において、外輪51
の入力用フランジ53を後輪推進軸Dに連結し、内方部
材52の出力用リング54をリヤデフEに連結する(こ
の場合、伝達装置A’の向きは、図6に示す装置Aとは
逆になる)。
【0045】また、第1の実施例と同様に、前輪の回転
に対して後輪推進軸の回転を所定量(約10%程度)低
く設定する。
【0046】上記の構造では、外輪51及び固定ピン6
3、64を介して保持器57及び一方向クラッチ18が
一方向に回転すると、一方向クラッチ18が内輪60と
ロックし、回転抵抗付与手段22の回転抵抗が保持器に
加わり、保持器57は外輪51に対して減速される。
【0047】逆に、外輪51及び保持器57が上記とは
逆方向に回転すると、一方向クラッチ18の係合は切
れ、保持器57と回転抵抗付与手段22の連結が切れ
る。このとき、前記リングバネ65は保持器57に上記
方向とは逆方向の回転力を与え、その付勢力により上記
回転方向に対して保持器57を外輪51よりも減速させ
る。
【0048】なお、上記の第3実施例の構造において、
図13に示すように、各カム面55と円筒面56の間に
2個のローラ41、42とバネ43とを組込み、各ロー
ラ41、42を交互にカム面55と円筒面56の間に係
合させるようにしてもよい。
【0049】一方、図14乃至図20は第4の実施例を
示している。この例においては、係合子に、ローラと代
えてスプラグを使用している。
【0050】すなわち、図14乃至図16に示すよう
に、外輪101の内径面と、それに対向する内方部材1
02の外径面には、同芯の円筒面110、111が形成
され、その両円筒面110、111の間に、径の異なる
第一保持器112と第二保持器113が組み込まれてい
る。
【0051】上記第一保持器112は、後端部に、軸受
104、105の間を挿通する延長腕114が一体に形
成され、その軸受の案内により外輪101と内方部材1
02に対して回転自在に支持されている。
【0052】一方、第二保持器113は、前端部に、内
径側に向かって屈曲する屈曲部115が形成され、その
屈曲部115が内方部材102の端面102aにすべり
回転可能に接触しており、この屈曲部115と軸受10
3の止め輪117との間に、皿バネから成る圧着バネ1
16が組込まれている。この圧着バネ116は、屈曲部
115を内方部材102の端面102aに向かって圧着
する付勢力を与えており、その押圧力によって両者の接
触部に摩擦を生じさせ、第二保持器113を内方部材1
02に固着している。
【0053】上記第一保持器112と第二保持器113
の周面には、図16及び図19に示すように、対向して
周方向に複数のポケット118、119が形成され、そ
の各ポケット118、119に係合子としてのスプラグ
120と、スプラグを保持するバネ121とが組込まれ
ている。
【0054】このスプラグ120は、外径側と内径側が
スプラグの中央線上に曲率中心をもつ弧状面122で形
成され、左右の両方向に所定角度傾くと両円筒面11
0、111と係合し、外輪101と内方部材102を一
体化する。また、バネ121は、第一保持器112に一
端が支持されてスプラグ120を両側から押圧し、各ス
プラグ120を係合面110、111と係合する位置に
保持する弾性力を与えている。
【0055】また、上記第二保持器113の前端部に
は、図15に示すようにストッパピン123が取付けら
れ、そのストッパピン123が第一保持器112に設け
た角孔124に嵌合しており、この角孔124の周壁と
ピン123との間に回転方向すき間Xが設けられてい
る。
【0056】さらに、第一保持器112及び第二保持器
113の周面には、図17に示すようにそれぞれ径方向
に貫通するスリット125、126が形成され、そのス
リット125、126に、C字形のリング形状をしたス
イッチバネ127の両端部が係合している。このスイッ
チバネ127は、周方向に縮められた状態でセットさ
れ、一端を第一保持器112に、他端を第二保持器11
3に押し付けて取付けられており、両保持器112、1
13に円周方向の力を与えている。また、上記バネ力に
より第一保持器112は、一方向クラッチ128が噛み
合い作動する回転方向とは逆方向の回転力を受け、角孔
124の周壁が第二保持器113に圧入したストッパピ
ン123に当接する位置まで回転する。
【0057】また、上記ストッパピン123と角孔12
4の間の回転方向すき間Xは、図19及び図20に示す
ようにスプラグ120が傾いて係合面110、111に
噛み合い状態でスタンバイするような大きさに設定され
ており、上記スイッチバネ127のバネ力により、両保
持器112、113とスプラグ120は、回転の一方向
の噛み合い位置でスタンバイの状態となっている。
【0058】なお、第一保持器112に対して回転抵抗
の作用方向を切換える一方向クラッチ128や、この一
方向クラッチ28に連結する回転抵抗発生手段106の
構造は、前述した第1の実施例のものと同じであるた
め、同一部品には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】また、回転抵抗付与手段106の擦り合わ
せ部107で生じる回転抵抗は、上述したスイッチバネ
127のバネ力により第一保持器112に加わる回転抵
抗よりも大きく設定されている。
【0060】この実施例の回転伝達装置は上記のような
構造であり、図6に示すように、トランスファから出た
後輪推進軸Dに内方部材102の入力用リング109を
連結し、外輪101にリヤデフEを連結する。なお、車
両の前進走行時における内方部材の回転方向と、一方向
クラッチ128が切れる方向が一致し、後退時における
回転方向と一方向クラッチ128がロックする方向が一
致するように設定することは、第1の実施例と同じであ
る。
【0061】この状態で、車両が前進走行すると、後輪
推進軸Dの駆動により内方部材102及び第二保持器1
13が回転を始め、第一保持器112は、スイッチバネ
の付勢力によってストッパーピン123と角穴124間
の回転方向すき間Xの分だけ内方部材102及び第二保
持器113に遅れて回転を始める。その第一保持器11
2の回転方向は一方向クラッチ128が空転する状態に
あるため、入力リング108及び皿バネ109等は回転
せず、支持ケース103との間で回転抵抗を発生しな
い。このため、スイッチバネ127の作用によって第一
保持器112は図19に示すように、内方部材102及
び第二保持器113よりも遅れた位相に保持され、スプ
ラグ120を係合作動状態にスタンバイさせる。
【0062】上記とは逆に、車両が後退する場合は、内
方部材及び第二保持器が回転を始めるが、第一保持器1
12はスイッチバネ123の付勢力によって内方部材1
02と同時に回転しようとする。
【0063】この場合、一方向クラッチ128がロック
するため、皿バネ109による回転抵抗により第一保持
器112は減速し、内方部材102及び第二保持器11
3に対して回転が遅れ、スプラグ120を係合状態にす
る。その後は、皿バネ28及び入力リング109とハウ
ジング104が回転抵抗を発生しながら回転し、図20
の状態を保持する。
【0064】この状態で、前輪のスリップにより、後輪
(外輪)に対して後輪推進軸の回転が上がると、スプラ
グ120が両円筒面に係合し、外輪101と内方部材1
02が一体化される。このため、前輪スリップ時は4駆
状態に切り換わる。
【0065】上記の駆動力の伝達時において、スプラグ
120に高トルクが負荷された場合、スプラグ120と
係合面110、111が弾性変形し、そのスプラグ12
0との干渉によって第二保持器113には大きな力が作
用する。
【0066】この作用力が、圧着バネ116の圧着によ
って第二保持器113の屈曲部115と内方部材102
の接触部間に生じる摩擦力よりも上回ると、第二保持器
113が内方部材102に対してすべり始め、スプラグ
120との干渉量だけ回転する。このため、上記作用力
は緩和され、第二保持器113とスプラグ120に無理
な力が加わらず、保持器の破損事故やスプラグの異常摩
耗が防止される。
【0067】また、第二保持器113が内方部材102
に対してすべり回転した場合、その回転量がわずかな間
は第一保持器112に動きが生じないが、回転量がスト
ッパピン123と角孔124間の回転方向すき間Xより
も大きくなると、第一保持器112はストッパピン12
3で駆動され、第二保持器113と共回りする。このた
め、第一保持器112と第二保持器113の位置関係は
ほぼ同一に保持され、スプラグを作動するスイッチ機能
が損なわれない。
【0068】図21は第5の実施例を示している。この
例では、上記第4の実施例とは異なり、外輪101を入
力側に、内方部材102を出力側にしたものであり、外
輪101の端部に入力用フランジ129を取付け、内方
部材102にスプラインを介して出力用フランジ130
を取り付けている。
【0069】第一保持器112は、スリット125が設
けられ、弾性部材の付勢力によって外輪101の内径面
に圧着されている。また、第二保持器113は、ストッ
パピン123を介して第一保持器112と回転自在に嵌
合され、スイッチバネ127の付勢力によって第一保持
器112に対して位相が遅れる。
【0070】なお、上記第4及び第5の実施例の構造に
おいて、外輪と内方部材の両円筒面の間に、一方向にの
み係合可能なスプラグを交互対称形に係合させるように
してもよい。
【0071】また、上記の各実施例において、保持器と
内方部材又は保持器と外輪との間に回転差をつける回転
抵抗付与手段は、上述した皿バネと摩擦パッドを使用す
る構造の他に、歯車を用いた減速機構などの他の機構を
利用することもできる。
【0072】
【効果】以上のように、この発明の回転伝達装置は、係
合子を使用した機械式クラッチ機構を有し、4WD車の
後輪駆動経路上に装着することによって、車両の前進、
後退を問わず、加速スリップ時は駆動トルクを後輪に伝
達して4WD化し、急制動時等で前輪がスリップしてロ
ックに向かう時には、機械式クラッチの空転機能によっ
て回転拘束力を後輪へ伝えず、前後輪の回転数差は2W
D車と同様に互いに独立して変化することが可能であ
る。そのため、従来では4WD車にとって相性の悪かっ
たABS機能を、2WD車と同様に容易に装着すること
が出来る利点がある。
【0073】加えて、車両の駆動経路からビスカスカッ
プリング等の差動制限装置が不要になるため、駆動系の
構造の簡略化とコスト削減に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例を示す断面図
【図2】図1のII−II線に沿った断面図
【図3】同上の一方向クラッチを示す断面図
【図4】同上のローラの作動状態を示す断面図
【図5】図4の逆方向の作動状態を示す断面図
【図6】車両の駆動経路を模式的に示す図
【図7】第2実施例を示す断面図
【図8】同上の作動状態を示す断面図
【図9】第3実施例を示す縦断正面図
【図10】図9のX−X線に沿った断面図
【図11】図9のXI−XI線に沿った断面図
【図12】車両の駆動経路を示す図
【図13】他の実施例を示す断面図
【図14】第4実施例を示す縦断正面図
【図15】同上の要部の拡大断面図
【図16】図14のXVI −XVI 線に沿った断面図
【図17】図14のXVII−XVII線に沿った断面図
【図18】同上の一方向クラッチを示す断面図
【図19】前進時のスプラグの作動状態を示す断面図
【図20】後退時のスプラグの作動状態を示す断面図
【図21】第5実施例を示す縦断正面図
【図22】従来の車両の駆動経路を示す模式図
【符号の説明】 1、51 外輪 2、52 内方部材 6、56 円筒面 7、55 カム面 8、44、57 保持器 11、58 ポケット 12、41、42 ローラ 13、43 バネ 17 捩りコイルバネ 18 一方向クラッチ 22 回転抵抗付与手段 63、64 固定ピン 65 リングバネ 101 外輪 102 内方部材 106 回転抵抗付与手段 110、111 係合面 112 第一保持器 113 第二保持器 116 圧着バネ 118、119 ポケット 120 スプラグ 123 ストッパピン 124 角孔 125、126 スリット 127 スリットバネ 128 一方向クラッチ 131 入力リング 152 捩じりコイルバネ 153 傾斜面 A、A’ 回転伝達装置 X 回転方向すき間

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4輪駆動車の後輪推進軸に連結する駆動
    部材と、後輪の車軸に連結する従動部材とを内外に回転
    可能に嵌合させ、その駆動部材と従動部材の対向面間に
    保持器を設け、この保持器に形成したポケットに、保持
    器と駆動部材が正逆方向に相対回転したときに上記駆動
    部材と従動部材を係合させる係合子を組込み、上記保持
    器に、互いに逆方向の回転抵抗を付与する手段と、その
    回転抵抗の作用方向を切換える一方向クラッチを連結
    し、その保持器を駆動部材に正逆の回転方向に対してそ
    れぞれ遅れて共回りするように連結した4輪駆動車の回
    転伝達装置。
  2. 【請求項2】 上記係合子をローラとし、上記駆動部材
    と従動部材の対向面の一方に円筒面を、他方に複数のカ
    ム面を形成し、その円筒面とカム面との間で、上記ロー
    ラが係合する楔形空間を形成した請求項1に記載の4輪
    駆動車の回転伝達装置。
  3. 【請求項3】 上記係合子を、両端に係合円弧面を備え
    るスプラグとし、上記駆動部材と従動部材の各対向面に
    同芯の円筒面を形成し、上記駆動部材の円筒面に固定し
    た第2の保持器と、上記駆動部材より遅れて共回りする
    保持器にそれぞれ径方向に対向するポケットを形成し、
    その対向する各ポケットに上記スプラグの両端を挿入し
    た請求項1に記載の4輪駆動車の回転伝達装置。
  4. 【請求項4】 上記駆動部材と第2の保持器を、第2の
    保持器に所定のトルクが作用したときに両者が相対回転
    するように連結し、この第2の保持器と上記駆動部材よ
    り遅れて共回りする保持器との間に、その両保持器の相
    対位置を一定に保つ弾性部材を組込んだ請求項3に記載
    の4輪駆動車の回転伝達装置。
JP5137753A 1993-06-08 1993-06-08 4輪駆動車の回転伝達装置 Pending JPH06344797A (ja)

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JP5137753A JPH06344797A (ja) 1993-06-08 1993-06-08 4輪駆動車の回転伝達装置
FR9406807A FR2706188B1 (fr) 1993-06-08 1994-06-03 Dispositif de transmission de rotation.
US08/255,937 US5429218A (en) 1993-06-08 1994-06-07 Rotation transmission device
GB9411541A GB2278896B (en) 1993-06-08 1994-06-08 Rotation transmission device
KR1019940012831A KR100197176B1 (ko) 1993-06-08 1994-06-08 회전전달장치
DE4420054A DE4420054C2 (de) 1993-06-08 1994-06-08 Rotationsübertragungsvorrichtung

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008185048A (ja) * 2007-01-26 2008-08-14 Jtekt Corp プーリユニット
WO2018168857A1 (ja) * 2017-03-15 2018-09-20 株式会社エクセディ 動力伝達装置、及び自動二輪車

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JP2019085089A (ja) * 2017-03-15 2019-06-06 株式会社エクセディ 動力伝達装置、及び自動二輪車

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