JP4812579B2 - 電動車両用駆動装置及びこれを具えた電動車椅子 - Google Patents

電動車両用駆動装置及びこれを具えた電動車椅子 Download PDF

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Description

本発明は、電動車椅子等の電動車両に用いられる駆動装置に関するものであり、より具体的には、外周に駆動輪を具え、車両に取り付けられる電動車両用駆動装置に関するものである。
電動車椅子等の電動車両には、左右の駆動輪をモータによって個別に駆動する駆動装置を具えたものがある。電動車両は、車体側に取り付けられたモータの回転力を、駆動輪の車軸に伝達することにより、駆動輪を回転させる。この駆動装置は、駆動輪から外側に突出していると、屋内等での走行の際、周囲の物とぶつかって邪魔になる恐れがあるため、薄型形状に形成し、駆動輪に収まるよう配置している。
特開平9−296829号公報 特開2000−70309号公報
従来の駆動装置は、薄型化を達成するために、駆動輪の直径方向に大きくならざるを得ず、それに伴って、駆動輪径も小さくすることはできなかった。駆動輪径が大きくなると、同じ荷重に対しても駆動輪に作用するモータのトルクは大きくなってしまう問題がある。また、電動車椅子の場合、駆動輪の直径が大きいと、屋内での走行や、使用者が電動車椅子からベッド、ベッドから電動車椅子に移動する際に、邪魔になりやすい問題がある。
さらに駆動装置では、薄型化を実現するために、モータの回転を直接停止させる電磁ブレーキ以外は、モータと同軸上に配置せず、駆動輪の直径方向に並べて配置することになる。このため、駆動輪を電磁ブレーキの制動状態から切り離すために設けられたクラッチ機構は、駆動輪とモータとの間にモータと併設して配置される。このクラッチ機構は、例えば、電動車椅子の場合、モータ駆動による推進から介助者が手押しすることによる推進に切り替える際、駆動輪が電磁ブレーキの制動が駆動輪に作用している状態を解除して、介助者が手押しできるようにするため、駆動輪と電磁ブレーキとの連結が切り離し可能となっている。
そこで、例えば、下り坂等で誤ってクラッチ機構を切断してしまうと、モータの発電制動や、電磁ブレーキの制動力が駆動輪に作用せず、電動車両が加速しつつ下り坂を下ってしまう可能性がある。
本発明の目的は、クラッチ機構を切断した状態で、電磁ブレーキが駆動輪に作用せず、モータの制動力は作用するようにした電動車両用駆動装置及び該駆動装置を具えた電動車椅子を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の電動車両用駆動装置は、
ケーシングと、
該ケーシングの内部に収容され、回転軸を有するモータと、
ケーシングの外周に回転自由に嵌まり、モータの回転軸の先端に減速機構を介して連繋されるハウジングと、
該ハウジングの外周に配備された駆動輪と、
モータの回転軸の基端側で回転軸の回転を制動する電磁ブレーキと、
を具えた電動車両用の駆動装置において、
モータの回転軸と、電磁ブレーキとの間に、回転軸と電磁ブレーキとを断続するクラッチ機構を具え
クラッチ機構は、モータの回転軸と、電磁ブレーキとを動力伝達可能に連結する可動片を有しており、該可動片は、軸方向にスライド可能に配備され、付勢手段によって、回転軸と電磁ブレーキとを連結する方向に付勢されている。
前記駆動装置は、ケーシングを車軸によって電動車両に片持ち支持し、モータの回転軸が、車軸と同軸に配備されるようにすることもできる。
本発明の駆動装置は、クラッチ機構によって、電磁ブレーキとモータの回転軸とを断続したことにより、電磁ブレーキが作動している状態でも、モータに連繋された駆動輪を回転させることができる。このとき、モータの回転軸と駆動輪は、動力的に遮断されていないから、クラッチ機構が切断され、電磁ブレーキがモータに作用していない状態でも、モータの発電制動力等の制動力は、駆動輪に作用しているので、駆動輪は、自由に回転することはない。
従って、下り坂等で電磁ブレーキにより停止している時に、クラッチ機構を切断しても、モータの発電制動力等の制動力により、一定以上に電動車両が加速してしまうことはなく、安全性を高めることができる。
また、駆動装置を支持する車軸とモータの回転軸を同軸に設け、さらに、クラッチ機構も車軸及び回転軸と同軸に設けた構成とした場合、駆動装置自体の小型化を達成でき、駆動装置の外周に取り付けられる駆動輪の小径化を図ることができる。また、回転軸及び駆動輪の回転中心が同じであるから、反力の偏りを防止でき、反力を同軸の車軸によって偏りなく受けることができる。
以下の説明では、電動車両として、高齢者や足等の不自由な人が使用する電動車椅子(10)を例に挙げて説明するが、本発明は、ゴルフ用のカート等や小形の車両等の電動車両にも適用できる。
図1は、本発明の駆動装置(20)を左右の駆動輪(80)(80)に夫々配置した電動車椅子(10)の斜視図である。電動車椅子(10)は、使用者の腰掛ける座部(11)と背凭れ(12)を具え、座部(11)から下向きに延びるフレーム(13)には、左右一対の駆動装置(20)(20)と駆動輪(80)(80)が取り付けられている。また、駆動輪(80)(80)の前方には、駆動輪(80)(80)よりも小径の補助輪(14)(14)が支持されている。駆動装置(20)(20)は、駆動輪(80)(80)から外側に突出させず、駆動輪(80)(80)の内側で、且つ座部(11)の下方位置に突出するようにフレーム(13)に取り付けられている。従って、駆動装置(20)(20)は、座部(11)の下部に収まるよう配置される。
座部(11)の下部には、バッテリーや電力制御部、その他制御手段等の制御ボックス(15)が配備されており、座部(11)の前方下部には足置きペダル(16)(16)、座部(11)の左右には肘置き(17)(17)が形成されている。さらに、使用者が操作する操作器(18)は、一方の肘置き(17)の側部に設けられており、背凭れ(12)の上部後方には介助者用のハンドル(19)(19)が延びている。
ハンドル(19)には、介助者が、クラッチ機構(70)の断続を操作するクラッチ操作部(77)(後述する)を具える。
操作器(18)として、ジョイスティック式のものを例示することができ、車速の変更や旋回の操作を行なうことができる。ジョイスティックを前傾又は後傾させることにより電動車椅子(10)を前進、後退させることができる。また、ジョイスティックを左右に傾動することにより、左右の駆動輪(80)(80)の回転速度を変えて、電動車椅子(10)を左右に旋回させることができる。
図2は、本発明の駆動装置(20)及び駆動装置(20)に取り付けられた左側駆動輪(80)の断面図である。また、図3は図2を左方向から見た側面図である。
駆動装置(20)は、電動車椅子(10)のフレーム(13)に取り付けられる車軸(22)がフレーム(13)側に向けて突設されたケーシング(30)と、該ケーシング(30)に配備されたモータ(40)、モータ(40)の回転軸(43)と減速機構(48)を介して連繋され、ケーシング(30)に対して回転自由なハウジング(50)、ケーシング(30)とモータ(40)の回転軸(43)とを制動可能に連繋する電磁ブレーキ(60)、モータ(40)の回転軸(43)と電磁ブレーキ(60)とを断続するクラッチ機構(70)と、を具える。駆動装置(20)の外周には、駆動輪(80)が嵌まっている。
ケーシング(30)及びハウジング(50)は放熱特性を高めるために、熱伝導性の高い金属材料、例えば、アルミニウム合金により形成することが望ましい。
車軸(22)は、フレーム(13)にボルトによって固定されるネジが基端側に切られている。車軸(22)の中心には、後述するクラッチ機構(70)を操作するためのプッシュロッド(76)がスライド可能に貫通するロッド用孔(23)が開設されている。
車軸(22)を介してフレーム(13)に片持ち支持されるケーシング(30)は、軸方向に3つに分割した構造とすることができる。フレーム(13)側に位置する内ケーシング(31)は、車軸(22)の先端が固定された端板(32)で閉じられており、他端は開口している。車軸(22)は、内ケーシング(31)に圧入することによって取り付けることができる。
中ケーシング(35)は、一端が内ケーシング(31)に固定されている。内周面はモータ(40)の回転軸(43)に向けて延びた環状板(36)を具え、環状板(36)の内周縁には回転軸(43)を回転自由に支持するベアリング(36a)を具える。環状板(36)には、内ケーシング(31)側に電磁ブレーキ(60)が取り付けられており、裏面には、モータ(40)のステータ(46)が固定されている。
外ケーシング(37)は、一端が中ケーシング(35)に固定され、前記ステータ(46)の外周を包囲している。外ケーシング(37)の他端は環状の端板(38)が設けられており、端板(38)の内周縁にはモータ(40)の回転軸(43)を回転自由に支持するベアリング(38a)が配置されている。端板(38)の外面には、減速機構(48)が装着されている。
減速機構(48)は、遊星歯車機構を例示できる。減速機構(48)は、外ケーシング(37)の端板(38)と端板(38)に対向して固定された抑え板(39)との間に支持されている。減速機構(48)は、ハウジング(50)の先端を閉じる蓋体(54)の内側に切られたインターナルギア(55)と噛合している。
ステータ(46)への通電により、ロータ(42)が回転すると、減速機構(48)及びインターナルギア(55)を介して、蓋体(54)に駆動力が伝達され、ハウジング(50)が回転する。
ハウジング(50)は、フレーム側が、内ケーシング(31)にベアリング(30a)を介して支持されており、他端の開口は、蓋体(54)によって閉じられている。
蓋体(54)は、上記のように、インターナルギア(55)が切られており、抑え板(39)の中央から突設された軸(39b)にベアリング(39a)を介して回転自由に支持されている。
駆動輪(80)は、図2及び図3に示すように、駆動装置(20)のハウジング(50)の外周に嵌まって一体回転する筒状のハブケース(82)と、ハブケース(82)の外周に複数突設されたスポーク(83)と、スポーク(83)の先端間を連繋する環状のリム(84)と、リム(84)に嵌められたゴム製のタイヤ(85)から構成することができる。
駆動輪(80)は、タイヤ(85)から駆動装置(20)が突出しない位置に形成することが望ましい。本実施例の場合、スポーク(83)をハブケース(82)の先端側、即ち、車軸(22)とは逆側の位置に設けることにより、タイヤ(85)からの駆動装置(20)の突出量を小さくしている。
ステータ(46)及び電磁ブレーキ(60)への通電を行なう配線(24)は、内ケーシング(31)の端板(32)を貫通(32a)して、座部(11)下面の制御ボックス(15)へ延びている。
モータ(40)のロータ(42)は、車軸(22)と同軸となるように前記ベアリング(36a)(38a)に支持された回転軸(43)と、ステータ(46)と対向するように回転軸(43)に嵌められた積層金属板(44)から構成される。
回転軸(43)の先端は、減速機構(48)と噛合しており、回転軸(43)の回転は、減速機構(48)を介して駆動輪(80)に伝達される。
回転軸(43)は、フレーム側が、図4に示すように、電磁ブレーキ(60)の内部を貫通しており、基端側は、クラッチ機構(70)を介して電磁ブレーキ(60)のインナドライバ(62)と断続可能に接続される。
図4は、クラッチ機構(70)の周辺の拡大断面図である。図に示すように、回転軸(43)の基端には、軸スプライン(43a)が形成されており、回転軸(43)の基端外周には、クラッチ機構(70)の可動片(71)が嵌まっている。
可動片(71)は、一端が閉塞し、図4及び図5に示すように、他端が開口した筒部(72)を有し、該筒部(72)の内周に穴スプライン(73)が形成されており、該穴スプライン(73)が回転軸(43)の軸スプライン(43a)に嵌まり、回転軸(43)と一体回転可能となっている。筒部(72)の基端側は閉塞しており、外周に噛み合いクラッチ(74)が形成されている(図6参照)。
可動片(71)は、機械構造用炭素鋼(例えばS45C)等を調質した材料を例示できる。回転軸(43)と可動片(71)との噛み合い部分には、摺動性と耐摩耗性を高めるために、固体潤滑剤をコーティングすることが望ましい。潤滑剤として油やグリース等の流動性潤滑剤を用いると、モータ(40)を回転したときに、流動性潤滑剤が飛散し、電磁ブレーキ(60)の制動性能を低下させてしまうことがあるからである。
また、可動片(71)と中ケーシング(35)の環状板(36)との間には、コイルバネからなる付勢手段(75)が、可動片(71)を回転軸(43)から離れる方向に付勢している。
可動片(71)は、基端側の外周に設けられた噛み合いクラッチ(74)が電磁ブレーキ(60)のインナドライバ(62)に係脱可能に嵌まっている。図5及び図6は、可動片(71)とインナドライバ(62)との係合状態を示す図である。図に示すように、インナドライバ(62)は、内側に可動片(71)と係合する噛み合いクラッチ(62a)が形成されており、外周側に、後述する電磁ブレーキ(60)のブレーキディスク(61)と一体回転可能に係合するスプライン(62b)が切られている。
インナドライバ(62)と可動片(71)との噛み合い部分も、摺動性と耐摩耗性を高めるために、固体潤滑剤をコーティングすることが望ましい。潤滑剤の飛散による電磁ブレーキ(60)の制動性能の低下を防ぐためである。
インナドライバ(62)は、図4に示すように、車軸(22)の先端に形成された凹部(22a)にベアリング(62d)を介して回転自在に嵌まっている。インナドライバ(62)の中心には、クラッチ機構(70)を操作するプッシュロッド(76)がスライド可能に貫通するロッド用孔(62c)が開設されている。
インナドライバ(62)の外周のスプライン(62b)は、電磁ブレーキ(60)のブレーキディスク(61)に係合する。なお、ブレーキディスク(61)は、インナドライバ(62)の外周のスプライン(62b)と結合するスプライン(61a)が内周に形成されている。
ブレーキディスク(61)は、電磁ブレーキ(60)に配備される。電磁ブレーキ(60)は、公知の無励磁作動ブレーキを用いることができ、通電時にはコイル(63)に通電が行なわれてブレーキが解除され、非通電時にはバネ力によってブレーキディスク(61)を圧着して、回転軸(43)に直接ブレーキをかけることができるものを例示できる。これにより、非通電時における制動性を確保できる。
クラッチ機構(70)は、図2、図4、図7及び図8に示すように、車軸(22)とインナドライバ(62)を貫通するプッシュロッド(76)によって断続の切替操作が行なわれる。プッシュロッド(76)は、先端が可動片(71)に当接しており、基端は、図2に示すように、プッシュロッド(76)を回転軸(43)側に押し込むようにスライドさせるプッシュ機構(78)に連繋されている。プッシュ機構(78)として、公知のベルクランク機構を例示できる。ベルクランク機構の操作は、ワイヤー(77a)によって行なうことができる。ワイヤー(77a)の端部は、使用者又は電動車椅子(10)を補助操作する介助者が操作可能な位置に配備されたクラッチ操作部(77)に連繋される。例えば、図1に示すように、クラッチ操作部(77)は、自転車等のブレーキレバーの要領で、介助者が操作したときには、ワイヤー(77a)が引っ張られ、手を離すと、ワイヤー(77a)が押し戻されるような構成を例示できる。
使用者又は介助者がクラッチ操作部(77)を操作すると、ワイヤー(77a)が引っ張られて、プッシュ機構(78)がプッシュロッド(76)を回転軸(43)側に押し込む。これにより、図7に示すように、付勢手段(75)によってインナドライバ(62)と係合状態にあった可動片(71)が回転軸(43)側に押し込まれて、図8に示すように、インナドライバ(62)と可動片(71)の係合が解かれる。これにより、電磁ブレーキ(60)がオン、オフの何れの状態であっても、電磁ブレーキ(60)は、駆動輪(80)には作用しなくなる。
なお、本発明では、モータ(40)の回転軸(43)が常に駆動輪(80)と接続されているから、モータ(40)に通電された状態では、電磁ブレーキ(60)が駆動輪(80)に作用していない状態であっても、モータ(40)が発電機として作用し、制御ボックス(15)へ直流電流を流す回生制動、即ち、モータ(40)の発電制動力が負荷として駆動輪(80)に作用しているため、駆動輪(80)は回転自由とはならない。従って、クラッチ機構(70)の操作によって、電磁ブレーキ(60)が作用していない状態でも、駆動輪(80)は、一定の負荷抵抗下で回転することとなり、下り坂等でも加速してしまうことはない。
このとき、前記制御ボックス(15)の制御手段は、図示しない速度計で駆動輪(80)の回転速度を検知して速度の増減を判定するようにしておく。この判定の結果、速度が増加していると判定したとき、制御ボックス(15)の制御手段は、ステータ(46)の配線を短絡して、モータ(40)の前述の付加抵抗をさらに大きく短絡制動を加え、制動力を高める。それでも、制御ボックス(15)の制御手段が、前記速度計の速度が増加すると判定する場合には、モータ(40)に回転方向とは逆に回転するよう駆動して、逆転制動をかける。このように、速度に応じて、多段に制動をかけて速度を低下するように動作させてもよい。
電磁ブレーキ(60)が作用している状態で、クラッチ機構(70)を操作して、電磁ブレーキ(60)を切断することにより、電磁ブレーキ(60)の制動力は解かれるから、介助者が電動車椅子(10)を手押しする際にもクラッチ機構(70)を利用することができる。
電磁ブレーキ(60)と回転軸(43)が切断された状態から(図8)、ワイヤー(77a)の操作により、プッシュロッド(76)が引き戻されると、付勢手段(75)の付勢力によって、図7に示すように、可動片(71)がインナドライバ(62)側に押し込まれ、可動片(71)がインナドライバ(62)と再度係合する。インナドライバ(62)と可動片(71)が係合した状態では、電磁ブレーキ(60)をオンにすると、電磁ブレーキ(60)が作用して、回転軸(43)の回転が制動され、駆動輪(80)の回転は阻止される。
上記構成の駆動装置(20)は、車軸(22)をフレーム(13)に片持ち支持の状態で電動車椅子(10)に固定される。駆動装置(20)が電動車椅子(10)から着脱することなく使用される場合には、駆動装置(20)をフレーム(13)にボルト締め等により固定すればよいが、電動車椅子(10)を車に積んで運ぶ等の理由により、駆動装置(20)ごと駆動輪(80)を取り外す必要がある場合には、駆動装置(20)を容易に取り外せるように、軸方向の抜止めを目的とした構造としてもよい。必要に応じて、モータ(40)のトルク反力を受ける部材を配備してもよい。
使用者が操作器(18)を介して、電動車椅子(10)の前進、後退又は旋回を指示すると、電磁ブレーキ(60)へ通電を行ない、ブレーキが解除されると共に、ステータ(46)に通電が行なわれて、ロータ(42)が回転する。ロータ(42)が回転すると、回転軸(43)から減速機構(48)及びインターナルギア(55)を介してハウジング(50)に駆動力が伝達され、ハウジング(50)が回転する。これにより、ハウジング(50)に固定された駆動輪(80)(80)が回転して、電動車椅子(10)が前進、後退する。また、旋回は、左右の駆動装置(20)の回転速度を変えて行なわれる。
クラッチ機構(70)は、介助者が操作していない状態では、図7に示すように、付勢手段(75)の付勢力によって、モータ(40)の回転軸(43)と電磁ブレーキ(60)のインナドライバ(62)を一体回転可能に接続している。従って、この状態で、電磁ブレーキ(60)のブレーキが利いた状態にすると、モータ(40)の回転軸(43)に直接ブレーキがかかるから、すぐれた制動性能を発揮できる。
一方、電磁ブレーキ(60)が利いた状態から、クラッチ操作部(77)を操作して、クラッチ機構(70)により、モータ(40)の回転軸(43)と電磁ブレーキ(60)を切断すると、駆動輪(80)には、電磁ブレーキ(60)の制動力は作用しないが、モータ(40)の発電制動力は作用する。従って、下り坂等でクラッチ操作部(77)の誤操作によって、電磁ブレーキ(60)が切断されても、一定速度以上に加速することはない。また、クラッチ操作部(77)によって電磁ブレーキ(60)を切断できるから、介助者が電動車椅子(10)を手押しする際に、電動車椅子(10)に電源を投入する必要もない。
なお、図1では、クラッチ操作部(77)(77)を介助者が操作する左右のハンドル(19)(19)に設けているが、一方のハンドルにのみ操作部(77)を設け、両方のクラッチ機構(70)(70)を操作できるようにしてもよい。また、操作部(77)の構成は、プッシュロッド(76)やワイヤー(77a)を用いた構成に限定されるものではない。
さらに、操作部(77)は、電動車両の使用者が操作できるようにしてもよい。
本発明では、駆動輪が大径である場合の問題に対処するため、駆動輪を小径にすることを試みた。その結果、駆動輪を小径にしたことで、駆動装置の薄型化は図れないが、駆動輪の中心を低い位置にすることができるから、駆動装置が、駆動輪の内側に突出する構成としても、その突出位置を、使用者の腰掛ける電動車両の座部よりも低く位置させることができ、座部とは当接しない構成を採りうることを見出した。
また、クラッチ機構を切断した状態で、モータの発電制動力が駆動輪に作用しない問題に対処するために、クラッチ機構を切断した状態でも、モータの発電制動力を駆動輪に作用させることのできる構成を見出した。
以上のことより、本発明の駆動装置(20)は、駆動装置(20)を支持する車軸(22)とモータ(40)の回転軸(43)、クラッチ機構(70)を同軸に設けているから、駆動装置(20)自体の小型化(直径約15cm以下)を達成でき、駆動装置(20)の外周に取り付けられた駆動輪(80)の小径化を図ることができる。また、回転軸(43)及び駆動輪(80)の回転中心が同じであるから、反力の偏りを防止でき、反力を同軸の車軸(22)によって偏りなく受けることができる。
さらに、電磁ブレーキ(60)及びクラッチ機構(70)は、モータ(40)よりも車軸(22)側に設けられている。このように電磁ブレーキ(60)とクラッチ機構(70)を車軸(22)側に設けたことにより、電磁ブレーキ(60)の配線(24)や、クラッチ機構(70)を操作するプッシュロッド(76)の配置を簡略化することができ、メンテナンス性の向上を達成できる。
また、上記実施例では、駆動装置(20)を車軸(22)によって、電動車椅子(10)のフレーム(13)に取り付けているが、例えば、ケーシング(30)を直接フレーム(13)にネジ止め等により固定することも勿論可能である。
本発明は、クラッチ機構を切断した状態で、電磁ブレーキが駆動輪に作用せず、モータの発電制動力等の制動力は作用するようにした電動車両用駆動装置及び該駆動装置を具えた電動車椅子として有用である。
電動車椅子の斜視図である。 本発明の駆動装置及び駆動輪の断面図である。 駆動輪の側面図である。 クラッチ機構周辺の拡大断面図である。 可動片とインナドライバを取り出して示す断面図である。 図5の線A−A’に沿う断面図である。 可動片とインナドライバが接続された状態を示す断面図である。 可動片とインナドライバが切断された状態を示す断面図である。
符号の説明
(10) 電動車椅子
(20) 駆動装置
(22) 車軸
(40) モータ
(43) 回転軸
(60) 電磁ブレーキ
(62) インナドライバ
(70) クラッチ機構
(71) 可動片
(80) 駆動輪

Claims (8)

  1. ケーシング(30)と、
    該ケーシング(30)の内部に収容され、回転軸(43)を有するモータ(40)と、
    ケーシング(30)の外周に回転自由に嵌まり、モータ(40)の回転軸(43)の先端に減速機構(48)を介して連繋されるハウジング(50)と、
    該ハウジング(50)の外周に配備された駆動輪(80)と、
    モータ(40)の回転軸(43)の基端側で回転軸(43)の回転を制動する電磁ブレーキ(60)と、
    を具えた電動車両用の駆動装置において、
    モータ(40)の回転軸(43)と、電磁ブレーキ(60)との間に、回転軸(43)と電磁ブレーキ(60)とを断続するクラッチ機構(70)を具え
    クラッチ機構(70)は、モータ(40)の回転軸(43)と、電磁ブレーキ(60)とを動力伝達可能に連結する可動片(71)を有しており、該可動片(71)は、軸方向にスライド可能に配備され、付勢手段(75)によって、回転軸(43)と電磁ブレーキ(60)とを連結する方向に付勢されている電動車両用駆動装置。
  2. ケーシング(30)は、車軸(22)によって電動車両に片持ち支持され、
    モータ(40)の回転軸(43)は、車軸(22)と同軸に配備される請求項1に記載の電動車両駆動装置。
  3. 可動片(71)は、モータ(40)の回転軸(43)に一体回転可能且つスライド可能に嵌まっている請求項に記載の電動車両駆動装置。
  4. 可動片(71)は、回転軸(43)に嵌まる筒部(72)を有しており、該筒部(72)の内面には穴スプライン(73)が形成されており、モータ(40)の回転軸(43)の基端には、前記穴スプライン(73)と係合する軸スプライン(43a)が形成されている請求項に記載の電動車両用駆動装置。
  5. 可動片(71)の外周は、電磁ブレーキ(60)に係脱可能である請求項に記載の電動車両用駆動装置。
  6. 車軸(22)には、貫通孔(23)が軸方向に開設されており、該貫通孔(23)には、軸方向にスライド可能にプッシュロッド(76)が配備されており、プッシュロッド(76)を軸方向にスライドさせることによって、プッシュロッド(76)の先端が可動片(71)を付勢手段(75)の付勢力に抗して回転軸(43)とハウジング(50)との連結を解く方向にスライドするようにした請求項に記載の電動車両用駆動装置。
  7. クラッチ機構(70)を切断し、駆動輪(80)に電磁ブレーキ(60)の制動力が作用していない状態で、モータ(40)から駆動輪(80)に作用する制動力をモータ(40)の回転速度に応じて可変とした請求項1乃至請求項の何れかに記載の電動車両用駆動装置。
  8. 請求項1乃至請求項の何れかに記載の電動車両用駆動装置(20)を左右に具える電動車椅子。
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