JP2010080266A - 燃料電池セルスタック装置およびそれを具備する燃料電池モジュールならびに燃料電池装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池セルの配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、各燃料電池セルに流入する反応ガスの量のばらつきを抑制することにより、発電効率が向上した燃料電池セルスタック装置およびそれを具備する燃料電池モジュール、ならびに燃料電池装置を提供する。
【解決手段】燃料電池セルスタック装置1は、燃料電池セル3を、集電部材を介して複数個立設させた状態で配列してなるセルスタック2と反応ガスを供給するためのマニホールド7とを有し、端部に位置する集電部材のそれぞれの接触部の接触面積が、中央部に位置する集電部材における燃料電池セル3の長手方向においてそれぞれ対応する接触部の接触面積以上であって、かつ端部に位置する集電部材の接触部の接触面積の合計が、中央部に位置する集電部材の接触部の接触面積の合計よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】燃料電池セルスタック装置1は、燃料電池セル3を、集電部材を介して複数個立設させた状態で配列してなるセルスタック2と反応ガスを供給するためのマニホールド7とを有し、端部に位置する集電部材のそれぞれの接触部の接触面積が、中央部に位置する集電部材における燃料電池セル3の長手方向においてそれぞれ対応する接触部の接触面積以上であって、かつ端部に位置する集電部材の接触部の接触面積の合計が、中央部に位置する集電部材の接触部の接触面積の合計よりも大きいことを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の燃料電池セルを立接させた状態で集電部材を介して電気的に接続してなる燃料電池セルスタック装置およびそれを具備する燃料電池モジュール、ならびに燃料電池装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、水素含有ガスと酸素含有ガス(空気等)とを用いて電力を得ることができる燃料電池セルを集電部材を介して複数個立設して電気的に直列に接続してなるセルスタックを燃料電池セルに反応ガスを供給するマニホールドに固定してなる燃料電池セルスタック装置や、それを収納してなる燃料電池モジュール、さらには燃料電池モジュールを収納してなる燃料電池装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図13は、燃料電池セルスタック装置を構成する従来の集電部材の一例を示した正面図であり、(a)は隣接する一方の燃料電池セルに当接する複数の第一導電体片(接触部)81と、隣接する他方の燃料電池セルに当接する第三導電体片(接触部)83と、離れて配置される一の前記第一導電体片81の一端と前記第三導電体片83の他端とを接続する第二導電体片82と、離れて配置される前記第二導電体片82の一端と他の前記第一導電体片81の他端とを接続する第四導電体片84とを基本構成とし、燃料電池セルの長手方向に連続的に形成してなる集電部材80aを示しており(例えば、特許文献2参照。)、(b)は、隣接する一方の燃料電池セルに当接する複数の第一導電体片(接触部)85と、隣接する他方の燃料電池セルに当接する複数の第二導電体片(接触部)86と、前記第一導電体片85の両端部と前記第二導電体片86の両端部とをそれぞれ接合するとともに、前記燃料電池セルの長手方向における複数の前記第一導電体片85および前記第二導電体片86を一体的に連結する第三導電体87とを基本構成とし、燃料電池セルの長手方向に導電性連結片88を介して連続的に形成してなる集電部材80bを示している(例えば、特許文献3参照。)。
特開2007−59377号公報
特開2007−227203号公報
特開2007−299556号公報
ところで、燃料電池セルは、発電等により温度が上昇する。特に、燃料電池セルを集電部材を介して複数個立設して電気的に直列に接続してなるセルスタックにおいては、セルスタックを構成する燃料電池セルの配列方向の端部では、隣接する燃料電池セルの数が少ない、もしくは隣接する燃料電池セルが存在しないこととなり、燃料電池セルの熱が放熱されやすいが、燃料電池セルの配列方向における中央部では、両側に多数の燃料電池セルが配置されているために燃料電池セルの熱が放熱され難い。
それに伴い、燃料電池セルの配列方向における中央部は温度が高く、燃料電池セルの配列方向における端部は温度が低くなる場合があり、燃料電池セルの配列方向における温度分布が不均一となり、各燃料電池セルに流入する反応ガスの量にばらつきが生じ、発電効率が低下するおそれがある。
したがって、本発明の目的は、燃料電池セルの配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、各燃料電池セルに流入する反応ガスの量のばらつきを抑制することにより、発電効率が向上した燃料電池セルスタック装置およびそれを具備する燃料電池モジュール、ならびに燃料電池装置を提供することにある。
本発明の燃料電池セルスタック装置は、内部にガス流路を有する燃料電池セルを、集電部材を介して複数個立設させた状態で配列して電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端を固定するとともに前記燃料電池セルに前記ガス流路を介して反応ガスを供給するためのマニホールドとを有し、前記ガス流路より排出される反応ガスを前記燃料電池セルの上端部側で燃焼させるように構成してなる燃料電池セルスタック装置であって、前記集電部材は、隣り合う前記燃料電池セルと接触させるために、所定間隔を空けて設けられた板状をした一対の接触部と、該一対の接触部同士を接続する接続部とを有する複数の導電片を前記燃料電池セルの長手方向に連続的に形成してなるとともに、前記燃料電池セルの配列方向における端部に位置する前記集電部材のそれぞれの前記接触部の接触面積が、前記燃料電池セルの配列方向における中央部に位置する前記集電部材における前記燃料電池セルの長手方向においてそれぞれ対応する前記接触部の接触面積以上であって、かつ前記燃料電池セルの配列方向における端部に位置する前記集電部材の前記接触部の接触面積の合計が、前記燃料電池セルの配列方向における中央に位置する前記集電部材の前記接触部の接触面積の合計よりも大きいことを特徴とする。
このような燃料電池セルスタック装置においては、燃料電池セルの配列方向における端部に位置する集電部材のそれぞれの接触部の接触面積が、燃料電池セルの配列方向における中央部に位置する集電部材における燃料電池セルの長手方向においてそれぞれ対応する接触部の接触面積以上であって、かつ燃料電池セルの配列方向における端部に位置する集電部材の接触部の接触面積の合計が、燃料電池セルの配列方向における中央部に位置する集電部材の接触部の接触面積の合計よりも大きいことから、セルスタックを構成する各集電部材に流れる電流を比較した場合に、燃料電池セルの配列方向における端部に位置する集電部材を流れる電流が、燃料電池セルの配列方向における中央部に位置する集電部材に流れる電流よりも多く流れ、燃料電池セルの配列方向における端部に位置する集電部材の発熱量が中央部と比較して大きくなる。それに伴い、燃料電池セルの配列方向における端部に位置する燃料電池セルの温度が上昇することから、燃料電池セルの配列方向における温度分布を均一に近づけることができる。それにより、各燃料電池セルに流入する反応ガスの量のばらつきが抑制されることから、発電効率の向上した燃料電池セルスタック装置とすることができる。
また、本発明の燃料電池セルスタック装置は、前記燃料電池セルの長手方向における同一の高さにある前記集電部材の前記接触部の接触面積が、前記燃料電池セルの配列方向における端から前記燃料電池セルの配列方向における中央に向けて漸次小さくなっていることが好ましい。
このような燃料電池セルスタック装置においては、燃料電池セルの長手方向における同一の高さにある集電部材の接触部の接触面積が、燃料電池セルの配列方向における端から燃料電池セルの配列方向における中央に向けて漸次小さくなっていることから、燃料電池セルの配列方向における温度分布をより均一に近づけることができる。それにより、発電効率の向上した燃料電池セルスタック装置とすることができる。
また、本発明の燃料電池セルスタック装置、前記集電部材は、前記燃料電池セルの長手方向における下端部に位置する前記接触部の接触面積が、上端部に位置する前記接触部の接触面積よりも大きいことが好ましい。
このような燃料電池セルスタック装置においては、集電部材の燃料電池セルの長手方向における上端部に位置する接触部の接触面積が、下端部に位置する接触部の接触面積よりも小さいことから、燃料電池セルの長手方向における温度分布を均一に近づけることができる。
すなわち、ガス流路より排出される反応ガスを燃料電池セルの上端部側で燃焼させるように構成してなる燃料電池セルスタック装置においては、各燃料電池セルの上端部の温度が最も高く、下端部へ向かうにつれ温度が低下するという不均一な温度分布となる場合がある。この場合、温度の高い燃料電池セルの上端部に電流が集中することで、燃料電池セルの上端部の劣化が早くなるおそれがある。
それゆえ、集電部材の燃料電池セルの長手方向における下端部に位置する接触部の接触面積を上端部に位置する接触部の接触面積よりも大きくすることにより、集電部材の下端部の温度が上昇する。それに伴い、燃料電池セルの長手方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セルの上端部の劣化が早まることを抑制することができる。
また、本発明の燃料電池セルスタック装置において、前記集電部材は、前記接触部の接触面積が前記燃料電池セルの長手方向において上端から下端に向けて漸次大きくなっていることが好ましい。
このような燃料電池セルスタック装置においては、接触部の接触面積を燃料電池セルの長手方向において上端から下端に向けて漸次大きくすることにより、燃料電池セルの長手方向における温度分布をより均一に近づけることができ、燃料電池セルの上端部の劣化が早まることを抑制することができる。
本発明の燃料電池モジュールは、上記のうちいずれかに記載の燃料電池セルスタック装置を収納容器内に収納してなることを特徴とする。
このような燃料電池モジュールにおいては、燃料電池セルの配列方向における温度分布を均一に近づけることで発電効率が向上した燃料電池セルスタック装置を収納容器内に収納してなることから、発電効率が向上した燃料電池モジュールとすることができる。
本発明の燃料電池装置は、上記の燃料電池モジュールを外装ケースに収納してなることを特徴とする。
このような燃料電池装置においては、発電効率の向上した燃料電池モジュールを外装ケースに収納してなることから、発電効率が向上した燃料電池装置とすることができる。
本発明の燃料電池セルスタック装置は、内部にガス流路を有する燃料電池セルを、集電部材を介して複数個立設させた状態で配列して電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端を固定するとともに前記燃料電池セルに前記ガス流路を介して反応ガスを供給するためのマニホールドとを有し、前記ガス流路より排出される燃料ガスを前記燃料電池セルの上端部側で燃焼させるように構成してなる燃料電池セルスタック装置であって、前記集電部材は、隣り合う前記燃料電池セルと接触させるために、所定間隔を空けて設けられた板状をした一対の接触部と、該一対の接触部同士を接続する接続部とを有する複数の導電片を前記燃料電池セルの長手方向に連続的に形成してなるとともに、前記燃料電池セルの配列方向における端部に位置する前記集電部材の前記接触部の接触面積が、前記燃料電池セルの配列方向における中央部に位置する前記集電部材における前記燃料電池セルの長手方向においてそれぞれ対応する前記接触部の接触面積以上であって、かつ前記燃料電池セルの配列方向における端部に位置する前記集電部材の前記接触部の接触面積の合計が、前記燃料電池セルの配列方向における中央部に位置する前記集電部材の前記接触部の接触面積の合計よりも大きいことから、燃料電池セルのセル配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、発電効率の向上した燃料電池セルスタック装置とすることができる。
図1は、本発明の燃料電池セルスタック装置(以下、セルスタック装置と略す場合がある。)の一例を示したものであり、(a)はセルスタック装置1を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置1の一部拡大平面図であり、(a)で示した点線枠で囲った部分を抜粋して示している。また、同一の部材については同一の番号を付するものとし、以下同様とする。なお、(b)において(a)で示した点線枠で囲った部分に対応する部分を明確とするために矢印で表し、燃料電池セルの配列方向(以下、セル配列方向と略す場合がある。)における中央部を(A)、端部を(B)と示している。以下の図においても同様である。
ここで、セルスタック装置1は、内部にガス流路13を有して、一対の対向する平坦面をもつ導電性支持基板12(以下、支持基板と略す場合がある。)の一方の平坦面上に燃料極層8、固体電解質層9、空気極層10を順次積層してなるとともに、他方の平坦面にインターコネクタ11を積層してなる柱状の燃料電池セル3の複数個を、隣接する燃料電池セル3間に集電部材4を介することで燃料電池セル3同士を電気的に直列に接続してセルスタック2を形成し、燃料電池セル3の下端を、ガス流路13を介して燃料電池セル3に反応ガスを供給するためのマニホールド7にガラスシール材等の絶縁性接合材により固定して形成されている。なお、図1に示すセルスタック装置1においては、ガス流路13にマニホールド7より反応ガスとして水素含有ガス(燃料ガス)を供給する場合の例を示している。また、図1に示すセルスタック装置1においては、下端がマニホールド7に固定され、燃料電池セル3の配列方向の両端部からセルスタック2を挟持するように配置されたセルスタック支持部材5を具備している。なお、セルスタック支持部材5は、セル配列方向に沿って、外側へ向けて延びており、燃料電池セル3の発電により生じる電流を取り出すための電流引出し部6が設けられている。
また、インターコネクタ11の外面にはP型半導体層14を設けることもできる。集電部材4を、P型半導体層14を介してインターコネクタ11に接続させることより、両者の接触がオーム接触となって電位降下を少なくし、集電性能の低下を有効に抑制することができる。
このようなセルスタック装置1においては、ガス流路13より排出される燃料ガス(余剰の燃料ガス)を燃料電池セル3の上端部側で燃焼させるように構成することにより燃料電池セル3の温度を上昇させることができる。それにより、燃料電池セルスタック装置1の起動を早めることができる。
なお、図示していないが、燃料電池セル3に供給される酸素含有ガスは、燃料ガスの流れに合わせて、燃料電池セル3の側方を下端部から上端部に流れるように供給されることが好ましい。
また、詳細は後述するが、セルスタック2の上方に天然ガスや灯油等の原燃料を燃料ガスに改質するための改質器を配置することにより、効率よく改質反応を行うことが可能となる。
以下、図1に示すセルスタック装置1及び燃料電池セル3を構成する各部材について説明する。
燃料極層8は、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニアおよび部分安定化ジルコニアを含む)と、NiおよびNiOのうち少なくとも1種とを含んで形成することができる。
固体電解質層9は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされる。そのため3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2により形成することが好ましい。なお、上記特性を有する限りにおいて、他の材料を使用してもよい。
空気極層10は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、ABO3として表されるペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスにより形成することができる。空気極層10はガス透過性を有する必要があり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
インターコネクタ11は、導電性セラミックスにより形成することができるが、燃料ガスおよび酸素含有ガスと接触するため、耐還元性および耐酸化性を有することが必要であり、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が好適に使用される。インターコネクタ11は支持基板12に形成されたガス流路13を流れる燃料ガス、および支持基板12の外側を流れる酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。
支持基板12としては、燃料ガスを燃料極層8まで透過するためにガス透過性を有すること、さらには、インターコネクタ11を介して集電するために導電性を有することが要求される。したがって、支持基板12としては、かかる要求を満足するものを材料として採用する必要があり、例えば導電性セラミックスやサーメット等を用いることができる。
また、図1に示した燃料電池セル3において、柱状の支持基板12は、立設方向に細長く延びる板状片であり、一対の対向する平坦面と半円形上の両側面を有する中空平板状である。そして燃料電池セル3の下端とセルスタック支持部材5の下端とが、マニホールド7にガラスシール材等の絶縁性接合材で固定され、支持基板12に設けられたガス流路13が、マニホールド7のガス室(図示せず)に通じている。なお、以降の説明において、中空平板状の燃料電池セル3を用いて説明する。
燃料電池セル3を作製するにあたり、燃料極層8や固体電解質層9との同時焼成により支持基板12を作製する場合においては、支持基板12には、鉄族金属成分(例えば、NiやNiO等)と特定希土類酸化物(支持基板12の熱膨張係数を固体電解質9の熱膨張係数に近づけるために使用される希土類の酸化物、例えばY2O3やYb2O3等)とから形成することが好ましい。また、支持基板12は、燃料ガス透過性を備えるために開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあるのが好適であり、その導電率は300S/cm以上、特に440S/cm以上であるのが好ましい。
P型半導体層14としては、遷移金属のペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、インターコネクタ11を構成するランタンクロマイト系のペロブスカイト酸化物(LaCrO3)よりも電子伝導性の高いもの、例えばAサイトにSr(ストロンチウム)とLa(ランタン)が共存するLaSrCoFeO3系酸化物(例えばLaSrCoFeO3)、LaMnO3系酸化物(例えばLaSrMnO3)、LaFeO3系酸化物(例えばLaSrFeO3)、LaCoO3系酸化物(例えばLaSrCoO3)の少なくとも1種から構成することが好ましく、特に600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaSrCoFeO3系酸化物から構成することが特に好ましい。なお、BサイトにCoとともにFe、Mnが存在してもよいこのようなP型半導体層14の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲にあることが好ましい。
集電部材4は、弾性を有する金属または合金からなる部材あるいは金属繊維または合金繊維から成るフェルトに所要の表面処理を加えた部材から構成することができ、所定の間隔をあけて設けられた各燃料電池セル3間に介装され、各燃料電池セル3を電気的に接続する。
なお、集電部材4としては、弾性を有するとともに、耐熱性を有することが好ましく、例えば、Crを10〜30重量%含有する合金や、Fe−Ni系の合金等を用いることができる。さらに、Crを含有する集電部材においては、Crの拡散を防止するためのCr拡散防止膜を設けておくことが好ましい。
ところで、図1に示すような複数の燃料電池セル3を配置して構成されるセルスタック装置1においては、セル配列方向において、不均一な温度分布が生じる場合がある。すなわち、セル配列方向における端部では、隣接する燃料電池セル3が少ない、もしくは、存在しないこととなり放熱されやすいが、セル配列方向における中央部では、両側に多数の燃料電池セル3が配置されることにより放熱され難く、セル配列方向における中央部は温度が高く、セル配列方向における端部は温度が低くなる場合がある。そして、セル配列方向において不均一な温度分布が生じた場合には、セルスタック2を構成する各燃料電池セル3に流入する反応ガスの量にばらつきが生じ、発電効率が低下するおそれがある。
図2および図3は、本発明のセルスタック装置1において、隣り合う燃料電池セル3間に介装される集電部材15の一例を示したものであり、図2は正面図であり、図3は一部を抜粋して示す斜視図である。なお、図2で示す(A)はセル配列方向における中央部に位置する集電部材15aを示し、(B)はセル配列方向における端部に位置する集電部材15bを示す。なお、以降の図で、集電部材を示す場合においては、(A)はセル配列方向における中央部に位置する集電部材を、(B)はセル配列方向における端部に位置する集電部材をそれぞれ示すものとする。
図2および図3に示す集電部材15は、所定間隔を空けて設けられた板状をした一対の接触部16と、該一対の接触部16同士を接続する接続部19とを有する複数の導電片を前記燃料電池セル3の長手方向に連続的に形成して構成されている。
具体的には、隣接する一方の燃料電池セル3の空気極層10に当接する一方の接触部16と、隣接する一方の燃料電池セル3のP型半導体層14(P型半導体層14がない場合にはインターコネクタ11)に当接する他方の接触部16と、離れて配置される一方の接触部16の一つの接触部16の一端と他方の接触部16の一つの接触部16の他端とを接続する接続部19と、前記他方の接触部16の一つの接触部16の一端と前記一方の接触部16の他の一つの接触部16の他端とを接続する接続部19とを基本構成の導電片として具備する。そしてこの基本構成である導電片を燃料電池セル3の長手方向に沿って連続的に形成することにより、燃料電池セル3の長手方向(以下、セル長手方向と略す場合がある。)に延在する一繋がりの集電部材15a,15bを形成している。
ここで、図2(A)、(B)において、セル配列方向の端部に位置する集電部材15bのそれぞれの接触部16の接触面積が、セル配列方向の中央部に位置する集電部材15aにおけるセル長手方向においてそれぞれ対応する接触部16の接触面積以上であり、かつ端部に位置する集電部材15bの接触部16の接触面積の合計(以下、接触部の合計接触面積と略す場合がある。)が中央部に位置する集電部材15aの接触部の合計接触面積に比べ大きい。
なお、セル配列方向の中央部に位置する集電部材15aは、集電部材の数が偶数の場合、セル配列方向における中央に位置する燃料電池セル3と隣り合う燃料電池セル3間に介装される集電部材、およびその近傍に配置される集電部材を含み、集電部材15aの数が奇数の場合、セル配列方向における中央に位置する集電部材、およびその近傍に配置される集電部材を含む。なお、あらかじめ同じ形状の集電部材を用いた燃料電池セルスタック装置1における温度分布を考慮して、セル配列方向の端部および中央部を適宜設定することができる。
また、燃料電池セル3の配列方向における端部に位置する集電部材15bのそれぞれの接触部16の接触面積が、燃料電池セル3の配列方向における中央部に位置する集電部材15aにおける燃料電池セル3の長手方向においてそれぞれ対応する接触部16の接触面積以上であるとは、例えば、図2のc部で示すように、燃料電池セル3の長手方向において、マニホールド7に固定された燃料電池セル3の下端から同じ高さにある集電部材15a、15bの接触部16の接触面積を比較したときに、集電部材15bの接触部16の接触面積が、集電部材15aの接触部16の接触面積と同等または大きいことをいう。また、燃料電池セル3の配列方向における端部に位置する集電部材15bの接触部16の接触面積の合計が、燃料電池セル3の配列方向における中央部に位置する集電部材15aの接触部16の接触面積の合計よりも大きいとは、燃料電池セル3の配列方向における端部に位置する集電部材15bのうち一方の燃料電池セル3と接続される全ての接触部16の接触面積の合計が、燃料電池セル3の配列方向における中央部に位置する集電部材15aのうち一方の燃料電池セル3と接続される全ての接触部16の接触面積の合計よりも大きいことをいう。ただし、集電部材15a,15bの接触部16の接触面積を比較する場合、同じ側にある接触部16同士を比較する。
このように、端部に位置する集電部材15bのそれぞれの接触部16の接触面積を、中央部に位置する集電部材15aのセル長手方向においてそれぞれ対応する接触部16の接触面積以上とするとともに、端部に位置する集電部材15bの接触部の合計接触面積を、中央部に位置する集電部材15aの接触部の合計面積よりも大きくすることにより、中央部に位置する集電部材15aに比べ、端部に位置する集電部材15bに多く電流が流れることになり、端部に位置する集電部材15bの発熱量を集電部材15aの発熱量より大きくすることができる。それに伴い、端部に位置する燃料電池セル3の温度が上昇することから、セル配列方向における温度分布を均一に近づけることができる。それにより、各燃料電池セル3に流入する反応ガスの量のばらつきを抑制することができ、発電効率の向上した燃料電池セルスタック装置1とすることができる。
なお、図2に示した集電部材15a,15bでは、燃料電池セル3の長手方向に垂直な方向(以下、セル幅方向と略す場合がある。)における接触部16の長さを同一とし、下端部における接触部16のセル長手方向における長さを変えることで接触部16の接触面積を大きくした例を示したが、図4(A)、(B)に示すように、端部に位置する集電部材20bの接触部21と、中央部の集電部材20aの接触部21とを、セル長手方向の長さを同一とし、セル幅方向の長さを変えることで、接触部21の接触面積を大きくすることもできる。なお、図4(A)の中央部に位置する集電部材20aの接触部21におけるセル幅方向の長さは、燃料電池セル3のセル幅よりも短くなっている。また、図示していないが、端部に位置する集電部材のセル長手方向における接触部の長さと、セル幅方向における接触部の長さの両方を中央部に位置する集電部材の接触部よりも長くすることで、集電部材における接触部の接触面積を大きくすることもできる。なお図4において、各接触部21は、接続部24により接続されている。
図5(A)、(B)は、本発明のセルスタック装置1において、隣り合う燃料電池セル3の間に介装される集電部材の他の一例を示したものであり、(a)はセル配列方向における中央部および端部に位置する各集電部材の正面図、(b)は(A)に示す集電部材の平面図である。
図5(A)、(B)に示す集電部材25a,25bは、所定間隔を空けて設けられた板状をした一対の接触部26と、該一対の接触部26同士を接続する接続部27とを有する複数の導電片を前記燃料電池セル3の長手方向に連続的に形成して構成されている。
具体的には、隣接する一方の燃料電池セル3の空気極層10に当接する一方の接触部26と、隣接する他方の燃料電池セル3のP型半導体層14(P型半導体層14がない場合にはインターコネクタ11)に当接する他方の接触部26と、これら一対の接触部26の両端同士をそれぞれ接合する接続部27とを基本構成の導電片として具備する。より詳細には左右に配置される接続部27間に渡された複数の帯状をした接触部26を、図5(b)に示すように、接続部27に対して交互に(紙面に対して上下方向)に折り曲げて導電片28を構成し、この導電片28の複数個を、導電性連結片29を介してセル長手方向に沿って連続的に形成することにより、セル長手方向に延在する一繋がりの集電部材25a,25bを形成している。
ここで、図5(A)、(B)において、セル配列方向の端部に位置する集電部材25bのそれぞれの接触部26の接触面積は、セル配列方向の中央部に位置する集電部材25aにおけるセル長手方向においてそれぞれ対応する接触部26の接触面積以上であり、かつセル配列方向の端部に位置する接触部の合計接触面積は、セル配列方向の中央部に位置する集電部材25aの接触部の合計接触面積に比べ大きい。
このように、セル配列方向の端部に位置する集電部材25bのそれぞれの接触部26の接触面積を、セル配列方向の中央部に位置する集電部材25aのセル長手方向において、それぞれ対応する接触部26の接触面積以上とするとともに、端部に位置する集電部材25bの接触部の合計接触面積を、中央部に位置する集電部材25aの接触部の合計面積よりも大きくすることにより、セル配列方向の中央部に位置する集電部材25aに比べ、セル配列方向の端部に位置する集電部材25bに多く電流が流れることになり、集電部材25bの発熱量を集電部材25aの発熱量より大きくすることができる。それに伴い、セル配列方向の端部に位置する燃料電池セル3の温度が上昇することから、セル配列方向における温度分布を均一に近づけることができる。それにより、各燃料電池セル3に流入する反応ガスの量のばらつきを抑制することができ、発電効率の向上した燃料電池セルスタック装置1とすることができる。
図6(A)、(B)は、本発明のセルスタック装置1において、隣り合う燃料電池セル3に介装される集電部材の他の一例を示している。
図6(A)、(B)に示す集電部材30a,30bは、図5(A)、(B)に示す集電部材25a,25bと同様の構造をしたもので、セル長手方向における接触部31の長さを同一とし、セル配列方向の端部に位置する集電部材30bの下端部における接触部31のセル幅方向における長さを変えることで接触部31の接触面積を大きくしたものである。なお、図6(A)のセル配列方向の中央部に位置する集電部材30aの接触部31におけるセル幅方向の長さは、燃料電池セル3のセル幅よりも短くなっている。なお図6において、各接触部31は、接続部32により接続されている。
ところで、セル配列方向における温度分布は、ある一点で大きく変わるような断続的変化ではなく、連続的な変化となる場合がある。そのため、集電部材における接触部の面積は、セル配列方向において端部から中央部にかけて漸次小さくすることが好ましい。
それゆえ、集電部材15a,15b,20a,20b,25a,25b,30a,30bにおける接触部16,21,26,31の接触面積を温度分布にあわせて適宜変更することが好ましく前記集電部材15a,15b,20a,20b,25a,25b,30a,30bは、前記燃料電池セル3の長手方向における同一の高さにある前記接触部16,21,26,31の接触面積が、前記燃料電池セル3の配列方向における端から前記燃料電池セル3の配列方向における中央に向けて漸次小さくなっていることが好ましい。
ところで、ガス流路13より排出される燃料ガスを燃料電池3の上端部側で燃焼させるように構成してなる燃料電池セルスタック装置1においては、各燃料電池セル3の上端部の温度が高く、下端部に向かうにつれ温度が低下するという不均一な温度分布となる場合があり、温度の高い燃料電池セル3の上端部に電流が集中することで、燃料電池セル3の上端部の劣化が早くなるおそれがある。
そこで、集電部材のセル長手方向における下端部の接触部の接触面積は、上端部に位置する接触部の接触面積より大きいことが好ましい。それゆえ、図2,4〜6においては、集電部材の接触部の接触面積が、上端部に比べ下端部の方が大きい集電部材の例を示している。
それにより、燃料電池セル3の下端部の温度が上昇し、セル長手方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の上端部に電流が集中することを抑制し、上端部の劣化が早まることを抑制することができる。
また、セル長手方向における温度分布は、ある一点で大きく変わるような断続的変化ではなく、連続的な変化となる場合がある。そのため、集電部材における接触部の接触面積は、セル長手方向において上端から下端に向けて漸次大きくすることが好ましい。
図7(A)、(B)は、本発明のセルスタック装置1において、隣り合う燃料電池セル3に介装される集電部材の他の一例を示している。
図7(A)、(B)に示す集電部材35a,35bは接触部36のセル長手方向の長さを同一とし、セル幅方向における接触部36の長さを、セル配列方向の端部に位置する集電部材35bを、セル配列方向の中央部に位置する集電部材35aよりも長くすることで、セル配列方向の端部に位置する集電部材35bの接触部36の接触面積を、セル配列方向の中央部に位置する集電部材35aの接触部36の接触面積より大きくするとともに、端部に位置する集電部材35bの接触部36の合計接触面積を、中央部に位置する集電部材35aの接触部36の合計面積よりも大きくしている。
また、セル長手方向の上端から下端に向けて接触部36のセル幅方向の長さを漸次大きくすることで、セル長手方向の上端から下端に向けて接触部36の接触面積を漸次大きくしている。なお、図7(A)のセル配列方向の中央部に位置する集電部材35aの接触部36におけるセル幅方向の長さは、燃料電池セル3のセル幅よりも短くなっている。また、図7において、各接触部36は接続部39により接続されている。
それにより、セル配列方向の端部に位置する燃料電池セル3の温度が上昇することから、セル配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の発電効率をさらに向上させることができる。あわせて、集電部材35a,35bの各接触部の接触面積を、セル長手方向において上端から下端に向けて漸次大きくすることで、セル長手方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の上端部の劣化が早くなることを抑制することができる。
図8(A)、(B)は、本発明のセルスタック装置1において、隣り合う燃料電池セル3に介装される集電部材の他の一例を示している。
図8(A)、(B)に示す集電部材40a,40bは、セル配列方向の端部に位置する集電部材40bの接触部41と、セル配列方向の中央部に位置する集電部材40aの接触部41とを、セル幅方向の長さを同一とし、セル長手方向における接触部41の長さをセル配列方向の端部に位置する集電部材40bを、セル配列方向の中央部に位置する集電部材40aよりも長くすることで、セル配列方向の端部に位置する集電部材40bの接触部41の接触面積を、セル配列方向の中央部に位置する集電部材40aの接触部41の接触面積より大きくするとともに、端部に位置する集電部材40bの接触部41の合計接触面積を、中央部に位置する集電部材40aの接触部41の合計面積よりも大きくしている。
また、セル長手方向の上端から下端に向けて接触部41のセル長手方向の長さを漸次大きくすることで、セル長手方向の上端から下端に向けて接触部41の接触面積を漸次大きくしている。なお、図8において、各接触部41は接続部44により接続されている。
それにより、セル配列方向の端部に位置する燃料電池セル3の温度が上昇することから、セル配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の発電効率をさらに向上させることができる。あわせて、集電部材40a,40bの各接触部の接触面積を、セル長手方向において上端から下端に向けて漸次大きくすることで、セル長手方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の上端部の劣化が早くなることを抑制することができる。
図9(A)、(B)は、本発明のセルスタック装置1において、隣り合う燃料電池セル3に介装される集電部材の他の一例を示している。
図9(A)、(B)に示す集電部材45a,45bは接触部46のセル長手方向の長さを同一とし、セル幅方向における接触部46の長さを、セル配列方向の端部に位置する集電部材45bを、セル配列方向の中央部に位置する集電部材45aよりも長くすることで、セル配列方向の端部に位置する集電部材45bの接触部46の接触面積を、セル配列方向の中央部に位置する集電部材45aの接触部46の接触面積より大きくするとともに、端部に位置する集電部材45bの接触部46の合計接触面積を、中央部に位置する集電部材45aの接触部46の合計面積よりも大きくしている。
また、セル長手方向の上端から下端に向けて接触部46のセル幅方向の長さを漸次大きくすることで、セル長手方向の上端から下端に向けて接触部46の接触面積を漸次大きくしている。なお、図9(A)のセル配列方向の中央部に位置する集電部材45aの接触部36におけるセル幅方向の長さは、燃料電池セル3のセル幅よりも短くなっている。また、図9において、各接触部46は接続部47により接続されている。
それにより、セル配列方向の端部に位置する燃料電池セル3の温度が上昇することから、セル配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の発電効率をさらに向上させることができる。あわせて、集電部材45a,45bの各接触部の接触面積を、セル長手方向において上端から下端に向けて漸次大きくすることで、セル長手方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の上端部の劣化が早くなることを抑制することができる。
図10(A)、(B)は、本発明のセルスタック装置1において、隣り合う燃料電池セル3に介装される集電部材の他の一例を示している。
図10(A)、(B)に示す集電部材50a,50bは、セル配列方向の端部に位置する集電部材50bの接触部51と、セル配列方向の中央部に位置する集電部材50aの接触部51とを、セル幅方向の長さを同一とし、セル長手方向における接触部51の長さをセル配列方向の端部に位置する集電部材50bを、セル配列方向の中央部に位置する集電部材50aよりも長くすることで、セル配列方向の端部に位置する集電部材50bの接触部51の接触面積を、セル配列方向の中央部に位置する集電部材50aの接触部51の接触面積より大きくするとともに、端部に位置する集電部材50bの接触部51の合計接触面積を、中央部に位置する集電部材50aの接触部51の合計面積よりも大きくしている。
また、セル長手方向の上端から下端に向けて接触部51のセル長手方向の長さを漸次大きくすることで、セル長手方向の上端から下端に向けて接触部51の接触面積を漸次大きくしている。なお、図10において、各接触部51は接続部52により接続されている。
それにより、セル配列方向の端部に位置する燃料電池セル3の温度が上昇することから、セル配列方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の発電効率をさらに向上させることができる。あわせて、集電部材50a,50bの各接触部の接触面積を、セル長手方向において上端から下端に向けて漸次大きくすることで、セル長手方向における温度分布を均一に近づけることができ、燃料電池セル3の上端部の劣化が早くなることを抑制することができる。
以上本発明について説明したが、本発明においては収納容器内に燃料電池セルスタック装置を収納することで、本発明の燃料電池モジュール60とすることができ、図11は本発明の燃料電池モジュール60の一例を示した斜視図である。
図11において、燃料電池モジュール60は、直方体状の収納容器61の内部に、燃料ガスが流通するガス流路13を有する燃料電池セル62を立設させた状態で配列し、隣接する燃料電池セル62間に集電部材(図示せず)を介して電気的に直列に接続してセルスタック64を構成するとともに、燃料電池セル62の下端部をガラスシール材等の絶縁性接合材(図示せず)でマニホールド63に固定してなる燃料電池セルスタック装置1を収納して構成されている。
なお、燃料電池セル62にて使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の原燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器65をセルスタック64の上方に配置している。そして、改質器65で生成された燃料ガスは、ガス流通管66を介してマニホールド63に供給され、マニホールド63を介して燃料電池セル62の内部に設けられたガス流路13に供給される。
なお、図11においては、収納容器61の一部(前後面)を取り外し、内部に収納されているセルスタック装置67および改質器65を後方に取り出した状態を示している。ここで、図11に示した燃料電池モジュール60においては、セルスタック装置67を、収納容器61内にスライドして収納することが可能である。なお、セルスタック装置67は、改質器65を含むものとしても良い。
また収納容器61の内部に設けられた酸素含有ガス導入部材68は、図11においてはマニホールド63に並置されたセルスタック64の間に配置されるとともに、酸素含有ガスが燃料ガスの流れに合わせて、燃料電池セル62の側方を下端部から上端部に向けて流れるように、燃料電池セル62の下端部に酸素含有ガスを供給する。そして、燃料電池セル62のガス流路13より排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃料電池セル62の上端部側で燃焼させることにより、燃料電池セル62の温度を上昇させることができ、セルスタック装置67の起動を早めることができる。また、燃料電池セル62のセル長手方向における上端部側にて、燃料電池セル62のガス流路13から排出される燃料ガスと酸素含有ガスとを燃焼させることにより、燃料電池セル62(セルスタック64)のセル長手方向における上方に配置された改質器65を温めることができる。それにより、改質器65で効率よく改質反応を行うことができる。ただし、この場合においては上述したように燃料電池セル62のセル長手方向における温度分布が不均一となることがあるため、本発明のセルスタック装置67の構成を採用することにより、セル長手方向における温度分布を均一に近づき、発電効率を向上させることができる。
なお、図11においては図示していないが、燃料電池セル62を上述した集電部材を介して電気的に接続することにより、燃料電池セル62のセル長手方向における温度分布を均一に近づけることができ、発電効率の向上した燃料電池モジュール60とすることができる。
図12は、本発明の燃料電池装置70の一例を示す分解斜視図である。なお、図12においては一部構成を省略して示している。
図12に示す燃料電池装置70は、支柱76と外装板77から構成される外装ケース内を仕切板78により上下に区画し、その上方側を上述した燃料電池モジュール60を収納するモジュール収納室74とし、下方側を燃料電池モジュール60を動作させるための補機類を収納する補機収納室73として構成されている。なお、補機収納室73に収納する補機類を省略して示している。
また、仕切板78には、補機収納室73の空気をモジュール収納室74側に流すための空気流通口71が設けられており、モジュール収納室74を構成する外装板77の一部に、モジュール収納室74内の空気を排気するための排気口72が設けられている。
このような燃料電池装置70においては、上述したように、発電効率を向上することができる燃料電池モジュール60をモジュール収納室74に収納して構成されることにより、発電効率の向上した燃料電池装置70とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、上述したセルスタック装置1においては、燃料電池セル3内のガス流路に燃料ガスを供給し、燃料電池セル3の外部に酸素含有ガスを供給する例を示しているが、酸素含有ガスをガス流路に供給し、燃料電池セル3の外部に燃料ガスを供給する構成としてもかまわない。
1、67:燃料電池セルスタック装置
2、64:セルスタック
3、62:燃料電池セル
4,15a,15b,20a,20b,25a,25b,30a,30b,35a,
35b,40a,40b,45a,45b,50a,50b,80a,80b:集電部材
7、63:マニホールド
13:ガス流路
16,21,26,31,36,41,46,51,81,83,86,87:接触部
19,24,27,32,39,44,47,52,87:接続部
60:燃料電池モジュール
70:燃料電池装置
2、64:セルスタック
3、62:燃料電池セル
4,15a,15b,20a,20b,25a,25b,30a,30b,35a,
35b,40a,40b,45a,45b,50a,50b,80a,80b:集電部材
7、63:マニホールド
13:ガス流路
16,21,26,31,36,41,46,51,81,83,86,87:接触部
19,24,27,32,39,44,47,52,87:接続部
60:燃料電池モジュール
70:燃料電池装置
Claims (6)
- 内部にガス流路を有する燃料電池セルを、集電部材を介して複数個立設させた状態で配列して電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端を固定するとともに前記ガス流路を介して前記燃料電池セルに反応ガスを供給するためのマニホールドとを有し、前記ガス流路より排出される反応ガスを前記燃料電池セルの上端部側で燃焼させるように構成してなる燃料電池セルスタック装置であって、前記集電部材は、隣り合う前記燃料電池セルと接触させるために、所定間隔を空けて設けられた板状をした一対の接触部と、該一対の接触部同士を接続する接続部とを有する複数の導電片を前記燃料電池セルの長手方向に連続的に形成してなるとともに、前記燃料電池セルの配列方向における端部に位置する前記集電部材の前記接触部の接触面積が、前記燃料電池セルの配列方向における中央部に位置する前記集電部材における前記燃料電池セルの長手方向においてそれぞれ対応する前記接触部の接触面積以上であって、かつ前記燃料電池セルの配列方向における端部に位置する前記集電部材の前記接触部の接触面積の合計が、前記燃料電池セルの配列方向における中央部に位置する前記集電部材の前記接触部の接触面積の合計よりも大きいことを特徴とする燃料電池セルスタック装置。
- 前記集電部材は、前記燃料電池セルの長手方向における同一の高さにある前記接触部の接触面積が、前記燃料電池セルの配列方向における端から前記燃料電池セルの配列方向における中央に向けて漸次小さくなっていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池セルスタック装置。
- 前記集電部材の前記燃料電池セルの長手方向における下端部に位置する前記接触部の接触面積が、上端部に位置する前記接触部の接触面積よりも大きいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池セルスタック装置。
- 前記集電部材は、前記接触部の接触面積が前記燃料電池セルの長手方向において上端から下端に向けて漸次大きくなっていることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池セルスタック装置。
- 請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載の燃料電池セルスタック装置を収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池モジュール。
- 請求項5に記載の燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。
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