JP5334456B2 - セルスタック装置および燃料電池モジュールならびに燃料電池装置 - Google Patents

セルスタック装置および燃料電池モジュールならびに燃料電池装置 Download PDF

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Description

本発明は、複数個の燃料電池セルを配列してなるセルスタックと、セルスタックを固定するマニホールドと、マニホールドに接続された反応ガス供給管とを具備してなるセルスタック装置およびそれを具備する燃料電池モジュールならびに燃料電池装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料ガス(水素含有ガス)と酸素含有ガス(通常、空気である)とを用いて電力を得ることができる燃料電池セルを複数個配列してなるセルスタック(装置)を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図8は従来の燃料電池モジュール70を示す外観斜視図であり、収納容器71内に複数個の燃料電池セル72を配列してなるセルスタック74を収納して燃料電池モジュール70が構成されている。
ここで、セルスタック74の上方にはUの字状の改質器75が配置されており、原燃料供給管77より供給された原燃料は、改質器75内にて水蒸気改質等の改質反応が行なわれて燃料ガス(水素含有ガス)に改質される。そして改質器75にて生成された反応ガス(燃料ガス)は、反応ガス供給管76を介してマニホールド73に供給され、マニホールド73から各燃料電池セル72に反応ガス(図7においては燃料ガス)が供給される。なお、マニホールド73、セルスタック74、燃料ガス供給管76の構成によりセルスタック装置80が構成されている。
また図9は、図8で示したセルスタック装置80を概略的に示す側面図および一部拡大平面図であり、一対の対向する平坦面をもつ柱状の導電性支持基板90の一方の平坦面上に燃料側電極層87、固体電解質層88及び空気側電極層89を順次積層してなる柱状の燃料電池セル81の複数個を、隣接する燃料電池セル81間に集電部材82を介装して電気的に直列に接続してセルスタックを形成し、燃料電池セル81の下端を、燃料電池セル81に反応ガス(燃料ガス)を供給するマニホールド85に固定して形成されている。なお、導電性支持基板90は多孔質体からなり、内部に長手方向に貫通した複数のガス流路91が形成されている。また、マニホールド85の一端側には反応ガス供給管86が連結されている。改質器75より供給された反応ガス(燃料ガス)は、マニホールド85を介して導電性支持基板90に設けられたガス流路91を流通するとともに、燃料側電極層87に供給されるように構成されている。
また図10は、図9で示したセルスタック装置80のうち、マニホールド85と反応ガス供給管86との接続を示す断面図であり、反応ガス供給管86の一端部がマニホールド85の一端と連結されている。
特開2007−59377号公報
しかしながら、図9および図10に示すセルスタック装置80においては、反応ガス供給管86がマニホールド85の一端に連結されていることから、反応ガス供給管86側に位置する燃料電池セル81には反応ガス(燃料ガス)が十分に供給されるものの、マニホールド85の他端側に位置する燃料電池セル81には、反応ガス(燃料ガス)を十分に供給することができないおそれがあり、それに伴い、発電効率が低下するおそれがある。
それゆえ、本発明は、セルスタック装置を構成する各燃料電池セルに十分な反応ガスを供給することが可能なセルスタック装置およびそれを具備する燃料電池モジュールならびに燃料電池装置を提供することを目的とする。
本発明のセルスタック装置は、柱状の燃料電池セルを複数個立設させた状態で配列し、隣接する前記燃料電池セル間に集電部材を介して電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端が固定されている前記燃料電池セルに反応ガスを供給するためのマニホールドと、該マニホールドに反応ガスを供給するための反応ガス供給管とを具備するセルスタック装置であって、前記反応ガス供給管は反応ガス供給口を有しており、該反応ガス供給口が前記マニホールドの前記燃料電池セルの配列方向における中央部に、かつ前記配列方向と直交する方向における幅の中央部に位置するように、前記反応ガス供給管が前記マニホールドの内部に挿入されているとともに、前記反応ガス供給管が、前記マニホールドの内部底面と間隔をあけて配置され、前記反応ガス供給口が前記マニホールドの内部底面と対向していることを特徴とする。
このようなセルスタック装置においては、反応ガス供給口を有する反応ガス供給管、反応ガス供給口がマニホールドの燃料電池セルの配列方向における中央部に位置するように、マニホールドの内部に挿入されていることから、マニホールドの内部の上面側に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができるため、セルスタックを構成する各燃料電池セルに供給される反応ガスの量を均一に近づけることができる。それにより、発電効率が向上したセルスタック装置とすることができる。
また、反応ガス供給口が、さらにマニホールドの燃料電池セルの配列方向と直交する方向における幅の中央部に位置していることから、マニホールドの内部の上面側に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができるため、セルスタックを構成する各燃料電池セルに供給される反応ガスの量を均一に近づけることができる。
さらに、反応ガス供給管がマニホールドの内部底面と間隔をあけて挿入されているとともに、反応ガス供給口がマニホールドの内部底面と対向して設けられていることから、反応ガス供給口より供給される反応ガスは、マニホールドの底面に向けて流れた後、マニホールドの内部全体に拡散して、マニホールドに固定された各燃料電池セルに供給されることとなる。それにより、セルスタックを構成する各燃料電池セルに供給される反応ガスの量を均一に近づけることができ、発電効率が向上したセルスタック装置とすることができる。
また、本発明のセルスタック装置は、前記反応ガス供給口が、前記マニホールドの前記燃料電池セルの配列方向と直交する方向における幅の中央部に位置していることが好ましい。
また、本発明のセルスタック装置は、柱状の燃料電池セルを複数個立設させた状態で配列し、隣接する前記燃料電池セル間に集電部材を介して電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端が固定されている前記燃料電池セルに反応ガスを供給するためのマニホールドと、該マニホールドに反応ガスを供給するための反応ガス供給管とを具備するセルスタック装置であって、前記反応ガス供給管は反応ガス供給口を有しており、該反応ガス供給口が前記マニホールドの前記燃料電池セルの配列方向における中央部に、かつ前記配列方向と直交する方向における幅の中央部に位置するように、前記反応ガス供給管が前記マニホールドの内部に挿入されているとともに、前記反応ガス供給管が、前記マニホールドの内部底面に配置され、前記反応ガス供給口が前記マニホールドの内部上面と対向していることを特徴とする。
このようなセルスタック装置においては、反応ガス供給管の一端部がマニホールドの内部底面上に配置されているとともに、反応ガス供給口がマニホールドの内部上面と対向して設けられていることから、反応ガス供給口からマニホールドの内部上面までの距離を長くすることができる。それにより、反応ガス供給口より供給される反応ガスは、マニホールドの上面に至るまでの間にマニホールドの内部全体に拡散して、マニホールドに固定された各燃料電池セルに供給されることとなる。それにより、セルスタックを構成する各燃料電池セルに供給される反応ガスの量を均一に近づけることができ、発電効率が向上したセルスタック装置とすることができる。
また、本発明のセルスタック装置は、前記マニホールドの内部に挿入されている前記反応ガス供給管が、前記燃料電池セルの配列方向に沿う前記マニホールドの対向する両側面とそれぞれ接合されていることが望ましい。
このようなセルスタック装置においては、マニホールドの内部に挿入されている反応ガス供給管が、燃料電池セルの配列方向に沿うマニホールドの対向する両側面とそれぞれ接合されていることから、反応ガス供給管のマニホールドの挿入部における応力を緩和することができる。それにより、反応ガス供給管の変形を抑制できるほか、反応ガス供給管のマニホールド挿入部におけるガスシール性を向上することができる。
本発明の燃料電池モジュールは、上記のうちいずれかに記載のセルスタック装置を収納容器内に収納してなることを特徴とする。
このような燃料電池モジュールにおいては、発電効率の向上したセルスタック装置を収納容器内に収納してなることから、発電効率の向上した燃料電池モジュールとすることができる。
本発明の燃料電池装置は、上記に記載の燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなることを特徴とする。
このような燃料電池装置においては、発電効率の向上したセルスタック装置を収納容器内に収納してなる燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなることから、発電効率の向上した燃料電池装置とすることができる。
本発明のセルスタック装置は、マニホールドの内部の上面側に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができるため、セルスタックを構成する各燃料電池セルに供給される反応ガスの量を均一に近づけることができる。それにより、発電効率が向上したセルスタック装置とすることができる。また、本発明の燃料電池モジュールは、上記セルスタック装置を収納容器内に収納してなることから、発電効率を向上させることができる。さらに、本発明の燃料電池装置は、上記燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなることから、発電効率を向上させることができる。
図1は、本発明のセルスタック装置1の一例を示したものであり、(a)はセルスタック装置1を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置1の一部拡大平面図であり、(a)で示した点線枠で囲った部分を抜粋して示している。また、同一の部材については同一の番号を付するものとし、以下同様とする。なお、(b)において(a)で示した点線枠で囲った部分の対応する部分を明確とするために矢印にて示している。
ここで、セルスタック装置1は、一対の対向する平坦面をもつ柱状の導電性支持基板11(以下、支持基板11と略す場合がある)の少なくとも一方の平坦面上に燃料側電極層8、固体電解質層9及び空気側電極層10を順次積層してなる柱状の燃料電池セル2の複数個を、隣接する燃料電池セル2間に集電部材3を介装して電気的に直列に接続してセルスタックを形成し、燃料電池セル2の下端を、燃料電池セル2に反応ガスを供給するマニホールド6に固定して形成されている。そして、下端がマニホールド6に固定され、燃料電池セル2の配列方向の両端部から集電部材3を介してセルスタックを挟持するように配置される端部集電部材4を具備する。また、マニホールド6には反応ガス(例えば、燃料ガス)を供給するための反応ガス供給管7が接続されている。なお、マニホールド6および反応ガス供給管7の構成については、後に詳述する。
また、図1に示す端部集電部材4においては、燃料電池セル2の配列方向に沿って、外側に向けて延びるとともに、燃料電池セル2の発電により生じる電流を引き出すための電流引き出し部5が設けられている。
さらに、支持基板11の他方の平坦面上にはインターコネクタ13が設けられており、支持基板11の内部には、燃料電池セル2に反応ガスを流すためのガス流路12が複数設けられている。なお、図1に示すセルスタック装置1においては、ガス流路12にマニホールド6より燃料ガス(水素含有ガス)を供給する場合の例を示しており、あわせて反応ガス供給管7より燃料ガスがマニホールド6内に供給される。
また、インターコネクタ13の外面(上面)にはP型半導体14を設けることもできる。集電部材3を、P型半導体14を介してインターコネクタ13に接続させることにより、両者の接触がオーム接触となり、電位降下を少なくし、集電性能の低下を有効に回避することが可能となる。
また、支持基板11が燃料側電極を兼ねるものとし、その表面に固体電解質層9および空気側電極層10を順次積層して燃料電池セル2を構成することもできる。
なお、燃料電池セル2としては、各種燃料電池セルが知られているが、燃料電池を小型化、高効率化する上で、固体酸化物形燃料電池セルとすることができる。それにより、燃料電池装置を小型化、高効率化することができるとともに、家庭用燃料電池で求められる変動する負荷に追従する負荷追従運転を行なうことができる。
以下に、図1において示す燃料電池セル2を構成する各部材について説明する。
燃料側電極層8は、一般的に公知のものを使用することができ、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素が固溶しているZrO(安定化ジルコニアと称する)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。
固体電解質層9は、電極8と電極10間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮蔽性を有することが必要とされ、3〜15モル%の希土類元素が固溶した緻密質のZrO系セラミックスから形成される。なお、上記特性を有する限りにおいては、他の材料等を用いて形成してもよい。 空気側電極層10は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成することができる。空気側電極層10はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
インターコネクタ13は、導電性セラミックスから形成することができるが、燃料ガス(水素含有ガス)および酸素含有ガス(空気等)と接触するため、耐還元性及び耐酸化性を有することが必要であり、それゆえランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が好適に使用される。インターコネクタ13は支持基板11に形成されたガス流路12を流通する燃料ガス、および支持基板11の外側を流通する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。 支持基板11としては、燃料ガスを燃料側電極層8まで透過するためにガス透過性であること、さらには、インターコネクタ13を介して集電するために導電性であることが要求される。したがって、支持基板11としては、かかる要求を満足するものを材質として採用する必要があり、例えば導電性セラミックスやサーメット等の多孔質セラミックスを用いることができる。
また、図1に示した燃料電池セル2において、柱状の支持基板11は、立設方向に細長く延びる板状片であり、平坦な両面と半円形状の両側面を有する中空平板状に形成されている。そして燃料電池セル2の下端と、端部集電部材4とが、燃料電池セル2(ガス流路12)に燃料ガスを供給するマニホールド6に接合材によって固定されている。
また、燃料電池セル2を作製するにあたり、燃料側電極層8または固体電解質層9との同時焼成により支持基板11を作製する場合においては、鉄属金属成分と特定希土類酸化物とから支持基板11を形成することが好ましい。支持基板11は、所要のガス透過性を備えるために開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあるのが好適であり、その導電率は300S/cm以上、特に440S/cm以上であるのが好ましい。なお、以降の説明において、中空平板状の燃料電池セル2を用いて説明する。 さらに、P型半導体層14としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、インターコネクタ13を構成するランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)よりも電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。このようなP型半導体層14の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲にあることが好ましい。
燃料電池セル2を電気的に接続するために介装される集電部材3は、弾性を有する金属または合金からなる部材あるいは金属繊維または合金繊維から成るフェルトに所要の表面処理を施した部材から構成することができる。
図2は、本発明のセルスタック装置1のうち、マニホールド6と反応ガス供給管(図2においては燃料ガス供給管)7との接続を示す断面図であり、マニホールド6と反応ガス供給管7とを抜粋して示している。なお、以降の図面においても、特に断りがない限り同様に示している。
図2において、反応ガス供給口15を有する反応ガス供給管7の一端部が、マニホールド6の燃料電池セル2(図2においては省略して示している)の配列方向における中央部に位置するようにマニホールド6の内部に挿入されている例を示している。
ところで、図10に示したように、マニホールドの一端に反応ガス供給管が連結されている場合には、反応ガス供給管側に位置する燃料電池セルに多くの反応ガスが供給され、マニホールドの他端側に位置する燃料電池セルに供給される反応ガスの量が少なくなり、セルスタック装置の発電量が低下するおそれがある。
一方、図2に示したセルスタック装置1においては、反応ガス供給管7の反応ガス供給口15が、マニホールド6の燃料電池セル2の配列方向における中央部に位置するように、反応ガス供給管7がマニホールド6内に挿入されていることから、反応ガス供給口15より供給される反応ガス(燃料ガス等)がマニホールド6の内部全体に拡散し、マニホールド6の内部の上面側に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができる。
それによりセルスタックを構成する各燃料電池セル2に十分な量の反応ガスを供給することができ、特に、セルスタックの一端側に位置する燃料電池セル2と他端側に位置する燃料電池セル2に供給される反応ガスの量に差が生じることを抑制することができる。すなわち、各燃料電池セル2に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができる。それにより、セルスタック装置1の発電量が低下することを抑制することができ、発電効率が向上したセルスタック装置1とすることができる。
また、図2には示していないが、反応ガス供給口15は、燃料電池セル2の配列方向と直交する方向における幅の中央部に位置するように設けられている。それにより、セルスタックを構成する各燃料電池セル2に反応ガスを効率よく供給することができ、セルスタック装置1の発電効率を向上することができる。
なお、マニホールド6に複数のセルスタックを並置する場合においては、反応ガス供給口15はマニホールド6の幅方向(料電池セル2の配列方向と直交する方向における幅)の中央部に位置するように設ける。例えば、マニホールド6に2つのセルスタックを並置して配置する場合においては、反応ガス供給口15はセルスタック間の中央部に位置するように設ける。
さらに、図2においては、マニホールド6に挿入されている反応ガス供給管7が、マニホールド6の内部底面と間隔をあけて配置されているとともに、反応ガス供給口15がマニホールド6の内部底面と対向して設けられている例を示している。
反応ガス供給管7をマニホールド6の内部底面と間隔をあけて配置し、さらに反応ガス供給口15をマニホールド6の内部底面と対向するように設けることにより、反応ガス供給口15より供給される反応ガスは、マニホールド6の底面に向けて流れた後、マニホールド6の内部全体に拡散して、マニホールド6に固定された各燃料電池セル6に供給されることとなる。すなわち、このような構成とすることにより、反応ガス供給口15から燃料電池セル2までの距離を実質的に長くすることができる。
それにより、セルスタックを構成する各燃料電池セル2に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができ、発電効率を向上させることができる。
なお、反応ガス供給管7をマニホールド6の内部底面と間隔をあけて配置するにあたり、この間隔は、マニホールド6の大きさやセルスタックを構成する各燃料電池セル2の数等により適宜設定することができる。
図3は、本発明のセルスタック装置1の他の一例を示しており、マニホールド6の内部に挿入されている反応ガス供給管7が、マニホールド6の内部底面に配置されているとともに、反応ガス供給口15がマニホールド6の内部上面(燃料電池セル2側)と対向して設けられている例を示す断面図である。
ここで、反応ガス供給管7をマニホールド6内部底面に配置し、かつ反応ガス供給口15がマニホールド6の内部上面と対向して設けられていることから、反応ガス供給口15からマニホールド6の内部上面(すなわちセルスタックを構成する各燃料電池セル2)までの距離を長くすることができる。
すなわち、反応ガス供給口15より供給される反応ガスは、マニホールド6の内部上面に至るまでの間にマニホールド6の内部全体に拡散して、セルスタックを構成する各燃料電池セル6に供給することができる。
それにより、セルスタックを構成する各燃料電池セル2に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができ、発電効率を向上させることができる。
なお、マニホールド6の内部上面とは、例えばマニホールド6が上面に天板を有している構造の場合にはその天板が内部上面であることを意味し、例えばマニホールド6が蓋部材を有さない形状である場合に、その上部でガラスシール材等により各燃料電池セル2を固定する場合には、そのガラスシール材を内部上面とすることができる。
図4は、マニホールド6内に挿入されている反応ガス供給管7が、燃料電池セル2の配列方向に沿うマニホールドの対向する両側面とそれぞれ接合されている例を示す断面図である。
例えば、反応ガス供給管7がマニホールド6内に挿入されており、その一端部(特には先端部)がマニホールド6と接続されていない場合(すなわち、マニホールド6の内部に浮いているような状態の場合)に、反応ガス供給管7のマニホールド6の挿入部(接合部)に応力がかかり、反応ガス供給管7が変形する可能性や反応ガスのシール性の問題が生じる可能性がある。
ここで、図4に示したように、反応ガス供給管7を、燃料電池セル2の配列方向に沿うマニホールド6の対向する両側面とそれぞれ接合させることにより、反応ガス供給管7のマニホールド6の挿入部(接合部)における応力を緩和することができる。それにより、反応ガス供給管7の変形を抑制するほか、ガスシール性を向上することができる。
さらに、反応ガス供給管7を、燃料電池セル2の配列方向に沿うマニホールド6の対向する両側面とそれぞれ接合させることにより、反応ガス供給管7により反応ガスの流れが不均一となることを抑制できる。すなわち、反応ガス供給口15より供給される反応ガスの流れ(マニホールド6内部での拡散度合い)において、マニホールド6内に配置された反応ガス供給管7による影響を抑制することができ、マニホールド6の内部全体により均一に拡散することができる。
それにより、セルスタックを構成する各燃料電池セル2に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができることから、発電効率を向上することができる。
なお、図4においては図示していないが、反応ガス供給管7を、燃料電池セル2の配列方向に沿うマニホールド6の対向する両側面と接合させる場合において、反応ガス供給管7内を流れる反応ガスが、燃料電池セル2の配列方向における中央部に設けられた反応ガス供給口15よりマニホールド6内に供給されればよい。それゆえ、図4に示したように、反応ガス供給管7の内部の反応ガス流路を反応ガス供給口15までとするほか、反応ガス流路を反応ガス供給管7の内部をマニホールド6の対向する両側面間にわたるように設けることもできる。
ところで、上述においては、反応ガス供給管7をマニホールド6の内部に挿入して配置する例を示したが、反応ガス供給管7をマニホールド6の底部に接続するように設けることもできる。
図5は、反応ガス供給管7の一端部をマニホールド6の底部に接続するように配置したセルスタック装置1の他の一例を示す断面図である。
ここで、図5に示したセルスタック装置1においても、反応ガス供給口15を有する反応ガス供給管7の一端部が、マニホールド6の燃料電池セル2(図2においては省略して示している)の配列方向における中央部に位置するように配置されている例を示している。それにより、反応ガス供給口15より供給される反応ガスは、マニホールド6の内部を上面側に流れる間にマニホールド6の内部全体に拡散することで、マニホールド6の内部の上面側に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができる。それゆえ、セルスタックを構成する各燃料電池セル2に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができ、発電効率を向上することができる。
また、反応ガス供給管7をマニホールド6の底面に接続する場合においては、反応ガス供給口15より供給される反応ガスの流れは、反応ガス供給管7の形状等による影響を受けることがない。それゆえ、反応ガス供給口15より供給される反応ガスは、マニホールド6の内部全体により均一に拡散することができ、それにより燃料電池セル2の発電効率を向上することができる。
なお、図5においては、反応ガス供給管7がマニホールド6の底面を燃料電池セル2の配列方向に沿って配置され、その一端部がマニホールド6に接続されている例を示したが、たとえば、反応ガス供給管7の一端部(特には反応ガス供給口15を含む先端部)だけを、マニホールド6の底部に接続するように配置することもできる。
図6は、本発明の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。本発明の燃料電池モジュール16においては、上述したセルスタック装置20を収納容器17内に挿入して配置することにより、燃料電池モジュール16が構成される。
なお、図6に示したセルスタック装置20においては、燃料電池セル2(セルスタック)の上方に、原燃料を供給する原燃料供給管19が接続されたUの字状の改質器18が配置されており、改質器18での改質反応により改質された反応ガス(燃料ガス)が、反応ガス供給管7を通じてマニホールド6に供給される。
ここで、本発明の燃料電池モジュール16は、セルスタックを構成する各燃料電池セル2に供給される反応ガスの量を均一に近づけることができるセルスタック装置20を収納容器17内に収納してなることから、発電効率の向上した燃料電池モジュール16とすることができる。
なお、このような燃料電池モジュール16においては、原燃料供給管19より供給される原燃料が、改質器18の内部に設けられた改質触媒により燃料ガスに改質される。改質器18にて生成された燃料ガスは、反応ガス供給管7を通じてマニホールド6に供給された後、各燃料電池セル2に供給される。燃料電池セル2においては、マニホールド6より供給された燃料ガスと、セルスタックの側方(燃料電池セル2の配列方向に沿った側方)から供給される酸素含有ガスとで発電を行う。なお、燃料電池セル2の発電で使用されなかった燃料ガスと酸素含有ガスは、燃料電池セル2の上端部側で燃焼させることにより、余剰の燃料ガスが燃料電池モジュールより排気されることを抑制できるとともに、燃料電池セル2の温度を高温に維持するほか、改質器18の温度を上昇させることができ、改質器18にて効率よく改質反応を行わせることができる。それにより、発電効率の向上した燃料電池モジュール16とすることができる。
図7は、本発明の燃料電池装置21の一例を示す分解斜視図である。なお、図7においては一部構成を省略して示している。
図7に示す燃料電池装置21は、支柱22と外装板23から構成される外装ケース内を仕切り板24により上下に区画し、その上方側を上述した燃料電池モジュール29を収納するモジュール収納室25とし、下方側を燃料電池モジュール29を動作するための補機類を収納する補機収納室26として構成されている。なお、補機収納室26に収納する補機類を省略して示している。
また、仕切り板24には、補機収納室26の空気をモジュール収納室25側に流すための空気流通口27が設けられており、モジュール収納室25を構成する外装板23の一部に、モジュール収納室25内の空気を排気するための排気口28が設けられている。
このような燃料電池装置21においては、上述したように、発電効率を向上することができるセルスタック装置1を収納容器に収納してなる燃料電池モジュール29をモジュール収納室25に収納して構成されることにより、発電効率の向上した燃料電池装置21とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、反応ガス供給管7より供給する反応ガスを酸素含有ガスとすることもできる。この場合においても、各燃料電池セル2に供給する酸素含有ガスの量を均一に近づけることができ、発電効率の向上したセルスタック装置とすることができる。
また、反応ガス供給管7の形状や大きさも適宜設計することができ、たとえば、単なる管形状のほか、例えば板状の形状とすることもできる。
さらに、上述の説明において柱状の燃料電池セル2の一例として中空平板状の燃料電池セル2を用いて説明したが、他に例えば円筒状の燃料電池セル2などを用いることもできる。
さらに、マニホールド6の底部に反応ガス供給管7を配置する場合に、反応ガス供給管7をマニホールド6の一端から他端にわたって配置することもできる。
本発明のセルスタック装置の一例を示しており、(a)は側面図を、(b)は一部を抜粋して示す平面図である。 マニホールドの内部に反応ガス供給管を挿入していることを示す断面図である。 マニホールドの内部底面上に反応ガス供給管を配置していることを示す断面図である。 反応ガス供給管が、燃料電池セルの配列方向に沿うマニホールドの対向する両側面と接続されていることを示す断面図である。 マニホールドの底部に反応ガス供給管の一端部を接続していることを示す断面図である。 本発明の燃料電池モジュールの一例を示す分解斜視図である。 本発明の燃料電池装置の一例を示す分解斜視図である。 従来の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。 従来のセルスタック装置の一例を示しており、(a)は側面図を、(b)は一部を抜粋して示す平面図である。 従来のセルスタック装置におけるマニホールドと反応ガス供給管との接続を示す断面図である。
符号の説明
1:セルスタック装置
2:燃料電池セル
6:マニホールド
7:反応ガス供給管
15:反応ガス供給口

Claims (5)

  1. 柱状の燃料電池セルを複数個立設させた状態で配列し、隣接する前記燃料電池セル間に集電部材を介して電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端が固定されている前記燃料電池セルに反応ガスを供給するためのマニホールドと、該マニホールドに反応ガスを供給するための反応ガス供給管とを具備するセルスタック装置であって、前記反応ガス供給管は反応ガス供給口を有しており、該反応ガス供給口が前記マニホールドの前記燃料電池セルの配列方向における中央部に、かつ前記配列方向と直交する方向における幅の中央部に位置するように、前記反応ガス供給管が前記マニホールドの内部に挿入されているとともに、前記反応ガス供給管が、前記マニホールドの内部底面と間隔をあけて配置され、前記反応ガス供給口が前記マニホールドの内部底面と対向していることを特徴とするセルスタック装置。
  2. 柱状の燃料電池セルを複数個立設させた状態で配列し、隣接する前記燃料電池セル間に集電部材を介して電気的に接続してなるセルスタックと、前記燃料電池セルの下端が固定されている前記燃料電池セルに反応ガスを供給するためのマニホールドと、該マニホールドに反応ガスを供給するための反応ガス供給管とを具備するセルスタック装置であって、前記反応ガス供給管は反応ガス供給口を有しており、該反応ガス供給口が前記マニホールドの前記燃料電池セルの配列方向における中央部に、かつ前記配列方向と直交する方向における幅の中央部に位置するように、前記反応ガス供給管が前記マニホールドの内部に挿入されているとともに、前記反応ガス供給管が、前記マニホールドの内部底面に配置され、前記反応ガス供給口が前記マニホールドの内部上面と対向していることを特徴とするセルスタック装置。
  3. 前記マニホールドの内部に挿入されている前記反応ガス供給管が、前記燃料電池セルの配列方向に沿う前記マニホールドの対向する両側面とそれぞれ接合されていることを特徴とする請求項に記載のセルスタック装置。
  4. 請求項1乃至請求項のうちいずれかに記載のセルスタック装置を収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池モジュール。
  5. 請求項に記載の燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。
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