JP5622166B2 - 燃料電池 - Google Patents
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Description
この構成を備えた燃料電池は、複数の噴出孔が形成された内部ガス供給配管が前記ガスマニホールドの内部に配設されているため、当該噴出孔を当該ガスマニホールド内の任意の位置に配設することができる。したがって、前記ガスマニホールド内の任意の位置に噴出孔を位置させることができるので、当該ガスマニホールド内に反応ガスを行き渡らせるために適切な位置に噴出孔を設けることができる。また、前記内部ガス供給配管内に供給された反応ガスは、当該内部ガス供給配管内を軸芯方向に進むため、供給された当初のエネルギーを保った状態で、前記複数の噴出孔から噴出されるため、当該内部ガス供給配管内に対する反応ガスの供給位置から各々の噴出孔までの距離による反応ガスの流速の変化(距離によるエネルギーのロス)を抑制することができる。したがって、各々の噴出孔から反応ガスを均等に噴出させることができる。さらに、前記反応ガスを噴出孔から噴出させることで、オリフィス効果により、反応ガスによる気流を発生させることができ、当該反応ガスを効率よく分散させることができる。以上から、反応ガスは、前記ガスマニホールド全体にわたって均等に分散された後、前記支持部材に形成された貫通孔を介して燃料電池セルの反応ガス流路に供給されるため、全ての燃料電池セルに対し、反応ガスをより均等に供給することができる。
これにより、特許文献1及び特許文献2に開示されたいずれの構造と比較しても、ガスマニホールド内のガス分散性を向上することができた。しかし、ガスマニホールド内において内部ガス供給配管からの距離が遠い箇所と近い箇所との間では、それぞれの箇所へのガスの到達量に僅かな差が生じることがある。例えば、噴出孔から噴出した反応ガスがガスマニホールド底面に沿って流れ、ガスマニホールド側壁部まで到達した後分散することで、噴出孔近傍に配置されたセルへの反応ガス供給量が少なくなる、という現象がみられた。このように、内部ガス供給配管を配置した構造においても、燃料電池セルへの燃料ガス供給量を更に均等に近づける余地がある。
CmHn+xO2 → aCO2+bCO+cH2 (1)
この部分酸化改質反応(POX)は発熱反応であるので起動性が高く、燃料電池システムFCSの起動当初において好適な改質反応である。但し、部分酸化改質反応(POX)は、水素収率が理論上少なく、発熱反応を制御するのも難しいことから、燃料電池モジュール2へ熱供給が必要な起動当初においてのみ利用されるのが好ましい改質反応である。
CmHn+xH2O → aCO2+bCO+cH2 (2)
水蒸気改質反応(SR)は、水素収率が最も高く、高効率な反応である。ただし、水蒸気改質反応(SR)は、吸熱反応であるので熱源が必要であり、燃料電池システムFCSの起動当初よりはある程度温度が上昇した段階において好適な改質反応である。
CmHn+xO2+yH2O → aCO2+bCO+cH2 (3)
オートサーマル改質反応(ATR)は、水素収率が部分酸化改質反応(POX)と水蒸気改質反応(SR)との併用であり、反応熱のバランスが取り易く、部分酸化改質反応(POX)と水蒸気改質反応(SR)とを繋ぐ反応として好適な改質反応である。なお、本実施形態では、水を少なく供給して部分酸化改質反応(POX)により近い第1オートサーマル改質反応(ATR1)を先に行い、温度が上昇した後に水を増やすように供給して水蒸気改質反応(SR)により近い第2オートサーマル改質反応(ATR2)を後に行っている。
本実施形態では、内部ガス供給配管63に並行に、開口部210を持ったガス分散促進部201を設けている。その結果、ガスマニホールド66の底面67に沿って側壁部200に向かう流れのうち、一部は開口部210を通過して側壁部200まで到達する一方、残りはガス分散促進部201に当たりその場で分散することになる。その結果、噴出孔65から噴出された燃料ガスが側壁部200の近傍に多く流れてしまうという上記現象を抑制し、燃料ガスを側壁部200の近傍とガス分散促進部201の近傍とに均等に分散させることができる。
これにより、燃料ガスが比較的到達し難いと考えられる内部ガス供給配管63の直上にも、燃料ガスをさらに効率よく到達させることができる。また、開口部210の形状及び数は図に示したものに限らず、任意の形状及び数にすることができる。
図12及び図13に示すように、ガスマニホールド66の上部には複数の平行な桟部220を有しており、各桟部220によって仕切られたガスマニホールド66の上部における開口に対し、それぞれ図5に示した支持部材68が装着固定される。
ガス分散促進部201の一部には上方に突出した突出部230が形成されており、各突出部230は桟部220に接しており、桟部220を下方から支持している。このような構造とすることによって、支持部材68はガス分散促進部201の突出部230により、桟部220を介して下方から支持されているため、セルスタック14および支持部材68の荷重によってガスマニホールド66が変形することを防ぐ構造となっている。突出部230は任意に配置することができるが、図13に示すように突出部230の形態及び数を必要最小なものとすることで、ガスマニホールド66内の上部における分散空間203を大きく取ることができ、ガスの均等分散を促進することができる。
Claims (9)
- 内部に反応ガス流路が形成されてなる複数の管状の燃料電池セルと、
内部に反応ガスを収容するガスマニホールドと、
前記ガスマニホールドに配設されて前記複数の管状の燃料電池セルの前記反応ガス流路方向一端を支持すると共に、
当該ガスマニホールド内に収容された反応ガスを各々の前記複数の管状の燃料電池セルの前記反応ガス流路方向一端側に供給する貫通孔が形成された支持部材と、
前記ガスマニホールドの内部に配設され、前記反応ガスを前記ガスマニホールドの内部に噴出する複数の噴出孔が形成された内部ガス供給配管と、を備えた燃料電池であって、
前記ガスマニホールドの内部には、前記複数の噴出孔から噴出された前記反応ガスが、ガス分散促進部に衝突して分散する部分と、前記ガス分散促進部に衝突せず通過する部分とからなるように、前記ガス分散促進部が配置されており、前記ガス分散促進部は前記ガスマニホールドの内部に立設した板状部材であることを特徴とする、燃料電池。 - 前記ガスマニホールドの内部において、前記ガス分散促進部は、前記支持部材と少なくとも一部が離間して配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池。
- 前記ガス分散促進部は、前記ガスマニホールドの内部の底板に立設し、前記内部ガス供給配管と並行に配置されていることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の燃料電池。
- 前記ガス分散促進部には、前記反応ガスの一部が通過するための開口部が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池。
- 前記開口部は、前記ガス分散促進部において、前記底板寄りに設けられていることを特徴とする、請求項4に記載の燃料電池。
- 前記開口部は、前記ガス分散促進部のうち、前記底板と接する部分に形成された切り欠きであることを特徴とする、請求項5に記載の燃料電池。
- 前記開口部は、前記ガス分散促進部が熱膨張した際に応力集中の生じるような角部を有さない、滑らかな開口形状からなることを特徴とする、請求項4から請求項6のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記複数の噴出孔は、前記底板に向けて前記反応ガスを噴出するように形成されていることを特徴とする、請求項5から請求項7のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記ガス分散促進部の少なくとも一部が、前記支持部材を下方から支持していることを特徴とする、請求項1から請求項8のいずれかに記載の燃料電池。
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