JP2010108687A - 集電部材、それを具備するセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電効率を向上することができる集電部材、それを具備するセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置を提供する。
【解決手段】集電部材4は、導電性を有する板状体16からなり、板状体16は、燃料電池セルの長手方向に、燃料電池セルの幅方向に沿って形成された集電片支持部18複数有し、隣接する集電片支持部18間に、燃料電池セルの長手方向に沿った複数の切り込みと隣接する一方の集電片支持部18に沿った切り込みとを形成している。集電片支持部18に接続された複数の集電片17が形成されているとともに、集電片支持部18に接続されている複数の集電片17のうち隣り合う集電片17のそれぞれが、集電片支持部18に対して板状体16の両側に折り曲げられて張り出していることから、燃料電池セル間に配置した場合に発電効率を向上することができる。
【選択図】図2
【解決手段】集電部材4は、導電性を有する板状体16からなり、板状体16は、燃料電池セルの長手方向に、燃料電池セルの幅方向に沿って形成された集電片支持部18複数有し、隣接する集電片支持部18間に、燃料電池セルの長手方向に沿った複数の切り込みと隣接する一方の集電片支持部18に沿った切り込みとを形成している。集電片支持部18に接続された複数の集電片17が形成されているとともに、集電片支持部18に接続されている複数の集電片17のうち隣り合う集電片17のそれぞれが、集電片支持部18に対して板状体16の両側に折り曲げられて張り出していることから、燃料電池セル間に配置した場合に発電効率を向上することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、複数の燃料電池セルを電気的に接続するための集電部材、それを具備するセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置に関する。
近年、次世代エネルギーとして、水素含有ガスと空気(酸素含有ガス)とを用いて電力を得ることができる燃料電池セルを複数個並設し電気的に直列に接続してなるセルスタックを、燃料電池セルにガスを供給するマニホールドに固定し、それを収納してなる燃料電池モジュールや燃料電池モジュールを収納してなる燃料電池装置が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、複数の燃料電池セルを電気的に直列に接続するための集電部材も種々提案されおり、例えば、燃料電池セルの長さ方向に延設された保持部材と、複数の保持部材を連結する連結帯と、連結帯に設けられ燃料電池セルと接合する接合帯とを備える集電部材や(たとえば、特許文献2参照)、左右の平板間に渡され、燃料電池セルの幅に沿った複数のストライプ状の橋を、交互に反対側に折り曲げてなる構成を有する集電部材(たとえば、特許文献3参照)等が提案されている。
特開2007−59377号公報
特開2007−317611号公報
特開2007−299556号公報
ところで、複数の燃料電池セルを電気的に直列に接続してなるセルスタック装置において、燃料電池セル間に配置される集電部材としては、各燃料電池セルの発電により生じる電流を効率よく集電する機能を有することが好ましい。
すなわち、集電部材としては、燃料電池セルの発電により生じる電流を効率よく集電できるとともに、燃料電池セル間に燃料ガスや酸素含有ガス等の反応ガスを供給することから、集電部材と燃料電池セルとの接触面積を少なくして、燃料電池セルに十分な反応ガスを供給することができる形状であることが好ましい。
それゆえ、本発明においては、従来の集電部材と同等の集電機能を有し、かつ燃料電池セルとの接触面積を低減することが可能な集電部材、それを具備するセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置を提供することを目的とする。
本発明の集電部材は、複数の柱状の燃料電池セルを電気的に接続するための集電部材であって、該集電部材は導電性を有する板状体からなり、該板状体は、前記燃料電池セルの長手方向に、前記燃料電池セルの幅方向に沿って形成された集電片支持部を複数有し、隣接する前記集電片支持部間に、前記燃料電池セルの長手方向に沿った複数の切り込みと隣接する一方の前記集電片支持部に沿った切り込みとを形成して、前記集電片支持部に接続された複数の集電片が形成されているとともに、前記集電片支持部に接続されている複数の前記集電片のうち隣り合う前記集電片のそれぞれが、当該集電片支持部に対して前記板状体の両側に折り曲げられて張り出していることを特徴とする。
このような集電部材においては、燃料電池セルの長手方向に、燃料電池セルの幅方向に沿って形成された集電片支持部を複数有し、隣接する集電片支持部間に、燃料電池セルの長手方向に沿った複数の切り込みと隣接する一方の集電偏支持部に沿った切り込みとを形成し、集電片支持部に接続された複数の集電片が形成されている板状体において、集電片支持部に接続されている複数の集電片のうち隣り合う集電片のそれぞれが、集電片支持部に対して板状体の両側に折り曲げられて張り出していることから、張り出した集電片が燃料電池セルと接触する。この際、各集電片の燃料電池セルとの接触部において、接触部の周囲を流れる電流が各接触部に流れることから、燃料電池セルの幅方向において、集電片と燃料電池セルとの接触面積を減少させることができる。それゆえ、一方の燃料電池セルに接触する集電片を間隔をあけて配置した場合であっても、従来の集電部材のように燃料電池セルの幅方向に沿って集電片を配置する場合と同等の集電機能を有することとなる。それにより、十分な集電機能を有するとともに、燃料電池セルとの接触面積を低減することができ、反応ガスの十分量を燃料電池セルに供給することができることから、燃料電池セルの発電効率を向上することができる集電部材とすることができる。
また、複数の集電片支持部間に複数の集電片が形成されていることから、複数の集電片と、複数の集電片が接続される集電片支持部とが、燃料電池セルの長手方向に交互に形成されていることとなる。それゆえ、例えば燃料電池セルに応力等が生じ、燃料電池セル間が狭くなった場合等においても、燃料電池セルの長手方向において隣接する集電片同士が接触することを抑制(防止)でき、信頼性の向上した集電部材とすることもできる。
また、本発明の集電部材は、前記板状体のうち前記集電片と前記集電片支持部とを囲む枠部の一部が、前後に折り曲げられた屈曲部を有することが好ましい。
このような集電部材においては、集電片と集電片支持部とを囲む枠状の一部が、前後に折り曲げられた屈曲部を有することから、燃料電池セルの長手方向において隣接する集電片間の距離を短くすることができる。それゆえ、板状体における集電片の数を増やすことができ、集電機能を向上することができる。
また、本発明の集電部材は、前記集電片支持部が、隣接する前記集電片支持部に対して両側に張り出した前記集電片の間に位置することが好ましい。
このような集電部材においては、集電片支持部が、隣接する集電片支持部に対して両側に張り出した集電片の間に位置することから、燃料電池セルの長手方向において隣接する集電片間の距離をさらに短くすることができ、板状体における集電片の数をさらに増やすことができる。それゆえ、集電機能をさらに向上することができる。
また、本発明の集電部材は、前記集電片が前記屈曲部よりも張り出していることが好ましい。
このような集電部材においては、集電片が枠部の屈曲部よりも張り出していることから、各集電片が燃料電池セルに当接することができ、効率よく集電を行うことができる。
本発明のセルスタック装置は、前記燃料電池セルを複数個並置するとともに、隣接する前記燃料電池セル間に、上記のうちいずれかに記載の集電部材を配置してなることを特徴とする。
このようなセルスタック装置においては、燃料電池セル間に上記のうちいずれかの集電部材を配置してなることから、効率よく集電を行うことができるとともに、発電効率が向上したセルスタック装置とすることができる。
本発明の燃料電池モジュールは、上記のセルスタック装置を収納容器内に収納してなることから、発電効率が向上した燃料電池モジュールとすることができる。
本発明の燃料電池装置は、上記の燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなることから、発電効率が向上した燃料電池装置とすることができる。
本発明の集電部材は、複数の柱状の燃料電池セルを電気的に接続するための集電部材であって、該集電部材は導電性を有する板状体からなり、該板状体は、前記燃料電池セルの長手方向に、前記燃料電池セルの幅方向に沿って形成された集電片支持部を複数有し、隣接する前記集電片支持部間に、前記燃料電池セルの長手方向に沿った複数の切り込みと隣接する一方の前記集電片支持部に沿った切り込みとを形成して、前記集電片支持部に接続された複数の集電片が形成されているとともに、前記集電片支持部に接続されている複数の前記集電片のうち隣り合う前記集電片のそれぞれが、当該集電片支持部に対して前記板状体の両側に折り曲げられて張り出していることから、燃料電池セル間に配置した場合に、燃料電池セルの集電を効率よく行うことができ、燃料電池セルの発電効率を向上することができるとともに、信頼性の向上した集電部材とすることができる。また、このような集電部材を用いることにより、発電効率が向上したセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置とすることができる。
図1は本発明の集電部材を具備するセルスタック装置の一例を示したものであり、(a)はセルスタック装置1を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置1の一部拡大平面図であり、(a)で示した点線枠で囲った部分を抜粋して示している。また、同一の部材については同一の番号を付するものとし、以下同様とする。なお、(b)において(a)で示した点線枠で囲った部分に対応する部分を明確とするために矢印で表している。
ここで、セルスタック装置1は、内部にガス流路14を有して、一対の対向する平坦面をもつ導電性支持体13(以下、支持体と略す場合がある。)の一方の平坦面上に内側電極層としての燃料極層9と、固体電解質層10と、外側電極層としての空気極層11を順次積層してなるとともに、他方の平坦面のうち空気極層11が形成されていない部位にインターコネクタ12を積層してなる柱状の燃料電池セル3の複数個を、隣接する燃料電池セル3間に集電部材4aを介して配置することで、燃料電池セル3同士を電気的に直列に接続してなるセルスタック2を形成し、燃料電池セル3の下端を、ガス流路14を介して燃料電池セル3に反応ガスを供給するためのマニホールド8にガラスシール材等の絶縁性接合材により固定して形成されている。なお、図1に示すセルスタック装置1においては、ガス流路14にマニホールド8より反応ガスとして水素含有ガス(燃料ガス)を供給する場合の例を示している。なお、以降の説明において、特に断りのない限り、内側電極層を燃料極層9とし、外側電極層を空気極層11として説明する。
また、図1に示すセルスタック装置1においては、下端がマニホールド8に固定され、燃料電池セル3の配列方向の両端部からセルスタック2を挟持するように配置されたセルスタック支持部材5を具備しており、セルスタック支持部材5の外側に、セルスタック装置1の両端側より配置される断熱材を支持するための断熱材支持部材6が配置されている。なお、セルスタック支持部材5は、燃料電池セル3の配列方向に沿って外側へ向けて延びており、燃料電池セル3の発電により生じる電流を取り出すための電流引出し部7が設けられている。なお、セルスタック支持部材5とセルスタック2の端部に位置する燃料電池セル3との間に端部集電部材4bが配置されており、それにより燃料電池セル3の発電により生じた電流を、電流引出し部7を通じて引き出すことができる。なお、集電部材4aと端部集電部材4bは同じ形状の集電部材を用いることもできる。なお、以降の説明において集電部材4aと端部集電部材4bとを同じ形状の集電部材を用いるものとし、特に断りのない限り集電部材4として説明する。
また、インターコネクタ12の外面にはP型半導体層15を設けることもできる。集電部材4を、P型半導体層15を介してインターコネクタ12に接続させることより、両者の接触がオーム接触となって電位降下を少なくし、集電性能の低下を有効に抑制することができる。このP型半導体層15は、空気極層11の外面に設けることもできる。
このようなセルスタック装置1においては、ガス流路14より排出される燃料ガス(余剰の燃料ガス)を燃料電池セル3の上端部側で燃焼させるように構成することにより燃料電池セル3の温度を上昇させることができる。それにより、燃料電池セルスタック装置1の起動を早めることができる。
なお、図示していないが、燃料電池セル3に供給される酸素含有ガスは、燃料ガスの流れに合わせて、燃料電池セル3の側方を下端部から上端部に流れるように供給されることが好ましい。
また、詳細は後述するが、セルスタック2の上方に天然ガスや灯油等の原燃料を燃料ガスに改質するための改質器を配置することにより、効率よく改質反応を行うことが可能となる。
以下、図1に示すセルスタック装置1および燃料電池セル3を構成する各部材について説明する。
燃料極層9は、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素が固溶しているZrO2(安定化ジルコニアおよび部分安定化ジルコニアを含む)と、NiおよびNiOのうち少なくとも1種とを含んで形成することができる。
固体電解質層10は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされる。そのため3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrO2により形成することが好ましい。なお、上記特性を有する限りにおいて、他の材料を使用してもよい。
空気極層11は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、ABO3として表されるペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスにより形成することができる。空気極層10はガス透過性を有する必要があり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
インターコネクタ12は、導電性セラミックスにより形成することができるが、燃料ガスおよび酸素含有ガスと接触するため、耐還元性および耐酸化性を有することが必要であり、ランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO3系酸化物)が好適に使用される。インターコネクタ12は支持体13に形成されたガス流路14を流れる燃料ガス、および燃料電池セル3の外側を流れる酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。
支持体13としては、燃料ガスを燃料極層9まで透過するためにガス透過性を有すること、さらには、インターコネクタ12を介して集電するために導電性を有することが要求される。したがって、支持体13としては、かかる要求を満足するものを材料として採用する必要があり、例えば導電性セラミックスやサーメット等を用いることができる。
また、図1に示した燃料電池セル3において、柱状の支持体13は、立設方向に細長く延びる板状片であり、一対の対向する平坦面と半円形上の両側面を有する中空平板状である。そして燃料電池セル3の下端とセルスタック支持部材5の下端とが、マニホールド8にガラスシール材等の絶縁性接合材で固定され、支持体13に設けられたガス流路14が、マニホールド8のガス室(図示せず)に通じている。なお、以降の説明において、中空平板状の燃料電池セル3を用いて説明する。
燃料電池セル3を作製するにあたり、燃料極層9や固体電解質層10との同時焼成により支持体13を作製する場合においては、支持体13には、鉄族金属成分(例えば、NiやNiO等)と特定希土類酸化物(支持体13の熱膨張係数を固体電解質層10の熱膨張係数に近づけるために使用される希土類の酸化物、例えばY2O3やYb2O3等)とから形成することが好ましい。また、支持体13は、燃料ガス透過性を備えるために開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあるのが好適であり、その導電率は300S/cm以上、特に440S/cm以上であるのが好ましい。
P型半導体層15としては、遷移金属のペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、インターコネクタ12を構成するランタンクロマイト系のペロブスカイト酸化物(LaCrO3)よりも電子伝導性の高いもの、例えばAサイトにSr(ストロンチウム)とLa(ランタン)が共存するLaSrCoFeO3系酸化物(例えばLaSrCoFeO3)、LaMnO3系酸化物(例えばLaSrMnO3)、LaFeO3系酸化物(例えばLaSrFeO3)、LaCoO3系酸化物(例えばLaSrCoO3)の少なくとも1種から構成することが好ましく、特に600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaSrCoFeO3系酸化物から構成することが特に好ましい。なお、BサイトにCoとともにFe、Mnが存在してもよいこのようなP型半導体層14の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲にあることが好ましい。
集電部材4は、弾性を有する金属または合金からなる部材あるいは金属繊維または合金繊維から成るフェルトに所要の表面処理を加えた部材から構成することができ、所定の間隔をあけて設けられた各燃料電池セル3間に介装され、各燃料電池セル3を電気的に接続する。
なお、集電部材4としては、弾性を有するとともに、耐熱性を有することが好ましく、例えば、Crを10〜30重量%含有する合金や、Fe−Ni系の合金等を用いることができる。さらに、Crを含有する集電部材においては、Crの拡散を防止するためのCr拡散防止膜を設けておくことが好ましい。
ところで、このようなセルスタック装置1において、燃料電池セル3間に配置される集電部材4としては、各燃料電池セル3の発電により生じる電流を効率よく集電する機能を有することが好ましい。
すなわち、集電部材4としては、燃料電池セル3との接触面積を少なくして燃料電池セル3に十分な反応ガス(酸素含有ガス)を供給することができるとともに、燃料電池セル3の発電により生じる電流を十分に集電することができる形状とすることが好ましい。
図2は、本発明の集電部材4を抜粋して示す図であり、(a)は正面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。
この集電部材4は、ステンレスや鉄等の導電性を有する板状体16からなり、燃料電池セル3の幅方向に沿って形成された集電片支持部18を燃料電池セル3の長手方向に複数有しており、隣接する集電片支持部18間に、燃料電池セル3の長手方向に沿った複数の切り込みと隣接する一方の集電片支持部18に沿った切り込みとを形成して、集電片支持部18に接続された複数の集電片17を備えている。
なお、図2においては、上下方向における集電片支持部18間において、燃料電池セル3の長手方向に沿って複数の切り込みを形成し、また上方に位置する集電片支持部18の下方に沿って切り込みを形成することにより、下方に位置する集電片支持部18に複数の集電片17が接続された形状となっている。それにより、複数の集電片17と、複数の集電片が接続される集電片支持部18とが、燃料電池セル3の長手方向に交互に形成されていることとなる。
そしてこれら複数の集電片17を、図2(b)で示すように集電片支持部18に対して板状体16の両側に折り曲げて張り出すように形成する(図2bにおいては紙面に向かって左右に折り曲げている例を示している。)ことにより、集電片17の先端部(接触部20)が燃料電池セル3に当接して、燃料電池セル3の発電により生じる電流を集電することができる。
ここで、燃料電池セル3を流れる電流は、集電片17の接触部20と直接接触する部位だけでなく、その周囲を流れる電流も接触部20に流れる。それゆえ、隣接する一方の燃料電池セル3に接触する集電片を間隔をあけて配置した場合であっても、従来の集電部材のように燃料電池セル3の幅方向に沿って集電片を配置する場合と同様の集電機能を有することとなる。
それゆえ、集電部材4と燃料電池セル3との接触面積を低減することができ、酸素含有ガス等の反応ガスの十分量を燃料電池セル3に供給することができる。それにより、集電効率を低下することなく、セルスタック装置1の発電効率を向上することができる。
また、集電片支持部18間に複数の集電片17を設けることにより、複数の集電片17と、複数の集電片が接続される集電片支持部18とが、燃料電池セル3の長手方向に交互に形成されていることから、燃料電池セル3に応力や変形等が生じ、燃料電池セル3間が狭くなって、集電部材4が燃料電池セル3により押しつけられた場合においても、燃料電池セル3の長手方向に沿って隣接する集電片17同士が接触することを抑制(防止)できる。
それにより、燃料電池セル3の発電効率を向上することができるとともに、信頼性の向上した集電部材4とすることができる。
図3は、本発明の集電部材の他の一例を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のB−B線断面図、(c)は(a)のC−C線断面図である。
図3に示した集電部材21においては、集電片17と集電片支持部18とを囲む枠部19の一部が前後に折り曲げられた屈曲部22を有することから、燃料電池セル3の長手方向における集電片17間の距離を短くすることができる。なお、集電片17間の距離とは、例えば燃料電池セル3の長手方向において隣接する集電片17において、一方の集電片17と一方の集電片支持部18との接続部と、他方の集電片17と他方の集電片支持部18との接続部との距離とすることができ、適宜設定することができる。それにより、燃料電池セル3に接触させる集電片17の数を増加させることができ、集電機能を向上することができる。
具体的には、図3に示した集電部材21においては、(c)に示すように、枠部19の一部を前後に順に屈曲させている(図3(c)においては紙面に向かって左右に順に屈曲させている例を示している)。なお、枠部19の一部を前後に順に屈曲させる他、連続して前方(左側)に屈曲させた後に、後方(右側)に屈曲させる形状とすることもできる。
なお、この場合において、集電片17は屈曲部22よりも張り出していることが好ましい。
枠部19の屈曲部22が集電片17よりも外側(燃料電池セル3側)に突出している場合には、各集電片17が燃料電池セル3と当接することができないおそれがあり、それにより集電機能が低下するおそれがある。それゆえ、集電片17を屈曲部22よりも張り出すように形成することにより、各集電片17が燃料電池セル3に当接することができ、燃料電池セル3の発電により生じる電流を効率よく集電することができる。
ここで、枠部19の一部を屈曲させることにより、各集電片17間の距離を短くすることができる。この場合において、各集電片支持部18が、隣接する集電片支持部18に対して両側に張り出した集電片17の間に位置するように配置することが好ましい。
それにより、集電片17と集電片支持部18とが接触してショートすることを抑制できる他、板状体16における集電片17の数を増やすことができ、集電機能を向上することができる。なお、図3においては、各集電片支持部18が、隣接する集電片支持部18に対して両側に張り出した集電片17の間に位置するように配置している例を示している(図3(b)参照)。
本発明においては、集電部材4を上述した形状とすることにより、燃料電池セル3間に集電部材4を配置した場合に、燃料電池セル3の集電を効率よく行うことができ、燃料電池セル3の発電効率を向上することができるとともに、信頼性の向上した集電部材4とすることができる。また、燃料電池セル3間に集電部材4を配置することにより、発電効率の向上したセルスタック装置1(図1参照)とすることができる。
なお、この場合において集電片17の数を増やした場合に、燃料電池セル3と集電片17との接触面積が増加することとなるが、集電片17の燃料電池セル3との接触面積は、集電片を燃料電池セル3の幅方向に沿って配置する従来の集電部材よりも小さくなることから、燃料電池セル3に十分な反応ガスを供給することができ、発電効率を向上させることができる。
図4は、本発明の燃料電池モジュールの一例を示す(以下、モジュールと略す場合がある)の外観斜視図であり、同一の構成については同一の符号を用いるものとする。
モジュール23は、直方体状の収納容器24の内部に、燃料電池セル3を複数立設させた状態で所定間隔をおいて配列し、隣接する燃料電池セル3間に本発明の集電部材4(図示せず)を介して電気的に直列に接続してセルスタック2を構成するとともに、燃料電池セル3の下端をガラスシール材等の絶縁性接合材(図示せず)でマニホールド8に固定してなる燃料電池セルスタック装置1を収納して構成されている。なお、図4においては端部集電部材4bを省略して示している。
図4においては、燃料電池セル3の発電で使用する燃料ガスを得るために、天然ガスや灯油等の燃料を改質して燃料ガスを生成するための改質器25をセルスタック2(燃料電池セル3)の上方に配置している。なお、図4に示した改質器25は、水を気化するための気化室26と改質触媒を備える改質部27とを具備しており、それにより効率の良い水蒸気改質を行うことができる。そして、改質器25で生成された燃料ガスは、ガス流通管28によりマニホールド8に供給され、マニホールド8を介して燃料電池セル3の内部に設けられたガス流路14に供給される。なお、セルスタック装置1を改質器25を含むものとしてもよい。
なお、図4においては、収納容器24の一部(両側面)を取り外し、内部に収納されるセルスタック装置1を後方に取り出した状態を示している。ここで、図4に示したモジュール23においては、セルスタック装置1を、収納容器24内にスライドして収納することが可能である。
このようなモジュール23においては、収納容器24内に、上述したような集電部材4を具備するセルスタック装置1を収納してなることから、発電効率および信頼性の向上したモジュール24とすることができる。
図5は、本発明の燃料電池装置29の一例を示す分解斜視図である。なお、図5においては一部構成を省略して示している。
図5に示す燃料電池装置29は、支柱30と外装板31から構成される外装ケース内を仕切板32により上下に区画し、その上方側を上述したモジュール23を収納するモジュール収納室33とし、下方側をモジュール23を動作させるための補機類を収納する補機収納室34として構成されている。なお、補機収納室34に収納する補機類を省略して示している。
また、仕切板32は、補機収納室34の空気をモジュール収納室33側に流すための空気流通口35が設けられており、モジュール収納室33を構成する外装板31の一部に、モジュール収納室33内の空気を排気するための排気口36が設けられている。
このような燃料電池装置29においては、上述したように、発電効率および信頼性の向上したセルスタック装置1を収納容器24内に収納してなるモジュール23をモジュール収納室33内に収納して構成されることにより、発電効率および信頼性の向上した燃料電池装置29とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、セルスタック装置1を構成するに当たり、燃料電池セル3の変形等を考慮して、集電部材4(特に端部集電部材4b)を、従来の形状のものと併用して用いることもできる。この場合においては、発電効率と燃料電池セル3の変形等を考慮して適宜配置することができる。
また、上述の説明において、内側電極層を燃料極層とし、外側電極層を空気極層とした燃料電池セル3を用いて説明したが、内側電極層を空気極層とし、外側電極層を燃料極層とした燃料電池セル3を用いることもできる。
1:セルスタック装置
3:燃料電池セル
4、21:集電部材
16:板状体
17:集電片
18:集電片支持部
19:枠部
20:接触部
22:屈曲部
23:燃料電池モジュール
29:燃料電池装置
3:燃料電池セル
4、21:集電部材
16:板状体
17:集電片
18:集電片支持部
19:枠部
20:接触部
22:屈曲部
23:燃料電池モジュール
29:燃料電池装置
Claims (7)
- 複数の柱状の燃料電池セルを電気的に接続するための集電部材であって、該集電部材は導電性を有する板状体からなり、該板状体は、前記燃料電池セルの長手方向に、前記燃料電池セルの幅方向に沿って形成された集電片支持部を複数有し、隣接する前記集電片支持部間に、前記燃料電池セルの長手方向に沿った複数の切り込みと隣接する一方の前記集電片支持部に沿った切り込みとを形成して、前記集電片支持部に接続された複数の集電片が形成されているとともに、前記集電片支持部に接続されている複数の前記集電片のうち隣り合う前記集電片のそれぞれが、当該集電片支持部に対して前記板状体の両側に折り曲げられて張り出していることを特徴とする集電部材。
- 前記板状体のうち前記集電片と前記集電片支持部とを囲む枠部の一部が、前記集電片支持部に対して両側に折り曲げられた屈曲部を有することを特徴とする請求項1に記載の集電部材。
- 前記集電片支持部が、隣接する前記集電片支持部に対して両側に張り出した前記集電片の間に位置することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の集電部材。
- 前記集電片が前記屈曲部よりも張り出していることを特徴とする請求項2に記載の集電部材。
- 前記燃料電池セルを複数個並置するとともに、隣接する前記燃料電池セル間に、請求項1乃至請求項4のうちいずれかに記載の集電部材を配置してなることを特徴とするセルスタック装置。
- 請求項5に記載のセルスタック装置を収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池モジュール。
- 請求項6に記載の燃料電池モジュールを外装ケース内に収納してなることを特徴とする燃料電池装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008278112A JP2010108687A (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 集電部材、それを具備するセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008278112A JP2010108687A (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 集電部材、それを具備するセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010108687A true JP2010108687A (ja) | 2010-05-13 |
Family
ID=42297947
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2008278112A Pending JP2010108687A (ja) | 2008-10-29 | 2008-10-29 | 集電部材、それを具備するセルスタック装置、燃料電池モジュールおよび燃料電池装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2010108687A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017016740A (ja) * | 2015-06-26 | 2017-01-19 | 京セラ株式会社 | セルスタック、モジュールおよびモジュール収容装置 |
JP2017183224A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 大阪瓦斯株式会社 | 電気化学素子、セルユニット、電気化学モジュール、電気化学装置およびエネルギーシステム |
-
2008
- 2008-10-29 JP JP2008278112A patent/JP2010108687A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017183224A (ja) * | 2016-03-31 | 2017-10-05 | 大阪瓦斯株式会社 | 電気化学素子、セルユニット、電気化学モジュール、電気化学装置およびエネルギーシステム |
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