JP5188227B2 - セルスタックおよび燃料電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、複数の燃料電池セルを配列し、隣接する前記燃料電池セル同士を電気的に接続してなるセルスタックおよび燃料電池モジュールに関する。
近年、次世代エネルギーとして、燃料ガスと空気(酸素含有ガス)とを用いて電力を得ることができる燃料電池セルを複数個配列し、電気的に直列に接続してなるセルスタックと、該セルスタックを収納容器内に収納した燃料電池モジュールが種々提案されている。
この燃料電池モジュールにおいて発電に用いる燃料ガスとしては水素ガスが用いられ、水素ガスを燃料電池セルの燃料側電極層に接触させ、かつ酸素含有ガスを燃料電池セルの酸素側電極層に接触させ、所定の電極反応を生じさせることにより発電が行われる。
ここで、複数個の燃料電池セルを配列してなるセルスタックが多数提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
図5は、このようなセルスタックの模式図を示したものである。図5(a)は従来のセルスタック51をマニホールド62に設けた状態を概略的に示した側面図、図5(b)は(a)の一部拡大断面図であり、燃料電池セル52を複数個一列に配列して並べるとともに、隣接する燃料電池セル52間の間隔を均一とし、その間に集電部材53aが配置されている。なお、図5(b)において図5(a)で示した破線で囲った部分の対応する部分を明確とするため矢印にて示している。
燃料電池セル52は、支持基板58上に、燃料側電極層55、固体電解質層56および酸素側電極層54を順次積層してなり、酸素側電極層54と反対側の支持基板58上には、インターコネクタ57が形成され、インターコネクタ57の上面には、P型半導体からなる被覆層61が形成されている。支持基板58にはガス通路59が形成されている。
特開2003−308857号公報
セルスタック51を構成する燃料電池セル52は、発電に伴い熱を生じる。この燃料電池セル52の発電により生じた熱は、隣接する燃料電池セル52との隙間等から放散される。
そして、燃料電池セル52を複数個配列してなるセルスタック51においては、燃料電池セル52は発電時に燃料電池セル自身のジュール熱や反応熱により熱エネルギーを放散するが、特に燃料電池セル52の配列方向xの中央部(中央の破線で囲った部分M)に配置された複数個の燃料電池セル52においては、燃料電池セル52の両側に多数の燃料電池セル52が配置されているため、熱エネルギーが放散されにくく比較的に高温となる傾向にある。
しかしながら、燃料電池セル52の配列方向xの端部(端部の破線で囲った部分S)に配置された複数個の燃料電池セル52は、隣接して配置された燃料電池セル52が少ない、もしくは存在しないこととなり、熱エネルギーを放散しやすく、これにより、燃料電池セル52の配列方向xの端部に配置された燃料電池セル52の温度が低下する傾向にある。
そのため、セルスタック51の燃料電池セル52の配列方向xの端部における燃料電池セル52の発電量が少なくなり、燃料電池モジュール全体としての発電効率が低下するという問題があった。
本発明は、燃料電池セルの配列方向の端部における燃料電池セルの温度を上昇できるセルスタックおよび燃料電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明のセルスタックは、燃料側電極層、固体電解質層、酸素側電極層が積層されているとともに、燃料側電極層と電気的に接続されたインターコネクタを備える燃料電池セルを複数配列し、隣接する前記燃料電池セル同士を電気的に接続してなるセルスタックであって、前記燃料電池セルの配列方向の端部における前記燃料電池セルの電気抵抗が、前記燃料電池セルの配列方向の中央部における前記燃料電池セルの電気抵抗よりも高いことを特徴とする。
本発明のセルスタックでは、燃料電池セルの配列方向(以下、セル配列方向ということがある)の端部における燃料電池セルは、セル配列方向の中央部における燃料電池セルよりも電気抵抗が高いため、発電中にセル配列方向の端部における燃料電池セルがセル配列方向の中央部における燃料電池セルよりも発熱し、セル配列方向の端部における燃料電池セルの温度が上昇し、セル配列方向の中央部における燃料電池セルの温度に近づけることができ、セルスタックのセル配列方向における温度分布をほぼ均一化することができる。これにより、セルスタックのセル配列方向の端部における燃料電池セルの発電反応を促進することができ、この部分の燃料電池セルの発電量を増加できる。
すなわち、セルスタックのセル配列方向の端部に配置された燃料電池セルは、隣接する燃料電池セル数が少ない、もしくは存在しないこととなり、熱エネルギーを放散しやすいため、温度が低下する傾向にあるが、本発明では、セル配列方向の端部における燃料電池セルがセル配列方向の中央部における燃料電池セルよりも抵抗が高いため、発熱し、セル配列方向の端部における燃料電池セルの温度を上昇させ、セル配列方向の中央部における燃料電池セルの温度に近づけることができ、これにより、セルスタックのセル配列方向における温度分布をほぼ均一化することができる。
さらに、前記複数の燃料電池セルは、導電性支持基板に、燃料側電極層、固体電解質層、酸素側電極層を順次積層してなり、前記燃料電池セルの配列方向の端部における前記燃料電池セルの導電性支持基板の電気抵抗は、前記燃料電池セルの配列方向の中央部における前記燃料電池セルの導電性支持基板よりも高く設定することができる。これらの電気抵抗を具体的に高くする構成の場合、端部の方を高く設定する部材以外の部材は、中央部と端部では同じ電気抵抗である。
本発明の燃料電池モジュールは、上記セルスタックを収納容器内に収納してなることを特徴とする。このような燃料電池モジュールでは、セルスタックのセル配列方向における温度をほぼ均一化できるため、燃料電池モジュールとして、発電効率を向上できる。
本発明のセルスタックは、セル配列方向の端部における燃料電池セルの電気抵抗が、セル配列方向の中央部における燃料電池セルよりも高いため、発電中にセル配列方向の端部における燃料電池セルがセル配列方向の中央部における燃料電池セルよりも発熱し、セル配列方向の端部における燃料電池セルの温度が上昇し、セル配列方向の中央部における燃料電池セルの温度に近づけることができ、セルスタックのセル配列方向における温度分布をほぼ均一化することができる。従って、セルスタックのセル配列方向の端部における燃料電池セルの発電反応を促進することができ、この部分の燃料電池セルの発電量を増加でき、これにより、燃料電池モジュールの発電効率を向上できる。
図1は、セルスタック1を有するセルスタック装置10を示し、(a)はセルスタック装置10を概略的に示す側面図、(b)は(a)のセルスタック装置10の一部拡大断面図であり、(a)で示した破線で囲った部分を抜粋して示している。なお、(b)において(a)で示した破線で囲った部分の対応する部分を明確とするため矢印にて示している。また、図1中において破線で示した矢印は、酸素含有ガスの流れ方向を示している。
ここで、セルスタック装置10は、支持基板8上に、燃料側電極層5、固体電解質層6および酸素側電極層4を順次積層してなる燃料電池セル2の複数個を一列に配列し、電気的に直列に接続してなるセルスタック1を、燃料電池セル2を一列に配列した状態でマニホールド12に固着して形成されている。隣接する燃料電池セル2間には、集電部材3aが介装されるとともに、燃料電池セル2の配列方向x(以下、セル配列方向xという)の両側から端部集電部材3bを介して燃料電池セルスタック1を保持部材13で挟持しており、この状態で燃料電池セル2に燃料ガスを供給するマニホールド12に立設し固着されている。
なお、燃料電池セル2および保持部材13の一端(下端部)は、例えば耐熱性に優れたガラスシール材(図示せず)によりマニホールド12に埋設され接合されている。
本実施形態において、燃料電池セル2は中空平板状とされ、一対の対向する平坦面をもつ柱状の導電性支持基板8の一方の平坦面上に燃料側電極層5、固体電解質層6及び酸素側電極層4が積層され、他方の平坦面上に燃料側電極層5と電気的に接続するインターコネクタ7が設けられている。また導電性支持基板8の内部には反応ガス(燃料ガス)を流通するための燃料ガス流路9が設けられている。本発明においては、このような形状を中空平板型という。
また、インターコネクタ7の外面(上面)にはP型半導体からなる被覆層11が設けられている。集電部材3aを、被覆層11を介してインターコネクタ7に接続させることにより、両者の接触がオーム接触となり、電位降下を少なくし、集電性能の低下を有効に回避することが可能となる。なお、燃料電池セル2を構成する各部材については後に詳述する。
また、上記形態では、導電性支持基板8と燃料側電極層5を別個に設けたが、燃料側電極層を兼ねる導電性支持基板の表面に、固体電解質層6および酸素側電極層4を順次積層して燃料電池セル2を構成することもできる。
そして、本発明のセルスタック1は、セル配列方向xの両端部における燃料電池セル2は、セル配列方向xの中央部における燃料電池セル2よりも高抵抗とされている。燃料電池セル2以外のスタック1構成部材は、セル配列方向xの両端部と中央部で同一とされている。燃料電池セル2の抵抗については、上記中空平板型の燃料電池セル2では、酸素側電極層4と被覆層11との間の抵抗を測定することにより、抵抗値を得ることができる。尚、インターコネクタ7の外面にP型半導体からなる被覆層11を設けない場合には、酸素側電極層4とインターコネクタ7との間の抵抗を測定することにより、抵抗値を得ることができる。
具体的には、発電温度において、電子負荷装置により、一定の電流を取り出す際の電圧を計測することにより、具体的な抵抗値を測定することができ、セル配列方向端部とセル配列方向中央部における燃料電池セル2の抵抗値を比較することができる。また、同様な計測におけるインピーダンス解析(コールコールプロット)により電池の実抵抗を求めることができる。
燃料電池セル2の抵抗値を変化させるには、燃料電池セル2を構成する部材の抵抗値を変化させれば良い。例えば、燃料電池セル2の酸素側電極層4の抵抗値を、セル配列方向x端部とセル配列方向x中央部とで変えれば良い。酸素側電極層4の抵抗値のみならず、インターコネクタ7の抵抗値、燃料側電極層5の抵抗値、さらには導電性支持基板8の抵抗値、固体電解質層6の抵抗値をセル配列方向x端部とセル配列方向x中央部とで変えれば良い。
酸素側電極層4、インターコネクタ7、燃料側電極層5、さらには導電性支持基板8、被覆層11は、導電性であるため、セル配列方向x端部の燃料電池セルの抵抗値を高くするには、酸素側電極層4、インターコネクタ7、燃料側電極層5、さらには導電性支持基板8、被覆層11、電解質6の構成材料を変更し、高抵抗材料で構成されるセルを端部に配置する。もしくは構成材料に絶縁材料を添加し、セル配列方向x中央部の絶縁材料の量よりも多くすれば良い。従って、材料特有の抵抗値を予め計測しておくか、もしくは具体的な抵抗値を測定することなく、酸素側電極層4、インターコネクタ7、燃料側電極層5、さらには導電性支持基板8、被覆層11を構成する絶縁材料の量を測定することにより、抵抗値の大小を決定できる。
例えば、酸素側電極層4の抵抗値を変更する場合、燃料電池セル2を構成する部材のうち酸素側電極層4以外の部材の材料を同じとし(電気抵抗は中央部と端部で同じ)、例えば酸素側電極層4を構成する材料を変更することにより、燃料電池セル2の電気抵抗を変更できる。燃料電池セル2の電気抵抗を変化させるには、燃料電池セル2を構成する部材のうち2つ以上の部材の構成材料を変更しても良い。
なお、本発明において、セル配列方向xの中央部(以下、セル配列方向x中央部と略する場合がある。)における燃料電池セル2とは、複数個の燃料電池セル2のセル配列方向xにおける中央の燃料電池セルだけの場合もあるが、その近傍に配置された燃料電池セルを含む場合もある。
また、セル配列方向xの端部(以下、セル配列方向x端部と略する場合がある。)における燃料電池セル2とは、セル配列方向xの端の燃料電池セル2の場合もあるが、その近傍に配置された燃料電池セルを含む場合もある。
本発明では、少なくとも、セル配列方向xの一方の端部の燃料電池セル2の電気抵抗が、セル配列方向x中央部の燃料電池セル2よりも高ければ良く、セル配列方向xの両端部の燃料電池セル2がセル配列方向x中央部の燃料電池セル2よりも高抵抗であっても良い。
本発明では、例えば、セル配列方向xの中央を中心として、セル配列方向xにおけるセルスタックの長さの1/3の領域に配置された燃料電池セル2を、セル配列方向x中央部の燃料電池セル2とすることができ、また、セル配列方向xの両端から中央部にかけてスタック長さの1/3の領域に配置された燃料電池セル2を、セル配列方向xの両端部の燃料電池セル2とすることができる。なお、セル配列方向xの両端部の燃料電池セル2、セル配列方向x中央部の燃料電池セル2のいずれにも属さない燃料電池セル2を配置することもできる。
本発明のセルスタック1では、セル配列方向xにおける両端部の燃料電池セル2は、セル配列方向xの中央部の燃料電池セル2よりも高抵抗とされているため、セル配列方向x端部の燃料電池セル2がセル配列方向x中央部の燃料電池セル2よりも発熱し、セル配列方向x端部の燃料電池セル2の温度を上昇させ、セル配列方向x中央部の燃料電池セルの温度に近づけることができ、これにより、セルスタック1のセル配列方向xにおける温度分布をほぼ均一化することも可能となる。
本発明では、燃料電池セル2自体を発熱体として用いるため、例えば保持部材13を発熱体して用いる場合よりも、燃料電池セル2を直接的に効率良く加熱できるとともに、
スタックの発電量に応じた負荷に対しての追従性がよく、いかなる負荷状態においても追従性よく中央部と端部を均熱化することができる。
本発明のセルスタック1を構成する他の部材について、以下に説明する。
集電部材3aおよび端部集電部材3bは、弾性を有する金属または合金からなる部材あるいは金属繊維または合金繊維から成るフェルトに所要の表面処理を加えた部材から構成することができる。
酸素側電極層4は、一般的に用いられるものであれば特に制限はなく、例えば、いわゆるABO型のペロブスカイト型酸化物からなる導電性セラミックスから形成することができ、かかるペロブスカイト型複合酸化物としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物、特にAサイトにLaを有するLaMnO系複合酸化物、LaFeO系複合酸化物、LaCoO系複合酸化物の少なくとも1種が好適であり、600〜1000℃程度の作動温度での電気伝導性が高いという点からLaFeO系複合酸化物が特に好適である。尚、上記ペロブスカイト型複合酸化物においては、AサイトにLaと共にSrなどが存在していてもよいし、さらにBサイトには、FeとともにCoまたはMnが存在していてもよい。酸素側電極層4はガス透過性を有していることが必要であり、開気孔率が20%以上、特に30〜50%の範囲にあることが好ましい。
このような酸素側電極層4の抵抗を高くするには、酸素側電極層の開気孔率を高くするもしくは厚みを増加する、もしくは構成材料を高抵抗のペロブスカイト型複合酸化物を利用する、またはペロブスカイト型複合酸化物にAlやYなどの絶縁材料を添加することにより達成することができる。

燃料側電極層5は、一般的に公知のものを使用することができ、多孔質の導電性セラミックス、例えば希土類元素が固溶しているZrOまたはCeO(絶縁材料の一種)とNiおよび/またはNiOとから形成することができる。 このような燃料側電極層5の抵抗を高くするには、ZrOまたはCeO等の絶縁材料を増加させることにより達成することができる。

固体電解質層6は、電極間の電子の橋渡しをする電解質としての機能を有していると同時に、燃料ガスと酸素含有ガスとのリークを防止するためにガス遮断性を有することが必要とされ、3〜15モル%の希土類元素が固溶したZrOから形成される。なお、上記特性を有する限りにおいては、他の材料等を用いて形成してもよい。
このような固体電解質層6の抵抗(イオン導電性)を高くするには、たとえば固体電解質の厚みを厚くする、Y、Sc、CaO等の希土類元素の種類、固溶量を変更する、また母材のZrOをCeO、LaGa系に変更することでも抵抗を変化することができる。
インターコネクタ7は、導電性セラミックスから形成することができるが、燃料ガス(水素ガス)および酸素含有ガス(空気等)と接触するため、耐還元性及び耐酸化性を有することが必要であり、それゆえランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)が好適に使用される。インターコネクタ7は支持基板8に形成された燃料ガス通路9を通る燃料ガスおよび支持基板8の外側を流動する酸素含有ガスのリークを防止するために緻密質でなければならず、93%以上、特に95%以上の相対密度を有していることが好ましい。 このようなインターコネクタ7の抵抗を高くするには、たとえばMgOの固溶量を変える、MgO添加量を増やすなどの材料自身の抵抗を増加することにより達成することができる。
支持基板8は、例えば中空平板型の支持基板とすることができる。そのような支持基板8としては、立設方向に細長く延びる板状片であり、平坦な両面と半円形状の両側面を有する。支持基板8には内部を立設方向に貫通する複数個(図1(b)においては6個)の燃料ガス通路9が形成されている。導電性支持基板8は、所要ガス透過性を備えるために開気孔率が30%以上、特に35〜50%の範囲にあるのが好適であり、そしてまたその導電率は300S/cm以上、特に440S/cm以上であるのが好ましい。
支持基板8としては、燃料ガスを燃料側電極層5まで透過するためにガス透過性が要求され、例えば導電性セラミックスや、鉄属金属成分と特定の希土類酸化物とからなるサーメット等を用いることができる。
このような支持基板8の抵抗を高くするには、導電性を保つ範囲内で例えば絶縁材料である希土類酸化物量を増加する、または導電性支持基板の気孔率を高くすることにより達成することができる。
燃料電池セル2の各々は、燃料ガスを供給するマニホールド12の上壁(天板)に、例えば耐熱性に優れたガラスシール材によって接合され、燃料電池セル2の燃料ガス通路9は、燃料ガス室(図示せず)に連通せしめられる。
さらに、被覆層11としては、遷移金属ペロブスカイト型酸化物からなる層を例示することができる。具体的には、インターコネクタ7を構成するランタンクロマイト系のペロブスカイト型酸化物(LaCrO系酸化物)よりも電子伝導性が大きいもの、例えば、BサイトにMn、Fe、Coなどが存在するLaMnO系酸化物、LaFeO系酸化物、LaCoO系酸化物などの少なくとも一種からなるP型半導体セラミックスを使用することができる。このような被覆層11の厚みは、一般に、30〜100μmの範囲にあることが好ましい。
このような被覆層11の抵抗を高くするには、被覆層11の厚みを増加する、もしくは構成材料を高抵抗のペロブスカイト型複合酸化物を利用する、またはペロブスカイト型複合酸化物にAlやYなどの絶縁材料を添加することにより達成することができる。
また、上記のいずれの構成部材においても抵抗を高くするためには構成部材の厚みを厚くすることでも達成することができる。
本発明の燃料電池モジュールは、上述したようなセルスタック装置10と、燃料電池セル2に酸素含有ガス(通常は空気である)を供給するための酸素含有ガス供給手段とを収納容器内に収納することにより、本発明の燃料電池モジュールとすることができる。
図2は、本発明の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。燃料電池モジュール18は、直方体状の収納容器19の内部に、上述したセルスタック1と燃料電池セル2に酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給手段20とが収納されて構成される。なお、セルスタック1としては、図1に示したセルスタック1を用いた例を示している。
また、燃料電池セル2にて使用する水素ガスを得るために、天然ガスや灯油等の燃料を改質して水素ガスを生成するための改質器21を燃料電池セルスタック1の上部に配置している。なお、図2おいてセルスタック装置10は、改質器21を含めた構成として示している。
また、図2おいては、収納容器19の一部(前面および後面)を取り外し、内部に収納されているセルスタック装置10を後方に取り出した状態を示している。ここで、図2示した燃料電池モジュール18においては、セルスタック装置10を、収納容器19内にスライドして収納することが可能である。
図3は、図2で示す燃料電池モジュール18の切断面線X−Xから見た断面図である。燃料電池モジュール18を構成する収納容器19は、内壁22と外壁23とを有する二重構造で、外壁23により収納容器19の外枠が形成されるとともに、内壁22によりセルスタック1(セルスタック装置10)を収納する発電室24が形成されている。なお、内壁22と外壁23との間は、燃料電池セル2に導入する反応ガスの流路としており、例えば、燃料電池セル2に導入する酸素含有ガス等が流れる。
ここで内壁22には、内壁22の上面から燃料電池セルスタック1の側面側にまで延び、セルスタック1の配列方向における幅に対応し、内壁22と外壁23とで形成される流路に連通して、燃料電池セル2に酸素含有ガスを導入するための酸素含有ガス供給手段である酸素含有ガス導入部材20が備えられている。また、酸素含有ガス導入部材20の下端側(燃料電池セル2の下端側)には、燃料電池セル2に酸素含有ガスを導入するための吹出口25が設けられている。
なお図3において、酸素含有ガス導入部材20は、互いに所定間隔を空けて並設された一対の板部材により酸素含有ガス導入流路を形成し、下端側で底部材に接合して形成されている。また、図3においては、酸素含有ガス導入部材20は、収納容器19の内部に並置された2つのセルスタック1(セルスタック装置10)間に位置するように配置されている。なお、酸素含有ガス導入部材20は、収納されるセルスタック1の数により、例えばセルスタック1の両側面から挟み込むように配置してもよい。
また、酸素ガス導入部材20の内部には、測温部27を有する温度センサ26(例えば熱電対等)が収納容器19の上面側より挿入されている。それにより、セルスタック1(燃料電池セル2)の温度を測定することができる。また収納容器19内には、適宜断熱材28が配置されている。なお、温度センサ26は複数配置しても良く、その場合、セルスタックの中央部と、端部に配置することが好ましい。
そして、セルスタック1は、マニホールド12より燃料電池セル2に燃料ガスが供給されるとともに、燃料電池セル2に酸素含有ガスが供給され、これらを用いて発電が行なわれる。
図3においては、燃料電池セル2の配列方向に沿ってセルスタック1の側面側より、酸素含有ガス導入部材20により酸素含有ガスが供給されるとともに、燃料電池セル2間を酸素含有ガスが流通する。
本発明の燃料電池モジュール18は、セル配列方向xにおける温度分布を均一化できることから、セル配列方向x端部における燃料電池セル2の発電を十分に行うことができ、発電効率がより向上した燃料電池モジュール18とすることができる。
以上、本発明について詳細に説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更、改良等が可能である。
例えば、本発明のセルスタックの説明において、燃料電池セル2が中空平板型の燃料電池セルを用いて説明したが、平板型燃料電池セルとセパレータを交互に積層した平板型のセルスタックや、円筒型の燃料電池セルを用いたセルスタックにも本発明を適用できる。さらに、例えば、図4に示すような平板型の燃料電池セルを用いたセルスタックにも、本発明を適用できる。
すなわち、図4のセルスタック装置は、円盤状の燃料電池セル37が複数配列されてスタック38が構成されており、円盤状の燃料電池セル37の中央部には、スタック38を貫通するようにマニホールド39が設けられている。このマニホールド39にガスが供給され、燃料電池セル37に対して放射状にガスが供給されるように構成されている。
本発明のセルスタックを有するセルスタック装置の一例を示し、(a)はセルスタック装置を概略的に示す側面図であり、(b)は(a)のセルスタック装置の一部拡大断面図である。 本発明の燃料電池モジュールの一例を示す外観斜視図である。 図2に示す燃料電池モジュールのX−X線矢視断面図である。 円盤状の燃料電池セルが配列されたセルスタックに本発明を適用した場合の側面図である。 従来のセルスタック装置の一例を示し、(a)はセルスタック装置を概略的に示す側面図であり、(b)は(a)のセルスタック装置の一部拡大断面図である。
符号の説明
1、38:セルスタック
2、37:燃料電池セル
4:酸素側電極層
5:燃料側電極層
6:固体電解質層
7:インターコネクタ
8:支持基板
9:燃料ガス通路
10:セルスタック装置
18:燃料電池モジュール
19:収納容器

Claims (2)

  1. 燃料側電極層、固体電解質層、酸素側電極層が積層されているとともに、燃料側電極層と電気的に接続されたインターコネクタを備える燃料電池セルを複数配列し、隣接する前記燃料電池セル同士を電気的に接続してなるセルスタックであって、前記燃料電池セルの配列方向の端部における前記燃料電池セルの電気抵抗が、前記燃料電池セルの配列方向の中央部における前記燃料電池セルの電気抵抗よりも高いことを特徴とするセルスタック。
  2. 請求項1記載のセルスタックを収納容器内に収納してなることを特徴とする燃料電池モジュール。
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