JP2010080043A - 光学ドライブ装置 - Google Patents

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哲哉 西山
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Abstract

【課題】トラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットの量を低減すること。
【解決手段】光学ドライブ装置において、信号光接線方向の各幅が信号光のスポットの直径より短い受光領域2Aa,2Ba,3Aa,3Baの各受光量に基づいて第2のプッシュプル信号を生成し、該第2のプッシュプル信号に基づいてトラッキング誤差信号を生成する。これによれば、メインビームMBの迷光とサブビームSB1,SB2との干渉により生じるトラッキング誤差信号TEのオフセットを低減できる。
【選択図】図8

Description

本発明は光ピックアップを備える光学ドライブ装置に関し、特にトラッキング誤差信号に生ずるオフセットを低減できる光学ドライブ装置に関する。
CD(Compact Disc)、DVD、BD(Blu-ray Disc(登録商標))等の光ディスクの再生や記録を行うための光学ドライブ装置は光ピックアップを備えている。光ピックアップは、光ビームを生成し、対物レンズによって光ディスクの記録面上に収束させる往路光学系と、光ディスクの記録面で反射した光ビームを受光する光検出器を含む復路光学系とを有している。
光ビームの焦点位置は光ディスクの記録面上に形成されているトラックの中心に合っている必要があるため、光学ドライブ装置は光ディスク半径方向の焦点位置のずれを調整するためのトラッキングサーボと呼ばれる制御を行う。以下、このトラッキングサーボについて簡単に説明する。
図26(a)には、複数のランドLとグルーブGから構成される光ディスク11記録面の断面の端面と、対物レンズ100と、光ビーム(入射光,反射光(0次回折光、±1次回折光))とを示している。同図に示すように、0次回折光と±1次回折光とは、領域E1及びE2で干渉している。この領域E1及びE2のように、0次回折光と±1次回折光とが干渉している領域を「プッシュプル領域」という。
次に、図27は、光ディスク11記録面で反射した光ビームを受光する光検出器の受光面101を示す図である。同図に示すように、光ディスク11記録面で反射した0次回折光は受光面101の中心にスポットを形成する。このスポットは、光路中に配置される各種レンズにより四角形や円形など様々な形となるが、ここでは円形のスポットを描いている。
図27に示すように、受光面101は正方形であり、上下に分割されている。このような分割の結果、上側の受光領域101Aはプッシュプル領域E1を受光し、下側の受光領域101Bはプッシュプル領域E2を受光することになる。
光ビームを受光した光検出器は、受光領域ごとに、光ビームの強度を受光面で面積分して得られる値(受光量)の振幅を有する信号を出力する。以下では、各受光領域101A,101Bに対応する出力信号を、それぞれI101A,I101Bとする。
プッシュプル領域E1及びE2の光強度は0次回折光と±1次回折光との位相差及びこれら回折光の強度に応じた値となるが、この位相差及び強度は記録面上の凹凸によって変化する。したがって、入射光の焦点位置が光ディスク半径方向、すなわちトラックを横切る方向(図26(a)の横方向)に移動する場合(以下、この移動をトラックジャンプという。)、移動に伴って0次回折光と±1次回折光との位相差及び強度が変化し、プッシュプル領域E1及びE2の光強度が変化する。その結果、上記各出力信号も変化する。
図26(b)は、そのような各出力信号の変化を示している。同図に示すように、出力信号I101A,I101Bは所定値aを中心として互いに逆位相の変化を示し、その加算信号I101A+I101Bは常に一定値2aとなる。
一方、出力信号の減算信号I101A−I101B(以下、プッシュプル信号PPという。)は、入射光の焦点位置がランドL又はグルーブGの中心にある場合に0となり、その他の場合には0以外の値となる。トラッキングサーボはこのようなプッシュプル信号PPの性質を用いるもので、光学ドライブ装置は、プッシュプル信号PPをトラッキング誤差信号TEとして出力し、このトラッキング誤差信号TEの値が0となるように上記対物レンズ100の位置を制御することによって、光ディスク半径方向の焦点位置のずれを調整する。
ところで、トラッキング誤差信号TEには種々のオフセットが発生する。具体的には、トラッキングサーボによる対物レンズの位置移動(レンズシフト)に伴うオフセット、データが記録済みの領域(記録領域)と未記録の領域(未記録領域)の反射率の違いによってこれらの境界(記録境界)で生ずるオフセットが挙げられる。また、多層化されたディスクでは、アクセス対象層以外の層で反射した光ビーム(迷光)がアクセス対象層で反射した光ビーム(信号光)と干渉することによってもオフセットが生ずる。このようなオフセットはトラッキングサーボに誤差を生ずる原因となるため、トラッキング誤差信号TEからオフセットを低減することが求められる。
特許文献1には、信号光の光束を2分割し、分割光ごとに光検出器を設け、光検出器ごとに得られるプッシュプル信号PPの差分をトラッキング誤差信号TEとして用いることで、トラッキング誤差信号TEから上記レンズシフトを含む光学ずれによるオフセットを低減する構成が開示されている。
特許文献2及び特許文献3には、差動プッシュプル法と呼ばれる技術により、トラッキング誤差信号TEから上記レンズシフトによるオフセットを低減する構成が開示されている。差動プッシュプル法も、特許文献1に開示される技術と同様に、信号光の光束を分割し、分割光ごとに光検出器を設け、光検出器ごとに得られるプッシュプル信号PPの差分をトラッキング誤差信号TEとして用いるものである。
特開平6−176381号公報([0044]段落〜[0050]段落) 特開2005−346882号公報(要約書) 特開2007−287232号公報(要約書)
しかしながら、特許文献1〜3に開示されるような複数の光検出器を用いる構成によってもトラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットの量の低減は未だ不十分であり、オフセットを低減するための新しい技術が求められている。
したがって、本発明の目的は、トラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットの量を低減できる光学ドライブ装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明による光学ドライブ装置は、多層化光ディスクのアクセス対象層での反射光である信号光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線に対して線対称となるよう形成され、さらに該直線により第1A及び第1Bの信号光受光領域に分割された第1の信号光受光面を有する光検出器と、前記第1A及び第1Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第1のプッシュプル信号と第1のサム信号を生成し、前記第1のプッシュプル信号を前記第1のサム信号を用いて正規化することにより第1の正規化プッシュプル信号を生成し、前記第1の正規化プッシュプル信号に基づいてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段とを備え、前記第1A及び第1Bの信号光受光領域の信号光接線方向の各幅が前記スポットの直径より短いことを特徴とする。
本発明によれば、第1A及び第1Bの信号光受光領域の信号光接線方向の幅が上記直径(スポット径)より長い場合に比べ、第1の正規化プッシュプル信号の振幅が大きくなる。これは、プッシュプル領域の比率が相対的に大きくなるためである。即ち、信号光受光領域の信号光接線方向の幅を狭くした場合、0次光の領域が小さくなってきて、光ディスクのランドグルーブで生じる0次光と±1次光の光学干渉領域の占める割合が大きくなるため、分母である受光領域の和信号の0次光成分の割合が小さくなる。従って、第1の正規化プッシュプル信号の振幅が大きくなる。
一般に、信号Sのオフセット量SOFFSETは、振幅SAMPLITUDEと変位量SDISPLACEMENTとを用いて次の式(1)で表されるので、第1の正規化プッシュプル信号の振幅が大きくなることで、第1の正規化プッシュプル信号のオフセット量が低減されることになる。したがって、第1の正規化プッシュプル信号に基づいて生成されるトラッキング誤差信号のオフセット量も低減される。
Figure 2010080043
なお、前記第1A及び第1Bの信号光受光領域の信号光接線方向の各幅は前記直径の20%未満であることが好ましい。20%未満では第1の正規化プッシュプル信号の振幅が安定すると同時に、ビーム径全体の信号で規格化する場合と比較してほぼ同等レベルに、スポットの信号光接線方向への位置ずれにより生じるオフセットをすることができるので、製造上、問題になるということはない。
上記光学ドライブ装置において、前記多層化光ディスクに照射する光ビームを0次回折光及び±1次回折光に分割する回折格子をさらに備え、前記信号光は前記0次回折光の反射光であり、前記光検出器は、前記+1次回折光の反射光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線に対して線対称となるよう形成され、さらに該直線により第2A及び第2Bの信号光受光領域に分割された第2の信号光受光面と、前記−1次回折光の反射光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線に対して線対称となるよう形成され、さらに該直線により第3A及び第3Bの信号光受光領域に分割された第3の信号光受光面とをさらに有し、前記第2A及び第3Aの信号光受光領域は、対応する前記各直線をそれぞれ境界として前記第1Aの信号光受光領域と同一側の領域に対応し、前記第2B及び第3Bの信号光受光領域は、対応する前記各直線をそれぞれ境界として前記第1Bの信号光受光領域と同一側の領域に対応し、前記トラッキング誤差信号生成手段は、前記第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第2のプッシュプル信号と第2のサム信号を生成し、前記第2のプッシュプル信号を前記第2のサム信号を用いて正規化することにより第2の正規化プッシュプル信号を生成し、前記第2の正規化プッシュプル信号にも基づいて前記トラッキング誤差信号を生成し、前記第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の信号光接線方向の各幅が前記スポットの直径より短いこととしてもよい。これによれば、差動プッシュプル法を用いる場合に、第1及び第2の正規化プッシュプル信号の両方についてオフセット量を低減できる。
或いは、上記光学ドライブ装置において、前記多層化光ディスクに照射する光ビームを0次回折光及び±1次回折光に分割する回折格子をさらに備え、前記信号光は前記0次回折光の反射光であり、前記光検出器は、前記+1次回折光の反射光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線に対して線対称となるよう形成され、さらに該直線により第2A及び第2Bの信号光受光領域に分割された第2の信号光受光面と、前記−1次回折光の反射光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線に対して線対称となるよう形成され、さらに該直線により第3A及び第3Bの信号光受光領域に分割された第3の信号光受光面とをさらに有し、前記第2A及び第3Aの信号光受光領域は、対応する前記各直線をそれぞれ境界として前記第1Aの信号光受光領域と同一側の領域に対応し、前記第2B及び第3Bの信号光受光領域は、対応する前記各直線をそれぞれ境界として前記第1Bの信号光受光領域と同一側の領域に対応し、前記トラッキング誤差信号生成手段は、前記第2A,第2Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第3のプッシュプル信号と第3のサム信号を生成し、前記第3のプッシュプル信号を前記第3のサム信号を用いて正規化することにより第3の正規化プッシュプル信号を生成し、前記第3A,第3Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第4のプッシュプル信号と第4のサム信号を生成し、前記第4のプッシュプル信号を前記第4のサム信号を用いて正規化することにより第4の正規化プッシュプル信号を生成し、前記第3及び第4の正規化プッシュプル信号にも基づいて前記トラッキング誤差信号を生成し、前記第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の信号光接線方向の各幅が前記スポットの直径より短いことこととしてもよい。こうしても、差動プッシュプル法を用いる場合に、第1及び第2の正規化プッシュプル信号の両方についてオフセット量を低減できる。
なお、前記第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の信号光接線方向の各幅は前記直径の20%未満であることが好ましい。20%未満では第2の正規化プッシュプル信号の振幅が安定すると同時に、ビーム径全体の信号で規格化する場合と比較してほぼ同等レベルに、スポット光の信号光接線方向への位置ずれにより生じるオフセットをすることができるので、製造上、問題になるということはない。
上記光学ドライブ装置において、前記第1A,第1B,第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の信号光接線方向の各幅が互いに同一であることとしてもよい。これによれば、各正規化プッシュプル信号について、同一の条件でオフセット量を低減できる。
上記各光学ドライブ装置において、前記光検出器は、アクセス対象層以外の層での反射光である迷光を受光可能に配置された1又は複数の迷光受光領域を有し、前記トラッキング誤差信号生成手段は、前記第1のプッシュプル信号又は前記第1のサム信号の少なくとも一方を、前記1又は複数の迷光受光領域のうちの少なくとも一部の各受光量に基づいて補正する第1の補正手段を有し、前記第1の補正手段による補正後の各信号を用いて前記第1の正規化プッシュプル信号を生成することとしてもよい。これによれば、迷光によりトラッキング誤差信号に生ずるオフセットの量を低減することができる。
この光学ドライブ装置においてさらに、前記1又は複数の迷光受光領域は、前記第1の信号光受光面の信号光半径方向両側に設けられた第1A及び第2Aの迷光受光領域を含み、前記第1A及び第1Bの信号光受光領域と前記第1A及び第2Aの迷光受光領域との信号光接線方向の各幅及び位置が同一であり、前記第1の補正手段は、前記第1のプッシュプル信号又は前記第1のサム信号の少なくとも一方を、前記第1A及び第2Aの迷光受光領域の各受光量に基づいて補正することとしてもよい。これによれば、第1A及び第2Aの信号光受光領域と第1A及び第2Aの迷光受光領域とには、迷光に現れる記録境界の影響がほぼ等しく現れることになるので、迷光に記録境界が現れた場合においてもトラッキング誤差信号に生ずるオフセットの量を低減することが可能になる。
上記光学ドライブ装置において、前記光検出器は、アクセス対象層以外の層での反射光である迷光を受光可能に配置された1又は複数の迷光受光領域を有し、前記トラッキング誤差信号生成手段は、前記第2及びのプッシュプル信号又は前記第2のサム信号の少なくとも一方を、前記1又は複数の迷光受光領域のうちの少なくとも一部の各受光量に基づいて補正する第1の補正手段を有し、前記第1の補正手段による補正後の各信号を用いて前記第2の正規化プッシュプル信号を生成することとしてもよい。これによれば、差動プッシュプル法を用いる場合にも、迷光によりトラッキング誤差信号に生ずるオフセットの量を低減することができる。
この光学ドライブ装置においてさらに、前記1又は複数の迷光受光領域は、前記第2の信号光受光面の信号光半径方向両側に設けられた第3A及び第4Aの迷光受光領域、及び前記第3の信号光受光面の信号光半径方向両側に設けられた第5A及び第6Aの迷光受光領域を含み、前記第2A及び第2Bの信号光受光領域と前記第3A及び第4Aの迷光受光領域との信号光接線方向の各幅及び位置が同一であり、前記第3A及び第3Bの信号光受光領域と前記第5A及び第6Aの迷光受光領域との信号光接線方向の各幅及び位置が同一であり、前記第1の補正手段は、前記第2のプッシュプル信号又は前記第2のサム信号の少なくとも一方を、前記第3A,第4A,第5A,及び第6Aの迷光受光領域の各受光量に基づいて補正することとしてもよい。これによれば、第2A及び第2Bの信号光受光領域と第3A及び第4Aの迷光受光領域、及び第3A及び第3Bの信号光受光領域と第5A及び第6Aの迷光受光領域には、それぞれ迷光に現れる記録境界の影響がほぼ等しく現れることになるので、迷光に記録境界が現れた場合においてもトラッキング誤差信号に生ずるオフセットの量を低減することが可能になる。
或いは、上記光学ドライブ装置において、前記1又は複数の迷光受光領域は、前記第1の信号光受光面と前記第2の信号光受光面との間に設けられた第7Aの迷光受光領域、前記第1の信号光受光面と前記第3の信号光受光面との間に設けられた第8Aの迷光受光領域、前記第2の信号光受光面を挟んで前記第7の迷光受光領域の反対側に設けられた第3Aの迷光受光領域、及び前記第3の信号光受光面を挟んで前記第8の迷光受光領域の反対側に設けられた第6Aの迷光受光領域を含み、前記第2A及び第2Bの信号光受光領域と前記第7A及び第3Aの迷光受光領域との信号光接線方向の各幅及び位置が同一であり、前記第3A及び第3Bの信号光受光領域と前記第8A及び第6Aの迷光受光領域との信号光接線方向の各幅及び位置が同一であり、前記トラッキング誤差信号生成手段は、前記第2のプッシュプル信号又は前記第2のサム信号の少なくとも一方を前記第7A,第8A,第3A,及び第6Aの迷光受光領域の各受光量に基づいて補正する第1の補正手段を有し、前記第1の補正手段による補正後の各信号を用いて前記第2の正規化プッシュプル信号を生成することとしてもよい。これによれば、第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域と第7A,第8A,第3A,及び第6Aの迷光受光領域とには、迷光に現れる記録境界の影響がほぼ等しく現れることになるので、迷光に記録境界が現れた場合においてもトラッキング誤差信号に生ずるオフセットの量を低減することが可能になる。
上記各光学ドライブ装置において、前記第1の信号光受光面は、前記第1Aの信号光受光領域の信号光接線方向両側にそれぞれ設けられた第1C及び第1Dの信号光受光領域と、前記第1Bの信号光受光領域の信号光接線方向両側にそれぞれ設けられた第1E及び第1Fの信号光受光領域とをさらに有し、前記トラッキング誤差信号生成手段は、前記第1の正規化プッシュプル信号を前記第1C及び第1Dの信号光受光領域と前記第1E及び第1Fの信号光受光領域との各受光量に基づいて補正する第2の補正手段を有し、前記第2の補正手段による補正後の前記第1の正規化プッシュプル信号を用いて前記トラッキング誤差信号を生成することとしてもよい。これによれば、信号光のスポットが信号光接線方向にずれたとしても、好適な第1の正規化プッシュプル信号を得ることができるようになる。
上記各光学ドライブ装置において、前記第1A及び第1Bの信号光受光領域の各受光量の加算信号をフォーカスサーボ実行時に使用されるプルイン信号として用いることとしてもよい。これによれば、多層光ディスクを使用する場合、プルイン信号の層間分離が容易になる。従って、フォーカスサーボが安定し、かつ、合焦面の信号を検出しやすくなる。
上記各光学ドライブ装置において、前記第1の信号光受光面は、前記第1Aの信号光受光領域の信号光接線方向両側にそれぞれ所定距離離隔して設けられた第1C及び第1Dの信号光受光領域と、前記第1Bの信号光受光領域の信号光接線方向両側にそれぞれ所定距離離隔して設けられた第1E及び第1Fの信号光受光領域とをさらに有し、前記トラッキング誤差信号生成手段は、前記第1A及び第1Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第1のプッシュプル信号と第1のサム信号を生成するとともに、前記第1C乃至第1Fの信号光受光領域の各受光量に基づいて第5のプッシュプル信号と第5のサム信号を生成し、前記第1及び第5のプッシュプル信号をそれぞれ前記第1及び第5のサム信号のいずれか少なくとも一方により正規化することによりトラッキング誤差信号を生成することとしてもよい。これによれば、スポット中心付近を受光する第1A及び第1Bの信号光受光領域の利点と、スポット外縁付近を受光する第1C乃至第1Fの信号光受光領域の利点とを生かし、ノイズとオフセットの少ないトラッキング誤差信号を生成することが可能になる。
また、本発明の他の一側面による光学ドライブ装置は、多層化光ディスクに照射する光ビームを0次回折光及び±1次回折光に分割する回折格子と、前記+1次回折光の反射光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線に対して線対称となるよう形成され、さらに該直線により第2A及び第2Bの信号光受光領域に分割された第2の信号光受光面、及び前記−1次回折光の反射光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線に対して線対称となるよう形成され、さらに該直線により第3A及び第3Bの信号光受光領域に分割された第3の信号光受光面とを有する光検出器とを備え、前記第2の信号光受光領域と第3Aの信号光受光領域とは、対応する前記各直線をそれぞれ境界として同一側の領域に対応し、前記第2Bの信号光受光領域と第3Bの信号光受光領域とは、対応する前記各直線をそれぞれ境界として同一側の領域に対応し、前記第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第2のプッシュプル信号を生成し、前記第2のプッシュプル信号に基づいてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段を備え、前記第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の信号光接線方向の各幅が前記各スポットの直径より短いことを特徴とする。これによれば、メインビームMBの迷光と第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域のサブビームSB1,SB2との干渉により生じるトラッキング誤差信号TEのオフセットを低減できる。
また、上記光学ドライブ装置において、前記トラッキング誤差信号生成手段は、前記第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の受光量に基づいて第2のサム信号を生成し、前記第2のプッシュプル信号を前記第2のサム信号を用いて正規化することにより第2の正規化プッシュプル信号を生成し、前記第2の正規化プッシュプル信号に基づいてトラッキング誤差信号を生成することとしてもよい。これによれば、差動プッシュプル法を用いる場合に、第2の正規化プッシュプル信号についてのオフセットを低減できる。
また、上記光学ドライブ装置において、前記トラッキング誤差信号生成手段は、前記第2A,第2Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第3のサム信号を生成し、前記第2のプッシュプル信号のうち前記第2A,第2Bの信号光受光領域の各受光量に基づく成分を前記第3のサム信号を用いて正規化することにより第3の正規化プッシュプル信号を生成し、前記第3A,第3Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第4のサム信号を生成し、前記第2のプッシュプル信号のうち前記第3A,第3Bの信号光受光領域の各受光量に基づく成分を前記第4のサム信号を用いて正規化することにより第4の正規化プッシュプル信号を生成し、前記第3及び第4の正規化プッシュプル信号に基づいて前記トラッキング誤差信号を生成することとしてもよい。これによれば、差動プッシュプル法を用いる場合に、第3及び第4の正規化プッシュプル信号についてのオフセットを低減できる。
本発明によれば、多層化光記録媒体を含めた光記録媒体において、トラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットの量を低減できる。
本発明の実施の形態による光学ドライブ装置の模式図である。 本発明の実施の形態によるセンサレンズによって付与される非点収差の説明図である。 本発明の背景技術による光検出器の受光面に照射されたメインビームMBのスポットを示す図である(a)はレンズシフトがない場合の信号光スポットの例であり、(b)はレンズシフトによって最大限移動した信号光スポットの例である。 本発明の実施の形態による光ディスクの層構成の一例を示す図である。 レンズシフトがない場合において本発明の実施の形態による受光面上に形成されるスポットを、メインビーム及び迷光ごとに示した図である。 レンズシフトによって一定方向に移動した各スポットを、図5の各図に対応させて描いた図である。 (a)は、図5の各図に示したメインビームのスポット、迷光スポット、及びそれぞれのレンズシフト方向線とレンズシフト基準線を一図に描いた図である。(b)は、図6の各図に示したメインビームのスポット、迷光スポット、及びそれぞれのレンズシフト方向線とレンズシフト基準線を一図に描いた図である。 本発明の実施の形態による光検出器の上面図である。 本発明の実施の形態による処理部の機能ブロックを示す図である。 本発明の実施の形態による正規化メインプッシュプル信号をシミュレーションにより幅wごとに取得し、対ディスク位置(μm)でプロットした図である。 本発明の実施の形態によるメインプッシュプル信号MPPについて、図10と同じ条件でプロットした図である。 幅wをさらにいろいろな値に振って、本発明の実施の形態によるメインプッシュプル信号と正規化メインプッシュプル信号の振幅をそれぞれプロットした図である。 本発明の実施の形態によるトラッキング誤差信号TEのオフセット量をシミュレーションした結果を示す図である。 サブビームの強度を各受光領域でそれぞれ面積分してサブプッシュプル信号及びサブサム信号を求めるシミュレーションにより、本発明の実施の形態によるトラッキング誤差信号のオフセット量を求めた結果を示す図である。 本発明の実施の形態による補正処理を行った場合のシミュレーション結果を示す図である。 横ずれ量5μmであって、光ビームの焦点がトラック上にある場合のオフセット量を、幅wごとに示したものである。 レンズシフトによって生ずるオフセットの量を、w=10μm,w=20μm,w≧50μmの場合の各正規化プッシュプル信号と、w+2g1=10μm,20μmの場合の各正規化プッシュプル信号とについて、対レンズシフト量で示した図である。 図17と同様の各正規化プッシュプル信号を、対ディスク位置(μm)でプロットした図である。 本発明の実施の形態による光検出器の上面図から、メインビーム受光面部分のみを抜き出した図である。 本発明の実施の形態により生成したフォーカス誤差信号のシミュレーション結果を、対焦点距離(μm)でプロットしたものである。 本発明の実施の形態により生成したフォーカス誤差信号及びプルイン信号のシミュレーション結果を、対焦点距離(μm)でプロットしたものである。 本発明の実施の形態による光ディスク記録面の断面の端面と、記録境界の模式図と、対物レンズと、光ビーム(入射光,反射光(0次回折光、トラックでの±1次回折光、記録境界での±1次回折光))とを示す図である。 図22で示した光ビームのメインビームが、本発明の実施の形態によるメインビーム受光面に形成するスポットを示す図である。 本発明の実施の形態によるメインビーム受光面の上下分割線の上下の領域の差動信号の振幅を、干渉領域ごとに、対ディスク位置で示す図である。 本発明の実施の形態による光検出器の変形例を示す図である。 (a)は、本発明の背景技術による光ディスク記録面の断面の端面と、対物レンズと、光ビーム(入射光,反射光(0次回折光、±1次回折光))とを示す図である。(b)は、各出力信号の変化を示す図である。 本発明の背景技術による光検出器の受光面を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態による光学ドライブ装置1の模式図である。
光学ドライブ装置1は光ディスク11の再生及び記録を行う。光ディスク11としてはCD、DVD、BD等の各種光記録媒体を用いることができるが、本実施の形態では特に、多層膜によって多層化された記録面を有する円盤状の光ディスクを用いる。
図1に示すように、光学ドライブ装置1は、レーザ光源2、光学系3、対物レンズ4、光検出器5、及び処理部6を備えて構成される。これらのうち、レーザ光源2、光学系3、対物レンズ4、及び光検出器5は光ピックアップを構成する。
光学系3は、回折格子21、ビームスプリッタ22、コリメータレンズ23、1/4波長板24、センサレンズ(シリンドリカルレンズ)25を有している。光学系3は、レーザ光源2が発した光ビームを光ディスク11に導く往路光学系として機能するとともに、光ディスク11からの戻りビームを光検出器5に導く復路光学系としても機能する。
まず、往路光学系では、回折格子21は、レーザ光源2が発した光ビームを3ビーム(0次回折光及び±1次回折光)に分解しP偏光としてビームスプリッタ22に入射させる。ビームスプリッタ22は、入射されたP偏光を反射して、その進路を光ディスク11方向に折り曲げる。コリメータレンズ23は、ビームスプリッタ22から入射される光ビームを平行光とする。1/4波長板24は、コリメータレンズ23を通過した光ビームを円偏光とする。1/4波長板24を通過した光ビームは対物レンズ4に入射する。
対物レンズ4は、光学系3から入射される光ビーム(平行光状態の光ビーム)を光ディスク11上に集光させるとともに、光ディスク11の記録面で反射してきた戻り光ビームを平行光に戻す。この戻り光ビームは記録面で回折されており、図26を用いて説明したように、0次回折光及び±1次回折光に分解されている。この0次回折光及び±1次回折光は、回折格子21により生ずる0次回折光及び±1次回折光とは異なるもので、紛らわしいので、以下では回折格子21により分解された0次回折光,+1次回折光,−1次回折光をそれぞれメインビームMB,サブビームSB1,サブビームSB2と称し、0次回折光及び±1次回折光という場合には記録面での回折によって生じた回折光を指すことにする。メインビームMB,サブビームSB1,サブビームSB2は、それぞれ独立して、図26及び図27で説明したようなプッシュプル領域を有する反射光を生ずる。
次に、復路光学系では、対物レンズ4を通過し、1/4波長板24を往復することによりS偏光となった光ビームがコリメータレンズ23に入射する。コリメータレンズ23を通過した光ビームは、集光しつつビームスプリッタ22に入射する。ビームスプリッタ22は、入射してきた光ビームを100%透過してセンサレンズ25に入射させる。センサレンズ25は、ビームスプリッタ22から入射された光ビームに非点収差を付与する。非点収差を付与された光ビームは光検出器5に入射する。
図2はセンサレンズ25によって付与される非点収差の説明図である。同図に示すように、センサレンズ25は一方方向(同図MY軸方向=子線方向。)にのみレンズ効果を有している。そのため、コリメータレンズ23(図1)とセンサレンズ25によって構成される光学系の焦点の位置は、MY軸方向と、MY軸方向に垂直な方向であるMX軸方向(母線方向)とで異なっている(図2に示すMY軸焦点とMX軸焦点)。なお、MY軸方向とMX軸方向の光ビームの長さが等しい点を合焦点と称する。
光学ドライブ装置1では、焦点を合わせようとする層(アクセス対象層)で反射した光ビーム(信号光)の合掌点がちょうど光検出器5上に位置するようにするための、対物レンズ4の位置制御が行われる(フォーカスサーボ)。逆に言えば、アクセス対象層以外の層で反射した光ビーム(迷光)の合掌点は光検出器5上に位置しないこととなり、迷光が光検出器5上に形成するスポット(迷光スポット)は、信号光が光検出器5上に形成するスポット(信号光スポット)に比べ、MY軸方向とMX軸方向の少なくとも一方に広がった形状を有することとなる。
図1に戻る。光検出器5は、光学系3から出射される戻り光ビームの光路に交差する平面上に設置される。光検出器5は多数の受光面を備えており、各受光面はそれぞれ多数の受光領域に分割されている。光学ドライブ装置1では、これらの受光領域を適宜組み合わせて用いることで、様々な生成処理でトラッキング誤差信号TEを生成することが可能となっている。その具体的内容については後述する。
処理部6は、一例として多チャンネル分のアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換機能を備えたDSP(Digital Signal Processor)で構成されており、光検出器5の出力信号を受け付けて、トラッキング誤差信号TE、フォーカス誤差信号FE、プルイン信号PIなどの各種信号を生成する。処理部6の処理の詳細についても後述する。
CPU7はコンピュータやDVDレコーダー等に内臓される処理装置であり、図示しないインターフェイスを介し、処理部6に対して光ディスク11上のアクセス位置を特定するための指示信号を送信する。この指示信号を受信した処理部6は、対物レンズ4を制御し、光ディスク11の表面に平行に移動させる(この移動を「レンズシフト」という。)ことによりトラックオン状態を実現する(トラッキングサーボ)。トラックオン状態になると、CPU7は処理部6が生成するRF信号(後述するメインビーム受光面S1a内の各受光領域の受光量の合計信号)をデータ信号として取得する。
ここで、背景技術による光検出器(図27)を用いて、レンズシフトと迷光について詳しく説明しておく。なお、この説明では、メインビームMBのみに着目する。
初めに、図3(a)(b)は、背景技術による光検出器の受光面101に照射されたメインビームMBのスポットを示している。なお、図3及び後述する図5,図6では、スポット内に光強度の等高線を示している。また、光ビームのスポットには光ディスク11の接線方向と半径方向とにそれぞれ対応する方向があり、以下では、メインビームMBのスポットに関して、接線方向に対応する方向(信号光接線方向)をX軸と称し、半径方向に対応する方向(信号光半径方向)をY軸と称する。
受光面101は正方形であり、メインビームMBのスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向(X軸)に平行な直線に対して線対称となるよう形成されている。そしてさらに、この直線により受光領域101A及び101Bに分割されている。受光面101の各対角線は、上述したMX軸方向及びMY軸方向と一致する。
図3(a)はレンズシフトがない場合の信号光スポットの例であり、図3(b)はレンズシフトによって最大限移動した信号光スポットの例である。同図に示すように、メインビームMBのスポットは、レンズシフトに伴ってY軸方向に移動する。受光面101のサイズは、この移動があってもメインビームMBのスポットの全体が受光できるよう決定されている。なお、以下では、レンズシフトによるスポットの移動方向をレンズシフト方向線LDSと称し、レンズシフトによるスポットの移動の基準となる線をレンズシフト基準線LBSと称する。メインビームMBのスポットのレンズシフト方向線LDS,レンズシフト基準線LBSはそれぞれY軸,X軸と平行である。
次に、図4は、光ディスク11の層構成の一例を示す図である。同図に示すように、この例による光ディスク11は、対物レンズ4に遠い側から順に層L0〜L4を有する5層構成であり、層間隔は層L0と層L1の間から順に16μm,10μm,10μm,16μmとなっている。
なお、以下の説明では、アクセス対象層がLx(ここではx=0〜4)である場合に、層Ly(ここではy=0〜4,y≠x)で反射した迷光を迷光x−yと表すこととし、迷光x−yのスポットのレンズシフト方向線及びレンズシフト基準線をそれぞれLDx−y及びLBx−yと表すことにする。
ここでは、アクセス対象層が層L2である場合のみを取り上げて説明する。
図5は、レンズシフトがない場合(対物レンズ4のシフト量=0)において受光面101上に形成されるスポットを、メインビームMB及び迷光ごとに示したものである。図5の各図に示すように、各迷光が形成するスポットは受光面101のサイズよりも大きく、受光面101を大きくはみ出している。
各迷光のうち迷光2−3,迷光2−4のスポットは、MX軸方向への広がりがMY軸方向への広がりに比べて大きくなっている。迷光2−3,迷光2−4はMY軸焦点(図2)よりもセンサレンズ25に近い位置で光検出器上にスポットを形成しているためである。また、迷光2−3のスポットは迷光2−4に比べて小さくなっている。層L3が層L4に比べてアクセス対象層L2に近いためである。
一方、迷光2−1,迷光2−0のスポットは、MY軸方向への広がりがMX軸方向への広がりに比べて大きくなっている。迷光2−1,迷光2−0はMX軸焦点(図2)よりもセンサレンズ25から遠い位置で光検出器上にスポットを形成しているためである。また、迷光2−1のスポットは迷光2−0に比べて小さくなっている。層L1が層L0に比べてアクセス対象層L2に近いためである。
図5には、各スポットのレンズシフト方向線とレンズシフト基準線も示している。
図5に示すように、各迷光スポットのレンズシフト方向線及びレンズシフト基準線は、センサレンズ25の影響により、メインビームMBのスポットのレンズシフト方向線LDS及びレンズシフト基準線LBSに比べて斜めに傾いている。
具体的には、レンズシフト方向線及びレンズシフト基準線のいずれも、スポット形成位置が図2の合焦点よりセンサレンズ25に近づくとともにMX軸に近づき、MY軸側焦点でMX軸に一致する。そこからさらにセンサレンズ25に近づくと、MX軸を越えてさらに傾いていく(図5(a)(b))。一方、レンズシフト方向線及びレンズシフト基準線のいずれも、スポット形成位置が図2の合焦点よりセンサレンズ25から遠ざかるとともにMY軸に近づき、MX軸側焦点でMY軸に一致する。そこからさらにセンサレンズ25に近づくと、MY軸を越えてさらに傾いていく(図5(d)(e))。
なお、レンズシフト方向線とレンズシフト基準線とはセンサレンズ25の母線又は子線に対して線対称となっている。
図6は、レンズシフトによって一定方向に移動した各スポットを、図5の各図に対応させて描いたものである。同図に示すように、迷光スポットもメインビームMBのスポットと同様、レンズシフトによって移動し、迷光スポットの強度中心(図中の黒点)はレンズシフト方向線上に位置する。
図7(a)は、図5の各図に示したメインビームMBのスポット、迷光スポット、及びそれぞれのレンズシフト方向線とレンズシフト基準線を一図に描いたものである。同様に、図7(b)は、図6の各図に示したメインビームMBのスポット、迷光スポット、及びそれぞれのレンズシフト方向線とレンズシフト基準線を一図に描いたものである。図7(a)(b)では等高線は省略している。各スポットは、図7(a)(b)に示すように光検出器5上に重なって照射される。
さて、ここから光検出器5の構成の詳細及び処理部6の処理の詳細について説明する。
まず、図8は、本実施の形態による光検出器5の上面図であり、受光面及び受光領域を示している。なお、同図には信号光のスポットも描いている。同図に示すように、光検出器5はメインビーム受光面S1aと、サブビーム受光面S2a及びS3aと,迷光受光面S1b〜S6bとの計9つの受光面を有する。
メインビーム受光面S1aは、一辺の長さがx(≧スポット直径r=50μm)の正方形であり、メインビームMBのスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線B1に対して線対称となるよう形成されている。尚、一般的にはxの値はスポット直径の約2倍である。これは、非点収差法を使用するフォーカス制御を行うに当たり、スポット全体の信号を受光するのに必要な領域がスポット直径の約2倍であるからである。
さらに、メインビーム受光面S1aは直線B1により図面上下方向に分割されており、図面下側中央には受光領域1Aaが設けられ、受光領域1Aaの信号光接線方向両側には受光領域1Ca及び1Daが設けられている。また、図面上側中央には受光領域1Baが設けられ、受光領域1Baの信号光接線方向両側には受光領域1Ea及び1Faが設けられている。
受光領域1Aaと受光領域1Baの信号光接線方向の幅はともにw(<スポット直径)であり、信号光接線方向の位置は同一である。また、受光領域1Ca,1Da,1Ea,及び1Faの信号光接線方向の幅は互いに同一である。
加えて、受光領域1Ca及び1Daは受光領域1Aaと所定距離g1(≧0)だけ離隔して設けられている。同様に、受光領域1Ea及び1Faも受光領域1Baと所定距離g1だけ離隔して設けられている。
サブビーム受光面S2aはメインビーム受光面S1aと同じ大きさの正方形であり、サブビームSB1の反射光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線B2に対して線対称となるよう形成されている。また、サブビーム受光面S2aは直線B2を境界としてメインビーム受光面S1aと同様に上下に分割されるとともに、上下に分割された各領域もメインビーム受光面S1aと同様に分割されており、上述した受光領域1Aa〜1Faにそれぞれ対応して受光領域2Aa〜2Faを有している。
なお、サブビーム受光面S2aはメインビーム受光面S1aに対して、信号光接線方向にd1だけずれたところに配置されている。これは、本実施の形態ではメインビームMBとサブビームSB1のスポット位置がd1だけ信号光接線方向にずれているためであるが、このビームのずれの大小は光学系3の構成の仕方次第で変わる。
サブビーム受光面S3aはメインビーム受光面S1aを挟んでサブビーム受光面S2aの反対側に配置される。具体的には、サブビーム受光面S3aもメインビーム受光面S1aと同じ大きさの正方形であり、サブビームSB2の反射光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線B3に対して線対称となるよう形成されている。また、サブビーム受光面S3aも直線B3を境界としてメインビーム受光面S1aと同様に上下に分割されるとともに、上下に分割された各領域もメインビーム受光面S1aと同様に分割されており、上述した受光領域1Aa〜1Faにそれぞれ対応して受光領域3Aa〜3Faを有している。
サブビーム受光面S3aも、サブビーム受光面S2aと同様に、メインビーム受光面S1aに対して、信号光接線方向にd1だけずれたところに配置されている。ただし、ずれの方向は、サブビーム受光面S2aと逆になっている。
なお、ここではメインビーム受光面S1a、サブビーム受光面S2a,S3aを正方形としているが、各受光面の形状は正方形に限定されるものではない。
迷光受光面S1bは、メインビーム受光面S1aと信号光接線方向の幅及び位置が同一である長方形であり、メインビーム受光面S1aの信号光半径方向の一方側側方(図面上側)に、所定距離g2(≧0)だけ離隔して設けられている。そして、受光領域1Aa等と信号光接線方向の幅及び位置が同一である受光領域1Abと、受光領域1Abの信号光接線方向両側にそれぞれ設けられた受光領域1Bb及び1Cbとを有している。受光領域1Bb及び1Cbの信号光接線方向の幅及び位置はそれぞれ、受光領域1Ca及び1Daの幅及び位置と同一である。なお、受光領域1Bb及び1Cbは受光領域1Abと所定距離g1だけ離隔して設けられている。
迷光受光面S2bは、メインビーム受光面S1aと信号光接線方向の幅及び位置が同一である長方形であり、メインビーム受光面S1aの信号光半径方向の他方側側方(図面下側)に、所定距離g2だけ離隔して設けられている。そして、受光領域1Aa等と信号光接線方向の幅及び位置が同一である受光領域2Abと、受光領域2Abの信号光接線方向両側にそれぞれ設けられた受光領域2Bb及び2Cbとを有している。受光領域2Bb及び2Cbの信号光接線方向の幅及び位置はそれぞれ、受光領域1Ca及び1Daの幅及び位置と同一である。なお、受光領域2Bb及び2Cbは受光領域2Abと所定距離g1だけ離隔して設けられている。
迷光受光面S3bは、サブビーム受光面S2aと信号光接線方向の幅及び位置が同一である長方形であり、サブビーム受光面S2aの信号光半径方向の一方側側方(図面上側)に、所定距離g2だけ離隔して設けられている。そして、受光領域2Aa等と信号光接線方向の幅及び位置が同一である受光領域3Abと、受光領域3Abの信号光接線方向両側にそれぞれ設けられた受光領域3Bb及び3Cbとを有している。受光領域3Bb及び3Cbの信号光接線方向の幅及び位置はそれぞれ、受光領域1Ca及び1Daの幅及び位置と同一である。なお、受光領域3Bb及び3Cbは受光領域3Abと所定距離g1だけ離隔して設けられている。
迷光受光面S4bは、サブビーム受光面S2aと信号光接線方向の幅及び位置が同一である長方形であり、サブビーム受光面S2aの信号光半径方向の他方側側方(図面下側)に、所定距離g2だけ離隔して設けられている。そして、受光領域2Aa等と信号光接線方向の幅及び位置が同一である受光領域4Abと、受光領域4Abの信号光接線方向両側にそれぞれ設けられた受光領域4Bb及び4Cbとを有している。受光領域4Bb及び4Cbの信号光接線方向の幅及び位置はそれぞれ、受光領域1Ca及び1Daの幅及び位置と同一である。なお、受光領域4Bb及び4Cbは受光領域4Abと所定距離g1だけ離隔して設けられている。
迷光受光面S5bは、サブビーム受光面S3aと信号光接線方向の幅及び位置が同一である長方形であり、サブビーム受光面S3aの信号光半径方向の一方側側方(図面上側)に、所定距離g2だけ離隔して設けられている。そして、受光領域3Aa等と信号光接線方向の幅及び位置が同一である受光領域5Abと、受光領域5Abの信号光接線方向両側にそれぞれ設けられた受光領域5Bb及び5Cbとを有している。受光領域5Bb及び5Cbの信号光接線方向の幅及び位置はそれぞれ、受光領域1Ca及び1Daの幅及び位置と同一である。なお、受光領域5Bb及び5Cbは受光領域5Abと所定距離g1だけ離隔して設けられている。
迷光受光面S6bは、サブビーム受光面S3aと信号光接線方向の幅及び位置が同一である長方形であり、サブビーム受光面S3aの信号光半径方向の他方側側方(図面下側)に、所定距離g2だけ離隔して設けられている。そして、受光領域3Aa等と信号光接線方向の幅及び位置が同一である受光領域6Abと、受光領域6Abの信号光接線方向両側にそれぞれ設けられた受光領域6Bb及び6Cbとを有している。受光領域6Bb及び6Cbの信号光接線方向の幅及び位置はそれぞれ、受光領域1Ca及び1Daの幅及び位置と同一である。なお、受光領域6Bb及び6Cbは受光領域6Abと所定距離g1だけ離隔して設けられている。
光検出器5は、受光領域ごとに、光ビームの強度を受光領域で面積分して得られる値(受光量)の振幅を有する信号を出力する。以下では、受光領域X(Xは受光領域の符号)に対応する出力信号をIと記載する。
以上、光検出器5の構成について詳細に説明した。次に、図9は処理部6の機能ブロックを示す図である。同図に示すように、処理部6はトラッキング誤差信号生成部61(トラッキング誤差信号生成手段)、フォーカス誤差信号生成部62(フォーカス誤差信号生成手段)、プルイン信号生成部63(プルイン信号生成手段)、及び対物レンズ制御部64を備え、トラッキング誤差信号生成部61は内部に第1補正部65(第1の補正手段)及び第2補正部66(第2の補正手段)を有している。
トラッキング誤差信号生成部61は、光検出器5の各出力信号に基づいてトラッキング誤差信号TEを生成する。具体的な生成処理は多岐にわたるので、後ほどまとめて説明する。
フォーカス誤差信号生成部62は、光検出器5の各出力信号に基づいてフォーカス誤差信号FEを生成する。この生成処理の詳細についても後述する。
プルイン信号生成部63(プルイン信号生成手段)は、光検出器5の各出力信号に基づいてプルイン信号PIを生成する。このプルイン信号PIは一般的にはメインビーム受光面S1aの全受光量の合計信号であり、対物レンズ制御部64がフォーカスサーボ時に使用するものである。又、記録面の信号を検出する信号としても使用できる。この生成処理の詳細についても後述する。
対物レンズ制御部64は、トラッキング誤差信号生成部61が生成するトラッキング誤差信号TEに基づいて対物レンズ4の制御信号を生成し、対物レンズ4の位置制御のためのアクチュエータ(不図示)に出力する(トラッキングサーボ)。また、プルイン信号生成部63が生成するプルイン信号を監視し、プルイン信号の値が所定値を超えているときに、フォーカス誤差信号生成部62が生成するフォーカス誤差信号FEに基づいて対物レンズ4の制御信号を生成し、対物レンズ4の位置制御のためのアクチュエータ(不図示)に出力する(フォーカスサーボ)。
以下、各信号生成部による信号の生成について説明する。以下の説明では、まず、トラッキング誤差信号生成部61のトラッキング誤差信号生成処理について、第1〜第6の生成処理を挙げて説明する。その後、フォーカス誤差信号生成部62及びプルイン信号生成部63の信号生成処理について説明する。
[第1の生成処理]
第1の生成処理では、受光領域1Aa及び1Baのみを用いる。トラッキング誤差信号生成部61は、受光領域1Aa及び1Baの各受光量に基づいてメインプッシュプル信号MPP(第1のプッシュプル信号)とメインサム信号SUMm(第1のサム信号)を生成し、メインプッシュプル信号MPPをメインサム信号SUMmを用いて正規化することにより正規化メインプッシュプル信号MPPN(第1の正規化プッシュプル信号)を生成し、この正規化メインプッシュプル信号MPPNに基づいてトラッキング誤差信号TEを生成する。
具体的には、トラッキング誤差信号生成部61は、次の式(2)〜式(5)の演算を行ってトラッキング誤差信号TEを生成する。
Figure 2010080043
この生成処理によって生成した正規化メインプッシュプル信号MPPNの振幅は、受光領域1Aa及び1Baの幅wが小さいほど大きくなる。これは、幅wが小さいほどプッシュプル領域の比率が相対的に大きくなるためである。
図10は、本生成処理によって生成した正規化メインプッシュプル信号MPPNをシミュレーションにより幅wごとに取得し、対ディスク位置(μm)でプロットした図である。同図には、幅w=10μm,20μmの場合と、比較例としてw≧50μm(=スポット直径)の場合とを示している。光学系3の光学倍率を15倍とし、光ディスク11をトラックピッチが0.32um、溝深さが0.02umの1層光ディスクとし、メインビーム受光面S1aの一辺の長さxを100μmとした。また、メインプッシュプル信号MPP及びメインサム信号SUMmは、メインビームMBの強度を受光領域1Aa及び1Baでそれぞれ面積分することにより求めた。
図10からも、幅wが小さいほど、正規化メインプッシュプル信号MPPNの振幅が大きくなることが理解される。
上述したように、一般に、信号のオフセット量は上述の式(1)で表されるので、幅wを小さくして正規化メインプッシュプル信号MPPNの振幅が大きくなることで、正規化メインプッシュプル信号MPPNのオフセット量が低減されることになる。したがって、幅wを小さくすることで、式(5)によって生成されるトラッキング誤差信号TEのオフセット量も低減される。
なお、光ディスク11が多層化光ディスクである場合には、幅wが小さいほど、正規化メインプッシュプル信号MPPNのオフセット変位量も小さくなる。すなわち、光ディスク11が多層化光ディスクである場合、各受光領域には、信号光の他に迷光が受光される。正規化メインプッシュプル信号MPPNにはこの迷光分の変位が生ずることになるが、幅wが小さいほど、信号光の受光量に対する迷光の受光量の割合が小さくなる。これは、迷光の受光量は受光領域S1aの全域にわたってほぼ一様と考えてよいが、信号光の受光量は受光領域S1aの中心に近いほど多くなるためである。したがって、幅wが小さいほど、正規化メインプッシュプル信号MPPNのオフセット変位量が小さくなり、その結果、上述の式(1)で表される正規化メインプッシュプル信号MPPNのオフセット量は、さらに低減される。
ここで、図11は、メインプッシュプル信号MPPについて、図10と同じ条件でプロットしてみた図である。同図に示されるように、メインプッシュプル信号MPPの振幅は、幅wが小さいほど小さくなる。但し、正規化しない場合は、反射率の変動を受けるため、実際は適用しにくい。このことは、幅wを小さくすることでトラッキング誤差信号TEのオフセット量を低減するためには、メインプッシュプル信号MPPではなく、正規化メインプッシュプル信号MPPNをトラッキング誤差信号TEとして用いなければならないということを示している。すなわち、正規化しないメインプッシュプル信号MPPを用いる場合、信号を増幅する際、増幅回路や伝達経路などで新たに発生するノイズ成分も増幅することになり、このノイズ成分がオフセットとして現れてくるため、ノイズ成分によっては、最終的に式(1)で表されるトラッキング誤差信号TEのオフセット量が増大してしまうからである。
図12は、幅wをさらにいろいろな値に振ってメインプッシュプル信号MPPと正規化メインプッシュプル信号MPPNの振幅をそれぞれプロットした図である。シミュレーション条件は図10と同様である。ただし、正規化していないメインプッシュプル信号MPPは記録境界やその他の反射率変動などで振幅が変動することを考慮して、メインプッシュプル信号MPPの振幅を35%にして表示している。同図からも、幅wを小さくすることで正規化メインプッシュプル信号MPPNは大きくなり、メインプッシュプル信号MPPは小さくなるということが理解される。
加えて、図12によれば、幅wが10μm未満(スポット直径50μmの20%)になると、正規化メインプッシュプル信号MPPNの振幅はほぼ飽和し、安定する。したがって、安定したトラッキングサーボを実現するために、幅wはスポット直径の20%未満とすることが好ましい。ただし、幅wを小さくしすぎると製造が困難になるので、製造可能な程度とすることが好ましい。
また、幅wを極力小さくすることで、メインビームMBのスポットが信号光接線方向へ位置ずれすることによって生ずるオフセットを低減することが可能となる。スポットがずれた場合の受光量の変化が小さくなるからである。
[第2の生成処理]
第2の生成処理では、受光領域1Aa,1Ba,2Aa,2Ba,3Aa,及び3Baを用いる。この生成処理は、いわゆる差動プッシュプル法を用いるものである。トラッキング誤差信号生成部61は、第1の生成処理と同様にして正規化メインプッシュプル信号MPPNを生成する他、次のようにして正規化サブプッシュプル信号SPPN(第2の正規化プッシュプル信号)を生成する。
すなわち、トラッキング誤差信号生成部61は、受光領域2Aa,2Ba,3Aa,及び3Baの各受光量に基づいてサブプッシュプル信号SPP(第2のプッシュプル信号)とサブサム信号SUMs(第2のサム信号)を生成し、サブプッシュプル信号SPPをサブサム信号SUMsを用いて正規化することにより正規化サブプッシュプル信号SPPN(第2の正規化プッシュプル信号)を生成する。
具体的には、トラッキング誤差信号生成部61は、次の式(6)〜式(8)の演算を行って正規化サブプッシュプル信号SPPNを生成する。
Figure 2010080043
次に、トラッキング誤差信号生成部61は、正規化メインプッシュプル信号MPPNと正規化サブプッシュプル信号SPPNとに基づいて、トラッキング誤差信号TEを生成する。具体的には、次の式(9)のように、正規化サブプッシュプル信号SPPNに定数kを乗じ、正規化メインプッシュプル信号MPPNから減算する。その結果得られる信号をトラッキング誤差信号TEとする。メインとサブを個別に正規化した場合は、通常はk=1となるが、このkはメインとサブのレンズシフト時のオフセットが打ち消されるように決定される。
Figure 2010080043
レンズシフトによってスポットは信号光半径方向(図8の上下方向)に移動することになるが、その移動方向はメインビームMBとサブビームSB1,SB2とで同一であるので、例えば図8の上側にスポットが移動した場合には、受光領域1Ba,2Ba,3Baの受光量が増加し、受光領域1Aa,2Aa,3Aaの受光量が減少する。その結果、出力信号I1Baが増加する一方、出力信号I1Aaは減少し、メインプッシュプル信号MPPには増加方向のオフセットが生ずることになる。同様に、出力信号I2Ba,I3Baが増加する一方、出力信号I2Aa,I3Aaは減少し、サブプッシュプル信号SPPにも増加方向のオフセットが生ずることになる。したがって、式(9)を用いることで、これらの変化をキャンセルすることが可能になっている。なお、メインサム信号SUMmとサブサム信号SUMsには、レンズシフトによる変化はほとんど現れない。
一方、メインビームMBとサブビームSB1,SB2とでは、プッシュプル領域の上下関係が反転しているため、メインプッシュプル信号MPPとサブプッシュプル信号SPPの位相は互いに180゜異なっている。したがって、式(9)によってメインプッシュプル信号MPPとサブプッシュプル信号SPPとが打ち消し合うことはなく、定数kを、レンズシフト時にメインプッシュプル信号MPPとサブプッシュプル信号SPPのオフセットが打ち消すように予め決定しておくことで、式(9)によりトラッキングサーボを行うことが可能になる。
さて、正規化サブプッシュプル信号SPPNの振幅も、正規化メインプッシュプル信号MPPNと同様に、各受光領域の幅wが小さいほど大きくなる。したがって、幅wを小さくすることで、正規化サブプッシュプル信号SPPNのオフセットが低減され、その結果、式(9)によって生成されるトラッキング誤差信号TEのオフセット量も低減される。
ここで、トラッキング誤差信号TEのオフセット量低減効果は、レンズシフト時にサブビームSB1,SB2とメインビームMBの迷光とが干渉する場合に顕著に現れる。以下、この点について説明する。
図13は、式(9)によって生成されるトラッキング誤差信号TEのオフセット量をシミュレーションした結果を示す図である。詳しくは後述するが、トラッキング誤差信号TEを算出するにあたっては、式(9)右辺のメインプッシュプル信号MPPNには迷光の影響が現れないと仮定した。一方、式(9)右辺のサブプッシュプル信号SPPNについては、メインビームMBの迷光とサブビームSB1,SB2との干渉があると仮定した場合と、干渉がないと仮定した場合の2通りのシミュレーションを行った。これにより、図13では、メインビームMBの迷光とサブビームSB1,SB2との干渉の有無によるトラッキング誤差信号TEのオフセット量の違いを確認することが可能になっている。なお、図13の横軸には幅w、縦軸には百分率を用いている。
このシミュレーションでは、レンズシフトの量を0mm〜0.3mmまで0.05mm刻みで変化させ、それぞれのレンズシフト量について、トラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットの大きさを式(1)により求めた。そして、図13では、プラス方向にオフセットした場合のオフセット量の最大値と、マイナス方向にオフセットした場合のオフセット量の最大値とをそれぞれプロットした。加えて、それぞれについて干渉があるとした場合のシミュレーション結果と、ないとした場合のシミュレーション結果とを示した。その他、光学系3の光学倍率を15倍とし、光ディスク11を層間距離が10μmの2層光ディスクとし、メインビーム受光面S1aの一辺の長さxを100μmとした。
各信号は次のようにして求めた。すなわち、まずメインプッシュプル信号MPP及びメインサム信号SUMmは、メインビームMBの強度を受光領域1Aa及び1Baでそれぞれ面積分することにより求めた。なお、メインプッシュプル信号MPP及びメインサム信号SUMmを求める際には、迷光成分及び干渉成分は考慮していない。すなわち、このメインプッシュプル信号MPP及びメインサム信号SUMmは、迷光の影響がない理想的な信号である。
次に、メインプッシュプル信号MPP及びメインサム信号SUMmの振幅をそれぞれ1/10にした信号を取得し、メインビームMBの迷光によって生ずるプッシュプル信号PPSTRAY及びサム信号SUMSTRAYをそれぞれ加算することにより、干渉がないとした場合のメインプッシュプル信号MPP'及びメインサム信号SUMm'を求め、干渉がない場合のサブプッシュプル信号SPP及びサブサム信号SUMsとして用いた。具体的には式(10)及び式(11)により求めた。なお、プッシュプル信号PPSTRAY及びサム信号SUMSTRAYは、メインビームMBの迷光の強度を受光領域1Aa及び1Baでそれぞれ面積分することにより求めた。
Figure 2010080043
一方、干渉があるとした場合には、メインプッシュプル信号MPP及びメインサム信号SUMmの振幅を1/10にした信号と迷光の干渉シミュレーションを行い、メインプッシュプル信号MPP''及びメインサム信号SUMm''を求め、干渉がある場合のサブプッシュプル信号SPP及びサブサム信号SUMsとして用いた。近似的には、式(10)及び式(11)にさらに干渉成分を加算した形に書け、式(12)及び式(13)のように表される。ただし、φ,φは干渉光間の位相差である。
Figure 2010080043
さて、干渉がないとすると、図13に示すように、幅wによらずオフセット量は低いレベルにとどまり、ほとんど変化がない。一方、干渉があるとすると、w≧50μmでは極めて大きなオフセット量が生じているが、幅wが小さくなるに従ってオフセット量が小さくなる。オフセット量がこのように振る舞う原因としては、以下のことが挙げられる。
式(12)の干渉成分はΔMPP=((1/10)・I1Ba・I1Ba_STRAY0.5・cosφ−((1/10)・I1Aa・I1Aa_STRAY0.5・cosφである。幅wを小さくすると、ΔMPPのメインビームMBの成分I1Ba,I1Aaが小さくなる以上に、迷光成分I1Ba_STRAY,I1Aa_STRAYが小さくなる。これが、幅wを小さくすることで干渉により生じるオフセット量が減少する原因となっている。単純のため、例えば迷光受光面を用いてサム信号の迷光成分を補正して、サム信号に迷光成分がない場合、即ち、SUMm''≒SUMm/10を考えると、幅wを小さくすると、サム信号はメインビームMBの強度が小さくなる要因だけである。仮に、ΔMPPの迷光成分I1Ba_STRAY,I1Aa_STRAYもメインビームMBと同じ比で小さくなるとすると、掛け算の平方根となっているため、小さくなる比はΔMPPとサム信号で等しくなり、干渉の影響は幅wを小さくしても変化しない。しかし、上記のように迷光成分がより小さくなるため、干渉の影響で生じるオフセット変位量は、幅wを小さくすると減少し、オフセット量は減少する。これは、迷光の強度I1Ba_STRAY,I1Aa_STRAYは局所的には強度分布は一定とみなせ、幅wを小さくすると、ほぼその比で小さくなるのに対して、メインビームMBの強度I1Ba,I1Aaは、ガウス分布より、スポット光サイズの中央部分は強度が大きくなっていることにより、幅wを小さくした比では小さくならないためである。
また、ΔMPPにおいて、幅wを小さくすると、局所的には、I1Ba_STRAY≒I1Aa_STRAY、φ≒φとみなせるため、レンズシフト時の変動要因が小さくなっているということもある。
また、式(12)の干渉成分は、サブビーム強度とメインビームの迷光強度の積の平方根が入った形となっているため、メインビームとサブビームの強度比をk(ここではk=10)とすると、結局、式(9)において、サブビーム信号成分とメインビーム迷光成分の干渉成分は、メインビーム信号成分とメインビーム迷光成分の干渉成分と比べて、kの平方根が掛けられた形で書ける。よって、メインビームとサブビームの強度比kが大きい場合は、干渉の影響はサブビーム受光領域の方がメインビーム受光領域に対して、kの平方根倍されて大きくなり、支配的であることが分かる。これまでの説明では、幅wを小さくすることによって、トラッキング誤差信号のプッシュプル振幅を大きくでき、その結果オフセット量低減ができるため、メインビーム受光領域、サブビーム受光領域両方のパターンで幅wを小さくすることがより効果的であった。ところで、レンズシフト時に発生するトラッキング誤差信号のオフセットを考える場合、メインビームの迷光は、レンズシフト発生時に2つのサブビーム用受光領域間で対称性をなくすので、サブビーム信号光との干渉成分が対称性を失うことにより、オフセット発生の要因となると考えられる。つまり、メインビームの迷光とサブビーム信号の干渉によるものが支配的であるという観点から考えると、特にメインビームとサブビームの強度比kが大きい場合は、干渉の影響はサブビーム受光領域の方がメインビーム受光領域に対して、kの平方根倍されて大きくなり、支配的であるので、幅wを小さくすることをサブパターンのみで行っても十分にオフセット量低減が行える。ただし、メインビームとサブビームの強度比が小さくなったり、メインパターンの方でも光ディスクの多層化などで、メインビームMBによる迷光強度が大きくなってきたりして、メインビームとメインビームの迷光との干渉によるオフセット変位量も大きくなってくる場合は、メインパターンの幅wもサブパターン同様に小さくして、干渉オフセット変位量を低減したほうがよい。
幅wを小さくすることによる干渉オフセット変位量の低減は、図12、13の結果からも説明できる。図12にプッシュプル振幅の幅w依存性を示しているが、図13の干渉オフセット量は、幅wを小さくすることによって、プッシュプル振幅が大きくなる比率以上に小さくなっている。このことからも、幅wを小さくすることによって、プッシュプル振幅が大きくなる要因以外にも干渉オフセット変位量が小さくなり、干渉オフセット量が小さくなっていることが分かる。
以上、メインパターンを用いて、信号強度を1/10にしてサブビーム強度と同じにして干渉による影響を検証したが、このことから、メインビームとサブビームの強度比が大きい場合は、トラッキング誤差信号TEのオフセット量低減効果は、サブビームSB1,SB2とメインビームMBの迷光とが干渉する場合に顕著に現れるということが言えることになる。ここでは、正規化した場合について述べたが、正規化しない場合についても同様なことが言える。
ところで、上記シミュレーションは、単に干渉の影響を見る目的であったため、メインパターンでの迷光との干渉をみてきたが、実際は、サブパターンでのサブビームSB1,SB2と迷光についてシミュレーションする必要がある。図14は、そのようにして各信号を求めるシミュレーションにより、トラッキング誤差信号TEのオフセット量を求めた結果を示す図である。なお、この場合、サブビームSB1,SB2と迷光との干渉成分を考慮するシミュレーションは実施できていない。
図14から理解されるように、このシミュレーションでも、幅wによらずオフセット量は低いレベルにとどまり、ほとんど変化がない。この結果により、幅wを小さくすることでオフセットに悪影響が与えられることはないということが確認された。
なお、トラッキング誤差信号生成部61は、受光面ごとにプッシュプル信号の正規化を行うこととしてもよい。この場合、トラッキング誤差信号生成部61は、受光領域2Aa及び2Baの各受光量に基づいてサブプッシュプル信号SPP2(第3のプッシュプル信号)とサブサム信号SUMs2(第3のサム信号)を生成し、サブプッシュプル信号SPP2をサブサム信号SUMs2を用いて正規化することにより正規化サブプッシュプル信号SPPN2(第3の正規化プッシュプル信号)を生成する。さらに、受光領域3Aa及び3Baの各受光量に基づいてサブプッシュプル信号SPP3(第4のプッシュプル信号)とサブサム信号SUMs3(第4のサム信号)を生成し、サブプッシュプル信号SPP3をサブサム信号SUMs3を用いて正規化することにより正規化サブプッシュプル信号SPPN3(第4の正規化プッシュプル信号)を生成する。そして、正規化サブプッシュプル信号SPPN2と正規化サブプッシュプル信号SPPN3とに基づいてトラッキング誤差信号TEを生成する。
具体的には、トラッキング誤差信号生成部61は、次の式(14)〜式(20)の演算を行って正規化サブプッシュプル信号SPPN2及びSPPN3を生成する。式(20)において、通常はk=1/2となるが、このkはメインとサブのレンズシフト時のオフセットが打ち消されるように決定される。
Figure 2010080043
以上のようにしてトラッキング誤差信号TEを生成しても、上記同様に、トラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットを低減することが可能である。
また、式(9)、式(20)に代えて式(21)によりトラッキング誤差信号TEを生成しても、上記同様に、トラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットを低減することが可能である。ここで、定数kは通常はメイン信号とサブ信号の強度比で決まる値であるが、上記のように、メインとサブのレンズシフト時のオフセットが打ち消されるように決定される。
Figure 2010080043
[第3の生成処理]
第3の生成処理では、受光領域1Aa,1Ba,2Aa,2Ba,3Aa,3Ba,1Ab,2Ab,3Ab,4Ab,5Ab,6Abを用いる。この生成処理は、迷光によって生ずるメインサム信号SUMm及びサブサム信号SUMsのオフセットを、迷光のみを受光する受光領域の受光量によってキャンセルしようとするものである。
第1補正部65は、受光領域1Ab,2Ab,3Ab,4Ab,5Ab,6Abの各受光量に基づいて、式(3)及び式(7)により求められる各サム信号を補正する。具体的には、式(22)及び式(23)により補正処理を行う。ただし、SUMmAは補正後のメインサム信号、SUMsAは補正後のサブサム信号である。また、定数k〜kは、各サム信号のオフセット(迷光成分)が最も小さくなるように予め決められる。
Figure 2010080043
このようにして補正した各サム信号では、補正前に比べ、迷光成分が小さくなっている。したがって、補正後の各サム信号を用いて式(4)及び式(8)の算出を行うことにより、トラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットの量を低減することが可能になる。
即ち、サム信号に含まれる迷光は合焦層以外からの反射光であるため、合焦層からのサム信号の変動要因とは独立しているため、正規化の効果が十分に得られず、オフセットの要因となっている。特に、サブのサム信号では、サブビーム強度は弱いため、迷光の比率が高くなり、それに応じて定数kも大きくする必要がでてくるため、余計にサム信号に含まれる迷光成分の変動が強調されることになる。よって、サム信号の迷光成分は補正するのが好ましい。
なお、ここではメインサム信号とサブサム信号の両方を補正する例を説明したが、どちらか一方の補正だけであってもトラッキング誤差信号TEのオフセット量低減効果はある程度得られる。したがって、どちらか一方だけを補正することとしてもよい。上記のように、迷光の影響は特にサブサム信号に顕著に現れるので、サブサム信号を補正することは、より好ましい。
また、式(7)ではなく式(15)と式(18)によりサブサム信号を生成する場合には、第1補正部65は、サブサム信号SUMs2を受光領域3Ab及び4Abの各受光量に基づいて補正し、サブサム信号SUMs3を受光領域5Ab及び6Abの各受光量に基づいて補正することとすればよい。具体的には、式(24)及び式(25)により補正処理を行う。このようにすれば、式(15)と式(18)によりサブサム信号を生成する場合であっても、上記同様の効果が得られる。
Figure 2010080043
[第4の生成処理]
第4の生成処理では、第3の生成処理と同様、受光領域1Aa,1Ba,2Aa,2Ba,3Aa,3Ba,1Ab,2Ab,3Ab,4Ab,5Ab,6Abを用いる。そして、迷光によって生ずるメインサム信号SUMm及びサブサム信号SUMsのオフセットに加え、同じくメインプッシュプル信号MPP及びサブプッシュプル信号SPPに生ずるオフセットもキャンセルできるようにする。
第1補正部65が各サム信号を上述した式(22)及び式(23)により補正する点は上記同様である。ここでは、第1補正部65はさらに、受光領域1Ab,2Ab,3Ab,4Ab,5Ab,6Abの各受光量に基づいて、式(2)及び式(6)により求められる各プッシュプル信号も補正する。具体的には、式(26)及び式(27)により補正処理を行う。ただし、MPPAは補正後のメインプッシュプル信号、SPPAは補正後のサブプッシュプル信号である。また、定数k〜kは、各プッシュプル信号のオフセットが最も小さくなるよう、実験により最適化する。
Figure 2010080043
このようにして補正した各プッシュプル信号では、補正前に比べ、迷光によって生ずるオフセットが小さくなっている。したがって、補正後の各プッシュプル信号及び各サム信号を用いて式(4)及び式(8)の算出を行うことにより、トラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットの量をさらに低減することが可能になる。
なお、ここでは各プッシュプル信号及び各サム信号のすべてを補正する例を説明したが、必ずしもすべてを補正する必要があるわけではなく、どの信号を補正するかは、実験の結果を見て適宜決定すべき問題である。したがって、実験の結果によっては、サブプッシュプル信号SPPとサブサム信号SUMsのみを補正する場合などがあり得る。
また、式(6)ではなく式(14)と式(17)によりサブプッシュプル信号を生成する場合には、第1補正部65は、サブプッシュプル信号SPP2を受光領域3Ab及び4Abの各受光量に基づいて補正し、サブプッシュプル信号SPP3を受光領域5Ab及び6Abの各受光量に基づいて補正することとすればよい。具体的には、式(28)及び式(29)により補正処理を行う。このようにすれば、式(14)と式(17)によりサブプッシュプル信号を生成する場合であっても、上記同様の効果が得られる。
Figure 2010080043
[第5の生成処理]
第5の生成処理では、図8に示したすべての受光領域を用いる。この生成処理は、スポットが信号光接線方向に横ずれした場合に備え、横ずれの影響を補正しようとするものである。
典型的な例では、第2補正部66が、受光領域1Ca,1Da,1Ea,及び1Faの各受光量に基づいて、式(4)により求められる正規化メインプッシュプル信号MPPNを補正する。具体的には、式(30)により補正処理を行う。ただし、MPPNAは補正後の正規化メインプッシュプル信号MPPNである。また、定数kは、横ずれによって正規化メインプッシュプル信号に生ずるオフセットが最も小さくなるよう、実験により最適化する。
Figure 2010080043
式(30)の第2項カッコ内は、横ずれの量を反映しているので、式(30)により正規化メインプッシュプル信号から横ずれによって生ずるオフセットを好適に除去できることになる。
ここで、図15は、式(30)を用いて補正処理を行った場合のシミュレーション結果を示す図である。同図には、式(30)による補正前と補正後のトラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットの量を、横ずれの量ごとに示している。このシミュレーションではw=20μmとし、迷光及びレンズシフトは考慮していない。また、トラック中心の位置での正規化メインプッシュプル信号をシミュレーションし、ゼロからの変位をオフセットとした。図15の結果から、補正処理によりオフセット量が低減していることが理解される。
また、図16は、式(9)において、横ずれ量5μmであって、光ビームの焦点がトラック中心にある場合のオフセット量を、幅wごとに示したものである。同図の結果から、幅w≦25μmの範囲では、幅wが小さいほどオフセット量が小さくなっていることが理解される。又、この場合、幅w≦10μmの範囲では、幅w=50μm(ビーム径)の場合と比較して同等以下のオフセット量となるので、幅がビーム径の20%未満において、位置ずれの問題は起き難い。
さらに、第2補正部66は、横ずれによって正規化メインプッシュプル信号MPPNに生ずるオフセットを除去するために、受光領域1Ca,1Da,1Ea,1Faの各受光量に加え、さらに受光領域1Bb,1Cb,2Bb,2Cbの各受光量にも基づいて正規化メインプッシュプル信号MPPNを補正する。具体的には、次の式(31)により正規化メインプッシュプル信号MPPNを補正する。なお、定数k,k,k10は、横ずれによって正規化メインプッシュプル信号MPPNに生ずるオフセットが最も小さくなるよう、実験により最適化する。また、それぞれの受光領域に対して、個別に補正を行ってもよい。
Figure 2010080043
他にも、第2補正部66による補正処理には様々なパターンが考えられる。1つ目のパターンでは、第2補正部66は、横ずれによって正規化サブプッシュプル信号SPPNに生ずるオフセットを除去するために、受光領域2Ca,2Da,3Ca,3Da,2Ea,2Fa,3Ea,及び3Faの各受光量に基づいて正規化サブプッシュプル信号SPPNを補正する。具体的には、式(32)により正規化サブプッシュプル信号SPPNを補正する。ただし、SPPNAは補正後の正規化メインプッシュプル信号SPPNである。なお、定数k11は、横ずれによって正規化サブプッシュプル信号SPPNに生ずるオフセットが最も小さくなるよう、実験により最適化する。
Figure 2010080043
2つ目のパターンでは、第2補正部66は、横ずれによって正規化サブプッシュプル信号SPPNに生ずるオフセットを除去するために、受光領域2Ca,2Da,3Ca,3Da,2Ea,2Fa,3Ea,及び3Faの各受光量に加え、さらに受光領域3Bb,3Cb,4Bb,4Cb,5Bb,5Cb,6Bb,及び6Cbの各受光量にも基づいて正規化サブプッシュプル信号SPPNを補正する。具体的には、式(33)により正規化サブプッシュプル信号SPPNを補正する。なお、定数k12,k13,k14は、横ずれによって正規化サブプッシュプル信号SPPNに生ずるオフセットが最も小さくなるよう、実験により最適化する。また、それぞれの受光領域に対して、個別に補正を行っても良い。
Figure 2010080043
3つ目のパターンは、式(14)〜式(19)の演算を行って正規化サブプッシュプル信号SPPN2及びSPPN3を生成する場合に適用されるものである。第2補正部66は、横ずれによって正規化サブプッシュプル信号SPPN2に生ずるオフセットを除去するために、受光領域2Ca,2Da,2Ea,及び2Faの各受光量に基づいて正規化サブプッシュプル信号SPPN2を補正する。具体的には、式(34)により正規化サブプッシュプル信号SPPN2を補正する。ただし、SPPN2Aは補正後の正規化メインプッシュプル信号SPPN2である。なお、定数k15は、横ずれによって正規化サブプッシュプル信号SPPN2に生ずるオフセットが最も小さくなるよう、実験により最適化する。
Figure 2010080043
また、第2補正部66は、横ずれによって正規化サブプッシュプル信号SPPN3に生ずるオフセットを除去するために、受光領域3Ca,3Da,3Ea,及び3Faの各受光量に基づいて正規化サブプッシュプル信号SPPN3を補正する。具体的には、式(35)により正規化サブプッシュプル信号SPPN3を補正する。ただし、SPPN3Aは補正後の正規化メインプッシュプル信号SPPN3である。なお、定数k16は、横ずれによって正規化サブプッシュプル信号SPPN3に生ずるオフセットが最も小さくなるよう、実験により最適化する。
Figure 2010080043
なお、上記のようにして正規化サブプッシュプル信号SPPN2又はSPPN3を補正するにあたり、第2補正部66は、さらに受光領域3Bb,3Cb,4Bb,4Cb,5Bb,5Cb,6Bb,及び6Cbの各受光量にも基づいて正規化サブプッシュプル信号SPPN2又はSPPN3を補正することとしてもよい。一例としては、式(36)や式(37)により正規化サブプッシュプル信号SPPN2又はSPPN3を補正することとしてもよい。なお、定数k15〜k20はそれぞれ、横ずれによって正規化サブプッシュプル信号SPPN2及びSPPN3に生ずるオフセットが最も小さくなるよう、実験により最適化する。また、それぞれの受光領域に対して、個別に補正を行っても良い。
Figure 2010080043
[第6の生成処理]
第6の生成処理では、メインビーム受光面S1a内の各受光領域を用いる。この生成処理は、受光領域1Aaと受光領域1Ca及び1Daとの間等に所定距離g1の間隙を設けたことを利用するものである。
トラッキング誤差信号生成部61は、受光領域1Aa及び1Baの各受光量に基づいてプッシュプル信号XPP(第1のプッシュプル信号)及びサム信号SUMx(第1のサム信号)を生成し、プッシュプル信号XPPをサム信号SUMxを用いて正規化することにより正規化プッシュプル信号XPPNを生成する。また、トラッキング誤差信号生成部61は、受光領域1Ca〜1Faの各受光量に基づいてプッシュプル信号YPP(第5のプッシュプル信号)及びサム信号SUMy(第5のサム信号)を生成し、プッシュプル信号YPPをサム信号SUMyを用いて正規化することにより正規化プッシュプル信号YPPNを生成する。そして、これらの各信号を用いてトラッキング誤差信号TEを生成する。
具体的には、トラッキング誤差信号生成部61は、次の式(38)〜式(44)の演算を行ってトラッキング誤差信号TEを生成する。
Figure 2010080043
ここで、図17は、レンズシフトによって生ずるオフセットの量を、w=10μm,w=20μm,w≧50μmの場合の各正規化プッシュプル信号XPPNと、w+2g1=10μm,20μmの場合の各正規化プッシュプル信号YPPNとについて、対レンズシフト量(mm)で示した図である。同図に示すように、正規化プッシュプル信号YPPNでは、正規化プッシュプル信号XPPNに比べるとレンズシフトによって生ずるオフセットの量が大きくなっている。
また、図18は、図17と同様の各正規化プッシュプル信号XPPN及び各正規化プッシュプル信号YPPNを、対ディスク位置(μm)でプロットした図である。同図に示すように、正規化プッシュプル信号XPPNでは、正規化プッシュプル信号YPPNに比べると振幅が大きくなっている。
図17及び図18から理解されるように、正規化プッシュプル信号XPPNと正規化プッシュプル信号YPPNとでは、レンズシフトによって生ずるオフセットの量の大小関係と、振幅の大小関係とが逆になっている。したがって、定数k21を小さくして、式(44)のようにトラッキング誤差信号TEを生成することで、式(5)によってトラッキング誤差信号TEを生成する場合に比べ、正規化プッシュプル信号YPPNで発生するオフセットの量を小さくすることができる。
なお、式(44)に代えて次の式(45)によりトラッキング誤差信号TEを生成するようにしてもよい。このようにしても、上記同様の効果が得られる。
Figure 2010080043
以上、トラッキング誤差信号生成部61によるトラッキング誤差信号TEの生成処理について、第1〜第6の生成処理を挙げて説明した。
次に、フォーカス誤差信号生成部62のフォーカス誤差信号生成処理について説明する。
フォーカス誤差信号生成部62は、メインビーム受光面S1aを構成する各受光領域のみを用いてフォーカス誤差信号FEを生成する。具体的には、次の式(46)の演算を行ってフォーカス誤差信号FEを生成する。
Figure 2010080043
ここで、図19は、光検出器5の上面図から、メインビーム受光面S1a部分のみを抜き出した図である。同図に示す例では、受光領域1Aa及び1Baの信号光接線方向中心線C1に沿って分割線を入れ、受光領域1AaL,1AaR,1BaL,及び1BaRを設けている。このようにした場合、フォーカス誤差信号生成部62は、式(46)に代えて次の式(47)の演算を行ってフォーカス誤差信号FEを生成することが好適である。ただし、図20に示すように、式(46)を用いたとしても特段問題が発生するわけではない。また、スポットが左右にずれたとしても、式(46)で算出されるフォーカス誤差信号FEへの影響はほとんどない。図20は、光学倍率15倍、メインビーム受光面S1aの大きさが100μm四方であるとして、式(47)と式(46)をシミュレーションした結果を示す図である。なお、このシミュレーションではw=10μm、g1=0μmとした。
Figure 2010080043
また、フォーカス誤差信号FEについても、トラッキング誤差信号と同様に正規化してもよい。
次に、プルイン信号生成部63のプルイン信号生成処理について説明する。
プルイン信号生成部63は、メインビーム受光面S1aを構成する各受光領域のうち、中央部分の受光領域1Aa及び1Baのみを用いてプルイン信号PIを生成する。具体的には、次の式(48)の演算を行ってプルイン信号PIを生成する。
Figure 2010080043
このように、受光領域1Aa及び1Baのみを用いてプルイン信号PIを生成することにより、対物レンズ制御部64においてプルイン信号PIの層間分離が容易になるという効果が奏される。以下、詳しく説明する。
図21は、式(47)により生成したフォーカス誤差信号FE、及び式(48)により生成したプルイン信号PIのシミュレーション結果を、対焦点距離(μm)でプロットしたものである。プルイン信号PIについては、幅w=10μm,100μmの2通りの場合を示している。ただし、幅w=10μmの場合のプルイン信号PIについては5倍している。フォーカス誤差信号FEは、幅w=100μmの場合のみを示している。その他、光学系3の光学倍率を15倍とし、光ディスク11を層間距離が10μmの2層光ディスクとし、メインビーム受光面S1aの一辺の長さxを100μmとしてシミュレーションを行った。
図21において、フォーカス誤差信号FEがプラス側からマイナス側にゼロクロスする焦点距離(2箇所)が、記録面に焦点が合う焦点距離である。プルイン信号PIは、この2箇所の焦点距離付近にピークを有しているが、幅w=10μmのプルイン信号PIは、幅w=100μmのプルイン信号PIに比べ、2箇所の焦点距離の間での信号の落ち込みが大きくなっている。したがって、対物レンズ制御部64がフォーカスサーボを行う際、プルイン信号PIによる層間分離が容易になっていると言えることになる。従って、フォーカスサーボが安定し、かつ、合焦面の信号を検出しやすくなる。
以上、フォーカス誤差信号生成部62及びプルイン信号生成部63の信号生成処理について説明した。
以上説明してきたように、本実施の形態の光学ドライブ装置1を用いることにより、トラッキング誤差信号TEに様々な要因によって生ずるオフセットの量を低減できる。また、フォーカスサーボの際の層間分離も容易になる。
以下、光学ドライブ装置1を用いることによるその他の効果について説明する。
また、光ディスクによっては、データが記録済みの領域(記録領域)と未記録の領域(未記録領域)とで反射率が違う。例えばBDでは、記録領域側の反射率は未記録領域側の反射率の60%以下となる。そのために記録領域と未記録領域の境界(記録境界)でトラッキング誤差信号TEにオフセットが生ずることがある。光学ドライブ装置1によれば、このようなオフセットも低減できる。以下、詳しく説明する。
まず、信号光スポットに現れる記録境界による回折光について説明する。
一般に、記録境界による回折光は、トラックジャンプの際にトラックピッチより長い周期(例えば2倍)で現れることが知られている。図22は、複数のトラックから構成される光ディスク11記録面の断面の端面と、記録境界の模式図と、対物レンズ4と、光ビーム(入射光,反射光(0次回折光、トラックでの±1次回折光、記録境界での±1次回折光))とを示している。
図22に示すように、記録境界での±1次回折光の回折角は、トラックでの±1次回折光の回折角に比べて小さくなっている。これは、上述したように、トラックジャンプの際に記録境界で回折される周期が、トラックピッチより長いためである。各回折光がこのような回折角を有するため、記録境界での±1次回折光は、0次回折光及びトラックでの±1次回折光と干渉する。
図23は、図22で示した光ビームのメインビームが、メインビーム受光面S1aに形成するスポットを示している。同図に示すように、このスポットには、干渉領域F1〜F3が現れる。
干渉領域F1は、0次回折光と記録境界での±1次回折光の3つの光が互いに干渉し合っている領域である。干渉領域F2は、0次回折光と記録境界での±1次回折光それぞれとの干渉領域である。干渉領域F3は、上述したプッシュプル領域E1,E2と記録境界での±1次回折光との干渉領域である。
図24は、干渉領域ごとに、メインビーム受光面S1aの上下分割線(図中の線B1)の上下の領域の差動信号の振幅を対ディスク位置(μm)で示したものである。同図では、横軸中央に記録境界が存在している。同図に示すように、干渉領域F2及びF3の差動信号は記録境界付近でプラスとなっている。一方、干渉領域F1の差動信号は記録境界付近でマイナスになっている。差動信号のこれらの変動は、記録境界の存在によるオフセットである。
メインビーム受光面S1a全体を用いてメインプッシュプル信号MPPを生成する場合、干渉領域F1〜F3の各差動信号の合計がほぼメインプッシュプル信号MPPに一致することになるが、図24に示すように記録境界で差動信号にオフセットが生じ、かつ干渉領域F1のオフセットの絶対値は干渉領域F2,F3のオフセットの絶対値に比べて小さいので、オフセットは相殺されず、メインプッシュプル信号MPPにも記録境界のオフセットは残存することになる。
一方、例えば式(2)を用いてメインプッシュプル信号MPPを生成する場合、幅wが小さいほど、メインプッシュプル信号MPPの生成に使用する受光領域全体に占める干渉領域F1の割合が増加する。したがって、干渉領域F1の差動信号のマイナス分の寄与が大きくなり、記録境界の存在によってメインプッシュプル信号MPPに生ずるオフセットは小さくなる。したがって、幅wが小さいほど、記録境界でのトラッキング誤差信号TEのオフセットも低減されることになる。
次に、迷光スポットに現れる記録境界について説明する。
通常、光ディスク上の記録境界は光ディスクの接線方向に平行であるため、反射光が光検出器5上に形成するスポット内では、上述したレンズシフト基準線に平行に記録境界が現れる。
図6に示したように、迷光スポットのレンズシフト基準線は、概ねY軸(信号光半径方向)に平行である。したがって、メインプッシュプル信号やサブプッシュプル信号に関しては、その算出過程で迷光スポット内の記録境界の影響はほぼキャンセルされる。一方、メインサム信号やサブサム信号には、迷光スポットの記録境界によってオフセットが生ずる。メインサム信号に関しては迷光に比してメインビームの強度が十分に強いためほとんど問題にならないが、サブサム信号はこのオフセットによって大きく変動し、トラッキング誤差信号TEの精度に影響する。
ところで、迷光スポットのレンズシフト基準線が概ねY軸に平行であるため、受光領域2Aa,2Ba,3Ab,4Abに現れる記録境界の影響は相互にほぼ等しくなる。同様に、受光領域3Aa,3Ba,5Ab,6Abに現れる記録境界の影響も相互にほぼ等しくなる。したがって、上述した式(23)により、各迷光受光面の信号光接線方向の幅及び位置を、対応するサブビーム受光面のそれと同一にすることによって、迷光スポットの記録境界によってサブプッシュプル信号SUMsに生ずるオフセットをキャンセルすることが可能になる。その結果、記録境界でのトラッキング誤差信号TEのオフセットも低減されることになる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、光学系の構成によっては、図25のような光検出器を用いることも可能である。この光検出器は、メインパターンとサブパターンの間に十分なスペースがとれない場合に用いるものであり、サブ信号の補正を優先してサブパターンと信号光接線方向の幅、位置が同一となるように配置されている。つまり、サブ信号のみ迷光受光面を用いてサム信号の迷光成分の補正を行うようにしてもよい。
この光検出器を用いる場合にも、上記実施の形態と同様に各種信号を算出することで、トラッキング誤差信号TEのオフセットを低減することが可能である。以下、具体的な各種信号の生成処理について説明する。
例えば、式(23)及び式(27)は、それぞれ次の式(49)及び式(50)に置き換えて使用する。この置き換えはつまり、式(23)及び(26)において、受光領域4Abの出力信号に代えて受光領域7Abの出力信号を、受光領域5Abの出力信号に代えて受光領域8Abの出力信号をそれぞれ用いるようにしたものである。このようにして各種信号を生成することによっても、トラッキング誤差信号TEのオフセットを低減することが可能になる。
Figure 2010080043
また、受光領域1Aa等の各受光面の中央に位置する受光領域の幅について、上記実施の形態では同一であるとした。各正規化プッシュプル信号について、同一の条件でオフセット量を低減するためであるが、必ずしも同一でなくともよい場合があり得る。このような場合の例としては、メインビームMBとサブビームSB1,SB2とでスポットの直径が異なる場合や、メインビーム受光面S1aではプルイン信号PIの層間分離を重視して、サブビーム受光面S2a,S3aとは異なった幅にする場合などが挙げられる。したがって、各受光領域の幅は、光学ドライブ装置1のその他の構成に基づいて適宜調節することが好ましい。
E1,E2 プッシュプル領域
F1〜F3 干渉領域
S1a メインビーム受光面
S2a,S3a サブビーム受光面
S1b〜S8b 迷光受光面
1Aa〜1Fa,2Aa〜2Fa,3Aa〜3Fa,1Ab〜1Cb,2Ab〜2Cb,3Ab〜3Cb,4Ab〜4Cb,5Ab〜5Cb,6Ab〜6Cb,7Ab〜7Cb,8Ab〜8Cb 受光領域
1 光学ドライブ装置
2 レーザ光源
3 光学系
4 対物レンズ
5 光検出器
6 処理部
7 CPU
11 光ディスク
21 回折格子
22 ビームスプリッタ
23 コリメータレンズ
24 1/4波長板
25 センサレンズ
61 トラッキング誤差信号生成部
62 フォーカス誤差信号生成部
63 プルイン信号生成部
64 対物レンズ制御部
65 第1補正部
66 第2補正部

Claims (3)

  1. 多層化光ディスクに照射する光ビームを0次回折光及び±1次回折光に分割する回折格子と、
    前記+1次回折光の反射光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線に対して線対称となるよう形成され、さらに該直線により第2A及び第2Bの信号光受光領域に分割された第2の信号光受光面、及び
    前記−1次回折光の反射光のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線に対して線対称となるよう形成され、さらに該直線により第3A及び第3Bの信号光受光領域に分割された第3の信号光受光面とを有する光検出器とを備え、
    前記第2の信号光受光領域と第3Aの信号光受光領域とは、対応する前記各直線をそれぞれ境界として同一側の領域に対応し、前記第2Bの信号光受光領域と第3Bの信号光受光領域とは、対応する前記各直線をそれぞれ境界として同一側の領域に対応し、
    前記第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第2のプッシュプル信号を生成し、前記第2のプッシュプル信号に基づいてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段を備え、
    前記第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の信号光接線方向の各幅が前記各スポットの直径より短いことを特徴とする光学ドライブ装置。
  2. 前記トラッキング誤差信号生成手段は、前記第2A,第2B,第3A,及び第3Bの信号光受光領域の受光量に基づいて第2のサム信号を生成し、前記第2のプッシュプル信号を前記第2のサム信号を用いて正規化することにより第2の正規化プッシュプル信号を生成し、前記第2の正規化プッシュプル信号に基づいてトラッキング誤差信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光学ドライブ装置。
  3. 前記トラッキング誤差信号生成手段は、
    前記第2A,第2Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第3のサム信号を生成し、前記第2のプッシュプル信号のうち前記第2A,第2Bの信号光受光領域の各受光量に基づく成分を前記第3のサム信号を用いて正規化することにより第3の正規化プッシュプル信号を生成し、
    前記第3A,第3Bの信号光受光領域の各受光量に基づいて第4のサム信号を生成し、前記第2のプッシュプル信号のうち前記第3A,第3Bの信号光受光領域の各受光量に基づく成分を前記第4のサム信号を用いて正規化することにより第4の正規化プッシュプル信号を生成し、
    前記第3及び第4の正規化プッシュプル信号に基づいて前記トラッキング誤差信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光学ドライブ装置。
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