JP2009181680A - 光学ドライブ装置及び光検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズシフトによりトラッキング誤差信号に生ずるオフセットをキャンセルすること。
【解決手段】光学ドライブ装置は、多層化された光ディスクの記録面で反射した光ビームを受光する光検出器と、光ビームに含まれる迷光が光検出器上に形成するスポットのレンズシフトによる変化量を測定する変化量測定部62と、変化量測定部62の測定結果を用いてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成部63と、を備えることを特徴とする。これによれば、レンズシフトによって迷光スポットに生ずる変化量を測定しているので、その結果を用いてトラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットをキャンセルすることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は光学ドライブ装置及び光検出器に関し、特に、記録層が多層化された光ディスクに好適な光学ドライブ装置及び光検出器に関する。
CD(Compact Disc)、DVD、HD−DVD、BD(Blu-ray Disc(登録商標))等の光ディスクの再生や記録を行うための光学ドライブ装置は光ピックアップを備えている。光ピックアップは、光ビームを生成し、対物レンズによって光ディスクの記録面上に収束させる往路光学系と、光ディスクの記録面で反射した光ビームを受光する光検出器を含む復路光学系とを有している。
光ビームの焦点位置は光ディスクの記録面上に形成されているトラックの中心に合っている必要があるため、光学ドライブ装置は光ディスク半径方向の焦点位置のずれを調整するためのトラッキングサーボと呼ばれる制御(例えば特許文献1に記載される差動プッシュプル法や特許文献2に記載される1プッシュプル法による制御)を行う。以下、このトラッキングサーボについて簡単に説明する。
図45(a)には、複数のランドLとグルーブGから構成される光ディスク11記録面の断面の端面と、対物レンズ100と、光ビーム(入射光,反射光(0次回折光、±1次回折光))とを示している。同図に示すように、0次回折光と±1次回折光とは、干渉領域E1及びE2で干渉している。
次に、図46は、光ディスク11記録面で反射した光ビームを受光する光検出器101の受光面を示す図である。同図に示すように、光ディスク11記録面で反射した0次回折光は光検出器101の中心にスポットを形成する。このスポットは、光路中に配置される各種レンズにより四角形や円形など様々な形となるが、ここでは四角形のスポットを描いている。
図46に示すように、光検出器101の受光面は正方形であり、上下に分割されている。このような分割の結果、上側の受光領域101Aは干渉領域E1を受光し、下側の受光領域101Bは干渉領域E2を受光することになる。
光ビームを受光した光検出器101は、受光領域ごとに、光ビームの強度を受光面で面積分して得られる値(受光量)の振幅を有する信号を出力する。以下では、各受光領域101A,101Bに対応する出力信号を、それぞれI101A,I101Bとする。
干渉領域E1及びE2の光強度は0次回折光と±1次回折光との位相差に応じた値となるが、この位相差は記録面上の凹凸によって変化する。したがって、入射光の焦点位置が光ディスク半径方向、すなわちトラックを横切る方向(図45(a)の横方向)に移動する場合(以下、この移動をトラックジャンプという。)、移動に伴って0次回折光と±1次回折光との位相差が変化し、干渉領域E1及びE2の光強度が変化する。その結果、上記各出力信号も変化する。
図45(b)は、そのような各出力信号の変化を示している。同図に示すように、出力信号I101A,I101Bは所定値aを中心として互いに逆位相の変化を示し、その加算信号I101A+I101Bは常に一定値2aとなる。
一方、出力信号の減算信号I101A−I101B(以下、トラッキング誤差信号TEという。)は、入射光の焦点位置がランドL又はグルーブGの中心にある場合に0となり、その他の場合には0以外の値となる。トラッキングサーボはこのようなトラッキング誤差信号TEの性質を用いるもので、光学ドライブ装置は、トラッキング誤差信号TEの値が0となるように上記対物レンズの位置を制御することによって、光ディスク半径方向の焦点位置のずれを調整する。
特開平4−168631号公報 特開2007−335047号公報
ところで、トラッキングサーボにより対物レンズの位置が移動する(以下、この移動をレンズシフトという。)と、それに伴って光検出器101上に形成されるスポットの範囲と強度中心が図46に示したY方向にシフトする。そのため、トラッキング誤差信号TEにオフセットが生じてしまい、トラッキングサーボの精度が悪化するという問題がある。
ここで、レンズシフトによるスポット範囲と強度中心のシフトについて説明しておく。
初めに、図47は、光ディスク11の再生及び記録を行うための光学ドライブ装置の模式図である。同図に示すように、光学ドライブ装置は、対物レンズ100及び光検出器101の他、レーザ光源102、ビームスプリッタ104、コリメータレンズ105、1/4波長板106、センサレンズ107を備えて構成される。
レーザ光源102から出射された光ビームは、ビームスプリッタ104により反射されて光ディスク11方向に進み、コリメータレンズ105により平行光となった後1/4波長板106を通過して、対物レンズ100により光ディスク11記録面で集光する。
光ディスク11記録面で反射した光ビームは、対物レンズ100により平行光となり、1/4波長板106を逆行してコリメータレンズ104に入射する。コリメータレンズ104は、入射してきた光ビームを光検出器101の受光面上に集光させる。センサレンズ107は、光検出器101の受光面上に集光する光ビームに非点収差を付与する。
図48(a)は、光検出器101の受光面がセンサレンズ107の合焦点に位置している場合に、該受光面上に形成されるスポットの光強度を等高線(強度中心の光強度Iの所定数倍)で示した図である。X軸とY軸の交点(原点)は受光面の中心であり、コリメータレンズ105はこの原点が焦点となるよう配置されている。また、スポットの範囲は対物レンズ100の直径によって決まり、対物レンズ100の直径は通常、光強度Iの77%までがスポットの範囲内となるよう設計されている。なお、光強度の等高線は、実際にはX軸方向がY軸方向に比べて長くなるが、図48並びに後に説明する図50では説明を簡単にするため真円形で描いている。
また、図48(b)には図48(a)のY軸上に対応する光強度を示している。同図に示すように、スポットの光強度は強度中心を中心とする正規分布で近似できる。
図48(a)の例はレンズシフトがない場合の例であるが、この場合同図に示すように、コリメータレンズ105の焦点とスポットの中心(スポット範囲の形状的な中心)と強度中心とはいずれも同じ位置にある。
レンズシフトがあると、対物レンズ100の光軸とコリメータレンズ105の光軸がずれることになる。図49はそのような状態での光ビームの様子を示したものである。レンズシフトがあると対物レンズ100の焦点の位置が移動するため、対物レンズ100を通過した光ビームが光ディスク11記録面上に形成するスポットは対物レンズ100の移動方向に移動する(トラッキングサーボはこの移動を利用するものである)。また、光ディスク11記録面で反射した光ビームがコリメータレンズ104を介して光検出器101の受光面に形成するスポットも対物レンズ100の移動方向に移動する。
図50(a)は、図49に示す例において、光検出器101の受光面上に形成されたスポットの光強度を、図48(a)と同様の等高線で示した図である。同図に示すように、レンズシフトがあると強度中心がとスポットの範囲がともにY軸方向に移動する。ただし、これらの移動量は一致せず、強度中心の移動量はスポット範囲の移動量に比べて大きくなる。その結果、強度中心とスポット中心が一致しなくなる。
また、図50(b)には図50(a)のY軸上に対応する光強度を示している。
以上のように、レンズシフトがあると、スポット範囲と強度中心がシフトする。このシフトはトラッキング誤差信号TEの値にオフセットを生じさせる。
図51は、対物レンズ100のシフト量とトラッキング誤差信号TEのオフセット量との関係を示す図である。同図に示すように、トラッキング誤差信号TEのオフセット量はシフト量にほぼ比例して変化する。なお、シフト量が0のときにはオフセット量=0となっている。
したがって、本発明の課題の一つは、レンズシフトによりトラッキング誤差信号に生ずるオフセットをキャンセルできる光学ドライブ装置及び光検出器を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明による光学ドライブ装置は、多層化された光ディスクの記録面で反射した光ビームを受光する光検出器と、前記光ビームに含まれる迷光が前記光検出器上に形成するスポットのレンズシフトによる変化量を測定する測定手段と、前記測定手段の測定結果を用いてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、を備えることを特徴とする。
これによれば、レンズシフトによって迷光スポットに生ずる変化量を測定しているので、その結果を用いてトラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットをキャンセルすることができる。
また、上記光学ドライブ装置において、前記光検出器は複数の迷光受光領域を備え、前記各迷光受光領域は、少なくとも1つ以上の迷光の合成プラス側領域及び合成マイナス側領域に少なくとも1つずつ設けられ、前記測定手段は、前記各迷光受光領域の受光量に基づいて前記変化量を測定することとしてもよい。これによれば、測定手段は、好適な変化量を得ることができる。なお、前記合成プラス側領域に設けられた迷光受光領域と前記合成マイナス側領域に設けられた迷光受光領域とは、レンズシフトがない場合のスポット中心に対して点対称であることとしてもよい。
また、上記光学ドライブ装置において、前記各迷光受光領域は、所定の迷光受光領域を前記各迷光のうちの少なくとも一部のレンズシフト基準線に基づいて分割してなる分割領域であることとしてもよい。これによれば、分割領域を迷光受光領域として用いることができる。
また、上記光学ドライブ装置において、前記光ビームは、シリンドリカルレンズを介して前記光検出器上に照射され、前記レンズシフト基準線は、レンズシフトによる前記迷光スポットの移動方向とシリンドリカルレンズの母線又は子線に対して線対称な線であることとしてもよい。
また、上記光学ドライブ装置において、前記少なくとも一部の迷光は、最も遠い隣接層間に対応する2つの迷光を含み、前記測定手段は、前記各分割領域の受光量にアクセス対象層に応じた演算を施すことにより、前記変化量を取得することとしてもよい。これによれば、アクセス対象層ごとに分割領域を設けることなく、変化量を取得することができる。
また、上記光学ドライブ装置において、前記各分割領域のうち信号光受光領域と重畳している分割領域は、レンズシフトがない場合のスポット中心に対して点対称かつ信号光のレンズシフト方向線に対して線対称に分割された領域であることとしてもよい。
また、上記光学ドライブ装置において、前記各分割領域のうち、前記最も遠い隣接層間に対応する2つの迷光の合成プラス側領域である第1領域と、該2つの迷光の合成マイナス側領域である第2領域とは信号光受光領域を含まず、前記各分割領域のうち、前記第1領域と前記第2領域以外の各領域は信号光受光領域を含み、前記測定手段は、前記各分割領域の受光量に基づいて前記変化量を測定することとしてもよい。これによれば、第1領域と第2領域以外の各領域に含まれる信号光の影響を排除することができる。
また、上記光学ドライブ装置において、前記少なくとも一部の迷光は、両端以外の各層と、その両隣の層以外の層との層間に対応する迷光を含むこととしてもよい。
また、上記光学ドライブ装置において、前記各迷光受光領域は、前記所定の迷光受光領域を信号光のレンズシフト方向線にも基づいて分割してなる分割領域であることとしてもよい。
また、上記各光学ドライブ装置において、前記所定の迷光受光領域のサイズは、前記各迷光のスポットサイズに基づいて決定されることとしてもよい。より具体的には、前記所定の迷光受光領域の面積は、前記各迷光のスポットのうち最も長い長軸を有するスポットの長軸の長さの二乗以上であることとしてもよい。これによれば、全迷光を等しく受光できる。
また、上記各光学ドライブ装置において、前記所定の迷光受光領域のサイズは、前記各迷光のうち隣接層間に対応する各迷光のスポットサイズに基づいて決定されることとしてもよい。これによれば、迷光受光領域のサイズを抑えることができる。
また、上記各光学ドライブ装置において、前記所定の迷光受光領域の面積が、前記記録面から前記光検出器の間に設けられた光学系の光学倍率の2乗の{4×(x+γ)×NA/n}}倍より大きいこととしてもよい。なお、xは層間距離、γは(フォーカスの引き込み範囲)/(1+センサレンズの母線方向の光学倍率)、NAは対物レンズの開口率、nはメディアの層間媒体の屈折率である。
また、上記各光学ドライブ装置において、信号光受光領域の面積が、前記記録面から前記光検出器の間に設けられた光学系の光学倍率の2乗の25倍より大きいこととしてもよい。これによれば、迷光のスポットサイズを抑えることができるので、迷光受光領域のサイズを抑えることができる。
また、本発明による光検出器は、多層化された光ディスクの記録面で反射した光ビームを受光する光検出器であって、少なくとも1つ以上の迷光の合成プラス側領域及び合成マイナス側領域に少なくとも1つずつ設けられた迷光受光領域を有し、前記合成プラス側領域に設けられた迷光受光領域と前記合成マイナス側領域に設けられた迷光受光領域とは、レンズシフトがない場合のスポット中心に対して点対称であることを特徴とする。
本発明によれば、レンズシフトによって迷光スポットに生ずる変化量の測定結果を用いて、トラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットをキャンセルすることができる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本実施の形態による光学ドライブ装置1の模式図の一例である。
光学ドライブ装置1は光ディスク11の再生及び記録を行う。光ディスク11としてはCD、DVD、HD−DVD、BD等の各種光記録媒体を用いることができるが、本実施の形態では特に、多層膜によって2層以上に多層化された記録面を有する円盤状の光ディスクを用いる。
図1に示すように、光学ドライブ装置1は、レーザ光源2、光学系3、対物レンズ4、光検出器5、及び処理部6を備えて構成される。これらのうち、レーザ光源2、光学系3、対物レンズ4、及び光検出器5は光ピックアップを構成する。
光学系3は、ビームスプリッタ22、コリメータレンズ23、1/4波長板24、センサレンズ(シリンドリカルレンズ)25を有している。
光学系3は、レーザ光源2が発した光ビームを光ディスク11に導く往路光学系として機能するとともに、光ディスク11からの戻りビームを光検出器5に導く復路光学系としても機能する。
光学系3の往路光学系では、レーザ光源2が発した光ビームはP偏光としてビームスプリッタ22に入射する。ビームスプリッタ22は、入射されたP偏光を反射して、その進路を光ディスク11方向に折り曲げる。コリメータレンズ23は両凸レンズであり、ビームスプリッタ22から入射される光ビームを平行光とする。1/4波長板24は、コリメータレンズ23を通過した光ビームを円偏光とする。1/4波長板24を通過した光ビームは対物レンズ4に入射する。
対物レンズ4は、光学系3から入射される光ビーム(平行光状態の光ビーム)を光ディスク11上に集光させるとともに、光ディスク11の記録面で反射してきた戻り光ビームを平行光に戻す。
光学系3の復路光学系では、対物レンズ4を通過し、1/4波長板24を往復することによりS偏光となった光ビームがコリメータレンズ23に入射する。コリメータレンズ23を通過した光ビームは、集光しつつビームスプリッタ22に入射する。ビームスプリッタ22は、入射してきた光ビームを100%透過してセンサレンズ25に入射させる。センサレンズ25は、ビームスプリッタ22から入射された光ビームに非点収差を付与する。非点収差を付与された光ビームは光検出器5に入射する。
図2はセンサレンズ25によって付与される非点収差の説明図である。同図に示すように、センサレンズ25は一方方向(同図MY軸方向=子線方向。)にのみレンズ効果を有している。そのため、コリメータレンズ23(図1)とセンサレンズ25によって構成される光学系の焦点の位置は、MY軸方向と、MY軸方向に垂直な方向であるMX軸方向(母線方向)とで異なっている(図2に示すMY軸焦点とMX軸焦点)。なお、MY軸方向とMX軸方向の光ビームの長さが等しい点を合焦点と称する。
光学ドライブ装置1では、焦点を合わせようとする層(アクセス対象層)で反射した光ビーム(信号光)の合掌点がちょうど光検出器5上に位置するよう、対物レンズ4の位置制御が行われる(後述するフォーカスサーボ)。逆に言えば、アクセス対象層以外の層で反射した光ビーム(迷光)の合掌点は光検出器5上に位置しないこととなり、迷光が光検出器5上に形成するスポット(迷光スポット)は、信号光が光検出器5上に形成するスポット(信号光スポット)に比べ、MY軸方向とMX軸方向の少なくとも一方に広がった形状を有することとなる。
図1に戻る。光検出器5は、信号光を受光するための信号光受光領域と、迷光を受光するための迷光受光領域とを備える。
図3(a)は光検出器5の信号光受光領域8を示している。同図に示すように、信号光受光領域8は、所定サイズの正方形の受光面を有する4つの受光領域8A,8B,8C,8Dを図面左上から反時計回りに配置してなる4分割受光領域である。以下では、信号光受光領域8の縦方向分割線をY軸、横方向分割線をX軸と称する。信号光受光領域8は、上述したMX軸方向及びMY軸方向が信号光受光領域8の対角線と一致するよう配置される。
図3(b)には、レンズシフトによって最大限移動した信号光スポットの例を記載している。同図に示すように、信号光受光領域8のサイズは、信号光スポットがレンズシフトによって移動した場合においても信号光スポットの全体が受光できるよう決定されている。なお、以下では、レンズシフトによるスポットの移動方向をレンズシフト方向線LDSと称し、レンズシフトによるスポットの移動の基準となる線をレンズシフト基準線LBSと称する。信号光スポットのレンズシフト方向線LDS,レンズシフト基準線LBSはそれぞれY軸,X軸と一致する。また、以下では、対物レンズ4のレンズシフトによる移動方向にプラス方向とマイナス方向を設けることとし、図3の例でいえば、受光領域8B,8C側へ信号光スポットを移動させる対物レンズ4の移動方向をプラス方向、その反対側へ信号光スポットを移動させる対物レンズ4の移動方向をマイナス方向と称することとする。
光ビームを受光した光検出器5は、受光領域ごとに、光ビームの強度を受光面で面積分して得られる値(受光量)の振幅を有する信号を出力する。以下では、受光領域X(Xは受光領域の符号)に対応する出力信号をIと記載する。
光検出器5の迷光受光領域については後述する。
図1に戻る。処理部6は、一例として多チャンネル分のアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換機能を備えたDSP(Digital Signal Processor)で構成されており、光検出器5の出力信号の入力を受け付けて、上述したトラッキング誤差信号TE及びフォーカス誤差信号FEを生成する。本実施形態では、トラッキング誤差信号TE及びフォーカス誤差信号FEは、それぞれ式(1)及び式(2)で表される。なお、式(1)のPPはプッシュプル信号であり、式(3)で表される。また、TEaは迷光スポットのレンズシフトによる変化量であり、後に詳述する。
TE=PP−TEa ・・・(1)
FE=(I8A+I8C)−(I8B+I8D) ・・・(2)
PP=(I8A+I8D)−(I8B+I8C) ・・・(3)
処理部6は、対物レンズ4を光ディスク11の記録面に対して垂直方向に移動させることにより、光ビームが記録面上に形成するスポットの位置を記録面に対して接離動させる機能も有しており、生成したフォーカス誤差信号FEが0となるように対物レンズ4を移動させる(フォーカスサーボ)。なお、処理部6は対物レンズ4の垂直位置を層ごとに記憶しており、まず初めにアクセス対象層について記憶している垂直位置まで対物レンズ4を移動させる。そしてその後、フォーカス誤差信号FEが0となるように対物レンズ4を移動させる処理を実行する。これにより処理部6は、光ビームの焦点を記録面上に合わせる。
また、処理部6は、対物レンズ4を光ディスク11の径方向に移動させる(レンズシフト)ことにより、光ビームが記録面上に形成するスポットの位置を光ディスク11の径方向に移動させる機能を有しており、生成したトラッキング誤差信号TEが0となるように対物レンズ4をレンズシフトさせる(トラッキングサーボ)。これにより処理部6は、光ビームの焦点をトラック上に合わせる。
さて、上述したように、光検出器5上に形成される信号光スポットにはレンズシフトによるシフトが生じ、そのためにトラッキング誤差信号TEにオフセットが生ずる。レンズシフトによるトラッキングサーボの精度の悪化を防止するためには、レンズシフトによってトラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットをキャンセルできるようにすることが好ましい。そこで本実施の形態では、そのためのひとつの方法として迷光スポットを利用する。すなわち、迷光スポットにも信号光スポット同様にレンズシフトによる変化が生ずるが、処理部6は、この変化の量を測定し、その測定結果を用いてトラッキング誤差信号TEに生ずるオフセットをキャンセルする。
図4は、このような機能を実現するための処理部6の機能ブロックを示す図である。同図に示すように、処理部6はプッシュプル信号生成部61、変化量測定部62、トラッキング誤差信号生成部63、対物レンズ制御部64を含んで構成される。
プッシュプル信号生成部61は、光検出器5の信号光受光領域8の出力信号を受け付け、式(3)によりプッシュプル信号PPを生成する。変化量測定部62(測定手段)は、光検出器5の迷光受光領域の出力信号を受け付ける。そして、受け付けた出力信号により迷光スポットのレンズシフトによる変化量を測定する。
トラッキング誤差信号生成部63(トラッキング誤差信号生成手段)は、プッシュプル信号生成部61が生成したプッシュプル信号PPと、変化量測定部62が測定した変化量とを式(1)に代入することにより、トラッキング誤差信号TEを算出する。対物レンズ制御部64は、トラッキング誤差信号生成部63が算出したトラッキング誤差信号TEの値に基づいて、対物レンズ4の制御信号を生成し、対物レンズ4の位置制御のためのアクチュエータ(不図示)に出力する。
以下、光検出器5の迷光受光領域と変化量測定部62が行う変化量の測定について、第1〜第7の7つの実施の形態を挙げて説明する。
[第1の実施の形態]
図5は、第1の実施の形態による光ディスク11の層構成を示す図である。同図に示すように、本実施の形態による光ディスク11は、対物レンズ4に遠い側から順に層L0〜L4を有する5層構成であり、層間隔は層L0と層L1の間から順に16μm,10μm,10μm,16μmとなっている。
なお、以下の説明では、アクセス対象層がLx(ここではx=0〜4)である場合に、層Ly(ここではy=0〜4,y≠x)で反射した迷光を迷光x−yと表すことにする。また、迷光x−yのスポットのレンズシフト方向線及びレンズシフト基準線をそれぞれLDx−y及びLBx−yと表すことにする。
また、本実施の形態では、アクセス対象層が層L2である場合のみを取り上げて説明する。
図6は、レンズシフトがない場合(対物レンズ4のシフト量=0)において光検出器5上に形成されるスポットを、信号光及び迷光ごとに示したものである。各図の中心には信号光受光領域8を示している。
図6の各図に示すように、各迷光が形成するスポットは信号光受光領域8のサイズよりも大きく、信号光受光領域8を大きくはみ出している。
各迷光のうち迷光2−3,迷光2−4のスポットは、MX軸方向への広がりがMY軸方向への広がりに比べて大きくなっている。迷光2−3,迷光2−4はMY軸焦点(図2)よりもセンサレンズ25に近い位置で光検出器5上にスポットを形成しているためである。また、迷光2−3のスポットは迷光2−4に比べて小さくなっている。層L3が層L4に比べてアクセス対象層L2に近いためである。
一方、迷光2−1,迷光2−0のスポットは、MY軸方向への広がりがMX軸方向への広がりに比べて大きくなっている。迷光2−1,迷光2−0はMX軸焦点(図2)よりもセンサレンズ25から遠い位置で光検出器5上にスポットを形成しているためである。また、迷光2−1のスポットは迷光2−0に比べて小さくなっている。層L1が層L0に比べてアクセス対象層L2に近いためである。
図6には、各スポットのレンズシフト方向線とレンズシフト基準線も示している。
同図に示すように、各迷光スポットのレンズシフト方向線及びレンズシフト基準線は、センサレンズ25の影響により、信号光スポットのレンズシフト方向線LDS及びレンズシフト基準線LBSに比べて斜めに傾いている。
具体的には、レンズシフト方向線及びレンズシフト基準線のいずれも、スポット形成位置が図2の合焦点よりセンサレンズ25に近づくとともにMX軸に近づき、MY軸側焦点でMX軸に一致する。そこからさらにセンサレンズ25に近づくと、MX軸を越えてさらに傾いていく(図6(a)(b))。一方、レンズシフト方向線及びレンズシフト基準線のいずれも、スポット形成位置が図2の合焦点よりセンサレンズ25から遠ざかるとともにMY軸に近づき、MX軸側焦点でMY軸に一致する。そこからさらにセンサレンズ25に近づくと、MY軸を越えてさらに傾いていく(図6(d)(e))。
なお、レンズシフト方向線とレンズシフト基準線とはセンサレンズ25の母線又は子線に対して線対称となっている。
図7は、レンズシフトによってプラス方向に移動した各スポットを、図6の各図に対応させて描いたものである。同図に示すように、迷光スポットも信号光スポットと同様、レンズシフトによって移動し、迷光スポットの強度中心(図中の黒点)はレンズシフト方向線上に位置する。
図8(a)は、図6の各図に示した信号光スポット、迷光スポット、及びそれぞれのレンズシフト方向線とレンズシフト基準線を一図に描いたものである。同様に、図8(b)は、図7の各図に示した信号光スポット、迷光スポット、及びそれぞれのレンズシフト方向線とレンズシフト基準線を一図に描いたものである。図8(a)(b)では等高線は省略している。各スポットは、図8(a)(b)に示すように光検出器5上に重なって照射される。
以下、本実施の形態による光検出器5の迷光受光領域について説明する。
図9乃至図13には、本実施の形態による迷光受光領域の例を示している。ただし、各図面のうち図9乃至図12は説明のための図であり、図13に示す迷光受光領域9I及び9Jが実際に用いられる迷光受光領域である。以下、順を追って説明していく。
まず、図9に示した迷光受光領域9の外周は正方形であり、その中心は信号光受光領域8の中心と同じ位置にある。信号光受光領域8部分は迷光受光領域9に含まれない(メインパターンは4分割のまま)。迷光受光領域9の角度は、信号光受光領域8と同じく、MX軸方向及びMY軸方向が迷光受光領域9の対角線と一致するよう決定されている。迷光受光領域9のサイズは、レンズシフトによって移動している場合も含め、各迷光(迷光2−4,2−3,2−1,2−0)のスポット全体が含まれるよう設計されている。
図9は、迷光2−3に関する説明図である。図9においては、迷光受光領域9は、レンズシフト基準線LB2−3によって、原点に対して点対称である2つのエリア、すなわち図面左側の領域9A(右下がりの斜線で示しているエリア)と図面右側の領域9B(右上がりの斜線で示しているエリア)の2つに分割される。
レンズシフトによって対物レンズ4がプラス方向に移動する場合、迷光2−3のスポットは図9に示したように右下方向へ移動する。レンズシフト基準線LB2−3は、迷光の強度ピークの位置より、レンズシフト時にこの基準線に対してのプッシュプル演算9A−9Bは小さくなっていく。即ち、領域9Aで受光される迷光2−3の受光量は、領域9Bで受光される迷光2−3の受光量に対して小さくなっていく。これは、迷光の強度分布による影響と、迷光の移動によるもの二つの影響がある。
中心に対して点対称な関係にある領域9A,領域9Bにおいて、以下では、領域9Aのように、ある迷光のレンズシフト基準線の両側の各領域のうち、対物レンズ4がプラス方向に移動する場合に受光量が領域9Bに対して小さくなっていく領域を、その迷光のマイナス側領域と称することにする。また、領域9Bのように、ある迷光のレンズシフト基準線の両側の各領域のうち、対物レンズ4がプラス方向に移動する場合に受光量が領域9Aに対して大きくなっていく領域を、その迷光のプラス側領域と称することにする。なお、対物レンズ4がマイナス方向に移動する場合には、迷光xのマイナス側領域では受光量はプラス領域に対して大きくなっていき、迷光xのプラス側領域では受光量が減少はマイナス領域に対して小さくなっていくことになる。図面では、プラス側領域を右上がりの斜線で示し、マイナス側領域を右下がりの斜線で示すことにする。
図10は、迷光2−4に関する説明図である。図10においては、迷光受光領域9は、レンズシフト基準線LB2−4によって図面左側の領域9Cと図面右側の領域9Dの2つに分割される。図9で説明した迷光2−3の場合と同様に、中心に対して点対称な関係にある領域9C,領域9Dにおいて、領域9Cは迷光2−4のマイナス側領域となり、領域9Dは迷光2−4のプラス側領域となる。
図11は、迷光2−3と迷光2−4に関する説明図である。図11においては、迷光受光領域9は、レンズシフト基準線LB2−3及びレンズシフト基準線LB2−4によって図面左側の領域9Eと図面右側の領域9Fを含む中心に対して点対称な4つの領域に分割される。
領域9Eは領域9A(図9)と領域9C(図10)の重畳領域である。上述したように、領域9Aは迷光2−3のマイナス側領域であり、領域9Cは迷光2−4のマイナス側領域である。したがって、これらの重畳領域である領域9Eの受光量は、レンズシフトによって対物レンズ4がプラス方向に移動する場合に領域9Fに対して小さくなっていく。
一方、領域9Fは領域9B(図9)と領域9D(図10)の重畳領域である。上述したように、領域9Bは迷光2−3のプラス側領域であり、領域9Dは迷光2−4のプラス側領域である。したがって、これらの重畳領域である領域9Fの受光量は、レンズシフトによって対物レンズ4がプラス方向に移動する場合に領域9に対して大きくなっていく。
以下では、領域9Eのような複数の迷光のマイナス側領域の重畳領域を、それら複数の迷光の合成マイナス側領域と称することにする。また、領域9Fのような複数の迷光のプラス側領域の重畳領域を、それら複数の迷光の合成プラス側領域と称することにする。図面では、合成プラス側領域をプラス側領域と同様に右上がりの斜線で示し、合成マイナス側領域をマイナス側領域と同様に右下がりの斜線で示すことにする。
図12は、迷光2−1と迷光2−0に関する説明図である。図12においては、迷光受光領域9は、レンズシフト基準線LB2−1及びレンズシフト基準線LB2−0によって図面左側の領域9Gと図面右側の領域9Hを含む4つの領域に分割される。
迷光2−3と迷光2−4の場合と同様、領域9Gは迷光2−1及び迷光2−0の合成プラス側領域となり、領域9Hは迷光2−1及び迷光2−0の合成マイナス側領域となる。
図13においては、迷光受光領域9はレンズシフト基準線LB2−0及びレンズシフト基準線LB2−4によって、図面中央上側の領域9Iと図面中央下側の領域9Jを含む4つの領域に分割される。
領域9Iは領域9F(迷光2−3及び迷光2−4の合成プラス側領域)と領域9G(迷光2−1及び迷光2−0の合成プラス側領域)の重畳領域となっている。したがって、領域9Iの受光量は、レンズシフトによって対物レンズ4がプラス方向に移動する場合に領域9Jに対して大きくなっていく。すなわち、領域9Iは迷光2−4,2−3,2−1,2−0の合成プラス側領域となっている。
一方、領域9Jは領域9E(迷光2−3及び迷光2−4の合成マイナス側領域)と領域9H(迷光2−1及び迷光2−0の合成マイナス側領域)の重畳領域となっている。したがって、領域9Jの受光量は、レンズシフトによって対物レンズ4がプラス方向に移動する場合に領域9Iに対して小さくなっていく。すなわち、領域9Jは迷光2−4,2−3,2−1,2−0の合成マイナス側領域となっている。
したがって、中心に対して点対称な関係にある領域9I,9Jにおいて、領域9Iの出力信号I9Iと領域9Jの出力信号I9Jの差分信号I9I−I9Jは、レンズシフトによって迷光スポットに生じた変化の量を示しているということができる。
変化量測定部62は、上記差分信号I9I−I9Jに基づいて変化量TEaを算出する。具体的には、以下に示す式(4)により変化量TEaを算出する。なお、式(4)中のkは定数であり、kの最適値は予め測定によって求めておく。
TEa=(I9I−I9J)×k ・・・(4)
このようにして算出した変化量TEaは、kを最適化することにより、レンズシフトによってプッシュプル信号PP(式(3))に生じたオフセットの量とほぼ等しくすることができる。したがって、トラッキング誤差信号生成部63が、算出された変化量TEaを式(1)に代入してトラッキング誤差信号TEを算出することにより、レンズシフトによるオフセットのないトラッキング誤差信号を得ることが可能になる。
なお、図13に示した領域9I,9Jは層間隔が広いほど細長くなるが、あまりに細長くなると領域確保が困難になり、また誤差も増大してしまう。そこで、図14に示したように、層間隔によっては、アクセス対象層L2により近い層のレンズシフト基準線(図14ではLB2−3とLB2−1)のみを考慮して迷光受光領域(図14では領域9Kと領域9L)を形成することとしてもよい。
[第2の実施の形態]
図15は、第2の実施の形態による光ディスク11の層構成を示す図である。同図に示すように、本実施の形態による光ディスク11は、対物レンズ4に遠い側から順に層L0〜L3を有する4層構成であり、層間隔は層L0と層L1の間から順に13μm,16μm,10μmとなっている。なお、各層からの反射光の光強度はほぼ同一である。
図16及び図17は、アクセス対象層が層L0〜L3の各層である場合ごとに、光ビームによって光検出器5上に形成されるスポットを示したものである。図16(a)ではアクセス対象層が層L0であり、信号光は層L0での反射光となっている。また、迷光0−1,0−2,0−3が光検出器5上にスポットを形成する。同様に、図16(b)ではアクセス対象層が層L1であり、信号光は層L1での反射光となっている。また、迷光1−0,1−2,1−3が光検出器5上にスポットを形成する。また、図17(a)ではアクセス対象層が層L2であり、信号光は層L2での反射光となっている。また、迷光2−0,2−1,2−3が光検出器5上にスポットを形成する。図17(b)ではアクセス対象層が層L3であり、信号光は層L3での反射光となっている。また、迷光3−0,3−1,3−2が光検出器5上にスポットを形成する。
図16及び図17には、各スポットのレンズシフト方向線及びレンズシフト基準線も示している。なお、図16及び図17に示した各スポットは、対物レンズ4がレンズシフトによってプラス方向へ移動している場合のものである。
以下、本実施の形態による光検出器5の迷光受光領域について説明する。
図18には、本実施の形態による迷光受光領域10を示している。
図18に示すように迷光受光領域10の外周は正方形であり、その中心は信号光受光領域8の中心と同じ位置にある。また、迷光受光領域10の角度は、信号光受光領域8と同じく、MX軸方向及びMY軸方向が迷光受光領域10の対角線と一致するよう決定されている。迷光受光領域10のサイズは、レンズシフトによって移動している場合も含め、各迷光(迷光0−1,0−2,0−3,1−0,1−2,1−3,2−0,2−1,2−3,3−0,3−1,3−2)のスポット全体が含まれるよう設計されている。
図18には、図16及び図17に示した各レンズシフト基準線(迷光分のみ)をまとめて示している。迷光受光領域10は、各レンズシフト基準線のうち、隣り合った層間に対応するレンズシフト基準線0−1,1−0,1−2,2−1,2−3,3−2の中から選択されるレンズシフト基準線にしたがって分割される。
また、これらの基準線のうち、両端の層にアクセスしている時の基準線を除いて考えてもよい(1−0,1−2,2−1,2−3の基準線から分割線を選ぶ)し、分割線はこれら基準線の近辺に新たに設けてもよい。
ここでは、具体的に、最も近い層間(ここでは層L2と層L3の間)に対応するレンズシフト基準線LB2−3,3−2と、最も遠い層間(ここでは層L1と層L2の間)に対応するレンズシフト基準線LB1−2,2−1とを選択する。そして、これらのレンズシフト基準線により迷光受光領域10を分割する。図18には、こうして作成された8つの領域10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10Hを示している。
図19は、図18に示した迷光受光領域10のうち、信号光受光領域8付近を拡大した図である。同図に示すように、8つの領域のうち領域10B,10C,10D,10F,10G,10Hは信号光受光領域8部分も含んでいる。一方、領域10Aと領域10Eは信号光受光領域8部分を含まない。
変化量測定部62(図1)は、上記8つの領域の受光量にアクセス対象層に応じた演算を施すことにより、変化量TEaを算出する。以下、アクセス対象層ごとに説明する。
アクセス対象層が層L3である場合、変化量測定部62は、次の式(5)により変化量TEaを算出する。ただし、kは式(5)の括弧内の信号の増幅度を示す定数であり、kの最適値は予め測定によって求めておく。Aは信号光の影響を排除するための補正量であり、その詳細については後述する。
TEa={(I10C+I10D+I10E)−(I10G+I10H+I10A)+A}×k ・・・(5)
アクセス対象層が層L3である場合、迷光は迷光3−0,3−1,3−2の3つとなる。
図20は、各領域が各迷光の合成プラス側領域と合成マイナス側領域のいずれであるかを示す図である。領域10C,10Dは各迷光のマイナス領域の重畳領域となるので、同図に示すように各迷光の合成マイナス側領域である。また、領域10C,10Dに対して点対称な関係にある領域10G,10Hは各迷光のプラス領域の重畳領域となるので、同図に示すように各迷光の合成プラス側領域である。
また、図20に示すように、領域10A,10Eはそれぞれ各迷光の合成プラス側領域、合成マイナス側領域である。以下、この点について説明する。
図21は、図20に示した各領域から領域10A,10Eのみを抜き出した説明用の図である。同図に示すように、領域10Aと領域10Eを、レンズシフト基準線LB3−0及び領域10Aの外側の線(領域10Eの外側の線)をレンズシフト基準線LB3−0に対して線対称にした線により、それぞれ3領域(領域10A−1,2,3及び領域10E−1,2,3)に分割する。そうすると、領域10A−1,2,10E−3は迷光3−0のプラス側領域となり、領域10A−3,10E−1,2は迷光3−0のマイナス側領域となる。
ここで、レンズシフト時に、I10A−2−I10E−2はプラスになり、I10A−3−I10E−3はマイナスになり、これらはほぼ打ち消しあうと考えて差し支えない。したがって、I10A−1−I10E−1=プラスが残ることになり、I10A−I10Eはプラスとなり、領域10Aは迷光3−0のプラス側領域として機能することになる。
同様に、領域10Aと中心に対して点対称な関係にある領域10Eは迷光3−0のマイナス側領域として機能する。さらに、同様な理由により、領域10A,10Eはそれぞれ迷光3−1のプラス側領域、マイナス側領域としても機能する。
したがって、結局、中心に対して互いに点対称な関係にある領域10A,10Eはそれぞれ各迷光の合成プラス側領域、合成マイナス側領域であることになる。
図20に戻る。同図に示すように、ここでは、中心に対して互いに点対称な関係にある領域10B,10Fはそれぞれ各迷光の合成マイナス側領域、合成プラス側領域である場合を考える。以下、この点について説明する。
領域10Bは迷光3−2のプラス側領域であるとともに、迷光3−0,3−1の合成マイナス側領域である。このため、対物レンズ4がレンズシフトによってプラス方向に移動したとき、トータルとしての領域10Bの受光量は領域10Fに対して小さくなっていくとする。この時、領域10Bは各迷光の合成マイナス側領域であるといえる。
一方、領域10Fは迷光3−2のマイナス側領域であるとともに、迷光3−0,3−1の合成プラス側領域である。このため、対物レンズ4がレンズシフトによってプラス方向に移動したとき、トータルとしての領域10Fの受光量は領域10Bに対して大きくなっていくとする。この時、領域10Bは各迷光の合成プラス側領域であるといえる。
まとめると、領域10B,10C,10D,10Eは各迷光の合成マイナス側領域であり、それに対して点対称な関係にある領域10F,10G,10H,10Aは各迷光の合成プラス側領域である。したがって、式(5)に示したTEaの括弧内の差分信号(I10C+I10D+I10E)−(I10G+I10H+I10A)は、レンズシフトによって迷光スポットに生じた変化の量を示しているということができる。
ここで、式(5)中の補正量Aについて説明する。領域10C,D,G,Hは信号光受光領域8と重なっているため、式(5)中の信号(I10C+I10D+I10E)−(I10G+I10H+I10A)には、レンズシフトによる信号光スポットの移動分も反映される。そのため、信号光スポットの移動による変化分をキャンセルする必要がある。
具体的には、式(6)で表される補正量Aを、信号(I10C+I10D+I10E)−(I10G+I10H+I10A)に加算する。
A=I10B−I10F ・・・(6)
領域10A及び10Eは信号光受光領域8を含まないので、これらの出力信号I10A及びI10Eには信号光は寄与しない。したがって、信号光成分のみに着目すると式(5)は上記補正量Aを用いて次の式(7)のように書き換えられる。
TEa={(I10C+I10D+I10B)−(I10G+I10H+I10F)}×k ・・・(7)
式(7)の括弧内第1項に対応する領域10B,C,Dと、括弧内第2項に対応する領域10F,G,HとはY軸対称であると同時に点対称である。ここではY軸対称としているが、迷光の基準線に基づく分割線は必ずしもY軸に対して対称ではないため、信号光受光領域では例えば、内側にある基準線に合わせて線対称になるように分割したり、迷光の分割線を内側の基準線に合わせるようにするなどとしてもよい。また、上述したように信号光スポットのレンズシフト基準線はX軸である。したがって、レンズシフトによって信号光スポットが移動しても式(7)の値は常にゼロとなる。すなわち、補正量Aを用いることにより、変化量TEaから信号光スポットの移動による変化分をキャンセルできる。
なお、信号光受光領域8部分を迷光受光領域10として用いない場合であっても、補正量Aを用いることが好ましい。もちろん、迷光受光領域では、分割線はY軸に対して線対称である必要はない。
上述したように、領域10Bは各迷光の合成マイナス側領域であり、領域10Fは各迷光の合成プラス側領域であるので、式(5)のように補正量Aを用いて算出した変化量TEaの絶対値は、用いないで算出した変化量TEaの絶対値に比べて大きくなる。変化量TEaの絶対値が大きくなるということは増幅度kの値を小さくすることができるということであり、増幅度kは小さい方が好ましいからである。
ただし、補正量Aを用いると増幅度kの値が大きくなってしまう場合もある。このような場合には、補正量Aを用いないほうがよい。以下、具体的に説明する。
上記例では、迷光受光領域10のサイズを、レンズシフトによって移動している場合も含め、各迷光(迷光0−1,0−2,0−3,1−0,1−2,1−3,2−0,2−1,2−3,3−0,3−1,3−2)のスポット全体が含まれるようにしたが、これでは迷光受光領域10が大きくなりすぎる場合がある。そのため、隣接層間の迷光のみを考慮して迷光受光領域10のサイズを決定することも考えられる。具体的には、迷光受光領域10のサイズを、レンズシフトによって移動している場合も含め、隣接層間の各迷光(迷光0−1,1−0,1−2,2−1,2−3,3−2)のみのスポット全体が含まれるように設計したり、両端の層にアクセスしている時を除いた、隣接層間の各迷光(迷光1−0,1−2,2−1,2−3)のみのスポット全体が含まれるようにするなど、対象とする迷光のサイズに合わせて設計する。
このようにして迷光受光領域10のサイズを決定した場合、迷光3−0,3−1の全体を受光することができなくなるため、領域10Bが各迷光の合成プラス側領域となり、領域10Fが各迷光の合成マイナス側領域となる場合がある。このような場合、式(5)のように補正量Aを用いて算出した変化量TEaの絶対値は、用いないで算出した変化量TEaの絶対値に比べて小さくなる。したがって、増幅度kの値が大きくなってしまうのである。
次に、アクセス対象層が層L2である場合について説明する。この場合、変化量測定部62は、次の式(8)により変化量TEaを算出する。ただし、kは式(8)の括弧内の信号の増幅度を示す定数であり、kの最適値は予め測定によって求めておく。補正量Aは上述した式(6)で表され、変化量TEaから信号光の影響を取り除くためのものである。
TEa={(I10C+I10D+I10E)−(I10G+I10H+I10A)+A}×k ・・・(8)
アクセス対象層が層L2である場合、迷光は迷光2−0,2−1,2−3の3つとなる。
図22は、このうち迷光2−3についてのプラス側領域とマイナス側領域とを示している。同図に示すように、領域10A,10B,10C,10Hは迷光2−3のプラス側領域となり、領域10D,10E,10F,10Gは迷光2−3のマイナス側領域となる。
図23は、迷光2−1についてのプラス側領域とマイナス側領域とを示している。同図に示すように、領域10A,10F,10G,10Hは迷光2−1のプラス側領域となり、領域10B,10C,10D,10Eは迷光2−1のマイナス側領域となる。
図24は、迷光2−0についてのプラス側領域とマイナス側領域とを示している。同図に示すように、領域10A,10F,10G,10Hは迷光2−0のプラス側領域となり、領域10B,10C,10D,10Eは迷光2−0のマイナス側領域となる。なお、領域10A及び領域10Eがそれぞれ迷光2−0のプラス側領域及びマイナス側領域となるのは、図21で説明した迷光3−0の場合と同様の理由による。
迷光2−3(図22)と迷光2−1(図23)に着目すると、領域10B,10C,10F,10Gについては、レンズシフトによる迷光2−1と迷光2−3の受光量の増減方向が互いに逆方向であるためほぼ相殺される。そのため、図25に示すように、迷光2−1と迷光2−3についての合成プラス側領域は領域10A,10Hとなり、合成マイナス側領域は領域10D,10Eとなる。
その結果、図24と図25とから明らかなように、領域10A,10G,10Hは各迷光2−0,2−1,2−3についての合成プラス側領域となり、領域10C,10D,10Eは各迷光2−0,2−1,2−3についての合成マイナス側領域となる。すなわち、(I10D+I10E)−(I10H+I10A)は全ての迷光でマイナスとなり寄与するが、(I10C−I10G)は両隣の層の迷光をレンズシフト時も含む迷光受光領域であれば、それぞれの層からの反射率はほぼ同じであるため、図25のように両隣の層の迷光の影響はほぼ相殺され、迷光2−0の影響のみを残すことができる。したがって、式(8)に示したTEaの括弧内の差分信号(I10C+I10D+I10E)−(I10G+I10H+I10A)は、レンズシフトによって迷光スポットに生じた変化の量を示しているということができる。
なお、式(8)中の補正量Aは、信号光受光領域8部分を迷光受光領域10として用いない場合であっても用いることが好ましい。その理由は、アクセス対象層が層L3である場合と同様である。
一方、アクセス対象層が層L2である場合には、迷光受光領域10のサイズを上述したように隣接層間の迷光のみを考慮して決定した場合においても補正量Aを用いた方がよい。迷光2−0の全体を受光することはできなくなるが、領域10Bと領域10Fの関係が逆転することはないからである。基準線が領域に近いとそれだけ寄与も大きくなる。ここでは、迷光2−1の基準線は領域10Bに接しているので迷光2−3よりは寄与が大きい。
また、迷光受光領域10のサイズを隣接層間の迷光のみを考慮して決定した場合に適用可能な別の方法として、迷光受光領域の分割線として、LB2−0を用いてもよい。即ち、LB2−0によって分割された領域の引き算を変化量TEaとして用いる。
図31は、この場合の迷光受光領域12と各分割領域12A,12B,12C,12D,12E,12Fを示す図である。ただし、領域12Aは迷光LB2−0のマイナス領域と迷光2−1のプラス領域の重畳領域であり、領域12Bは迷光LB2−1のマイナス領域と迷光2−3のプラス領域の重畳領域であり、領域12Cは迷光2−0と迷光2−3の合成マイナス領域であり、領域12Dは迷光LB2−0のプラス領域と迷光2−1のマイナス領域の重畳領域であり、領域12Eは迷光LB2−1のプラス領域と迷光2−3のマイナス領域の重畳領域であり、領域12Fは迷光2−0と迷光2−3の合成プラス領域である。
変化量TEaは式(9)で表される。
TEa=(I12B−I12E)+{(I12A−I12D)+(I12C−I12F)} ・・・(9)
この場合、LB2−0の基準線はY軸にかなり近づいているため、両隣の迷光2−1,2−3がレンズシフト時でも含まれるような迷光受光領域のサイズであれば、上記引き算で2−1,2−3の迷光の影響はほぼ相殺され、2−0の寄与のみが残り、分割線としてLB2−0のみを用いてもよいことが分かる。よって、少なくとも、2−1,2−3がレンズシフト時でも含まれるような迷光受光領域のサイズであればよく、2−0が含まれるようになっていくほど効果は大きくなる。
また、分割線として、LB2−0ではなくて、Y軸としてもよい。
この時は、信号光受光領域も使ってよい。また、基準線の近辺が強度分布による寄与が大きいため、LB2−0やY軸の分割線の近辺にこれらを囲むような迷光受光領域を追加してもよい。これを図33及び図34に示す。領域12S,12Tが追加した迷光受光領域である。また、図34において、領域12Mは迷光1−3と迷光2−0の合成プラス領域であり、領域12Nは迷光2−0のマイナス領域と迷光1−3のプラス領域の重畳領域であり、領域12Oは迷光1−3と迷光2−0の合成マイナス領域であり、領域12Pは迷光2−0のプラス領域と迷光1−3のマイナス領域の重畳領域である。また、図33において、領域12R,QはそれぞれY軸の図面左側と図面右側の領域である。
L3層にアクセスしている時もL2層の時と同じ演算を行う。
次に、アクセス対象層が層L1である場合について説明する。この場合、変化量測定部62は、次の式(10)により変化量TEaを算出する。ただし、kは式(10)の括弧内の信号の増幅度を示す定数であり、kの最適値は予め測定によって求めておく。Bは信号光の影響を排除するための補正量であり、その詳細については後述する。
TEa={(I10E+I10F+I10G)−(I10A+I10B+I10C)+B}×k ・・・(10)
アクセス対象層が層L1である場合、迷光は迷光1−0,1−2,1−3の3つとなる。
図26は、このうち迷光1−2についてのプラス側領域とマイナス側領域とを示している。同図に示すように、領域10A,10B,10C,10Dは迷光1−2のプラス側領域となり、領域10E,10F,10G,10Hは迷光1−2のマイナス側領域となる。
図27は、迷光1−3についてのプラス側領域とマイナス側領域とを示している。同図に示すように、領域10A,10B,10C,10Dは迷光1−3のプラス側領域となり、領域10E,10F,10G,10Hは迷光1−3のマイナス側領域となる。なお、領域10A及び領域10Eがそれぞれ迷光1−3のプラス側領域及びマイナス側領域となるのは、図21で説明した迷光3−0の場合と同様の理由による。
図28は、迷光1−0についてのプラス側領域とマイナス側領域とを示している。同図に示すように、領域10C,10D,10Eは迷光1−0のマイナス側領域となり、領域10A,10G,10Hは迷光1−0のプラス側領域となる。一方、領域10Bと領域10Fについては、迷光1−0のプラス側領域又はマイナス側領域のいずれになるか明らかでない。
したがって、各迷光スポットによる受光量の相殺の結果、図29に示すように、領域10A,10B,10C,10Dは各迷光の合成プラス側領域となり、領域10E,10F,10G,10Hは各迷光の合成マイナス側領域となる。なお、領域10Bと領域10Fについて説明しておくと、図28で示したように、これらの領域は迷光1−0に関してはプラス側領域又はマイナス側領域のいずれになるか明らかでないが、一方でそれぞれ迷光1−2,1−3についてのプラス側領域及びマイナス側領域であるので、全体としては、各迷光の合成プラス側領域及び合成マイナス側領域となる。
したがって、式(10)に示したTEaの括弧内の差分信号(I10E+I10F+I10G)−(I10A+I10B+I10C)は、レンズシフトによって迷光スポットに生じた変化の量を示しているということができる。
ここで、式(10)中の補正量Bについて説明する。迷光受光領域10は信号光受光領域8と重なっているため、式(10)中の信号(I10E+I10F+I10G)−(I10A+I10B+I10C)には、レンズシフトによる信号光スポットの移動分も反映される。そのため、信号光スポットの移動による変化分をキャンセルする必要がある。
具体的には、式(11)で表される補正量Bを、信号(I10E+I10F+I10G)−(I10A+I10B+I10C)に加算する。この補正量Bを用いると、式(5)に補正量Aを用いた場合と同様、変化量TEaから信号光スポットの移動による変化分をキャンセルできる。
B=I10H−I10D ・・・(11)
なお、アクセス対象層が層L1である場合には、迷光受光領域10のサイズを上述したように隣接層間の迷光のみを考慮して決定した場合においても補正量Bを用いた方がよい。
また、迷光受光領域10のサイズを隣接層間の迷光のみを考慮して決定した場合に適用可能な別の方法として、迷光受光領域の分割線として、LB1−3を用いてもよい。即ち、LB1−3によって分割された領域の引き算を変化量TEaとして用いる。
図32は、この場合の迷光受光領域12と各分割領域12G,12H,12I,12J,12K,12Lの6領域を示す図である。ただし、領域12Gは迷光LB1−0と迷光LB1−3の合成プラス領域であり、領域12Hは迷光LB1−0のマイナス領域と迷光1−2のプラス領域の重畳領域であり、領域12Iは迷光1−2のマイナス領域と迷光1−3のプラス領域の重畳領域であり、領域12Jは迷光LB1−0と迷光LB1−3の合成マイナス領域であり、領域12Kは迷光LB1−0のプラス領域と迷光1−2のマイナス領域の重畳領域であり、領域12Iは迷光1−2のプラス領域と迷光1−3のマイナス領域の重畳領域である。
変化量TEaは式(12)で表される。
TEa=(I12K−I12H)+{(I12J−I12G)+(I12L−I12I)} ・・・(12)
この場合、LB1−3の基準線はY軸にかなり近づいているため、両隣の迷光1−2,1−0がレンズシフト時でも含まれるような迷光受光領域のサイズであれば、上記引き算で1−2,1−0の迷光の影響はほぼ相殺され、1−3の寄与のみが残り、分割線としてLB1−3のみを用いてもよいことが分かる。よって、少なくとも、1−2,1−0がレンズシフト時でも含まれるような迷光受光領域のサイズであればよく、1−3が含まれるようになっていくほど効果は大きくなる。
また、分割線として、LB1−3ではなくて、Y軸としてもよい。
この時は、信号光受光領域も使ってよい。また、基準線の近辺が強度分布による寄与が大きいため、LB1−3やY軸の分割線の近辺にこれらを囲むような迷光受光領域を追加してもよい。これを図33及び図34に示す。領域12S,12Tが追加した迷光受光領域である。図33及び図34において、領域12S,12Tは分割線LB2−0,LB1−3,Y軸で分割され、同様に、これら分割された領域の引き算を変位量とする。
L0層にアクセスしている時もL1層の時と同じ演算を行う。
結局、L2,L3層については上述したが、この別の方法の場合の分割線は、LB2−0とLB1−3となる。これを図35に示す。この時、迷光受光領域は4分割されているが、LB2−0,LB1−3はY軸に近いため、Y軸を分割線として2分割としてもよい。これを図36に示す。
次に、アクセス対象層が層L0である場合について説明する。この場合、変化量測定部62は、次の式(13)により変化量TEaを算出する。ただし、kは式(13)の括弧内の信号の増幅度を示す定数であり、kの最適値は予め測定によって求めておく。補正量Bは上述した式(11)で表され、変化量TEaから信号光の影響を取り除くためのものである。
TEa={(I10E+I10F+I10G)−(I10A+I10B+I10C)+B}×k ・・・(13)
アクセス対象層が層L0である場合、迷光は迷光0−1,0−2,0−3の3つとなる。
図30は、各領域が各迷光の合成プラス側領域と合成マイナス側領域のいずれであるかを示す図である。領域10B,10Cは各迷光のプラス領域の重畳領域となるので、同図に示すように各迷光の合成プラス側領域である。また、中心に対して点対称の関係にある領域10F,10Gは各迷光のマイナス領域の重畳領域となるので、同図に示すように各迷光の合成マイナス側領域である。
また、領域10A,10Eはそれぞれ各迷光の合成プラス側領域、合成マイナス側領域である。その理由は、アクセス対象層が層L3である場合に領域10A,10Eがそれぞれ各迷光の合成プラス側領域、合成マイナス側領域であるのと同様である。
さらに、領域10D,10Hはそれぞれ各迷光の合成プラス側領域、合成マイナス側領域であるといえる。その理由は、アクセス対象層が層L1である場合に、領域10Bと領域10Fがそれぞれ各迷光の合成プラス側領域、合成マイナス側領域であるのと同様である。
まとめると、領域10A,10B,10C,10Dは各迷光の合成プラス側領域であり、領域10E,10F,10G,10Hは各迷光の合成マイナス側領域である。したがって、式(13)に示したTEaの括弧内の差分信号(I10E+I10F+I10G)−(I10A+I10B+I10C)は、レンズシフトによって迷光スポットに生じた変化の量を示しているということができる。
なお、式(13)中の補正量Bは、信号光受光領域8部分を迷光受光領域10として用いない場合であっても用いることが好ましい。その理由は、アクセス対象層が層L3である場合と同様である。
一方、アクセス対象層が層L0である場合には、迷光受光領域10のサイズを上述したように隣接層間の迷光のみを考慮して決定した場合においては、補正量Bを用いても用いなくてもよい。
迷光0−2、0−3に対しては10Hはマイナス領域であるが、迷光0−1に対してははどちらになるか分からないため、定かではないが、大きな寄与とはならない。
以上説明してきたように、変化量測定部62はアクセス対象層に応じて上記8つの領域を用い分け、変化量TEaを算出する。こうすることで、アクセス対象層ごとに迷光受光領域を設けることなく、変化量測定部62は適切な変化量TEaを取得することができる。したがって、アクセス対象層ごとに迷光受光領域を設けることなく、レンズシフトによるオフセットのないトラッキング誤差信号を好適に得ることが可能になる。
なお、補正量AやBを用いる場合、上記各式のいずれにおいても、領域10B,10C,10Dはひとまとまりの領域として扱われる。また、領域10F,G,Hもひとまとまりの領域として扱われる。したがって、これらをそれぞれ1つの領域とすることとしてもよく、そうすることで迷光受光領域10の分割線を減らすことができる。
また、上記例では迷光受光領域10を正方形としたが、レンズシフト時でも対象となる迷光を含むサイズであれば何でも良い。主として重要なのは領域10A,10Eであるため、迷光受光領域10を領域10A,10Eを含むようなY軸方向に長い長方形としてもよい。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態では、迷光受光領域の他の形状について説明する。
図37は、本実施の形態による迷光受光領域9M,9N,9O,9P,9Q,9Rを示す図である。同図に示すように、これらの各迷光受光領域は互いに合同な領域である。形状は、図37に示したように正方形でもよいし、例えばY方向に長い長方形としてもよい。また、迷光受光領域9M及び9Nは、信号光受光領域8と接し、かつY軸方向の中心線がY軸となるよう配置される。迷光受光領域9Oは迷光受光領域9MのY軸に平行な2辺のうちMY軸寄りの1辺に隣接して配置される。迷光受光領域9Pは迷光受光領域9NのY軸に平行な2辺のうちMY軸寄りの1辺に隣接して配置される。迷光受光領域9Qは迷光受光領域9MのY軸に平行な2辺のうちMX軸寄りの1辺に隣接して配置される。迷光受光領域9Rは迷光受光領域9NのY軸に平行な2辺のうちMX軸寄りの1辺に隣接して配置される。
また、領域9Mと領域9N,領域9Oと領域9P,領域9Qと領域9Rはそれぞれ中心に対して点対称な関係にあればよい。
これらの迷光受光領域は、レンズシフト時も対象とする迷光に含まれていることが望ましい。即ち、迷光の強度分布による影響だけを考えればよいため、考えやすいからである。レンズシフト時に迷光受光領域から迷光が外れる場合でもプラスとマイナスが把握できていればそれでもよい。
以下、迷光受光領域9M,9N,9O,9P,9Q,9Rを用いた変化量TEaの算出について説明する。
図38は、アクセス対象層が層L2であるとした場合の説明図である。同図には、各迷光のレンズシフト基準線LB2−0,LB2−1,LB2−3,LB2−4を示している。
図38に示すように、迷光受光領域9M及び迷光受光領域9Nのサイズは、それぞれ概ね各迷光の合成プラス側領域及び合成マイナス側領域に含まれるように決定されている。また図18にしめしているように、それぞれの層にアクセスした時の両隣の基準線のうち、一番内側の基準線から決まる領域などとしてもよいことはもちろんである。
したがって、迷光受光領域9Mの出力信号I9Mと迷光受光領域9Nの出力信号I9Nの差分信号I9N−I9Mは、レンズシフトによって迷光スポットに生じた変化の量を示しているということができる。
この場合、変化量測定部62は、上記差分信号I9N−I9Mに基づいて変化量TEaを算出する。具体的には、以下に示す式(14)により変化量TEaを算出する。なお、式(14)中のkは定数であり、kの最適値は予め測定によって求めておく。
TEa=(I9N−I9M)×k ・・・(14)
次に、図39は、アクセス対象層が層L0であるとした場合の説明図である。同図には、各迷光のうち、迷光0−1,0−2のレンズシフト基準線LB0−1,LB0−2を示している。なお、図39には迷光0−3,0−4のレンズシフト基準線LB0−3,LB0−4を記載していない。これは、層L3,L4からの迷光0−3,0−4は層L1,L2からの迷光0−1,0−2に比べて大きく広がっているため(不図示)、本実施の形態のように迷光のスポットサイズに比べて小さい迷光受光領域を使用する場合には、その影響を無視できるからである。
図39に示すように、迷光受光領域9M及び9Oは迷光0−1,0−2の合成プラス側領域に含まれ、迷光受光領域9N及び9Pは迷光0−1,0−2の合成マイナス側領域に含まれる。したがって、迷光受光領域9M及び9Oの出力信号の合計信号I9M+I9Oと迷光受光領域9Nの出力信号I9N+I9Pの差分信号(I9N+I9P)−(I9M+I9O)は、レンズシフトによって迷光スポットに生じた変化の量を示しているということができる。
この場合、変化量測定部62は、上記差分信号(I9N+I9P)−(I9M+I9O)に基づいて変化量TEaを算出する。具体的には、以下に示す式(15)により変化量TEaを算出する。なお、式(15)中のkは定数であり、kの最適値は予め測定によって求めておく。
TEa={(I9N+I9P)−(I9M+I9O)}×k ・・・(15)
このように、両端の層にアクセスしている時は、9O,9Pのパターン(L0層の時)、9Q,9Rのパターン(L4層の時)も使えるようになるが、例えば、L1層などでも使える。この時、迷光1−2,1−3と1−0に注目すると、例えば、1−2と1−0が相殺し、1−3の影響のみが残ったり、LB1−0が9M,9O(9N,9P)の中心にくるように配置すると、迷光1−0の影響が小さくなり、1−2,1−3の影響が残るようにすることができる。
以上、アクセス対象層が層L2又は層L0である場合について説明したが、他の層である場合であっても同様に変化量TEaを算出することが可能である。例えば、L4層の時には、9M,9Qと9N,9Rを用いればよい。したがって、本実施の形態の迷光受光領域によっても、レンズシフトによるオフセットのないトラッキング誤差信号を好適に得ることが可能になる。
[第4の実施の形態]
第4の実施の形態では、迷光受光領域のさらに他の形状について説明する。以下では、第1の実施の形態で取り上げた光ディスク11(図5)を用いる。
図40は、アクセス対象層が層L2であるとした場合の各迷光のレンズシフト基準線LB2−3,LB2−4,LB2−0,LB2−1を示している。同図に示すように、この場合、LB2−0とLB2−4の間の領域(すなわち、各迷光の合成マイナス側領域及び合成プラス側領域)が非常に狭くなっている。このような場合、第3の実施の形態で説明した迷光受光領域9M及び迷光受光領域9Nのような迷光受光領域を設置することは困難である。
そこで、本実施の形態では、図40にも示すように、例えばアクセス対象層L2よりも対物レンズ側の全ての層(ここでは層L3,L4)に対応する各迷光の合成マイナス側領域及びL0,L1層に対応する各迷光の合成マイナス側領域に、それぞれ迷光受光領域9S及び9Tを設置する。なお、迷光受光領域9S及び9Tは、互いに原点対称の位置に同じ大きさで設置することが好ましい。
このようにすると、迷光受光領域9Sは、アクセス対象層L2よりも対物レンズ側の全ての層(ここでは層L3,L4)に対応する各迷光の合成マイナス側領域となり、その反対側の全ての層(ここでは層L0,L1)に対応する各迷光の合成プラス側領域となるが、これらが完全に打ち消しあわないよう光ディスク11の層間隔や光学系を設計することにより、迷光受光領域9Sを各迷光2−0,2−1,2−3,2−4の合成プラス側領域(又は合計マイナス側領域)とすることができる。また、図40の例とは異なるが、例えばアクセス対象層が層L1である場合のように、対物レンズ側の層とその反対側の層の数が異なる場合には、そのことによって迷光受光領域9Sは合成プラス側領域(又は合計マイナス側領域)となる。以上の事情は迷光受光領域9Tでも同様であり、迷光受光領域9Tを各迷光2−0,2−1,2−3,2−4の合成マイナス側領域(又は合計プラス側領域)とすることができる。
また、L0、L4層の両端の層の場合は、例えばL0層の時は、基準線LB0−1,LB0−2などの合成マイナス領域及び合成プラス領域にそれぞれ9S,9Tを設置すればよい。
したがって、迷光受光領域9Sの出力信号I9S(マイナス領域とした時)と迷光受光領域9Tの出力信号I9T(プラス領域とした時)とがレンズシフトに対して互いに逆方向の変化を示すようにすることができるので、そうすることによって、それらの差分信号I9S−I9Tは、レンズシフトによって迷光スポットに生じた変化の量を示しているということができる。
この場合、変化量測定部62は、上記差分信号I9S−I9Tに基づいて変化量TEaを算出する。具体的には、以下に示す式(16)により変化量TEaを算出する。なお、式(16)中のkは定数であり、kの最適値は、アクセス対象層ごとに予め測定によって求めておく。
TEa=(I9S−I9T)×k ・・・(16)
以上説明したように、本実施の形態によれば、各迷光の合成マイナス側領域及び合成プラス側領域が狭い場合であっても、レンズシフトによるオフセットのないトラッキング誤差信号を好適に得ることが可能になる。
なお、第3の実施形態と第4の実施形態を組み合わせてTEaを求めてもよい。
[第5の実施の形態]
第5の実施の形態では、迷光受光領域のさらに他の形状について説明する。
本実施の形態では、信号光受光領域8の一部を迷光受光領域としても利用する。
図41は、本実施の形態による迷光受光領域8E,8Fを示す図である。同図に示すレンズシフト基準線LBa,LBbは、迷光受光領域8E,8Fの形状を決定するために仮に描いた補助線で、Y軸に対して線対称であるとする。
図41に示すように、迷光受光領域8Eは、レンズシフト基準線LBaに対応する迷光(迷光aとする。)のマイナス側領域とレンズシフト基準線LBbに対応する迷光(迷光bとする。)のプラス側領域との重畳領域である。また、迷光受光領域8Fは、迷光aのプラス側領域と迷光bのマイナス側領域との重畳領域である。
実際には、実際の基準線の位置や、プラスに寄与する迷光とマイナスに寄与する迷光の数や強度の違いなどで、迷光受光領域8Eの出力信号I8Eと迷光受光領域8Fの出力信号I8Fの差分信号I8E−I8Fは、レンズシフトによって迷光スポットに生じた変化の量を示しているということができる。
この場合、変化量測定部62は、上記差分信号I8E−I8F(マイナスになっているとする。もしプラスの場合は、マイナスを掛ける)に基づいて変化量TEaを算出する。具体的には、以下に示す式(17)により変化量TEaを算出する。なお、式(17)中のkは定数であり、kの最適値は予め測定によって求めておく。
TEa=(I8E−I8F)×k ・・・(17)
以上説明したように、本実施の形態によれば、信号光受光領域8の一部を迷光受光領域として用いることによっても、レンズシフトによるオフセットのないトラッキング誤差信号を好適に得ることが可能になる。
なお、第3の実施の形態の式(例えば式(14))、第4の実施の形態の式(16)と、上記式(17)とを組み合わせ、式(18)として変化量TEaを算出することとしてもよい。
TEa={(I9N−I9M)+(I9S−I9T)+(I8E−I8F)}×k10 ・・・(18)
[第6の実施の形態]
第6の実施の形態では、迷光受光領域のさらに他の形状について説明する。
本実施の形態でも、信号光受光領域8の一部を迷光受光領域としても利用する。
図42は、本実施の形態による迷光受光領域8G,8H,8I,8Jを示す図である。同図に示すレンズシフト基準線LBa,LBbは第5の実施の形態と同様のものである。
図42に示すように、迷光受光領域8G,8Iはともに迷光a,bの合成プラス側領域であり、Y軸に沿って互いに分割されている。また、迷光受光領域8H,8Jはともに迷光a,bの合成マイナス側領域であり、Y軸に沿って互いに分割されている。
変化量測定部62は、次の式(19)により変化量TEaを算出する(マイナスになっているとする。もしプラスの場合は、マイナスを掛ける)。ただし、k10は式(19)の括弧内の信号の増幅度を示す定数であり、k10の最適値は、アクセス対象層ごとに予め測定によって求めておく。
TEa={(I8G−I8H)+(I8J−I8I)}×k10 ・・・(19)
式(19)によって算出される変化量TEaには、信号光スポットのレンズシフトによる移動の影響は生じない。迷光受光領域がY軸対称となっているからである。
また、信号(I8G−I8H)+(I8J−I8I)の値は実際のレンズシフト基準線の位置や、プラスに寄与する迷光とマイナスに寄与する迷光の数やの強度の違いなどによって決定されるが、0になることはほとんどないと考えられる。したがって、アクセス対象層ごとに定数k10を決定しておくことで、レンズシフトによるオフセットのないトラッキング誤差信号を好適に得ることが可能になる。
第五の実施の形態の時も同様なことが言えるが、迷光の基準線に基づく分割線は必ずしもY軸に対して対称ではないため、信号光受光領域では例えば、内側にある基準線に合わせて線対称になるように分割したり、迷光の分割線を内側の基準線に合わせるようにするなどとしてもよい。このようにして設けられたパターンは全ての実施例と組合すことができる。
[第7の実施の形態]
第7の実施の形態では、センサレンズ25を用いない光学ドライブ装置を用いる場合について説明する。このような光学ドライブ装置の構成は、図1に示した構成からセンサレンズ25を除いたものとなる。
図43は、本実施の形態による迷光受光領域の例を示す図である。同図には信号光スポット及び迷光スポットの例も示しているが、これらの例に示すように、センサレンズ25を用いない場合、迷光スポットは信号光スポットと相似形となり、各迷光のレンズシフト方向線及びレンズシフト基準線は、信号光のレンズシフト方向線LDS及びレンズシフト基準線LBSと一致する。
図43に示した迷光受光領域9の外周は正方形であり、その中心は信号光受光領域8の中心と同じ位置にある。信号光受光領域8部分は迷光受光領域9に含まれるとしてもよいし、含まれないとしてもよい。迷光受光領域9の角度は、信号光受光領域8と同じく、MX軸方向及びMY軸方向が迷光受光領域9の対角線と一致するよう決定されている。迷光受光領域9のサイズは、レンズシフトによって移動している場合も含め、各迷光のスポット全体が含まれるよう設計されている。
また、迷光受光領域のサイズは対象とする迷光のみを含むようなサイズにしてもよい。
迷光受光領域9U及び9Vは、迷光受光領域9をX軸、すなわち各スポットのレンズシフト基準線で分割した形状となっている。これにより、迷光受光領域9Uは各迷光の合成マイナス側領域となり、迷光受光領域9Vは各迷光の合成マイナス側領域となる。したがって、迷光受光領域9Uの出力信号I9Uと迷光受光領域9Vの出力信号I9Vの差分信号I9U−I9Vは、レンズシフトによって迷光スポットに生じた変化の量を示しているということができる。
この場合、変化量測定部62は、上記差分信号I9U−I9Vに基づいて変化量TEaを算出する。具体的には、以下に示す式(20)により変化量TEaを算出する。なお、式(20)中のk11は定数であり、k11の最適値は予め測定によって求めておく。
TEa=(I9U−I9V)×k11 ・・・(20)
以上説明したように、本実施の形態によれば、各センサレンズ25を用いない光学ドライブ装置を用いる場合であっても、レンズシフトによるオフセットのないトラッキング誤差信号を好適に得ることが可能になる。
以上、光検出器5の迷光受光領域と変化量測定部62が行う変化量の測定について、7つの実施の形態により説明した。
最後に、迷光受光領域を最適なサイズとするための規格について説明する。
迷光受光領域において全ての迷光を受光できるようにする場合、迷光受光領域の面積を各迷光のスポットサイズ(光検出器5上に形成されるスポットの直径もしくは長軸)の二乗以上の大きさにする必要がある。迷光のスポットサイズは層間隔が長いほど大きくなるため、層間隔が長くなるほど迷光受光領域の面積が大きくなる。迷光受光領域の面積があまりに大きいことは好ましくないので、迷光のスポットサイズ(光検出器5上に形成されるスポットの直径もしくは長軸)をある程度の値までに抑える必要がある。
迷光のスポットサイズは層間隔の他、復路光学倍率にも応じて変化する。迷光のスポットサイズを小さくするためには復路光学倍率を小さくすることも考えられる。しかしながら、現在の2層のブルーレイディスクの規格では復路光学倍率をあまり下げることができない。そこで、新たな規格を設け、復路光学倍率をより下げることができるようにする。以下、詳しく説明する。
図44は、迷光受光領域のサイズの算出についての説明図である。図44(a)は図1の一部を抜き出した図である。また、図44(b)は図44(a)に示した光検出器5付近の光ビームの様子を拡大して示した図である。
図44(a)に示すように、ここでは、アクセス対象層の両側にxずつ離れて迷光層がある場合を取り上げる。また、対物レンズ4側の迷光層から対物レンズ4までの距離をyとする。さらに、コリメータレンズ23からMY軸焦点までの距離をzとする。
MY軸側の復路光学倍率をβとすると、β=z/(x+y)の関係が成り立つ。
また、図44(b)に示すように、MY軸側焦点及びMX軸側焦点と合焦点の間の距離は、定数γ,γを用いて、それぞれβγ及びβγと表すことができる。この定数γ,γは、フォーカスの引き込み範囲γ+γが設定値(例えば5μm)であり、MX軸側のセンサレンズ25の光学倍率β(>1)を用いてβγ=γと表される。したがって、例えばγ+γ=5μm、β=1.2とすると、γ≒2.27μm、γ≒2.73μmとなる。
また、迷光層の焦点位置は合焦点の両側βxの距離に位置することになる。
そして、各迷光層のスポットの直径b及びdは、次の式(21)及び式(22)により求めることができる。ただし、βはMY軸側のセンサレンズ25の光学倍率(>1)であり、β=β×β(MX軸側の復路光学倍率)である。また、NA及びnはそれぞれ対物レンズ4の開口率及びメディア(光ディスク11)の層間媒体の屈折率である。
b/2=2β{(x+γ)/β }NA/n ・・・(21)
d/2=2β(x+γ)NA/n ・・・(22)
具体的な数値例を挙げる。β=15、β=1.2、NA=0.85、n=1.5、γ+γ=5μmとすると、各迷光層のスポットの直径b及びdは、xの値ごとに表1のように求められる。
Figure 2009181680
ここで、信号光受光領域の面積をS1、迷光受光領域の面積をS2とする。ブルーレイディスクの規格では、S1/β≦25である。したがって、例えばS1=10000μmとするとβ≧20となり、βの最小値は20となる。そこで、βの最小値をより小さくするために、25<S1/β≦X(X>25)とする。これにより、迷光受光領域の面積S2(b又はdのうち、大きい方以上の値。)を小さくすることができる。
また、βを小さくできると、基準線がMX軸、MY軸の方に近づいていき、合成プラス領域や合成マイナス領域を大きくとることができるようになり、より効果的になる。
ただし、上記Xは、迷光がレンズシフト時も信号光受光領域を含む大きさとする。この時、迷光受光領域にかかる迷光の面積は、レンズシフト時も一定になるため、信号光受光領域の加算信号=I8A+I8B+I8C+I8Dに含まれる迷光成分を、迷光受光領域の迷光の強度に定数倍をかけてキャンセルするようにした場合、レンズシフト時の誤差が小さくなる。
よって、25<S1/β≦Xと同時に、S2/β≧Yとなるように規格をさだめる。例えば式(22)より、Y=(d/β)={4×(x+γ)×NA/n}}となる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、上記実施の形態では2つ以上の迷光受光領域の出力信号を用いて変化量TEaを算出したが、迷光の変化量を反映する1つの迷光受光領域(例えば、図13の領域9I)の出力信号のみを用いて変化量TEaを算出することも可能である。
本発明の実施の形態による光学ドライブ装置の模式図の一例である。 本発明の実施の形態によるセンサレンズによって付与される非点収差の説明図である。 (a)(b)ともに本発明の実施の形態による光検出器の信号光受光領域を示している。(a)はレンズシフトがない場合の信号光スポットの例を、(b)はレンズシフトによって最大限移動した信号光スポットの例を、それぞれ示している。 本発明の実施の形態による処理部の機能ブロックを示す図である。 本発明の第1の実施の形態による光ディスクの層構成を示す図である。 レンズシフトがない場合において光検出器上に形成されるスポットを、信号光及び迷光ごとに示す図である。 レンズシフトによってプラス方向に移動した各スポットを、図6の各図に対応させて描いた図である。 (a)は図6の各図に示した信号光スポット、迷光スポット、及びそれぞれのレンズシフト方向線とレンズシフト基準線を一図に描いた図である。(b)は図7の各図に示した信号光スポット、迷光スポット、及びそれぞれのレンズシフト方向線とレンズシフト基準線を一図に描いた図である。 本発明の第1の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第1の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第1の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第1の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第1の実施の形態による迷光受光領域の例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において、アクセス対象層により近い層のレンズシフト基準線のみを考慮して形成した迷光受光領域の例を示す図である。 本発明の第2の実施の形態による光ディスクの層構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態において光検出器上に形成されるスポットを、アクセス対象層ごとに示した図である。 本発明の第2の実施の形態において光検出器上に形成されるスポットを、アクセス対象層ごとに示した図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の例を示す図である。 図18に示した迷光受光領域のうち、信号光受光領域付近を拡大した図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第2の実施の形態の変形例による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第3の実施の形態による迷光受光領域の例を示す図である。 本発明の第3の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第3の実施の形態による迷光受光領域の説明図である。 本発明の第4の実施の形態による迷光受光領域の例を示す図である。 本発明の第5の実施の形態による迷光受光領域の例を示す図である。 本発明の第6の実施の形態による迷光受光領域の例を示す図である。 本発明の第7の実施の形態による迷光受光領域の例を示す図である。 本発明の実施の形態による迷光受光領域のサイズの算出についての説明図である。 (a)は本発明の背景技術による光ディスク記録面の断面の端面と、対物レンズと、光ビーム(入射光,反射光(0次回折光、±1次回折光))とを示す図である。(b)は各出力信号の変化を示す図である。 本発明の背景技術による光検出器の受光面を示す図である。 本発明の背景技術による光ディスクの再生及び記録を行うための光学ドライブ装置の模式図である。 (a)は光検出器の受光面がセンサレンズの合焦点に位置している場合に、該受光面上に形成されるスポットの光強度を等高線(強度中心の光強度Iの所定数倍)で示した図である。(b)は(a)のY軸上に対応する光強度を示す図である。 本発明の背景技術による光ディスクの再生及び記録を行うための光学ドライブ装置の模式図であり、特にレンズシフトがある場合の光ビームの様子を示す図である。 (a)は、図49に示す例において、光検出器の受光面上に形成されたスポットの光強度を等高線で示した図である。(b)は(a)のY軸上に対応する光強度を示す図である。 本発明の背景技術による対物レンズのシフト量とトラッキング誤差信号のオフセット量との関係を示す図である。
符号の説明
L0,L1,L2,L3 層
1 光学ドライブ装置
2 レーザ光源
3 光学系
4 対物レンズ
5 光検出器
6 処理部
8,8A,8B,8C,8D 信号光受光領域
8E,8F,8G,8H,8I,8J,9,9A,9B,9C,9D,9E,9F,9G,9H,9I,9J,9K,9L,9M,9N,9O,9P,9Q,9R,9S,9T,9U,9V,10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,12,12A,12B,12C,12D,12E,12F,12G,12H,12I,12J,12K,12L,12M,12N,12O,12P,12Q,12R,12S,12T 迷光受光領域
11 光ディスク
22 ビームスプリッタ
23 コリメータレンズ
24 1/4波長板
25 センサレンズ
61 プッシュプル信号生成部
62 変化量測定部
63 トラッキング誤差信号生成部
64 対物レンズ制御部

Claims (15)

  1. 多層化された光ディスクの記録面で反射した光ビームを受光する光検出器と、
    前記光ビームに含まれる迷光が前記光検出器上に形成するスポットのレンズシフトによる変化量を測定する測定手段と、
    前記測定手段の測定結果を用いてトラッキング誤差信号を生成するトラッキング誤差信号生成手段と、
    を備えることを特徴とする光学ドライブ装置。
  2. 前記光検出器は複数の迷光受光領域を備え、
    前記各迷光受光領域は、少なくとも1つ以上の迷光の合成プラス側領域及び合成マイナス側領域に少なくとも1つずつ設けられ、
    前記測定手段は、前記各迷光受光領域の受光量に基づいて前記変化量を測定することを特徴とする請求項1に記載の光学ドライブ装置。
  3. 前記合成プラス側領域に設けられた迷光受光領域と前記合成マイナス側領域に設けられた迷光受光領域とは、レンズシフトがない場合のスポット中心に対して点対称であることを特徴とする請求項2に記載の光学ドライブ装置。
  4. 前記各迷光受光領域は、所定の迷光受光領域を前記各迷光のうちの少なくとも一部のレンズシフト基準線に基づいて分割してなる分割領域であることを特徴とする請求項2又は3に記載の光学ドライブ装置。
  5. 前記光ビームは、シリンドリカルレンズを介して前記光検出器上に照射され、
    前記レンズシフト基準線は、レンズシフトによる前記迷光スポットの移動方向とシリンドリカルレンズの母線又は子線に対して線対称な線であることを特徴とする請求項4に記載の光学ドライブ装置。
  6. 前記少なくとも一部の迷光は、最も遠い隣接層間に対応する2つの迷光を含み、
    前記測定手段は、前記各分割領域の受光量にアクセス対象層に応じた演算を施すことにより、前記変化量を取得することを特徴とする請求項4又は5に記載の光学ドライブ装置。
  7. 前記各分割領域のうち信号光受光領域と重畳している分割領域は、レンズシフトがない場合のスポット中心に対して点対称かつ信号光のレンズシフト方向線に対して線対称に分割された領域であることを特徴とする請求項6に記載の光学ドライブ装置。
  8. 前記各分割領域のうち、前記最も遠い隣接層間に対応する2つの迷光の合成プラス側領域である第1領域と、該2つの迷光の合成マイナス側領域である第2領域とは信号光受光領域を含まず、
    前記各分割領域のうち、前記第1領域と前記第2領域以外の各領域は信号光受光領域を含み、
    前記測定手段は、前記各分割領域の受光量に基づいて前記変化量を測定することを特徴とする請求項6に記載の光学ドライブ装置。
  9. 前記少なくとも一部の迷光は、両端以外の各層と、その両隣の層以外の層との層間に対応する迷光を含むことを特徴とする請求項6に記載の光学ドライブ装置。
  10. 前記各迷光受光領域は、前記所定の迷光受光領域を信号光のレンズシフト方向線にも基づいて分割してなる分割領域であることを特徴とする請求項4に記載の光学ドライブ装置。
  11. 前記所定の迷光受光領域のサイズは、前記各迷光のスポットサイズに基づいて決定されることを特徴とする請求項4乃至10のいずれか一項に記載の光学ドライブ装置。
  12. 前記所定の迷光受光領域の面積は、隣接層間の迷光のスポットのうち最も長い長軸を有するスポットの長軸の長さの二乗以上であることを特徴とする請求項11に記載の光学ドライブ装置。
  13. 信号光受光領域の面積が、前記記録面から前記光検出器の間に設けられた光学系の光学倍率の2乗の25倍より大きいことを特徴とする請求項11又は12に記載の光学ドライブ装置。
  14. 前記所定の迷光受光領域の面積が、前記記録面から前記光検出器の間に設けられた光学系の光学倍率の2乗の{4×(x+γ)×NA/n}}倍より大きいことを特徴とする請求項11又は12に記載の光学ドライブ装置。
  15. 多層化された光ディスクの記録面で反射した光ビームを受光する光検出器であって、
    少なくとも1つ以上の迷光の合成プラス側領域及び合成マイナス側領域に少なくとも1つずつ設けられた迷光受光領域を有し、
    前記合成プラス側領域に設けられた迷光受光領域と前記合成マイナス側領域に設けられた迷光受光領域とは、レンズシフトがない場合のスポット中心に対して点対称であることを特徴とする光検出器。
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