JP2007328833A - 光ディスク装置、光ディスク媒体の位置制御方法およびそのプログラム - Google Patents

光ディスク装置、光ディスク媒体の位置制御方法およびそのプログラム Download PDF

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Abstract

【目的】 他層からのメインビームの反射光がサブビームの受光素子で受光されることで、正規化が不正確になることを防止し、1層の光ディスク媒体に対しても複数層を有する光ディスク媒体に対しても安定したサーボ制御が行える光ディスク装置の実現を目的とする。
【構成】 システムコントローラ5で光ディスク媒体1の状態を判別し、この判別結果によってRF回路部7でサーボ誤差信号の正規化に用いる和信号を選択することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学的情報記録層を一層又は複数層備えた光ディスク媒体に対して、複数ビームを用い、複数ビームのそれぞれの差信号と和信号から生成されるサーボ誤差信号を用いて、複数ビームの集光点を記録層上に位置決めする光ディスク装置、位置制御方法及びそのプログラムに関する。
光ディスク装置とは、光ヘッドに搭載されたレーザーから出射されたビームを光ディスク媒体の記録面に集光して照射し、記録面で反射された反射光を光検出器にて電気信号に変換して記録面上の情報を再生し、またレーザーから出射されたビームの光量を変化させて光ディスク媒体の記録面に集光して照射し、記録面上に情報ピットを記録し、再生する装置である。光ディスク媒体としてCD、DVD、HD DVD、Blu−rayが知られている。
光ディスク装置ではビームの集光点を光軸方向およびに光ディスク媒体の半径方向に位置決めする。光軸方向の位置決めをフォーカシング制御、光ディスク媒体の半径方向の位置決めをトラッキング制御という。光軸方向の位置決めに用いる誤差信号がフォーカス誤差信号、半径方向の位置決めに用いる誤差信号がトラック誤差信号であり反射光からそれぞれの誤差信号を生成する。フォーカス誤差信号やトラック誤差信号を総称してサーボ誤差信号と呼ぶ。フォーカス誤差信号の生成方法には差動非点収差法等が、トラック誤差信号の生成方法には差動プッシュプル法(DPP)等が、一般的に知られている。
まずサーボ誤差信号のうちトラック誤差信号作成法の一つであるDPP法について説明する。
DPP法は、例えば、特許文献1に示されている。差動プッシュプル信号(DPP信号)はメインビームのプッシュプル信号をMPP、サブビームのプッシュプル信号をSPP、kを定数とすると、以下の式(1)として生成される。
(数1)
DPP=MPP−k・SPP (1)
式(1)で生成されるDPP信号には、光ディスク媒体の記録領域と未記録領域で媒体の反射率が変化することによりDPP信号の振幅が記録領域と未記録領域で変化してしまうという問題点がある。
この問題点を回避するために、プッシュプル信号を和信号で除算することで光ディスク媒体の反射率変化の影響を補正するAGC(Auto Gain Control)法が用いられている。式(1)のDPP信号へのAGC法の適用方法としては、メインビームの和信号をMSUM、サブビームの和信号をSSUM、k1、k2を定数とすると、主として以下の式(2)、式(3)の2パターンが考えられる。
式(2)は、式(1)をメインビームの和信号とサブビームの和信号を加算した総和信号で除算している。式(3)はメインビームのプッシュプル信号をメインビームの和信号で除算し、サブビームのプッシュプル信号をサブビームの和信号で除算している。
式(2)、式(3)のようにAGCを適用することで光ディスク媒体の記録領域と未記録領域で媒体の反射率が変化してもDPP信号の振幅の変動を抑制することができる。
(数2)
DPP=(MPP−k1・SPP)÷(MSUM+SSUM) (2)
(数3)
DPP=MPP÷MSUM−k2・SPP÷SSUM (3)
また、2層光ディスク媒体でのDPP信号生成法に関しては、特許文献2に示される方法がある。特許文献2では2層光ディスク媒体の各記録層毎に式(1)のSPP信号を切替えることで現在記録再生を行っている記録層とは逆の層からの反射光の漏れこみによるDPP信号の振幅の変動を抑制することができる。
続いてサーボ誤差信号のうちフォーカス誤差信号作成法の一つである差動非点収差法について説明する。
差動非点収差法でのフォーカス誤差信号(DFE信号)はメインビームのフォーカス誤差信号をMFE、サブビームのフォーカス誤差信号をSFE、mを定数とすると、以下の式(4)として生成される。
(数4)
DFE=MFE−m・SFE (4)
式(4)で生成されるDFE信号は、光ディスク媒体の記録領域と未記録領域で媒体の反射率が変化することによりDFE信号の振幅が記録領域と未記録領域で変化してしまうという問題点がある。
そこでフォーカス誤差信号を和信号で除算することで光ディスク媒体の反射率変化の影響を補正するAGC(Auto Gain Control)法がある。
式(4)にAGCを適用したDFE信号としては、メインビームの和信号をMSUM、サブビームの和信号をSSUM、m1、m2を定数とすると、以下の式(5)、式(6)の2パターンが考えられる。
式(5)は式(4)をメインビームの和信号とサブビームの和信号を加算した総和信号で除算している。式(6)はメインビームのフォーカス誤差信号をメインビームの和信号で除算し、サブビームのフォーカス誤差信号をサブビームの和信号で除算している。
式(5)、式(6)のようにAGCを適用することで光ディスク媒体の記録領域と未記録領域で媒体の反射率が変化してもDFE信号の振幅の変動を抑制できる。
(数5)
DFE=(MFE−m1・SFE)÷(MSUM+SSUM) (5)
(数6)
DFE=MFE÷MSUM−m2・SFE÷SSUM (6)
また、後述するように特許文献3では、サブビームの和信号SSUMをメインビームの和信号MSUMで置き換えることで他層からの反射のもれこみを抑制する方法が述べられている。また、後述するように特許文献4では、光ディスク媒体の記録層の層数を判別する方法が述べられている。
特開平9−81942号公報 特開2005−203010号公報 特開2003−67949号公報 特開2002−312933号公報
しかしながら、式(2)、式(3)で示すAGCを適用したDPP信号や、式(5)、式(6)で示すAGCを適用したDFE信号では、複数層光ディスク媒体で、現在合焦している記録層(自層と呼ぶことにする。)とは別の記録層(他層と呼ぶことにする。)からの反射光の漏れこみによりDPP信号やDFE信号を安定して生成できないという問題がある。
以下、詳細に説明する。一般的にメインビームの光量に対してサブビームの光量は1/10(αとする)以下に設定される。これは記録再生に使われるのはメインビームなのでその光量を大きくするのがレーザの光利用効率上の要求事項であり、かつ情報を記録する場合にはサブビームによる記録情報の誤消去を避けるためサブビームの光量を小さくすることが要求されるからである。
メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層からの反射光の光量とサブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層からの反射光の光量比(=αとする)は、概ね上述したメインビームとサブビームの光量の比に等しい。
一方、メインビームまたはサブビームの他層からの反射光の何%がそれぞれのビーム用光検出器で受光されるかを表す受光量の層間χt率(=βとする)は、主として対物レンズのNA(開口数)と光ディスク媒体の中間層の厚さにより定まる。
この光量比は、例えば、開口数NA=0.65で、中間層の厚さの存在範囲が15μmから30μmの間と物理規格で規定されているHD DVD用の光ディスク装置では、最大で0.45程度の値をとる。
また、メインビームの他層からの反射光をメインビームとサブビームそれぞれの光検出器で受光する場合、メインビーム用光検出器での受光量に対するサブビーム用光検出器での受光量の比(=γとする)とサブビームの他層からの反射光をメインビームとサブビームそれぞれの光検出器で受光する場合、サブビーム用光検出器での受光量に対するメインビーム用光検出器での受光量の比は等しく、主として光ディスク媒体の中間層厚とメインビームからサブビームまでの光ディスク媒体の記録面上の距離により定まる。
この距離は、例えばHD DVD用の光ディスク装置では15μm程度に設定される。この距離は、狭く採りすぎるとそれぞれの光検出器でそれぞれのビームを分離して検出することが難しくなる点と、逆に広く採りすぎるとメインビームとサブビームで誤差の検出位置が離れてDPP信号やDFE信号の信頼性が低くなる点のトーレドオフにより設定される。
メインビームとサブビームの光ディスク媒体の記録面上の距離が15μmで中間層厚が15μm〜30μmの時、上記光量比γは最大で0.2程度の値をとる。
ここで、メインビーム用光検出器で受光されるメインビームの自層からの反射光の光量を1とすると、サブビーム用光検出器で受光されるサブビームの自層からの反射光の光量はα=0.1となり、サブビームの他層からの反射光がメインビーム用光検出器で受光される光量はα*β*γで表され最大0.009となり、メインビームの他層からの反射光がサブビーム用光検出器で受光される光量はβ*γで表され最大0.09となる。
よってメインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層での反射光に対するサブビームの他層からの反射光(α*β*γ)の比率と、サブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層での反射光(α)に対するメインビームの他層からの反射光(β*γ)の比率は、それぞれ最大でα*β*γ=0.009、β*γ/α=0.9程度となる。
従って、AGC法に拠ってDPP信号を生成する時、メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層での反射光に対するサブビームの他層からの反射光の影響は無視しても実用上の支障は無い。一方、サブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層での反射光に対するメインビームの他層からの反射光の影響を無視すると安定した信号が確保し難くなる。
他層からの反射光の影響は、DPP法およびDFE法によってサーボ誤差信号を生成するために4分割された光検出器の各分割領域で一様なDC光量の変化として生じるので、4分割された光検出器の対角位置にある2領域または非対角隣接位置にある2領域の光量の差分として生成されるサーボ誤差信号への他層からの反射光の影響を無視しても実用上の支障はなく、主として和信号への影響が課題となる。
また、他層が記録領域か未記録領域かで他層の反射率が変化するので、他層からの反射光は、他層が記録領域か未記録領域かによってDC光量が変化し、和信号に影響を及ぼす。 よって複数層光ディスク媒体では、メインビームの他層からの反射光によりサブビームの和信号に無視できない変動が発生するとともに、他層が記録領域か未記録領域かによってもサブビームの和信号に無視できない変動が発生する。
以上から、式(2)、式(3)で示すAGCを適用したDPP信号や式(5)、式(6)で示すAGCを適用したDFE信号ではサブビームの和信号を除算に使用しているので、複数層光ディスク媒体ではメインビームの他層からの反射光および他層が記録領域か未記録領域かによってサブビームの和信号の光量変動が発生すると、同時に他層からの反射光および他層が記録領域か未記録領域かによってDPP信号やDFE信号にゲイン変動を誘発し、良好なサーボ誤差信号が得られず、安定してサーボ制御を行うことが困難であるという問題が生ずることとなる。
特許文献3では、二層記録型光ディスク媒体では式(3)においてSSUM信号をMSUM信号に変更した式(7)を用いることでメインビームの他層からの反射光の影響をなくすと述べている。
(数7)
DPP=MPP÷MSUM−k2・SPP÷MSUM (7)
同様にして式(2)において総和信号であるMSUM+SSUM信号をMSUM信号に変更した式(8)を用いることでメインビームの他層からの反射光の影響をなくすことができる。
(数8)
DPP=(MPP−k1・SPP)÷(MSUM) (8)
しかし、一般的にはメインビームの光量に対してサブビームの光量は1/10(αとする)以下に設定される。これは記録再生に使われるのはメインビームなのでその光量を大きくするのがレーザの光利用効率上の要求事項であり、かつ情報を記録する場合にはサブビームによる記録情報の誤消去を避けるためサブビームの光量を小さくすることが要求されるからである。
メインビームの和信号MSUMに対するサブビームの和信号SSUMのゲイン比は概ね上述したメインビームとサブビームの光量の比に等しく1/10となる。
DPP信号ではAGCを適用したMPP信号に発生するDCオフセット量とAGCを適用したSPP信号に発生するDCオフセット量をキャンセルできるように式(3)のゲインk2を定める。
しかし、一層記録型光ディスク媒体で式(3)によりDPP信号を生成していたのが、二層記録型光ディスク媒体に切替えると、式(3)にてSSUMをMSUMに変更しSSUM信号の10倍のゲインを持つMSUM信号で除算することになり、AGCを適用したSPP信号に発生するDCオフセット量が1/10となりDPP信号にDCオフセットを発生させてしまうという問題点がある。
また、二層記録型光ディスク媒体から一層記録型光ディスク媒体に切替えると同様にしてAGCを適用したSPP信号の発生するDCオフセット量が10倍となりDPP信号にDCオフセットを発生させてしまうという問題点がある。
またAGCを適用したMPP信号のAC成分とAGCを適用したSPP信号のAC成分は極性が反転しており、AGCを適用したMPP信号からAGCを適用したSPP信号を減算することで両者のAC成分が同極性となり、AGCを適用したMPP信号のゲインとAGCを適用したSPP信号のゲインを足し合わせたものが概略DPP信号のゲインとなる。
しかし、一層記録型光ディスク媒体で式(3)によりDPP信号を生成していたのが、二層記録型光ディスク媒体に切替えると、式(3)にてSSUMをMSUMに変更しSSUM信号の10倍のゲインを持つMSUM信号で除算することになり、AGCを適用したSPP信号のゲインは1/10となりDPP信号のゲインも低下してしまうという問題点がある。二層記録型光ディスク媒体から一層記録型光ディスク媒体に切替えると同様にしてAGCを適用したSPP信号のゲインは10倍となりDPP信号のゲインが増加してしまうという問題点がある。
また一層記録型光ディスク媒体で式(2)によりDPP信号を生成していたのが、二層記録型光ディスク媒体に切替えると、式(2)にてMSUM+SSUMをMSUMに変更して除算することになり、AGCを適用したDPP信号のゲインは(MSUM+SSUM)÷MSUMだけ上昇するという問題点がある。
二層記録型光ディスク媒体から一層記録型光ディスク媒体に切替えると同様にしてAGCを適用したDPP信号のゲインはMSUM÷(MSUM+SSUM)だけ減少するという問題点がある。
特許文献2では光ヘッドの構成上、他層からの反射光によるSPP信号への影響を解決するために、2層光ディスクの各層でSPP信号を切り替えなくてはならず、光ディスク装置の構成が煩雑になるという問題がある。更にAGCを適用すると他層からの反射光によりSSUM信号に影響が発生し、2層光ディスクの各層で和信号をも切り替えなくてはならず、光ディスク装置の構成が更に煩雑になるという問題がある。
本発明の目的は、上記の問題点を解決して、複数の情報記録層を有する光ディスク媒体のサーボ誤差信号にAGCを適用した場合に、メインビームの他層からの反射光がサブビームの受光素子で受光されることで、正規化が不正確になることを防止し、1層の光ディスク媒体に対しても複数層を有する光ディスク媒体に対しても安定したサーボ制御が行える光ディスク装置、光ディスク媒体の位置制御方法及びその制御をコンピュータに実行させるプログラムを提供することである。
上記目的を実現するため、本発明の光ディスク装置は、メインビームと少なくとも1つのサブビームとを発光する発光素子と、前記メインビームとサブビームとを光ディスク媒体に集光照射する対物レンズと、前記光ディスク媒体からの反射光を各ビームごとにそれぞれ受光する受光領域が分割された受光素子と、それぞれの受光素子の受光領域相互の光量の差分からサーボ位置誤差信号を求め、メインビームのサーボ位置誤差信号とサブビームのサーボ位置誤差信号との相互の演算処理と、受光光量の和信号による除算正規化とを行って位置制御のための信号を生成する位置制御演算回路とを備えた光ディスク装置において、前記光ディスク媒体の状態を判別する状態判別手段と、光ディスク媒体の状態によって前記位置制御演算回路での正規化に用いる前記和信号を選択する和信号選択手段とを具備することを特徴とする光ディスク装置(請求項1乃至10)。
これにより、光ディスク媒体の状態によって、正規化の和信号を切り替えることで、安定したサーボ制御が行える光ディスク装置が実現できる。
ここで、前記位置制御演算回路で行われる演算処理は、前記メインビームのサーボ位置誤差信号から前記サブビームのサーボ位置誤差信号に第1の重み係数を掛けた信号を減算した後、受光光量の和信号で除算正規化する処理であり、前記和信号選択手段で選択する前記和信号は、第1の和信号である前記受光素子全部の受光量の総和信号か、前記受光素子全部の受光量の和のうち、前記少なくとも1つのサブビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和が前記メインビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和に前記メインビームに対する前記少なくとも1つのサブビームの光量比相当の第2の重み係数を掛けたものに置き換えた第2の和信号かのいずれかであることを特徴とする(請求項2)。
また、前記位置制御演算回路で行われる演算処理は、前記メインビームのサーボ位置誤差信号を前記メインビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和で除算正規化した信号から、前記少なくとも1つのサブビームのサーボ位置誤差信号を前記少なくとも1つのサブビームの反射光を受光する前記受光素子から得られるサブビームの和信号で除算正規化し更に第3の重み係数を掛けた信号、又は前記サブビームのサーボ位置誤差信号に前記メインビームに対する前記少なくとも1つのサブビームの光量比相当の前記第2の重み係数を掛けた前記メインビームの前記受光素子の和信号で除算正規化しさらに第3の重み係数を掛けた信号を減算する処理であり、前記和信号選択手段で選択する前記和信号は、第3の和信号である前記サブビームの前記受光素子の和信号か、第4の和信号である前記第2の重み係数を掛けた前記メインビームの前記受光素子の和信号かのいずれかであることを特徴とする(請求項3)。
これらにより、それぞれの演算処理に対して、光ディスク媒体の状態に応じた正規化を実現することができ、安定したサーボ制御が行える光ディスク装置を実現することができる。
ここで、前記サーボ位置誤差信号は、前記分割された受光素子それぞれの半径方向に分割された少なくとも2つの領域の光量差として得られる前記光ディスク媒体上の情報トラックに対する位置誤差信号であり、前記位置制御のための信号は前記メインビームの前記情報トラックに対するトラッキング制御のためのトラック誤差信号であることを特徴とする(請求項4)。
これにより、光ディスク媒体の状態に応じたトラック誤差信号の正規化を行うことができ、安定したトラッキングが可能な光ディスク装置を実現することができる。
また、前記受光素子は、その受光面中心を通る1又は2以上の分割線により、複数の領域に分割され、前記サーボ位置誤差信号は前記分割された1又は複数の領域をまとめて互いにほぼ同一の受光面積を有する領域とした2つの領域相互間の光量差として取得される前記情報記録面に対する焦点位置誤差信号であり、前記位置制御のための信号は前記メインビームのフォーカシング制御のためのフォーカス誤差信号であることを特徴とする(請求項5)。
これにより、光ディスク媒体の状態に応じたフォーカス誤差信号の正規化を行うことができ、安定した焦点合わせが可能な光ディスク装置を実現することができる。
ここで、前記状態判別手段が判別する前記光ディスク媒体の状態は、前記光ディスク媒体の前記情報記録層の層数情報であることを特徴とする(請求項6)
これにより、記録層の層数に応じたフォーカス誤差信号の正規化を行うことが可能な光ディスク装置を実現することができる。
また、前記メインビームとサブビームの内の選択された1または2以上のビームの反射光から、前記メインビームの前記情報記録面に対する焦点誤差を検出するための焦点誤差検出器と、前記焦点誤差検出器の出力からフォーカス誤差信号を取得するフォーカス誤差演算回路と、前記情報記録面をその垂直方向に横切るように前記メインビーム集光点を駆動した際のフォーカスS字型波形の出現回数を計測するS字型波形計数手段とを備え、前記S字型波形の出現回数によって前記光ディスク媒体の前記情報記録層の層数を計測し、前記状態判別手段での前記光ディスクの状態判別に使用することを特徴とする(請求項7)。
これにより、フォーカスS字型波形の出現回数から記録層の層数を計測して、層数に応じたフォーカス誤差信号の正規化を行うことが可能な光ディスク装置を実現することができる。
また、前記状態判別手段は、前記光ディスク媒体のBCA領域、及びシステムリードイン領域を読み出す手段を備え、それらのいずれか一方又は双方の予め記録された情報を前記光ディスクの状態判別に使用することを特徴とする(請求項8)。
これにより、ディスク媒体に記録された情報を読み取って、記録層の層数を判断し、層数に応じたトラック誤差信号及びフォーカス誤差信号の正規化が可能な光ディスク装置を実現することができる。
また、前記状態判別手段が、前記光ディスク媒体の基板厚又はカバー層厚を判別する厚み判別手段を有し、前記光ディスク媒体の前記記録層数が複数層であっても、前記基板又は前記カバー層厚が予め定められた値以下の場合には、前記除算に用いる和信号を前記総和信号とすることを特徴とする(請求項9)。
これにより、記録層の層数と基板又はカバー層の厚みとを判断して、それに応じてサーボ誤差信号の正規化を行うことが可能な光ディスク装置を実現することができる。
ここで、前記厚み判別手段は前記メインビーム集光点を前記情報記録面を垂直方向に横切るように駆動した際のフォーカス誤差信号のS字型波形の出現時間間隔を計測するS字型波形出現時間間隔計測手段を備え、前記基板又は前記カバー層の表面と前記基板又は前記カバー層に最も近い前記記録面との間で発生する前記S字型波形の出現時間間隔により、前記基板又はカバー層厚さの判別を行うことを特徴とする(請求項10)。
これにより、S字型波形の出現時間間隔から基板又はカバー層の厚みを判別してサーボ誤差信号の正規化を行うことが可能な光ディスク装置を実現することができる。
上記目的を実現するため、本発明は、光ディスク装置に装着された光ディスク媒体へのトラッキングおよびフォーカシングのためにビームと光ディスク媒体との位置関係を制御するサーボ位置制御方法において、光ディスク媒体へのトラッキング制御およびフォーカス制御のためにビームと光ディスク媒体との位置関係を制御する位置制御方法において、メインビームと少なくとも1つのサブビームとを発光する発光工程と、前記メインビームとサブビームとを光ディスク媒体に集光照射する集光照射工程と、前記光ディスク媒体からの反射光を各ビームごとにそれぞれ受光領域が分割された受光素子で受光する受光工程と、それぞれの受光素子の受光領域相互の光量の差分からメインビームのサーボ位置誤差信号とサブビームのサーボ位置誤差信号を求めるサーボ位置誤差信号取得工程と、前記光ディスク媒体の状態を判別する状態判別工程と、前記光ディスク媒体の状態によって前記サーボ位置誤差信号の正規化に用いる前記和信号を選択する和信号選択工程と、前記メインビームのサーボ位置誤差信号と、サブビームのサーボ位置誤差信号と、選択された和信号とを用いて演算処理により位置制御のための信号を生成する位置制御信号演算工程とを備えることを特徴とする(請求項11)。
これにより、光ディスク媒体の状態によって、正規化の和信号を切り替えることで、光ディスク媒体に応じた安定したサーボ制御が行える位置制御方法が得られる。
ここで、前記位置制御演算工程は、前記メインビームのサーボ位置誤差信号から前記サブビームのサーボ位置誤差信号に第1の重み係数を掛けた信号を減算した後、受光光量の和信号で除算正規化する演算処理工程であり、前記和信号選択工程で選択する前記和信号は、第1の和信号である前記受光素子全部の受光量の総和信号か、前記受光素子全部の受光量の和のうち、前記少なくとも1つのサブビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和が前記メインビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和に前記メインビームに対する前記少なくとも1つのサブビームの光量比相当の第2の重み係数を掛けたものに置き換えた第2の和信号かのいずれかであることを特徴とする(請求項12)。
また、前記位置制御演算工程は、前記メインビームのサーボ位置誤差信号を前記メインビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和で除算正規化した信号から、前記少なくとも1つのサブビームのサーボ位置誤差信号を前記少なくとも1つのサブビームの反射光を受光する前記受光素子から得られるサブビームの和信号で除算正規化し更に第3の重み係数を掛けた信号、又は前記サブビームのサーボ位置誤差信号に前記メインビームに対する前記少なくとも1つのサブビームの光量比相当の前記第2の重み係数を掛けた前記メインビームの前記受光素子の和信号で除算正規化しさらに第3の重み係数を掛けた信号を減算する演算処理工程であり、前記和信号選択工程で選択する前記和信号は、第1の和信号である前記サブビームの前記受光素子の和信号か、第2の和信号である前記第2の重み係数を掛けた前記メインビームの前記受光素子の和信号かのいずれかであることを特徴とする(請求項13)。
これらにより、それぞれの演算処理に対して、光ディスク媒体の状態に応じた正規化を実現することができ、安定したサーボ制御が可能なサーボ位置制御方法が得られる。
上記目的を実現するため、本発明は、光ディスク装置に装着された光ディスク媒体へのトラッキングおよびフォーカシングのためにビームと光ディスク媒体との位置関係を制御する位置制御をコンピュータに実行させるサーボ位置制御プログラムにおいて、メインビームと少なくとも1つのサブビームとを発光する発光機能と、前記メインビームとサブビームとを光ディスク媒体に集光照射する集光照射機能と、前記光ディスク媒体からの反射光を各ビームごとにそれぞれ受光領域が分割された受光素子で受光する受光機能と、それぞれの受光素子の受光領域相互の光量の差分からメインビームのサーボ位置誤差信号とサブビームのサーボ位置誤差信号を求めるサーボ位置誤差信号取得機能と、前記光ディスク媒体の状態を判別する状態判別機能と、前記光ディスク媒体の状態によって前記サーボ位置誤差信号の正規化に用いる前記和信号を選択する和信号選択機能と、前記メインビームのサーボ位置誤差信号と、サブビームのサーボ位置誤差信号と、選択された和信号とを用いて演算処理により位置制御のための信号を生成する位置制御信号演算機能とを備えることを特徴とする(請求項14)。
これにより、光ディスク媒体の状態によって、正規化の和信号を切り替えることで、光ディスク媒体に応じた安定したサーボ制御をコンピュータに実行させることが可能なサーボ位置制御プログラムが実現される。
本発明において、単層光ディスク媒体ではメインビームの和信号に加えてサブビームの和信号を用いるAGCを適用したサーボ誤差信号だが、複数層光ディスク媒体ではサブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えてAGCを適用したサーボ誤差信号を生成することで、複数層光ディスク媒体でもメインビームの他層からの反射光の影響を受けないサーボ誤差信号を得ることができるとともに、単層光ディスク媒体、複数層光ディスク媒体によらず、メインビームとサブビームとの光量差によるゲイン変動やオフセット変動のないサーボ誤差信号を得ることができ、安定したサーボ制御が実現できる効果がある。また、本発明では、複数層光ディスクにおいて各層でサブビームの誤差信号を切替える必要がなく光ディスク装置の構成を簡略化できる効果がある。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態ではサーボ誤差信号のうちトラック誤差信号作成法の一つである差動プッシュプル法(DPP法)を用い、光ディスク媒体1の一層と複数層とで差動プッシュプル(DPP)信号に用いる和信号を切り替えるトラック誤差信号検出法について述べる。
DPP法を用いる場合、光ディスク媒体1に、概略同心円状またはスパイラル状に形成されたトラックに案内溝が必要となり、本実施例では光ディスク媒体1にトラックに案内溝が形成された開口数NAが0.65の記録型HD DVD(HD DVD−R−SL、
HD DVD−R−DL、HD DVD−RW−SL、HD DVD−RW−DL、HD DVD−RAM−SL)を用いる。
図1に、第1の実施の形態の光ディスク装置の概略図を示す。
この光ディスク装置は、光ディスク媒体1を回転させるスピンドル駆動系2、光ディスク媒体1に光を照射するレーザダイオード(発光素子:以下LDで表す。)11、LDを駆動するLD駆動部6、光ディスク媒体1にて反射されて戻ってきた反射光を検出する光検出器(受光素子)12、光検出器12からの出力信号からサーボ誤差信号およびBCA信号を生成するRF回路部7、装置全体を統括するシステムコントローラ5、前記サーボエラー信号に基づき対物レンズアクチュエータをコントロールするサーボコントローラ4、サーボコントローラ4からの制御信号から対物レンズアクチュエータを駆動するサーボ駆動系3、フォーカスサーボおよびトラックサーボをかける対物レンズアクチュエータ9、LD11からの光を対物レンズに導くとともに、光ディスク媒体1からの反射光を受光部に通過させるビームスプリッタ10、対物レンズアクチュエータ9、ビームスプリッタ10、レーザダイオード11、光検出器12をひとまとめにした光ヘッド13、そして光ヘッド13を媒体の半径方向に移動させるスレッドモータ8よりなる。
第1の実施の形態で特徴的な要素である状態判別手段は、システムコントローラ5が担当し、トラック誤差信号生成機能(位置制御演算回路)および和信号選択手段はRF回路部7が担当する。
図2に第1の実施の形態のサーボ誤差検出装置の構成を示す。
図2は特許文献1で示されている構成と同等である。
図2において、符号11はレーザダイオード(LD)、符号22はLD11からの光ビームを平行ビームに変換するコリメータレンズであり、符号23はLD11からの光ビームを3本の光ビームに分割するとともに、そのうち2本の光ビームの略半面に略180度の位相差を与える位相付加手段としての回折格子、符号10はビームスプリッタ、符号9は対物レンズアクチュエータ、符号21は対物レンズアクチュエータのうちの対物レンズ、符号1は光ディスク媒体、符号20はトラックと呼ばれるもので、図に示したようにx方向に平行である。ここで、y方向とは光ディスク媒体1と平行な面内にあり、かつ、トラック20に垂直な方向である。
符号28、29、30はトラック20上の3つの集光スポットである。符号24は3つの集光スポット28、29、30からの反射ビームを後述の4分割光検出器12上に適当な大きさに絞り込む集束レンズである。
符号12は4分割光検出器群で3つの4分割光検出器25、26、27からなる。3つの集光スポット28、29、30 からの反射ビームは、それぞれ対応する4分割光検出器26、27、25でそれぞれ受光される。
符号7はRF回路で3つの4分割光検出器25、26、27からの出力信号からトラック誤差信号を生成する。符号4はサーボコントローラで、RF回路7にて生成したトラック誤差信号に位相補償を行い対物レンズアクチュエータのトラックキング制御信号を生成する。
符号3はサーボ駆動系でサーボコントローラ4からのトラックキング制御信号から対物レンズアクチュエータ9をトラック方向(図のy方向)に駆動する。
ここで、サーボ誤差検出に際しての、第1の実施の形態の光ディスク装置の基本的な動作をトラッキング制御の場合を例にして図8のフローチャートに沿って説明する。
LD11が発光され、光ビームが出力される(S101:発光工程)。この光ビームはコリメータレンズ22で平行ビームに変換され、回折格子23でメインビームと2つのサブビームからなる3本のビームに分割され、対物レンズ21を介して光ディスク媒体1に集中照射される(S102:集中照射工程)。これにより、光ディスク媒体1の記録層上に3つの集光スポット28、29、30が形成される。この集光スポット28、29、30からの反射光は3つの4分割光検出器25、26、27で受光され(S103:受光工程)、この3つの4分割光検出器25、26、27の検出部の差信号から、RF回路部7で3本のビームごとにトラッキング誤差信号が求められる(S104:サーボ位置誤差信号取得工程)。
一方、システムコントローラ5において、光ディスク媒体1の状態、ことに記録層の層数が判定される(S105:状態判別工程)。この判定結果に基づいて、トラッキング誤差信号を正規化する和信号がRF回路部7で選択され(S106:和信号選択工程)、選択された和信号でトラッキング誤差信号を正規化してトラッキング制御信号を生成し、サーボコントローラ4を介して対物レンズアクチュエータ9を駆動し、対物レンズ21の位置制御を行う(S107:位置制御信号演算工程)。
図3は光ディスク媒体1上の集光スポット28、29、30の位置関係と、対応する4分割光検出器26、27、25と、RF回路7内のトラック誤差信号生成回路および和信号選択手段(その1)を示す。
符号37、38、39は集光スポット30、28、29それぞれに対応する4分割光検出器上の光スポットである。4分割光検出器25、26、27それぞれの4つの受光領域からの出力を、図3のようにE、F、G、H、A、B、C、D、I、J、K、Lとすると、メインビームのプッシュプル信号(MPPと略す)は差動増幅器43の出力として得られ、MPP=A+D−(B+C)と表される。
サブビームのプッシュプル信号(SPPと略す)は差動増幅器41、45の出力を加算増幅器47に通して得られ、SPP=E+H+I+L−(F+G+J+K) と表される。
メインビームの和信号(MSUMと略す)は加算増幅器42の出力として得られ、MSUM=A+B+C+Dと表される。
サブビームの和信号(SSUMと略す)は、加算増幅器40、44の出力を加算増幅器46に通して得られ、SSUM=E+F+G+H+I+J+K+Lと表される。
MPP信号およびSPP信号に、AGC(Auto Gain Control)を適用すると、それぞれ除算器49、除算器48において和信号で除算するが、システムコントローラ5からの指令によりセレクタ60にて和信号を総和信号であるMSUM+SSUM信号かMSUMに増幅器53にてゲイン(1+k3)を掛け合わせた信号のいずれかを選択する。
差動プッシュプル信号(DPPと略す)はAGC(Auto Gain Control)適用後のMPP信号と、AGC適用後のSPP信号に増幅器50にてゲインk1を掛け合わせたものを差動増幅器51にて差をとることで得られ、以下に述べる式(2)と式(9)とで表される。ただし、k1は定数である。
ここでk3は、メインビームに対するサブビームの光量比であり、一般的にメインビームの光量に対してサブビームの光量は1/10以下に設定される。
つまり、式(2)のSSUM信号を式(9)ではMSUM信号にメインビームに対するサブビームの光量比を掛けることでMSUM信号をSSUM信号のゲイン相当にゲインを低下させた信号に置き換えている。
(数2)
DPP=(MPP−k1・SPP)÷(MSUM+SSUM) (2)
(数9)
DPP=(MPP−k1・SPP)÷(1+k3)MSUM (9)
図4も図3と同じく光ディスク媒体1上の集光スポット28、29、30の位置関係と、対応する4分割光検出器26、27、25と、RF回路7内のトラック誤差信号生成回路および和信号選択手段(その2)とを示す。
図3と比較し、RF回路(7)内のトラック誤差信号生成回路が異なる。
MPP信号にAGC(Auto Gain Control)を適用すると除算器49にてMSUM信号で除算して、MPP÷MSUMと表される。
SPP信号にAGCを適用すると除算器48にて和信号で除算するが、システムコントローラ5からの指令によりセレクタ60にて和信号は、SSUMかMSUMに増幅器54にてゲインk3を掛け合わせた信号のいずれかを選択し、SPP÷SSUMまたはSPP÷(k3・MSUM)と表される。
差動プッシュプル信号(DPPと略す)はAGC適用後のMPP信号と、AGC適用後のSPP信号に増幅器50にてゲインk2を掛け合わせたものを、差動増幅器51にて差をとることで得られ、以下の式(3)、式(10)で表される。ただし、k2は定数である。ここでk3はメインビームに対するサブビームの光量比である。
つまり、式(3)のSSUM信号を、式(10)ではMSUM信号にメインビームに対するサブビームの光量比を掛けることでMSUM信号をSSUM信号のゲイン相当にゲインを低下させた信号に置き換えている。
(数3)
DPP=MPP÷MSUM−k2・SPP÷SSUM (3)
(数10)
DPP=MPP÷MSUM−k2・SPP÷(k3・MSUM) (10)
光ディスク媒体1が単層か複数層かを判別する判別法としては、例えば特許文献4に示される方法がある。図5を用いて光ディスク媒体1が単層か複数層かを判別する判別法を説明する。
図5では対物レンズアクチュエータ9をフォーカス方向に上下に振った場合、RF回路7にて生成されるフォーカス誤差信号中のフォーカスS字信号の出現具合を示す。図5の(1)、(2)の波形はフォーカス誤差信号である。
図5において、対物レンズ21の動きは、図の左から右にかけて、媒体から遠い位置(レーザーの焦点位置が光ディスク媒体1の基板面に到達していない位置)から媒体に近づく方向に動いている。対物レンズ21が光ディスク媒体1に近づくにつれ、まず基板面にてレーザーの焦点が合焦し、フォーカスS字信号が観測される。続いて1層目の記録層にレーザーの焦点が合焦し、フォーカスS字信号が観測される。
更に2層目の記録層が存在すればレーザーの焦点が合焦し、フォーカスS字信号が観測される(図5の(2))。よって出現するフォーカスS字の数で記録層数がわかり、システムコントローラ5にてフォーカスS字の数をカウントし、基板面も含めればフォーカスS字信号が2個観測できれば1層光ディスク媒体、3個観測できれば2層光ディスク媒体と判別できる。
また、フォーカスS字信号の有無はフォーカス誤差信号の電気的中立位置から±の電位にスレッショルド(+のスレッショルドはフォーカス誤差信号の最大値よりも小さく、−のスレッショルドはフォーカス誤差信号の最小値よりも大きい)を置き、+のスレッショルドを上回った後下回る、もしくは−のスレッショルドを下回った後上回る、更にMSUM信号が最大値と最小値の間のスレッショルドを越えたことで判定できる。
以上の図1、図2、図3、図5の説明から図3に示す和信号を切替えるトラック誤差信号検出法の動作について説明する。
初期状態でセレクタ60は、MSUM+SSUM信号、MSUMにゲイン(1+k3)を掛け合わせた信号のいずれを選択していてもよい。光ディスク媒体1として記録型HD DVDが第1の実施の形態の光ディスク装置に挿入された後、最初のフォーカスサーボ引き込み時の対物レンズアクチュエータ9のフォーカス方向への上下動作中に、サーボコントローラ4にてフォーカスS字信号の出現回数を検出する。
システムコントローラ5にてフォーカスS字信号の出現回数から光ディスク媒体1の記録層が単層か複数層かを判別し、単層媒体であればセレクタ60で和信号をMSUM+SSUM信号に切替えて式(2)で表されるDPP信号を実現し、複数層媒体であればセレクタ60をMSUMにゲイン(1+k3)を掛け合わせた信号に切替えて式(9)で表されるDPP信号を実現する。
セレクタ60は光ディスク媒体1が第1の実施の形態の光ディスク装置から取り出されるまでは同じ状態を保持する。また光ディスク媒体1が第1の実施の形態の光ディスク装置に挿入される度に上記動作を行う。
以上の図1、図2、図4、図5の説明から図4に示す和信号を切替えるトラック誤差信号検出法の動作について説明する。
初期状態でセレクタ60はSSUM信号、MSUMにゲインk3を掛け合わせた信号のいずれを選択していてもよい。光ディスク媒体1として記録型HD DVDが第1の実施の形態の光ディスク装置に挿入された後、最初のフォーカスサーボ引き込み時の対物レンズアクチュエータ9のフォーカス方向への上下動作中に、サーボコントローラ4にてフォーカスS字信号の出現回数を検出する。
システムコントローラ5にてフォーカスS字信号の出現回数から光ディスク媒体(1)の記録層が単層か複数層かを判別し、単層媒体であればセレクタ60をSSUM信号に切替えて式(3)で表されるDPP信号を実現し、複数層媒体であればセレクタ60をMSUMにゲインk3を掛け合わせた信号に切替えて、式(9)で表されるDPP信号を実現する。セレクタ60は光ディスク媒体1が第1の実施の形態の光ディスク装置から取り出されるまでは同じ状態を保持する。また光ディスク媒体1が第1の実施の形態の光ディスク装置に挿入される度に上記動作を行う。
発明が解決しようとする課題でも述べたが、メインビームの光量に対してサブビームの光量は1/10(αとする)以下に設定される。
メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層からの反射光の光量とサブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層からの反射光の光量比(=αとする)は、概ね上述したメインビームとサブビームの光量の比に等しい。
一方、メインビームまたはサブビームの他層からの反射光の何%がそれぞれのビーム用光検出器で受光されるかを表す受光量の層間χt率(=βとする)は、主として対物レンズの開口数NAと光ディスク媒体の中間層の厚さにより定まる。
この光量比は、例えばNA=0.65で中間層の厚さの存在範囲が20μmから30μmの間と物理規格で規定されている記録型HD DVD用の光ディスク装置では、最大で0.25程度の値をとる。
また、メインビームの他層からの反射光をメインビームとサブビームそれぞれの光検出器で受光する場合、メインビーム用光検出器での受光量に対するサブビーム用光検出器での受光量の比(=γとする)とサブビームの他層からの反射光をメインビームとサブビームそれぞれの光検出器で受光する場合、サブビーム用光検出器での受光量に対するメインビーム用光検出器での受光量の比は等しく、主として光ディスク媒体の中間層厚とメインビームからサブビームまでの光ディスク媒体の記録面上の距離により定まる。この距離は、例えばHD DVD用の光ディスク装置では15μm程度に設定される。メインビームとサブビームの光ディスク媒体の記録面上の距離が15μmで中間層厚が20μm〜30μmの時、上記光量比γは最大で0.2程度の値をとる。
ここで、メインビーム用光検出器で受光されるメインビームの自層からの反射光の光量を1とすると、サブビーム用光検出器で受光されるサブビームの自層からの反射光の光量はα=0.1となり、サブビームの他層からの反射光がメインビーム用光検出器で受光される光量はα*β*γで表され最大0.005となり、メインビームの他層からの反射光がサブビーム用光検出器で受光される光量はβ*γで表され、最大0.05となる。
よってメインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層での反射光に対するサブビームの他層からの反射光(α*β*γ)の比率と、サブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層での反射光(α)に対するメインビームの他層からの反射光(β*γ)の比率は、それぞれ最大でα*β*γ=0.005、β*γ/α=0.5程度の値となる。
従って、AGC法に拠ってDPP信号を生成する時、メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層での反射光に対するサブビームの他層からの反射光の影響は無視しても実用上の支障は無い。サブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層での反射光に対するメインビームの他層からの反射光の影響を無視すると安定した信号が確保し難くなる。
他層からの反射光の影響は、主として4分割された光検出器の各分割領域で一様なDC光量の変化として生じるので、4分割された光検出器の非対角隣接位置にある2領域の光量の差分として生成されるトラック誤差信号への他層からの反射光の影響を無視しても実用上の支障はなく、主として和信号への影響が問題となる。
また、他層が記録領域か未記録領域かで他層の反射率が変化するので、他層からの反射光は、他層が記録領域か未記録領域かによってDC光量が変化し、和信号に影響を及ぼす。
しかし、本実施例のトラック誤差信号検出法の動作説明でも示したように、記録型HD DVDの場合、複数層光ディスク媒体ではメインビームの他層からの反射光によりサブビームの和信号に無視できない変動が発生するとともに、他層が記録領域か未記録領域かによってもサブビームの和信号に無視できない変動が発生するが、複数層光ディスク媒体では式(9)や式(10)で表されるようにサブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えているので、メインビームの他層からの反射光の影響を受けない良好なDPP信号が得られ、安定したトラッキング制御が実現可能である。
発明が解決しようとする課題でも述べたが、従来複数層記録型光ディスク媒体では式(3)において、SSUM信号をMSUM信号に変更した式(7)を用いることでメインビームの他層からの反射光の影響をなくすと述べている。
(数7)
DPP=MPP÷MSUM−k2・SPP÷MSUM (7)
ただしk2は定数。
同様にして式(2)において総和信号であるMSUM+SSUM信号をMSUM信号に変更した式(8)を用いることでメインビームの他層からの反射光の影響をなくすことができる。
(数8)
DPP=(MPP−k1・SPP)÷(MSUM) (8)
ただしk1は定数。
しかし、一般的にメインビームの光量に対してサブビームの光量は1/10(αとする)以下に設定される。これは記録再生に使われるのはメインビームなのでその光量を大きくするのがレーザの光利用効率上の要求事項であり、かつ情報を記録する場合にはサブビームによる記録情報の誤消去を避けるためサブビームの光量を小さくすることが要求されるからである。
メインビームの和信号MSUMに対するサブビームの和信号SSUMのゲイン比は概ね上述したメインビームとサブビームの光量の比に等しく1/10となる。
DPP信号ではAGCを適用したMPP信号に発生するDCオフセット量とAGCを適用したSPP信号に発生するDCオフセット量をキャンセルできるように式(3)のゲインk2を定める。
一層記録型光ディスク媒体で式(3)によりDPP信号を生成していたのが、複数層記録型光ディスク媒体に切替えると、式(3)にてSSUMをMSUMに変更しSSUM信号の10倍のゲインを持つMSUM信号で除算することになり、AGCを適用したSPP信号の発生するDCオフセット量が1/10となり、DPP信号にDCオフセットを発生させてしまう。
二層記録型光ディスク媒体から一層記録型光ディスク媒体に切替えると同様にしてAGCを適用したSPP信号の発生するDCオフセット量が10倍となりDPP信号にDCオフセットを発生させてしまう。
しかし、第1の実施の形態において複数層記録型光ディスク媒体では、式(9)で表されるように、サブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えているので両者でゲインは概ね等しくなり、一層記録型光ディスク媒体と複数層記録型光ディスク媒体を切替えてもメインビームとサブビームとの光量差によるDCオフセット変動のない良好なDPP信号が得られ、安定したトラッキング制御が実現可能である。
また、AGCを適用したMPP信号のAC成分とAGCを適用したSPP信号のAC成分は極性が反転しており、AGCを適用したMPP信号からAGCを適用したSPP信号を減算することで両者のAC成分が同極性となり、AGCを適用したMPP信号のゲインとAGCを適用したSPP信号のゲインを足し合わせたものが概略DPP信号のゲインとなる。
一層記録型光ディスク媒体で式(3)によりDPP信号を生成していたのが、複数層記録型光ディスク媒体に切替えると、式(3)にてSSUMをMSUMに変更しSSUM信号の10倍のゲインを持つMSUM信号で除算することになり、AGCを適用したSPP信号のゲインは1/10となりDPP信号のゲインも低下してしまう。
二層記録型光ディスク媒体から一層記録型光ディスク媒体に切替えると、同様にしてAGCを適用したSPP信号のゲインは10倍となり、DPP信号のゲインが増加してしまう。
また、一層記録型光ディスク媒体で式(2)によりDPP信号を生成していたのが、二層記録型光ディスク媒体に切替えると、式(2)においてMSUM+SSUMをMSUMに変更して除算することになり、AGCを適用したDPP信号のゲインは(MSUM+SSUM)÷MSUMだけ上昇してしまう。
二層記録型光ディスク媒体から一層記録型光ディスク媒体に切替えると同様にしてAGCを適用したDPP信号のゲインはMSUM÷(MSUM+SSUM)だけ減少してしまう。
しかし、第1の実施の形態において複数層光ディスク媒体では、式(9)や式(10)で表されるように、サブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えているので、両者でゲインは概ね等しくなり、一層記録型光ディスク媒体と複数層記録型光ディスク媒体を切替えてもメインビームとサブビームとの光量差によるゲイン変動のない良好なDPP信号が得られ、安定したトラッキング制御が実現可能である。
特許文献2では他層からの反射光によりSPP信号に影響がでると述べているが、第1に実施の形態では、図2に示すヘッド構成を採用しているので、特許文献2で述べている光ディスク媒体1で反射したビームを3つに分割された光検出器に導く回折格子を必要としない。
よって、第1の実施の形態では、光ヘッドの構成が簡略化できるとともに、他層からの反射光の漏れこみはサブビーム用4分割光検出器25、27の出力E、F、G、H、I、J、K、LにDC光量として均等に漏れこみ、SPP信号には影響がなく、記録層の各層でSPP信号を切替える構成も必要としない。
これは、後述する第2乃至第4の実施の形態においても、同様のことが言える。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、記録型HD DVDについて一層と複数層とでDPP信号に用いる和信号を切り替えると述べた。
第2の実施の形態ではサーボ誤差信号のうちトラック誤差信号作成法の一つであるDPP法を用い、光ディスク媒体1の媒体種別を判別し、媒体種別に応じてDPP信号に用いる和信号を切替えるトラック誤差信号検出法について述べる。
DPP法を用いる場合、光ディスク媒体1に概略同心円状またはスパイラル状に形成されたトラックに案内溝が必要となり、本実施例では光ディスク媒体1としてトラックに案内溝が形成された記録系CD、記録系DVD、記録系HD DVD、記録系Blu−ray Diskを用いる。
記録型CDは光ビームの入射面から記録層までの距離である基板厚が1.2mmでCD−R、CD−RWがある。記録型DVDはレーザビームを集光する為の対物レンズの開口数NAが0.60を前提にしており、光ビームの入射面から最初の記録層までの距離である基板厚が0.6mmでDVD±R−SL、DVD±R−DL、DVD±RW−SL、DVD±RW−DL、DVD−RAMがある。
記録型HD DVDはレーザビームを集光する為の対物レンズの開口数NAが0.65を前提にしており、基板厚が0.6mmでHD DVD−R−SL、HD DVD−R−DL、HD DVD−RW−SL、HD DVD−RW−DL、HD DVD−RAM−SLがある。
記録型Blu−ray Diskはレーザビームを集光する為の対物レンズの開口数NAが0.85を前提にしており、光ビームの入射面から最初の記録層までの距離であるカバー層厚が0.1mmでBD−RーSL、BD−R−DL、BD−RE−SL、BD−RE−DLがある。以下、第2の実施の形態と第1の実施の形態との相違を中心に説明する。
第2の実施の形態でも、第1の実施の形態と同じく図1の光ディスク装置の概略図、図2、図3、図4、図5が適用できる構成である。
第2の実施の形態の特徴的な要素である状態判別手段はシステムコントローラ5が担当し、トラック誤差信号生成および和信号選択手段はRF回路部7が担当する。
媒体種別判別は、媒体の内周に存在するシステムリードイン内の媒体種別情報、媒体の内周に存在するBCA(Burst Cutting Area)内の媒体種別情報、BCAの有無、カバー層厚さ、基板層厚さ、記録層数またはそれらを組み合わせて行う。
媒体種別判別を利用する場合の動作の説明をする。
初期状態でセレクタ60はいずれを選択していてもよい。光ディスク媒体1が、第2の実施の形態の光ディスク装置に挿入された後、スレッドモータ8を動かして光ディスク媒体1上のデータ記録領域へ対物レンズアクチュエータ9を移動させ、対物レンズアクチュエータ9をフォーカス方向に等速で上下に振り、フォーカスS字信号の出現パターンからカバー層厚さ、基板層厚さ、記録層数を判別する。
記録型Blu−ray Diskはカバー層厚さ0.1mm、記録型DVD、記録型HD DVDは基板層厚さ0.6mm、記録型CDは基板層厚さ1.2mmであるので、カバー層厚さ、基板層厚さの判定は次のようにする。
記録型Blu−ray Diskと記録型DVD、記録型HD DVDのカバー層厚さ、基板層厚さの中間値(例えば0.35mmとする)、記録型DVD、記録型HD DVDと記録型CDの基板層厚さの中間値(例えば0.9mmとする)を用いて、光ディスク媒体1の光ビームの入射面と記録層で発生するフォーカスS字信号の時間間隔が0.35mm相当以下であれば記録型Blu−ray Diskと判別し、0.9mm相当以上であれば記録型CDと判別し、0.35mm相当を超えて0.9mm相当未満であれば記録型DVD、記録型HD DVDと判別する。
また記録層で発生するフォーカスS字信号の本数で記録層数を判別する。
次に記録型DVD、記録型HD DVDと判別した場合、スレッドモータ8を動かして光ディスク媒体1上のBCAを形成すべき場所に対物レンズアクチュエータ9を移動させ、BCAを形成すべき記録層にフォーカスサーボオンし、トラックサーボオフの状態で、BCAの有無、BCAがあればBCAデータリードを行い、BCAデータに含まれる媒体種別情報を得る。BCAデータに含まれる媒体種別情報から記録型HD DVDのいずれの媒体(HD DVD−R−SL、HD DVD−R−DL、HD DVD−RW−SL、HD DVD−RW−DL、HD DVD−R−RAM)かが判別できる。
BCAが存在しても記録型HD DVDでないか、BCAが存在しない場合は記録型DVDと判別する。
次に記録型Blu−ray Diskと判別した場合、スレッドモータ8を動かして光ディスク媒体1上のBCAを形成すべき場所に対物レンズアクチュエータ9を移動させ、BCAを形成すべき記録層にフォーカスサーボオンし、トラックサーボオフの状態で、BCAの有無、BCAがあればBCAデータリードを行い、BCAデータに含まれる媒体種別情報を得る。
BCAデータに含まれる媒体種別情報から記録型Blu−ray Diskのいずれの媒体(BD−RーSL、BD−R−DL、BD−RE−SL、BD−RE−DL)かが判別できる。
次に記録型CD、記録型DVD、記録型HD DVD、記録型Blu−ray Diskの場合、いずれもスレッドモータ8を動かして光ディスク媒体1上のシステムリードイン領域に対物レンズアクチュエータ9を移動させ、トラックサーボをオンし、システムリードインの内容を読む。
システムリードインに記録された媒体種別情報から、記録型CD、記録型DVD、記録型HD DVD、記録型Blu−ray Diskすべての媒体種別が判別できる。
上記のように媒体種別判別が完了した後、図3で示すトラック誤差信号生成回路の場合、光ディスク媒体1が2層記録型HD DVD(HD DVD−R−DL、HD DVD−RW−DL)、もしくは2層記録型DVD(DVD±R−DL、DVD±RW−DL) と判別されれば、セレクタ60をMSUMに増幅器53にてゲイン(1+k3)を掛け合わせた信号に切替えて、式(9)で表されるDPP信号を実現する。
光ディスク媒体1が2層記録型Blu−ray Disk(BD−R−DL、BD−RE−DL)と判別されればセレクタ60を総和信号であるMSUM+SSUM信号に切替えて式(2)で表されるDPP信号を実現する。
光ディスク媒体1が1層記録型HD DVD(HD DVD−R−SL、HD DVD−RW−SL)、1層記録型DVD(DVD±R−SL、DVD±RW−SL、DVD−RAM)、1層記録型Blu−ray Disk(BD−R−SL、BD−RE−SL)、記録型CD(CD−R、CD−RW)と判別されればセレクタ60を総和信号であるMSUM+SSUM信号に切替えて式(2)で表されるDPP信号を実現する。
セレクタ60は光ディスク媒体1が第2の実施の形態の光ディスク装置から取り出されるまでは同じ状態を保持する。また光ディスク媒体1が第2の実施の形態の光ディスク装置に挿入される度に上記動作を行う。
また、図4で示すトラック誤差信号生成回路の場合、光ディスク媒体1が2層記録型HD DVD( HD DVD−R−DL、HD DVD−RW−DL)、もしくは2層記録型DVD(DVD±R−DL、DVD±RW−DL)と判別されれば、セレクタ60をMSUMに増幅器54にてゲインk3を掛け合わせた信号に切替えて、式(10)で表されるDPP信号を実現する。
光ディスク媒体1が2層記録型Blu−ray Diskと判別されればセレクタ60をSSUM信号に切替えて式(3)で表されるDPP信号を実現する。
光ディスク媒体1が1層記録型HD DVD、1層記録型DVD、1層記録型Blu−ray Disk、記録型CDと判別されればセレクタ60をSSUM信号に切替えて式(3)で表されるDPP信号を実現する。
セレクタ60は光ディスク媒体1が第2の実施の形態の光ディスク装置から取り出されるまでは同じ状態を保持する。また光ディスク媒体1が第2の実施の形態の光ディスク装置に挿入される度に上記動作を行う。
第1の実施の形態の説明でも述べたが、層間χt率は開口数NAと中間層厚に応じて変化し、開口数NAが0.65の2層記録型HD DVDの場合、中間層厚は20μm〜30μmで層間χt率は25%〜14%である。一方、開口数NAが0.60の2層記録型DVDの場合、中間層厚は40μm〜60μmで層間χt率は5%弱である。
また開口数NAが0.85の2層記録型Blu−ray Diskの場合、中間層厚は20μm〜30μmで層間χt率は10%〜5%である。それぞれの光ディスク媒体1での層間χt率の最大値をβとする。
メインビーム(またはサブビーム)の他層からの反射光を光検出器で受光する場合のメインビーム(またはサブビーム)用光検出器での受光量に対するサブビーム(またはメインビーム)用光検出器での受光量の比(=γとする)は、主として光ディスク媒体の中間層厚とメインビームからサブビームまでの光ディスク媒体の記録面上の距離により定まる。
この距離は、例えばHD DVD、DVDおよびBlu−ray Disk用の光ディスク装置では15μm程度に設定される。この距離は、狭く採りすぎるとそれぞれの光検出器でそれぞれのビームを分離して検出することが難しくなる点と、広く採りすぎるとメインビームとサブビームで誤差の検出位置が離れてDPP信号やDFE信号の信頼性が低くなる点のトーレドオフにより設定される。
他層からの反射光はガウス分布を示し、メインビーム(またはサブビーム)の他層からの反射光をサブビーム(またはメインビーム)用光検出器で受光する場合、ガウス分布のどの位置にサブビーム(またはメインビーム)用光検出器がくるかで上記光量比γは変化する。
メインビームからサブビームまでの光ディスク媒体の記録面上の距離が一定なので中間層厚で上記光量比γは変化し、中間層厚が厚いほど他層からの反射光はメインビーム(またはサブビーム)用光検出器を中心に広範囲に広がり相対的にサブビーム(またはメインビーム)用光検出器がガウス分布の中心に位置し上記光量比γは大きくなる。
よって2層記録型HD DVDや2層記録型Blu−ray Diskでは中間層厚が20μm〜30μmであり、上記光量比γは最大で0.2程度の値をとる。2層記録型DVDでは中間層厚が40μm〜60μmであり、上記光量比γは最大で0.9程度の値をとる。
ここで、メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層からの反射光の光量を1とすると、メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層での反射光に対するサブビームの他層からの反射光の比率と、サブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層での反射光に対するメインビームの他層からの反射光の比率は、第1の実施の形態の場合と同様にして、2層記録型HD DVDの場合それぞれ最大でα*β*γ=0.005、β*γ/α=0.5程度となり、2層記録型DVDの場合それぞれ最大でα*β*γ=0.0045、β*γ/α=0.45程度となり、2層記録型Blu−ray Diskの場合それぞれ最大でα*β*γ=0.002、β*γ/α=0.2程度となる。
従って、AGC法に拠ってDPP信号を生成する時、メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層での反射光に対するサブビームの他層からの反射光の影響は無視しても実用上の支障無い。
サブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層での反射光に対するメインビームの他層からの反射光の影響に関しては、2層記録型HD DVDの場合0.5程度、2層記録型DVDの場合0.45程度と影響を無視すると安定した信号を確保し難くなるが、2層記録型Blu−ray Disk の場合0.2程度と2層記録型HD DVDや2層記録型DVDの半分以下程度であり、本来は影響を無視できる値ではないが、影響を無視しても実用上は支障無い。
メインビームの他層からの反射光は和信号に影響を及ぼすとともに他層が記録領域か未記録領域かによっても和信号に影響を及ぼす。
そこで第2の実施の形態のトラック誤差信号検出法の動作説明でも示したように、媒体種別に応じて、メインビームの他層からの反射光がサブビームの和信号への影響を無視しても実用上支障無い2層記録型Blu−ray Diskでは、式(2)や式(3)で表されるように、MSUMとSSUMの両方用いてDPP信号を生成し、メインビームの他層からの反射光がサブビームの和信号への影響が無視できない2層記録型HD DVDや2層記録型DVDでは、式(9)や式(10)で表されるようにサブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えてDPP信号を生成する。
また1層記録型HD DVD、1層記録型DVD、1層記録型Blu−ray Disk、記録型CDでは式(2)や式(3)で表されるようにMSUMとSSUMの両方用いてDPP信号を生成する。
以上のように媒体種別に応じてDPP信号に用いる和信号を切替えることで、複数層記録型光ディスク媒体1で、メインビームによる他層からの反射光の影響のない良好なDPP信号が得られ、安定したトラッキング制御が実現可能である。
発明が解決しようとする課題でも述べたが、従来、複数層記録型光ディスク媒体では、式(3)において、SSUM信号をMSUM信号に変更した式(7)を用いることでメインビムの他層からの反射光の影響をなくすと述べている。
ここでいう複数層記録型光ディスク媒体では、第2の実施の形態の場合、メインビームの他層からの反射光がサブビームの和信号への影響が無視できない2層記録型HD DVDや2層記録型DVDである。
(数7)
DPP=MPP÷MSUM−k2・SPP÷MSUM (7)
k2は定数。
同様にして式(2)において総和信号であるMSUM+SSUM信号をMSUM信号に変更した式(8)を用いることでメインビームの他層からの反射光の影響をなくすことができる。
(数8)
DPP=(MPP−k1・SPP)÷(MSUM) (8)
k1は定数。
しかし、一般的にメインビームの光量に対してサブビームの光量は1/10(αとする)以下に設定される。メインビームの和信号MSUMに対するサブビームの和信号SSUMのゲイン比は、概ね上述したメインビームとサブビームの光量の比に等しく1/10となる。
DPP信号ではAGCを適用したMPP信号に発生するDCオフセット量とAGCを適用したSPP信号に発生するDCオフセット量をキャンセルできるように式(3)のゲインk2を定める。
一層記録型光ディスク媒体および2層記録型Blu−ray Diskで式(3)によりDPP信号を生成していたのが、2層記録型HD DVDや2層記録型DVDに切替えると、式(3)にてSSUMをMSUMに変更しSSUM信号の10倍のゲインを持つMSUM信号で除算することになり、AGCを適用したSPP信号の発生するDCオフセット量が1/10となりDPP信号にDCオフセットを発生させてしまう。
2層記録型HD DVDや2層記録型DVDから一層記録型光ディスク媒体および2層記録型Blu−ray Diskに切替えると同様にしてAGCを適用したSPP信号の発生するDCオフセット量が10倍となりDPP信号にDCオフセットを発生させてしまう。
しかし、第2の実施の形態においては、2層記録型HD DVDや2層記録型DVDでは式(9)や式(10)で表されるようにサブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えているので両者でゲインは概ね等しくなり、一層記録型光ディスク媒体および2層記録型Blu−ray Diskと2層記録型HD DVDや2層記録型DVDを切替えてもメインビームとサブビームとの光量差によるDCオフセット変動のない良好なDPP信号が得られ、安定したトラッキング制御が実現可能である。
またAGCを適用したMPP信号のAC成分とAGCを適用したSPP信号のAC成分は極性が反転しており、AGCを適用したMPP信号からAGCを適用したSPP信号を減算することで両者のAC成分が同極性となり、AGCを適用したMPP信号のゲインとAGCを適用したSPP信号のゲインを足し合わせたものが概略DPP信号のゲインとなる。
一層記録型光ディスク媒体および2層記録型Blu−ray Diskで式(3)によりDPP信号を生成していたのが、2層記録型HD DVDや2層記録型DVDに切替えると、式(3)にてSSUMをMSUMに変更しSSUM信号の10倍のゲインを持つMSUM信号で除算することになりAGCを適用したSPP信号のゲインは1/10となってDPP信号のゲインも低下してしまう。2層記録型HD DVDや2層記録型DVDから一層記録型光ディスク媒体および2層記録型Blu−ray Diskに切替えると同様にしてAGCを適用したSPP信号のゲインは10倍となりDPP信号のゲインが増加してしまう。
また一層記録型光ディスク媒体および2層記録型Blu−ray Diskで式(2)によりDPP信号を生成していたのが、2層記録型HD DVDや2層記録型DVDに切替えると、式(2)にてMSUM+SSUMをMSUMに変更して除算することになり、AGCを適用したDPP信号のゲインは(MSUM+SSUM)÷MSUMだけ上昇してしまう。2層記録型HD DVDや2層記録型DVDから一層記録型光ディスク媒体および2層記録型Blu−ray Diskに切替えると同様にしてAGCを適用したDPP信号のゲインはMSUM÷(MSUM+SSUM)だけ減少してしまう。
しかし、第2の実施の形態において、2層記録型HD DVDや2層記録型DVDでは式(9)や式(10)で表されるようにサブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えているので両者でゲインは概ね等しくなり、一層記録型光ディスク媒体および2層記録型Blu−ray Diskと2層記録型HD DVDや2層記録型DVDを切替えてもメインビームとサブビームとの光量差によるゲイン変動のない良好なDPP信号が得られ、安定したトラッキング制御が実現可能である。
(第3の実施の形態)
第1の実施の形態では、記録型HD DVDについて一層と複数層とでトラック誤差信号の一つであるDPP信号に用いる和信号を切り替えると述べた。
第3の実施の形態ではサーボ誤差信号のうち、フォーカス誤差信号作成法の一つである差動非点収差法を用い、光ディスク媒体1の一層と複数層とで差動非点収差フォーカス誤差(DFEと略す)信号に用いる和信号を切り替えるフォーカス誤差信号検出法について述べる。
差動非点収差法はDPP法と異なり光ディスク媒体1として記録型だけでなく再生型にも適用可能である。よって第3の実施の形態では光ディスク媒体1にHD DVDを用いる。
以下、第3の実施の形態を第1の実施の形態と比較し相互の相違を中心に説明する。
第3の実施の形態では、図1、図2、図5で示す構成を第1の実施の形態と共通にしている。第3の実施の形態でも特徴的な要素である状態判別手段は、システムコントローラ5が担当する。また、フォーカス誤差信号生成および和信号選択手段はRF回路部7が担当する。
図6は、光ディスク媒体1上の集光スポット28、29、30の位置関係と、対応する4分割光検出器26、27、25と、RF回路7内のフォーカス誤差信号生成回路および和信号選択手段(その1)を示す。
符号37、38、39は、集光スポット30、28、29にそれぞれ対応する4分割光検出器上の光スポットである。4分割光検出器25、26、27のそれぞれの4つの受光領域からの出力を、図6に示すようにE、F、G、H、A、B、C、D、I、J、K、Lとすると、メインビームのフォーカス誤差信号(MFEと略す)は差動増幅器83の出力として得られ、MFE=A+C−(B+D)と表される。
サブビームのフォーカス誤差信号(SFEと略す)は差動増幅器81、85の出力を加算増幅器87に通して得られ、SFE=E+G+I+K−(F+H+J+L) と表される。
メインビームの和信号(MSUMと略す)は加算増幅器82の出力として得られ、MSUM=A+B+C+Dと表される。
サブビームの和信号(SSUMと略す)は加算増幅器80、84の出力を加算増幅器86に通して得られ、SSUM=E+F+G+H+I+J+K+Lと表される。
MFE信号およびSFE信号にAGC(Auto Gain Control)を適用するとそれぞれ除算器89、除算器88にて和信号で除算するが、システムコントローラ5からの指令により、セレクタ100にて和信号を総和信号であるMSUM+SSUM信号か、MSUMに増幅器93にてゲイン(1+m3)を掛け合わせた信号かのいずれかに選択する。
DFE信号はAGC(Auto Gain Control)適用後のMFE信号と、AGC適用後のSFE信号に増幅器90でゲインm1を掛け合わせたものを差動増幅器91にて差をとることで得られ、以下の式(5)、式(11)として表される。
(数5)
DFE=(MFE−m1・SFE)÷(MSUM+SSUM) (5)
(数11)
DFE=(MFE−m1・SFE)÷(1+m3)MSUM (11)
ただし、m1は定数である。また、m3はメインビームに対するサブビームの光量比であり、一般的にメインビームの光量に対してサブビームの光量は1/10以下に設定され、第1の実施の形態で示したk3と等価である。
つまり、式(5)のSSUM信号を式(11)ではMSUM信号にメインビームに対するサブビームの光量比を掛けることでMSUM信号をSSUM信号のゲイン相当にゲインを低下させた信号に置き換えている。
図7も図6と同じく光ディスク媒体1上の集光スポット28、29、30の位置関係と、対応する4分割光検出器26、27、25と、RF回路7内のトラック誤差信号生成回路および和信号選択手段(その2)を示す。
図6と比較すると、RF回路7内のトラック誤差信号生成回路が異なる。
MFE信号にAGC(Auto Gain Control)を適用すると除算器89にてMSUM信号で除算して、MFE÷MSUMと表される。SFE信号にAGCを適用する場合、除算器88にて和信号で除算するが、システムコントローラ5からの指令によりセレクタ100にて和信号をSSUMかMSUMに増幅器94にてゲインm3を掛け合わせた信号のいずれかを選択する。これらは、SPP÷SSUMまたはSPP÷(m3・MSUM)と表される。
DFE信号はAGC適用後のMFE信号と、AGC適用後のSFE信号に増幅器90にてゲインm2を掛け合わせたものを差動増幅器91にて差をとることで得られ、以下の式(6)、式(12)と表される。
(数6)
DFE=MFE÷MSUM−m2・SFE÷SSUM (6)
(数12)
DFE=MFE÷MSUM−m2・SFE÷(m3・MSUM) (12)
ただし、m2は定数である。また、m3はメインビームに対するサブビームの光量比であり、実施例1のk3と等価である。つまり、式(6)のSSUM信号を式(12)ではMSUM信号にメインビームに対するサブビームの光量比を掛けることでMSUM信号をSSUM信号のゲイン相当にゲインを低下させた信号に置き換えている。
以上の図1、図2、図5、図6の説明から図6に示す和信号を切替えるフォーカス誤差信号検出法の動作について説明する。
初期状態でセレクタ100はMSUMにゲイン(1+m3)を掛け合わせた信号を選択する。光ディスク媒体1としてHD DVDが第3の実施の形態の光ディスク装置に挿入された後、最初のフォーカスサーボ引き込み時の対物レンズアクチュエータ9のフォーカス方向への上下動作中に、サーボコントローラ4にてフォーカスS字信号の出現回数を検出する。
システムコントローラ5にてフォーカスS字信号の出現回数から光ディスク媒体1の記録層が単層か複数層かを判別し、単層媒体であればセレクタ100を総和信号であるMSUM+SSUM信号に切替えて式(5)で表されるDFE信号を実現し、複数層媒体であればセレクタ100をMSUMにゲイン(1+m3)を掛け合わせた信号に切替えて、式(11)で表されるDFE信号を実現する。
セレクタ100は光ディスク媒体1が第3の実施の形態の光ディスク装置から取り出されるまでは同じ状態を保持する。また光ディスク媒体1が第3の実施の形態の光ディスク装置に挿入される度に上記動作を行う。
初期状態でセレクタ100は、MSUMにゲイン(1+m3)を掛け合わせた信号を選択すると述べたが、MSUM+SSUM信号を選択すると複数層光ディスク媒体1の場合、他層からの反射光の影響でDFE信号にゲイン変動が発生し、最悪フォーカスS字信号が検出できない可能性があるためである。
以上の図1、図2、図5、図7の説明から図7に示す和信号を切替えるフォーカス誤差信号検出法の動作について説明する。
初期状態でセレクタ100は、MSUMにゲインm3を掛け合わせた信号を選択する。光ディスク媒体1としてHD DVDが第3の実施の形態の光ディスク装置に挿入された後、最初のフォーカスサーボ引き込み時の対物レンズアクチュエータ9のフォーカス方向への上下動作中に、サーボコントローラ4にて、フォーカスS字信号の出現回数を検出する。
また、システムコントローラ5にて、フォーカスS字信号の出現回数から光ディスク媒体1の記録層が単層か複数層かを判別し、単層媒体であればセレクタ100をSSUM信号に切替えて、式(6)で表されるDFE信号を実現し、複数層媒体であればセレクタ100をMSUMにゲインm3を掛け合わせた信号に切替えて、式(12)で表されるDFE信号を実現する。
セレクタ100は光ディスク媒体1が、第3の実施の形態の光ディスク装置から取り出されるまでは同じ状態を保持する。また光ディスク媒体1が第3の実施の形態の光ディスク装置に挿入される度に上記動作を行う。
初期状態で、セレクタ100はMSUMにゲインm3を掛け合わせた信号を選択すると述べたが、SSUM信号を選択すると複数層光ディスク媒体1の場合、他層からの反射光の影響でDFE信号にゲイン変動が発生し、最悪フォーカスS字信号が検出できない可能性があるためである。
発明が解決しようとする課題でも述べたが、メインビームの光量に対してサブビームの光量は1/10(αとする)以下に設定される。
メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層からの反射光の光量とサブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層からの反射光の光量比(=αとする)は、概ね上述したメインビームとサブビームの光量の比に等しい。
一方、メインビームまたはサブビームの他層からの反射光の何%がそれぞれのビーム用光検出器で受光されるかを表す受光量の層間χt率(=βとする)は、主として対物レンズのNAと光ディスク媒体の中間層の厚さにより定まる。この光量比は、例えば開口数NA=0.65で中間層の厚さの存在範囲が15μmから30μmの間と物理規格で規定されているHD DVD用の光ディスク装置では、最大で0.45程度の値をとる。
また、メインビームの他層からの反射光をメインビームとサブビームそれぞれの光検出器で受光する場合、メインビーム用光検出器での受光量に対するサブビーム用光検出器での受光量の比(=γとする)とサブビームの他層からの反射光をメインビームとサブビームそれぞれの光検出器で受光する場合、サブビーム用光検出器での受光量に対するメインビーム用光検出器での受光量の比は等しく、主として光ディスク媒体の中間層厚とメインビームからサブビームまでの光ディスク媒体の記録面上の距離により定まる。この距離は、例えばHD DVD用の光ディスク装置では15μm程度に設定される。メインビームとサブビームの光ディスク媒体の記録面上の距離が15μmで中間層厚が15μm〜30μmの時、上記光量比γは最大で0.2程度の値をとる。
ここで、メインビーム用光検出器で受光されるメインビームの自層からの反射光の光量を1とすると、サブビーム用光検出器で受光されるサブビームの自層からの反射光の光量はα=0.1となり、サブビームの他層からの反射光がメインビーム用光検出器で受光される光量はα*β*γで表され最大0.009となり、メインビームの他層からの反射光がサブビーム用光検出器で受光される光量はβ*γで表され最大0.09となる。
よってメインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層での反射光に対するサブビームの他層からの反射光(α*β*γ)の比率と、サブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層での反射光(α)に対するメインビームの他層からの反射光(β*γ)の比率は、それぞれ最大でα*β*γ=0.009、β*γ/α=0.9程度となる。
従って、AGC法に拠ってDPP信号を生成する時、メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層での反射光に対するサブビームの他層からの反射光の影響は無視しても実用上の支障は無い。サブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層での反射光に対するメインビームの他層からの反射光の影響を無視すると安定した信号が確保し難くなる。
他層からの反射光の影響は、主として4分割された光検出器の各分割領域で一様なDC光量の変化として生じるので、4分割された光検出器の非対角隣接位置にある2領域の光量の差分として生成されるフォーカス誤差信号への他層からの反射光の影響を無視しても実用上の支障はなく、主として和信号への影響が問題となる。
また、他層が記録領域か未記録領域かで他層の反射率が変化するので、他層からの反射光は、他層が記録領域か未記録領域かによってDC光量が変化して、和信号に影響を及ぼす。
しかし、第3の実施の形態のフォーカス誤差信号検出法の動作説明でも示したように、HD DVDの場合、複数層光ディスク媒体ではメインビームの他層からの反射光によりサブビームの和信号に無視できない変動が発生するとともに、他層が記録領域か未記録領域かによってもサブビームの和信号に無視できない変動が発生するが、複数層光ディスク媒体では式(11)や式(12)で表されるようにサブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えているので、他層からの反射光の影響を受けない良好なDFE信号が得られ、安定したフォーカシング制御が実現可能である。
発明が解決しようとする課題でも述べたが、従来複数層記録型光ディスク媒体では 式(3)においてSSUM信号をMSUM信号に変更した式(7)を用いることでメインビームの他層からの反射光の影響をなくすと述べている。
(数7)
DPP=MPP÷MSUM−k2・SPP÷MSUM (7)
k2は定数。
これはDPP信号に限らずメインビームの和信号およびサブビームの和信号でAGCを適用するDFE信号でも同様で、複数層光ディスク媒体では、式(6)においてSSUM信号をMSUM信号に変更した式(13)を用いることでメインビームの他層からの反射光の影響をなくせる。
(数13)
DFE=MFE÷MSUM−m2・SFE÷MSUM (13)
m2は定数。
同様にして式(5)において総和信号であるMSUM+SSUM信号をMSUM信号に変更した式(14)を用いることでメインビームの他層からの反射光の影響をなくすことができる。
(数14)
DFE=(MFE−m1・SFE)÷(MSUM) (14)
m1は定数。
しかし、一般的にメインビームの光量に対してサブビームの光量は1/10(αとする)以下に設定される。これは記録再生に使われるのはメインビームなのでその光量を大きくするのがレーザの光利用効率上の要求事項であり、かつ情報を記録する場合にはサブビームによる記録情報の誤消去を避けるためサブビームの光量を小さくすることが要求されるからである。
メインビームの和信号MSUMに対するサブビームの和信号SSUMのゲイン比は 概ね上述したメインビームとサブビームの光量の比に等しく1/10となる。
DFE信号ではAGCを適用したMFE信号に発生するDCオフセット量とAGCを適用したSFE信号に発生するDCオフセット量をキャンセルできるように式(6)のゲインm2を定める。
一層光ディスク媒体で式(6)によりDFE信号を生成していたのが、複数層光ディスク媒体に切替えると、式(6)にてSSUMをMSUMに変更しSSUM信号の10倍のゲインを持つMSUM信号で除算することになり、AGCを適用したSFE信号の発生するDCオフセット量が1/10となりDFE信号にDCオフセットを発生させてしまう。
二層光ディスク媒体から一層光ディスク媒体に切替えると同様にしてAGCを適用したSFE信号の発生するDCオフセット量が10倍となりDFE信号にDCオフセットを発生させてしまう。
しかし、第3の実施の形態では、複数層光ディスク媒体では、式(11)や式(12)で表されるように、サブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えているので両者でゲインは概ね等しくなり、一層光ディスク媒体と複数層光ディスク媒体を切替えても、メインビームとサブビームとの光量差によるDCオフセット変動のない良好なDFE信号が得られ、安定したフォーカシング制御が実現可能である。
またAGCを適用したMFE信号のAC成分とAGCを適用したSFE信号のAC成分は極性が反転しており、AGCを適用したMFE信号からAGCを適用したSFE信号を減算することで両者のAC成分が同極性となり、AGCを適用したMFE信号のゲインとAGCを適用したSFE信号のゲインを足し合わせたものが概略DFE信号のゲインとなる。
一層光ディスク媒体で式(6)によりDFE信号を生成していたのが、複数層光ディスク媒体に切替えると、式(6)にてSSUMをMSUMに変更しSSUM信号の10倍のゲインを持つMSUM信号で除算することになり、AGCを適用したSFE信号のゲインは1/10となりDFE信号のゲインも低下してしまう。
二層光ディスク媒体から一層光ディスク媒体に切替えると同様にしてAGCを適用したSFE信号のゲインは10倍となりDFE信号のゲインが増加してしまう。
また一層光ディスク媒体で式(5)によりDFE信号を生成していたのが、二層光ディスク媒体に切替えると、式(5)にてMSUM+SSUMをMSUMに変更して除算することになり、AGCを適用したDFE信号のゲインは(MSUM+SSUM)÷MSUMだけ上昇してしまう。二層光ディスク媒体から一層光ディスク媒体に切替えると同様にしてAGCを適用したDFE信号のゲインはMSUM÷(MSUM+SSUM)だけ減少してしまう。
しかし、第3の実施の形態においては、複数層光ディスク媒体では式(11)や式(12)で表されるように、サブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えているので両者でゲインは概ね等しくなり、一層光ディスク媒体と複数層光ディスク媒体を切替えてもメインビームとサブビームとの光量差によるゲイン変動のない良好なDFE信号が得られ、安定したフォーカシング制御が実現可能である。
(第4の実施の形態)
第3の実施の形態ではHD DVDについて一層と複数層とでDFE信号に用いる和信号を切り替えると述べた。
第4の実施の形態ではサーボ誤差信号のうちフォーカス誤差信号作成法の一つであるDFE法を用い、光ディスク媒体1の媒体種別を判別し、媒体種別に応じてDFE信号に用いる和信号を切替えるフォーカス誤差信号検出法について述べる。
差動非点収差法はDPP法と異なり光ディスク媒体1として記録型だけでなく再生型にも適用可能である。よって本実施例では光ディスク媒体1としてCD、DVD、HD DVD、Blu−ray Diskを用いる。
以下、第4の実施の形態と第3の実施の形態との相違を中心に説明する。
第4の実施の形態でも第3の実施の形態と同じく図1、図2、図5、図6、図7が適用される構成である。
第4の実施の形態の特徴的な要素である状態判別手段は、システムコントローラ5が担当し、また、フォーカス誤差信号生成および和信号選択手段は、RF回路部7が担当する。
媒体種別判別は、媒体の内周に存在するシステムリードイン内の媒体種別情報、媒体の内周に存在するBCA(Burst Cutting Area)内の媒体種別情報、BCAの有無、カバー層厚さ、基板層厚さ、記録層数またはそれらを組み合わせて行う。
媒体種別判別を利用する場合の動作の説明をする。
初期状態でセレクタ100は、図6に示す和信号を切替えるフォーカス誤差信号検出法の場合、MSUMに増幅器93にてゲイン(1+m3)を掛け合わせた信号に切替え、図7に示す和信号を切替えるフォーカス誤差信号検出法の場合、MSUMに増幅器94にてゲインm3を掛け合わせた信号を選択する。
光ディスク媒体1が第4の実施の形態の光ディスク装置に挿入された後、スレッドモータ8を動かして光ディスク媒体1上のデータ記録領域へ対物レンズアクチュエータ9を移動させ、対物レンズアクチュエータ9をフォーカス方向に等速で上下に振り、フォーカスS字信号の出現パターンからカバー層厚さ、基板層厚さ、記録層数を判別する。
Blu−ray Diskはカバー層厚さ0.1mm、DVD、HD DVDは基板層厚さ0.6mm、CDは基板層厚さ1.2mmであるので、カバー層厚さ、基板層厚さの判定は次のようにする。
Blu−ray DiskとDVD、HD DVDのカバー層厚さ、基板層厚さの中間値(例えば0.35mmとする)、DVD、HD DVDとCDの基板層厚さの中間値(例えば0.9mmとする)を用いて、光ディスク媒体1の光ビームの入射面と記録層で発生するフォーカスS字信号の時間間隔が0.35mm相当以下であればBlu−ray Diskと判別し、0.9mm相当以上であればCDと判別し、0.35mm相当を超えて0.9mm相当未満であればDVD、HD DVDと判別する。
また記録層で発生するフォーカスS字信号の本数でも記録層数を判別する。
DVD、HD DVDと判別した場合、スレッドモータ8を動かして光ディスク媒体1上のBCAを形成すべき場所に対物レンズアクチュエータ9を移動させ、BCAを形成すべき記録層にフォーカスサーボオンし、トラックサーボオフの状態で、BCAの有無、BCAがあればBCAデータリードを行い、BCAデータに含まれる媒体種別情報を得る。
BCAデータに含まれる媒体種別情報からHD DVDのいずれの媒体(HD DVD−ROM−SL、HD DVD−ROM−DL、HD DVD−R−SL、HD DVD−R−DL、HD DVD−RW−SL、HD DVD−RW−DL、HD DVD−R−RAM)かが判別できる。BCAが存在してもHD DVDでないか、BCAが存在しない場合はDVDと判別する。
次にBlu−ray Diskと判別した場合、スレッドモータ8を動かして光ディスク媒体1上のBCAを形成すべき場所に対物レンズアクチュエータ9を移動させ、BCAを形成すべき記録層にフォーカスサーボオンし、トラックサーボオフの状態で、BCAの有無、BCAがあればBCAデータリードを行い、BCAデータに含まれる媒体種別情報を得る。
BCAデータに含まれる媒体種別情報からBlu−ray Diskのいずれの媒体(BD−ROM−SL、BD−ROM−DL、BD−R−SL、BD−R−DL、BD−RE−SL、BD−RE−DL)かが判別できる。
次にCD、DVD、HD DVD、Blu−ray Diskの場合、いずれもスレッドモータ8を動かして光ディスク媒体1上のシステムリードイン領域に対物レンズアクチュエータ9を移動させ、トラックサーボをオンし、システムリードインの内容を読む。システムリードインに記録された媒体種別情報からCD、DVD、HD DVD、Blu−ray Diskすべての媒体種別が判別できる。
上述のように媒体種別判別が完了した後、図6で示すフォーカス誤差信号生成回路の場合、光ディスク媒体1が2層HD DVD(HD DVD−ROM−DL、HD DVD−R−DL、HD DVD−RW−DL)もしくは2層DVD(DVD−ROM−DL、DVD±R−DL、DVD±RW−DL)と判別されれば、セレクタ100をMSUMに増幅器93にてゲイン(1+m3)を掛け合わせた信号に切替えて、式(11)で表されるDFE信号を実現する。
光ディスク媒体1が2層Blu−ray Disk(BD−ROM−DL、BD−R−DL、BD−RE−DL)と判別されれば、セレクタ100を総和信号であるMSUM+SSUM信号に切替えて、式(5)で表されるDFE信号を実現する。
光ディスク媒体1が1層HD DVD(HD DVD−ROM−SL、HD DVD−R−SL、HD DVD−RW−SL、HD DVD−RAM−SL)、1層DVD(DVD−ROM−SL、DVD±R−SL、DVD±RW−SL、DVD−RAM)、1層Blu−ray Disk(BD−ROM−SL、BD−RーSL、BD−RE−SL)、CD(CD−ROM、CD−R、CD−RW)のいずれかと判別されればセレクタ100を総和信号であるMSUM+SSUM信号に切替えて、式(5)で表されるDFE信号を実現する。セレクタ100は光ディスク媒体1が、第4の実施の形態の光ディスク装置から取り出されるまでは同じ状態を保持する。また光ディスク媒体1が第4の実施の形態の光ディスク装置に挿入される度に上記動作を行う。
初期状態でセレクタ100は、MSUMに増幅器93にてゲイン(1+m3)を掛け合わせた信号を選択すると述べたが、総和信号であるMSUM+SSUM信号を選択すると複数層光ディスク媒体1の場合、メインビームの他層からの反射光によりSSUM信号に影響があり、DFE信号にゲイン変動が発生し、最悪フォーカスS字信号が検出できない可能性があるためである。
また、図7で示すフォーカス誤差信号生成回路の場合、光ディスク媒体1が2層HD DVD若しくは2層DVDと判別されれば、セレクタ100をMSUMに増幅器94にてゲインm3を掛け合わせた信号に切替えて、式(12)で表されるDFE信号を実現する。光ディスク媒体1が2層Blu−ray Diskと判別されれば、セレクタ100をSSUM信号に切替えて式(6)で表されるDFE信号を実現する。
光ディスク媒体1が1層HD DVD、1層DVD、1層Blu−ray Disk、CDと判別されれば、セレクタ100をSSUM信号に切替えて、式(6)で表されるDFE信号を実現する。
セレクタ100は、光ディスク媒体1が第4の実施の形態の光ディスク装置から取り出されるまでは同じ状態を保持する。また光ディスク媒体1が第4の実施の形態の光ディスク装置に挿入される度に上記動作を行う。
初期状態でセレクタ100は、MSUMに増幅器94にてゲインm3を掛け合わせた信号を選択すると述べたが、SSUM信号を選択すると複数層光ディスク媒体1の場合、メインビームの他層からの反射光によりSSUM信号に影響があり、DFE信号にゲイン変動が発生し、最悪フォーカスS字信号が検出できない可能性があるためである。
第3の実施の形態の説明でも述べたが、層間χt率はNAと中間層厚に応じて変化し、開口数NA0.65の2層HD DVDの場合、中間層厚は15μm〜30μmで層間χt率は45%〜14%である。一方NA0.60の2層DVDの場合、中間層厚は40μm〜60μmで層間χt率は5%弱である。また開口数NA0.85の2層Blu−ray Diskの場合、中間層厚は20μm〜30μmで層間χt率は10%〜5%である。それぞれの光ディスク媒体1での層間χt率の最大値をβとする。
メインビーム(またはサブビーム)の他層からの反射光を光検出器で受光する場合のメインビーム(またはサブビーム)用光検出器での受光量に対するサブビーム(またはメインビーム)用光検出器での受光量の比(=γとする)は、主として光ディスク媒体の中間層厚とメインビームからサブビームまでの光ディスク媒体の記録面上の距離により定まる。
この距離は、例えばHD DVD、DVDおよびBlu−ray Disk用の光ディスク装置では15μm程度に設定される。この距離は、狭く採りすぎるとそれぞれの光検出器でそれぞれのビームを分離して検出することが難しくなる点と、広く採りすぎるとメインビームとサブビームで誤差の検出位置が離れてDPP信号やDFE信号の信頼性が低くなる点のトーレドオフにより設定される。
他層からの反射光はガウス分布を示し、メインビーム(またはサブビーム)の他層からの反射光をサブビーム(またはメインビーム)用光検出器で受光する場合、ガウス分布のどの位置にサブビーム(またはメインビーム)用光検出器がくるかで上記光量比γは変化する。メインビームからサブビームまでの光ディスク媒体の記録面上の距離が一定なので中間層厚で上記光量比γは変化し、中間層厚が厚いほど他層からの反射光はメインビーム(またはサブビーム)用光検出器を中心に広範囲に広がり相対的にサブビーム(またはメインビーム)用光検出器がガウス分布の中心に位置し上記光量比γは大きくなる。
よって2層HD DVDでは中間層厚が15μm〜30μm、2層Blu−ray Diskでは中間層厚が20μm〜30μmであるので、上記光量比γは最大で0.2程度の値をとる。2層DVDでは中間層厚が40μm〜60μmであり、上記光量比γは最大で0.9程度の値をとる。
ここで、メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層からの反射光の光量を1とすると、メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層での反射光に対するサブビームの他層からの反射光の比率と、サブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層での反射光に対するメインビームの他層からの反射光の比率は、第3の実施の形態と同様にして、2層HD DVDの場合それぞれ最大でα*β*γ=0.009、β*γ/α=0.9程度となり、2層DVDの場合それぞれ最大でα*β*γ=0.0045、β*γ/α=0.45程度となり、2層Blu−ray Diskの場合それぞれ最大でα*β*γ=0.002、β*γ/α=0.2程度となる。
従って、AGC法に拠ってDFE信号を生成する時、メインビーム用光検出器で検出されるメインビームの自層での反射光に対するサブビームの他層からの反射光の影響は無視しても実用上の支障は無い。サブビーム用光検出器で検出されるサブビームの自層での反射光に対するメインビームの他層からの反射光の影響に関しては、2層HD DVDの場合0.9程度、2層DVDの場合0.45程度と無視すると安定した信号を確保し難くなるが、2層Blu−ray Disk の場合0.2程度と2層DVDの半分以下程度であり、本来は影響を無視しないが、無視しても実用上の支障無い。
メインビームの他層からの反射光は和信号に影響を及ぼすとともに他層が記録領域か未記録領域かによっても和信号に影響を及ぼす。
そこで第4の実施の形態のフォーカス誤差信号検出法の動作説明でも示したように、媒体種別に応じて、メインビームの他層からの反射光によるサブビームの和信号への影響を無視しても実用上支障無い2層Blu−ray Diskでは式(5)や式(6)で表されるように、MSUMとSSUMの両方用いてDFE信号を生成し、メインビームの他層からの反射光によるサブビームの和信号への影響が無視できない2層HD DVDや2層DVDでは式(11)や式(12)で表されるようにサブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えてDFE信号を生成する。
また1層HD DVD、1層DVD、1層Blu−ray Disk、CDでは式(5)や式(6)で表されるようにMSUMとSSUMの両方用いてDFE信号を生成する。
以上のように媒体種別に応じてDFE信号に用いる和信号を切替えることで、複数層光ディスク媒体(1)で、メインビームの他層からの反射光の影響のない良好なDFE信号が得られ、安定したフォーカシング制御が実現可能である。
第3の実施の形態の説明でも述べたが、従来、複数層光ディスク媒体では、式(6)においてSSUM信号をMSUM信号に変更した式(13)を用いることで、メインビームの他層からの反射光の影響をなくすと述べている。ここでいう複数層光ディスク媒体とは第4の実施の形態の場合、メインビームの他層からの反射光がサブビームの和信号への影響が無視できない2層HD DVDや2層DVDである。
(数13)
DFE=MFE÷MSUM−m2・SFE÷MSUM (13)
m2は定数。
同様にして式(5)において総和信号であるMSUM+SSUM信号をMSUM信号に変更した式(14)を用いることでメインビームの他層からの反射光の影響をなくすことができる。
(数14)
DFE=(MFE−m1・SFE)÷(MSUM) (14)
m1は定数。
しかし、一般的にメインビームの光量に対してサブビームの光量は1/10(αとする)以下に設定される。メインビームの和信号MSUMに対するサブビームの和信号SSUMのゲイン比は、概ね上述したメインビームとサブビームの光量の比に等しく1/10となる。
DFE信号ではAGCを適用したMFE信号に発生するDCオフセット量とAGCを適用したSFE信号に発生するDCオフセット量をキャンセルできるように、式(6)のゲインm2を定める。
一層光ディスク媒体および2層Blu−ray Diskで式(6)によりDFE信号を生成していたのが、2層HD DVDや2層DVDに切替えると、式(6)にてSSUMをMSUMに変更しSSUM信号の10倍のゲインを持つMSUM信号で除算することになり、AGCを適用したSFE信号の発生するDCオフセット量が1/10となりDFE信号にDCオフセットを発生させてしまう。
2層HD DVDや2層DVDから一層光ディスク媒体および2層Blu−ray Diskに切替えると同様にしてAGCを適用したSFE信号の発生するDCオフセット量が10倍となりDFE信号にDCオフセットを発生させてしまう。
しかし、第4の実施の形態においては、2層HD DVDや2層DVDでは式(11)や式(12)で表されるようにサブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えているので、両者でゲインは概ね等しくなり、一層光ディスク媒体および2層Blu−ray Diskと2層HD DVDや2層DVDを切替えても、メインビームとサブビームとの光量差によるDCオフセット変動のない良好なDFE信号が得られ、安定したフォーカシング制御が実現可能である。
また、AGCを適用したMFE信号のAC成分とAGCを適用したSFE信号のAC成分は極性が反転しており、AGCを適用したMFE信号からAGCを適用したSFE信号を減算することで両者のAC成分が同極性となり、AGCを適用したMFE信号のゲインとAGCを適用したSFE信号のゲインを足し合わせたものが概略DFE信号のゲインとなる。
一層光ディスク媒体および2層Blu−ray Diskで、式(6)によりDFE信号を生成していたのが、2層HD DVDや2層DVDに切替えると、式(6)にてSSUMをMSUMに変更しSSUM信号の10倍のゲインを持つMSUM信号で除算することになりAGCを適用したSFE信号のゲインは1/10となってDFE信号のゲインも低下してしまう。
2層HD DVDや2層DVDから一層光ディスク媒体および2層Blu−ray Diskに切替えると同様にしてAGCを適用したSFE信号のゲインは10倍となりDFE信号のゲインが増加してしまう。
また、一層光ディスク媒体および2層Blu−ray Diskで式(5)によりDFE信号を生成していたのが、2層HD DVDや2層DVDに切替えると、式(5)にてMSUM+SSUMをMSUMに変更して除算することになり、AGCを適用したDFE信号のゲインは(MSUM+SSUM)÷MSUMだけ上昇してしまう。
2層HD DVDや2層DVDから一層光ディスク媒体および2層Blu−ray Diskに切替えると同様にしてAGCを適用したDFE信号のゲインはMSUM÷(MSUM+SSUM)だけ減少してしまう。
しかし、第4の実施の形態では2層HD DVDや2層DVDでは式(11)や式(12)で表されるようにサブビームの和信号をメインビームに対するサブビームの光量比相当にゲインを抑えたメインビームの和信号に置き換えているので、両者でゲインは概ね等しくなり、一層光ディスク媒体および2層Blu−ray Diskと2層HD DVDや2層DVDを切替えてもメインビームとサブビームとの光量差によるゲイン変動のない良好なDFE信号が得られ、安定したフォーカシング制御が実現可能である。
以上、第1の実施の形態及び第2の実施の形態ではDPP法を用いたトラック誤差信号について和信号の選択法を説明し、第3の実施の形態及び第4の実施の形態ではDFE法を用いたフォーカス誤差信号について和信号の選択法を説明したが、DPP法を用いたトラック誤差信号やDFE法を用いたフォーカス誤差信号だけでなく、メインビームとサブビームとから生成する他のサーボ誤差信号においても、以上の各実施の形態で用いられる和信号の選択法を同様に用いることができる。
以上の説明では、本発明の光ディスク装置及びそこで用いられる位置制御方法について述べたが、以上の位置制御方法の各工程での実行内容をプログラム化してコンピュータに実行させるように構成しても良い。
本発明は以上のように構成したので、本発明によって光ディスク媒体のサーボ制御を安定に行うことができ、光ディスク媒体を用いる広範な分野での利用の可能性が高い。
本発明の光ディスク装置の第1の実施の形態のブロック図である。 図1に示す第1の実施の形態のサーボ誤差検出部の構成を示す図である。 図1に示す第1の実施の形態での光ディスク媒体上のスポットの位置関係と、4分割光検出器と、トラック誤差検出回路と和信号選択手段(その1)の関係を示す図である。 図1に示す第1の実施の形態での光ディスク媒体上のスポットの位置関係と、4分割光検出器と、トラック誤差検出回路と和信号選択手段(その2)の関係を示す図である。 図1に示す第1の実施の形態で用いられる記録層数判別方法の説明図である。 本発明の光ディスク装置の第3の実施の形態での光ディスク媒体上のスポットの位置関係と、4分割光検出器と、トラック誤差検出回路と和信号選択手段(その1)の関係を示す図である。 本発明の光ディスク装置の第3の実施の形態での光ディスク媒体上のスポットの位置関係と、4分割光検出器と、トラック誤差検出回路と和信号選択手段(その2)の関係を示す図である。 図1に示す本発明の光ディスク装置の第1の実施の形態での位置制御方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1 光ディスク媒体
5 システムコントローラ(状態判別手段)
7 RF回路部(位置制御演算回路および和信号選択手段)
11 レーザダイオード(発光素子)
12 光検出器(受光素子)
21 対物レンズ

Claims (14)

  1. メインビームと少なくとも1つのサブビームとを発光する発光素子と、
    前記メインビームとサブビームとを光ディスク媒体に集光照射する対物レンズと、
    前記光ディスク媒体からの反射光を各ビームごとにそれぞれ受光する受光領域が分割された受光素子と、
    それぞれの受光素子の受光領域相互の光量の差分からサーボ位置誤差信号を求め、メインビームのサーボ位置誤差信号とサブビームのサーボ位置誤差信号との相互の演算処理と、受光光量の和信号による除算正規化とを行って位置制御のための信号を生成する位置制御演算回路とを備えた光ディスク装置において、
    前記光ディスク媒体の状態を判別する状態判別手段と、光ディスク媒体の状態によって前記位置制御演算回路での正規化に用いる前記和信号を選択する和信号選択手段とを具備することを特徴とする光ディスク装置。
  2. 前記位置制御演算回路で行われる演算処理は、前記メインビームのサーボ位置誤差信号から前記サブビームのサーボ位置誤差信号に第1の重み係数を掛けた信号を減算した後、受光光量の和信号で除算正規化する処理であり、前記和信号選択手段で選択する前記和信号は、第1の和信号である前記受光素子全部の受光量の総和信号か、前記受光素子全部の受光量の和のうち、前記少なくとも1つのサブビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和が前記メインビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和に前記メインビームに対する前記少なくとも1つのサブビームの光量比相当の第2の重み係数を掛けたものに置き換えた第2の和信号かのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記位置制御演算回路で行われる演算処理は、前記メインビームのサーボ位置誤差信号を前記メインビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和で除算正規化した信号から、前記少なくとも1つのサブビームのサーボ位置誤差信号を前記少なくとも1つのサブビームの反射光を受光する前記受光素子から得られるサブビームの和信号で除算正規化し更に第3の重み係数を掛けた信号、又は前記サブビームのサーボ位置誤差信号に前記メインビームに対する前記少なくとも1つのサブビームの光量比相当の前記第2の重み係数を掛けた前記メインビームの前記受光素子の和信号で除算正規化しさらに第3の重み係数を掛けた信号を減算する処理であり、前記和信号選択手段で選択する前記和信号は、第3の和信号である前記サブビームの前記受光素子の和信号か、第4の和信号である前記第2の重み係数を掛けた前記メインビームの前記受光素子の和信号かのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
  4. 前記サーボ位置誤差信号は、前記分割された受光素子それぞれの半径方向に分割された少なくとも2つの領域の光量差として得られる前記光ディスク媒体上の情報トラックに対する位置誤差信号であり、前記位置制御のための信号は前記メインビームの前記情報トラックに対するトラッキング制御のためのトラック誤差信号であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
  5. 前記受光素子は、その受光面中心を通る1又は2以上の分割線により、複数の領域に分割され、
    前記サーボ位置誤差信号は前記分割された1又は複数の領域をまとめて互いにほぼ同一の受光面積を有する領域とした2つの領域相互間の光量差として取得される前記情報記録面に対する焦点位置誤差信号であり、
    前記位置制御のための信号は前記メインビームのフォーカシング制御のためのフォーカス誤差信号であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
  6. 前記状態判別手段が判別する前記光ディスク媒体の状態は、前記光ディスク媒体の前記情報記録層の層数情報であることを特徴とする請求項請求項1ないし5のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
  7. 前記メインビームとサブビームの内の選択された1または2以上のビームの反射光から、前記メインビームの前記情報記録面に対する焦点誤差を検出するための焦点誤差検出器と、
    前記焦点誤差検出器の出力からフォーカス誤差信号を取得するフォーカス誤差演算回路と、
    前記情報記録面をその垂直方向に横切るように前記メインビーム集光点を駆動した際のフォーカスS字型波形の出現回数を計測するS字型波形計数手段とを備え、
    前記S字型波形の出現回数によって前記光ディスク媒体の前記情報記録層の層数を計測し、前記状態判別手段での前記光ディスクの状態判別に使用することを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置。
  8. 前記状態判別手段は、前記光ディスク媒体のBCA(Burst Cutting Area)領域、及びシステムリードイン領域を読み出す手段を備え、それらのいずれか一方又は双方の予め記録された情報を前記光ディスクの状態判別に使用することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の光ディスク装置。
  9. 前記状態判別手段が、前記光ディスク媒体の基板厚又はカバー層厚を判別する厚み判別手段を有し、前記光ディスク媒体の前記記録層数が複数層であっても、前記基板又は前記カバー層厚が予め定められた値以下の場合には、前記除算に用いる和信号を前記総和信号とすることを特徴とする請求項6に記載の光ディスク装置。
  10. 前記厚み判別手段は前記メインビーム集光点を前記情報記録面を垂直方向に横切るように駆動した際のフォーカス誤差信号のS字型波形の出現時間間隔を計測するS字型波形出現時間間隔計測手段を備え、前記基板又は前記カバー層の表面と前記基板又は前記カバー層に最も近い前記記録面との間で発生する前記S字型波形の出現時間間隔により、前記基板又はカバー層厚さの判別を行うことを特徴とする請求項9に記載の光ディスク装置。
  11. 光ディスク装置に装着された光ディスク媒体へのトラッキングおよびフォーカシングのためにビームと光ディスク媒体との位置関係を制御するサーボ位置制御方法において、
    メインビームと少なくとも1つのサブビームとを発光する発光工程と、
    前記メインビームとサブビームとを光ディスク媒体に集光照射する集光照射工程と、
    前記光ディスク媒体からの反射光を各ビームごとにそれぞれ受光領域が分割された受光素子で受光する受光工程と、
    それぞれの受光素子の受光領域相互の光量の差分からメインビームのサーボ位置誤差信号とサブビームのサーボ位置誤差信号を求めるサーボ位置誤差信号取得工程と、
    前記光ディスク媒体の状態を判別する状態判別工程と、
    前記光ディスク媒体の状態によって前記サーボ位置誤差信号の正規化に用いる前記和信号を選択する和信号選択工程と、
    前記メインビームのサーボ位置誤差信号と、サブビームのサーボ位置誤差信号と、選択された和信号とを用いて演算処理により位置制御のための信号を生成する位置制御信号演算工程とを備えることを特徴とする位置制御方法。
  12. 前記位置制御演算工程は、前記メインビームのサーボ位置誤差信号から前記サブビームのサーボ位置誤差信号に第1の重み係数を掛けた信号を減算した後、受光光量の和信号で除算正規化する演算処理工程であり、前記和信号選択工程で選択する前記和信号は、第1の和信号である前記受光素子全部の受光量の総和信号か、前記受光素子全部の受光量の和のうち、前記少なくとも1つのサブビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和が前記メインビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和に前記メインビームに対する前記少なくとも1つのサブビームの光量比相当の第2の重み係数を掛けたものに置き換えた第2の和信号かのいずれかであることを特徴とする請求項11に記載のサーボ位置制御方法。
  13. 前記位置制御演算工程は、前記メインビームのサーボ位置誤差信号を前記メインビームの反射光を受光する前記受光素子の受光量和で除算正規化した信号から、前記少なくとも1つのサブビームのサーボ位置誤差信号を前記少なくとも1つのサブビームの反射光を受光する前記受光素子から得られるサブビームの和信号で除算正規化し更に第3の重み係数を掛けた信号、又は前記サブビームのサーボ位置誤差信号に前記メインビームに対する前記少なくとも1つのサブビームの光量比相当の前記第2の重み係数を掛けた前記メインビームの前記受光素子の和信号で除算正規化しさらに第3の重み係数を掛けた信号を減算する演算処理工程であり、前記和信号選択工程で選択する前記和信号は、第3の和信号である前記サブビームの前記受光素子の和信号か、第4の和信号である前記第2の重み係数を掛けた前記メインビームの前記受光素子の和信号かのいずれかであることを特徴とする請求項11に記載のサーボ位置制御方法。
  14. 光ディスク装置に装着された光ディスク媒体へのトラッキングおよびフォーカシングのためにビームと光ディスク媒体との位置関係を制御する位置制御をコンピュータに実行させるサーボ位置制御プログラムにおいて、
    メインビームと少なくとも1つのサブビームとを発光する発光機能と、
    前記メインビームとサブビームとを光ディスク媒体に集光照射する集光照射機能と、
    前記光ディスク媒体からの反射光を各ビームごとにそれぞれ受光領域が分割された受光素子で受光する受光機能と、
    それぞれの受光素子の受光領域相互の光量の差分からメインビームのサーボ位置誤差信号とサブビームのサーボ位置誤差信号を求めるサーボ位置誤差信号取得機能と、
    前記光ディスク媒体の状態を判別する状態判別機能と、
    前記光ディスク媒体の状態によって前記サーボ位置誤差信号の正規化に用いる前記和信号を選択する和信号選択機能と、
    前記メインビームのサーボ位置誤差信号と、サブビームのサーボ位置誤差信号と、選択された和信号とを用いて演算処理により位置制御のための信号を生成する位置制御信号演算機能とを備えることを特徴とする位置制御プログラム。
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