JP2009146488A - 光ディスク装置、制御回路及び迷光キャンセルゲイン調整方法 - Google Patents

光ディスク装置、制御回路及び迷光キャンセルゲイン調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2009146488A
JP2009146488A JP2007321308A JP2007321308A JP2009146488A JP 2009146488 A JP2009146488 A JP 2009146488A JP 2007321308 A JP2007321308 A JP 2007321308A JP 2007321308 A JP2007321308 A JP 2007321308A JP 2009146488 A JP2009146488 A JP 2009146488A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
light receiving
receiving element
signal
optical disc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2007321308A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Yamane
康広 山根
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2007321308A priority Critical patent/JP2009146488A/ja
Publication of JP2009146488A publication Critical patent/JP2009146488A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Recording Or Reproduction (AREA)
  • Optical Head (AREA)

Abstract

【課題】光ディスク装置ごとに迷光キャンセルゲインを適切に調整して、サーボ信号をより正確にすること。
【解決手段】複数の記録層を有する光ディスク3に対して照射されたレーザ光の反射光を受光するサーボ信号生成用受光素子E−Hと、受光素子E−Hに隣接配置された層間迷光検出用受光素子I、Jとを有する光検出部130と、受光素子E−Hの受光量を表す信号から、受光素子I、Jの受光量を表す信号に所定の乗算係数mを乗算した信号を減算した信号に基づいてサーボ信号を生成するサーボ信号生成部40と、受光素子E−Hに対する反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらした状態で、光ディスク3の所定領域にレーザ光を照射して受光素子E−Hにおける光量バランスの変動量を測定し、当該光量バランスの変動量が最小となるように乗算係数mの値を決定する係数決定部66と、を備える光ディスク装置が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、光ディスク装置、制御回路及び迷光キャンセルゲイン調整方法に関する。
光ディスク装置は、レーザ光を利用して光ディスクに情報を記録/再生するための装置である。この光ディスク装置は、光源(例えばレーザダイオード:LD)から出射したレーザ光を、対物レンズで集光して光ディスクの記録面にスポット照射し、当該光ディスクで反射したレーザ光の反射光を光検出部(例えばフォトディテクタ:PD)で受光する光ピックアップを備えている。そして、かかる光ディスク装置では、上記光検出部における受光量の検出信号を演算して、トラッキングエラー信号やフォーカスエラー信号等のサーボ信号を生成して、光ディスクに対するレーザスポットの照射位置をサーボ制御している。
かかる光ディスク装置が取り扱う光ディスクには、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)や、ブルーレイディスク(Blu−ray Disc:以下「BD」という。)等の高密度光ディスクなどがある。さらに近年では、DVD−ROM、DVD±R、BD−ROM、BD−R、BD−RE等の光ディスクには、より多くの情報を記憶させるために、記録層を2層とした2層ディスクが開発されている。特にBD等の高密度光ディスクにいたっては、2層以上の記録層が多層構造化された多層ディスクが市場に出てくる可能性もある。
上記のような2層以上の記録層を有する多層ディスクに対して記録再生する際に、大きな問題となってくるのが、記録再生している記録層以外から反射した層間迷光である。迷光はあくまでも、記録再生対象の記録層以外からの光のため、本来必要なサーボ信号生成用の受光素子の検出信号に加算されてしまうと、サーボ信号(例えば、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号等)が不正確になり、正常に記録再生ができなくなってしまう。最悪の場合、記録中にサーボが外れてしまうと、本来意図しないアドレスにデータを記録してしまい、光ディスクのデータを破損させる可能性もある。
このような多層ディスクの層間迷光を軽減させ、サーボ信号をより正確にする方法として、例えば特許文献1には、層間迷光成分を検出するための受光素子を追加設置する方法が提案されている。この方法では、本来のサーボ信号生成用の受光素子(E、F、G、H)に隣接して、層間迷光検出用の受光素子(I、J)を設置することにより、サーボ信号生成用の受光素子(E、F、G、H)に入射している層間迷光成分に近い信号を検出することができる。そして、受光素子(E、F、G、H)による検出信号から層間迷光キャンセルゲイン(層間迷光成分の検出信号に所定の乗算係数mを乗じた信号)を減じることで、サーボ信号における層間迷光成分の影響を軽減している。
特開2005−346882号公報
しかしながら、上記特許文献1記載の技術においても、(1)サーボ信号生成用受光素子(E、F、G、H)に入射する迷光成分そのものを検出できるわけでなく、(2)受光素子やサーボ信号生成回路等の製造上のばらつきにより検出量に誤差が生じ、(3)層間迷光成分の分布自体のばらつきも存在する。これら(1)〜(3)の事情などが原因で、光ピックアップや光ディスク装置ごとに適切な層間迷光キャンセルゲインを決定(即ち、上記乗算係数mを決定)しないと、サーボ信号が不正確になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、光ディスク装置ごとに迷光キャンセルゲインを適切に調整して、サーボ信号をより正確にすることが可能な、新規かつ改良された光ディスク装置、制御回路及び迷光キャンセルゲイン調整方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、複数の記録層を有する光ディスクに対して照射されたレーザ光の反射光を受光するサーボ信号生成用受光素子と、前記サーボ信号生成用受光素子に隣接配置された層間迷光検出用受光素子とを有する光検出部と;前記サーボ信号生成用受光素子の受光量を表す信号から、前記層間迷光検出用受光素子の受光量を表す信号に所定の乗算係数を乗算した信号を減算した信号に基づいて、サーボ信号を生成するサーボ信号生成部と;前記サーボ信号生成用受光素子に対する前記反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらした状態で、前記光ディスクの所定領域に前記レーザ光を照射して、前記サーボ信号生成用受光素子における光量バランスの変動量を測定し、当該光量バランスの変動量が最小となるように前記乗算係数の値を決定する係数決定部と;を備えることを特徴とする、光ディスク装置が提供される。
かかる構成により、係数決定部によって、サーボ信号生成用受光素子に対する反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらした状態で、光ディスクの所定領域にレーザ光が照射されることで、サーボ信号生成用受光素子における光量バランスの変動量が測定され、当該光量バランスの変動量が最小となるように乗算係数の値が決定される。これにより、層間迷光キャンセルゲインを定める乗算係数の適正値を決定できるので、層間迷光キャンセルゲインを適切に調整できる。
前記光ディスクの所定領域は、前記光ディスクにおけるデータの記録部分及び未記録部分を含む領域であるようにしてもよい。これにより、光ディスクにおけるデータの記録部分及び未記録部分を含む領域にレーザ光が照射されることで、サーボ信号生成用受光素子における光量バランスの変動量が測定される。当該領域はレーザ光の反射率の変化が激しいので、光量バランスの変動を測定しやすくなる。
前記サーボ信号は、差動プッシュプル方式のトラッキングエラー信号であり、前記光量バランスの変動量は、サイドプッシュプル信号を用いて測定されるようにしてもよい。これにより、サーボ信号生成用受光素子における光量バランスを表す指標として、サイドプッシュプル信号を用いて、サイドプッシュプル信号の変動量が最小となるように乗算係数の値を決定される。これにより、差動プッシュプル方式のトラッキングエラー信号を生成するときの層間迷光キャンセルゲインを適切に調整できる。
前記光量バランスの変動量の測定時に、対物レンズをトラッキング方向にシフトさせることにより、前記サーボ信号生成用受光素子に対する前記反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらすようにしてもよい。これにより、当該光スポットの照射位置を好適にずらすことができる。
前記光量バランスの変動量の測定時に、対物レンズをレンズチルトさせることにより、前記サーボ信号生成用受光素子に対する前記反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらすようにしてもよい。これにより、当該光スポットの照射位置を好適にずらすことができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の記録層を有する光ディスクに対して照射されたレーザ光の反射光を受光するサーボ信号生成用受光素子と、前記サーボ信号生成用受光素子に隣接配置された層間迷光検出用受光素子とを有する光検出部から入力された信号に基づいて、サーボ信号を生成する制御回路であって:前記サーボ信号生成用受光素子の受光量を表す信号から、前記層間迷光検出用受光素子の受光量を表す信号に所定の乗算係数を乗算した信号を減算した信号に基づいて、サーボ信号を生成するサーボ信号生成部と;前記サーボ信号生成用受光素子に対する前記反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらした状態で、前記光ディスクの所定領域に前記レーザ光を照射して、前記サーボ信号生成用受光素子における光量バランスの変動量を測定し、当該光量バランスの変動量が最小となるように前記乗算係数の値を決定する係数決定部と;を備えることを特徴とする、制御回路が提供される。
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数の記録層を有する光ディスクに対して照射されたレーザ光の反射光を受光するサーボ信号生成用受光素子と、前記サーボ信号生成用受光素子に隣接配置された層間迷光検出用受光素子とを有する光検出部と;前記サーボ信号生成用受光素子の受光量を表す信号から、前記層間迷光検出用受光素子の受光量を表す信号に所定の乗算係数を乗算した信号を減算した信号に基づいて、サーボ信号を生成するサーボ信号生成部と;を備えた光ディスク装置における迷光キャンセルゲイン調整方法であって:前記サーボ信号生成用受光素子に対する前記反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらした状態で、前記光ディスクの所定領域に前記レーザ光を照射して、前記サーボ信号生成用受光素子における光量バランスの変動量を測定するステップと;前記光量バランスの変動量が最小となるように前記乗算係数の値を決定するステップと;を含むことを特徴とする、迷光キャンセルゲイン調整方法が提供される。
以上説明したように本発明によれば、光ディスク装置ごとに迷光キャンセルゲインを適切に調整して、サーボ信号をより正確にすることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(第1の実施形態)
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態にかかる光ディスク装置1の全体構成について説明する。図1は、本実施形態にかかる光ディスク装置1の構成を示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態にかかる光ディスク装置1は、外部のホスト機器(例えば、パーソナルコンピュータ、デジタルビデオカメラ等、図示せず。)からの指示に基づいて、光ディスク3に対してデータを記録及び/又は再生可能な装置である。かかる光ディスク装置1は、概略的には、光ディスク3に対してデータの記録動作や再生動作を行なう光ピックアップ10と、光ディスク3を回転駆動するディスク駆動部20と、光ピックアップ10及びディスク駆動部20を制御する制御回路30とを備える。
光ディスク3は、データの読み書きに光を利用する記憶媒体であれば、例えば、CD、DVD、BD(Blu−ray Disc)等の高密度光ディスクなど、任意の光ディスクを利用できる。なお、光ディスク3は、例えば、再生専用型光ディスク(CD−ROM(Read Only Memory)、DVD−ROM、BD−ROMなど)であってもよいし、追記型光ディスク(CD−R(CD Recordable)、DVD−R、BD−R等)、又は、書き換え型光ディスク(CD−RW(CD ReWritable)、DVD−RW、BD−RE、DVD−RAM等)などの記録及び再生可能な光ディスクであってもよい。
次に、図1の光ピックアップ10について説明する。光ピックアップ10は、光ディスク3に集光したレーザ光を照射してその反射光を受光することで、光ディスク3に対して情報の読み出し及び書き込みを行う。この光ピックアップ10は、レーザ光を発射するレーザ光源(発光素子)の一例であるレーザダイオード(Laser Diode:LD)110と、LD110駆動用のLDD(LD Driver)144と、LD110の出射パワーを検出するFPDIC(Front PDIC:図示せず。)と、光ディスク3の記録面に対向配置されてLD110から入射されたレーザ光を集光して光ディスク3にスポット光を照射する対物レンズ120(集光レンズ)と、光ディスク3におけるレーザ光の反射光を受光して受光量を検出する光検出部130と、対物レンズ120を少なくともフォーカス方向及びトラッキング方向に移動させる2軸アクチュエータ140と、光ピックアップ10を光ディスク3の径方向に移動させる送り機構であるスライドモータ142と、レーザダイオード110を駆動させるLDドライバ144と、LD110からのレーザ光を光ディスク3に導くとともに光ディスク3での反射光を光検出部130に導く光学系150と、を備える。
このうち、2軸アクチュエータ140は、対物レンズ120をトラッキング方向(光ディスク3の記録面に対して平行なディスク径方向)及びフォーカス方向(光ディスク3の記録面に対して垂直方向)に高速かつ高精度で移動させる。この2軸アクチュエータ140により対物レンズ120の位置をフォーカス方向及びトラッキング方向に微調整することで、光ディスク3に対するレーザ光の照射位置(光スポット)の位置制御(フォーカス制御、トラッキング制御)を行うことができる。これにより、回転時における光ディスク3の面振れ(光ディスク3に対する対物レンズ120の高さ方向へのずれ)に応じて、対物レンズ120の焦点位置を光ディスク3の記録面に正確に位置合わせできる。また、光ディスク3のトラック振れ(光ディスク3に対する対物レンズ120の径方向へのずれ、即ち、トラック変調成分)に応じて、レーザスポットの照射位置を目標トラックに正確に追従させることができる。なお、上記2軸アクチュエータ140に代えて例えば3軸アクチュエータを用いたり、或いは、対物レンズ120のチルト駆動機構を別途設けたりしてもよい。これにより、上記対物レンズ120をフォーカス方向及びトラッキング方向に移動させるのみならず、対物レンズ120をディスク面に対してレンズチルトさせることが可能となる。
光検出部130は、例えば、複数の受光素子及びアンプ等を有するPDIC(Photo Detector IC)で構成される。この光検出部130は、所定のパターンで配列された複数の受光素子(例えばフォトディテクタ:PD)を有しており(図4参照。)、各受光素子における受光量を光電変換して得られる検出信号を制御回路30に出力する。また、光検出部130からRFアンプ64には、光ディスク3に記録された情報の再生結果を表す高周波信号であるRF(Radio Frequency)信号が出力されて、RFアンプ64で増幅された後に、デコードされてホスト機器に再生信号として出力される。
光学系150は、LD110から出射されたレーザ光を光ディスク3の記録面に導くとともに、このレーザ光の光ディスク3での反射光を光検出部130に導くための光学系部品で構成される。この光学系150は、LD110から出射されたレーザ光からメインビーム(0次回折光)及びサイドビーム(±1次回折光)を生成し、このメインビーム及びサイドビームを光ディスク3に対して照射する光路を形成するとともに、光ディスク3での反射光を光検出部130に導光路を形成する。
ここで、図2を参照して、本実施形態にかかる光ピックアップ10の光学系150の具体例について詳述する。図2は、本実施形態にかかる光ピックアップ10の光学系150の構成例を示す模式図である。
図2に示すように、本実施形態にかかる光学系150において、発光素子であるレーザダイオード110から発射されたレーザ光は、例えば、コリメータレンズ111、グレーティング113、ビームスプリッタ114、収差補正素子115、1/4波長板116を順次介して、対物レンズ120に入射され、光ディスク3に照射される。さらに、光ディスク3で反射されたレーザ光は、例えば、対物レンズ120、1/4波長板116、収差補正素子115、ビームスプリッタ114、コリメータレンズ121、ホログラム板122、シリンドリカルレンズ123を順次介して、光検出部130で受光される。
詳細に説明すると、レーザダイオード110から出射されたレーザ光は、コリメータレンズ111によって発散光から平行光に変換された後に、回折格子であるグレーティング11により、1つのメインビーム(主光束:0次回折光)と、複数(例えば、ノーマル3ビームDPPの場合には2つ)のサイドビーム(副光束:±1次回折光)とに分光される。メインビームは、光ディスク3の記録面にデータを記録/再生するためのメインスポットを形成するレーザビームである。また、例えば2つのサイドビームは、互いに逆方向の極性を有する一定の収差を有し、光ディスク3の記録面上においてメインスポットに対して離隔した位置に一対のサイドスポットを形成するレーザビームである。
このグレーティング113から出射されたレーザ光(メインビームとサイドビーム)は、ビームスプリッタ114を通過して、球面収差補正用の光学ユニットである収差補正素子115に入射される。また、ビームスプリッタ114は、当該レーザ光の一部を反射させて、この反射光をコリメータレンズ117を介してフロントモニタフォトディテクタ118に照射させる。このフロントモニタフォトディテクタ118は、入射されたレーザ光を光電変換して受光量を検出し、この検出信号を制御回路30のシステムコントローラ60に出力する。これに応じて、システムコントローラ60及びLDドライバ144は、レーザダイオード110から発射されるレーザ光の発射強度が一定となるようにフィードバック制御する。
収差補正素子115は、例えば、高NA(開口数)の2群対物レンズ120を使用した場合に顕著に現れる球面収差を補正する機能を有する。この収差補正素子115から出射されたレーザ光は、図示しない立ち上げミラーを介して、1/4波長板116に入射される。この1/4波長板116は、入射されるレーザ光に位相差90°を与えて、直線偏光を円偏光に変換して対物レンズ120に入射させ、また、光ディスク3で反射した円偏光のレーザ光を直線偏光に変換する。対物レンズ120は、2群対物レンズで構成され、例えばNA0.85であり、収差補正素子115を通過したレーザ光を集光して、光ディスク3上の記録面に光スポット(上記メインスポットとサイドスポット)を照射する。メインスポット照射により光ディスク3の記録層を相変化させることで、光ディスク3の記録トラックに対して各種データが記録、書き換え、又は再生される。この照射時には、メインスポットがトラックの中央に適切なスポット径で照射されるように、2軸アクチュエータ140を用いた対物レンズ120の位置制御、即ち、トラッキング制御及びフォーカシング制御が行われる。
以上、図2を参照して、光ピックアップ10の光学系150の構成を例示した。しかし、本発明の光ピックアップの光学系は図2の例に限定されるものではない。
次に、図1に戻り、ディスク駆動部20について説明する。ディスク駆動部20は、光ディスク3を回転駆動するスピンドルモータ22と、スピンドルモータ22に接続されて光ディスク3を回転可能に支持するターンテーブル24と、ターンテーブル24に光ディスク3を固定するためのディスククランプ26とを有する。スピンドルモータ22は、制御回路30に設けられたシステムコントローラ60(例えば制御用マイクロコントローラ)及びスピンドルドライバ62によって制御され、光ディスク3を所定速度で回転駆動させる。
さらに、図1の制御回路30について説明する。制御回路30は、光ディスク装置1の各部を制御するデバイスである。この制御回路30は、光検出部130から入力された検出信号をマトリクス演算処理して、サーボ制御のためのサーボ信号を生成するマトリクス回路40(本発明のサーボ信号生成部に相当する。)と、マトリクス回路40から入力されたサーボ信号に基づき、サーボドライブ信号を生成するサーボ回路50と、光ディスク装置1の各部の動作を制御するシステムコントローラ60と、システムコントローラ60からの指示に基づいてスピンドルモータ22を駆動させるスピンドルドライバ62と、サーボ回路50から入力されたサーボドライブ信号に基づいて、光ピックアップ10の各部を駆動させるドライバ70と、を備える。
ドライバ70は、例えば、サーボ回路50から入力されたトラッキングドライブ信号に基づいて、2軸アクチュエータ140のトラッキングコイル(図示せず。)を駆動させるトラッキングドライバ72と、サーボ回路50から入力されたフォーカスドライブ信号に基づいて、2軸アクチュエータ140のフォーカシングコイル(図示せず。)を駆動させるフォーカスドライバ74と、サーボ回路50から入力された制御信号に基づいてスライドモータ142を駆動させるスライドモータドライバ76と、を有する。なお、上記2軸アクチュエータ140に代えて3軸アクチュエータを設置した場合、或いは、対物レンズ120のチルト機構を別途設置した場合には、図示のようにチルトドライバ78を設けてもよい。この場合、チルトドライバ78は、サーボ回路50から入力されたチルト制御信号に基づいて、上記3軸アクチュエータ又はチルト機構を駆動させて、対物レンズ120をレンズチルトさせることができる。
また、光ディスク3に対してデータを記録再生するためには、例えば、上記以外にもRFアンプ64により得られたRF信号をデコードするデコーダや、当該RF信号をエンコードするエンコーダ、光ディスク3に記録する際にLD110を駆動するパルス生成を行うライトストラテジ生成回路など(いずれも図示せず。)が設けられる。
次に、上記構成の制御回路30の動作について説明する。上記光ディスク3での反射光は光ピックアップ10の光検出部130で受光されて、各受光素子(PD)での受光量が検出され、当該受光量に応じた電気信号が制御回路30のマトリクス回路40に入力される。マトリクス回路40は、マトリクス演算及び増幅回路等を具備しており、上記光検出部130から入力された各受光素子の電気信号をマトリクス演算処理して、トラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号などのサーボ信号を生成する。サーボ信号は、光ピックアップ10内の制御対象の各デバイスをサーボ制御するための信号である。なお、このマトリクス回路40内に上記RFアンプ64を設けて、再生データを表す高周波信号(RF信号)を生成することもできる。また、マトリクス回路40は、ウォブリングを検出する信号としてプッシュプル信号生成し、不図示のウォブル回路に出力することもできる。
マトリクス回路40は、上記のトラッキングエラー信号、フォーカスエラー信号などのサーボ信号を、サーボ回路50に出力する。サーボ回路50は、マトリクス回路40から入力されたサーボ信号に基づいて、トラッキング、フォーカス等の各種のサーボドライブ信号を生成し、ドライバ70にサーボ動作を実行させる。上記サーボドライブ信号は、例えば、2軸アクチュエータ140のトラッキングコイルを駆動させるためのトラッキングドライブ信号、2軸アクチュエータ140のフォーカスコイルを駆動させるためのフォーカスドライブ信号、スライドモータ142を駆動させるためのスライドモータドライブ信号、不図示の3軸アクチュエータのチルトコイル又はチルト機構を駆動させるためのチルトドライブ信号などを含む。ドライバ70は、サーボ回路50から入力された各サーボドライブ信号に基づいて、制御対象の各デバイスを駆動させる。
以上のようなサーボ系及び記録再生系の各種動作を実行する各ブロックは、例えばマイクロコントローラで構成されたシステムコントローラ60によって制御され、システムコントローラ60に対するプログラミングにより任意の制御が可能となっている。なお、システムコントローラ60は、例えばプログラムにより係数決定部66として機能する。そして、本実施形態にかかる光ディスク装置1では、上記制御回路30においてサーボ信号(例えばトラッキングエラー信号)を正確に生成するために、上記係数決定部66を用いて層間迷光成分のキャンセルゲイン調整を行う点に特徴を有するが、その詳細は後述する。
次に、本実施形態にかかる光ディスク3について説明する。以下では、光ディスク3として、ブルーレイディスク(BD)の例を挙げて説明する。
BDにおいては、ディスクサイズとして、直径が例えば120mm、ディスク厚は1.2mmである。そして波長が例えば405nmのレーザ光(いわゆる青色レーザ)と、NAが例えば0.85の対物レンズ120の組み合わせという条件下で、BDに対して例えばフェーズチェンジマーク(相変化マーク)の記録再生が行われる。この場合のトラックピッチは例えば0.32μm、データビットレングス111.75nmで、フォーマット効率約82%としたとき、直系12cmのディスクの1つの記録層に例えば約25GB(ギガバイト)程度のデータを記録できる。
かかるBDでは記録層が1つの単層ディスクだけでなく、2層ディスクなど、複数の記録層が形成された多層ディスクが開発されている。記録層を多層構造とすることで、さらなる大容量化が実現でき、例えば記録層を2層構造とすることにより、容量は上記の2倍である50GB程度とすることができる。もちろん3層以上のn層構造も可能であり、容量を上記の約n倍とすることができる。
図3は、光ディスク3が例えばBDの2層ディスクである場合のディスク構造を模式的に示す説明図である。図3に示すように、光ディスク3は、ポリカーボネート基板4上に、記録層L0、中間層5、記録層L1、カバー層6をこの順に積層した構造である。ディスク厚は例えば約1.2mmであり、ポリカーボネ−ト基板4の厚みは例えば約1.1mm、中間層5の厚みは例えば約25μmである。
光ディスク装置1は、図3のカバー層6側からレーザ光を入射し、記録層であるL0層かL1層のいずれか一方にフォーカスさせることで、データを記録再生する。入射光をL1層にフォーカスさせた場合、L1層で反射した光は、光ピックアップ10内の光検出部130の受光素子にて検出されて、各種サーボ信号やRF信号の生成に使用される。しかしながら、L1層を透過する光も存在し、当該透過光は、デフォーカスした状態でL0層に到達して反射する。かかる反射光は、層間迷光として光ピックアップ内の受光素子に一部受光されて、サーボ信号に加算されることにより、サーボ信号を不正確にする要因になっている。同様に、入射光をL0層にフォーカスさせた場合も、L1層にはデフォーカスした光が当たっており、層間迷光となる反射光が存在する。さらに、光ディスク3の表面(カバー層6表面)での反射光も存在し、この反射光も迷光となる。しかし、中間層5の厚みがカバー層6の厚みよりも薄いため、他の記録層の記録面で反射した層間迷光の方が、ディスク表面での反射光よりも影響が大きい。
このように、2層ディスクなどの多層ディスクでは、記録データ量が大きいというメリットがあるものの、層間迷光が生じやすいというデメリットがある。かかる迷光成分が多く存在すると、上述したように、光検出部130により検出された受光量からサーボ信号を正確に生成できないという問題がある。
例えば、サーボ信号として、差動プッシュプル(Differential Push Pull:DPP)方式のトラッキングエラー信号(TE信号)を生成する場合に、層間迷光成分が及ぼす影響を考える。このDPP方式のトラッキングエラー検出方法は、プッシュプル誤差信号における光量変動、レンズオフセットやディスク傾きによる影響を軽減する上で有用な手法である。
かかるDPP方式においては、図4に示す10つの分割受光素子(A−J)のうち、一般的に、8つの分割受光素子(A、B、C、D、E、F、G、H)が用いられる。具体的には、メインビーム用の受光素子(A、B、C、D)により検出されるメインプッシュプル信号[(A+B)−(C+D)]から、2つのサイドビーム用の受光素子(E、F、G、H)により検出される各サイドプッシュプル信号の和[(E−F)+(G−H)]を、係数kを乗じて減算することにより、差動プッシュプル誤差信号が生成される。
このような3ビームのDPP方式でメインビーム及びサイドビームを照射する光ディスク装置1においては、一般にメインビームとサイドビームの強度比が例えば10:1程度となるように設定することが多い。このような設定において、上記図3の2層ディスクに対する記録再生を考えると、次の問題が生ずる。
例えば2層ディスクに対する信号再生を行うためにアクセス目標としての一方の記録層L1に集光スポットを照射した場合、アクセス対象となっていない、もう一方の記録層L0からの余分な反射光(迷光)を分離することが困難なため、この迷光成分も受光素子(A、B、C、D、E、F、G、H)によって検出されてしまう。
かかる層間迷光は、差動プッシュプル信号を生成する上では、誤差信号を、ディスク反射率や記録再生時の照射パワーによって規格化するAGC(Automatic Gain Control)回路において、メインビームの層間迷光がサイドビームの受光素子(E、F、G、H)によって検出され、同信号の規格化を不正確なものとしてしまう。これによって適切なトラッキングエラー信号が得られず、サーボ性能が低下する。特に、上記メインビームとサイドビームの強度比が原因で、層間迷光成分は、メインビーム用の受光素子(A、B、C、D)の検出信号よりも、2つのサイドビーム用の受光素子(E、F、G、H)の検出信号の方に大きく影響する。
そこで、かかる層間迷光成分を低減させる方法として、上記特許文献1(特開20005−346882号公報)に記載のように、光ピックアップ10内の光検出部130(例えばPDIC)に、本来のサーボ信号検出用受光素子に加え、層間迷光検出用受光素子を追加設置する方法がある。本実施形態における光検出部130においても、例えば特許文献1と同様に、本来のサーボ信号生成用受光素子に加え、当該サーボ信号生成用受光素子に隣接して層間迷光検出用受光素子を追加設置している。
図4は、本実施形態にかかる受光素子パターン(PDパターン)の一例を示す説明図である。図4では、DPPトラッキング方式、非点フォーカス方式の場合の受光素子パターン例を示している。
図4に示すように、光検出部130は、メインビーム及びサイドビームの反射光を受光する受光素子(PD)として、サーボ信号生成用受光素子A、B、C、D、E、F、G、Hと、層間迷光検出用受光素子I、Jとを備えている。サーボ信号生成用受光素子A、B、C、Dは、メインビーム(0次回折光)を受光するための4分割受光素子である。サーボ信号生成用受光素子E、Fと、G、Hは、それぞれサイドビーム(+1次回折光)、サイドビーム(−1次回折光)を受光するための2分割受光素子である。
一方、層間迷光検出用受光素子I、Jは、メインビーム又はサイドビームの層間迷光成分を受光するための受光素子であり、図4の例では、受光素子IとJは2つずつあるが、電気的には接続されている。この受光素子I、Jはそれぞれ、層間迷光成分の影響を大きく受けるサイドビーム用のサーボ信号生成用受光素子E、Fと、G、Hの両サイドに隣接して配置されている。また、2つの受光素子Iの合計面積と受光素子E、Fの合計面積とが同一となり、2つの受光素子Jの合計面積と受光素子G、Hの合計面積とが同一となるように調整されている。これにより、受光素子Iは、受光素子E、Fと同程度の層間迷光成分を受光でき、受光素子Jは、受光素子G、Hと同程度の層間迷光成分を受光できる。
メインビーム同士の層間迷光に関する影響は小さいものの、メインビームとサイドビームの強度比を10:1としたときのメインビームがサイドビームへ与える影響はこの10倍となり、無視できない。また、一方の記録層のみに信号が記録されている場合には、更に大きな層間迷光を生じるため、差動プッシュプル信号の演算に大きな影響を及ぼし、トラックへの追従によって生じる対物レンズ120の視野振りに対して、残留誤差(Detrack)を生じる恐れがある。
この影響を軽減するため、本実施形態では図4で示したように、トラッキングエラー信号TEの検出のみに用いられるサイドビーム受光用の検出素子E、FおよびG、Hの近傍に、層間迷光成分を受光する受光素子I及びJを設けている。そして、この受光素子I、Jで受光される信号を用いてサイドビームの迷光成分を除去するものである。
次に、上記図4のPDパターンの受光素子(A、B、C、D、E、F、G、H、I、J)を有する光検出部130による検出信号を用いて、DPP方式でトラッキングエラー信号TE(DPP信号)を生成するマトリクス回路40の構成について説明する。図5は、本実施形態にかかるマトリクス回路40の演算回路系を示す回路図である。
図5に示すように、ヘッドアンプ41は、光検出部130の受光素子A〜Jそれぞれに対応して設けられており、各受光素子A〜Jからの検出信号を電流/電圧変換し、後段で処理するために必要となる所定のレベルに増幅する。なお、以下、受光素子A〜Jの受光量に応じてヘッドアンプ41から出力される検出信号を、受光素子A〜Jの符号を用いて、VA〜VJ信号と記す。
ヘッドアンプ41から出力されたVA〜VJ信号は、マトリクスアンプ44に入力されるが、この途中で、層間迷光検出用受光素子I、Jから得られたVI、VJ信号のみを、m倍に増幅するアンプ42、43が設けられている。ここで、乗算係数mは、層間迷光キャンセルゲインを調整するため演算係数であり、本実施形態ではこの乗算係数mを、光ディス装置1ごと及び光ディスク3ごとに適正な値に調整できる点に特徴を有するが、その詳細は後述する。
マトリクスアンプ44は、ヘッドアンプ41から入力されたVA〜VH、m・VI、m・VJ信号を用いてマトリクス演算処理を行い、サーボ信号を生成するためのサイドプッシュプル信号SPP1、SPP2、和信号S1_SUM、S2_SUM、メインプッシュプル信号MPP、和信号M_SUM信号を生成する。これら各信号を得るための演算処理は、以下の式(1)〜(6)の通りである。
SPP1 = VE-VF ・・・(1)
S1_SUM = VE+VF-m・VI ・・・(2)
SPP2 = VG-VH ・・・(3)
S2_SUM = VG+VH-m・VJ ・・・(4)
MPP = (VA+VB)-(VC+VD) ・・・(5)
M_SUM = VA+VB+VC+VD ・・・(6)
これらSPP1、S1_SUM、SPP2、S2_SUM、MPP、M_SUM信号は、マトリクスアンプ44からオートゲイン調整回路45に入力される。オートゲイン調整回路45のAGC1、AGC2、AGC3はそれぞれ、入力されたプッシュプル信号SPP1、SPP2、MPPのゲイン調整を行い、規格化されたサイドプッシュプル信号SPP1_AGC、SPP2_AGCと、規格化されたメインプッシュプル信号MPP_AGCを生成する。通常、オートゲイン調整回路AGC1〜AGC3は、光ディスク3における反射光量の変化を補正するために設けられており、上記和信号S1_SUM、S2_SUM、M_SUMを用いてプッシュプル信号SPP1、SPP2、MPPを規格化して、SPP1_AGC、SPP2_AGC、MPP_AGC信号を得る。この規格化は、次の式(7)〜(9)のようにプッシュプル信号を和信号で除算することによって行われる。
SPP1_AGC ∝ SPP1/S1_SUM ・・・(7)
SPP2_AGC ∝ SPP2/S2_SUM ・・・(8)
MPP_AGC ∝ MPP/M_SUM ・・・(9)
その後、各サイドビームのサイドプッシュプル信号SPP1_AGCとSPP2_AGCは、加算器46にて加算されて、サイドプッシュプル信号SPP_AGCが生成される。さらに、SPP_AGCは、アンプ47にてk倍に増幅(乗算係数kが乗算)され、このk・SPP_AGC信号は、減算器48にて、メインプッシュプル信号MPP_AGCから減算される。これにより、次の式(10)に示すように、トラッキングエラー信号TEである差動プッシュプル信号DPPが生成される。ここで、係数kは、レンズシフト変化やレンズチルト変化に対するDPP信号のバランス変化量が最小となるように最適化された値が用いられる(図6参照)。なお、上記のオートゲイン調整回路45以降の回路45〜48を、マトリクス回路40の代わりに、サーボ回路50に設けてもよい。
DPP = MPP_AGC-k・(SPP1_AGC+SPP2_AGC)
= MPP_AGC-k・SPP_AGC ・・・(10)
以上、図5を参照して、サーボ信号生成用受光素子E、FとG、Hの総受光量から、層間迷光成分(m・VI、m・VJ、)を減算する回路を有するマトリックス回路40において、層間迷光成分を低減した上でトラッキングエラー信号(DPP信号)を生成する手法について説明した。
ところが、前述の乗算係数mの値に誤差があると、層間迷光成分を正確に減算することができないので、サーボ信号であるDPP信号が不正確なものとなってしまう。例えば、サーボ信号生成用受光素子A〜Hで検出される層間迷光成分は、光ディスク装置1内の光ピックアップ10や回路の製造上のばらつきや、光ディスク3の製造上のばらつき(中間層5の厚み、反射率の誤差など)、光ディスク3の状態(記録の有無など)のばらつきなどによって、変動する。従って、光ディスク装置1ごと、光ディスク3ごと、又は、光ディスク3における記録再生位置ごとに層間迷光成分が異なるにもかかわらず、上記の乗算係数mを固定値としたのでは、適正な層間迷光キャンセルを行うことができず、サーボ信号が不正確になる。
そこで、かかる問題を解決するために、本実施形態にかかる光ディスク装置1では、光ディスク装置1ごと、光ディスク3ごと、及び光ディスク3の位置ごとに、適切な乗算係数mの値を決定し、これにより、適切な層間迷光キャンセルゲインを得て、サーボ信号をより正確にできるようにするものである。以下に、かかる適切な層間迷光キャンセルゲインを求める方法について説明する。
図5の例では、S1_SUM信号、S2_SUM信号から、VI、VJ信号をm倍した信号(層間迷光キャンセルゲイン)を減算しているだけであり、MPP_SUM信号からは、層間迷光キャンセルゲインを減算していない。これは次の理由による。
即ち、記録用の光ピックアップ10でDPPトラッキング方式を採用する場合、通常では、前述のように、記録パワーの確保やサイドビームでのデータ消去を防ぐために、MPP_AGC生成用のメインビームに比べてSPP_AGC生成用のサイドビームの光量は10分の1程度に設定される。従って、層間迷光成分の相対比がSPP_AGCの方がMPP_AGCより大きいので、S1_SUM信号及びS2_SUM信号のみから層間迷光キャンセルゲインを減算する。
ただし、MPP_AGC側にも層間迷光成分はあるため、サイドビームが存在しないような光学系や、より層間迷光が大きくなるような2層以上の多層ディスクでは、SPP_AGC信号のみならずMPP_AGC信号も、層間迷光キャンセルゲインを減算する必要が生じる場合もある。この場合は、メインビーム用のサーボ信号生成用受光素子A〜Dに隣接して、層間迷光検出用受光素子K(図示せず。)を追加設置し、上記のメインビーム用の和信号MPP_SUMを次の式(11)のようにして求めてもよい。これにより、受光素子A〜Dの検出信号から、層間迷光キャンセルゲイン(受光素子Kの検出信号VKを乗算係数n倍した信号)を減算して、メインビーム用の受光素子A〜Dに対する層間迷光成分の影響を低減できる。
M_SUM = VA+VB+VC+VD-m・VK ・・・(11)
ところで、上記図5の説明においては、SPP_AGC信号のゲインを調整する乗算係数kは、光ディスク3に対する対物レンズ120のレンズシフト変化やレンズチルト変化に対して、DPP信号のバランス変動量が少なくなるように最適化されているものとした。ここで、対物レンズ120をレンズシフトさせた場合の理想的なk・SPP_AGCとMPP_AGCのバランス変化量を、図6に示す。なお、図6は、層間迷光がないか、若しくは、少ない場合における、レンズシフトに対するk・SPP_AGCとMPP_AGCのバランス変動特性を示すものとする。
図6に示すように、乗算係数kは上記のように最適化されているため、「k・SPP_AGCの傾き」=−「MPP_AGCの傾き」となっている。この場合、「DPP=MPP_AGC−k・SPP_AGC」であるので、レンズシフトに対してDPPのバランスは一定に保たれる。なお、図6において、MPP_AGCを表す直線と、k・SPP_AGCを表す直線との交点P(光量バランスがゼロとなるレンズシフト量)が原点Oからずれている。これは、光ディスク装置1の製造上の調整誤差等とする。
一方、上記図5のDPP信号を求める例では、次の関係式(12)〜(13)が成り立つ。
k・SPP_AGC = k・(SPP1_AGC+SPP2_AGC)
・・・(12)
SPP1_AGC ∝ SPP1/S1_SUM
= (VE-VF)/(VE+VF-m・VI) ・・・(13)
SPP2_AGC ∝ SPP2/S2_SUM
= (VG-VH)/(VG+VH-m・VJ) ・・・(14)
ここで、VE、VF、VG、VH信号のうち、記録再生している層からの信号成分をVEs、VFs、VGs、VHsとし、その他の層間迷光を含む迷光の信号成分をVEn、VFn、VGn、VHnとすると、VE=VEs+VEn、VF=VFs+VFn、VG=VGs+VGn、VH=VHs+VHnであるので、上記式(13)及び(14)は、次の式(15)及び(16)となる。
SPP1_AGC ∝ (VEs+VEn-(VFs+VFn))/(VEs+VEn+VFs+VFn-m・VI)・・・(15)
SPP2_AGC ∝ (VGs+VGn-(VHs+VHn))/(VGs+VGn+VHs+VHn-m・VJ)・・・(16)
光検出部130のPD上の受光素子EとF、受光素子GとHは隣接しており、ほぼ一様に層間迷光を受光しているとすると、VEn−VFn≒0、VGn−VHn≒0となるので、上記式(15)及び(16)は、近似的に次の式(17)及び(18)となる。
SPP1_AGC ∝ (VEs-VFs)/(VEs+VFs+VEn+VFn-m・VI)・・・(17)
SPP2_AGC ∝ (VGs-VHs)/(VGs+VHs+VGn+VHn-m・VJ)・・・(18)
以上の場合、式(17)及び(18)の右辺分母における「VEn+VFn−m・VI」と「VGn+VHn−m・VJ」が迷光成分になるわけだが、簡単のためm=0として迷光キャンセルパターンがなく、層間迷光成分が大きい場合を考える。この場合、上記式(17)及び(18)の右辺分母が大きくなり、図6に示す「k・SPP_AGCの傾き」が小さくなる。したがって、図6の状態で記録再生している状態から、光ディスク3に対するレーザ光の照射位置(以下、ディスク位置という。)を移動させて層間迷光量が大きくなると、図7に示すように「K・SPP_AGCの傾き」が小さくなる。この結果、DPP信号は、図7の点線で示すように、レンズシフトによりバランスが一定にならないので、サーボ信号が不正確になってしまう。
また、m≠0であるときも、乗算係数mが適切な値でない場合、総受光量からの層間迷光成分の取り残しがあるため、「k・SPP_AGCの傾き」が変化する。つまり、mが適正値よりも小さい場合は、m=0の場合と同じように、式(17)及び(18)の右辺分母が大きくなるので、「k・SPP_AGCの傾き」が小さくなる。一方、mが適正値よりも大きい場合は逆に、式(17)及び(18)の右辺分母が小さくなるので、「k・SPP_AGCの傾き」が大きくなる。
さらに、層間迷光が受光素子E〜Hに対して一様に当たっていない場合でも、「VEn−VFn<VEn+VFn」、「VGn−VHn<VGn+VHn」が成り立つならば、前述のような「SPP_AGCの傾き」の変化が起こることは、上記式(15)及び(16)から容易に推測できる。
図8は、上記図6と図7との間のk・SPP_AGCの変化を表している。図8に示すΔSPP_AGCは、サードビーム用の受光素子E〜Hにおける層間迷光成分の受光量の大小により生じるk・SPP_AGCのバランス差である。即ち、このΔSPP_AGCは、正規化されたサイドプッシュプル信号SPP_AGCが、層間迷光成分の受光量に応じて変動するときの変動量を表している。このサイドプッシュプル信号SPP_AGCは、前述のように、サードビーム用の受光素子E〜Hでの受光量を表す信号VE〜VHと、層間迷光検出用の受光素子I、Jでの受光量を表す信号VI、VJとを用いた演算により求められる。かかるΔSPP_AGCは、本発明の「サーボ信号生成用受光素子における光量バランスの変動量」の一例である。つまり、SPP_AGCは、サーボ信号生成用受光素子E〜Hにおける光量バランスを表す信号(プッシュプル信号)であるので、層間迷光成分の大小に応じたSPP_AGCの変動量であるΔSPP_AGCは、受光素子E〜Hで受光される光量バランスの変動量に相当する。
図8からも分かるように、層間迷光成分が大きい場合と小さい場合のk・SPP_AGCのバランス差であるΔSPP_AGCは、レンズシフトによりSPP_AGCのバランスをゼロからずらした方が大きくなる。従って、光検出部130におけるPDパターン上の光量分布を意図的にずらす、即ち、本実施形態にかかるSPP_AGCのバランスを意図的にゼロからずらすことにより、ΔSPP_AGCの変動量が大きくなる。このように、ΔSPP_AGCの変動量が大きくすることで、以下に説明するような乗算係数m(層間迷光キャンセルゲイン)の適正値を決定するために必要なΔSPP_AGCの測定がしやすくなる。
図9は、光ディスク3の記録再生位置(ディスク位置)によるΔSPP_AGCの変動を模式的に示す説明図である。図4に示した層間迷光検出用受光素子I、Jの受光量によって、サーボ信号生成用受光素子E〜Hの総受光量から層間迷光成分を適正に取り除けていない場合には、ディスク位置によってレーザ光の反射率が変化すると、層間迷光成分も変化する。このため、図9(a)に示すように、SPP_AGCのバランスはディスク位置によって変動する。ここで、図9に示すXは、レンズシフトによりオフセットしたSPP_AGCのバランスDC量の平均値である。一方、乗算係数mが適切な値であるならば、層間迷光成分はSPP_AGC信号から正しく減算されているため、図9(b)に示すように、SPP_AGCのバランスはディスク位置によってほとんど変動せず、ΔSPP_AGCが小さくなり、理想的にはΔSPP_AGCはゼロとなる。
従って、光ディスク3に対するレーザ光の照射位置(ディスク位置)を変えながら、サーボ信号生成用受光素子E〜Hにおける光量バランスの変動量、即ち、SPP_AGCの変動量ΔSPP_AGCを測定し、当該変動量ΔSPP_AGCが最小となるように乗算係数mの値を決定することで、乗算係数mの適正値を求めることができる。この際、乗算係数mを任意の所定値に設定してΔSPP_AGCを測定することを、複数回繰り返すことで、測定されたΔSPP_AGCが最小となる乗算係数mの設定値を、最適値とすればよい。
さらに、かかるΔSPP_AGCの測定では、光ピックアップ10を意図的にレンズシフト又はレンズチルト等させることにより、サーボ信号生成用受光素子E〜Hに対する反射光の光スポットの照射位置を最適な位置(例えば受光素子上のセンター)からずらした状態で、ΔSPP_AGCを測定することが好ましい。これにより、上述したように、SPP_AGCのバランスを意図的にずらして、ΔSPP_AGCの変動量を大きくできるので、ΔSPP_AGCの測定がしやすくなり、乗算係数mの適正値をより正確に決定できる。
以上のように、本実施形態にかかる光ディスク装置1では、レンズシフト、レンズチルト等により、サーボ信号生成用受光素子E〜Hにおける光量バランスを意識的にずらした状態で図9に示すΔSPP_AGCを測定し、ΔSPP_AGCが最小になるように乗算係数mを決定する。これにより、例えば、光ディスク装置1ごと、光ディスク3及びその記録再生位置ごとに適正な乗算係数mを決定でき、受光素子E〜Hの総受光量から層間迷光成分をより正確に減算できるようなる。このように、本実施形態は、レンズシフト等により光量バランスを意図的にずらすことにより、層間迷光によるSPP_AGC変動のS/Nを向上させて、乗算係数mを適切な値に調整するものである。
この乗算係数mの調整では、光ディスク3における所定の測定対象領域(レーザ光照射対象領域)に対してレーザ光を照射して、その測定対象領域内のディスク位置によるSPP_AGCの変動(ΔSPP_AGC)を測定する必要がある。このとき、測定対象領域は、受光素子G〜Hで受光される層間迷光量が変化する領域である必要がある。層間迷光量が変化するためには、例えば、光ディスク3における中間層5の厚みや、記録層L0、L1での反射率が変化していればよい。通常、光ディスク3には中間層5の厚み等に製造上の誤差があるので、上記スライドモータ142を駆動させ光ディスク3を回転させてレーザ光が照射されるディスク位置を変えれば、受光される層間迷光量も変動する。このため、測定対象領域を任意のディスク位置としても、上記製造誤差等が原因で、受光される層間迷光量が変化するため、乗算係数mの調整が可能である。しかし、次のように、測定対象領域として層間迷光量の変動がより大きくなる領域を選定すれば、層間迷光量のS/Nをより向上させることができる。
かかる観点からは、光ディスク3の測定対象領域として、データの記録部分と未記録部分を含む領域、即ち、データの記録部分と未記録部分が混在した領域を選定すれば、乗算係数mを適切に調整するために効果的である。この理由は、光ディスク3の記録状態(データ記録の有無)により各記録層におけるレーザ光の反射率と透過率が変化するので、検出される層間迷光量が大きく変化し、この結果、ΔSPP_AGCの変動量も大きくなるからである。かかる理由について図10を参照して詳細に説明する。
図10は、光ディスク3としてBDの記録用2層ディスクを用いた場合において、データの記録部分と未記録分が混在した領域を測定対象領域としたときのSPP_AGCのバランス変動の例を模式的に示す説明図である。図10では、光ディスク3のL1層にレーザ光をフォーカスした場合におけるSPP_AGCの変動を測定したものとする。
図10(a)に示すように、フォーカス対象であるL1層のデータ記録部分(第2及び第4領域)では、レーザ光の反射率が低下し、透過光が上がるため、L0層で反射する層間迷光の光量が多くなり、この結果、SPP_AGCは相対的に大きくなる。一方、L1層のデータ未記録部分(第1及び第2領域)では、反射率が高く、透過光が低下するため、L0層で反射する層間迷光の光量が少なくなり、この結果、SPP_AGCは相対的に小さくなる。
また、フォーカス対象でないL0層のデータ記録部分(第1及び第2領域)では、レーザ光の反射率が低下するため、L0層で反射する層間迷光の光量が少なくなり、この結果、SPP_AGCは相対的に小さくなる。一方、L0層のデータ未記録部分(第3及び第4領域)では、反射率が高いため、L0層で反射する層間迷光の光量が多くなり、この結果、SPP_AGCは相対的に大きくなる。
従って、図10(a)の例では、L0層が未記録部分でありL1層が記録部分である第4領域では、測定されるSPP_AGCが最大となり、L0層が未記録部分でありL1層が未記録部分である第4領域では、測定されるSPP_AGCが最小となる。
実際の層間迷光は、光ディスク3の材質や状態にも依存するので、図10(a)のように記録状態によって顕著な差がでるとは断定できない。しかし、光ディスク3における記録層L0及びL1において記録部分と未記録部分の双方を含む領域(ディスク位置)を測定対象領域とした方が、層間迷光成分の受光量の変化が大きくなるので、SPP_AGCの変動量が増大し、ΔSPP_AGCを測定しやすくなる。従って、図10(b)に示すようにΔSPP_AGCが最小となる乗算係数mを正確に決定することができるようになる。
以上、本実施形態にかかる迷光キャンセルゲイン(乗算係数m)の調整方法の原理について説明した。本実施形態では、上記のような迷光キャンセルゲインの調整処理、即ち、ΔSPP_AGCの測定及び乗算係数mの決定処理を、図1に示す制御回路30内のシステムコートローラ60が実行する。システムコントローラ60は、所定のプログラムをインストールすることで、係数決定部66として機能し、上記迷光キャンセルゲインの調整処理を実行する。
ここで、図11を参照して、本実施形態にかかる層間迷光キャンセルゲインを調整するための乗算係数mの決定アルゴリズムについて説明する。図11は、本実施形態にかかる迷光キャンセルゲイン調整方法を示すフローチャートである。
図11に示すように、まず、予め、光ピックアップ10の対物レンズ120を光ディスクに対して所定量Lだけレンズシフトさせる(ステップS10)。このレンズシフト量Lは、例えば、予め光ディスク装置1のシステムが破綻しない程度に大きなレンズシフト量に設定される。
ここで、上記レンズシフト処理(S10)について詳細に説明する。上記システムコートローラ60の係数決定部66は、トラッキングドライバ72を介して2軸アクチュエータ140を駆動制御させることで、対物レンズ120をトラッキング方向にシフトさせる(レンズシフト)。かかるレンズシフトにより、サイドビーム用の受光素子E〜Hに対する反射光の光スポットの照射位置を最適な位置(例えば受光素子上のセンター)からずらして、受光素子E〜Hにおける光量バランス(光量分布)を意図的にずらすことができる。これにより、SPP_AGCの変動量が大きくなるので、後工程であるS14、S18、S22等におけるΔSPP_AGCの測定を容易に実行できるようになる。
なお、上記レンズシフト(S10)の代わりに、レンズチルトを行ってもよい。レンズシフトする場合には、係数決定部66は、チルトドライバ78を介して上述した3軸アクチュエータ若しくはチルト機構を駆動制御して、光ディスク3に対して対物レンズ120をレンズチルトさせる。これによっても、受光素子E〜Hに対する反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらすことができる。
次いで、乗算係数mをテスト値m1からmkまで段階的に設定変更しながら(ステップS12、S16、・・・、S20)、SPP_AGCのバランス変動を測定して、その変動量ΔSPP_AGCを計算する(ステップS14、S18、・・・、S22)。その後、乗算係数mをΔSPP_AGCが最小となるときのテスト値に決定し、当該乗算係数mをマトリクス回路40のアンプ42、43のゲインとして設定する(ステップS24)。
このSPP信号のバランス変動量ΔSPP_AGCの測定処理(S12〜S22)及び乗算係数mの決定処理(S24)について詳細に説明する。
まず、係数決定部66は、層間迷光キャンセルゲインを定める乗算係数mを、任意のテスト値m1に設定する(S12)。
次いで、係数決定部66は、上記レンズシフト又はレンズチルトにより、受光素子G〜Hに対する光スポットの照射位置を最適な位置からずらした状態で、光ディスク装置1の光ピックアップ10、ディスク駆動部20及び制御回路30内の各部を制御して、プッシュプル信号を測定する。即ち、係数決定部66は、ディスク駆動部20により光ディスク3を回転させながら、光ピックアップ10により光ディスク3の測定対象領域に対してレーザ光を照射させて、その反射光を光検出部130により検出させ、さらに、マトリクス回路40により受光素子E〜Jの検出信号VA〜VJに基づき、テスト値m1を用いてサイドプッシュプル信号SPP_AGCを生成させる。このようにして、係数決定部66は、所定期間、光ディスク3の測定対象領域内のディスク位置に応じて変動するSPP_AGC信号を測定して、その最大値と最小値の差分である変動量ΔSPP_AGCを計算できる(S14)。
なお、かかるΔSPP_AGCを測定する際には、光ディスク3の測定対象領域として、記録部分と未記録部分が混在するディスク位置を探索し、当該測定対象領域に対してレーザ光を照射することが好ましい。これにより、図10で説明したようにΔSPP_AGCの測定精度を向上できる。
次いで、係数決定部66は、上記と同様にΔSPP_AGCの測定動作を、相異なる複数の乗算係数mのテスト値m2、・・・、mkについて繰り返し行って、各テスト値に関するΔSPP_AGCをそれぞれ求める(S16〜S22)。
その後、係数決定部66は、上記複数の乗算係数mのテスト値m1〜mkの中から、測定されたΔSPP_AGCが最小となるテスト値を、乗算係数mの適正値として決定する(S24)。
ここで、図12を参照して、乗算係数mを変化させた場合のΔSPP_AGCの変化について説明する。図12に示すように、乗算係数mを適正値よりも大きくしていくと、上記式(17)及び(18)の右辺分母が小さくなりゼロに近づいていくので、ΔSPP_AGCは増大する。一方、乗算係数mを適正値よりも小さくしていくと、上記式(17)及び(18)の右辺分母の「m・VI」及び「m・VJ」がゼロに近づくので、ΔSPP_AGCは、層間迷光量により定まる所定値に近づいていく。
また、この図12には、図11で示した迷光キャンセルゲイン調整方法における複数の乗算係数mのテスト値m1〜m8の設定例を示してある。この例では、乗算係数mがテスト値m5のときにΔSPP_AGCが最小値となるので、当該テスト値m5が乗算係数mの最適値として決定されることとなる。
次に、上記図11のS10でのレンズシフト量Lについて補足説明する。レンズシフト量Lは、全ての光ディスク装置1において共通に、設計上適切な所定値(例えば200μm)に設定してもよいし、或いは、後述のように光量分布等を基準として光ディスク装置1ごとに個別に適切な値に調整してもよい。後者によれば、光ディスク装置1ごとに適切なレンズシフト量Lでレンズシフトさせて、ΔSPP_AGC等の光量バランスの変動量をより好適に測定できる。
光ディスク装置1ごとに調整する一例として、レンズシフト量Lを基準としてレンズシフトさせる代わりに、光検出部130の受光素子パターン(PDパターン)上の光量分布を基準としてレンズシフトさせてもよい。具体的には、光検出部130のPDパターン上の光量分布を表す指標値(本実施形態ではk・SPP_AGCのバランス)がゼロからずれているある所定値になるようにレンズシフト量Lを設定して、レンズシフトさせてもよい。当該光量分布を表す指標値がゼロであることは、反射光の光スポットが分割受光素子E、F等のセンターに照射されていることを意味する。この場合、分割受光素子E、Fのプッシュプル成分(VE−VF)がゼロになるので、k・SPP_AGCのバランスもゼロとなる。従って、当該光量分布を表す指標値がゼロでなければ、反射光の光スポット位置が分割受光素子E、F等のセンターからずれており、上述したようにΔSPP_AGCを測定し易い状態にあるといえる。このように、光量分布を基準としてレンズシフト量Lを決定すれば、図8に示すように、光量バランスがゼロとなる交点Pと原点Oがずれている場合であっても、交点Pに重ならない適切なレンズシフト量Lにレンズシフトさせることができる。
以上、図11〜図12を参照して、本実施形態にかかる迷光キャンセルゲイン調整方法について説明した。これによれば、従来では固定値としていた乗算係数m(層間迷光キャンセルゲイン)を、光ディスク装置1や光ディスク3ごとに異なる層間迷光量に応じた適正値に決定することができる。よって、適正な乗算係数mを用いて層間迷光キャンセルゲインを得て、層間迷光成分を補正できるので、DPP信号等のサーボ信号の精度を向上できる。
次に、迷光キャンセルゲイン調整方法を実行するタイミングについて説明する。迷光キャンセルゲインの調整(即ち、乗算計数mの調整)は、例えば、(1)光ディスク装置1の製造又は出荷時に行ってもよいし、(2)光ディスク装置1に光ディスク3をローディングする度に行ってもよいし、又は、(3)光ディスク装置1にローディングされた光ディスク3の記録状態が変化する度ごとに動的に行ってもよい。
(1)の場合は、例えば、予め光ディスク装置1の製造・出荷時に、各々の光ディスク装置1ごとに乗算係数mを調整して、出荷後は、調整動作を行うことなく、その乗算係数mを固定値として使用するケースである。これによれば、光ディスク3以外の要因である、光ピックアップ10や制御回路30などのデバイスの製造上のばらつきに対応した適切な層間迷光キャンセルゲインを得ることができる。
(2)の場合は、例えば、個々の光ディスク装置1に光ディスク3をローディングする度ごとに、乗算係数mを調整するケースである。これにより、乗算係数mを光ディスク3ごとに調整することができるので、光ディスク装置1の製造上のばらつきのみならず、各光ディスク3の製造上のばらつき(中間層5の厚み(層間厚)の誤差など)にも対応した適切な層間迷光キャンセルゲインを得ることができる。
(3)の場合は、ディスク装置1に光ディスク3をローディングした後に、光ディスク3に対してデータの記録又は消去処理を実行する度に、乗算係数mを調整するケースである。上述したように、光ディスク3の記録部分と未記録部分では反射率が異なるので、光ディスク3の記録状態で層間迷光量は変化する。そこで、本ケース(3)のように、記録状態が変化する度ごとに乗算係数mを調整することで、光ディスク3の記録状態のばらつきにも対応した適切な層間迷光キャンセルゲインを得ることができる。
なお、上記(1)〜(3)のいずれの場合においても、上述したように、光ディスク3におけるデータの記録部分と未記録部分が混在する領域を測定対象領域とすることが、光量バランスの変動量の測定精度の観点から好ましい。(1)の場合は、出荷時に、当該記録部分と未記録部分が混在する光ディスク3を製造しておき、この光ディスク3を光ディスク装置1にローディングして乗算係数mを調整すればよい。また、(2)の場合には光ディスク3をローディングする度に、(3)の場合には光ディスク3にデータ記録する度に、光ディスク3における測定対象領域として、データの記録部分と未記録部分が混在する領域を探索した上で、乗算係数mを調整すればよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態にかかる光ディスク装置、制御回路及び迷光キャンセルゲイン調整方法について説明する。上述した第1の実施形態では、フォーカスエラー信号を生成するための迷光キャンセルゲイン調整について説明したが、第2の実施形態では、フォーカスエラー信号を生成するための迷光キャンセルゲイン調整について説明する。なお、第2の実施形態にかかる光ディスク装置1では、以下に説明する受光素子のPDパターンと、その検出信号を用いてフォーカスエラー信号を生成するマトリクス回路40以外の構成は、上記第1の実施形態と略同一であるので、詳細説明は省略する。
まず、図13を参照して、第2の実施形態にかかる光検出部130の受光素子パターン(PDパターン)について説明する。図13は、第2の実施形態にかかる光検出部130の受光素子パターン(PDパターン)の一例を示す説明図であり、差動非点収差法の場合の受光素子パターン例を示している。
図13に示すように、光検出部130は、メインビーム及びサイドビームの反射光を受光する受光素子(PD)として、サーボ信号生成用受光素子A、B、C、D、E1、E2、F1、F2、G1、G2、H1、H2と、層間迷光検出用受光素子I、Jとを備えている。サーボ信号生成用受光素子A、B、C、Dは、メインビーム(0次回折光)を受光するための4分割受光素子である。サーボ信号生成用受光素子E1、E2、F1、F2と、サーボ信号生成用受光素子G1、G2、H1、H2は、それぞれサイドビーム(+1次回折光)、サイドビーム(−1次回折光)を受光するための4分割受光素子である。
一方、層間迷光検出用受光素子I、Jは、メインビーム又はサイドビームの層間迷光成分を受光するための受光素子であり、図13の例では、受光素子IとJは2つずつあるが、電気的には接続されている。この受光素子I、Jはそれぞれ、層間迷光成分の影響を大きく受けるサイドビーム用のサーボ信号生成用受光素子E1、E2、F1、F2と、G1、G2、H1、H2の両サイドに隣接して配置されている。また、2つの受光素子Iの合計面積と受光素子E1、E2、F1、F2の合計面積とが同一となり、2つの受光素子Jの合計面積と受光素子G1、G2、H1、H2の合計面積とが同一となるように調整されている。これにより、受光素子Iは、受光素子E1、E2、F1、F2と同程度の層間迷光成分を受光でき、受光素子Jは、受光素子G1、G2、H1、H2と同程度の層間迷光成分を受光できる。
次に、上記図13のPDパターンの受光素子(A、B、C、D、E1、E2、F1、F2、G1、G2、H1、H2、I、J)を有する光検出部130による検出信号を用いて、マトリクス回路が差動非点収差法のフォーカスエラー信号FEを生成する方法について説明する。なお、第2の実施形態にかかるマトリクス回路も、第1の実施形態(図5参照)と同様に、ヘッドアンプ、マトリクスアンプ、オートゲイン調整回路(AGC)、加算器、減算器等を備えているものとする。
マトリクス回路のヘッドアンプは、受光素子A〜Jそれぞれに対応して設けられており、各受光素子A〜Jからの検出信号を電流/電圧変換し、後段で処理するために必要となる所定のレベルに増幅する。なお、上記図5の例と同様に、以下では、受光素子A〜Jの受光量に応じてヘッドアンプから出力される検出信号を、VA〜VJ信号と記す。
マトリクスアンプは、ヘッドアンプから入力されたVA〜VH2、m・VI、m・VJ信号を用いてマトリクス演算処理を行い、メインフォーカスエラー信号MFE、サイドフォーカスエラー信号SFE1、SFE2、メインの和信号M_SUM、サイドの和信号S1_SUM、S2_SUMを生成する。これら各信号を得るための演算処理は、例えば、次の式(19)〜(24)の通りである。
MFE = (VA+VC) - (VB+VD) ・ ・・(19)
SFE1 = (VE1+VF2) - (VE2+VF1) ・・・(20)
SFE2 = (VG1+VH2) - (VG2+VH1) ・・・(21)
M_SUM = VA+VB+VC+VD ・・・(22)
S1_SUM = VE1+VE2+VF1+VF2-m・VI ・・・(23)
S2_SUM = VG1+VG2+VH1+VH2-m・VJ ・・・(24)
さらに、第1の実施形態に係るDPP信号の例と同様に、オートゲイン調整回路AGCは、マトリクスアンプから入力されたメインフォーカスエラー信号MFE、サイドフォーカスエラー信号SFE1、SFE2を、和信号M_SUM、S1_SUM、S2_SUMを用いて規格化して、規格化されたフォーカスエラー信号MFE_AGC、SFE1_AGC、SFE2_AGCを生成する。これら各信号を得るための演算処理は、例えば、次の式(25)〜(27)の通りである。
MFE_AGC ∝MFE/M_SUM ・・・(25)
SFE1_AGC ∝ SFE1/S1_SUM ・・・(26)
SFE2_AGC ∝ SFE2/S2_SUM ・・・(27)
その後、マトリクス回路は、次の式(28)のように、メインフォーカスエラー信号MFE_AGCから、サイドフォーカスエラー信号SFE1_AGC、SFE2_AGCの和信号をk2倍したものを減算して、差動非点収差法のフォーカスエラー信号FEを得る。
FE = MFE_AGC + k2・(SFE1_AGC+SFE2_AGC)
= MFE_AGC + k2・SFE_AGC ・・・(28)
ここで、係数k2は、例えば、フォーカスエラー信号FEへのプッシュプルの漏れこみ等を最小にするなど、光ディスク装置1として最適な値に設定されているとする。上式(28)は、前述したDPP信号の式(10)と比べて、検出信号VA〜VJを演算する組み合わせが違うだけである。従って、迷光キャンセルゲインmが正しく設定されておらず、層間迷光が大きい場合、S1_SUM信号やS2_SUM信号が正しい値とならないため、フォーカスエラー信号FEが不正確となってしまうことは、前述の第1の実施形態にかかるトラッキングエラー信号(DPP信号)の例から容易に推測できる。
そこで、第2の実施形態においても、上記第1実施形態と同様にして、迷光キャンセルゲインを調整(乗算係数mを適切に調整)すれば、フォーカスエラー信号FEをより正確に取得することが可能になる。つまり、第2の実施形態では、対物レンズ120をレンズシフト又はレンズチルト等させて、受光素子における光量バランスを意図的にずらした状態で、光量バランスの変動量(ΔSFE_AGC)を測定し、当該変動量を最小にするように乗算係数mを調整する。この第2の実施形態にかかる迷光キャンセルゲイン調整方法の原理は、上述した第1の実施形態にかかる図8〜図10の「ΔSPP_AGC」を「ΔSFE_AGC」に置換したものとして考えることができるので、その詳細説明は省略する。
以上、本発明の第1及び第2の実施形態にかかる光ディスク装置1及びこれを用いた迷光キャンセルゲイン調整方法について説明した。本実施形態によれば、多層ディスクの迷光キャンセルゲイン調整において、対物レンズシフト等により、受光素子における光量バランスを意図的にずらした状態で、光量バランスの変動量(例えば、ΔSPP_AGC、ΔSFE_AGCなど)を測定し、当該変動量を最小にするように乗算係数mを調整する。これにより、層間迷光量のS/Nを改善し、乗算係数mの調整精度を向上できる。
従って、多層ディスクを取り扱う光ディスク装置1における乗算係数mを適正値に設定して、層間迷光キャンセルゲインを適切に調整できるので、サーボ信号をより正確にできる。よって、乗算係数mによる層間迷光キャンセルゲインの調整精度が上がり、記録再生中に層間迷光量が変化しても、トラッキング性能、フォーカシング性能等のサーボ信号の性能向上を図ることができる。
層間迷光が大きい場合、光ディスク3の状態で層間迷光成分が変化するため、従来では、上記乗算係数kをその都度、最適値に設定しないと、サーボが安定化できなかった。しかしながら、本実施形態によれば、迷光キャンセルゲインを適切に調整することにより、層間迷光が変化してもその都度、乗算係数kを設定する必要がなくなり、サーボ信号がより安定化する。
さらに、光ディスク装置1ごとに乗算係数mを適正値に調整できるので、光ピックアップ10、制御回路30等のデバイスの製造上のばらつきに応じて、層間迷光キャンセルゲインを適切に調整できる。また、光ディスク装置1に搭載される光ディスク3ごとに乗算係数mを適正値に調整できるので、光ディスク3の製造上のばらつきに応じて、層間迷光キャンセルゲインを適切に調整できるとともに、光ディスク3におけるデータ記録状態に応じて、層間迷光キャンセルゲインを適切に調整できる。また、層間迷光キャンセルゲイン調整のS/Nが格段に向上する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態では、サーボ信号として、DPP方式のトラッキングエラー信号TE、差動非点収差法のフォーカスエラー信号FEの例を挙げたが、本発明はかかる例に限定されない。例えば、サーボ信号は、光ディスク装置1内の各部をサーボ制御するために、受光素子の検出信号に基づいて生成される信号であれば、例えば、プッシュプル方式などその他の方式のトラッキングエラー信号や、その他の方式のフォーカスエラー信号などであってもよい。
つまり、上記実施形態では、説明の簡単のため、DPP方式の受光素子A〜Hに対して層間迷光が一様に当たっている場合に、サーボ信号としてDPP方式のTE信号を生成する例について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。受光素子における総受光量から層間迷光成分をキャンセルする機能と、当該総光量でゲインをコントロールする機能とを有する光ディスク装置であれば、例えば、他のトラッキング方式やフォーカス方式のサーボ信号を用いる場合でも、層間迷光により総光量が変化する。このため、上記実施形態と同様にして、層間迷光キャンセルゲインを適切に調整でき、サーボ信号が不正確になることを防止できる。
また、SPP_AGC信号、SFE_AGC信号の代わりに、DPP信号(TE信号)、FE信号そのものを用いても、乗算係数mの調整は可能である。しかし、前述のようにMPP_AGC、MFE_AGC生成用のメインビームに比べて、SPP_AGC、SFE_AGC生成用のサイドビームの光量は10分の1程度であり、SPP_AGC、SFE_AGCのみの方が層間迷光の影響を受けやすい。このため、DPP信号、FE信号よりも、SPP_AGC、SFE_AGC信号を用いた方が、層間迷光成分のS/Nが良いので、乗算係数mをより適切に調整できる。
また、乗算係数mの決定手法は、図11に示した例に限定されず、受光素子に対する光量バランスの変動量(例えばΔSPP_AGC、ΔSFE_AGC)が小さくなるように乗算係数mを調整する手法であれば、任意の方法を採用できる。例えば、図11のように乗算係数mを段階的に設定変更してその都度ΔSPP_AGCを測定するのではなく、乗算係数mを連続的に変更させながらΔSPP_AGC等の光量バランスの変動量を動的に測定してもよい。また、サーボ信号生成用の受光素子に対する光量バランスを表す信号(測定対象の信号)としては、上記SPP_AGCの例以外にも、SPP1_AGC、SPP2_AGC、SPP1、SPP2、DPP、MPP、MPP_AGCなど、任意のプッシュプル信号を用いてもよい。或いは、上記SFE_AGCの例以外にも、SFE1_AGC、SFE2_AGC、SFE1、SFE2、FE、MFE、MFE_AGC信号などを用いてもよい。
また、上記実施形態では、レンズシフトによりSPP_AGCの光DCバランスをゼロから大きくずらした状態でSPP_AGCのバランス変動量を調整する例を示したが、より単純にSPP_AGCのDCレベル変動量を調整してもよい。また、レンズシフトではなく、SPP_AGCの光DCバランスがゼロから大きくずれるように、レンズチルト変化させる方法でもよい。要はPDパターン上の光量バランスをゼロからずらすことにより、受光素子に対する光量バランスの変動量の測定精度を向上させることがポイントである。
本発明の第1の実施形態にかかる光ディスク装置の構成を示す説明図である。 同実施形態にかかる光ピックアップの光学系の構成例を示す模式図である。 同実施形態にかかる2層ディスクの構造を模式的に示す説明図である。 同実施形態にかかる光検出部の受光素子のパターンを示す平面図である。 同実施形態にかかるマトリクス回路の演算回路系を示す回路図である。 レンズシフトに対する理想的なk・SPP_AGCとMPP_AGCのバランス変化量を示すグラフである。 レンズシフトに対する実際のk・SPP_AGCとMPP_AGCのバランス変化量を示すグラフである。 図6と図7との間のk・SPP_AGCの変化を示すグラフである。 同実施形態にかかる光ディスク3のディスク位置によるΔSPP_AGCの変動を模式的に示す説明図である。 同実施形態にかかる光ディスク3にデータ記憶部分と未記録部分が混在する場合のディスク位置によるΔSPP_AGCの変動を模式的に示す説明図である。 同実施形態にかかる迷光キャンセルゲイン調整方法を示すフローチャートである。 乗算係数mを変化させた場合のΔSPP_AGCの変化を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかる光検出部の受光素子のパターンを示す平面図である。
符号の説明
1 光ディスク装置
3 光ディスク
4 ポリカーボネート基板
5 中間層
6 カバー層
10 光ピックアップ
20 ディスク駆動部
22 スピンドルモータ
30 制御回路
40 マトリクス回路
50 サーボ回路
60 システムコントローラ
62 スピンドルドライバ
64 RFアンプ
66 計数決定部
70 ドライバ
72 トラッキングドライバ
74 フォーカスドライバ
76 スライドモータドライバ
78 チルトドライバ
110 レーザダイオード
120 対物レンズ
130 光検出部
140 2軸アクチュエータ
142 スライドモータ
144 LDドライバ
150 光学系
A〜J 受光素子
L0、L1 記録層

Claims (7)

  1. 複数の記録層を有する光ディスクに対して照射されたレーザ光の反射光を受光するサーボ信号生成用受光素子と、前記サーボ信号生成用受光素子に隣接配置された層間迷光検出用受光素子とを有する光検出部と;
    前記サーボ信号生成用受光素子の受光量を表す信号から、前記層間迷光検出用受光素子の受光量を表す信号に所定の乗算係数を乗算した信号を減算した信号に基づいて、サーボ信号を生成するサーボ信号生成部と;
    前記サーボ信号生成用受光素子に対する前記反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらした状態で、前記光ディスクの所定領域に前記レーザ光を照射して、前記サーボ信号生成用受光素子における光量バランスの変動量を測定し、当該光量バランスの変動量が最小となるように前記乗算係数の値を決定する係数決定部と;
    を備えることを特徴とする、光ディスク装置。
  2. 前記光ディスクの所定領域は、前記光ディスクにおけるデータの記録部分及び未記録部分を含む領域であることを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク装置。
  3. 前記サーボ信号は、差動プッシュプル方式のトラッキングエラー信号であり、
    前記光量バランスの変動量は、サイドプッシュプル信号を用いて測定されることを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク装置。
  4. 前記光量バランスの変動量の測定時に、対物レンズをトラッキング方向にシフトさせることにより、前記サーボ信号生成用受光素子に対する前記反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらすことを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク装置。
  5. 前記光量バランスの変動量の測定時に、対物レンズをレンズチルトさせることにより、前記サーボ信号生成用受光素子に対する前記反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらすことを特徴とする、請求項1に記載の光ディスク装置。
  6. 複数の記録層を有する光ディスクに対して照射されたレーザ光の反射光を受光するサーボ信号生成用受光素子と、前記サーボ信号生成用受光素子に隣接配置された層間迷光検出用受光素子とを有する光検出部から入力された信号に基づいて、サーボ信号を生成する制御回路であって:
    前記サーボ信号生成用受光素子の受光量を表す信号から、前記層間迷光検出用受光素子の受光量を表す信号に所定の乗算係数を乗算した信号を減算した信号に基づいて、サーボ信号を生成するサーボ信号生成部と;
    前記サーボ信号生成用受光素子に対する前記反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらした状態で、前記光ディスクの所定領域に前記レーザ光を照射して、前記サーボ信号生成用受光素子における光量バランスの変動量を測定し、当該光量バランスの変動量が最小となるように前記乗算係数の値を決定する係数決定部と;
    を備えることを特徴とする、制御回路。
  7. 複数の記録層を有する光ディスクに対して照射されたレーザ光の反射光を受光するサーボ信号生成用受光素子と、前記サーボ信号生成用受光素子に隣接配置された層間迷光検出用受光素子とを有する光検出部と;前記サーボ信号生成用受光素子の受光量を表す信号から、前記層間迷光検出用受光素子の受光量を表す信号に所定の乗算係数を乗算した信号を減算した信号に基づいて、サーボ信号を生成するサーボ信号生成部と;を備えた光ディスク装置における迷光キャンセルゲイン調整方法であって:
    前記サーボ信号生成用受光素子に対する前記反射光の光スポットの照射位置を最適な位置からずらした状態で、前記光ディスクの所定領域に前記レーザ光を照射して、前記サーボ信号生成用受光素子における光量バランスの変動量を測定するステップと;
    前記光量バランスの変動量が最小となるように前記乗算係数の値を決定するステップと;
    を含むことを特徴とする、迷光キャンセルゲイン調整方法。
JP2007321308A 2007-12-12 2007-12-12 光ディスク装置、制御回路及び迷光キャンセルゲイン調整方法 Withdrawn JP2009146488A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007321308A JP2009146488A (ja) 2007-12-12 2007-12-12 光ディスク装置、制御回路及び迷光キャンセルゲイン調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007321308A JP2009146488A (ja) 2007-12-12 2007-12-12 光ディスク装置、制御回路及び迷光キャンセルゲイン調整方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009146488A true JP2009146488A (ja) 2009-07-02

Family

ID=40916921

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007321308A Withdrawn JP2009146488A (ja) 2007-12-12 2007-12-12 光ディスク装置、制御回路及び迷光キャンセルゲイン調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009146488A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8159909B2 (en) Optical head, optical drive apparatus, and method for generating tracking error signal
JP2007122815A (ja) 光ディスク装置の球面収差及びフォーカスオフセット調整方法、それを用いた光ディスク装置
JP4583328B2 (ja) 光ディスク装置および光ディスク判別方法
JP2008059686A (ja) 球面収差及びフォーカスオフセット調整方法、それを用いた情報記録再生装置
JP4581825B2 (ja) 光ディスク装置、フォーカスバイアス及び球面収差補正値調整方法
US20080151722A1 (en) Optical disc device and method for discriminating different kinds of optical discs
JP5442964B2 (ja) 光記憶メディアからデータを読み出すかまたは同メディアにデータを書き込むための3つのビームを供給するピックアップを備える装置、および対応する光記憶メディア
US7760603B2 (en) Apparatus and method for discriminating optical disc type
JP4996353B2 (ja) 光ピックアップおよび光情報記録再生装置
JP4663723B2 (ja) 光ピックアップ装置
KR20080058891A (ko) 광정보저장매체 판별 방법 및 그 장치
US20080101172A1 (en) Optical disc apparatus
WO2005020216A1 (ja) 光情報記録媒体、媒体特性規定方法、媒体特性検査方法、信号検出方法、信号検出回路、及び光情報記録再生装置
JP2009146488A (ja) 光ディスク装置、制御回路及び迷光キャンセルゲイン調整方法
JP2009140573A (ja) 光ディスク装置及びフォーカスジャンプ方法
JP2005293807A (ja) 光ディスク記録再生装置及びその信号検出方法
JP2007328833A (ja) 光ディスク装置、光ディスク媒体の位置制御方法およびそのプログラム
KR20090032090A (ko) 광 디스크 장치, 트랙킹 에러 신호 생성 회로, 트랙킹 에러신호의 보정 방법, 프로그램
US20100220576A1 (en) Optical pickup device and information recording/reproduction device
JP4370567B2 (ja) 光ディスク装置及び光ディスク制御方法
US8169863B2 (en) Tracking control device, tracking control method, and optical disc device
US8576683B2 (en) Disk decision method and optical disk drive using the disk decision method
KR100917179B1 (ko) 포커스 서보 제어 방법 및 이를 이용한 광 디스크 드라이브
JP2005293809A (ja) 光ディスク記録/または再生装置及びその信号検出方法
US20080181063A1 (en) Optical disc apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20110301