JP2010078431A - 自動分析装置および精度管理結果表示方法 - Google Patents

自動分析装置および精度管理結果表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】煩雑な作業を必要とすることなく、複数の分析項目それぞれに関する複数の管理試薬についての分析精度を視認によって容易に確認することが可能な自動分析装置および精度管理結果表示方法を提供する。
【解決手段】複数の分析項目それぞれに関して精度管理試料1および2についての分析結果を取得し、分析項目と精度管理試料との組み合わせそれぞれについての分析精度を示す精度管理値を分析結果を用いて導出し、精度管理値がプロットされた2次元グラフ15を生成し、2次元グラフ15を含む精度管理結果確認画面(最新)10を生成し、これを表示部404に表示する。2次元グラフ15は、横軸が精度管理試料1の分析結果を示し、縦軸が精度管理試料2の分析結果を示す。したがって、描画された各プロット16、16aは、1つの分析項目についての精度管理試料1および2の分析結果の両方を示している。
【選択図】 図8

Description

本発明は、自動分析装置および精度管理結果表示方法に関し、例えば生化学的分析や免疫学的分析を行なう自動分析装置およびその精度管理結果表示方法に関する。
従来では、例えば生化学的分析や免疫学的分析を自動で行なう自動分析装置に正確な分析結果を出力させるために、定期的もしくは随時、精度管理用の試料(以下、精度管理試料という)に対する分析処理を実行させ、これにより得られた分析結果に基づいて自動分析装置の分析精度を管理する作業が行なわれていた(例えば以下に示す特許文献1参照)。
また、以下に示す特許文献2には、複数の分析項目に関する精度管理のための分析結果だけでなく、試薬残量やキャリブレーション結果など、複数の情報を同一画面で表示する自動分析装置が開示されている。さらに、以下に示す特許文献3には、複数の分析項目についての精度管理結果をレーダチャートで表示する自動分析装置が開示されている。
さらにまた、近年では、1つの分析項目に関して複数種類の精度管理試料を用いて分析することで、分析精度の管理をより正確に行なうことを可能にした自動分析装置が存在する。
特開平6−281656号公報 特開平10−2902号公報 特開2000−187037号公報
しかしながら、上記した特許文献1が開示する自動分析装置は、分析項目別あるいは精度管理試料別に精度管理のための分析結果を表示するため、複数の分析項目について分析結果を確認するためにはその都度画面を切り替えなくてはならず、確認作業が煩雑であるという問題が存在する。
また、特許文献2が開示する自動分析装置は、複数の分析項目について分析結果を一つの画面で表示できるものの、各分析項目については一つの精度管理試料に対する分析結果しか表示できない。このため、他の精度管理試料についての分析結果を確認するためには、画面を切り替えるなどの作業を行なわなくてはならず、分析精度の管理が煩雑であるという問題が存在する。また、本従来技術では、分析精度の管理に関係のない情報までも同じ画面で表示するため、ユーザが画面から各分析項目についての分析精度を視認しづらいという問題も存在する。
さらに、特許文献3が開示する自動分析装置は、複数の分析項目について分析結果を一つの画面で表示できるものの、各分析項目については一つの精度管理試料に対する分析結果しか表示できないという問題が存在する。このため、他の精度管理試料についての分析結果を確認するためには、画面を切り替えるなどの作業を行なわなくてはならず、分析精度の管理が煩雑であるという問題が存在する。
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、煩雑な作業を必要とすることなく、複数の分析項目それぞれに関する複数の管理試薬についての分析精度を視認によって容易に確認することが可能な自動分析装置および精度管理結果表示方法を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明による自動分析装置は、複数の分析項目それぞれに関して複数の精度管理試料についての分析結果をそれぞれ取得する分析結果取得手段と、前記分析項目と前記精度管理試料との組み合わせそれぞれについての分析精度を示す精度管理値を前記分析結果を用いてそれぞれ導出する精度管理値導出手段と、前記精度管理値がプロットされたグラフを生成するグラフ生成手段と、前記グラフを含む第1画面を生成する第1画面生成手段と、前記第1画面を表示する表示手段と、を備えたことを特徴としている。
上記した本発明による自動分析装置は、前記複数の精度管理試料が、第1精度管理試料と第2精度管理試料とを含み、前記グラフが、縦軸が前記第1精度管理試料について導出された第1精度管理値を示し、横軸が前記第2精度管理試料について導出された第2精度管理値を示す2次元グラフであることを特徴としている。
上記した本発明による自動分析装置は、前記グラフ生成手段が、前記分析項目と精度管理試料との組み合わせそれぞれについて許容範囲と不許容範囲とが設定された前記グラフであって、全ての分析項目についての各許容範囲が互いに重畳する領域で表示されるように設定された前記グラフに前記精度管理値をプロットすることを特徴としている。
上記した本発明による自動分析装置は、前記複数の精度管理試料が、第1精度管理試料と第2精度管理試料とを含み、前記グラフが、縦軸が前記第1および第2精度管理試料の精度管理値を示し、横軸が前記複数の分析項目を示す2次元グラフであることを特徴としている。
上記した本発明による自動分析装置は、前記グラフ生成手段が、前記分析項目と精度管理試料との組み合わせそれぞれについて許容範囲と不許容範囲とが設定された前記グラフであって、全ての分析項目についての各許容範囲が前記横軸方向において幅の等しい帯状の領域で表示されるように設定された前記グラフに前記精度管理値をプロットすることを特徴としている。
上記した本発明による自動分析装置は、日時情報に対応付けて前記分析結果を管理する管理手段を備え、前記精度管理値導出手段が、2つ以上の日時情報にそれぞれ対応付けられている分析結果を前記管理手段から取得して、該取得した分析結果を用いて前記2つ以上の日時情報に対応する精度管理値をそれぞれ導出し、前記グラフ生成手段が、前記2つ以上の精度管理値を前記グラフにプロットすることを特徴としている。
上記した本発明による自動分析装置は、前記不許容範囲内にプロットされた精度管理値を表示する第1マークは、前記許容範囲内にプロットされた精度管理値を表示する第2マークと比較して協調表示されていることを特徴としている。
上記した本発明による自動分析装置は、前記分析項目についての分析結果が含まれる第2画面を生成する第2画面生成手段と、いずれかの分析項目についての前記第2画面を前記表示手段に表示させる指示をユーザに入力させる入力手段と、を備え、前記第1画面生成手段が、前記表示手段に前記第2画面を表示させる指示をユーザに入力させるための画面切替ボタンを含む前記第1画面を生成し、前記表示手段が、前記画面切替ボタンが選択された場合、前記第2画面を表示することを特徴としている。
上記した本発明による自動分析装置は、前記第1画面を印刷する印刷手段を備えたことを特徴としている。
また、本発明による精度管理結果表示方法は、複数の分析項目それぞれに関して複数の精度管理試料についての分析結果をそれぞれ取得する分析結果取得ステップと、前記分析項目と前記精度管理試料との組み合わせそれぞれについての分析精度を示す精度管理値を前記分析結果を用いてそれぞれ導出する精度管理値導出ステップと、前記精度管理値がプロットされたグラフを生成するグラフ生成ステップと、前記グラフを含む第1画面を生成する第1画面生成ステップと、前記第1画面を表示する表示ステップと、を含むことを特徴としている。
上記した本発明による精度管理結果表示方法は、前記複数の精度管理試料が、前記第1精度管理試料と第2精度管理試料とを含み、前記グラフが、縦軸が前記第1精度管理試料について導出された第1精度管理値を示し、横軸が前記第2精度管理試料について導出された第2精度管理値を示す2次元グラフであることを特徴としている。
上記した本発明による精度管理結果表示方法は、前記グラフ生成ステップが、前記分析項目と精度管理試料との組み合わせそれぞれについて許容範囲と不許容範囲とが設定された前記グラフであって、全ての分析項目についての各許容範囲が互いに重畳する領域で表示されるように設定された前記グラフに前記精度管理値をプロットすることを特徴としている。
上記した本発明による精度管理結果表示方法は、前記複数の精度管理試料が、第1管理試料と第2精度管理試料とを含み、前記グラフが、縦軸が前記第1および第2精度管理試料の精度管理値を示し、横軸が前記複数の分析項目を示す2次元グラフであることを特徴としている。
上記した本発明による精度管理結果表示方法は、前記グラフ生成ステップが、前記分析項目と精度管理試料との組み合わせそれぞれについて許容範囲と不許容範囲とが設定された前記グラフであって、全ての分析項目についての各許容範囲が前記横軸方向において幅の等しい帯状の領域で表示されるように設定された前記グラフに前記精度管理値をプロットすることを特徴としている。
上記した本発明による精度管理結果表示方法は、日時情報に対応付けて前記分析結果を管理する管理ステップを備え、前記精度管理値導出ステップが、2つ以上の日時情報にそれぞれ対応付けられている分析結果を取得して、該取得した分析結果を用いて前記2つ以上の日時情報に対応する精度管理値をそれぞれ導出し、前記グラフ生成ステップが、前記2つ以上の精度管理値を前記グラフにプロットすることを特徴としている。
上記した本発明による精度管理結果表示方法は、前記不許容範囲内にプロットされた精度管理値を表示する第1マークが、前記許容範囲内にプロットされた精度管理値を表示する第2マークと比較して協調表示されていることを特徴としている。
上記した本発明による精度管理結果表示方法は、前記分析項目についての分析結果が含まれる第2画面を生成する第2画面生成ステップと、いずれかの分析項目についての前記第2画面を前記表示手段に表示させる指示をユーザに入力させる入力ステップと、を含み、前記第1画面生成ステップが、前記表示手段に前記第2画面を表示させる指示をユーザに入力させるための画面切替ボタンを含む前記第1画面を生成し、前記表示ステップが、前記画面切替ボタンが選択された場合、前記第2画面を表示することを特徴としている。
上記した本発明による精度管理結果表示方法は、前記第1画面を印刷する印刷ステップを含むことを特徴としている。
本発明によれば、複数の分析項目それぞれに関して取得した複数の精度管理試料についての分析精度を示す精度管理値を1つのグラフに描画して表示することが可能であるため、画面を切り替えるなどの煩雑な作業を必要とすることなく、複数の分析項目それぞれに関する複数の管理試薬についての分析精度を視認によって容易に確認することが可能な自動分析装置および精度管理結果表示方法を実現することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に詳細に説明する。なお、以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において、各図は本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎず、従って、本発明は各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
<実施の形態1>
以下、本発明の実施の形態1による自動分析装置1000を図面と共に詳細に説明する。
(自動分析装置)
図1は、本実施の形態による自動分析装置1000の概略構成を示す模式図である。図1に示すように、自動分析装置1000は、各種分析項目についての測定を自動的に遂行するためのメインユニット100と、メインユニット100へ供給される検体や後述するキュベットCをストックしておくためのサブユニット300と、メインユニット100およびサブユニット300に対する処理や動作の制御ならびに入力された測定結果の分析などを実行するための制御端末400と、を備える。なお、分析実行面であるメインユニット100の上面100Aは、例えば開閉可能なカバー等により適宜覆われる。
また、図1に示すように、サブユニット300には、例えば、液体状の検体が入れられる検体容器302を1つ以上保持可能な検体ラック301と、検体ラック301を1つ以上収容可能なラックセット部310と、分析済みの検体が入っている検体容器302を保持する検体ラック301を1つ以上収容可能なラック回収部320と、が搭載される。
上記において、ラックセット部310に格納された検体ラック301は、サブユニット300に搭載された図示しない搬送機構によって図1に示す搬送経路330上を搬送され、その後、ラック回収部320内に収容される。この際、検体ラック301は、搬送経路330上における検体分取位置114に一旦停止し、後述の検体分注ユニット110を用いて適宜保持している検体容器302から検体が分取される。ただし、再検査が必要とされた検体が入っている検体容器302を保持する検体ラック301は、一旦、搬送経路330から再検経路340へ分岐され、再検検体分取位置115において再度検体が分取された後、再び搬送経路330へ戻ってラック回収部320内に収容される。
また、同じく図1に示すように、メインユニット100には、例えば、検体分注ユニット110と、反応槽120と、検体プローブ洗浄ユニット130と、割込み検体用ユニット140と、電解質測定ユニット150と、第1攪拌ユニット160と、第1試薬分注ユニット170と、第1試薬保冷庫180と、第1試薬プローブ洗浄ユニット190と、光源ランプセット210および受光ユニット211と、第2試薬分注ユニット220と、第2試薬保冷庫230と、第2試薬プローブ洗浄ユニット240と、第2攪拌ユニット250と、キュベット洗浄ユニット260と、が搭載される。
ここで、本実施の形態において使用するキュベットCの一例について、図面を用いて説明する。図2Aは、キュベットCの形状を示す斜視図であり、図2Bは、キュベットCの変形例であるキュベットC2の形状を示す斜視図である。図2Aに示すように、本実施の形態において使用するキュベットCは、上部に開口CAが形成された円筒状の容器である。このようなキュベットCは、例えば硬質ガラスやプラスチックやクォーツなどの透明な材料を用いて形成される。測定時には、光源ランプセット210から出力された所定波長の光がキュベットC側面に照射される。各分析項目についての測定は、キュベットCを透過した光を受光ユニット211で受光し、この光強度を計測することで行なわれる。また、本実施の形態によるキュベットCの変形例としては、例えば図2Bに示すように、上部に形成された開口CA2の角がやや丸みを帯びた略四角形の形状を有している略四角柱状の容器である。ただし、本発明はこれらの形状に限定されず、種々変形することが可能である。
上記のようなキュベットCは、図3に示すように、反応槽120内の外周内側に沿って円周状に配列された複数のキュベットホルダ122bにそれぞれセットされる。なお、図3は、反応槽120内に配列された複数のキュベットホルダ122bのレイアウト例を示す上視図である。各キュベットホルダ122bには、光源ランプセット210からの光を受光ユニット211へ透過させるための孔が設けられている。ここで図4を用いて、光源ランプセット210および受光ユニット211とこれらの間に配置されたキュベットホルダ122bとの概略構成を説明する。図4は、図3のA−A’断面の概略構成を示す断面図である。
図4に示すように、キュベットホルダ122bには、光源ランプセット210からの光を受光ユニット211へ透過させるための孔122yおよび122zが設けられている。光源ランプセット210から出力された所定波長の光は、反応槽120の外壁122eに設けられた孔122xよりキュベットホルダ122bの孔122yを介してキュベットC内の反応液LCに入射し、適宜吸収されて減衰した後、キュベットホルダ122bの孔122zを介して受光ユニット211へ出射する。したがって、反応液LCによる吸光度は、例えば、光源ランプセット210から出力された所定波長の光を空のキュベットCを透過させた場合の光の強度と受光ユニット211において検出された光の強度とを対比することで求めることができる。
また、図1に示す各位置(122、124、125など)には、反応槽120におけるキュベットホルダ122bが回転軸121を中心として周回することで目的のキュベットCが配置される。そして、反応槽120内のキュベットCには、検体分注ユニット110を用いて分取された検体と、第1試薬分注ユニット170を用いて分取された第1試薬と、第2試薬分注ユニット220を用いて分取された第2試薬と、が適宜分注される。また、本実施の形態では、精度管理試料も適宜分注される。これにより、反応槽120におけるキュベットC内に、1つ以上の分析項目または分析精度管理目的に応じた混合液(または反応液)が生成される。
検体分注ユニット110は、枢軸112を中心に枢回または上下動することで、検体分取位置114、再検検体分取位置115または割込み検体分取位置141へ移動し、この位置において所定の検体容器302から検体を吸引することでこれを分取する。また、分取した検体を検体分注位置122において反応槽120内の目的のキュベットC内へ吐出することでこれを分注する。一方、第1試薬分注ユニット170は、枢軸172を中心に枢回または上下動することで第1試薬分取位置183に移動し、この位置において第1試薬保冷庫180内の第1試薬ボトル182から第1試薬を吸引することでこれを分取する。また、分取した第1試薬を第1試薬分注位置124において反応槽120内の目的のキュベットC内へ吐出することでこれを分注する。同様に、第2試薬分注ユニット220は、枢軸222を中心に枢回または上下動することで第2試薬分取位置233へ移動し、この位置において第2試薬保冷庫230内の第2試薬ボトル232から第2試薬を分取する。また、分取した第2試薬を第2試薬分注位置125において反応槽120内の目的のキュベットCへ分注する。
キュベットC内に生成された混合液は、例えば第1攪拌ユニット160または第2攪拌ユニット250を用いて適宜攪拌される。これにより、キュベットC内に反応液LCが生成する。その後、キュベットCは、光源ランプセット210と受光ユニット211との間に配置され、これらを用いてキュベットCおよび反応液LCを透過した光の強度が測定される。得られた測定結果は、例えばインターフェース(I/F)290を介して接続された制御端末400へ出力され、制御端末400において適宜分析される。
なお、図1において、検体プローブ洗浄ユニット130は、検体間のキャリーオーバを防止するためのユニットであり、分注後の検体分注ユニット110における検体プローブ123を適宜洗浄する。また、第1試薬プローブ洗浄ユニット190および第2試薬プローブ洗浄ユニット240は、それぞれ第1試薬プローブ173または第2試薬プローブ223を介した試薬間、精度管理試料間、もしくはこれらの間で発生するキャリーオーバによるコンタミネーションを防止するためのユニットであり、分注後の第1試薬分注ユニット170または第2試薬分注ユニット220における第1試薬プローブ173または第2試薬プローブ223を適宜洗浄する。
キュベット洗浄ユニット260は、使用後のキュベットCを洗浄して再利用するためのユニットである。また、第1試薬保冷庫180は、第1試薬を温度管理された環境下で保管するための保冷庫であり、外周円の内側に沿って円周状に配列された複数の第1試薬ボトル182を格納する。第1試薬分取位置183には、第1試薬保冷庫180が回転軸181を中心として周回することで、目的の第1試薬が入っている第1試薬ボトル182が配置される。同様に、第2試薬保冷庫230は、第2試薬を温度管理された環境下で保管するための保冷庫であり、外周円に沿って円周状に配列された複数の第2試薬ボトル232を格納する。第2試薬分取位置233には、第2試薬保冷庫230が回転軸231を中心として周回することで、目的の第2試薬が入っている第2試薬ボトル232が配置される。
また、本実施の形態では、第1試薬保冷庫180が、第1試薬の他に、分析精度を管理する際に使用する精度管理試料を貯溜する管理試料ボトル502も保管する。したがって、第1試薬分注ユニット170は、定期的あるいは必要に応じて随時、第1試薬分取位置183において第1試薬保冷庫180内の管理試料ボトル502から精度管理試料を吸引することでこれを分取し、また、分取した精度管理試料を第1試薬分注位置124において反応槽120内の目的のキュベットC内へ吐出することでこれを分注する。ただし、これに限定されず、例えば検体と同様に精度管理試料を検体容器301に入れ、これを搬送経路330上の検体分取位置114で検体分注ユニット110が分取して検体分注位置122で対象のキュベットC内に分注するように構成してもよい。
さらに、第1試薬保冷庫180および第2試薬保冷庫230には、それぞれ第1試薬ボトル182または第2試薬ボトル232の外側に貼り付けられたバーコードを読み取るためのバーコードリーダ184または234が設けられており、バーコードに記述されたステータスなどの情報を読み取ることで各第1試薬ボトル182および第2試薬ボトル232に貯溜されている第1試薬または第2試薬が管理される。また、同様に、管理試料ボトル502の外側にもバーコードが貼り付けられており、これをバーコードリーダ184を用いて読み取ることで、管理試料ボトル502に貯溜されている精度管理試料が管理される。
このほか、割込み検体用ユニット140は、ラックセット部310にセットされた複数の検体に対する一連の分析処理に割り込んで先に分析処理したい検体をセットするためのユニットである。電解質測定ユニット150は、必要に応じて検体に含まれる電解質を測定するためのユニットである。
なお、上記各ユニットは、例えばメインユニット100に設けられたインターフェース(I/F)290を介して外部接続された制御端末400からの制御の下に動作する。制御端末400は、例えばメインユニット100のインターフェース290と所定の回線430を介して接続するためのインターフェース(I/F)410と、入力された測定結果を分析するための分析部402と、使用者が各種指示や命令などを入力するための入力部403と、各種測定・分析結果や検体ステータスや測定・分析進行状況などをユーザへ表示するための表示部404と、各種制御プログラムや入力された測定結果および生成した分析結果などを記憶するための記憶部405と、上記各部の制御やメインユニット100およびサブユニット300における各部を制御するための制御部401と、を含む。また、制御端末400には、制御端末400が実行する各種動作が記述されたプログラムや分析結果など、種々のデータを記憶する外部記憶部420が接続される。ただし、これに限らず、内蔵ハードディスクドライブなど、外部記憶部420を内部記憶部に置き換えてもよい。
(分析精度管理)
また、本実施の形態による自動分析装置1000では、分析結果の精度をある一定以上に保つため、定期的あるいは必要に応じて随時、分析精度の管理動作が実行される。本実施の形態では、例えば所定数の検体を分析処理する度に、全ての分析対象の項目(以下、単に分析項目という)についての分析精度管理動作を実行する場合を例に挙げる。ただし、これに限定されず、例えば分析項目をいくつかの区分に分類し、この区分ごとに、定期的あるいは必要に応じて随時、分析精度管理動作を実行するように構成したり、自動分析装置1000の立ち上げ時のイニシエーション処理において自動的に分析精度管理動作を実行するように構成したりなど、種々変形することが可能である。
また、本実施の形態では、それぞれの分析項目ごとに複数種類の精度管理試料に対する分析処理を行い、これにより得られた分析結果に基づいて自動分析装置1000の分析精度を示す値(以下の精度管理値に相当)を導出する。さらに、導出した精度管理値をグラフ化してユーザに提示することで、ユーザに各分析項目に関する自動分析装置1000の分析精度を管理させる。以下では、複数種類の精度管理試料として、濃度の異なる2種類の精度管理試料1(第1精度管理試料)および精度管理試料2(第2精度管理試料)を用いる。ただし、本発明はこれに限定されず、濃度の異なる3種類以上の精度管理試料や、成分の異なる3種類以上の精度管理試料や、同種の精度管理試料など、種々変形することが可能である。
さらにまた、本実施の形態では、ある分析項目に関してある精度管理試料を用いて取得した分析結果より導出される精度管理値に対して管理目標値を設定している。管理目標値とは、自動分析装置1000において、ある分析項目に関してある管理試薬を用いて分析した場合に得られる分析結果より導出される精度管理値のターゲット値であり、分析精度を管理する上で基準となる値である。
この管理目標値は、例えば、標準装置として決定した自動分析装置にて分析することで得られた精度管理値や、この装置で得られた複数の精度管理値の平均値や、標準方法として決定した測定方法で得られた結果から導出した精度管理値などから、分析項目および/または装置固有の特性を考慮して設定することができる。
また、本実施の形態では、分析項目および精度管理試料の組み合わせに対して設定された管理目標値を基準とし、この値から予め決めておいた幅の範囲(後述する精度管理許容範囲に相当)を設定し、この範囲内に分析結果が含まれるか否かに基づいて、ユーザに分析精度を管理させる。なお、精度管理許容範囲の幅は、例えば±2σ(σは標準偏差)や±3σ、あるいはターゲット値である管理目標値からの乖離率(%)など、自動分析装置1000の再現性や分析結果として容認できる誤差範囲などから、分析項目および/または装置固有の特性を考慮して設定することができる。
・分析精度管理動作
まず、本実施の形態による分析精度管理動作について図面を用いて詳細に説明する。本実施の形態による分析精度管理動作では、分析精度測定用の精度管理試料1および2を用いた管理分析処理と、この管理分析処理により得られた分析結果を精度管理結果としてユーザへ表示する精度管理結果表示処理と、が実行される。以下、本実施の形態による分析精度管理動作を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、簡略化のため、第1試薬保冷庫180内に保管された第1試薬のみを用いる場合を例に挙げるが、本発明はこれに限定されず、適宜、第2試薬保冷庫230内に保管された第2試薬等を用いてもよい。さらに、以下の説明では、簡略化のため、第1試薬の種類を区別しないが、これは全分析項目について同種の第1試薬を用いることを意味していない。すなわち、本発明では、分析項目に応じて適宜、異なる種類の第1試薬が使用される。
図5は、本実施の形態による分析精度確認動作の概略を示すフローチャートである。自動分析装置1000において複数の検体に対する複数項目の分析を行なう一連の処理が開始されると、制御部401は、この分析処理が終了したか否かを監視する(ステップS101)。分析処理が終了していない場合(ステップS101のNo)、次に制御部401は、所定数の検体についての分析処理(あるいは分注動作などの各検体に対する所定の処理)を実行したか否かを判定する(ステップS102)。具体的には、例えば、制御部401が不図示のカウンタを用いて100個(所定数)の検体に対する光源ランプユニット210および受光ユニット211を用いた吸光度の測定処理を実行したか否かをカウントし、このカウンタ値を参照してステップS102の判定を行なう。なお、ステップS101の判定の結果、分析処理が終了している場合(ステップS101のYes)、制御部401は、そのまま処理を終了する。
ステップS102の判定の結果、所定数の検体に対する分析処理を実行していない場合(ステップS102のNo)、制御部401は、ステップS101へ帰還する。一方、所定数の検体に対する分析処理を実行した場合(ステップS102のYes)、制御部401は、精度管理試料に対する分析処理(以下、管理分析処理という)を実行する(ステップS103)。なお、ステップS103に示す管理分析処理の詳細については、後述において図6を参照して詳細に説明する。
以上のように管理分析処理を実行すると、制御部401は、取得した精度管理試料に対する分析結果をユーザに提示するための精度管理結果表示処理を実行し(ステップS104)、その後、ステップS101へ帰還する。なお、ステップS104に示す精度管理結果表示処理の詳細については、後述において図7〜図11を参照して詳細に説明する。
・・管理分析処理
ここで、図5のステップS103に示す管理分析処理について詳細に説明する。図6は、本実施の形態による管理分析処理の流れを示すフローチャートである。ただし、説明の簡略化のため、以下では第1試薬を精度管理試料1および2それぞれと反応させ、これにより得られた反応液LCの吸光度を測定して分析結果を取得する場合について例を挙げて説明する。
本実施の形態による管理分析処理では、図6に示すように、制御部401は、まず、1つ以上ある分析項目のうちいずれかを選択し、これを目的の分析項目とする(ステップS103−1)。
ステップS103−1において目的の分析項目を選択すると、管理分析処理では、まず、複数種類(本例では2種類)の精度管理試料1および2のうち精度管理試料1についての分析処理を実行する。そこで制御部401は、第1試薬保冷庫180を回転軸181を中心として周回させることで、第1試薬分取位置183に目的の分析項目に応じた精度管理試料1が貯溜された管理試料ボトル502を配置させる(ステップS103−2)。
次に制御部401は、不図示の駆動機構を制御して第1試薬分注ユニット170を枢回および上下動させることで、第1試薬分注ユニット170における第1試薬プローブ173の先端を第1試薬分取位置183に位置された管理試料ボトル502内に挿入し、この状態で不図示のバルブおよびシリンジを制御することで、管理試料ボトル502から精度管理試料1を吸引する(ステップS103−3)。これにより、精度管理試料1が第1試薬分注ユニット170によって分取される。
次に制御部401は、反応槽120を回転軸121を中心として周回させることで第1試薬分注位置124に所定のキュベット(以下、このキュベットを対象キュベットという)Cを配置する(ステップS103−4)。
次に制御部401は、不図示の駆動機構を制御して第1試薬分注ユニット170を枢回および上下動させることで第1試薬プローブ173を第1試薬分注位置124上に移動させ、この状態で不図示のバルブおよびシリンジを制御することで、分取しておいた精度管理試料1を第1試薬分注位置124に配置された対象キュベットC内に吐出する(ステップS103−5)。これにより、精度管理試料1が対象キュベットC内へ分注される。なお、制御部401は、何れの精度管理試料を何れのキュベットCに分注したかについての情報を、例えば記憶部405(図1参照)に記憶している。
次に制御部401は、不図示の駆動機構を制御して第1試薬分注ユニット170を枢回および上下動させることで、第1試薬分注ユニット170の第1試薬プローブ173を第1試薬プローブ洗浄ユニット190に移動し、この状態で第1試薬分注ユニット170および第1試薬プローブ洗浄ユニット190を適宜駆動することで、第1試薬プローブ173を洗浄する(ステップS103−6)。
また、制御部401は、第1試薬保冷庫180を回転軸181を中心として周回させることで第1試薬分取位置183に目的の分析項目に応じた第1試薬を貯溜する第1試薬ボトル182を配置させる(ステップS103−7)。
次に制御部401は、不図示の駆動機構を制御して第1試薬分注ユニット170を枢回および上下動させることで、第1試薬分注ユニット170における第1試薬プローブ173の先端を第1試薬分取位置183に位置された第1試薬ボトル182内に挿入し、この状態で不図示のバルブおよびシリンジを制御することで、第1試薬ボトル182から第1試薬を分取する(ステップS103−8)。これにより、第1試薬が第1試薬分注ユニット170によって分取される。
次に制御部401は、反応槽120を回転軸121を中心として周回させることで第1試薬分注位置124に精度管理試料1が分注された対象キュベットCを配置する(ステップS103−9)。
次に制御部401は、不図示の駆動機構を制御して第1試薬分注ユニット170を枢回および上下動させることで第1試薬プローブ173を第1試薬分注位置183上に移動させ、この状態で不図示のバルブおよびシリンジを制御することで、分取しておいた第1試薬を第1試薬分注位置183に配置された対象キュベットC内に吐出する(ステップS103−10)。これにより、第1試薬が対象キュベットC内へ分注され、対象キュベットC内に精度管理試料1と第1試薬とからなる混合液が生成される。
次に制御部401は、不図示の駆動機構を制御して第1試薬分注ユニット170を枢回および上下動させることで、第1試薬分注ユニット170の第1試薬プローブ173を第1試薬プローブ洗浄ユニット190に移動し、この状態で第1試薬分注ユニット170および第1試薬プローブ洗浄ユニット190を適宜駆動することで、第1試薬プローブ173を洗浄する(ステップS103−11)。
また、制御部401は、反応槽120を回転軸121を中心として周回させることで、精度管理試料1および第1試薬が分注された対象キュベットCを第1攪拌ユニット160近傍に設けられた不図示の第1攪拌位置に配置すると共に、第1攪拌ユニット160を制御することで対象キュベットC内の混合液を攪拌する(ステップS103−12)。これにより、対象キュベットC内に精度管理試料1および第1試薬よりなる反応液LCが生成される。なお、第1攪拌ユニット160は、キュベットC内の液体を攪拌するための攪拌棒を備えており、これを用いて対象キュベットC内の混合液が攪拌される。
次に制御部401は、第1攪拌ユニット160およびこれに備えられた洗浄部を駆動することで、対象キュベットC内の混合液の攪拌に用いた攪拌棒を洗浄する(ステップS103−13)。
また、制御部401は、反応槽120を回転軸121を中心として周回させることで、対象キュベットCを光源ランプセット210と受光ユニット211との間における不図示の測定位置に配置する(ステップS103−14)。
次に制御部401は、光源ランプセット210と受光ユニット211との間に対象キュベットCを配置させた状態で光源ランプセット210に所定波長の光を出力させると共に、対象キュベットCおよび反応液LCを透過した光を受光ユニット211に受光させることで、対象キュベットC内の反応液LCを透過した光の強度を測定する(ステップS103−15)。なお、受光ユニット211に取得された測定結果は、制御部401へ入力される。
次に制御部401は、測定結果を図2に示す分析部402に入力すると共に、測定結果を用いた分析を分析部402に実行させることで、対象キュベットC内に生成された反応液LCを分析する(ステップS103−16)。具体的には、空のキュベットCを透過した光の強度に対するキュベットCおよび反応液LCを透過した光の強度比から、反応液LCの吸光度を算出する。また、制御部401は、分析部402において得られた吸光度と、この分析を実行した際の各種パラメータなどと、を分析結果として外部記憶部420に保存する(ステップS103−17)(管理ステップ)。なお、外部記憶部420では、図7に示すように、ステップS103の管理分析処理を実行した日時(測定日時)と分析対象の分析項目(項目名)と使用した精度管理試料とに対応付けて、吸光度や表示値などの詳細な分析結果が、分析結果蓄積テーブル421(管理手段)において管理される。また、分析結果蓄積テーブル421では、過去の管理分析処理により得られた分析結果も蓄積されている。
以上のように精度管理試料1に対する測定を実行すると、次に制御部401は、目的として選択されている分析項目に応じた精度管理試料2についての測定を実行したか否かを判定する(ステップS103−18)。この判定の結果、精度管理試料2についての測定が実行済みでない場合(ステップS103−18のNo)、制御部401は、ステップS103−2と同様に、第1試薬保冷庫180を回転軸181を中心として周回させることで、第1試薬分取位置183に目的の分析項目に応じた精度管理試料2が貯溜された管理試料ボトル502を配置させる(ステップS103−19)。その後、制御部401は、ステップS103−3からS103−17を用いて説明した動作を実行することで、上記と異なる対象キュベットC内に精度管理試料2と第1試薬とからなる反応液LCを生成してこれを透過した光の強度を測定し、この測定結果を分析部402において分析して得られた結果を外部記憶部420に保存する。
また、ステップS103−18の判定の結果、目的として選択されている分析項目に応じた精度管理試料2についての測定が実行済みである場合(ステップS103−18のYes)、制御部401は、測定が実行済みでない他の分析項目が存在するか否かを判定する(ステップS103−20)。
ステップS103−20の判定の結果、測定が実行済みでない他の分析項目が存在する場合(ステップS103−20のYes)、制御部401は、測定が実行済みでない他の分析項目のうちいずれかを選択し、これを目的の分析項目とする(ステップS103−21)。その後、制御部401は、ステップS103−2からS103−20を用いて説明した動作を実行することで、目的の分析項目として選択した精度管理試料1および2並びにこの分析項目に応じた第1試薬を用いた分析を実行する。なお、分析部402において得られた分析結果は、外部記憶部420に保存される。また、ステップS103−20の判定の結果、測定が実行済みでない他の分析項目が存在しない場合(ステップS103−20のNo)、制御部401はステップS103の分析管理処理を終了し、図5に示す管理分析処理にリターンする。
・・精度管理結果表示
次に、図5のステップS104に示す精度管理結果表示処理を説明するにあたり、先に、本実施の形態による精度管理結果表示処理においてユーザへ表示される画面について説明する。
本実施の形態では、精度管理結果として、例えば、精度管理結果確認画面(最新)10(図8参照)と、精度管理結果確認画面(個別)20(図9参照)と、精度管理結果確認画面(トレンド)30と、をユーザへ提示する。この提示は、上記各画面を制御端末400における表示部404に表示することで実現される。
・・・精度管理結果確認画面(最新)
ここで、精度管理結果確認画面(最新)10(第1画面)について、図8を用いて詳細に説明する。図8は、本実施の形態による精度管理結果確認画面(最新)10の一例を示す画面図である。図8に示すように、精度管理結果確認画面(最新)10は、画面の切り換えやグラフの切り換え等の各種操作を入力するための操作領域11と、分析結果より求めた精度管理値がプロットされたグラフを表示するための表示領域12と、を含む。
表示領域12には、図6に示す管理分析処理を行なった日時(測定日時)13と、上述したように精度管理値が2次元プロットされた2次元グラフ15と、が表示される。
なお、精度管理値は、例えば図7に示す分析結果蓄積テーブル421における分析結果に含まれる吸光度などの種々のパラメータを所定の関数に代入することで導出された数値である。また、この導出にあたっては、各パラメータの分析精度に対する寄与度や自動分析装置1000ごとの特性差などに従って重み付けがされるなど、過去の実験や運用等で得られた経験則などに基づいて最適と考えられる関数が用いられるとよい。
また、2次元グラフ15は、精度管理値から推定される分析精度が通常の分析を行なう上で許容できる範囲(以下、許容範囲という)内であることを示す領域(精度管理許容範囲15a)と、それ以外の領域、すなわち分析精度が許容できない範囲を示す領域(2次元グラフ15における精度管理許容範囲15a以外の領域:精度管理不許容範囲)とからなる。
また、2次元グラフ15は、横軸が例えば精度管理試料1の分析結果を示し、縦軸が例えば精度管理試料2の分析結果を示す。したがって、これに描画された各プロット16または16aは、1つの分析項目についての精度管理試料1の分析結果と精度管理試料2の分析結果との両方を示している。本実施の形態では、ある分析項目についての精度管理試料1および2両方の分析結果が許容範囲内にある場合、この分析項目についての測定結果を示すプロット16は、2次元グラフ15における精度管理許容範囲15a内に描画される。一方、精度管理試料1および2の少なくとも一方の分析結果が許容範囲外である場合、この分析項目についての測定結果を示すプロット16aは、精度管理許容範囲15a外に描画される。
さらに、2次元グラフ15には、全ての分析項目についての分析結果を示すプロット16および/または16aが描画される。したがって、本実施の形態によれば、複数の分析項目についての分析精度を一度に確認させることも可能となる。
このように本実施の形態では、同一の分析項目に関する複数の精度管理試料(1、2)についての分析結果を1つのグラフ(2次元グラフ15)で表示するため、ユーザに容易に分析結果を視認させて分析精度を確認させ得る確認画面(精度管理結果確認画面(最新)10)を実現することが可能となる。ただし、本発明ではこれに限定されず、少なくとも分析精度が許容できるものと許容できないものとを目視により確認できるように表示するものであれば、如何様にも変形することが可能である。
また、2次元グラフ15では、縦軸および横軸それぞれの中心を通る各ラインが各分析項目における管理目標値を表す。さらに、2次元グラフ15は、全ての分析項目についての精度管理許容範囲15aが互いに重畳する領域となるように、縦軸および横軸のレンジが設定されている。これにより、ユーザは共通の精度管理許容範囲15aに対して各分析項目の精度管理値が外れているかいないかを判定すれば良いため、視認による分析精度の確認をより容易化することが可能となる。なお、2次元グラフ15の表示レンジは、各分析項目についての精度管理許容範囲15aを基準に決定されるため、2次元グラフ15の表示レンジに含まれない精度管理値が導出されてしまう場合がある。このような場合、この精度管理値は、例えば2次元グラフ15の外縁またはこれよりも微小に内側の精度管理不許容範囲にプロットされる。
また、本実施の形態による制御端末400は、例えばマウス等を用いるGUI(Graphical User Interface)機能を搭載したPC(Personal Computer)などで構成される。そこで本実施の形態では、いずれかのプロット16または16aにポインタ17を合わせた場合、このプロット16または16aに対応する分析項目を特定するための情報、例えば項目名を、ポップアップ18などの構成を用いて表示してもよい。
この他、本実施の形態では、精度管理許容範囲15a外のプロット16a(第1マーク)を例えば精度管理許容範囲15a内のプロット16(第2マーク)と異なる色や大きさなどを用いて協調表示させたり、点滅表示させたりしても良い。さらに、このプロット16aについての分析項目を特定するための情報(例えば項目名)を、ポインタ17の位置に関係なく、ポップアップ18aなどを用いて表示してもよい。これにより、予め設定しておいた精度管理許容範囲15aから外れた分析項目についての注意をユーザに喚起することが可能となる。
また、ユーザが入力部403を用いて2次元グラフ15におけるいずれかのプロット16または16aを選択した場合、本実施の形態では、選択されたプロット16または16aに対応する分析項目についての分析結果の詳細を表示するように構成してもよい。なお、この詳細を表示する画面(精度管理結果確認画面(個別)20)の例については、後述において図9を用いて詳細に説明する。
一方、操作領域11には、過去の分析結果を2次元グラフ15に表示する操作をユーザに入力させるための操作ボタンを1つ以上含む操作ボタン群11aと、表示部404に表示する画面を最新の分析結果と過去の分析結果とを含む複数回分の分析結果を1つの画面で表示する画面(精度管理結果確認画面(トレンド)30)に切り替える操作をユーザに入力させるための画面切替ボタン(『トレンド』ボタン)を1つ以上含む画面切替ボタン群11bと、が表示される。このような各種ボタンを画面中に組み込むことで、画面の切り替え操作をスムーズに行なうことが可能となるため、分析精度の確認作業を容易化することができる。
例えば、ユーザが操作ボタン群11aにおけるいずれかの操作ボタンを入力部403を用いて選択すると、制御部401は、外部記憶部420に保存されている過去分の分析結果を取得し、これを用いて精度管理結果確認画面(最新)10を生成して表示部404に表示する。また、制御部401は、ある過去分の分析結果の精度管理結果確認画面(最新)10を生成して表示させた後、一定期間経過後、さらに過去の分の分析結果を取得し、これの精度管理結果確認画面(最新)10を生成して表示させことも可能である。
また、ユーザが画面切替ボタン群11bにおけるいずれかの画面切替ボタンを入力部403を用いて選択すると、制御部401は、外部記憶部420に保存されている最新の分析結果と過去分の1つ以上の分析結果とを取得し、これを用いて後述する精度管理結果確認画面(トレンド)30(図10参照)を生成し、これを表示部404に表示する。なお、精度管理結果確認画面(トレンド)30の例については、後述において図10を用いて詳細に説明する。
・・・精度管理結果確認画面(個別)
次に、精度管理結果確認画面(個別)20の一例について、図面を用いて詳細に説明する。図9は、本実施の形態による精度管理結果確認画面(個別)20の一例を示す画面図である。図9に示すように、精度管理結果確認画面(個別)20は、画面の切り替えやグラフの切り替え等の各種操作を入力するための操作領域11と、選択された分析項目に関する詳細な分析結果を表示するための詳細表示領域22と、を含む。
詳細表示領域22には、図6に示す管理分析処理を行なった日時(測定日時)13と、対象の分析項目に関する詳細な分析結果を詳細表示領域23aおよび吸光度の時間的変化をグラフ化したリアクションモニタグラフ23bを表示する表示領域22aと、が表示される。詳細表示領域23aには、図9に示す各項目の他に、分析結果の日内変動や日差変動やツインプロットなどを表示してもよい。また、表示領域22aには、この表示領域22aの表示域を上下または左右にスクロールする指示をユーザに入力させるためのスクロールバー22sが設けられている。
一方、操作領域11には、対象の分析項目に関する過去の詳細な分析結果を表示する操作をユーザに入力させるための操作ボタンを1つ以上含む操作ボタン群11aと、表示部404に表示する画面を図8の精度管理結果確認画面(最新)10に切り替える操作をユーザに入力させるための画面切替ボタン(『最新』ボタン)を1つ以上含む画面切替ボタン群11bと、が表示される。なお、各ボタンがクリック(選択)された際の動作は、図8における操作領域11の各ボタンがクリックされた際の動作と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
・・・精度管理結果確認画面(トレンド)
次に、精度管理結果確認画面(トレンド)30(第2画面)の一例について、図面を用いて詳細に説明する。図10は、本実施の形態による精度管理結果確認画面(トレンド)30の一例を示す画面図である。図10に示すように、精度管理結果確認画面(トレンド)30は、画面の切り替えやグラフの切り替え等の各種操作を入力するための操作領域11と、分析結果がプロットされたグラフを複数表示するための表示領域32と、を含む。
表示領域32には、最新の分析結果が2次元プロットされた2次元グラフ35aおよび過去の分析結果が2次元プロットされた1つ以上の2次元グラフ35bと、2次元グラフ35a、35b毎にこれの分析結果を取得する管理分析処理を行なった日時(測定日時)33a、33bと、が表示される。
各2次元グラフ35a、35bは、図8に示す2次元グラフ15と同様である。したがって、ユーザは、表示領域32に配列された2次元グラフ35aおよび35bを測定日時33aおよび35bに従って見比べることで、分析精度の経時的変化を目視により認識することが可能である。なお、精度管理結果確認画面(トレンド)30における2次元グラフ35aおよび35bは、精度管理結果確認画面(最新)10における2次元グラフ15と比較して縮小表示されていてもよい。これにより、最新の分析結果と過去1回以上分の分析結果とを1画面で表示することが可能となるため、より容易に分析精度の経時的変化を目視により認識させることが可能となる。また、このように経時的変化を容易に確認できる構成とすることで、分析精度の変化傾向を容易に認識させることが可能となる。さらに、このように経時的変化を容易に確認できる構成とすることで、不具合が生じた場合にこの原因を容易に特定することが可能となる。
また、他の構成は、図8に示す精度管理結果確認画面(最新)10と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
また、以上のような画面(10、20、30)は、例えばユーザが制御端末400の入力部403から印刷指示を入力することで、図示しないプリンタよりプリントアウトすることが可能である(印刷手段/ステップ)。これにより、紙ベースで精度管理結果を保存・管理することが可能となる。
・・精度管理結果表示処理
次に、図5のステップS104に示す精度管理結果表示処理について、詳細に説明する。図11は、本実施の形態による精度管理結果表示処理の流れを示すフローチャートである。ただし、以下の説明では、簡略化のため、各画面(10、20、30)の画面切替ボタン群11bにおけるいずれかの画面切替ボタンまたは2次元グラフ15に表示されたプロット16および16aのいずれかが選択された場合の動作に着目して説明する。
本実施の形態による精度管理結果表示処理では、図11に示すように、制御部401は、まず、図6に示す管理分析処理によって得られた精度管理試料1および2についての最新の分析結果を外部記憶部420から取得し(ステップS104−1)(分析結果取得手段/ステップ)、取得した分析結果から所定の関数を用いて分析項目および精度管理試料の組み合わせそれぞれについての精度管理値を算出する(ステップS104−2)(精度管理値導出手段/ステップ)。
次に制御部401は、算出した精度管理値がプロットされた2次元グラフ15を生成し(ステップS104−3)(グラフ生成手段/ステップ)、これを精度管理結果確認画面(最新)10のソースファイルに組み込むことで、図8に示すような精度管理結果確認画面(最新)10を生成する(ステップS104−4)(第1画面生成手段/ステップ)。また、制御部401は、生成した精度管理結果確認画面(最新)10を制御端末400における表示部404に表示する(ステップS104−5)(表示手段/ステップ)。なお、本実施の形態では、精度管理結果確認画面(最新)10を含む各画面(図8〜図10参照)のソースファイルのひな型が予め例えばHTML(HyperText Markup Language)形式やXML(Extensible Markup Language)形式等で作成されており、これらが例えば外部記憶部420から適宜読み出される。したがって、制御部401は、例えば、外部記憶部420からソースファイルを読み出し、これの所定箇所に生成した2次元グラフ15(図8参照)へのリンクを組み込むことで、各画面(10、20、30等)を表示するためのデータを生成する。
次に制御部401は、精度管理結果表示処理の終了指示(以下、表示終了指示という)がユーザから入力されたか否かを判断する(ステップS104−6)。これは例えば、制御部401が、入力部403のキーボードにおけるエスケープ(Esc)キーがユーザにより押下されたか否かを判断することで実現することができる。表示終了指示が入力された場合(ステップS104−6のYes)、制御部401は、精度管理結果表示処理を終了し、図5に示す管理分析処理にリターンする。
一方、表示終了指示が入力されていない場合(ステップS104−6のNo)、制御部401は、次に、表示中の画面(10、20、30)の画面切替ボタン群11bにおけるいずれかの画面切替ボタン、もしくは、2次元グラフ(15、35a、35b)におけるいずれかのプロット(16、16a)が入力部403(入力手段)を用いてポインタ17を操作することでクリック(選択)されたか否かを判断する(入力ステップ)。この判断において、制御部401は、まず、画面切替ボタンである『最新』ボタンがクリックされたか否かを判断する(ステップS104−7)。なお、『最新』ボタンは、ユーザが図8に示す精度管理結果確認画面(最新)10を表示部404に表示させる指示を入力するための画面切替ボタンである。
『最新』ボタンがクリックされた場合(ステップS104−7のYes)、制御部401は、ステップS104−1へ帰還して精度管理結果確認画面(最新)10の生成および表示(ステップS104−1〜S104−5)をした後、ステップS104−6の判断を実行する。
一方、『最新』ボタンがクリックされていない場合(ステップS104−7のNo)、制御部401は、次に、『トレンド』ボタンがクリックされたか否かを判断する(ステップS104−8)。なお、『トレンド』ボタンは、ユーザが図10に示す精度管理結果確認画面(トレンド)30を表示部404に表示させる指示を入力するための画面切替ボタンである。
『トレンド』ボタンがクリックされた場合(ステップS104−8のYes)、制御部401は、外部記憶部420の分析結果蓄積テーブル421に記録されている分析結果のうち、最新の分析結果と過去所定回数分(本例では1回分)の分析結果とを取得し(ステップS104−9)、取得した分析結果それぞれから所定の関数を用いて分析項目および精度管理試料の組み合わせそれぞれについての精度管理値を算出する(ステップS104−10)。
次に制御部401は、算出した精度管理値がプロットされた2次元グラフ35aおよび35bを生成し(ステップS104−11)、これを精度管理結果確認画面(トレンド)30のソースファイルに組み込むことで、図10に示すような精度管理結果確認画面(トレンド)30を生成する(ステップS104−12)。また、制御部401は、生成した精度管理結果確認画面(トレンド)30を制御端末400における表示部404に表示する(ステップS104−13)。その後、制御部401は、ステップS104−6へ帰還する。
一方、『トレンド』ボタンがクリックされていない場合(ステップS104−8のNo)、制御部401は、次に、2次元グラフ15、35aまたは35bにおける個別のプロット16または16aがクリックされたか否かを判断する(ステップS104−14)。
個別のプロット16または16aがクリックされた場合(ステップS104−14のYes)、制御部401は、クリックされたプロット16または16aに対応付けられた分析項目を特定する(ステップS104−15)。なお、各プロット16および16aと分析項目との対応は、例えば記憶部405において管理されている。
次に制御部401は、特定した分析項目についての詳細な分析結果を外部記憶部420より取得する(ステップS104−16)。次に制御部401は、取得した詳細な分析結果を用いてリアクショングラフ23bを生成し、これと詳細な分析結果に含まれる他のパラメータとを精度管理結果確認画面(個別)のソースファイルに組み込むことで、図9に示すような精度管理結果確認画面(個別)20を生成し(ステップS104−17)(第2画面生成手段/ステップ)、これを制御端末400における表示部404に表示する(ステップS104−18)。その後、制御部401は、ステップS104−6へ帰還する。
以上のような構成および動作により、本実施の形態では、複数の分析項目それぞれに関して取得した複数の精度管理試料についての分析精度を示す精度管理値を1つの2次元グラフ15に描画して表示することが可能であるため、画面を切り替えるなどの煩雑な作業を必要とすることなく、複数の分析項目それぞれに関する複数の管理試薬についての分析精度を視認によって容易に確認することが可能となる。また、各分析項目についての詳細な分析結果を参照したい場合、ユーザは精度管理結果確認画面(最新)10または精度管理結果確認画面(トレンド)30の2次元グラフ15、35aまたは35bにおけるプロット16または16aをクリックすれば良いため、分析精度全体を表示する画面と個別の分析結果の詳細を表示する画面とのスムーズな切り替えが可能である。
<実施の形態2>
次に、本発明の実施の形態2による自動分析装置について詳細に説明する。なお、本実施の形態による自動分析装置の構成および動作は、本発明の実施の形態1による自動分析装置1000と同様である。したがって、本実施の形態では、これを引用することで、その詳細な説明を省略する。ただし、本実施の形態による自動分析装置では、図8に示す精度管理結果確認画面(最新)10と図10に示す精度管理結果確認画面(トレンド)30とが図12に示す精度管理結果確認画面(最新)40と図13に示す精度管理結果確認画面(トレンド)50とにそれぞれ置き換えられる。
・・・精度管理結果確認画面(最新)
本実施の形態による精度管理結果確認画面(最新)40は、図12に示すように、画面の切り替えやグラフの切り替え等の各種操作を入力するための操作領域11と、分析結果がプロットされたグラフを表示するための表示領域42と、を含む。
表示領域42には、図6に示す管理分析処理と同様の管理分析処理を行なった日時(測定日時)13と、この管理分析処理により得られた分析結果がプロットされたグラフ45と、が表示される。
グラフ45は、下限45LLと上限45ULとで挟まれた領域である精度管理許容範囲45aと、精度管理許容範囲45a外の領域と、からなる。このグラフ45は、縦軸が分析結果として得られた値を示し、横軸が複数の分析項目のうちいずれかの分析項目を示す2次元グラフである。したがって、グラフ45では、複数の分析項目についての分析結果が横方向に並列表示されている。隣接する分析項目は、所定間隔を隔てて配置される。
グラフ45には、分析項目それぞれについて、精度管理試料1と精度管理試料2との分析結果がそれぞれ別々のプロット46、46a、47または47aで描画されている。例えば精度管理試料1についての分析結果を示すプロット46、46aは、精度管理試料2についての分析結果を示すプロット47、47aと異なる形状または色などで表現される。
また、本実施の形態では、ある分析項目についての精度管理試料1の分析結果が許容範囲内にある場合、この分析項目についての分析結果を示すプロット46はグラフ45における精度管理許容範囲45a内に描画され、同じくある分析項目についての精度管理試料2の分析結果が許容範囲内にある場合、この分析項目についての分析結果を示すプロット47はグラフ45における精度管理許容範囲45a内に描画される。一方、精度管理試料1の分析結果が許容範囲外である場合、この分析項目についての分析結果を示すプロット46aは精度管理許容範囲15a外に描画され、同じく精度管理試料2の分析結果が許容範囲外である場合、この分析項目についての分析結果を示すプロット47aは精度管理許容範囲45a外に描画される。
さらに、グラフ45には、全ての分析項目についての分析結果を示すプロット46、46a、47および/または47aが描画される。したがって、本実施の形態によれば、複数の分析項目についての分析精度を1つのグラフ(グラフ45)で確認させることも可能となる。
このように本実施の形態では、同一の分析項目に関する複数の精度管理試料についての分析結果を1つのグラフ(グラフ45)で表示するため、ユーザに容易に分析結果を視認させて分析精度を確認させ得る確認画面(精度管理結果確認画面(最新)40)を実現することが可能となる。
また、グラフ45では、縦軸および横軸それぞれの中心を通る各ラインが各分析項目における管理目標値を表す。さらに、グラフ45は、全ての分析項目についての精度管理許容範囲45aが縦軸方向において幅の等しい帯状の領域で表示されるように、縦軸のレンジが設定されている。これにより、ユーザは分析項目の配列方向である横方向に延在する帯状の精度管理許容範囲45aに対して各分析項目の精度管理値が外れているかいないかを判定すれば良いため、視認による分析精度の確認をより容易化することが可能となる。
また、表示領域42には、この表示領域42の表示域を左右にスクロールする指示をユーザに入力させるためのスクロールバー42sが設けられている。これにより、一度に表示しきれない分析項目についての分析結果も1つのグラフに組み込むことが可能となる。なお、スクロールする方向は左右に限らず、上下であってもよい。この場合、グラフ45は、上下方向に複数段とされる。ただし、本発明ではこれに限定されず、例えばグラフ45において横方向に配列させる分析項目の間隔を適宜狭めることで、全ての分析項目についての分析結果を一度に表示できるように構成してもよい。
なお、本実施の形態では、精度管理許容範囲45a外のプロット46a、47aを例えば精度管理許容範囲45a内のプロット46、47と異なる色や大きさなどを用いて強調表示させたり、点滅表示させたりしても良い。また、ユーザが入力部403を用いてグラフ45におけるいずれかのプロット46、46a、47または47a、あるいは、グラフ45下部に描画された項目名を選択した場合、本実施の形態では、選択されたプロットまたは項目名に対応する分析項目についての分析結果の詳細を表示するように構成してもよい。なお、この詳細を表示する精度管理結果確認画面(個別)20は、本発明の実施の形態1において図9を用いて説明した画面と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
一方、操作領域11には、本発明の実施の形態1と同様に、操作ボタン群11aと画面切替ボタン群11bとが表示される。
・・・精度管理結果確認画面(トレンド)
次に、精度管理結果確認画面(トレンド)50の一例について、図面を用いて詳細に説明する。図13は、本実施形態による精度管理結果確認画面(トレンド)50の一例を示す画面図である。図13に示すように、本実施の形態による精度管理結果確認画面(トレンド)50は、画面の切り替えやグラフの切り替え等の各種操作を入力するための操作領域11と、分析結果がプロットされたグラフを表示するための表示領域52と、を含む。
表示領域52には、最新の分析結果と過去の分析結果とがプロットされたグラフ55と、最新の分析結果を取得する管理分析処理を行なった日時(測定日時)53aと、過去の分析結果を取得する管理分析処理を行なった日時(測定日時)53bと、が表示される。
グラフ55は、図12に示すグラフ45と同様のグラフに、分析項目ごとの最新の分析結果を示すプロット46、46a、47および/または47aと、同じく分析項目ごとの過去の分析結果を示すプロット56、56a、57および/または57aと、が描画される。したがって、ユーザは、表示領域52に表示されたグラフ55を測定日時53aおよび53bに従って見比べることで、分析精度の経時的変化を目視により認識することが可能である。これにより、最新の分析結果と過去1回以上分の分析結果とを1つのグラフで表示することが可能となるため、より容易に分析精度の経時的変化を目視により認識させることが可能となる。また、このように経時的変化を容易に確認できる構成とすることで、分析精度の変化傾向を容易に認識させることが可能となる。さらに、このように経時的変化を容易に確認できる構成とすることで、不具合が生じた場合にこの原因を容易に特定することが可能となる。
また、他の構成は、図12に示す精度管理結果確認画面(最新)40と同様であるため、ここでは詳細な説明を省略する。
以上のような構成および動作により、本実施の形態では、本発明の実施の形態1と同様に、複数の分析項目それぞれに関して取得した複数の精度管理試料についての分析精度を示す精度管理値を1つのグラフ45に描画して表示することが可能であるため、画面を切り替えるなどの煩雑な作業を必要とすることなく、複数の分析項目それぞれに関する複数の管理試薬についての分析精度を視認によって容易に確認することが可能となる。また、各分析項目についての詳細な分析結果を参照したい場合、ユーザは精度管理結果確認画面(最新)40または精度管理結果確認画面(トレンド)50のグラフ45、55におけるプロット46、46a、47、47a、56、56a、57または57aをクリックすれば良いため、分析精度全体を表示する画面と個別の分析結果の詳細を表示する画面とのスムーズな切り替えが可能である。
また、上記実施の形態は本発明を実施するための例にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、仕様等に応じて種々変形することは本発明の範囲内であり、更に本発明の範囲内において、他の様々な実施の形態が可能であることは上記記載から自明である。
本発明の実施の形態1または2による自動分析装置の概略構成を示す模式図である。 本発明の実施の形態1または2において使用するキュベットの概略構成を示す斜視図である。 図2Aに示すキュベットの変形例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1または2による反応槽におけるキュベットホルダの概略構成を示す上視図である。 図3のA−A’断面の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施の形態1または2による分析精度確認動作の概略を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1または2による管理分析処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1または2による分析結果蓄積テーブルの一例を示す図である。 本発明の実施の形態1による精度管理結果確認画面(最新)の一例を示す画面図である。 本発明の実施の形態1または2による精度管理結果確認画面(個別)の一例を示す画面図である。 本発明の実施の形態1による精度管理結果確認画面(トレンド)の一例を示す画面図である。 本発明の実施の形態1または2による精度管理結果表示処理の流れを示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2による精度管理結果確認画面(最新)の一例を示す画面図である。 本発明の実施の形態2による精度管理結果確認画面(トレンド)の一例を示す画面図である。
符号の説明
1000 自動分析装置
10、40 精度管理結果確認画面(最新)
11 操作領域
11a 操作ボタン群
11b 画面切替ボタン群
12、22a、32、42、52 表示領域
13、33a、33b、53a、53b 測定日時
15、35a、35b 2次元グラフ
15a、45a 精度管理許容範囲
16、16a、46、46a、47、47a、56、56a、57、57a プロット
17 ポインタ
18、18a ポップアップ
20 精度管理結果確認画面(個別)
22 詳細表示領域
22s、42s スクロールバー
23a パラメータ表示領域
23b リアクショングラフ
30、50 精度管理結果確認画面(トレンド)
45、55 グラフ
45LL 下限
45UL 上限
110 検体分注ユニット
120 反応槽
121 回転軸
124 第1試薬分注位置
160 第1攪拌ユニット
170 第1試薬分注ユニット
173 第1試薬プローブ
180 第1試薬保冷庫
181 回転軸
182 第1試薬ボトル
183 第1試薬分取位置
190 第1試薬プローブ洗浄ユニット
210 光源ランプユニット
211 受光ユニット
230 第2試薬保冷庫
400 制御端末
401 制御部
402 分析部
403 入力部
404 表示部
405 記憶部
420 外部記憶部
502 管理試料ボトル
C キュベット
LC 反応液

Claims (18)

  1. 複数の分析項目それぞれに関して複数の精度管理試料についての分析結果をそれぞれ取得する分析結果取得手段と、
    前記分析項目と前記精度管理試料との組み合わせそれぞれについての分析精度を示す精度管理値を前記分析結果を用いてそれぞれ導出する精度管理値導出手段と、
    前記精度管理値がプロットされたグラフを生成するグラフ生成手段と、
    前記グラフを含む第1画面を生成する第1画面生成手段と、
    前記第1画面を表示する表示手段と、
    を備えたことを特徴とする自動分析装置。
  2. 前記複数の精度管理試料は、第1精度管理試料と第2精度管理試料とを含み、
    前記グラフは、縦軸が前記第1精度管理試料について導出された第1精度管理値を示し、横軸が前記第2精度管理試料について導出された第2精度管理値を示す2次元グラフであることを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
  3. 前記グラフ生成手段は、前記分析項目と精度管理試料との組み合わせそれぞれについて許容範囲と不許容範囲とが設定された前記グラフであって、全ての分析項目についての各許容範囲が互いに重畳する領域で表示されるように設定された前記グラフに前記精度管理値をプロットすることを特徴とする請求項2記載の自動分析装置。
  4. 前記複数の精度管理試料は、第1精度管理試料と第2精度管理試料とを含み、
    前記グラフは、縦軸が前記第1および第2精度管理試料の精度管理値を示し、横軸が前記複数の分析項目を示す2次元グラフであることを特徴とする請求項1記載の自動分析装置。
  5. 前記グラフ生成手段は、前記分析項目と精度管理試料との組み合わせそれぞれについて許容範囲と不許容範囲とが設定された前記グラフであって、全ての分析項目についての各許容範囲が前記横軸方向において幅の等しい帯状の領域で表示されるように設定された前記グラフに前記精度管理値をプロットすることを特徴とする請求項4記載の自動分析装置。
  6. 日時情報に対応付けて前記分析結果を管理する管理手段を備え、
    前記精度管理値導出手段は、2つ以上の日時情報にそれぞれ対応付けられている分析結果を前記管理手段から取得して、該取得した分析結果を用いて前記2つ以上の日時情報に対応する精度管理値をそれぞれ導出し、
    前記グラフ生成手段は、前記2つ以上の精度管理値を前記グラフにプロットすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の自動分析装置。
  7. 前記不許容範囲内にプロットされた精度管理値を表示する第1マークは、前記許容範囲内にプロットされた精度管理値を表示する第2マークと比較して協調表示されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の自動分析装置。
  8. 前記分析項目についての分析結果が含まれる第2画面を生成する第2画面生成手段と、
    いずれかの分析項目についての前記第2画面を前記表示手段に表示させる指示をユーザに入力させる入力手段と、
    を備え、
    前記第1画面生成手段は、前記表示手段に前記第2画面を表示させる指示をユーザに入力させるための画面切替ボタンを含む前記第1画面を生成し、
    前記表示手段は、前記画面切替ボタンが選択された場合、前記第2画面を表示することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の自動分析装置。
  9. 前記第1画面を印刷する印刷手段を備えたことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載の自動分析装置。
  10. 複数の分析項目それぞれに関して複数の精度管理試料についての分析結果をそれぞれ取得する分析結果取得ステップと、
    前記分析項目と前記精度管理試料との組み合わせそれぞれについての分析精度を示す精度管理値を前記分析結果を用いてそれぞれ導出する精度管理値導出ステップと、
    前記精度管理値がプロットされたグラフを生成するグラフ生成ステップと、
    前記グラフを含む第1画面を生成する第1画面生成ステップと、
    前記第1画面を表示する表示ステップと、
    を含むことを特徴とする精度管理結果表示方法。
  11. 前記複数の精度管理試料は、前記第1精度管理試料と第2精度管理試料とを含み、
    前記グラフは、縦軸が前記第1精度管理試料について導出された第1精度管理値を示し、横軸が前記第2精度管理試料について導出された第2精度管理値を示す2次元グラフであることを特徴とする請求項10記載の精度管理結果表示方法。
  12. 前記グラフ生成ステップは、前記分析項目と精度管理試料との組み合わせそれぞれについて許容範囲と不許容範囲とが設定された前記グラフであって、全ての分析項目についての各許容範囲が互いに重畳する領域で表示されるように設定された前記グラフに前記精度管理値をプロットすることを特徴とする請求項11記載の精度管理結果表示方法。
  13. 前記複数の精度管理試料は、第1管理試料と第2精度管理試料とを含み、
    前記グラフは、縦軸が前記第1および第2精度管理試料の精度管理値を示し、横軸が前記複数の分析項目を示す2次元グラフであることを特徴とする請求項10記載の精度管理結果表示方法。
  14. 前記グラフ生成ステップは、前記分析項目と精度管理試料との組み合わせそれぞれについて許容範囲と不許容範囲とが設定された前記グラフであって、全ての分析項目についての各許容範囲が前記横軸方向において幅の等しい帯状の領域で表示されるように設定された前記グラフに前記精度管理値をプロットすることを特徴とする請求項13記載の精度管理結果表示方法。
  15. 日時情報に対応付けて前記分析結果を管理する管理ステップを備え、
    前記精度管理値導出ステップは、2つ以上の日時情報にそれぞれ対応付けられている分析結果を取得して、該取得した分析結果を用いて前記2つ以上の日時情報に対応する精度管理値をそれぞれ導出し、
    前記グラフ生成ステップは、前記2つ以上の精度管理値を前記グラフにプロットすることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一つに記載の精度管理結果表示方法。
  16. 前記不許容範囲内にプロットされた精度管理値を表示する第1マークは、前記許容範囲内にプロットされた精度管理値を表示する第2マークと比較して協調表示されていることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一つに記載の精度管理結果表示方法。
  17. 前記分析項目についての分析結果が含まれる第2画面を生成する第2画面生成ステップと、
    いずれかの分析項目についての前記第2画面を前記表示手段に表示させる指示をユーザに入力させる入力ステップと、
    を含み、
    前記第1画面生成ステップは、前記表示手段に前記第2画面を表示させる指示をユーザに入力させるための画面切替ボタンを含む前記第1画面を生成し、
    前記表示ステップは、前記画面切替ボタンが選択された場合、前記第2画面を表示することを特徴とする請求項10〜16のいずれか一つに記載の精度管理結果表示方法。
  18. 前記第1画面を印刷する印刷ステップを含むことを特徴とする請求項10〜17のいずれか一つに記載の精度管理結果表示方法。
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