JP2010078420A - 電波方向探知装置およびビーム形成装置 - Google Patents

電波方向探知装置およびビーム形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】少ない演算量で電波方向を探知できる電波方向探知装置、および電波方向探知装置を用いたビーム形成装置を得る。
【解決手段】到来波を受信する複数のアンテナ1の受信信号に基づいて、到来波のステアリングベクトルを算出するベクトル算出部(10)と、ベクトル算出部により算出された、到来波のステアリングベクトルと、各方向に対応するステアリングベクトルとを照合し、一致したステアリングベクトルに対応する方向を前記到来波の方向として推定する電波方向推定部(20、21、30、40)とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、低演算量で高精度に電波方向を探知する電波方向探知装置、およびこのような電波方向探知装置を用いたビーム形成装置に関する。
図9は、従来の電波方向探知装置の構成図である。従来技術として、この図9のような構成を備えたビームフォーマ法による電波方向探知装置がある(例えば、非特許文献1参照)。この図9のビームフォーマ法による電波方向探知装置は、素子アンテナ1、ビーム形成荷重算出手段20、方向評価関数算出手段30、方向検出手段40、乗算器50、および合成器60を備えている。
素子アンテナ1は、複数のアンテナによりアレーアンテナを構成する。乗算器50は、複数の素子アンテナ1で受信される受信信号に対して、所定の方向にビームを形成するための荷重として、ビーム形成荷重算出手段20で算出されたビーム形成荷重を乗じる。合成器60は、乗算後の信号を合成してビーム信号を生成し、出力する。
方向評価関数算出手段30は、各方向に対応したビーム信号の電力を方向評価関数として計算する。そして、方向検出手段40は、電波の到来方向にビームを向けた場合に受信電力が大きくなる特徴を利用して、方向評価関数のピークから方向を検出する。
このように、従来のビームフォーマ法による電波方向探知装置は、ビームを走査した結果、受信電力の強い方向から電波の到来方向を知ることができる。従って、簡易な構成で電波方向探知を実現できるメリットがある。
「Pillai、Array Signal Processing、pp.17−pp.18、Springer Verlag、New York、1989」
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
従来のビームフォーマ法による電波方向探知装置は、1ビーム単位で全ての時間サンプルに荷重を乗じて合成する必要があり、さらにビームを走査するため、演算量が非常に多いという課題があった。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、少ない演算量で、かつ高精度で電波方向を探知できる電波方向探知装置、および電波方向探知装置を用いたビーム形成装置を得ることを目的とする。
本発明に係る電波方向探知装置は、到来波を受信する複数のアンテナの受信信号に基づいて、到来波のステアリングベクトルを算出するベクトル算出部と、ベクトル算出部により算出された到来波のステアリングベクトルと、各方向に対応するステアリングベクトルとを照合し、一致したステアリングベクトルに対応する方向を前記到来波の方向として推定する電波方向推定部とを備えたものである。
また、本発明に係るビーム形成装置は、到来波を受信する複数のアンテナの受信信号に基づいて、受信信号を最大比合成するための最大比合成荷重ベクトルを、到来波のステアリングベクトルとして算出する最大比合成荷重算出手段と、複数のアンテナを用いてビームを形成するためのビーム形成荷重ベクトルを、前記各方向に対応するステアリングベクトルの複素共役ベクトルとして算出するビーム形成荷重算出手段と、最大比合成荷重算出手段で算出された最大比合成荷重ベクトルと、ビーム形成荷重算出手段で算出されたビーム形成荷重ベクトルとの内積演算を行う内積演算手段と、内積演算手段による演算結果から到来波の方向評価関数を算出する方向評価関数算出手段と、方向評価関数算出手段で算出された方向評価関数のピークから到来波の方向を検出する方向検出手段と、方向検出手段で検出された方向に対応するビーム形成荷重ベクトルをビーム形成荷重算出手段から取得し、複数のアンテナの受信信号にそれぞれ乗じる乗算器と、乗算器による乗算結果を合成する合成器とを備えるものである。
本発明に係る電波方向探知装置によれば、複数のアンテナの受信信号から到来波のステアリングベクトルベクトルを算出し、ステアリングベクトルに基づいて到来波の方向を特定することにより、少ない演算量で、かつ高精度で電波方向を探知できる電波方向探知装置、および電波方向探知装置を用いたビーム形成装置を得ることができる。
以下、本発明の電波方向探知装置、および電波方向探知装置を用いたビーム形成装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における電波方向探知装置の構成図である。図1における電波方向探知装置は、素子アンテナ1、最大比合成荷重算出手段10、ビーム形成荷重算出手段20、内積演算手段21、方向評価関数算出手段30、および方向検出手段40を備えている。ここで、最大比合成荷重算出手段10は、ベクトル算出部に相当する。また、ビーム形成荷重算出手段20、内積演算手段21、方向評価関数算出手段30、および方向検出手段40は、電波方向推定部に相当する。
素子アンテナ1は、複数のアンテナによりアレーアンテナを構成する。最大比合成荷重算出手段10は、複数の素子アンテナ1で受信される受信信号を用いて、最大比合成荷重を、到来波のステアリングベクトルとして算出する。ビーム形成荷重算出手段20は、所定の方向にビームを形成するためのビーム形成荷重ベクトルを、各方向に対応するステアリングベクトルの複素共役ベクトルとして算出する。内積演算手段21は、最大比合成荷重で構成されるベクトル(最大比合成荷重ベクトル)と、ビーム形成荷重ベクトルとの内積演算を行う。方向評価関数算出手段30は、内積演算手段21の出力から方向評価関数を求める。さらに、方向検出手段40は、方向評価関数から方向を検出する。
ここで、先の図9に示した従来の電波方向探知装置と、図1に示した本実施の形態1における電波方向探知装置のそれぞれの演算量について説明する。まず始めに、従来技術である先の図9のビームフォーマ法による電波方向探知装置において、素子アンテナ数をM、相関サンプル数をK、評価方向数をPとした場合の複素乗算数について、以下に示す。
まず、各素子アンテナmの受信信号Xm(t)を要素としてもつ受信信号ベクトルXを、下式(1)のように定義する。ここに、tは時間、肩字のTは転置を表す。
Figure 2010078420
また、方向Pに対応するステアリングベクトルaを、下式(2)のように定義する。ステアリングベクトルを構成する要素ampは、素子アンテナmで方向pからの電波を受信する場合の基準点に対する位相差をφmp、振幅をbmpとするとき、amp=bmpexp(jφmp)で与えられる。
Figure 2010078420
さらに、複数のステアリングベクトルから構成される行列Aを、下式(3)のように定義する。
Figure 2010078420
方向pにビームを形成する場合、ビーム形成荷重ベクトルは、方向pに対応するステアリングベクトルをaの複素共役ベクトルとすればよいから、ビーム形成荷重ベクトルは、下式(4)のようになる。ここに、肩字の*は、複素共役を表す。
Figure 2010078420
このとき合成器60の出力として得られるp番目のビーム信号b(t)で構成されるビーム信号ベクトルは、下式(5)で与えられる。ここに、肩字のHは、複素共役転置(エルミート転置)を表す。
Figure 2010078420
p個のビーム形成に要する複素乗算回数は、MKP回であり、例として、素子数M=8、相関サンプル数K=100、評価方向数P=180とすると、複素乗算回数は、144、000となる。
次に、ここで得られた各ビーム信号の電力を、下式(6)のように求めて、方向評価関数を導出し、方向評価関数e(P)のピークから方向を求める。
Figure 2010078420
従って、方向評価関数を求めるための複素乗算回数は、KP回となる。前記の例(相関サンプル数K=100、評価方向数P=180)では、18、000回である。全体の演算量は、両者の合計による162、000回となり、非常に演算負荷が高いという課題があることが分かる。
これに対して、本実施の形態1の電波方向探知装置は、演算量を削減することを目的として、最大比合成荷重ベクトルとビーム形成荷重ベクトルとの内積演算により方向評価関数を求める。図1の構成に基づいて、アルゴリズムの詳細を以下に示す。
まず、最大比合成荷重算出手段10は、素子アンテナの受信信号x(t)と参照アンテナの受信信号x(t)との相関値を最大比合成荷重ベクトルcとして、下式(7)のように求める。ここに、E[]は時間平均を表し、ベクトルcの要素は、下式(8)のように定める。
Figure 2010078420
最大比合成荷重ベクトルとしてベクトルcの複素共役ベクトルcを指す場合もあるが、本明細書では、ベクトルcを最大比合成荷重ベクトルとよぶことにする。入射波の時間波形をs(t)、入射波の到来方向のステアリングベクトルをaとすると、受信信号ベクトルXは、下式(9)のように表せる。ここに、Nは各アンテナの受信器雑音信号で構成される受信器雑音ベクトルである。
Figure 2010078420
また、参照アンテナの受信信号は、下式(10)のように表される。
Figure 2010078420
そこで、上式(9)、(10)のそれぞれを、上式(7)に代入すれば、下式(11)を得る。ここに、Pは│s(t)│の時間平均で与えられる入射波信号の電力である。また、入射波信号や各アンテナの受信器雑音は統計的に独立であるとした。
Figure 2010078420
この結果から、最大比合成荷重ベクトルは、入射波の到来方向のステアリングベクトルaの定係数倍で与えられることが分かる。
参照用のアンテナとしては、素子アンテナ1とは別に用意することが望ましいが、何れかの素子アンテナ1の受信信号を用いてもよい。例えば、第1番目のアンテナの受信信号x(t)を参照用として用いる場合を考えると、ベクトルcの第1要素cに受信器雑音の電力成分が残る問題がある。そこで、ステアリングベクトルの他の各要素の絶対値がほぼ等しい場合には、要素cが自己相関値であって位相成分を持たない実数であるので、c=│c│として補正すれば雑音の影響をなくすことができる。また、次式(12)に示すように、他の要素の絶対値の平均値を要素cとして設定してもよい。
Figure 2010078420
次に、内積演算手段21は、次式(13)に示すように、最大比合成荷重算出手段10の出力ベクトルcと、上式(4)で示した方向Pにビームを形成するためのビーム形成荷重Wとの内積演算を行って、出力yを得る。
Figure 2010078420
次に、方向評価関数算出手段30は、上式(13)で求まるyの絶対値から、下式(14)のように、方向評価関数e(P)を求める。
Figure 2010078420
方向評価関数は、入射波のステアリングベクトルとビーム形成荷重ベクトルの複素共役とが一致する場合に最大となる。従って、方向検出手段40は、方向評価関数の最大ピークを検出することで、方向を検出することができる。
従来のビームフォーマ法についても同様に考察すると、方向Pのビーム信号b(t)は、上式(9)を用いて、下式(15)のように表される。
Figure 2010078420
上式(15)で表される信号の第1項の信号成分をbsP(t)として、絶対値の2乗を計算すると、下式(16)となる。
Figure 2010078420
上式(16)に示した従来のビームフォーマ法の方向評価関数と、先の式(14)に示した本実施の形態1の方向評価関数とを比較すると、定係数を除いて一致していることがわかる。従って、雑音の影響を除けば、等価な演算結果となることが分かる。
すなわち、従来法では、雑音電力の影響を受けるが、本実施の形態1の処理では、相互相関処理によって雑音成分が抑圧されるので、従来法よりも高い精度で方向探知できる効果がある。
次に、本実施の形態1の電波方向探知装置による演算量について示す。従来の例と同様に、M=8、相関サンプル数K=100、評価方向数P=180とする。このとき、最大比合成荷重算出手段での複素乗算回数は(M−1)Kであり、内積演算手段21での複素乗算回数はMPであり、方向評価関数算出手段30での複素乗算回数はPである。従って、M=8、K=100、P=180を用いてこれらの合計値を求めると、2、320回となる。これは、先に示したビームフォーマ法の複素乗算回数162、000回と比較して、1.4%程度であり、大幅な演算量削減が可能であることが分かる。
以上のように、実施の形態1によれば、最大比合成荷重算出手段の出力を到来波のステアリングベクトルとして用い、ビーム形成荷重算出手段の出力との内積演算によって方向評価関数を求め、このピークから方向を検出している。この結果、低い演算量で電波方向を探知することができる。さらに、最大比合成荷重は、異なるアンテナの受信信号の相互相関により求められるので、受信器雑音成分が抑圧され、従来のビームフォーマ法よりも高い精度で電波方向を探知することができる。
なお、ビーム形成荷重は、あらかじめ実測した値をデータベースとして保持しておいてもよいし、アンテナの位置とアンテナパターンからその方向に対応するステアリングベクトルの複素共役ベクトルとして算出してもよい。前者の場合、アンテナ間の相互結合や誤差の影響およびマルチパスを加味したステアリングベクトルを測定できるので、方向探知精度がよい。
実施の形態2.
素子アンテナ1がリニア等間隔アレーである場合には、隣接するアンテナ間の受信位相差は、等しい。従って、ビーム形成荷重の要素間の位相間隔は等しく、先の図1の構成におけるビーム形成荷重を用いた内積演算は、フーリエ変換に置きかえることができる。このフーリエ変換処理を空間フーリエ変換と呼ぶこととする。
図2は、本発明の実施の形態2における電波方向探知装置の構成図である。図2における電波方向探知装置は、リニア等間隔アレーで構成される素子アンテナ1、最大比合成荷重算出手段10、空間フーリエ変換手段22、および方向検出手段40を備えている。ここで、最大比合成荷重算出手段10は、ベクトル算出部に相当する。また、空間フーリエ変換手段22、および方向検出手段40は、電波方向推定部に相当する。
空間フーリエ変換手段22は、上式(8)に示した最大比合成荷重ベクトルの要素c、c、・・・、cに対して、下式(17)のような離散フーリエ変換処理を施して、yを得る。
Figure 2010078420
上式(17)の離散フーリエ変換処理は、Mが2のべき乗数である場合には、高速フーリエ変換の利用が可能であり、2のべき乗数で与えられない場合においても、cの後ろに0を付加して要素数を2のべき乗数とすることで、高速フーリエ変換を利用することが可能であり、さらなる演算量削減が可能である。
以上のように、実施の形態2によれば、最大比合成荷重算出手段の出力を到来波のステアリングベクトルとして用い、空間フーリエ変換手段によって方向評価関数を求め、このピークから方向を検出している。このように、素子アンテナ1がリニア等間隔アレーである場合には、ビーム形成荷重算出手段の出力との内積演算の代わりに、空間フーリエ変換手段を用いることにより、先の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
先の実施の形態2で示した図2の構成を備えた電波方向探知装置において、評価方向数Pは、素子アンテナ数Mと一致するため、空間分解能が悪いという課題がある。そこで、本実施の形態3では、このような課題を解決するための新たな構成について説明する。
図3は、本発明の実施の形態3における電波方向探知装置の構成図である。図3における電波方向探知装置は、素子アンテナ1、最大比合成荷重算出手段10、ビーム形成荷重算出手段20、内積演算手段21、空間フーリエ変換手段22、ビーム選択手段23、方向評価関数算出手段30、および方向検出手段40を備えている。ここで、最大比合成荷重算出手段10は、ベクトル算出部に相当する。また、ビーム形成荷重算出手段20、内積演算手段21、空間フーリエ変換手段22、ビーム選択手段23、方向評価関数算出手段30、および方向検出手段40は、電波方向推定部に相当する。
この図3の構成は、先の実施の形態1における図1の構成に対して、空間フーリエ変換手段22、およびビーム選択手段23をさらに付加した構成となっている。また、この図3の構成は、先の実施の形態2における図2の構成に対して、ビーム形成荷重算出手段20、内積演算手段21、ビーム選択手段23、および方向評価関数算出手段30をさらに付加した構成となっている。
図3に示す構成において、ビーム選択手段23は、空間フーリエ変換手段22の出力の絶対値の最も大きいビームを選択する。そして、ビーム選択手段23により選択されたビーム内の方向に限定して、先の実施の形態1と同様に、ビーム形成荷重ベクトルと最大比合成荷重ベクトルとの内積演算を行い、方向評価関数を算出している。
以上のように、実施の形態3によれば、先の実施の形態1の構成に対して、空間フーリエ変換手段およびビーム選択手段を付加することで、ビーム内の方向に限定することができ、評価方向数を大きく削減できる。この結果、先の実施の形態1、2と比較して、さらに演算量を削減しつつ、高い測角分解能を得ることができる。
実施の形態4.
図4は、本発明の実施の形態4におけるビーム形成装置の構成図である。この図4におけるビーム形成装置は、先の実施の形態1における図1の構成を備えた電波方向探知装置に対して、乗算器50と合成器60を付加した構成を示している。
乗算器50は、複数の素子アンテナ1で受信される受信信号に対して、所定の方向にビームを形成するための荷重として、ビーム形成荷重算出手段20で算出されたビーム形成荷重を乗じる。合成器60は、乗算後の信号を合成してビーム信号を生成し、出力する。
本実施の形態4のビーム形成装置は、実施の形態1と同様に最大比合成荷重算出手段10の出力するベクトルcと、方向Pにビームを形成するためのビーム形成荷重wとの内積演算を行う。さらに、本実施の形態4のビーム形成装置は、上式(13)に示したように、出力yを計算して方向評価関数e(P)を求める。
方向評価関数e(P)のピークを検出した結果得られる方向をPとすると、方向Pに対応するビーム形成荷重ベクトルwをビーム形成荷重算出手段20で求め、乗算器50によりアンテナ1の受信信号に乗算し合成する。この結果、下式(18)に示すように、到来方向にビームを形成した場合のビーム信号bPt(t)を得ることができる。
Figure 2010078420
以上のように、実施の形態4によれば、到来波の方向へビームを形成して受信するので、ビーム利得によって到来波をより強く受信できる効果がある。このようなビーム形成装置として、従来、最大比合成荷重によりビームを形成するものがあった。しかしながら、最大比合成荷重は、受信信号から求めるので、受信器雑音の影響を受けてしまう課題、あるいはマルチパス波も取り込むようにビームを形成してしまう課題があった。
これに対し、本実施の形態4では、理想的に計算されたビーム形成荷重ベクトルが方向探知の結果選ばれるので、雑音やマルチパスの影響を受けにくいという効果がある。また、先の実施の形態1と同様に、少ない演算量で電波方向探知が可能なので、従来のマルチビームやビーム走査によるビーム形成装置に比べ、低演算量なビーム形成装置を得ることができる。
実施の形態5.
図5は、本発明の実施の形態5における電波方向探知装置の構成図である。本実施の形態5における図5の構成は、先の実施の形態1における図1の構成に加えて、さらに、電波方向推定部として、ΣΔ算出手段70、およびモノパルス測角手段80を備えている。
ΣΔ算出手段70は、複数の素子アンテナ1で受信される受信信号と、所定の方向にビームを形成するための荷重としてビーム形成荷重算出手段20で算出されたビーム形成荷重との和信号であるΣ信号、および差信号であるΔ信号を算出する。モノパルス測角手段80は、ΣΔ算出手段70で算出されたΣ信号とΔ信号から、モノパルス測角を行う。
モノパルス測角は、レーダなどでよく用いられる電波方向探知方法の1つであり、アレーアンテナを等しい大きさの2つのサブアレーアンテナに分割し、このサブアレーアンテナの受信信号の和信号Σと差信号Δから、電波の到来角度を検出するものである。モノパルス測角は、受信信号の振幅を利用する振幅モノパルスと、位相モノパルスとがあるが、ここでは、位相モノパルスについて説明する。
今、分割した2つのサブアレーアンテナAとBの受信信号を、それぞれy(t)とy(t)とするとき、Σ信号とΔ信号は、下式(19)、(20)のようになる。
Figure 2010078420
2つのサブアレーアンテナ間の受信位相差δは、上式(19)のΣ信号と、上式(20)のΔ信号から、下式(21)のように求めることができる。
Figure 2010078420
2つのサブアレーアンテナの位相中心間の距離をd、波長をλとすれば、到来角度θ(アレーに対する鉛直方向からの角度)は、下式(22)のように求まる。
Figure 2010078420
モノパルス測角では、2つのサブアレーアンテナの対称性が必要となるため、最大比合成荷重によりビームフォーミングしてしまうと対称性が崩れてしまい、誤測角してしまうこととなる。そこで、本実施の形態5では、最大比合成荷重算出手段10の出力するベクトルcと、方向Pにビームを形成するためのビーム形成荷重wとの内積演算を行って、上式(13)に示したように出力yを計算して、方向評価関数e(P)を求める。
ΣΔ算出手段70は、方向評価関数e(P)のピークを検出した結果得られる方向Pに対応するビーム形成荷重ベクトルwを用いて、下式(23)に示すように信号Σを生成する。また、信号Δは、ビーム形成荷重ベクトルwの要素のうち、図5に示すようにアレーを分割した半分のBに含まれる素子アンテナに乗じる荷重の符号を反転し(すなわち−1を乗じ)、Δビーム形成荷重ベクトルwを生成して、下式(24)に示すように信号Δを生成する。ここで得られた信号Σおよび信号Δを用いて、従来と同様にモノパルス測角を行う。
Figure 2010078420
以上のように、実施の形態5によれば、モノパルス測角においても、到来波ステアリングベクトルとして算出した最大比合成荷重ベクトルを用いた方向探知が可能となり、先の実施の形態1〜4と同様に、低い演算量で、かつ高い精度で電波の方向を探知できる。
実施の形態6.
図6は、本発明の実施の形態6における電波方向探知装置の構成図である。図6における電波方向探知装置は、素子アンテナ1、最大比合成荷重算出手段10、行列計算手段24、固有値分解手段25、方向評価関数算出手段31、ステアリングベクトル手段32、および方向検出手段40を備えている。ここで、最大比合成荷重算出手段10は、ベクトル算出部に相当する。また、行列計算手段24、固有値分解手段25、方向評価関数算出手段31、ステアリングベクトル手段32、および方向検出手段40は、電波方向推定部に相当する。
行列計算手段24は、最大比合成荷重算出手段10の出力ベクトルから行列を算出する。固有値分解手段25は、行列計算手段24で算出された行列の固有値分解を行う。ステアリングベクトル手段32は、方向に対応するアレーアンテナ1のステアリングベクトルを出力する。さらに、方向評価関数算出手段31は、信号に対応しない固有ベクトルとステアリングベクトルとの内積演算を行って、方向評価関数を算出する。
本実施の形態6の電波方向探知装置は、最大比合成荷重算出手段10の出力するベクトルcが到来波の受信ステアリングベクトルに対応することに着目し、このベクトルcから下式(25)に示すように、行列Rを生成する。
Figure 2010078420
この行列Rは、多くのアレー信号処理やMUSIC(Multiple Signal Classification)アルゴリズムで用いられる相関行列R=XXの代わりに用いることができる。
次に、行列Rを固有値分解手段25により固有値分解する。従来のMUSICアルゴリズムでは、ここで得られる固有値の大きさから到来波数推定を行い、雑音の固有値に対応する固有ベクトルを抽出する。これに対して、本実施の形態5では、ベクトルcから行列を算出しており、これは1サンプルの信号ベクトルとみなすことができるので、行列Rのランクは1となり、非零の固有値は1つしかない。本発明は、複数のサンプルを抽出して演算を行うことも可能であるが、説明は後に行うこととし、ここでは簡単のため、サンプル数が1の場合について説明する。
固有値を大きい順にλ、・・・、λとし、これに対応する固有ベクトルをv、・・・、vとする。この場合、上述したように、信号に対応する固有値は、最も大きい固有値1つであるから、これを除くM−1個の固有値λ、・・・、λに対応する固有ベクトルv、・・・、vを用いる。ステアリングベクトル手段32から出力される方向Pに対応するステアリングベクトルaと、固有ベクトルv、・・・、vとを用いて、下式(26)に従って方向評価関数e(P)を得る。固有ベクトルv、・・・、vと到来波のステアリングベクトルaは、直交する性質がある。従って、下式(26)の評価関数は、到来方向において分母が0となり、鋭いピークを生じるので、到来方向を探知することができる。
Figure 2010078420
本発明は、従来の相関行列を用いていた部分の代わりに、最大比合成荷重ベクトルから式(25)に従って求める行列を用いるので、低い演算量で電波方向を探知できる効果がある。また、最大比合成荷重ベクトルは、相互相関により求められるので、雑音の影響を抑圧することができ、高い精度で電波方向を探知することができる。
次に、複数サンプルへの拡張について説明する。例えば、別タイミングでL回の測定によって最大比合成荷重ベクトルc(l)を算出し、この結果を用いて最大合成荷重の信号ベクトルC(信号成分を持つ行列とみてもよい。)を下式(27)のように導出する。
Figure 2010078420
信号ベクトルと説明したのは、上式(27)のように、Cの要素がLサンプルの信号c(l)で構成されているとみなせるからである。この最大比合成荷重の信号ベクトルCを、上式(25)の最大比合成荷重ベクトルcに代えて用いて、行列Rを下式(28)のように算出すれば複数サンプルの信号ベクトルに拡張される。
Figure 2010078420
雑音成分を含めれば、行列Rのランクは、L(L<Mの場合)となるので、固有ベクトルvL+1、・・・、vとステアリングベクトルaを用いて、下式(29)に示すように方向評価関数e(P)を求めればよい。
Figure 2010078420
なお、L≧Mの場合や、到来波数推定が可能である場合には、従来のMUSICアルゴリズムと同様に、雑音に対応する固有ベクトルを用いて方向評価関数を算出してもよい。
以上のように、実施の形態6によれば、最大比合成荷重算出手段の出力するベクトルが到来波の受信ステアリングベクトルに対応することに着目し、このベクトルから生成した行列に基づいて方向検出を行っている。これにより、複数サンプルを抽出して演算することも可能となり、自由度を増加させることができるので、さらに複数の到来波の電波方向を探知できるようになる。
実施の形態7.
図7は、本発明の実施の形態7における電波方向探知装置の構成図である。図7における電波方向探知装置は、素子アンテナ1、フーリエ変換手段11、サンプルベクトル抽出手段12、ビーム形成荷重算出手段20、内積演算手段21、方向評価関数算出手段30、および方向検出手段40を備えている。
本実施の形態7における図7の構成は、先の実施の形態1における図1の構成の最大比合成荷重算出手段10に代えて、フーリエ変換手段11とサンプルベクトル抽出手段12を備えたものである。従って、フーリエ変換手段11およびサンプルベクトル抽出手段12は、ベクトル算出部に相当する。また、ビーム形成荷重算出手段20、内積演算手段21、方向評価関数算出手段30、および方向検出手段40は、電波方向推定部に相当する。
まず、フーリエ変換手段11は、素子アンテナmの受信信号x(t)に対して、下式(30)に示すようなフーリエ変換処理を行い、周波数fの関数としてスペクトルxfm(f)を得る。
Figure 2010078420
fm(f)の絶対値が最大となる周波数fmaxは、受信信号x(t)の周波数を表す。サンプルベクトル抽出手段12は、この周波数fmaxに対応するxfm(fmax)を要素としてもつベクトルfを、下式(31)に示すように求めることで、フーリエ変換手段11の出力のピークの部分のサンプルを抽出する。
Figure 2010078420
ここで、素子アンテナによらず同じ周波数fmaxを用いていることから、上式(30)によるフーリエフィルタ処理は、素子アンテナによらず同じであるので、受信信号x(t)に含まれる到来波の信号成分の位相は、保存されることになる。このことは、ベクトルfが、到来波のステアリングベクトルと同方向であることを示している。そこで、先の実施の形態1で用いた最大比合成荷重cに代えて、ベクトルfを用いれば、先の実施の形態1の図1の構成と同様な効果を得ることができる。
以上のように、実施の形態7によれば、素子アンテナの受信信号をフーリエ変換し、そのピークから抽出される、到来波のステアリングベクトルと同方向のサンプルベクトルfとビーム形成荷重算出手段の出力ベクトルwとの内積演算によって方向評価関数を算出し、そのピークから電波方向を探知できる。この結果、低い演算量で電波方向を探知することができる。さらに、フーリエ変換により到来波の周波数を同時に計測できるとともに、ピークサンプルを抽出することでS/N(信号対雑音比)を改善でき、高い精度で電波方向を探知できる。
実施の形態8.
図8は、本発明の実施の形態8における電波方向探知装置の構成図である。図8における電波方向探知装置は、素子アンテナ1、フーリエ変換手段11、サンプルベクトル抽出手段12、行列計算手段24、固有値分解手段25、方向評価関数算出手段31、ステアリングベクトル手段32、および方向検出手段40を備えている。
本実施の形態8における図8の構成は、先の実施の形態6における図6の構成の最大比合成荷重算出手段10に代えて、フーリエ変換手段11とサンプルベクトル抽出手段12を備えたものである。従って、フーリエ変換手段11およびサンプルベクトル抽出手段12は、ベクトル算出部に相当する。また、行列計算手段24、固有値分解手段25、方向評価関数算出手段31、ステアリングベクトル手段32、および方向検出手段40は、電波方向推定部に相当する。
フーリエ変換手段11で得られるスペクトルxfm(f)のピークから上式(31)で示したのと同様に、ベクトルfを得る。このベクトルfを、先の実施の形態6の式(25)のベクトルcに代えて用いて、行列Rを下式(32)に示すように行列計算手段24で求める。
Figure 2010078420
固有値分解手段25は、この行列を固有値分解し、小さい固有値に対応した固有ベクトルv、・・・、vと、ステアリングベクトルaとの内積から、上式(26)で示したのと同様に、方向評価関数e(P)を導出し、このピークから電波方向を探知することができる。
以上のように、実施の形態8によれば、素子アンテナの受信信号をフーリエ変換し、そのピークから抽出される、到来波のステアリングベクトルと同方向のサンプルベクトルから行列を算出し、この行列の小さい固有値に対応する固有ベクトルとステアリングベクトルの内積から方向評価関数を導出して電波方向を探知できる。この結果、低い演算量で電波方向を探知できる。さらに、フーリエ変換により到来波の周波数を同時に計測できるとともに、ピークサンプルを抽出することでS/N(信号対雑音比)を改善でき、高い精度で電波方向を探知できる。
さらに、本実施の形態8でも、先の実施の形態4の場合と同様に、複数サンプルの信号ベクトルに拡張できる。複数サンプルは、別タイミングの受信信号から求めたベクトルf(l)で信号行列を構成してもよいし、周波数fmaxの近傍のサンプルを複数抽出するようにしてもよい。
例えば、Lサンプル抽出した場合のサンプル信号ベクトルFを上式(27)の場合と同様に、下式(33)のように定義し、これを用いて下式(34)のように行列Rを求める。さらに、固有値分解後、小さい固有値に対応した固有ベクトルvL+1、・・・、vとステアリングベクトルaとの内積演算を行って方向評価関数e(P)を下式(35)に示すように求める。この方向評価関数のピークから複数波の電波方向を探知することができる。
Figure 2010078420
このように、複数サンプルを用いると、自由度を増加させることができるので、さらに複数の到来波の電波方向を探知できる。
本発明の実施の形態1における電波方向探知装置の構成図である。 本発明の実施の形態2における電波方向探知装置の構成図である。 本発明の実施の形態3における電波方向探知装置の構成図である。 本発明の実施の形態4におけるビーム形成装置の構成図である。 本発明の実施の形態5における電波方向探知装置の構成図である。 本発明の実施の形態6における電波方向探知装置の構成図である。 本発明の実施の形態7における電波方向探知装置の構成図である。 本発明の実施の形態8における電波方向探知装置の構成図である。 従来の電波方向探知装置の構成図である。
符号の説明
1 素子アンテナ、10 最大比合成荷重算出手段、11 フーリエ変換手段、12 サンプルベクトル抽出手段、20 ビーム形成荷重算出手段、21 内積演算手段、22 空間フーリエ変換手段、23 ビーム選択手段、24 行列計算手段、25 固有値分解手段、30、31 方向評価関数算出手段、32 ステアリングベクトル手段、40 方向検出手段、50 乗算器、60 合成器、70 ΣΔ算出手段、80 モノパルス測角手段。

Claims (9)

  1. 到来波を受信する複数のアンテナの受信信号に基づいて、前記到来波のステアリングベクトルを算出するベクトル算出部と、
    前記ベクトル算出部により算出された前記到来波のステアリングベクトルと、各方向に対応するステアリングベクトルとを照合し、一致したステアリングベクトルに対応する方向を前記到来波の方向として推定する電波方向推定部と
    を備えたことを特徴とする電波方向探知装置。
  2. 請求項1に記載の電波方向探知装置において、
    前記ベクトル算出部は、前記受信信号を最大比合成するための最大比合成荷重ベクトルを、前記到来波のステアリングベクトルとして算出する最大比合成荷重算出手段を有し、
    前記電波方向推定部は、
    前記複数のアンテナを用いてビームを形成するためのビーム形成荷重ベクトルを、前記各方向に対応するステアリングベクトルの複素共役ベクトルとして算出するビーム形成荷重算出手段と、
    前記最大比合成荷重算出手段で算出された前記最大比合成荷重ベクトルと、前記ビーム形成荷重算出手段で算出された前記ビーム形成荷重ベクトルとの内積演算を行う内積演算手段と、
    前記内積演算手段による演算結果から前記到来波の方向評価関数を算出する方向評価関数算出手段と、
    前記方向評価関数算出手段で算出された前記方向評価関数のピークから前記到来波の方向を検出する方向検出手段と
    を有する
    ことを特徴とする電波方向探知装置。
  3. 請求項2に記載の電波方向探知装置において、
    前記電波方向推定部は、
    前記最大比合成荷重算出手段で算出された前記最大比合成荷重ベクトルの要素をフーリエ変換する空間フーリエ変換手段と、
    前記空間フーリエ変換手段の変換結果から最大受信電力のビームを選択するビーム選択手段と
    をさらに有し、
    前記ビーム形成荷重算出手段は、前記ビーム選択手段で選択されたビームと方向が近いビームに限定してビーム形成荷重ベクトルを算出する
    ことを特徴とする電波方向探知装置。
  4. 請求項1に記載の電波方向探知装置において、
    前記ベクトル算出部は、前記受信信号を最大比合成するための最大比合成荷重ベクトルを、前記到来波のステアリングベクトルとして算出する最大比合成荷重算出手段を有し、
    前記電波方向推定部は、
    前記最大比合成荷重算出手段で算出された前記最大比合成荷重ベクトルの要素をフーリエ変換する空間フーリエ変換手段と、
    前記空間フーリエ変換手段による変換結果に基づいて前記到来波の方向を検出する方向検出手段と
    を有する
    ことを特徴とする電波方向探知装置。
  5. 請求項1に記載の電波方向探知装置において、
    前記ベクトル算出部は、前記受信信号を最大比合成するための最大比合成荷重ベクトルを、前記到来波のステアリングベクトルとして算出する最大比合成荷重算出手段を有し、
    前記電波方向推定部は、
    前記複数のアンテナを用いてビームを形成するためのビーム形成荷重ベクトルを、前記各方向に対応するステアリングベクトルの複素共役ベクトルとして算出するビーム形成荷重算出手段と、
    前記最大比合成荷重算出手段で算出された前記最大比合成荷重ベクトルと、前記ビーム形成荷重算出手段で算出された前記ビーム形成荷重ベクトルとの内積演算を行う内積演算手段と、
    前記内積演算手段による演算結果から前記到来波の方向評価関数を算出する方向評価関数算出手段と、
    前記方向評価関数算出手段で算出された前記方向評価関数のピークから前記到来波の方向を検出する方向検出手段と
    前記方向検出手段で検出された前記方向に対応するビーム形成荷重ベクトルを前記ビーム形成荷重算出手段から取得し、前記複数のアンテナの受信信号との和信号であるΣ信号および差信号であるΔ信号を算出するΣΔ算出手段と、
    前記Σ信号および前記Δ信号からモノパルス測角を行い、前記到来電波の方向を特定するモノパルス測角手段と
    を有する
    ことを特徴とする電波方向探知装置。
  6. 請求項1に記載の電波方向探知装置において、
    前記ベクトル算出部は、前記受信信号を最大比合成するための最大比合成荷重ベクトルを、前記到来波のステアリングベクトルとして算出する最大比合成荷重算出手段を有し、
    前記電波方向推定部は、
    前記最大比合成荷重算出手段で算出された前記最大比合成荷重ベクトルcからccなる行列を計算する行列計算手段と、
    前記行列計算手段で計算された前記行列を固有値分解する固有値分解手段と、
    各方向に対応するステアリングベクトルを算出するステアリングベクトル手段と、
    前記固有値のうち前記到来波として入射した信号に対応しない固有ベクトルと、前記ステアリングベクトル手段で算出された方向に対応した前記ステアリングベクトルとの内積演算を行って方向評価関数を算出する方向評価関数算出手段と、
    前記方向評価関数算出手段で算出された前記方向評価関数のピークから前記到来波の方向を検出する方向検出手段と
    を有する
    ことを特徴とする電波方向探知装置。
  7. 請求項1に記載の電波方向探知装置において、
    前記ベクトル算出部は、
    前記受信信号をフーリエ変換し周波数の関数であるスペクトルを算出するフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段で算出されたスペクトルの絶対値が最大となる周波数に対応するスペクトルを要素としてもつサンプルベクトルを、前記到来波のステアリングベクトルとして抽出するサンプルベクトル抽出手段と
    を有し、
    前記電波方向推定部は、
    前記複数のアンテナを用いてビームを形成するためのビーム形成荷重ベクトルを、前記各方向に対応するステアリングベクトルの複素共役ベクトルとして算出するビーム形成荷重算出手段と、
    前記サンプルベクトル抽出手段で抽出された前記サンプルベクトルと、前記ビーム形成荷重算出手段で算出された前記ビーム形成荷重ベクトルとの内積演算を行う内積演算手段と、
    前記内積演算手段による演算結果から前記到来波の方向評価関数を算出する方向評価関数算出手段と、
    前記方向評価関数算出手段で算出された前記方向評価関数のピークから前記到来波の方向を検出する方向検出手段と
    を有する
    ことを特徴とする電波方向探知装置。
  8. 請求項1に記載の電波方向探知装置において、
    前記ベクトル算出部は、
    前記受信信号をフーリエ変換し周波数の関数であるスペクトルを算出するフーリエ変換手段と、
    前記フーリエ変換手段で算出されたスペクトルの絶対値が最大となる周波数に対応するスペクトルを要素としてもつサンプルベクトルを、前記到来波のステアリングベクトルとして抽出するサンプルベクトル抽出手段と
    を有し、
    前記電波方向推定部は、
    前記サンプルベクトル抽出手段で抽出された前記サンプルベクトルfからffなる行列を計算する行列計算手段と、
    前記行列計算手段で計算された前記行列を固有値分解する固有値分解手段と、
    各方向に対応するステアリングベクトルを算出するステアリングベクトル手段と、
    前記固有値のうち前記到来波として入射した信号に対応しない固有ベクトルと、前記ステアリングベクトル手段で算出された方向に対応した前記ステアリングベクトルとの内積演算を行って方向評価関数を算出する方向評価関数算出手段と、
    前記方向評価関数算出手段で算出された前記方向評価関数のピークから前記到来波の方向を検出する方向検出手段と
    を有する
    ことを特徴とする電波方向探知装置。
  9. 到来波を受信する複数のアンテナの受信信号に基づいて、前記受信信号を最大比合成するための最大比合成荷重ベクトルを、前記到来波のステアリングベクトルとして算出する最大比合成荷重算出手段と、
    前記複数のアンテナを用いてビームを形成するためのビーム形成荷重ベクトルを、前記各方向に対応するステアリングベクトルの複素共役ベクトルとして算出するビーム形成荷重算出手段と、
    前記最大比合成荷重算出手段で算出された前記最大比合成荷重ベクトルと、前記ビーム形成荷重算出手段で算出された前記ビーム形成荷重ベクトルとの内積演算を行う内積演算手段と、
    前記内積演算手段による演算結果から前記到来波の方向評価関数を算出する方向評価関数算出手段と、
    前記方向評価関数算出手段で算出された前記方向評価関数のピークから前記到来波の方向を検出する方向検出手段と、
    前記方向検出手段で検出された前記方向に対応するビーム形成荷重ベクトルを前記ビーム形成荷重算出手段から取得し、前記複数のアンテナの受信信号にそれぞれ乗じる乗算器と、
    前記乗算器による乗算結果を合成する合成器と
    を備えることを特徴とするビーム形成装置。
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