JPH08316722A - アレーアンテナの制御方法及び制御装置 - Google Patents

アレーアンテナの制御方法及び制御装置

Info

Publication number
JPH08316722A
JPH08316722A JP7117167A JP11716795A JPH08316722A JP H08316722 A JPH08316722 A JP H08316722A JP 7117167 A JP7117167 A JP 7117167A JP 11716795 A JP11716795 A JP 11716795A JP H08316722 A JPH08316722 A JP H08316722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
phase difference
reception
transmission
antenna elements
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7117167A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2916391B2 (ja
Inventor
Tatsu Miura
龍 三浦
Toyohisa Tanaka
豊久 田中
Yoshio Karasawa
好男 唐沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ATR Optical and Radio Communications Research Laboratories
Original Assignee
ATR Optical and Radio Communications Research Laboratories
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ATR Optical and Radio Communications Research Laboratories filed Critical ATR Optical and Radio Communications Research Laboratories
Priority to JP7117167A priority Critical patent/JP2916391B2/ja
Priority to EP95113580A priority patent/EP0700116A3/en
Priority to US08/521,068 priority patent/US5585803A/en
Publication of JPH08316722A publication Critical patent/JPH08316722A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2916391B2 publication Critical patent/JP2916391B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 方位センサを用いることなしに到来波の方向
に送信ビームを形成し、また、複数の多重波が到来する
環境又は受信位相差に位相不確定が生じる場合でも、最
大受信波の方向のみに単一の送信主ビームを形成するこ
とができるアレーアンテナの制御方法及び制御装置を提
供する。 【構成】 アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ
受信された複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信
号を用いて互いに直交する各2つの直交ベースバンド信
号に変換し、これに基づいて、各2つのアンテナ素子間
の受信位相差を演算し、演算された各2つのアンテナ素
子間の受信位相差が−πから+πまでの範囲に限定され
ているために生ずる位相不確定性を、マルチパス波によ
る受信位相差の乱れの度合いを示す位相しきい値に応じ
て、受信位相差から除去して補正し、その符号を反転す
ることにより送信位相差に変換し、当該送信位相差でか
つ等振幅で送信することにより、最大受信波の方向のみ
に送信主ビームを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アレーアンテナの制御
方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両等に搭載し静止衛星の方向を
自動的に追尾する衛星通信用のフェーズドアレーアンテ
ナ(以下、第1の従来例という。)が郵政省通信総合研
究所によって試作されている。この第1の従来例のフェ
ーズドアレーアンテナは、19個のマイクロストリップ
アンテナ素子で構成され、1素子を除く各素子毎に計1
8個のマイクロ波移相器を備え、機械駆動せずに電気的
に送信ビームの方向を走査する。ここで、アンテナの指
向性を制御し、到来ビームの方向を追尾するためのセン
サーとして、地磁気の方向を検出し予め既知である車両
から見た静止衛星の方向を計算するための磁気センサ、
並びに車両の回転角速度を検出して精度よくビームの方
向を一定に保つための光ファイバジャイロを備えてい
る。これら2つのセンサを組み合わせることにより、到
来ビームの有無に関らず、ある一定の方向にアンテナの
送信指向性を向け、車両が移動しても常に同じ方向にそ
の指向性を保持するように構成されている。また、マイ
クロ波移相器に周波数特性をもたせることにより、送信
と受信の周波数は異なる場合でも両方で同じ方向に指向
性が形成されるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記第
1の従来例のフェーズドアレーアンテナは、到来信号の
有無に関らず信号源の方向が既知であればその方向に送
信ビームを向けることができるが、信号源の方向が未知
の場合または低軌道周回衛星など信号源自体が移動して
しまう場合にはその動きが全て予測可能な場合を除き、
追尾不可能である。また、信号源の方向が既知の場合で
も、磁気センサは、絶対方位を知ることができるが、周
囲の金属による磁界の影響を受けやすく、光ファイバジ
ャイロは、周囲の金属による磁界の影響は受けないが、
角速度を検出してこれを積算して絶対方位を求めるため
誤差の蓄積を受けやすい。これらの特徴を組み合わせ
て、互いに補完しながら正確な追尾を行う方法は、構成
が複雑になるとともに、上記のように性能が限定される
という問題点があった。
【0004】上記の問題点を解決するために、到来信号
方向に送信ビームを形成する方法として、受信位相差を
そのまま用いて、あるいは送信と受信の周波数に応じて
これを変換して送信位相差とする方法(以下、第2の従
来例という。)が、本出願人によって、特願平6−20
3258号の特許出願において提案されている。この第
2の従来例では、到来波の方向を知るための特別なセン
サを用いることなく、受信波の到来方向に自動的に送信
ビームを形成することができる。
【0005】しかしながら、上記第2の従来例の送信ビ
ーム形成方法の場合、1波だけが受信されている場合に
は、信号源の方向が未知であっても、方位センサ等を用
いることなく、その受信波の方向に送信ビームが形成で
きるが、建物や地面等における反射により複数の多重波
が別々の方向から受信される場合には、それら多重波の
到来方向にも送信ビームを形成することとなる。この性
質は、送信と受信の周波数が等しい場合には、送信と受
信の可逆性により、到来多重波の複数のパスを通って送
信された送信波は、相手局で互いに同相で受信されるた
め、問題とならない。しかしながら、送信と受信の周波
数が異なる場合には、送信と受信の可逆性が成り立た
ず、到来多重波の複数のパスを通って相手局で受信され
た送信波は、相手局で必ずしも互いに同相で受信され
ず、通信品質を劣化させることとなる。また、アンテナ
面に対する受信信号の等位相面の傾斜角度が大きくなる
と、アンテナ素子間の受信位相差が−π以上+π以下の
範囲を越えることによる位相不確定性が生じるため、必
ずしも到来波の方向に正しく送信ビームが形成されない
という問題点があった。
【0006】本発明の目的は以上の問題点を解決し、信
号源となる相手局の方位が未知である場合においても、
方位センサ等を用いることなしに、信号源から送信され
る到来波から得られる各アンテナ素子毎の受信信号に基
づいて到来波の方向に送信ビームを形成し、また、複数
の多重波が到来する環境、もしくは受信位相差に位相不
確定が生じる場合においても、最大受信波の方向のみに
単一の送信主ビームを形成することができるアレーアン
テナの制御方法及び制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載のアレーアンテナの制御方法は、所定の配置形状で近
接して並置された複数のアンテナ素子からなるアレーア
ンテナを制御するためのアレーアンテナの制御方法にお
いて、上記アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ
受信された複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信
号を用いて互いに直交する各2つの直交ベースバンド信
号に変換し、上記変換された各2つの直交ベースバンド
信号に基づいて、所定の基準のアンテナ素子と他の任意
のアンテナ素子との間の各2つの受信信号の位相差の余
弦値とそれらの各振幅値の積に比例する第1のデータ
と、上記各2つのアンテナ素子の受信信号の位相差の正
弦値とそれらの各振幅値の積に比例する第2のデータと
を演算し、上記演算された第1のデータと第2のデータ
とに基づいて、上記各2つのアンテナ素子間の受信位相
差を演算し、上記演算された各2つのアンテナ素子間の
受信位相差が−πから+πまでの範囲に限定されている
ために生ずる位相不確定性を、マルチパス波による受信
位相差の乱れの度合いを示す予め決められた位相しきい
値に応じて、当該受信位相差から除去するように当該受
信位相差を補正し、かつその補正された受信位相差の符
号を反転することにより送信位相差に変換し、上記変換
された各2つのアンテナ素子間の送信位相差でかつ等振
幅で送信信号を上記各アンテナ素子から送信することに
より、最大受信波の方向のみに送信主ビームを形成する
ことを特徴とする。
【0008】また、請求項2記載のアレーアンテナの制
御方法は、請求項1記載のアレーアンテナの制御方法に
おいて、上記演算された各2つのアンテナ素子間の受信
位相差に基づいて、互いに近接した各2つのアンテナ素
子間の受信位相差を演算し、上記互いに近接した各2つ
のアンテナ素子間の受信位相差がもつ位相不確定性のす
べての候補に対応した等位相の複数の1次回帰平面を最
小2乗法により演算し、上記受信位相差と上記等位相の
1次回帰平面との間の残差の2乗和と、上記等位相の1
次回帰平面の勾配係数とを用いて、上記位相不確定性を
除去し、最大受信波に対応した等位相の1次回帰平面を
1つだけ特定することにより当該受信位相差を補正する
ことを特徴とする。
【0009】さらに、請求項3記載のアレーアンテナの
制御方法は、請求項2記載のアレーアンテナの制御方法
において、上記互いに近接した各2つのアンテナ素子間
の受信位相差がもつ位相不確定性のすべての候補に対応
した受信位相差からなる行列と、上記アレーアンテナを
構成する複数のアンテナ素子の位置座標からなる行列と
を用いて、最小2乗法を用いてウイナー−ホプフ(Wi
ener−Hopf)方程式を解くことにより、上記位
相不確定のすべての候補に対応した上記等位相の1次回
帰平面を表す方程式を導いて、上記位相不確定性のすべ
ての候補に対応した等位相の複数の1次回帰平面を演算
することを特徴とする。
【0010】またさらに、請求項4記載のアレーアンテ
ナの制御方法は、請求項2又は3記載のアレーアンテナ
の制御方法において、上記位相不確定が除去された上記
等位相の1次回帰平面から演算される受信位相差に、受
信周波数に対する送信周波数の比を乗算したものを送信
位相差とすることにより、送信位相差に変換することを
特徴とする。
【0011】本発明に係る請求項5記載のアレーアンテ
ナの制御装置は、所定の配置形状で近接して並置された
複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナを制御する
ためのアレーアンテナの制御装置において、上記アレー
アンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数の
受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて互いに
直交する各2つの直交ベースバンド信号に変換する変換
手段と、上記変換手段によって変換された各2つの直交
ベースバンド信号に基づいて、所定の基準のアンテナ素
子と他の任意のアンテナ素子との間の各2つの受信信号
の位相差の余弦値とそれらの各振幅値の積に比例する第
1のデータと、上記各2つのアンテナ素子の受信信号の
位相差の正弦値とそれらの各振幅値の積に比例する第2
のデータとを演算し、上記演算された第1のデータと第
2のデータとに基づいて、上記各2つのアンテナ素子間
の受信位相差を演算する位相差演算手段と、上記位相差
演算手段によって演算された各2つのアンテナ素子間の
受信位相差が−πから+πまでの範囲に限定されている
ために生ずる位相不確定性を、マルチパス波による受信
位相差の乱れの度合いを示す予め決められた位相しきい
値に応じて、当該受信位相差から除去するように当該受
信位相差を補正し、かつその補正された受信位相差の符
号を反転することにより送信位相差に変換する補正手段
とを備え、上記補正手段によって変換された各2つのア
ンテナ素子間の送信位相差でかつ等振幅で送信信号を上
記各アンテナ素子から送信することにより、最大受信波
の方向のみに送信主ビームを形成することを特徴とす
る。
【0012】また、請求項6記載のアレーアンテナの制
御装置は、請求項5記載のアレーアンテナの制御装置に
おいて、上記補正手段は、上記演算された各2つのアン
テナ素子間の受信位相差に基づいて、互いに近接した各
2つのアンテナ素子間の受信位相差を演算し、上記互い
に近接した各2つのアンテナ素子間の受信位相差がもつ
位相不確定性のすべての候補に対応した等位相の複数の
1次回帰平面を最小2乗法により演算し、上記受信位相
差と上記等位相の1次回帰平面との間の残差の2乗和
と、上記等位相の1次回帰平面の勾配係数とを用いて、
上記位相不確定性を除去し、最大受信波に対応した等位
相の1次回帰平面を1つだけ特定することにより当該受
信位相差を補正することを特徴とする。
【0013】さらに、請求項7記載のアレーアンテナの
制御装置は、請求項6記載のアレーアンテナの制御装置
において、上記補正手段は、上記互いに近接した各2つ
のアンテナ素子間の受信位相差がもつ位相不確定性のす
べての候補に対応した受信位相差からなる行列と、上記
アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子の位置座
標からなる行列とを用いて、最小2乗法を用いてウイナ
ー−ホプフ(Wiener−Hopf)方程式を解くこ
とにより、上記位相不確定のすべての候補に対応した上
記等位相の1次回帰平面を表す方程式を導いて、上記位
相不確定性のすべての候補に対応した等位相の複数の1
次回帰平面を演算することを特徴とする。
【0014】またさらに、請求項8記載のアレーアンテ
ナの制御装置は、請求項6又は7記載のアレーアンテナ
の制御装置において、上記補正手段は、上記位相不確定
が除去された上記等位相の1次回帰平面から演算される
受信位相差に、受信周波数に対する送信周波数の比を乗
算したものを送信位相差とすることにより、送信位相差
に変換することを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1記載のアレーアンテナの制御方法にお
いては、上記アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞ
れ受信された複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振
信号を用いて互いに直交する各2つの直交ベースバンド
信号に変換し、上記変換された各2つの直交ベースバン
ド信号に基づいて、所定の基準のアンテナ素子と他の任
意のアンテナ素子との間の各2つの受信信号の位相差の
余弦値とそれらの各振幅値の積に比例する第1のデータ
と、上記各2つのアンテナ素子の受信信号の位相差の正
弦値とそれらの各振幅値の積に比例する第2のデータと
を演算し、上記演算された第1のデータと第2のデータ
とに基づいて、上記各2つのアンテナ素子間の受信位相
差を演算し、上記演算された各2つのアンテナ素子間の
受信位相差が−πから+πまでの範囲に限定されている
ために生ずる位相不確定性を、マルチパス波による受信
位相差の乱れの度合いを示す予め決められた位相しきい
値に応じて、当該受信位相差から除去するように当該受
信位相差を補正し、かつその補正された受信位相差の符
号を反転することにより送信位相差に変換し、上記変換
された各2つのアンテナ素子間の送信位相差でかつ等振
幅で送信信号を上記各アンテナ素子から送信することに
より、直接波などの最大受信波の方向のみに送信主ビー
ムを形成する。
【0016】また、請求項2記載のアレーアンテナの制
御方法においては、請求項1記載のアレーアンテナの制
御方法において、上記演算された各2つのアンテナ素子
間の受信位相差に基づいて、互いに近接した各2つのア
ンテナ素子間の受信位相差を演算し、上記互いに近接し
た各2つのアンテナ素子間の受信位相差がもつ位相不確
定性のすべての候補に対応した等位相の複数の1次回帰
平面を最小2乗法により演算し、上記受信位相差と上記
等位相の1次回帰平面との間の残差の2乗和と、上記等
位相の1次回帰平面の勾配係数とを用いて、上記位相不
確定性を除去し、直接波などの最大受信波に対応した等
位相の1次回帰平面を1つだけ特定することにより当該
受信位相差を補正する。
【0017】さらに、請求項3記載のアレーアンテナの
制御方法においては、請求項2記載のアレーアンテナの
制御方法において、上記互いに近接した各2つのアンテ
ナ素子間の受信位相差がもつ位相不確定性のすべての候
補に対応した受信位相差からなる行列と、上記アレーア
ンテナを構成する複数のアンテナ素子の位置座標からな
る行列とを用いて、最小2乗法を用いてウイナー−ホプ
フ(Wiener−Hopf)方程式を解くことによ
り、上記位相不確定のすべての候補に対応した上記等位
相の1次回帰平面を表す方程式を導いて、上記位相不確
定性のすべての候補に対応した等位相の複数の1次回帰
平面を演算する。
【0018】またさらに、請求項4記載のアレーアンテ
ナの制御方法においては、請求項2又は3記載のアレー
アンテナの制御方法において、上記位相不確定が除去さ
れた上記等位相の1次回帰平面から演算される受信位相
差に、受信周波数に対する送信周波数の比を乗算したも
のを送信位相差とすることにより、送信位相差に変換す
る。
【0019】本発明に係る請求項5記載のアレーアンテ
ナの制御装置においては、上記変換手段は、上記アレー
アンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数の
受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて互いに
直交する各2つの直交ベースバンド信号に変換し、上記
位相差演算手段は、上記変換手段によって変換された各
2つの直交ベースバンド信号に基づいて、所定の基準の
アンテナ素子と他の任意のアンテナ素子との間の各2つ
の受信信号の位相差の余弦値とそれらの各振幅値の積に
比例する第1のデータと、上記各2つのアンテナ素子の
受信信号の位相差の正弦値とそれらの各振幅値の積に比
例する第2のデータとを演算し、上記演算された第1の
データと第2のデータとに基づいて、上記各2つのアン
テナ素子間の受信位相差を演算する。次いで、上記補正
手段は、上記位相差演算手段によって演算された各2つ
のアンテナ素子間の受信位相差が−πから+πまでの範
囲に限定されているために生ずる位相不確定性を、マル
チパス波による受信位相差の乱れの度合いを示す予め決
められた位相しきい値に応じて、当該受信位相差から除
去するように当該受信位相差を補正し、かつその補正さ
れた受信位相差の符号を反転することにより送信位相差
に変換する。そして、上記補正手段によって変換された
各2つのアンテナ素子間の送信位相差でかつ等振幅で送
信信号を上記各アンテナ素子から送信することにより、
直接波などの最大受信波の方向のみに送信主ビームを形
成する。
【0020】また、請求項6記載のアレーアンテナの制
御装置においては、請求項5記載のアレーアンテナの制
御装置において、上記補正手段は、上記演算された各2
つのアンテナ素子間の受信位相差に基づいて、互いに近
接した各2つのアンテナ素子間の受信位相差を演算し、
上記互いに近接した各2つのアンテナ素子間の受信位相
差がもつ位相不確定性のすべての候補に対応した等位相
の複数の1次回帰平面を最小2乗法により演算し、上記
受信位相差と上記等位相の1次回帰平面との間の残差の
2乗和と、上記等位相の1次回帰平面の勾配係数とを用
いて、上記位相不確定性を除去し、直接波などの最大受
信波に対応した等位相の1次回帰平面を1つだけ特定す
ることにより当該受信位相差を補正する。
【0021】さらに、請求項7記載のアレーアンテナの
制御装置においては、請求項6記載のアレーアンテナの
制御装置において、上記補正手段は、上記互いに近接し
た各2つのアンテナ素子間の受信位相差がもつ位相不確
定性のすべての候補に対応した受信位相差からなる行列
と、上記アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子
の位置座標からなる行列とを用いて、最小2乗法を用い
てウイナー−ホプフ(Wiener−Hopf)方程式
を解くことにより、上記位相不確定のすべての候補に対
応した上記等位相の1次回帰平面を表す方程式を導い
て、上記位相不確定性のすべての候補に対応した等位相
の複数の1次回帰平面を演算する。
【0022】またさらに、請求項8記載のアレーアンテ
ナの制御装置においては、請求項6又は7記載のアレー
アンテナの制御装置において、上記補正手段は、上記位
相不確定が除去された上記等位相の1次回帰平面から演
算される受信位相差に、受信周波数に対する送信周波数
の比を乗算したものを送信位相差とすることにより、送
信位相差に変換する。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照して本発明に係る実施例に
ついて説明する。 <第1の実施例>図1は本発明に係る第1の実施例であ
る通信用アレーアンテナの自動ビーム捕捉追尾装置の受
信部のブロック図である。本実施例の通信用アレーアン
テナの自動ビーム捕捉追尾装置は、例えば受信周波数の
1/2又は送信周波数の1/2、もしくは受信周波数と
送信周波数の平均値の1/2の長さである所定の間隔で
近接して任意の平面又は曲面上に並置された複数N個の
アンテナ素子A1,A2,…,Ai,…,ANからなる
アレーアンテナ1の指向性を、ディジタル位相変調波又
は無変調波などの無線信号波の到来ビームの方向へ高速
で向け、その追尾を行う。ここで、特に、本実施例の捕
捉追尾装置は、DBF部4と、送信ウエイト演算回路3
0とを備えたことを特徴としている。そして、信号源と
なる相手局の方位が未知である場合においても、方位セ
ンサ等を用いることなしに、信号源から送信される到来
波から得られる各アンテナ素子毎のベースバンド信号に
基づいて到来波の方向に送信ビームを形成し、また、複
数の多重波が到来する環境においても、あるいは受信位
相差に位相不確定が生じる場合においても、それら多重
波の影響及び位相不確定を除去し、最大受信波の方向の
みに単一の送信主ビームを形成する。
【0024】図1に示すように、アレーアンテナ1は、
N個のアンテナ素子A1乃至ANと、送受分離器である
サーキュレータCI−1乃至CI−Nとを備える。ま
た、受信モジュールRM−1乃至RM−Nはそれぞれ、
低雑音増幅器2と、第1局発振器11から出力される共
通の第1局部発振信号を用いて、受信された無線周波数
を有する無線信号を所定の中間周波数を有する中間周波
信号に周波数変換するダウンコンバータ(D/C)3と
を備える。
【0025】当該捕捉追尾装置の受信部はさらに、N個
のA/D変換器AD−1乃至AD−Nと、第2局部発振
器12から出力される共通の第2局部発振信号を用い
て、A/D変換後の中間周波信号を準同期検波して、互
いに直交する2つのベースバンド信号(以下、これら2
つのベースバンド信号を直交ベースバンド信号とい
う。)に変換するN個の準同期検波回路QD−1乃至Q
D−Nと、上記変換された直交ベースバンド信号に基づ
いて最大比合成するような各直交ベースバンド信号に対
する受信ウエイトW1 RX,W2 RX,…,WN RXを演算し
て、上記各直交ベースバンド信号に対して演算した受信
ウエイトW1 RX,W2 RX,…,WN RXを乗算した後同相合
成して復調器5に出力するDBF部4と、DBF部4に
よって演算された受信ウエイトW1 RX,W2 RX,…,WN
RXに基づいて、本発明に係る方法により送信ウエイトW
1 TX,W2 TX,…,WN TXを演算して送信局部発振器10
に出力する送信ウエイト演算回路30と、DBF部4か
ら出力されるベースバンド信号から所定のベースバンド
復調処理により同期検波又は遅延検波を行い、所望のデ
ィジタルデータを抽出して受信データとして出力する復
調器5とを備える。
【0026】当該受信部において、アレーアンテナ1内
の各アンテナ素子A1乃至ANからDBF部4までは、
各アンテナ素子の系統毎に、縦続接続されている。当該
受信部における各アンテナ素子の系統毎の信号処理は同
様に実行されるので、アンテナ素子Ai(アンテナ素子
A1乃至ANのうちの1つを代表してAiと付す。)で
受信された無線信号波についての処理について述べる。
【0027】アンテナ素子Aiで受信された無線信号波
は、サーキュレータCI−iと、受信モジュールRM−
i内の低雑音増幅器2とを介してダウンコンバータ3に
入力される。受信モジュールRM−i内のダウンコンバ
ータ3は、第1局発振器11から出力される共通の第1
局部発振信号を用いて、入力された無線信号を所定の中
間周波数を有する中間周波信号に周波数変換して、A/
D変換器AD−iを介して準同期検波回路QD−iに出
力する。準同期検波回路QD−iは、第2局部発振器1
2から出力される共通の第2局部発振信号を用いて、入
力されたA/D変換後の中間周波信号を準同期検波して
2つの直交ベースバンド信号Ii,Qiに変換してDBF
部4に出力する。
【0028】DBF部4は、上記変換された直交ベース
バンド信号に基づいて最大比合成するような各直交ベー
スバンド信号に対する受信ウエイトW1 RX,W2 RX,…,
N R Xを演算して、上記各直交ベースバンド信号に対し
て演算した受信ウエイトW1 RX,W2 RX,…,WN RXを乗
算した後同相合成して復調器5に出力する。さらに、送
信ウエイト演算回路30は、DBF部4によって演算さ
れた受信ウエイトW1 RX,W2 RX,…,WN RXに基づい
て、本発明に係る方法により、直接波の方向に送信ビー
ムを形成し、また、複数の多重波が到来する環境におい
ても、あるいは受信位相差に位相不確定が生じる場合に
おいても、それら多重波の影響及び位相不確定を除去
し、最大受信波の方向のみに単一の送信主ビームを形成
するように、送信ウエイトW1 TX,W2 TX,…,WN TX
演算して送信局部発振器10に出力する。一方、復調器
5は、DBF部4から出力されるベースバンド信号から
所定のベースバンド復調処理により同期検波又は遅延検
波を行い、所望のディジタルデータを抽出して受信デー
タとして出力する。なお、DBF部4と送信ウエイト演
算回路30の回路処理については詳細後述する。
【0029】図2は、当該捕捉追尾装置の送信部のブロ
ック図である。当該送信部は、図2に示すように、N個
の送信モジュールTM−1乃至TM−Nと、N個の直交
変調回路QM−1乃至QM−Nと、同相分配器9とを備
える。ここで、各直交変調回路QM1乃至QM−Nはそ
れぞれ、直交変調器6と、送信局部発振器10とを備
え、各送信モジュールTM−1乃至TM−Nはそれぞ
れ、入力された中間周波信号を所定の送信無線周波数を
有する送信信号に周波数変換するアップコンバータ(U
/C)7と、送信電力増幅器8とを備える。ここで、直
交変調回路QM−1乃至QM−N内の各送信局部発振器
10はそれぞれ、例えば、同一のクロックで駆動された
DDS(Direct Digital Synthesizer)を用いた発振器
であって、送信ウエイト演算回路30から入力される送
信ウエイトW1 TX,W2 TX,…,WN TXに基づいて、それ
らに対応した各位相を有するN個の送信局部発振信号を
発生する。
【0030】送信データである送信ベースバンド信号S
TXは同相分配器9に入力された後、同相分配されて各直
交変調回路QM−1乃至QM−Nの各直交変調器6に入
力される。例えば直交変調回路QM−1内の直交変調器
6は、送信局部発振器10で発生された送信局部発振信
号を同相分配器9から入力された送信ベースバンド信号
TXに従って、例えばQPSKなどの直交変調した後、
直交変調後の中間周波信号を、送信モジュールTM−1
内のアップコンバータ7と送信電力増幅器8とを介し
て、送信無線信号として、アレーアンテナ1内のサーキ
ュレータCI−1に入力される。ここで、直交変調器6
は入力される送信ベースバンド信号STXをシリアル/パ
ラレル変換して送信直交ベースバンド信号に変換した
後、当該送信直交ベースバンド信号に従って互いに90
°の位相差を有する上記送信局部発振信号を直交変調し
て合成することにより上記中間周波信号を得る。そし
て、上記送信無線信号がアンテナ素子A1から送信放射
される。さらに、アンテナ素子A2乃至ANに接続され
る送信部の各系統において同様の信号処理が実行され
る。従って、アンテナ素子A1乃至ANから送信ウエイ
トW1 TX,W2 TX,…,WN TXで重み付けされた送信信号
が放射される。なお、本実施例においては、各アンテナ
素子Aiから送信される送信信号は、詳細後述するよう
に、送信ウエイトW1 T X,W2 TX,…,WN TXで重み付け
されているが、この重み付けは位相を変化するだけで等
しい振幅で送信される。
【0031】本実施例においては、例えばN=16個の
アンテナ素子A1乃至A16が互いに所定の間隔で格子
形状で並置される。上記間隔は上述のように、送信周波
数の半波長、受信周波数の半波長又はそれらの平均値の
半波長である。また、アンテナ素子A1乃至ANは例え
ば、円形パッチマイクロストリップアンテナである。な
お、1次元リニアアレーアンテナの変形例では、4個の
アンテナ素子A1乃至A4が互いに上記間隔で離れて一
直線上に並置される。
【0032】図4は、DBF部4における信号処理を示
すブロック図である。本実施例のDBF部4における信
号処理においては、各アンテナ素子A1乃至AN毎にA
/D変換されて準同期検波されたI成分及びQ成分より
なる直交ベースバンド信号に対して行う。ここで、アレ
ーアンテナ1のアンテナ素子数をNとすると、位相基準
となるアンテナ素子Arと、上記アンテナ素子Arを含
む任意のアンテナ素子Ai(1≦r≦N,1≦i≦N)
におけるベースバンド信号Sr,Siは、複素数で表現す
るとそれぞれ次のようになる。ここで、ベースバンド信
号Srを基準ベースバンド信号といい、ベースバンド信
号Siを処理ベースバンド信号という。なお、位相基準
となるアンテナ素子(以下、これをアンテナ素子Arと
いう。)はN個のアンテナ素子のうちの予め決められた
1つである。処理ベースバンド信号Siを受信したアン
テナ素子を処理アンテナ素子Aiという。
【0033】
【数1】 Sr =Ir+jQr =arexp{j(φm+θr)}
【数2】 Si =Ii+jQi =aiexp{j(φm+θi)} =aiexp{j(φm+θr+Δθr,i)}
【0034】ここで、arは基準ベースバンド信号の振
幅成分であり、aiは処理ベースバンド信号の振幅成分
であり、φmは変調位相である。また、θrは基準ベース
バンド信号Srと第2の局部信号発振器12によって発
生された局部発振信号との位相差であり、θiは処理ベ
ースバンド信号Siと第2の局部信号発振器12によっ
て発生された局部発振信号との位相差であり、Δθr,i
は基準ベースバンド信号Srと処理ベースバンド信号Si
との間の位相差である。このとき、処理アンテナ素子A
iにおける受信信号電力│Si2は次の数3で表され
る。
【0035】
【数3】│Si2=Ii 2+Qi 2=ai 2
【0036】この実施例において、各処理アンテナ素子
Aiにおける受信信号電力を比較して最大となるアンテ
ナ素子を同相化のための位相基準とするのが同相化の精
度の点では望ましいが、実際は基準のアンテナ素子が通
信途中で切り換えわると位相飛びが生じるため、ここで
は、これは予め決められて固定とする。次いで、数1及
び数2におけるφm,θrを、次の数4で表される複素共
役積の演算式を用いて消去することができる。
【0037】
【数4】Sr *・Si=ari・exp(jΔθr,i
【0038】ここで、*は複素共役を表す。図4におけ
る複素共役積演算部21は、上記数4の演算を実行す
る。上記数4における実数部と虚数部とはそれぞれ、次
の数5及び数6によって表される。
【0039】
【数5】 Re[Sr *・Si] =ari・cosΔθr,i =Iri+Qri
【数6】 Im[Sr *・Si] =arisinΔθr,i =Iri−Iir
【0040】従って、数4における(Sr *・Si)の複素
共役である(Sr *・Si*にアンテナ素子Aiのベース
バンド信号Siを乗算することにより、処理ベースバン
ド信号Siは基準ベースバンド信号Srに同相化され、同
相化後の処理ベースバンド信号Si’は、次の数7で表
される。
【0041】
【数7】 Si’ =(1/│Sr│)・(Sr *・Si*・Si =(1/│Sr│)・(Sr・Si *)・Si =ai 2exp{j(φm+θr)} ここで、
【数8】│Sr│=ar=√(Ir 2+Qr 2)
【0042】ここで、│Sr│は基準アンテナ素子Ar
における基準ベースバンド信号Srの振幅であって、こ
の逆数を、数7に示すように、各アンテナ素子Aiで共
通に乗算することにより、各処理ベースバンド信号Si
のレベルをアレーアンテナ1が受ける全受信電力で規格
化している。上記数7をベクトルで表現すると、次の数
9のようになる。
【0043】
【数9】
【0044】このベクトル回転演算を全てのアンテナ素
子Aiで行うことにより、全ての処理ベースバンド信号
iは相対的に同相化される。本発明に係る本実施例の
方法はtan-1の演算を行わず、数5及び数6の結果を
直接に回転行列要素として用いるため、数9から分かる
ように、処理ベースバンド信号Siの振幅|ai|が係数
として自動的に掛かることとなる。従って、これを全ア
ンテナ素子Aiで合成することは、すなわち最大比合成
(MRC)を行っていることにほかならない。ただ、実
際の通信では、受信機雑音や変調成分、帯域制限などが
同相化の誤差や振幅変動の原因となり、これに応じて最
大比合成のウエイトも誤差が大きくなる。これらの影響
を抑圧するため、フィルタ関数F(・)を有するディジ
タルフィルタである低域通過フィルタ22,23を用い
て、上記数9を次のように置き換えることとする。
【0045】
【数10】
【0046】ここで、低域通過フィルタ22,23の遮
断周波数について説明する。図4における低域通過フィ
ルタ22,23はFIRフィルタ又はIIRフィルタな
どのディジタルフィルタで構成される。この遮断周波数
は、高いほど受信雑音の影響を受けやすく、アンテナ1
素子当りの受信電力が低い場合には、捕捉追尾の精度が
劣化しやすい。逆に、遮断周波数は低いほど受信雑音の
影響が除去されるので、アンテナ1素子当りの受信電力
が低い場合でも捕捉追尾が可能となる。ただし、帯域通
過フィルタは狭帯域になるほど時定数が長くなるので、
受信波の到来方向の急激な変化に対する追従性は鈍くな
る。通常の移動体通信などにおける受信波の直接到来方
向の変化は、ビーム形成を行う演算時間に比べて十分遅
いので、むしろ受信雑音が支配的となる。このため、帯
域通過フィルタ22,23の遮断周波数は、受信信号電
力対受信雑音電力によって決定され、衛星通信のように
受信電力が小さい場合には、ハードウェアが許す範囲で
低く設定することが好ましい。当該低域通過フィルタ2
2,23の遮断周波数は、具体的には、サンプリング周
波数の100分の1から1000分の1程度に設定され
る。
【0047】なお、図4に示すDBF部4において、低
域通過フィルタ22,23による遅延を考慮して、乗算
器26,27に入力される各2つの信号の位相が同相と
なるようにタイミングを合わせるための遅延バッファ回
路24,25を挿入している。
【0048】以上の説明したDBF部4における構成及
び動作について図4を参照して説明する。基準ベースバ
ンド信号Srは絶対値演算部20と複素共役積演算部2
1とに入力されるとともに、遅延バッファ回路24を介
して乗算器26に入力される。一方、処理ベースバンド
信号Siは複素共役積演算部21に入力されるととも
に、遅延バッファ回路25を介して乗算器27に入力さ
れる。絶対値演算部20は、基準ベースバンド信号Sr
に基づいてその絶対値|Sr|を演算してその絶対値|
r|を示す信号を低域通過フィルタ(LPF)22を
介して除算器28a,28bに出力する。一方、複素共
役積演算部21は、基準ベースバンド信号Srと処理ベ
ースバンド信号Siとに基づいて、(Sr・Si *)の演算
を行ってその演算結果を示す信号を低域通過フィルタ2
3を介して乗算器27及び除算器28bに出力する。乗
算器26は、入力される2つの信号を乗算してその乗算
結果を示す信号を処理後の基準ベースバンド信号Sr
として出力する。一方、乗算器27は、入力される2つ
の信号を乗算してその乗算結果を示す信号を除算器28
aに出力し、除算器28aは乗算器27から入力される
信号を、低域通過フィルタ22から入力される信号で除
算してその除算結果を示す信号を処理後の同相化された
処理ベースバンド信号Si’として同相合成器29に出
力する。除算器28bは低域通過フィルタ23から入力
される信号を、低域通過フィルタ22から入力される信
号で除算してその除算結果を示す信号を受信ウエイトW
i RXとして送信ウエイト演算回路30に出力する。そし
て、同相合成器29は、処理後の同相化されたすべての
N個の処理ベースバンド信号Si’(i=1,2,…,
N)をともに同相合成して復調器5に出力する。従っ
て、図4と上記の記述から分かるように、同相化の過程
で自動的に最大比合成のための重み付けがなされてお
り、DBF部4の構成は極めて簡単な構成となってい
る。
【0049】一方、図1に示すように、ベースバンド信
号の検波には準同期検波を用いているため、DBF部4
の出力は受信用第2局部発振信号と同期していない。こ
のため、DBF部4の後段にベースバンド処理型の復調
器5を接続してキャリア位相を同期させる必要がある。
さらに、マルチパス波信号のシンボル遅延が無視できな
いほど大きい場合は、図示していないが、さらに適当な
適応等化器(EQL)を付加する必要がある。これらの
処理の結果、当該装置は、直接波及びマルチパス遅延波
(以下、マルチパス波という。)の方向に同時に複数の
主ビームを形成し、これらを搬送波電力対雑音電力比
(受信CNR)からみて最適に合成し、かつ追尾するこ
ととなる。ビーム形成にはフィードバックループを用い
ていないため、第2の従来例と同様に、低い受信CNR
においても高速で安定に動作することができる。
【0050】次いで、図6の送信ウエイト演算回路30
において実行されるレトロディレクティブな送信ビーム
の形成について説明する。まずはじめに、送信アレーア
ンテナのアンテナ素子の間隔と、受信アレーアンテナの
アンテナ素子間隔が波長換算で等しい場合を考える。こ
の場合、受信した到来波と同じ方向に送信ビームを形成
するには、通常、受信側で用いた受信ウエイトWi RX
複素共役(Wi RX*を送信ウエイトWi TXとして用いれ
ばよい。すなわち、受信ウエイトの位相の符号を反転し
て送信ウエイトの位相として用いて、次のように表され
る。
【0051】
【数11】Si TX=Wi TX・STX=(Wi RX*・STX
【数12】 Wi RX ={1/F(│Sr│)}・F(Sr・Si *
【0052】ここで、STXは当該装置に入力される送信
ベースバンド信号であり、Si TXはアンテナ素子Aiに
供給する送信ベースバンド信号であり、Wi TXはアンテ
ナ素子Aiにおける送信ウエイトである。その結果、受
信ビームと同じ形の送信ビームが形成されることとなる
が、大きなマルチパスの遅延波が存在する場合は、直接
波の方向だけでなく、それら遅延波の方向にもビームが
形成されることとなる。同一の周波数を用いて交互に送
信を行うTDD(Time Division Duplexの略)などのよ
うに、送受で周波数が同じで両方のパスがほぼ等しいと
みなせる場合は、これだけで十分であり、簡単にダイバ
ーシチ送信系が構成できる。しかし、送受で周波数が異
なる場合にはパス間の位相差が等しくなくなるため、ダ
イバーシチ送信系が構成できず、遅延波の方向への送信
はできるだけ抑圧する必要がある。このため、ここで
は、複数のマルチパス波の中で直接波のレベルが最も高
いことを前提として、遅延波の影響を除去して直接波の
方向のみに単一の主ビームを形成する方法について以下
に説明する。
【0053】上記数5及び数6より、基準アンテナ素子
Arと任意のアンテナ素子Aiとの間の受信位相差Δθ
r,iは次の数13で表される。
【0054】
【数13】 Δθr,i =tan-1{F(Ir・Qi−Ii・Qr)/F(Ir・Ii+Qr・Qi)}
【0055】ただし、ここで求まるΔθr,iは−πから
+πまでの範囲にあるため、アンテナ素子間隔が大きく
なるにつれて位相差が何回転にもなる(すなわち、2π
の整数倍になる。)ことによって位相の不確定性が生じ
る。この位相不確定性の除去方法については詳細後述す
るが、ここではこれがすでに除去されているものとす
る。遅延波が全くなく雑音もないものと仮定すると、位
相差Δθr,iはある1枚の1次位相平面上に乗るはずで
あるが、遅延波や雑音が存在する場合はその平面の周辺
に分散することとなる。これらをその位相平面上に回帰
させた値を励振位相とし、かつ等振幅で励振することに
より、最もレベルの高い直接波の到来方向のみに単一の
送信主ビームを形成することを考える。1次位相平面に
回帰させるための方法としては、以下のように、最小2
乗法を用いた回帰分析法(LSR)を用いることができ
る。まず、1次位相回帰平面を次のようにおく。
【0056】
【数14】Δθr,i LSR=ax+by+c
【0057】ここで、アレーアンテナ1は、図5に示す
ように、xyz座標系のxy平面上に位置するものとし
ている。係数a,b,cは次のウイナー−ホプフ(Wi
ener−Hopf)方程式を解くことにより求められ
る。
【0058】
【数15】XT・X・A=XT・Θ ただし、
【0059】
【数16】
【数17】
【数18】
【0060】ここで、アレーアンテナ1のアンテナ素子
Aiの座標を(xi,yi)(i=1,2,…,N)とし
ており、Xはアンテナ素子Aiの配置で決定される行列
であり、Aは上記1次位相回帰平面を示す係数a,b,
cからなる行列であり、Θは各アンテナ素子Aiにおけ
る位相差Δθr,iからなる行列である。上記数15にお
ける行列Aは数15を書き換えることにより次の数19
のように表される。
【0061】
【数19】A=(XT・X)-1・XT・Θ
【0062】上記数19の中で、(XT・X)-1Tはア
レーアンテナ1の素子配置で決まる3×Nの行列である
ため、予め計算しておくことができ、数13に従って求
められた位相行列ΘからN回ずつの積和演算で回帰平面
のパラメータAを求めることができる。一方、前述のよ
うに数13で求まる位相差Δθr,iは位相不確定性を有
しているが、この不確定性があると、最小2乗回帰処理
を行っても必ずしも正しい位相回帰平面が求められなく
なる。このため、次の3通りの位相不確定性及びその場
合の位相補正を実行する。
【0063】
【数20】補正(I) Δθ'i-1,i=Δθi-1,i(補正しない)
【数21】補正(II)もしΔθi-1,i<−kならば、 Δθ'i-1,i=Δθi-1,i+2π そうでなければ、 Δθ'i-1,i=Δθi-1,i(補正しない)
【数22】補正(III)もしk≦Δθi-1,iならば、 Δθ'i-1,i=Δθi-1,i−2π そうでなければ、 Δθ'i-1,i=Δθi-1,i(補正しない)
【0064】ここで、位相差Δθi-1,iはそれぞれ最も
近い隣接アンテナ素子間の位相差であって次の数23で
表される。
【0065】
【数23】Δθi-1,i=Δθr,i−Δθr,i-1
【0066】また、kは0<k<πにありマルチパス波
による受信位相差の乱れの度合いを示す位相しきい値で
あって、想定されるマルチパス波の強さによって設定す
る。ここで、受信位相不確定性の検査における位相しき
い値kの設定について以下に説明する。
【0067】本実施例においては、数20乃至数22に
示す3通りの位相不確定性及び位相補正を行うが、そこ
で設定される正の位相しきい値であるk(>0)は、位
相補正の感度を決定するパラメータとなっている。すな
わち、kは小さいほど補正感度が高く、k=0で感度最
大となる。逆に、kは大きいほど補正感度は鈍くなり、
π以上ではほとんど位相補正されなくなる。従って、受
信波が直接到来波1波のみであり、多重到来波の受信強
度が直接到来波に比べて十分小さい場合には、k≒0が
望ましいが、多重到来波の受信強度が大きい場合で、し
かも直接波の到来方向がアンテナ正面に近い場合には、
図13に示すように、受信位相面が平坦でないことによ
り、補正の誤りが発生する場合がある。これは、補正の
感度が高すぎるためで、kをk>0のある値に設定する
ことによって、補正感度をわずかに鈍くすれば、正しい
補正位相が求まることになる。位相しきい値kは、およ
そπ/6付近に設定すれば、直接到来波とほぼ同レベル
の多重到来波が受信されたとしても、正しい位相補正が
可能となる。従って、本実施例において、位相しきい値
kは好ましくはπ/6に設定される。
【0068】ここで、アレーアンテナ1が図5に示すよ
うにxy座標系に配置されている場合、位相平面は次の
数24で表される。
【0069】
【数24】Δθr,i LSR=ax+by+c
【0070】ここで、x軸方向で3つの補正の方法
(I)乃至(III)が存在する一方、y軸方向で3つの
補正の方法(I)乃至(III)が存在する。従って、全
部で9通りの位相回帰平面が得られることになる。以
下、例えば補正(I−II)は、x軸方向で補正(I)を
行い(実際には補正しない)、y軸方向で補正(II)を
行った場合の位相回帰平面を示す。各軸3通りずつの位
相不確定に対応し、全部で、次の数25で表される、9
通りの位相回帰平面が得られることになる。
【0071】
【数25】(a)補正(I−I)のとき、Δθr,i
LSR(I-I)=aIx+bIy+c (b)補正(I−II)のとき、Δθr,i LSR(I-II)=aI
x+bIIy+c (c)補正(I−III)のとき、Δθr,i LSR(I-III)=a
Ix+bIIIy+c (d)補正(II−I)のとき、Δθr,i LSR(II-I)=aII
x+bIy+c (e)補正(II−II)のとき、Δθr,i LSR(II-II)=a
IIx+bIIy+c (f)補正(II−III)のとき、Δθr,i LSR(II-III)
IIx+bIIIy+c (g)補正(III−I)のとき、Δθr,i LSR(III-I)=a
IIIx+bIy+c (h)補正(III−II)のとき、Δθr,i LSR(III-II)
IIIx+bIIy+c (i)補正(III−III)のとき、Δθr,i LSR(III-III)
=aIIIx+bIIIy+c
【0072】ここで、各補正の場合の残差2乗和を次の
数26の通り定義する。
【0073】
【数26】(a)補正(I−I)のとき (b)補正(I−II)のとき (c)補正(I−III)のとき (d)補正(II−I)のとき (e)補正(II−II)のとき (f)補正(II−III)のとき (g)補正(III−I)のとき (h)補正(III−II)のとき (i)補正(III−III)のとき
【0074】これより、位相不確定性は、残差2乗和S
S=Σ(Δθr,i−Δθr,i LSR2及び回帰平面の位相勾
配|a|,|b|を用いて、図8乃至図10の位相回帰
平面選択処理により除去され、1つの位相回帰平面が選
択される。
【0075】2次元配列の場合における位相回帰平面選
択処理について図8乃至図10を参照して説明する。図
8に示すように、ステップS11において、補正(I−
I),(I−II),(II−I),(II−II)における残
差2乗和SS(I-I),SS(I- II),SS(II-I),SS
(II-II)を比較し、ステップS12で残差2乗和SS
(I-I )が最小である場合、ステップS21で補正(I−
I)における位相回帰平面を選択して当該処理を終了す
る。また、ステップS13で残差2乗和SS(I-II)が最
小である場合、ステップS22で補正(I−II),(I
−III)における回帰平面の勾配|b|(I-II),|b|
(I-III)を比較する。そして、ステップS23で|b|
(I-II)<|b|(I-III)であるときは、ステップS24
で補正(I−II)における位相回帰平面を選択して当該
処理を終了する。一方、ステップS23で|b|(I-II)
≧|b|(I-III)であるときは、ステップS25で補正
(I−III)における位相回帰平面を選択して当該処理
を終了する。
【0076】ステップS13においてNOのときに、図
9のステップS14で残差2乗和SS(II-I)が最小であ
る場合、ステップS26で補正(II−I),(III−I)
における回帰平面の勾配|a|(II-I),|a|(III-I)
を比較する。そして、ステップS27で|a|(II-I)
|a|(III-I)であるときは、ステップS28で補正(I
I−I)における位相回帰平面を選択して当該処理を終
了する。一方、ステップS27で|a|(II-I)≧|a|
(III-I)であるときは、ステップS29で補正(III−
I)における位相回帰平面を選択して当該処理を終了す
る。
【0077】ステップS14においてNOのときに、図
10のステップS30で補正(II−II),(III−II)
における回帰平面の勾配|a|(II-II),|a|
(III-II)を比較する。そして、ステップS31で|a|
(II-II)<|a|(III-II)であるときは、ステップS4
0で補正(II−II),(II−III)における回帰平面の
勾配|b|(II-II),|b|(II-III)を比較する。そし
て、ステップS41で|b|(II -II)<|b|(II-III)
であるときは、ステップS42で補正(II−II)におけ
る位相回帰平面を選択して当該処理を終了する。一方、
ステップS41で|b|(I I-II)≧|b|(II-III)であ
るときは、ステップS43で補正(II−III)における
位相回帰平面を選択して当該処理を終了する。
【0078】さらに、ステップS31で|a|(II-II)
≧|a|(III-II)であるときは、ステップS32で補正
(III−II),(III−III)における回帰平面の勾配|
b|(III-II),|b|(III-III)を比較する。そして、
ステップS33で|b|(III-II)<|b|(III-III)
あるときは、ステップS44で補正(III−II)におけ
る位相回帰平面を選択して当該処理を終了する。一方、
ステップS33で|b|(III-II)≧|b|(III-III)
あるときは、ステップS45で補正(III−III)におけ
る位相回帰平面を選択して当該処理を終了する。
【0079】次に、簡単化のために1次元のリニアアレ
ーアンテナの場合(変形例)について位相不確定性の除
去方法について述べる。すなわち、N個のアンテナ素子
Aiが一直線上に並置されている場合、位相平面は、次
の数27で表される。
【0080】
【数27】Δθr,i LSR=ax+c
【0081】ここで、数20乃至数22の各場合毎に、
上記数27を適用して、次の3通りの位相回帰平面を求
めることができる。
【0082】
【数28】(a)補正(I)のとき Δθr,i LSR(I)=aIx+cI (b)補正(II)のとき Δθr,i LSR(II)=aIIx+cII (c)補正(III)のとき Δθr,i LSR(III)=aIIIx+cIII
【0083】ここで、各補正の場合の残差2乗和を次の
数29の通り定義する。
【0084】
【数29】(a)補正(I)のとき (b)補正(II)のとき (c)補正(III)のとき
【0085】これより、位相不確定性は、残差の2乗和
SS=Σ(Δθr,i−Δθr,i LSR2及び回帰平面の位相
勾配|a|を用いて図7の位相回帰平面選択処理により
除去され、1つの位相回帰平面が選択される。
【0086】1次元配列の場合における位相回帰平面選
択処理について図7を参照して説明する。図7に示すよ
うに、ステップS1において、補正(I),(II)にお
ける残差2乗和SS(I),SS(II)を比較し、ステップ
S2でSS(I)<SS(II)であるとき、ステップS3で
補正(I)における位相回帰平面を選択して当該処理を
終了する。一方、ステップS2でSS(I)≧SS(II)
あるとき、補正(II),(III)における勾配|a|
(II),|a|(III)を比較し、ステップS5で|a|
(II)<|a|(III)であるときは、ステップS6で補正
(II)における位相回帰平面を選択して当該処理を終了
する。一方、ステップS5で|a|(II)≧|a|(III)
であるときは、ステップS7で補正(III)における位
相回帰平面を選択して当該処理を終了する。
【0087】図11は、受信位相の最小2乗法による1
次平面への回帰処理を表わす説明図であり、図12は、
その場合における位相不確定性の検査と除去を示す説明
図である。図11に示すように、直接波のみ受信した場
合、各アンテナ素子Ai間の受信位相差Δθr,iは、ア
ンテナ素子Aiの位置に依存して一直線上に位置する
が、マルチパス波をさらに受信した場合、その直線から
ずれることになる。図12の場合においては、ステップ
S6に到達して、補正(II)における位相回帰平面を選
択する場合を示している。
【0088】以上の位相回帰平面の選択処理において、
最も強い直接波の方向に対応した位相平面であると推定
検出でき、その他の位相平面では残差2乗和が大きくな
るとともに、位相勾配も急になる。このようにして決定
された受信位相差Δθr,i LSRから、送信ウエイトWi TX
は次の30で演算することができる。
【0089】
【数30】 Wi TX =exp(jθi TX) =exp(−jΔθr,i LSR
【0090】ここで、送信ウエイトの振幅成分はすべて
のアンテナ素子Aiで共通に1とし、波源分布を一様と
している。さらに、送受共用のアレーアンテナ1を用い
ており、かつ送受の周波数が異なる場合には、励振位相
に周波数比を乗ずることにより、正しく直接到来波の方
向に送信主ビームを形成することができる。すなわち、
次の数31で表される。ここで、fTX,fRXはそれぞれ
送信周波数、受信周波数である。
【0091】
【数31】 Wi TX =exp(jθi TX) =exp{−j(fTX/fRX)Δθr,i LSR
【0092】図6は、以上の処理を実行する送信ウエイ
ト演算回路30を示すブロック図である。図6におい
て、位相差演算部31−i(i=1,2,…,N)は、
DBF部4から入力される受信ウエイトWi RXに基づい
て、この受信ウエイトWi RXのtan-1演算を行うこと
により位相差Δθr,iを演算して、最小2乗処理部32
−j(j=1,2,…,9)に出力する。この最小2乗
処理部32−j(j=1,2,…,9)は、数25で表
される9通りの位相回帰平面に対応して9個の処理部が
設けられる。各最小2乗処理部32−jは、それぞれに
設定された位相平面の式の係数a,b,cを数15で表
されたウイナー−ホプフの方程式を解くことにより演算
し、演算された係数a,b,cを数25に代入すること
により、位相回帰平面上の受信位相差Δθr,i LSR(i=
1,2,…,N)を演算してセレクタ34に出力する。
一方、位相回帰平面選択部33は、各最小2乗処理部3
2−jによって演算された位相回帰平面に基づいて、図
8乃至図10に示す位相回帰平面選択処理を実行して選
択すべき位相回帰平面を決定し、選択すべきと決定した
位相回帰平面の情報をセレクタ34に出力する。セレク
タ34は、選択すべきと決定された位相回帰平面に対応
する最小2乗処理部32−kから入力されるN個の受信
位相差Δθr,i LSRのみを選択して送信ウエイト演算部3
5に出力する。これに応答して、送信ウエイト演算部3
5は、入力されたN個の受信位相差Δθr, i LSRに基づい
て、数31の演算を実行することにより、送信ウエイト
i TX(i=1,2,…,N)を演算して出力する。
【0093】さらに、以上のように構成された装置につ
いての、本発明者によるシミュレーション結果について
以下に説明する。本実施例の装置の評価を行うため、表
1にしめす条件のもとで数値シミュレーションを行っ
た。アレーアンテナ1として、変形例である、基本的な
4素子半波長間隔リニアアレーアンテナを用い、変調方
式は差動符号化同期検波QPSK(伝送速度:16kb
ps)を仮定した。また、受信信号同相化のための低域
通過フィルタ22,23として2次の狭帯域IIR(In
finite Impulse Responseの略)フィルタを用いた。
【0094】
【表1】 シミュレーションの諸元 ─────────────────────────────────── 変調方式 16kbps差動符号化同期検波QPSK 変調周波数 32kHz(中間周波数として用いる) サンプリング周波数 128kHz(16サンプル/シンボル) A/D分解能 8ビット 付加雑音 ガウス雑音 アンテナ 点放射源の4素子直線配列 アンテナ素子間隔 搬送波の半波長 ロールオフフィルタ 10タップFIRフィルタ、ロールオフ率50% カットオフ周波数8kHz 送信帯域通過フィルタ 帯域幅ビット長積BT=2 受信帯域通過フィルタ 帯域幅ビット長積BTm=1 キャリア再生法 フィードフォワード位相推定 クロック再生法 ディシジョンディレクテッド法 ───────────────────────────────────
【0095】図14は、直接波が−45°の方向から到
来し、マルチパス波が直接波に比べて−3dBのレベル
でかつ位相差π/2(アレーアンテナ1の中心におい
て)で+15°の方向から到来した場合の最大比合成
(MRC)受信による指向性パターンを、各アンテナ素
子Aiで受信された受信信号を等しい利得で合成する等
利得合成(EGC)の場合及びマルチパス波が無い場合
とで比較したものである。なお、直接波の受信搬送波電
力対雑音電力比(以下、受信CNRという。)は4dB
としている。等利得合成ではマルチパス波による指向性
パターンへの影響はわずかであるが、最大比合成ではマ
ルチパス波の到来方向にもビームが形成され、結果的に
直接波とマルチパス波の両者を取り込み再合成する指向
性ダイバーシチが実現されていることがわかる。
【0096】図15及び図16は、直接波に対するマル
チパス波の位相が変化したときの指向性パターンであ
る。ここで、位相遅延値が0、π/2又は(3π)/
2、及びπのときを示している。位相遅延値=0はアン
テナの中心において2波の位相が同相であることを示
す。指向性パターンの特性を明確化するため、直接波の
受信CNRは30dBとしている。直接波とマルチパス
波の方向が比較的近い図15の場合(マルチパス波の到
来方向が−15°のとき)位相遅延値=0では2波を同
一のビームで捉えるのに対し、位相遅延値=π(逆相)
では1つ隣のビームで捉えるようにビーム形成がなされ
ていることがわかる。一方、2波の入射方向が離れてい
る図16の場合(マルチパスの到来方向が30°のと
き)も、同相入射と逆相入射では捉えるビームが1つず
れるが、やはりそれらを限定されたアンテナ自由度の範
囲内で有効に捉える方向でビーム形成がなされているこ
とがわかる。言い換えれば、直接波とマルチパス波の両
方にその電力に応じた指向性を向けて合成する指向性ダ
イバーシチが実現されている。
【0097】図17は、図14の場合と同じ条件下にお
ける、最大比合成受信によるビット誤り率(BER)の
シミュレーション結果である。ただし、マルチパス波の
直接波に対するシンボル遅延は無視できるものとした。
マルチパス波が1波到来したときのビット誤り率(BE
R)は、直接波のみ到来した場合と比べて約1.5dB
改善され、最大比合成により理論的に期待される値(約
1.8dBの改善)に接近していることがわかる。
【0098】次に、送信ビーム形成のシミュレーション
結果について述べる。図18及び図19は、本実施例の
装置を用いて、直接波とマルチパス波の2波が到来して
いる場合に送信ビームを形成した例である。ここで、2
波の到来方向を変えた2通りの場合について示してお
り、図18は、直接波とマルチパス波の到来方向がそれ
ぞれ−45°及び+15°の場合を示し、図19は、直
接波とマルチパス波の到来方向がそれぞれ−15°及び
+30°の場合を示す。アレーアンテナ1は送受信で共
有しており、かつ送信周波数は受信のそれに比べて1.
066倍であるとした。いづれの場合も送信主ビームは
直接波の方向にのみ形成され、マルチパス波の影響は受
けておらず、マルチパス波の方向への放射は、大きくて
もサイドローブレベル程度に抑えられていることがわか
る。
【0099】以上説明したように、本発明に係る本実施
例は、以下の特有の効果を有する。 (1)第1の従来例のように特別な方位センサや相手局
の位置情報を必要としないため、周囲の磁気外乱や方位
検出誤差の蓄積などの影響を受けず、また、相手局が移
動する場合においても自動的に相手局から送信される到
来波の方向に送信ビームを形成することができ、かつ小
型化、低価格化が可能となる。 (2)第2の従来例のように受信アンテナにおける受信
位相差をそのまま周波数変換して送信位相差とせずに、
最小2乗法に基づいて、位相不確定の除去を行うととも
に最大受信波以外の多重波の影響を除去しているため、
多重波環境においてどの方向から最大受信波が到来する
場合においても、確実に最大受信波の到来方向に送信ビ
ームを形成することができ、送信と受信で周波数が異な
る場合でも相手局が受ける干渉を減ずることができる。 (3)実施例の装置にみるように、送信ビームの形成に
おいて、アンテナの機械駆動部分が一切なく、またフィ
ードバックループを一切もたない構成とすることが可能
であるため、受信ベースバンド信号が得られれば、直ち
に送信ウエイトを決定することができ、高速にリアルタ
イムで送信ビームを形成することができる。 (4)また、実施例の装置にみるように、送信ウエイト
の決定は、ディジタル信号処理で行うことができるた
め、送信ビーム形成もディジタル処理で行うこととすれ
ば、変調も含むベースバンド処理をすべてディジタル信
号処理プロセッサに集約することができ、集積度の高い
デバイスを用いれば、システム全体を小型化、低価格化
することができる。
【0100】<第2の実施例>図3は、第2の実施例の
通信用アレーアンテナの自動ビーム捕捉追尾装置の送信
部を示すブロック図である。その他の部分については、
第1の実施例と同様に構成される。以下、図2の第1の
実施例との相違点について詳細に説明する。
【0101】送信局部発振器10aは例えば、同一のク
ロックで駆動されたDDS(DirectDigital Synthesize
r)を用いた発振器であって、所定の周波数の送信局部
発振信号を発生する。一方、送信データである送信ベー
スバンド信号STXは同相分配器9に入力されてN個の送
信ベースバンド信号STXに同相分配された後それぞれ、
位相補正部13−1乃至13−Nに入力される。位相補
正部13−i(i=1,2,…,N)は、入力される送
信ベースバンド信号STXに対して送信ウエイトW1 TX
2 TX,…,WN TXを乗算して乗算結果の送信ベースバン
ド信号Si TX(i=1,2,…,N)を直交変調器6a
−iに出力する。直交変調器6a−iは入力される送信
ベースバンド信号をシリアル/パラレル変換して送信直
交ベースバンド信号に変換した後、当該送信直交ベース
バンド信号に従って互いに90°の位相差を有する上記
送信局部発振信号を直交変調して合成することにより上
記中間周波信号を得る。そして、直交変調後の中間周波
信号は、送信モジュールTM−i内のアップコンバータ
7と送信電力増幅器8とを介して、送信無線信号とし
て、アレーアンテナ1内のサーキュレータCI−iに入
力される。そして、上記送信無線信号がアンテナ素子A
iから送信放射される。従って、アンテナ素子A1乃至
ANから送信ウエイトW1 TX,W2 TX,…,WN TXで重み
付けされた送信信号が放射される。従って、第2の実施
例における送信部は第1の実施例のそれと同様に動作
し、同様の効果を有する。
【0102】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る請求項
1記載のアレーアンテナの制御方法によれば、所定の配
置形状で近接して並置された複数のアンテナ素子からな
るアレーアンテナを制御するためのアレーアンテナの制
御方法において、上記アレーアンテナの各アンテナ素子
でそれぞれ受信された複数の受信信号をそれぞれ共通の
局部発振信号を用いて互いに直交する各2つの直交ベー
スバンド信号に変換し、上記変換された各2つの直交ベ
ースバンド信号に基づいて、所定の基準のアンテナ素子
と他の任意のアンテナ素子との間の各2つの受信信号の
位相差の余弦値とそれらの各振幅値の積に比例する第1
のデータと、上記各2つのアンテナ素子の受信信号の位
相差の正弦値とそれらの各振幅値の積に比例する第2の
データとを演算し、上記演算された第1のデータと第2
のデータとに基づいて、上記各2つのアンテナ素子間の
受信位相差を演算し、上記演算された各2つのアンテナ
素子間の受信位相差が−πから+πまでの範囲に限定さ
れているために生ずる位相不確定性を、マルチパス波に
よる受信位相差の乱れの度合いを示す予め決められた位
相しきい値に応じて、当該受信位相差から除去するよう
に当該受信位相差を補正し、かつその補正された受信位
相差の符号を反転することにより送信位相差に変換し、
上記変換された各2つのアンテナ素子間の送信位相差で
かつ等振幅で送信信号を上記各アンテナ素子から送信す
ることにより、最大受信波の方向のみに送信主ビームを
形成することができる。従って、本発明は以下の特有の
効果を有する。 (1)第1の従来例のように特別な方位センサや相手局
の位置情報を必要としないため、周囲の磁気外乱や方位
検出誤差の蓄積などの影響を受けず、また、相手局が移
動する場合においても自動的に相手局から送信される到
来波の方向に送信ビームを形成することができ、かつ小
型化、低価格化が可能となる。 (2)第2の従来例のように受信アンテナにおける受信
位相差をそのまま周波数変換して送信位相差とせずに、
最小2乗法に基づいて、位相不確定の除去を行うととも
に最大受信波以外の多重波の影響を除去しているため、
多重波環境においてどの方向から最大受信波が到来する
場合においても、確実に最大受信波の到来方向に送信ビ
ームを形成することができ、送信と受信で周波数が異な
る場合でも相手局が受ける干渉を減ずることができる。 (3)送信ビームの形成において、アンテナの機械駆動
部分が一切なく、またフィードバックループを一切もた
ない構成とすることが可能であるため、受信ベースバン
ド信号が得られれば、直ちに送信ウエイトを決定するこ
とができ、高速にリアルタイムで送信ビームを形成する
ことができる。 (4)送信ウエイトの決定は、ディジタル信号処理で行
うため、送信ビーム形成もディジタルで行うこととすれ
ば、変調も含むベースバンド処理をすべてディジタル信
号処理プロセッサに集約することができ、集積度の高い
デバイスを用いれば、システム全体を小型化、低価格化
することができる。
【0103】また、請求項2記載のアレーアンテナの制
御方法によれば、請求項1記載のアレーアンテナの制御
方法において、上記演算された各2つのアンテナ素子間
の受信位相差に基づいて、互いに近接した各2つのアン
テナ素子間の受信位相差を演算し、上記互いに近接した
各2つのアンテナ素子間の受信位相差がもつ位相不確定
性のすべての候補に対応した等位相の複数の1次回帰平
面を最小2乗法により演算し、上記受信位相差と上記等
位相の1次回帰平面との間の残差の2乗和と、上記等位
相の1次回帰平面の勾配係数とを用いて、上記位相不確
定性を除去し、最大受信波に対応した等位相の1次回帰
平面を1つだけ特定することにより当該受信位相差を補
正する。これにより、より簡単な方法で当該受信位相差
を補正することができる。
【0104】さらに、請求項3記載のアレーアンテナの
制御方法によれば、請求項2記載のアレーアンテナの制
御方法において、上記互いに近接した各2つのアンテナ
素子間の受信位相差がもつ位相不確定性のすべての候補
に対応した受信位相差からなる行列と、上記アレーアン
テナを構成する複数のアンテナ素子の位置座標からなる
行列とを用いて、最小2乗法を用いてウイナー−ホプフ
(Wiener−Hopf)方程式を解くことにより、
上記位相不確定のすべての候補に対応した上記等位相の
1次回帰平面を表す方程式を導いて、上記位相不確定性
のすべての候補に対応した等位相の複数の1次回帰平面
を演算する。これにより、より簡単な方法で当該受信位
相差を補正することができる。
【0105】またさらに、請求項4記載のアレーアンテ
ナの制御方法によれば、請求項2又は3記載のアレーア
ンテナの制御方法において、上記位相不確定が除去され
た上記等位相の1次回帰平面から演算される受信位相差
に、受信周波数に対する送信周波数の比を乗算したもの
を送信位相差とすることにより、送信位相差に変換す
る。これにより、より簡単な方法で受信位相差を送信位
相差に変換することができる。
【0106】本発明に係る請求項5記載のアレーアンテ
ナの制御装置によれば、所定の配置形状で近接して並置
された複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナを制
御するためのアレーアンテナの制御装置において、上記
アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信された
複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて
互いに直交する各2つの直交ベースバンド信号に変換す
る変換手段と、上記変換手段によって変換された各2つ
の直交ベースバンド信号に基づいて、所定の基準のアン
テナ素子と他の任意のアンテナ素子との間の各2つの受
信信号の位相差の余弦値とそれらの各振幅値の積に比例
する第1のデータと、上記各2つのアンテナ素子の受信
信号の位相差の正弦値とそれらの各振幅値の積に比例す
る第2のデータとを演算し、上記演算された第1のデー
タと第2のデータとに基づいて、上記各2つのアンテナ
素子間の受信位相差を演算する位相差演算手段と、上記
位相差演算手段によって演算された各2つのアンテナ素
子間の受信位相差が−πから+πまでの範囲に限定され
ているために生ずる位相不確定性を、マルチパス波によ
る受信位相差の乱れの度合いを示す予め決められた位相
しきい値に応じて、当該受信位相差から除去するように
当該受信位相差を補正し、かつその補正された受信位相
差の符号を反転することにより送信位相差に変換する補
正手段とを備え、上記補正手段によって変換された各2
つのアンテナ素子間の送信位相差でかつ等振幅で送信信
号を上記各アンテナ素子から送信することにより、最大
受信波の方向のみに送信主ビームを形成する。従って、
本発明は以下の特有の効果を有する。 (1)第1の従来例のように特別な方位センサや相手局
の位置情報を必要としないため、周囲の磁気外乱や方位
検出誤差の蓄積などの影響を受けず、また、相手局が移
動する場合においても自動的に相手局から送信される到
来波の方向に送信ビームを形成することができ、かつ小
型化、低価格化が可能となる。 (2)第2の従来例のように受信アンテナにおける受信
位相差をそのまま周波数変換して送信位相差とせずに、
最小2乗法に基づいて、位相不確定の除去を行うととも
に最大受信波以外の多重波の影響を除去しているため、
多重波環境においてどの方向から最大受信波が到来する
場合においても、確実に最大受信波の到来方向に送信ビ
ームを形成することができ、送信と受信で周波数が異な
る場合でも相手局が受ける干渉を減ずることができる。 (3)送信ビームの形成において、アンテナの機械駆動
部分が一切なく、またフィードバックループを一切もた
ない構成とすることが可能であるため、受信ベースバン
ド信号が得られれば、直ちに送信ウエイトを決定するこ
とができ、高速にリアルタイムで送信ビームを形成する
ことができる。 (4)送信ウエイトの決定は、ディジタル信号処理で行
うため、送信ビーム形成もディジタルで行うこととすれ
ば、変調も含むベースバンド処理をすべてディジタル信
号処理プロセッサに集約することができ、集積度の高い
デバイスを用いれば、システム全体を小型化、低価格化
することができる。
【0107】また、請求項6記載のアレーアンテナの制
御装置によれば、請求項5記載のアレーアンテナの制御
装置において、上記補正手段は、上記演算された各2つ
のアンテナ素子間の受信位相差に基づいて、互いに近接
した各2つのアンテナ素子間の受信位相差を演算し、上
記互いに近接した各2つのアンテナ素子間の受信位相差
がもつ位相不確定性のすべての候補に対応した等位相の
複数の1次回帰平面を最小2乗法により演算し、上記受
信位相差と上記等位相の1次回帰平面との間の残差の2
乗和と、上記等位相の1次回帰平面の勾配係数とを用い
て、上記位相不確定性を除去し、最大受信波に対応した
等位相の1次回帰平面を1つだけ特定することにより当
該受信位相差を補正する。これにより、より簡単な方法
で当該受信位相差を補正することができる。
【0108】さらに、請求項7記載のアレーアンテナの
制御装置によれば、請求項6記載のアレーアンテナの制
御装置において、上記補正手段は、上記互いに近接した
各2つのアンテナ素子間の受信位相差がもつ位相不確定
性のすべての候補に対応した受信位相差からなる行列
と、上記アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子
の位置座標からなる行列とを用いて、最小2乗法を用い
てウイナー−ホプフ(Wiener−Hopf)方程式
を解くことにより、上記位相不確定のすべての候補に対
応した上記等位相の1次回帰平面を表す方程式を導い
て、上記位相不確定性のすべての候補に対応した等位相
の複数の1次回帰平面を演算する。これにより、より簡
単な方法で当該受信位相差を補正することができる。
【0109】またさらに、請求項8記載のアレーアンテ
ナの制御装置によれば、請求項6又は7記載のアレーア
ンテナの制御装置において、上記補正手段は、上記位相
不確定が除去された上記等位相の1次回帰平面から演算
される受信位相差に、受信周波数に対する送信周波数の
比を乗算したものを送信位相差とすることにより、送信
位相差に変換する。これにより、より簡単な方法で受信
位相差を送信位相差に変換することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施例である通信用アレ
ーアンテナの自動ビーム捕捉追尾装置の受信部を示すブ
ロック図である。
【図2】 第1の実施例の通信用アレーアンテナの自動
ビーム捕捉追尾装置の送信部を示すブロック図である。
【図3】 第2の実施例の通信用アレーアンテナの自動
ビーム捕捉追尾装置の送信部を示すブロック図である。
【図4】 図1のDBF部4を示すブロック図である。
【図5】 実施例におけるアンテナ素子の配置を示す平
面図である。
【図6】 図1の送信ウエイト演算回路30のブロック
図である。
【図7】 図13における位相回帰平面選択部33によ
って実行される、アンテナ素子が1次元配列の場合(変
形例)における位相回帰平面選択処理を示すフローチャ
ートである。
【図8】 図13における位相回帰平面選択部33によ
って実行される、アンテナ素子が2次元配列の場合(実
施例)における位相回帰平面選択処理の第1の部分を示
すフローチャートである。
【図9】 図13における位相回帰平面選択部33によ
って実行される、アンテナ素子が2次元配列の場合(実
施例)における位相回帰平面選択処理の第2の部分を示
すフローチャートである。
【図10】 図13における位相回帰平面選択部33に
よって実行される、アンテナ素子が2次元配列の場合
(実施例)における位相回帰平面選択処理の第3の部分
を示すフローチャートである。
【図11】 図13の送信ウエイト演算回路30におけ
る受信位相の最小2乗法による1次平面への回帰処理を
示す説明図である。
【図12】 図13の送信ウエイト演算回路30におけ
る位相不確定性の検査と除去を示す説明図である。
【図13】 図13の送信ウエイト演算回路30におけ
る受信位相の不確定性の検査における位相しきい値kの
設定を示す説明図である。
【図14】 図1及び図2の通信用アレーアンテナの自
動ビーム捕捉追尾装置のシミュレーション結果である、
最大比合成受信によるビーム形成を示す指向性パターン
を示すグラフである。
【図15】 図1及び図2の通信用アレーアンテナの自
動ビーム捕捉追尾装置のシミュレーション結果である、
マルチパス波の到来方向の角度が15°の場合における
指向性パターンを示すグラフである。
【図16】 図1及び図2の通信用アレーアンテナの自
動ビーム捕捉追尾装置のシミュレーション結果である、
マルチパス波の到来方向の角度が30°の場合における
指向性パターンを示すグラフである。
【図17】 図1及び図2の通信用アレーアンテナの自
動ビーム捕捉追尾装置のシミュレーション結果である、
最大比合成受信におけるビット誤り率特性を示すグラフ
である。
【図18】 図1及び図2の通信用アレーアンテナの自
動ビーム捕捉追尾装置のシミュレーション結果である、
直接波とマルチパス波の到来方向の角度がそれぞれ−4
5°及び+15°の場合における送受信ビームの形成を
示す指向性パターンのグラフである。
【図19】 図1及び図2の通信用アレーアンテナの自
動ビーム捕捉追尾装置のシミュレーション結果である、
直接波とマルチパス波の到来方向の角度がそれぞれ−1
5°及び+30°の場合における送受信ビームの形成を
示す指向性パターンのグラフである。
【符号の説明】 1…アレーアンテナ、 2…低雑音増幅器、 3…ダウンコンバータ、 4…DBF部、 5…復調器、 6,6a−1乃至6a−N…直交変調器、 7…アップコンータ、 8…送信電力増幅器、 9…同相分配器、 10,10a…送信局部発振器、 11…第1局部発振器、 12…第2局部発振器、 13−1乃至13−N…位相補正部、 20…絶対値演算部、 21…複素共役積演算部、 22,23…低域通過フィルタ、 24,25…遅延バッファ回路、 26,27…乗算器、 28a,28b…除算器、 29…同相合成器、 30…送信ウエイト演算回路、 31−1乃至31−N…位相差演算部、 32−1乃至32−9…最小2乗回帰処理部、 33…位相回帰平面選択部、 34…セレクタ、 35…送信ウエイト演算部、 A1乃至AN…アンテナ素子、 CI−1乃至CI−N…サーキュレータ、 RM−1乃至RM−N…受信モジュール、 AD−1乃至AD−N…A/D変換器、 QD−1乃至QD−N…準同期検波回路、 QM−1乃至QM−N…直交変調回路、 TM−1乃至TM−N…送信モジュール。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年9月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】ここで、低域通過フィルタ22,23の遮
断周波数について説明する。図4における低域通過フィ
ルタ22,23はFIRフィルタ又はIIRフィルタな
どのディジタルフィルタで構成される。この遮断周波数
は、高いほど受信雑音の影響を受けやすく、アンテナ1
素子当りの受信電力が低い場合には、捕捉追尾の精度が
劣化しやすい。逆に、遮断周波数は低いほど受信雑音の
影響が除去されるので、アンテナ1素子当りの受信電力
が低い場合でも捕捉追尾が可能となる。ただし、帯域通
過フィルタは狭帯域になるほど時定数が長くなるので、
受信波の到来方向の急激な変化に対する追従性は鈍くな
る。通常の移動体通信などにおける受信波の直接到来方
向の変化は、ビーム形成を行う演算時間に比べて十分遅
いので、むしろ受信雑音が支配的となる。このため、低
域通過フィルタ22,23の遮断周波数は、受信信号電
力対受信雑音電力によって決定され、衛星通信のように
受信電力が小さい場合には、ハードウェアが許す範囲で
低く設定することが好ましい。当該低域通過フィルタ2
2,23の遮断周波数は、具体的には、サンプリング周
波数の100分の1から1000分の1程度に設定され
る。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正内容】
【図7】 図6における位相回帰平面選択部33によっ
て実行される、アンテナ素子が1次元配列の場合(変形
例)における位相回帰平面選択処理を示すフローチャー
トである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図8
【補正方法】変更
【補正内容】
【図8】 図6における位相回帰平面選択部33によっ
て実行される、アンテナ素子が2次元配列の場合(実施
例)における位相回帰平面選択処理の第1の部分を示す
フローチャートである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図9
【補正方法】変更
【補正内容】
【図9】 図6における位相回帰平面選択部33によっ
て実行される、アンテナ素子が2次元配列の場合(実施
例)における位相回帰平面選択処理の第2の部分を示す
フローチャートである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図10
【補正方法】変更
【補正内容】
【図10】 図6における位相回帰平面選択部33によ
って実行される、アンテナ素子が2次元配列の場合(実
施例)における位相回帰平面選択処理の第3の部分を示
すフローチャートである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】 図6の送信ウエイト演算回路30における
受信位相の最小2乗法による1次平面への回帰処理を示
す説明図である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図12
【補正方法】変更
【補正内容】
【図12】 図6の送信ウエイト演算回路30における
位相不確定性の検査と除去を示す説明図である。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】 図6の送信ウエイト演算回路30における
受信位相の不確定性の検査における位相しきい値kの設
定を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 豊久 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール光電波 通信研究所内 (72)発明者 唐沢 好男 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷5 番地 株式会社エイ・ティ・アール光電波 通信研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の配置形状で近接して並置された複
    数のアンテナ素子からなるアレーアンテナを制御するた
    めのアレーアンテナの制御方法において、 上記アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信さ
    れた複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用
    いて互いに直交する各2つの直交ベースバンド信号に変
    換し、 上記変換された各2つの直交ベースバンド信号に基づい
    て、所定の基準のアンテナ素子と他の任意のアンテナ素
    子との間の各2つの受信信号の位相差の余弦値とそれら
    の各振幅値の積に比例する第1のデータと、上記各2つ
    のアンテナ素子の受信信号の位相差の正弦値とそれらの
    各振幅値の積に比例する第2のデータとを演算し、上記
    演算された第1のデータと第2のデータとに基づいて、
    上記各2つのアンテナ素子間の受信位相差を演算し、 上記演算された各2つのアンテナ素子間の受信位相差が
    −πから+πまでの範囲に限定されているために生ずる
    位相不確定性を、マルチパス波による受信位相差の乱れ
    の度合いを示す予め決められた位相しきい値に応じて、
    当該受信位相差から除去するように当該受信位相差を補
    正し、かつその補正された受信位相差の符号を反転する
    ことにより送信位相差に変換し、 上記変換された各2つのアンテナ素子間の送信位相差で
    かつ等振幅で送信信号を上記各アンテナ素子から送信す
    ることにより、最大受信波の方向のみに送信主ビームを
    形成することを特徴とするアレーアンテナの制御方法。
  2. 【請求項2】 上記演算された各2つのアンテナ素子間
    の受信位相差に基づいて、互いに近接した各2つのアン
    テナ素子間の受信位相差を演算し、 上記互いに近接した各2つのアンテナ素子間の受信位相
    差がもつ位相不確定性のすべての候補に対応した等位相
    の複数の1次回帰平面を最小2乗法により演算し、 上記受信位相差と上記等位相の1次回帰平面との間の残
    差の2乗和と、上記等位相の1次回帰平面の勾配係数と
    を用いて、上記位相不確定性を除去し、最大受信波に対
    応した等位相の1次回帰平面を1つだけ特定することに
    より当該受信位相差を補正することを特徴とする請求項
    1記載のアレーアンテナの制御方法。
  3. 【請求項3】 上記互いに近接した各2つのアンテナ素
    子間の受信位相差がもつ位相不確定性のすべての候補に
    対応した受信位相差からなる行列と、上記アレーアンテ
    ナを構成する複数のアンテナ素子の位置座標からなる行
    列とを用いて、最小2乗法を用いてウイナー−ホプフ
    (Wiener−Hopf)方程式を解くことにより、
    上記位相不確定のすべての候補に対応した上記等位相の
    1次回帰平面を表す方程式を導いて、上記位相不確定性
    のすべての候補に対応した等位相の複数の1次回帰平面
    を演算することを特徴とする請求項2記載のアレーアン
    テナの制御方法。
  4. 【請求項4】 上記位相不確定が除去された上記等位相
    の1次回帰平面から演算される受信位相差に、受信周波
    数に対する送信周波数の比を乗算したものを送信位相差
    とすることにより、送信位相差に変換することを特徴と
    する請求項2又は3記載のアレーアンテナの制御方法。
  5. 【請求項5】 所定の配置形状で近接して並置された複
    数のアンテナ素子からなるアレーアンテナを制御するた
    めのアレーアンテナの制御装置において、 上記アレーアンテナの各アンテナ素子でそれぞれ受信さ
    れた複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用
    いて互いに直交する各2つの直交ベースバンド信号に変
    換する変換手段と、 上記変換手段によって変換された各2つの直交ベースバ
    ンド信号に基づいて、所定の基準のアンテナ素子と他の
    任意のアンテナ素子との間の各2つの受信信号の位相差
    の余弦値とそれらの各振幅値の積に比例する第1のデー
    タと、上記各2つのアンテナ素子の受信信号の位相差の
    正弦値とそれらの各振幅値の積に比例する第2のデータ
    とを演算し、上記演算された第1のデータと第2のデー
    タとに基づいて、上記各2つのアンテナ素子間の受信位
    相差を演算する位相差演算手段と、 上記位相差演算手段によって演算された各2つのアンテ
    ナ素子間の受信位相差が−πから+πまでの範囲に限定
    されているために生ずる位相不確定性を、マルチパス波
    による受信位相差の乱れの度合いを示す予め決められた
    位相しきい値に応じて、当該受信位相差から除去するよ
    うに当該受信位相差を補正し、かつその補正された受信
    位相差の符号を反転することにより送信位相差に変換す
    る補正手段とを備え、 上記補正手段によって変換された各2つのアンテナ素子
    間の送信位相差でかつ等振幅で送信信号を上記各アンテ
    ナ素子から送信することにより、最大受信波の方向のみ
    に送信主ビームを形成することを特徴とするアレーアン
    テナの制御装置。
  6. 【請求項6】 上記補正手段は、上記演算された各2つ
    のアンテナ素子間の受信位相差に基づいて、互いに近接
    した各2つのアンテナ素子間の受信位相差を演算し、上
    記互いに近接した各2つのアンテナ素子間の受信位相差
    がもつ位相不確定性のすべての候補に対応した等位相の
    複数の1次回帰平面を最小2乗法により演算し、上記受
    信位相差と上記等位相の1次回帰平面との間の残差の2
    乗和と、上記等位相の1次回帰平面の勾配係数とを用い
    て、上記位相不確定性を除去し、最大受信波に対応した
    等位相の1次回帰平面を1つだけ特定することにより当
    該受信位相差を補正することを特徴とする請求項5記載
    のアレーアンテナの制御装置。
  7. 【請求項7】 上記補正手段は、上記互いに近接した各
    2つのアンテナ素子間の受信位相差がもつ位相不確定性
    のすべての候補に対応した受信位相差からなる行列と、
    上記アレーアンテナを構成する複数のアンテナ素子の位
    置座標からなる行列とを用いて、最小2乗法を用いてウ
    イナー−ホプフ(Wiener−Hopf)方程式を解
    くことにより、上記位相不確定のすべての候補に対応し
    た上記等位相の1次回帰平面を表す方程式を導いて、上
    記位相不確定性のすべての候補に対応した等位相の複数
    の1次回帰平面を演算することを特徴とする請求項6記
    載のアレーアンテナの制御装置。
  8. 【請求項8】 上記補正手段は、上記位相不確定が除去
    された上記等位相の1次回帰平面から演算される受信位
    相差に、受信周波数に対する送信周波数の比を乗算した
    ものを送信位相差とすることにより、送信位相差に変換
    することを特徴とする請求項6又は7記載のアレーアン
    テナの制御装置。
JP7117167A 1994-08-29 1995-05-16 アレーアンテナの制御方法及び制御装置 Expired - Lifetime JP2916391B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7117167A JP2916391B2 (ja) 1995-05-16 1995-05-16 アレーアンテナの制御方法及び制御装置
EP95113580A EP0700116A3 (en) 1994-08-29 1995-08-28 Apparatus and method for controlling array antenna comprising a plurality of antenna elements with improved incoming beam tracking
US08/521,068 US5585803A (en) 1994-08-29 1995-08-29 Apparatus and method for controlling array antenna comprising a plurality of antenna elements with improved incoming beam tracking

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7117167A JP2916391B2 (ja) 1995-05-16 1995-05-16 アレーアンテナの制御方法及び制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08316722A true JPH08316722A (ja) 1996-11-29
JP2916391B2 JP2916391B2 (ja) 1999-07-05

Family

ID=14705112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP7117167A Expired - Lifetime JP2916391B2 (ja) 1994-08-29 1995-05-16 アレーアンテナの制御方法及び制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2916391B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000209017A (ja) * 1999-01-20 2000-07-28 Fujitsu Ltd 無線基地局
JP2002368714A (ja) * 2001-06-07 2002-12-20 Denso Corp Ofdm方式の送受信機
JP2004260554A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Nippon Soken Inc 侵入センサ用アンテナ
JP2007336164A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Mitsubishi Electric Corp Dbf信号処理装置およびdbf信号処理方法
JP2010078420A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Mitsubishi Electric Corp 電波方向探知装置およびビーム形成装置
JP2010273283A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Mitsubishi Electric Corp 送受信装置
JP2011199850A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Ntt Docomo Inc 時分割複信mimoシステムの校正方法および装置
JP2012502525A (ja) * 2008-09-04 2012-01-26 アルカテル−ルーセント アンテナ素子配置におけるマルチアンテナ信号処理のための方法、対応する送受信機及び対応するアンテナ素子配置

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000209017A (ja) * 1999-01-20 2000-07-28 Fujitsu Ltd 無線基地局
JP2002368714A (ja) * 2001-06-07 2002-12-20 Denso Corp Ofdm方式の送受信機
JP4496673B2 (ja) * 2001-06-07 2010-07-07 株式会社デンソー Ofdm方式の送受信機
JP2004260554A (ja) * 2003-02-26 2004-09-16 Nippon Soken Inc 侵入センサ用アンテナ
JP2007336164A (ja) * 2006-06-14 2007-12-27 Mitsubishi Electric Corp Dbf信号処理装置およびdbf信号処理方法
JP2012502525A (ja) * 2008-09-04 2012-01-26 アルカテル−ルーセント アンテナ素子配置におけるマルチアンテナ信号処理のための方法、対応する送受信機及び対応するアンテナ素子配置
JP2010078420A (ja) * 2008-09-25 2010-04-08 Mitsubishi Electric Corp 電波方向探知装置およびビーム形成装置
JP2010273283A (ja) * 2009-05-25 2010-12-02 Mitsubishi Electric Corp 送受信装置
JP2011199850A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Ntt Docomo Inc 時分割複信mimoシステムの校正方法および装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2916391B2 (ja) 1999-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2311140B1 (en) A phased array antenna and a method of operating a phased array antenna
EP0700116A2 (en) Apparatus and method for controlling array antenna comprising a plurality of antenna elements with improved incoming beam tracking
US7057555B2 (en) Wireless LAN with distributed access points for space management
KR100297078B1 (ko) 적응형수신다이버시티장치및적응형송신다이버시티장치
US7373127B2 (en) Digital beam forming for communications systems
US6462704B2 (en) Array antenna calibration
EP0840961B1 (en) Self-calibration apparatus and method for communication device
Chiba et al. Digital beam forming (DBF) antenna system for mobile communications
US20120086602A1 (en) Hybrid beam forming apparatus in wideband wireless communication system
US11817894B2 (en) Channel extraction digital beamforming
JP2965503B2 (ja) アレーアンテナの制御装置
JP2916391B2 (ja) アレーアンテナの制御方法及び制御装置
EP1217761A2 (en) CDMA communication terminal for communication with adaptive array antenna device
Tanaka et al. An ASIC implementation scheme to realize a beam space CMA adaptive array antenna
JP3017400B2 (ja) アレーアンテナの制御方法及び制御装置
JP6983367B1 (ja) 受信装置、通信システム、受信方法、制御回路および記憶媒体
WO2000017959A1 (en) System and method for mitigating static carrier-phase multipath effects
JP2021083061A (ja) 無線受信装置
JP2013128224A (ja) 追尾アンテナ装置および受信系rf特性変動補償方法
Warrier et al. Error performance of a duplex retrodirective array system