JP2010077575A - 赤外線透過撮影防止用布帛及びこれを用いてなる衣服製品。 - Google Patents

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Abstract

【課題】衣服の厚み、使用期間などに関係なく所望の透撮抑止効果を衣服に与えることのできる布帛、及びこの布帛を用いて各種衣服製品を提供すること。
【解決手段】酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズからなる白色系微粒子、又は、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズを他の無機微粒子にコーティングしたものからなる白色系微粒子を3.0〜12.0質量%含有する合成繊維を70質量%以上使用した布帛であって、該布帛の1000nmにおける赤外線透過率が40%以下である赤外線透過撮影防止用布帛。
【選択図】なし

Description

本発明は、衣服としたとき赤外線カメラによる透過撮影を抑止することのできる布帛に関するものである。
近年、ビデオカメラやデジタルカメラといった撮影機器の高性能化に伴い、暗闇の中でも撮影が可能な撮影機器が上市されるようになった。この機器は赤外線による撮影が可能で、本来は軍事用に開発されたものであるが、夜間撮影を望む消費者の需要に応えるべく上市に至った経緯がある。また、一般的なビデオカメラやデジタルカメラに赤外線透過フィルターを取り付けることによっても、透過撮影(以下、単に透撮ということがある)が可能になることが知られている。
ところが、この機器を夜間撮影という目的ではなく、日中の赤外線放射の多い時間帯に使用し、女性の裸体を透撮するという公序良俗に反する行為に至る者が現れ、社会問題となっている。
このような透撮行為は、水着やフィットネスウェアといった薄地衣服を着用した女性が対象となることが多く、防衛策として衣服を厚くするなどの手段が講じられてきた。しかし、このような手段は、衣服の着用快適性やファッション性などを損ねる傾向にあり、広く普及するには至っていない。
このような状況のもと、抜本的に赤外線透過を抑止するための研究・開発がなされ、これまでにそのような効果を奏する繊維製品が幾つか提案されている。例えば、特許文献1には、ポリエステルからなるトリコット編地に、特定の赤外線吸収剤を含むアクリル樹脂をコーティングしたものが提案されている。この技術によれば、編地裏面をコーティングすることや、透撮を抑止したい部分だけをコーティングすることなどが可能なため、衣服となしたとき、その色彩やファッション性だけでなく伸縮性や着用快適性も損ねずに、所望の透撮抑止効果を得ることができるという利点がある。
特開2000−328441号公報
しかしながら、布帛に樹脂をコーティングするという手段を採用すると、風合いが硬化するため、衣服として着用した場合の肌当りが悪く、着心地を損なう。特に裏地やインナーのような肌に触れる用途では顕著である。また、衣服の使用期間が延びるのに伴い洗濯する機会も増えることから、樹脂が次第に剥がれ易くなってくるという問題がある。この問題を解決するには、粘着力の強い樹脂を用いればよいが、そのような樹脂は一般に衣服の風合いを損ねる傾向が強く、推奨できる手段とはいい難い。また、透撮抑止効果をより向上させようとするなら、より多くの樹脂をコーティングしなければならないが、布帛に対しコーティング量を増やすことは、一般に衣服の風合いや伸縮性などを損ねる傾向にある。特に、布帛裏面にコーティングした場合であっても、衣服が薄地衣服であるときにはコーティング部分が透けて見えるから、衣服のファッション性が低減するし、コーティング部分に触れれば凹凸感を感じるから着用快適性も低減することになる。しかるに、これも推奨できる手段とはいい難い。
このように、厚みや使用期間に関係なく、衣服に一定の透撮抑止効果を与えると同時に、ファッション性や各種機能性を損なうことなく効果的に透撮抑止効果を衣服に与えるうる布帛は未だ提案されていない。
本発明は、このような従来技術の欠点を解消するものであり、衣服の厚み、使用期間などに関係なく所望の透撮抑止効果を衣服に与えることのできる布帛、及びこの布帛を用いて各種衣服製品を提供することを課題とするものである。
本発明者は、従来法の欠点がコーティング手段を採用する点にあると考え、布帛を構成する繊維自体に何らかの工夫を付せないか検討したところ、驚くべきことに、特定の白色系微粒子を含む繊維から構成される布帛を使用したとき、衣服を繰り返し洗濯しても透撮抑止効果を維持できることを見出し、しかも、白色系微粒子であれば、布帛元来の色彩を白くすることができるから、後に任意の色彩を鮮やかに表現することが可能で、併せて衣服のファッション性も高めることができるということを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズからなる白色系微粒子、又は、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズを他の無機微粒子にコーティングしたものからなる白色系微粒子を3.0〜12.0質量%含有する合成繊維を70質量%以上使用した布帛であって、該布帛の1000nmにおける赤外線透過率が40%以下であることを特徴とする赤外線透過撮影防止用布帛を要旨とするものである。本発明では、布帛の厚みとして600μm以下が好ましく、L*値として50以上が好ましい。
そして、本発明は、この他にも当該布帛を用いた水着、水着用裏地、インナー、フィットネスウェアを含むものである。
本発明によれば、特定の白色系微粒子を含有する繊維を使用することにより、衣服の厚み、使用期間などに関係なく所望の透撮抑止効果を衣服に与えることができると同時に、任意の色彩が布帛上で表現できるから、衣服のファッション性も大いに高めることができる。
したがって、水着、水着用裏地、インナー、フィットネスウェアなどの、従来はファッション性や各種機能性を保ちつつ所望の透撮抑止効果を発し難いとされてきた薄地衣服に対しても、本発明の布帛を好ましく適用できる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の赤外線透過撮影防止用布帛は、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズからなる白色系微粒子、又は、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズを他の無機微粒子にコーティングしたものからなる白色系微粒子(以下、これらをまとめて「特定白色系微粒子」ということがある)を含有する合成繊維を用いた布帛であり、布帛の種類としては、織物、編物、不織布の何れであってもよい。
本発明に用いられる合成繊維としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン610、ナイロン11、ナイロン12などのポリアミド系合成繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系合成繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系合成繊維、又はこれらを主成分とする繊維形成性が良好な熱可塑性重合体ないし組成物からなる合成繊維や、ポリアクリロニトリル系合成繊維、ポリビニルアルコール系合成繊維、ポリ塩化ビニル系合成繊維などがあげられる。中でも、強伸度、発色性、風合いの点から、ポリアミド系合成繊維又はポリエステル系合成繊維が好ましく用いられる。ポリアミド系合成繊維としては、特にナイロン6、ナイロン66が好ましく、ポリエステル系合成繊維としては特にポリエチレンテレフタレートが好ましい。
上記合成繊維の形態としては、特に限定されるものでなく、フィラメント、ステープルの何れであってもよい。
また、本発明の布帛には、本発明の効果を損なわない限りにおいて特定白色系微粒子を含有する合成繊維以外の繊維が使用されていてもよいが、衣服に効果的に透撮抑止効果を発揮させる観点から、布帛には、上記の合成繊維を70質量%以上含ませる必要がある。
上記合成繊維以外の他の繊維を布帛に含ませる場合は、一般に混繊、混紡、交織編などの手段により含有させる。他の繊維としては、目的に応じ適宜選択してよいが、本発明では特にポリウレタン繊維が好ましく、布帛中に占める質量比率としては、布帛の伸縮性向上の観点から、5〜30質量%が好ましく、10〜20質量%がより好ましい。
また、本発明に使用する特定白色系微粒子における酸化アンチモンと酸化第二スズとの質量比率としては、酸化アンチモン/酸化第二スズ=0.5/99.5〜15.0/85.0が好ましい。
一方、特定白色系微粒子として、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズを他の無機微粒子にコーティングしたものを使用する場合、上記の他の無機微粒子としては、特に限定されるものではないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミニウムなどが好ましく用いられる。また、質量比率としては、酸化アンチモン/酸化第二スズ/他の無機微粒子=0.5/5.0/94.5〜2.0/18.0/80.0が好ましい。
また、合成繊維中には必要に応じて艶消し剤、難燃剤、抗酸化剤などを添加してもよい。
上記の特定白色系微粒子の粒径(一次粒径)としては、10μm以下が好ましく、0.05〜1μmがより好ましく、0.05〜0.5μmが特に好ましい。粒径が10μmを超えると、紡糸工程において濾材の目詰まりや糸切れなどが生じる傾向にあり好ましくない。
さらに、合成繊維中における特定白色系微粒子の含有量としては、3.0〜12.0質量%であることが必要であり、5.0〜10.0質量%が好ましい。含有量が3.0質量%未満であると、衣服の透撮抑止効果が大幅に低減する。一方、12.0質量%を超えると、紡糸性が悪化すると同時に繊維の強度低下を招く。本発明においては、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズからなる白色系微粒子と、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズを他の無機微粒子にコーティングしたものからなる白色系微粒子とを混合して用いてもよいが、この場合の含有量としても上記範囲を採用する必要がある。
合成繊維中に特定白色系微粒子を含有させる態様としては、特に限定されるものでなく、繊維全体に均一に含有させる態様又は特定部分だけに含有させる態様の何れであってもよい。特定部分だけに含有させる態様としては、例えば、芯鞘状、サイドバイサイド状、フルーツセクション状などの態様が採用できる。中でも本発明では、芯鞘状であって繊維の内側部分に特定白色系微粒子を含有させる態様が好ましい。これは、繊維において、微粒子の含有された部分が繊維表面に露出しないため、紡糸機、織機、編機などのローラーやガイドなどが微粒子によって損傷され難いからである。芯鞘比率としては、芯/鞘の質量比率で30/80〜70/30が好ましい。芯/鞘の質量比率が30/70未満になると特定白色系微粒子の含有体積比率が少なくなり、衣服の透撮抑止効果が低減するため好ましくない。また、芯/鞘の質量比率が70/30以上になると繊維の紡糸性が著しく低下するため好ましくない。
上記の特定白色系微粒子を合成繊維に含有させる方法としては、原料ポリマーに直接混合して紡糸する方法や、予め原料ポリマーの一部を用いて高濃度に含有したマスターバッチを製造し、これを紡糸時に所定の濃度に希釈調整してから紡糸する方法などがある。
本発明の布帛には、このように特定の繊維が使用されており、これにより赤外線の透過を抑止することができ、ひいては衣服としたとき赤外線カメラを使用した透撮行為を抑止することができる。
赤外線透過の抑止を評価する指標としては、1000nmにおける赤外線透過率を用いる。これは、赤外線透過撮影に使用される波長域が、およそ800〜1500nmの領域にあるため、1000nmにおける赤外線透過を測定することにより、赤外線透過撮影が可能かどうか判断できるからである。
本発明では、1000nmにおける赤外線透過率として、具体的に40%以下である必要があり、30%以下であることが好ましい。40%を超えると赤外線透過撮影が可能となってしまう。
本発明の布帛は、以上のように特定の繊維を使用することにより赤外線の透過を抑止するものであるから、布帛の厚みに関係なく、衣服に一定の透撮抑止効果を与えることができる。また、繰り返し洗濯した程度では特定白色系微粒子を繊維から脱落させることはできないから、衣服の使用期間が延びても一定の透撮抑止効果を維持することができる。さらに、特定白色系微粒子の使用量を調整することにより、衣服の透撮抑止効果を調整することもできる。したがって、例えば、透撮抑止効果をより向上させたいときは、繊維中により多くの微粒子を含有させればよい。そして、特定白色系微粒子は、布帛元来の色彩を概ね保持できるため、後に布帛に所望の色彩を付することができ、結果、衣服のファッション性をも高めることができる。
本発明の布帛は、このように、従来からある、特定の樹脂を布帛にコーティングすることで衣服に透撮抑止効果を付するものとは異なり、様々な利点を有するものである。したがって、従来はファッション性や各種機能性を保ちつつ所望の透撮抑止効果を発し難いとされてきた薄地衣服に対しても、本発明の布帛を好ましく適用することができる。ここでいう薄地衣服とは、薄地衣服本体だけでなく、その薄地衣服に取り付けられた裏地などの構成部材をも含むものであり、本発明の布帛は全ての薄地衣服に対し適用可能であることはいうまでもない。ただし、本発明の布帛を薄地衣服に適用する場合は、布帛の厚みを好ましくは600μm以下、より好ましくは450μm以下とする。これは、厚みが600μmを超えると、透撮抑止効果は低減しないものの衣服の着用快適性が低減する傾向にあるからである。
また、布帛の色彩については、任意の色彩が選択可能である。しかし、濃色よりも淡色使いの衣服を着用した女性が透撮の被害にあい易い点(白い衣服は透け易いという点に基付くものと思われる)を鑑みれば、本発明の布帛は、淡色使いで用いるのが好ましいといえる。具体的には、L*値を50以上とすることが好ましい。
ここで、本発明の布帛を最も好ましく適用できる衣服をあげるとするなら、水着、水着用裏地、フィットネスウェア、下着などがあげられる。これらは、ファッション性と共に透撮行為の抑止が必要となる場面で使用される点で共通する。特に、本発明の布帛を裏地やインナーとして使用した場合、衣服本体からこれらが透けて見えると、衣服のファッション性を損ねてしまう場合がある。このようなときは、布帛の色彩を淡くすればよく、具体的には布帛のL*値を50以上とすれば透け難くなる。
次に、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、実施例、比較例における布帛の評価は、下記の方法に準じた。
1.L*値
マクベス社製分光光度計CE−3100を用い、C光源、視野角度2度の条件で測定した。L*はCIELab色差式に基づき算出した。
2.赤外線透過率
(株)日立製作所製U−4000分光光度計を用い、積分球付属装置を使用して200〜1200nmの範囲で全光線測定を行い、1000nmの透過率を読み取った。
3.布帛の厚み
JIS L1018の規定に基づいて測定した。
4.赤外線透過の抑止
ゴシック体で文字サイズ100の文字をレーザープリンタで紙へプリントし、その上に各試料を重ね合わせ評価用試料とした。次に、デジタルカメラのレンズに赤外線フィルター(富士フィルム(株)製IR−84)を装着し、500Wレフランプ(ナショナルPRF−500WB)を使用して試料の上方40cmの位置から光を照射し、この状態で撮影した。その後、写真を印刷し、文字の透け具合を目視により確認することで、下記3段階で評価した。
○:文字が見えないことから、赤外線の透過を十分に抑止している。
△:文字をぼんやりと視認できることから、赤外線の一部が透過している
×:文字が見えることから、赤外線を透過している。
(実施例1)
繊維における鞘成分を構成する重合体として、相対粘度(フェノールとテトラクロロエタンとを質量比率1/1で混合したものを溶媒とし、濃度0.5g/dl、温度25℃で測定)1.38のポリエチレンテレフタレートを用意した。一方、芯成分を構成する重合体として、前記ポリエチレンテレフタレート80.0質量%と、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズを酸化チタンにコーティング(質量比率:酸化アンチモン/酸化第二スズ/酸化チタン=1.5/13.5/85.0)した一次粒径0.20μmの白色系微粒子20.0質量%とを溶融混合し、十分に混練した均一の溶融混練物を用意した。そして、芯/鞘の質量比を40/60に設定して、両者を紡糸温度290℃、速度3200m/分なる条件で溶融紡糸し、90dtex24fの高配向未延伸マルチフィラメント糸を得た。
続いて、フリクション型仮撚機を使用して、ヒーター温度175℃、延伸倍率1.62なる条件で上記高配向未延伸マルチフィラメント糸を仮撚加工し、56dtex24fの仮撚糸を得た。
そして、得られた仮撚糸と、予め用意しておいたポリウレタン繊維22dtex1fとを、芯鞘型複合繊維85質量%、ポリウレタン繊維15質量%なる質量比率にて用い、天竺編地を製編した。
次に、得られた編地を、液流染色機を用いて80℃×20分なる条件で、ノニオン系活性剤濃度を1g/l、ソーダ灰濃度を5g/l含む処理液中で精練リラックスし、続いてこれを、シュリンクサーファー型乾燥機にて150℃で乾燥させ、しかる後に170℃×1分でプレセットした。その後、同染色機を用いて下記処方1にて130℃×30分なる条件で染色した。染色後、同乾燥機にて150℃で乾燥し、170℃×1分なる条件で仕上げセットし、目付100g/mの本発明の赤外線透過撮影防止用布帛を得た。
(染色処方1)
分散染料:Dianix Red UN−SE(ダイスタージャパン(株)製)0.04%omf
Dianix Yellow UN−SE 200%(ダイスタージャパン(株)製) 0.05%omf
Dianix Blue UN−SE(ダイスタージャパン(株)製) 0.02%omf
分散均染剤:ニッカサンソルト SN−130E(日華化学(株)製) 0.5g/L
酢酸(濃度48質量%):0.2cc/L
(比較例1)
芯成分におけるポリエチレンテレフタレートと白色系微粒子との混合比率を80:20ではなく93:7とする以外は、実施例1と同様にして比較用の布帛を得た。
(比較例2)
白色系微粒子を含有する高配向未延伸マルチフィラメント糸に代えてポリエチレンテレフタレートからなる高配向未延伸マルチフィラメント糸を用いる以外は、実施例1と同様にして比較用の布帛を得た。
(比較例3)
実施例1において芯/鞘の質量比率を40/60ではなく70/30として高配向未延伸マルチフィラメント糸の作製を試みたが、溶融混練物の流動性が低下し、紡糸することができなかった。
上記の実施例及び比較例で得られた布帛の特性を評価した結果を下記表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1における布帛は、赤外線透過率が40%以下であり、赤外線の透過を抑止する効果に優れていた。また、同時にL*値が70以上であったことから、裏地やインナーとして好適であることも確認できた。また、かかる布帛にはポリウレタン繊維が所定量含まれていたため、伸縮性にも富むものであった。
これに対し、比較例1では、繊維中の白色系微粒子の含有量が少なすぎ、比較例2では、繊維中に白色系微粒子が含まれていなかったため、共に赤外線の透過を抑止する効果が不十分であった。
一方、比較例3では、繊維中に白色系微粒子が含まれすぎていたため、紡糸することができなかった。

Claims (7)

  1. 酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズからなる白色系微粒子、又は、酸化アンチモンをドーピングした酸化第二スズを他の無機微粒子にコーティングしたものからなる白色系微粒子を3.0〜12.0質量%含有する合成繊維を70質量%以上使用した布帛であって、該布帛の1000nmにおける赤外線透過率が40%以下であることを特徴とする赤外線透過撮影防止用布帛。
  2. 厚みが600μm以下であることを特徴とする請求項1記載の赤外線透過撮影防止用布帛。
  3. L*値が50以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の赤外線透過撮影防止用布帛。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線透過撮影防止用布帛を用いてなる水着。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線透過撮影防止用布帛を用いてなる水着用裏地。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線透過撮影防止用布帛を用いてなるインナー。
  7. 請求項1〜3のいずれかに記載の赤外線透過撮影防止用布帛を用いてなるフィットネスウェア。
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