JPH08325478A - 静電防止・熱線吸収性を付与したコーティング剤及びその製造方法、塗料、加工繊維、並びに衣料品 - Google Patents

静電防止・熱線吸収性を付与したコーティング剤及びその製造方法、塗料、加工繊維、並びに衣料品

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JPH08325478A
JPH08325478A JP15677495A JP15677495A JPH08325478A JP H08325478 A JPH08325478 A JP H08325478A JP 15677495 A JP15677495 A JP 15677495A JP 15677495 A JP15677495 A JP 15677495A JP H08325478 A JPH08325478 A JP H08325478A
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JP
Japan
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antistatic
fine particles
heat ray
binder resin
coating agent
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JP15677495A
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English (en)
Inventor
Atsushi Kishimoto
淳 岸本
Koji Ono
宏次 大野
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Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Osaka Cement Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 静電防止・熱線吸収性能を一度に糸及び布に
付与するコーティング剤及びその製造方法並びに静電防
止・熱線吸収性を付与した加工繊維及び衣料品に関し、
衣料等の色等の意匠性・風合いを損なうこと無く、また
皮膚への安全性を保持して、静電防止機能と熱線吸収性
能とを同時に糸または布に付与することを目的とする。 【構成】 平均分子粒子径が0.1μm以下の酸化アン
チモンを固溶した酸化錫系微粒子とバインダー樹脂の割
合が、微粒子:樹脂を90:10乃至5:95(重量
比)で配合されるコーティング剤を後加工方法によって
糸または布にコーティングさせるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電防止・熱線吸収性
能を一度に糸及び布に付与するコーティング剤及びその
製造方法、塗料、加工繊維、並びに衣料品に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、衣料品の分野においては、遠赤外
線放射能力を有する炭化系・窒化系セラミック微粒子を
練り込んだ繊維を使用して保温効果を高める試みが、多
数提案されている。またアルミニウムやチタン等の金属
を蒸着した繊維を裏地に用いることで、体からの熱を裏
地の表面で反射させ、衣服の保温効果を高める試みがな
されている。静電防止衣料の分野においては、繊維に導
電性繊維を混合することが知られており、導電性繊維と
しては金属繊維、金属メッキを施した繊維などがある。
また界面活性剤、活性炭・金属粉等の導電性粉末を樹脂
に練り込む方法で加工されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の保温衣
料では、セラミック粒子の練り込みが主に試みられてお
り、使用されている粒子径が数ミクロンオーダーのため
練り込んだ繊維が太く着心地が悪い上に、添加するセラ
ミック粒子の割合が10〜20重量%と多いことより、
繊維の比重が高くなり、衣服が重くなることと綿等の天
然繊維には加工することができなかった。またアルミニ
ウムやチタン等の金属を繊維表面に蒸着加工をする場
合、蒸着加工に伴うコストアップや、蒸着加工前の準備
工程における繊維の微妙な取り扱による蒸着斑の発生
等、色々な問題があった。
【0004】また、静電防止衣料で従来取られている方
法は、いづれも深刻な問題点を有しており、満足できる
ものではなかった。例えば、金属繊維は、屈曲回復性が
ないため、使用時または加工時の屈曲により導電性能が
低下することや、繊維に加工する際の混合、交編、交織
が容易でなく、更には金属特有の色調がでる等の多くの
問題点を有している。また、金属メッキを施した繊維
は、繊維表面に均一な連続メッキ層を形成する必要があ
るため、繊維表面の平滑性が求められ、適用できる繊維
の種類が大きく制限されることや、生産コストが極めて
高い、繊維とメッキ層の密着性が低く耐久性が悪く、更
には金属特有の色調がでる等の多くの問題点を有してい
る。
【0005】その他に、界面活性剤を使用した場合で
は、繊維の表面に界面活性剤がブリードすることで繊維
表面を親水化して吸湿率を上げ、吸湿水分に基づいて表
面電気抵抗を下げ、静電気の蓄積を防ぐ機構であるた
め、冬期などの低湿度条件下では静電防止機能が大幅に
低下することや持続性、皮膚への安全性に問題がある。
また、カーボンブラックが練り込まれた繊維では、カー
ボンブラックで黒色に着色され、繊維にしたときの外観
が著しくそこなわれるため、その使用分野が制限される
などの問題点があった。
【0006】本発明は、上記問題点を解消するためのも
ので、その課題としては、衣料等の色等の意匠性・風合
いを損なうこと無く、また皮膚への安全性を保持して、
静電防止機能と熱線吸収性能とを同時に糸及び布に付与
することができる静電防止・熱線吸収性付与コーティン
グ剤及びその製造方法、塗料、加工繊維、並びに衣料品
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における請求項1
記載の静電防止・熱線吸収性付与コーティング剤は、平
均分子粒子径が0.1μm以下の酸化アンチモンを固溶
した酸化錫系微粒子とバインダー樹脂の割合が、微粒
子:樹脂を90:10乃至5:95(重量比)で配合さ
れることを特徴とする。
【0008】また、請求項2記載の静電防止・熱線吸収
性付与コーティング剤は、前記酸化錫系微粒子が酸化ア
ンチモンを3〜15モル%重量固溶し、粉体抵抗が10
3 Ω・cm以下であることを特徴とする。
【0009】また、請求項3記載の静電防止・熱線吸収
性付与コーティング剤は、前記微粒子がゾル・ゲル法、
共沈法、熱分解法のいずれかの方法で合成されたことを
特徴とする。
【0010】また、請求項4記載の静電防止・熱線吸収
性付与コーティング剤は、前記バインダー樹脂がエマル
ジョン樹脂、水または有機溶剤可溶性バインダー樹脂で
あり、アクリル、エポキシ、ウレタン、ポリエステルか
ら選ばれた少なくとも1種が主成分であることを特徴と
する。
【0011】また、請求項5記載の静電防止・熱線吸収
性を付与したコーティング剤の製造方法は、請求項1、
2、3、または4記載のコーティング剤が微粒子及びバ
インダー樹脂及び溶媒及び界面活性剤を混合し、解砕力
の高い分散機に掛けることを特徴とする。
【0012】また、請求項6記載の静電防止・熱線吸収
性を付与したコーティング剤の製造方法は、請求項1、
2、3、または4記載のコーティング剤が微粒子及び溶
媒及び界面活性剤を混合し、解砕力の高い分散機に掛け
て予め分散し、その後にバインダー樹脂を混合すること
を特徴とする。
【0013】また、請求項7記載の静電防止・熱線吸収
性を付与した塗料は、平均分子粒子径が0.1μm以下
の酸化アンチモンを固溶した酸化錫系微粒子とバインダ
ー樹脂の割合が、微粒子:樹脂を90:10乃至5:9
5(重量比)で配合されることを特徴とする。
【0014】また、請求項8記載の静電防止・熱線吸収
性を付与した加工繊維は、請求項1、2、3、または4
記載のコーティング剤を後加工方法を用いて糸もしくは
布にコーティングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂
から成る被覆層が糸もしくは布に形成されたことを特徴
とする。
【0015】また、請求項9記載の静電防止・熱線吸収
性を付与した加工繊維は、前記微粒子が糸もしくは布に
対し0.05〜1重量%付着されていることを特徴とす
る。
【0016】また、請求項10記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した加工繊維は、前記後加工方法がパッド
法、印刷法、沈漬法はたはスプレー法であることを特徴
とする。
【0017】また、請求項11記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した衣料品は、請求項1、2、3、または4
記載のコーティング剤を後加工方法により糸もしくは布
にコーティングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂か
ら成る被覆層を糸もしくは布に形成したことを特徴とす
る。
【0018】また、請求項12記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した衣料品は、請求項1、2、3、または4
記載のコーティング剤を後加工方法により糸もしくは布
にコーティングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂か
ら成る被覆層を防寒衣服の裏側に形成したことを特徴と
する。
【0019】また、請求項13記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した衣料品は、請求項1、2、3、または4
記載のコーティング剤を後加工方法により糸もしくは布
にコーティングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂か
ら成る被覆層を夏用衣服の表側に形成したことを特徴と
する。
【0020】また、請求項14記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した衣料品は、請求項1、2、3、または4
記載のコーティング剤を後加工方法により糸もしくは布
にコーティングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂か
ら成る被覆層を耐寒スポーツ衣服の裏側に形成したこと
を特徴とする。
【0021】また、請求項15記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した衣料品は、請求項1、2、3、または4
記載のコーティング剤を後加工方法により糸もしくは布
にコーティングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂か
ら成る被覆層を夏用スポーツ衣服の表側に形成したこと
を特徴とする。
【0022】〔発明の具体的説明〕本発明者らは、上記
課題を達成するために鋭意研究の結果、衣料等の色等の
意匠性・風合いを損なうこと無しに、また皮膚への安全
性を保持しながら静電防止・熱線吸収性の機能を同時に
糸及び布に付与することができる後加工用コーティング
剤とそれらの機能が付与された加工繊維が得られること
を見出し、本発明に到達した。以下、本発明について詳
細に説明を行う。
【0023】本発明で使用される酸化錫系微粒子は、平
均一次粒子径が0.1μm以下で、より好ましくは0.
04μm以下である。これらの微粒子の平均分散粒子径
を0.1μm以下に、より好ましくは0.04μm以下
にすることで可視光の散乱を無くすことで無色透明とな
り、糸もしくは布の色等の意匠性への悪影響を最小限に
することができる。平均分散粒子が0.1μm以上で
は、可視光線が散乱し透明性が低下して、これを付着せ
しめた糸もしくは布地の意匠性は著しく阻害される。
【0024】これらの微粒子は、粉砕方法では得ること
が出来ない粒子径であり、ゾル−ゲル法、共沈法、熱分
解法、気相合成法等の方法によって製造されたものを使
用する。例えば、以下の方法で合成されたものを使用す
る。酸化アンチモンを固溶した酸化錫(以後ATOと表
示する)微粒子は46.2重量部のSbCl3 と670
重量部のSnCl・5H2 Oを、3000重量部の6N
−HCl溶液に溶解し、これに25%のアンモニア液2
000重量部を添加して反応させ、ゾル分散液を得、こ
れを塩化アンモニウムが検出できなくなるまでろ過洗浄
した。次いで、これを密閉容器で350℃に加熱し、5
時間保持した後、減圧乾燥することで、平均一次粒子径
0.005μmの微粒子を得た。
【0025】この微粒子をアクリル・エポキシ・ウレタ
ン・ポリエスレルから選ばれた少なくとも一種のバイン
ダー樹脂に平均分散粒子径が0.003〜0.1μmで
分散し静電防止・熱線吸収性付与コーティング剤として
使用する。ここで用いるバインダー樹脂は通常繊維加工
で利用されているものが使用でき、必要に応じ、メラミ
ン・イソシアネート等の硬化剤を併用することができ
る。
【0026】微粒子とバインダー樹脂の混合比率は微粒
子100重量部に対してバインダー樹脂10〜1000
0重量部で、より好ましくは微粒子100重量部に対し
てバインダー樹脂20〜500重量部である。バインダ
ー樹脂が10重量部以下になると、糸もしくは布の表面
に対する微粒子の定着力がほとんどなく、洗濯で落ち易
く耐久性が問題になる。またバインダー樹脂が2000
0重量部以上になると、糸もしくは布に十分な熱線吸収
効果を付与させると、大量のバインダー樹脂も糸もしく
は布に付着し著しく風合いを損ねるとともに静電防止効
果が得られなくなる。
【0027】糸もしくは布重量に対する微粒子の付着量
は0.05〜1重量%で、より好ましくは0.1〜0.
8重量%である。微粒子の付着量が0.05重量%以下
になると保温機能が十分に発現できなくなる。また微粒
子の付着量が1重量%以上にすると、糸もしくは布の風
合い及び意匠性を損ねる。
【0028】次に静電防止・保温性付与コーティング剤
の製造方法について説明する。平均一次粒子径0.1μ
m以下のATO微粒子と水もしくは有機溶剤及びバイン
ダー樹脂をアルキル硫酸エステル・アルキルりん酸エス
テル・ポリカルボン酸・脂肪酸・アルキルベンゼンスル
フォン酸・アルキルスルホコハク酸・アルキルジフェニ
ルエーテルジスルフォン酸・ポリオキシエチレンアルキ
ル硫酸エステル・アルキルアリル硫酸・ポリオキシエチ
レンアルキルりん酸の塩もしくはエステル等の界面活性
剤より選ばれた少なくとも一種類と配合し、サンドミ
ル、ロールミル、アトライターミル、ボールミル、イン
ペラミル、超音波分散機、高速流体分散機等の解砕力の
高い分散機に掛けることで、平均分散粒子径0.1μm
以下の微粒子に分散された静電防止・保温性付与コーテ
ィング液を得た。また、上記した平均一次粒子径0.1
μm以下の微粒子と上記した界面活性剤を水または有機
溶剤に添加し、上記解砕力の高い分散機に掛け、予めサ
スペンジョンを作成し、使用時にバインダー樹脂を混合
しても差し支えない。
【0029】次に、静電防止・熱線吸収効果のある加工
繊維の製造方法について説明する。上記した静電防止・
熱線吸収性付与コーティング液を糸もしくは布にパッド
法・沈漬法・印刷法・スプレー法の通常繊維の後加工方
法として利用されている方法であれば使用できる。
【0030】例えば、パッド法について説明すると、ま
ず所定の濃度に調整した静電防止・熱線吸収性付与コー
ティング液と必要に応じて硬化剤を併用してディップ槽
に入れ、加工したい糸もしくは布をディップ槽に浸した
後、取り出してパッド率50〜100%で絞り、約10
0℃で5分乾燥させ続いて約150℃で2分焼成される
ことで簡単に加工することができる。
【0031】また、印刷法について説明すると、まず所
定の濃度及び粘度に調整したコーティング液に必要に応
じて硬化剤を併用して印刷パッンに入れ、ロールコータ
ーにて印刷する。このとき濃度及び粘度をコントロール
することで布片面や布全体への印刷が可能になる。
【0032】布片面に加工した場合、加工面を表にして
使用するか裏にして使用するかで機能に違いがでる。表
に使用した場合、太陽光線中の熱線を布の表面で吸収
し、外気へ熱を拡散するとともに衣服内に入り込む熱線
を遮蔽することより、清涼感のある衣料にすることがで
きる。また、裏に使用した場合、太陽光線中の熱線を布
の裏面で吸収し、加工されてない部分の布が固定された
空気層を形成するため熱が外部に拡散されにくいこと
で、より効果的な保温がなされる。
【0033】
【実施例】
〔実施例1〕 (配合) 微粒子ATO(平均一次粒子径0.005μm) 10重量部 スルコハク酸ジオクチルナトリウム(界面活性剤) 2重量部 純水 70重量部 アクリル系バインダー(樹脂分50重量%) 16重量部 メラミン硬化樹脂(樹脂分100重量%) 2重量部 上記配合品をボールミルにて24時間分散させコーティ
ング液を作成した。得られたコーティング液中の微粒子
の分散粒度分布を電気泳動光散乱光度計(大塚電子株式
会社製)で測定した。その結果を表1に示す。また、上
記コーティング液をPETフィルムに乾燥膜厚3μmで
塗布し、ヘーズ、表面抵抗値及び全光線透過率を測定し
た。その結果を表1に示す。
【0034】〔実施例2〕実施例1で作成したコーティ
ング液を純水で10倍に希釈し、ポリエステルニット布
にパッド絞り70%、100℃で5分乾燥、130℃で
2分焼成し加工繊維を作成した。得られた加工繊維の保
温性を20℃、60%RHの恒温室内において、エネル
ギー源として300Wレフランプ光源を用い、布の表面
温度をサーモビュア(赤外線センサー・日本電子株式会
社製品)にて測定するとともに布の裏面の温度を熱電対
で測定し、その結果を表2に示す。
【0035】〔実施例3〕実施例1で作成し得られたコ
ーティング液をロールコーターに40g/m2 で印刷
し、160℃で乾燥焼成し加工繊維を作成し、実施例2
の方法を用いてこの布の加工面を光源に対して表側並び
に裏側の二通りのケースで保温性を測定した。その結果
を表2に示す。
【0036】〔実施例4〕実施例1で作成し得られた加
工繊維と未加工繊維の帯電性の半減期をJIS−L10
94に基づいて測定し、その結果を表2に示す。
【0037】〔比較例1〕 (配合) 微粒子ATO(平均一次粒子径1μm) 10重量部 スルコハク酸ジオクチルナトリウム(界面活性剤) 2重量部 純水 70重量部 アクリル系バインダー(樹脂分50重量%) 16重量部 メラミン硬化樹脂(樹脂分100重量%) 2重量部 上記配合品をボールミルにて24時間分散させコーティ
ング液を作成した。得られたコーティング液を実施例1
と同様に評価し、その結果を表1に示す。
【0038】〔比較例2〕比較例1で作成したコーティ
ング液で実施例2と同様に加工繊維を作成した。得られ
た加工繊維の保温性を実施例2と同様に測定し、その結
果を表2に示す。
【0039】〔比較例3〕比較例1で作成し得られたコ
ーティング液をロールコーターに40g/m2 で印刷
し、160℃で乾燥焼成し加工繊維を作成し、実施例3
の方法を用いてこの布の加工面を光源に対して表側並び
に裏側の二通りのケースで保温性を測定した。その結果
を表2に示す。
【0040】〔比較例4〕実施例1で作成し得られた加
工繊維と帯電性の半減期を実施例4と同様に測定し、そ
の結果を表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】以上のように、本発明における請求項1
記載の静電防止・熱線吸収性を付与したコーティング剤
では、平均分子粒子径が0.1μm以下の酸化アンチモ
ンを固溶した酸化錫系微粒子とバインダー樹脂の割合
が、微粒子:樹脂の重量比として、90:10乃至5:
95で配合されたことにより、酸化アンチモン微粒子を
高分散状態でコーティング剤にすることができ、意匠
性、風合いを損ねることなく、少ない微粒子の付着量
で、静電防止・熱線吸収性を同時に付与することができ
る。これにより、容易かつ効果的に静電防止・熱線吸収
性を付与できる後加工剤が得られ、この後加工剤を使用
することによって、容易に静電防止・熱線吸収性を付与
した加工繊維または布地を得ることができる。
【0044】また、請求項2記載の静電防止・熱線吸収
性を付与したコーティング剤では、前記酸化錫系微粒子
が酸化アンチモンを3〜15モル%重量固溶し、粉体抵
抗が103 Ω・cm以下であるため、少量の微粒子でも
充分な低抵抗膜が得られるととせに、より可視光域の波
長を吸収することができるため、静電防止・熱線吸収性
を付与するには効果的である。
【0045】また、請求項3記載の静電防止・熱線吸収
性を付与したコーティング剤では、前記微粒子がゾル・
ゲル法、共沈法、熱分解法のいずれかの方法で合成され
たことにより、平均一次粒径が 0.1μm以下の微粒子を
得ることができる。
【0046】また、請求項4記載の静電防止・熱線吸収
性を付与したコーティング剤では、前記バインダー樹脂
がエマルジョン樹脂、水または有機溶剤可溶性バインダ
ー樹脂であり、アクリル、エポキシ、ウレタン、ポリエ
ステルから選ばれた少なくとも1種が主成分であるた
め、通常利用されている繊維加工機械で加工することが
できる。
【0047】また、請求項5記載の静電防止・熱線吸収
性を付与したコーティング剤の製造方法では、静電防止
・熱線吸収性を付与するコーティング剤が微粒子及びバ
インダー樹脂及び溶媒及び界面活性剤を混合し、解砕力
の高い分散機に掛けて製造したことにより、分散粒子径
がほぼ平均一次粒径の 0.1μm以下に単分散状態にする
ことができ、そのため光の散乱をなくすことができる。
【0048】また、請求項6記載の静電防止・熱線吸収
性を付与したコーティング剤の製造方法では、静電防止
・熱線吸収性を付与するコーティング剤が微粒子及び溶
媒及び界面活性剤を混合し、解砕力の高い分散機に掛け
て予め分散し、その後にバインダー樹脂を混合したこと
により、エマルジョン樹脂にシェアをかけることなく分
散できるため、エマルジョン樹脂の分散性に悪影響を与
えないで済むようになる。
【0049】また、請求項7記載の静電防止・熱線吸収
性を付与した塗料では、平均分子粒子径が0.1μm以
下の酸化アンチモンを固溶した酸化錫系微粒子とバイン
ダー樹脂の割合が、微粒子:樹脂を90:10乃至5:
95(重量比)で配合されることから、塗装面に対して
比較的少ない微粒子量で効果的に静電防止・熱線吸収性
を付与することができる。
【0050】また、請求項8記載の静電防止・熱線吸収
性を付与した加工繊維は、前記静電防止・熱線吸収性付
与コーティング剤を後加工方法を用いて糸もしくは布に
コーティングして、微粒子とバインダー樹脂から成る被
覆層を糸もしくは布に形成したことにより、色等の意匠
性および風合いを損なうことなく、静電防止・熱線吸収
性を付与することができ、帯電を防止するとともに温か
みあるいは清涼感のある繊維を得ることができる。
【0051】また、請求項9記載の静電防止・熱線吸収
性を付与した加工繊維は、前記微粒子が糸もしくは布に
対し0.05〜1重量%付着させたことによって、繊維
を変色させることなく、良好な風合いを持たせ、かつ適
度な保温機能あるいは熱遮蔽機能を発揮させることがで
きる。
【0052】また、請求項10記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した加工繊維は、前記後加工方法がパッド
法、印刷法、沈漬法はたはスプレー法であることから、
適用が容易で、作業性良く繊維に静電防止・熱線吸収性
を付与することができ、良好な風合いを持ちかつ適度な
保温機能あるいは熱遮蔽機能を有する繊維を得ることが
できる。
【0053】また、請求項11記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した衣料品は、静電防止・熱線吸収性を付与
するコーティング剤を後加工方法により糸もしくは布に
コーティングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂から
成る被覆層を糸もしくは布に形成したため、静電防止機
能および保温性能または熱遮蔽性能の良い衣料品を得る
ことができる。
【0054】また、請求項12記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した衣料品は、静電防止・熱線吸収性付与コ
ーティング剤を後加工方法により糸もしくは布にコーテ
ィングし、微粒子とバインダー樹脂から成る被覆層を防
寒衣服の裏側に形成したことにより、被服層が形成され
ていない部分の空気層が外部に拡散されにくくなり、保
温効果の高い防寒衣服を得ることができる。
【0055】また、請求項13記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した衣料品は、静電防止・熱線吸収性付与コ
ーティング剤を後加工方法により糸もしくは布にコーテ
ィングし、微粒子とバインダー樹脂から成る被覆層を夏
用衣服の表側に形成したことにより、被服層によって太
陽光を効果的に反射し、熱遮蔽効果の高い清涼感のある
夏用衣服を得ることができる。
【0056】また、請求項14記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した衣料品は、静電防止・熱線吸収性付与コ
ーティング剤を後加工方法により糸もしくは布にコーテ
ィングし、微粒子とバインダー樹脂から成る被覆層を耐
寒スポーツ衣服の裏側に形成したことにより、衣服の裏
側で温められて布地に溜められた暖気が外部に拡散され
にくく、保温効果の高い耐寒スポーツ衣服を得ることが
できる。
【0057】また、請求項15記載の静電防止・熱線吸
収性を付与した衣料品は、静電防止・熱線吸収性付与コ
ーティング剤を後加工方法により糸もしくは布にコーテ
ィングし、微粒子とバインダー樹脂から成る被覆層を夏
用スポーツ衣服の表側に形成したことにより、衣服表面
で太陽光を効果的に反射して熱遮蔽効果を高め、清涼感
を維持させる夏用スポーツ衣服を得ることができる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均分子粒子径が0.1μm以下の酸化ア
    ンチモンを固溶した酸化錫系微粒子とバインダー樹脂の
    割合が、微粒子:樹脂を90:10乃至5:95(重量
    比)で配合されることを特徴とする静電防止・熱線吸収
    性を付与したコーティング剤。
  2. 【請求項2】前記酸化錫系微粒子が酸化アンチモンを3
    〜15モル%重量固溶し、粉体抵抗が103 Ω・cm以
    下であることを特徴とする請求項1記載の静電防止・熱
    線吸収性を付与したコーティング剤。
  3. 【請求項3】前記微粒子がゾル・ゲル法、共沈法、熱分
    解法のいずれかの方法で合成されたことを特徴とする請
    求項1または2記載の静電防止・熱線吸収性を付与した
    コーティング剤。
  4. 【請求項4】前記バインダー樹脂がエマルジョン樹脂、
    水または有機溶剤可溶性バインダー樹脂であり、アクリ
    ル、エポキシ、ウレタン、ポリエステルから選ばれた少
    なくとも1種が主成分であることを特徴とする請求項1
    記載の静電防止・熱線吸収性を付与したコーティング
    剤。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3、または4記載のコーテ
    ィング剤が微粒子及びバインダー樹脂及び溶媒及び界面
    活性剤を混合し、解砕力の高い分散機に掛けることを特
    徴とする静電防止・熱線吸収性を付与したコーティング
    剤の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、または4記載のコーテ
    ィング剤が微粒子及び溶媒及び界面活性剤を混合し、解
    砕力の高い分散機に掛けて予め分散し、その後にバイン
    ダー樹脂を混合することを特徴とする静電防止・熱線吸
    収性を付与したコーティング剤の製造方法。
  7. 【請求項7】平均分子粒子径が0.1μm以下の酸化ア
    ンチモンを固溶した酸化錫系微粒子とバインダー樹脂の
    割合が、微粒子:樹脂を90:10乃至5:95(重量
    比)で配合されることを特徴とする静電防止・熱線吸収
    性を付与した塗料。
  8. 【請求項8】請求項1、2、3、または4記載のコーテ
    ィング剤を後加工方法により糸もしくは布にコーティン
    グし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂から成る被覆層
    が糸もしくは布に形成されたことを特徴とする静電防止
    ・熱線吸収性を付与した加工繊維。
  9. 【請求項9】前記微粒子が糸もしくは布に対し0.05
    〜1重量%付着されていることを特徴とする請求項7記
    載の静電防止・熱線吸収性を付与した加工繊維。
  10. 【請求項10】前記後加工方法がパッド法、印刷法、沈
    漬法はたはスプレー法であることを特徴とする請求項7
    記載の静電防止・熱線吸収性を付与した加工繊維。
  11. 【請求項11】請求項1、2、3、または4記載のコー
    ティング剤を後加工方法により糸もしくは布にコーティ
    ングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂から成る被覆
    層を糸もしくは布に形成したことを特徴とする静電防止
    ・熱線吸収性を付与した衣料品。
  12. 【請求項12】請求項1、2、3、または4記載のコー
    ティング剤を後加工方法により糸もしくは布にコーティ
    ングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂から成る被覆
    層を防寒衣服の裏側に形成したことを特徴とする静電防
    止・熱線吸収性を付与した衣料品。
  13. 【請求項13】請求項1、2、3、または4記載のコー
    ティング剤を後加工方法により糸もしくは布にコーティ
    ングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂から成る被覆
    層を夏用衣服の表側に形成したことを特徴とする静電防
    止・熱線吸収性を付与した衣料品。
  14. 【請求項14】請求項1、2、3、または4記載のコー
    ティング剤を後加工方法により糸もしくは布にコーティ
    ングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂から成る被覆
    層を耐寒スポーツ衣服の裏側に形成したことを特徴とす
    る静電防止・熱線吸収性を付与した衣料品。
  15. 【請求項15】請求項1、2、3、または4記載のコー
    ティング剤を後加工方法により糸もしくは布にコーティ
    ングし、酸化錫系微粒子とバインダー樹脂から成る被覆
    層を夏用スボーツ衣服の表側に形成したことを特徴とす
    る静電防止・熱線吸収性を付与した衣料品。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010077575A (ja) * 2008-09-29 2010-04-08 Unitika Trading Co Ltd 赤外線透過撮影防止用布帛及びこれを用いてなる衣服製品。
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CN104790223A (zh) * 2015-04-28 2015-07-22 海安县联发制衣有限公司 抗静电色织面料
CN104805690A (zh) * 2015-04-28 2015-07-29 海安县联发制衣有限公司 抗静电色织面料的制备方法
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CN109023920A (zh) * 2018-08-22 2018-12-18 安徽利思达网业有限公司 一种用磁控溅射-等离子体制作防水防油防静电涤纶针刺毡的方法

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