JP2010075392A - 医療用キャップ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】密閉性及び再シール性に優れ、針抜けの防止を向上させた医療用キャップ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】本発明の医療用キャップの製造方法は、周部の接液面側に複数の段差を有する弾性栓体と、弾性栓体の周縁部を上面側から内壁で保持する上側枠部及び下面側から内壁で保持する下側枠部を備えた外枠体を有する医療用キャップの製造方法であって、共通金型と第1金型を用いて、弾性栓体の載置が可能な載置部を内壁に有する上側枠部を成形し、上側枠部の内部に、針刺面を下向きにして弾性栓体を載置し、共通金型と組み合わせた際に下側枠部の成形用のキャビティを形成可能にする第2金型を用いて、共通金型と型閉じし、前記キャビティ内に溶融樹脂を射出して下側枠部を成形し、下側枠部を冷却して収縮させることにより、弾性栓体に対しその側周部の段差が設けられた部分に応力を加えた状態で前記外枠体を形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、輸液容器、採血管等に用いる医療用キャップ及びその製造方法に関する。特に、医療用に於いて針刺し可能な栓体を備えた医療用キャップ及びその製造方法に関する。
医療分野に用いられる薬液ボトルや点滴に用いられる輸液ボトルには、針でその薬液等を取り出せるようにするため、そのキャップとして、ゴム栓や、外枠体の内側に針刺し用のゴム又はエラストマー樹脂からなる栓体を設けたものが用いられている。この外枠体は、溶着等の方法により輸液容器に取り付けられる。そして、使用時には栓体に注射針を突き刺し、キャップ部を下にすることにより、容器内の輸液を取り出す。従って、この様な医療用キャップには、薬液や輸液の漏洩防止や空気に触れることによる変質の防止のため、密閉性が求められる。
例えば、医療用キャップの構造を、栓体の接液面と外枠体の底面保持部の上部とが融着しており、かつ前記栓体の側面部と前記外枠体の側周部の内壁とは非融着状態で接触している状態にすることで、ゴム特性が改善され、再シール性に優れた医療用キャップが提案されている(下記特許文献1参照)。
しかし、従来の医療用キャップであると、栓体と外枠体との密着が十分でない場合がある。この様な医療用キャップに於いては、針刺しの際に栓体と外枠体の位置がずれて両者の間に空隙が生じたり、その為に2本目の針を刺すことや、再度針刺しを行うことが困難になるという問題がある。
この問題を解決するため、下記特許文献2には、栓体の接液面が、円中心方向へ向かって凸の傾斜を有した医療用キャップが開示されている。当該医療用キャップであると、外枠体から栓体の水平方向成分に圧力が加わった状態であるため、再シール性の向上及び針抜けの防止が可能になる。
また、下記特許文献3には、熱可塑性エラストマー成形品の外縁を抱囲するように、硬質プラスチックを、溶融射出して圧接させる複合材料成形品の製造方法が開示されている。当該製造方法によれば、熱可塑性エラストマー成形品は硬質プラスチックから圧縮応力を受けた状態で内嵌され、これにより、気密性及び液密性の向上が図れると記載されている。
しかしながら、特許文献2及び3に開示されている医療用キャップの製造方法であっても、液漏れや針抜けの発生を十分に防止できないという問題がある。
特開2005−118185号公報 特開平8−317961号公報 特開2000−167865号公報
本発明は前記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、密閉性及び再シール性に優れ、針抜けの防止を向上させた医療用キャップ及びその製造方法を提供することにある。
本願発明者等は、前記従来の問題点を解決すべく、医療用キャップ及びその製造方法について検討した。その結果、下記構成を採用することにより、前記目的を達成できることを見出して、本発明を完成させるに至った。
本発明に係る医療用キャップの製造方法は、前記の課題を解決する為に、側周部の接液面側に複数の段差を有する弾性栓体と、弾性栓体の周縁部を上面側から内壁で保持する上側枠部及び下面側から内壁で保持する下側枠部を備えた外枠体を有する医療用キャップの製造方法であって、共通金型と第1金型を用いて、前記弾性栓体の載置が可能な載置部を内壁に有する上側枠部を成形し、前記上側枠部の内部に、針刺面を下向きにして前記弾性栓体を載置し、前記共通金型と組み合わせた際に前記下側枠部の成形用のキャビティを形成可能にする第2金型を用いて、前記共通金型と型閉じし、前記キャビティ内に溶融樹脂を射出して充填し、充填された前記溶融樹脂を冷却して下側枠部を成形すると共に、前記弾性栓体に対しその側周部の段差が設けられた部分に応力を加えた状態で前記外枠体を形成することを特徴とする。
前記の方法においては、共通金型及び第1金型を用いて上側枠部を成形し、その後、上側枠部の内部に弾性栓体を載置してから、前記共通金型及び第2金型を用いて下側枠部の成形を行うものである。この下側枠部の成形においては、キャビティ内に溶融樹脂を充填した後、当該溶融樹脂の冷却を行う。また、冷却過程においては、下側枠部は成形収縮しつつ固化して成形される。このとき下側枠部は弾性栓体に対し、その中心方向に向かって圧縮応力(カシメ力)を加える。ここで、弾性栓体は、その側周部の接液面側に複数の段差を有しているので、接液面に近づくに従い、前記下側枠部から受ける圧縮応力を大きくすることができる。この様な状態で下側枠部を成形すると、弾性栓体と外枠体内壁、特に下側枠部との密着性を向上させることができる。また、針抜けに対する保持力及び復元力も向上し、針抜け後の再シール性にも優れている。即ち、前記の製造方法であると、液漏れや針抜けの発生を防止し、薬液等の密閉性に優れた医療用キャップを製造することができる。
前記弾性栓体として、段差が設けられている側周部が傾斜していないものを使用することが好ましい。例えば、弾性栓体の側周部が、接液面側において段差の生じるテーパ状であった場合、下側枠部から受ける圧縮応力は側周部の面に対し垂直に働くので、弾性栓体の接液面を効果的に加締めることが困難になる。しかし、前記構成であると、段差が設けられている側周部は傾斜していないので、弾性栓体の中央に向かって圧縮応力を効果的に作用させることができる。その結果、針抜けに対する保持力及び復元力を一層向上させることができ、針抜け後の再シール性に優れた医療用キャップが得られる。
前記弾性栓体として、熱可塑性エラストマーからなるものを使用することが好ましい。熱可塑性エラストマーはゴムと比べて寸法安定性に優れているので、側周部に設けられた段差も本発明の製造方法に適合した形状にすることができる。また、復元力が向上し、輸液加療中の針保持力や針抜き後の再シール性に優れた医療用キャップを製造することができる。
本発明に係る医療用キャップは、前記の課題を解決する為に、側周部の接液面側に複数の段差を有する弾性栓体と、弾性栓体の周縁部を針刺面側から内壁で保持する上側枠部及び接液面側から内壁で保持する下側枠部を備えた外枠体を有する医療用キャップであって、前記弾性栓体は、前記上側枠部との接触面では融着されておらず、前記下側枠部との接触面では融着されており、更に、前記下側枠部から中央方向に向かって圧縮応力を受けていることを特徴とする。
前記の構成においては、弾性栓体が下側枠部からその接触面において、中央方向に向かって圧縮応力(カシメ力)が加えられている。ここで、本発明の弾性栓体は、その側周部の接液面側において複数の段差を有しており、接液面に近づくに従って、前記下側枠部から強い圧縮応力が作用している。この様な構造であると、弾性栓体と外枠体内壁との密着性を向上させることができ、針抜けに対する保持力及び復元力が向上する。その結果、針抜け後の再シール性にも優れている。即ち、前記の構成であると、液漏れや針抜けの発生を防止し、薬液等の密閉性に優れた医療用キャップを提供することができる。
前記の構成において、前記弾性栓体における前記段差が設けられている側周部は傾斜していないことが好ましい。例えば、弾性栓体の側周部が、接液面側において段差の生じるテーパ状であった場合、下側枠部から受ける圧縮応力は側周部の面に対し垂直に働くので、弾性栓体の接液面を効果的に加締めることができない。しかし、前記構成であると、段差が設けられている側周部は傾斜していないので、弾性栓体の中央に向かって圧縮応力が効果的に作用する。その結果、針抜けに対する保持力及び復元力を一層向上させることができ、針抜け後の再シール性に優れた医療用キャップが得られる。
前記の構成に於いて、前記弾性栓体は熱可塑性エラストマーからなることが好ましい。熱可塑性エラストマーはゴムと比べて寸法安定性に優れているので、側周部に設けられた段差も本発明の製造方法に適合した形状にすることができる。また、復元力が向上し、輸液加療中の針保持力や針抜き後の再シール性に優れた医療用キャップを製造することができる。
また、本発明に係る医療用ボトルは、薬液を収容するボトル本体と薬液を針で取り出す取出部とを少なくとも有する医療用ボトルであって、前記取出部が前記に記載の医療用キャップであることを特徴とする。
本発明の実施の形態について、図を参照しながら以下に説明する。但し、説明に不要な部分は省略し、また説明を容易にする為に拡大又は縮小等して図示した部分がある。図1(a)〜1(c)は、本実施の形態に係る医療用キャップの製造方法を説明するための断面図である。
本実施の形態に係る医療キャップは、弾性栓体と、弾性栓体の側周部を針刺面側から内壁で保持する上側枠部及び接液面側から内壁で保持する下側枠部を備えた外枠体を有する構造である。前記上側枠部2aの成形は、例えば、共通金型21と第1金型22とを用いて、射出成形により行う(図1(a)参照)。共通金型21と第1金型22は、その型閉じの際に、円筒状の上側枠部2aの成形を可能にするキャビティが形成される構造となっている。
このキャビティ内に、上側枠部2aの構成材料となる樹脂を溶融した溶融樹脂を注入する。このときの射出条件は特に限定されず、適宜必要に応じて設定され得る。一般的には、射出成形温度180〜250℃、射出圧力2〜6.5MPa、射出時間0.4〜4秒、第1金型温度及び共通金型温度25〜45℃の範囲内で行うことが好ましい。射出された溶融樹脂は所定時間冷却される。型開き後、上側枠部2aが形成される。
次に、図1(b)に示すように、上側枠部2aの内部に、弾性栓体1をその針刺面1aが下向きとなる様に、上側枠部2aにおける載置部24上に載置する。弾性栓体1としては、図2に示すように、側周部1cの接液面1b側に段差1dを有するものを使用する。段差1dは複数設けられていることが必要であり、これにより、接液面1bに近づくに従い、段差毎に下側枠部から受ける圧縮応力を大きくすることができる。また、側周部1cの段差1dが設けられている部分は、傾斜していないことが好ましい。段差の数は特に限定されず、適宜必要に応じて設定すればよい。段差の数を増やすことにより、弾性栓体1に作用させる圧縮応力の大きさを多段階的に変化させることが可能になる。
尚、前記「針刺面」とは、本発明の医療用キャップが薬液ボトルや点滴に用いられる輸液ボトルに装着され、薬液等を取り出す際に、注射針により針刺しが行われる面を意味する。また、「接液面」とは、薬液等が接する面を意味する。更に、本発明の弾性栓体としては、前記形状のものに限定されない。他の態様については、後段にて詳述する。
また、弾性栓体1の針刺面1a側の直径dは特に限定されず、通常は12〜30mmの範囲内で設定される。また、弾性栓体1の直径dは、上側枠部2aの内壁面に於ける内径Rに対し、0.1mm〜0.5mm程度小さめに設定されていることが好ましい。これにより、上側枠部2a内への弾性栓体1のインサートの容易性を確保している。その一方、弾性栓体1の接液面1b側の直径eは特に限定されず、通常は8〜28mmの範囲内で設定される。更に、弾性栓体1の厚みは特に限定されず、通常は3〜10mmの範囲内で設定される。段差面31の高さh1及び段差面32の高さh2は、段差1dの数に応じて適宜設定すればよく、通常は0.5〜3mmの範囲内で設定することが好ましい。また、各段差における段差幅aは、接液面1bの直径eの大きさに応じて適宜設定すればよく、通常は0.5〜5mmの範囲内で設定することが好ましい。
図1(c)に示すように、下側枠部の成形は、共通金型21と第2金型23とを用いて行う。即ち、前記共通金型21と第2金型23とを型閉じすることにより、下側枠部の成形が可能なキャビティが形成される。このキャビティ内に、下側枠部の構成材料となる樹脂を溶融した溶融樹脂を注入する。射出条件は特に限定されず、適宜必要に応じて設定され得る。一般的には、射出成形温度200〜250℃、射出圧力3〜7MPa、射出時間1.5〜4秒、第1金型温度及び共通金型温度25〜45℃の範囲内で行うことが好ましい。また、溶融樹脂の射出圧力を調節することにより、側周部1cにおいて段差1dが設けられている部分にその充填圧力を加えながら、射出を行ってもよい。これにより、後述の下側枠部2bによる成形収縮に起因した圧縮応力に加えて、弾性栓体1を一層圧縮させることが可能になる。この場合、射出圧力としては、8〜10MPaの範囲内であることが好ましい。
射出された溶融樹脂は、所定時間冷却される。これにより、溶融樹脂は収縮しつつ固化して下側枠部2bとなる。このとき、弾性栓体1は形状復元性を有するので、冷却前と同じ形状を保持しようとする。下側枠部2bは弾性栓体1に融着し、更に、その成形収縮の過程で、弾性栓体1に圧縮応力(カシメ力)を与える。ここで、弾性栓体1はその側周部1cに2つの段差1dを設けた形状であるので、下側枠部2bから受ける圧縮応力は、針刺面1a側の段差面31よりも、接液面1b側の段差面32の方が大きい。その結果、弾性栓体1は、その接液面1bにおいて最も大きい圧縮応力を受けている。また、弾性栓体1の側周部1cにおいて、段差1dが設けられている部分は傾斜していないので、矢印で示す方向、即ち、弾性栓体1の中央に向かって圧縮応力を効果的に作用させることができる。
その後、共通金型21と第2金型23の型開きして取り出すことにより、本実施の形態に係る医療用キャップ10が得られる(図3参照)。当該医療用キャップ10においては、弾性栓体1がその接液面1bに向かうに従って大きくなる圧縮応力を、下側枠部2bから受けているので、針抜けに対する保持力及び復元力が向上しており、針抜け後の再シール性に優れている。また、弾性栓体1と下側枠部2bの接触部分が融着した状態となっている。更に、上側枠部2aと下側枠部2bも接触部分で融着した状態で一体となっている。その一方、弾性栓体1と上側枠部2aの接触部分は非融着の状態となっている。即ち、本実施の形態に係る医療用キャップであると、液漏れや針抜けの発生を防止し、薬液等の密閉性に優れたものにすることができる。
前記外枠体2を構成する材料としては、合成樹脂のうち、医療用途としての安全性が確立されたものであれば足りる。中でも熱可塑性樹脂を用いるのが一般的である。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等の従来医療用途に用いられている樹脂が好ましいが、これらに限定されるものではない。また、プルトップ型の場合、上側枠部2aを構成する材料としては、例えば、熱可塑性エラストマーが好ましい。より具体的には、オレフィン系、スチレン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリブタジエン系等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。更に、外枠体2には着色剤等の任意の成分を添加してもよい。
前記弾性栓体1に用いる材料としては、例えば、ゴムや熱可塑性エラストマーが挙げられる。前記ゴムとしては特に限定されず、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレン−イソブチレンゴム等が例示できる。また、熱可塑性エラストマーとしては特に限定されず、例えば、オレフィン系、スチレン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリ塩化ビニル系、ポリブタジエン系等が例示できる。中でも共役ジエン系の熱可塑性エラストマーに水素添加した熱可塑性エラストマー(SEBS、SEPS、HSBR、SEBR、CEBC)が好適である。
また、熱可塑性エラストマー材料は、ゴム材料に比べて極めて衛生的な素材であるが、使用する薬液によっては、弾性栓体1の接液面1bに、ラミネート加工を行ってもよい。ラミネート加工には、外枠体2又は取り付けるべき容器本体と同一種類の樹脂が一般に用いられる。これにより、薬液が接触する容器内や弾性栓体1の接液面13bと同一又は類似した性質の材料とすることができる。
弾性栓体1の製造方法としては特に限定されず、例えば、熱可塑性エラストマーを圧潰しながら行うコンプレッション成形や射出成形により製造可能である。
また、本発明に使用する弾性栓体において、その側周部1cにおける段差1dが設けられている部分の形状は特に限定されず、適宜必要に応じて変更可能である。例えば、図4(a)に示すように、接液面41b側の段差面51を針刺面41a側の段差面52より高くしてもよい。この場合、接液面41b側の段差面51の面積が広いことから、弾性栓体41には、大きな圧縮応力が加えられた領域の拡大が図れる。その一方、図4(b)に示すように、針刺面42a側の段差面54を接液面42b側の段差面53よりも高くしてもよい。この場合、針刺面42a側の段差面55の面積が広いことから、弾性栓体42には、小さい圧縮応力が加えられる領域の拡大が図れる。また、図4(c)に示すように、段差面55、56を共に高くし、上側枠部との接触面57を狭くしてもよい。この場合、下側枠部から圧縮応力が加わる領域の拡大が図れると共に、融着面積も大きくできるので、下側枠部との密着性を更に向上させることが可能になる。更に、図4(d)に示すように、段差を3段にしてもよい。段差数を増すことにより、下側枠部から受ける圧縮応力の強さをより多段階的にすることが可能になる。
また、弾性栓体の針刺面側の形状も特に限定されず、適宜必要に応じて変更可能である。例えば、図5(a)に示す様に、側周部の針刺面61a側に、脱落防止の為の段差部61bを備えた形状の弾性栓体61が挙げられる。更に、図5(b)に示すように、針刺面62a側に、上側枠部に設けられた環状リブと嵌合させる環状溝62bを備えた弾性栓体62であってもよい。環状溝62bは、穿刺時の弾性栓体1の変形及び脱落を防止可能にする。更に、図5(c)に示すように、針刺面63a側に、上側枠部に設けられた環状溝と嵌合させる環状リブ63bを備えた弾性栓体63であってもよい。環状リブ63bは、穿刺時の弾性栓体1の変形及び脱落を防止可能にする。当該環状リブについては、図5(d)に示すように、その高さを高くすると共に、上側枠部に設けられた環状溝の深さを深くすることにより、穿刺時の弾性栓体1の変形及び脱落の防止を強化することも可能である。
本発明に係る医療用キャップは前記に示した態様に限定されるものではなく、当該発明の効果を奏する範囲で種々の変更が可能である。例えば、図6(a)〜6(c)に示すような態様を採用することも可能である。
即ち、図6(a)に示すように、上側枠部2a’がプルトップ型の外枠体2’を備えた態様でもよい。また、同図(b)に示すように、フランジのない下側枠部2b’を有する外枠体2”を備えた態様でもよい。更に、同図(c)に示すように、上側枠部12aと下側枠部12bとが嵌合した構造の外枠体12を備えた態様でもよい。
以上の様にして得られる本発明の医療用キャップは、例えば、薬液を針で取り出すタイプの容器に取り付けて用いることができる。具体的には、薬液を収容するボトル本体と薬液を針で取り出す取出部とを有した医療用ボトルにおいて、本発明のキャップをその取出部として、密閉性に優れた医療用ボトルとすることができる。
以下に、この発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載されている材料や配合量等は、特に限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎない。
(実施例1)
本実施例では、前述の図1に示した方法に従い、図3に示す医療用キャップの製造を行った。上側枠部2aの材料としてはスチレン系熱可塑性エラストマー(プルトップ用グレード)を用い、下側枠部2bの材料としてはPP(ポリプロピレン、MFR=3.6)を用い、弾性栓体1の材料としてはスチレン系熱可塑性エラストマー(栓体用グレード)を用いた。また、成形機としては、日精樹脂工業(株)製の二色射出成形機(商品名;DC100−200)を使用した。
前記弾性栓体1の形状寸法は下記の通りである。
針刺面1aの直径d:24mm
接液面1bの直径e:20mm
段差面の高さh1 :1.3mm
段差面の高さh2 :2mm
段差幅a :1mm
厚さ :7.5mm
上側枠部2aの成形条件は下記の通りである。
射出成形温度:230℃
射出圧力 :3.7MPa
射出時間 :3.2秒
第1金型温度及び共通金型温度:43℃
下側枠部2bの成形条件は下記の通りである。
射出成形温度:245℃
射出圧力 :4.8MPa
射出時間 :3.4秒
第2金型温度及び共通金型温度:43℃
(比較例1)
本比較例に於いては、弾性栓体71と、弾性栓体71の側周部71cを針刺面71a側から内壁で保持する上側枠部72a及び接液面71b側から内壁で保持する下側枠部72bを備えた外枠体72を有する構造の医療用キャップを作製した(図7参照)。
前記弾性栓体71は、図7(a)に示すように、針刺面71aが平坦面であり、側周部71cの接液面71b側に段差71dを備えた構造である。下記の弾性栓体71の形状寸法を示す。
針刺面71aの直径d:24.0mm
接液面71bの直径e:20.0mm
段差面の高さh :2.0mm
段差幅a :2.0mm
厚さ :7.5mm
また、上側枠部72a及び下側枠部72bは、それぞれ実施例1と同様の成形条件により成形を行った。
(穿刺針の保持力試験)
前記実施例及び比較例で得られた医療用キャップに対し、オートクレーブにより110℃で30分間の滅菌処理を行った。その様な医療用キャップを40サンプル用意し、金属針(16G金属針)及び樹脂針(400樹脂針)をそれぞれ弾性栓体に刺したときの保持力について調べた。各医療用キャップを引っ張り圧縮試験機にセットし、弾性栓体の中央部に、前記試験機に取り付けた下記の穿刺針を垂直に突き刺した後、該穿刺針を200mm/minの速度で上昇させ、該穿刺針が弾性栓体から抜けるときの力(単位;N)を測定した。穿刺針としては、前記2種類の針を用いて行い、それぞれ最大値、最小値、平均値及び標準偏差を求めた。結果を下記表1に示す。
Figure 2010075392
(穿刺針の液漏れ試験)
前記実施例及び比較例で得られた医療用キャップに対し、オートクレーブにより110℃で30分間の滅菌処理を行った。次に、各医療用キャップを試験用圧力缶体に取り付け、その点滴部位にテルモ(株)製連結管(商品名;TC−00503B)を穿刺し4時間放置した。その後、抜針し、液漏れするかを調べた。尚、検体数は300個とした。
次に、前記と同様にして滅菌処理を行った各医療用キャップを試験用圧力缶体に取り付け、その点滴部位にテルモ(株)製輸液セット(商品名;TK−A400LK)を穿刺し4時間放置した。その後、抜針し、液漏れするかを調べた。尚、検体数は300個とした。
更に、前記と同様にして滅菌処理を行った各医療用キャップを試験用圧力缶体に取り付け、その混注部位に、18G金属針をシリンジにセットし水10mlを入れて垂直に穿刺した。その後、18G金属針を針刺面に対し傾斜させた状態にし、水を試験用圧力缶体に3回注入吸引を繰り返した。続いて、2本目の18G金属針の穿刺し、水の注入吸引の操作を繰り返した。更に、1時間後の液漏れ量を測定した。結果を下記表2に示す。また、検体回数は300個とした。
Figure 2010075392
本発明の実施の一形態に係る医療用キャップの製造方法を説明する為の断面模式図である。 前記医療用キャップを構成する弾性栓体を表す断面模式図である。 前記製造方法により作製された医療用キャップを示す断面模式図である。 前記医療用キャップに用いる各種の弾性栓体を示す断面図である。 前記医療用キャップに用いる各種の弾性栓体を示す断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る医療用キャップを表す断面模式図である。 比較例に係る医療用キャップ及び弾性栓体を表す断面模式図である。
符号の説明
1 弾性栓体
1a 針刺面
1b 接液面
1c 側周部
1d 段差
2 外枠体
2a 上側枠部
2b 下側枠部
10 医療用キャップ
12 外枠体
12a 上側枠部
12b 下側枠部
21 共通金型
22 第1金型
23 第2金型
24 載置部
31、32 段差面
41 弾性栓体
41a 針刺面
41b 接液面
42 弾性栓体
42a 針刺面
42b 接液面
43 弾性栓体
43a 針刺面
43b 接液面
44 弾性栓体
44a 針刺面
44b 接液面
51〜56 段差面
61 弾性栓体
61a 針刺面
61b 段差部
62 弾性栓体
62a 針刺面
62b 環状溝
63 弾性栓体
63a 針刺面
63b 環状リブ
64 弾性栓体
64a 針刺面
64b 環状リブ

Claims (7)

  1. 側周部の接液面側に複数の段差を有する弾性栓体と、弾性栓体の周縁部を上面側から内壁で保持する上側枠部及び下面側から内壁で保持する下側枠部を備えた外枠体を有する医療用キャップの製造方法であって、
    共通金型と第1金型を用いて、前記弾性栓体の載置が可能な載置部を内壁に有する上側枠部を成形し、
    前記上側枠部の内部に、針刺面を下向きにして前記弾性栓体を載置し、
    前記共通金型と組み合わせた際に前記下側枠部の成形用のキャビティを形成可能にする第2金型を用いて、前記共通金型と型閉じし、
    前記キャビティ内に溶融樹脂を射出して充填し、
    充填された前記溶融樹脂を冷却して下側枠部を成形すると共に、前記弾性栓体に対しその側周部の段差が設けられた部分に応力を加えた状態で前記外枠体を形成する医療用キャップの製造方法。
  2. 前記弾性栓体として、段差が設けられている側周部が傾斜していないものを使用する請求項1に記載の医療用キャップの製造方法。
  3. 前記弾性栓体として、熱可塑性エラストマーからなるものを使用する請求項1又は請求項2に記載の医療用キャップの製造方法。
  4. 側周部の接液面側に複数の段差を有する弾性栓体と、弾性栓体の周縁部を針刺面側から内壁で保持する上側枠部及び接液面側から内壁で保持する下側枠部を備えた外枠体を有する医療用キャップであって、
    前記弾性栓体は、前記上側枠部との接触面では融着されておらず、前記下側枠部との接触面では融着されており、更に、前記下側枠部から中央方向に向かって圧縮応力を受けている医療用キャップ。
  5. 前記弾性栓体における前記段差が設けられている側周部は傾斜していない請求項4に記載の医療用キャップ。
  6. 前記弾性栓体は熱可塑性エラストマーからなる請求項4又は請求項5に記載の医療用キャップ。
  7. 薬液を収容するボトル本体と薬液を針で取り出す取出部とを少なくとも有する医療用ボトルであって、前記取出部が請求項4〜6の何れか1項に記載の医療用キャップである医療用ボトル。
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