JP2001129055A - キャップおよびそれを用いた薬剤容器 - Google Patents

キャップおよびそれを用いた薬剤容器

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JP2001129055A
JP2001129055A JP31876299A JP31876299A JP2001129055A JP 2001129055 A JP2001129055 A JP 2001129055A JP 31876299 A JP31876299 A JP 31876299A JP 31876299 A JP31876299 A JP 31876299A JP 2001129055 A JP2001129055 A JP 2001129055A
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cap
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Seiji Kurosawa
誠治 黒澤
Masamitsu Izumi
雅満 泉
Isamu Tateishi
勇 立石
Fujio Inoue
冨士夫 井上
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 先端が鋭利な針を用いずに薬剤の注入等がで
き、針を抜いた後でも十分な密封性を有するキャップと
薬剤容器とを提供する。 【解決手段】 本発明のキャップ10は、天面14から
底面15まで貫通した、医療用注入針を挿通可能な少な
くとも1つの切込み部11を有する弾性体12と、弾性
体12の外縁にて弾性体12を挟持する外枠体13とを
有しており、弾性体の底面15における切込みの開口部
11aが、下方に突き出した突起部16となっている。
本発明の薬剤容器は、口部に上記キャップを取り付けた
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点滴液、注射液等
を収容する薬剤容器における口部や、点滴等に用いられ
る輸液ラインにおける側注管の口部に用いられるキャッ
プと、かかるキャップを用いた薬剤容器とに関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】点滴
液、注射液等を収容する薬剤容器の口部や、点滴液等を
注入するための輸液ラインにおける側注管(混注部)の
口部は、一般に、ゴム栓によって封止されている。従っ
て、かかる口部から薬剤・薬液を注入、混合する場合に
は、先端が鋭利な金属製注射針を有する注射器等が用い
られてきた。一方、近年、感染症等の観点から、前記金
属製注射針等の先端が鋭利な注入針で誤って手指を刺し
てしまう事故が問題視されている。
【0003】そこで、先端が鋭利な針を用いずに薬剤・
薬液を注入、混合する方法として、特開平7−2366
97号公報には、側注管の口部を封止するゴム栓にあら
かじめ切込みを設けた輸液ラインが開示されている。上
記公報に開示のゴム栓のようにあらかじめ切込みを設け
ておけば、先端が鋭利ではない注入針であっても容易に
挿通させることができる。しかしながら、あらかじめ切
込みを設けただけでは口部の密封性が損なわれてしま
い、特に、一旦挿通させた医療用注入針を抜き去った時
には、切込みから薬剤容器中の内容液が漏れ出したり、
顕著な場合には外気や汚染物が薬剤容器中に混入してし
まうという新たな問題があった。
【0004】そこで本発明の目的は、先端が鋭利な針を
用いずに薬剤容器内や輸液ライン内に薬剤・薬液を注
入、混合することができ、かつ一旦挿通させた医療用注
入針を抜き去った後においても十分な密封性を有するキ
ャップを提供することである。また、本発明の他の目的
は、医療用注入針を抜脱した後も密封性を有し、かつ先
端が鋭利な針を用いずに薬剤・薬液の注入、混合が可能
な口部閉塞システムを有する薬剤容器を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記課
題を解決するための本発明に係るキャップは、天面から
底面まで貫通した、医療用注入針を挿通可能な少なくと
も1つの切込みを有する弾性体と、当該弾性体の外縁に
て弾性体を挟持する外枠体とを有しており、前記弾性体
の底面における前記切込みの開口部が、下方に突き出し
た突起状に形成されていることを特徴とする。
【0006】上記本発明に係るキャップは、弾性体にあ
らかじめ切込みが設けられていることから、医療用注入
針の先端が鋭利でなくても容易に挿通させることができ
る。また、弾性体の底部における前記切込みの開口部が
下方に突き出した突起状に形成されていることから、一
旦挿通させた医療用注入針を抜き去ることによって弾性
体に針刺し痕が生じても、突起部自身の弾性によって、
あるいは当該キャップを取り付ける薬剤容器の内圧等に
よる逆止弁効果によって針刺し痕が塞がれ、その結果、
十分な密封性を維持することができる。
【0007】従って、上記本発明のキャップによれば、
先端が鋭利な針を用いなくても当該キャップを設けた薬
剤容器の口部または輸液ラインの側注部から薬剤・薬液
を注入、混合することができ、かつ針を抜脱した後の薬
剤容器や輸液ラインの密封性を十分に確保することがで
きる。それゆえ、本発明に係るキャップは、薬剤容器や
輸液ライン等を使用する際の安全性を高めるものとし
て、医療用現場等において好適に用いることができる。
【0008】上記本発明のキャップは、さらに(i) 下方
に突き出した突起部の最大径が、切込みの最大幅の1.
2〜2倍であって、当該突起部の高さが、突起部を除い
た弾性体の天面から底面までの厚さに対して10〜10
0%である、(ii) 弾性体の天面、底面、または天面と
底面の双方に、前記切込みの開口部を塞ぐ薄膜が設けら
れている、または(iii) 弾性体の天面が、前記切込みの
開口部において窪み状に形成されているのが好ましい。
【0009】上記(i) の場合、突起部の大きさが適度な
ものとなり、その結果、針を抜き去った後のキャップの
密封性をより一層優れたものとすることができる。上記
(ii)の場合、医療用注入針を挿通させる前の密封性がよ
り一層優れたものとなり、それゆえ、例えば本発明のキ
ャップを薬剤容器の口部に取り付けた場合には、そのま
まの状態で滅菌処理に供することが可能となる。上記(i
ii) の場合、医療用注入針によって刺し貫かれる弾性体
の厚さ(長さ)を減少させることができ、弾性体に歪み
が生じるのを抑制することもできる。また、医療用注入
針の刺し込み位置の視認をより一層確実に行うことがで
きるようになる。
【0010】本発明に係る薬剤容器は、プラスチック製
などの薬剤容器やガラスバイアル容器における口部に、
上記本発明に係るキャップを取り付けたものである。上
記薬剤容器によれば、先端が鋭利な針を用いなくても当
該薬剤容器の口部に設けられたキャップから薬剤・薬液
を注入、混合することができる。従って、先端が鋭利な
針を使用する必要がなく、かかる鋭利な針で誤って手指
を刺してしまう事故を招くことがない。また、一旦挿通
された針を抜き去った後においても薬剤容器の密封性が
十分に確保されることから、内容液が漏れ出したり、外
気や汚染物が薬剤容器中に混入したりするのを防止でき
る。
【0011】それゆえ、上記本発明に係る薬剤容器は使
用時の安全性が高められており、医療現場等において好
適に用いることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明のキャップは、前述のように、点滴液、注
射液等を収容する薬剤容器の口部や、点滴液等を注入す
るための輸液ラインにおける側注管(混注部)の口部に
取りつけて用いられる、一般に略円筒状の部材である。 〔実施態様〕図1は本発明に係るキャップの一実施形態
を示す断面図であって、図2(a) は図1のA−A矢視
図、図2(b) は図1のB−B矢視図である。
【0013】図1に示すキャップ10は、医療用注入針
を挿通可能な切込み部11を有する弾性体12と、弾性
体12を内包する外枠体13とを有するものであって、
例えば、弾性体12の底面外周部12aと外枠体13の
底部13aとを、薬剤容器80の口部81(あるいは、
輸液ラインにおける側注管の口部)に固着させることに
よって使用される。図1に示すキャップ10における切
込み部11は弾性体12の天面14から底面15にまで
貫通したものであって、弾性体12の底面15における
前記切込みの開口部11aには、弾性体12が下方に突
き出すことによって形成された突起部16が設けられて
いる。
【0014】また、上記キャップ10は、図1に示すよ
うに、外枠体13の天面13bに保護フィルム17が設
けられたものであってもよい。この場合、キャップ10
を実際に使用するまでの間に弾性体12の天面14が汚
染されるという事態が生じるのを防止することができ
る。さらには、天面14における切込みの開口部11b
から異物や外気が浸入して、薬剤容器80等の内容物が
汚染されるという事態が生じるのを確実に防止すること
ができる。
【0015】図3および4は、本発明に係るキャップの
他の実施形態を示す断面図である。図3に示すキャップ
18は、図1に示すキャップ10における弾性体12の
天面14に薄膜19を設けたものである。これにより、
キャップ18を実際に使用するまでの間に、弾性体12
の天面14における切込みの開口部11bから異物や外
気が浸入して、薬剤容器80等の内容物が汚染されてし
まうのを確実に防止することができる。
【0016】また、上記キャップ18は、さらに必要に
応じて、外枠体13の天面13bに保護カバー21を設
けてもよい。この保護カバー21は、外枠体13に嵌合
したものであってもよく、外枠体13の天面13bに弱
く溶着されたものであってもよい。図4に示すキャップ
20は、医療用注入針を挿注可能な切込み部11を複数
箇所有する弾性体22と、弾性体22を内包する外枠体
23とを有するものであって、図1および図3に示すキ
ャップ10,18と同様に、例えば薬剤容器80の口部
81(あるいは、輸液ラインにおける側注管の口部)に
固着させることによって用いられる。
【0017】上記キャップ20における弾性体22の底
面15には、弾性体22の底面15における前記切込み
の開口部11aを覆うようにして、薄膜27が設けられ
ている。この場合、キャップ20を実際に使用するまで
の間に、弾性体22の切込み部11から異物や外気が浸
入して、薬剤容器80等の内容物が汚染されてしまうの
を確実に防止することができる。上記薄膜27は、図4
に示すように、弾性体22の底面15において、薬剤容
器80の口部81を密封するようにして設けられたもの
であってもよく、開口部11aのみに設けられるのであ
ってもよい。前者の場合には、弾性体22と薬剤容器8
0等に充填される薬剤・薬液との接触を防止することが
でき、さらには、薬剤容器80等の密封性をより一層高
めることができるため、たとえ後述するプルオフ方式の
蓋24が設けられていなくても薬剤容器80を直接滅菌
処理に供することが可能となる。
【0018】なお、図3および4に示すキャップにおい
て、弾性体12の天面14における切込みの開口部11
bを覆う薄膜19および弾性体22の底面における切込
みの開口部11aを覆う薄膜27には、先端が鋭利では
ない医療用注入針であっても容易に挿通させることがで
き、かつ透明性を有するものであることが求められる。
これにより、針を刺し込む際の操作性や、針刺し位置の
視認性が低下することことなく、キャップ18,20を
使用することができる。
【0019】図4に示すキャップ20の外枠体23に
は、プルオフ方式(プルトップ方式)の蓋24が設けら
れている。これにより、キャップ20を実際に使用する
までの間に弾性体22の天面14が汚染されてしまうの
を防止することができる。さらには、天面14における
切込みの開口部11bから異物や外気が浸入して、薬剤
容器80等の内容物が汚染されてしまうのを確実に防止
することができる。図4に示すキャップ20における弾
性体22の天面14には、切込みの開口部11b近傍に
設けられた窪み28を有していてもよい。かかる窪み2
8を設けることで、針刺し位置の視認性をより一層高め
ることができる。
【0020】次に、本発明に係るキャップを構成する各
部について詳細に説明する。 〔突起部〕本発明のキャップにおいて、弾性体の底面に
設けられる突起部16,26については、弾性体12,
22の底面15における切込みの開口部11bを含んだ
もの(図1,3および4参照)であるほかは、その形状
等について特に限定されるものではない。
【0021】突起部をキャップの側面から見た形状とし
ては、例えば図1,3および4の断面図に示すように略
半円球状(お椀状またはドーム状)やV字状であるほ
か、矩形状等の形状であってもよい。また、突起部をキ
ャップの天面および底面から見た形状としては、例えば
図2の平面図に示すように、楕円形または円形であるほ
か、三角形、四角形、六角形等の多角形状であってもよ
いが、通常、円形(または楕円形)であるのが好まし
い。
【0022】本発明のキャップにおいて、下方に突き出
した突起部の最大径は、切込みの最大幅の1.2〜2倍
であるのが好ましい。すなわち、図2(b) に示すよう
に、弾性体12の底面15における突起部16の最大径
D1が、切込み11の最大幅D2に対して上記範囲内に
あるのが好ましい。切込み11の最大幅D2に対する突
起部16の最大径D1の比率が上記範囲よりも大きい場
合(すなわち、D1がD2の2倍を超える場合)には、
弾性体底面15の切込みの開口部11bにおいて針刺し
痕を閉塞する作用が低下してしまい、その結果、キャッ
プ10の密封性が得られなくなるおそれがある(図1,
3および4参照)。逆に、切込み最大幅D2に対する突
起部最大径D1の比率が上記範囲を下回ると(すなわ
ち、D1がD2の1.2倍を下回ると)、突起部16の
強度が低下するため、針を刺すことによって割れてしま
うなどして、突起部16が破損してしまうおそれが生じ
る。
【0023】本発明のキャップにおいて、突起部16の
高さ16hは、突起部16を除く弾性体12の天面14
から底面15までの厚さ12tに対して10〜100%
であるのが好ましい(図1参照)。弾性体の厚さ12t
に対する突起部の高さ16hの比率が上記範囲を超える
と、切込みの開口部11bにおいて針刺し痕を閉塞する
作用がかえって低下してしまい、キャップ10の密封性
が得られなくなるおそれがある。逆に、弾性体の厚さ1
2tに対する突起部の高さ16hの比率が上記範囲を下
回ると、切込みの開口部11bにおいて針刺し痕を閉塞
する作用が得られなくなるおそれがある(図1参照)。
【0024】〔切込み部〕本発明のキャップにおける弾
性体に設けられる切込み部については、弾性体の天面か
ら底面にまで貫通したものであるほかは、その形状等に
ついて特に限定されるものではない。すなわち、弾性体
の天面または底面から見た形状がマイナス(−)状(あ
るいは、細長いスリット状)であるもののほかに、単に
点として表されるような針穴状のもの、プラス(+)状
(あるいは、十字状)のもの、放射線状のもの等、種々
の形状のものを採用することができる。
【0025】切込み部の大きさは、切込み部の形状、薬
剤容器や輸液ラインの大きさや種類、使用する針の太さ
等に応じて適宜設定されるが、切込み部の平面形状がマ
イナス(−)状である場合には、その幅が0.5〜10
mm、好ましくは1〜7mm、より好ましくは2〜4m
m程度となるように設定するのが適当である。なお、切
込み部に針を挿通していない場合には、弾性体の反発力
・弾力によって当該切込み部は塞がれている。
【0026】〔弾性体〕本発明のキャップにおける弾性
体には、例えば従来の薬剤容器の栓として用いられてい
る種々の材料を用いることができる。すなわち、例えば
天然ゴム、シリコーンゴム等のゴムや、熱可塑性エラス
トマー等の弾性部材を用いることができる。特に、上記
例示のうちの熱可塑性エラストマーを用いた場合には、
弾性体の加工性が良好なものとなったり、キャップの外
枠体との一体成形が可能になるといった利点が得られ
る。
【0027】本発明に使用可能な熱可塑性エラストマー
としては、例えばスチレン−エチレン/ブチレン−スチ
レンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン
−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、
マレイン酸変性等の変性SEBS、スチレン−エチレン
/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEP
S)、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合体
(SEB)、スチレン−エチレン/プロピレンブロック
共重合体(SEP)等のスチレン系エラストマー;エチ
レン−プロピレンブロック共重合体等のオレフィン系エ
ラストマー;ポリウレタン系エラストマーなどが挙げら
れる。
【0028】本発明に係るキャップにおける弾性体の特
性については特に限定されるものではなく、一般に、医
療用注入針を貫通させるのが困難なほどに強靭または高
硬度でなく、かつ通常の保管時において容易に変形した
り、破損したりしない程度の強度を有するものであれば
よい。本発明のキャップに用いられる弾性体は、JIS
A硬度〔JIS K 6301に記載の方法にて測定
したスプリング硬さHs(JIS A)〕が20〜70
であるのが好ましく、30〜50であるのがより好まし
い。また、弾性体の圧縮永久歪みは、医療用注入針を繰
り返し抜き差ししても破損することがないように、JI
S K 6301に記載の方法にて測定した値〔圧縮永
久歪み率CS(%)、熱処理温度・時間:70℃×22
時間〕が30以下であるのが好ましい。
【0029】〔外枠体〕本発明に係るキャップをガラス
製の薬剤容器に適用する場合、外枠体としては、アルミ
ニウム等の金属板を用いるのが好ましい。この場合、金
属板からなる外枠体を薬剤容器の口部のフランジに巻き
締めることによって、弾性体を固定することができる。
本発明に係るキャップをプラスチック製の薬剤容器、ま
たは輸液ラインの側注部に適用する場合、外枠体には、
例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ4−メチル
ペンテン〔例えば三井化学(株)の商品名「TP
X」〕、ポリテトラフルオロエチレン等のポリオレフィ
ン;エチレン−テトラシクロドデセン共重合体〔例え
ば、三井化学(株)の商品名「アペル」〕等のポリ環状
オレフィン:アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン
共重合体(ABS);ポリエチレンナフタレート(PE
N)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリア
リレート等のポリエステル;ポリフェニレンサルファイ
ド(PPS)等のベンゼン系重合体等の、医療器具に従
来用いられている種々のプラスチック製のものを用いる
ことができる。
【0030】また、この場合には、上記プラスチック製
の外枠体を、前述の弾性体を内包した状態で薬剤容器等
の口部のフランジに溶着させることによって、口部を封
止することができる。 〔薄膜〕本発明のキャップにおいては、弾性体の天面、
底面または天面と底面との双方には、薄膜を設けてもよ
い。
【0031】かかる薄膜には、注入針の先端が鋭利でな
くても容易に挿通させ得るものであること、および高圧
蒸気滅菌や熱水滅菌等の滅菌処理時に破損することがな
い程度の強度と耐熱性とを有することが求められる。本
発明において、上記薄膜には、例えばポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリ4−メチルペンテン〔例えば三井化
学(株)の商品名「TPX」〕、ポリテトラフルオロエ
チレン等のポリオレフィン;エチレン−テトラシクロド
デセン共重合体〔例えば、三井化学(株)の商品名「ア
ペル」〕等のポリ環状オレフィン:アクリロニトリル−
ブタジエン−スチレン共重合体(ABS);ポリエチレ
ンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)、ポリアリレート等のポリエステル;ポリ
フェニレンサルファイド(PPS)等のベンゼン系重合
体等の、医療器具に従来用いられている種々のプラスチ
ック製のものを用いることができる。
【0032】弾性体の天面に設けられた薄膜(例えば、
図3に示す薄膜19)や、弾性体の底面に設けられた薄
膜(例えば、図4に示す薄膜27)の厚さについては特
に限定されるものではないが、通常、医療用注入針等の
刺通を容易に行うことができ、かつ滅菌処理に耐え得る
厚さであることが求められ、具体的には、0.03〜2
mm程度に設定するのが好適である。前記薄膜は均一な
厚さであってもよいが、医療用注入針を挿通させる部分
である突起部での厚みをそれ以外の部分よりも薄くした
ときは、注入針の挿通をより一層容易なものとすること
もできる。
【0033】弾性体の天面に設けられる薄膜は、例えば
図3に示すように天面全体に設ける必要はなく、少なく
とも切込みの開口部11b近傍において、切込み部11
を塞ぐように設けられていればよい。一方、弾性体の底
面に設けられる薄膜は、例えば図4に示すように、弾性
体22の底面15全体に設けられていてもよく、切込み
11の開口部11aの近傍のみに設けられていてもよ
い。薄膜は、上記素材と厚さを有するフィルムを、弾性
体の天面上に被せ、外枠体により弾性体とともに固定す
ることにより形成される。また、薄膜は、上記したプラ
スチックで弾性体天面をラミネートすることによっても
形成可能である。この場合、ラミネート技術としては、
公知の方法(特開平2−1275号公報)を採用するこ
とができる。
【0034】さらに、弾性体が熱可塑性エラストマーで
ある場合には、薄膜を弾性体に溶着することも可能であ
る。この場合には、薄膜の素材として弾性体と相溶性の
あるプラスチック(例えば、弾性体がSEBSの場合は
ポリエチレン等)を採用することが求められる。なお、
薄膜が弾性体の天面または底面の全面にではなく、開口
部11a,11bの近傍にのみ設けられる場合には、上
記の溶着により薄膜を形成すればよい。
【0035】〔窪み〕本発明のキャップにおいては、例
えば図4に示すように、弾性体22の天面14における
切込みの開口部11bに窪み28を設けてもよい。かか
る窪み28を設けることにより、針刺し位置の視認を容
易に行うことができる。弾性体の天面に設けた窪みの深
さは特に限定されるものではないが、弾性体の厚さ(突
起部を除く弾性体の天面から底面までの厚さ)に対して
5〜95%の範囲で設定するのが好ましく、10〜90
%の範囲とするのがより好ましい。
【0036】窪みの形状も特に限定されるものではな
く、切込みの形状に応じて種々の形状を採用すればよ
い。例えば、切込みの開口部11a,11bを弾性体の
天面または底面から見た形状がマイナス(−)状である
場合には、窪みをV字状あるいは角錐形状の溝とするの
が好ましく、針穴状である場合には窪みを円錐状の溝と
するのが好ましい。なお、窪み28は、弾性体の天面1
4における切込み11の開口部だけでなく、例えば図5
に示すように、天面14において切込みが設けられてい
る場所以外に設けてもよい。この場合、切込み11を有
する窪み28は先端が鋭利でない針の針刺し位置を確認
するために使用し、切込みを有しない窪み28aについ
ては先端が鋭利である針を使用する場合の針刺し位置の
確認に使用することができる。図5は、本発明に係るキ
ャップを弾性体の天面14側から見た平面図であって、
同図中の符号13はキャップの外枠体である。
【0037】〔保護フィルム〕本発明に係るキャップに
おいて、外枠体の天面に設けられる保護フィルムの材質
については、特に限定されるものではなく、従来公知の
この種の保護フィルムと同様なプラスチックフィルムや
ラミネートフィルムを用いることができる。 〔キャップの製造方法〕本発明に係るキャップの製造方
法は特に限定されるものではなく、弾性体と当該弾性体
を挟持する外枠体の形成方法、弾性体の天面または底面
に設けられる薄膜の形成方法、外枠体に取り付けられる
保護フィルムまたはプルオフ方式の蓋の形成方法等は、
いずれも常法に従って行えばよい。
【0038】中でも、図1,3および4に示す実施形態
のものは、例えば外枠体13を樹脂製のものとし、弾性
体12,22と外枠体13とを二色成形により一体成形
するといった方法により製造することができる。また、
図6(a) 〜(c) に示すように、上端が開放された外枠体
82に、弾性体83を挿入し、外枠体82の上端を加熱
金型で内側に加締めて、弾性体83を固定することによ
って本発明のキャップを製造することもできる。
【0039】〔薬剤容器〕本発明の薬剤容器は、前述の
ように、上記本発明に係るキャップをプラスチック製等
の薬剤容器の口部に取り付けたものである。本発明のキ
ャップをプラスチック製薬剤容器の口部に取り付ける方
法は特に限定されるものではなく、本発明のキャップに
おけるプラスチック製の外枠体と、プラスチック製の薬
剤容器の口部とを熱溶着させるなど、従来公知の種々の
方法を採用することができる。
【0040】本発明のキャップにおける外枠体がアルミ
ニウム等の金属の場合には、薬剤容器の口部に前記外枠
体を加締めればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャップの一実施形態を示す断面
図である。
【図2】(a) は図1のA−A矢視図であり、(b) は図1
のB−B矢視図である。
【図3】本発明に係るキャップの他の実施形態を示す断
面図である。
【図4】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す断面図である。
【図5】本発明に係るキャップのさらに他の実施形態を
示す平面図である。
【図6】本発明に係るキャップの製造方法の一例を示す
模式図である。
【符号の説明】
10,18,20 キャップ 11 切込み部 11a 開口部 12,22 弾性体 12t 弾性体の厚さ 13 外枠体 14 天面 15 底面 16 突起部 16h 突起部の高さ 19,27 薄膜 28 窪み 81 口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E084 AA12 AB05 BA03 BA05 CA01 CB02 CB04 CC03 CC08 DA01 DB11 DC03 FA09 FD13 GB08 GB17 KA14 KA15 KB01 LA01 LA03 LA06 LD30

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天面から底面まで貫通した、医療用注入針
    を挿通可能な少なくとも1つの切込みを有する弾性体
    と、 当該弾性体の外縁にて弾性体を挟持する外枠体とを有し
    ており、 前記弾性体の底面における前記切込みの開口部が、下方
    に突き出した突起状に形成されているキャップ。
  2. 【請求項2】下方に突き出した突起部の最大径が、前記
    切込みの最大幅の1.2〜2倍であって、当該突起部の
    高さが、突起部を除いた弾性体の天面から底面までの厚
    さに対して10〜100%である請求項1記載のキャッ
    プ。
  3. 【請求項3】前記弾性体の天面および/または底面に、
    前記切込みの開口部を塞ぐ薄膜が設けられている請求項
    1または2記載のキャップ。
  4. 【請求項4】前記弾性体の天面が、前記切込みの開口部
    において窪み状に形成されている請求項1〜3のいずれ
    かに記載のキャップ。
  5. 【請求項5】口部に請求項1〜4のいずれかに記載のキ
    ャップを取り付けたことを特徴とする薬剤容器。
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